JP6142735B2 - 半導体圧力センサ - Google Patents

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本発明は、圧力媒体が直接接触する半導体圧力センサに関する。
従来より、圧力媒体が直接接触する環境で使用されるセンサデバイスが、例えば特許文献1で提案されている。センサデバイスは、一方の基板と他方の基板とが接合されて構成されている。また、他方の基板は、局所的に肉厚の薄くなったダイヤフラムを有し、ダイヤフラムに形成された圧電素子を有している。
圧電素子は例えばn型の基板にイオン注入されたp+型のゲージ領域として構成され、4つのゲージ抵抗がホイートストンブリッジ回路を構成するように形成されている。さらに、一方の基板は、ダイヤフラムに対応する部分に圧電素子を気密封止するための凹部を有している。そして、各基板が接合されることで圧電素子が各基板で囲まれた空間に封止されている。
特開2011−191273号公報
しかしながら、上記従来の技術では、ゲージ領域が形成された基板に圧力媒体が直接晒される構造になっているので、圧力媒体が電位を持った場合に、圧力媒体の電位がホイートストンブリッジ回路の上端の電位よりも低くなる可能性がある。このため、圧力媒体が他方の基板に接触すると圧力媒体からゲージ領域(p+型)から他方の基板(n型)を介して圧力媒体に電流が流れてしまう。これにより、圧力検出精度が悪化するという問題があった。
本発明は上記点に鑑み、圧力媒体が直接接触する半導体圧力センサにおいて、圧力検出精度の悪化を抑制することができる構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、圧力媒体の圧力が印加されると共に一部が薄肉化されたダイヤフラム(32)を有する第1導電型の半導体基板(31)を備えている。また、ダイヤフラム(32)に対応する位置に凹部(43)を有し、半導体基板(31)に接合されると共に半導体基板(31)と凹部(43)とで圧力基準室(44)を構成するキャップ基板(40)を備えている。
そして、半導体基板(31)は、当該半導体基板(31)の表層部のうちダイヤフラム(32)を含んだ領域に形成された第2導電型のウェル領域(33)を有している。また、半導体基板(31)は、ウェル領域(33)の表層部のうちダイヤフラム(32)に対応した位置にホイートストンブリッジ回路を構成するように形成されていると共に、圧力基準室(44)の圧力を基準として圧力媒体の圧力を検出する複数の第1導電型のゲージ領域(35)を有している。
さらに、半導体基板(31)は、圧力媒体が電位を持った状態で半導体基板(31)に接触したときに、圧力媒体の電位とウェル領域(33)の電位とを分離する分離手段(38、39、42)を有している
キャップ基板(40)は、半導体基板(31)に接触する部分に形成されると共に半導体基板(31)に接合された絶縁層(42)を有している。
半導体基板(31)は、ウェル領域(33)が形成された第1導電層(31a)と、第1導電層(31a)のうちキャップ基板(40)とは反対側に形成された絶縁膜(31c)と、絶縁膜(31c)の上に形成されると共に第1導電層(31a)及び絶縁膜(31c)のうちダイヤフラム(32)に対応した部分に絶縁膜(31c)を露出させる溝部(31d)が形成された第2導電層(31b)と、が積層されたSOI基板(31)で構成されている。
そして、分離手段は、絶縁層(42)と、ウェル領域(33)を含んだ領域を囲むように第1導電層(31a)に形成されていると共に絶縁膜(31c)に達するトレンチ(38)と、トレンチ(38)に埋め込まれた絶縁部材(39)と、によって構成されており、ウェル領域(33)は、電気的にフローティングになっていることを特徴とする。
