JP2016128420A - 抗活性型gip抗体 - Google Patents

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Abstract

【課題】活性型GIPを精度よく検出可能な抗活性型GIP抗体の提供。【解決手段】活性型GIPに結合し、且つ非活性型GIPとは実質的に結合しない抗活性型GIP抗体であって、非活性型GIPの特定のアミノ酸配列の8〜10番目のアミノ酸から選ばれる1以上を少なくとも認識し、且つH鎖に、下記(1)で表されるアミノ酸配列又はその保存的配列改変からなる領域を含む抗体。EMNPSDGRTHFNE(1)【選択図】なし

Description

本発明は、活性型GIPに特異的に反応する抗体その利用に関する。
GIP(Gastric inhibitory polypeptideまたはglucose-dependent insulinotropic polypeptide)は、グルカゴン・セクレチンファミリーに属する消化管ホルモンの1つである。GIPはGLP−1(グルカゴン様ペプチド1)と共にインクレチンと称され、脂質や糖質の摂食時に小腸に存在するK細胞より分泌される。
GIPは、膵β細胞からのインスリン分泌を促進し、インスリン存在下でのグルコースの脂肪細胞への取り込みを亢進することが知られている。そのため、GIPの作用が肥満の一要因になっているとも考えられ、実際、GIPの機能を阻害すると、肥満が抑制されるとの報告がある(非特許文献1)。
さらに、GIPはインスリン抵抗性の一因となることが報告されている(非特許文献1照)。インスリン抵抗性を発症すると、インスリンによる糖の吸収作用が低下し、その結果、高インスリン血症を引き起こす。高インスリン血症は、肥満をはじめとする様々な生活習慣病の発症につながる根本的な原因であるとも言われており、インスリン抵抗性の予防・改善は生活習慣病のリスク軽減の面からも重要である。
また、GIPは、胃酸分泌抑制作用や胃運動抑制作用を有することが知られており(特許文献1〜3)、GIPの上昇抑制は、食後の消化促進や胃もたれの改善に有効であると考えられる。
したがって、血液中のGIPの濃度を測定することは、このような疾患やその治療薬の評価において重要である。
ところで、GIPには、生理活性を有する活性型と生理活性を有しない非活性型が存在することが知られている。すなわち、ヒトにおいては、プレプロGIPが胃、十二指腸、小腸上部に分布するK細胞でプロセッシングを受けて活性型GIP(「GIP(1−42)」とも表記する)となり、その後、DPP−4によりN末の2アミノ酸が切断されることにより非活性型のGIP(「GIP(3−42)」とも表記する)になるとされている。したがって、生体内GIPの定量は、活性型と非活性型の総量を測定することでは、治療薬の効果や、生活習慣病のリスク等を正確に知ることはできない。
従来、活性型GIPを測定する手段として、活性型GIP定量キット(IBL社)が市販されているが、1)食後の血中活性型GIP濃度は当該キットの定量限界より高い、2)希釈率が異なる場合変動係数は10%を超える、3)希釈率が高いほど測定値が高くなる、という問題があった。また、最近、GIP(1−42)のN末端側6アミノ酸残基からなるペプチドを免疫原として作成された抗活性型GIPモノクローナル抗体が、ELISA法により5〜4000pg/mL濃度の活性型GIPを定量できることが報告されている(非特許文献2)。また、GIP(1−42)のN末端側7アミノ酸残基からなるペプチドを免疫原として作成された抗活性型GIPモノクローナル抗体が、ELISA法により7〜500pg/mL濃度の活性型GIPを定量することが報告されている(特許文献4)。
国際公開第01/87341号 特表2006−213598号公報 特開平5−95767号公報 特開2013−138638号公報
Miyawaki Kら、Nat Med.8(7):738-42,2002 Jason S.Trouttら、Clinical Chemistry,57(6):849-855(2011)
本発明は、活性型GIPを精度よく検出可能な抗活性型GIP抗体を提供することに関する。
本発明者らは、活性型GIPを特異的に認識する抗体の取得に関し、種々検討したところ、これまでの抗体とは異なるエピトープを認識し、高い特異性を有する新規な抗活性型GIP抗体を取得することに成功した。
すなわち、本発明は以下の1)〜3)に係るものである。
1)活性型GIPに結合し、且つ非活性型GIPとは実質的に結合しない抗活性型GIP抗体であって、配列番号5で示されるアミノ酸配列の8〜10番目のアミノ酸から選ばれる1以上を少なくとも認識し、且つH鎖に、下記(1)で表されるアミノ酸配列又はその保存的配列改変からなる領域を含む抗体。
EMNPSDGRTHFNE (1)
2)上記1)の抗体を用いる活性型GIPの検出又は測定方法。
3)上記1)の抗体を含む活性型GIPの検出又は測定試薬。
