JP2016128770A - 熱式流体流量センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】検出部と回路部とを同一基板上に形成した熱式流体流量センサにおいて、検出部の層間絶縁膜に深い凹部を形成し、その上に引っ張り応力を有する絶縁膜を形成することで応力調整を行った場合に、当該絶縁膜にクラック等が生じることに起因して、熱式流体流量センサの信頼性が低下することを防ぐ。
【解決手段】ダイヤフラム部9上において層間絶縁膜に形成した凹部5の側壁に、階段状の段差を設ける。これにより、凹部5を構成する凹部5a、5bのそれぞれの深さを低減し、凹部5の側壁および底面を覆う応力調整用の絶縁膜28の被覆性を向上させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、熱式流体流量センサに関し、特に、発熱抵抗体を用いる熱式流体流量センサに適用して有効な技術に関する。
現在、自動車などの内燃機関の電子制御燃料噴射装置に設けられ吸入空気量を測定する空気流量計が用いられている。そしてこのような空気流量計に用いられる流体流量センサとしては、発熱抵抗体を用いる熱式流体流量センサが、質量空気量を直接検知できることから、主流となってきている。
この中では、半導体を用いた微小電気機械システム(Micro Electro Mechanical Systems:MEMS)技術により製造された熱式空気流量センサ、すなわちエアフローセンサが、製造コストを低減でき、低電力で駆動できることから注目されてきた。
このような熱式流体流量センサとして、発熱抵抗体を含み、流体の流量を検出する流量検出部と、流量検出部の制御などを行う回路部とが、同一の基板上に形成されたものがある。このような場合、流量検出基板と回路基板とを、ワイヤボンディングなどの方法により電気的に接続する必要がないため、部品点数を減らすことができる。
特許文献1(特表2004-518119号公報)には、マイクロメカニカルフローセンサにおいて、半導体基板に測定素子と回路とが集積され、測定素子を、半導体基板の開口部上または凹部上に設けることが記載されている。
特許文献2(特開2012-202786号公報)には、半導体基板上の第1積層膜上に設けられた発熱抵抗体を含む検出部と、半導体基板上に設けられ、発熱抵抗体を制御する制御回路を含む回路部と、を有する熱式流体流量センサが開示されている。
特表2004-518119号公報 特開2012-202786号公報
同一の基板上に形成された流量検出部と回路部とを有する熱式流体流量センサにおいて、流量検出部が圧縮応力を有することがある。このような場合、流量検出部がたわみやすくなるので、流量検出部が破損する虞がある。
一方、流量検出部が引っ張り応力を有する場合には、流量検出部はたわみにくく、流量検出部が破損する虞は少ない。しかし、流量検出部が引っ張り応力を有する場合には、回路部が引っ張り応力を有することがある。このような場合、回路部の特性が変動する問題が生じる。
本発明の前記の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
一実施の形態である熱式流体流量センサは、センサチップのダイヤフラム部上において層間絶縁膜に形成した凹部であって、側壁および底面を応力調整用の絶縁膜に覆われた凹部の側壁に、階段状の段差を設けるものである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
本発明によれば、熱式流体流量センサの信頼性を向上させることができる。
実施の形態1である熱式流体流量センサを示す平面図である。 図1のA−A線における断面図である。 実施の形態1である熱式流体流量センサにおけるセンサチップの断面図である。 実施の形態1である熱式流体流量センサを含む熱式空気流量計の概略図である。 実施の形態1である熱式流体流量センサの製造工程を説明する断面図である。 図5に続く熱式流体流量センサの製造工程中の断面図である。 図6に続く熱式流体流量センサの製造工程中の断面図である。 図7に続く熱式流体流量センサの製造工程中の断面図である。 図8に続く熱式流体流量センサの製造工程中の断面図である。 図9に続く熱式流体流量センサの製造工程中の断面図である。 図10に続く熱式流体流量センサの製造工程中の断面図である。 図11に続く熱式流体流量センサの製造工程中の断面図である。 図12に続く熱式流体流量センサの製造工程中の断面図である。 図13に続く熱式流体流量センサの製造工程中の断面図である。 実施の形態2である熱式流体流量センサの製造工程を説明する断面図である。 図15に続く熱式流体流量センサの製造工程中の断面図である。 図16に続く熱式流体流量センサの製造工程中の断面図である。 図17に続く熱式流体流量センサの製造工程中の断面図である。 図18に続く熱式流体流量センサの製造工程中の断面図である。 図19に続く熱式流体流量センサの製造工程中の断面図である。 実施の形態3である熱式流体流量センサの製造工程を説明する断面図である。 図21に続く熱式流体流量センサの製造工程中の断面図である。 図22に続く熱式流体流量センサの製造工程中の断面図である。 実施の形態4である熱式流体流量センサの製造工程を説明する断面図である。 図24に続く熱式流体流量センサの製造工程中の断面図である。 図25に続く熱式流体流量センサの製造工程中の断面図である。 図26に続く熱式流体流量センサの製造工程中の断面図である。 図27に続く熱式流体流量センサの製造工程中の断面図である。 実施の形態4である熱式流体流量センサを示す平面図である。 比較例である熱式流体流量センサにおけるセンサチップの断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なときを除き、同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
(実施の形態1)
本発明の一実施の形態である熱式流体流量センサを、図面を参照して説明する。本実施の形態の熱式流体流量センサは、発熱抵抗体を用いて流体の流量を検出する熱式流体流量センサである。
<熱式流体流量センサの構造>
以下に、図1〜図4を用いて、本実施の形態の熱式流体流量センサの構造について説明する。図1は、本実施の形態の熱式流体流量センサを示す平面図である。図2は、図1のA−A線における断面図である。図3は、本実施の形態の熱式流体流量センサにおけるセンサチップの断面図である。つまり、図3は図2に示す熱式流体流量センサの要部断面図である。図4は、自動車などの内燃機関の吸気通路に取り付けられた本実施の形態の熱式流体流量センサを含む熱式空気流量計の概略図である。
図1および図2に示すように、熱式流体流量センサ1は、リードフレーム2と、リードフレーム2の上面上に搭載されたセンサチップ52とを有し、リードフレーム2の一部およびセンサチップ52の一部は、モールド樹脂10により覆われている。図1では、モールド樹脂10に覆われた部分の各構造体の輪郭を破線で示している。モールド樹脂10の上面には、空気の流れを阻害しないための空気流路用溝34bが形成されている。
リードフレーム2は、互いに分離している基板搭載部4と複数の外部端子(リード)8とを有している。基板搭載部4は、その上面上にセンサチップ52を搭載する金属板である。外部端子8は、一部がモールド樹脂10から露出しており、センサチップ52に形成された回路と熱式流体流量センサ1の外部とを電気的に接続する役割を有する金属板である。リードフレーム2は、例えば主にCu(銅)を含む合金からなる。
センサチップ52は、底部に半導体基板3(図2参照)を有し、半導体基板3の主面に沿う方向において並ぶ空気流量計測部1Aと回路部1Bとを有している。また、センサチップ52の上面には、外部への入出力用の電極パッド(電極)6が複数形成されており、電極パッド6と外部端子8とはボンディングワイヤ7を介して電気的に接続されている。空気流量計測部1Aは、流体の流量を検出する部分であり、半導体基板3上に形成された発熱抵抗体(ヒータ)と、熱を検出するセンサ(図示しない)とを含んでいる領域である。
空気流量計測部1Aには、センサチップ52の膜厚が薄い領域であるダイヤフラム部9が形成されている。上記ヒータと上記センサとは、平面視においてダイヤフラム部9と重なる位置に並んで形成されている。また、平面視において、上記ヒータ、上記センサおよびダイヤフラム部9は、空気流路用溝34bと重なる位置に配置されている。また、空気流路用溝34bは、上記ヒータと上記センサとが並ぶ方向に延在している。
回路部1Bは、センサチップ52の一部であって、半導体基板3上に、上記ヒータの加熱を制御するMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ、ダイオードおよびメモリなどを形成した部分である。また、回路部1Bには、電極パッド6および外部端子8を介して、外部から電源供給を受け、外部に対する空気流量の出力を行なう回路が形成されている。
図2に示すように、リードフレーム2の一部である基板搭載部4およびセンサチップ52は、空気流量計測部1Aを除きモールド樹脂10により覆われている。また、リードフレーム2の一部である外部端子8は、一方の端部がモールド樹脂10から露出しており、他方の端部がモールド樹脂10により覆われている。モールド樹脂10内において、外部端子8の端部と電極パッド6とはボンディングワイヤ7を介して接続されている。
