JP2012007681A - 転がり軸受の潤滑装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 複数の転がり軸受を運転する場合に、各軸受で生じる風切音の周波数差によるうなり音を解消することができる転がり軸受の潤滑装置を提供する。
【解決手段】 この発明の転がり軸受の潤滑装置2は、複数の転がり軸受1内に潤滑油をそれぞれ吐出して潤滑する転がり軸受の潤滑装置である。前記各転がり軸受1に設けられて軸受空間に潤滑油を吐出するノズル8と、潤滑油をエアと共に各転がり軸受1のノズル8に供給する潤滑油供給源9と、潤滑油供給源9と前記各転がり軸受1のノズル8との間に介在され、これら各転がり軸受1のノズル8への潤滑油の供給を切換える供給切換装置10とを有し、供給切換装置10は、各軸受1毎に潤滑油を時分割して供給する。
【選択図】 図1
【解決手段】 この発明の転がり軸受の潤滑装置2は、複数の転がり軸受1内に潤滑油をそれぞれ吐出して潤滑する転がり軸受の潤滑装置である。前記各転がり軸受1に設けられて軸受空間に潤滑油を吐出するノズル8と、潤滑油をエアと共に各転がり軸受1のノズル8に供給する潤滑油供給源9と、潤滑油供給源9と前記各転がり軸受1のノズル8との間に介在され、これら各転がり軸受1のノズル8への潤滑油の供給を切換える供給切換装置10とを有し、供給切換装置10は、各軸受1毎に潤滑油を時分割して供給する。
【選択図】 図1
Description
この発明は、転がり軸受の潤滑装置に関し、例えば、工作機械主軸等を支持する軸受を高圧の空気を用いて潤滑する技術に関する。
軸受の潤滑方法として、潤滑油を高圧の空気を利用し軸受内部に供給する方法がある。一般的には、空気に潤滑油を混合させて搬送し、この潤滑油をノズルから軸受内部に吹き付ける潤滑方式を「オイルエア潤滑」と称する。予め潤滑油を噴霧状としたうえで、既に吐出されている空気により搬送し、この潤滑油をノズルから軸受内部に吹き付ける潤滑方式を「オイルミスト潤滑」と称する。これらの潤滑方式では、一定量の空気と潤滑油を連続的に供給する。このような潤滑方式では、軸受の転動体が高圧の空気の流れを遮断するため、風切音が発生する。
従来、潤滑油とエアを供給するポンプと、軸受との間の配管に切換弁を設け、ポンプの吐出油圧が一定圧力未満で切換弁を閉じ、潤滑油及びエアの供給を停止する技術が提案されている(特許文献1)。この技術では、ポンプの吐出圧力が一定圧力以上になると、切換弁を開き、潤滑油及びエアを一定時間供給する。この一連の動作を繰り返すことにより、風切音の発生を防ぐ。
軸受の内輪を回転させた状態で、潤滑油を高圧の空気を用いて軸受に供給すると、外輪に対する転動体通過数に相当する風切音が発生する。軸受を複列で使用する場合においても、それぞれの軸受で風切音が発生する。この際、個々の軸受の加工精度や転動体位置の違いにより風切音の周波数に差が生じる。この周波数差が1〜5Hz程度と小さく、周波数差のサイクルで音の大小が生じる。このような周波数差のサイクルでの音の大小が、いわゆる「うなり音」と呼ばれる。このうなり音は低周波の連続した音となるため、聴覚で聞き取り易く異音として捕らえられる。
図8に軸受を2列配置して生じたうなり音の実測波形を示す。前述の周波数差は約1.2Hzであり、この周波数差に相当する周期のうなりが見られる。
従来技術では、複数の軸受に対して同時に潤滑油が供給されるため、上述のうなり音の発生を防ぐことができない。
図8に軸受を2列配置して生じたうなり音の実測波形を示す。前述の周波数差は約1.2Hzであり、この周波数差に相当する周期のうなりが見られる。
従来技術では、複数の軸受に対して同時に潤滑油が供給されるため、上述のうなり音の発生を防ぐことができない。
この発明の目的は、複数の転がり軸受を運転する場合に、各軸受で生じる風切音の周波数差によるうなり音を解消することができる転がり軸受の潤滑装置を提供することである。