本発明の抗体を用いることにより、高い精度で活性型GIPを非活性型GIPと区別して検出することができる。従って、本発明によれば、生体試料中の活性型GIPの測定、活性型GIP値の異常の検出、更には活性型GIPを指標とした治療薬の奏効性評価等が可能となる。また、Total GIPに対する活性型GIPの割合を算出することにより、DPP−4活性の見積もりが可能となる。
本発明の抗活性型GIP抗体を用いたサンドイッチELISAによる検量線。 本発明の抗活性型GIP抗体を用いた健常者ヒト血中活性型GIPの定量。対照食及び試験食摂取後の(A)血中GIP(1−42)、(B)血中Total GIP値(N=5、同一被験者のクロスオーバー試験)。(C)食後GIP(1−42)のTotal GIPに対する割合(%) 本発明抗活性型GIP抗体のエピトープ解析。
本発明において「活性型GIP」とは、哺乳類の活性型GIPを意味し、好ましくはヒトの活性型GIPである。ヒト活性型GIPは42個のアミノ酸からなるペプチド(「GIP(1−42)」)である(配列番号5)。一方、「非活性型GIP」とは、活性型GIPのN末端の2アミノ酸(YA)が切断されたペプチド(「GIP(3−42)」)を意味する。
本発明における抗活性型GIP抗体は、活性型GIPに結合し、且つ非活性型GIPとは実質的に結合しない抗体である。
非活性型GIPとは実質的に結合しないことは、被験抗体と非活性型GIPとの結合を、ウエスタンブロッティング、免疫沈降、免疫組織化学染色、及びELISA等の方法を用いて測定することにより判断することができる。具体的には、被験抗体の非活性型GIPに対する結合量が、活性型GIPに対する結合量を100%とした場合、多くとも10%以下、好ましくは5%以下、更に好ましくは1%以下、更により好ましくは0.1%であれば、「非活性型GIPに実質的に結合しない」とすることができる。
尚、サンドイッチELISAによる測定は、非活性型GIP溶液に対し、例えば捕捉抗体として抗total GIP抗体、検出抗体としてビオチン化抗活性型GIPモノクローナル抗体を用いて行うことができる。
また、本発明の抗体は、活性型GIP(配列番号5)のN末端から8番目以降のアミノ酸を認識する抗体であり、少なくも8〜10番目(SDY)から選ばれる1以上のアミノ酸を認識する抗体である。
更に、本発明の抗体は、H鎖に、下記(1)で表されるアミノ酸配列又はその保存的配列改変からなる領域を含むものである。
EMNPSDGRTHFNE (1)
(1)中のアルファベット文字は、アミノ酸の一文字表記を意味し、配列はN末からC末方向の順に記載している。ここで、Iはイソロイシン、Lはロイシン、Fはフェニルアラニン、Vはバリン、Aはアラニン、Tはスレオニン、Dはアスパラギン酸、Qはグルタミン、Eはグルタミン酸、Mはメチオニン、Nはアスパラギン、Pはプロリン、Sはセリン、Gはグリシン、Rはアルギニン、Hはヒスチジンを示す。
本発明において、「保存的配列改変」とは、改変前のアミノ酸配列からなる抗体の反応性に有意な影響を及ぼさない又は変化させないアミノ酸改変を意味する。そのような保存的配列改変には、1〜数個、好ましくは1〜3個、より好ましくは1個のアミノ酸の置換、付加及び欠失が含まれる。当該保存的配列改変がなされたアミノ酸配列としては、改変前のアミノ酸配列と90%以上、好ましくは95%以上、更に好ましくは98%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列が挙げられる。当該改変は、部位特異的変異誘発及びPCR媒介変異誘発のような、当技術分野において公知の標準的な技術によって本発明の抗体に導入することができる。保存的アミノ酸置換としては、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基(アミノ酸残基のファミリー)に置換されることが挙げられる。斯かるアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野において定義されており、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、β−分岐側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)、及び芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸が含まれる。
上記(1)で表されるアミノ酸配列は、H鎖可変領域を示す配列番号2で示されるアミノ酸配列の50〜62番目の13アミノ酸残基からなる領域をコードするものである。
本発明の抗体は、上記反応性を有する限り、当該抗体のフラグメント、例えば、F(ab')、F(ab')、一本鎖Fv(scFv)、VH及びVL中のシステイン残基に置換されたアミノ酸残基がジスルフィド結合を介して結合しているジスルフィド結合Fv(dsFv)若しくはこれらの重合体、又はscFvが二量体化した二量体化V領域(Diabody)であっても良い。更に、上記反応性を有する限り、抗活性型GIP抗体の一部を含むペプチド、すなわち抗体を構成するアミノ酸配列の一部を備えるペプチドであって上記反応性を有するものも当該抗体のフラグメントに含まれる。
