JP4061871B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変バルブタイミング装置を備えた内燃機関の制御装置に関し、実際のバルブタイミングが変更する過渡的な状態における制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
吸気バルブ又は排気バルブの開閉時期(バルブタイミング)を可変制御する可変バルブタイミング装置を備えた内燃機関において、バルブタイミングの切換時に発生するトルク段差を抑制する技術として、例えば、特開平11−324733号公報に記載されたものがある。
【0003】
このものは、あらかじめ設定されたアクセル開度と機関回転速度と必要トルクの3次元マップに基づいて機関が発生すべき必要トルクを算出し、あらかじめ設定された機関回転速度と算出された必要トルクと必要スロットルバルブ開度との3次元マップに基づいて必要スロットル開度を算出することで、発生する機関トルクの変化を滑らかにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記3次元マップは、アクセル開度と機関回転速度、又は、機関回転速度と必要トルクに応じて設定された定常状態でのバルブタイミングに対して、必要トルク又は必要スロットル開度を求めるものであるため、以下のような問題があった。
【0005】
目標バルブタイミングの変化に応じて実際のバルブタイミングが刻々と変化する過渡的な運転領域においては、スロットル開度及び機関回転速度が同一であっても、実バルブタイミングの変化に応じて筒内吸入空気量は変化するので、発生トルクの段差感が生じる。
すなわち、上記従来技術では、定常状態におけるトルク段差は抑制できるものの、過渡状態におけるトルク段差は十分に抑制できない。
【0006】
また、燃料噴射量は、コレクタ上流側に設けられた吸入空気量検出手段によって検出された吸入空気量に基づいて算出されているが、この吸入空気量は、吸気系容積分の慣性による吸気応答遅れを考慮していないため、実際の筒内吸入空気量とずれが生じる。従って、空燃比のリーン化/リッチ化といったはね返りが発生する。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであって、バルブタイミングが変化している過渡的な運転条件においても、トルク段差の発生を抑制すると共に、燃費及び排気性能を向上させることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項1に係る発明は、可変バルブタイミング装置を備えた内燃機関の制御装置であって、バルブタイミングが変化する過渡的な運転条件で、バルブタイミングとスロットル開度と機関回転速度とに基づいて目標吸入負圧を算出し、算出した目標吸入負圧と吸入負圧の検出値との差に基づいて燃料噴射量を調整することを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明は、スロットルバルブ上流側で検出した吸入空気量に基づいて設定された基本燃料噴射量に対して、前記目標吸入負圧と実際の吸入負圧との差分に応じた補正を行うことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、前記目標吸入負圧は、スロットル開度と、機関回転速度と、バルブタイミングとの3次元マップを参照して算出されることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、バルブタイミングの変化に対して、スロットル開度を調整することにより筒内に吸入される吸入空気量の変動を抑制することを特徴とする。
【0013】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、バルブタイミングとスロットル開度と機関回転速度に基づいて目標吸入負圧を算出し、算出した目標吸入負圧と吸入負圧検出値との差に応じて燃料噴射量を調整することにより、実際の筒内吸入空気量に応じた燃料噴射量を設定することができ、空燃比のリーン/リッチ化のはね返りなく燃費性能を向上できる。
【0016】
請求項2に係る発明によれば、応答遅れを有する吸入空気量検出値に基づいて設定された基本燃料噴射量に対して、前記目標吸入負圧と検出した実際の吸入負圧との差分に応じた補正を行うので、検出した吸入空気量と実際に筒内に吸入される空気量との変動分を考慮した燃料噴射量を設定でき、空燃比の変動を抑制できる。
【0017】
なお、前記目標吸入負圧と検出した実際の吸入負圧との差に基づいて、筒内吸入空気量を推定し、該推定した筒内吸入空気量に基づいて直接燃料噴射量を設定することも可能である。