これによると、圧力媒体が電位を持つと共に、圧力媒体の電圧がホイートストンブリッジ回路に対する入力電圧よりも低くなったとしても分離手段(38、39、42)によって圧力媒体とウェル領域(33)とが電気的に分離される。このため、圧力媒体から各ゲージ領域(35)に電流が流れることを阻止することができる。したがって、各ゲージ領域(35)の圧力検出精度が悪化することを抑制することができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態に係る半導体圧力センサの断面図である。 図1に示された半導体圧力センサの製造工程を示した図である。 本発明の第2実施形態に係る半導体圧力センサの断面図である。 図3に示された半導体圧力センサの製造工程を示した図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。また、以下の各実施形態で示されるp型、p+型は本発明の第1導電型に対応し、n型は本発明の第2導電型に対応している。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。図1に示されるように、本実施形態に係る半導体圧力センサは、センサチップ10と、このセンサチップ10のうちの一部を封止したモールド樹脂20と、を備えて構成されている。すなわち、半導体圧力センサは、モールド樹脂20によるセンサチップ10の片持ち梁構造になっている。
センサチップ10は、センサ部30とキャップ部40とが貼り合わされて構成されたものである。まず、センサ部30について説明する。センサ部30は、測定対象の圧力媒体の圧力を検出するものである。このセンサ部30は、第1導電層31aと第2導電層31bとで絶縁膜31cを挟み込んだ積層状のSOI基板31により構成されたものである。第1導電層31a及び第2導電層31bとして、例えばp型の単結晶シリコンが採用される。また、絶縁膜31cとして例えばSiO2が採用される。
絶縁膜31cは、第1導電層31aのうちキャップ部40とは反対側に形成されている。また、第2導電層31bは、絶縁膜31cのうち第1導電層31aとは反対側に形成されている。第2導電層31bは、絶縁膜31c側に凹んだ溝部31dを有している。
溝部31dは、第2導電層31bのうちモールド樹脂20から露出した部分のうちの一部に形成されていると共に、絶縁膜31cの一部を露出させている。これにより、SOI基板31のうちの一部が薄肉化されたダイヤフラム32として構成されている。すなわち、ダイヤフラム32は第1導電層31aの一部と絶縁膜31cの一部によって構成されている。言い換えると、溝部31dは第2導電層31bのうちダイヤフラム32に対応した部分に形成されている。そして、絶縁膜31cのうち溝部31dの底部に対応した部分に圧力媒体の圧力が印加される。
そして、第1導電層31aは、n型のウェル領域33と、p+型の第1コンタクト領域34と、を有している。ウェル領域33は、第1導電層31aのキャップ部40側の表層部のうちダイヤフラム32を含んだ領域に形成されている。第1コンタクト領域34は、第1導電層31aのキャップ部40側の表層部のうちウェル領域33とは異なる領域に形成されている。
ウェル領域33は、複数のp+型のゲージ領域35と、p+型の配線領域36と、n+型の第2コンタクト領域37と、を有している。このうちの各ゲージ領域35は、ウェル領域33の表層部のうちダイヤフラム32に対応した位置に形成された抵抗素子である。各ゲージ領域35は、ホイートストンブリッジ回路を構成するように形成されている。これにより、各ゲージ領域35が、ピエゾ抵抗効果を利用して、ダイヤフラム32に印加された圧力を検出してその圧力に応じた電気信号を出力するようになっている。
配線領域36は、ウェル領域33の表層部に形成されていると共に、上述のホイートストンブリッジ回路に電気的に接続されるようにウェル領域33の表層部にレイアウトされている。すなわち、配線領域36は、電気信号を外部に出力するための配線として機能する。
第2コンタクト領域37は、ウェル領域33の表層部のうち各ゲージ領域35及び配線領域36とは異なる領域に形成されている。なお、この第2コンタクト領域37や、ウェル領域33、各ゲージ領域35、配線領域36、及び第1コンタクト領域34は第1導電層31aへのイオン注入によって形成されている。
