JP2016125712A - 空気調和機 - Google Patents

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大介 豊田
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Abstract

【課題】清掃動作の途中でフィルタ清掃運転が停止された場合に、フィルタが所定の位置に戻るまでの間、塵埃除去手段が駆動される空気調和機では、フィルタが戻るまでの運転音が煩わしい問題がある。【解決手段】この空気調和機では、フィルタ清掃運転が実行されると、フィルタ3が移動するとともに、ブラシ12が回転駆動される清掃動作が行われ、フィルタ清掃運転が終了すると、移動したフィルタ3が戻るとともに、フィルタ3が戻るまでブラシ12が回転駆動される戻し動作が行われる。そして、清掃動作の途中でフィルタ清掃運転が停止された場合には、移動したフィルタ3が戻る間、ブラシ12が停止される。【選択図】図5

Description

本発明は、フィルタ清掃運転が可能な空気調和機に関する。
従来から、吸込口から吸い込んだ室内空気に含まれる塵埃が熱交換器へと流れないように、熱交換器よりも風上側にフィルタが配置された空気調和機(室内機)が知られている。特に、近年では、フィルタに付着した塵埃を自動的に除去するフィルタ清掃機構を備えた空気調和機が提供されている。
例えば、特許文献1に記載の空気調和機は、吸込口に対向するように配置された環状のフィルタ21と、フィルタ21の前端の内側に配置されたローラ23と、ローラ23を回転させるためのフィルタ駆動モータ30と、移動したフィルタ21に接触するように配置されたブラシ41と、ブラシ41を清掃するブラシ清掃部材と、ブラシ41を回転させるためのブラシ駆動モータ50と、ブラシ41で除去した塵埃を貯留するダストボックス44とを有している。
この空気調和機では、フィルタ清掃運転が実行されると、まず、ローラ23が回転駆動されて、フィルタ21が周長のほぼ1/4移動し、フィルタ21の前端側半分に付着した塵埃がブラシ41で除去される。次に、ブラシ41が回転駆動されて、ブラシ41に付着した塵埃がブラシ清掃部材で除去されてダストボックス44に貯留される。その後、再びローラ23が回転駆動されて、フィルタ21が周長のほぼ1/4移動し、フィルタ21の後端側半分に付着した塵埃がブラシ41で除去される。次に、ブラシ41が回転駆動されて、ブラシ41に付着した塵埃がブラシ清掃部材で除去されてダストボックス44に貯留され、フィルタ清掃運転が終了する。フィルタ清掃運転が終了すると、今度は、ローラ23がフィルタ清掃運転時とは逆方向に回転駆動され、フィルタ21が元の位置に戻される。このとき、ブラシ41が回転駆動されることによって、スムーズにフィルタ21が戻されるようになっている。
また、特許文献2に記載の空気調和機は、吸込口に対向するように配置されたフィルタ13と、フィルタ13の表面及び裏面を覆う塵埃除去ボックス21、22と、塵埃除去ボックス21、22内の流路26に空気流を発生させる吸引ファン23と、塵埃除去ボックス21、22内に配置されたフィルタ13を縦方向に往復移動させる駆動部(移動手段)30とを有している。
この空気調和機では、フィルタ清掃運転が実行されると、まず、駆動部30によって、所定の距離zだけフィルタ13が移動して停止する。これにより、フィルタ13の各区画13aのうち流路26に隣接していた区画13aが流路26内に移動する。次に、吸引ファン23が駆動されると、流路26内に空気流が発生し、流路26内に移動した区画13aに付着している塵埃が吹き飛ばされて除去される。以後、上記動作が繰り返されることにより、各区画13aごとにフィルタ13の清掃が行われる。そして、最後の区画13aの清掃が終わり、フィルタ清掃運転が終了すると、駆動部30によって、フィルタ清掃運転時と反対方向にフィルタ13が移動して、フィルタ13が元の位置(フィルタ清掃運転が開始される前の位置)に戻る。
