JP2016127366A - 圧電デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、圧電素子の発振周波数が変動することを低減することが可能な圧電デバイスを提供する。
【解決手段】圧電デバイスは、基板110aと、基板110aに設けられた電極パッド111と、圧電素板121と、圧電素板121に設けられた励振用電極122と、励振用電極122と間を空けて圧電素板121に設けられた引き出し電極123と、引き出し電極123の上面に圧電素板121が露出するように設けられた第一凹部124と、引き出し電極123の下面に圧電素板121が露出するように設けられた第二凹部125と、を有し、導電性接着剤140を介して電極パッド111上に実装された圧電素子120と、圧電素子120を気密封止するために設けられた蓋体130と、を備え、第一凹部124と第二凹部125とが平面視して重なる位置に設けられており、導電性接着剤140の外周縁が、平面視して、第二凹部125内に設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば電子機器等に用いられる圧電デバイスおよびその製造方法に関するものである。
圧電デバイスは、圧電素子の圧電効果を利用して、圧電素板の両面が互いにずれるように厚みすべり振動を起こし、特定の周波数を発生させるものである。基板上に設けられた電極パッドに導電性接着剤を介して実装された圧電素子を備えた圧電デバイスが提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。圧電素子は、圧電素板の両主面に励振用電極を有しており、圧電素子の一端を基板の上面と接続した固定端とし、他端を基板の上面と間を空けた自由端とした片持ち支持構造となる。
圧電デバイスの製造方法は、パッケージの上面に設けられた電極パッド上に導電性接着剤を塗布し、導電性接着剤上に圧電素子を載置する工程と、導電性接着剤を加熱硬化させ、電極パッドと圧電素子とを導通固着する工程と、蓋体とパッケージとを接合するための工程とを含む製造方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−111435号公報 特開2007−235340号公報
上述した圧電デバイスは、圧電素子の一辺に沿って隣接するように設けられた引き出し電極と基板の上面に設けた電極パッドとの間を導電性接着剤により接着する際には、引き出し電極の下面が電極パッドの上面に設けられた導電性接着剤の一部が電極パッドからはみ出して、励振用電極に付着することで、圧電素子の共振周波数を変動させる虞があった。
また、上述した圧電デバイスの製造方法は、圧電素子を導電性接着剤に載置する際に、導電性接着剤の位置が圧電素子の引き出し電極で隠れてしまうため、導電性接着剤の塗布径を確認することができないため、圧電素子の先端が基板の上面に接触してしまう虞がある。
本発明は前記課題に鑑みてなされたものであり、圧電素子の発振周波数が変動することを低減することが可能な圧電デバイスおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一つの態様による圧電デバイスは、基板と、基板の上面に設けられた電極パッドと、電極パッド上に設けられた導電性接着剤と、矩形状の圧電素板と、圧電素板の上下面に設けられた励振用電極と、励振用電極と間を空けて圧電素板の一辺に沿って設けられた一対の引き出し電極と、一対の引き出し電極の上面に圧電素板が露出するように設けられた第一凹部と、一対の引き出し電極の下面に圧電素板が露出するように設けられた第二凹部と、を有し、導電性接着剤を介して電極パッド上に実装された圧電素子と、圧電素子を気密封止するために設けられた蓋体と、を備え、第一凹部と第二凹部とが平面視して重なる位置に設けられており、導電性接着剤の外周縁が、平面視して、第二凹部内に設けられていることを特徴とするものである。
本発明の一つの態様による圧電デバイスの製造方法は、矩形状の圧電素板と、圧電素板の上下面に設けられた励振用電極と、励振用電極と間を空けて圧電素板の一辺に沿って設けられた一対の引き出し電極と、一対の引き出し電極の上面に圧電素板が露出するように設けられた第一凹部と、一対の引き出し電極の下面に圧電素板が露出するように設けられた第二凹部と、を有する圧電素子を形成する圧電素子形成工程と、電極パッド上に導電性接着剤を塗布する導電性接着剤塗布工程と、導電性接着剤の外周縁が、平面視して、第二凹部内に位置するように、圧電素子を導電性接着剤上に載置する圧電素子載置工程と、導電性接着剤を加熱硬化させ、電極パッドと圧電素子とを導通固着する圧電素子固着工程と、圧電素子を気密封止するように、蓋体と基板とを接合するための蓋体接合工程と、を含むことを特徴とするものである。
本発明の一つの態様による圧電デバイスは、基板と、基板の上面に設けられた電極パッドと、電極パッド上に設けられた導電性接着剤と、矩形状の圧電素板と、圧電素板の上下面に設けられた励振用電極と、励振用電極と間を空けて圧電素板の一辺に沿って設けられた一対の引き出し電極と、一対の引き出し電極の上面に圧電素板が露出するように設けられた第一凹部と、一対の引き出し電極の下面に圧電素板が露出するように設けられた第二凹部と、を有し、導電性接着剤を介して電極パッド上に実装された圧電素子と、圧電素子を気密封止するために設けられた蓋体と、を備え、第一凹部と第二凹部とが平面視して重なる位置に設けられており、導電性接着剤の外周縁が、平面視して、第二凹部内に設けられている。このようにすることにより、引き出し電極の下面に設けられた第二凹部内に導電性接着剤が入り込むようにして電極パッド上に接着されることになるので、第二凹部内から導電性接着剤がはみ出すことを抑えることができ、導電性接着剤が励振用電極に付着することを低減することができる。よって、このような圧電デバイスは、導電性接着剤が励振用電極に付着することによって生じる圧電素子の発振周波数の変動を抑えることが可能となる。
