JP2016125448A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料カットが終了して燃料の供給を再開したときのNOxの発生量を低減する。
【解決手段】燃料カット後に燃料の供給が再開されてから、各気筒において少なくとも一回の燃焼が行われるまでの間は、圧縮行程における吸気弁の閉弁時期を、内燃機関の運転状態に基づいて設定される吸気弁の閉弁時期よりも遅くする。体積効率を小さくすることで燃焼温度を低下させてNOxの発生量を低減させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
三元触媒は、触媒雰囲気が理論空燃比またはその付近でNOx,HCおよびCOを浄化する。この三元触媒は酸素吸蔵能力を有しており、三元触媒に流入する排気の空燃比がリーン空燃比であるときに過剰分の酸素を吸蔵し、三元触媒に流入する排気の空燃比がリッチ空燃比であるときに不足分の酸素を放出することにより、排気を浄化する。このような酸素吸蔵能力により、三元触媒がHC,COおよびNOxを理論空燃比以外であっても浄化することができる。
内燃機関への燃料の供給を一時停止させる燃料カットを実施すると、三元触媒には多くの酸素が流入する。このため、三元触媒において酸素の吸蔵量が過剰になる。この状態で内燃機関への燃料の供給が再開され、燃焼ガスが触媒へ到達しても、三元触媒では酸素の吸蔵量が過剰であるために還元能力が低い。このため、NOxの浄化が期待できない。
ここで、燃料カット中の吸入空気量の積算値に基づいて、燃料カット中の酸素吸蔵量を求め、該酸素吸蔵量に応じてリッチスシフト量を設定し、燃料噴射を再開させるときに、該リッチシフト量に応じて空燃比をリッチ化させることで、酸素吸蔵量を減少させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2013−011284号公報 特開平11−107839号公報
燃料噴射を再開させるときにリッチ空燃比となるように燃料噴射量を設定したとしても、燃料噴射再開後の最初の1サイクルで発生したNOxが触媒へ到達したときには、触媒雰囲気が還元雰囲気でないため該NOxを浄化することが困難となる。また、燃料噴射再開後の最初の1サイクルでは、気筒内に燃焼後のガスがほとんど残っていない。すなわち、内部EGRがなく且つ酸素が多い状態で燃焼が行われる。このため、燃焼温度が高くなり、NOxの発生量が多くなる。このように、燃料噴射再開後の最初の1サイクルでは、NOxの発生量が多く且つ触媒でのNOxの浄化が困難であるため、NOxが触媒を通り抜けてしまう虞がある。
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料カットが終了して燃料の供給を再開したときのNOxの発生量を低減することにある。
上記課題を解決するために本発明による内燃機関の制御装置は、内燃機関の排気通路に設けられてNOxを浄化し、酸素吸蔵能力を有する触媒と、前記内燃機関へ燃料を供給する噴射弁と、前記内燃機関の吸気弁の閉弁時期を変更するバルブタイミング変更装置と、前記吸気弁の閉弁時期を前記内燃機関の運転状態に基づいて設定し、前記バルブタイミング変更装置を制御する制御部と、一又は複数の気筒と、を備える内燃機関を制御する内燃機関の制御装置において、前記制御部は、前記内燃機関への前記噴射弁からの燃料の供給
を停止させる燃料カット後に燃料の供給が再開されてから、各気筒において少なくとも一回の燃焼が行われるまでの間は、圧縮行程における前記吸気弁の閉弁時期を、前記内燃機関の運転状態に基づいて設定される前記吸気弁の閉弁時期よりも遅くする。
燃料カット後の燃料供給再開時(以下、燃料カット復帰時ともいう。)には、触媒のNOx浄化能力が低いが、内燃機関から排出されるNOxの量が少なければ、触媒を通り抜けるNOxの量も少なくなる。ここで、圧縮行程において吸気弁の閉弁時期を遅くする(以下、遅角させるともいう。)ことにより、気筒内から吸気通路側へ押し出される空気の量が多くなる。これにより、体積効率及び有効圧縮比が低下するため、気筒内の燃焼温度を低下させることができる。このため、NOxの発生量を減少させることができる。
制御部は、通常は燃費が向上するように吸気弁の閉弁時期を設定している。すなわち、燃焼効率を高めるように、体積効率及び有効圧縮比が高くなるように、吸気弁の閉弁時期が設定されている。このため、燃焼温度が高くなり得る。この吸気弁の閉弁時期は、内燃機関の運転状態(例えば、機関回転数及び機関負荷)に基づいて設定される。したがって、通常は、内燃機関の運転状態に基づいて吸気弁の閉弁時期が設定されるが、燃料カット復帰時には燃費の向上よりもNOx発生量の低減を優先して、制御部が、内燃機関の運転状態に基づいた吸気弁の閉弁時期よりも、吸気弁の閉弁時期を遅角させている。これにより、NOxの発生量が減少するため、燃料カットにより触媒において酸素過剰の状態になっていたとしても、触媒を通り抜けるNOxの量を減少させることができる。各気筒において少なくとも一回の燃焼が行われれば、その後は、各気筒において内部EGRガスの効果により燃焼温度が低下するため、各気筒において少なくとも一回の燃焼が行われるまでの間、吸気弁の閉弁時期を遅角させればよい。なお、バルブタイミング変更装置は、吸気弁の閉弁時期を遅くするにしたがって吸気弁の開弁時期も遅くしてもよく、また、吸気弁の閉弁時期を遅くしても吸気弁の開弁時期は変更しないようにしてもよい。
また、前記触媒から流出する排気の空燃比を検出するセンサを備え、前記制御部は、前記燃料カット後に前記内燃機関の回転速度が所定回転速度以下になって燃料の供給が再開された場合に、前記センサにより検出される排気の空燃比が理論空燃比以下の所定空燃比になるまでの間は、前記吸気弁の閉弁時期を、前記内燃機関の運転状態に基づいて設定される前記吸気弁の閉弁時期よりも遅くすることができる。
ここで、燃料の供給が再開されるのは、内燃機関の回転速度が所定回転速度以下になった場合、または、内燃機関でトルクを発生させる要求があった場合、が考えられる。所定回転速度は、内燃機関が停止する虞のある回転速度とすることができる。所定回転速度は、例えば内燃機関のアイドル運転時の機関回転速度、または、アイドル運転時の機関回転速度にある程度の余裕を持たせた機関回転速度である。内燃機関の回転速度が所定回転速度以下になって燃料の供給を再開した場合には、大きなトルクを発生させる必要がない。すなわち、吸気弁の閉弁時期を遅角させて体積効率及び有効圧縮比が低い状態であっても問題はない。一方、内燃機関でトルクを発生させる要求があった場合には、トルクを発生させるために体積効率及び有効圧縮比を増加させることが好ましい。