特開2013−137128号公報 特許第4832279号
特許文献2に記載の空気調和機では、空気調和機の運転操作を行うリモートコントローラが、フィルタ清掃運転を停止する停止ボタンを有している。したがって、ユーザは、フィルタ清掃運転の運転音が煩わしい場合などに、清掃動作の途中でフィルタ清掃運転を停止できる。しかしながら、上記のような空気調和機では、清掃動作の途中でフィルタ清掃運転が停止された場合に、次の空調運転のために、移動したフィルタを所定の位置(例えば元の位置)に戻す必要がある。
ここで、特許文献2に記載の空気調和機においても、特許文献1に記載の空気調和機のように、フィルタに付着した塵埃を除去するブラシと、ブラシを駆動する駆動モータとを設けて、フィルタ清掃運転が実行される間、ブラシを回転駆動させてフィルタに付着した塵埃を除去するとともに、フィルタ清掃運転が終了したあとも、フィルタをスムーズに所定の位置に戻すため、ブラシを回転駆動させることが考えられる。しかしながら、清掃動作の途中でフィルタ清掃運転が停止された場合において、移動したフィルタが所定の位置(例えば元の位置)に戻る間、ブラシが駆動されると、フィルタ清掃運転を停止したあとの運転音が大きくなる。その結果、フィルタ清掃運転を停止したにもかかわらず、運転音が煩わしい問題がある。
そこで、本発明の目的は、清掃動作の途中でフィルタ清掃運転が停止されたあとの運転音を低減できる空気調和機を提供することである。
第1の発明にかかる空気調和機は、フィルタ清掃運転が可能な空気調和機であって、吸込口を有するケーシングと、前記吸込口に対向するように配置されたフィルタと、前記フィルタを移動させる移動手段と、前記移動手段によって移動する前記フィルタから塵埃を除去する塵埃除去手段と、前記塵埃除去手段を回転駆動させる駆動手段と、フィルタ清掃運転を停止する停止手段とを備え、フィルタ清掃運転が実行されると、前記移動手段が前記フィルタを移動させるとともに、前記駆動手段が前記塵埃除去手段を駆動する清掃動作が行われ、フィルタ清掃運転が終了すると、前記移動手段が、移動した前記フィルタを戻すとともに、前記駆動手段が、前記フィルタが戻るまで、所定の回転速度で前記塵埃除去手段を駆動する戻し動作が行われるものであり、前記駆動手段は、前記清掃動作の途中でフィルタ清掃運転が停止された場合、前記塵埃除去手段の駆動を停止する、または、前記所定の回転速度よりも遅い速度で前記塵埃除去手段を駆動することを特徴とする。
この空気調和機では、清掃動作の途中でフィルタ清掃運転が停止された場合に、移動したフィルタが戻る間、ブラシが駆動されない、または、戻し動作時の回転速度よりも遅い速度でブラシが駆動されるので、清掃動作の途中でフィルタ清掃運転が停止されたあとの運転音を低減できる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
この発明では、清掃動作の途中でフィルタ清掃運転が停止された場合に、移動したフィルタが戻る間、ブラシが駆動されない、または、戻し動作時の回転速度よりも遅い速度でブラシが駆動されるので、清掃動作の途中でフィルタ清掃運転が停止されたあとの運転音を低減できる。
