以下、実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
図1において、画像形成装置200は、電子写真方式を採用したカラー画像形成装置であり、例えば、4色に対応する画像形成部100Y、100M、100C、100Bkが略水平方向に沿って並設された中間転写タンデム方式の画像形成装置である。画像形成部100Y、100M、100C、100Bkは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及び、ブラック(Bk)に対応する画像形成部である。ただし、色数は4色に限定されるものではなく、また各画像形成部の並び順もこの限りではない。
画像形成部100Y〜100Bkは、それぞれ感光ドラム1a、1b、1c、1d、帯電装置2a、2b、2c、2d、露光装置3a、3b、3c、3d、現像器5a、5b、5c、5d、一次転写ローラ4a、4b、4c、4dを備えている。一次転写ローラ4a、4b、4c、4dと感光ドラム1a、1b、1c、1dとの当接部が、それぞれ一次転写部15a〜15dとなる。感光ドラム1a、1b、1c、1dは、感光体として機能する。現像器5a〜5dには、それぞれ現像器内(現像手段内)のトナーの濃度を検知する濃度検知手段としてのトナー濃度センサ25a、25b、25c、25dが設けられている。また、画像形成部100Y〜100Bkは、それぞれ感光体クリーナ6a、6b、6c、6dを備えている。
現像器5a〜5dには、予め非磁性トナーと磁性キャリアを混合した二成分現像剤が収容されている。従って、トナー濃度センサ25a〜25dとして、例えば、二成分現像剤におけるトナーとキャリアの比によって出力が変化する透磁率センサが使用される。
画像形成部の上部には、中間転写体としての中間転写ベルト7が配置されている。中間転写ベルト7は、無端状のベルトからなり、図1中、矢印A方向に回転駆動される。中間転写ベルト7は、駆動ローラを兼ねる二次転写内ローラ8、テンションローラ9、二次転写上流ローラ10、及び、二次転写下流ローラ11によって回動自在に張架されている。二次転写内ローラ8に対向するように二次転写外ローラ13が配置されており、二次転写内ローラ8と二次転写外ローラ13とのニップ部が二次転写部24となる。また、テンションローラ9と対向するように、転写クリーナ装置12が配置されており、転写クリーナ装置12は、ブレード12aを中間転写ベルト7の表面に当接することによって中間転写ベルト7の表面を清掃する。
中間転写ベルト7の上方には、画像形成部の現像器5a〜5dにそれぞれトナーを補給するトナー収容容器としてのトナーボトル20a、20b、20c、20dが配置されている。
画像形成部100Y〜100Bkの下方には、記録材収納庫16が設けられており、記録材収納庫16には記録材としての用紙Sが収納されている。画像形成装置200には、記録材収納庫16から二次転写部24、及びその下流側に配置された定着装置19、並びに排紙ローラ22を経て排紙トレイ23まで用紙Sを搬送する搬送パスRが設けられている。搬送パスRには、例えば、摩擦分離方式を採用した給紙ローラ17、レジストレーションローラ(レジストローラ)18が配置されている。定着装置19には、図示省略した熱源となるヒータが設けられている。
このような構成の画像形成装置200において、各構成部は、操作部201によって操作される。すなわち、画像形成部100Y〜100Bkでは感光ドラム1a〜1dが回転を開始した後、帯電装置2a〜2dが、それぞれ対応する感光ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電する。次いで、露光装置3a〜3dが画像信号に基づいたレーザ光を回折手段を適宜経由して感光ドラム1a〜1dに照射することによって、感光ドラム1a〜1d上に静電潜像を形成する。感光ドラム1a〜1d上に形成された静電潜像に対し、対応する現像器5a〜5dが、それぞれトナーを供給してトナー画像として顕在化する。各感光ドラム1a〜1dに形成されたトナー画像は、対応する一次転写部15a〜15dにおいて、所定の加圧力および静電的負荷バイアスが与えられて上流側のトナー画像上に順次重畳するようにして中間転写ベルト7上に転写されてカラー画像を形成する。感光ドラム1a〜1dから中間転写ベルト7に転写されずに残ったトナーは感光体クリーナ6a〜6dによって除去される。現像器5a〜5d内のトナー量はトナー濃度センサ25a〜25dによって検知され、トナー量が低下した場合は、それぞれ対応するトナーボトル20a〜20dからトナーが補給される。また、トナー濃度センサ25a〜25dの出力により磁性キャリアに対するトナーの比率が高いと判断された場合は、画像形成処理を一旦停止する。そして、必要に応じて、各感光ドラム1a〜1d上に所定長さの帯状のトナー画像を形成することで、現像器5a〜5d内の余分なトナーを吐き出すトナー吐き出し処理を行う。具体的なトナー補給方法、及び、トナー吐き出し処理については後述する。
