JP2011176100A - 貫通電極、微小構造体及びそれらの製造方法 - Google Patents

貫通電極、微小構造体及びそれらの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011176100A
JP2011176100A JP2010038816A JP2010038816A JP2011176100A JP 2011176100 A JP2011176100 A JP 2011176100A JP 2010038816 A JP2010038816 A JP 2010038816A JP 2010038816 A JP2010038816 A JP 2010038816A JP 2011176100 A JP2011176100 A JP 2011176100A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
silicon
trench
oxide film
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010038816A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Ushijima
隆志 牛島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2010038816A priority Critical patent/JP2011176100A/ja
Publication of JP2011176100A publication Critical patent/JP2011176100A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Micromachines (AREA)
  • Pressure Sensors (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)

Abstract

【課題】短時間で製造することができ、十分な気密性を有するとともに、基板の反りを低減させることができる貫通電極、微小構造体及びそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】導電性を有する基板10の所定領域を貫通トレンチ21で囲み、貫通トレンチ21内に絶縁膜50を形成して周囲から絶縁分離した貫通電極60において、絶縁膜50は、貫通トレンチ21の側面から化学気相成長させたシリコン膜40を熱酸化したシリコン熱酸化膜50である。
【選択図】図1

Description

本発明は、貫通電極、微小構造体及びそれらの製造方法に関し、特に、導電性を有する基板の所定領域を貫通トレンチで囲み、該貫通トレンチ内に絶縁膜を形成して周囲から絶縁分離した貫通電極、微小構造体及びそれらの製造方法に関する。
従来から、ウエハの第1表面と第2表面との間に絶縁された電気的接続を作る方法であって、導電性又は半導体材料からなるウエハを用意し、ウエハの第1表面から少なくとも一つのトレンチをエッチングしてトレンチが完全にウエハの一部分を囲むようにした後、トレンチを絶縁材料で満たし、トレンチ内の絶縁性材料を露出させるためにウエハを第2表面から薄くし、それによりウエハを貫通して伸びる絶縁された電気的接続を作成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、半導体基板に形成された孔の内周壁面に、酸化膜を形成した後、酸化膜表面に、絶縁性樹脂組成物を電着することにより絶縁層を形成し、次いで、絶縁層表面に半導体基板の表裏面を電気的に接続可能な導体パターンを形成した回路基板の製造方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特表2006−521022号公報 特開2005−191255号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載の構成では、トレンチを満たした材料で絶縁を確保するため、トレンチを満たす材料が絶縁材料に限定されるとともに、必ずしも基板と相性の良くない材料が用いられるおそれもあった。
また、上述の特許文献2に記載の構成では、酸化膜と絶縁性樹脂の2重層により絶縁層を形成しているが、絶縁性樹脂を用いた場合、その後のプロセスにおいて高温での処理ができなくなるという問題があった。また、樹脂と半導体基板又は熱酸化膜との熱膨張係数が異なり、半導体基板に反りが発生するおそれがあり、この半導体基板又はこの半導体基板に接合される基板上に駆動微小構造デバイスが形成される場合、駆動特性等に影響を与えるおそれがあるという問題があった。更に、かかる駆動微小構造デバイスを真空封止する場合、半導体基板を貫通するように形成された絶縁性樹脂の部分は、気体を通し易く、真空を保つことが困難であるという問題があった。
一方、上述のトレンチ又は孔に形成される絶縁材料又は絶縁層を、総て基板を熱酸化することにより形成した場合には、基板と材料との相性や、熱膨張係数の相違による基板の反りは防止できるが、熱酸化膜の成長に非常に長時間を要し、スループットの観点から、実際の製造プロセスには採用できないという問題があった。
そこで、本発明は、短時間で製造することができ、十分な気密性を有するとともに、基板の反りを低減させることができる貫通電極及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明に係る貫通電極は、導電性を有する基板の所定領域を貫通トレンチで囲み、該貫通トレンチ内に絶縁膜を形成して周囲から絶縁分離した貫通電極において、
前記絶縁膜は、前記貫通トレンチの側面から化学気相成長させたシリコン膜を熱酸化したシリコン熱酸化膜であることを特徴とする。
これにより、化学気相成長させたシリコン膜を熱酸化したシリコン熱酸化膜により絶縁膜が構成されているため、絶縁膜の気密性を高めることができる。
第2の発明は、第1の発明に係る貫通電極において、
前記シリコン熱酸化膜は、前記シリコン膜の一部に形成されていることを特徴とする。
これにより、伸長方向にあるシリコン熱酸化膜の引張応力を、収縮方向にあるシリコン膜の圧縮応力により緩和する構成となり、トレンチ内の応力バランスを平衡させ、基板の反りを低減させることができる。
第3の発明は、第2の発明に係る貫通電極において、
前記シリコン膜と前記シリコン熱酸化膜とが、前記貫通トレンチの幅方向に交互に複数形成されていることを特徴とする。
これにより、引張応力を有するシリコン熱酸化膜と、圧縮応力を有するシリコン膜の1枚毎の膜厚を各々薄膜化させ、1枚当たりの発生応力を小さくすることができるとともに、各々が交互に配置された構成とすることができ、トレンチ内の応力バランスを更に向上させることができる。
第4の発明は、第1〜3のいずれかの発明に係る貫通電極において、
前記シリコン膜は、ポリシリコン膜又はアモルファスシリコン膜であることを特徴とする。
これにより、シリコン熱酸化膜を形成する際の熱酸化膜生成時間を著しく短縮することができ、短時間で気密性に優れた貫通電極を構成することができる。
第5の発明は、第1〜4のいずれかの発明に係る貫通電極において、
前記貫通トレンチは、テーパ形状を有することを特徴とする。
これにより、シリコン熱酸化膜中にボイドが含まれ難い構成とすることができる。
第6の発明は、第1〜5のいずれかの発明に係る貫通電極において、
前記絶縁膜は、前記貫通トレンチの側面に形成された酸化膜を更に含むことを特徴とする。
これにより、2重構造の絶縁膜が貫通トレンチ内に形成された構成とすることができ、周囲との絶縁性についての信頼性を高めることができる。
第7の発明は、第1〜5のいずれかの発明に係る貫通電極において、
前記基板の前記所定領域内において、前記貫通トレンチに接近した領域の方が、前記貫通トレンチに離れた領域よりも高濃度のドーパントを含み、低抵抗であることを特徴とする。
これにより、貫通電極の所定領域内について、基板が元々有する導電性よりも導電性を高めることができ、貫通電極の導電率を向上させることができる。
第8の発明に係る微小構造体は、第1〜7のいずれかの発明に係る貫通電極と、