本発明の第1実施形態にかかる空気調和機の外観図である。 図1に示す空気調和機の断面図である。 図1に示す空気調和機の制御ブロック図である。 図1に示す空気調和機のフィルタ清掃機構の動作を示す模式図であり、(a)は、清掃動作開始時、(b)は、清掃動作終了時、(c)は、戻し動作開始時、(d)は、戻し動作終了時を示す。 清掃動作の途中でフィルタ清掃運転が停止される場合のフィルタ清掃機構の動作を示す模式図であり、(a)は、清掃動作開始時、(b)は、清掃動作途中停止時、(c)は、強制戻し動作開始時、(d)は、強制戻し動作終了時を示す。 本発明の第2実施形態にかかる空気調和機の断面図である。 (a)は、図6に示す塵埃除去手段の拡大断面図であり、(b)は、図6に示すフィルタ清掃機構の平面図である。 図6に示す空気調和機の制御ブロック図である。 図6に示す空気調和機のフィルタ清掃機構の動作を示す模式図であり、(a)は、清掃動作開始時、(b)は、清掃動作終了時、(c)は、戻し動作開始時、(d)は、戻し動作終了時を示す。 清掃動作の途中でフィルタ清掃運転が停止される場合のフィルタ清掃機構の動作を示す模式図であり、(a)は、清掃動作開始時、(b)は、清掃動作途中停止時、(c)は、強制戻し動作開始時、(d)は、強制戻し動作終了時を示す。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係る空気調和機について説明する。
[第1実施形態]
[室内機の全体構成]
図1に示すように、本実施形態における室内機(空気調和機)1は、全体として一方向に細長い形状を有しており、その長手方向が水平となるように室内の壁面に据え付けられる。室内機1は、図示しない室外機と冷媒配管を介して接続されて空気調和機を構成しており、室内の冷房運転及び暖房運転を含む空調運転に加えて、フィルタを自動で清掃するフィルタ清掃運転を行うことができる。なお、以下の説明において、室内機1が取り付けられる壁から突出する方向を「前方」と称し、その反対の方向を「後方」と称する。また、室内機1の長手方向を「左右方向」と称する。
図2に示すように、室内機1は、ケーシング2、フィルタ3、送風ファン4、熱交換器5、フィルタ清掃機構10および電装品箱(図示省略)などを有している。フィルタ3、送風ファン4、熱交換器5、フィルタ清掃機構10および電装品箱は、ケーシング2の内部に収容されている。
ケーシング2の上面には吸込口2aが形成されており、ケーシング2の下面には吹出口2bが形成されている。吹出口2bの近傍には、上下方向の風向きの調整と、吹出口2bの開閉を行う水平フラップ7が配置されている。また、ケーシング2の前面は、前面パネル6によって覆われている。この前面パネル6は、上端側を支点にして、下端側がケーシング2に対して離れるように回動することによって、ケーシング2の前面を開く。
フィルタ3は、樹脂製の糸で平織り又は綾織りされた網であり、吸込口2aに対向するように配置され且つ環状に形成されている。このフィルタ3は、一般のフィルタにみられるような補強用の縁やリブが設けられていないため、自身で安定した形状を維持することができない。そのため、フィルタ3は、図示しないフィルタガイドに支持されることによって形状を保っている。
送風ファン4は、クロスフローファンであり、その軸方向が水平方向に沿うように配置されている。この送風ファン4は、送風ファンモータ4a(図3参照)によって駆動され、上方から空気を吸い込んで、下方に吹き出すように構成されている。熱交換器5は、フィルタ3よりも風下側に設けられ、送風ファン4の前方、上方、及び後方を取り囲むように配置されている。この熱交換器5は、ケーシング2内の前側に配置され、送風ファン4の前方及び上方を覆う前面熱交換器5aと、前面熱交換器5aよりもケーシング2内の背面側に配置され、送風ファン4の上方及び後方を覆う背面熱交換器5bとを有している。図2に示すように、前面熱交換器5aおよび背面熱交換器5bは、上に凸(断面視において逆V字状)になるように配置されている。
この室内機1では、空調運転時において、送風ファン4が駆動されることによって、室内空気が吸込口2aから吸い込まれて、吸い込まれた空気は、フィルタ3を通過して空気中に含まれる塵埃が除去されたあと、熱交換器5において加熱または冷却されて、吹出口2bから吹き出されるようになっている。なお、フィルタ3は、空調運転時や停止時において、吸込口2a側に配置された上流側部分3aと熱交換器5側に配置された下流側部分3bとを有しており、塵埃は主に上流側部分3aの風上面に付着する。
