JP2016128701A - プランマブロック軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】プランマグロック軸受の稼働中における、円滑な回転の維持のための追加的な給油作業に要する時間を短縮し、これによりプランマブロック軸受を用いた生産設備の保守性及び生産性を向上させること。
【解決手段】軸受箱1と、回転軸20を回転可能に支持するラジアル軸受6と、を備えるプランマブロック軸受10であって、軸受箱1の上面には複数の給油口2が設置されていて、複数の給油口2は、軸受箱1の内部においてラジアル軸受6が占める空間の直上の範囲内の位置に設置される中央給油口2Aと、ラジアル軸受6が占める空間の直上の範囲外の位置に設置される端部給油口2Bと、を含んでなるプランマブロック軸受10とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、プランマブロック軸受に関する。より詳しくは、潤滑油を滞留させることができる軸受箱の内部に、回転軸を回転可能に支持するラジアル軸受を設置してなるプランマブロック軸受に関する。
プランマブロック軸受の具体的な実施形態の一例として、例えば、非鉄製錬設備等で稼働するロータリーキルンの駆動用のピニオンギヤの軸受として用いられている軸受を挙げることができる。
プランマブロック軸受は、例えば、自動調心ころ軸受等のラジアル軸受を、金属製の軸受箱の内部に設置し、これにより回転軸を回転可能に支持するものである(特許文献1参照)。そして、プランマブロック軸受は、通常、軸受箱の上面のいずれかの箇所に潤滑油を注入するための給油口が形成されている(特許文献2参照)。そして、軸受箱の内部に滞留する潤滑油の量を常に適量範囲内に調整することによって、回転軸の回転の円滑性を維持している(特許文献3参照)。
プランマブロック軸受に滞留させる潤滑油を常に適量範囲内に保持するためには、新製品としての組み立て時に所定量の潤滑油を注入することに加えて、その後の稼働中においても、適宜、適切な量の追加的な給油が必要となる。
ここで、多くのプランマブロック軸受においては、特許文献2にも記載のある通り、給油口がラジアル軸受の直上に設置されている。この場合、潤滑油の作用を必要とするラジアル軸受と、その周辺部分に対して、優先的且つ効率よく潤滑油を供給し易いメリットがある。
一方で、給油口がラジアル軸受の直上に設置されているプランマブロック軸受においては、ラジアル軸受及びその周辺部材は、何らかの突発的原因により、稼働中に極めて高温度に達している場合がある。よって、給油口がラジアル軸受の直上に設置されている場合、高温状態となっているラジアル軸受等が十分に冷却されるまで、追加的な給油作業を開始できず、これにより、保守作業の効率、延いてはプランマブロック軸受を用いた生産設備の生産性が低下するという問題が発生する。
実開平6−47733号公報 特開平8−1591635号公報 特開2009−79693号公報
本発明は、上記状況に鑑み、プランマグロック軸受の稼働中における、円滑な回転の維持のための追加的な給油作業に要する時間を短縮し、これによりプランマブロック軸受を用いた生産設備の保守性及び生産性を向上させることを目的とする。
本発明者らは、プランマブロック軸受において、ラジアル軸受の直上の範囲内の位置に設置される中央給油口と、ラジアル軸受が占める空間の直上の範囲外の位置に設置される端部給油口と、を含んでなる複数の給油口をプランマブロック軸受の軸受箱の上面に設置することにより、稼働中の軸受箱の内部の状況に応じて迅速に給油作業が行えることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 軸受箱と、回転軸を回転可能に支持するラジアル軸受と、を備えるプランマブロック軸受であって、前記軸受箱の上面には複数の給油口が設置されていて、複数の前記給油口は、前記軸受箱の内部において前記ラジアル軸受が占める空間の直上の範囲内の位置に設置される中央給油口と、前記ラジアル軸受が占める空間の直上の範囲外の位置に設置される端部給油口と、を含んでなるプランマブロック軸受。