中間転写ベルト7上に形成されたカラー画像が二次転写部24に搬送にされるタイミングに合わせて用紙Sが二次転写部24に供給される。すなわち、給紙ローラ17によって送り出された用紙Sは、搬送パスRを通ってレジストローラ18に向けて搬送された後、レジストローラ18において斜行補正や搬送タイミングの調整が行われた後、二次転写部24まで搬送される。二次転写部24まで搬送された用紙Sに対し、二次転写内ローラ8又は二次転写外ローラ13を介して二次転写バイアスが与えられ、中間転写ベルト7上のカラー画像が用紙Sに転写される。中間転写ベルト7から用紙Sに転写されずに中間転写ベルト7に残存した転写残トナーは、クリーニング手段としての転写クリーナ装置12のブレード12aによって掻き取られる。
カラー画像が転写された用紙Sは、定着装置19に搬入され、定着装置19の対向する2つのローラで形成される定着ニップ部を通過する間に所定の圧力と熱量が与えられ、用紙S上のカラー画像が用紙Sに溶融、固着して定着する。カラー画像が定着された用紙Sは、排紙ローラ22を経て排紙トレイ23上に排出される。用紙Sの両面に画像を形成する場合には、用紙Sを図示省略した反転搬送パスに搬送して用紙Sを反転させた後、裏面側に次の画像が転写される。
次に、図1の画像形成装置200における現像剤補給機構(以下、「トナー補給機構」という。)について説明する。トナー補給機構は、現像器5a〜5dにそれぞれ現像剤としてのトナーを補給するものである。トナー補給機構は、画像形成部100Y〜100Bkにそれぞれ対応するように4つ設けられているが、すべて同様の構成である。従って、以下、画像形成部100Yに対応するトナー補給機構を例に、その構造、動作等について詳細に説明する。なお、以下、画像形成部100Yの構成部材であることを示す添え字「a」を省略する場合がある。
トナー補給機構は、画像形成装置200に設けられたボトル装着部、該ボトル装着部に装着されたトナーボトルに回転駆動源の駆動力を伝達する駆動ギヤを備えている。
図2は、図1の画像形成装置200におけるボトル装着部の要部概略図であって、図2(A)は正面図、図2(B)は一部を切欠した斜視図である。
図2において、ボトル装着部は、略円筒状のトナーボトルが嵌合する半円筒状の凹部及びトナーボトルの一部が嵌合する略円形の貫通孔が形成された装着部本体30と、該装着部本体30の貫通孔部分に設けられた駆動ギヤ59とから主として構成されている。駆動ギヤ59は、トナーボトルが矢印Bに沿って装着された際、トナーボトルの従動ギヤと歯合してトナーボトルに駆動力を伝達する。装着部本体30の半円筒状の凹部には、その長さ方向に沿って、トナーボトルの後述する往復動部材の矩形部分と嵌合して該往復動部材の回転を規制する段差状の回転規制部31が設けられている。
図3は、図2のボトル装着部に装着されるトナーボトルの要部概略図であって、図3(A)はトナーボトルのポンプ部が最大限伸張された状態を示す図、図3(B)はトナーボトルのポンプ部が最大限収縮された状態を示す図である。
図3(A)及び(B)において、トナーボトル20は、トナーを収容するトナー収容部41と、該トナー収容部41のトナー排出側に設けられた駆動力入力部44と、該駆動力入力部44と一体に回転する胴部45とを備えている。駆動力入力部44には、その周方向に沿って従動ギヤ43が設けられている。胴部45は、小径部45a及び大径部45bとからなり、小径部45aは、後述するトナー排出部及びポンプ部をカバーする外形部としての往復動部材52に覆われている。従動ギヤ43は、トナーボトル20を駆動するトナーボトル駆動モータ60の駆動力が伝達される駆動ギヤ59と歯合する。駆動ギヤ59及び従動ギヤ43を介してトナーボトル駆動モータ60から駆動力入力部44に対してトナーボトル20を回転させるための駆動力が入力される。