燃料カット後に触媒が酸素過剰の状態では、触媒に流入する排気の空燃比が理論空燃比以下であっても、触媒から流出する排気の空燃比はリーン空燃比になる。すなわち、触媒から流出する排気の空燃比がリーン空燃比のときには、触媒において酸素過剰になっておりNOxの浄化能力が低い。機関回転速度が所定回転速度以下になったことにより燃料の供給を再開した場合には、内燃機関でトルクを発生させる必要はないため、吸気弁の閉弁時期を遅角させておけば、NOxの排出量を低減することができる。
そして、センサにより検出される排気の空燃比が所定空燃比となった場合には、触媒に
おける酸素過剰の状態が解消されたものと考えることができる。この場合、触媒でNOxを還元することができる状態になっている。したがって、その後は、吸気弁の閉弁時期を、内燃機関の運転状態に基づいて設定すれば、例えば燃費を向上させることができる。なお、所定空燃比は、触媒における酸素過剰の状態が解消されたときの空燃比であり、理論空燃比または弱リッチ空燃比である。弱リッチ空燃比は、リッチ空燃比ではあるが理論空燃比に近い空燃比であり、例えば14.2から14.6までの間の空燃比である。
また、前記制御部は、前記燃料カット後に前記内燃機関でトルクを発生させる要求があって燃料の供給が再開された場合に、各気筒において一回の燃焼が行われた後に、前記吸気弁の閉弁時期が前記触媒のNOx浄化能力に応じた所定時期よりも早くならない範囲で、前記吸気弁の閉弁時期を前記内燃機関の運転状態に基づいて設定される前記吸気弁の閉弁時期に近づけることができる。
燃料カット後に内燃機関でトルクを発生させる要求があって燃料の供給を再開した場合には、各気筒において一回の燃焼が行われた後も吸気弁の閉弁時期を遅角させていると、トルクの増加が緩慢となるため、ドライバビリティが悪化する。したがって、吸気弁の閉弁時期を、内燃機関の運転状態に基づいて設定される吸気弁の閉弁時期に近づけることでドライバビリティの悪化を抑制し得る。しかし、触媒が酸素過剰の状態であるときに吸気弁の閉弁時期を内燃機関の運転状態に基づいて設定すると、触媒を通り抜けるNOxの量が増加してしまう。そこで、NOxの発生量が急激に増加しないように、吸気弁の閉弁時期を徐々に変化させる。この場合、吸気弁の閉弁時期が所定時期よりも早くならない範囲で吸気弁の閉弁時期を設定すればよい。そして、この所定時期を触媒のNOx浄化能力に応じて設定すれば、触媒を通り抜けるNOxの量が増加することを抑制できる。燃料カット復帰後から触媒から酸素が徐々に減少し、触媒におけるNOx浄化能力が徐々に回復するため、これに応じて所定時期を変更することができる。したがって、触媒を通り抜けるNOxの量を低減しつつ、ドライバビリティが悪化することを抑制できる。所定時期は、要求されるNOx浄化率及び要求されるドライバビリティに応じて決定することができる。所定時期は、触媒を通り抜けるNOxの量が許容範囲となる時期としてもよい。
また、前記制御部は、前記所定時期を、前記燃料カット後の内燃機関の吸入空気量の積算値に基づいて変化させることができる。
燃料カット復帰後の触媒における酸素量は、燃料カット復帰後の内燃機関の吸入空気量の積算値と相関関係にある。すなわち、燃料カット復帰後の内燃機関の吸入空気量の積算値が多くなるほど、触媒を通過する既燃ガスの量が多くなり、これによって触媒における酸素量が少なくなるため、NOxの浄化能力が高くなる。したがって、燃料カット後の内燃機関の吸入空気量の積算値に基づいて所定時期を設定することにより、NOx浄化能力に応じた吸気弁の閉弁時期を設定することができる。他にも、触媒の温度、または、触媒から流出する排気の空燃比も、触媒におけるNOx浄化能力と相関関係にあるため、これらの値に基づいて所定時期を設定することもできる。また、所定時期を設定するときに、加速性能を考慮してもよい。
また、前記バルブタイミング変更装置は、前記内燃機関の排気弁の閉弁時期も変更し、前記制御部は、前記燃料カット後に燃料の供給が再開されてから、各気筒において少なくとも一回の燃焼が行われるまでの間は、前記排気弁の閉弁時期を排気上死点近傍とすることができる。
排気弁の閉弁時期によっても、体積効率や有効圧縮比が変化する。また、排気弁の閉弁時期によって、各気筒に対応する排気通路(排気ポート)から気筒内に逆流するガスの量も変化する。ここで、燃料カット時には排気通路に空気が流れるため、燃料カット復帰後
に各気筒において一回の燃焼が行われるまでは、各気筒に対応する排気通路から気筒内に逆流するガスも空気であり、酸素が多く含まれる。さらに、排気通路から気筒内に逆流する空気の量が多くなると、気筒内により多くの酸素が供給されるため、燃焼温度が高くなってNOxの発生量が増加し得る。したがって、各気筒において少なくとも一回の燃焼が行われるまでは、気筒内に逆流する空気の量が少なくなるように排気弁の閉時期を設定すればよい。ここで、排気弁の閉弁時期を排気上死点近傍とすることにより、吸気行程で排気通路から気筒内に空気が逆流しないため、気筒内の空気の量を減少させることができる。これにより、燃焼温度を低下させることができるため、NOxの発生量を低減することができる。したがって、排気上死点近傍には、吸気行程において排気通路から気筒内にガスが逆流しないような範囲を含めることができる。
また、前記バルブタイミング変更装置は、前記内燃機関の排気弁の閉弁時期または前記吸気弁の開弁時期の少なくとも一方も変更し、前記制御部は、前記内燃機関の運転状態に基づいて前記吸気弁と前記排気弁とが共に開いている期間であるバルブオーバーラップ期間を設定し、さらに前記制御部は、前記燃料カット後に前記内燃機関の回転速度が前記所定回転速度以下になって燃料の供給が再開された場合に、各気筒において一回の燃焼が行われるまでの間は、前記排気弁の閉弁時期を排気上死点近傍とし、各気筒において一回の燃焼が行われた後であって、前記センサにより検出される排気の空燃比が前記所定空燃比になるまでの間は、バルブオーバーラップ期間を、前記内燃機関の運転状態に応じて設定されるバルブオーバーラップ期間よりも長くすることができる。
排気弁の閉弁時期を遅くすることにより、バルブオーバーラップ期間を長くすることができる。また、吸気弁の開弁時期を早くすることにより、バルブオーバーラップ期間を長くすることができる。なお、吸気弁の閉弁時期に連動して吸気弁の開弁時期が変化する場合には、上記のように吸気弁の閉弁時期を遅角することにより吸気弁の開弁時期も遅角されてしまうため、吸気弁の開弁時期を早くすることによりバルブオーバーラップ期間を長くすることが困難な場合もある。このような場合には、排気弁の閉弁時期を遅角することにより、バルブオーバーラップ期間を長くすればよい。バルブオーバーラップ期間を長くすることにより、排気通路から吸気通路へ気筒内を通り抜けるガスの量が多くなる。各気筒において一回の燃焼が行われた後は、排気通路内に既燃ガスが存在しているため、排気通路から気筒内に流入するガス中の酸素濃度が低い。すなわち、バルブオーバーラップ期間を長くすることにより、内部EGRガスの量が多くなる。よって、NOxの発生量を減少させることができるので、触媒を通り抜けるNOxの量を減少させることができる。なお、内燃機関の運転状態に応じて設定されるバルブタイミングによっては、バルブオーバーラップ期間が生じない場合もある。このような場合には、バルブタイミング変更装置によってバルブオーバーラップ期間を生じさせることも、バルブオーバーラップ期間を長くすることに含めることができる。