表面に電極が形成された微小構造体素子基板とを有し、
前記貫通電極と、前記微小構造体素子基板の前記電極が接合されたことを特徴とする。
これにより、貫通電極により封止され、センサやアクチュエータとして用いられる構造体が形成された部分の気密性を高めることができ、検出又は駆動の信頼性を高めることができる。また、気密性を高めることにより、駆動電圧を低下させることが可能になるとともに、高S/Nの検出が可能となる。更に、ゴミ等の異物の付着も防止することができる。
第9の発明に係る貫通電極の製造方法は、導電性を有する基板の所定領域を周囲から絶縁分離し、前記基板の厚さ方向に通電を行う貫通電極の製造方法において、
前記基板の前記所定領域を囲むようにトレンチを形成するトレンチ形成工程と、
前記トレンチの内部に、シリコン膜を化学気相成長により前記トレンチを充填しない膜厚で形成するシリコン膜形成工程と、
前記基板を加熱し、前記シリコン膜にシリコン熱酸化膜を形成するシリコン熱酸化膜形成工程と、を含むことを特徴とする。
これにより、最終的にシリコン熱酸化膜を形成し、気密性の高い絶縁膜を有する貫通電極を製造することができる。
第10の発明は、第9の発明に係る貫通電極の製造方法において、
前記シリコン熱酸化膜形成工程において、前記シリコン熱酸化膜は、前記シリコン膜の一部に形成することを特徴とする。
これにより、シリコン熱酸化膜により発生する引張応力を、シリコン膜により発生する圧縮応力で緩和させることができ、基板の反りを低減させ、応力耐性を高めることができる。
第11の発明は、第9又は第10の発明に係る貫通電極の製造方法において、
前記シリコン膜形成工程と前記シリコン熱酸化膜形成工程を、複数回繰り返すことを特徴とする。
これにより、シリコン熱酸化膜とシリコン膜の1枚当たりの厚さを薄くすることができ、各々が発生させる引張応力と圧縮応力を小さくすることができるとともに、これらを交互に複数枚配置した構成とすることにより、引張応力と圧縮応力をきめ細かくバランスさせ、内部応力の少ない貫通電極を製造することができる。
第12の発明は、第9〜11のいずれかの発明に係る貫通電極の製造方法において、
前記シリコン膜は、ポリシリコン膜又はアモルファスシリコン膜であることを特徴とする。
これにより、シリコン熱酸化膜を短時間で形成することができ、短時間で気密性の高い貫通電極を容易に製造することができる。
第13の発明は、第9〜12のいずれかの発明に係る貫通電極の製造方法において、
前記トレンチ形成工程において、前記トレンチを、深くなるにつれて溝幅が狭くなるテーパ形状に形成することを特徴とする。
これにより、シリコン膜の形成の際、トレンチの入口が塞がれてしまい、シリコン熱酸化膜の際にボイドが発生してしまう現象を防ぐことができ、ボイドが存在せず、気密性の高いシリコン熱酸化膜を形成することができる。
第14の発明は、第9〜13のいずれかの発明に係る貫通電極の製造方法において、
前記トレンチ形成工程と前記シリコン膜形成工程の間に、前記基板を加熱して前記トレンチの溝表面に酸化膜を形成する酸化膜形成工程を更に有することを特徴とする。
これにより、トレンチ表面の熱酸化膜とシリコン熱酸化膜の2重構造でトレンチ区画内基板の所定領域を周囲から絶縁することができ、周囲から確実に絶縁された領域を電極として用いることができ、電気的信頼性の高い貫通電極を製造することができる。
第15の発明は、第9〜13のいずれかの発明に係る貫通電極の製造方法において、
前記シリコン膜は、ドーパントを含んだシリコン膜であることを特徴とする。
これにより、シリコン膜に含まれているドーパントを、シリコン熱酸化膜形成工程で基板を加熱した際に、トレンチ区画内の基板の所定領域内に拡散させることができ、電極となる部分の導電性を周囲の基板よりも高くすることができる。なお、ドーパントの熱拡散は、シリコン熱酸化膜形成工程で熱拡散させる他、別途熱拡散の工程を設けるようにしてもよい。
第16の発明に係る微小構造体の製造方法は、表面に電極が形成された微小構造体素子基板を用意する工程と、
請求項9乃至15のいずれか一項に記載された貫通電極の製造方法により製造された貫通電極を、前記微小構造体素子基板の前記電極に接合する工程と、
前記貫通電極の前記微小構造体素子基板と対向していない面を研磨して薄板化し、前記貫通電極の前記シリコン熱酸化膜を露出させる工程と、を含むことを特徴とする。
これにより、シリコン熱酸化膜で確実に周囲と絶縁された貫通電極を用いて、気密性高く構成された微小構造体が、適切に外部との電気的接続を行うことができ、構造体の変化を確実に電気的信号に反映させることができる信頼性の高い微小構造体を製造することができる。
本発明によれば、貫通電極の気密性を高めることができる。
実施例1に係る貫通電極60の断面構成の一例を示した図である。 実施例1に係る貫通電極60の薄板化前の断面構成の一例を示した図である。 貫通電極の電極部の平面構成の例を示した図である。図3(A)は、四角形状の電極部12を有する貫通電極61の平面構成の一例を示した図である。図3(B)は、円形状の電極部13を有する貫通電極62の平面構成の一例を示した図である。 実施例1に係る微小構造体90の断面構成の一例を示した図である。 トレンチ20及び貫通トレンチ21内の内部応力の説明図である。図5(A)は、キャップ基板10上にシリコン膜40が形成された状態を示した図である。図5(B)は、シリコン膜40がキャップ基板10に作用する応力を示した図である。図5(C)は、キャップ基板10上にシリコン熱酸化膜50が形成された状態を示した図である。図5(D)は、シリコン熱酸化膜50がキャップ基板10に作用する応力の一例を示した図である。 実施例1の貫通電極60のトレンチ20内の内部応力例を示した図である。 実施例1の貫通電極60の製造方法のトレンチ形成工程を示した図である。 実施例1の貫通電極60の製造方法のシリコン膜形成工程を示した図である。 実施例1の貫通電極60の製造方法のシリコン熱酸化膜形成工程を示した図である。 実施例1の貫通電極60の製造方法の酸化膜パターニング工程を示した図である。 実施例1の貫通電極60の製造方法の接合・研磨工程の一例を示した図である。 実施例1の微小構造体の製造方法の配線形成工程の一例を示した図である。 実施例2に係る貫通電極63の貫通トレンチ21内の断面構成例を示した拡大図である。 実施例2に係る貫通電極63のトレンチ20内の断面構成例を示した図である。 実施例2に係る貫通電極63の平面構成の一例を示した図である。 実施例2の貫通電極63の製造方法のトレンチ形成工程を示した図である。 実施例2の貫通電極63の製造方法の基板熱酸化膜形成工程を示した図である。 実施例2の貫通電極63の製造方法のシリコン膜形成工程を示した図である。 実施例2の貫通電極63の製造方法のシリコン熱酸化膜形成工程を示した図である。 実施例2の貫通電極63の製造方法の酸化膜パターニング工程を示した図である。 実施例2の貫通電極63の製造方法の接合・研磨工程を示した図である。 実施例2の貫通電極63の製造方法の配線形成工程を示した図である。 実施例3に係る貫通電極65の断面構成の一例を示した図である。 実施例4に係る貫通電極66のトレンチ20の断面構成を示した拡大図である。 実施例4に係る貫通電極66のトレンチ20内の内部応力を示した図である。 実施例5に係る貫通電極67のトレンチ20の断面構成を示した拡大図である。 実施例6に係る貫通電極68のトレンチ20の断面構成を示した拡大図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。
図1は、本発明の実施例1に係る貫通電極60の断面構成の一例を示した図である。図1において、実施例1に係る貫通電極60は、キャップ基板10と、貫通トレンチ21と、シリコン膜40と、シリコン熱酸化膜50とを有する。キャップ基板10は、電極部11と、ザグリ15とを有する。
貫通電極60は、導電性を有するキャップ基板10の所定領域が貫通トレンチ21で囲まれて区画されている。貫通トレンチ21の内部には、シリコン膜40と、絶縁膜であるシリコン熱酸化膜50が充填され、区画した所定領域を周囲のキャップ基板10から絶縁した構成となっている。そして、区画された所定領域が電極部11となり、キャップ基板10の一方の面と他方の面を鉛直方向に貫通する貫通電極60を構成している。
