JP2016124743A - シリカ分散液 - Google Patents
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Abstract
Description
本開示に係るシリカ分散液は、シリカ粒子と水と防腐剤とを含む。
該防腐剤は、下記(A)及び(B)の化合物及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。防腐剤は1種類であってもよく、複数種類の組み合わせであってもよい。
(A)環内に >N−C−N< を含む5員環又は6員環の構造を有する化合物。
(B)アルデヒド基を含む化合物。
本開示に係るシリカ分散液のシリカ粒子は、一又は複数の実施形態において、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカである。本開示に係るシリカ分散液は、一又は複数の実施形態において、コロイダルシリカが分散した状態であることが好ましい。
本開示におけるコロイダルシリカは、一又は複数の実施形態において、その調製方法は特に限定されず、湿式法、シリカゲル解膠法、イオン交換法、加水分解法などを例示することができる。また、これら研磨粒子を官能基で表面修飾あるいは表面改質したもの、界面活性剤や他の研磨材で複合粒子化したもの等も用いることができる。
シリカ分散液に使用される水としては、イオン交換水、蒸留水、超純水等が挙げられる。シリカ分散液中の水の含有量は、一又は複数の実施形態において、100質量%からコロイダルシリカ及び防腐剤を除いた残部に相当する。
本開示に係るシリカ分散液のpHは、抗菌性及び品質安定性の維持の観点から、好ましくは7以上13以下、より好ましくは8以上12以下、更に好ましくは9以上11以下である。本開示において、pHは25℃における値であって、pHメータを用いて測定した値である。具体的には、実施例に記載の方法で測定できる。
本開示に係るシリカ分散液は、さらに、既存の周知の防腐剤、例えば、次亜塩素酸ナトリウムをさらに含んでいてもよい。
本開示に係るシリカ分散液は、一又は複数の実施形態において、シリカスラリーに上述の防腐剤を上述の範囲で添加することで調製することができる。
本開示に係るシリカ分散液の保存方法は、一又は複数の実施形態において、水に分散したシリカスラリーに上述の防腐剤を上述の範囲で添加することで安定にシリカ分散液を保存することができる。
その為の保存条件としては、以下が好ましい。
温度: シリカ分散液中に上述の防腐剤を含んだ液中の温度は、抗菌性及び品質安定性の維持の観点から、1℃以上50℃以下が好ましい。より好ましくは、5℃以上45℃以下であり、更に好ましくは10℃以上40℃以下である。また、同様の観点から温度変化は、50℃以内に抑えるのが好ましく、より好ましくは、40℃以下がであり、更に好ましくは30℃以下である。
容器: シリカ分散液の保存に用いる容器は、内壁部が有機高分子材料を含むものであればよい。また更に、抗菌性及び品質安定性の維持の観点から、UV遮断能を有する容器、温度変化を受けにくい容器が挙げられる。具体的には、高分子樹脂材料(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(テトラフルオロイチレン)等)が挙げられる。また、容器形態についても拘らないが、有機高分子材料のみからなる容器や、有機高分子材料からなる内袋を金属等からなる保護材で外装した容器(例えば、バックインボックス)等であってもよい。更に、抗菌性及び品質安定性の維持の観点から、蓋付きの密閉できる容器が好ましい。
その場合の使用に関する一実施態様を以下簡単に説明する。
本開示に係るシリカ分散液は、一又は複数の実施形態において、半導体装置、磁気ディスク基板等の精密部品用基板の研磨工程に使用される研磨液組成物の原料シリカとして使用できる。限定されない一又は複数の実施形態として、磁気ディスク基板用の研磨液組成物を以下に説明する。
研磨液組成物におけるシリカ粒子の含有量は、一又は複数の実施形態において、研磨速度を損なうことなく研磨後の研磨表面のスクラッチ及びナノ欠陥を低減する観点から、研磨材の含有量は、好ましくは0.5質量%以上20質量%以下である。
研磨液組成物のpHは、一又は複数の実施形態において、研磨速度を損なうことなく研磨後の研磨表面のスクラッチ及びナノ欠陥を低減する観点から、好ましくは0.5以上3.5以下である。本開示において、pHは25℃における値であって、pHメータを用いて測定した値である。具体的には、実施例に記載の方法で測定できる。
研磨液組成物のpHは、酸又はその塩で調整されうる。具体的には、硝酸、硫酸、亜硝酸、過硫酸、塩酸、過塩素酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、アミド硫酸等の無機酸又はそれらの塩、有機ホスホン酸又はそれらの塩アミノカルボン酸又はそれらの塩、クエン酸、シュウ酸、ニトロ酢酸、マレイン酸、オキサロ酢酸等のカルボン酸又はそれらの塩、などが挙げられる。酸又はその塩は単独で又は2種類以上を混合して用いてもよい。
研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、研磨速度向上の観点から、酸化剤を含有してもよい。前記酸化剤としては、研磨速度を向上させる観点から、過酸化物、過マンガン酸又はその塩、クロム酸又はその塩、ペルオキソ酸又はその塩、酸素酸又はその塩、金属塩類、硝酸類、硫酸類等が挙げられる。