フィルタ清掃機構10は、フィルタ3を自動的に清掃するフィルタ清掃運転を実行するための機構である。このフィルタ清掃機構10は、フィルタ3の前端の内側に配置されたローラ11と、フィルタ3に付着した塵埃を除去するブラシ(塵埃除去手段)12と、ブラシ12に付着した塵埃を除去する図示しないブラシ清掃部材と、塵埃が貯留されるダストボックス13とを有している。ブラシ12は、ローラ11の下方に配置され、フィルタ3に接触している。また、フィルタ3の後端の内側には回転軸14が配置されている。ローラ11には、ローラ11を回転駆動するローラ駆動モータ15が接続され、ブラシ12には、ブラシ12を回転駆動するブラシ駆動モータ16が接続されている。
この室内機1では、ローラ駆動モータ15によって、ローラ11が回転駆動されることで、フィルタ3が移動する。したがって、この室内機1では、ローラ11及びローラ駆動モータ15が、本発明の「フィルタを移動させる移動手段」に相当する。これにより、フィルタ3に接触したブラシ12によって、フィルタ3に付着した塵埃が除去される。また、この室内機1では、ブラシ駆動モータ16によって、ブラシ12が回転駆動されることで、図示しないブラシ清掃部材によってブラシ12に付着した塵埃が除去され、ダストボックス13に貯留される。
図3に示すように、室内機1は、電装品箱に収容された制御部20を有している。制御部20は、ローラ駆動モータ15、ブラシ駆動モータ16及び送風ファンモータ4aと電気的に接続され、空気調和機の運転操作を行うリモートコントローラ21と通信可能である。リモートコントローラ21は、フィルタ清掃運転を開始する清掃運転開始スイッチ22と、フィルタ清掃運転を停止する清掃運転停止スイッチ(停止手段)23とを有している。制御部20は、清掃運転開始スイッチ22によってフィルタ清掃運転の開始操作がされた場合、または、空調運転終了後において所定の条件を満たした場合に、ローラ駆動モータ15及びブラシ駆動モータ16を駆動制御して、フィルタ清掃運転を開始する。また、清掃運転停止スイッチ23によって、清掃動作の途中でフィルタ清掃運転の停止操作がされた場合、フィルタ清掃運転を停止する。所定の条件とは、例えば前回のフィルタ清掃運転終了後からの空調運転の総運転時間が所定時間を超えた場合や、前回の空調運転の連続運転時間が所定時間を超えた場合などである。
<動作>
次に、図4及び図5を参照してフィルタ清掃機構10の動作について説明する。
まず、図4を参照して、フィルタ清掃運転が正常に行われる場合(途中で停止されることがない場合)について説明する。
図4(a)に示すように、フィルタ清掃運転が開始(実行)されると、フィルタ3の清掃動作が行われる。フィルタ3の清掃動作では、ローラ駆動モータ15が駆動されることによって、ローラ11が回転する。それにより、フィルタ3の上流側部分3aがローラ11で折り返されて下流側に向かい、フィルタ3の下流側部分3bが回転軸14で折り返されて上流側に向かうように、フィルタ3が移動する。その結果、フィルタ3の上流側部分3aに付着した塵埃がブラシ12で掻き取られる。また、フィルタ3の清掃動作では、ブラシ駆動モータ16が駆動されることによって、ブラシ12が回転する。それにより、ブラシ12に付着した塵埃がブラシ清掃部材によって除去されて、ダストボックス13に貯留される。図4(b)に示すように、フィルタ3が周長の略半分ほど移動すると、フィルタ3の清掃動作が完了し、フィルタ清掃運転が終了する。
なお、清掃動作時には、送風ファン4は停止されており、吹出口2bは水平フラップ7によって閉じられている。また、清掃動作時には、ローラ駆動モータ15とブラシ駆動モータ16とが同時に駆動していてもよいし、ローラ駆動モータ15が駆動している間は、ブラシ駆動モータ16の駆動が停止され、ローラ駆動モータ15の駆動が停止している間にブラシ駆動モータ16が駆動してもよい。