次に、キャップ部40について説明する。キャップ部40は、センサ部30との間に密閉した空間を形成するものである。具体的に、キャップ部40はp型のシリコン基板41と絶縁層42とを有して構成されている。
シリコン基板41は、当該シリコン基板41のうちセンサ部30のダイヤフラム32に対応する位置に凹部43を有している。凹部43は、キャップ部40がセンサ部30に貼り合わされたときに、ダイヤフラム32のうち溝部31dとは反対側に圧力基準室44を構成するための部分である。
絶縁層42は、シリコン基板41においてセンサ部30側のうち凹部43を除いた部分に形成されている。絶縁層42はセンサ部30とシリコン基板41とを絶縁する役割を果たす。絶縁層42は、シリコン基板41のうちセンサ部30側が熱酸化処理されて形成されたSiO2膜である。なお、絶縁層42は凹部43の表面に形成されていても良い。
また、キャップ部40は、当該キャップ部40をセンサ部30とキャップ部40との積層方向に貫通する第1〜第3貫通電極部45〜47を有している。各貫通電極部45〜47は、孔部48と、絶縁膜49と、貫通電極50と、をそれぞれ有して構成されている。孔部48は、シリコン基板41及び絶縁層42を貫通するように形成されている。絶縁膜49は、孔部48の壁面及びシリコン基板41のうちセンサ部30とは反対側に形成されている。貫通電極50は、孔部48の絶縁膜49の上に形成されている。
第1貫通電極部45を構成する貫通電極50の一端側は、配線領域36に接触すると共に電気的に接続されている。第2貫通電極部46を構成する貫通電極50の一端側は、第2コンタクト領域37に接触すると共に電気的に接続されている。さらに、第3貫通電極部47を構成する貫通電極50の一端側は、第1コンタクト領域34に接触すると共に電気的に接続されている。各貫通電極50の他端側はそれぞれパッド状にパターニングされている。絶縁膜49としては例えば酸化シリコン層SiO2(PE−SiO2)等の絶縁材料が採用され、貫通電極50としては例えばAl等の金属材料が採用される。
また、キャップ部40は、シリコン基板41のうち絶縁層42とは反対側の面において、当該面の一部、絶縁膜49、及び貫通電極50の一部を覆う図示しない窒化膜を有している。この窒化膜は貫通電極50の一部が露出する図示しない開口部を有している。したがって、貫通電極50は、窒化膜の開口部から露出する部分が外部と電気的に接続される。
そして、上記の構成のキャップ部40とセンサ部30とが貼り合わされて一体化されている。本実施形態では、キャップ部40の絶縁層42とセンサ部30の第1導電層31aの表面とが直接接合により接合されている。これにより、各ゲージ領域35は、センサ部30とキャップ部40との間に構成された圧力基準室44に気密封止されている。本実施形態では、圧力基準室44は真空になっている。したがって、半導体圧力センサは絶対圧を検出することとなる。
上記の構成のセンサチップ10は、SOI基板31の第2導電層31bに対して接着剤を介して図示しないリードが接合されている。このリードはセンサチップ10と外部とを電気的に接続するための端子部品である。そして、リードと各貫通電極50とが図示しないボンディングワイヤで接続されている。これにより、配線領域36、ウェル領域33、及び第1導電層31aが貫通電極50、ボンディングワイヤ、及びリードを介してそれぞれ外部と電気的に接続される。
モールド樹脂20は、センサチップ10のうちのダイヤフラム32が形成された端部側、ボンディングワイヤ、及びリードの一部を封止している。具体的には、モールド樹脂20は、貫通電極50とボンディングワイヤとの接続部、ボンディングワイヤとリードとの接続部を封止している。言い換えると、モールド樹脂20はセンサチップ10のダイヤフラム32側が露出するように、当該ダイヤフラム32側とは反対側を封止している。以上が、本実施形態に係る半導体圧力センサの全体構成である。
次に、本実施形態に係る半導体圧力センサの製造方法について、図2を参照して説明する。図2に示されるように、キャップ部40とセンサ部30とを別々に形成した後、キャップ部40とセンサ部30とを接合し、貫通電極50等を形成していく。以下、図2の製造工程に従って半導体圧力センサを製造する方法を説明する。