研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、研磨後の基板のスクラッチ低減の観点から、コロイダルシリカに加えて複素環芳香族化合物を含有してもよい。前記複素環芳香族化合物の複素環内に窒素原子を含むことが好ましい。
研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、研磨後の基板のスクラッチ低減の観点から、アニオン性基を有する水溶性高分子(以下、アニオン性水溶性高分子ともいう)を含有してもよい。
研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、研磨後の基板のスクラッチ低減の観点から、脂肪族アミン化合物又は脂環式アミン化合物を含有してもよい。前記脂肪族アミン化合物又は脂環式アミン化合物は、研磨速度の維持、並びにスクラッチ低減の観点から、分子内の窒素原子数又はアミノ基若しくはイミノ基の併せた数は好ましくは2個以上4個以下である。
研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、必要に応じてさらにその他の成分を配合することができる。例えば、増粘剤、分散剤、塩基性物質、界面活性剤等が挙げられる。
本開示に係るシリカ分散液を使用して調製された研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、前記研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨することを含む、基板の製造方法に使用できる。
本開示は、その他の態様として、本開示に係るシリカ分散液を含む第1液と、酸又はその塩、酸化剤、及び水を含む第2液とを含む研磨液組成物のキットに関する。第1液及び第2液は、さらに、上述の複素環芳香族化合物、アニオン性水溶性高分子、脂肪族アミン化合物又は脂環式アミン化合物、及びその他の成分、又は、これらの組み合わせを含みうる。
前記防腐剤が、
(A)環内に >N−C−N< を含む5員環又は6員環の構造を有する化合物、及び
(B)アルデヒド基を含む化合物、
並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、シリカ分散液。
<5> 前記シリカ分散液における防腐剤の濃度が、好ましくは0.1μg/g以上40,000μg/g以下、より好ましくは1μg/g以上4,000μg/g以下である、<1>から<4>のいずれかに記載のシリカ分散液。
<6> 前記シリカ粒子が、コロイダルシリカである、<1>から<5>のいずれかに記載のシリカ分散液。
<7> コロイダルシリカの一次粒子の平均粒子径が、好ましくは1nm以上10μm以下、より好ましくは5nm以上5μm以下、更に好ましくは10nm以上1μm以下、より更に好ましくは15nm以上500nm以下、より更に好ましくは20nm以上300nm以下である<6>に記載のシリカ分散液。
<8> シリカ分散液におけるシリカ粒子の濃度が、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは35質量%以上、更に好ましくは40質量%以上である、<1>から<7>のいずれかに記載のシリカ分散液。
<9> シリカ分散液におけるシリカ粒子の濃度が、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である、<1>から<8>のいずれかに記載のシリカ分散液。
<10> シリカ分散液のpHが、好ましくは7以上13以下、より好ましくは8以上12以下、更に好ましくは9以上11以下である、<1>から<9>のいずれかに記載のシリカ分散液。
<11> シリカ粒子と水と防腐剤とを混合放置することを含むシリカ分散液の保存方法であって、前シリカ分散液が<1>から<10>のいずれかに記載のシリカ分散液である、シリカ分散液の保存方法。
<12> <1>から<10>のいずれかに記載のシリカ分散液を用いて研磨液組成物を調製すること、及び、前記研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨することを含む、基板の製造方法。
<13> <1>から<10>のいずれかに記載のシリカ分散液を含む第1液と、酸又はその塩、酸化剤、及び水を含む第2液とを含む研磨液組成物のキット。
コロイダルシリカ(一次粒子の平均粒子径18nm)を40質量%で含有するシリカスラリーに下記に示す防腐剤化合物a−20、a−11、a−12、b−10、101〜108を下記表1の濃度で添加してシリカ分散液を調製した(実施例1〜4、比較例1〜9)。pHは、9.1であった。pHは、25℃におけるpHであり、pHメータ(東亜電波工業株式会社、HM−30G)を用いて、電極の浸漬後3分後に測定した数値である(以下同様)。
まず、コロイダルシリカスラリーを固形分で1.5g分を200mLビーカーに採取し、イオン交換水100mLを加えてスターラーで混合する。次に、電位差滴定装置を用いて、0.1mol/Lの塩酸標準溶液で試料溶液のpHを3.0に調整する。塩化ナトリウム30.0gを加えスターラーで溶解して、ビーカーの150mLの標線までイオン交換水を加えスターラーで混合する。恒温水槽(20±2℃)に約30分間浸漬する。電位差滴定装置を用いて、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム標準溶液で滴定をおこない、pHが4.0から9.0に変化したときの水酸化ナトリウム標準溶液の消費量(A)を読み取る。同時に空試験をおこない、空試験の滴定に要した水酸化ナトリウム標準溶液の消費量(B)を読み取る。そして、下記計算式により平均粒子径(nm)を算出する。