本発明の一つの態様による圧電デバイスの製造方法は、矩形状の圧電素板と、圧電素板の上下面に設けられた励振用電極と、励振用電極と間を空けて圧電素板の一辺に沿って設けられた一対の引き出し電極と、一対の引き出し電極の上面に圧電素板が露出するように設けられた第一凹部と、一対の引き出し電極の下面に圧電素板が露出するように設けられた第二凹部と、を有する圧電素子を形成する圧電素子形成工程と、パッケージに設けられた電極パッド上に導電性接着剤を塗布する導電性接着剤塗布工程と、導電性接着剤の外周縁が、平面視して、第二凹部内に位置するように、圧電素子を導電性接着剤上に載置する圧電素子載置工程と、導電性接着剤を加熱硬化させ、電極パッドと圧電素子とを導通固着する圧電素子固着工程と、圧電素子を気密封止するように、パッケージに蓋体を接合するための蓋体接合工程と、を含んでいる。このようにすることによって、圧電素子を導電性接着剤に押し付け過ぎたかどうかを判別することができるので、圧電素子の自由端が基板の上面に接触したもの又は導電性接着剤が励振用電極に付着したものを圧電デバイスの特性を測定する前に選別することができるため、生産性を向上させることができる。
本実施形態における圧電デバイスを示す分解斜視図である。 (a)図1に示された圧電デバイスのA−Aにおける断面図であり、(b)図2(a)のX1箇所の部分拡大図である。 本実施形態における圧電デバイスの蓋体を外した状態を示す平面図である。 本実施形態における圧電デバイスを構成する圧電素子を示す透視平面図である。 本実施形態の圧電デバイスの製造方法で用いられる圧電素子実装装置を示す斜視図である。 (a)本実施形態の圧電デバイスの製造方法である導電性接着剤塗布工程において第一カメラ部で電極パッドを認識している状態を示す断面図であり、(b)本実施形態の圧電デバイスの製造方法である導電性接着剤塗布工程において第一ノズルで導電性接着剤を塗布している状態を示す断面図であり、(c)本実施形態の圧電デバイスの製造方法である圧電素子載置工程において、第二カメラ部で導電性接着剤を認識している状態を示す断面図である。 (a)本実施形態の圧電デバイスの製造方法である圧電素子載置工程において、第二ノズルにて圧電素子を前記導電性接着剤上に載置している状態を示す断面図であり、(b)本実施形態の圧電デバイスの製造方法である圧電素子固着工程を示す断面図であり、(c)本実施形態の圧電デバイスの製造方法である蓋体接合工程を示す断面図である。
(圧電デバイス)
本実施形態における圧電デバイスは、図1及び図2に示されているように、パッケージ110と、パッケージ110に接合された圧電素子120とを含んでいる。パッケージ110は、基板110aの上面と枠体110bの内側面によって囲まれた収容空間Kが形成されている。このような圧電デバイスは、電子機器等で使用する基準信号を出力するのに用いられる。
基板110aは、矩形状であり、上面に実装された圧電素子120を実装するための実装部材として機能するものである。基板110aの上面には、圧電素子120を実装するための一対の電極パッド111が設けられている。
また、基板110aの下面の四隅には、外部端子112が設けられている。また、四つの外部端子112の内の二つが、圧電素子120と電気的に接続されている。また、圧電素子120と電気的に接続されている一対の外部端子112は、基板110aの下面の対角に位置するように設けられている。
基板110aは、例えばアルミナセラミックス又はガラス−セラミックス等のセラミック材料である絶縁層からなる。基板110aは、絶縁層を一層用いたものであっても、絶縁層を複数層積層したものであってもよい。基板110aの表面及び内部には、枠体110bの上面に設けられた電極パッド111と、基板110aの下面に設けられた外部端子112とを電気的に接続するための配線パターン(図示せず)及びビア導体(図示せず)が設けられている。
枠体110bは、基板110aの上面に配置され、基板110aの上面に収容空間Kを形成するためのものである。枠体110bは、例えばアルミナセラミックス又はガラス−セラミックス等のセラミック材料からなり、基板110aと一体的に形成されている。
電極パッド111は、圧電素子120を実装するためのものである。電極パッド111は、基板110aの上面に一対で設けられており、枠体110bの内側にある基板110aの内周縁の一辺に沿うように隣接して設けられている。
外部端子112は、電気機器等の外部の実装基板上の実装パッド(図示せず)と接合するために用いられている。外部端子112は、基板110aの下面の四隅に設けられている。外部端子112の少なくとも一つは、ビア導体(図示せず)を介して、封止用導体パターン113と電気的に接続されている。また、外部端子112の少なくとも一つは、電子機器等の実装基板上の基準電位であるグランド電位と接続されている実装パッドと接続されている。これにより、封止用導体パターン113に接合された蓋体130がグランド電位となっている外部端子112に接続される。よって、蓋体130による収容空間K内のシールド性が向上する。
封止用導体パターン113は、接合部材131を介して蓋体130と接合する際に、接合部材131の濡れ性をよくする役割を果たしている。封止用導体パターン113は、ビア導体(図示せず)を介して、外部端子112の少なくとも一つと電気的に接続されている。封止用導体パターン113は、例えばタングステン又はモリブデン等から成る導体パターンの表面にニッケルメッキ及び金メッキを順次、枠体110bの上面を環状に囲む形態で施すことによって、例えば10〜25μmの厚みに形成されている。
ここで、基板110a及び枠体110bの作製方法について説明する。基板110a及び枠体110bがアルミナセラミックスから成る場合、まず所定のセラミック材料粉末に適当な有機溶剤等を添加・混合して得た複数のセラミックグリーンシートを準備する。また、セラミックグリーンシートの表面或いはセラミックグリーンシートに打ち抜き等を施して予め穿設しておいた貫通孔内に、従来周知のスクリーン印刷等によって所定の導体ペーストを塗布する。さらに、これらのグリーンシートを積層してプレス成形したものを、高温で焼成する。最後に、導体パターンの所定部位、具体的には、電極パッド111、外部端子112及び封止用導体パターン113となる部位にニッケルメッキ又、金メッキ、銀パラジウム等を施すことにより作製される。また、導体ペーストは、例えばタングステン、モリブデン、銅、銀又は銀パラジウム等の金属粉末の焼結体等から構成されている。
