以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。実施形態に係る空気調和機として、所謂、壁面に取り付ける室内機と、屋外に設置する室外機とを有するセパレート型のエアコンディショナについて、添付の図面を参照しながら説明するが、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではない。本発明の空気調和機は、対象とする特定の空間における空気の温度、湿度、及び/又は清浄度等を調整するための機器であり、例えば、室内機・室外機が一体化されたエアコンディショナ、空気清浄機、加湿器等の空気を調整するための各種機器が含まれる。また、図面において実質的に同一の部材については同一の符号を付している。
先ず始めに、本開示の空気調和機における各種態様を例示する。
本発明に係る第1の態様の空気調和機は、エアフィルタに付着した塵埃を清掃するフィルタ清掃装置を備える空気調和機であって、
前記エアフィルタの幅方向に延在するよう設けられ、前記エアフィルタに付着した塵埃を除去するブラシと、
前記ブラシに対して前記ブラシの延在方向に相対移動して、前記ブラシに付着した塵埃を掻き落とす塵埃除去部と、
前記塵埃除去部により掻き落とされた塵埃を受け取る塵埃受け部と、を備える。
この構成によれば、塵埃除去部がブラシに接触してブラシの延在方向に相対移動することによって、ブラシに付着した塵埃同士が絡み合って纏まり易くなり、従来よりも塵埃の除去効率を向上させることができる。また、ブラシと塵埃除去部との接触部分を小さくして塵埃除去部がブラシから受ける摩擦力を小さくすることができるので、塵埃除去部を移動させる駆動力を小さくすることができる。さらに、塵埃除去部自体の大きさも小さくすることができる。
本発明に係る第2の態様の空気調和機は、前記の第1の態様において、前記塵埃除去部が、前記ブラシの延在方向に対して交差する方向に延在し、前記ブラシに付着した塵埃を掻き落とす第1ブレード部を有する構成としてもよい。この構成によれば、ブラシの延在方向に対して交差するブレードによりブラシに付着した塵埃を掻き落とすことができるので、塵埃の除去効率を一層向上させることができる。
本発明に係る第3の態様の空気調和機は、前記の第2の態様において、前記第1ブレード部が、複数のブレードで構成され、少なくとも2つのブレードが前記ブラシの延在方向において互いに間隔を有して配置されてもよい。この構成によれば、複数のブレードによりブラシに付着した塵埃を掻き落とすことができるので、塵埃の除去効率を一層向上させることができる。
本発明に係る第4の態様の空気調和機は、前記の第2又は第3の態様において、前記第1ブレードが、揺動の回動中心を中心とする円弧状に形成されてもよい。この構成によれば、ブレードが、ブラシの各毛に対して、ブラシの基端部から距離が同じ位置に接触することになる。その結果、塵埃の除去効率を一層向上させることができる。
本発明に係る第5の態様の空気調和機は、前記の第2又は第3の態様において、前記ブラシが、前記ブラシの延在方向に対して交差する方向に揺動するように構成され、
前記ブラシの延在方向と平行に延在し、前記ブラシに付着した塵埃を掻き落とす第2ブレード部を有するよう構成してもよい。この構成によれば、塵埃の除去効率を一層向上させることができる。
本発明に係る第6の態様の空気調和機は、前記の第4の態様において、前記塵埃除去部が、第2ブレード部を有し、
前記第2ブレード部が、複数のブレードで構成され、少なくとも2つのブレードが前記ブラシの延在方向と平行に延在し、互いに間隔を有して配置されてもよい。この構成によれば、塵埃の除去効率を一層向上させることができる。
本発明に係る第7の態様の空気調和機は、前記の第1から第6の態様のいずれかの態様において、前記塵埃除去部が、前記ブラシが前記ブラシの延在方向と交差する方向へ揺動するとき、前記ブラシの延在方向に相対移動するよう構成されてもよい。この構成によれば、塵埃の除去効率を一層向上させることができる。
本発明に係る第8の態様の空気調和機は、前記の第1から第7の態様のいずれかの態様において、前記塵埃除去部が、前記塵埃受け部の内部を移動して前記塵埃受け部の内部の塵埃を一方向に集める部分を有するよう構成してもよい。この構成によれば、塵埃受け部の内部の一方に塵埃を集めて廃棄することが容易な構成となり、引いては塵埃の除去効率を向上させることができる。
本発明に係る第9の態様の空気調和機は、前記の第1から第8の態様のいずれかの態様において、前記塵埃除去部が、前記塵埃受け部の内部を移動して前記塵埃受け部の内部の塵埃を一方向に集めるように、前記塵埃受け部の内底面に対向する底面において、一方側の端部が前記内底面に最も近く、他方側にいくに従って前記内底面から離れるように湾曲面又は斜面で形成されてもよい。この構成によれば、塵埃受け部の内部の一方に塵埃を集めて廃棄することが容易な構成となり、引いては塵埃の除去効率を向上させることができる。
本発明に係る第10の態様の空気調和機は、前記の第1から第9の態様のいずれかの態様において、前記塵埃受け部の内底面が、前記塵埃受け部の内底面上の塵埃に対する移動を一方向に特定する移動方向規制形状を有する構成としてもよい。この構成によれば、塵埃受け部の内部の一方に塵埃を集めて廃棄することが容易な構成となり、引いては塵埃の除去効率を向上させることができる。
本発明に係る第11の態様の空気調和機は、前記の第1から第10の態様のいずれかの態様において、前記塵埃除去部が、前記ブラシの延在方向に突出する側壁を有し、前記ブラシから掻きかき落とされた塵埃を前記側壁が前記塵埃受け部に案内するように配設されてもよい。この構成によれば、ブラシから掻きかき落とされた塵埃を塵埃受け部が確実に受け取り廃棄することが容易な構成となり、引いては塵埃の除去効率を向上させることができる。
《実施形態1》
本発明の実施形態1に係る空気調和機は、冷媒が流れる配管で互いに接続された室外機と、空調対象の室内に設けられた室内機とで構成されている。図1は、実施形態1に係る空気調和機における室内機1を示す斜視図である。図2は、図1の室内機1において主な内部構成を示す断面図である。
図1又は図2に示すように、実施形態1に係る室内機1は、本体(空気調和機本体ともいう)2と、本体2の前面開口部2aを塞ぎ開閉可能な前面パネル4とを備えている。本体2の上面側には上面開口部2bを有し、室内空気を取り入れる吸入口9が設けられている。本体2の下方には運転停止時には閉鎖される吹出口10が形成されている。
本体2の内部には、図2に示すように、吸入口9となる上面開口部2bから取り入れられた室内空気が通過するエアフィルタ18と、エアフィルタ18を通過した室内空気を熱交換する熱交換器6と、熱交換器6で熱交換された空気を室内に吹き出すための風力源であるファン8とが設けられている。ファン8は、例えば、クロスフローファンであり、本体2の下方に設けられた吹出口10から室内に空気を吹き出すように設けられている。また、吹出口10の近傍には、吹出口10を開閉するとともに空気の吹き出し方向を上下に変更する複数の上下風向変更羽根12と、空気の吹き出し方向を左右に変更する左右風向変更羽根14とが設けられている。
空気調和機が空調運転を開始すると、上下風向変更羽根12が開放動作を行い吹出口10が開放される。上下風向変更羽根12の開放状態でファン8が駆動されることで、室内空気が上面開口部2bを介して室内機1の内部に取り入れられる。取り入れられた室内空気は、エアフィルタ18を通過して熱交換器6で熱交換され、ファン8を通り、ファン8の送風方向の下流側に形成された通風路16に案内されて、吹出口10より吹き出される。
