JP2001153146A - 軸受ユニットの軸封装置 - Google Patents

軸受ユニットの軸封装置

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JP2001153146A
JP2001153146A JP33763699A JP33763699A JP2001153146A JP 2001153146 A JP2001153146 A JP 2001153146A JP 33763699 A JP33763699 A JP 33763699A JP 33763699 A JP33763699 A JP 33763699A JP 2001153146 A JP2001153146 A JP 2001153146A
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lubricant
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Masayuki Hosoya
眞幸 細谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 潤滑剤の定期的な補給を必要とすることなく
軸をシールすることができ、且つ余剰な潤滑剤の漏出に
より周辺環境や製品等を汚染するのを防止することがで
きる軸受ユニットの軸封装置を提供する。 【解決手段】 軸10の縮径部11には自動調心転がり
軸受12が取り付けられている。軸受12はハウジング
13に収容されており、縮径部11に外嵌された内輪1
4と、ハウジング13の内周部に内嵌された外輪15
と、内輪14の外周面上及び外輪15の内周面上の各軌
道溝を転動する2列のころ16と、ころ16の一体型保
持器17とから主として構成されている。ハウジング1
3の一方の軸方向端部のシール溝30には、当該軸方向
端部と軸10の間のシールを確保するために、リング状
の潤滑剤含有ポリマ部材40が軸10に外嵌するように
設けられている。潤滑剤含有ポリマ部材40は、その内
周面に軸10の周面と摺動する環状リップ42を有す
る。リップ42は、半径方向内側且つ軸受ユニットの外
部に向かって斜めに延びている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸受ユニットの軸
封装置に関し、特に鉄鋼設備等に使用されるプランマブ
ロック等の転がり軸受ユニットの軸封装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼設備等に使用される従来の軸受ユニ
ットの軸封装置、例えばオイルシール等は、その摺動部
(リップ部)に潤滑剤を塗布する必要があり。そのた
め、鉄鋼生産現場では、オイルシールのリップ部へ潤滑
剤を定期的に補充する作業が通常行われ、そのための経
費を必要とする。さらに、オイルシールのリップ部から
漏れ出た余剰な潤滑剤が軸の回転に伴って飛散し、周辺
環境や製品である圧延板等を汚染するという問題も発生
している。そこで、図5に示されるような軸封装置が考
案されている。
【0003】図5の軸封装置101は、一対の芯金10
2,103の嵌合つば109,110相互を嵌合一体化
し、該芯金102,103の本体部分107,108の
内周縁にシール部材104,105を装着している。各
シール部材104,105のリップ部は柔軟性があり、
使用時は適当に撓んで軸111の外径面に押圧される。
その押圧力を強くするために、一方のシール部材105
のリップ部の外周面にクリップ115が嵌められてい
る。シール部材105は上記芯金102,103の本体
部分107,108の対向間隙に潤滑剤含有ポリマ、い
わゆるプラスチックグリース106を充填した構成とな
っている。
【0004】これは、オイルシール内に潤滑剤含有ポリ
マを内蔵し、そこから継続的に滲み出る潤滑剤をシール
部材104,105のリップ部に導いてその潤滑に用い
ようというものである。それにより、定期的な潤滑剤の
補給作業を省略できるだけでなく、滲み出す潤滑剤の量
がわずかであるため、前述のような装置周辺の汚染の問
題を解決することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本図の
様式のものでは、内蔵された潤滑剤含有ポリマからの潤
滑剤の滲み出し量が微量であるため、容易にはシール部
材104,105のリップ部に潤滑剤が到達しないか、
あるいは滲み出し量が充分でも、潤滑剤含有ポリマの内
周部を伝って流れて、内周部の最下部に溜まるだけで、
