JP2016124774A - ヨウ素の回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】様々なヨウ素含有廃液から高収率でヨウ素を回収することができる汎用的なヨウ素の回収方法を提供する。【解決手段】ヨウ化物イオンを含む溶液に酸化剤を添加することにより前記ヨウ化物イオンをヨウ素に酸化し、前記ヨウ素を有機溶媒に移行させ、前記ヨウ素を含む第1の有機相を分離し、前記第1の有機相に還元剤水溶液を添加することにより前記ヨウ素をヨウ化物イオンに還元して、前記ヨウ化物イオンを含む水相を分離することを含むことを特徴とするヨウ素の回収方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ヨウ素の回収方法に関する。さらに詳しくは、様々なヨウ素含有廃液から高収率でヨウ素を回収することができるヨウ素の回収方法に関するものである。
ヨウ素は、うがい薬、放射線障害予防薬などの医薬品原料、レントゲン造影剤、樹脂安定化剤、抗菌剤、触媒、液晶ディスプレイに使う偏光フィルムなど幅広く利用されており、ヨウ素を含む製品は多くの企業で研究開発、生産されている。
一方で、ヨウ素は、ヨウ化物イオンやヨウ素化合物などの状態で海水、海草、かん水、鉱物(硝石)などに含まれているが、非常に低濃度であるため、経済的に採取できる地域は極めて限られている。このようにヨウ素は、貴重な天然資源でもあるためその有効利用という観点から回収・リサイクルが重要である。現状では、レントゲン造影剤や偏光フィルム製造浴などの使用済み廃液からヨウ素を回収・リサイクルしているものの、リサイクルされているヨウ素は使用量のごく一部に過ぎないのが現状である。
従来のヨウ素回収技術としては、ヨウ化物イオンを塩素ガスなどの酸化剤を用いて酸化し、揮発しやすい単体ヨウ素(I)に変換し、ガス化させることにより回収するブローアウト法(特許文献1)、ヨウ素含有物にアルカリ金属化合物および溶剤を混合し、得られた混合物を燃焼炉に導入し、熱処理ガス中に含まれるヨウ素化合物をアルカリ性の水溶液に吸収させる燃焼法(特許文献2)、ヨウ素含有物を燃焼炉に連続的に供給して遊離ヨウ素を発生させ、このヨウ素ガスをチオ硫酸ナトリウム水溶液などで吸収する焼却連続酸化法などが知られている。
特開昭51−106695号公報 特開平06−157005号公報
ヨウ素含有廃水には一般に、有機物(BOD)のほか、重金属類やホウ素、リンなどの種々の排水規制物質が含まれる可能性がある。しかしながら、上記のような従来技術では、燃焼法以外では有機物(BOD)が廃水に含まれることから、BODを低下させる工程を設ける必要がある等、河川排水するための手間とコストがかかるという問題があった。また、廃水にホウ素やリンが含まれる場合、燃焼工程において炉を傷めることから、前処理が必要とされるなど、処理方法が限定されるという問題もあった。さらに、ブローアウト法では揮発性の有機物を分離できないことから、有機物(BOD)を含む廃水からのヨウ素の回収は基本的に燃焼法によっていた。一方、燃焼法によると、上記のように燃焼炉を腐食する成分を含む廃水に適用できないという問題があった。このように、結局のところ各方法には長所とともに短所も伴うことから、処理に供される廃水の組成に応じて好適なヨウ素の回収方法を適用する限り、廃水の組成変化に応じてヨウ素の回収方法も変更を迫られ、設備の面でも作業の面でも効率的ではないという問題がある。
そこで本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、様々なヨウ素含有廃液から高収率でヨウ素を回収することができる汎用的なヨウ素の回収方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った。その結果、廃水に含まれるヨウ化物イオンをヨウ素に酸化した後、有機溶媒で抽出し、これを還元した後、水系溶媒で抽出(逆抽出)することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ヨウ化物イオンを含む溶液に酸化剤を添加することにより前記ヨウ化物イオンをヨウ素に酸化し、前記ヨウ素を有機溶媒に移行させ、前記ヨウ素を含む有機相(本明細書中、「第1の有機相」とも称する)を分離し、前記第1の有機相に還元剤水溶液を添加することにより前記ヨウ素をヨウ化物イオンに還元して、前記ヨウ化物イオンを含む水相を分離することを含むことを特徴とするヨウ素の回収方法である。
本発明によれば、様々なヨウ素含有廃液から高収率でヨウ素を回収することができる汎用的なヨウ素の回収方法が提供される。
本発明の一実施形態に係るヨウ素の回収方法のフロー図である。
本発明は、ヨウ化物イオンを含む溶液に酸化剤を添加することにより前記ヨウ化物イオンをヨウ素に酸化し、前記ヨウ素を有機溶媒(以下、「第1の有機相」とも称する)で抽出し、前記ヨウ素を含む第1の有機相を分離し、前記第1の有機相に還元剤水溶液を添加することにより前記ヨウ素をヨウ化物イオンに還元して、前記ヨウ化物イオンを含む水相を分離することを含むヨウ素の回収方法である。本発明においてヨウ化物イオンとは、特に限定しない限り、I、I 、IO などヨウ素を含むイオン一般を意味する。
このような構成とすることにより、様々なヨウ素含有廃液から高収率でヨウ素を回収することができる汎用的なヨウ素の回収方法が提供される。
なぜ、本発明のヨウ素の回収方法によると様々なヨウ素含有廃液から高収率でヨウ素を回収することができるのか、詳細な理由は不明であるが、以下のような理由であると考えられる。