空気流量計測部1Aでは、半導体基板3の主面側と、当該主面の反対側の裏面側とのそれぞれにおいてモールド樹脂10が開口している。半導体基板3の主面側のモールド樹脂10の凹部と、半導体基板3の裏面側のモールド樹脂10の凹部とは、平面視において重なる位置に形成されている。半導体基板3の主面側および裏面側のモールド樹脂10の凹部のそれぞれの間の領域では、センサチップ52の底部の半導体基板3と、センサチップ52の上部の絶縁膜とがそれぞれ開口しているため、当該領域のセンサチップ52の膜厚は、他の領域のセンサチップ52の膜厚に比べて小さい。
すなわち、空気流量計測部1Aでは半導体基板3の一部が除去されて孔部9a(図3参照)が形成されており、さらに、当該孔部の直上において、センサチップ52の上面に凹部が形成されている。このため、空気流量計測部1Aでは、センサチップ52の厚さが回路部1Bに比べて小さい領域が存在する。
本願では、このようにセンサチップ52が薄膜化されている部分をダイヤフラム部9と呼ぶ。ダイヤフラム部9は、ヒータを含む空気流量計測部1Aの温度が過度に上昇することを防ぐために半導体基板3を開口する孔部を形成した部分である。また、ダイヤフラム部9は、図14を用いて後述するように、空気流量計測部1Aにおけるセンサチップ52の破壊を防ぎ、かつ、空気流量計測部1Aの応力を調整するために、センサチップ52の上部に凹部を形成した部分である。つまり、ここでいうダイヤフラム部(ダイヤフラム、ダイヤフラム構造)とは、当該凹部と孔部9aとの間において、厚さが小さいセンサチップ52の一部を指す。
ここでは、半導体基板3を貫通する当該孔部内に空気を流入させるために、機密防止用の孔として、基板搭載部4を貫通する開口部を形成している。つまり、半導体基板3の裏面側におけるモールド樹脂10の凹部と、基板搭載部4を貫通する開口部と、半導体基板3を貫通する上記孔部と、センサチップ52の上面の凹部と、半導体基板3の主面側のモールド樹脂10の凹部とは、平面視において重なる位置に形成されている。よって、空気流量計測部1Aにおけるモールド樹脂10の裏面側の凹部の直上では、基板搭載部4を貫通する開口部と、半導体基板3の裏面側の孔部9a(図3参照)とがモールド樹脂10から露出している。
上記のように、本実施の形態では、同一の半導体基板3上に、流体の流量を検出する流量検出部と、流量検出部の制御などを行う回路部とが形成されている。これに対し、流体の流量を検出する流量検出部と、流量検出部の制御または外部出力のための流量変換の演算などを行う回路部とを、互いに異なる基板上に形成することが考えられる。このような場合、流量検出部が形成された流量検出基板と、制御回路などが形成された回路基板とを、ワイヤボンディングなどの方法により電気的に接続する必要がある。そのため、部品数が増加し、流量検出基板と回路基板とを組み立てる組立工程後に検査工程を追加して行うことにより、製造工程の工程数が増加し、組立工程において不良が発生することにより歩留まりが低下する虞があり、製造コストが増加する問題が生じる。
これに対し、本実施の形態では、同一基板に空気流量計測部1Aおよび回路部1Bが存在するため、流量検出基板と回路基板とを、ワイヤボンディングなどの方法により電気的に接続する必要がない。よって、部品点数を減らすことができる。
次に、図3を用いてセンサチップ52の構造について説明する。センサチップ52は、例えば単結晶シリコンからなる半導体基板3を有している。半導体基板3の底面は、例えば酸化シリコン膜からなる絶縁膜29により覆われている。回路部1Bにおいて、半導体基板3のアクティブ領域には、半導体基板3の主面から途中深さに亘ってウエル15が形成されている。ウエル15の上面には、半導体基板3の主面から途中深さに亘って複数の拡散層19が形成されている。拡散層19はウエル15よりも形成深さが浅い半導体領域である。ウエル15と拡散層19とは互いに異なる導電型を有している。
ウエル15の上面上、つまりアクティブ領域の半導体基板3の上面上には、ゲート絶縁膜16を介してゲート電極17が形成されている。ゲート絶縁膜16は例えば酸化シリコン膜からなり、ゲート電極17は例えばポリシリコン膜からなる。ゲート絶縁膜16およびゲート電極17は、一対の拡散層の相互間の領域の直上に形成されており、ゲート電極17と、ゲート電極の直下の半導体基板3の主面を挟む一対の拡散層19とは、MOSトランジスタ50を構成している。ゲート電極の直下の半導体基板3の主面を挟む一対の拡散層19のそれぞれはMOSトランジスタ50のソース・ドレイン領域を構成している。一対の拡散層19の相互間の半導体基板3の主面は、MOSトランジスタ50の動作時にチャネルが形成されるチャネル領域である。
図3の回路部1Bには複数のMOSトランジスタ50を示し、他の素子を示していないが、図示していない領域には、メモリまたはダイオードなどの素子が半導体基板3上に形成されている。半導体基板3上に形成された各素子は、各素子間の半導体基板3上に形成された素子分離領域14により分離されている。素子分離領域14は例えば酸化シリコン膜からなり、アクティブ領域と隣り合う領域(フィールド領域)において、半導体基板3の主面から途中深さまで形成されている。素子分離領域14は、回路部1Bの素子同士の間のみならず、空気流量計測部1Aにも形成されている。
空気流量計測部1Aでは、半導体基板3を貫通する孔部9aが形成されていることで、センサチップ52の厚さが薄い部分、つまりダイヤフラム部9が形成されている。孔部9aの直下の絶縁膜29は除去されているため、孔部9aの直上に位置する素子分離領域14の底面は、半導体基板3および絶縁膜29から露出している。
空気流量計測部1Aにおいて、素子分離領域14上には、ヒータ18およびセンサ(図示しない)が形成されている。ヒータ(発熱抵抗体)18およびセンサ(測定素子)は、互いに離間しており、電気的に絶縁されている。ただし、ヒータ18およびセンサは、互いに同じ材料により形成された同層の導電膜からなる。センサは、ヒータ18において発生した熱により温められた空気の温度を検出するものである。センサを用いて温度の検出を行う方式は、例えば熱抵抗式または熱電対式などを用いる。
ヒータ18およびセンサは、半導体基板3の主面に沿う方向であって、図3の奥行き方向、つまり、図1においてA−A線に対し直交する方向において並んで配置されている。ヒータ18は、一対のセンサに挟まれるように配置されている。
ヒータ18、センサおよびMOSトランジスタ50は、半導体基板3および素子分離領域14の上に形成された層間絶縁膜20により覆われている。層間絶縁膜20は、例えば酸化シリコン膜からなる。層間絶縁膜20には複数のコンタクトホール(接続孔)が形成されており、各コンタクトホール内には、例えば主にW(タングステン)を含むコンタクトプラグ21が形成されている。層間絶縁膜20の上面と複数のコンタクトプラグ21のそれぞれの上面とは、同じ高さで平坦化されている。なお、本願でいう高さとは、半導体基板3の特定の位置の主面のから、半導体基板3の主面に対して垂直な方向における距離を指す。
複数のコンタクトプラグ21は、ヒータ18の上面、センサ(図示しない)の上面、拡散層19の上面、またはゲート電極17の上面などにそれぞれ接続されている。
層間絶縁膜20およびコンタクトプラグ21のそれぞれの上には、例えば主にAl(アルミニウム)を含む配線22が複数形成されている。配線22の底部は、コンタクトプラグ21の上面に接続されている。層間絶縁膜20の上面および配線22は、層間絶縁膜20上に形成された層間絶縁膜23により覆われている。層間絶縁膜23は、例えば酸化シリコン膜からなる。
層間絶縁膜23には、複数のコンタクトプラグホールが形成されており、各コンタクトプラグホール内には、例えば主にW(タングステン)を含む複数のコンタクトプラグ51が埋め込まれている。層間絶縁膜23の上面と複数のコンタクトプラグ51のそれぞれの上面とは、同じ高さで平坦化されている。層間絶縁膜23上およびコンタクトプラグ51上には、例えば主にAl(アルミニウム)を含む配線24が複数形成されている。配線24の下面はコンタクトプラグ51の上面に接続されている。配線24は、コンタクトプラグ51、配線22、コンタクトプラグ21を介して、ヒータ18、センサ(図示しない)、ゲート電極17または拡散層19などに接続されている。
層間絶縁膜23上には、配線24を覆うように、例えば酸化シリコン膜からなる絶縁膜25と、例えば窒化シリコン膜からなる絶縁膜である保護膜26とが順に形成されている。一部の配線24は、その上面の一部が絶縁膜25および保護膜26から露出しており、絶縁膜25および保護膜26から露出する配線24の上面は、電極パッド6を構成している。電極パッド6は、配線24の上面にボンディングワイヤを接続する部分である。
絶縁膜25、保護膜26、層間絶縁膜20および素子分離領域14は、内部に圧縮応力を有する膜である。言い換えれば、絶縁膜25、保護膜26、層間絶縁膜20および素子分離領域14は、圧縮側の応力を有する。ここでは絶縁膜25、保護膜26および層間絶縁膜20に圧縮応力を有する膜を用いることで、配線22、24の保護性能および耐湿性を向上させることができる。
空気流量計測部1Aでは、平面視において孔部9aと重なる領域において、保護膜26、絶縁膜25、層間絶縁膜23および20を含む積層膜の上面に凹部5が形成されている。凹部5は、当該積層膜の上面から当該積層膜の途中深さまで達している凹部であり、凹部5の底面は、ヒータ18およびセンサ(図示しない)よりも上に位置している。つまり、凹部5内において、ヒータ18およびセンサ(図示しない)は露出していない。凹部5の深さ、つまり、半導体基板3の主面に対して垂直な方向における、保護膜26の上面から凹部5の底面までの距離は、2.5μm程度である。
凹部5は、複数の凹部5a、5bにより構成されている。凹部5bは凹部5aの直下に形成されており、凹部5aの開口幅は凹部5bの開口幅よりも大きい。つまり、凹部5は、上記積層膜の上面に形成された凹部5aと、凹部5aの底面に形成された凹部5bとを含んでいる。なお、ここでいう開口幅とは、半導体基板3の主面に沿う方向における、各凹部の幅である。