この発明の転がり軸受の潤滑装置は、複数の転がり軸受内に潤滑油をそれぞれ吐出して潤滑する転がり軸受の潤滑装置であって、前記各転がり軸受に設けられて軸受空間に潤滑油を吐出するノズルと、潤滑油をエアと共に各転がり軸受の前記ノズルに供給する潤滑油供給源と、この潤滑油供給源と前記各転がり軸受の前記ノズルとの間に介在され、これら各転がり軸受のノズルへの潤滑油の供給を、順次行うように切換える供給切換装置とを有することを特徴とする。
この構成によると、潤滑油供給源から潤滑油をエアと共に各転がり軸受のノズルに供給する。供給切換装置は、各転がり軸受のノズルへの潤滑油の供給を切換える。このとき、供給切換装置は、各転がり軸受のノズルへの潤滑油の供給を順次行うように切換える、つまり各軸受毎に潤滑油を時分割して供給するため、各軸受で生じる風切音の周波数差による相互干渉が無くなり、うなり音が解消される。また、潤滑油を時分割で供給することにより懸念される潤滑不良は、切換時間を調整することにより、防止することが可能となる。
前記供給切換装置は、一定時間毎に各転がり軸受のノズルへの潤滑油の供給を切換えるものとしても良い。この場合、軸受の状態にかかわらず潤滑油が一定の時間供給されるため、例えば、軸受を一定の回転速度で使用する場合に適する。この場合、供給切換装置の制御系を簡単化でき、製造コストの低減を図れる。
前記供給切換装置は、転がり軸受の回転数に応じて、各転がり軸受のノズルへの潤滑油の供給を切換える切換時間を調節するものとしても良い。この場合、例えば、軸受の回転数を監視しながら前記切換時間を自動演算し、バルブ等に制御信号を出力する。自動演算による前記切換時間は、軸受の高速回転時に短くし、軸受の低速回転時に長くなるように設定することができる。このように切換時間を演算させることにより、軸受の高速回転時の給油停止時間短縮による潤滑不良の防止を図り、且つ、軸受の低速回転時の過度なバルブ切換えによるバルブ寿命の短縮の防止を図ることが可能となる。
前記ノズルを、各転がり軸受の軌道輪に形成しても良い。この場合、固定側軌道輪の周面と軌道面とにわたって貫通する孔を形成する等して、軌道輪にノズルを形成し得る。したがって、部品点数の低減を図れ、製造コストの低減を図ることができる。
前記転がり軸受の軌道輪に隣接する間座を設け、この間座に前記ノズルを形成しても良い。この場合、間座によりノズルの位置等を自由に設定することができ、潤滑装置としての汎用性に優れる。
前記転がり軸受の軌道輪に隣接する間座を設け、この間座に前記ノズルを形成しても良い。この場合、間座によりノズルの位置等を自由に設定することができ、潤滑装置としての汎用性に優れる。
前記供給切換装置は、それぞれ前記各転がり軸受のノズルに接続された複数のバルブからなる切換バルブ部と、これら複数のバルブに対して任意のバルブを選択して用いる制御信号を出力するバルブ制御部とを有するものとしても良い。この場合、バルブ制御部は、切換バルブ部に対して任意のバルブを選択する制御信号を出力する。切換バルブ部は、前記制御信号を受けて指定されたバルブを開閉させる。このように各軸受に対して選択的に潤滑油を供給するため、うなり音を防止することが可能となる。
前記供給切換装置は、複数の出口ポートを有しこれら出口ポートを切換え可能なバルブと、このバルブの複数の出口ポートを切換える制御信号を出力するバルブ制御部とを有するものとしても良い。
前記供給切換装置は、複数の出口ポートを有しこれら出口ポートを切換え可能なバルブと、このバルブの複数の出口ポートを切換える制御信号を出力するバルブ制御部とを有するものとしても良い。
前記転がり軸受が玉軸受であっても良い。
前記玉軸受をアンギュラ玉軸受としても良い。
前記転がり軸受を工作機械主軸を支持するものとしても良い。
前記玉軸受をアンギュラ玉軸受としても良い。
前記転がり軸受を工作機械主軸を支持するものとしても良い。