従来のブローアウト法などによると析出したヨウ素を大量の水を使用して洗浄する必要がある。このような方法では多量の廃水が出るため、その処理に多くのコストがかかる。
一方、本発明に係るヨウ素の回収方法においては、廃水中に含まれるヨウ化物イオンを有機溶媒に可溶なヨウ素へと酸化し、これを有機溶媒により抽出することにより選択的にヨウ素のみを取り出すことができる。このため大量の水による洗浄工程を要さず廃水量を大幅に削減することが可能となる。また、このようにヨウ素のみを抽出する方法によれば、燃焼工程を後に入れたとしても炉を傷めるホウ素やリンを、ヨウ素の最初の酸化工程において予め除去することが可能である。さらに、水溶性である重金属類やホウ素、リンなどの排水規制物質は、ヨウ素を有機溶媒で抽出する際に水相へ移行することから、この工程においてヨウ素と分離することができる。また、有機物(BOD)はヨウ素が還元されたヨウ化物イオンの逆抽出工程では有機相へ移行することから、この工程においてやはりヨウ素と分離される。このようにして、本発明に係るヨウ素の回収方法によれば、簡便な手法により、廃水に含まれる排水規制物質の種類や量に依存しない汎用的なヨウ素の回収方法が提供されるのである。よって、ホウ素やリンを含有する製品の製造工程から出る廃液の処理にも対応することができ、様々なヨウ素含有廃液から高収率でヨウ素を回収することができる。
なお、上記のメカニズムは推定によるものであり、本発明は上記メカニズムに何ら限定されるものではない。
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。
<ヨウ素の回収方法>
本発明のヨウ素の回収方法は、ヨウ化物イオンのヨウ素への酸化、前記ヨウ素を含む第1の有機相の分離、ヨウ素を還元して得られたヨウ化物イオンを含む水相の分離の3つの工程を有する。各工程の間には、必要に応じて他の工程を設けてもよい。
〔ヨウ化物イオンのヨウ素への酸化〕
ヨウ化物イオンを含む溶液に酸化剤を添加してヨウ化物イオンをヨウ素に酸化する。酸化されたヨウ素は、水に溶けにくいため(0.029g/100mL、20℃)、水から析出する。水から析出したヨウ素は、あらかじめ有機溶媒を含まない条件で本工程を実施した場合、廃液中に沈殿する。ヨウ素を溶解する有機溶媒の存在下で本工程を実施した場合には、生成したヨウ素は速やかに有機溶媒の相(すなわち、第1の有機相)に溶解する。よって、ヨウ化物イオンを含む含水溶液からヨウ素を選択的に抽出分離することができる。
(ヨウ化物イオンを含む溶液)
本発明に係るヨウ素の回収方法の対象となる廃水(ヨウ化物イオンを含む溶液)は、ヨウ素含有物を水溶液にするなど処理に適した形に調製した溶液であってもよい。ヨウ素含有物としては、ヨウ素、ヨウ化水素、ヨウ素酸化物、ヨウ素酸、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、ヨウ素のハロゲン化物、ヨウ素塩、有機ヨウ素化合物等を含む液体または固体であってもよい。
ヨウ素含有物が液体である場合、酸性水溶液、塩基性水溶液または有機溶媒を溶媒とする溶液であってもよい。各々の性状は高粘性液体、固体であってもよい。ヨウ素含有物自身が液状のものは、水等の溶媒を適宜加えて希釈した水溶液としてからヨウ化物イオンの酸化を行ってもよく、ヨウ化物イオンの濃度が低い溶液の場合は濃縮してからヨウ化物イオンの酸化を行ってもよい。
ヨウ素含有物が固体のものは、水または水を含む適当な溶媒に溶解させることでヨウ化物イオンを含む含水溶液とする。ヨウ素含有物が、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨードベンゼン、ヨードトルエン、2,4,6−トリヨード−1,3−ベンゼンジカルボン酸誘導体などの有機ヨウ化物である場合は、公知の方法により分解してヨウ化物イオンを含む水溶液とすることができる。このような有機ヨウ素化合物の分解方法としては、例えば、アルカリ条件下で、銅を触媒として有機ヨウ素化合物を分解する方法などが挙げられる。
酸性系ヨウ素含有溶液としては、例えば、ヨウ素、ヨウ化水素、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化アンモニウム、一塩化ヨウ素、ヨウ素酸などが水は勿論、塩酸、硫酸等の無機酸、ギ酸、酢酸等の有機酸などが溶解した酸性水溶液に溶解したものが挙げられる。
塩基性系ヨウ素含有溶液としては、例えば、ヨウ素、ヨウ素酸ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウムなどが水は勿論、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニアなどの塩基、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミンが溶解した塩基性水溶液に溶解したものなどが挙げられる。この他、偏光膜製造などの際に出るホウ素を含有する廃液などにも本発明に係るヨウ素の回収方法を適用することが可能である。
ヨウ化物イオンを含む溶液に含まれるヨウ化物イオンの濃度としては、1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは3質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%以上である。また、ヨウ化物イオンを含む水溶液の濃度の上限として好ましくは、60質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下である。このような範囲であれば、ヨウ素の回収率が損なわれることを防ぐことができる。
