JP2016129145A - リチウム二次電池用正極活物質の前駆体とその製造方法、および該前駆体を用いたリチウム二次電池用正極活物質とその製造方法、並びに該正極活物質を用いたリチウム二次電池 - Google Patents
リチウム二次電池用正極活物質の前駆体とその製造方法、および該前駆体を用いたリチウム二次電池用正極活物質とその製造方法、並びに該正極活物質を用いたリチウム二次電池 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】2価のニッケルイオンとリン酸イオンとの混合溶液を調製する混合溶液調製工程と、アンモニアを添加して、該混合溶液のpHを6〜8の範囲に調整して共沈殿させリン酸ニッケル塩を得る晶析工程とを備える製造方法により前駆体を得て、該前駆体とリチウム塩とを混合した後、250〜800℃で熱処理して、一般式:LixNiyPO4(0.95≦x≦1.05、0.95≦y≦1.05)で表されるリチウムニッケル複合リン酸塩を得る。
【選択図】図1
Description
らに平衡電位が対Liにおいて3.4Vと低いので、電気自動車の動力として用いた場合、エネルギー密度が低く、走行距離が十分に取れない。そのため、より高エネルギー密度の正極活物質の開発が世界中で行われている。
本発明のリチウム二次電池用正極活物質の前駆体の製造方法は、リン酸ニッケル塩からなるリチウム二次電池用正極活物質の前駆体の製造法であって、2価のニッケルイオンとリン酸イオンとの混合溶液を調製する混合溶液調製工程と、アンモニアを添加して、該混合溶液のpHを6〜8の範囲に調整して共沈殿させリン酸ニッケル塩を得る晶析工程とを、備えることを特徴とする。
本発明のリチウム二次電池用正極活物質の前駆体は、上記製造方法によって得られるものであり、ニッケル:リンのモル比が0.90:1〜1.10:1の範囲にあり、かつ窒素を3〜5質量%含有する非晶質の固体状リン酸ニッケル塩であることを特徴とする。
本発明のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法は、リチウム二次電池用正極活物質(以下、単に正極活物質ということがある)の前駆体である上記リン酸ニッケル塩とリチウム塩を下記一般式の組成比となるように混合した後、250〜800℃で熱処理してリチウムニッケル複合リン酸塩、すなわち、リチウム二次電池用正極活物質を得ることを特徴とする。
一般式:LixNiyPO4
(0.95≦x≦1.05、0.95≦y≦1.05)
熱処理工程においては、先ず、上記リン酸ニッケル塩とリチウム塩を混合する。リン酸ニッケル塩とリチウム塩との混合は、リン酸ニッケル塩とリチウム塩を、上記一般式で表されるリチウムニッケル複合リン酸塩が得られるように、混合するものである。得られるリチウムニッケル複合リン酸塩は、混合時の組成が維持される。
本発明の正極活物質は、均一微細な一次粒子で構成された上記一般式で表されるオリビン型リチウムニッケル複合リン酸塩からなるものであり、一次粒子の平均粒径が50〜500nmであり、二次粒子の平均粒径が0.5〜 20μmである。これにより、正極活
物質として用いたときに高い作動電位が得られ、次世代リチウムイオン二次電池用正極活物質として好適である。なお、一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)観察により測定することができ、二次粒子径は、レーザー散乱回折法で測定することができる。
本発明によるリチウム二次電池は、正極、負極、非水電解質など、一般のリチウム二次電池と同様の構成要素から構成される。
正極は、本発明の正極活物質、導電材および結着剤を含んだ正極合材から形成される。
詳しくは、粉末状の正極活物質、導電材を混合し、それに結着剤を加え、必要に応じて、粘度調整などのための溶剤を、さらに添加して、正極合材ペーストを調整し、その正極合材ペーストを、たとえば、アルミニウム箔製の集電体の表面に塗布、乾燥、必要に応じて加圧することにより、シート状の正極を作製する。
このような正極活物質、導電材、および結着剤を混合し、必要に応じて、活性炭、溶剤を添加し、これを混練して正極合材ペーストを調製する。
たとえば、アルミニウムなどの金属箔集電体の表面に、充分に混練した上記の正極合材ペーストを塗布し、乾燥して、溶剤を飛散させ、必要に応じて、その後に、電極密度を高めるべくロールプレスなどにより圧縮することにより、正極をシート状に形成することができる。シート状の正極は、目的とする電池に応じて適当な大きさに裁断などを行い、電池の作製に供することができる。
負極には、金属リチウム、リチウム合金など、また、リチウムイオンを吸蔵および脱離できる負極活物質に結着剤を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状にした負極合材を、銅などの金属箔集電体の表面に、塗布、乾燥し、必要に応じて、電極密度を高めるべく圧縮して、形成したものを使用する。このとき、負極活物質として、たとえば、天然黒鉛、人造黒鉛、フェノール樹脂などの有機化合物焼成体、コークスなどの炭素物質の粉状体を用いることができる。この場合、負極結着剤としては、正極と同様に、ポリフッ化ビニリデンなどの含フッ素樹脂などを、これら負極活物質および結着剤を分散させる溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶剤を用いることができる。