トナー収容部41の内壁面には螺旋状に突出する搬送部42が設けられており、トナー収容部41が回転すると、搬送部42によって、トナー収容部41内のトナーが撹拌され、トナーの排出口48に向けて搬送される。胴部45の大径部45bには、その周方向に沿って、凸状部55aと、平坦部55bとからなる被検出部55が設けられており、被検出部55に対向するように回転検知センサ203が配置されている。被検出部55の凸状部55aは、回転検知フラグ204を介して回転検知センサ203によって検知される。回転検知センサ203は、トナーボトル20の回転状態に応じて所定の信号を出力する出力手段として機能する。
また、胴部45の小径部45aには、周方向に沿って一周に亘って所定の周期で湾曲するカム溝46が設けられている。胴部45に対してトナー収容部41の反対側には、トナー収容部41と連通する空間部としてのトナー排出部47及び該トナー排出部47に連設されたポンプ部50が設けられている。トナー排出部47にはトナーの排出口48が設けられている。排出口48の直径は、例えば、約2[mm]である。トナーボトル20が回転することによって、トナー収容部41内のトナーは、搬送部42によってトナー排出部47まで搬送され、該トナー排出部47に一時的に滞留し、その後、排出口48を経て図示省略した現像器に向けて排出される。
トナー排出部47及びポンプ部50は、略円筒状を呈しており、トナー排出部47、ポンプ部50、及び、胴部45の一部が往復動部材52に覆われている。ポンプ部50は、山折り部と谷折り部が交互に複数形成された蛇腹状のポンプであり、例えば、樹脂製である。ポンプ部50の先端部は往復動部材52に連結されており、往復動部材52の胴部45側端部には、周方向に沿って等間隔に、例えば2つの係合突起52aが形成されており、この係合突起52aはカム溝46に係合している。
往復動部材52と、該往復動部材52の係合突起52aが係合するカム溝46とで、トナーボトル20に入力される回転駆動力の一部を直線駆動力に変換する駆動力変換機構を構成している。すなわち、トナーボトル駆動モータ60からトナーボトル20に入力される回転駆動力によってトナー収容部41と共に胴部45が回転する。胴部45が回転することによって、カム溝46に係合する往復動部材52の係合突起52aが図3中、矢印X方向に往復する直線運動を繰り返す。係合突起52aと共に、往復動部材52が往復動することによって、その先端部に連結されたポンプ部50の端部も矢印X方向に往復動し、これによって、ポンプ部50が伸張(図3(A))及び収縮(図3(B))を繰り返す。
ポンプ部50はトナーの排出口48を介して吸気動作と排気動作を交互に行う吸排気機構として機能する。また、ポンプ部50による吸排気によって、排出口48から流入してトナーボトル20の内部に向かう気流と、トナーボトル20の内部から排出口48を経てトナーボトル20の外部に向かう気流が交互に形成されるので、ポンプ部50は気流発生機構でもある。
トナーボトル20が1回転する間に、往復動部材52は矢印X方向に沿って、例えば2往復し、ポンプ部50は伸張及び収縮を、例えば2回繰り返す。これによって、図示省略した現像器に向かってトナーが間欠的に補給される。トナーボトル20から、現像器に補給されるトナー量はポンプ部50の収縮及び伸張動作の回数によって決まり、回転検知センサ203によって、ポンプ部50の収縮及び伸張動作の回数が検出される。
トナー排出部47は、摺動部を介して胴部45と連結されており、且つ、図示省略した回転規制部材で回転が規制されている。従って、トナー排出部47及びポンプ部50は、往復動部材52と同様、胴部45が回転しても回転しない構造となっている。
次に、画像形成装置200の制御構成について説明する。
図4は、図1の画像形成装置200の制御構成を示すブロック図である。画像形成装置200は、制御基板300を備えている。
図4において、制御基板300は、CPU301、ROM302、RAM303を備えている。CPU301は、ROM302、及び、RAM303と接続されている。また、CPU301は、操作部201、トナーボトル駆動モータ60、現像器駆動モータ605、トナー濃度センサ25、扉開閉検知スイッチ(SW)606、回転検知センサ203と接続されている。
CPU301は、画像形成装置200のシステム制御を行う。ROM302は、後述するフローチャート等、CPU301が制御するプログラムコードや画像形成に関する制御データテーブル等を格納する。RAM303は、プログラムを実行するためのスタック領域や制御変数、可変制御テーブル等を格納する。