また、凹部5bの側壁は、平面視において凹部5aの側壁と重なっていない。つまり、平面視において、凹部5bは、凹部5aの側壁よりも内側に形成されており、凹部5bの側壁と、凹部5aの側壁とは互いに離間している。したがって、凹部5の側壁には、階段状の段差が形成されている。すなわち、凹部5の開口幅は、凹部5の底部から上方に向かうにつれて、段階的に大きくなっている。ここでは、凹部5aの底面と凹部5bの側壁とからなる段差が、凹部5内に1段形成されている。
凹部5aは、例えば図3に示すように、絶縁膜25を貫通し、層間絶縁膜23の途中深さまで達している。ただし、凹部5aは、絶縁膜25を貫通せず、絶縁膜25の途中深さまで達する凹部であってもよい。凹部5bは、例えば図3に示すように、層間絶縁膜23を貫通し、層間絶縁膜20の途中深さまで達している。ただし、凹部5bは、層間絶縁膜23を貫通せず、層間絶縁膜23の途中深さまで達する凹部であってもよい。
また、凹部5bの底面に、凹部5bよりも開口幅が小さい凹部をさらに設けてもよい。この場合、凹部5の側壁の段差の数が増加し、これにより、凹部5を構成する各凹部の深さが小さくなる。
凹部5の内側における上記積層膜の表面は、絶縁膜28により覆われている。絶縁膜28は引っ張り応力を有する膜であり、例えば窒化シリコン膜からなる。言い換えれば、絶縁膜28は、絶縁膜25、保護膜26、層間絶縁膜20および素子分離領域14に比べて、引っ張り応力側の応力を有している。
絶縁膜28は空気流量計測部1Aにのみ形成されており、回路部1Bには形成されていない。つまり、回路部1Bに形成されたMOSトランジスタ50などの素子は、圧縮応力を有する絶縁膜25および保護膜26に覆われているが、引っ張り応力を有する絶縁膜28には覆われていない。また、空気流量計測部1Aのヒータ18およびセンサは、引っ張り応力を有する絶縁膜28に覆われているが、圧縮応力を有する絶縁膜25および保護膜26には覆われていない。
MOSトランジスタ50などの半導体素子は、引っ張り応力を有する領域に形成されることで、抵抗値が上昇するなどの影響を受ける。このような特性変動を防ぐために、MOSトランジスタ50などの素子を含む回路部1Bは、引っ張り応力を有する絶縁膜28から露出させている。
ここでは、空気流量計測部1Aのダイヤフラム部9が有する応力を引っ張り応力とするために、応力調整用の膜である絶縁膜28を設けている。しかし、絶縁膜28を構成する窒化シリコン膜は低温で形成することから引っ張り応力が小さい膜であるため、圧縮応力を有する層間絶縁膜20、23、絶縁膜25および保護膜26を含む積層膜の最上層である保護膜26上に絶縁膜28を形成することで当該積層膜の応力を引っ張り応力とするためには、非常に膜厚が大きい絶縁膜28を形成する必要がある。
そこで、ここでは当該積層膜の上部の絶縁膜25および保護膜26などを除去し、空気流量計測部1Aに凹部5を形成することで、膜厚が小さい絶縁膜28による空気流量計測部1Aの応力調整を可能としている。ただし、当該積層膜の上面に凹部5を形成して圧縮応力を低減するためには、2.5μm程度の深い凹部5を形成する必要がある。このような凹部5の深さは、図30を用いて後述する比較例におけるカバレッジの問題の原因となる。
なお、保護膜26および絶縁膜28はいずれも窒化シリコン膜からなるが、上記のように保護膜26は圧縮応力を有し、絶縁膜28は引っ張り応力を有する。同じ窒化シリコン膜からなる膜であっても、成膜条件を変更することで、上記のように内部応力の向きを変えることが可能である。
絶縁膜28は、凹部5を完全に埋め込んではいない。つまり、絶縁膜28の膜厚は、凹部5の深さよりも小さい。よって、絶縁膜28は、凹部5aおよび5bのそれぞれの側壁および底面に沿って形成されている。したがって、絶縁膜28の上面には凹部5の表面の形状に沿って凹部が形成されており、当該凹部の側壁には、階段状の段差が形成されている。ここでは、孔部9a、層間絶縁膜20、凹部5a、5bおよび絶縁膜28は、ヒータ18およびセンサ(図示しない)と平面視において重なる位置に形成されている。
なお、ここでは絶縁膜28を、凹部5a、5bのいずれの深さよりも大きい膜厚で形成している。言い換えれば、絶縁膜28の膜厚は、凹部5の側壁に階段状に形成された段差の高さよりも大きい。凹部5の側壁に形成された段は、凹部5aの底面と、凹部5bの側壁とにより構成されている。ここでいう段差の高さとは、半導体基板3の主面に対して垂直な方向において、当該段を構成する凹部5bの側壁の上端から下端までの距離をいう。
言い換えれば、段差の高さとは、例えば、半導体基板3の主面に対して垂直な方向における、当該段の上面である凹部5aの底面から、当該段の下端に位置する凹部5bの底面までの距離をいう。また、段差の高さとは、例えば、半導体基板3の主面に対して垂直な方向における、凹部5の外側の保護膜26の上面から、凹部5aの底面までの距離をいう。つまり、段差の高さとは、所定の段の上面から下端までの高低差をいう。
ここでは、絶縁膜28の膜厚を凹部5a、5bのいずれの深さよりも大きくすることで、絶縁膜28の被覆性を向上させることができる。
絶縁膜28は、センサチップ52の破壊を防ぐために設けられた膜である。空気流量計測部1Aにはダイヤフラム部9が形成されているため、センサチップ52の厚さが小さい。また、層間絶縁膜20および素子分離領域14などが圧縮応力を有することから、センサチップ52の空気流量計測部1Aは全体として圧縮応力を有することが考えられる。この場合、空気流量計測部1Aのセンサチップ52に撓みが生じ、センサチップ52が破損する虞がある。これに対し、引っ張り応力を有する絶縁膜28をダイヤフラム部9上に形成し、センサチップ52の空気流量計測部1Aの全体の引っ張り応力を大きくすることで、センサチップ52が破損することを防ぐことができる。
次に、図4を用いて、自動車などの内燃機関の吸気通路に取り付けられた熱式空気流量計の構造について説明する。図4に示すように、熱式空気流量計は、本実施の形態の熱式流体流量センサである熱式流体流量センサ1と、熱式流体流量センサ1を支持する支持体38と、熱式流体流量センサ1の外部および熱式流体流量センサ1の外部端子8の間を電気的に接続する連結部39とにより構成されている。熱式流体流量センサ1は、筒状の空気通路36の内部にある筒状の副通路37内に配置される。図において矢印で示す吸気空気40は、内燃機関の条件によって、当該矢印で示された空気流の方向、またはこれと逆の方向に流れる。
ここでは、図1に示す空気流量計測部1Aの中央に配置されたヒータ18(図3参照)において生じた熱を、副通路37(図4参照)内で空気が流れる方向に沿う方向においてヒータ18を挟むように配置された一対のセンサ(図示しない)が検出することで、空気の流れる方向および流量を検出することができる。つまり、ヒータ18を発熱させ、副通路37内に空気が流れた際に、上記一対のセンサ同士の間に生じる抵抗値の差などを検出することで、空気流量を算出することができる。このため、センサは、ヒータ18に対して上流側および下流側のそれぞれに配置されている。
ここでは、ヒータ18において生じた熱が、副通路37内を流れる空気を介してセンサに伝わるようにするため、図3に示す凹部5を、ヒータ18およびセンサの直上に形成している。つまり、凹部5は、空気流量の計測精度を高めるために、ヒータ18およびセンサのそれぞれの上の絶縁膜の膜厚を小さくするために設けられたものである。
<本実施の形態の熱式流体流量センサの効果>
本実施の形態の熱式流体流量センサの効果について、図30に示す比較例を用いて説明する。図30は、比較例である熱式流体流量センサのセンサチップを示す断面図である。
図30に示す比較例のセンサチップ53は、空気流量計測部1Aにおいて、層間絶縁膜20、23、絶縁膜25および保護膜26からなる積層膜の上面に開口された凹部30の形状が、図3に示す本実施の形態の凹部5の形状と異なる。また、比較例のセンサチップ53と、本実施の形態のセンサチップ52(図3参照)とでは、絶縁膜28の形状が異なる。これらの点を除いて、比較例のセンサチップ53と本実施の形態のセンサチップ52とは同様の構造を有している。
比較例の凹部30は、上記積層膜の上面から途中深さまで達する凹部であり、その内側においてヒータ18およびセンサ(図示しない)は露出していない。凹部30の深さは、本実施の形態の凹部5(図3参照)と同様であり、例えば2.5μm程度である。本実施の形態と異なり、比較例の凹部30は複数の凹部を包含していないため、凹部30の側壁は、当該側壁の上端から凹部30の底面に亘って直線状に形成されている。このため、凹部30の側壁に段差は形成されていない。
よって、凹部30の深さは、図3に示す凹部5aおよび5bのいずれの深さよりも大きい。つまり、比較例の絶縁膜28は、図3に示す凹部5aおよび5bに比べて深い凹部30の側壁および底面を覆うように形成されている。本願でいう凹部の深さとは、半導体基板3の主面に対して垂直な方向における、凹部の側壁の上端から当該凹部の底面までの距離を指す。
凹部30のように、深い凹部内の側壁および底面を覆うように絶縁膜28を形成する場合、当該側壁および底面を被覆する絶縁膜28が形成されにくくなる。つまり、絶縁膜28によるカバレッジが悪化する。このため、特に凹部30の側壁と底面との境界、つまり角部31の近傍では、絶縁膜28内にボイド32が形成されやすくなる。ボイド32が形成された場合、角部31では局所的に絶縁膜28の膜厚が非常に小さくなる。また、絶縁膜28を埋め込む凹部の深さが深いためにカバレッジが悪化した場合、当該凹部の底の角部に積層された絶縁膜28に応力集中が生じる。