(酸化剤)
本工程においては、上記のような廃液(ヨウ化物イオンを含む溶液)に含まれるヨウ化物イオンを酸化剤により酸化することによりヨウ素に変換する。ヨウ化物イオンの酸化に使用される酸化剤としては、ヨウ化物イオンをヨウ素に酸化することができるものであれば特に限定されず、例えば、酸素もしくはオゾン、または過マンガン酸類、重クロム酸類、クロム酸類、または分子状ハロゲン、またはハロゲン酸類もしくはその塩が挙げられる。過マンガン酸類としては、過マンガン酸カリウムが用いられ、重クロム酸類としては、重クロム酸やその塩が用いられ、クロム酸類としては、クロム酸やそのピリジン塩が用いられる。ハロゲン酸類としては、塩素、臭素、ヨウ素の次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、ハロゲン酸又は過ハロゲン酸が用いられる。これらの塩としては、リチウム、カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩が用いられる。酸化剤として、塩素ガス、臭素ガスなど分子状ハロゲンを使用してもよい。場合によっては、ハロゲン酸類もしくはその塩と分子状ハロゲンを併せて用いることができる。これらの酸化剤のうち、適度な酸化力を有し、かつ、水溶液として添加することでヨウ化物イオンの酸化を容易に制御できる観点から、好ましくは次亜ハロゲン酸またはその塩であり、より好ましくは次亜塩素酸塩であり、特に好ましくは次亜塩素酸ナトリウムである。
酸化剤として一般的に使用される塩素では、キシレンなどの有機溶媒の一部も酸化されるため有機溶媒が水相に混入してしまう。その結果、一部のヨウ素が水相に残存してしまい回収率の低減につながることがある。
一方、次亜塩素酸塩を使用してヨウ化物イオンを酸化すると、有機溶媒存在下で行っても有機溶媒を酸化することなくヨウ化物イオンを選択的に酸化することができる。このためヨウ化物イオンの酸化と有機溶媒によるヨウ素の抽出を一つの工程で連続的に行うことができる。
また、次亜塩素酸塩によるヨウ化物イオンの酸化は、酸性条件下で行うことが好ましい。次亜塩素酸塩によるヨウ化物イオンの酸化は、下記の反応式で表されるように進行するため、プロトンの濃度を高くすることによりヨウ素の回収率を向上させることができるためである。
一方で、次亜塩素酸塩などの酸化剤を使用してヨウ化物イオンを酸化すると下記のような反応により水酸化物イオンが生成し、酸が消費され、さらにヨウ化物イオン(I)がヨウ素酸イオン(IO )まで酸化されてしまうことが明らかになった。ヨウ素酸イオンまで酸化されると、回収するべきヨウ素が水相に残存してしまい、回収効率が低下してしまう。
このため酸性条件を維持しながらヨウ化物イオンの酸化を行うことにより水酸化物イオンを速やかに中和することでヨウ素酸イオンの生成を抑制することが好ましい。なお、酸性条件下とは、pH7未満であり、好ましくはpH4未満である。また、このように酸性条件下においてヨウ化物イオンの酸化を行うと、ヨウ素含有溶液に炭酸塩が含まれる場合には当該炭酸塩が炭酸(二酸化炭素)ガスへと変換して系外へと排出することが可能となる(脱炭酸処理)。したがって、かような脱炭酸処理は、炭酸塩を含むヨウ素含有溶液(例えば、偏光膜の製造プロセスからの廃液など)からヨウ素を回収する場合に特に好適に採用されうる。
本発明の好ましい一実施形態においては、次亜ハロゲン酸またはその塩などの酸化剤の水溶液に所定のプロトン酸を含ませた酸化剤水溶液を使用することができる。このような酸化剤水溶液を使用すると、化学式2−1の反応によって水酸化物イオンが生成しても速やかにプロトンによって中和され、化学式2−2の反応が抑制されると共にpHの上昇を抑制することができる。その結果、水酸化物イオン(I)がヨウ素酸イオン(IO )まで酸化されてしまうことを防ぐことができる。結果として、ヨウ化物イオンを含む水溶液に溶解していたヨウ化物イオンのほぼ全量をヨウ素として有機溶媒で抽出することが可能となる。ただし、酸化剤の添加形態は上述したような酸との混合添加に限られず、予め酸をヨウ素含有溶液に添加して酸性条件とした後に、別途酸化剤を添加する形態が採用されてももちろんよい。
酸化剤に含ませるプロトン酸としては、特に限定されないが、水溶性のプロトン酸であることが好ましく、より好ましくは酢酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、ジアセチル酒石酸、リンゴ酸、アジピン酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ポリ酸であり、さらに好ましくは無機酸であり、さらにより好ましくは塩酸、硫酸、硝酸、リン酸である。酸化剤の水溶液に添加する酸としては、中和後に水に溶けにくい塩を作らないことが好ましく、特に好ましい酸は、塩酸である。
塩酸を使用することにより、ヨウ化物イオンを含む水溶液の濃度を塩化ナトリウム(NaCl)の溶解度まで高くすることが可能となる。具体的には、NaClの溶解度が20℃で26.4質量%であるから、仮に12%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液に36%塩酸を添加してヨウ化物イオンの酸化を行う場合、NaIの飽和濃度である64.1質量%(20℃)程度のヨウ化物イオンを含む水溶液からヨウ素を回収することが可能となる。