まず、キャップ部40側の製造について説明する。このため、ウェハ状のシリコン基板41を用意する。すなわちSiウェハを用意する。このSiウェハに多数のキャップ部40を形成することになる。そして、シリコン基板41のうちセンサ部30側を熱酸化することによりSiO2の絶縁層42を形成する(熱酸化)。
また、シリコン基板41及び絶縁層42のうちダイヤフラム32に対応する部分に凹部43を形成する(凹部エッチング)。具体的には、絶縁層42の上に図示しないマスクを形成すると共にマスクのうちダイヤフラム32に対応する部分を開口し、マスクから露出した部分をエッチングすることで凹部43を形成する。
続いて、センサ部30側の製造について説明する。なお、センサ部30側の製造は、キャップ部40側の製造の後に行う必要はなく、キャップ部40側の製造の前に行っても良いし、両者の製造を平行して行っても良い。
まず、活性層であるp型の第1導電層31aとp型の第2導電層31bとで絶縁膜31cを挟み込んだSOIウェハすなわちウェハ状のSOI基板31を用意する。このウェハ状のSOI基板31に多数のセンサ部30を形成することになる。ウェハ状のSOI基板31のサイズは、ウェハ状のシリコン基板41と同じである。
続いて、図示しないマスクを用いて第1導電層31aにウェル領域33を構成するためのn型イオンをイオン注入する。また、異なるマスクを用いて第1導電層31aに各ゲージ領域35、配線領域36、及び第1コンタクト領域34を構成するためのp+型イオンをイオン注入する。さらに別のマスクを用いて第1導電層31aに第2コンタクト領域37を構成するn+型イオンをイオン注入する。この後、SOIウェハを活性化アニールする(活性化アニール)。これにより、各イオン注入領域はウェル領域33、各ゲージ領域35、配線領域36、第1コンタクト領域34、及び第2コンタクト領域37となる。
続いて、上記の各工程を経て得られたキャップ部40側のウェハとセンサ部30側のウェハとを貼り合わせる(ウェハ接合)。具体的には、センサ部30側が多数形成されたウェハ状のSOI基板31と、キャップ部40側が多数形成されたウェハ状のシリコン基板41とを図示しない真空装置内に配置する。そして、SOI基板31のうち第1導電層31aの表面及びキャップ部40の絶縁層42の表面にArイオンビームを照射する。これにより、第1導電層31aの表面のSiと絶縁層42の表面のSiをそれぞれ活性化させる。なお、活性化の手法については、Arイオンビームの照射の他に、大気中または真空中でプラズマ処理を行うことによっても可能である。
そして、真空装置内にて、ウェハ状のSOI基板31及びウェハ状のシリコン基板41の各対向面に設けられたアライメントマークを用いて赤外顕微鏡によりアライメントを行い、室温〜550℃の低温で両ウェハをいわゆる直接接合により接合する。これにより、センサ部30とキャップ部40との間の凹部43の空間が圧力基準室44となる。各ウェハを真空中で接合したので、圧力基準室44は真空室となる。
続いて、キャップ部40に各貫通電極部45〜47を形成する。具体的には、キャップ部40側のSiウェハにおいてシリコン基板41のうち絶縁層42とは反対側の面を研削・研磨することによりシリコン基板41を所望の厚さまで薄くする(上面研削・研磨)。そして、ドライエッチング等によりシリコン基板41及び絶縁層42のうち配線領域36、第1コンタクト領域34、及び第2コンタクト領域37に対応する位置に孔部48をそれぞれ形成する(貫通電極エッチング)。
また、各孔部48の壁面に酸化シリコン層SiO2(PE−SiO2)等の絶縁膜49を成膜する(PE−SiO2成膜)。そして、各孔部48の底部に形成された絶縁膜49を除去し、配線領域36、第1コンタクト領域34、及び第2コンタクト領域37を露出させる(コンタクトエッチング)。続いて、各孔部48にスパッタ法や蒸着法等によりAlの金属材料を埋め込み、各貫通電極50を形成する(Al成膜)。さらに、各貫通電極50の他端側をパッド状にパターニングする(Alパターニング)。