この発明の転がり軸受の潤滑装置は、複数の転がり軸受内に潤滑油をそれぞれ吐出して潤滑する転がり軸受の潤滑装置であって、前記各転がり軸受に設けられて軸受空間に潤滑油を吐出するノズルと、潤滑油をエアと共に各転がり軸受の前記ノズルに供給する潤滑油供給源と、この潤滑油供給源と前記各転がり軸受の前記ノズルとの間に介在され、これら各転がり軸受のノズルへの潤滑油の供給を、順次行うように切換える供給切換装置とを有するため、複数の転がり軸受を運転する場合に、各軸受で生じる風切音の周波数差によるうなり音を解消することができる。
この発明の第1の実施形態に係る転がり軸受の潤滑装置を図1ないし図4と共に説明する。この転がり軸受は、例えば、工作機械の主軸(単に「主軸」と称す)を支持するものである。ただし、この工作機械主軸用途に限定されるものではない。以下の説明は、転がり軸受の潤滑方法の説明をも含む。主軸は、軸方向に離れた複数の転がり軸受により支持されている。図1の例では、複数の転がり軸受のうちの一部の軸受としてアンギュラ玉軸受からなる2列の転がり軸受1,1が背面合わせに用いられている。これら転がり軸受1,1に、潤滑油をそれぞれ吐出して潤滑する潤滑装置2が設けられている。
各転がり軸受1は、内輪3と、外輪4と、これら内外輪3,4の軌道面3a,4a間に設けられる複数の転動体5と、これら転動体5を円周方向等間隔に保持する環状の保持器6とを有する。外輪4の内径面における軌道面4aに対して接触角が生じる方向とは反対側すなわち反負荷側の部分に、軌道面4aに近づくに従って小径となる斜面部4bが設けられ、カウンタボアが形成されている。保持器6は、外輪内径面に案内される外輪案内保持器とされている。転動体5として、例えば、鋼球、セラミックス球等からなる玉が適用されている。
潤滑装置2は、間座7に設けられるノズル8と、潤滑油をエアと共に各転がり軸受1のノズル8に供給する潤滑油供給源9と、この潤滑油供給源9と各転がり軸受1のノズル8との間に介在され、各転がり軸受1のノズル8への潤滑油の供給を切換える供給切換装置10とを有する。
間座7は、外輪4のうち接触角が生じる方向の端面に隣接して配置される外輪位置決め間座であって、図示外の主軸ハウジング等となる軸受箱内に固定される。この間座7に径方向隙間δを隔てて、内輪位置決め用の間座11が設けられている。
間座7は、外輪4のうち接触角が生じる方向の端面に隣接して配置される外輪位置決め間座であって、図示外の主軸ハウジング等となる軸受箱内に固定される。この間座7に径方向隙間δを隔てて、内輪位置決め用の間座11が設けられている。
間座7には、転がり軸受1の内輪3の外径面と保持器6の内周面との間に向けて潤滑油を吐出する細孔からなる前記ノズル8と、この間座7の外径面から内径側に向けて延び前記ノズル8に連通する給油路12とが形成されている。前記ノズル8および給油路12は、間座7の円周方向複数箇所に設けられている。前記ノズル8は、先端に向かうに従って内径側に傾斜する傾斜角度の直線状とされ、給油路12の孔径よりも細い孔径に形成されている。間座7のうち外輪4に当接する側の端面には、内輪端面との干渉を防ぐ環状溝7aが形成される。さらに間座7の前記端面において、ノズル8が形成される円周方向の複数箇所は、ノズル8の延びる方向に垂直な切欠き平面7bとされている。なお、間座7の円周方向の一箇所には、転がり軸受1の内部に供給された潤滑油を外部に排出する図示外の排油口が設けられている。
潤滑油供給源9は、例えば、油圧ポンプ及びタンク等を備え、供給切換装置10に配管接続されている。供給切換装置10は、各軸受1毎に潤滑油を時分割して供給するものである。図2に示すように、この供給切換装置10は、複数(この例では転がり軸受と同数)のバルブ13からなる切換バルブ部14と、これら複数のバルブ13に対して任意のバルブ13を選択して用いる制御信号を出力するバルブ制御部15とを有する。バルブ13は、電磁弁からなる開閉弁が適用され、電磁力により各バルブ13の開閉を行う。各バルブ13の入口ポートに共通の潤滑油供給源9が配管接続され、各バルブ13の出口ポートがそれぞれ前記間座7の給油路12に配管接続されている。バルブ制御部15は、ロジック回路またはマイクロコンピュータを含む電子回路からなる。