キャップ基板10は、導電性を有する基板であり、例えば、半導体基板が用いられる。半導体基板は、ドーパントを注入し、高濃度拡散層として構成することにより、導電性を高めることができ、貫通電極60用の基板として利用することができる。半導体基板は、用途に応じて種々の半導体材料から構成される基板を用いてよいが、例えば、シリコン基板を用いてもよい。
キャップ基板10は、所定領域を有する電極部11を有する。電極部11が、通電を行う電流経路となる部分であり、本実施例に係る貫通電極60においては、キャップ基板10の厚さ方向に電流が流れ、通電を行うことになる。つまり、電極部11の表面と裏面との間で、導通が行われる構成となっている。
貫通トレンチ21は、本実施例に係る貫通電極60の電極部11を区画するための貫通溝である。図1において、キャップ基板10に貫通トレンチ21が形成され、電極部11が左右の領域から区画された状態が示されている。貫通トレンチ21内には、絶縁膜であるシリコン熱酸化膜50を含む膜が充填され、電極部11を、周囲のキャップ基板10から絶縁分離している。貫通トレンチ21は、貫通電極60を製造する製造工程の途中までは、キャップ基板10を貫通していない溝状態の通常のトレンチとして構成されるが、最終段階でキャップ基板10が切削・研磨されて薄板化され、最終的には貫通トレンチ21として構成される。
貫通トレンチ21の内部には、貫通トレンチ21の側面に沿うようにシリコン膜40が形成され、シリコン膜40の上の貫通トレンチ21の中央部に、シリコン熱酸化膜50が形成されている。そして、外側のシリコン膜40と内側のシリコン熱酸化膜50とで、貫通トレンチ21内を充填している。
シリコン膜40は、ポリシリコン膜又はアモルファスシリコン膜から構成される導電性を有する膜である。一方、シリコン熱酸化膜50は、シリコン膜40を熱酸化することにより形成される絶縁膜である。よって、シリコン膜40のみで貫通トレンチ21の内部が充填されていると、電極部11が絶縁分離されていない状態であるが、シリコン膜40を熱酸化してシリコン熱酸化膜とすることにより、絶縁膜を形成し、電極部11の周囲との絶縁分離を行っている。
図2は、実施例1に係る貫通電極60の薄板化される前の段階の断面構成の一例を示した図である。図2において、キャップ基板10に、貫通していない溝状態のトレンチ20が形成され、電極部11が区画されている。トレンチ20の内部には、シリコン膜40及び絶縁膜のシリコン熱酸化膜50が充填されているが、キャップ基板10の底部16で導通しているため、電極部11は周囲と絶縁分離されていない状態である。ここで、キャップ基板10の底部16を、シリコン熱酸化膜50の最深部よりも上方、つまりシリコン熱酸化膜50が露出するようにキャップ基板10の底部16を研磨して除去することにより、図1に示すような、シリコン熱酸化膜50で電極部11が周囲と絶縁分離された貫通電極60を構成することができる。例えば、図2においては、研磨ラインPまで研磨することにより、キャップ基板10の導通部分は消滅し、電極部11が周囲から絶縁分離される。このような最終段階を経て、図1に示す構成の貫通電極60となる。
図1に戻る。シリコン膜40は、例えば、化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition、CVD法)により、トレンチ20内に堆積されて形成される。CVDにより形成されるシリコン膜40は、ポリシリコン膜又はアモルファスシリコン膜である。よって、シリコン熱酸化膜50は、ポリシリコン熱酸化膜又はアモルファスシリコン熱酸化膜である。これらのシリコン熱酸化膜50は、キャップ基板10が半導体基板、特にシリコン基板で構成されている場合には、熱膨張係数がキャップ基板10と同一又は近似しているので、キャップ基板10の内部応力により発生する反りを低減することができる。
従来の貫通電極では、絶縁材料である樹脂等を充填する場合もあったが、樹脂をトレンチ20に充填した後、加熱処理を行うと、熱膨張係数がキャップ基板10と大きく異なるため、トレンチ20内で内部応力が発生し、キャップ基板10に反りを発生させてしまうという問題があった。
しかしながら、本実施例に係る貫通電極60においては、キャップ基板10の材料として用いられることが多いシリコンをトレンチ20内に充填し、これからシリコン熱酸化膜を形成しているので、加熱後も内部応力が発生し難い構成となっている。
ザグリ15は、貫通電極60を、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等の微小構造体の電極に接合して用いる場合に、微小構造体の構造体にキャップ基板10が接触しないように、スペースを作るために形成された加工構造である。ザグリ15は、用途に応じて、必要に応じて設けられてよい。
図3は、貫通電極の電極部の平面構成の例を示した図である。図3(A)は、四角形状の電極部12を有する貫通電極61の平面構成の一例を示した図である。図3(A)に示すように、キャップ基板10の所定の四角形状の領域を貫通トレンチ22で囲んで区画することにより、四角形状の電極部12を有する貫通電極61を構成することができる。
図3(B)は、円形状の電極部13を有する貫通電極62の平面構成の一例を示した図である。図3(B)において、貫通トレンチ23は、キャップ基板10の円形状の領域を囲んで区画し、周囲から絶縁分離して電極部13としている。このように、貫通電極62の電極部13の形状は、円形であってもよい。
図3に示したように、本実施例に係る貫通電極61、62の電極部12の平面形状は、用途に応じて種々の形状とすることができる。よって、以後の説明では、貫通電極60の平面形状は特に限定せずに、種々の形状として構成し得るものとして説明する。
図4は、本発明の実施例1に係る微小構造体90の断面構成の一例を示した図である。図4において、実施例1に係る微小構造体90は、微小構造体素子70と、貫通電極60とを有する。また、微小構造体素子70は、微小構造体素子基板71と、構造体72と、電極73と、絶縁層74と、封止領域75とを有する。貫通電極60は、キャップ基板10と、電極部11と、貫通トレンチ21と、シリコン膜40と、シリコン熱酸化膜50とを有する他、裏面配線層80を備える。
実施例1に係る微小構造体90は、微小構造体素子70の電極73に、貫通電極60の電極部11が接合されて構成される。
微小構造体素子基板71は、微小構造体70の支持台となる基板であり、微小構造体素子基板71上に、種々の部品が配置される。微小構造体素子基板71は、種々の基板を用いてよいが、例えば半導体基板を用いるようにしてもよい。半導体基板を用いる場合、種々の半導体材料の基板を適用してよいが、例えば、シリコン基板を用いるようにしてもよい。
構造体72は、微小構造体素子70のセンサ(検出部)又はアクチュエータ(駆動部)を構成する部分である。図4においては、櫛形の形状を有する構造体72の断面構成が示されているが、用途に応じて、種々の構造体72を構成することができる。
電極73は、構造体素子70の外部との電気的接続を行う箇所である。構造体素子70がセンサとして機能する場合には、構造体72で検出した加速度や圧力といった物理量を、電気信号として外部に出力するので、出力端子として電極73が少なくとも必要である。また、構造体素子70がアクチュエータとして機能する場合には、構造体72を駆動させるために電力の供給が必要であるので、入力端子として電極73が少なくとも必要である。その他、種々の目的で構造体素子70が外部と電気的接続を行うためには、電極73が必要であるので、外部との電気的接続を行うために、電極73が微小構造体素子基板73上に設けられる。なお、図4には示されていないが、電極73は、構造体73と電気的に接続されている。
絶縁層74は、電極73と微小構造体素子基板71との間の電気的接続を絶縁するための絶縁膜である。微小構造体素子基板71は、単に微小構造体素子70の支持台として機能するに過ぎず、通電を行う必要は無いので、電極73を流れる電流が微少構造体素子基板71に流れないように、電極73と微小構造体素子基板71との間を絶縁している。