図4(c)に示すように、フィルタ清掃運転が終了すると、移動したフィルタ3を元の位置(フィルタ清掃運転が開始される前の初期位置)に戻す戻し動作が行われる。フィルタ3の戻し動作では、清掃動作時と反対方向にローラ駆動モータ15が駆動されることによって、ローラ11が清掃動作時と反対方向に回転する。それにより、フィルタ3が清掃運転時とは反対方向に移動する。このときのフィルタ3の移動速度は例えば所定の速度Va1とされる。また、フィルタ3の戻し動作では、清掃動作時と同方向にブラシ駆動モータ16が駆動されることによって、ブラシが清掃動作時と同方向に回転する。それにより、スムーズにフィルタ3を移動させることができるとともに、例え清掃動作時にフィルタ3に取り残した塵埃がある場合であっても、フィルタ3に取り残した塵埃を除去できる。なお、このときのブラシ12の回転速度は例えば所定の回転速度Va3とされる。図4(d)に示すように、フィルタ3が周長の略半分ほど移動すると、フィルタ3の戻し動作が完了し、室内機1が停止する。なお、戻し動作の運転時間は、清掃動作に比べて十分短い。
次に、図5を参照してフィルタ清掃運転が清掃動作の途中で停止される場合について説明する。
図5(a)に示すように、フィルタ清掃運転が開始(実行)されると、フィルタ3の清掃動作が行われる。フィルタ3の清掃動作では、ローラ駆動モータ15が駆動されることによって、ローラ11が回転する。それにより、フィルタ3の上流側部分3aがローラ11で折り返されて下流側に向かい、フィルタ3の下流側部分3bが回転軸14で折り返されて上流側に向かうように、フィルタ3が移動する。その結果、フィルタ3の上流側部分3aに付着した塵埃がブラシ12で掻き取られる。また、フィルタ3の清掃動作では、ブラシ駆動モータ16が駆動されることによって、ブラシ12が回転する。それにより、ブラシ12に付着した塵埃がブラシ清掃部材によって除去されて、ダストボックス13に貯留される。
ここで、図5(b)に示すように、清掃運転停止スイッチ23によって、清掃動作の途中で(フィルタ3の移動が開始されてからフィルタ3が周長の略半分ほど移動する前に)、フィルタ清掃運転が停止されて、フィルタ清掃運転が終了する場合がある。この場合、図5(c)に示すように、フィルタ3を直ちに元の位置に戻す強制戻し動作が行われる。この強制戻し動作では、清掃動作時と反対方向にローラ駆動モータ15が駆動されることによって、ローラ11が清掃動作時と反対方向に回転する。それにより、フィルタ3が清掃運転時とは反対方向に移動する。このとき、ローラ駆動モータ15の回転数は、上述した戻し動作時におけるローラ駆動モータ15の回転数よりも小さくされる。その結果、フィルタ3は戻し動作時の速度Va1よりも遅い速度Va2で移動する。また、フィルタ3の強制戻し動作では、ブラシ駆動モータ16は停止され、ブラシ12は回転駆動されないようになっている。したがって、清掃動作の途中でフィルタ清掃運転が停止された場合に、フィルタ3を元の位置に戻す際の運転音が低減される。図5(d)に示すように、フィルタ3が元に位置に戻ると、フィルタ3の強制戻し動作が完了し、室内機1が停止する。なお、強制戻し動作の運転時間は、清掃動作に比べて十分短い。
<本実施形態の空気調和機の特徴>
本実施形態の室内機(空気調和機)1には、以下の特徴がある。
本実施形態の室内機1では、清掃動作の途中でフィルタ清掃運転が停止された場合に、移動したフィルタ3が元の位置に戻る間、ブラシ(塵埃除去手段)12が駆動されないので、清掃動作の途中でフィルタ清掃運転が停止されたあとの運転音を低減できる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る室内機(空気調和機)について、図6−図10を参照しつつ説明する。本実施形態の室内機は、上記第1実施形態に対して、フィルタの構成およびフィルタ清掃機構の構成が大きく異なり、その他の点は、上記第1実施形態と略同じである。なお、以下において、上記第1実施形態と構成が同じであるものについては、同じ符号を付している。