やはりリップ部には到達しないという欠点がある。
【0006】そこで、本発明は、潤滑剤の定期的な補給
を必要とすることなく軸をシールすることができ、且つ
余剰な潤滑剤の漏出により周辺環境や製品等を汚染する
のを防止することができる軸受ユニットの軸封装置を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の軸封装置は、軸に外嵌された軸受
と、該軸受を収容するハウジングとを備える軸受ユニッ
トの軸封装置において、前記軸が前記ハウジングを貫通
する前記ハウジングの両端部の少なくとも一方に設けら
れた環状のシール溝と、前記軸に外嵌するように該シー
ル溝に設けられたリング状の潤滑剤含有ポリマ部材とを
備え、前記潤滑剤含有ポリマ部材は、その内周面に前記
軸の周面と摺動する環状のリップを有することを特徴と
する。
【0008】請求項1記載の軸封装置においては、潤滑
剤含有ポリマ部材はその内周面に軸の周面と摺動する環
状のリップを有するので、この環状のリップにより、軸
受への粉塵や水の飛沫の侵入を防止することができる。
また、リップの摺動面から潤滑剤が継続的に滲み出て該
摺動面を良好に潤滑するため、軸の周面との摩擦で該摺
動面が磨耗することなく軸の周面との間に隙間ができる
のを防止して、そこから粉塵や水の飛沫が侵入するのを
防止することができる。さらに、リップから潤滑剤が長
期にわたって継続的に滲み出るため定期的に潤滑剤を補
給する必要はなく、しかも該潤滑剤の滲み出し量はわず
かであって潤滑に対して必要最小限であるため、軸の回
転に伴って飛散して周辺環境や製品等を汚染することが
ない。
【0009】従って、請求項1記載の軸封装置によれ
ば、潤滑剤の定期的な補給を必要とすることなく軸をシ
ールすることができ、且つ余剰な潤滑剤の漏出により周
辺環境や製品等を汚染するのを防止することができる。
【0010】上記軸封装置において、前記リップは、軸
の半径方向内側且つ軸受ユニットの外部に向かって斜め
に延びているのがよい。これにより、軸受ユニットの外
部からの粉塵や水の飛沫の侵入を効果的に防止すること
ができる。
【0011】上記軸封装置において、好ましくは、環状
のリップが複数設けられているのがよい。リップの数が
多いほど防塵性能及び防水性能を向上させることができ
る。
【0012】上記軸封装置において、前記リップは、2
つの環状のリップからなり、該リップの一方は軸の半径
方向内側且つ軸受ユニットの外部に向かって斜めに延
び、該リップの他方は軸の半径方向内側且つ軸受ユニッ
トの内部に向かって斜めに延びているのがよい。これに
より、軸受ユニットの外部からの粉塵や水の飛沫の侵入
を効果的に防止すると共に、余剰の潤滑剤の漏れ出しを
効果的に防止することができる。
【0013】また、シール溝内に軸方向断面が略コの字
型をしたゴムカバーリングが嵌められ、潤滑剤含有ポリ
マ部材がゴムカバーリングの内周溝に収納されるのがよ
い。これにより、潤滑剤含有ポリマ部材が、直接ハウジ
ングの端面部と摺動することがなくなり、摺動するのは
ゴムカバーリングであるため、潤滑剤含有ポリマ部材が
磨耗する懸念が少なくなる。
【0014】以下、本発明の軸受ユニットにおける潤滑
剤含有ポリマの組成について詳細に説明する。
【0015】潤滑剤含有ポリマはポリオレフィン系樹脂
にパラフィン系鉱油やグリース等の潤滑剤が含有された
もので、樹脂に潤滑剤を混ぜて調整した原料を、樹脂の
融点以上に加熱して可塑化し、その後冷却することで固
形状にしたものであったり、又はグリースを含有した状
態で硬化したポリウレタンゴムであったり、又はポリエ
ステル系エラストマー樹脂にエステル油やそれを基油と
するグリース等の潤滑剤が含有されたもので、樹脂に潤
滑剤を混ぜて調整した原料を、樹脂の融点以上に加熱し
て可塑化し、その後冷却することで固形状にしたもので
あったりする。その組成比は、全重量に対して樹脂やゴ
ムが10〜50重量%、潤滑剤90〜50%であるが、
樹脂やゴムの組成比が少なくなるほど構造部品としての
強度が低下するため、本発明の場合は、組成比としては
樹脂やゴム20〜50重量%、潤滑剤80〜50%程度
が望ましい。潤滑剤としては、他にパラフィン系炭化水
素油、ナフテン系炭化水素油、鉱油、エーテル油、エス
テル油等が用いられる。
【0016】
【本発明の実施の形態】以下、本発明に係る軸受ユニッ
トの軸封装置の実施の形態を詳述する。
【0017】(第1の実施の形態)本発明の第1の実施
の形態に係る軸封装置を有する軸受ユニットは図1に示
される構成を有している。ここに、図1は本発明の第1
の実施の形態に係る軸封装置を有する軸受ユニットの構