操作部201は、ユーザからの画像形成モードの選択やプリント指示、後述するトナーボトル無し表示のような画像形成装置の状態表示を行う。CPU301は、操作部201から操作指示を受け取ると、選択されたモード設定をRAM303に格納し、図示省略した各種負荷を動作させて画像形成動作を行う。
トナーボトル駆動モータ60は、トナーボトル20を回転駆動させるための駆動源であり、CPU301によって駆動される。CPU301がトナーボトル駆動モータ60を駆動するとトナーボトル20は回転駆動し、1ストロークの補給動作(ポンプ部の1ポンピング)によって所定量のトナーを排出する。
現像器駆動モータ605は、現像器5内の駆動部である撹拌スクリュー及び現像スリーブ(共に、図示省略)を駆動するための駆動源である。トナー濃度センサ25は、現像器5内部のトナー濃度を検出するセンサである。トナー濃度センサ25は、コイルのインダクタンスを利用して現像剤の透磁率を検知しており、透磁率が高くなれば、現像器5内のトナーが少ないと判断し、透磁率が低くなれば現像器5内のトナーが多いと判断する。トナー濃度センサ25の出力信号はCPU301に入力され、入力された信号に対してAD変換を行うことによって、CPU301は、現像器5内部のトナー濃度を取得し、トナー補給を行うか否かの判定やトナーボトル20内のトナーの有無の判定を行う。
扉開閉検知SW606は、トナーボトル20を挿抜する際に開閉が必要な扉の開閉状態を検知するセンサである。
回転検知センサ203は、トナーボトル20の回転を検知する。回転検知センサ203の出力は、トナーボトル20が画像形成装置200に装着された状態で回転駆動することによって回転検知フラグ204の状態に応じて変化する構成になっている。従って、CPU301は、回転検知センサ203の出力信号を監視することによってトナーボトルが回転していること、及び、トナーボトルの回転によって補給されるトナー量を検知することができる。回転検知センサ203の詳細な動作については、後ほど詳細に説明する。
このような構成の画像形成装置200において、画像形成装置本体に設けられたトナーボトル駆動モータ60からボトル装着部に装着されたトナーボトル20の駆動力入力部44(図3)に回転駆動力が入力される。回転駆動力が入力されたトナーボトル20のトナー収容部41は、所定方向、例えば、時計方向に回転する。トナー収容部41の回転に伴って、その内壁面に設けられた螺旋状の搬送部42によって該トナー収容部41に収容されたトナーが搬送され、トナー排出部47に流入する。一方、駆動力入力部44に入力された回転駆動力が、駆動力変換機構によって往復駆動力に変換され、該往復駆動力によってポンプ部50が伸張及び圧縮を繰り返す。ポンプ部50の伸張及び圧縮は、トナー収容部41の回転動作に同期して所定の周期で繰り返され、圧縮時に、トナー排出部47内のトナーが排出口48を介して排出され、現像器5に補給される。
ところで、本実施の形態においては、トナーボトル20の回転位相を検出する回転検知センサ203を用いて、画像形成装置200からトナーボトル20が抜き取られたこと及び装着されたこと検出する。このため、トナーボトル20の交換が必要な場合、トナーボトル20を、回転検知センサ203がトナーボトル20の検出部55の凸状部55aを検出して出力“Hi”を出力する状態で停止させる必要がある。以下、回転検知センサ203が出力“Hi”を出力する状態をホームポジション(以下、「HP]という。)という。
次に、図1の画像形成装置を用いたトナーボトル装着確認処理について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図5は、図1の画像形成装置を用いたトナーボトル装着確認処理の手順を示すフローチャートである。このトナーボトル装着確認処理は、画像形成装置200の制御基板300に設けられたCPU301が、ROM302に格納されたトナーボトル装着確認処理プログラムに従って実行する。
図5において、トナーボトル装着確認処理は、画像形成装置200の電源が投入された時、または、ボトル装着部の扉が開けられた時に実行される。
トナーボトル装着確認処理が開始されると、CPU301は、まず、扉開閉検知SW606を監視してトナーボトル装着部の扉が閉められたか否かを検知し、扉が閉められるまで待機する(ステップS601)。