図6に示すように、本実施形態のフィルタ30は、樹脂製の糸で平織り又は綾織りされた網であり、吸込口2aに対向するように配置されている。このフィルタ30は、一般のフィルタにみられるような補強用の縁やリブが設けられていないため、自身で安定した形状を維持することができない。そのため、フィルタ30は、フィルタガイド31(図7参照)に支持されることによって形状を保っている。
図6−図8に示すように、フィルタ清掃機構32は、フィルタ30を自動的に清掃するフィルタ清掃運転を実行するための機構である。このフィルタ清掃機構32は、フィルタ30を縦方向に往復移動させるローラ33と、フィルタ30に付着した塵埃を除去する塵埃除去装置34と、塵埃除去装置34内に空気流を発生させる吸引ファン(ファン)35とを有している。ローラ33には、ローラ33を回転駆動させるローラ駆動モータ41が接続されている。塵埃除去装置34は、図7(a)に示すように、塵埃除去装置34の内部に空気流路36が形成されており、フィルタ30が塵埃除去装置34の内部を通過している。塵埃除去装置34の内部には、フィルタ30に接触するブラシ37(塵埃除去手段)が配置されている。図7(b)に示すように、塵埃除去装置34は、室内機の長手方向に沿って延びた矩形部材であり、一端に空気を取り込むための開口38が形成され、他端に吸引ファン35が収容されるファン収容部39が取り付けられている。吸引ファン35は、フィルタ30の長手方向外側に配置されている。この吸引ファン35には、吸引ファン35を駆動する吸引ファンモータ42が接続され、ブラシ37には、ブラシ37を駆動するブラシ駆動モータ43が接続されている。
この室内機では、ローラ駆動モータ41によって、ローラ33が回転することで、フィルタ30が縦方向に往復移動する。したがって、この室内機では、ローラ33及びローラ駆動モータ41が、本発明の「フィルタを移動させる移動手段」に相当する。そして、吸引ファンモータ42が駆動されることによって、吸引ファン35が駆動されることにより、図7(b)の矢印で示すように、空気流路36内に、開口38から吸引ファン35に向かう空気流が発生し、フィルタ30に付着した塵埃がこの空気流によって吹き飛ばされて除去される。また、この室内機では、ブラシ駆動モータ43が駆動されることによって、ブラシ37が回転し、フィルタ30に付着した塵埃が掻き取られる。
図8に示すように、室内機は、電装品箱に収容された制御部40を有している。制御部40は、ローラ駆動モータ41、吸引ファンモータ42、ブラシ駆動モータ43及び送風ファンモータ4aと電気的に接続され、空気調和機の運転操作を行うリモートコントローラ21と通信可能である。リモートコントローラ21は、フィルタ清掃運転を開始する清掃運転開始スイッチ22と、フィルタ清掃運転を停止する清掃運転停止スイッチ(停止手段)23とを有している。制御部40は、清掃運転開始スイッチ22によってフィルタ清掃運転の開始操作がされた場合、または、空調運転終了後において所定の条件を満たした場合に、ローラ駆動モータ41、吸引ファンモータ42及びブラシ駆動モータ43を駆動制御して、フィルタ清掃運転を開始する。また、清掃運転停止スイッチ23によって、清掃動作の途中でフィルタ清掃運転の停止操作がされた場合、フィルタ清掃運転を停止する。所定の条件とは、例えば前回のフィルタ清掃運転終了後からの空調運転の総運転時間が所定時間を超えた場合や、前回の空調運転の連続運転時間が所定時間を超えた場合などである。
<動作>
次に、図9及び図10を参照してフィルタ清掃機構32の動作について説明する。