圧電素子120は、図1及び図2に示されているように、導電性接着剤140を介して電極パッド111上に接合されている。圧電素子120は、安定した機械振動と圧電効果により、電子装置等の基準信号を発振する役割を果たしている。
また、圧電素子120は、図1及び図2に示されているように、水晶からなる圧電素板121の上面及び下面のそれぞれに励振用電極122及び引き出し電極123を被着させた構造を有している。励振用電極122は、圧電素板121の上面及び下面のそれぞれに金属を所定のパターンで被着・形成したものである。励振用電極122は、上面に第一励振用電極122aと、下面に第二励振用電極122bを備えている。
引き出し電極123は、励振用電極122から圧電素板121の一辺に向かってそれぞれ延出されている。引き出し電極123は、上面に第一引き出し電極123aと、下面に第二引き出し電極123bとを備えている。第一引き出し電極123aは、第一励振用電極122aから引き出されており、圧電素板121の一辺に向かって延出するように設けられている。第二引き出し電極123bは、第二励振用電極122bから引き出されており、圧電素板121の一辺に向かって延出するように設けられている。つまり、引き出し電極123は、圧電素板121の長辺又は短辺に沿った形状で設けられている。また、本実施形態においては、第一電極パッド111a及び第二電極パッド111bと接続されている圧電素子120の一端を基板110aの上面と接続した固定端とし、他端を基板110aの上面と間を空けた自由端とした片持ち支持構造にて圧電素子120が基板110a上に固定されている。
また、第一凹部124は、第一引き出し電極123a及び第二引き出し電極123bの上面に圧電素板121が露出されるようにして設けられている。第二凹部125は、第一引き出し電極123a及び第二引き出し電極123bの下面に圧電素板121が露出されるようにして設けられている。第二凹部125が、電極パッド111上に設けられた導電性接着剤140の一部が収容されるようにして水晶素子120が電極パッド111上に実装されている。このように、一対の引き出し電極123の下面に設けられた第二凹部125内に導電性接着剤140が入り込むようにして電極パッド111上に接着されることになるので、第二凹部125内から導電性接着剤140がはみ出すことを抑えることができ、導電性接着剤140が励振用電極122に付着することを低減することができる。よって、このような圧電デバイスは、導電性接着剤140が励振用電極122に付着することによって生じる圧電素子120の発振周波数の変動を抑えることが可能となる。
また、第一凹部124が、引き出し電極123の上面に設けられていることにより、導電性接着剤140が引き出し電極123の上面に回り込んだとしても、第一凹部124内で留まり易くなるため、圧電素板121の上面に設けられた第一励振用電極122aに導電性接着剤140が付着することを低減することができる。
溝部126は、第一凹部124と第二凹部125とが圧電素板121の側面にて繋がるようにするためのものである。第一凹部124と第二凹部125の固定端側の溝部126を介して繋がるように設けられている。溝部126の部分にも導電性接着剤140が入り込むことによって、導電性接着剤140と水晶素子120の引き出し電極123との接触面積を増やすことになり、導電性接着剤140と水晶素子120の引き出し電極123との接続強度を向上させることができる。また、溝部126の部分にも導電性接着剤140が入り込むことによって、電極パッド111と溝部126との間に、電極パッド111から溝部126に向かって上下方向の厚みが徐々に大きくなるようなフィレットが形成される。導電性接着剤140の硬化によって、水晶素子120の自由端側を持ち上げるように、残留応力が働くことによって、より確実に片持ち支持構造で固定することが可能となる。
第二凹部125の開口面積は、図4に示すように、第一凹部124の開口面積より大きくなるように設けられている。このようにすることにより、導電性接着剤140が第二凹部125内に留まることになり、引き出し電極125の上面にさらに這い上がることを抑えることができるため、導電性接着剤140が第一励振用電極122aに付着することをさらに抑えることが可能となる。
ここで、圧電素子120の動作について説明する。圧電素子120は、外部からの交番電圧が引き出し電極123から励振用電極122を介して圧電素板121に印加されると、圧電素板121が所定の振動モード及び周波数で励振を起こすようになっている。
蓋体130は、例えば、Fe−Ni合金(42アロイ)やFe−Ni−Co合金(コバール)などからなる。このような蓋体130は、収容空間Kを、窒素ガス雰囲気中や真空雰囲気中などで気密封止される。具体的には、蓋体130は、窒素雰囲気中や真空雰囲気中で、パッケージ110の枠体110b上に載置され、枠体110bの上面に設けられた封止用導体パターン113の表面と蓋体130の接合部材131とが溶融されるように所定電流を印加してシーム溶接を行うことにより、枠体110bに接合される。
導電性接着剤140は、シリコーン樹脂等のバインダーの中に導電フィラーとして導電性粉末が含有されているものであり、導電性粉末としては、アルミニウム、モリブデン、タングステン、白金、パラジウム、銀、チタン、ニッケル又はニッケル鉄のうちのいずれか、或いはこれらの組み合わせを含むものが用いられている。また、バインダーとしては、例えばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂又はビスマレイミド樹脂が用いられる。