また、本発明抗体のイムノグロブリンクラスは特に限定されるものではなく、IgG、IgM、IgA、IgE、IgD、IgYのいずれのイムノグロブリンクラスであってもよく、好ましくはIgGである。また、本発明の抗体はいずれのアイソタイプの抗体をも包含するものである。
また本発明の抗体は、非ヒト動物の抗体、ヒト型キメラ抗体、ヒト化抗体及びヒト抗体の何れであっても良い。非ヒト動物の抗体としては、例えば、マウス、ラット、ハムスター、モルモット等の抗体を挙げることができ、好ましくはマウスの抗体である。
ここで、「ヒト型キメラ抗体」とは、非ヒト動物由来であって活性型GIPと特異的に結合する抗体の定常領域をヒトの抗体と同じ定常領域を有するように遺伝子工学的に改変した抗体のことであり、好ましくは、ヒト・マウス・キメラ抗体である。また、「ヒト化抗体」とは、非ヒト動物由来であって活性型GIPと特異的に結合する抗体のH鎖とL鎖の相補認識領域(CDR)以外の一次構造をヒトの抗体に対応する一次構造に遺伝子工学的に改変した抗体のことである。また、「ヒト抗体」とは、完全にヒト由来の抗体遺伝子の発現産物であるヒト抗体を意味する。
本発明の抗体としては、更に、H鎖可変領域として配列番号2で示されるアミノ酸配列又はその保存的配列改変からなる領域を含むものであるのが好ましい。
そして更に、H鎖可変領域として配列番号2で示されるアミノ酸配列又はその保存的配列改変からなる領域を含み、且つL鎖可変領域として配列番号4で示されるアミノ酸配列又はその保存的配列改変からなる領域を含むものが好ましい。
本発明においては、別の一態様として以下の1)及び2)で示される抗体構成成分及びその遺伝子が提供される。特に配列番号2で示されるアミノ酸配列又はその保存的配列改変からなるポリペプチド(H鎖可変領域)は、上記(1)で表されるアミノ酸配列を含むことから、本発明の抗体としての機能を担う抗体フラグメントとして好ましい。
1)以下のポリペプチド及びそれをコードする遺伝子
(a)配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、又は当該アミノ酸配列と90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドであって、活性型GIPに結合し且つ非活性型GIPとは実質的に結合しない抗体としての機能を担うポリペプチド。
(b)配列番号1で示される塩基配列からなるDNA、又は当該塩基配列と90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上の同一性を有する塩基配列からなるDNAであって、活性型GIPに結合し且つ非活性型GIPとは実質的に結合しない抗体としての機能を担うポリペプチドをコードするDNA。
2)以下のポリペプチド及びそれをコードする遺伝子
(c)配列番号4で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、又は当該アミノ酸配列と90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドであって、活性型GIPに結合し且つ非活性型GIPとは実質的に結合しない抗体としての機能を担うポリペプチド。
(d)配列番号3で示される塩基配列からなるDNA、又は当該塩基配列と90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上の同一性を有する塩基配列からなるDNAであって、活性型GIPに結合し且つ非活性型GIPとは実質的に結合しない抗体としての機能を担うポリペプチドをコードするDNA。
上記の配列番号1又は3で示される塩基配列と90%以上の同一性を有する塩基配列からなるDNAとしては、例えば、配列番号1又は3で示される塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAが挙げられる。この場合のハイブリダイズの条件は、例えば6×SSC(0.9M NaCl,0.09M クエン酸三ナトリウム)又は6×SSPE(3M NaCl,0,2M NaHPO,20mM EDTA・2Na,pH7.4)中42℃でハイブリダイズさせ、その後42℃で0.5×SSCで洗浄する条件が挙げられる。
尚、本発明において、アミノ酸配列又は塩基配列間の同一性とは、2つのアミノ酸配列又は塩基配列をアラインメントしたときに両方の配列において同一のアミノ酸残基又は塩基が存在する位置の数の全長アミノ酸残基数又は塩基数に対する割合(%)をいう。具体的には、例えばリップマン−パーソン法(Lipman-Pearson法;Science, 227, 1435, (1985))によって計算され、遺伝情報処理ソフトウェアGenetyx-Win(Ver.5.1.1;ソフトウェア開発)のホモロジー解析(Search homology)プログラムを用いて、Unit size
to compare(ktup)を2として解析を行なうことにより算出できる。