一方、センサにより検出される排気の空燃比が所定空燃比となれば、触媒における酸素過剰の状態が解消されたものと考えることができる。この場合、触媒でNOxを還元することができる状態になっている。したがって、その後は、バルブオーバーラップ期間を、内燃機関の運転状態に基づいて設定すれば、例えば燃費を向上させることができる。
また、前記バルブタイミング変更装置は、前記内燃機関の排気弁の閉弁時期または前記吸気弁の開弁時期の少なくとも一方も変更し、前記制御部は、前記内燃機関の運転状態に基づいて前記吸気弁と前記排気弁とが共に開いている期間であるバルブオーバーラップ期間を設定し、さらに前記制御部は、前記燃料カット後に前記内燃機関でトルクを発生させる要求があって燃料の供給が再開された場合に、各気筒において一回の燃焼が行われるまでの間は、前記排気弁の閉弁時期を排気上死点近傍とし、各気筒において一回の燃焼が行われた後は、バルブオーバーラップ期間が前記触媒のNOx浄化能力に応じた所定期間よ
りも短くならない範囲でバルブオーバーラップ期間を前記内燃機関の運転状態に基づいて設定されるバルブオーバーラップ期間に近づけることができる。
所定期間は、要求されるNOx浄化率及び要求されるドライバビリティに応じて決定することができる。この所定期間は、内燃機関の運転状態に基づいて設定されるバルブオーバーラップ期間よりも長くなり得る。ここで、燃料カット後に内燃機関でトルクを発生させる要求があって燃料の供給を再開した場合には、トルクを発生させなければ、ドライバビリティが悪化する。このときに、バルブオーバーラップ期間を長くすることにより、内部EGRをより活用することができるため、NOxの発生量を少なくすることができる。したがって、燃料カット復帰から各気筒において一回の燃焼が行われた後は、バルブオーバーラップ期間を内燃機関の運転状態に基づいて設定されるバルブオーバーラップ期間に近づけているが、このときには、NOxの発生量が許容範囲となるように、バルブオーバーラップ期間が所定期間よりも短くならないようにしている。すなわち、所定期間は、NOxの発生量が許容範囲となる期間、または、NOxの発生量を可及的に抑制し得る期間とし得る。燃料カット復帰後から触媒の酸素量が徐々に減少し、触媒におけるNOx浄化能力が徐々に回復するため、これに応じて所定期間を短くすることができる。したがって、触媒を通り抜けるNOxの量を低減しつつ、ドライバビリティが悪化することを抑制できる。このようにして、トルクを増加させるときにNOxが発生することを抑制できる。
また、前記制御部は、前記所定期間を、前記燃料カット後の内燃機関の吸入空気量の積算値に基づいて設定することができる。
燃料カット後の内燃機関の吸入空気量の積算値に基づいて所定期間を設定することにより、NOx浄化能力に応じたバルブオーバーラップ期間を設定することができる。他にも、触媒の温度、または、触媒から流出する排気の空燃比も、触媒におけるNOx浄化能力と相関関係にあるため、これらの値に基づいて所定期間を設定することもできる。また、トルクを優先して、加速性能に応じて所定期間を設定してもよい。
本発明によれば、燃料カットが終了して燃料の供給を再開したときのNOxの発生量を低減することができる。
実施例に係る内燃機関の概略構成を表す図である。 自然復帰時の各種値の推移を示したタイムチャートである。 強制復帰時の各種値の推移を示したタイムチャートである。 実施例に係る燃料カット復帰時のバルブタイミングの制御フローを示したフローチャートである。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施例>
図1は、本実施例に係る内燃機関1の概略構成を表す図である。なお、本実施例においては、内燃機関1を簡潔に表示するため、一部の構成要素の表示を省略している。内燃機関1は、火花点火式のガソリン機関である。内燃機関1は、たとえば車両に搭載される。また、図1には1つの気筒2のみを記載しているが、内燃機関1は、複数の気筒を有して
いてもよい。
内燃機関1のシリンダヘッド10には、吸気管42及び排気管72が接続されている。シリンダヘッド10には、吸気管42から気筒2に通じる吸気ポート41、及び、排気管72から気筒2に通じる排気ポート71が形成されている。吸気ポート41の気筒2側の端部には、吸気弁5が備わる。吸気弁5の開閉は、吸気側カム6によって行われる。また、排気ポート71の気筒2側の端部には、排気弁9が備わる。排気弁9の開閉は排気側カム11によって行われる。吸気ポート41及び吸気管42は、吸気通路4に含まれている。排気ポート71及び排気管72は、排気通路7に含まれている。
吸気側カム6は吸気側カムシャフト22に取り付けられ、更に吸気側カムシャフト22の端部には吸気側プーリ24が設けられている。吸気側カムシャフト22と吸気側プーリ24との間には、吸気側カムシャフト22と吸気側プーリ24との相対的な回転位相を変更可能とする可変回転位相機構(以下、「吸気側VVT」という)23が設けられている。
また、排気側カム11は排気側カムシャフト25に取り付けられ、更に排気側カムシャフト25の端部には排気側プーリ27が設けられている。排気側カムシャフト25と排気側プーリ27との間には、排気側カムシャフト25と排気側プーリ27との相対的な回転位相を変更可能とする可変回転位相機構(以下、「排気側VVT」という)26が設けられている。
そして、吸気側プーリ24及び排気側プーリ27は、クランクシャフト13から駆動力を得て回転する。吸気側VVT23は、クランクシャフト13の回転角と吸気側カムシャフト22との回転角との関係を変更することで、吸気弁5の開閉時期を変更することができる。また、排気側VVT26は、クランクシャフト13の回転角と排気側カムシャフト25との回転角との関係を変更することで、排気弁9の開閉時期を変更することができる。なお、吸気弁5または排気弁9の開閉時期を変更する機構はこれに限らず、他の機構を用いることもできる。本実施例においては吸気側VVT23及び排気側VVT26が、本発明におけるバルブタイミング変更装置に相当する。
そして、内燃機関1のクランクシャフト13にコンロッド14を介して連結されたピストン15が、気筒2内で往復する。吸気管42の途中には、排気のエネルギを駆動源として作動するターボチャージャ50のコンプレッサ51が設けられている。コンプレッサ51よりも上流の吸気管42には、該吸気管42を流れる吸気の量を調節するスロットル16が備えられている。スロットル16よりも上流の吸気管42には、該吸気管42内を流れる空気の量に応じた信号を出力するエアフローメータ95が取り付けられている。このエアフローメータ95により内燃機関1の吸入空気量が検出される。