導電性接着剤140の外周縁が、平面視して、第二凹部125内に位置するようにして設けられている。また、導電性接着剤140の粘度が、35〜45Pa・sのものを使用することによって、電極パッド111上に塗布した際に、導電性接着剤140は、バンプ電極パッド111を超えて基板110a上に流れ出ることなく、電極パッド111上に留まり、導電性接着剤140の上下方向の厚みが維持される。また、導電性接着剤140は、第二凹部124を超えて第二励振用電極122bへ向かって流れ出ることなく、第二凹部122内に留まることができる。
蓋体130は、矩形状であり、真空状態にある収容空間K、あるいは窒素ガスなどが充填された収容空間Kを気密的に封止するためのものである。具体的には、蓋体130は、所定雰囲気で、枠体110b上に設けられた封止用導体パターン113の上面に載置される。蓋体130の下面に設けられた接合部材131に熱が印加されることで、封止用導体パターン113と溶融接合される。また、蓋体130は、例えば、鉄、ニッケル又はコバルトの少なくともいずれかを含む合金からなる。
接合部材131は、枠体110bの封止用導体パターン113の上面から蓋体130の下面にかけて設けられている。接合部材131は、例えば、ガラスの場合には、300℃〜400℃で溶融するガラスであり、例えばバナジウムを含有した低融点ガラス又は酸化鉛系ガラスから構成されている。ガラスは、バインダーと溶剤とが加えられたペースト状であり、溶融された後固化されることで他の部材と接合する。接合部材131は、例えば、ガラスフリットペーストがスクリーン印刷法で塗布され乾燥することで設けられる。また、接合部材131は、枠体110bの上面に印刷する際に、枠体110bの四隅に接合部材131が重なるようにして印刷される。よって、四隅の接合部材131の厚みは、接合部材131が設けられている他の箇所の厚みよりも厚くなるように設けられている。また、この酸化鉛系ガラスの組成は、酸化鉛、フッ化鉛、二酸化チタン、酸化ニオブ、酸化ビスマス、酸化ホウ素、酸化亜鉛、酸化第二鉄、酸化銅及び酸化カルシウムとから構成されている。
接合部材131は、例えば、絶縁性樹脂の場合には、エポキシ樹脂又はポリイミド樹脂から構成されている。枠体110bと蓋体130との間に設けられた接合部材131の厚みは、30〜100μmとなっている。
接合部材131は、例えば、金錫の場合には、接合部材131の層の厚みは、10〜40μmであり、例えば、成分比率が、金が70〜80%、錫が20〜30%のものを使用しても良い。また、接合部材131は、例えば、銀ロウの場合には、接合部材131の層の厚みは、10〜40μmであり、例えば、成分比率が、銀が70〜80%、銅が20〜30%のものを使用しても良い。
本実施形態における圧電デバイスは、基板110と、基板110の上面に設けられた電極パッド111と、電極パッド111上に設けられた導電性接着剤140と、矩形状の圧電素板121と、圧電素板121の上下面に設けられた励振用電極122と、励振用電極122と間を空けて圧電素板121の一辺に沿って設けられた一対の引き出し電極123と、一対の引き出し電極123の上面に圧電素板121が露出するように設けられた第一凹部124と、一対の引き出し電極123の下面に圧電素板121が露出するように設けられた第二凹部125と、を有し、導電性接着剤140を介して電極パッド111上に実装された圧電素子120と、圧電素子120を気密封止するために設けられた蓋体130と、を備え、第一凹部124と第二凹部125とが平面視して重なる位置に設けられており、導電性接着剤140の外周縁が、平面視して、第二凹部125内に設けられている。このようにすることにより、引き出し電極123の下面に設けられた第二凹部125内に導電性接着剤140が入り込むようにして電極パッド111上に圧電素子120が接着されることになるので、第二凹部125内から導電性接着剤140がはみ出すことを抑えることができ、導電性接着剤140が励振用電極122に付着することを低減することができる。このような圧電デバイスは、導電性接着剤140が励振用電極122に付着することによって生じる圧電素子120の発振周波数の変動を抑えることが可能となる。
また、本実施形態における圧電デバイスは、第一凹部124が引き出し電極123の上面に設けられていることにより、導電性接着剤140が引き出し電極123の上面に回り込んだとしても、第一凹部124内で留まり易くなるため、圧電素板121の上面に設けられた第一励振用電極122aに導電性接着剤140が付着することを低減することができる。
また、本実施形態における圧電デバイスは、第一凹部124と第二凹部125とが圧電素板121の側面にて繋がっている。このようにすることにより、つながっている圧電素板121の側面の部分にも導電性接着剤140が入り込むことによって、導電性接着剤140と水晶素子120の引き出し電極123との接触面積を増やすことになり、導電性接着剤140と水晶素子120の引き出し電極123との接続強度を向上させることができる。また、溝部126の部分にも導電性接着剤140が入り込むことによって、電極パッド111と溝部126との間に、電極パッド111から溝部126に向かって上下方向の厚みが徐々に大きくなるようなフィレットが形成される。導電性接着剤140の硬化によって、水晶素子120の自由端側を持ち上げるように、残留応力が働くことによって、より確実に片持ち支持構造で固定することが可能となる。
また、本実施形態における圧電デバイスは、第二凹部125の開口面積が第一凹部124の開口面積より大きくなるように設けられている。このようにすることにより、導電性接着剤140が第二凹部125内に留まることになり、引き出し電極125の上面にさらに這い上がることを抑えることができるため、導電性接着剤140が励振用電極122に付着することをさらに抑えることが可能となる。
(圧電素子実装装置)
圧電素子実装装置は、図5に示すように、導電性接着剤140を塗布するための第一ノズルNZ1と電極パッド111の位置を認識するための第一カメラ部CA1とを備えた塗布手段TSと、圧電素子120を吸着し導電性接着剤140上に載置するための第二ノズルNZ2と電極パッド111又は導電性接着剤140の位置を認識するための第二カメラ部CA2とを備えた実装手段JSと、第一カメラ部CA1から得た画像データによって、パッケージ110に対する電極パッドの位置ずれ幅を求め、この位置ずれに対して導電性接着剤140の塗布位置を補正すると共に、第二カメラ部CA2から得た画像データによって、電極パッド111に対する導電性接着剤140の位置ずれ幅を求め、この位置ずれに対して圧電素子120の実装位置を補正するための実装手段JSを制御する制御手段SSと、を備えている。