請求項3に係る発明によれば、スロットル開度と、機関回転速度と、バルブタイミングとの3次元マップをあらかじめ作成しておくことで、目標吸入負圧を容易に算出できる。
【0018】
請求項4に係る発明によれば、バルブタイミングの変更により発生するトルク段差、リーン/リッチスパイクを抑制すると共に、空燃比の変動も抑制できるので、燃費性能及び排気性能をより向上できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る機関のシステム図、図2は制御ブロック図である。
図1、2において、機関1の吸気通路2には、上流側からエアクリーナ3、エアフローメータ4、スロットルバルブ5、コレクタ6が設けられている。エアフローメータ4は通過する空気流量(吸入空気量Qa)を検出し、スロットルバルブ5はそのバルブ開度(スロットル開度TVO)により空気流量を制御する。
【0020】
機関1の各気筒には、燃焼室7内に燃料を噴射する燃料噴射弁8、燃焼室7内で火花点火を行う点火プラグ9が設けられており、吸気バルブ10を介して吸入された空気に対して前記燃料噴射弁8から燃料を噴射して混合気を形成し、該混合気を前記燃焼室7内で圧縮し、点火プラグ9による火花点火によって着火する。
【0021】
燃焼排気は、排気バルブ11を介して燃焼室7から排気通路12に排出され、図示しない排気浄化触媒及びマフラーを介して大気中に放出される。
前記吸気バルブ10及び排気バルブ11は、それぞれ吸気側カム軸13及び排気側カム軸14に設けられたカムにより開閉駆動される。
吸気側カム軸13には、クランク軸に対するカム軸の回転位相を変化させることで、吸気バルブ10の開閉時期(バルブタイミング)を可変制御する可変バルブタイミング装置15が設けられている。
【0022】
このような可変バルブタイミング装置としては、公知のものを利用できるので詳細な説明を省略するが、例えば特開平10−18869号公報に記載されたものがある。
なお、可変バルブタイミング装置15によって吸気バルブ10の開弁時期を進角/遅角制御することにより、吸気バルブ10及び排気バルブ11の双方が開弁している期間(バルブオーバーラップ量)を制御できる。
【0023】
ECU30には、前記エアフローメータ(AFM)4、吸入負圧を検出する吸入負圧センサ16、機関冷却水温度を検出する水温センサ17、前記スロットルバルブ5の開度を検出するスロットル開度センサ18、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ19からの信号が入力される。
また、クランク角度センサ20からの信号に基づいて回転速度演算回路34により算出された機関回転速度Ne、クランク角度センサ20及びカム角度センサ21からの信号に基づいてバルタイ演算回路35により算出された吸気側カム軸13の現在の作動角(実VTC作動角)が入力される。
【0024】
そして、ECU30は、基本的には、入力されたアクセル開度信号と機関回転速度Neに基づいて機関が発生すべきトルクを算出し、算出したトルクと機関回転速度Neとに基づいて目標スロットル開度及び目標作動角(目標VTC作動角)を設定すると共に、AFM4で検出される吸入空気量Qaに応じて、所定の空燃比となるように基本燃料噴射量(基本燃料噴射パルス幅)Tpを設定する。
【0025】
空気量制御回路31は前記目標スロットル開度となるようにスロットルバルブ5を制御し、燃料噴射制御回路32は燃料噴射弁8を制御して設定されて燃料を噴射し、可変動弁制御回路33は吸気側カム軸13が前記目標作動角(VTC目標角)となるように可変バルブタイミング装置15を制御する。
ここで、本実施形態では、バルブタイミングが刻々と変化している過渡的な運転条件において、まず、スロットル開度TVOを調整することにより、実際に筒内に吸入される吸入空気量の変動を抑制するようにしている。
【0026】
そして、実際に筒内に吸入される空気量に応じた量の燃料を精度よく噴射することにより空燃比の変動を抑制するようにしている。
以下、本発明に係る吸入空気量制御、燃料噴射量制御について説明する。
まず、吸気応答遅れについて説明する。
図3は、吸気バルブ10のバルブタイミングの進角制御(VTC進角制御)に伴う筒内吸入空気量、コレクタ6出口部空気流量、エアフローメータ4通過空気流量の変化を示すものである。
【0027】
図において、スロットル開度(TVO)一定の加速により、機関の運転条件がVTC非作動領域からVTC作動領域、例えば、低中速・低負荷領域から低中速・高負荷領域へと移行すると、吸気側カム軸13の位相角が最遅角の位置から目標VTC角へと短時間(t1〜t2)で移行(進角)する。