切換バルブ部14は、バルブ制御部15からの制御信号を受けて指定された一つのバルブ13を開閉させる。これにより、各軸受毎に潤滑油が時分割して供給される。例えば、全てのバルブ13が閉じられた状態から運転開始と共に一つの軸受1の油路にあるバルブ13を開き、定められた時間(例えば数秒)経過後、前記バルブ13を閉じると共に他の一つの軸受1の油路にあるバルブ13を開く。このようにして順次全てのバルブ13を開いた後、最初に開いたバルブ13を再度開く。このような複数のバルブ13の開閉動作のサイクルを運転中繰り返す。なお、各バルブ13によって開き状態を継続する時間を異ならせても良い。一つのバルブ13を開いている途中に他のバルブ13を開き、定められた時間経過後、先に開いているバルブ13を閉じるような開閉動作を行うことも可能である。この場合、各軸受の運転時の給油時間をより長く確保でき、潤滑不良の防止を図れる。
バルブ制御部15の制御方式について説明する。
図3は、一定時間で指定されたノズルへの潤滑油の供給を切換える、いわゆる切換時間固定制御方式のバルブ制御部の概念図である。このバルブ制御部15は、定められた一定時間毎に経過信号を出力するタイマ16と、このタイマ16からの経過信号により所望のバルブ13(図2)への制御信号を出力する制御信号出力手段17とを有する。制御信号出力手段17は、例えば、タイマ16からの経過信号が入力される都度、開き状態とするバルブ13を順に切り換え、全てのバルブ13を開いた後、最初のバルブ13を開くように、繰り返し制御する制御信号を出力する。
バルブ制御部15の前記タイマ16には、使用する軸受の種類と組合せに応じた切換時間が定められ、バルブ制御部15は、軸受に応じた最適な潤滑を行わせることが可能となる。この方式では、軸受の状態にかかわらず潤滑油が一定の時間供給されるため、例えば、軸受を一定の回転速度で使用する場合に適する。この場合、後述する図4の制御方式よりも供給切換装置10の制御系を簡単化でき、製造コストの低減を図れる。なお、制御信号出力手段17は、バルブ13によって、開き時間を変えるようにしてもよい。例えば、特定のバルブ13に対しては、タイマ16からの経過信号が2回入力されたときに、次のバルブ13を開くようにしてもよい。また、タイマ16は、一定時間毎に経過信号を出力する構成とせずに、個々のバルブ13毎に個別に定められた時間毎に、順に経過信号を出力するものとしてもよい。
図3は、一定時間で指定されたノズルへの潤滑油の供給を切換える、いわゆる切換時間固定制御方式のバルブ制御部の概念図である。このバルブ制御部15は、定められた一定時間毎に経過信号を出力するタイマ16と、このタイマ16からの経過信号により所望のバルブ13(図2)への制御信号を出力する制御信号出力手段17とを有する。制御信号出力手段17は、例えば、タイマ16からの経過信号が入力される都度、開き状態とするバルブ13を順に切り換え、全てのバルブ13を開いた後、最初のバルブ13を開くように、繰り返し制御する制御信号を出力する。
バルブ制御部15の前記タイマ16には、使用する軸受の種類と組合せに応じた切換時間が定められ、バルブ制御部15は、軸受に応じた最適な潤滑を行わせることが可能となる。この方式では、軸受の状態にかかわらず潤滑油が一定の時間供給されるため、例えば、軸受を一定の回転速度で使用する場合に適する。この場合、後述する図4の制御方式よりも供給切換装置10の制御系を簡単化でき、製造コストの低減を図れる。なお、制御信号出力手段17は、バルブ13によって、開き時間を変えるようにしてもよい。例えば、特定のバルブ13に対しては、タイマ16からの経過信号が2回入力されたときに、次のバルブ13を開くようにしてもよい。また、タイマ16は、一定時間毎に経過信号を出力する構成とせずに、個々のバルブ13毎に個別に定められた時間毎に、順に経過信号を出力するものとしてもよい。