封止空間75は、貫通電極60と微小構造体素子基板71との間に形成される密閉空間である。構造体72は、真空環境下で動作させる必要がある場合も多く、その場合には、貫通電極60と微小構造体素子基板71との間の封止空間75は、真空封止される。この場合、真空封止を保つことができないと、構造体72の検出又は駆動の精度に影響を与えるため、封止空間75の気密性を高めることは、微小構造体90として極めて重要である。本実施例に係る微小構造体90においては、貫通電極60の気密性を高めることにより、高精度の検出又は駆動能力を有する微小構造体90を実現することができる。
貫通電極60の構成は、図1乃至図3において説明した通りであり、貫通電極60の電極部11が、微小構造体素子70の電極73と接合されることにより、微小構造体素子70の電極73を外部に引き出した構成となっている。貫通電極60の外側表面には、裏面配線80が形成され、露出した電極部11と接続されて所望の位置で構造体素子70に電気信号の入出力を行えるように構成されている。
なお、図4において、貫通電極60は、図1と上下が逆転して用いられている。貫通電極60の配置の仕方は、表面の絶縁膜の保護の必要性と形成の容易さとを考慮し、用途に応じた用い方をしてよい。
このように、実施例1に係る微小構造体90は、実施例1に係る貫通電極60を用いることにより、封止空間の気密性を向上させ、高精度の検出又駆動を実現することができる。
図5は、トレンチ20及び貫通トレンチ21内の内部応力について説明するための図である。
図5(A)は、キャップ基板10上にシリコン膜40が形成された状態の一例を示した図である。シリコン膜40は、キャップ基板10の表面上に、CVDにより堆積形成される。
図5(B)は、CVDで形成されたシリコン膜40がキャップ基板10に作用する応力の一例を示した図である。図5(B)に示すように、キャップ基板10上に堆積したシリコン膜40は、収縮する性質を有し、キャップ基板10を内側(上側)から引っ張り、伸長させる方向に応力が作用する。よって、シリコン膜40の形成により、キャップ基板10には、引張応力が発生することになる。
図5(C)は、キャップ基板10上にシリコン熱酸化膜50が形成された状態の一例を示した図である。シリコン熱酸化膜50は、例えば、図5(A)、(B)に示した、キャップ基板10上にシリコン膜40が形成された状態において、キャップ基板10を加熱すると、シリコン膜40が熱酸化して図5(C)に示すような状態となる。
図5(D)は、シリコン膜40の熱酸化で形成されたシリコン熱酸化膜50がキャップ基板10に作用する応力の一例を示した図である。熱酸化においては、シリコン膜40が酸素を取り込むので、シリコン分子の間に酸素が入り込む形となり、シリコン熱酸化膜50は、伸長する性質を有する。よって、図5(D)に示すように、シリコン熱酸化膜50は、キャップ基板10を収縮させる方向に力が作用し、圧縮応力が発生することになる。
このように、キャップ基板10上に形成されたシリコン膜40は、キャップ基板10に引張応力を発生させ、キャップ基板10上に形成されたシリコン熱酸化膜50は、キャップ基板10に圧縮応力を発生させ、両者は逆の向きの応力を発生させる関係にある。
図6は、実施例1に係る貫通電極60のトレンチ20内の内部応力の一例を模式的に示した図である。図5において説明したように、シリコン膜40は圧縮応力を発生させ、シリコン熱酸化膜50は引張応力を発生させるので、トレンチ20内の内部応力は、図6に示す矢印のようになる。つまり、シリコン膜40は、深さ方向に両側から圧縮応力を発生させ、シリコン熱酸化膜50は、同様に深さ方向に中央で引張応力を発生させる。よって、内部応力は、隣接するシリコン膜40とシリコン熱酸化膜50とで相殺され、キャップ基板10に与える内部応力を極めて小さいものとすることができる。
このように、実施例1に係る貫通電極60は、シリコン膜40とシリコン熱酸化膜50とで発生する内部応力を相殺させ、キャップ基板10に発生する反りを低減し、外部からの応力耐性の高い貫通電極60とすることができる。
なお、図1乃至図6においては、キャップ基板10に発生する内部応力低減の観点から、トレンチ20及び貫通トレンチ21の内部が、シリコン膜40とシリコン熱酸化膜50の双方を有する構成の例を挙げて説明したが、応力低減よりも、絶縁の確実性を重視したい場合には、トレンチ20及び貫通トレンチ21の内部を、総てシリコン熱酸化膜50で充填するようにしてもよい。あまり内部応力が問題とならない場合には、CVDでトレンチ20内に形成したシリコン膜40を、総て熱酸化してしまい、確実に絶縁性を確保できる構成の貫通電極60として構成することもできる。
次に、図7A乃至図7Fを用いて、実施例1に係る貫通電極60の製造方法について説明する。図7乃至図7Fは、実施例1に係る貫通電極60の一連の製造工程の一例を示した図である。
図7Aは、実施例1に係る貫通電極60の製造方法のトレンチ形成工程の一例を示した図である。トレンチ形成工程においては、キャップ基板10の所定領域を囲むように、トレンチ20が形成される。トレンチ20で囲まれた領域が、電極部11となる。
トレンチ20の形成は、種々の方法により行われてよいが、例えば、マスクを用いたドライエッチングにより行われてもよい。
トレンチ20の形状は、図7Aに示すように、深さが深くなるにつれて溝幅が狭くなるような側面のテーパ形状に形成されてもよい。開口部の開口幅を大きくすることにより、後の化学気相成長工程によりシリコン膜を形成する際に、入口を塞ぐおそれを低減させることができる。
しかしながら、トレンチ20の形状は、図7Aに示すテーパ形状に限定されるものではなく、用途に応じて適宜形状を変更することができる。例えば、トレンチ20は、テーパを有せず、鉛直方向に深掘りされた側面を有する形状であってもよいし、図7Aとは逆に深くなるにつれて溝幅が広くなるような側面を有する形状であってもよい。また、曲面の側面を有する形状であってもよい。
図7Bは、実施例1に係る貫通電極60の製造方法のシリコン膜形成工程の一例を示した図である。シリコン膜形成工程においては、化学気相成長法により、トレンチ20の内部に、トレンチ20を完全に充填しない膜厚でシリコン膜40が形成される。CVDにより形成されるシリコン膜40は、トレンチ20の両側面と底面から成長するので、トレンチ20の中央部分が、空間として残るようにシリコン膜40が形成される。このように、トレンチ20を完全に充填せずに、空間を残してシリコン膜40を形成することにより、最終的に熱酸化でシリコン熱酸化膜50を形成してトレンチ20を充填することが可能となる。CVDにより形成される膜は、トレンチ20を充填しても、膜界面にボイドが発生し易く、気密性に問題が残る場合が多い。一方、熱酸化膜は、ボイド等が発生し難い緻密な膜が形成される場合が多い。よって、最終的なトレンチ20の充填を熱酸化で行うことにより、トレンチ20内の気密性を高めることができる。
シリコン膜40には、ポリシリコン膜又はアモルファスシリコン膜が用いられてよい。これらの膜は、CVDで形成することが可能であるとともに、熱酸化膜の成長を短時間で行うことができる材質であるので、貫通電極60の製造時間を短縮することができる。
ここで、図7Bに示した図は、化学気相成長法によりシリコン膜40を堆積した後に、エッチバックによりキャップ基板10上のシリコン膜40が薄膜状になるまで除去した状態が示されている。CVDでシリコン膜40を形成した際には、シリコン膜40は、トレンチ20の内部だけでなく、キャップ基板10の表面にも、トレンチ20の内部と同程度の膜厚で堆積される。しかしながら、キャップ基板10の表面に厚く堆積したシリコン膜40は不要であるので、エッチバックにより除去され、キャップ基板10の表面を薄く被覆する程度にまでエッチングしてよい。
なお、図7Bにおいては、キャップ基板10の表面に、薄くシリコン膜40を残した状態が示されているが、キャップ基板10の表面は、総てシリコン膜40を除去し、キャップ基板10を露出させるようにしてもよい。
図7Cは、実施例1に係る貫通電極60の製造方法のシリコン熱酸化膜形成工程の一例を示した図である。シリコン熱酸化膜形成工程においては、トレンチ20内にシリコン膜40が形成されたキャップ基板10を加熱してシリコン膜40の一部又は全部を熱酸化し、シリコン熱酸化膜50をトレンチ20内に形成してトレンチ20の内部を充填する。