すると吸気バルブ10の閉時期IVCが早まり、筒内に流入した空気が逆流することなく留まるので(吸気吹き返しが低減されるので)、スロットル開度TVO、機関回転速度Neが同一であっても筒内吸入空気量が増大する。このため、ドライバーが意図しないトルク段差が発生する。
【0028】
コレクタ6出口部の空気流量は、前記筒内吸入空気量の増大分だけ流量が増大するが、吸気バルブ10からコレクタ6までの吸気系容積分の慣性による応答遅れtaが発生する。
AFM4を通過する空気流量は、前記筒内吸入空気量の増大分だけ流量が増大するが、同様に吸気バルブ10からAFM4までの吸気系容積分による応答遅れtbが発生する。
【0029】
従って、VTC進角制御による前記筒内吸入空気量の増加分については、応答遅れ(吸気応答遅れ)の影響により、瞬時にAFM4を通過する空気流量に反映されない。
このため、一時的にAFM4で検出した吸入空気量Qaよりも多くの空気が筒内に流入するが、燃料噴射量TpはAFM4で検出した吸入空気量Qaに基づいて設定されるため、リーンスパイクが発生する。
【0030】
また、スロットルOFFによる減速時に、機関の運転条件が、VTC作動域からVTC非作動域、例えば、低中速・高負荷領域から低中速・低負荷領域へと移行すると、吸気側カム軸13の位相角が進角した位置から最遅角位置へと短時間で移行(遅角)する。
このとき、上述した図3の場合とは逆に、スロットル開度TVO、機関回転速度Neが同一であっても筒内吸入空気量が減少するため、ドライバーが意図しないトルク段差が発生する。
【0031】
そして、筒内吸入空気量の減少は、吸気系容積分の慣性による応答遅れの影響により、瞬時にAFM4を通過する空気流量に反映されないため、一時的にAFM4で検出した量よりも少ない空気が筒内に流入することとなり、リッチスパイクが発生する。
そこで、バルブタイミングが変更するVTC作動時においては、筒内吸入空気量の変動を抑制するように、スロットル開度TVOを調整する。
【0032】
具体的には、スロットル開度TVO、機関回転速度Ne、バルブタイミング(実VTC作動角)を検出し、このときに筒内に吸入される筒内吸入空気量(推定吸入空気量Qt)を推定する。そして、推定吸入空気量QtとAFM4で検出した応答遅れを有する吸入空気量Qaとの差分に応じて、スロットル開度TVOを調整することで筒内吸入空気量の変動を抑制する。
【0033】
なお、検出された機関回転速度Ne、バルブタイミング(実VTC作動角)に対して、バルブタイミング変更直前の筒内吸入空気量を一定に保持するようにスロットル開度を求めて、スロットルバルブ5を直接制御するようにしてもよい。
これによりトルク段差の発生及びリーン/リッチスパイクの発生を抑制する。
従って、本実施形態においては、吸気バルブ10のバルブタイミングを早める制御(VTC進角制御)を行っているときは、スロットル開度を絞る方向に調整することになり、バルブタイミングを遅くする制御(VTC遅角制御)を行っているときは、スロットル開度を開く方向に調整することになる。
【0034】
また、VTC進角制御時及び制御終了直後においては、AFM4を通過する空気流量は、前記吸気応答遅れの影響により吸入負圧が発達の過程にあるため、上述したようにスロットル開度を調整したとしても、AFM4で検出した吸入空気量Qaが実際に筒内に吸入される筒内吸入空気量の変動を十分に反映したものとは言えない。
【0035】
従って、空燃比の変動を抑制して燃費性能及び排気性能の向上を図るには、実際の筒内吸入空気量を更に精度よく推定し、この推定した筒内吸入空気量に基づいて燃料噴射量を設定する必要がある。
ここで、VTC進角制御に伴う定常時の吸入負圧の変動、吸入空気量の変動、燃料噴射量の要求値の変動は、図4に示すような関係にあり、吸入負圧に対応する吸入空気量及び要求燃料噴射量を求めることが可能である。
【0036】
従って、吸入負圧の未発達分を考慮して実際の筒内吸入空気量を精度よく推定して直接燃料噴射量を設定するようにしてもよいが、本実施形態では、AFM4で検出された吸入空気量Qaに基づいて設定された基本燃料噴射量Tpを、吸入負圧の未発達分に応じた補正を行うことにより、空燃比の変動を抑制するようにしている。
【0037】
具体的には、スロットル開度TVO、機関回転速度Ne、バルブタイミング(実VTC作動角)を検出し、あらかじめ設定されたスロットル開度TVO、機関回転速度Ne、バルブタイミングの3次元マップを参照して、その状態で発生すべき目標吸入負圧(目標Boost)を算出する。
そして、算出した目標吸入負圧(目標Boost)と吸入負圧センサ16により検出される応答遅れを有する実際の吸入負圧(実Boost)との差分に応じて、設定された基本燃料噴射量(燃料噴射パルス幅)Tpを補正する。
【0038】
なお、目標吸入負圧(目標Boost)とは、そのときの機関の運転条件において定常時に発生すべき吸入負圧のことである。