(1)の発明によれば、プランマブロック軸受の軸受箱において、ラジアル軸受の直上の範囲と、それ以外の両範囲に、それぞれ別個に給油口を設けた。これにより、平常稼働時には潤滑油を効率よく充填することができる。そして、異常温度上昇時には、熱源である転動面及び軌道溝を避けて新規の潤滑油を供給することができるので、当該部分の冷却を待たずに迅速に給油作業を開始することができる。よって、上記いずれの稼働状況下においても、独自の技術思想に基づいて特定範囲の位置にそれぞれ設けられた複数の給油口を、稼働状況に応じて適切に使い分けることにより、効率よく追加的な給油を行うことが可能となった。
(2) 前記ラジアル軸受の外輪と内輪の間に嵌合された転動体が2列構成であって、前記外輪の中央部には外輪を貫通する給油経路が形成されており、前記中央給油口が、2列構成の前記転動体の列間の隙間部の直上であって、潤滑油を前記給油経路を経由して前記隙間部に滴下可能な位置に設置されている(1)に記載のプランマブロック軸受。
(2)の発明によれば、転動体が2列構成であるベアリングを備えるラジアル軸受に、中央給油口、給油経路、隙間部を一直線状に連通した潤滑油の供給路が容易に形成可能である。これにより、一つの中央給油口から、2列構成の転動体を有するベアリングに対して極めて効率よく潤滑油を供給することができる。
(3) 前記軸受箱における回転軸の挿入孔の内縁に沿って、末広がりの鍔部を有するシーリング用リングが設置されていて、前記軸受箱における前記端部給油口が設置されている側の前記シーリング用リングは、末広がりの鍔部が軸受箱の外側に向けて広がる態様で設置されていて、前記軸受箱における前記端部給油口が設置されていない側の前記シーリング用リングは、前記鍔部が軸受箱の内側に向けて広がる態様で設置されている(1)又は(2)のいずれかに記載のプランマブロック軸受。
(3)の発明によれば、特に軸受箱の内部からのより高い油圧がかかる隙間部分に、独自の態様でシーリング用シールを設置することにより、当該隙間部分から漏出する潤滑油量をごく微量に低減することができる。これにより、より少量の潤滑油の注入で良好な稼働状態を保持しやすくなる。又、潤滑油の適正量を安定的に保持することができるので、熱収支のバランスが崩れることがなくなり、異常発熱のリスクも低減される。
(4) 軸受箱の上面に複数の給油口を有するプランマブロック軸受への給油方法であって、前記複数の給油口は、軸受箱の内部においてラジアル軸受が占める空間の直上の範囲内の位置に設置される中央給油口と、前記ラジアル軸受が占める空間の直上の範囲外の位置に設置される端部給油口と、を含んでなり、前記ラジアル軸受の温度が所定の潤滑油劣化開始温度以上である場合には、前記端部給油口から潤滑油を給油するプランマブロック軸受への給油方法。
(4)の発明によれば、ラジアル軸受の直上の範囲と、それ以外の両範囲に、それぞれ別個に給油口を設けたプランマブロック軸受を用いた場合において、上記の平常稼働時と異常温度上昇時のいずれの稼働状況下においても、効率よく追加的な給油を行うことが可能となる。
(5) 前記端部給油口からの給油をグリースガンで行う(4)に記載のプランマブロック軸受への給油方法。
(5)の発明によれば、潤滑油を定量供給可能な、グリースガンで供給することによって、潤滑油の供給量を容易に把握することが可能となるため、給油状態を高い信頼性で把握することができるので、供給頻度や供給量を記録すれば、次回メンテナンスの指標とすることが可能となる。
以上の通り、本発明によれば、プランマグロック軸受を用いた生産設備の稼働中におけるプランマブロック軸受への給油作業に要する時間を短縮し、これによりプランマブロック軸受を用いた生産設備の保守性と生産性を向上させることができる。
本発明のプランマブロック軸受を用いた軸受構造の全体斜視図である。 本発明のプランマブロック軸受の内部構造の概略を示す一部破断斜視図である。 本発明のプランマブロック軸受の上面図である。 本発明のプランマブロック軸受の内部構造の概略を示す破断側面図である。 本発明のプランマブロック軸受の他の実施形態の内部構造の概略を示す一部破断斜視図である。