上記のように、上面開口部2bと熱交換器6との間に設けられたエアフィルタ18は、上面開口部2bから取り入られた室内空気に含まれる塵埃を除去する。エアフィルタ18は、枠体部分と、当該枠体部分に保持された網部分とを備えている。実施形態1に係る空気調和機は、エアフィルタ18の網部分に付着した塵埃を清掃するフィルタ清掃装置3を備えている。
また、実施形態1の空気調和機には、アクティブクリーンフィルタ11が本体2のエアフィルタ18の前面側に設けられている。空気調和機に設けられた制御部(図示略)は、室内機1の設けられている室内の空気が汚れていると判断したとき、アクティブクリーンフィルタ11をフィルタ18の上面側に移動する。この結果、室内の空気がアクティブクリーンフィルタ11とフィルタ18とを通って吸入され、室内の塵埃などがより積極的に集塵されて室内空気が清浄される構成である。
エアフィルタ18は、フィルタ保持部材20により保持されている。フィルタ保持部材20には、エアフィルタ18を保持するための第1保持空間20Aと第2保持空間20Bとが設けられている。エアフィルタ18は、フィルタ搬送装置22により第1保持空間20Aと第2保持空間20Bとに搬送される。
フィルタ搬送装置22は、室内機1の幅方向(図2では奥行き方向)に延在するシャフト24と、シャフト24の外周面に形成されシャフト24の延在方向に所定間隔を有して設けられたギヤ26とを備えている。エアフィルタ18は、シャフト24の外周面に架け回されるとともに、ギヤ26と係合するように取り付けられる。
エアフィルタ18は、通常、第1保持空間20A内に位置し、上面開口部2bから吸入された室内空気に含まれる塵埃を除去する。実施形態1に係る空気調和機においては、空調運転時間が所定時間経過すると、又はエアフィルタ清掃指示が入力されると、エアフィルタ18に対する清掃動作が開始される。これらの駆動制御は、本体2の内部に設けられた制御部(図示略)において実行される。エアフィルタ18に対する清掃動作が開始すると、フィルタ搬送装置22のギヤ26が正方向(図2では反時計回り)に回転し、エアフィルタ18は、第1保持空間20Aから第2保持空間20Bへ搬送される。エアフィルタ18が第2保持空間20Bに搬送されると、ギヤ26が逆方向(図2では時計回り)に回転し、エアフィルタ18は、第2保持空間20Bから第1保持空間20Aへ搬送される。
なお、実施形態1において、第1保持空間20Aから第2保持空間20Bまでのエアフィルタ18の搬送経路を「往路」といい、第2保持空間20Bから第1保持空間20Aまでのエアフィルタ18の搬送経路を「復路」という。
図3及び図4は、エアフィルタ18の表面に付着した塵埃を除去する様子を模式的に示す拡大断面図である。
図3及び図4に示すように、フィルタ搬送装置22のシャフト24の近傍には、エアフィルタ18がシャフト24の外周面に沿って移動するように案内するガイド部材28が設けられている。ガイド部材28は、シャフト24の外周面に対して所定の隙間を空けて設けられている。
また、シャフト24の近傍には、エアフィルタ18の表面に付着した塵埃を除去するブラシ30が設けられている。ブラシ30の基端部は、ブラシ移動装置の一例であるブラシ保持部32により保持されている。ブラシ30及びブラシ保持部32は、室内機1の幅方向に延在するように設けられている。即ち、ブラシ30及びブラシ保持部32は、エアフィルタ18の幅方向に沿って延在し並設されている。ブラシ保持部32は、室内機1の幅方向に延在する回転軸32aを中心として回転するように構成されている。ブラシ保持部32の下方には、ブラシ30に付着した塵埃を除去する塵埃除去部34が設けられている。
ブラシ保持部32は、その回転軸32aを中心として回動することにより、ブラシ30の先端部を、ガイド部材28よりも往路の下流側の位置(図3におけるガイド部材28の下端より右側の位置)において、第2保持空間20Bに存在するエアフィルタ18に接触する第1の位置(図3参照)と、塵埃除去部34に接触可能な第2の位置(図4参照)とに配置する。ブラシ30の先端部が第1の位置にあるとき、エアフィルタ18が往路と復路の搬送経路を往復移動することにより、エアフィルタ18に付着された塵埃がブラシ30により掻き落とされる。一方、ブラシ保持部32が回動して、ブラシ30の先端部が第2の位置にあるとき、ブラシ30に付着した塵埃に対する除去動作が開始される。ブラシ30に付着した塵埃に対する除去動作においては、ブラシ30の延在方向に沿って塵埃除去部34を移動(摺動)させて塵埃を掻き落とす「摺動掻き落とし動作」及び/又は塵埃を掻き集める「摺動掻き集め動作」を、含む。また、ブラシ30を揺動させて塵埃除去部34に接触させて、ブラシ30の塵埃を掻き落とす「揺動掻き落とし動作」を含んでもよい。
塵埃除去部34の下側には、塵埃除去部34の下方を包むように、塵埃受け部40が設けられている。塵埃受け部40は、ブラシ30によりエアフィルタ18から掻き落とされた塵埃を受け取ると共に、塵埃除去部34により掻き落とされた塵埃を受け取る構成である。塵埃受け部40は、上面が開口する細長い箱状に構成され、ブラシ30の延在方向に沿って配設されている。塵埃除去部34は、細長い箱状の塵埃受け部40の内部をブラシ30の延在方向に沿って移動(摺動)する構成である。
図5A~図5C及び図6A~図6Dは、ブラシ30に付着した塵埃を塵埃除去部34が掻き落とし、掻き集めるときの除去動作を示す図である。図5A~図5Cは、ブラシ30の揺動動作により塵埃除去部34がブラシ30に付着した塵埃を掻き落とすときの「揺動掻き落とし動作」を模式的に示す拡大断面図である。図6A~図6Dは、ブラシ30の延在方向に沿って塵埃除去部34が移動(摺動)する「摺動掻き落とし動作」及び/又は「摺動掻き集め動作」を示す正面図である。図6A~図6Dにおいては、塵埃除去部34の摺動により塵埃除去部34がブラシ30に付着した塵埃を掻き落とすと共に、塵埃受け部40に掻き落とされた塵埃を掻き集める様子を模式的に示している。
図5A~図5Cに示すように、ブラシ30及びブラシ保持部32が回転軸32aを中心として正転/逆転の回動動作(揺動動作)を行うことにより、ブラシ30が塵埃除去部34に擦り付けられる。このように、ブラシ30は、ブラシ30の延在方向と交差する方向(例えば、直交方向)に揺動することにより、ブラシ30に付着した塵埃が塵埃除去部34により掻き落とされる。具体的には、ブラシ30の先端部は、図5A~図5Cに示すように、塵埃除去部34に接触する下向き位置を動作の中心位置として、左右に揺動するように構成されている。この揺動動作により、ブラシ30が塵埃除去部34に擦り付けられるように接触して、ブラシ30に付着した塵埃が塵埃除去部34により掻き落とされる。塵埃除去部34により掻き落とされた塵埃は、塵埃除去部34を下方から包むように設けられた塵埃受け部40により受け取られる。塵埃受け部40の左端には吸引穴40bが形成されている。この吸引穴40bは本体2の左端側に設けられた吸引装置42に接続されており、吸引装置42の動作により、吸引穴40bを通して塵埃受け部40の内部の空気が吸引される構成である。
塵埃除去部34には、ブラシ30に付着した塵埃を掻き落とすためのブレード部を有しており、実施形態1におけるブレード部には後述するように第1ブレード部(前方ブレード34aと後方ブレード34b)および第2ブレード部(側方ブレード34e、34f)を含んでいる。