図6は、図1の画像形成装置の斜視図であって、ボトル装着部の扉を示す図である。図6において、画像形成装置200には、ボトル装着部を開閉するための開閉扉600及び開閉扉600の開閉状態を検知する扉開閉検知SW606が設けられている。扉開閉検知SW606は、開閉扉600が閉じられた際、該開閉扉600に設けられた突起部600aによって押圧されて開閉扉600が閉じられたことを検知する。なお、開閉扉600は、ボトル装着部のみを開閉する扉であっても、画像形成装置200の一側面の全体を開閉するように構成された扉であってもよい。
図5に戻り、ステップS601の判定の結果、ボトル装着部の開閉扉600が閉じられている場合(ステップS601で「YES」)、CPU301は回転検知センサ203の出力によってトナーボトル20が装着されているか否か判定する(ステップS602)。
図7は、図3のトナーボトル20に対向する回転検知センサの要部概略図であり、図7(A)は、回転検知センサが被検出部の凸状部55aを検出している状態を示す図である。また、図7(B)は、回転検知センサが被検出部の平坦部55bを検出している状態を示す図である。
図7(A)及び(B)において、トナーボトル20の胴部45の小径部45bに設けられた被検出部55に対向するようにトナーボトル20の回転位相を検出するための回転位相検出部が配置されている。回転位相検出部は、回転検知フラグ204及び回転検知センサ203から主として構成されている。回転検知フラグ204は、トナーボトル20の胴部45が回転することによって該胴部45と共に回転する凸状部55aと接触することによって、回転軸205を中心として図7(A)中、矢印R1方向に揺動する。一方、回転検知フラグ204は、平坦部55bと接触することによって、図7(B)中、矢印R2方向に揺動する。
回転検知センサ203は、発光部と受光部とを有する光センサであり、発光部と受光部との間に遮光物、例えば、回転検知フラグ204が存在すると(図7(A)の状態)、受光部の受光光量が閾値以下となる。この場合、回転検知センサ203は、所定の信号として出力“Hi”を出力する。一方、発光部と受光部との間に遮光物、例えば、回転検知フラグ204が存在しないと(図7(B)の状態)、受光部の受光光量が閾値以上となる。この場合、回転検知センサ203は、所定の信号以外の信号として出力“Low”を出力する。
すなわち、回転検知センサ203の出力は、トナーボトル20の回転に伴って回転検知フラグ204の端部を検出しない“Low”から端部を検出する“Hi”に変化し、“Hi”から“Low”に変化する。
被検出部55の平坦部55bは、ポンプ部50が収縮するタイミング、すなわち、トナーボトル20がトナーを排出するタイミングに同期して設けられており、平坦部55bの終端部がトナーの排出動作の終了時と同期するように構成されている。従って、回転検知センサ203の検出信号が、出力“Low”から出力“Hi”に変化する変化点は、トナーの排出動作の終了時点に同期している。以下、回転検知センサ203の出力が“Low”から“Hi”に変化する変化点を、立ち上がりエッジといい、“Hi”から“Low”に変化する変化点を立下りエッジともいう。
なお、本実施の形態では、ポンプ部50の1ストロークあたり、センサ出力の立ち上がりエッジ、立下りエッジが各々1つのみ存在しており、トナーボトル20の1回転当たりポンプ部50は2ストローク伸縮する。従って、センサ出力の立ち上がりエッジ、及び、立下りエッジは、トナーボトル20の1回転当たり2回あることになる。このようにすれば回転検知センサ203に、トナーボトル20が装着されていることを示すホームポジション検知センサとしての機能を付加させることができる。
すなわち、回転検知センサ203の出力が“H”(ホームポジション)を検出していれば、トナーボトル20が装着されていると判断できる。
回転検知センサ203によって立ち上がりエッジが検出される回数をカウントすることによって、トナーボトル20から現像器5に補給されるトナーの量を求めることができる。すなわち、CPU301は、現像器5に補給すべきトナーの量に応じた回数分、立ち上がりエッジを検出したら、トナーボトル20の回転を停止する。なお、CPU301は、例えば、画像情報(ビデオカウント値)、又は、現像器に設けられたトナー濃度センサ25の検出情報に基づいて現像器5に補給すべきトナー量を算出する。