H鎖可変領域として配列番号2で示されるアミノ酸配列からなる領域を含み、且つL鎖可変領域として配列番号4で示されるアミノ酸配列からなる領域を含む抗活性型GIP抗体としては、後記実施例1に示すハイブリドーマ9B9H5−B9株から産生されるモノクローナル抗体が挙げられる。
本発明の抗活性型GIP抗体は、公知の手段を用いてモノクローナル抗体として得ることができる。哺乳動物由来のモノクローナル抗体としては、ハイブリドーマから産生されるもの、及び抗体遺伝子又は抗体フラグメント遺伝子を設計し周知の遺伝子工学的手法を用いて生産されるものが包含される。
遺伝子工学的手法としては、H鎖可変領域をコードするDNA(例えば、配列番号1で示される塩基配列からなるDNA)と、L鎖可変領域をコードするDNA(例えば、配列番号3で示される塩基配列からなるDNA)を、それぞれ適当なベクターのプロモーター下流に挿入した組換え体ベクターを造成し、それを宿主細胞に導入した形質転換体からH鎖及びL鎖を製造し、これらを可能性のあるペプチドで連結させる、或いはH鎖可変領域をコードするDNA(例えば、配列番号1で示される塩基配列からなるDNA)とL鎖可変領域をコードするDNA(例えば、配列番号3で示される塩基配列からなるDNA)を、公知のリンカーをコードするDNAで繋いで適当なベクターのプロモーター下流に挿入した組換え体ベクターを造成し、それを宿主細胞内で発現させる、等により抗原結合能を持った一本鎖の組換え抗体タンパク質(scFv)を生産することが挙げられる。(MacCfferty, J. et al., Nature, 348, 552-554, 1990、Tim Clackson et al, Nature, 352, 642-628, 1991等参照)。また、更に、可変領域をコードするDNAと定常領域をコードするDNAとを結合させて発現させたものを生産することであってもよい。この場合、定常領域は、可変領域の由来する抗体と同一のものであっても、あるいは異なる抗体に由来するものであってもよい。
上記の如く機能的に同等なポリペプチドを調製するためのアミノ酸変異の導入は、例えば、部位特異的変異誘発法などを用いて行うことができる。
抗活性型GIP抗体産生ハイブリドーマは、基本的には公知技術を使用し、以下のようにして作製できる。
例えば、活性型GIP又はそのN末端のアミノ酸配列を有するペプチド(配列番号5の1〜15番目のアミノ酸配列からなるペプチド)を、必要に応じて、適当なキャリアー蛋白質、例えばキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)やウシ血清アルブミンなどと結合することによって、より免疫原性を高め、非ヒト哺乳動物に免疫することにより作製することができる。尚、感作抗原(免疫源)として用いられる活性型GIP又は上記ペプチドは、遺伝子工学的手法又は化学合成により作製することができる。
感作抗原で免疫される哺乳動物としては、特に限定されるものではないが、細胞融合に使用する親細胞である哺乳動物のミエローマ細胞との適合性を考慮して選択するのが好ましく、一般的にはげっ歯類の動物、例えば、マウス、ラット、ハムスター等が使用される。
感作抗原を動物に免疫するには、公知の方法に従って行われる。例えば、感作抗原を哺乳動物の腹腔内又は、皮下に注射することにより行われる。具体的には、感作抗原をPBS(Phosphate-Buffered Saline)や生理食塩水等で適当量に希釈、懸濁したものを所望により通常のアジュバント、例えば、フロイント完全アジュバントを適量混合し、乳化後、動物の皮下、皮内、腹腔などに投与して一時刺激後、必要に応じて同様の操作を繰り返し行う。抗原の投与量は投与経路、動物種に応じて適宣決定されるが、通常の投与量は1回当たり10μg〜1mg程度が好ましい。このように免疫し、血清中に所望の抗体レベルが上昇するのを確認した後に、抗体レベルが上昇した哺乳動物から免疫細胞を取り出し、細胞融合を行う。細胞融合を行う際の好ましい免疫細胞としては、特に脾細胞が挙げられる。
前記免疫細胞と融合される他方の親細胞としての哺乳動物のミエローマ細胞は、すでに、公知の種々の細胞株、例えばP3X63、NS−1、MPC−11、SP2/0等が適宜使用される。
前記免疫細胞とミエローマ細胞の細胞融合は公知の方法、たとえば、ケラーらの方法(Kohler et al., Nature, vol, 256, p495-497(1975))等に準じて行うことができる。すなわち、ポリエチレングリコール(平均分子量1000〜6000のPEG、30〜60%濃度)、センダイウィルス(HVJ)等の細胞融合促進剤の存在下、所望によりジメチルスルホキシド等の補助剤を添加し、RPMI1640培養液、MEM培養液等の栄養培養液中で、免疫細胞とミエローマ細胞を混合することによって、融合細胞(ハイブリドーマ)の形成が行われる。
融合により形成されたハイブリドーマをヒポキサンチン、チミジン及びアミノプテリンを含む培地(HAT培地)等の選択培地で1日〜7日間培養し、未融合細胞と分離する。得られたハイブリドーマをその産生する抗体(活性型GIPに結合し、且つ非活性型GIPとは実質的に結合しない抗体)により更に選択する。