ボイド32が形成され、応力集中が生じている絶縁膜28には、センサチップ53内のヒータ18の使用などにより耐熱ストレスを受けた場合に、クラックが生じる虞がある。クラックが生じた場合には、当該クラックからセンサチップ53内に水分が浸入し、配線などが腐食することによりセンサチップ53が動作不良を起こす問題が生じる。また、クラックがセンサチップ53の内部にまで延びることで、ダイヤフラム部9が破壊される問題が生じる。絶縁膜28においてクラックが発生しやすい理由の一つは、窒化シリコン膜のように、引っ張り応力を有する膜が温度変化に対して伸縮しやすい性質を有することにある。
これに対し、本実施の形態の熱式流体流量センサでは、図3に示すように、絶縁膜28を埋め込む凹部5の側壁に段差を設けることで、絶縁膜28の被覆性を向上させている。すなわち、本実施の形態では、凹部5を、比較例の凹部30よりも深さが小さい凹部5aおよび5bにより構成し、これにより凹部5内の側壁に段差を形成している。比較例に比べて、本実施の形態では絶縁膜28により覆う各凹部の深さが小さいため、凹部5a、5bそれぞれの側壁および底面を覆う絶縁膜28のカバレッジを比較例に比べて向上させることができる。
これにより、凹部5aの側壁と底面との境界の角部、および、凹部5bの側壁と底面との境界の角部のそれぞれの近傍の絶縁膜28の膜厚が小さくなることを防ぐことができるため、それらの角部近傍の絶縁膜28にボイドが生じることを防ぐことができる。また、凹部5a、5bのそれぞれの底面の角部における絶縁膜28のカバレッジを向上させることで、それらの角部における絶縁膜28の応力集中を防ぐことができる。
これにより、絶縁膜28の被覆性を向上させ、応力集中を防ぐことで、センサチップ52における耐熱ストレスによるクラックの発生防止およびセンサチップ52の耐湿性の向上を実現することができる。したがって、熱式流体流量センサの信頼性を向上させることができる。
<熱式流体流量センサの製造工程>
次に、本実施の形態における熱式流体流量センサの製造方法を、図5〜図14を用いて工程順に説明する。図5〜14は、本実施の形態の熱式流体流量センサの製造工程中の断面図である。図5〜図12では、図3と同様に、空気流量計測部1Aおよび回路部1Bを有する半導体基板を示す。
まず、図5に示すように、単結晶Siからなる半導体基板3を用意する。続いて、半導体基板3の上面に高温の炉体を用いて熱酸化処理を施すことで、酸化シリコン膜12を形成する。続いて、例えば低圧熱CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて、酸化シリコン膜12上に窒化シリコン膜13を形成する。このとき、酸化シリコン膜12および窒化シリコン膜13は、半導体基板3の上面側のみならず裏面側にも形成される。
続いて、フォトリソグラフィ法およびエッチング法を用いて窒化シリコン膜13および酸化シリコン膜12をパターニングする。これにより、回路部1Bの一部を除いて、酸化シリコン膜12および窒化シリコン膜13を除去する。その後、上記パターニングにより酸化シリコン膜12および窒化シリコン膜13が除去された部分において露出する半導体基板3の上面を高温で熱酸化することで、素子分離のための厚い酸化シリコン膜からなる素子分離領域14を形成する。素子分離領域14は、空気流量計測部1Aの半導体基板3上の全面を覆い、また、回路部1Bの半導体基板3の上面の一部を覆うように形成される。素子分離領域14の膜厚は200〜500nm程度であり、圧縮応力を有している。
ここで形成する素子分離領域14は、例えばLOCOS(Local Oxidization of Silicon)構造を有している。ただし、これに限らず、素子分離領域14はSTI(Shallow Trench Isolation)構造を有していてもよい。
次に、図6に示すように、素子分離領域14の形成用マスクとして用いた酸化シリコン膜12および窒化シリコン膜13を除去した後、回路部1Bにおいて素子分離領域14から露出する半導体基板3、つまりアクティブ領域の半導体基板3に、P(リン)、B(ホウ素)、またはAs(ヒ素)をイオン注入法などにより打ち込むことで、ウエル15を形成する。例えばここではP型の不純物(例えばB(ホウ素))を打ち込むことで、P型のウエル15を形成する。その後、熱酸化処理を行うことで、アクティブ領域の半導体基板3の主面上に、酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜16を形成する。続いて、例えばCVD法を用いて素子分離領域14上およびゲート絶縁膜上にポリシリコン膜を形成する。
続いて、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いて、当該ポリシリコン膜をパターニングする。当該パターニングにより、回路部1Bの半導体基板3上にゲート絶縁膜16を介して、当該ポリシリコン膜からなるゲート電極17を形成する。また、当該パターニングにより、空気流量計測部1Aの素子分離領域14上に当該ポリシリコン膜からなるヒータ18およびセンサ(図示しない)を形成する。したがって、ヒータ18およびセンサは同じ材料からなる。ゲート絶縁膜16の膜厚は、回路部1Bに形成する回路の特性により異なるが、例えば5〜50nm程度であり、ゲート電極17、ヒータ18およびセンサの膜厚は例えば100〜300nm程度である。
その後、回路部1Bのアクティブ領域における半導体基板3の主面に、P(リン)、B(ホウ素)、またはAs(ヒ素)をイオン注入法などにより打ち込むことで、ソース、ドレイン領域を構成する拡散層19を形成する。ここでは、例えばN型の不純物(P(リン)またはAs(ヒ素))を打ち込むことで、ウエル15に比べて不純物濃度が高いN型の拡散層19を形成する。拡散層19は、自己整合的にゲート電極17の横の半導体基板3の主面に形成される。これにより、ゲート電極17と、ソース・ドレイン領域である一対の拡散層19とを含むMOSトランジスタ50を形成する。
なお、回路特性により特性の異なるMOSトランジスタ50を形成する場合は、イオン注入法の種類および注入量、ゲート絶縁膜の膜厚、ゲート電極材料を変更し、MOSトランジスタ50の製造工程を繰り返して各特性に合わせたトランジスタを形成する。
次に、図7に示すように、例えばCVD法を用いて、半導体基板3上に、層間絶縁膜20を厚く形成する。層間絶縁膜20は、ゲート電極17、ヒータ18およびセンサよりも大きい膜厚を有する。これにより、素子分離領域14、MOSトランジスタ50、ヒータ18およびセンサ(図示しない)は、層間絶縁膜20により覆われる。続いて、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法またはエッチバック法を用いて層間絶縁膜20の上面の平坦化を行なう。層間絶縁膜20は、B(ホウ素)またはP(リン)を含む酸化シリコン膜、プラズマCVD法を用いた酸化シリコン膜、または、TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)を原料としプラズマを用いた低温CVD法により形成した酸化シリコン膜からなる。
上記平坦化工程の後、回路部1Bのゲート電極17、拡散層19、ヒータ18およびセンサに接続するための複数のコンタクト孔を層間絶縁膜20に形成する。その後、スパッタリング法またはCVD法により形成した窒化チタン(TiN)膜、および、CVD法により形成したタングステン(W)膜を順に積層することで、上記複数のコンタクト孔内に当該窒化チタン膜および当該タングステン膜からなる積層構造を有する金属膜を埋め込む。続いて、コンタクト孔内以外の領域に形成された当該金属膜を、エッチバック法またはCMP法により除去することで、複数のコンタクトプラグ21を形成する。
続いて、第1層目の配線である配線22を形成する。すなわち、層間絶縁膜20上に、例えば厚さ400〜800nm程度のAl(アルミニウム)合金膜の積層膜を形成した後、フォトリソグラフィ法と、ドライエッチング法またはウェットエッチング法とを用いて、Al合金膜をパターニングすることで、配線22を形成する。
なお、コンタクトプラグ21と配線22との接触を良好にするため、上記Al合金膜の形成前にAr(アルゴン)ガスによるスパッタエッチングを行ってもよい。さらに、その接触を確実なものとするため、TiN膜などのバリア金属膜をAl合金の形成前にコンタクトプラグ21上に形成して、バリア金属膜とAl合金膜との積層膜を形成し、当該積層膜をパターニングすることにより配線22を形成してもよい。さらに、Al合金膜上にTiN膜を形成し、Al合金膜および当該Al合金膜上のTiN膜を含む積層膜をパターニングして配線22を形成してもよい。
上記バリア金属膜の厚さは、200nm以下であることが望ましい。また、バリア金属膜の材料としてTiN膜を挙げたが、TiW(チタンタングステン)膜、Ti(チタン)膜またはこれらの積層膜を用いてもよい。なお、ここでいう上記Al合金膜とは、Si(シリコン)またはCu(銅)を数%以下含むものを指す。
次に、図8に示すように、層間絶縁膜20上および配線22上に層間絶縁膜23を形成することで、配線22を層間絶縁膜23により覆う。層間絶縁膜23は、例えばCVD法またはTEOSを原料としプラズマを用いた低温CVD法により形成した酸化シリコン膜からなる。層間絶縁膜23の膜厚は、例えば500〜1000nm程度である。
続いて、層間絶縁膜23を貫通する複数のコンタクトホール(接続孔)を、フォトリソグラフィ法と、ドライエッチング法またはウェットエッチング法とを用いて形成した後、上記コンタクトプラグ21と同様にして、配線22上の複数のコンタクトホールのそれぞれの内側にコンタクトプラグ51を形成する。