図8は、トナーボトルのトナー補給動作を説明するためのタイミングチャートである。図8において、時刻t0で、トナーボトル駆動モータ60の駆動が開始されると、トナーボトル20が回転し、時刻t1で、回転検知センサ203の出力がフラグ有りの“Hi”からフラグなしの“Low”に変化する。そして、その後、時刻t2で、“Low”から“Hi”に変化する。このとき、トナーボトル20のポンプ部50は、時刻t0からt1の間に吸気動作を行い、時刻t1からt2の間に、現像器5に向けてトナーを排出する排気動作を行う。そして、トナー排出動作が完了するタイミングT1の後の時刻t2で、回転検知センサ203の出力が“Low”から“Hi”に変化する。このように、回転検知センサ203の出力が、出力“Low”から出力“Hi”に変化する立ち上がりエッジを示す情報は、トナーの排出動作の終了時点に同期している。
従って、この立ち上がりエッジをカウントすることによって、トナー補給時又はトナーボトルをホームポジションで停止させるためのボトル回転時にトナーボトル20から排出され、現像器5に補給されるトナー補給量を定量することができる。
図9は、扉開閉検知SWの出力信号と回転検知センサの出力信号の出力タイミングを示す図である。以下、図9を用いて、画像形成装置200のボトル装着部にトナーボトル20が装着されているか否かを判定する判定操作について説明する。
図9において、トナー補給動作を実行していない場合は、トナーボトル20は、該トナーボトル20の装着の有無を検知するために、回転検知センサ203がフラグ有(出力“Hi”)を出力するホームポジション(HP)で停止されている。また、トナーボトル20がHPで停止している場合は、通常、図9(A)のように、開閉扉600が閉じられ、扉開閉検知SW606は閉を出力している。この状態から、扉開閉検知SW606が開閉扉600の開を検知し、次いで、回転検知センサ203がフラグなし(の出力“Low”)を出力し、さらに、フラグ有り(の“Hi”)を出力する。その後、扉開閉検知SW606が開閉扉600の閉を検出した場合、トナーボトル20が、一旦、抜き取られた後、装着されたと判断できる。
一方、図9(B)のように、開閉扉600が閉から開に変化した状態で、回転検知センサ203の出力がフラグ有(“Hi”)からフラグ無(“Low”)に変化し、その後、開閉扉600が開から閉に変化する。この場合、トナーボトル20が抜き取られたことまでは検知できる。しかしながら、再度装着されたか否かを検知できないまま、開閉扉600が閉められている。このとき、想定されるのは、トナーボトル20が装着されないまま開閉扉600が閉められたか、トナーボトル20のフラグ位置がHPからずれた状態で装着されたことである。
そこで、本実施の形態においては、図9(B)の矢印で示したタイミングT2のポイントで、トナーボトルが装着されているか否かを確認するためのリカバリーモード(後述する図5のステップS603、S604、S614参照)に移行する。具体的には、トナーボトル駆動モータ60を駆動させることでトナーボトル20の回転動作を行い、回転検知センサ203で所定時間内に回転検知フラグ204を検知しなければ、トナーボトル20が装着されていないと判断する。一方、所定時間内に回転検知フラグ204を検知(“H”を出力)すればトナーボトル20が装着されていると判断する。
すなわち、リカバリーモードとは、回転検知センサ203により回転検知フラグ204が検出されるまでトナーボトル駆動モータ60によってトナーボトル20を回転させるモードである。リカバリーモードは、ユーザによってトナーボトル20が交換されたにも関わらず、回転検知フラグ204が回転検知センサ203によって検出されない場合に実行される。また、リカバリーモードは、トナーボトル20が回転を停止した際に、トナーボトル20の回転検知フラグ204が回転検知センサ203によって検出できなかった場合に実行される構成としてもよい。
このように回転検知センサ203がフラグ有(出力“Hi”)を出力するHPでトナーボトル20を停止させ、その後、フラグ無(出力“Low”)で抜き取りを検知し、次いでフラグ有(出力“Hi”)が検知されることで、トナーボトルの装着を検知できる。
ところで、リカバリーモードの実行によってもトナーボトル20が回転するので、トナーボトル20から現像器5に向けてトナーが補給されてしまう。このトナー補給は意図しないものである。従って、リカバリーモードが実行された場合は、当該リカバリーモードの実行によってトナーボトル20から現像器5に補給された余剰トナーに起因する弊害を防止する必要がある。