この後、シリコン基板41のうち絶縁層42とは反対側の面に、当該面の一部、絶縁膜49、及び各貫通電極50を覆う図示しない窒化膜を形成する(SiN成膜)。また、各貫通電極50の一部が露出するように当該窒化膜をパターニングする(SiNパターニング)。すなわち、パッド部を形成する。
また、SOI基板31の第2導電層31bのうち絶縁膜31cに接する面とは反対側を研削・研磨して薄膜化する(下面研削・研磨)。そして、薄膜化した第2導電層31bに対して各ゲージ領域35に対応する部分が開口したマスクを形成し、このマスクを用いて第2導電層31bをエッチングすることにより第2導電層31bに溝部31dを形成する(ダイヤフラムエッチング)。これにより、SOI基板31のうちの第1導電層31a及び絶縁膜31cの一部が肉薄状となったダイヤフラム32となる。
最後に、積層されたウェハを半導体圧力センサ毎にダイシングカットする。こうして、センサチップ10が完成する。また、センサチップ10を図示しないリードフレームに接着剤を介して接合し、モールド樹脂20で封止した後、リードフレームのダムバーを切断することにより、半導体圧力センサが完成する。
次に、半導体圧力センサにおける圧力検出方法について説明する。半導体圧力センサにおいて、ダイヤフラム32に圧力媒体の圧力が印加されると、ダイヤフラム32が変形するので、各ゲージ領域35も変形する。これにより、各ゲージ領域35の抵抗値が増減し、ホイートストンブリッジ回路の出力電圧が圧力に比例して増加する。したがって、半導体圧力センサは、この電圧を電気信号として外部に出力する。
ここで、ウェル領域33は、第2貫通電極部46の貫通電極50と第2コンタクト領域37とを介して電源電圧またはホイートストンブリッジ回路に対する入力電圧が印加されている。電源電圧は半導体圧力センサを動作させるための電圧であり、ホイートストンブリッジ回路に対する入力電圧よりも高い電圧である。また、ホイートストンブリッジ回路に対する入力電圧は例えば数Vである。
一方、第1導電層31aは、第3貫通電極部47の貫通電極50と第1コンタクト領域34とで構成される接続部を介してグランドに電気的に接続されている。すなわち、接続部は、圧力媒体が電位を持った状態で第1導電層31aに接触したときに、圧力媒体の電位とウェル領域33の電位とを電気的に分離する分離手段であると言える。これにより、第1導電層31aのうちウェル領域33とは異なる部分がグランド電位に固定されている。
例えば、圧力媒体が1V程度の電位を持って第1導電層31aに接触した場合、圧力媒体からグランド電位である第1導電層31aに電流が流れるので、ウェル領域33ひいては各ゲージ領域35に電流が流れないようにすることができる。また、ウェル領域33は圧力媒体よりも高い電圧が印加されているので、圧力媒体からウェル領域33に電流が流れることはない。
以上説明したように、本実施形態では、各ゲージ領域35がウェル領域33に形成されると共に、ウェル領域33が形成された第1導電層31aをグランド電位に固定する構造が特徴となっている。このように、第1導電層31a及び第3貫通電極部47が圧力媒体とウェル領域33とを電気的に分離する分離手段として機能するので、圧力媒体から各ゲージ領域35に電流が流れることを阻止することができる。すなわち、圧力媒体が電位を持つと共に、圧力媒体の電圧がホイートストンブリッジ回路に対する入力電圧よりも低くなったとしても圧力媒体から各ゲージ領域35に電流が流れないようにすることができる。したがって、各ゲージ領域35によって検出される圧力値の精度が悪化することを抑制することができる。
また、本実施形態では、センサ部30がSOI基板31で構成されている。このため、圧力媒体は第1導電層31aのうちの側面部にしか接触する場所がないので、圧力媒体と第1導電層31aとの間で電流を流れにくくすることができる。