続いて、回路部1Bの回路と、空気流量計測部1Aのヒータ18もしくはセンサとの電気的接続、または、後に形成するセンサチップと外部との間の電気的接続に用いられる第2層目の配線である配線24を複数形成する。配線24は例えば厚さ400〜1000nm程度のAl合金膜の積層膜からなる。なお、配線24は、配線22と同様の方法で形成する。コンタクトプラグ21、51、配線22および24は回路部1Bに形成されており、空気流量計測部1Aには形成されていない。
続いて、層間絶縁膜23上および配線24上に、絶縁膜25を形成することで、配線24を絶縁膜25により覆う。絶縁膜25は、例えばCVD法またはTEOSを原料としプラズマを用いた低温CVD法により形成した酸化シリコン膜からなる。絶縁膜25の膜厚は、例えば300〜1000nm程度である。
続いて、絶縁膜25上に保護膜26を形成する。保護膜26は、例えばプラズマを用いた低温CVD法により形成したプラズマ窒化シリコン膜からなり、圧縮応力を有する。保護膜26は、後の工程でのモールド樹脂成型時のフィラーに起因するトランジスタおよびモールド樹脂の熱応力による配線へのダメージを抑え、かつ外部からの水分透過による配線の腐食防止のため、600〜1000nm程度の膜厚で形成する。なお、絶縁膜25を形成した後、絶縁膜25の上面をCMP法により平坦化してもよい。このように平坦化を行えば、絶縁膜25上に形成する保護膜26に凹凸が発生しにくくなるため、保護膜26の機械強度が増す。なお、上記フィラーには、酸化シリコンを含む粉末が用いられる。
次に、図9に示すように、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いてパターニングを行うことで、保護膜26および絶縁膜25からなる積層膜の一部を開口する。これにより、配線24の上面の一部を露出させる。当該パターニング工程により露出した部分の配線24は、センサチップ52の外部との接続のための電極パッド6として用いられる。このパターニング工程では、ダイヤフラム部9を含む空気流量計測部1Aにおいても、圧縮応力を有する絶縁膜25および保護膜26をドライエッチングにより開口する。これにより、空気流量計測部1Aの絶縁膜25および保護膜26を含む積層膜の上面に、1段目の凹部5aを形成する。ここでは、凹部5aの底面は層間絶縁膜23の途中深さまで達している。ただし、凹部5aの深さは絶縁膜25の途中深さまでであってもよい。
次に、図10に示すように、空気流量計測部1Aに形成した凹部5aの底面の一部である層間絶縁膜23を、フォトリソグラフィ法とドライエッチング法とを用いて開口することで、2段目の凹部5bを形成する。これにより、凹部5aおよび5bを有する凹部であって、側壁に階段状の段差を有する凹部5を形成する。ここでは、凹部5bの底面は層間絶縁膜20の途中深さまで達している。ただし、凹部5bの深さは層間絶縁膜23の途中深さまでであってもよい。凹部5bの底面、つまり凹部5の底面は、ヒータ18およびセンサ(図示しない)のそれぞれの上面には達していない。
次に、図11に示すように、空気流量計測部1Aにおいて層間絶縁膜20、23、絶縁膜25および保護膜26を含む積層絶縁膜上に形成され、凹部5内の側壁および底面を覆う絶縁膜28を形成する。絶縁膜28は、例えばプラズマを用いた低温CVD法により形成した窒化シリコン膜からなり、150MPaの引っ張り応力を有する。絶縁膜28は、空気流量計測部1Aにおいて後の工程で形成するダイヤフラム部の応力が引っ張り応力となるようにするため、800〜2000nmの膜厚で形成する。続いて、フォトリソグラフィ法およびエッチング法を用いて絶縁膜28をパターニングすることで、回路部1Bの上記積層絶縁膜を露出し、空気流量計測部1Aの上記積層絶縁膜を覆うパターンを形成する。
上記パターニング工程では、平面視において、後述するダイヤフラム部と重なる領域に絶縁膜28を残す。また、当該ダイヤフラム部よりも、平面視における面積が大きくなるように、絶縁膜28を残す。ただし、MOSトランジスタ50などの半導体素子は、引っ張り応力を有する領域に形成されることで特性が変動する。このような特性変動を防ぐため、上記パターニング工程では、MOSトランジスタ50などの素子を含む回路部1Bの絶縁膜28を除去する。
絶縁膜28は、下地の凹部5の側壁および底面に沿って形成される。つまり、絶縁膜28は、凹部5aの側壁、凹部5aの底面、凹部5bの側壁、および凹部5bの底面に沿って形成される。このため、絶縁膜28は凹部5の側壁に沿って階段状に形成される。また、絶縁膜28の上面には凹部が形成され、当該凹部の側壁には段差が形成される。ここでは、絶縁膜28を凹部5a、5bのいずれの深さよりも大きい膜厚で形成している。凹部5a、5bの深さは、絶縁膜28の被覆性を考慮した場合、それぞれ1.5μm以下が望ましく、凹部5の深さは約3μmである。
次に、図12に示すように、半導体基板3の主面の反対側の裏面を覆う絶縁膜29を形成する。絶縁膜29は、例えばTEOSを原料としプラズマを用いた低温CVD法により形成した酸化シリコン膜、または、プラズマを用いた低温CVD法により形成した窒化シリコン膜からなる。その後、フォトリソグラフィ法によりレジストパターンを形成し、当該レジストパターンをマスクとしてドライエッチングまたはウェットエッチングを行うことで、空気流量計測部1Aの絶縁膜29の一部を除去する。これにより、空気流量計測部1Aの半導体基板3の裏面の一部が露出する。このエッチング工程では、凹部5bの底面の直下の絶縁膜29を除去する。
続いて、残された絶縁膜29をマスクとしてウェットエッチングを行うことで、半導体基板3の一部を除去し、これにより半導体基板3を貫通する孔部9aを形成する。これにより、空気流量計測部1Aにダイヤフラム部9を形成する。当該ウェットエッチングは、KOH(水酸化カリウム)またはTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)等、またはこれらを主成分とする水溶液を薬液として用いて行うものである。以上の工程により、空気流量計測部1Aにおいて裏面に開口部を有する半導体基板3と、MOSトランジスタ50などを含む回路と、ヒータ18およびセンサ(図示しない)と、ヒータ18およびセンサ(図示しない)の直上において積層絶縁膜に形成された凹部5と、凹部5を覆う絶縁膜28と、を含むセンサチップ52を形成する。
孔部9a内において露出する素子分離領域14の下面の面積は、少なくとも平面視における絶縁膜28の面積より小さい。絶縁膜29は、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の積層膜により形成してもよい。また、絶縁膜28を形成するために行う上記パターニングが終了した段階で、KOH液などに十分耐えうる膜が半導体基板3の裏面に残っている場合は、絶縁膜29の形成工程を省略してもよい。また、孔部9aの開口幅は、孔部9aをウェットエッチングにより形成した場合、半導体基板3の主面側よりも、半導体基板3の裏面側が大きくなる。また、孔部9aの形成工程では、ドライエッチング法を用いてもよい。
ここでは、ヒータ18およびセンサをゲート電極17と同じポリシリコン膜を用いて形成することについて説明した。これに対し、ヒータ18およびセンサをゲート電極17とは異なる膜により形成してもよい。このとき、ヒータ18およびセンサとゲート電極17とは、違う高さの層に形成されても構わない。
ヒータ18およびセンサの材料としては、α-Ta(アルファタンタル)、Ti(チタン)、W(タングステン)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Fe(鉄)、Nb(ニオブ)、Hf(ハフニウム)、Cr(クロム)、またはZr(ジルコニウム)を主成分とする金属膜を用いることができる。また、ヒータ18およびセンサの材料としては、TaN(窒化タンタル)、MoN(窒化モリブデン)、またはWN(窒化タングステン)などの金属窒化化合物を用いることができる。また、ヒータ18およびセンサの材料としては、MoSi(モリブデンシリサイド)、CoSi(コバルトシリサイド)、NiSi(ニッケルシリサイド)などの金属シリサイド化合物を用いてもよい。
また、上述した各種の材料からなる導電膜を連続で形成して積層することで、積層膜からなるヒータ18およびセンサを形成してもよい。また、上述した各種の材料からなる複数の導電膜を、互いに異なる高さに離間させて配置し、それらの導電膜を、コンタクトプラグを介して接続することで、多層構造を有するヒータ18およびセンサを形成してもよい。
ここでは、配線22および24を含む2層の配線層を形成することについて説明したが、配線の積層数は3層以上であっても良い。そのように配線層を3層以上形成する場合、凹部5を構成する凹部の数を増やすことで、凹部5の側壁の段差を増やしても良い。このとき、凹部5を構成する各凹部の深さは1.5μmを超えないようにする。
ここでは、絶縁膜28の上面のうち最も低い位置の面、つまり、絶縁膜28の上面に形成された凹部の底面は、半導体基板3の主面に沿う方向において幅IP1を有する。また、当該底面の端部から、絶縁膜28の保護膜26上における終端部までの最短距離は、半導体基板3の主面に沿う方向において幅IP2を有する。ここで、幅IP1は、幅IP2よりも大きい。
これは、ダイヤフラム部9直上の絶縁膜28よりも、その横の絶縁膜28の幅が大きくなることで、ダイヤフラム部9の近傍の引っ張り応力が過度に大きくなり、センサチップ52が破壊される虞があるためである。よって、ここでは、ダイヤフラム部9の横の領域における絶縁膜28の幅を小さくしている。