これにより、トレンチ20の内部が完全に充填されるとともに、電極部11を周囲から絶縁分離する絶縁膜が形成される。上述のように、シリコン熱酸化膜50は、絶縁膜であるとともに、CVDで形成されたシリコン膜40よりも、遙かにボイドが発生し難く気密性の高い膜である。よって、トレンチ20内部の鉛直方法の気密性が高められる。
なお、トレンチ20の内部のシリコン熱酸化膜50は、シリコン膜40の一部に形成してもよいし、全部に形成してもよい。但し、トレンチ20内の内部応力を緩和する観点からは、シリコン膜40の一部を残し、シリコン膜40の一部をシリコン熱酸化膜50に変化させることが好ましい。
また、シリコン熱酸化膜形成工程においては、キャップ基板10の表面に存在するシリコン膜40も熱酸化され、キャップ基板10の表面もシリコン熱酸化膜50で覆われる。これにより、一旦、電極部11も含めてキャップ基板10の表面が絶縁膜で覆われることになる。なお、図7Bのシリコン膜形成工程において、エッチバックを行う際、キャップ基板10の表面を露出させてもよいことを述べたが、キャップ基板10の表面が露出している場合には、本工程において、キャップ基板10の表面に、やはりキャップ基板10の熱酸化による酸化膜が形成されることになる。よって、キャップ基板10の表面は、シリコン膜40の有無に関係無く、一旦酸化膜で被覆されることになる。
図7Dは、実施例1に係る貫通電極60の製造方法の酸化膜パターニング工程の一例を示した図である。酸化膜パターニング工程においては、キャップ基板10の表面に形成された熱酸化膜を所望のパターンとなるように除去する。これにより、電極部11として用いたい部分の表面を露出させるとともに、電極部11として用いない部分は熱酸化膜で表面を覆って保護することができる。なお、除去される熱酸化膜は、シリコン熱酸化膜50であってもよいし、キャップ基板10自体の熱酸化により表面に形成された熱酸化膜であってもよい。
また、酸化膜パターニング工程においては、微小構造体素子70とキャップ基板10との間に隙間を設けるために、必要に応じてザグリ15が形成されてもよい。
図7Eは、実施例1に係る貫通電極60の製造方法の接合・研磨工程の一例を示した図である。接合・研磨工程においては、キャップ基板10の電極部11が、微小構造体素子70の電極73と接合されるとともに、キャップ基板10の裏面研磨が行われる。
キャップ基板10の電極部11と微小構造体素子70の電極73との接合は、電極11、73同士が通電可能な種々の接合方法により行われてよい。例えば、表面活性化接合、プラズマ活性化接合、共晶接合等の通電可能な接合方法が用途に応じて適宜選択されてよい。
キャップ基板10の裏面研磨も、種々の方法により行われてよいが、例えば、グラインダのような切削手段を用いて、裏面を研磨して底面部16を切削除去することにより行われてよい。また、裏面研磨は、キャップ基板10が微小構造体素子70に接合された後に行われてもよいし、接合前に行われてもよいが、微小構造体90は、非常に薄い加工物であるので、取り扱いを容易にするために、接合後に裏面研磨を行うようにしてもよい。
なお、本工程で、貫通電極60は完成したことになる。
図7Fは、実施例1に係る微小構造体の製造方法の配線形成工程の一例を示した図である。配線形成工程においては、貫通電極60の電極部11に接続される配線を形成し、貫通電極60を用いた微小構造体素子70への電気信号の入出力を容易な構成とする。
実施例1に係る貫通電極60及び微小構造体90の製造方法によれば、トレンチ20内を、シリコン膜40で途中まで充填し、これを熱酸化して最終的には気密性の高いシリコン熱酸化膜50でトレンチ20内を充填するので、気密性の高い貫通電極60及び微小構造体90を製造することが可能となる。
図8は、本発明の実施例2に係る貫通電極63の貫通トレンチ21内部の断面構成の一例を示した拡大図である。図8において、実施例2に係る貫通電極63は、キャップ基板10と、貫通トレンチ21と、シリコン膜40と、シリコン熱酸化膜50とを有する点では、実施例1に係る貫通電極60と同様である。なお、実施例2に係る貫通電極63において、実施例1に係る貫通電極60と同様の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略するものとする。
実施例2に係る貫通電極63においては、貫通トレンチ21の側面に、基板熱酸化膜30が形成されており、その上にシリコン膜40及びシリコン熱酸化膜50が形成されている点で、実施例1に係る貫通電極60と異なっている。
基板熱酸化膜30は、キャップ基板10を加熱することによりキャップ基板10の表面に形成される熱酸化膜である。よって、例えば、キャップ基板10がシリコン基板の場合には、シリコン酸化膜(SiO)が基板熱酸化膜30となる。実施例2に係る貫通電極63においては、トレンチ20の形成後にキャップ基板10が加熱処理されて基板熱酸化膜30が形成され、その後にCVDによるシリコン膜40が形成され、次いでシリコン熱酸化膜50が形成されることになる。
図9は、実施例2に係る貫通電極63の研磨前のトレンチ20内の断面構成の一例を示した図である。図9において、キャップ基板10にトレンチ20が形成され、トレンチ20内に基板熱酸化膜30と、シリコン膜40と、シリコン熱酸化膜50が順次トレンチ20の溝表面から形成されている。実施例2に係る貫通電極63においては、絶縁膜は、トレンチ20内の中央のシリコン熱酸化膜50だけではなく、トレンチ20の側面及び底面に沿った基板熱酸化膜30の2層となっている。よって、電極部11の周囲からの絶縁性は、確実に担保される構成となる。
例えば、図9においては、研磨ラインPは、実施例1と同様に、シリコン熱酸化膜50の最深部より上方であり、シリコン熱酸化膜50が確実に露出する構成となる。しかしながら、例えば、研磨ラインP1で研磨が終了してしまった場合には、シリコン熱酸化膜50は露出しない構成となる。このような場合であっても、もう一方の絶縁膜である基板熱酸化膜30が露出するので、電極部11を周囲のキャップ基板10から絶縁分離することができる。つまり、何らかの原因で、シリコン熱酸化膜50が十分トレンチ20の深部にまで形成されなかったり、研磨ラインPが浅すぎて研磨ラインP1のようになったりし、キャップ基板10の底面部16を除去してもシリコン熱酸化膜50が露出されなかった場合であっても、トレンチ20の溝表面に沿って形成されている基板熱酸化膜30により、確実に電極部11を周囲から絶縁分離することができる。
図10は、実施例2に係る貫通電極63の平面構成の一例を示した図である。実施例2に係る貫通電極63は、実施例1に係る貫通電極60と同様に、図3(A)、(B)に示したような、四角形状や円形状の平面構成の貫通電極61、62として構成できる他、図10に示すようなステッチ形状の平面構成を有する貫通電極64として構成することもできる。
図10において、小さい複数の円形のトレンチ24が、所定間隔を置いて、円形状にキャップ基板10に配置されている。複数の円形のトレンチ24は、連続的な線を構成して電極部14を周囲から区画している訳ではないが、トレンチ24間を絶縁化することにより、周囲から絶縁分離することができる。よって、図10の形状においては、まず、トレンチ24を熱酸化し、トレンチ24の表面から基板熱酸化膜30を形成する。次いで、熱酸化を継続し、トレンチ24の表面に形成された基板熱酸化膜30を、隣接するトレンチ24の間にまで延長して形成し、キャップ基板10を全体として円形に絶縁化する。そして、絶縁化したキャップ基板10と貫通トレンチ24の組み合わせで電極部14を周囲から絶縁分離する。このように、実施例2に係る貫通電極63によれば、必ずしもトレンチ24のみで電極部14を区画しなくてもよく、トレンチ24と絶縁化されたキャップ基板10の組み合わせで電極部14を構成することもできる。
図10に係る貫通電極64の構成によれば、ステッチ形状とすることで、電極部14とキャップ基板10との物理的な接続を強固に保ちつつ、電気的には電極部14を周囲のキャップ基板10から絶縁分離することができる。
次に、図11A乃至図11Gを用いて、実施例2に係る貫通電極63の製造方法について説明する。図11A乃至図11Gは、実施例2に係る貫通電極63の製造方法の一連の工程を示した図である。