成を示している。本図は、固定軸端側の軸受ユニットを
示しており、自由端側の軸受ユニットも同様の構成であ
る。
【0018】第1の実施の形態に係る軸受ユニットはプ
ランマブロックであり、図1において、軸10はその端
部が縮径されて縮径部11,11aが形成されており、
縮径部11には自動調心転がり軸受12が取り付けられ
ている。軸受12は、ハウジング13に収容されてお
り、縮径部11に外嵌された内輪14と、ハウジング1
3の内周部に内嵌された外輪15と、内輪14の外周面
上及び外輪15の内周面上の各軌道溝を転動する2列の
ころ16と、ころ16の一体型保持器17とから主とし
て構成されている。
【0019】また、外輪15の内周面に当接して上記各
軌道溝の間にリング状の潤滑剤含有ポリマ部材20が内
嵌されている。潤滑剤含有ポリマ部材20はころ16の
外輪軌道面案内も行うように両端面がころ16にそれぞ
れ接する。
【0020】ハウジング13の一方の軸方向端部のシー
ル溝30には、当該軸方向端部と軸10の間のシールを
確保するために、リング状の潤滑剤含有ポリマ部材40
が軸10に外嵌するように設けられている。潤滑剤含有
ポリマ部材40の少なくとも一方の端面がそれに対応す
るシール溝30の側面に接触している。
【0021】潤滑剤含有ポリマ部材40は、その内周面
に軸10の周面と摺動する環状のリップ42を有する。
リップ42は、軸10の半径方向内側且つ軸受ユニット
の外部に向かって斜めに延びている。
【0022】また、同様に、ハウジング13の他方の軸
方向端部のシール溝31には、当該軸方向端部と軸10
の間のシールを確保するために、潤滑剤含有ポリマ部材
40と同様の構成及び機能を有するリング状の潤滑剤含
有ポリマ部材41が縮径部11aに外嵌するように設け
られている。潤滑剤含有ポリマ部材41の少なくとも一
方の端面がそれに対応するシール溝31の端面に接触し
ている。潤滑剤含有ポリマ部材41の形状及び構成は、
潤滑剤含有ポリマ部材40と同じであり、且つリップ4
2と同様のリップ43を有する。
【0023】上記潤滑剤含有ポリマ部材20の潤滑剤含
有ポリマの組成は、超高分子量ポリエチレン(超高分子
量に分類される)5wt%、高密度ポリエチレン(比較
的低分子量に分類される)20wt%、ポリエチレンワ
ックス(ワックスに分類される)5wt%、及びパラフ
ィン系鉱油70wt%からなる。
【0024】上記潤滑剤含有ポリマ部材40,41の潤
滑剤含有ポリマの組成は、超高分子量ポリエチレン(超
高分子量に分類される)10wt%、高密度ポリエチレ
ン(比較的低分子量に分類される)20wt%、及びパ
ラフィン系鉱油70wt%からなる。
【0025】上記第1の実施の形態においては、シール
溝30及び潤滑剤含有ポリマ部材40、シール溝31及
び潤滑剤含有ポリマ部材41が軸封装置を構成する。
【0026】以下、ハウジング13の一方の軸方向端部
のものに注目して上記軸封装置の作用を説明する。
【0027】リップ42は、それ自身が有する弾性力に
より、その内周端(摺動面)が軸10の周面に常に接す
ることによりシール面を確実に形成することができ、軸
受ユニットの外部から粉塵や水の飛沫の軸受ユニット内
部へ侵入するのを効果的に防止することができる。
【0028】潤滑剤含有ポリマ部材40のリップ42の
摺動面からは潤滑剤が継続的に滲み出て該摺動面を良好
に潤滑するため、軸10の周面との摩擦で該摺動面が磨
耗することなく軸10の周面との間に隙間ができるのを
防止して、そこから粉塵や水の飛沫等の異物が侵入する
のを防止することができ、その結果、潤滑剤の定期的な
補給を必要とすることなく軸10をシールすることがで
き、且つ余剰な潤滑剤の漏出により周辺環境や製品等を
汚染するのを防止することができる。
【0029】なお、ハウジング13の他方の軸方向端部
の軸封装置の作用も上記と同様である。
【0030】以下、本発明の第2乃至第4の実施の形態
に係る軸封装置を説明するが、これらの実施の形態を示
す図、即ち図2乃至図4は、いずれも、ハウジング13
の前記一方の軸方向端部を示しており、前記他方の軸方
向端部の軸封装置は同様に構成されているので、図示を
省略する。
【0031】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施
の形態に係る軸封装置は図2に示される構成を有してい
る。ここに、図2は、本発明の第2の実施の形態に係る
軸封装置の構成を示す。
【0032】本実施の形態は、第1図の軸受ユニットに
取り付けられると共に、第1の実施の形態の改良である