次に、図13に示すように、図12に示すセンサチップ52を、リードフレーム2である基板搭載部4の上面に搭載して固定し、ワイヤボンディングを行うことで、リードフレーム2である外部端子8と、センサチップ52の電極パッド6とを接続する。これにより、センサチップ52と外部端子8とは、ボンディングワイヤ7を介して電気的に接続される。リードフレーム2である基板搭載部4は、ダイヤフラム部9の直下の位置において開口している。
次に、図14に示すように、センサチップ52を搭載したリードフレーム2をモールド成型用の金型35内に配置し、モールド樹脂流入口33から樹脂(図示しない)を充填する。このとき、形成するモールド樹脂が、空気流量計測部において空気の流れを乱さないように、空気流量計測部のモールド樹脂には溝を形成する。このため、センサチップ52の上方に配置する金型35の一部であって、絶縁膜28と対向する位置に形成された空気流路用凸部34をセンサチップ52に接触させ、モールド樹脂が絶縁膜28の上面の凹部に流れ込まないようにする。
特に、ダイヤフラム部9の上面、つまり絶縁膜28の上記凹部の底面に、モールド樹脂が付着すると流量計測が正常に行えなくなるため、当該凹部の横の絶縁膜28の最上面と空気流路用凸部34の底面とを密着させ、当該凹部内にモールド樹脂が浸入することを防ぐ。また、ダイヤフラム部9の直上の絶縁膜28と直接空気流路用凸部34とが接触すると、ダイヤフラム部9が破損する虞があるため、ダイヤフラム部9の応力調整も兼ねて、圧縮応力を有する層間絶縁膜23および絶縁膜25を除去した凹部5を形成している。これにより、上記凹部の下の絶縁膜28と直接空気流路用凸部34との接触を防いでいる。また、凹部5の底部では、ダイヤフラム部9が有する応力が引っ張り応力になるように、さらに層間絶縁膜20を除去してもよい。
したがって、空気流路用凸部34は、絶縁膜28の上面の凹部の側壁および底面と接触していない。つまり、絶縁膜28はダイヤフラム部9の外側で空気流路用凸部34と接触している。また、空気流路用凸部34の押し込みが強く、絶縁膜28にクラックが入った場合においても、吸湿による配線22、24の腐食を防止するためには、空気流路用凸部34がセンサチップ52と接触する箇所の下において、絶縁膜28の端部と保護膜26とが積層されていることが重要である。
また、絶縁膜28と空気流路用凸部34との密着を確かなものとするため、空気流路用凸部34の下にも金型35の一部である凸部34aを設けている。つまり、センサチップ52の裏面側の金型35には、センサチップ52側に突出する凸部34aが設けられており、凸部34aの上面はリードフレーム2である基板搭載部4の裏面に接触している。凸部34aの上面は、孔部9aの下の基板搭載部4の開口部を塞いでいる。このため、モールド樹脂は孔部9a内に流入しない。
次に、上記のモールド樹脂の充填工程の後、固まったモールド樹脂10およびセンサチップ52を含む熱式流体流量センサ1を金型35から取り出す(図2参照)。これにより、本実施の形態の熱式流体流量センサである熱式流体流量センサ1(図2参照)を形成する。熱式流体流量センサ1は、図4を用いて説明したように、自動車などの内燃機関の吸気通路に取り付けて使用する。
<本実施の形態の熱式流体流量センサの製造方法の効果>
本実施の形態の熱式流体流量センサの製造方法は、図3および図30を用いて上述した効果と同様の効果を奏する。
つまり、図12に示すように、回路部1Bでは、引っ張り応力を有する絶縁膜28を形成せず、圧縮応力を有する保護膜26を形成することで、MOSトランジスタ50などの素子の特性変化を防ぎつつ、配線22、24の保護および耐湿性の向上を実現する。
また、本実施の形態では、図12に示すように、絶縁膜28を埋め込む凹部5の側壁に段差を設けることで、絶縁膜28の被覆性を向上させている。ここでは、図9および図10を用いて説明したように、凹部5aおよび5bからなる凹部5を形成し、これにより凹部5内の側壁に段差を形成している。つまり、複数の開口工程を行うことで、側壁に階段状の段差を有する凹部5を形成する。
これにより、絶縁膜28により覆う各凹部の深さを小さくすることで、凹部5a、5bそれぞれの角部にボイドが生じることを防ぐことができる。また、凹部5a、5bのそれぞれの底面の角部における絶縁膜28のカバレッジを向上させることで、それらの角部における絶縁膜28の応力集中を防ぐことができる。よって、センサチップ52における耐熱ストレスによるクラックの発生防止とセンサチップ52の耐湿性の向上とを実現することができる。したがって、同一基板上に流量検出部と制御回路部とを有する熱式流体流量センサの信頼性を向上させることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態に係る熱式流体流量センサは、前記実施の形態1のものと比較して、空気流量計測部において積層絶縁膜の上面に凹部を形成する際に、Al配線と同層の金属膜をストッパとして用いている点で異なる。
以下に、本実施の形態の熱式流体流量センサの製造方法を、図15〜図20を用いて説明する。図15〜図20は、本実施の形態の熱式流体流量センサの製造工程中の断面図である。図15〜図20に示す半導体基板3は、図5〜図12と同様に、半導体基板3の主面に沿う方向において並ぶ空気流量計測部1Aと回路部1Bとを有している。
まず、図15に示すように、図5〜図8を用いて説明した工程とほぼ同様の工程を行うことで、半導体基板3上に素子分離領域14、ヒータ18、センサ(図示しない)、MOSトランジスタ50、配線22、24、層間絶縁膜20、23、絶縁膜25および保護膜26などを形成する。ただし、前記実施の形態1と異なり、ここでは図7を用いて説明した配線22の形成工程において、層間絶縁膜20上の金属膜を加工して配線22を形成する際、素子分離領域14の当該金属膜を加工することで、当該金属膜からなるストッパ膜41を形成する。
その後は、前記実施の形態1と同様に層間絶縁膜23、コンタクトプラグ51、配線24、絶縁膜25および保護膜26を形成する。これにより、空気流量計測部1Aの層間絶縁膜20上には、層間絶縁膜23、絶縁膜25および保護膜26に覆われたストッパ膜41が残る。ストッパ膜41は、ヒータ18およびセンサのそれぞれの直上に形成されている。
次に、図16に示すように、図9を用いて説明した工程と同様にして、空気流量計測部1Aの層間絶縁膜23、絶縁膜25および保護膜26を含む積層絶縁膜の上面に凹部5aを形成する。ここでは、凹部5aをストッパ膜41の直上に形成する。また、ここでは電極パッド6を絶縁膜25および保護膜26から露出させる。
次に、図17に示すように、図10を用いて説明した工程と同様の工程を行うことで、凹部5aの底面に凹部5bを形成する。ただし、凹部5bを形成するドライエッチングは、ストッパ膜41の上面で止まる。つまり、ストッパ膜41は、層間絶縁膜23を一部除去するドライエッチングに用いる反応ガスに対して耐性がある。言い換えれば、ストッパ膜41は、層間絶縁膜23を一部除去する当該反応ガスに対する加工選択比が高い。よって、ストッパ膜41は除去されないため、オーバーエッチングにより、凹部5bが過度に深くなることを防ぐことができる。
なお、ストッパ膜41を別の高さの層に形成してもよい。例えば、センサの上面から、層間絶縁膜23の上面までの膜厚が小さい場合には、配線24と同層の金属膜からなるストッパ膜を層間絶縁膜23上に形成してもよい。
次に、図18に示すように、凹部5bの底面において露出するストッパ膜41の一部を、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法により除去することで、ストッパ膜41を貫通する凹部5cを形成する。これにより、層間絶縁膜20の上面の一部がストッパ膜41から露出する。
凹部5cは凹部5bよりも平面視における開口面積および開口幅が小さく、平面視において、凹部5bの側壁と凹部5cの側壁とは重なっていない。つまり、平面視において、凹部5cは凹部5bの内側に形成されている。凹部5aおよび5bのそれぞれの底面は、平面視において環状の形状を有している。
凹部5a、5bおよび5cは、凹部5を構成している。凹部5内では、ストッパ膜41の端部の上面および側壁が露出している。つまり、凹部5の側壁には、前記実施の形態1よりも1段多く段差が形成されている。よって、凹部5の深さが本実施の形態と前記実施の形態1とで同じである場合、本実施の形態において凹部5を構成する各凹部の深さを、前記実施の形態1よりも小さくすることができる。ここでは、凹部5aの底面と凹部5bの側壁とからなる段差、および、凹部5bの底面と凹部5cの側壁とからなる段差が凹部5内に計2段形成されている。
次に、図19に示すように、図11を用いて説明した工程と同様の工程を行うことで、空気流量計測部1Aに引っ張り応力を有する絶縁膜28を形成する。絶縁膜28の一部は、凹部5bの底面であるストッパ膜41の上面と、凹部5cの側壁であるストッパ膜41の側壁とを覆うように形成される。本実施の形態では、前記実施の形態1に比べて凹部5内の階段状の段差が多いため、凹部5を構成する各凹部の深さを低減することができる。このため、当該各凹部に埋め込む絶縁膜28のカバレッジが向上するため、ボイドの発生を防ぐこと、および応力集中の発生を防ぐことができる。よって、絶縁膜28の被覆性をさらに改善することができるため、熱ストレスに対する耐性が高く、防湿性の高いセンサチップを形成することができる。
前記実施の形態1と同様に、凹部5内に形成された絶縁膜28の膜厚は、凹部5を構成する各凹部5a、5bおよび5cのいずれの深さよりも大きい。つまり、凹部5内に形成された絶縁膜28の膜厚は、凹部5の側壁に形成された複数の段差のいずれの高さよりも大きい。
次に、図20に示すように、図12を用いて説明した工程と同様の工程を行うことで、絶縁膜29および孔部9aを形成する。これにより、ダイヤフラム部9を有するセンサチップ52を形成する。この後の工程は、図13および図14を用いて説明した工程と同様の工程を行うことで、本実施の形態の熱式流体流量センサを形成することができる。