酸化剤水溶液の濃度は、ヨウ化物イオンの量に応じて適宜調整することができるが、3質量%以上であることが好ましく、より好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは10質量%以上である。また、酸化剤水溶液の濃度は、50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下である。このような濃度範囲であれば、取扱い性や処理効率の点から好ましい。
プロトン酸の添加量としては、ヨウ化物イオンに対して1当量以上であることが好ましく、より好ましくは1.2当量以上である。また、プロトン酸の添加量は、5当量以下であることが好ましく、より好ましくは3当量以下である。このような範囲であれば、低コストであり、十分にヨウ素酸の生成を抑制することができる。
ヨウ化物イオンのヨウ素への酸化の程度は、酸化還元電位(ORP)を参照することによりモニターすることができる。本発明に係るヨウ素の回収方法では、ヨウ化物イオンのヨウ素への酸化を、酸化還元電位が680〜730mVになるまで行うことによりヨウ化物イオンのほぼ全量をヨウ素へと酸化することができる。
本発明の好ましい一実施形態においては、上記ORPを参照しながら、次亜塩素酸の酸性水溶液を使用してヨウ化物イオンの酸化を行うことである。このような方法によりヨウ化物イオンの酸化を実施することにより酸化が過度に進行しヨウ素酸イオンが生成してヨウ素の回収率が低下することを抑制することができる。また、第1の有機相が酸化されることがないためヨウ素の回収を連続的に行うことができる。
本発明のより好ましい実施形態においては、上記ORPを参照しながら、ヨウ化物イオンに対して1.2当量以上の塩酸を含む次亜塩素酸水溶液を使用してヨウ化物イオンの酸化を行うことである。酸として塩酸を使用することにより水に不溶な塩が生成することがなくなり、より高濃度のヨウ化物イオンを含む水溶液の酸化が可能となる。
〔ヨウ素を含む有機相(第1の有機相)の分離〕
上記工程においてヨウ化物イオンをヨウ素へと酸化した後、このヨウ素を有機溶媒(第1の有機相)に移行させる。そして、この第1の有機相は、ヨウ素の抽出後、水相から分離される。前記水相は、前記ヨウ化物イオンを含む水溶液(廃液)からヨウ素および前記有機溶媒に溶解する成分を有機溶媒に移行させた後に残留する、上記第1の有機相以外の部分としての水溶液である。
(有機溶媒)
前記ヨウ化物イオンをヨウ素に酸化する工程にて生成したヨウ素を抽出する有機溶媒としては、ヨウ素の溶解度が大きく、毒性が小さく、ハンドリングが容易であり、水への溶解度が小さいことが好ましい。このような有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、炭素数6〜10の芳香族炭化水素、炭素数6〜10およびハロゲン数1〜3のハロゲン化芳香族炭化水素、炭素数3〜10のエステル、および炭素数2〜10のエーテルが挙げられる。
炭素数6〜10の芳香族炭化水素としては、特に限定されないが、例えば、o−キシレン、m−キシレンもしくはp−キシレン、またはこれらの混合物(混合キシレン)の他、トルエン、メシリレン、テトラリンなどが挙げられる。
炭素数6〜10およびハロゲン数1〜3のハロゲン化芳香族炭化水素としては、クロロベンゼン、ヨードベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロヨードベンゼン、フルオロヨードベンゼン、ヨードベンゾフルオリド、ヨードトルエン、フルオロヨードトルエン、ヨードアニソール、ジクロロヨードベンゼン、ジフルオロヨードベンゼン、ジメチルヨードベンゼン、エチルヨードベンゼン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼン、n−ブチルヨードベンゼン、tert−ブチルヨードベンゼン、ヨードナフタレン、トリクロロヨードベンゼン、テトラメチルヨードベンゼンなどが挙げられる。
炭素数3〜10のエステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。
炭素数2〜10のエーテルとしては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ベンジルメチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、ビス(2−クロロエチル)エーテル、ビス−(2−クロロイソプロピル)エーテル、ビス(2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル)エーテル、1−メトキシプロパン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどが挙げられる。
上記有機溶媒として好ましくは、ヨウ素の溶解度の観点からトルエン、混合キシレン、p−キシレン、酢酸ブチルであり、より好ましくはトルエン、混合キシレン、p−キシレンである。これらのうち特に好ましくは、コストの観点から混合キシレンである。
ヨウ素を有機溶媒に移行させる際に使用される有機溶媒の質量は、ヨウ素の質量に対して3倍以上であることが好ましく、より好ましくは5倍以上であり、さらに好ましくは8倍以上である。また、有機溶媒の質量は、ヨウ素の質量に対して20倍以下であることが好ましく、より好ましくは、15倍以下であり、さらに好ましくは12倍以下である。このような範囲であれば、生成したヨウ素を有機溶媒で効率的に回収することができる。