塵埃除去部34には、ブラシ30が揺動するとき、ブラシ30に付着した塵埃を掻き落とすための第2ブレード部を有しており、第2ブレード部は少なくとも1つの側方ブレード(34e、34f)を備えている。実施形態1における第2ブレード部は、ブラシ30の延在方向と平行に延設され、互いに対向するように並設された2つの側方ブレード34e、34fを含む。2つの側方ブレード34e、34fの間となる後方空間S2には、ブラシ30から側方ブレード34e、34fにより掻き落とされた塵埃が落ちる構成となっている。この「揺動掻き落とし動作」の詳細については後述する。
図6A~図6Dに示す「摺動掻き落とし動作」及び/又は「摺動掻き集め動作」において、図6Aは、塵埃除去部34の初期位置を示している。即ち、図6Aは、「摺動掻き落とし動作」及び/又は「摺動掻き集め動作」の開始時及び終了時の塵埃除去部34の停止位置を示している。この初期位置においては、塵埃除去部34が幅方向に延在するブラシ30の左端に配置されている。実施形態1においては、塵埃除去部34の初期位置として、ブラシ30の左端の位置としたが、これは室内機1の左端側に塵埃吸引のための吸引源となる吸引装置42が設けられているためである。従って、塵埃除去部34の初期位置は、吸引装置42の配設位置、及び塵埃受け部40における吸引穴40bの形成位置等が考慮されて決定されるものである。
図6Bは、塵埃除去部34が初期位置とは反対の位置に配置された状態であり、ブラシ30の右端に配置された状態を示している。実施形態1においては、この右端位置が、塵埃除去部34による「摺動掻き落とし動作」及び/又は「摺動掻き集め動作」の開始位置となる。図6Cは、塵埃除去部34が塵埃受け部40の内部を摺動して、ブラシ30に付着した塵埃を掻き落とす動作と、塵埃受け部40の内部の塵埃を掻き集める「摺動掻き集め動作」を行っている状態を示している。また、図6Dは、塵埃除去部34が「摺動掻き落とし動作」及び/又は「摺動掻き集め動作」を行って、ブラシ30における左端側の塵埃排出位置に到達した状態を示している。この塵埃排出位置において、塵埃除去部34により集められた塵埃が吸引穴40bを通して吸引装置42の動作により吸引され排出される。
塵埃除去部34は、図6A~図6Dに示すように、ブラシ30の先端部を擦るようにブラシ30の延在方向(すなわち、室内機1の幅方向)に摺動することにより、ブラシ30に付着した塵埃が塵埃除去部34により掻き落とされて、塵埃受け部40の左端側(吸引穴40b側)に掻き集められる。また、摺動するときに、ブラシ30が図5A~図5Cに示した「揺動掻き落とし動作」を行ってもよい。
塵埃除去部34は、ブラシ30の先端部が第2の位置にある場合、ブラシ30が擦り付けられる第1部品(掻き落とし部品)36と、塵埃受け部40に落とされた塵埃を集める第2部品(掻き集め部品)38とを備えている。第2部品38は、第1部品36に対して取り外し可能に構成されている。実施形態1における塵埃除去部34の具体的な構成については、後で詳しく説明する。
図7は、実施形態1における本体2の内部のフィルタ清掃装置3を示す斜視図であり、エアフィルタ18、塵埃除去部34、塵埃受け部40、吸引装置42などを示している。図8は、図7の状態から塵埃受け部40を取り外した状態を示す斜視図である。
図7及び図8に示すように、塵埃受け部40は、本体2の幅方向に延在するように設けられている。塵埃除去部34は、塵埃受け部40の内側において、ブラシ30の「揺動掻き落とし動作」と共に、「摺動掻き集め動作」を連動して行う構成である。実施の形態1に係る空気調和機の運転停止時における塵埃除去部34の位置(初期位置)は、塵埃受け部40の内側における左端側であり、塵埃受け部40における吸引穴40bが形成された側となる。
エアフィルタ清掃動作が開始されると、塵埃除去部34は、塵埃受け部40における右端の退避位置に移動する。このとき、エアフィルタ18はブラシ30が接触しない第1保持空間20Aにあり、ブラシ30は第1の位置にある。次に、エアフィルタ18が第1保持空間20Aと第2保持空間20Bとの間の往復搬送動作を行い、ブラシ30によりエアフィルタ18に付着した塵埃が除去される。エアフィルタ18に付着した塵埃がブラシ30により除去された後、ブラシ30を第2の位置に回動させて、塵埃除去部34が塵埃受け部40における左方向に移動し、ブラシ30に対する塵埃除去動作を開始する。このように塵埃除去部34が塵埃受け部40の内部において右端位置(退避位置)に移動した後、エアフィルタ18に対する塵埃除去動作と、ブラシ30に対する塵埃除去動作が順次行われる。
前述のように、塵埃除去部34は、第1部品(掻き落とし部品)36と第2部品(掻き集め部品)38とを有し、第2部品38が第1部品36から取り外し可能な構成である。塵埃受け部40には、塵埃除去部34の第1部品36から第2部品38を取り外すための開口部40aが形成されている。第1部品36から取り外された第2部品38は、開口部40aを通して外部に取り出される。塵埃除去部34を下方から覆うように設けられた塵埃受け部40は、第1部品36と第2部品38とが組み立てられた状態では、塵埃除去部34の第2部品38によって本体2からの着脱が阻害される構成である。しかしながら、第1部品36から第2部品38を取り外すことにより、塵埃受け部40は、本体2に対して着脱可能な状態となる。
図7及び図8に示すように、本体2の左端側には塵埃受け部40の内部の塵埃を吸引するための吸引装置(排気装置ともいう)42が設けられている。また、本体2の前面側において幅方向に延在する塵埃受け部40の左端には吸引穴40b(図8参照)が形成されている。吸引装置42は、吸引管44と、吸引管44に吸引力を発生させる吸引ファン46とを備えている。吸引管44の一端部44aは塵埃受け部40の左端の吸引穴40bに接続されており、吸引管44の他端部44bは、吸引管44内を通る塵埃を屋外に排出できるように、一端が屋外に開口した排気ホース(図示せず)に接続される。塵埃受け部40の内部において、吸引穴40bが形成されている方向(図7及び図8においては左方向)に塵埃除去部34が移動することによって、塵埃受け部40の内部の塵埃が吸引穴40b側に移動させられる構成である。
次に、塵埃除去部34及び塵埃受け部40の構成について、より具体的に説明する。図9は、塵埃除去部34の斜視図である。図10は、塵埃除去部34の分解斜視図であり、第1部品(掻き落とし部品)36と第2部品(掻き集め部品)38とに分解した図である。図11は、塵埃除去部34の移動方向において前方側から見た図である。図12は、図11のA1-A1線による断面図である。なお、塵埃除去部34の移動方向において、吸引穴40bに近づく方向を前方側とし、吸引穴40bから離れる方向を後方側とする。
図9に示すように、塵埃除去部34の第1部品(掻き落とし部品)36は、ブラシ30に付着した塵埃を摺動動作時に掻き落とすための第1ブレード部を有しており、第1ブレード部には前方ブレード34aと後方ブレード34bとを含む。前方ブレード34aと後方ブレード34bには、ブラシ30の延在方向に対して交差(例えば、直交)する方向に延びる掻き落とし刃となる縁部がそれぞれ設けられている。前方ブレード34aと後方ブレード34bとは、ブラシ30の延在方向に互いに間隔(後方空間S2)を空けて配置されている。
また、ブラシ30の揺動動作(図5A~図5C参照)において、ブラシ30に付着した塵埃を掻き落とすための掻き落とし刃となる縁部を有する第2ブレード部(34e、34f)が、塵埃除去部34の第1部品(掻き落とし部品)36に設けられている。第2ブレード部は2つの側方ブレード34e、34fを含んでいる。2つの側方ブレード34e、34fは、ブラシ30の延在方向に延びて形成されており、互いに間隔(後方空間S2)を空けて対向して配置されている。即ち、第1ブレード部(前方ブレード34a、後方ブレード34b)と第2ブレード部(側方ブレード34e、34f)とにより、四方が囲まれた後方空間S2が区画されている。