図5に戻り、ステップS602の判定の結果、トナーボトル20が装着されている場合(ステップS602で「YES」)、CPU301は、本トナーボトル装着確認処理を終了し、例えば、操作部201からのプリント指示を待つ。
一方、ステップS602の判定の結果、トナーボトル20が装着されていない場合(ステップS602で「NO」)、CPU301は、トナーボトル駆動モータ60を駆動させてトナーボトル20を回転させてリカバリーモードに入る(ステップS603)。すなわち、CPU301は、トナーボトル駆動モータ60を駆動させた後、回転検知センサ203の出力を監視してトナーボトル20が装着されているか否か判定する(ステップS604)。このとき、回転検知センサ203の出力が“L”から“H”に変化すればトナーボトル20が装着されていると判定される。ステップS604の判定の結果、トナーボトル20が装着されている場合(ステップS604で「YES」)、CPU301は、トナーボトル駆動モータ60の回転を停止させる(ステップS605)。
次いで、CPU301は、リカバリー動作を実施した回数を記録するためにRAM303が有するカウンター(Cnt)をインクリメントする(ステップS606)。カウンター(Cnt)をインクリメントした後、CPU301は、リカバリー動作に伴って意図せず補給されたトナーが現像器5のトナー供給口に堆積しないよう、現像器駆動モータ605を駆動する(ステップS607)。
次いで、CPU301は、現像器駆動モータ605を駆動させてから所定時間経過したか否かを判定し(ステップS608)、所定時間経過した後、現像器駆動モータ605を停止する(ステップS609)。所定時間とは、所定速度でトナーボトル20を回転させたときに回転検知センサ203の出力が少なくとも1回変化する時間、すなわち、ポンプ部50の1ポンピング動作にかかる時間、またはそれ以上の時間をいう。現像器駆動モータ605を所定時間駆動させることによって、現像器5内の撹拌スクリューが駆動してトナーボトル20から現像器5に供給されたトナーが、現像器5のトナー供給口を経て現像器5の内部まで搬送される。
次いで、CPU301は、トナー濃度センサ25の出力によって現像器5内のトナー濃度が所定値を超えたかを判定する(ステップS610)。
図10は、現像剤として二成分現像剤を用いた場合のトナー濃度センサの出力波形を示す図であり、図10(A)は、現像器内のトナー量が変化しない場合を示す図、図10(B)は、現像器内のトナー量が変化する場合を示す図である。
図10において、トナー濃度センサ25の出力波形は、現像器内の撹拌スクリューの周期によって変化するが、トナー補給がなく、現像器5内のトナー量に変化がない場合、出力の平均値Vave1は一定で、振幅ΔV1も一定である。一方、現像器5内にトナーが補給された時は出力波形が変化し、出力の平均値はVave1からVave2へ変化する。なお、二成分現像剤が使用された場合、出力平均値の変化に基づいて、現像器内のトナーとキャリアとの比を観察することができる。
ステップS610の判定の結果、現像器5内のトナー濃度が所定値を超えた場合(ステップS610で「YES」)、CPU301は、トナー吐き出し帯の長さを決定する(ステップS611)。トナー吐き出し帯の長さを決定した後、CPU301は、トナー吐き出し帯を形成することによってトナー吐き出し動作を実行する(ステップS612)。
トナー吐き出し帯とは、現像器5内のトナー濃度が所定値を超えた場合、感光ドラム1及び中間転写ベルト7上に形成される帯状のベタ画像であり、トナーを意図的に消費させることによって現像器5内のトナー濃度を所定値以下に維持するためのものである。トナー吐き出し帯は、露光装置3からの露光によって感光ドラム1上に潜像が形成され、この潜像を現像器5が現像することによって形成される。感光ドラム1に形成されたトナー吐き出し帯は、中間転写ベルト7に転写され、その後、転写クリーナ装置12のブレード12aによって掻き取られる。トナー吐き出し帯の幅は、感光ドラムの回転軸方向に沿った主走査方向の全幅であり、感光ドラムの回転軸方向に直交する副走査方向の長さは、トナー吐き出し量に応じて適宜に決定される。なお、トナー吐き出し帯を、感光ドラム1に対応して設けられたクリーニング装置で掻き取る構成としてもよい。
図11は、トナー吐き出し帯の長さと、当該トナー吐き出し帯の長さを決定するための条件を対比させた図である。