以下、図1から図5を随時参照しながら、本発明のプランマブロック軸受10の好ましい実施形態について説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
<プランマブロック軸受>
図1及び図2に示す通り、プランマブロック軸受10は、潤滑油を注入可能な給油口2と、劣化した潤滑油等を排出可能な排油口3とを有し、回転軸20の円滑な回転を維持するために必要な潤滑油を内部に滞留させておくことができる軸受箱1と、軸受箱1の内部に設置されるラジアル軸受6と、を含んで構成される軸受装置である。プランマブロック軸受10は、ラジアル軸受6の作用により、円筒形又は円柱形の回転軸20を回転可能に支持することができる。本明細書においては、以下、図1に示すように、回転軸20が、プランマブロック軸受10に回転可能に支持されてなる構造部分のことを、プランマブロック軸受構造100と称する。又、回転軸20を除き主には軸受箱1とラジアル軸受6とからなる軸受機構のことを、プランマブロック軸受10と称するものとする。
軸受箱1は、金属製の中空のブロック体であり、その材料としては、普通鋼、各種の特殊鋼、或いは銅等からなるものを適宜用いることができる。中でも、伝熱性とコスト面において優れる普通鋼を好ましく用いることができる。又、軸受箱1の形状は、ラジアル軸受6を内部に設置可能であり、且つ、当該ラジアル軸受を介して回転軸20を回転可能に支持しうる大きさ、形状、強度を備えるものである限り、特定の形状に限定されない。又、軸受箱1は、上下に分割可能な2つの中空の金属ブロックが、接合ボルト4によって一体化されている構造であってもよい。軸受箱1が、このように必要に応じて上下に分離可能な構造であることにより、軸受箱1の内部の部材の修理や交換が容易となる。又、回転軸20を実装したプランマブロック軸受構造100として稼働する際は、軸受箱の下端部を固定ボルト5等によって工場の床構造等に強固に固定して使用する。
軸受箱1の上面部分には、軸受箱1の内部の空間に潤滑油を注入することが可能な複数の給油口2が形成されている。これらの複数の給油口2は、中央給油口2Aと、端部給油口2Bとを含んで構成されている。図2及び図3に示す通り、中央給油口2Aは、軸受箱1の上面部分のうち、軸受箱1の内部においてラジアル軸受6が占める空間の直上の範囲内の位置に形成されている。又、中央給油口2Aの形成位置は、上記範囲内であって且つ上記上面部分の中央部であることがより好ましい。一方、端部給油口2Bは、上記の範囲外、即ち、軸受箱1の内部においてラジアル軸受6が占める空間の直上の範囲以外の位置に形成されている。又、端部給油口2Bの形成位置は、更には上記の上面部の側端部近傍であることがより好ましい。
中央給油口2Aが、上記の通り、ラジアル軸受6が占める空間の直上の範囲内の位置に設置されていることにより、軸受箱1においてラジアル軸受6が設置されている空間に連通する潤滑油の供給路を容易に形成することができる。よって、中央給油口2Aからの給油により、ラジアル軸受6の外輪に形成された給油経路に、直接潤滑油を滴下する等、最も潤滑油の作用を必要とする部分に、効率よく優先的に潤滑油を供給することができる。ラジアル軸受6の外輪の中央部分に貫通孔や貫通溝等の給油経路が形成されている場合には、中央給油口2A、給油経路、及びラジアル軸受6内部の転動体を、直線的に連通した潤滑油の供給路を構成することができる。
端部給油口2Bが、上記の通り、ラジアル軸受6が占める空間の直上の範囲内を回避して形成されていることにより、軸受箱1においてラジアル軸受6が設置されてない空間に連通する潤滑油の供給路を容易に形成することができる。よって、例えば、ラジアル軸受6やその周辺部が、潤滑油の劣化開始温度を超える異常な高温に達していて、中央給油口2Aからの追加的な給油を好ましい状態で行えない場合であっても、端部給油口2Bからの給油により速やかに追加的な給油を開始することができる。