また、この圧電素子実装装置は、図5に示すように、第一ガイドレールR1が設けられ、この第一ガイドレールR1には、塗布手段TS及び実装手段JSが備えられている。また、第二ガイドレールは、支柱PLを介して第一ガイドレールR1と接続されている。なお、この圧電素子実装装置において、第二ガイドレールR2と平行な方向をY方向、第一ガイドレールR1と平行な方向をX方向、このX方向とY方向の両方に直行する方向をZ方向とする。また、このX方向の軸線とY方向の軸線とが交わってなす角度の方向をθ方向とする。
塗布手段TSは、第一ガイドレールR1に備えられている。塗布手段TSは、第一ノズルNZ1と、第一カメラ部CA1と、第一配置部HB1と、第一可動部とで構成されている。また、第一可動部は、X方向可動部KB11と、Y方向可動部KB12と、Z方向可動部KB13とで構成されている。また、塗布手段TSは、パッケージ配列治具PJに配列されているパッケージ110の電極パッド111に導電性接着剤140を塗布するための第一ノズルNZ1と電極パッド111の位置を認識するための第一カメラ部CA1とを有する。第一ノズルNZ1と第一カメラ部CA1は、塗布手段TSの第一配置部HB1に並列に配置されている。
これら塗布手段TSは、Z方向に往復して移動可能であり、パッケージ配列治具PJのパッケージ110に導電性接着剤140を塗布するときにZ方向に移動する。また、パッケージ110に移動するときにX方向に移動する。
第一カメラ部CA1は、パッケージ110の電極パッド111の状態を示す画像データを撮影する役割を果たす。第一カメラ部CA1によって撮影された画像データは、記憶部MEに記憶される。記憶部MEは、第一カメラ部CA1から得たパッケージ110の電極パッド111の位置を示す画像データを記憶する役割を果たす。
実装手段JSは、第一ガイドレールR1に備えられている。実装手段JSは、第二ノズルNZ2と、第二カメラ部CA2と、第二配置部HB2と、第二可動部とで構成されている。第二ノズルNZ2及び第二カメラ部CA2は、第二配置部HB2の先端部に配置されている。また、第二可動部は、X方向可動部KB21と、Y方向可動部KB22と、Z方向可動部KB23とで構成されている。また、実装手段JSは、素子配列治具XJに配列されている圧電素子120を吸着し、パッケージ配列治具PJに配列されているパッケージ110の収容空間K内に設けられた電極パッド111の導電性接着剤140上に載置するための第二ノズルNZ2と電極パッド111及び導電性接着剤140の位置を認識するための第二カメラ部CA2とを有する。また、第二ノズルNZ2は、真空ポンプ(図示せず)と連結しており、真空ポンプが動作することで、第二ノズルNZ2に設けられている吸着孔(図示せず)から空気が吸い込まれる。よって、素子配列治具XJに配列されている圧電素子120は、第二ノズルNZ2に吸着される。
これら実装手段JSは、Z方向に往復して移動可能であり、素子配列治具XJから圧電素子120を吸着するとき、及びパッケージ110に搭載するときにZ方向に移動する。また、パッケージ110に移動するとき、及び新たに圧電素子120を吸着するときにX方向に移動する。
第二ノズルNZ2は、素子配列治具XJに配列されている圧電素子120と向かい合うようにして、第二配置部HB2の先端部に配置されている。また、第二ノズルNZ2は、X方向可動部KB21と、Y方向可動部KB22と、Z方向可動部KB23と、回動部(図示せず)とによって、X方向、Y方向、Z方向、θ方向に動作することができるようになっている。
第二カメラ部CA1は、パッケージ110の電極パッド111及び電極パッド111上に塗布された導電性接着剤140の状態を示す画像データを撮影する役割を果たす。第二カメラ部CA2によって撮影された画像データは、記憶部MEに記憶される。記憶部MEは、第二カメラ部CA2から得た電極パッド111の位置及び導電性接着剤140の位置を示す画像データを記憶する役割を果たす。
また、制御手段SSは、コンピュータにより構成されており、塗布手段TSと、吸着手段JSと、記憶部MEに接続されている。制御手段SSは、圧電素子実装装置全体の制御を行うものである。つまり、制御手段SSは、第一カメラ部CA1から得た画像データによって、設けられている電極パッド111と枠体110bとの間隔の数値データを求め、数値データを基にして、塗布手段TSの第一ノズルNZ1の位置を補正するように制御する役割を果たす。また、制御手段SSは、第二カメラ部CA2から得た画像データによって、設けられている導電性接着剤と枠体110bとの間隔の数値データを求め、数値データを基にして、実装手段JSの第二ノズルNZ2の位置を補正するように制御する役割を果たす。
(圧電デバイスの製造方法)
以下、上述の圧電デバイスの製造方法について説明する。圧電デバイスの製造方法は、図6及び図7に示すように、矩形状の圧電素板121と、圧電素板121の上下面に設けられた励振用電極122と、励振用電極122と間を空けて圧電素板121の一辺に沿って設けられた一対の引き出し電極123と、一対の引き出し電極123の上面に圧電素板が露出するように設けられた第一凹部124と、一対の引き出し電極123の下面に圧電素板121が露出するように設けられた第二凹部125と、を有する圧電素子120を形成する圧電素子形成工程と、電極パッド111上に導電性接着剤140を塗布する導電性接着剤塗布工程と、導電性接着剤140の外周縁が、平面視して、第二凹部125内に位置するように、圧電素子120を導電性接着剤140上に載置する圧電素子載置工程と、導電性接着剤140を加熱硬化させ、電極パッド111と圧電素子120とを導通固着する圧電素子固着工程と、圧電素子120を気密封止するように、蓋体130と基板110aとを接合するための蓋体接合工程と、を含んでいる。