ので、その違いについてのみ説明し、第1の実施の形態
と共通する構成、作用、効果等は省略する。
【0033】図2を参照しながら、本実施の形態に係る
軸封装置の構成について述べる。本実施の形態に係る軸
封装置の構成は、第1の実施の形態と基本的に同じであ
り、異なる点は、潤滑剤含有ポリマ部材40が、その内
周面に軸10の周面と摺動する環状のリップ44及び環
状のリップ45を有する。リップ44,45は、それ自
身が有する弾性力により、その内周端(摺動面)が軸1
0の周面に常に接することによりシール面を確実に形成
することができ、軸受ユニットの外部から粉塵や水の飛
沫の軸受ユニット内部へ侵入するのを効果的に防止する
ことができる。
【0034】また、リップ44は、軸10の半径方向内
側且つ軸受ユニットの外部に向かって斜めに延び、リッ
プ45は、軸10の半径方向内側且つ軸受ユニットの内
部に向かって斜めに延びている。これにより、軸受12
の外部からの粉塵や水の飛沫の侵入を効果的に防止する
と共に、余剰の潤滑剤の漏れ出しを効果的に防止するこ
とができ、その結果、潤滑剤の定期的な補給を必要とす
つことなく軸10をシールすることができ、且つ余剰な
潤滑剤の漏出により周辺環境や製品等を汚染するのを防
止することができる上記第1及び第2の実施の形態の軸
封装置において、各々ハウジング13の軸側端面部の部
分断面図である図3(a)及び図3(b)に示すよう
に、ハウジング13に形成されたシール溝30は、その
断面が台形で両端面が傾斜し、且つ、潤滑剤含有ポリマ
部材40もその傾斜に合わせた両端面を持っていてもよ
い。これにより、潤滑剤含有ポリマ部材40の両端面が
磨耗しても、潤滑剤含有ポリマ部材40自身が有する圧
縮弾性力により、その両端面がシール溝の両端面に対し
て確実に接触させることができ、シール性能を向上させ
ることができる。
【0035】(第3の実施の形態)本発明の第3の実施
の形態に係る軸封装置は図4(a)に示される構成を有
している。ここに、図4(a)は本発明の第3の実施の
形態に係る軸封装置の構成を示す。
【0036】本第3の実施の形態は、第1図の軸受ユニ
ットに取り付けられると共に、第1の実施の形態の改良
であるので、その違いについてのみ説明し、第1の実施
の形態と共通する構成、作用、効果等は省略する。
【0037】まず、図4(a)を参照しながら、第3実
施の形態に係る軸封装置の構成について述べる。
【0038】本実施の形態は、第1の実施の形態に対し
て、ハウジング50に形成されたシール溝30の断面が
台形で両端面が傾斜しており、その傾斜に合わせた両端
面を持つゴムカバーリング50がシール溝30に嵌合し
ている点で異なる。
【0039】ハウジング13の一方の軸方向端部のシー
ル溝30には、軸方向断面がコの字型をしたゴムカバー
リング50が弾性圧縮的に嵌合されており、このゴムカ
バーリング50の内周溝には、当該軸側端面部と軸10
の間のシールを確保するために、リップ42を有するリ
ング状の潤滑剤含有ポリマ部材40が軸10に外嵌する
ように設けられている。潤滑剤含有ポリマ部材40の少
なくとも一方の端面がそれに対応するゴムカバーリング
50の内部端面と接触している。
【0040】次に、本実施の形態に係る軸封装置の作
用、効果について説明する。
【0041】第1の実施の形態では、例えば、ハウジン
グ13が金属製である場合、ハウジング13の一方の軸
方向端部と潤滑剤含有ポリマ部材40との摺動面で潤滑
剤含有ポリマ部材40の磨耗が発生する心配があるが、
本実施の形態では、ハウジング13の一方の軸方向端部
と潤滑剤含有ポリマ部材40との間にゴムカバーリング
50を介在させたことにより、潤滑剤含有ポリマ部材4
0が、直接、ハウジング13の軸側端面部と摺動するこ
とがなくなり、摺動するのは弾性体であるゴムカバーリ
ング50であるため、潤滑剤含有ポリマ部材40が磨耗
する懸念が少なくなる。もちろんこの場合も、潤滑剤含
有ポリマ部材40とゴムカバーリング50との摺動面か
らは、継続的に潤滑剤が滲み出して摺動面を潤滑するた
め、潤滑剤含有ポリマ部材40とゴムカバーリング50
双方とも磨耗して摺動面間に隙間ができるのを防止する
ことができ、その結果、シール性能が低下するのを防止
することができる。ゴムカバーリング50は、弾性圧縮
的にハウジング13の一方の軸方向端部のシール溝30
に嵌合しているため、潤滑剤含有ポリマ部材40との摺
動によりトルクを受けても、ハウジング13の中で回転
することはない。
【0042】加えて、ハウジング50に形成されたシー
ル溝30の断面が台形で両端面が傾斜しており、その傾
斜に合わせた両端面を持つゴムカバーリング50がシー