中央給油口2Aと端部給油口2Bを含む複数の給油口2には、いずれもグリースニップルで栓をすることが好ましい。又、特に本発明のプランマブロック軸受10において内部からのより大きな油圧がかかりやすい端部給油口2Bには、とりわけ、このグリースニップルで栓をすることが好ましい。グリースニップルとしては、従来周知のものを適宜採用することができる。尚、グリースニップルとは、機械の可動部分等にグリース等の潤滑油脂を供給するための部材であって、内部からスプリングで玉が押し付けられる構成の逆止弁を有する。この逆止弁により、給油口に内部側からの大きな油圧が係った場合にも潤滑油が逆流することを防止できる。
軸受箱1の下端部の近傍には、劣化した潤滑油等、不要となった使用済の潤滑油を排出可能な排油口3が設けられている。排油口3は、軸受箱1の底部で両側壁に各々開口している態様で形成されることが好ましい。
尚、軸受箱1の内部の空間は、使用する回転軸20の軸径に応じてさまざまな容積を持たせることができる。一般的に回転軸20の直径が大きいものほど容積は大きくなり、いずれの場合にも、滞留される潤滑油の量は、軸受箱1の内部の空間の容積の1/3〜1/2程度が適切とされている。
ラジアル軸受6は、円筒状若しくは円柱状の金属性の回転軸20を回転可能に支持することができる支持部材である。より詳しくは、ラジアル軸受6は、内輪と外輪の間に転動体が嵌合されてなる三重構造を有する所謂ベアリングであることが好ましい。このようなベアリングとして、球状の玉を転動体とするボールベアリング、円柱状の「ころ」を転動体とするローラーベアリング等が知られている。本発明のラジアル軸受6としては、これらのベアリングを、使用目的等に応じて適宜選択することができる。尚、上記の転動体の表面を転動面と言い、又、内輪の外面と外輪の内面設けられている転動体が転がる軌道のことを軌道溝と言う。
本発明のプランマブロック軸受のラジアル軸受としては、図5に示す通り、2列構成の転動体を有するベアリングからなるラジアル軸受6を好ましく用いることができる。このような2列構成の転動体を有するベアリングからなるラジアル軸受6を設けたプランマブロック軸受10Aにおいては、ベアリングの外輪の中央表面に転動体への潤滑油の通過が可能な貫通溝或いは貫通穴からなる給油経路を形成した上で、2列の転動体61と62との間に形成される隙間部63と給油経路の直上に中央給油口2Aが設置されていることが好ましい。このような配置によれば、中央給油口2A、給油経路、隙間部63を一直線状に連通した潤滑油の供給路が形成可能であり、これにより、一つの給油口から、2列構成の転動体を有するベアリングに対して極めて効率よく潤滑油を供給することができる。
プランマブロック軸受の軸受箱には、通常、回転軸を挿入する挿入孔の内縁に沿って、水や塵埃の進入を防止するためにシーリング用のリングが設置されている。シーリング用のリングとしては従来公知の樹脂製等のリングを適宜用いることができる。但し、プランマブロック軸受10においては、このシーリング用のリングは、図4に示す通り、末広がりの鍔部を有するラッパ状の形状のシーリング用リング7A、7Bであることが好ましい。又、シーリング用リング7A、7Bの材料は適度な弾性を有するゴム材料であることが好ましい。
一般的なプランマブロック軸受においては、シーリング用のリングは、塵芥等の異物が軸受箱の内部に混入することを抑制する役目を果たすために、末広がりの鍔部を有するリングである場合には、当該鍔部が軸受箱の内側に向かって広がる態様で設置されることが一般的である。図4に示す通り、本発明のプランマブロック軸受10においては、軸受箱1において端部給油口2Bが設置されている側のシーリング用リング7Bについては、上記の一般的なシーリング用リングの設置態様とは異なり、末広がりの鍔部が軸受箱の外側に向かって広がる態様で設置されていることが好ましい。これにより、後述する通り端部給油口2Bから高い圧力をかけて潤滑油を注入する場合においても、端部給油口2Bの側の回転軸20の挿入孔の内縁周辺からの潤滑油の漏出を防ぐことができる。一方、軸受箱1における端部給油口2Bが設置されていない側のシーリング用リング7Aは、従来の一般的な設置例と同様、末広がりの鍔部が軸受箱1の内側に向けて広がる態様で設置されていることが好ましい。