なお、ヨウ素を抽出する有機溶媒(第1の有機相)は、ヨウ化物イオンの酸化の際に、ヨウ化物イオンを含む水溶液と共存していてもよく、ヨウ化物イオンの酸化終了後に初めて、ヨウ化物イオン酸化後の水溶液と混合されてもよい。また、有機溶媒の添加、および第1の有機相と水相との分離は、複数回行ってもよい。
(分離)
本工程において第1の有機相を分離する前の溶液は、上記有機溶媒の水への溶解度が低いことにより水相と第1の有機相の二相からなる。これら水相と第1の有機相は、容器に設けられた排液管を開閉することによって、分離して抜き出してもよく、デカンテーションによって水相または有機相のうち上の相を分離してもよく、その他公知の方法により分離することができる。
分離後の水相は、必要に応じて濃縮、ろ過、遠心分離、デカンテーションなど公知の精製処理を必要に応じて行った後、外部処理に引き渡すことができる。
〔ヨウ素を還元して得られた、ヨウ化物イオンを含む水相の分離(逆抽出)〕
水相から分離した第1の有機相に含まれるヨウ素は、第1の有機相に還元剤水溶液を添加することにより、ヨウ化物イオンとして水相に抽出(逆抽出)される。この操作を行うことにより、有機溶媒に可溶な不純物を含みうる第1の有機相からヨウ素を分離することができる。例えば、ヨウ化物イオンとともに有機物を含む溶液を本発明に係るヨウ素の回収方法により処理する場合、有機溶媒に可溶な不純物とヨウ素とを分離することができる。本明細書では、水相に抽出(逆抽出)されたヨウ化物イオンを第1の有機相から分離した後の残留有機相を「第2の有機相」とも称する。
(還元剤)
還元剤水溶液の調製に使用されうる還元剤としては、ヨウ素をヨウ化物イオンに還元できるものであれば特に限定されないが、例えば、ヘキサシアノ鉄(II)など鉄(II)を含む有機錯体もしくは鉄(II)を含む無機塩、水素化ホウ素ナトリウム、スズ(II)イオン、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ硫酸塩、アルカリ金属アマルガム、ヒドラジン、ギ酸、シュウ酸、マロン酸などが挙げられる。これらのうち好ましくは、取扱い性が良く、低コストであり、水溶液として使用し得る観点から、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩であり、より好ましくは亜硫酸水素塩であり、特に好ましくは亜硫酸水素ナトリウムである。
還元剤水溶液の濃度の下限として、好ましくは3質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは7質量%以上である。また、還元剤水溶液の濃度の上限として、好ましくは35質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下である。このような範囲であれば、第1の有機相に含まれるヨウ化物イオンを効率的に還元することができる。
還元剤の添加量は、本発明に係るヨウ素の回収方法を適用するヨウ化物イオンを含む水溶液の濃度に応じて適宜調整することができる。
また、水に溶けにくい塩を精製する場合には適宜水を添加することにより、溶解することができる。還元剤を溶解する水としては、回収するヨウ素に求められる純度によって選択することができ、水道水、イオン交換水、純水、超純水などが挙げられる。
ヨウ素のヨウ化物イオンへの還元の程度は、酸化還元電位(ORP)を参照することによりモニターすることができる。本発明に係るヨウ素の回収方法では、ヨウ素のヨウ化物イオンへの還元を、酸化還元電位が130mV以下になるまで行うことによりヨウ素の還元を完了することができる。
本発明の好ましい一実施形態においては、上記ORPを参照しながら、亜硫酸水素ナトリウム水溶液などの還元剤水溶液を添加してヨウ素の還元を行うことである。このような方法によりヨウ素の還元を実施することによりヨウ素がヨウ化物イオンに完全に還元されたことを確認できる。よって、本工程におけるヨウ素の回収ロスを減らすことが可能となる。
(分離)
第2の有機相を水相から分離する前の段階では、前記有機溶媒の水への溶解度が低いため水相と第2の有機相は相分離している。これら水相と第2の有機相は、容器に設けられた排液管を開閉することによって、分離して抜き出してもよく、デカンテーションによって水相または有機相のうち上の相を分離してもよく、その他公知の方法により分離してもよい。
本工程によりヨウ素を取り出した後の有機相である第2の有機相は、第1の有機相に混合して再利用することができる。第2の有機相を再利用することにより有機溶媒の使用量を削減でき、コスト削減、環境負荷の低減を図ることができる。
第2の有機相を第1の有機相に混合する前に必要に応じて精製処理を行ってもよい。例えば、第2の有機相に不純物が含まれている場合には、水洗、ろ過、蒸留など公知の精製処理によりこれらの不純物を除去した後、第2の有機相を第1の有機相と混合してもよい。例えば、有機ヨウ素化合物を銅触媒の存在下で分解した後の溶液を処理する場合、有機溶媒以外の有機化合物が不純物として第2の有機相に溶解する場合がある。このような不純物は、第2の有機相から除去した上で再利用することが好ましい。
〔逆抽出後の精製工程〕
本発明に係るヨウ素の回収方法では、逆抽出により得られたヨウ化物イオンを含む水相を未処理のままヨウ素の製品化工程(酸化→ヨウ素溶融→製品化)に供してもよく、さらに精製処理してもよい。
逆抽出により得られたヨウ化物イオンを含む水相をさらなる精製工程に供することにより高純度なヨウ素を得ることができる。このような精製処理としては、特に限定されないが、例えば、焙焼処理、ブローアウト処理、活性炭処理などが挙げられる。
(焙焼処理工程(R−ID))