図4は、軸受の回転数に応じて、各軸受のノズルへの潤滑油の供給を切換える切換時間を調節する、いわゆる切換時間の自動調節機構を持つ方式のバルブ制御部の概念図である。このバルブ制御部15は、切換時間演算手段18と、時間可変タイマ19と、制御信号出力手段20とを有する。切換時間演算手段18は、軸受の回転数を常時監視しながら各軸受のノズルへの潤滑油の供給を切換える切換時間を、定められた計算式等の規則に従い軸受の回転数に応じて自動演算する。
時間可変タイマ19は、軸受の回転数に応じた時間を計測するタイマであり、切換時間演算手段18で自動演算された切換時間を書換え可能に記憶する。時間可変タイマ19は、先ず、軸受運転開始の入力信号を条件として時間計測を開始する。切換時間演算手段18は、軸受の運転開始と共に一つの軸受1の油路にあるバルブ13を開く制御信号を出力する。その後、時間可変タイマ19は、軸受の回転数に応じて自動演算された切換時間の経過を知らせる経過信号を制御信号出力手段20に出力する。制御信号出力手段20は、前記経過信号を確認すると、前記バルブ13を閉じると共に他の一つの軸受1の油路にあるバルブ13を開く制御信号を出力する。
前記切換時間演算手段18の自動演算による切換時間は、軸受の高速回転時に短くし、軸受の低速回転時に長くなるように設定する。切換時間演算手段18は、このように切換時間を演算させることにより、軸受の高速回転時の給油停止時間短縮による潤滑不良の防止を図り、且つ、軸受の低速回転時の過度なバルブ切換えによるバルブ寿命の短縮の防止を図ることが可能となる。
前記切換時間演算手段18の自動演算による切換時間は、軸受の高速回転時に短くし、軸受の低速回転時に長くなるように設定する。切換時間演算手段18は、このように切換時間を演算させることにより、軸受の高速回転時の給油停止時間短縮による潤滑不良の防止を図り、且つ、軸受の低速回転時の過度なバルブ切換えによるバルブ寿命の短縮の防止を図ることが可能となる。
以上説明した転がり軸受1の潤滑装置2によると、潤滑油供給源9から潤滑油をエアと共に各軸受1のノズル13に供給する。供給切換装置10は、各転がり軸受1のノズル13への潤滑油の供給を切換える。このとき、供給切換装置10は、各軸受1毎に潤滑油を時分割して供給するため、各軸受で生じる風切音の周波数差による相互干渉が無くなり、この相互干渉に起因するうなり音が解消される。また、潤滑油を時分割で供給することにより懸念される潤滑不良は、切換時間を調整することにより、防止することが可能となる。図1の例では、外輪4に隣接する間座7にノズル8を形成したため、この間座7によりノズル8の位置等を自由に設定することができ、潤滑装置としての汎用性に優れる。
この発明の他の実施形態として、図5、図6に示すように、ノズルを軌道輪に形成しても良い。図5の例では、アンギュラ玉軸受において、外輪4に、外輪外周面4cと軌道面4aとにわたって径方向に貫通する貫通孔からなるノズル8を形成している。各軸受1における外輪外周面4cの貫通孔の開口部に、供給切換装置10(図1)からの配管が接続される。なお、前記ノズル8の軸受空間に臨む先端が、軌道面4aにおける接触楕円よりも外れた箇所に位置するようにノズル8を形成することが望ましい。この場合、転動体5が早期に剥離する等の不具合を未然に防止できる。
図6の例では、円筒ころ軸受において、外輪4に、外輪外周面4cと軌道面4aとにわたって径方向に貫通する2つの貫通孔からなるノズル8を形成している。前記円筒ころ軸受は、鍔3b付の内輪3が用いられる。環状の保持器6は、内輪外径面に案内される内輪案内保持器とされている。2つの貫通孔は、外輪4の幅方向中央つまりころ中央よりも両側に離隔した位置で、且つ、ころ端面近傍においてそれぞれ径方向に貫通する。このように貫通孔を形成することで、内輪3の鍔面に潤滑油が円滑に行き渡るため、エッジロードを未然に防止し、軸受が短寿命となることを防止することが可能となる。