<プランマブロック軸受への給油方法>
本発明のプランマブロック軸受への給油方法は、例えば、プランマブロック軸受10のように中央給油口2Aと端部給油口2Bとを有するプランマブロック軸受に適用可能な給油方法である。この方法においては、プランマブロック軸受構造100を備える生産設備の平常稼働時においては、2つの給油口のうち中央給油口2Aから追加的な給油を行い、一方、ラジアル軸受6の温度が、供給する潤滑油の劣化が開始する温度よりも高温度である場合には、中央給油口2Aからの給油を行わずに、端部給油口2Bから潤滑油を給油する方法である。
プランマブロック軸受構造100を備える生産設備において、異常温度上昇が認められない平常稼働時においては、プランマブロック軸受10への潤滑油の補充は、中央給油口2Aから行うことが好ましい。そのような平常稼働時においては、シーリング用リングの僅かな隙間からの微量の漏出や揮発等によって、緩やかに減少した潤滑油を、減少分に応じて補充すれば足り、追加的な微量の給油を中央給油口2Aから行うこととすれば、ラジアル軸受6の転動面や軌道溝に、より迅速に、より効率よく、グリース等の潤滑油を到達させて短時間で潤滑油の補充作業を完了させることができる。
一方、プランマブロック軸受構造100を備える生産設備において、何らかの原因でプランマブロック軸受10の軸受箱1の内部に滞留する潤滑油が、許容範囲を超えた異常温度上昇によって劣化してしまった場合には、排油口3から劣化した潤滑油を排出して、新たな潤滑油を注入することによって潤滑油の交換を行う必要がある。この場合、異常温度上昇の熱源となっている部分がラジアル軸受6の転動面や軌道溝であることが多い。よって、これらの部分が十分に冷却されるまで、新たな潤滑油を注入する給油作業が開始できない。
本発明のプランマブロック軸受10のように、中央給油口2Aの他に、別途、端部給油口2Bを備えるものであれば、上記のような異常温度上昇時には、この端部給油口2Bから給油を行うことにより、異常発熱の熱源である上記の転動面及び軌道溝への潤滑油の直接的な接触を避けることによって高温部への接触による変質を回避しながら、新規の潤滑油の供給を開始することができる。
又、本発明のプランマブロック軸受への給油方法においては、給油口からの潤滑油の注入を、潤滑油の定量供給が可能な、グリースガンで行うことが好ましい。例えば、1本400gの潤滑油が供給できるグリースガンを使用すれば、特に新規の計測器を使用することなく、新規のグリース供給量を容易に把握することが可能となる。又、特に端部給油口2Bからの給油をグリースガンで行うことにより高圧で給油を行うことができるため、油圧を高めて、端部給油口2Bから軸受箱1の内部の貯留空間全体へ、潤滑油を速やかに行き渡らせることができる。又、グリースガンによれば、新規にラジアル軸受6に注入される潤滑油の量を正確に把握することができるので、供給頻度や供給量を記録すれば、次回メンテナンスの指標とすることが可能となり、計画的にメンテナンス作業を実施することができる。
そして、端部給油口2Bを給油口とすることによる潤滑油の高温劣化の回避と、グリースガンによって注入を行うことによる潤滑油の新規注入量の正確な把握は、相乗的な効果として、プランマブロックに注入される潤滑油の状態についての品質信頼性を更に高いものとすることができる。
本発明のプランマブロック軸受10の実施形態の一例として、下記の装置を用いて試験的な操業を行った。
<実施例>
ロータリーキルン駆動用のピニオンギヤの軸受である軸径φ260mmのプランマブロックSD556Gと、自動調心コロ軸受22256BKとアダプターH3156を設けた標準形式のプランマブロック軸受において、軸受箱の上部カバーにおける上述のそれぞれの本発明規定範囲の位置に中央給油口2Aに該当する給油口Aと端部給油口Bに該当する給油口Bを設けた。軸受箱の内部の自動調心コロ軸受の外輪は、給油経路として油溝加工したものを組込んだ。ピニオンギヤ用軸受の設置時は、軸受箱の内部に軸受転動面含め、軸受箱の内部空間の約1/3〜1/2の容量となるように6000〜9000gのグリースを充填した。