正極と負極の間には、セパレータを挟み装填する。セパレータは、正極と負極とを分離し、電解質を保持するものであり、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの薄い微多孔膜を用いることができる。
非水系電解質は、支持塩としてのリチウム塩を、有機溶媒に溶解したものである。
有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネートなどの環状カーボネート、また、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネートなどの鎖状カーボネート、さらに、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル化合物、エチルメチルスルホン、ブタンスルトンなどの硫黄化合物、リン酸トリエチル、リン酸トリエチル、リン酸トリオクチルなどのリン化合物などから選ばれる1種を単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
(1) 組成の分析
ICP発光分析装置(VARIAN社製、725ES)を用いて、ICP発光分析法で行った。また、窒素については、酸素・窒素分析装置(LECO社製)を用いて、熱伝導度法で行った。
(2) X線回折
粉末X線回折装置(PANalytical社製、X‘Prt PRO)を用いて、得られた正極活物質について、Cu−Kα線による粉末X線回折で測定した。
(3) 比表面積の測定
BET法測定機(ユアサアイオニックス株式会社製 カンタソーブQS−10)を用いて、窒素ガス吸着によるBET法で行った。
(4) 電池容量の評価
得られた正極活物質について、以下の手順でコイン型電池を作製し、電池の作動電位を測定して評価した。
正極活物質に導電材としてアセチレンブラック33質量%、結着材としてポリビニリデンフルオライド(PVDF)17質量%、N−メチルピロリドン(NMP)溶液を添加混合し、上記正極活物質50質量%−導電材33質量%−PVDF17質量%の混合物を得た。
この混合物をアルミ箔上に塗布し、80℃で乾燥後、電極寸法の直径11mmφに打ち抜き、プレス圧98MPa (1.0tonf/cm2)でプレスして電極を作製した。
この電極を正極とし、グローブボックス内で負極として金属Li、電解液として電解質LiPF61モル/Lを含有するエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)の等量混合液(容積比でEC/EMC/DMC=1/1/1)を用いてC2023コイン電池を作製した。
電池の充放電を、充電0.2mA/cm2、5.5V 、休止60分、放電0 .2mA/cm2、2.0V、25℃の条件で実施し、作動電位を確認した。
硫酸ニッケル6水和物(工業用)263g(Niとして1モル)とリン酸(和光社製:純度85.0質量%以上)1モル(115g)を蒸留水1Lに入れ、攪拌機で1hよく攪拌
し、原料溶液(混合溶液)とした。
原料溶液を2Lのセパラブルフラスコに入れ、内部を窒素で置換しながら、攪拌機で攪拌した。30分後、原料溶液に25質量%アンモニア水(和光社製)をpHが7.0〜7.2になるまで滴下した。滴下終了後、セパラブルフラスコを窒素で置換しながら30分撹拌を継続して反応を完全に進行させた。この反応液を吸引濾過で濾過し、水で洗浄して生成した固形物を回収した。回収した固形物を大気雰囲気中120℃で一昼夜乾燥して前駆体を得た。
得られた混合物を電気炉で、窒素ガスを1L/分で炉内をパージしながら、昇温速度10℃/分で700℃まで昇温し、5時間熱処理して正極活物質を得た。
この正極活物質のリチウム:ニッケル:リンの組成比は0.98:1.02:1.00であ
った。SEM観察を行うと、一次粒子径の粒径範囲は100〜500nmにあり、平均粒径は250nmであった。また、比表面積は4.3m2/gであった。
晶析時のpHを5.0〜5.5に制御した以外は、実施例1と同様の方法で前駆体を得た。固液分離後のろ液を化学分析し、リンおよびニッケル成分の収率を算出すると、ニッケルが89%、リンが78%と低い値を示した。また、前駆体中には、溶液から再析出した硫酸ニッケルと思われる異相が大量に混入していた。
晶析時のpHを9.0〜9.2に制御した以外は、実施例1と同様の方法で前駆体を得た固液分離後のろ液は緑色を呈していた。このろ液を化学分析し、リンおよびニッケル成分の収率を算出すると、ニッケルが95%、リンが93%と低い値を示した。アンミン錯体化したため、溶液中にニッケルが残存したと考えられる。