一方、排気管72の途中には、ターボチャージャ50のタービン52が設けられている。タービン52よりも下流の排気管72には、三元触媒31が設けられている。三元触媒31は、触媒雰囲気が理論空燃比またはその付近でNOx,HCおよびCOを浄化する。この三元触媒31は、酸素吸蔵能力を有している。すなわち、流入する排気の空燃比がリーン空燃比であるときに過剰分の酸素を吸蔵し、流入する排気の空燃比がリッチ空燃比であるときに不足分の酸素を放出することにより、排気を浄化する。なお、本実施例においては三元触媒31が、本発明における触媒に相当する。
三元触媒31よりも下流の排気管72には、排気の温度を検出する温度センサ93、及び、空燃比を検出する空燃比センサ94が設けられている。温度センサ93の出力値に基づいて、三元触媒31の温度を推定することができる。なお、温度センサ93を設けてい
なくても、内燃機関1の運転状態に基づいて、三元触媒31の温度を推定することもできる。なお、本実施例においては空燃比センサ94が、本発明におけるセンサに相当する。
吸気管42には、燃料を吸気ポート41へ向けて噴射する噴射弁81が取り付けられている。さらに、内燃機関1には、気筒2内に電気火花を発生させる点火プラグ83が取り付けられている。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるECU90が併設されている。このECU90は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1を制御する。ECU90には、上記センサの他、運転者がアクセルペダルを踏み込んだ量に応じた信号を出力するアクセル開度センサ91、およびクランクシャフト13の回転角に応じた信号を出力するクランクポジションセンサ92が電気配線を介して接続され、これら各種センサの出力信号がECU90に入力される。ECU90は、アクセル開度センサ91からの信号に基づいて、機関負荷を算出する。また、ECU90は、クランクポジションセンサ92からの信号に基づいて、機関回転速度を算出する。一方、ECU90には、吸気側VVT23、排気側VVT26、噴射弁81、点火プラグ83が電気配線を介して接続されており、該ECU90によりこれらの機器が制御される。なお、本実施例においてはECU90が、本発明における制御部に相当する。
ECU90は、内燃機関1の運転状態(例えば、機関回転速度及びアクセル開度)に基づいて目標空燃比を設定する。そして、実際の空燃比が目標空燃比となるように、スロットル16または噴射弁81を制御する。なお、本実施例に係る内燃機関1は、目標空燃比を理論空燃比または弱リッチ空燃比としている。なお、ここでいう弱リッチ空燃比は、例えば14.2から14.6までの空燃比である。
また、ECU90は、車両の減速(内燃機関1の減速としてもよい。)等で所定の燃料カット条件が成立したときに、燃料カットを実施する。すなわち、噴射弁81からの燃料噴射を停止させることで、内燃機関1への燃料の供給を停止させる。燃料カットは、アクセル開度が0で且つ機関回転速度が所定回転速度よりも高い場合に実施される。所定回転速度は、それ以上機関回転速度が低下すると、内燃機関1が停止される虞のある機関回転速度である。所定回転速度は、例えば、アイドル回転速度、または、アイドル回転速度にある程度の余裕を持たせた回転速度とすることができる。
さらに、ECU90は、内燃機関1の運転状態(機関回転速度及び機関負荷)に基づいて、吸気側VVT23及び排気側VVT26を制御する。機関負荷は、アクセル開度または燃料噴射量としてもよい。すなわち、ECU90は、内燃機関1の運転状態に基づいて、吸気弁5及び排気弁9の開閉時期を制御する。吸気弁5及び排気弁9の開閉時期は、燃費が最良となるように内燃機関1の運転状態と関連付けて予め実験またはシミュレーション等により求めてマップ化し、ECU90に記憶させておく。なお、このように内燃機関1の運転状態に基づいて設定される吸気弁5及び排気弁9の開閉時期を、以下では「通常時期」という。通常時期は、さらに排気中の有害物質の量が許容範囲内となるように設定してもよい。
ここで、本実施例では、燃料カットを終了させて燃料噴射を再開させるときの吸気弁5及び排気弁9の開閉時期を、上記内燃機関1の運転状態に基づいて決定される開閉時期とは異なる値に設定する。具体的には、燃料噴射再開(燃料カット復帰)後に少なくとも1サイクル、吸気弁5の閉弁時期を通常時期よりも遅くする(すなわち、遅角する)。複数の気筒2を有する場合には、各気筒で少なくとも1サイクル、吸気弁5の閉弁時期を通常時期よりも遅角する。すなわち、燃料カット復帰後に各気筒において少なくとも一回の燃
焼が行われるまでの間は、吸気弁5の閉弁時期を通常時期よりも遅角する。
ここで、吸気弁5は、吸気下死点よりも後に閉じる。すなわち、吸気弁5は圧縮行程が開始された後に閉じるため、吸気弁5の閉弁時期を遅角することにより、吸気弁5の閉弁時期が吸気下死点から遠くなる。吸気下死点よりも後にはピストン15が上昇を始めるため、吸気弁5の閉弁時期が遅くなるほど、ピストン15によって気筒2から吸気ポート41へ押し出される空気が多くなる。したがって、体積効率及び有効圧縮比が低下するため、燃料カット復帰後の燃焼温度を低下させることができる。これにより、NOxの発生量を低減することができる。このような状態での燃焼を、各気筒で少なくとも1サイクル実施すれば、その後は気筒2内に燃焼ガスが存在するため、内部EGRの効果により燃焼温度が低くなる。このため、各気筒において少なくとも一回の燃焼が行われるまで、吸気弁5の閉弁時期を通常時期よりも遅角すればよい。
また、本実施例では、燃料カット復帰後に各気筒において少なくとも一回の燃焼が行われるまで、排気弁9の閉弁時期を排気上死点近傍としてもよい。燃料カット時には排気ポート71に空気が流れるため、燃料カット復帰後に各気筒において一回の燃焼が行われるまでは、排気ポート71から気筒2内に逆流するガスも空気であり、酸素が多く含まれる。さらに、排気ポート71から気筒2内に逆流する空気の量が多くなると、気筒2内により多くの酸素が供給されるため、燃焼温度が高くなってNOxの発生量が増加し得る。例えば、燃料カット復帰後には、三元触媒31から酸素を速やかに減少させるように、リッチ空燃比となるように燃料が供給される。このときには、エアフローメータ95により検出された吸入空気量に基づいて燃料噴射量が決定される。ここで、排気ポート71から気筒2内に逆流する空気は、エアフローメータ95により検出されていない空気である。すなわち、燃料カット復帰後の各気筒の一回目の燃焼時には、気筒2内の空気量は、エアフローメータ95により検出される空気量よりも多くなる。各気筒において燃焼が一回行われた後であれば気筒2内へ既燃ガスが逆流するため空燃比への影響は少ないが、空気が逆流する場合には空燃比が高くなってしまう。このため、リッチ空燃比となるように燃料噴射を行っても、理論空燃比に近づいてしまい、燃焼温度が高くなり得る。したがって、各気筒において少なくとも一回の燃焼が行われるまでは、気筒2内に逆流する空気の量が少なくなるように排気弁9の閉時期を設定すればよい。ここで、排気弁9の閉弁時期を排気上死点近傍とすることにより、吸気行程で排気ポート71から気筒2内に空気が逆流しないため、気筒2内の空気の量を減少させることができる。これにより、燃焼温度を低下させることができるため、NOxの発生量を低減することができる。したがって、排気上死点近傍には、吸気行程において排気ポート71から気筒2内にガスが逆流しないような範囲を含めることができる。