(圧電素子形成工程)
圧電素子形成工程は、矩形状の圧電素板121と、圧電素板121の上下面に設けられた励振用電極122と、励振用電極122と間を空けて圧電素板121の一辺に沿って設けられた一対の引き出し電極123と、一対の引き出し電極123の上面に圧電素板121が露出するように設けられた第一凹部124と、一対の引き出し電極123の下面に圧電素板121が露出するように設けられた第二凹部125と、を有する圧電素子120を形成する工程である。
X軸とY軸とZ軸とからなり互いに直交している結晶軸を有した平板状の水晶ウエハ(図示せず)を形成する。水晶ウエハは、X軸とY軸とZ軸とからなり互いに直交する結晶軸を有した人工水晶体が用いられる。水晶ウエハの主面は、例えば、X軸およびZ軸に平行となっている面を、X軸を中心に、X軸の負の方向を見て反時計回りに所定の角度、例えば、約37°回転させた面と平行となっている。また、水晶ウエハは、人工水晶体から所定のカットアングルで切断された後、両主面が研磨されて、その上下方向の厚みが所定の厚みとなっている。
ここで、水晶ウエハは、例えば、略矩形形状の平板状となっており、平面視したときの寸法が、所定の一辺の寸法が、10.0〜101.6mmであり、所定の一辺に接続している一辺の寸法が、10.0〜101.6mmとなっている。このとき、水晶ウエハの上下方向の厚みは、0.020〜0.070mmとなっている。なお、水晶ウエハが略矩形形状の平板状となっている場合について説明しているが、円形形状または楕円形状の平板状となっていてもよく、平面視したときの大きさは、直径が10.0〜101.6mmとなっている。
圧電素板121は、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術により、水晶ウエハの所定の位置に、圧電素板121となる部分の主面の所定の一辺側で固定されつつ、圧電素板121となる部分の側面の一部にm面が形成されている水晶素板121となる部分を形成する。まず、従来周知のフォトリソグラフィー技術を用いて、水晶ウエハの両主面の全面に金属膜を被着し、この金属膜上にレジストを塗布し、所定のパターンに露光、現像する。その後、従来周知のエッチング技術を用いて、水晶ウエハを所定のエッチング溶液に浸漬させて、エッチングを行う。このとき、結晶軸の軸方向によってエッチングのされ方が異なることを利用して、圧電素板121となる部分の側面の一部にZ軸と平行なm面を容易に形成することができる。
圧電素板121の上面及び下面に、金属膜を被着させ、励振用電極122および引き出し電極123を形成する。励振用電極122及び引き出し電極123を形成する際には、所定のパターンの貫通孔が形成されている一対のマスクの間に、水晶ウエハを載置した状態で、蒸着技術またはスパッタリング技術によって水晶ウエハ主面と貫通孔の内部を向く面とで形成される空間内であって、水晶ウエハの圧電素板121となる部分の所定の位置に金属膜を被着させている。この際に、引き出し電極123の一部を除去または、金属膜が被着しないようにしたマスクを使用することで、引き出し電極123の上面に第一凹部124を形成し、引き出し電極123の下面に第二凹部125を形成する。
また、第二凹部125の開口面積が、第一凹部124の開口面積より大きくなるように形成するようしても構わない。このようにすることで、第一凹部124を形成する際に、少し位置ずれを起こしたとしても、第一凹部124の面積と比べ第二凹部125の面積が大きいため、第一凹部124と第二凹部125が重ならなくなることを抑えることができる。よって、導電性接着剤140の外周縁が第二凹部125内に位置しているかどうかを判別しやすくすることができる。また、第一凹部124または第二凹部125の開口部は、矩形状または円形状である。
また、引き出し電極123の一部を除去または、圧電素板121の側面に金属膜が被着しないようにしたマスクを使用することで、引き出し電極123に溝部126が形成される。このように溝部126を形成することで、第一凹部124と第二凹部125とが繋がるようにして形成される。溝部126の位置と導電性接着剤140の位置とを合わせるようにして圧電素子120を導電性接着剤140上に載置することで、圧電素子120の載置精度をさらに向上させることができる。
最後に、圧電素板121となる部分の主面の所定の一辺側を折り取り、または、切断し、圧電素板121となる部分を個片化する。水晶ウエハ160は、励振用電極122および引き出し電極123が形成されている圧電素板121となる部分が、圧電素板121となる部分の主面の所定の一辺側で固定されている。この固定されている部分を折り取り、または、切断することで、圧電素子120を形成する。
(導電性接着剤塗布工程)
導電性接着剤塗布工程は、図6(b)に示すように、パッケージ110に設けられた電極パッド111上に導電性接着剤140を塗布する工程である。導電性接着剤140は、第一ノズルNZ1で電極パッド111の上面に塗布される。
まず、図6(a)に示すように、パッケージ110の収容空間K内の電極パッド111の位置を塗布手段TSの第一カメラ部CA1により撮影し、画像データを記憶部MEに記憶する。電極パッド111は、塗布手段TSの第一カメラ部CA1によって撮影すると、パッケージ110と電極パッド111とは、同一の素材により設けられていないため、電極パッド111の位置を判別することができる。次に、図6(b)に示すように、電極パッド111の位置に合わせて塗布手段TSの第一ノズルNZ1を移動させ、導電性接着剤140を塗布する。また、第一ノズルNZ1は、圧力をかけることによって導電性接着剤140を噴出させ、導電性接着剤140を塗布することができる。
導電性接着剤140としては、シリコーン樹脂等のバインダーの中に導電フィラーとして導電性粉末が含有されているものであり、導電性粉末としては、例えばアルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ニッケル鉄(NiFe)、のうちのいずれかまたはこれらの組み合わせを含むものが用いられている。この導電性粉末の粒径によって、第一ノズルNZ1の内径は適宜対応する。