選択したハイブリドーマを公知の限界希釈法に従って単一クローン化し、単一クローン性抗体産生ハイブリドーマとして樹立する。
ハイブリドーマが産生する抗体の活性を検出する方法は、公知の方法を使用することができる。例えばELISA法、凝集反応法、ラジオイムノアッセイ法が挙げられる。
得られたハイブリドーマからモノクローナル抗体を取得するには、当該ハイブリドーマを通常の方法に従って培養し、その培養上清として得る方法、あるいはハイブリドーマをこれと適合性がある哺乳動物に投与して増殖させ、その腹水として得る方法などが採用される。
抗体の精製は、塩析法、ゲル濾過法、イオン交換クロマト法又はアフィニティークロマト法等の公知の精製手段を用いて行なうことができる。
本発明の抗活性型GIP抗体を任意の免疫学的測定方法に用いることにより、検体中の活性型GIPを特異的に検出又は測定することができる。すなわち、本発明の抗活性型GIP抗体と検体を接触させ、当該抗体への結合を検出して活性型GIPのレベルを免疫学的に測定することにより、生体試料又は生体内における活性型GIPを検出又は測定することができる。
これにより、生体試料中の活性型GIPの測定、活性型GIP値の異常の検出、更には活性型GIPを指標とした治療薬の奏効性評価等が可能となる。
ここで、免疫学的測定法としては、特に制限されないが、定性的分析としては、免疫組織染色法、蛍光抗体法、吸着法、及び中和法を挙げることができ、定量的分析としては、ELISA法、ラジオイムノアッセイ法、及びウエスタンブロッティング法等を挙げることができる。このうち、ELISA法は、簡便性の点から好適に用いられる。ELISA法、ラジオイムノアッセイ法には、競合法、サンドイッチ法、直接吸着法がある。
競合法は、抗活性型GIP抗体をアッセイ用プレートに結合させ、これに、仔牛小腸由来アルカリホスファターゼ(CIAP)やセイヨウワサビペルオキシダーゼ等の酵素や放射性同位元素等で標識した一定濃度の活性型GIPと共に、試料を添加するものである。試料中の活性型GIPと標識した活性型GIPが、抗活性型GIP抗体への結合をめぐって競合し、試料中の活性型GIPの濃度に応じて、標識活性型GIPが抗活性型GIP抗体に結合することから、当該標識活性型GIPの抗体への結合量により、試料中の活性型GIPの濃度を推定することができる。
サンドイッチ法は、抗GIP抗体と標識抗活性型GIP抗体を用いるものであり、抗GIP抗体としては、抗活性型GIP抗体とはエピトープの異なる抗体が好ましく、そのような抗体としては抗total GIP抗体が挙げられる。また、固定化抗GIP抗体と標識抗活性型GIP抗体を用いる方法が好ましい。
固定化抗GIP抗体としては、ポリスチレンプレート、ラテックス粒子、磁性粒子、ガラス繊維膜、ナイロン膜、ニトロセルロース膜、酢酸セルロース膜等の不溶性支持体に抗体を固定化したものが好ましい。
また、標識抗活性型GIP抗体の標識としては、例えば、放射性同位体(例えば、32P、35S、H)、酵素(例えば、ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、ルシフェラーゼ)、タンパク(例えば、アビジン)、低分子化合物(例えば、ビオチン)、蛍光物質(例えば、FITC)、化学発光物質(例えば、アクリジニウム)、ラテックス粒子(例えば、着色ラテックス粒子、蛍光ラテックス粒子)、金属(例えば、金、銀、白金等の貴金属)コロイド粒子、炭素原子等を用いることができる。
また、直接吸着法(直接法)は、固相に抗原を吸着させて、標識抗活性型GIP抗体と反応させる方法である。
検体(生体試料)中の活性型GIPの検出は、試料中の活性型GIPを固定化抗GIP抗体と反応させることにより行われるが、例えばサンドイッチ法による場合には、試料含有液と固定化抗GIP抗体を反応させ、次いで前記標識抗体を反応させること、或いは固定化抗GIP抗体と標識抗体とを同時に反応させることにより行うことができる。反応終了後、試料中の活性型GIPと固定化抗GIP抗体と標識抗体とで形成された複合体中の標識量を測定すれば、試料中の活性型GIP量が測定できる。標識量の測定は、標識体の種類に応じた手段で行うことができる。例えば、標識として酵素を用いた場合には、反応後、基質を加え、酵素活性を測定する。また、標識として蛍光(蛍光ラテックス粒子を含む)又は化学発光物質を用いた場合には、消光が起こらない条件で信号を測定する。着色ラテックス粒子、金属コロイド粒子、及び炭素粒子等は、目視或いは反射光等で信号を測定する。
本発明の抗活性型GIP抗体を含む検出又は測定試薬(キット)は、本発明の抗活性型GIP抗体を用いて検体中の活性型GIPを測定又は検出する方法に使用されるものであり、被験者から採取した生体試料(例えば、組織、血液、血漿、血清、リンパ液等)や生体内における活性型GIPを定性的、定量的又は半定量的に検出又は測定するための試薬である。
当該抗活性型GIP抗体を含む検出又は測定試薬は、標識化された本発明の抗活性型GIP抗体の他、例えば検体用希釈液、固定化抗GIP抗体、反応基質、必要に応じて発色試薬、反応停止用試薬、標準抗原試薬、サンプル前処理用試薬、ブロッキング試薬等を含んで構成されるのが好ましい。また、抗活性型GIP抗体は、樹脂、膜、フィルム、容器等に含まれ若しくは固定され、又は、溶媒に溶解されていてもよい。