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、SOI基板31が特許請求の範囲の「半導体基板」に対応し、キャップ部40が特許請求の範囲の「キャップ基板」に対応する。また、第3貫通電極部47の貫通電極50及び第1コンタクト領域34が特許請求の範囲の「分離手段」及び「接続部」に対応する。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について説明する。図3に示されるように、本実施形態では、第1導電層31aは、n型の単結晶シリコンで形成されている。また、第1導電層31aは、トレンチ38と、絶縁部材39と、を有している。
トレンチ38は、ダイヤフラム32を含んだ領域を囲むと共に絶縁膜31cに達するように第1導電層31aに形成されている。絶縁部材39は、トレンチ38に埋め込まれた埋込部材である。絶縁部材39としては例えばBPSGが採用される。これによると、第1導電層31aのうちトレンチ38で囲まれた領域がn型のウェル領域33に該当する。言い換えると、トレンチ38は、第1導電層31aのうちウェル領域33を含んだ領域を囲むように第1導電層31aに形成されていると言える。本実施形態では、ウェル領域33は、各ゲージ領域35と、配線領域36と、第2コンタクト領域37と、を有している。
一方、キャップ部40は、配線領域36に対応した第1貫通電極部45と、第2コンタクト領域37に対応した第2貫通電極部46と、を有している。キャップ部40のその他の構成は第1実施形態と同じである。
上記の構造によると、ウェル領域33は、キャップ部40の絶縁層42、トレンチ38に形成された絶縁部材39、及びSOI基板31の絶縁膜31cによって囲まれることで圧力媒体の電位から電気的に分離されている。すなわち、絶縁層42、トレンチ38、及び絶縁部材39は、圧力媒体が電位を持った状態で第1導電層31aに接触したときに、圧力媒体の電位とウェル領域33の電位とを電気的に分離する分離手段であると言える。
次に、本実施形態に係る半導体圧力センサの製造方法について、図4を参照して説明する。まず、第1実施形態と同様にキャップ部40を製造する。
また、センサ部30は以下のように製造する。まず、活性層であるn型の第1導電層31aとp型の第2導電層31bとで絶縁膜31cを挟み込んだSOIウェハすなわちウェハ状のSOI基板31を用意する。
続いて、トレンチ分離工程を行う。具体的には、第1導電層31aの表面にSiO2層を堆積させると共に、トレンチ38に対応した部分を開口したマスクを形成する(SiO2デポ→マスク形成)。このマスクを用いて第1導電層31aをエッチングすることによりトレンチ38を形成する(トレンチエッチング)。そして、トレンチ38の側壁を酸化すると共に(側壁酸化)、トレンチ38に絶縁部材39としてBPSGを埋め込む(BPSG埋込)。この後、BPSGをリフロー処理し(リフロー)、第1導電層31aの表面を化学機械研磨する(CMP)。
トレンチ分離工程の後、図示しないマスクを用いて第1導電層31aに各ゲージ領域35及び配線領域36を構成するためのp+型イオンをイオン注入する。また、別のマスクを用いて第1導電層31aに第2コンタクト領域37を構成するn+型イオンをイオン注入する。この後、SOIウェハを活性化アニールする(活性化アニール)。これにより、各イオン注入領域は各ゲージ領域35、配線領域36、及び第2コンタクト領域37となる。
この後のウェハ接合以降の各工程は、第1実施形態と同じである。なお、本実施形態では、キャップ部40に第1貫通電極部45及び第2貫通電極部46の2つを形成する点で第1実施形態と異なる。こうして、本実施形態に係る半導体圧力センサが完成する。
上記の構成において、本実施形態では、ウェル領域33は電源電圧またはホイートストンブリッジ回路に対する入力電圧に電気的に接続される。これにより、ウェル領域33の電位が固定されるので、ウェル領域33を介した電流のリークを低減することができる。また、圧力検出の温度特性を向上させることができる。