図11Aは、実施例2に係る貫通電極63の製造方法のトレンチ形成工程の一例を示した図である。トレンチ形成工程においては、キャップ基板10にトレンチ20が形成されるが、その詳細な内容は、実施例1の図7Aと同様であるので、その説明を省略する。
図11Bは、実施例2に係る貫通電極63の製造方法の基板熱酸化膜形成工程の一例を示した図である。基板熱酸化膜形成工程においては、キャップ基板10を酸素雰囲気下で加熱処理することにより、トレンチ20が形成されたキャップ基板10の表面全体に基板熱酸化膜30を形成し、トレンチ20の溝表面及びキャップ基板10の表面を絶縁膜で被覆する。これにより、トレンチ20の内部表面に沿って薄い絶縁膜が形成されることになる。
なお、基板熱酸化膜形成工程を非常に長時間行うことにより、理論的にはトレンチ20を基板熱酸化膜30で充填することは可能である。しかし、基板熱酸化膜30は、非常に成長速度が遅く、n倍の膜厚を得るのに、nの2乗倍の時間を要する。よって、実施例2に係る貫通電極63の製造方法においては、基板熱酸化膜30の膜厚は、1.5μm以下に留めることが好ましい。
図11Cは、実施例2に係る貫通電極63の製造方法のシリコン膜形成工程の一例を示した図である。シリコン膜形成工程においては、基板熱酸化膜30の上に、CVDにより、トレンチ20が完全に充填されない膜厚でシリコン膜を形成する。シリコン膜形成工程の詳細な内容は、下地がキャップ基板10ではなく、基板熱酸化膜30であるという点以外は、実施例1の図7Bと同様である。よって、シリコン膜形成工程の具体的な内容については、その説明を省略する。
図11Dは、実施例2に係る貫通電極63の製造方法のシリコン熱酸化膜形成工程の一例を示した図である。シリコン熱酸化膜形成工程においては、基板熱酸化膜30上に形成されたシリコン膜40が熱酸化されてシリコン熱酸化膜50が形成され、これによりトレンチ20が完全に充填される。よって、トレンチ20は、基板熱酸化膜30、シリコン膜40及びシリコン熱酸化膜50で充填されることになる。なお、シリコン膜40とシリコン熱酸化膜50により発生する内部応力の関係は、実施例1において説明したのと同様の相殺効果をもたらし、キャップ基板10の反りを低減する。一方、このような応力の相殺効果が不要である場合には、シリコン膜40の総てをシリコン熱酸化膜50としてもよいことも、実施例1と同様である。
シリコン熱酸化膜工程の詳細な内容は、実施例1の図7Cの内容と同様であるので、その説明を省略する。
図11Eは、実施例2に係る貫通電極63の製造方法の酸化膜パターニング工程の一例を示した図である。酸化膜パターニング工程においては、電極部11の表面に形成されていた基板熱酸化膜30及びシリコン熱酸化膜50が除去される。また、必要に応じて、キャップ基板10の表面にザグリ15が形成される。酸化膜パターニング工程の詳細な内容は、除去する酸化膜に基板熱酸化膜30も含まれる以外は、実施例1の図7Dの内容と同様であるので、その説明を省略する。
図11Fは、実施例2に係る貫通電極63の製造方法の接合・研磨工程の一例を示した図である。接合・研磨工程においては、貫通電極63の電極部11が構造体素子70の電極73に接合されるとともに、キャップ基板10が裏面から研磨され、底面部16が除去される。そして、基板熱酸化膜30、シリコン膜40及びシリコン熱酸化膜50が表面に露出される。このとき、シリコン熱酸化膜50が露出しない状態となっても、基板熱酸化膜30が露出すれば、電極部11の周囲との絶縁性は保たれることになる。この段階で、実施例2に係る貫通電極63は完成する。
なお、接合・研磨工程の詳細な内容は、実施例1の図7Eの内容と同様であるので、その説明を省略する。
図11Gは、実施例2に係る貫通電極63の製造方法の配線形成工程の一例を示した図である。配線形成工程においては、貫通電極63の電極部11の外部との電気的接続に必要な裏面配線80が施されるが、その詳細な内容は、実施例1の図7Fの内容と同様であるので、その説明を省略する。
このように、実施例2に係る貫通電極63の製造方法においては、キャップ基板10に形成されたトレンチ20内の表面を被覆するように基板熱酸化膜30を形成することにより、電極部11の周囲との絶縁性をより確実にすることができる。また、図10において説明したような、ステッチ形状の平面構成とすることも可能となり、貫通電極63の機械的強度を高めることができる。
図12は、本発明の実施例3に係る貫通電極65の断面構成の一例を示した図である。図12において、実施例3に係る貫通電極65は、キャップ基板10にトレンチ20が形成されるとともに、トレンチ20の内部にシリコン膜40及びシリコン酸化膜50が充填され、電極部11を周囲から絶縁分離している点は、実施例1に係る貫通電極60と同様である。なお、実施例3に係る貫通電極65おいて、実施例1に係る貫通電極60と同様の構成要素については、同一の参照符号を付し、その説明を省略するものとする。また、図12においては、理解の容易のために、裏面研磨前の貫通電極65を示しているが、キャップ基板10の裏面から研磨ラインPまで研磨し、底面部16を除去した形状が貫通電極65の完成形状である点は、実施例1及び実施例2と同様である。
実施例3に係る貫通電極65は、トレンチ20の周囲のキャップ基板10に、高濃度拡散領域17が形成されている点で、実施例1に係る貫通電極60と異なっている。高濃度拡散領域17は、キャップ基板10のトレンチ20から離れた領域よりも、ドーパントを多く含み、低抵抗に構成されている領域である。ドーパントは、B、P、As、Sb等の種々の不純物を用いることができる。
実施例3に係る貫通電極65は、CVDにより形成するシリコン膜40に、高濃度のドーパントを含ませておくことにより構成することができる。つまり、高濃度のドーパントを含むシリコン膜40をCVDでトレンチ20の内部に堆積形成した後は、加熱処理によりシリコン熱酸化膜50を形成するが、このときの加熱処理により、シリコン膜40に含まれているドーパントがキャップ基板10側に熱拡散する。これにより、キャップ基板10のトレンチ20に接近した領域に、高濃度拡散領域17が形成されることになる。高濃度拡散領域17は、キャップ基板10の元々の材質よりも低抵抗となるので、貫通電極65の電極部11の導電性を高めることが可能となる。
このように、シリコン膜40にドーパントを含ませることにより、電極部11の導電性を高めるような貫通電極65を構成することも可能である。この場合、ドーパントを、トレンチ20からキャップ基板10に熱拡散させる必要があるので、実施例2で説明したような基板熱酸化膜30は設けない構成となる。
また、ドーパントは、トレンチ20の溝表面に接触したシリコン膜40からキャップ基板10に拡散するので、トレンチ20に接近すれにつれて導電性が高くなり、トレンチ20から離れるにつれて導電性がキャップ基板10の本来の導電性に近付くような構成となる。
なお、実施例3に係る貫通電極65の製造方法は、ドーパントを含ませたシリコン膜40をシリコン膜形成工程において形成する点以外は、実施例1の図7A乃至図7Fに説明した製造方法と同様の製造方法を用いることができる。よって、実施例3に係る貫通電極65の製造方法の詳細な説明は省略する。
このように、実施例3に係る貫通電極65によれば、電極部11の導電性をキャップ基板10が本来有する導電性よりも高めることができ、より低抵抗で耐圧の高い貫通電極65とすることができる。
図13は、本発明の実施例4に係る貫通電極66のトレンチ20の断面構成の一例を示した拡大図である。実施例4に係る貫通電極66は、キャップ基板10にトレンチ20が形成され、電極部11を周囲から絶縁分離している点では、実施例1乃至実施例3に係る貫通電極60、63、65と同様である。
実施例4に係る貫通電極66は、トレンチ20の内部に、2層のシリコン膜41、42と、2層のシリコン熱酸化膜51、52を各々含む点で、実施例1乃至実施例3に係る貫通電極60、63、65と異なっている。このように、トレンチ20内に、複数のシリコン膜41、42及びシリコン熱酸化膜51、52が形成された構成としてもよい。
また、実施例4に係る貫通電極66において、トレンチ20の溝表面から内側にかけて、シリコン膜41、シリコン熱酸膜51、シリコン膜42、シリコン熱酸化膜52というように、シリコン膜41、42とシリコン熱酸化膜51、52が溝幅方向に交互に形成された構成となっている。実施例1の図5及び図6において説明したように、CVDで形成されたシリコン膜41、42は圧縮応力を発生させ、熱酸化で形成されたシリコン熱酸化膜51、52は引張応力を発生させる。