上述した実施形態に関し、本発明においては以下の態様が開示される。
<1>活性型GIPに結合し、且つ非活性型GIPとは実質的に結合しない抗活性型GIP抗体であって、配列番号5で示されるアミノ酸配列の8〜10番目アミノ酸から選ばれる1以上を少なくとも認識し、且つH鎖に、下記(1)で表されるアミノ酸配列又はその保存的配列改変からなる領域を含む抗体。
EMNPSDGRTHFNE (1)
<2>H鎖可変領域として配列番号2で示されるアミノ酸配列又はその保存的配列改変からなる領域を含む<1>の抗体。
<3>保存的配列改変されたアミノ酸配列が、配列番号2で示されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するものである、<2>の抗体。
<4>H鎖可変領域として配列番号2で示されるアミノ酸配列又はその保存的配列改変からなる領域を含み、且つL鎖可変領域として配列番号4で示されるアミノ酸配列又はその保存的配列改変からなる領域を含む<1>又は<2>の抗体。
<5>配列番号2で示されるアミノ酸配列に対する保存的配列改変されたアミノ酸配列が、配列番号2で示されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するものであり、配列番号4で示されるアミノ酸配列に対する保存的配列改変されたアミノ酸配列が、配列番号4で示されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するものである、<4>の抗体。
<6><1>〜<5>のいずれかの抗体を用いる活性型GIPの検出又は測定方法。
<7>以下の1)〜2)の工程を含む、試料中の活性型GIPの検出又は測定方法。
1)固定化抗GIP抗体及び標識された<1>〜<5>のいずれかの抗体を、一緒に又は別々に試料含有液に接触させる工程
2)試料中の活性型GIPと前記固定化抗GIP抗体と標識抗体とで形成された複合体中の標識量を測定する工程
<8><1>〜<5>のいずれかの抗体を含む活性型GIPの検出又は測定試薬。
<9>以下のポリペプチド及びそれをコードする遺伝子
(a)配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、又は当該アミノ酸配列と90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドであって、活性型GIPに結合し且つ非活性型GIPとは実質的に結合しない抗体としての機能を担うポリペプチド。
(b)配列番号1で示される塩基配列からなるDNA、又は当該塩基配列と90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上の同一性を有する塩基配列からなるDNAであって、活性型GIPに結合し且つ非活性型GIPとは実質的に結合しない抗体としての機能を担うポリペプチドをコードするDNA。
<10>以下のポリペプチド及びそれをコードする遺伝子
(c)配列番号4で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、又は当該アミノ酸配列と90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドであって、活性型GIPに結合し且つ非活性型GIPとは実質的に結合しない抗体としての機能を担うポリペプチド。
(d)配列番号3で示される塩基配列からなるDNA、又は当該塩基配列と90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上の同一性を有する塩基配列からなるDNAであって、活性型GIPに結合し且つ非活性型GIPとは実質的に結合しない抗体としての機能を担うポリペプチドをコードするDNA。
実施例1 抗体の作成
1)免疫用ペプチドの合成
活性型GIPのN末端15アミノ酸(GIP(1−15))をPEG化後、KLHを化学的に結合させて、KLH結合PEG化GIP(1−15)を作製し、免疫抗原とした。活性型GIPのN末端15アミノ酸(GIP(1−15))をPEG化したものを測定用抗原(1)、非活性型GIPのN末端13アミノ酸(GIP(3−15))をPEG化したものを測定用抗原(2)とした。
2)免疫
BALB/cマウス3匹を用い、背部皮下に免疫した。初回の免疫では、上記で作成した抗原と完全フロイントアジュバンドとを混合したエマルジョンを投与した。初回免疫から2週間毎に抗原と不完全フロイントアジュバンドを混合したエマルジョンを用いて追加免疫を実施した。一度に免疫する抗原量は0.1〜0.2mgの範囲で行った。初回免疫実施7週後、マウスより採取した血清を用いて抗体価測定を実施し、抗体価の上昇を確認した。
3)細胞融合
抗体価の上昇したマウスから脾臓を摘出し、脾細胞を得た。得られた脾細胞とマウスミエローマ細胞株P3U1をPEG法により融合した。その後、96ウェルプレート20枚へ播種(1×10cells/ウェル)した。