更に、塵埃除去部34の第1部品(掻き落とし部品)36においては、後方空間S2の下側に誘導面34gが形成されている。誘導面34gは、前方側が後方側より低くなっている傾斜面で構成されており、後方空間S2に掻き落とされた塵埃が誘導面34gにより案内されて前方ブレード34aの下をくぐり落下する構成である。
前方ブレード34aの厚さ(高さ)としては、絡み合って纏まった塵埃の塊が前方ブレード34aに巻き付かないような寸法(例えば、2mm以上)に設計されている。
実施形態1における第1ブレード部の前方ブレード34aと後方ブレード34b、及び第2ブレード部の側方ブレード34e、34fのそれぞれにおいて、ブラシ30が擦り付けられる縁部は、ブラシ30に付着した塵埃の除去効率を向上させるために、エッジ形状(直角又は鋭角)に形成されている。
図9に示すように、塵埃除去部34の第1部品(掻き落とし部品)36において、前方ブレード34aの下方の両側には第1側壁34c及び第2側壁34dが設けられている。第1部品(掻き落とし部品)36において、第1側壁34c及び第2側壁34dは、前方ブレード34aより前方側に突設されている。また、前方ブレード34aにおいてブラシ30が擦り付けられる前方側の縁部の両側は、第1側壁34c及び第2側壁34dに続くように形成されており、前方ブレード34aの前方側が広がるように配設された縁部となっている。
上記のように、塵埃除去部34においては、第1側壁34c及び第2側壁34dが前方ブレード34aよりも前方側(吸引穴40b側)に突き出ており、第1側壁34cと第2側壁34dと前方ブレード34aとにより、前方空間S1が区画されている。このため、前方ブレード34aの縁部によりブラシ30から掻き取った塵埃は、前方空間S1からはみ出すことが抑えられる。その結果、塵埃除去部34の下側を包むように設けられた塵埃受け部40においては、前方ブレード34a等によりブラシ30から掻き取った塵埃が前方空間S1を通り、塵埃受け部40の内底面40c上に確実に落下する構成となっている。塵埃除去部34の第1側壁34c及び第2側壁34dが前方ブレード34aよりも前方に突き出す長さとしては、例えば、7mm以上である。
前方ブレード34a及び後方ブレード34bの少なくとも一方は、ブラシ保持部32の回転軸32aを中心とする円弧状に形成されている。なお、実施形態1においては、前方ブレード34a及び後方ブレード34bの両方が、ブラシ保持部32の回転軸32aを中心とする円弧状に形成されている。
上記のように構成された塵埃除去部34の塵埃除去動作において、塵埃受け部40の内部における前方側への摺動動作により前方ブレード34a及び後方ブレード34bがブラシ30に付着した塵埃を掻き取って前方空間S1及び後方空間S2に塵埃を落下させる。また、摺動動作と同時に行われるブラシ30の揺動動作においては、並設された第2ブレード部の側方ブレード34e、34fによりブラシ30に付着した塵埃が掻き取られて、掻き取られた塵埃は、後方空間S2を落下する。後方空間S2に掻き落とされた塵埃は、後方空間S2の下方にある誘導面34gにより前方空間S1側に案内されて塵埃受け部40の内側底面である内底面40c上に落下する。なお、塵埃受け部40の内底面40c上に落下する塵埃は、塊となって落下し、内底面40cにより受け取られる。
上記のように、第1ブレード部の前方ブレード34aと後方ブレード34b、及び互いに対向する第2ブレード部の側方ブレード34e、34fによりブラシ30から掻き取った塵埃の塊が後方空間S2に落下したとき、後方空間S2の下方に設けられた誘導面34gにより確実に案内されて、塵埃受け部40の内底面40cに落下する。なお、第1ブレード部の前方ブレード34aと後方ブレード34bとの間隔、及び並設された第2ブレード部の側方ブレード34e、34fの間隔は、各ブレードによりブラシ30から掻き取った塵埃の塊が後方空間S2を通して確実に落下するように、例えば、14mm以上に設計されている。第1ブレード部の前方ブレード34aと後方ブレード34b、及び第2ブレード部の側方ブレード34e、34fは、塵埃の塊を掻き落とし易く、摺動性に優れた材質、例えばポリアセタールで構成されている。
塵埃除去部34において、後方空間S2の下方に設けられ、前方空間S1側に案内する誘導面34gは、前方側である吸引穴40b側が下方に傾斜する斜面で構成されている。誘導面34gの形状としては、前方側が下方に傾斜して塵埃の塊が前方空間S1に滑り落ちる構成であればよく、平面又は曲面で構成されていればよい。誘導面34gの水平面に対する傾斜角度としては、例えば、30度以上40度以下である。上記のように、塵埃除去部34は、重力を利用して、誘導面34gによってブラシ30から掻き落とされた塵埃の塊を塵埃除去部34よりも吸引穴40b側、即ち前方側に誘導して、塵埃受け部40の内底面40c上に落下させる構成である。
また、塵埃除去部34には、塵埃除去部34よりも前方側における塵埃受け部40の内底面40c上の空間と、塵埃除去部34の上部空間とを、前方空間S1及び後方空間S2を介して連通させる吸気穴34iが形成されている。実施形態1における吸気穴34iは、図9に示すように、塵埃除去部34の第1部品(掻き落とし部品)36における第2ブレード部の一方の側方ブレード34fの近傍に形成されており、側方ブレード34fの縁部に沿った細長い貫通穴により構成される。実施形態1においては、第1ブレード部(前方ブレード34a、後方ブレード34b)、第1側壁34c、第2側壁34d、第2ブレード部(側方ブレード34e、34f)、誘導面34g、及び吸気穴34iが、第1部品(掻き落とし部品)36に設けられている。
図10に示すように、上記のように構成された第1部品(掻き落とし部品)36に対して、第2部品(掻き集め部品)38が脱着可能に構成されている。第1部品36には塵埃除去部34の摺動動作の方向と直交する方向に延設された嵌合凹部34mが形成されている。一方、第2部品38には、第1部品36の嵌合凹部34mと嵌合する嵌合凸部34nが突設されている。また、第2部品38には、第1部品36との嵌合時に接触面となる嵌合面34pが形成されている。この嵌合面34pには摺動動作の方向と直交する方向に連続する凹凸面となっている。上記のように構成された第1部品36及び第2部品38は、摺動動作の方向と直交する方向に抜き差しして脱着する構成であり、ボルト70により互いに固着される。
塵埃除去部34において、上記のように第1部品36に脱着される第2部品38には、第1部品36の第1側壁34c及び第2側壁34dに連続するように第3側壁34q及び第4側壁34rが前方に突設されている。第3側壁34q及び第4側壁34rは、第1側壁34c及び第2側壁34dと協働して前方空間S1に掻き落とされた塵埃の塊を塵埃除去部34の前方側に落下させている。この結果、塵埃除去部34により掻き落とされた塵埃の塊が塵埃除去部34の前方側の塵埃受け部40の内底面40cに確実に落下する構成となる。
また、塵埃除去部34の第2部品(掻き集め部品)38には、塵埃除去部34が摺動動作(「摺動掻き集め動作」)を行うときに、塵埃受け部40の内底面40cにある塵埃の塊を掻き集めるための押圧面34hが形成されている。押圧面34hは、第3側壁34q及び第4側壁34rの間に形成されており、第1部品(掻き落とし部品)36の誘導面34gの下方の位置である。即ち、第2部品(掻き集め部品)38の押圧面34hは、塵埃除去部34が吸引穴40b側に摺動するとき、塵埃受け部40に内部にある塵埃の塊を吸引穴40b側に押圧して移動させる機能を有する。押圧面34hは、誘導面34gよりも鉛直方向に対する傾斜角度が小さくなるように設計されている。なお、実施形態1においては、押圧面34hが鉛直面で構成されている。