平均粒子径(nm)=3100÷26.5×(A−B)÷試料採取量(g)
試験サンプル10mLに菌液(シュードモナス属細菌)を1x104CFU/mLとなるように接種し、室温・静置で所定の時間接触させた。経時で菌数測定を行い、菌数変化により抗菌性を評価した。菌数測定は、試験サンプルから分取した0.1mLをSCD(ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト)寒天培地に塗布して30℃で3日間培養し、得られたコロニー数から生残菌数を求め、初発菌数の対数値と生残菌数の対数値の差をLog減少菌数として算出した。
評価
〇:3Log以上の減少
×:3Log未満の減少あるいは減少せず
なお、シリカ分散液塗抹の場合、3日後に8.9×104CFU/gであった。
サンプルの透過率を下記装置・条件で測定した。
測定装置: UV−Vis透過率測定装置(島津製作UV−2550)
測定波長: 190〜700 nmスキャン
測定条件:石英セル T−1−UV−10(東ソー・クォーツ株式会社)
評価
×:未添加(比較例1)と3.7%以上差がある場合(3.7%以上で研磨性能に影響がでる)
試験サンプルを目視により観察して着色の有無を確認した。
なお、着色すると、抗菌性及び研磨性能に関わらず製品の信頼性を損ねる恐れがあるため、着色しないことが好ましい。
評価
〇:目視で変色が確認できないもの
×:目視で変色が確認できたもの
実施例1〜2、比較例1〜9のシリカ分散液を用いて、シリカを5質量%、過酸化水素を0.5質量%含有する被処理研磨液組成物を作製した。pHの調整に硫酸を使用した。
上記研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨し、研磨速度及びスクラッチ数を評価した。評価結果を下記表1に示す。研磨条件(研磨方法)及び評価方法は以下のとおりである。被研磨基板として、アルミナ研磨材を含有する研磨液であらかじめ粗研磨し、AFM−Raが5〜15Åとした、厚さ1.27mmの外径95mmφで内径25mmφのNi−Pメッキアルミニウム合金基板を用いた。
・研磨試験機:スピードファム社製、両面9B研磨機
・研磨パッド:フジボウ社製、ウレタン製仕上げ研磨用パッド
・上定盤回転数:32.5rpm
・研磨液組成物供給量:100mL/分
・本研磨時間:4分
・本研磨荷重:7.8kPa
・投入した基板の枚数:10枚
・測定機器:KLA-Tencor社製 Candela OSA6100
・評価:研磨試験機に投入した基板の中、無作為に4枚を選択し、各々の基板を10000rpmにてレーザーを照射してスクラッチを測定した。その4枚の基板の各々両面にあるスクラッチ数(本)の合計を8で除して、基板面当たりのスクラッチ数を計算し、未添加(比較例1)に対する相対値で評価した。
×:未添加(比較例1)と50%以上悪化が確認された場合
研磨前後の各基板の重さを重量計(Sartorius社製「BP−210S」)を用いて測定し、各基板の重量変化を求め、10枚の平均値を重量減少量とし、それを研磨時間で割った値を重量減少速度とした。この重量減少速度を下記の式に導入し、研磨速度(μm/min)に変換した。
研磨速度(μm/min)=重量減少速度(g/min)/基板片面面積(mm2)/Ni−Pメッキ密度(g/cm3)×106
(基板片面面積:6597mm2、Ni−Pメッキ密度:7.99g/cm3として算出)
得られた研磨速度の未添加(比較例1)に対する相対値を算出した。
×:未添加(比較例1)と10%以上悪化が確認された場合
Claims (8)
- シリカ粒子と水と防腐剤とを含むシリカ分散液であって、
前記防腐剤が、
(A)環内に >N−C−N< を含む5員環又は6員環の構造を有する化合物、及び
(B)アルデヒド基を含む化合物、
並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、シリカ分散液。 - 前記防腐剤の分子量が、400以下である、請求項1から3のいずれかに記載のシリカ分散液。
- シリカ分散液におけるシリカ粒子の濃度が、20質量%以上である、請求項1から4のいずれかに記載のシリカ分散液。
- シリカ粒子と水と防腐剤とを混合し、放置するシリカ分散液の保存方法であって、
前記防腐剤が、(A)環内に >N−C−N< を含む5員環又は6員環の構造を有する化合物、及び(B)アルデヒド基を含む化合物、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、シリカ分散液の保存方法。 - 請求項1から5のいずれかに記載のシリカ分散液を用いた研磨液組成物。
- 請求項1から5のいずれかに記載のシリカ分散液を用いて研磨液組成物を調製すること、及び、請求項7に記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨することを含む、基板の製造方法。
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- 2014-12-26 JP JP2014266687A patent/JP6376599B2/ja active Active
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