まず、図9を参照して、フィルタ清掃運転が正常に行われる場合(途中で停止されることがない場合)について説明する。
図9(a)に示すように、フィルタ清掃運転が開始(実行)されると、フィルタ30の清掃動作が行われる。フィルタ30の清掃動作では、ローラ駆動モータ41、吸引ファンモータ42及びブラシ駆動モータ43が駆動されることによって、ローラ33が回転してフィルタ30が移動するとともに、ブラシ37が回転する。また、空気流路36内に、開口38から吸引ファン35に向かう空気流が発生する。それにより、フィルタ30に付着した塵埃が吹き飛ばされるとともに、ブラシ37で掻き取られて除去される。図9(b)に示すように、フィルタ3がフィルタガイド31に沿って周長の略半分ほど移動すると、フィルタ3の清掃動作が完了し、フィルタ清掃運転が終了する。
なお、清掃動作時には、送風ファン4の回転は停止されており、吹出口2bは水平フラップ7によって閉じられている。また、清掃動作時には、ローラ駆動モータ41及び吸引ファンモータ42は同時に駆動されてもよいし、ローラ駆動モータ41が駆動している間は、吸引ファンモータ42の駆動が停止され、ローラ駆動モータ41の駆動が停止している間に吸引ファンモータ42が駆動してもよい。
図9(c)に示すように、フィルタ清掃運転が終了すると、移動したフィルタ30を元の位置(フィルタ清掃運転が開始される前の初期位置)に戻す戻し動作が行われる。フィルタ30の戻し動作では、清掃動作時と反対方向にローラ駆動モータ41が駆動されることによって、ローラ33が清掃動作時と反対方向に回転する。それにより、フィルタ30が清掃運転時とは反対方向に移動する。このときのフィルタ30の移動速度は例えば所定の速度Vb1とされる。また、フィルタ30の戻し動作では、清掃動作時と同方向にブラシ駆動モータ43が駆動されることによって、ブラシ37が清掃動作時と同方向に回転する。それにより、スムーズにフィルタ30を移動させることができるとともに、例え清掃動作時にフィルタ30に取り残した塵埃がある場合であっても、フィルタ30に取り残した塵埃を除去できる。なお、このときのブラシ37の回転速度は例えば所定の回転速度Vb3とされる。また、吸引ファンモータ42が駆動されることによって、空気流路36内に空気流が発生する。それにより、例え清掃動作時にフィルタ30に取り残した塵埃がある場合であっても、フィルタ30に取り残した塵埃を除去できる。図9(d)に示すように、フィルタ30が周長の略半分ほど移動すると、フィルタ30の戻し動作が完了し、室内機が停止する。なお、戻し動作の運転時間は、清掃動作に比べて十分短い。
次に、図10を参照してフィルタ清掃運転が清掃動作の途中で停止される場合について説明する。
図10(a)に示すように、フィルタ清掃運転が開始(実行)されると、フィルタ30の清掃動作が行われる。フィルタ30の清掃動作では、ローラ駆動モータ41、吸引ファンモータ42及びブラシ駆動モータ43が駆動されることによって、ローラ33が回転してフィルタ30が移動するとともに、ブラシ37が回転する。また、空気流路36内に、開口38から吸引ファン35に向かう空気流が発生する。それにより、フィルタ30に付着した塵埃が吹き飛ばされるとともに、ブラシ37で掻き取られて除去される。
ここで、図10(b)に示すように、清掃運転停止スイッチ23によって、清掃動作の途中で(フィルタ30の移動が開始されてからフィルタ30が周長の略半分ほど移動する前に)、フィルタ清掃運転が停止され、フィルタ清掃運転が終了する場合がある。この場合、図10(c)に示すように、フィルタ30を直ちに元の位置に戻す強制戻し動作が行われる。この強制戻し動作では、清掃動作時と反対方向にローラ駆動モータ41が駆動されることによって、ローラ33が清掃動作時と反対方向に回転する。それにより、フィルタ30が清掃運転時とは反対方向に移動する。