(平常稼働時)
その後、ロータリーキルンを稼働させ、運転中の定期給油(1ヶ月/回)では、給油口Aから、給油ニップルを通じ、自動調整調心コロ軸受外輪の油溝を通り、軸受のコロ部、転動面に直接的にグリースが充填された。グリース定期給油量は、(200g/月)として、プランマブロック軸受外に洩れることなく、ラジアル軸受のコロ部、転動面に効率よく、必要最低限の給油時間、給油量の新グリース充填作業を行った。
(異常温度上昇時)
プランマブロック軸受上部カバーの温度が80℃まで上昇した時に、排油口から高温により劣化したグリースを排出し、その後直ちに、給油口Bからグリースを安全に注入することができた。尚、一般的にプランマ軸受に用いられる潤滑油であるグリース等の劣化が開始する温度である劣化開始温度は、概ね80℃から100℃程度以上の範囲である。上記においてカバー温度が80℃に達している場合、高温の熱源となっているラジアル軸受部分の温度は80℃程度となっていることが推定される。この劣化開始温度については、上記のように軸受箱の表面温度からの間接的な推定することでも実用上は足りるが、ラジアル軸受部分の温度を測定する温度測定装置を設置して厳密に温度管理を行うことがより好ましい。
以上の通り、本願発明によれば、平常稼働時と異常温度上昇時のいずれにおいても潤滑油の交換を効率良く行うことができることが確認された。
1 軸受箱
2 給油口
2A 中央給油口
2B 端部給油口
3 排油口
4 接合ボルト
5 固定ボルト
6 ラジアル軸受
61、62 転動体
63 隙間部
7A、7B シーリング用リング
10 プランマブロック軸受
20 回転軸
100 プランマブロック軸受構造

Claims (5)

  1. 軸受箱と、回転軸を回転可能に支持するラジアル軸受と、を備えるプランマブロック軸受であって、
    前記軸受箱の上面には複数の給油口が設置されていて、
    複数の前記給油口は、前記軸受箱の内部において前記ラジアル軸受が占める空間の直上の範囲内の位置に設置される中央給油口と、前記ラジアル軸受が占める空間の直上の範囲外の位置に設置される端部給油口と、を含んでなるプランマブロック軸受。
  2. 前記ラジアル軸受の外輪と内輪の間に嵌合された転動体が2列構成であって、前記外輪の中央部には外輪を貫通する給油経路が形成されており、前記中央給油口が、2列構成の前記転動体の列間の隙間部の直上であって、潤滑油を前記給油経路を経由して前記隙間部に滴下可能な位置に設置されている請求項1に記載のプランマブロック軸受。
  3. 前記軸受箱における回転軸の挿入孔の内縁に沿って、末広がりの鍔部を有するシーリング用リングが設置されていて、前記軸受箱における前記端部給油口が設置されている側の前記シーリング用リングは、末広がりの鍔部が軸受箱の外側に向けて広がる態様で設置されていて、
    前記軸受箱における前記端部給油口が設置されていない側の前記シーリング用リングは、前記鍔部が軸受箱の内側に向けて広がる態様で設置されている請求項1又は2のいずれかに記載のプランマブロック軸受。
  4. 軸受箱の上面に複数の給油口を有するプランマブロック軸受への給油方法であって、
    前記複数の給油口は、軸受箱の内部においてラジアル軸受が占める空間の直上の範囲内の位置に設置される中央給油口と、前記ラジアル軸受が占める空間の直上の範囲外の位置に設置される端部給油口と、を含んでなり、
    前記ラジアル軸受の温度が所定の潤滑油劣化開始温度以上である場合には、前記端部給油口から潤滑油を給油するプランマブロック軸受への給油方法。
  5. 前記端部給油口からの給油をグリースガンで行う請求項4に記載のプランマブロック軸受への給油方法。
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