また、ウェル領域33はキャップ部40の絶縁層42、SOI基板31の絶縁膜31c、及びトレンチ38内の絶縁部材39によって囲まれているので、圧力媒体とウェル領域33とを完全に電気的に分離することができる。したがって、電位を持った圧力媒体が第1導電層31aの側面部やダイヤフラム32に直接接触したとしても、圧力媒体から各ゲージ領域35に電流が流れないので、圧力検出の精度が悪化することを抑制することができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第2実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態では、図3に示された構造のうち、第2コンタクト領域37と第2貫通電極部46が設けられていない。このため、ウェル領域33は、電気的にフローティングになっている。これによると、ウェル領域33を所定の電位に固定するための電極が不要となるので、その分、半導体圧力センサのチップを小さくすることができる。
(他の実施形態)
上記各実施形態で示された半導体圧力センサの構成は一例であり、上記で示した構成に限定されることなく、本発明を実現できる他の構成とすることもできる。例えば、キャップ部40はシリコン基板41と絶縁層42とで構成されていたが、これは一例であり、例えばガラス等の絶縁材料で構成されていても良い。一方、絶縁層42が複数の層で構成されていても良い。
第1実施形態では、センサ部30をSOI基板31に形成していたが、これは基板の一例である。したがって、SOI基板31ではなく、1枚の半導体基板を用いても良い。また、上記各実施形態では、キャップ部40のシリコン基板41はp型のものが用いられていたが、シリコン基板41はn型でも良い。
31 SOI基板(半導体基板)
32 ダイヤフラム
33 ウェル領域
34 第1コンタクト領域(分離手段)
35 ゲージ領域
40 キャップ部(キャップ基板)
43 凹部
44 圧力基準室
50 貫通電極(分離手段)

Claims (1)

  1. 圧力媒体の圧力が印加されると共に一部が薄肉化されたダイヤフラム(32)を有する第1導電型の半導体基板(31)と、
    前記ダイヤフラム(32)に対応する位置に凹部(43)を有し、前記半導体基板(31)に接合されると共に前記半導体基板(31)と前記凹部(43)とで圧力基準室(44)を構成するキャップ基板(40)と、
    を備え、
    前記半導体基板(31)は、
    当該半導体基板(31)の表層部のうち前記ダイヤフラム(32)を含んだ領域に形成された第2導電型のウェル領域(33)と、
    前記ウェル領域(33)の表層部のうち前記ダイヤフラム(32)に対応した位置にホイートストンブリッジ回路を構成するように形成されていると共に、前記圧力基準室(44)の圧力を基準として前記圧力媒体の圧力を検出する複数の第1導電型のゲージ領域(35)と、
    前記圧力媒体が電位を持った状態で前記半導体基板(31)に接触したときに、前記圧力媒体の電位と前記ウェル領域(33)の電位とを分離する分離手段(38、39、42)と、
    を有し
    前記キャップ基板(40)は、前記半導体基板(31)に接触する部分に形成されると共に前記半導体基板(31)に接合された絶縁層(42)を有し、
    前記半導体基板(31)は、前記ウェル領域(33)が形成された第1導電層(31a)と、前記第1導電層(31a)のうち前記キャップ基板(40)とは反対側に形成された絶縁膜(31c)と、前記絶縁膜(31c)の上に形成されると共に前記第1導電層(31a)及び前記絶縁膜(31c)のうち前記ダイヤフラム(32)に対応した部分に前記絶縁膜(31c)を露出させる溝部(31d)が形成された第2導電層(31b)と、が積層されたSOI基板(31)で構成されており、
    前記分離手段は、前記絶縁層(42)と、前記ウェル領域(33)を含んだ領域を囲むように前記第1導電層(31a)に形成されていると共に前記絶縁膜(31c)に達するトレンチ(38)と、前記トレンチ(38)に埋め込まれた絶縁部材(39)と、によって構成されており、
    前記ウェル領域(33)は、電気的にフローティングになっていることを特徴とする半導体圧力センサ。
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