上記のように構成された塵埃除去部34は、塵埃受け部40の内底面40cに沿って移動(摺動動作)することにより、塵埃を掻き集める「摺動掻き集め動作」を行っている。この「摺動掻き集め動作」においては、塵埃受け部40の内底面40cに掻き落とされた塵埃の塊を吸引穴40bが形成されている塵埃受け部40の左側に移動させている。図13A~図13Dは、塵埃除去部34の第2部品(掻き集め部品)38が塵埃受け部40の内底面40cに沿って移動する様子を模式的に示す断面図である。
図13A~図13Dに示すように、第2部品(掻き集め部品)38において、塵埃受け部40の内底面40cに対向する底面34jは、曲面により構成されている。実施形態1においては、第2部品38の前面側に形成された押圧面34hの反対側の後面側が、底面34jに連続する湾曲面で構成されている。実施形態1における第2部品38の底面34jは、吸引穴40b側(図13A~図13Dの左側)が内底面40cに最も近く、吸引穴40bから離れるに従って内底面40cから遠ざかるように湾曲する構成である。実施形態1における塵埃除去部34の第2部品38の底面34jの形状は、摺動動作の方向に切断した断面において、前面側(押圧面34h)が略鉛直であり、後面側(底面34j)が湾曲しており、前面側の押圧面34hの最下端が塵埃受け部40の内底面40cに最も近く、内底面40cに近接している。
なお、実施形態1の構成においては、第2部品38の底面34jを湾曲面で構成した例で説明するが、底面34jの形状としては吸引穴40b側が内底面40cに最も近い斜面で構成してもよい。
一方、第2部品38の底面34jが近接する塵埃受け部40の内底面40cは、塵埃の塊の移動方向を一方向に特定する移動方向規制形状を有している。実施形態1においては、図13A~図13Dに示すように、塵埃除去部34の移動方向である摺動動作の方向で切断した断面形状が、鋸刃の形状を有している。即ち、鋸刃の山形状において、吸引穴40b側(前面側)が略鉛直に近く切り立った形状であり、反対側(後面側)が鉛直線に対して角度を有してなだらかな面となる形状である。この結果、塵埃受け部40の内部において、吸引穴40bが形成されている方向(図13A~図13Dにおいては左方向)には塵埃の塊がスムーズに移動可能であり、反対方向(図13A~図13Dにおいては右方向)である吸引穴40bから離れる方向には塵埃の塊が抵抗を受けて移動し難い構成となっている。
上記のように構成された塵埃除去部34及び塵埃受け部40において、塵埃受け部40の内部を塵埃除去部34が吸引穴40bから離れる方向(右方向)に移動(摺動)したとき(図13A~図13C参照)、塵埃受け部40の内底面40c上の塵埃の塊が第2部品38の底面34jにより押されたとしても、塵埃の塊は内底面40cの移動方向規制形状により右方向への移動が妨げられている。この結果、図13A~図13Cに示すように、塵埃受け部40の内部においては、塵埃除去部34の第2部品38の底面34jが塵埃の塊を乗り越えて右方向へ移動する。その結果、塵埃除去部34が右方向への移動を行っても、塵埃受け部40の内底面40c上の塵埃の塊は実質的に同じ位置にそのまま動くことなく存在することになる。それにより、前記の塵埃の塊が、吸引穴40bと塵埃除去部34との間に位置する。
図13Aから図13Dに示されるように、塵埃受け部40の内部を塵埃除去部34が吸引穴40bから離れる方向(右方向)に移動(摺動)して塵埃の塊を乗り越え、再度塵埃除去部34が吸引穴40bに近づく方向(左方向)に移動(摺動)することにより、塵埃除去部34の第2部品38が塵埃受け部40の内底面40c上の前記塵埃の塊を押圧する。図13Dは、塵埃除去部34の第2部品38が塵埃受け部40の内底面40cに沿って移動し、塵埃受け部40の内底面40c上の前記塵埃の塊を押圧面34hにより押圧している状態を模式的に示した図である。図13Dにおいて、押圧面34hが塵埃の塊を押圧している方向(左方向)は吸引穴40bが形成されている方向である。塵埃除去部34が塵埃受け部40の左端側に移動して、塵埃受け部40の内底面40c上の塵埃の塊が左端側に集められると、吸引装置42が起動して、塵埃受け部40の左端にある吸引穴40bから吸い込まれて屋外に排出される。
なお、実施形態1においては、エアフィルタ18に対するフィルタ清掃動作が開始すると、塵埃除去部34が初期位置から右方向へ移動(摺動)して、ブラシ30の先端部が第1の位置において、エアフィルタ18に付着された塵埃をブラシ30により掻き落とす動作を行う。その後、ブラシ30の先端部が第2の位置に回動して、ブラシ30に付着した塵埃を除去する塵埃除去動作を開始する構成である。本発明は、この実施形態1に開示された構成に限定されるものではなく、例えば、エアフィルタ18に付着された塵埃をブラシ30により掻き落とし動作を行った後に、ブラシ30の先端部を第1の位置のままで塵埃除去部34を右方向へ移動させて、ブラシ30に対する塵埃除去動作を開始する構成としてもよい。また、エアフィルタ18に付着された塵埃をブラシ30により掻き落とし動作を行った後、ブラシ30の先端部を第2の位置に回動させて、塵埃除去部34を右方向へ移動させ、ブラシ30に対する塵埃除去動作を行う構成としてもよい。
次に、エアフィルタ18に付着した塵埃を屋外に排出する清掃動作の一例について説明する。なお、エアフィルタ18に対するフィルタ清掃動作は、図示しない制御部の制御の下で行われる。
エアフィルタ18に対するフィルタ清掃動作の前には、塵埃除去部34は、塵埃受け部40の内部において、吸引穴40bに最も近い初期位置に位置する(図6A参照)。なお、このとき、塵埃除去部34においては、吸引装置42と塵埃受け部40とを連通する吸引穴40bを閉塞可能に構成されてもよい。例えば、塵埃除去部34の押圧面34hに突起部(図示せず)を設けて、当該突起部で塵埃受け部40の吸引穴40bを閉塞するように構成してもよい。このように構成することにより、エアフィルタ18の清掃動作以外の意図しないときに、吸引装置42に塵埃が侵入することを抑えることができる。また、例えば、湿った外気が塵埃受け部40内に侵入して、結露することを抑えることができる。
塵埃除去部34が初期位置に配置された状態において、図示しないコントローラが使用者に操作されるなどして、エアフィルタ18に対するフィルタ清掃動作の開始が指示されると、図6Bに示したように、塵埃除去部34は、吸引穴40bから最も離れた右端位置である退避位置に移動する。このとき、前述のように、フィルタ搬送装置22のギヤ26が正方向(図2では反時計回り)に回転して、エアフィルタ18が第1保持空間20Aから第2保持空間20Bへ搬送される。
上記のようにエアフィルタ18が第1保持空間20Aから第2保持空間20Bへ搬送されて、エアフィルタ18の前端部がブラシ保持部32とシャフト24との間を通過するとき、ブラシ保持部32が回動して、ブラシ30の先端部がエアフィルタ18の先端部に接触する。
フィルタ搬送装置22のギヤ26が更に正方向に回転されて、エアフィルタ18が更に第2保持空間20Bへ搬送されるとき、ブラシ保持部32は、図3に示すように、ブラシ30の先端部がエアフィルタ18と接触する位置で固定される。この結果、エアフィルタ18に付着した塵埃は、所定位置で固定されたブラシ30の先端部で堰き止められ、エアフィルタ18の搬送方向におけるブラシ30の上流側に溜められる。このとき、ブラシ30に溜められた塵埃と搬送されるエアフィルタ18に付着した塵埃とが絡み合って紙縒のように纏まる。これにより、エアフィルタ18に付着した塵埃を除去することができる。このときブラシ30に付着した塵埃の一部は、ブラシ30の下方に配設された塵埃受け部40の内底面40c上に直接掻き落とされる。なお、エアフィルタ18に対するブラシ30の押圧力を一定にするため、例えば、ブラシ30にダンパーなどの弾性体を設けてもよい。これにより、エアフィルタ18に付着した塵埃の除去効率がなお一層向上される。