リチウム塩との混合時にLi:Ni:Pの組成比がモル比で1.15:1:1となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法で正極活物質を得た。得られた正極活物質をX線回折分析すると、LiNiPO4以外にNi及びLi3PO4が同定された。過剰に存在するLiがPO4と反応し、異相が生成したものと考えられる。
焼成雰囲気を純酸素雰囲気にした以外は実施例1と同様の方法で正極活物質を得た。得られた正極活物質をX線回折分析すると、LiNiPO4以外にNi2O3が同定された。
原料中のNi2+がNi3+に酸化されたためだと考えられる。
らに平衡電位が対Liにおいて3.4Vと低いので、電気自動車の動力として用いた場合、エネルギー密度が低く、走行距離が十分に取れない。そのため、より高エネルギー密度の正極活物質の開発が世界中で行われている。
ニッケル:リンのモル比が0.90:1〜1.10:1の範囲にあり、かつ窒素を3〜5質量%含有する非晶質の固体状リン酸ニッケル塩であるリチウム二次電池用正極活物質の前駆体を得ることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質の前駆体の製造方法が提供される。
本発明のリチウム二次電池用正極活物質の前駆体の製造方法は、リン酸ニッケル塩からなるリチウム二次電池用正極活物質の前駆体の製造法であって、2価のニッケルイオンとリン酸イオンとの混合溶液を調製する混合溶液調製工程と、アンモニアを添加して、該混合溶液のpHを6〜8の範囲に調整して共沈殿させリン酸ニッケル塩を得る晶析工程とを、備えることを特徴とする。
本発明のリチウム二次電池用正極活物質の前駆体は、上記製造方法によって得られるものであり、ニッケル:リンのモル比が0.90:1〜1.10:1の範囲にあり、かつ窒素を3〜5質量%含有する非晶質の固体状リン酸ニッケル塩であることを特徴とする。
本発明のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法は、リチウム二次電池用正極活物質(以下、単に正極活物質ということがある)の前駆体である上記リン酸ニッケル塩とリチウム塩を下記一般式の組成比となるように混合した後、250〜800℃で熱処理してリチウムニッケル複合リン酸塩、すなわち、リチウム二次電池用正極活物質を得ることを特徴とする。
一般式:LixNiyPO4
(0.95≦x≦1.05、0.95≦y≦1.05)
熱処理工程においては、先ず、上記リン酸ニッケル塩とリチウム塩を混合する。リン酸ニッケル塩とリチウム塩との混合は、リン酸ニッケル塩とリチウム塩を、上記一般式で表されるリチウムニッケル複合リン酸塩が得られるように、混合するものである。得られるリチウムニッケル複合リン酸塩は、混合時の組成が維持される。
本発明の正極活物質は、均一微細な一次粒子で構成された上記一般式で表されるオリビン型リチウムニッケル複合リン酸塩からなるものであり、一次粒子の平均粒径が50〜500nmであり、二次粒子の平均粒径が0.5〜20μmである。これにより、正極活
物質として用いたときに高い作動電位が得られ、次世代リチウムイオン二次電池用正極活物質として好適である。なお、一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)観察により測定することができ、二次粒子径は、レーザー散乱回折法で測定することができる。
本発明によるリチウム二次電池は、正極、負極、非水電解質など、一般のリチウム二次電池と同様の構成要素から構成される。
正極は、本発明の正極活物質、導電材および結着剤を含んだ正極合材から形成される。
詳しくは、粉末状の正極活物質、導電材を混合し、それに結着剤を加え、必要に応じて、粘度調整などのための溶剤を、さらに添加して、正極合材ペーストを調整し、その正極合材ペーストを、たとえば、アルミニウム箔製の集電体の表面に塗布、乾燥、必要に応じて加圧することにより、シート状の正極を作製する。
このような正極活物質、導電材、および結着剤を混合し、必要に応じて、活性炭、溶剤を添加し、これを混練して正極合材ペーストを調製する。
たとえば、アルミニウムなどの金属箔集電体の表面に、充分に混練した上記の正極合材ペーストを塗布し、乾燥して、溶剤を飛散させ、必要に応じて、その後に、電極密度を高めるべくロールプレスなどにより圧縮することにより、正極をシート状に形成することができる。シート状の正極は、目的とする電池に応じて適当な大きさに裁断などを行い、電池の作製に供することができる。
負極には、金属リチウム、リチウム合金など、また、リチウムイオンを吸蔵および脱離できる負極活物質に結着剤を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状にした負極合材を、銅などの金属箔集電体の表面に、塗布、乾燥し、必要に応じて、電極密度を高めるべく圧縮して、形成したものを使用する。このとき、負極活物質として、たとえば、天然黒鉛、人造黒鉛、フェノール樹脂などの有機化合物焼成体、コークスなどの炭素物質の粉状体を用いることができる。この場合、負極結着剤としては、正極と同様に、ポリフッ化ビニリデンなどの含フッ素樹脂などを、これら負極活物質および結着剤を分散させる溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶剤を用いることができる。