なお、本実施例に係る吸気側VVT23では、吸気弁5の閉弁時期を変化させると、吸気弁5の開弁時期も同じだけ変化する。吸気弁5の開弁時期が遅角されると、バルブオーバーラップ期間が短くなる。すなわち、排気弁9の閉弁時期を上死点近傍とし、且つ、吸気弁5の開時期を遅角させると、バルブオーバーラップ期間が短くなる、または、バルブオーバーラップ期間が生じなくなる。バルブオーバーラップ期間を短くしたり、バルブオーバーラップ期間が生じないようにしたりすることで、排気ポート71から気筒2へ逆流する空気の量を減少させることができる。このようにして、気筒2内の酸素の量を減少させることができるため、燃焼温度を低くすることができる。これにより、NOxの発生量を低減させることができる。なお、吸気弁5の開弁時期を排気上死点後とすることにより、気筒2内の空気量をさらに減少させることができる。ただし、吸気弁5の開弁時期は、吸気弁5の閉弁時期と比較して、気筒2内の空気量に与える影響が小さい。このため、吸気弁5の開弁時期と、吸気弁5の閉弁時期と、で別々に制御可能な機構を備えている場合には、吸気弁5の開弁時期を吸気弁5の閉弁時期と同じだけ変化させてもよく、吸気弁5の開弁時期を通常時期としてもよい。
また、燃料カット復帰後に各気筒において一回の燃焼が行われた後(すなわち、燃料カット復帰後の各気筒の2サイクル以降)は、内部EGRの効果により燃焼温度が低下してNOxの発生量が低減するため、吸気弁5及び排気弁9の開閉時期を通常時期としてもよい。しかし、三元触媒31では酸素過剰の状態が続いているため、NOxの浄化率がまだ低いので、以下のようにしてもよい。ここで、燃料カット後に燃料噴射が再開される条件としては、機関回転速度が所定回転速度まで減少した場合、または、アクセル開度が0よりも大きくなった場合が考えられる。すなわち、機関回転速度が所定回転速度以下になると内燃機関1が停止する虞があるため燃料噴射が再開される。このような理由での燃料噴射の再開を、以下では「自然復帰」という。一方、アクセル開度が0よりも大きくなった場合、すなわち、運転者がアクセルペダルを踏み込んだ場合には、機関トルクを発生させる要求があるため、燃料噴射が再開される。このような理由での燃料噴射の再開を、以下では「強制復帰」という。
強制復帰の場合には、機関トルクを発生させる要求があるために、機関トルクを発生させるのに適したバルブタイミングに設定しなければ、ドライバビリティが悪化する虞がある。一方、自然復帰の場合には、内燃機関1が停止さえしなければよいため、ドライバビリティを考慮しなくてもよい。このため、自然復帰の場合には、三元触媒31よりも下流の排気の空燃比(三元触媒31の雰囲気としてもよい。)が理論空燃比または弱リッチ空燃比になるまで、NOxの発生量が少なくなることを優先して吸気弁5及び排気弁9の開閉時期を設定する。三元触媒31よりも下流の排気の空燃比が理論空燃比または弱リッチ空燃比になったということは、三元触媒31における酸素過剰の状態が解消されたことを意味するため、三元触媒31にてNOxの還元が可能となっている。したがって、三元触媒31よりも下流の排気の空燃比が理論空燃比または弱リッチ空燃比となるまで、内燃機関1からのNOxの排出量を低減すればよい。
具体的には、自然復帰後に各気筒において一回の燃焼が行われた後では、吸気弁5の閉弁時期を通常時期よりも遅角させ、且つ、バルブオーバーラップ期間を、内燃機関1の運転状態に応じて決定されるバルブオーバーラップ期間(以下、通常期間ともいう。)よりも長くする。吸気弁5の閉弁時期は、自然復帰後に各気筒で一回の燃焼が行われる前と後とで同じであってもよく、異なっていてもよい。自然復帰後に各気筒において一回の燃焼が行われた後でも、吸気弁5の閉弁時期を通常時期よりも遅角させることにより、体積効率及び有効圧縮比が低下するため、燃焼温度を低下させることができる。なお、本実施例に係る吸気側VVT23では、吸気弁5の閉弁時期を遅角させる場合には、吸気弁5の開弁時期も遅角される。したがって、燃料カット復帰後に吸気弁5の閉弁時期が遅角されているときには、バルブオーバーラップ期間を吸気弁5の開弁時期により調整することが困難となるため、本実施例では、排気弁9の閉弁時期によりバルブオーバーラップ期間を調整している。ただし、吸気弁5の開弁時期と、吸気弁5の閉弁時期と、で別々に制御可能な機構を備えている場合には、吸気弁5の開弁時期によりバルブオーバーラップ期間を調整してもよい。
また、自然復帰後に各気筒において一回の燃焼が行われた後では、排気ポート71に酸素濃度の低い既燃ガスが存在する。この既燃ガスを気筒2内により多く逆流させることにより、内部EGRの効果をより大きくすることができる。ここで、バルブオーバーラップ期間を長くすることにより、排気ポート71から気筒2へ逆流する既燃ガス量が増加する。このため、内部EGRガスの効果がより大きくなるので、自然復帰後に各気筒において一回の燃焼が行われた後の燃焼温度を低くすることができる。これにより、NOxの発生を抑制できる。
なお、三元触媒31の雰囲気が理論空燃比または弱リッチ空燃比となっていれば、三元
触媒31における酸素の量が適正な量になっていると考えられるため、その後は吸気弁5及び排気弁9の開閉時期を通常時期とする。
図2は、自然復帰時の各種値の推移を示したタイムチャートである。「触媒状態」は、三元触媒31の雰囲気の空燃比を示しており、これは、三元触媒31よりも下流の排気の空燃比と等しい。なお、触媒状態における「理論空燃比」に代えて、「弱リッチ空燃比」としてもよい。「アクセル開度」は、アクセル開度センサ91の出力値としてもよい。「燃料カット」は、燃料カットが実施されているか否かを示しており、「ON」のときに燃料カットが実施されており、「OFF」のときに燃料カットが実施されていないことを示している。実線は、本実施例に係る制御を実施した場合を示し、破線は、従来の制御を実施した場合を示しており、これは内燃機関1の運転状態に応じた制御を実施した場合としてもよい。
T1は、運転者がアクセル開度を小さくし始めた時点を示し、T2は、アクセル開度が0となった時点を示している。すなわちT1からT2の期間においてアクセル開度が小さくなっていく。この期間では、まだ燃料カットが実施されておらず、吸気弁5及び排気弁9の閉弁時期、バルブオーバーラップ期間は、内燃機関1の運転状態に応じて設定されている。なお、このときの吸気弁5の開弁時期の通常時期は、排気上死点としてもよい。