供給切換装置10は、例えば、1つの入口ポートと、軸受個数となる複数の出口ポートとを有し、スプール等の弁体の切換バルブ部14を移動させることにより1つの出口ポートを選択的に開く一つの切換弁としても良い。この場合においても、バルブ制御部15は、図3に示した切換時間固定制御方式を採用しても良いし、図4に示した切換時間の自動調節機構を持つ方式を採用しても良い。
図7は、前記いずれかの実施形態にかかる転がり軸受の潤滑装置を備えた工作機械主軸の断面図である。
この例では、主軸21は、軸方向に離れた複数(ここでは3つ)の転がり軸受1により支持されている。主軸21の前側端部がアンギュラ玉軸受からなる転がり軸受1,1により支持され、主軸21の後側端部が例えば円筒ころ軸受からなる転がり軸受1により支持される。各転がり軸受1の内輪3は主軸21の外径面に嵌合し、外輪4は軸受箱Hsの内径面に嵌合している。
主軸前側の転がり軸受1については、その内輪3が主軸21の断面21aにより、外輪4が外輪位置決め間座22を介して押さえ蓋23により、軸受箱Hs内に固定されている。主軸後ろ側の転がり軸受1については、その内輪3が内輪位置決め間座24により、外輪4が外輪位置決め間座25を介して押さえ蓋26により、軸受箱Hs内に固定されている。
この例では、主軸21は、軸方向に離れた複数(ここでは3つ)の転がり軸受1により支持されている。主軸21の前側端部がアンギュラ玉軸受からなる転がり軸受1,1により支持され、主軸21の後側端部が例えば円筒ころ軸受からなる転がり軸受1により支持される。各転がり軸受1の内輪3は主軸21の外径面に嵌合し、外輪4は軸受箱Hsの内径面に嵌合している。
主軸前側の転がり軸受1については、その内輪3が主軸21の断面21aにより、外輪4が外輪位置決め間座22を介して押さえ蓋23により、軸受箱Hs内に固定されている。主軸後ろ側の転がり軸受1については、その内輪3が内輪位置決め間座24により、外輪4が外輪位置決め間座25を介して押さえ蓋26により、軸受箱Hs内に固定されている。
転がり軸受1の外輪5の片側側面にはそれぞれノズル8(図1)を含む間座7が配置され、主軸前後部の間座7,7間に軸受箱Hsの内周側部分が介在している。主軸21の後端部には、内輪位置決め間座24に押し当てて転がり軸受1を固定する軸受固定ナット27が螺着されている。
前記押さえ蓋23,26には、潤滑油供給源9を経て供給切換装置10から、転がり軸受1を潤滑する潤滑油を導入する潤滑油導入孔28がそれぞれ設けられている。これら潤滑油導入孔28は、軸受箱Hsに設けられた潤滑油供給路29に連通し、この潤滑油供給路29が間座7の給油路12に連通している。潤滑油供給源9からの供給路は、供給切換装置10を経て押さえ蓋23,26の潤滑油導入孔28に連通する。
押さえ蓋23,26には排油孔30,30が設けられる。これら排油孔30は、軸受箱Hsに設けられた排油路31から間座7の排油口32に連通しており、潤滑に供された排油が排油口32→排油路31→排油孔30→排油ポンプ33を経て潤滑油供給源9に回収される。
押さえ蓋23,26には排油孔30,30が設けられる。これら排油孔30は、軸受箱Hsに設けられた排油路31から間座7の排油口32に連通しており、潤滑に供された排油が排油口32→排油路31→排油孔30→排油ポンプ33を経て潤滑油供給源9に回収される。
以上説明した工作機械主軸21は前述の潤滑装置2を備え、この潤滑装置2の供給切換装置10は、各軸受1毎に潤滑油を時分割して供給するため、風切音の相互干渉が無くなり、うなり音が解消される。また、潤滑油を時分割で供給することにより懸念される潤滑不良は、切換時間を調整することにより、防止することが可能となる。