4)スクリーニング
測定用抗原(1)及び(2)を1 μg/mLとなるようにPBS(―)で希釈してプレートに固相化し、2次抗体としてHRP標識した抗マウスIg抗体を用いたELISA法にて、ハイブリドーマ培養上清と抗原(1)及び(2)との反応を評価し、抗原(1)に陽性かつ抗原(2)に陰性を示したハイブリドーマを抗活性型GIPモノクローナル抗体産生ハイブリドーマとして選択した。
5)クローニング
上記で得られたハイブリドーマを限界希釈法によって単一のコロニーが得られるように培養することにより、抗体産生ハイブリドーマのクローニングを行い、シングルコロニー形成ウェルを再びELISA測定し、抗原(1)に陽性かつ抗原(2)に陰性を示す抗体を産生する9B9H5−B9株を樹立した。
得られた抗体産生ハイブリドーマの保存は、当該ハイブリドーマを培養し、対数増殖期に回収した後、FBS含有細胞凍結液にて細胞濃度が1×10cells/mLとなるように調製した後、1×10cells/チューブとなるように凍結チューブに分注し、バイセル中にて−80℃で保存した。
6)抗体生産
得られた抗体産生ハイブリドーマの凍結バイアルを起眠し、Hybridoma−SFMへ無血清馴化した。拡大培養後、ローラーボトル2本(500mL×2本、1L)で培養し、培養上清を回収した。回収した培養上清を用いてProtein A精製を行い、モノクローナル抗体を精製した。
実施例2 ELISA法による活性型GIPとの反応性
実施例1で得られたモノクローナル抗体と活性型GIPとの反応性をELISA法により確認した。NH基ビオチン化キット(Dojindo社製)にて抗活性型GIPモノクローナル抗体のアミノ基のビオチン化を行った。Human (total) GIP
ELISAキット (Millipore社製)に付属の検出抗体’GIP detection antibody’(ビオチン化抗 total GIPモノクローナル抗体)の代替として、作製したビオチン化抗活性型GIPモノクローナル抗体1 μg/mLを用いてELISAを行った。GIP(1−42)あるいはGIP(3−42)の2000 pg/mL溶液を最高濃度とした4倍希釈系列を6段階(8.2〜2000 pg/mL)まで作製し、捕捉抗体として抗total GIPモノクローナル抗体(Millipore社製 Human GIP (total) ELISAキットに付属)、検出抗体としてビオチン化抗活性型GIPモノクローナル抗体、検出にペルオキシダーゼ‐ストレプトアビジン結合物を用いたサンドイッチELISA系により、GIP濃度をX軸、吸光度450nm−590nmをY軸とした検量線を作製した(図1)。
図1のように、GIP(3−42)では高濃度域においても吸光度が上昇せず、GIP(1−42)にのみ濃度依存的に吸光度が上昇したことから、本ELISA系はGIP(3−42)には交差性がなく、GIP(1−42)を特異的に検出できることを確認した。
実施例3 ヒト活性型GIPの測定
実施例2で構築したGIP(1−42) ELISA法を、実際にヒト血中GIP(1−42)測定に用いることができるか否かを評価するため、ヒト血漿サンプルを用いて検討を行った。
健常者に対して、対照食(標準食)、または試験食(GIP低減食)を摂取させた後の各時間における血中GIP(1−42)値を図2Aに、比較として測定した血中Total GIP値を図2Bに示す。血中GIP(1−42)値は、食後30分値でピークが認められたが(図2A)、食後120分値まで高値を維持しているTotal GIP(図2B)と比較して、早期に血中濃度が減少することが示唆された。対照食と試験食の比較では、食後30分値、及び60分値において、試験食は対照食に対して有意な血中GIP(1−42)値の低減を認め(図2A)、Total GIP値(図2B)と同様の傾向を認めた。また、食後のTotal GIPに対するGIP(1−42)の割合を求めた(図2C)。食後30、60、120及び180分において各時間の平均値は43%、28%、27%、及び19%であり、食後早期に活性型GIPの割合が高く、その後経時的に減少することが示唆された。
実施例4 活性型GIPモノクローナル抗体のエピトープ解析
実施例1で作製したモノクローナル抗体のエピトープを特定するため、下記の合成ペプチドを作製した。
(1)GIP(1−10):NH−YAEGTFISDY−COOH
(2)GIP(1−9):NH−YAEGTFISD−COOH
(3)GIP(1−8):NH−YAEGTFIS−COOH
(4)GIP(1−7):NH−YAEGTFI−COOH
(5)GIP(1−6):NH−YAEGTF−COOH
(6)GIP(1−6)+GIP非特異的4aa(ランダム4aa):NH−YAEGTFVNLV−COOH
合成した6種のペプチドを1 μg/mLとなるようにPBS(−)で希釈して96ウェルプレートに固相化し、ビオチン化抗活性型GIPモノクローナル抗体、検出にペルオキシダーゼ‐ストレプトアビジン結合物を用いてELISAを行った。結果を図3に示す。