図11の(A)において、トナー吐き出し帯の長さは、トナーボトル20がボトル装着部に装着されているか否かを判定した判定回数(リカバリー動作回数)、すなわち意図せずに現像器5にトナー補給された回数に応じて決定される。例えば、リカバリー動作が1回の場合、トナー吐き出し帯の長さは、3mmである。また、リカバリー動作が2回の場合、トナー吐き出し帯の長さは、例えば、5mmである。また、リカバリー動作が3回以上の場合、トナー吐き出し帯の長さは、例えば、10mmである。
また、トナー吐き出し帯の長さは、現像器5内のトナー濃度の所定値(D)に対するトナー濃度センサ25の検出結果Tと所定値Dとの差分(ΔT)との比(ΔT/D比)に応じて、決定することもできる。図11(B)において、ΔT/D比が3%以下の場合、トナー吐き出し帯の長さは、例えば、5mmである。また、ΔT/D比が3%よりも大きく5%以下の場合、トナー吐き出し帯の長さは、例えば、10mmである。
図5に戻り、トナー吐き出し動作を実行した後(ステップS612)、CPU301は、ステップS606でインクリメントしたカウンター(Cnt)をクリアし(ステップS613)、その後、本処理を終了する。
一方、ステップS610の判定の結果、トナー濃度センサ25の検出結果が所定値(D)を超えていない場合(ステップS610で「NO」)、CPU301は、トナー吐き出し動作を実行することなく本処理を終了する。
また、ステップS604の判定の結果、トナーボトル20が装着されていない場合(ステップS604で「NO」)、CPU301は、トナーボトル駆動モータ60を駆動させてから所定時間が経過しているか否か判定する。そして、CPU301は、所定時間が経過するまで待機する(ステップS614)。ステップS614の判定の結果、所定時間が経過した場合(ステップS614で「YES」)、トナーボトル20が装着されていないと判断できる。従って、CPU301は、トナーボトル駆動モータ60を停止し(ステップS615)、操作部201(図1)にトナーボトル20が装着されていないことを表示し(ステップS616)、本処理を終了する。
図5の処理によれば、トナーボトル装着部の扉600が閉じられ、かつ、トナーボトル20の装着を確認できない場合(ステップS602で「NO」)、リカバリー動作を実行し、トナーボトル20が装着されているか否か判定する(ステップS604)。そして、トナーボトル20がボトル装着部に装着されていることを検知した場合(ステップS604で「YES」)、現像器5を所定時間駆動させる(ステップS607)。これによって、リカバリー動作によってトナーボトル20から排出されるトナーを現像器5の内部まで搬送し、現像器5のトナー供給口にトナーが堆積すること、またはトナー供給口周辺でトナーが散乱することを防止できる。
また、図5の処理によれば、現像器5内のトナー濃度が所定値を超えた場合に、トナー吐き出し帯を形成してトナー吐き出し動作を実施する(ステップS612)。これによって、現像器5内のトナー濃度が安定し、次回、画像を形成する際の画像濃度を安定させることができる。
本実施の形態において、トナーボトル20から現像器5にトナーを供給する際のトナー供給機構をポンプ部50を適用したポンピング機構として説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、トナーを現像器5に定量的に供給できる機構であればよく、例えば、トナーボトル20に搭載された計量スクリューなどによって実現することもできる。
また、本実施の形態において、トナーボトルの回転検知手段は回転検知フラグ204の動きを検知するものに限定されるものではい。例えば、トナーボトル20の外周部に所定のマークを形成しておき、反射型の光学センサ等で当該マークを検出するように構成しても同様の制御を実現することができる。
また、本実施の形態において、駆動力変換機構としてカム機構を適用した場合について説明したが、駆動力変換機構は、これに限定されるものではなく、同様の作用が得られるものであれば、その構成は特に制限されない。
また、本実施の形態において、現像器5内に、予め非磁性トナーと磁性キャリアを混合した二成分現像剤が収容された場合について説明したが、現像剤として磁性トナー又は非磁性トナーのみからなる一成分現像剤を適用することもできる。この場合、トナー濃度センサ25a〜25dとして、トナーの量によって出力が変化するものが適用される。