正極と負極の間には、セパレータを挟み装填する。セパレータは、正極と負極とを分離し、電解質を保持するものであり、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの薄い微多孔膜を用いることができる。
非水系電解質は、支持塩としてのリチウム塩を、有機溶媒に溶解したものである。
有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネートなどの環状カーボネート、また、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネートなどの鎖状カーボネート、さらに、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル化合物、エチルメチルスルホン、ブタンスルトンなどの硫黄化合物、リン酸トリエチル、リン酸トリエチル、リン酸トリオクチルなどのリン化合物などから選ばれる1種を単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
(1) 組成の分析
ICP発光分析装置(VARIAN社製、725ES)を用いて、ICP発光分析法で行った。また、窒素については、酸素・窒素分析装置(LECO社製)を用いて、熱伝導度法で行った。
(2) X線回折
粉末X線回折装置(PANalytical社製、X‘Prt PRO)を用いて、得られた正極活物質について、Cu−Kα線による粉末X線回折で測定した。
(3) 比表面積の測定
BET法測定機(ユアサアイオニックス株式会社製 カンタソーブQS−10)を用いて、窒素ガス吸着によるBET法で行った。
(4) 電池容量の評価
得られた正極活物質について、以下の手順でコイン型電池を作製し、電池の作動電位を測定して評価した。
正極活物質に導電材としてアセチレンブラック33質量%、結着材としてポリビニリデンフルオライド(PVDF)17質量%、N−メチルピロリドン(NMP)溶液を添加混合し、上記正極活物質50質量%−導電材33質量%−PVDF17質量%の混合物を得た。
この混合物をアルミ箔上に塗布し、80℃で乾燥後、電極寸法の直径11mmφに打ち抜き、プレス圧98MPa (1.0tonf/cm2)でプレスして電極を作製した。
この電極を正極とし、グローブボックス内で負極として金属Li、電解液として電解質LiPF61モル/Lを含有するエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)の等量混合液(容積比でEC/EMC/DMC=1/1/1)を用いてC2023コイン電池を作製した。
電池の充放電を、充電0.2mA/cm2、5.5V 、休止60分、放電0 .2mA/cm2、2.0V、25℃の条件で実施し、作動電位を確認した。
硫酸ニッケル6水和物(工業用)263g(Niとして1モル)とリン酸(和光社製:純度85.0質量%以上)1モル(115g)を蒸留水1Lに入れ、攪拌機で1hよく攪拌
し、原料溶液(混合溶液)とした。
原料溶液を2Lのセパラブルフラスコに入れ、内部を窒素で置換しながら、攪拌機で攪拌した。30分後、原料溶液に25質量%アンモニア水(和光社製)をpHが7.0〜7.2になるまで滴下した。滴下終了後、セパラブルフラスコを窒素で置換しながら30分撹拌を継続して反応を完全に進行させた。この反応液を吸引濾過で濾過し、水で洗浄して生成した固形物を回収した。回収した固形物を大気雰囲気中120℃で一昼夜乾燥して前駆体を得た。
得られた混合物を電気炉で、窒素ガスを1L/分で炉内をパージしながら、昇温速度10℃/分で700℃まで昇温し、5時間熱処理して正極活物質を得た。
この正極活物質のリチウム:ニッケル:リンの組成比は0.98:1.02:1.00であ
った。SEM観察を行うと、一次粒子径の粒径範囲は100〜500nmにあり、平均粒径は250nmであった。また、比表面積は4.3m2/gであった。
晶析時のpHを5.0〜5.5に制御した以外は、実施例1と同様の方法で前駆体を得た。固液分離後のろ液を化学分析し、リンおよびニッケル成分の収率を算出すると、ニッケルが89%、リンが78%と低い値を示した。また、前駆体中には、溶液から再析出した硫酸ニッケルと思われる異相が大量に混入していた。
晶析時のpHを9.0〜9.2に制御した以外は、実施例1と同様の方法で前駆体を得た固液分離後のろ液は緑色を呈していた。このろ液を化学分析し、リンおよびニッケル成分の収率を算出すると、ニッケルが95%、リンが93%と低い値を示した。アンミン錯体化したため、溶液中にニッケルが残存したと考えられる。