焙焼処理とは、焙焼炉にヨウ化物イオンを含む水相を供給して熱処理により可燃物を燃焼させ、有機物、窒素系有機物をCO、HO、Nに酸化分解し、ヨウ素分を安定な塩とし水または水溶液に吸収させる精製方法である。ヨウ素及びヨウ素化合物を含有する様々なヨウ素含有溶液に適用可能であり、精製ヨウ素を経済的に高収率で安全に回収することができる。詳細については、特許第5134951号公報等を参照することができる。
(ブローアウト処理工程)
ヨウ化物イオンを含む水相に酸化剤を加えてヨウ素(I)を遊離させた後に空気と接触させ、その空気でヨウ素を追い出し(ブローアウト)、それを吸収・晶析・精製してヨウ素を精製する方法である。本発明に係るヨウ素の回収方法により得られた、逆抽出後のヨウ化物イオンを含む水相に適用することにより純度の高いヨウ素を回収することができる。詳細については、特許第2732642号公報等を参照することができる。
(活性炭処理工程)
ヨウ化物イオンを含む水相を活性炭槽に送り込み、ヨウ素析出を阻害する各種の有機物、特に高分子物質などを予め除去することにより、本発明に係るヨウ化物イオンの酸化によりヨウ素を析出させた際に、ヨウ素を沈降させやすくすることができる。詳細は、特開2006−218475号公報等を参照することができる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
[分析方法]
(硝酸銀滴定:I含有量測定)
本発明に係るヨウ素の回収方法の各工程におけるIの含有量を硝酸銀滴定により測定した。
200mlビーカーに試料を秤量しながら加えた。秤量後、33%次亜リン酸水溶液を0.5ml加え無色となったことを確認した後、純水にて100mlまで希釈しNaClを適当量加えた。電位差自動滴定装置を起動し設定確認後、上記調製液の入ったビーカーを設置し0.1mol/l硝酸銀水溶液を用いて滴定した。
試料の量の目安は下記の通りである。
(ガスクロマトグラフィー分析:水相に含まれる有機溶媒量測定)
第1の有機相存在下でヨウ化物イオンを酸化後、水相に含まれる有機溶媒量をガスクロマトグラフィーによって分析した。分析条件は、下記の通りである。
使用機器:GC SHIMADZU GC−14B
カラム:G−205
昇温条件:100℃(5分保持)→昇温(10℃/分)→200℃(15分保持)
注入量:0.5ml+空気0.5ml
検出器:FID
注入部温度:200℃
検出部温度:200℃
キャリアガス:He
流量:20ml/分
クロマトパック C−R8A
WIDTH 5 SLOPE 30
DRIFT 0 MIN.ARIA 100
T.DBL 0 STOP.T 30
ATTEN 3 SPEED 2.5
METHOD 1
[ヨウ素の抽出に使用する有機溶媒の選択]
(実験例1)
300mlナスフラスコに表2に記載の有機溶媒200mlを仕込み、マグネチックスターラーを用いて攪拌した。そこにヨウ素80gを加え、溶解度測定温度に調温した水浴中で1時間攪拌した。攪拌1時間後、以下の方法にてサンプリング分析した。
まず、200mlビーカーにマイクロピペットを用いて10%NaSO水溶液10mlを仕込み純水にて100mlまで希釈した。
次に、溶解測定温度に調温した水浴中で1時間攪拌したヨウ素スラリー溶液の溶液部1mlを、マイクロピペットを用いてサンプリングし、上記200mlビーカーに添加した。
ヨウ素色が消失するまで攪拌した後、0.1mol/lの硝酸銀(AgNO)水溶液にてIの量を測定した。Iの量は、下記の式により算出した。式中、fは0.1mol/l硝酸銀水溶液の力価を意味する。
トルエン、混合キシレン、p−キシレンの溶解度はほぼ同等であっことから、より安価な混合キシレンを使用するのが最も好ましいと考えられた。
[ヨウ素回収率確認、各工程における仕込み量適正化・基準設定]
(実施例1)
・ヨウ化物イオンのヨウ素への酸化
本発明に係るヨウ素の回収方法を適用するヨウ化物イオンを含む水溶液(廃液)のモデル溶液としてヨウ化ナトリウム(NaI)水溶液を使用した。8質量%のヨウ化物イオン(I)を含むヨウ化ナトリウム水溶液は、200mlのビーカーに18.9gのNaIを加え、これを181gの水道水に溶解することにより調製した。
500mlコニカルビーカーに上記調製したヨウ化ナトリウム水溶液200gを仕込み、撹拌子で攪拌しながら塩素ガス(酸化剤)を吹き込んだ。塩素の供給につれてヨウ素が析出し、ORPが700mV程度になったところで塩素の供給を停止した。
・ヨウ素を含む第1の有機相の分離
酸化終了後、有機溶媒として混合キシレン175gを添加し、10分間撹拌した。攪拌終了後、500ml分液ロートに全量移した。30分間静置したところ、溶液は、ヨウ化物イオンが酸化されて生成したヨウ素が溶解した赤紫色の混合キシレンを上層(第1の有機相)とし、橙色の水相を下層とする二層に分離した。コックを開いて下層の水相を排液した。なお、混合キシレンによる抽出は計2回行った。
混合キシレン相(第1の有機相)を300mlコニカルビーカーに移行し、10Nの硝酸銀水溶液により滴定してヨウ素の回収率を算出した。ヨウ化物イオンのヨウ素への酸化と、ヨウ素を第1の有機相に抽出する際のヨウ素の回収率は、99%であった。酸化後の混合キシレンによる抽出を2回行ったが、ヨウ化物イオンの水相への残存は1回目0.05%、2回目0.02%であり、酸化後の混合キシレンによる抽出は1回で十分であった。
・ヨウ素を還元して得られた、ヨウ化物イオンを含む水相の分離