これにより、空燃比のリーン化/リッチ化を防止して、燃費性能を向上させることができる。
従って、本実施形態においては、筒内吸入空気量の変動を抑制するようにスロットル開度が調整されるため、VTC進角制御時及びその直後は、設定された基本燃料噴射量Tpを減少させる方向に補正し、VTC遅角制御時及びその直後は、設定された基本燃料噴射量Tpを増加させる方向に調整することになる。
【0039】
以上の制御を図5のフローチャートに示す。
ステップ1では、VTC作動許可条件が成立しているか否かを判定する。
VTC作動許可条件が成立していればステップ2に進み、成立していなければ本制御を終了する。
ステップ2では、機関回転速度Ne、燃料噴射量(燃料噴射パルス幅)Tp、及び実VTC作動角を読み込む。
【0040】
ステップ3では、目標VTC作動角を算出する。これは、前記バルタイ演算回路35により機関の運転条件に基づいて算出される。
ステップ4では、前記目標作動角と実作動角との差(絶対値)がVTC制御不感帯Δθ以上であるか否かを判定する。
その差(│目標VTC作動角―実VTC作動角│)がΔθであればステップ5に進み、その差(│目標VTC作動角―実VTC作動角│)がΔθ未満であれば本制御を終了する。
【0041】
ステップ5では、可変バルブタイミング装置15により吸気側カム軸13を前記目標VTC作動角へと回転させ、バルブタイミング制御を実行する。
ステップ6では、実VTC作動角に応じた要求補正空気量を算出する。
具体的には、筒内に吸入される吸入空気量の推定値(推定筒内吸入空気量)Qtを算出すると共に、AFM4で実際の吸入空気量Qaを検出し、その差分ΔQ(要求補正空気量)を算出する。
【0042】
ここで、前記推定筒内吸入空気量Qtは、スロットル開度TVO、機関回転速度Ne及びバルブタイミング(吸気側カム軸13の実VTC作動角)を検出して、例えば図6に示すような3次元マップを参照して算出する。
ステップ7では、吸入空気量の補正を実行する。
具体的には、前記推定筒内吸入空気量QtとAFM4で検出した吸入空気量Qaとの差ΔQに相当するスロットル開度ΔTVOを算出し、ΔTVOだけスロットルバルブ5の開度を調整する。
【0043】
これにより、VTC進角制御あるいは遅角制御に伴う筒内吸入空気量の変動を防止してトルク段差の発生、リーン/リッチスパイクの発生を抑制する。
ステップ8では、現状の吸入負圧(実Boost)を吸入負圧センサ16により検出する。
ステップ9では、目標吸入負圧(目標Boost)を算出する。
【0044】
ここで、前記目標吸入負圧は、スロットル開度TVO、機関回転速度Ne及びバルブタイミング(吸気側カム軸13の実VTC作動角)を検出して、例えば図7に示すような3次元マップを参照して算出する。
ステップ10では、目標吸入負圧と現状の吸入負圧との差(絶対値)を算出し、その差が吸入負圧補正閾値ΔPb以上であるか否かを判定する。
【0045】
その差(│目標Boost―実Boost│)がΔPb以上であればステップ11に進み、その差(│目標Boost―実Boost│)がΔPb未満であれば燃料噴射量の補正を行わずに本制御を終了する。
ステップ11では、目標吸入負圧と現状の吸入負圧との差分に応じた燃料噴射量補正値ΔTpを、あらかじめ実験等により求めてある図8に示すようなテーブル等を検索して算出する。
【0046】
ステップ12では、AFM4で検出した吸入空気量Qaに基づいて設定された基本燃料噴射量(基本燃料噴射パルス幅)Tpから、ステップ11で算出した燃料噴射量補正値ΔTpを減算することで基本燃料噴射量Tpを補正する。
そして、補正後の燃料噴射量(燃料噴射パルス幅)Tp'を出力して、燃料噴射を実行する。
【0047】
これにより、実際の筒内吸入空気量に対応した量の燃料を噴射でき、空燃比のリーン化/リッチ化のはね返りを防止できる。
図9は、VTC進角制御時における本制御のタイムチャートを従来のものと比較したものである。
なお、VTC進角制御時としては、例えばアイドル停止又は自走からの発進加速時やコースティング減速(アイドルSW ON)からの再加速時がある。
【0048】
図に示すように、従来の制御では、VTC進角制御時においてスロットル開度TVOは一定であるので、上述したように、吸入負圧(Boost)は低下し、筒内吸入空気量は一時的に急増した後、体積効率が向上した分増加する。
基本燃料噴射量(基本燃料噴射パルス幅)Tpは、エアフローメータ4が検出した吸入空気量Qaに応じて設定されているので、筒内吸入空気量の変動を反映したものとはなっていない。従って、筒内吸入空気量が一時的に急増したときにリーンスパイクが発生すると共にトルク段差が発生する。
【0049】