外輪位置決め間座に、ノズルを形成するノズル形成部品を着脱自在に設けても良い。
図5,図6の例では固定側軌道輪である外輪にノズルを形成しているが、固定側軌道輪を内輪とし、内輪内周面と軌道面とにわたって径方向に貫通する貫通孔を形成することで、内輪にノズルを形成しても良い。また、貫通孔の方向は径方向だけに限定されるものではない。
この転がり軸受の潤滑装置を、工作機械以外の産業機械、建設機械、搬送装置、ロボット等に適用可能である。
前記転がり軸受として円すいころ軸受を適用しても良い。
図5,図6の例では固定側軌道輪である外輪にノズルを形成しているが、固定側軌道輪を内輪とし、内輪内周面と軌道面とにわたって径方向に貫通する貫通孔を形成することで、内輪にノズルを形成しても良い。また、貫通孔の方向は径方向だけに限定されるものではない。
この転がり軸受の潤滑装置を、工作機械以外の産業機械、建設機械、搬送装置、ロボット等に適用可能である。
前記転がり軸受として円すいころ軸受を適用しても良い。
1…転がり軸受
2…潤滑装置
4…外輪
7…間座
8…ノズル
9…潤滑油供給源
10…供給切換装置
13…バルブ
14…切換バルブ部
15…バルブ制御部
21…主軸
2…潤滑装置
4…外輪
7…間座
8…ノズル
9…潤滑油供給源
10…供給切換装置
13…バルブ
14…切換バルブ部
15…バルブ制御部
21…主軸
Claims (10)
- 複数の転がり軸受内に潤滑油をそれぞれ吐出して潤滑する転がり軸受の潤滑装置であって、
前記各転がり軸受に設けられて軸受空間に潤滑油を吐出するノズルと、
潤滑油をエアと共に各転がり軸受の前記ノズルに供給する潤滑油供給源と、
この潤滑油供給源と前記各転がり軸受の前記ノズルとの間に介在され、これら各転がり軸受のノズルへの潤滑油の供給を、順次行うように切換える供給切換装置とを有することを特徴とする転がり軸受の潤滑装置。 - 請求項1において、前記供給切換装置は、一定時間毎に各転がり軸受のノズルへの潤滑油の供給を切換えるものとした転がり軸受の潤滑装置。
- 請求項1において、前記供給切換装置は、転がり軸受の回転数に応じて、各転がり軸受のノズルへの潤滑油の供給を切換える切換時間を調節するものとした転がり軸受の潤滑装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記ノズルを、各転がり軸受の軌道輪に形成した転がり軸受の潤滑装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記転がり軸受の軌道輪に隣接する間座を設け、この間座に前記ノズルを形成した転がり軸受の潤滑装置。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記供給切換装置は、それぞれ前記各転がり軸受のノズルに接続された複数のバルブからなる切換バルブ部と、これら複数のバルブに対して任意のバルブを選択して用いる制御信号を出力するバルブ制御部とを有する転がり軸受の潤滑装置。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記供給切換装置は、複数の出口ポートを有しこれら出口ポートを切換え可能なバルブと、このバルブの複数の出口ポートを切換える制御信号を出力するバルブ制御部とを有する転がり軸受の潤滑装置。
- 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記転がり軸受が玉軸受である転がり軸受の潤滑装置。
- 請求項8において、前記玉軸受をアンギュラ玉軸受とした転がり軸受の潤滑装置。
- 請求項1ないし請求項9のいずれか1項において、前記転がり軸受を工作機械主軸を支持するものとした転がり軸受の潤滑装置。
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