フィルタ搬送装置22のギヤ26が更に正方向に回転して、エアフィルタ18が第2保持空間20Bに到達すると、ギヤ26の正方向への回転は停止される。このとき、ブラシ30の先端部の少なくとも一部は、エアフィルタ18の清掃領域外にあるエアフィルタ18の後端部(枠体部分)に接触した状態にある。
上記のようにエアフィルタ18が第2保持空間20Bに搬送されると、フィルタ搬送装置22のギヤ26が逆方向(図2では時計回り)に回転して、エアフィルタ18が第2保持空間20Bから第1保持空間20Aへ搬送される。この逆方向の搬送動作においても、エアフィルタ18に付着している塵埃がブラシ30により掻き落とされる構成としてもよい。
上記のようにエアフィルタ18に付着していた塵埃がブラシ30により掻き落とされた後、ブラシ保持部32が正方向(図3では反時計回り)に回転して、塵埃除去部34に接触可能な第2の位置(図4参照)に配置される。即ち、ブラシ30は第2の位置において摺動、揺動動作を行い、ブラシ30が塵埃除去部34における第1ブレード部(前方ブレード34a、後方ブレード34b)、及び第2ブレード部(側方ブレード34e、34f)等に接触して、主として第2ブレード部の側方ブレード34e、34fに接触してブラシ30に付着された塵埃が除去される。
また、図6B~図6Dに示すように、塵埃除去部34は、吸引装置42に接続された吸引穴40bに近づくように左方向に移動(摺動)する。この左方向への摺動動作により、ブラシ30に付着した塵埃が第1ブレード部の前方ブレード34aと後方ブレード34b、及び第2ブレード部の側方ブレード34e、34f等により、主として前方ブレード34a及び後方ブレード34bにより掻き落とされる。前方ブレード34a及び後方ブレード34b等により掻き落とされた塵埃は、前方空間S1及び後方空間S2を介して、塵埃受け部40の内底面40c上に落下する。このとき、後方空間S2を落下する塵埃の塊は、誘導面34gにより案内されて、塵埃除去部34よりも前方側である吸引穴40b側に確実に落下する。このように、塵埃受け部40の内底面40cへ誘導された塵埃の塊は、塵埃除去部34により吸引穴40b側に落とされる。この結果、塵埃除去部34が吸引穴40b側へ移動(左方向への摺動動作)することにより、塵埃受け部40の内底面40c上の塵埃の塊は、塵埃除去部34の押圧面34hによって吸引穴40bの近傍に掻き集められる。塵埃除去部34の移動速度は、例えば、5mm/秒である。
また、塵埃除去部34の左方向への移動において、ブラシ保持部32が回転軸32aを中心として正回転及び逆回転する揺動動作が複数回行われている。このように、ブラシ30が延在方向と交差する方向に複数回揺動することにより、ブラシ30から掻き取った塵埃の塊が過剰に大きくなる前に、第2ブレード部の側方ブレード34e、34f等によって塵埃受け部40の内底面40c上に掻き落とされる。
図6Dに示すように、塵埃除去部34が吸引穴40bの近傍まで移動されると、吸引装置42の吸引ファン46が駆動され、吸引管44内に吸引力となる気流が発生する。この気流により、塵埃除去部34の押圧面34hによって吸引穴40bの近傍に集められた塵埃の塊が吸引管44を通じて屋外に排出される。
上記のようにブラシ30に対する塵埃除去動作における1回目の塵埃排出動作が終了する。塵埃排出動作が終了した後、塵埃除去部34が吸引穴40bから最も離れた右端の退避位置へ再度移動される(図6B参照)。このときの塵埃除去部34の右方向への移動において、図13A~図13Cを参照して説明したように、塵埃受け部40の内底面40c上にある塵埃の塊は、右方向にほとんど移動させられることがなく、落下した位置にそのまま保持されている。その結果、塵埃除去部34が右端の退避位置に移動したとき、塵埃受け部40の内底面40c上にある塵埃の塊は、塵埃除去部34の第2部品(掻き集め部品)における押圧面34hより左側の位置である、塵埃受け部40の吸引穴40b側の位置に存在することになる。
その後、図6C及び図6Dに示すように、塵埃除去部34が吸引穴40b側へ再度移動(摺動動作)する。これにより、塵埃受け部40の内底面40c上にある塵埃の塊が、図13Dに示したように、塵埃除去部34の第2部品(掻き集め部品)における押圧面34hによって吸引穴40bに向けて押されていく。
図6Dに示すように、塵埃除去部34が吸引穴40bの近傍の位置(塵埃排出位置)まで移動すると、吸引装置42の吸引ファン46が駆動され、吸引管44内に吸引力となる気流が発生する。この気流により、塵埃除去部34の押圧面34hによって吸引穴40bの近傍に集められた塵埃の塊が吸引管44を通じて屋外に排出される。なお、この塵埃除去部34の摺動動作及び吸引装置42による吸引動作を伴う塵埃排出動作は、複数回行われてもよい。これにより、エアフィルタ18の清掃動作が完了する。
なお、上記のように、ブラシ30に付着した塵埃に対する一連の「揺動掻き落とし動作」、「摺動掻き集め動作」、及び塵埃排出動作は少なくもと1回、若しくは連続して複数回行ってもよい。また、本発明の空気調和機においては、「揺動掻き落とし動作」及び「摺動掻き集め動作」を連続して、又はいずれか一方の動作を状況に応じて選択的に行う構成としてもよい。塵埃排出動作は「摺動掻き集め動作」の後に実行するよう構成することが好ましい。
実施形態1に係る空気調和機によれば、塵埃除去部34がブラシ30に接触しつつブラシ30の延在方向に移動(摺動動作)することによって、ブラシ30に付着した塵埃同士が絡み合って纏まり易くなり、従来よりも塵埃の除去効率を向上させることができる。また、ブラシ30と塵埃除去部34との接触部分が小さく、塵埃除去部34がブラシ30から受ける接触圧を小さくすることができるので、塵埃除去部34を摺動動作させるための駆動力を小さくすることができる。さらに、塵埃除去部34自体の形状が小さく、軽量化が図られているため、塵埃除去部34のための駆動力を小さくすることができる。
実施形態1に係る空気調和機によれば、塵埃受け部40の内部の塵埃を吸引装置42に繋がる吸引穴40bの近傍に移動させてから吸引装置42を起動する構成であるため、塵埃受け部40における気密性を高くする必要がない。このため、塵埃受け部40の構成として簡略化することが可能となり、吸引装置42の駆動力を小さくすることができると共に、吸引装置42の吸引時間を短くすることができる。その結果、吸引装置42の運転時の騒音を低減化することができる。
実施形態1に係る空気調和機によれば、塵埃除去部34は、ブラシ30の延在方向に対して交差する方向に延在する複数のブレード(前方ブレード34a及び後方ブレード34b)を有しているので、塵埃の除去効率を一層向上させることができる。
実施形態1に係る空気調和機においては、ブラシ30は、塵埃除去部34がブラシ30に接触可能な状態で、ブラシ30の延在方向と交差する方向に揺動するように構成されている。このため、実施形態1に係る空気調和機によれば、ブラシ30に付着した塵埃の除去効率を一層向上させることができる。