一方、本制御では、VTC作動角の進角に伴う筒内吸入空気量の増加を抑制するようにスロットル開度TVOを絞る方向に補正するので、トルク段差の発生とリーンスパイクの発生を抑制できる。
燃料噴射量(燃料噴射パルス幅)Tp'は、エアフローメータ4が検出した吸入空気量Qaに応じて設定された基本燃料噴射量Tp(破線)を、目標吸入負圧(目標Boost:破線)と実際の吸入負圧(実Boost:実線)との差分に応じて補正して設定する。これにより、実際の筒内吸入空気量に応じた燃料噴射量を設定できる。
【0050】
図10は、VTC遅角制御時における本制御のタイムチャートを従来のものと比較したものである。
なお、VTC遅角制御時としては、例えばパーシャル領域(VTC作動条件)からのアクセルOFF減速時やアクセル一定加速でのシフトUP時がある。
前記VTC進角制御時とは逆に、従来の制御では、VTC遅角制御時において吸入負圧(Boost)が増加し、筒内吸入空気量は一時的に急減した後、体積効率の低下分減少する。従って、筒内吸入空気量が一時的に急減したときにリッチスパイクが発生すると共にトルク段差が発生する。
【0051】
一方、本制御では、VTC遅角制御に伴う筒内吸入空気量の減少を抑制するようにスロットル開度TVOを開く方向に調整する。これにより、トルク段差の発生とリッチスパイクの発生を抑制できる。
燃料噴射量(燃料噴射パルス幅)Tp'は、VTC進角制御時と同様に、エアフローメータ4が検出した吸入空気量Qaに応じて設定された基本燃料噴射量Tp(破線)を、目標吸入負圧(目標Boost:破線)と実際の吸入負圧(実Boost:実線)との差分に応じて補正して設定する。これにより、実際の筒内吸入空気量に応じた燃料噴射量を設定できる。
【0052】
なお、以上の説明では吸気バルブのバルブタイミングを可変制御する内燃機関について説明したが、これに限られるものではなく、例えば吸気バルブ及び排気バルブのバルブタイミングを可変制御する内燃機関に対しても適用できる。この場合は、バルブタイミングとして吸気バルブ及び排気バルブのバルブタイミングを検出する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のシステム構成を示す図。
【図2】同じく制御ブロック図。
【図3】VTC進角制御に伴う筒内吸入空気量、コレクタ出口部空気流量、AFM通過空気流量の変化を示す図。
【図4】バルブオーバーラップ量の変化に伴う吸入負圧、吸入空気量、燃料噴射量の変化を示す図。
【図5】本発明の吸入空気量制御、燃料噴射量制御を示すフローチャート。
【図6】筒内吸入空気量の予測値Qt算出用のマップの1例を示す図。
【図7】目標吸入負圧算出用のマップの1例を示す図。
【図8】燃料噴射補正量ΔTp算出用テーブルの1例を示す図。
【図9】VTC進角制御時における従来制御のタイムチャート(A)と本発明に係る制御のタイムチャート(B)。
【図10】VTC遅角制御時における従来制御のタイムチャート(A)と本発明に係る制御のタイムチャート(B)。
【符号の説明】
1 内燃機関
2 吸気通路
4 エアフローメータ(AFM)
5 スロットルバルブ
6 コレクタ
7 燃焼室
8 燃料噴射弁
10 吸気バルブ
11 排気バルブ
13 吸気側カム軸
14 排気側カム軸
15 可変バルブタイミング装置
16 吸入負圧センサ
18 スロットル開度センサ
20 クランク角度センサ
21 カム角度センサ
30 ECU
Claims (4)
- 可変バルブタイミング装置を備えた内燃機関の制御装置であって、
バルブタイミングが変化する過渡的な運転条件で、バルブタイミングとスロットル開度と機関回転速度とに基づいて目標吸入負圧を算出し、算出した目標吸入負圧と吸入負圧の検出値との差に基づいて燃料噴射量を調整することを特徴とする内燃機関の制御装置。 - スロットルバルブ上流側で検出した吸入空気量に基づいて設定された基本燃料噴射量に対して、前記目標吸入負圧と実際の吸入負圧との差分に応じた補正を行うことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
- 前記目標吸入負圧は、スロットル開度と、機関回転速度と、バルブタイミングとの3次元マップを参照して算出されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の内燃機関の制御装置。
- バルブタイミングの変化に対して、スロットル開度を調整することにより筒内に吸入される吸入空気量の変動を抑制することを特徴とする請求項1から請求項3記載のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
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