ヨウ素が溶解した混合キシレン相(第1の有機相)を300mlコニカルビーカーに移し、35%亜硫酸水素ナトリウム溶液(還元剤水溶液)を水道水で5倍に希釈した水溶液100.4gを加え、10分間マグネチックスターラーを用いて攪拌した。攪拌終了後、300mlの分液ロートに全量移し、30分間静置したところ、溶液は、ヨウ素が還元されて生成したヨウ化物イオンが水相に移り無色透明となった混合キシレンを上層(第2の有機相)とし、ヨウ化物イオンを混合キシレンから抽出して黄色となった水相を下層とする二層に分離した。水相のORP値は60mVであった。コックを開いて下層を取り出した。
第1の有機相に含まれるヨウ素をヨウ化物イオンに還元し水相に抽出する際のヨウ素の回収率は98%であった。また、総回収率は97%であった。
(実施例2:ヨウ化物イオン濃度上昇のヨウ化物イオンの酸化に対する影響の検討)
実施例1においてヨウ化物イオンをヨウ素へ酸化する際に、ヨウ化物イオンを含む水溶液(廃液)として16質量%のヨウ化物イオン(I)を含むヨウ化ナトリウム水溶液を使用した以外は実施例1と同様にしてヨウ素の回収を行った。総回収率は98.2%であった。このように、ヨウ化物イオンを含む水溶液中のヨウ化物イオン(I)濃度を高くしたことによる回収率の低下は見られなかった。
(実施例3:有機溶媒存在下でのヨウ化物イオン酸化の検討)
混合キシレンを200mlビーカーにあらかじめ添加した状態で塩素のバブリングを行い、ヨウ化物イオンを酸化したこと以外は実施例1と同様にヨウ素の回収を行った。総回収率は96.2%であった。
(実施例4:混合キシレン抽出時の温度の影響の検討(5℃))
ヨウ素を混合キシレンで抽出する際の温度を5℃とし、さらにヨウ化物イオンを含む水溶液の量を300gに増やしてヨウ素の回収を行った。総回収率は96.9%であった。このように、抽出時の温度を下げてもヨウ素の回収率に問題はなく、ヨウ素1gに対して混合キシレン8.7gであれば5℃の低温でも十分にヨウ素を抽出することができた。さらに、ヨウ素還元時のORPが130mV以下でキシレン相が無色となることが確認された。
(実施例5:混合キシレン抽出時の温度の影響の検討(40℃))
ヨウ素を混合キシレンで抽出する際の温度を40℃とした以外は同様にしてヨウ素の回収を行った。キシレン抽出時にヨウ素の蒸気が発生したことにより収率が2%程度低下したが、総回収率は95.1%であった。
(実施例6:還元剤水溶液の濃度の検討(2倍希釈))
ヨウ素の混合キシレンによる抽出を室温で行い、還元剤として35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液を水道水で2倍に希釈して使用した以外は、実施例4と同様にヨウ素の回収を行った。水相に硫酸水素ナトリウムの固形分が生成したが、総回収率は97.8%であった。
(実施例7:還元剤水溶液の濃度の検討(4倍希釈))
還元時に、水道水で2倍に希釈した35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液にさらに等体積の水道水を添加して使用した以外は実施例6と同様にヨウ素の回収を行った。硫酸水素ナトリウムの固形分は生成せず、総回収率は98.5%であった。
(実施例8:還元剤水溶液の濃度の検討(3倍希釈))
還元時に、水道水で2倍に希釈した35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液にさらに半分の体積の水道水を添加して使用した以外は実施例6と同様にヨウ素の回収を行った。硫酸水素ナトリウムの固形分は生成せず、総回収率は97.3%であった。
[添加する酸の量の検討]
実施例1においてキシレンの量を136gとし、酸化剤を次亜塩素酸水溶液に変更してヨウ化物イオンの酸化を行った。
(実施例9:ヨウ化物イオンに対して1.0当量)
500mlコニカルビーカーに濃度調整したヨウ化ナトリウム水溶液200gを仕込み、マグネチックスターラーを用い氷浴中で攪拌しながらヨウ化物イオンに対して1.0等量の硫酸を添加した。次いで、ORP700mVを目安に、12質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を滴下した。ヨウ化物イオン酸化後のヨウ素損失は、6.39質量%であった。
ヨウ化物イオンの酸化終了後、混合キシレンを規定量加え、10分間撹拌した。攪拌終了後、500ml分液ロートに全量移し、30分静置後、下層の水相を排出し、混合キシレン相と水相とを分液した。
混合キシレン相を300mlコニカルビーカーに移し、水道水、亜硫酸水素ナトリウム水溶液、を仕込み10分間マグネチックスターラーを用いて攪拌した。攪拌終了後300ml分液ロートに全量移し、30分静置後、分液した。ヨウ素の総回収率は89%であった。
(実施例10)
ヨウ化ナトリウム水溶液に添加した硫酸の量を2当量に変更したこと以外は、実施例9と同様にしてヨウ化物イオンの酸化を行いヨウ素の回収を行った。ヨウ化物イオン酸化後のヨウ素損失は、0.32質量%であり、総回収率は97.3%であった。
(実施例11)
ヨウ化ナトリウム水溶液に添加した硫酸の量を1.5当量に変更したこと以外は、実施例9と同様にしてヨウ化物イオンの酸化を行いヨウ素の回収を行った。ヨウ化物イオン酸化後のヨウ素損失は、0.34質量%であり、総回収率は97.8%であった。
(実施例12)
ヨウ化ナトリウム水溶液に添加した硫酸の量を1.2当量に変更したこと以外は、実施例9と同様にしてヨウ化物イオンの酸化を行いヨウ素の回収を行った。ヨウ化物イオン酸化後のヨウ素損失は、0.34質量%であり、総回収率は98.1質量%であった。
12質量%の次亜塩素酸水溶液を用いてヨウ化物イオンを酸化する際には酸の量はヨウ化物イオンの仕込み量に対して1.2当量あれば十分であることがわかった。