実施形態1に係る空気調和機においては、塵埃除去部34は、ブラシ30の延在方向と実質的に平行に延設された第2ブレード部の側方ブレード34e、34fがブラシ30の揺動範囲内に配置されているため、ブラシ30の揺動動作において第2ブレード部の側方ブレード34e、34fがブラシ30に付着した塵埃を掻き落とすように構成されている。このため、実施形態1に係る空気調和機によれば、塵埃の除去効率を一層向上させることができる。
実施形態1に係る空気調和機においては、前方ブレード34a及び後方ブレード34bは、回転軸32aを中心とする円弧状に形成されている。これにより、前方ブレード34a及び後方ブレード34bは、ブラシ30の各毛に対して、ブラシ30の基端部から同じ距離の位置に接触して、ブラシ30に付着した塵埃を掻き落とすように構成されている。その結果、実施形態1に係る空気調和機によれば、塵埃の除去効率を一層向上させることができる。
実施形態1に係る空気調和機においては、塵埃除去部34が掻き落とし部品として上方に配設された第1部品36と、掻き集め部品として下方に配設された第2部品38との組立構造である。また、塵埃除去部34が塵埃受け部40により下方から包むように構成されている。このため、塵埃受け部40の形状を大きくする場合であっても、塵埃除去部34の下方にある第2部品38の形状を大きくして対応することが可能な構成となる。また、塵埃除去部34の形状が大きい場合であっても、下方の第2部品を取り外すことにより、塵埃受け部40を本体2から容易に取り外すことが可能になる。さらに、塵埃除去部34の底面34jと塵埃受け部40の内底面40cとの隙間を所望の距離とするために、塵埃除去部34の第2部品38の形状により対応することが可能な構成となる。その結果、実施形態1に係る空気調和機によれば、塵埃受け部40内の塵埃を確実に吸引穴40b側に集めることが可能となり、塵埃の除去効率を一層向上させることができる。
また、実施形態1に係る空気調和機においては、塵埃除去部34は、後方空間S2に落下した塵埃を誘導面34gによって塵埃除去部34における押圧面34hより前方側(吸引穴40b側)へ誘導するように構成されている。その結果、実施形態1に係る空気調和機によれば、塵埃の除去効率を一層向上させることができる。
実施形態1に係る空気調和機においては、塵埃除去部34は、誘導面34gの下方に、誘導面34gよりも鉛直方向に対する傾斜角度が小さい押圧面34hを有しているので、押圧面34hより前方側(吸引穴40b側)にある塵埃を吸引穴40b側により一層確実に移動させやすい構成となっている。これにより、実施形態1に係る空気調和機によれば、塵埃の除去効率を一層向上させることができる。
実施形態1に係る空気調和機においては、塵埃受け部40の内底面40cは、この内底面40c上の塵埃に対する、吸引穴40bから離れる方向への移動より、吸引穴40bに近づく方向への移動の方が容易となる構成を有している。この構成によれば、ブラシ30から塵埃受け部40の内底面40cに掻き落とされた塵埃を、塵埃除去部34により吸引穴40bが設けられている方向に掻き集めることが容易な構成となる。その結果、実施形態1に係る空気調和機によれば、塵埃の除去効率を一層向上させることができる。
実施形態1に係る空気調和機においては、例えば、塵埃受け部40の内底面40cは、塵埃除去部34の摺動動作の方向に直交する断面形状が鋸刃状に構成され、塵埃受け部40の内底面40c上の塵埃の塊が一方の方向に移動するときは抵抗が大きく、他方の方向に移動するときは抵抗が小さくなる形状を有している。その結果、より簡易な構成で、塵埃受け部40の内底面40c上の塵埃の塊に対する抵抗力の違いにより、特定の方向へ掻き集めを実現できる構成となる。
実施形態1に係る空気調和機においては、塵埃受け部40の内底面40cに対向する塵埃除去部34の底面34jは、塵埃受け部40の吸引穴40b側が内底面40cに最も近く、吸引穴40bから離れるに従って内底面40cから遠ざかるように湾曲又は斜面で構成されている。この構成によれば、塵埃受け部40の内底面40cにおいて、ブラシ30から掻き落とされた塵埃が塵埃除去部34よりも吸引穴40b側とは反対側に落下したとしても、当該塵埃を塵埃除去部34により吸引穴40bの近傍に容易に移動させることができる。その結果、実施形態1に係る空気調和機によれば、塵埃の除去効率を一層向上させることができる。
実施形態1に係る空気調和機においては、塵埃除去部34には、塵埃除去部34よりも吸引穴40b側の空間と塵埃除去部34よりも吸引穴40b側とは反対の空間とを連通する吸気穴34iが形成されている。この構成によれば、吸気穴34iを通じて塵埃受け部40の内部に空気の流れを生じさせて、吸引装置42により生じた気流が吸気穴34iを通り、塵埃受け部40の内部の塵埃を吸引しやすい構成となる。この結果、実施形態1に係る空気調和機によれば、塵埃の除去効率を一層向上させることができる。
実施形態1に係る空気調和機においては、塵埃除去部34における吸気穴34iは、ブラシ30が配設されている上方に向けて開口した貫通穴形状である。また、吸気穴34iの下方には、誘導面34gが形成されている。この結果、ブラシ30から掻き落とされた塵埃は、吸気穴34iを通り、誘導面34gにより案内されて、塵埃除去部34の押圧面34hより吸引穴40b側に落下する構成となる。その結果、実施形態1に係る空気調和機によれば、塵埃除去部34よりも吸引穴40b側とは反対側の領域に落下することが抑えられている。
なお、本発明は前記の実施形態1に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、前記の実施形態1では、塵埃除去部34がブラシ30の延在方向に移動することによってブラシ30に付着する塵埃を掻き落とすように構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明の空気調和機においては、ブラシ30が塵埃除去部34に対してブラシ30の延在方向に移動することによって、ブラシ30に付着する塵埃を掻き落とすように構成してもよい。すなわち、塵埃除去部34は、ブラシ30に接触した状態でブラシ30の延在方向に相対移動することによって、ブラシ30に付着した塵埃を掻き落とすように構成してもよい。
前記の実施形態1では、塵埃除去部34における吸気穴34iは、上方に向けて開口する構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、吸気穴34iは、塵埃除去部34において、吸引穴40b側とは反対側の面である後面に設けてもよい。このように塵埃除去部34の後面に貫通する吸気穴34iを設けた場合には、この吸気穴34iを通じて塵埃受け部40の内部において空気の流れが直線又は略直線状に生じ、吸引装置42により塵埃受け部40の内部の塵埃を一層吸引しやすい構成となる。
前記の実施形態1では、吸引装置42を設けて塵埃受け部40の内部の塵埃を吸引するように構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、吸引装置42を設けることなく、塵埃受け部40の内部の塵埃を手動で廃棄する構成でもよい。塵埃受け部40を本体2から取り外すことによって、塵埃受け部40の内部の塵埃を手動で廃棄することが可能となる。この場合、塵埃受け部40の内部の塵埃を吸引穴40b側に集めなくてもよいので、塵埃除去部34は、押圧面34h及び底面34jが形成された第2部品38を備えない構成でもよい。
前記の実施形態1では、ブラシ30の延在方向と交差する方向にブラシ30が揺動するように構成したが、本発明はこれに限定されない。ブラシ30は、必ずしもブラシ30の延在方向と交差する方向に揺動するように構成されなくてもよい。