リチウム塩との混合時にLi:Ni:Pの組成比がモル比で1.15:1:1となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法で正極活物質を得た。得られた正極活物質をX線回折分析すると、LiNiPO4以外にNi及びLi3PO4が同定された。過剰に存在するLiがPO4と反応し、異相が生成したものと考えられる。
焼成雰囲気を純酸素雰囲気にした以外は実施例1と同様の方法で正極活物質を得た。得られた正極活物質をX線回折分析すると、LiNiPO4以外にNi2O3が同定された。
原料中のNi2+がNi3+に酸化されたためだと考えられる。
Claims (13)
- リン酸ニッケル塩からなるリチウム二次電池用正極活物質の前駆体の製造法であって、 2価のニッケルイオンとリン酸イオンとの混合溶液を調製する混合溶液調製工程と、
アンモニアを添加して、該混合溶液のpHを6〜8の範囲に調整して共沈殿させリン酸ニッケル塩を得る晶析工程とを、
備えることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質の前駆体の製造方法。 - 前記晶析工程において、前記混合溶液を40℃以上に保持すること特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池用正極活物質の前駆体の製造方法。
- 前記混合溶液調製工程において、2価のニッケルイオンの供給原料として、硫酸塩、硝酸塩および塩化物塩からなる群から選択される1種以上の水溶性金属塩を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウム二次電池用正極活物質の前駆体の製造方法。
- 前記混合溶液調製工程において、リン酸イオンの供給原料として、リン酸およびリン酸二水素アンモニウムからなる群から選択される1種以上の水溶性塩を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウム二次電池用正極活物質の前駆体の製造方法。
- 前記晶析工程が非酸化性雰囲気下で行われること特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のリチウム二次電池用正極活物質の前駆体の製造方法。
- 前記晶析工程で得られたリン酸ニッケル塩を洗浄する洗浄工程を、さらに、備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のリチウム二次電池用正極活物質の前駆体の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により得られ、リン酸ニッケル塩からなるリチウム二次電池用正極活物質の前駆体であって、
ニッケル:リンのモル比が0.90:1〜1.10:1の範囲にあり、かつ窒素を3〜5質量%含有する非晶質の固体状リン酸ニッケル塩であることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質の前駆体。 - 請求項7に記載のリチウム二次電池用正極活物質の前駆体とリチウム塩とを一般式:LixNiyPO4(0.95≦x≦1.05、0.95≦y≦1.05)の組成比となるように混合した後、250〜800℃で熱処理して、上記一般式で表されるリチウムニッケル複合リン酸塩を得ることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記熱処理前に、予め、前記前駆体の粉砕を行うことを特徴とする請求項8にリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記リチウム塩が、炭酸リチウム、水酸化リチウム、酢酸リチウムからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする請求項8〜9のいずれかに記載のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
- 一般式:LixNiyPO4(0.95≦x≦1.05、0.95≦y≦1.05)で表されるオリビン型リチウムニッケル複合リン酸塩からなるリチウム二次電池用正極活物質であって、
一次粒子の平均粒径が50〜500nmであり、二次粒子の平均粒径が0.5〜20μmであることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質。 - C2023型コイン電池の正極活物質とした場合、作動電位が5.5V以上であることを特徴とする請求項12に記載のリチウム二次電池用正極活物質。
- 請求項11又は12に記載のリチウム二次電池用正極活物質から構成される正極を具備することを特徴とするリチウム二次電池。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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