(圧電素子載置工程)
圧電素子載置工程は、図7(a)に示すように、導電性接着剤140の外周縁が、平面視して、第二凹部125内に位置するように、圧電素子120を導電性接着剤140上に載置する工程である。まず、図6(c)に示すように、電極パッド111に形成された導電性接着剤140の位置を実装手段JSの第二カメラ部CA2により撮影し、画像データを記憶部MEに記憶する。導電性接着剤140は、圧電素子実装装置の第二カメラ部CA2によって撮影すると、電極パッド111と導電性接着剤140とは、同一の素材により設けられていないため、導電性接着剤140の位置を判別することができる。この導電性接着剤140の位置に合わせて、圧電素子120を吸着した第二ノズルNZ2を移動させ、電極パッド111に塗布された導電性接着剤140の外周縁が、圧電素子120の引き出し電極123に設けられた第二凹部125内に位置するようにして、導電性接着剤140上に圧電素子120を載置する。
圧電素子120を載置した後に、第一凹部124側から第二カメラ部CA2によって撮影することで、圧電素子120が水晶により形成されていることによって透過しているため、導電性接着剤140の外周縁が第二凹部125内に位置しているかどうかを判別することができる。このようにすることによって、圧電素子120を導電性接着剤140に押し付け過ぎたかどうかを判別することができるので、圧電素子120の自由端が基板110の上面に接触したもの又は導電性接着剤140が励振用電極122に付着したものを圧電デバイスの特性を測定する前に選別することができるため、生産性を向上させることができる。
(圧電素子固着工程)
圧電素子固着工程は、図7(b)に示すように、導電性接着剤140上に圧電素子120を配置し、導電性接着剤140を硬化することで実装する圧電素子固着工程である。圧電素子固着工程は、圧電素子120の引き出し電極123とパッケージ110の電極パッド111上に塗布された導電性接着剤140とを相対するようにして、圧電素子120を導電性接着剤140上に載置する。次に、大気雰囲気中または窒素雰囲気中の硬化アニール炉の内部空間にパッケージ110を収容した状態で、導電性接着剤140を加熱硬化させ、電極パッド111と圧電素子120とを導通固着する。
硬化アニール炉(図示せず)は、炉本体と、加熱部と、供給部、制御部によって構成されている。炉本体は、内部空間を有し、パッケージ110を格納する役割を果たす。加熱部は、内部空間を所定の温度に加熱する役割を果たす。加熱部は、例えば、ハロゲンランプ、キセノンランプ等が用いられている。供給部は、内部空間にガスを供給する役割を果たす。ガスは、例えば窒素等が用いられている。制御部は、炉本体の内部空間の温度や酸素濃度、加熱部の昇温速度、供給部のガスの供給量の制御を行うものである。
(蓋体接合工程)
蓋体接合工程は、図7(c)に示すように、圧電素子120を気密封止するようにパッケージ110に蓋体130を接合する工程である。蓋体130は、例えば、Fe−Ni合金(42アロイ)やFe−Ni−Co合金(コバール)が用いられ、圧電素子120を窒素ガス雰囲気中や真空雰囲気中などで気密封止する際に用いられる。
具体的には、接合部材131がガラス、絶縁性樹脂又は金錫の場合、蓋体130は、窒素ガス雰囲気中や真空雰囲気中で、パッケージ110の枠体110bの表面に設けられた封止用導体パターン113上に載置され、蓋体130の上面からハロゲンランプ等の熱源を照射し、接合部材131を溶融させることで、封止用導体パターン113を介して枠部110bに接合される。
また、接合部材131が銀ロウの場合には、蓋体130は、窒素ガス雰囲気中や真空雰囲気中で、パッケージ110の枠体110b上に載置され、枠体110bの表面に設けられた封止用導体パターン113の金属と蓋体130の接合部材131とが溶融されるように、シーム溶接機(図示せず)のローラ電極(図示せず)を蓋体130に接触させ、ローラ電極に電源を供給しながら、蓋体130の外側縁部に沿って動かすことで、枠部110bに接合される。
本発明の圧電デバイスの製造方法は、矩形状の圧電素板121と、圧電素板121の上下面に設けられた励振用電極122と、励振用電極122と間を空けて圧電素板121の一辺に沿って設けられた一対の引き出し電極123と、一対の引き出し電極123の上面に圧電素板121が露出するように設けられた第一凹部124と、一対の引き出し電極123の下面に圧電素板121が露出するように設けられた第二凹部125と、を有する圧電素子120を形成する圧電素子形成工程と、パッケージ110に設けられた電極パッド111上に導電性接着剤140を塗布する導電性接着剤塗布工程と、導電性接着剤140の外周縁が、平面視して、第二凹部内125に位置するように、圧電素子120を導電性接着剤140上に載置する圧電素子載置工程と、導電性接着剤140を加熱硬化させ、電極パッド111と圧電素子120とを導通固着する圧電素子固着工程と、圧電素子120を気密封止するように、パッケージ110と蓋体130とを接合するための蓋体接合工程と、を含んでいる。このようにすることによって、圧電素子1200を導電性接着剤140に押し付け過ぎたかどうかを判別することができるので、圧電素子120の先端が基板110aの上面に接触したもの又は導電性接着剤140が励振用電極122に付着したものを圧電デバイスの特性を測定する前に選別することができるため、生産性を向上させることができる。
また、本発明の圧電デバイスの製造方法は、圧電素子形成工程において、第一凹部124と第二凹部125とが圧電素板121の側面にて繋がるように形成している。このように、溝部126の位置と導電性接着剤140の位置とを合わせるようにして圧電素子120を導電性接着剤140上に載置することで、圧電素子120の載置精度をさらに向上させることができる。