図3より、GIP(1−8)以上、すなわちN末端より8アミノ酸以上の長さの活性型GIPペプチドが抗活性型GIPモノクローナル抗体の認識部位として必要であることがわかった。
実施例5 H鎖及びL鎖可変領域のアミノ酸配列の解析
(1)配列決定
常法に従い、9B9H5−B9ハイブリドーマからのtotal RNAの抽出を行ない、これを鋳型としてcDNAを調製した。表1に示すプライマーを用いて、表2に示す条件で、PCRを行い、H鎖及びL鎖の可変領域を含むPCR産物を増幅した。
すなわち、得られたcDNA(H鎖特異的なprimerにより合成)を鋳型として、マウス抗体(IgG)H鎖特異的なprimerをreverse primer、表1に示されるUniversal primerをforward primerとしてRACE PCR反応を行なった。同様にcDNA(L鎖特異的なprimerにより合成)を鋳型に、L鎖特異的なprimerを用いてRACE PCR反応を行なった。PCR酵素にはPrimeSTAR GXLを使用した。得られたPCR産物をCloning Plasmid pMD20−Tにライゲーションを行い、常法の形質転換により、PCR産物ごとに48 clone取得した。
Figure 2016128420
Figure 2016128420
取得したCloneはプライマーM13−47(cgccagggttttcccagtcacgac;配列番号10)を用いてPlasmid領域の片側から解析した。シーケンシングは、Big Dye Terminators v3.1 cycle sequencing kit(ABI社)を用いて付属のプロトコールに従って行ない、配列を決定した。決定された配列のうち、実験試料に由来する塩基配列から推定されるアミノ酸配列について、BLAST(http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)による相同性検索を行い、H鎖及びL鎖の可変領域をコードしていると推定される塩基配列(開始コドン以降)、及びアミノ酸配列を確定した(配列番号1〜4)。ここで、配列番号1及び2:モノクローナル抗体のH鎖可変領域をコードする塩基配列及びアミノ酸配列、配列番号3及び4:モノクローナル抗体のL鎖可変領域をコードする塩基配列及びアミノ酸配列を示す。
また、H鎖可変領域のアミノ酸配列について、BLAST(http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)にて相同性の検索を行った結果、そのN末端から50〜62番目のアミノ酸残基「EMNPSDGRTHFNE」については、それと90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を持つポリペプチドは発見されなかった。

Claims (8)

  1. 活性型GIPに結合し、且つ非活性型GIPとは実質的に結合しない抗活性型GIP抗体であって、配列番号5で示されるアミノ酸配列の8〜10番目のアミノ酸から選ばれる1以上を少なくとも認識し、且つH鎖に、下記(1)で表されるアミノ酸配列又はその保存的配列改変からなる領域を含む抗体。
    EMNPSDGRTHFNE (1)
  2. H鎖可変領域として配列番号2で示されるアミノ酸配列又はその保存的配列改変からなる領域を含む請求項1記載の抗体。
  3. 保存的配列改変されたアミノ酸配列が、配列番号2で示されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するものである、請求項2記載の抗体。
  4. H鎖可変領域として配列番号2で示されるアミノ酸配列又はその保存的配列改変からなる領域を含み、且つL鎖可変領域として配列番号4で示されるアミノ酸配列又はその保存的配列改変からなる領域を含む請求項1又は2記載の抗体。
  5. 配列番号2で示されるアミノ酸配列に対する保存的配列改変されたアミノ酸配列が、配列番号2で示されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するものであり、配列番号4で示されるアミノ酸配列に対する保存的配列改変されたアミノ酸配列が、配列番号4で示されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するものである、請求項4記載の抗体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の抗体を用いる活性型GIPの検出又は測定方法。
  7. 以下の1)〜2)の工程を含む、試料中の活性型GIPの検出又は測定方法。
    1)固定化抗GIP抗体及び標識された請求項1〜5のいずれか1項記載の抗体を、一緒に又は別々に試料含有液に接触させる工程
    2)試料中の活性型GIPと前記固定化抗GIP抗体と標識抗体とで形成された複合体中の標識量を測定する工程
  8. 請求項1〜5のいずれか1項記載の抗体を含む活性型GIPの検出又は測定試薬。
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