T2においてアクセル開度が0になると、燃料カットが実施される(図2における「燃料カット」が「ON」となる)。なお、燃料カットが実施されてから三元触媒31に酸素が吸蔵されて三元触媒31よりも下流の排気の空燃比がリーン空燃比となるまでには時間がかかる。三元触媒31よりも下流の排気の空燃比がリーン空燃比となる時点をT3で示している。本実施例では、三元触媒31よりも下流の排気の空燃比がリーン空燃比になると、燃料カット復帰後に三元触媒31をNOxが通り抜ける虞があるとして、燃料カット中に吸気弁5の閉弁時期を遅角させる。すなわち、本実施例では、燃料カット復帰後に備えて、吸気弁5の閉弁時期を燃料カット復帰前に予め変更しておく。このため、T3の時点から吸気側VVT23により吸気弁5の閉弁時期が遅角される。また、吸気側VVT23により吸気弁5の開弁時期が遅角されることにより、バルブオーバーラップ期間が短くなる。また、燃料カット中には、排気側VVT26により排気弁9の閉弁時期が排気上死点近傍とされている。
T4は、自然復帰の時点を示している。すなわち、T4において燃料の供給が再開されている。このときには、吸気弁5の閉弁時期及び排気弁9の閉弁時期は、自然復帰後の時期に合わせてあるため、T4の時点では、吸気弁5の閉弁時期及び排気弁9の閉弁時期に変化はない。T5は、自然復帰後に全気筒において一回の燃焼が行われた時点を示している。すなわち、T4からT5の期間において、各気筒2の排気ポート71に既燃ガスが流出する。T5では、吸気弁5の閉弁時期はそのまま維持される。これにより、NOxの発生量を低減している。また、T5からバルブオーバーラップ期間を長くするために、排気弁9の閉弁時期が遅角される。すなわち、バルブオーバーラップ期間を長くするときに吸気弁5の開弁時期を進角させてしまうと、吸気弁5の閉弁時期も進角してしまうため、体積効率及び有効圧縮比が大きくなってNOxの発生量が増加してしまう。したがって、本実施例では、吸気弁5の閉弁時期は変更せず、排気弁9の閉時期を遅角させることでバルブオーバーラップ期間を長くしている。その後、T6の時点で三元触媒31よりも下流の排気の空燃比が理論空燃比となる。これにより、三元触媒31における酸素過剰の状態が解消されたと考えられるため、吸気弁5の閉弁時期及び排気弁9の閉弁時期を、通常時期とする。
一方、強制復帰の場合には、機関トルクを発生させる要求がある。このときに自然復帰と同様の制御を実施すると、機関トルクの増加が緩慢となるため、ドライバビリティが低
下する。しかし、強制復帰後に各気筒において一回の燃焼が行われた後に吸気弁5及び排気弁9の閉弁時期をすぐに通常時期に戻すと、NOxの発生量が増加する虞がある。このときには、三元触媒31の酸素量が過剰であるため、NOxの還元能力は低い。したがって、強制復帰の場合には、三元触媒31を通過するNOxが少なくなるように、吸気弁5の閉弁時期を通常時期に徐々に近づける。このときには、吸気弁5の閉弁時期が所定時期よりも進角側にならないようにしている。すなわち、吸気弁5の閉弁時期が所定時期よりも早くならない範囲で、吸気弁5の閉弁時期を通常時期に近づけている。この所定時期は三元触媒31のNOx浄化能力に応じて設定する。ここで、燃焼回数が多くなるにしたがって、三元触媒31の酸素量が減少するため、三元触媒31のNOx浄化能力が高くなる。このNOx浄化能力が高くなることに合わせて、吸気弁5の閉弁時期を設定することで、三元触媒31を通り抜けるNOxの量を低減することができる。すなわち、所定時期は、三元触媒31を通り抜けるNOxの量が所定NOx量となるように設定される。所定NOx量は、任意に設定してもよく、法規等に応じて設定することもできる。所定NOx量は、許容範囲のNOx量としてもよい。
なお、三元触媒31の酸素量と、燃料カット復帰後の内燃機関1の吸入空気量の積算値と、には相関関係があり、内燃機関1の吸入空気量の積算値が多くなるほど、三元触媒31を通過する既燃ガスの量が多くなるため、三元触媒31の酸素量が少なくなる。このため、強制復帰後の内燃機関1の吸入空気量の積算値に基づいて、所定時期を設定することができる。この所定時期にしたがって、吸気弁5の閉弁時期を変化させることで、NOx発生量の増加を抑制することができる。すなわち、強制復帰後から三元触媒31の酸素量が徐々に減少し、三元触媒31におけるNOx浄化能力が徐々に回復するため、これに応じて吸気弁5の閉弁時期を変更することができる。したがって、三元触媒31を通り抜けるNOxの量を低減しつつ、ドライバビリティが悪化することを抑制できる。
なお、三元触媒31の温度も、三元触媒31におけるNOx浄化能力と相関関係にあるため、三元触媒31の温度に基づいて所定時期を設定することもできる。すなわち、燃料カット中に三元触媒31を空気が通過することにより、三元触媒31の温度が低下する。これにより、三元触媒31のNOx浄化能力が低下する。燃料カット復帰後は、三元触媒31を既燃ガスが通過することにより、三元触媒31の温度が上昇し、これに応じてNOx浄化能力が高くなる。したがって、三元触媒31の温度に応じて所定時期を設定することにより、NOx浄化能力に応じた吸気弁5の閉弁時期を設定することができる。
また、三元触媒31から流出する排気の空燃比も、三元触媒31におけるNOx浄化能力と相関関係にあるため、この排気の空燃比に基づいて所定時期を設定することもできる。すなわち、三元触媒31の酸素量が少なくなるほど、三元触媒31よりも下流の排気の空燃比が低くなるため、NOx浄化能力が高くなる。よって、排気の空燃比に応じて所定時期を設定することにより、NOx浄化能力に応じた吸気弁5の閉弁時期を設定することができる。また、トルクが滑らかに増加するように、ドライバビリティも考慮して、吸気弁5の閉弁時期を設定してもよい。さらに、燃料カット復帰後の内燃機関1の吸入空気量の積算値、三元触媒31の温度、三元触媒31から流出する排気の空燃比、トルクを組み合わせて所定時期を設定してもよい。
また、強制復帰後に各気筒において一回の燃焼が行われた後には、バルブオーバーラップ期間を長くすることにより、内部EGRをより活用することができるため、NOxが発生することを抑制できる。ここで、強制復帰後に各気筒において一回の燃焼が行われた後は、バルブオーバーラップ期間を通常期間に近づけることで、ドライバビリティを向上させることができる。このときには、NOxの発生を抑制するように、バルブオーバーラップ期間に下限を設けている。すなわち、バルブオーバーラップ期間が所定期間よりも短くならないようにしている。所定期間は、内燃機関1の運転状態に基づいて設定されるバル
ブオーバーラップ期間よりも長くなり得る。このようにして、トルクを増加させるときにNOxが発生することを抑制できる。したがって、NOx浄化率の低下を抑制しつつドライバビリティの向上をはかることができる。