また、本発明の圧電デバイスの製造方法は、圧電素子形成工程において、第二凹部125の開口面積が、第一凹部124の開口面積より大きくなるように形成している。このようにすることで、第一凹部124を形成する際に、少し位置ずれを起こしたとしても、第一凹部124の面積と比べ第二凹部125の面積が大きいため、第一凹部123と第二凹部125が重ならない位置に配置されることを抑えることができる。よって、導電性接着剤140の外周縁が第二凹部125内に位置しているかどうかを判別しやすくすることができる。
尚、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。上記実施形態では、枠体110bが基板110aと同様にセラミック材で一体的に形成した場合を説明したが、枠体110bが金属製であっても構わない。この場合、枠体は、銀−銅等のロウ材を介して基板の導体膜に接合されている。また、本実施形態では、枠体110bの上面に封止用導体パターン113が形成されている場合を説明したが、接合部材131が、ガラス又は絶縁性樹脂の場合には、封止用導体パターン113を設けることなく、枠体110bに接合されていても構わない。
上記実施形態では、基板110aの上面に枠体110bが設けられている場合について説明したが、基板に圧電素子を実装した後に、封止基部の下面に封止枠部が設けられた蓋体を用いて、圧電素子を気密封止する構造であっても構わない。蓋体は、矩形状の封止基部と、封止基部の下面の外周縁に沿って設けられている封止枠部とで構成されており、封止基部の下面と封止枠部の内側側面とで収容空間が形成されている。封止枠部は、封止基部の下面に収容空間を形成するためのものである。封止枠部は、封止基部の下面の外縁に沿って設けられている。
上記実施形態では、圧電素子は、AT用圧電素子を用いた場合を説明したが、水晶基部と、水晶基部の側面より同一の方向に延びる二本の平板形状の水晶振動部とを有する音叉型屈曲圧電素子を用いても構わない。圧電素子は、圧電素板と、その圧電素板の表面に設けられた励振電極と、引き出し用電極と、周波数調整用金属膜とにより構成されている。圧電素板は、水晶基部と水晶振動部とからなり、水晶振動部が第一水晶振動部及び第二水晶振動部とから成る。水晶基部は、結晶の軸方向として電気軸がX軸、機械軸がY軸、及び光軸がZ軸となる直交座標系としたとき、X軸回りに−5°〜+5°の範囲内で回転させたZ′軸の方向が厚み方向となる平面視略四角形の平板である。第一水晶振動部及び第二水晶振動部は、水晶基部の一辺からY′軸の方向に平行に延設されている。このような圧電素板は、水晶基部と各水晶振動部とが一体となって音叉形状を成しており、フォトリソグラフィー技術と化学エッチング技術により製造される。
110・・・パッケージ
110a・・・基板
110b・・・枠体
111・・・電極パッド
112・・・外部端子
113・・・封止用導体パターン
120・・・圧電素子
121・・・圧電素板
122・・・励振用電極
123・・・引き出し電極
124・・・第一凹部
125・・・第二凹部
130・・・蓋体
131・・・接合部材
140・・・導電性接着剤
K・・・収容空間

Claims (6)

  1. 基板と、
    前記基板の上面に設けられた電極パッドと、
    前記電極パッド上に設けられた導電性接着剤と、
    矩形状の圧電素板と、前記圧電素板の上下面に設けられた励振用電極と、前記励振用電極と間を空けて前記圧電素板の一辺に沿って設けられた一対の引き出し電極と、前記一対の引き出し電極の上面に前記圧電素板が露出するように設けられた第一凹部と、前記一対の引き出し電極の下面に前記圧電素板が露出するように設けられた第二凹部と、を有し、前記導電性接着剤を介して前記電極パッド上に実装された圧電素子と、
    前記圧電素子を気密封止するために設けられた蓋体と、を備え、
    前記第一凹部と前記第二凹部とが平面視して重なる位置に設けられており、
    前記導電性接着剤の外周縁が、平面視して、前記第二凹部内に設けられていることを特徴とする圧電デバイス。
  2. 請求項1記載の圧電デバイスであって、
    前記第一凹部と前記第二凹部とが前記圧電素板の側面にて繋がっていることを特徴とする圧電デバイス。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の圧電デバイスであって、
    前記第二凹部の開口面積が、前記第一凹部の開口面積より大きいことを特徴とする圧電デバイス。
  4. 矩形状の圧電素板と、前記圧電素板の上下面に設けられた励振用電極と、前記励振用電極と間を空けて前記圧電素板の一辺に沿って設けられた一対の引き出し電極と、前記一対の引き出し電極の上面に前記圧電素板が露出するように設けられた第一凹部と、前記一対の引き出し電極の下面に前記圧電素板が露出するように設けられた第二凹部と、を有する圧電素子を形成する圧電素子形成工程と、
    パッケージに設けられた電極パッド上に導電性接着剤を塗布する導電性接着剤塗布工程と、
    前記導電性接着剤の外周縁が、平面視して、第二凹部内に位置するように、前記圧電素子を前記導電性接着剤上に載置する圧電素子載置工程と、
    前記導電性接着剤を加熱硬化させ、前記電極パッドと前記圧電素子とを導通固着する圧電素子固着工程と、
    前記圧電素子を気密封止するように、前記パッケージに蓋体を接合するための蓋体接合工程と、を含むことを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
  5. 請求項4記載の圧電デバイスの製造方法であって、
    前記圧電素子形成工程において、
    前記第一凹部と前記第二凹部とが前記圧電素板の側面にて繋がるように形成することを特徴とする圧電デバイス。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の圧電デバイスの製造方法であって、
    前記圧電素子形成工程において、
    前記第二凹部の開口面積が、前記第一凹部の開口面積より大きくなるように形成することを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
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