(実施例13)
ヨウ化物イオンを含む水溶液の濃度を16質量%に変更したこと以外は、実施例9と同様にしてヨウ化物イオンの酸化を行いヨウ素の回収を行った。総回収率98.7%であったが、酸化時にNaSOと推測される不溶物が生じていた。
(実施例14)
キシレン存在下でヨウ化物イオンの酸化を行った以外は実施例12と同様にしてヨウ素化物イオンの酸化を行いヨウ素の回収を行った。ヨウ化物イオン酸化後のヨウ素損失は、0.03質量%であり、総回収率は97.8質量%であった。
本実施例においては、混合キシレンが酸化されて水相に移行してしまうことによる混合キシレンのロスが見られなかった。
[添加する塩酸の量の検討]
上記実施例においてヨウ化ナトリウム水溶液に添加する酸として硫酸を使用した場合、16%のヨウ化物イオンを含む水溶液の酸化を行った際にNaSOと見られる固形分の析出が見られた。そこで、このような固形分の生成しにくいプロトン酸として塩酸を使用した。
(実施例15)
ヨウ化ナトリウム水溶液に添加する酸としてIに対して1.2当量の36%塩酸を使用した以外は、実施例13と同様にしてヨウ化物イオンの酸化を行いヨウ素の回収を行った。ヨウ化物イオン酸化後のヨウ素損失は、0.55質量%であり、総回収率は97.9質量%であった。
[混合キシレンリサイクルの検討]
混合キシレン存在下でヨウ化物イオンの酸化を行い、第1の有機相からヨウ素を逆抽出した後の第2の有機相(混合キシレン相)を再び第1の有機相に混合してヨウ素の回収を行う検討を行った。
(実施例16)
実施例15と同様にしてヨウ化物イオンの酸化を行いヨウ素の回収を行った。ヨウ化物イオン酸化後のヨウ素損失は、0.58質量%であり、総回収率は97.3質量%であった。
(実施例17:キシレンリサイクル1回目)
ヨウ素を抽出する際に、実施例16で第2の有機相として回収した混合キシレンを使用した以外は実施例16と同様にしてヨウ化物イオンの酸化を行いヨウ素の回収を行った。混合キシレン抽出後のヨウ素損失は、1.14質量%であり、総回収率は97.8質量%であった。
(実施例18:混合キシレンリサイクル2回目)
ヨウ素を抽出する際に、実施例17で第2の有機相として回収した混合キシレンを使用した以外は実施例17と同様にしてヨウ化物イオンの酸化を行いヨウ素の回収を行った。混合キシレン抽出後のヨウ素損失は、0.72質量%であり、総回収率は97.5質量%であった。
キシレンリサイクル1回目と2回目のヨウ化物イオン酸化後のヨウ素損失がやや大きかった。水相のpHが0.5であったため酸の不足が原因ではないことが確認できた。NaClO添加初期に褐色から黄色に変化したことからリサイクルした混合キシレン中に還元剤が含有されていたことが原因であると推測した。
(実施例19:リサイクルした混合キシレン中の微量還元剤の除去)
リサイクルした混合キシレンを水道水で洗浄することにより微量還元剤を除去した後、ヨウ素の抽出に使用した以外は、実施例17と同様にしてヨウ化物イオンの酸化を行いヨウ素の回収を行った。混合キシレン抽出後のヨウ素損失は、0.53質量%であり、水相へのロスが改善された。総回収率は97.6質量%であった。
[不純物(ホウ素)除去評価]
(実施例20)
ホウ素濃度は標準添加法によるICP発光分析装置を用いて、ヨウ化物イオン濃度は0.1規定の硝酸銀水溶液による滴定法を用いて定量した。
ホウ素614ppmとヨウ化物イオン8.11質量%とを含有する排水200.0gを撹拌しながら、ORP(酸化還元電位)値が700mVを超えるまで塩素を吹き込んだ。排水のORP値が718mVで安定したところで塩素の吹き込みを止めた。排水中にヨウ素が析出し、ヨウ素スラリーとなった。
ヨウ素スラリーにキシレン173.9g(200ml)を加え、5分間激しく撹拌した後、90分間静置した。下層にある水相を分液した。水相186.4g中のホウ素濃度は605ppmであり、ヨウ化物イオン濃度は0.12質量%であった。
残った有機相に7質量%の亜硫酸水素ナトリウム水溶液100.2gを加え、5分間激しく撹拌した。水相のORP値は−468mVであった。60分間静置した後、下層にある水相を分液した。水相115.5g中のホウ素濃度は5ppmであり、ヨウ化物イオン濃度は13.57質量%であった。ヨウ化物イオンの回収率は96.6%であり、ホウ素の除去率は99.5%であった。

Claims (4)

  1. ヨウ化物イオンを含む溶液に酸化剤を添加することにより前記ヨウ化物イオンをヨウ素に酸化し、
    前記ヨウ素を有機溶媒で抽出し、前記ヨウ素を含む第1の有機相を分離し、
    前記第1の有機相に還元剤水溶液を添加することにより前記ヨウ素をヨウ化物イオンに還元して、前記ヨウ化物イオンを含む水相を分離することを含むことを特徴とするヨウ素の回収方法。
  2. 前記ヨウ化物イオンをヨウ素に酸化する際の前記溶液のpHが7未満である、請求項1に記載のヨウ素の回収方法。
  3. 前記ヨウ化物イオンをヨウ素に酸化する際に、前記酸化剤を酸化剤水溶液の形態で添加し、この際、前記酸化剤水溶液が前記ヨウ化物イオンに対して1.2当量以上5当量以下のプロトン酸をさらに含む、請求項1または2に記載のヨウ素の回収方法。
  4. 第1の有機相からヨウ化物イオンを分離して得られた第2の有機相を前記第1の有機相に混合することにより前記有機溶媒を再利用する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のヨウ素の回収方法。
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