図14は、実施例4に係る貫通電極66のトレンチ20内に発生する内部応力を模式的に示した図である。図14に示すように、トレンチ20の深さ方向に発生する圧縮応力と引張応力が、順次隣接するシリコン膜41とシリコン熱酸化膜51、シリコン熱酸化膜51とシリコン酸化膜42、シリコン酸化膜42とシリコン熱酸化膜52とで互いに相殺している。また、各々のシリコン膜41、42及びシリコン熱酸化膜51、52は、1層当たりの膜厚が実施例1のシリコン膜40及びシリコン熱酸化膜50よりも薄くなっている。よって、シリコン膜41、42及びシリコン熱酸化膜51、52で発生する圧縮応力及び引張応力の1層当たりの大きさ自体を小さくすることができる。また、シリコン膜41、42及びシリコン熱酸化膜51、52が交互に配置されていることにより、よりきめ細かく応力の相殺を行うことができるので、内部応力の発生をより低減させることができる。
なお、実施例4に係る貫通電極66の製造方法は、実施例1に係る貫通電極60の製造方法において、図7Bで説明したシリコン膜形成工程と、図7Cにおいて説明したシリコン熱酸化膜形成工程を、複数回繰り返し、トレンチ20を充填し終えてから、図7Dの酸化膜パターニング工程に移るようにすればよい。その際、シリコン膜形成工程で形成するシリコン膜41、42は、各々のシリコン膜41、42が実施例1のシリコン膜40よりも薄くなるように形成するようにする。また、シリコン熱酸化膜形成工程においても、各々のシリコン熱酸化膜51、52の成長が、実施例1のシリコン熱酸化膜50よりも薄くなるように工程を繰り返すようにすればよい。繰り返しの回数や、個々の膜厚は、目的とするプロセスに応じて、適宜適切な設定とすることができる。
その他の工程は、実施例1の図7A乃至図7Fの内容と同様であるので、その説明を省略する。
このように、実施例4に係る貫通電極66によれば、内部応力の発生を更に低減させ、キャップ基板10の反りを防止することができる。
図15は、本発明の実施例5に係る貫通電極67のトレンチ20の断面構成の一例を示した拡大図である。実施例5に係る貫通電極67は、トレンチ20の内部表面に基板熱酸化膜30が形成されている点で、実施例4に係る貫通電極66と異なっている。その他の構成要素は、実施例4に係る貫通電極66と同様であるので、同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
このように、トレンチ20の溝表面に基板熱酸化膜30を構成しつつ、更に複数の薄いシリコン膜41、42及びシリコン熱酸化膜51、52を交互にトレンチ20の溝幅方向に形成するようにしてもよい。
これにより、絶縁性を確実に担保しつつトレンチ20内部の内部応力を低減し、キャップ基板10の反りを適切に防止することができる。
なお、実施例5に係る貫通電極67の製造方法は、実施例2に係る貫通電極63の製造方法において、図11Cのシリコン膜形成工程及び図11Dのシリコン熱酸化膜形成工程を複数回繰り返すようにすればよい。この2つの工程は、実施例4において説明した内容と同様であり、また、他の工程は、実施例2に係る貫通電極63の製造方法と同様であるので、その説明を省略する。
実施例5に係る貫通電極67によれば、確実な絶縁性、内部応力の低減及び気密性の向上を同時に実現することができる。
図16は、本発明の実施例6に係る貫通電極68のトレンチ20の断面構成の一例を示した拡大図である。実施例6に係る貫通電極68は、高濃度拡散層17がキャップ基板10のトレンチ20に接近した領域に形成されている点で、実施例4に係る貫通電極66と異なっている。その他の構成要素については、実施例4に係る貫通電極66と同様であるので、同一の参照符号を付してその説明を省略する。
実施例6に係る貫通電極68においては、最も外側のシリコン膜41にドーパントを含ませ、加熱処理を行う際に、キャップ基板10にドーパントが熱拡散することにより構成される。なお、内側のシリコン膜42には、ドーパントを含ませる必要は無い。
このように、トレンチ20に接触するシリコン膜41にドーパントを含ませつつ、薄いシリコン膜41、42及びシリコン熱酸化膜51、52を交互に形成するようにしてもよい。これにより、電極部11の導電性を高めつつ、トレンチ20内の内部応力を低減させ、キャップ基板10の反りを防止することができる。
実施例6に係る貫通電極68の製造方法は、実施例3に係る貫通電極65の製造方法で説明した製造方法において、図7Bのシリコン膜形成工程と、図7Cのシリコン熱酸化膜形成工程を複数回繰り返すようにすればよい。その際、1回目のシリコン膜形成工程で形成するシリコン膜41にはドーパントを含めるが、2回目以降のシリコン膜形成工程で形成するシリコン膜42には、ドーパントを含めないようにする。シリコン熱酸化膜形成工程は、実施例4において説明した内容と同様であるので、その説明を省略する。また、他の工程についても、実施例3に係る貫通電極65の製造方法と同様であるので、その説明を省略する。
実施例6に係る貫通電極68によれば、電極部11の導電性を高めつつ、トレンチ20内の内部応力の発生を低減し、キャップ基板10の反りの発生を防止することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
本発明は、種々の電極に利用することができ、特に、MEMS等の微小構造体用の外部接続用の電極に好適に利用することができる。
10 キャップ基板
11、12、13、14 電極部
15 ザグリ
16 底面部
17 高濃度拡散領域
20、24 トレンチ
21、22、23 貫通トレンチ
30 基板熱酸化膜
40、41、42 シリコン膜
50、51、52 シリコン熱酸化膜
60〜68 貫通電極
70 構造体素子
71 構造体素子基板
72 構造体
73 電極
74 絶縁層
80 裏面配線
90 微小構造体

Claims (16)

  1. 導電性を有する基板の所定領域を貫通トレンチで囲み、該貫通トレンチ内に絶縁膜を形成して周囲から絶縁分離した貫通電極において、
    前記絶縁膜は、前記貫通トレンチの側面から化学気相成長させたシリコン膜を熱酸化したシリコン熱酸化膜であることを特徴とする貫通電極。
  2. 前記シリコン熱酸化膜は、前記シリコン膜の一部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の貫通電極。
  3. 前記シリコン膜と前記シリコン熱酸化膜とが、前記貫通トレンチの幅方向に交互に複数形成されていることを特徴とする請求項2に記載の貫通電極。
  4. 前記シリコン膜は、ポリシリコン膜又はアモルファスシリコン膜であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の貫通電極。
  5. 前記貫通トレンチは、テーパ形状を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の貫通電極。
  6. 前記絶縁膜は、前記貫通トレンチの側面に形成された酸化膜を更に含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の貫通電極。
  7. 前記基板の前記所定領域内において、前記貫通トレンチに接近した領域の方が、前記貫通トレンチに離れた領域よりも高濃度のドーパントを含み、低抵抗であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の貫通電極。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の貫通電極と、
    表面に電極が形成された微小構造体素子基板とを有し、
    前記貫通電極と、前記微小構造体素子基板の前記電極が接合されたことを特徴とする微小構造体。
  9. 導電性を有する基板の所定領域を周囲から絶縁分離し、前記基板の厚さ方向に通電を行う貫通電極の製造方法において、
    前記基板の前記所定領域を囲むようにトレンチを形成するトレンチ形成工程と、