本実施の形態では、エッチングストッパ膜としてストッパ膜41を用いているため、図17を用いて説明した凹部5bの形成工程で、エッチングによる加工ばらつきの発生を防ぐことができる。これにより、ダイヤフラム部9の応力調整を精度良く行うことができる。また、上述したように、凹部5内の階段状の段差を増やすことにより、熱ストレスに対する耐性が高く、防湿性の高いセンサチップを形成することができるため、熱式流体流量センサの信頼性を向上させることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態の熱式流体流量センサは、実施の形態2のものと比較して、空気流量計測部の積層絶縁膜の凹部の側壁に傾斜を設け、当該側壁に沿って形成する応力調整用の絶縁膜を均一な膜厚で形成する点で異なる。
以下に、本実施の形態の熱式流体流量センサの製造方法を、図21〜図23を用いて説明する。図21〜図23は、本実施の形態の熱式流体流量センサの製造工程中の断面図である。図21〜図23に示す半導体基板3は、図5〜図12と同様に、半導体基板3の主面に沿う方向において並ぶ空気流量計測部1Aと回路部1Bとを有している。
まず、図15〜図18を用いて説明した工程と同様の工程を行う。これにより、空気流量計測部1Aのセンサ上の積層絶縁膜の上面に、凹部5a、5bおよび5cからなる凹部5を形成する。
続いて、保護膜26、凹部5の側壁および底面並びに電極パッド6を覆う酸化シリコン膜からなる絶縁膜43を形成する。ここでは、絶縁膜43は、1つの装置(チャンバ)内でデポジション(成膜)とエッチングを繰り返し行うことで形成する。このような成膜方法を用いることで、各凹部内において凹部の側壁および底面に沿う膜ではなく、凹部の側壁と底面との間で、表面に傾斜を有する絶縁膜43を形成することができる。
すなわち、凹部5の側壁および底面と対向する絶縁膜43の面(下側の面)は、凹部5の側壁および底面に接しているのに対し、凹部5内において、絶縁膜43の上側の面の一部は、半導体基板3の主面に対して傾斜角を有している。つまり、絶縁膜43の上面には、空気流量計測部1Aにおいて凹部が形成されており、当該凹部の側壁は、当該凹部の底面の端部から、当該凹部の外側の絶縁膜43の上面に亘って傾斜を有している。ここでは、絶縁膜43の上面に形成された当該凹部内において、当該凹部の底面の端部から、当該凹部の外側に亘って形成された傾斜面を、当該凹部の側壁と呼ぶ。
当該凹部の側壁の一部は、凹部5bの底面に沿って形成されるため、当該凹部の側壁には段が形成されている。絶縁膜43は、例えばHDP(High Density Plasma)CVD法などにより形成する。
次に、図22に示すように、図19を用いて説明した工程と同様の工程を行うことで、空気流量計測部1Aに引っ張り応力を有する絶縁膜28を形成する。このとき、絶縁膜28は、絶縁膜43の表面に沿って形成される。このため、凹部5内の絶縁膜43の上面に形成された凹部の側壁に沿って形成される絶縁膜28は、半導体基板3の主面に対して斜め方向に均一な膜厚で形成される。つまり、絶縁膜28は、凹部5a、5bおよび5cのそれぞれの側壁に沿って形成されない。
したがって、絶縁膜28は凹部5の角部に形成されない。ただし、凹部5の側壁に段差が形成されることで、凹部5内の絶縁膜43の上面に形成された凹部の側壁にも段差が形成され、これにより、凹部5内の絶縁膜28の傾斜面の途中に段差が形成されることが考えられる。しかし、当該凹部の側壁である斜面に沿って形成される絶縁膜28に形成される段差は比較的小さい。つまり、凹部5内の絶縁膜28を傾斜させることで、絶縁膜28が90度に近い角度で折れ曲がり、絶縁膜28によるカバレッジが悪化することを防ぐことができる。
よって、絶縁膜28の当該段差部分において、カバレッジの悪化に起因するボイドおよび応力集中の発生を防ぐことができる。よって、絶縁膜28による被覆性を改善することで、熱ストレスに対する耐性が高く、防湿性の高いセンサチップを形成することができる。
ここで、図30に示す比較例の凹部30の側壁および底面を覆うように上記絶縁膜43を形成する場合、凹部30の深さが比較的深いため、傾斜を有する絶縁膜43を成膜することが困難となる。
これに対し、本実施の形態では、図22に示すように、凹部5を凹部5a、5bおよび5cにより構成することで、凹部5の側壁に複数の段差を設けている。よって、当該複数の段差上に形成する絶縁膜43の最大膜厚を低減することができるため、表面に傾斜を有する絶縁膜43を短時間で容易に成膜することができる。
次に、図23に示すように、フォトリソグラフィ法およびエッチング法を用いて、電極パッド6の直上の絶縁膜43を除去することで、絶縁膜43から電極パッド6を露出させる。その後、図20を用いて説明した工程と同様の工程を行うことで、絶縁膜29および孔部9aを形成する。これにより、ダイヤフラム部9を有するセンサチップ52を形成する。この後の工程は、図13および図14を用いて説明した工程と同様の工程を行うことで、本実施の形態の熱式流体流量センサを形成することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態の熱式流体流量センサは、空気流量計測部1Aの凹部の底辺の角部に丸みを持たせている点で前記実施の形態1と異なる。
以下に、本実施の形態の熱式流体流量センサの製造方法を、図24〜図28を用いて説明する。図24〜図28は、本実施の形態の熱式流体流量センサの製造工程中の断面図である。図24〜図28に示す半導体基板3は、図5〜図12と同様に、半導体基板3の主面に沿う方向において並ぶ空気流量計測部1Aと回路部1Bとを有している。また、図29を用いて、本実施の形態の熱式流体流量センサのレイアウトについて説明する。図29は、本実施の形態の熱式流体流量センサを示す平面図である。
まず、図5〜図8を用いて説明した工程と同様の工程を行う。これにより、空気流量計測部1Aのセンサ上に、層間絶縁膜20、23、絶縁膜25および保護膜26からなる積層絶縁膜を形成する。
次に、図24に示すように、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いて保護膜26をパターニングすることで、センサチップと外部との接続のための電極パッドを形成する領域における絶縁膜25の上面を露出させる。また、このエッチング工程では、後にダイヤフラム部を形成する空気流量計測部1Aにおいて、絶縁膜25の上面を保護膜26から露出させる。このとき、当該エッチング工程により、絶縁膜25の上面の一部が後退し、絶縁膜25の上面に凹部が形成されることが考えられる。
次に、図25に示すように、フッ化水素水を主成分とするエッチング液を用いて、保護膜26をマスクとしてウェットエッチングを行うことで、絶縁膜25を一部除去する。ここでは、保護膜26から露出する絶縁膜25を除去することで、底面において配線24の上面が露出する凹部(開口部)6aを形成する。これにより露出した配線24の上面は、センサチップと外部との接続のための電極パッド6として用いられる。また、当該エッチング工程では、空気流量計測部1Aにおいて保護膜26から露出する絶縁膜25および層間絶縁膜23を除去する。当該エッチングにより、空気流量計測部1Aにおいて保護膜26の凹部から露出する層間絶縁膜23および絶縁膜25からなる積層膜の上面には凹部45が形成される。
上記フッ化水素水によるエッチングでは、液温を管理することでエッチングレートを精度良くコントロールすることができるため、保護膜26から露出する絶縁膜25および層間絶縁膜23のエッチング量を均一に保つことができる。したがって、絶縁膜25および層間絶縁膜23を、ウエハ面内において均一に除去することができる。なお、窒化シリコン膜からなる保護膜26は上記エッチング液に対して選択比が高いため、当該エッチング工程では殆ど除去されず、マスクとして用いることができる。
ここで、当該エッチング工程はウェットエッチングであるため、エッチングの指向性は等方的である。したがって、当該エッチング(等方性エッチング)により形成された凹部45は、その底面と側壁との境界が丸みを持った形状となる。
つまり、凹部45の内側において露出する絶縁膜の表面は、凹部45の底辺と側壁との間において曲面を有しており、凹部45の底面と側壁との境界には角が形成されていない。このため、図30を用いて説明した比較例のように、ドライエッチング法により形成した凹部30の角部に比べて、図25に示す凹部45の内側において露出する絶縁膜の表面は、凹部45の底面と側壁との間において滑らかに繋がっている。
ここでは、横方向における絶縁膜25のサイドエッチングが進み、凹部6a上および凹部45上の保護膜26の端部が飛び出したオーバーハング部46が形成される。つまり、凹部45の直上において開口する保護膜26の端部は、平面視において、凹部45の側壁よりも凹部45の中央に近い位置で終端している。よって、保護膜26は凹部45の側壁よりも突出することで、庇状に形成されている。なお、凹部45の底面は、層間絶縁膜20の途中深さまで達していてもよい。
次に、図26に示すように、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いて、電極パッド6を露出する凹部6aの上端、および、凹部45の上端のそれぞれの保護膜26であるオーバーハング部46を除去する。これにより、凹部45の直上および電極パッド6の直上の保護膜26を除去する。オーバーハング部46を除去するのは、図27を用いて後述する絶縁膜28の成膜工程において、庇状のオーバーハング部46の底面近傍に絶縁膜28が成膜されず、絶縁膜28の強度が低下するなどの問題が生じるためである。なお、当該エッチング工程では凹部45の底面がエッチバックされ、当該底面が半導体基板3側に後退する。