このとき、ローラ駆動モータ41の回転数が、戻し動作時におけるローラ駆動モータ41の回転数よりも小さくされる。その結果、フィルタ30は戻し動作時における速度Vb1よりも遅い速度Vb2で移動する。また、フィルタ3の強制戻し動作では、吸引ファンモータ42及びブラシ駆動モータ43は停止され、吸引ファン35及びブラシ37は停止される。したがって、清掃動作の途中でフィルタ清掃運転が停止された場合に、フィルタ30を元の位置に戻す際の運転音が低減される。図10(d)に示すように、フィルタ30が元に位置に戻ると、フィルタ30の強制戻し動作が完了し、室内機が停止する。なお、強制戻し動作の運転時間は、清掃動作に比べて十分短い。
<本実施形態の空気調和機の特徴>
本実施形態の室内機(空気調和機)には、以下の特徴がある。
本実施形態の室内機では、清掃動作の途中でフィルタ清掃運転が停止された場合に、移動したフィルタ30が元の位置に戻る間、ブラシ(塵埃除去手段)37が駆動されないので、清掃動作の途中でフィルタ清掃運転が停止されたあとの運転音を低減できる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成は、上記実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
上述の第1及び第2実施形態では、清掃動作の途中でフィルタ清掃運転が停止された場合に、移動したフィルタが戻る間、ブラシ(塵埃除去手段)が駆動されない場合について説明したが、戻し動作時のブラシの回転速度(回転速度Va3または回転速度Vb3)よりも遅い速度でブラシ(塵埃除去手段)が駆動されてもよい。
また、上述の第1及び第2実施形態では、戻し動作および強制戻し動作において、フィルタが元の位置に戻される場合について説明したが、必ずしも元に位置に戻される必要はなく、元の位置と違う位置に戻されてもよい。
また、上述の第1及び第2実施形態では、掃動作の途中でフィルタ清掃運転が停止された場合に、移動したフィルタが戻し動作時の速度(速度Va1または速度Vb1)よりも遅い速度(速度Va2または速度Vb2)で戻る場合について説明したが、必ずしも戻し動作時の速度よりも遅い速度で戻る必要はない。
本発明を利用すれば、清掃動作の途中でフィルタ清掃運転が停止されたあとの運転音を低減できる。
1 室内機(空気調和機)
2 ケーシング
2a 吸込口
3、30 フィルタ
11、33 ローラ(移動手段)
12、37 ブラシ(塵埃除去手段)
15、41 ローラ駆動モータ(移動手段)
16、43 ブラシ駆動モータ(駆動手段)
23 清掃運転停止スイッチ(停止手段)

Claims (1)

  1. フィルタ清掃運転が可能な空気調和機であって、
    吸込口を有するケーシングと、
    前記吸込口に対向するように配置されたフィルタと、
    前記フィルタを移動させる移動手段と、
    前記移動手段によって移動する前記フィルタから塵埃を除去する塵埃除去手段と、
    前記塵埃除去手段を回転駆動させる駆動手段と、
    フィルタ清掃運転を停止する停止手段とを備え、
    フィルタ清掃運転が実行されると、前記移動手段が前記フィルタを移動させるとともに、前記駆動手段が前記塵埃除去手段を駆動する清掃動作が行われ、フィルタ清掃運転が終了すると、前記移動手段が、移動した前記フィルタを戻すとともに、前記駆動手段が、前記フィルタが戻るまで、所定の回転速度で前記塵埃除去手段を駆動する戻し動作が行われるものであり、
    前記駆動手段は、
    前記清掃動作の途中でフィルタ清掃運転が停止された場合、前記塵埃除去手段の駆動を停止する、または、前記所定の回転速度よりも遅い速度で前記塵埃除去手段を駆動することを特徴とする空気調和機。
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