    前記トレンチの内部に、シリコン膜を化学気相成長により前記トレンチを充填しない膜厚で形成するシリコン膜形成工程と、
    前記基板を加熱し、前記シリコン膜にシリコン熱酸化膜を形成するシリコン熱酸化膜形成工程と、を含むことを特徴とする貫通電極の製造方法。
  10. 前記シリコン熱酸化膜形成工程において、前記シリコン熱酸化膜は、前記シリコン膜の一部に形成することを特徴とする請求項9に記載の貫通電極の製造方法。
  11. 前記シリコン膜形成工程と前記シリコン熱酸化膜形成工程を、複数回繰り返すことを特徴とする請求項9又は10に記載の貫通電極の製造方法。
  12. 前記シリコン膜は、ポリシリコン膜又はアモルファスシリコン膜であることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載の貫通電極の製造方法。
  13. 前記トレンチ形成工程において、前記トレンチを、深くなるにつれて溝幅が狭くなるテーパ形状に形成することを特徴とする請求項9乃至12のいずれか一項に記載の貫通電極の製造方法。
  14. 前記トレンチ形成工程と前記シリコン膜形成工程の間に、前記基板を加熱して前記トレンチの溝表面に酸化膜を形成する酸化膜形成工程を更に有することを特徴とする請求項9乃至13のいずれか一項に記載の貫通電極の製造方法。
  15. 前記シリコン膜は、ドーパントを含んだシリコン膜であることを特徴とする請求項9乃至13のいずれか一項に記載の貫通電極の製造方法。
  16. 表面に電極が形成された微小構造体素子基板を用意する工程と、
    請求項9乃至15のいずれか一項に記載された貫通電極の製造方法により製造された貫通電極を、前記微小構造体素子基板の前記電極に接合する工程と、
    前記貫通電極の前記微小構造体素子基板と対向していない面を研磨して薄板化し、前記貫通電極の前記シリコン熱酸化膜を露出させる工程と、を含むことを特徴とする微小構造体の製造方法。
JP2010038816A 2010-02-24 2010-02-24 貫通電極、微小構造体及びそれらの製造方法 Pending JP2011176100A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010038816A JP2011176100A (ja) 2010-02-24 2010-02-24 貫通電極、微小構造体及びそれらの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010038816A JP2011176100A (ja) 2010-02-24 2010-02-24 貫通電極、微小構造体及びそれらの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011176100A true JP2011176100A (ja) 2011-09-08

Family

ID=44688715

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010038816A Pending JP2011176100A (ja) 2010-02-24 2010-02-24 貫通電極、微小構造体及びそれらの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011176100A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9147641B2 (en) 2013-02-18 2015-09-29 Kabushiki Kaisha Toshiba Semiconductor device
US9576881B2 (en) 2013-02-18 2017-02-21 Kabushiki Kaisha Toshiba Semiconductor device
KR20170030478A (ko) * 2014-07-08 2017-03-17 인텔 코포레이션 스루-바디 비아 라이너 퇴적
JP2018137255A (ja) * 2017-02-20 2018-08-30 新日本無線株式会社 電子デバイスの製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9147641B2 (en) 2013-02-18 2015-09-29 Kabushiki Kaisha Toshiba Semiconductor device
US9576881B2 (en) 2013-02-18 2017-02-21 Kabushiki Kaisha Toshiba Semiconductor device
KR20170030478A (ko) * 2014-07-08 2017-03-17 인텔 코포레이션 스루-바디 비아 라이너 퇴적
JP2017521858A (ja) * 2014-07-08 2017-08-03 インテル・コーポレーション 本体貫通ビアライナの堆積
KR102327422B1 (ko) * 2014-07-08 2021-11-17 인텔 코포레이션 스루-바디 비아 라이너 퇴적
JP2018137255A (ja) * 2017-02-20 2018-08-30 新日本無線株式会社 電子デバイスの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI606005B (zh) 微機械構件及製造方法
KR101892776B1 (ko) 면외 이격체로 형성된 전극
US20120119311A1 (en) Semi-conductor sensor fabrication
US10054609B2 (en) Semiconductor device and method for manufacturing same
JP5874609B2 (ja) 半導体装置およびその製造方法
US9425115B2 (en) Glass frit wafer bond protective structure
JP2010153406A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP2005129888A (ja) センサ装置、センサシステム、センサ装置の製造方法及びセンサシステムの製造方法
JP2011176100A (ja) 貫通電極、微小構造体及びそれらの製造方法
US20180111823A1 (en) Through silicon via (tsv) formation in integrated circuits
US11402288B2 (en) Membrane-based sensor having a plurality of spacers extending from a cap layer
TWI652728B (zh) 用於面外間隔體界定電極的磊晶式多晶矽蝕刻停止
JP2012020396A (ja) 密封された空洞を備えたmemsデバイスおよび装置
JP2006186357A (ja) センサ装置及びその製造方法
JP2006201158A (ja) センサ装置
JP2011255436A (ja) 貫通電極及びこれを用いた微小構造体、並びにそれらの製造方法
US10209155B2 (en) Physical quantity sensing semiconductor device and method for manufacturing the same
US20140252506A1 (en) Semi-conductor sensor fabrication
US11731869B1 (en) MEMS with small-molecule barricade
JP6897703B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP6142735B2 (ja) 半導体圧力センサ
CN112041688B (zh) 半导体装置的制造方法
JP2006126212A (ja) センサ装置
JP2020199591A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP2011142230A (ja) 貫通電極及びその製造方法、並びに微小構造体