図3は、強制復帰時の各種値の推移を示したタイムチャートである。T4までは図2と同じであるため説明を省略する。図3において、T4は、強制復帰の時点を示している。このときには、吸気弁5の閉弁時期及び排気弁9の閉弁時期は、強制復帰後の閉弁時期に合わせてあるため、T4の時点では、吸気弁5の閉弁時期及び排気弁9の閉弁時期に変化はない。T5は、強制復帰後に全気筒において一回の燃焼が行われた時点を示している。すなわち、T4からT5の期間において、各気筒2の排気ポート71に既燃ガスが流出する。従来では、T4から吸気弁5の閉弁時期を変化させているが、本実施例では、T5から変化させている。すなわち、T5から、吸気弁5の閉弁時期が通常時期に向けて変化する。
なお、図3における「所定時期」は、吸気弁5の閉弁時期を変化させるときの進角側の限度を示しており、図3では、所定時期に沿って吸気弁5の閉弁時期が変更されるように吸気側VVT23が制御されている。一方、T5からバルブオーバーラップ期間を長くするように、排気弁9の閉弁時期が遅角される。従来では、T4から排気弁9の閉弁時期を変化させているが、本実施例では、T5から変化させている。なお、図3における「所定期間」は、バルブオーバーラップ期間の下限である。T5の時点では、この所定期間が通常期間(破線)よりも長い。すなわち、T5の時点では、吸気弁5の遅角量が大きいため、三元触媒31を通り抜けるNOxの量を所定NOx量とするためには、バルブオーバーラップ期間を、通常期間よりも長くする必要がある。このため、T5において排気弁9の閉弁時期を通常時期よりも遅角側へ変更している。その後、バルブオーバーラップ期間が所定期間に沿って変化し、T7の時点において、バルブオーバーラップ期間が、通常期間となる。
T8の時点からアクセル開度が一定となる。その後、T9の時点において、吸気弁5の閉弁時期が通常時期と等しくなる。このときには、三元触媒31よりも下流の排気の空燃比がリーン空燃比となっており、三元触媒31にはまだ過剰な酸素が存在している。ただし、吸気弁5の閉弁時期が所定時期よりも進角されないようにし、且つ、バルブオーバーラップ期間が所定期間よりも短くならないようにしつつ、吸気弁5及び排気弁9の閉弁時期を変更したため、三元触媒31を通り抜けるNOxの量を低減することができる。
図4は、本実施例に係る燃料カット復帰時のバルブタイミングの制御フローを示したフローチャートである。本フローチャートは、所定の時間毎にECU90により実行される。
ステップS101では、燃料カットを実行中であるか否か判定される。アクセル開度が0であり且つ機関回転速度が所定回転速度よりも高いときに、燃料カットが実行されるため、アクセル開度が0であり且つ機関回転速度が所定回転速度よりも高いときに燃料カットを実行中であると判定される。ステップS101で肯定判定がなされた場合にはステップS102へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS105へ進む。
ステップS102では、三元触媒31の雰囲気がリーン空燃比であるか否か判定される。本ステップS102では、三元触媒31における酸素量が過剰であるか否か判定している。空燃比センサ94により検出される排気の空燃比がリーン空燃比であれば、三元触媒31の雰囲気がリーン空燃比であると判定される。ステップS102で肯定判定がなされた場合にはステップS103へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本フローチャートを終了させる。
ステップS103では、吸気弁5の閉弁時期を通常時期よりも遅角させる。このときには、燃料カット復帰時において燃料が燃焼可能な限界の時期まで吸気弁5の閉弁時期を遅角させてもよい。本ステップS103では、燃料カット復帰時に備えて吸気弁5の閉弁時期を予め設定しているため、燃料が燃焼可能な時期である必要がある。また、吸気弁5の閉弁時期を、燃料が燃焼可能な限界の時期まで遅角させると、燃焼温度が低くなってNOxの発生量が低減する。
ステップS104では、排気弁9の閉弁時期が排気上死点近傍に設定される。本ステップS104においても、燃料カット復帰時に備えて、排気弁9の閉弁時期を予め排気上死点近傍に設定しておく。ステップS103及びステップS104の設定により、体積効率及び有効圧縮比が小さくなる。さらに、気筒2内の空気量がエアフローメータ95により検出された空気量よりも多くなることが抑制される。したがって、燃料カット復帰後には燃焼温度を抑制できる。
また、ステップS105では、三元触媒31の雰囲気がリーン空燃比であるか否か判定される。本ステップS105では、燃料カットが実施されていない。したがって、内燃機関1からNOxが排出される場合がある。本ステップS105では、三元触媒31でのNOxを浄化する能力が低い状態であるか否か判定している。空燃比センサ94により検出される排気の空燃比がリーン空燃比であれば、三元触媒31の雰囲気がリーン空燃比であると判定される。ステップS105で肯定判定がなされた場合にはステップS106へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS111へ進む。ステップS111では、燃料噴射が実施されており、且つ、三元触媒31におけるNOxの浄化能力も高いため、吸気弁5及び排気弁9の閉弁時期が通常時期に設定される。これにより燃費が向上する。
一方、ステップS106では、燃料カット復帰後に、内燃機関1における燃焼回数が内燃機関1の気筒数に達したか否か判定される。本ステップS106では、燃料カット復帰後に各気筒において一回の燃焼が行われたか否か判定される。すなわち、本ステップS106では、全気筒2の排気ポート71内に既燃ガスが存在しているか否か判定している。ステップS106で否定判定がなされた場合には、ステップS103及びステップS104の設定が維持されたまま本フローチャートが終了される。一方、ステップS106で肯定判定がなされた場合にはステップS107へ進み、自然復帰であるか否か判定される。すなわち、自然復帰と強制復帰とで、燃料カット復帰後に各気筒において一回の燃焼が行われた後の吸気弁5及び排気弁9の閉弁時期が変わるため、ステップS107において自然復帰または強制復帰のどちらであるのか判定している。ステップS107で肯定判定がなされた場合にはステップS108へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS109へ進む。