ル溝30に嵌合しているので、潤滑剤含有ポリマ部材4
0の内径・外径寸法の縮径によるシール溝30の両内側
端面との間に隙間ができるのを防止して、確実にシール
性能を発揮することができる軸封装置を提供することが
できる。
【0043】ゴムカバーリング50の材料は、ゴム以外
に、エラストマー等を使用することができる。
【0044】(第4の実施の形態)本発明の第4の実施
の形態に係る軸封装置は図4(b)に示される構成を有
している。ここに、図4(b)は本発明の第4の実施の
形態に係る軸封装置の構成を示す。
【0045】本第4の実施の形態は、第1図の軸受ユニ
ットに取り付けられると共に、第3の実施の形態の改良
であるので、その違いについてのみ説明し、第3の実施
の形態と共通する構成、作用、効果等は省略する。
【0046】図4(b)の軸封装置において、潤滑剤含
有ポリマリング40は、図2に示すものと同様の2つの
環状のリップ44,45を有する。これにより、上記第
3の実施の形態の軸封装置の効果に加えて、2つのリッ
プ44,45によってシール性能を向上させることがで
きる。
【0047】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1記
載の軸封装置においては、潤滑剤含有ポリマ部材はその
内周面に軸の周面と摺動する環状のリップを有するの
で、この環状のリップにより、軸受への粉塵や水の飛沫
の侵入を防止することができる。また、リップの摺動面
から潤滑剤が継続的に滲み出て該摺動面を良好に潤滑す
るため、軸の周面との摩擦で該摺動面が磨耗することな
く軸の周面との間に隙間ができるのを防止して、そこか
ら粉塵や水の飛沫が侵入するのを防止することができ
る。さらに、リップから潤滑剤が長期にわたって継続的
に滲み出るため定期的に潤滑剤を補給する必要はなく、
しかも該潤滑剤の滲み出し量はわずかであって潤滑に対
して必要最小限であるため、軸の回転に伴って飛散して
周辺環境や製品等を汚染することがない。
【0048】従って、請求項1記載の軸封装置によれ
ば、潤滑剤の定期的な補給を必要とすることなく軸をシ
ールすることができ、且つ余剰な潤滑剤の漏出により周
辺環境や製品等を汚染するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る軸封装置を有
する軸受ユニットの軸方向部分断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る軸封装置の軸
方向部分断面図である。
【図3】(a)は本発明の第1の実施の形態に係る軸封
装置の変形例の軸方向部分断面図であり、(b)は本発
明の第2の実施の形態に係る軸封装置の変形例の軸方向
部分断面図である。
【図4】(a)は本発明の第3の実施の形態に係る軸封
装置の軸方向部分断面図であり、(b)は本発明の第4
の実施の形態に係る軸封装置の軸方向部分断面図であ
る。
【図5】従来の軸封装置の軸方向部分断面図である。
【符号の説明】
10 軸 12 自動調心転がり軸受 13 ハウジング 14 内輪 15 外輪 16 ころ 17 保持器 20 潤滑剤含有ポリマ部材 30 シール溝 40 潤滑剤含有ポリマ部材 41 突起 42,43,44,53 リップ 50 ゴムカバーリング

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸に外嵌された軸受と、該軸受を収容す
    るハウジングとを備える軸受ユニットの軸封装置におい
    て、前記軸が前記ハウジングを貫通する前記ハウジング
    の両端部の少なくとも一方に設けられた環状のシール溝
    と、前記軸に外嵌するように該シール溝に設けられたリ
    ング状の潤滑剤含有ポリマ部材とを備え、前記潤滑剤含
    有ポリマ部材は、その内周面に前記軸の周面と摺動する
    環状のリップを有することを特徴とする軸受ユニットの
    軸封装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016128701A (ja) * 2015-01-09 2016-07-14 住友金属鉱山株式会社 プランマブロック軸受

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016128701A (ja) * 2015-01-09 2016-07-14 住友金属鉱山株式会社 プランマブロック軸受

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