前記の実施形態1では、塵埃受け部40の内底面40cは、断面が鋸刃状に形成される構成で説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、塵埃受け部40の内底面40cは、図14に示すように、吸引穴40bが形成された方向(図14における左方向)に傾斜する、所謂、吸引穴40b側の方向が順目となる多数の毛40dを有してもよい。すなわち、塵埃受け部40の内底面40cは、いわゆるエチケットブラシ(登録商標)のような構造を有してもよい。また、この場合、塵埃除去部34の第2部品38の底面34jは、図15に示すように、塵埃受け部40の多数の毛40dに接触する多数の毛34kを有する構成としてもよい。この構成によって、塵埃受け部40の内底面40cにおいては、実施の形態1の構成と同様に、塵埃に対する抵抗力の違いを実現することができる。
前記の実施形態1では、塵埃除去部34は、ブラシ30の延在方向に対して交差する方向に延在する前方ブレード34a及び後方ブレード34bを有するものとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、塵埃除去部34は、ブラシ30の延在方向に対して交差する方向に延在する1つのブレード又は3以上のブレードを有してもよい。
前記の実施形態1では、塵埃除去部34は、第1ブレード部の前方ブレード34aと後方ブレード34b、及び第2ブレード部の側方ブレード34e、34fにより、ブラシ30に付着した塵埃を掻き落とすように構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、塵埃除去部34は、エチケットブラシ(登録商標)のような他の構造により、ブラシ30に付着した塵埃を掻き落とすように構成されてもよい。
前記の実施形態1では、塵埃除去部34を塵埃受け部40の吸引穴40bの近傍位置(塵埃排出位置)まで移動させた後、塵埃を吸引装置42により吸引するように構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、塵埃除去部34を吸引穴40bの近傍位置まで移動させた後、塵埃除去部34を吸引穴40bから、例えば数cm程度後方に離れるように移動させ、その後、塵埃受け部40の内部の塵埃を吸引装置42により吸引するように構成してもよい。このように構成して、吸引時に塵埃除去部34を吸引穴40bから一旦離すことにより、塵埃除去部34の押圧面34hと塵埃受け部40の内側面との間に挟まれた塵埃の塊が塵埃受け部40の内底面40c上に落ちるきっかけを与えることができる。これにより、吸引装置42による吸引動作により塵埃受け部40の内部の塵埃をきれいに吸引しやすくなり、塵埃の除去効率を一層向上させることができる。
なお、実施形態1の構成では、図12において断面で示した誘導面34gを平面として図示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、誘導面34gは、下方に延びる複数の溝形状の凹凸構造を有してもよい。このような構造とすることにより、ブラシ30から掻き落とした塵埃が誘導面34gに付着するのを抑えることができ、塵埃の除去効率を一層向上させることができる。
図16は、実施形態1に係る空気調和機における塵埃除去部34の駆動機構の構成の一例を示す図である。図16に示すように、実施形態1に係る空気調和機は、塵埃除去部34をブラシ30の延在方向に移動(摺動動作)させるための駆動装置50を備えている。図16に示す構成例において、駆動装置50は、駆動プーリ52と、従動プーリ54と、駆動プーリ52及び従動プーリ54の周囲に架け回されたワイヤ56と、駆動プーリ52を回転させるモータ58と、ワイヤ56に取り付けられた駆動ブロック60とを備えている。駆動ブロック60には塵埃除去部34が固定されており、駆動ブロック60の移動と共に塵埃除去部34が摺動動作する構成である。
駆動装置50においては、モータ58が回転駆動されることにより、駆動プーリ52が回転してワイヤ56を移動させて、従動プーリ54が回転する。これにより、駆動ブロック60が駆動プーリ52と従動プーリ54との間を移動することができる。塵埃除去部34の駆動装置50は、本体2の内部において、例えば、塵埃受け部40の背面側に設けられたカバー部材62に設けられている。カバー部材62は、例えば、平板であり、ブラシ30の延在方向(図16では左右方向)に沿って設けられている。カバー部材62を間にして、一方に駆動装置50が設けられ、他方に塵埃除去部34及び塵埃受け部40が設けられている。
図17は、駆動装置50の駆動ブロック60と、塵埃除去部34との配置を示す斜視図である。図18は、塵埃受け部40の内部に設けられた塵埃除去部34と、駆動装置50の駆動ブロック60とを示す断面図である。
図17及び図18に示すように、駆動ブロック60からカバー部材62を乗り越えるように延びる駆動ブロック接合部60aが塵埃除去部34の第1側壁34cに接合されている。実施形態1の構成においては、第1側壁34cの上部に形成された凹部に駆動ブロック接合部60aの端部が嵌合して固着される構成である。また、駆動ブロック接合部60aは、平板のカバー部材62の上辺部分を跨ぐように配設されている。この結果、駆動ブロック60の移動に伴い、塵埃除去部34がカバー部材62に沿って移動する構成となる。カバー部材62の延在方向は、ブラシ30の延在方向と実質的に同じであるため、塵埃除去部34はブラシ30の延在方向に沿って移動(摺動動作)する。
上記のように、塵埃除去部34の第1側壁34cの上部に駆動ブロック接合部60aの端部が嵌合されており、塵埃除去部34における第2ブレード部のカバー部材62側の側方ブレード34eからカバー部材62側へは、滑らかに上昇する面で構成されている。このように、第1側壁34cの上部に駆動ブロック接合部60aの端部が固着されており、第2ブレード部のカバー部材62側の側方ブレード34eより高い位置に駆動ブロック接合部60aが設けられている。このため、駆動ブロック接合部60a及びカバー部材62によって、塵埃除去部34によりブラシ30から掻き落とされた塵埃がカバー部材62を乗り越えて駆動装置50側に侵入することを抑えられている。その結果、実施形態1に係る空気調和機においては、塵埃の除去効率を一層向上させることができる。
また、実施形態1の構成において、塵埃除去部34の吸気穴34iは、図5A~図5Cに示したように、第2ブレード部におけるカバー部材62側の側方ブレード34eとは反対側であるカバー部材から離れた第2ブレード部における側方ブレード34fの近傍に吸気穴34iが形成されている。すなわち、第2側壁34d側に吸気穴34iが形成されている。このように、吸気穴34iをカバー部材62から離して設けることにより、塵埃がカバー部材62を乗り越えて駆動装置50側に侵入することを一層抑えられる構成となっている。その結果、実施形態1に係る空気調和機においては、塵埃の除去効率を一層向上させることができる。
実施形態1の構成においては、ブラシ30に付着した塵埃に対する除去動作を行う場合、ブラシ30の延在方向に沿って塵埃除去部34を移動(摺動)させて塵埃を掻き落としているが、ブラシ30に付着した塵埃を除去する方法としては、例えばブラシ30の長手方向の長さと同程度の長さのブレードをブラシ30と平行に延在させて、ブラシ30がそのブレードに接触する位置で揺動することにより、ブラシ30に付着した塵埃を除去する方法であってもよい。また、ブラシ30の形状としては、実施形態1の構成以外に、例えばローラー状のブラシであってもよい。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。