ステップS108では、吸気弁5及び排気弁9の閉弁時期が、自然復帰時の時期に設定される。このときのバルブオーバーラップ期間は、燃料を燃焼可能な限界の期間に設定してもよい。このときのバルブオーバーラップ期間は、予め実験またはシミュレーション等により求めておいてもよい。一方、ステップS109では、吸気弁5及び排気弁9の閉弁時期が仮に設定される。このときには、吸気弁5の閉弁時期が通常時期に近づく値に仮に設定される。このときには、吸気弁5の閉弁時期を通常時期に仮に設定してもよい。また、バルブオーバーラップ期間が通常期間に近づくように、排気弁9の閉弁時期が遅角側に設定される。このときには、バルブオーバーラップ期間が通常期間となるように、排気弁9の閉弁時期を仮に設定してもよい。なお、ステップS109では、吸気弁5及び排気弁9の閉弁時期はまだ変更しない。
そして、ステップS110において、ステップS109で仮に設定された吸気弁5及び排気弁9の閉弁時期にガードをかける。すなわち、ステップS109で設定される吸気弁5の閉弁時期が所定時期よりも進角側である場合には、吸気弁5の閉弁時期が所定時期となるように、吸気弁5の閉弁時期を設定し直す。また、ステップS109で設定されるバルブオーバーラップ期間が、所定期間よりも短ければ、バルブオーバーラップ期間が所定期間となるように、排気弁9の閉弁時期を設定し直す。
以上説明したように本実施例によれば、燃料カット復帰後に各気筒において一回の燃焼が行われるまでは、吸気弁5の閉弁時期を遅角させ、排気弁9の閉弁時期を排気上死点近傍とすることにより、NOxの発生量を低減させることができる。さらに、燃料カット復帰後に各気筒において一回の燃焼が行われた後は、自然復帰であるか又は強制復帰であるのかに応じてバルブタイミングを調整するため、自然復帰時にはNOxの発生量をより低減させることができ、強制復帰時にはドライバビリティが悪化するのを抑制しつつNOxの発生量を低減することができる。このようにして、燃料カットが終了して燃料の供給を再開した後のNOxの発生量を低減することができるため、三元触媒31を通り抜けるNOxの量を低減することができる。
1 内燃機関
2 気筒
4 吸気通路
5 吸気弁
7 排気通路
9 排気弁
23 吸気側VVT
26 排気側VVT
31 三元触媒
41 吸気ポート
71 排気ポート
81 噴射弁
90 ECU
91 アクセル開度センサ
92 クランクポジションセンサ
94 空燃比センサ
95 エアフローメータ

Claims (8)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられてNOxを浄化し、酸素吸蔵能力を有する触媒と、
    前記内燃機関へ燃料を供給する噴射弁と、
    前記内燃機関の吸気弁の閉弁時期を変更するバルブタイミング変更装置と、
    前記吸気弁の閉弁時期を前記内燃機関の運転状態に基づいて設定し、前記バルブタイミング変更装置を制御する制御部と、
    一又は複数の気筒と、
    を備える内燃機関を制御する内燃機関の制御装置において、
    前記制御部は、前記内燃機関への前記噴射弁からの燃料の供給を停止させる燃料カット後に燃料の供給が再開されてから、各気筒において少なくとも一回の燃焼が行われるまでの間は、圧縮行程における前記吸気弁の閉弁時期を、前記内燃機関の運転状態に基づいて設定される前記吸気弁の閉弁時期よりも遅くする内燃機関の制御装置。
  2. 前記触媒から流出する排気の空燃比を検出するセンサを備え、
    前記制御部は、前記燃料カット後に前記内燃機関の回転速度が所定回転速度以下になって燃料の供給が再開された場合に、前記センサにより検出される排気の空燃比が理論空燃比以下の所定空燃比になるまでの間は、前記吸気弁の閉弁時期を、前記内燃機関の運転状態に基づいて設定される前記吸気弁の閉弁時期よりも遅くする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記制御部は、前記燃料カット後に前記内燃機関でトルクを発生させる要求があって燃料の供給が再開された場合に、各気筒において一回の燃焼が行われた後に、前記吸気弁の閉弁時期が前記触媒のNOx浄化能力に応じた所定時期よりも早くならない範囲で、前記吸気弁の閉弁時期を前記内燃機関の運転状態に基づいて設定される前記吸気弁の閉弁時期に近づける請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記制御部は、前記所定時期を、前記燃料カット後の内燃機関の吸入空気量の積算値に基づいて変化させる請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記バルブタイミング変更装置は、前記内燃機関の排気弁の閉弁時期も変更し、
    前記制御部は、前記燃料カット後に燃料の供給が再開されてから、各気筒において少なくとも一回の燃焼が行われるまでの間は、前記排気弁の閉弁時期を排気上死点近傍とする請求項1から4の何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記バルブタイミング変更装置は、前記内燃機関の排気弁の閉弁時期または前記吸気弁の開弁時期の少なくとも一方も変更し、
    前記制御部は、前記内燃機関の運転状態に基づいて前記吸気弁と前記排気弁とが共に開いている期間であるバルブオーバーラップ期間を設定し、
    さらに前記制御部は、前記燃料カット後に前記内燃機関の回転速度が前記所定回転速度以下になって燃料の供給が再開された場合に、各気筒において一回の燃焼が行われるまでの間は、前記排気弁の閉弁時期を排気上死点近傍とし、各気筒において一回の燃焼が行われた後であって、前記センサにより検出される排気の空燃比が前記所定空燃比になるまでの間は、バルブオーバーラップ期間を、前記内燃機関の運転状態に応じて設定されるバルブオーバーラップ期間よりも長くする、
    請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記バルブタイミング変更装置は、前記内燃機関の排気弁の閉弁時期または前記吸気弁の開弁時期の少なくとも一方も変更し、
    前記制御部は、前記内燃機関の運転状態に基づいて前記吸気弁と前記排気弁とが共に開
    いている期間であるバルブオーバーラップ期間を設定し、
    さらに前記制御部は、前記燃料カット後に前記内燃機関でトルクを発生させる要求があって燃料の供給が再開された場合に、各気筒において一回の燃焼が行われるまでの間は、前記排気弁の閉弁時期を排気上死点近傍とし、各気筒において一回の燃焼が行われた後は、バルブオーバーラップ期間が前記触媒のNOx浄化能力に応じた所定期間よりも短くならない範囲でバルブオーバーラップ期間を前記内燃機関の運転状態に基づいて設定されるバルブオーバーラップ期間に近づける、
    請求項3または4に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記制御部は、前記所定期間を、前記燃料カット後の内燃機関の吸入空気量の積算値に基づいて設定する請求項7に記載の内燃機関の制御装置。
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