ここでは、平面視において、凹部6aよりも外側において保護膜26が終端するように、凹部6aよりも広い領域の保護膜26を除去する。同様に、平面視において、凹部45よりも外側において保護膜26が終端するように、凹部45よりも広い領域の保護膜26を除去する。このとき、保護膜26と共に、当該保護膜の直下の絶縁膜25の上面の一部が除去されることが考えられる。
当該エッチング工程により、空気流量計測部1Aでは、凹部45と隣接する位置において、絶縁膜25および保護膜26からなる積層膜の上部に凹部5dが形成される。これにより、凹部5dおよび凹部45を含む凹部5が形成される。凹部5は複数の凹部により構成されているため、凹部5の側壁には、階段状の段差が形成されている。
ここでは、ドライエッチング法を用いて上記積層膜の上部を除去しているため、当該エッチング工程により形成された凹部5dの側壁および底面の間の角部は、直角に近い角度を有している。ただし、当該角部は、実際には小さく丸みを持っていることが考えられる。その場合においても、凹部5dの当該角部に比べ、ウェットエッチングにより形成された凹部45の底面端部は大きく丸みを有している。言い換えれば、凹部5dの角部に比べ、凹部45の側壁と底面との間の曲面は曲率半径が大きい。
また、凹部6aは、凹部45を形成するウェットエッチングにより形成された凹部(開口部)である。ただし、凹部45とは異なり、ウェットエッチング法により凹部6aが形成される際、配線24の上面がストッパ膜として働くため、凹部6aの深さは凹部45の深さに比べて非常に小さい。すなわち、電極パッド6上の絶縁膜25が開口される際、当該ウェットエッチング工程中に配線24の上面が露出した後は、半導体基板3の主面に沿う横方向において絶縁膜25が後退することで、凹部6aが拡大する。
つまり、当該ウェットエッチングは等方性エッチングであるが、凹部6aは主にサイドエッチにより形成される。したがって、凹部6aの側壁および底面の間の角部が丸みを有していたとしても、その丸みは比較的小さい。言い換えれば、凹部6aの側壁および底面の間の角部に比べ、凹部45の側壁と底面との間の曲面は曲率半径が大きい。
次に、図27に示すように、図11を用いて説明した工程と同様の工程を行うことで、空気流量計測部1Aに引っ張り応力を有する絶縁膜28を形成する。このとき、絶縁膜28は、凹部45の内側において露出する絶縁膜の表面に沿って形成される。つまり、絶縁膜28は、凹部45内の側壁から底面に亘って滑らかに連続する面に沿って形成される。
すなわち、凹部45には、絶縁膜28が埋め込まれた際にカバレッジが悪化する角部が形成されていない。このため、凹部45内の絶縁膜28は均一な膜厚で形成される。したがって、凹部45内に形成される絶縁膜28のカバレッジが悪化することに起因するボイドおよび応力集中の発生を防ぐことができる。このようにして絶縁膜28の被覆性を改善することで、熱ストレスに対する耐性が高く、防湿性の高いセンサチップを形成することができる。
次に、図28に示すように、図20を用いて説明した工程と同様の工程を行うことで、絶縁膜29および孔部9aを形成する。これにより、ダイヤフラム部9を有するセンサチップ52を形成する。この後の工程は、図13および図14を用いて説明した工程と同様の工程を行うことで、本実施の形態の熱式流体流量センサを形成することができる。
なお、前記実施の形態1では、図1に示すように、回路部1Bを構成する素子および配線などを、空気流量計測部1Aと電極パッド6との間にのみ設けることについて説明したが、図29に示すように、平面視において空気流量計測部1Aを囲むように回路部1Bが設けられていてもよい。図1または図29のレイアウトは、実施の形態1〜4のいずれにも適用可能である。
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
1 熱式流体流量センサ
1A 空気流量計測部
1B 回路部
3 半導体基板
5、5a〜5d、6a、30、45 凹部
6 電極パッド
9 ダイヤフラム部
14 素子分離領域
18 ヒータ(発熱抵抗体)
20、23 層間絶縁膜
21、51 コンタクトプラグ
22、24 配線
25、28、29、43 絶縁膜
26 保護膜
50 MOSトランジスタ
52、53 センサチップ

Claims (15)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板に設けられたダイヤフラム部に形成された発熱抵抗体および測定素子と、
    前記発熱抵抗体および前記測定素子のそれぞれの上に形成された第1絶縁膜と、
    前記発熱抵抗体および前記測定素子のそれぞれの直上において、前記第1絶縁膜の上面に形成された第1凹部と、
    前記第1凹部の側壁および底面を覆う第2絶縁膜と、
    を有し、
    前記第1凹部は、側壁に階段状の段差を有する、熱式流体流量センサ。
  2. 請求項1に記載の熱式流体流量センサにおいて、
    前記第1絶縁膜は、酸化シリコン膜を含み、圧縮側の応力を有し、
    前記第2絶縁膜は、窒化シリコン膜を含み、前記第1絶縁膜に比べて引っ張り応力側の応力を有する、熱式流体流量センサ。
  3. 請求項1に記載の熱式流体流量センサにおいて、
    前記第1凹部は、第2凹部と、前記第2凹部の直上に形成された、前記第2凹部よりも開口幅が大きい第3凹部とを有する、熱式流体流量センサ。
  4. 請求項1に記載の熱式流体流量センサにおいて、
    前記段差の高さは、前記第2絶縁膜の膜厚より小さい、熱式流体流量センサ。
  5. 請求項1に記載の熱式流体流量センサにおいて、
    前記半導体基板は、前記半導体基板の主面に沿う方向において隣り合う第1領域および第2領域を有し、
    前記ダイヤフラム部は前記第1領域に形成され、
    前記第2領域に、前記発熱抵抗体および前記測定素子を制御する回路が形成されている、熱式流体流量センサ。
  6. 請求項5に記載の熱式流体流量センサにおいて、
    前記第1絶縁膜の段差は、前記発熱抵抗体、前記測定素子または前記回路と電気的に接続された配線層と同層の導電膜により構成されている、熱式流体流量センサ。
  7. 請求項1に記載の熱式流体流量センサにおいて、
    前記第1凹部の直上において、前記第2絶縁膜の上面には、第4凹部が形成され、
    当該第4凹部内の側壁には、階段状の段差が形成されている、熱式流体流量センサ。
  8. 請求項7に記載の熱式流体流量センサにおいて、
    前記半導体基板の主面に沿う方向において、前記第4凹部の底面の幅は、前記第4凹部の底面の端部から、前記第2絶縁膜の終端部までの幅よりも大きい、熱式流体流量センサ。
  9. 半導体基板と、
    前記半導体基板に設けられたダイヤフラム部に形成された発熱抵抗体および測定素子と、
    前記発熱抵抗体および前記測定素子のそれぞれの上に形成された第1絶縁膜と、
    前記発熱抵抗体および前記測定素子のそれぞれの直上において、前記第1絶縁膜の上面に形成された第1凹部と、
    前記第1凹部の側壁および底面を覆う第2絶縁膜と、
    前記第1凹部の直上において前記第2絶縁膜の上面に形成された第4凹部と、
    を有し、
    前記第4凹部の側壁は、傾斜を有する、熱式流体流量センサ。
  10. 請求項9に記載の熱式流体流量センサにおいて、
    前記第1凹部の側壁には、階段状の段差が形成されている、熱式流体流量センサ。
  11. 請求項9に記載の熱式流体流量センサにおいて、
    傾斜を有する前記第4凹部の側壁には、段差が形成されている、熱式流体流量センサ。
  12. 請求項9に記載の熱式流体流量センサにおいて、
    前記第1凹部と前記第2絶縁膜との間に介在する第3絶縁膜と、
    前記第1凹部の直上において前記第3絶縁膜の上面に形成された第5凹部と、
    をさらに有し、
    前記第5凹部の側壁は、傾斜を有する、熱式流体流量センサ。
  13. 半導体基板と、
    前記半導体基板に設けられたダイヤフラム部に形成された発熱抵抗体および測定素子と、
    前記発熱抵抗体および前記測定素子のそれぞれの上に形成された第1絶縁膜と、
    前記発熱抵抗体および前記測定素子のそれぞれの直上において、前記第1絶縁膜の上面に形成された第1凹部と、
    前記第1凹部の側壁および底面を覆う第2絶縁膜と、
    を有し、
    前記第1凹部の内側において露出する前記第1絶縁膜の表面は、前記第1凹部の側壁と底面との間において丸みを有する、熱式流体流量センサ。
  14. 請求項13に記載の熱式流体流量センサにおいて、
    前記第1凹部の前記側壁は段差を有する、熱式流体流量センサ。
  15. 請求項13に記載の熱式流体流量センサにおいて、
    前記半導体基板は、前記半導体基板の主面に沿う方向において隣り合う第1領域および第2領域を有し、
    前記第1領域に、前記ダイヤフラム部が形成され、
    前記第2領域に、前記発熱抵抗体および前記測定素子を制御する回路が形成され、
    前記回路と電気的に接続された配線層が設けられ、
    前記第1絶縁膜の上面に第6凹部が形成され、
    前記第6凹部において露出する前記配線層の上面に形成され、前記回路と前記熱式流体流量センサの外部とを接続する電極を有し、
    前記第6凹部の側壁および底面の間の角部より、前記第1凹部の前記側壁と前記底面との間の曲面の曲率半径が大きい、熱式流体流量センサ。
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