JP2016122190A - 偏光フィルム、偏光板および偏光フィルムの製造方法 - Google Patents

偏光フィルム、偏光板および偏光フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】厚みの薄い偏光フィルム(厚み≦10μm)を有する偏光板であって、かかる偏光板を表示装置に実装したときの光漏れを抑制することができる偏光板を提供すること。【解決手段】厚みが10μm以下であり、面内の吸収軸の振れが0.2°以下である偏光フィルムの製造方法であって、以下の工程(1)を含む偏光フィルムの製造方法。(1)熱可塑性樹脂を含む長尺状の基材フィルムであって、基材フィルムの厚みをMD方向に測定して得られる波形から算出した標準偏差σ1が0.80μm以下であり、かつ、前記波形をフーリエ変換した後、波数が1/3(1/m)以上の領域のスペクトルを逆フーリエ変換して得られる厚みの波形から算出した標準偏差σ2が0.65μm以下である基材フィルムを準備する工程【選択図】図1

Description

本発明は、偏光フィルム、偏光板および偏光フィルムの製造方法に関する。
偏光板は、液晶表示装置における偏光の供給素子として、また偏光の検出素子として広く用いられている。偏光板としては主に、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムに接着剤を介してトリアセチルセルロースなどからなる保護フィルムを貼合したものが使用されているが、近年、液晶表示装置のノート型パーソナルコンピュータや携帯電話などモバイル機器への展開、さらには大型テレビへの展開などに伴い、偏光板の薄肉軽量化が求められている。
従来の偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂のフィルム原反(通常、厚み75〜30μm程度)を延伸、染色して製造されており、延伸後のフィルムの厚みは、通常30〜12μm程度である。薄膜化のために、ポリビニルアルコール系樹脂のフィルム原反として30μm以下のものを使用すると、延伸時のフィルムが破断し易くなる等の生産性の問題があった。
そこで、偏光板の薄肉化に対応するために、基材フィルム上にポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液をコーティングする方法が提案されている。かかる方法では、基材フィルム上にポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液をコーティングすることでポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得た後、この積層フィルムに対して延伸及び染色処理を施すことによってポリビニルアルコール系樹脂層に偏光機能を付与して偏光フィルムを得ている。(特許文献1および2)。
特開2011−150313号公報 特開2012−159778号公報
上述の通りポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液のコーティングによって偏光フィルムを得て、偏光板を製造する方法においては、比較的簡単に偏光板の薄膜化を達成することができる。しかし上述の方法により製造される偏光板を液晶表示装置に実装した際、光漏れが生じ、高いコントラスト比が得られないという問題があった。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、厚みの薄い偏光フィルム(厚み≦10μm)を有する偏光板であって、かかる偏光板を表示装置に実装したときの光漏れを抑制することができる偏光板を提供し、さらにかかる偏光フィルムおよび偏光板の製造方法を提供することにある。
本発明は下記のものを含む。
[1]厚みが10μm以下であり、面内の吸収軸の振れが0.2°以下である偏光フィルム。
[2][1]に記載の偏光フィルムに保護フィルムを貼合してなる偏光板。
[3][1]に記載の偏光フィルム、または[2]に記載の偏光板を有する表示装置。
[4]厚みが10μm以下であり、面内の吸収軸の振れが0.2°以下である偏光フィルムの製造方法であって、以下の工程(1)〜(5)を含む偏光フィルムの製造方法。
(1) 熱可塑性樹脂を含む長尺状の基材フィルムであって、基材フィルムの厚みをMD方向に測定して得られる波形から算出した標準偏差σ1と基材フィルムの厚みdの比(σ1/d)が9.0×10−3以下であり、
かつ前記波形をフーリエ変換した後、波数が1/3(1/m)以上の領域のスペクトルを逆フーリエ変換して得られる厚みの波形から算出した標準偏差σ2と基材フィルムの厚みdの比(σ2/d)が8.0×10−3μm以下である基材フィルムを準備する工程
(2) 前記基材フィルムの少なくとも一方の面上にポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液を塗工し、塗膜を得た後、塗膜を乾燥させることによりポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る工程
(3) 前記積層フィルムを一軸延伸して延伸フィルムを得る工程
(4) 前記延伸フィルムを染色して偏光性積層フィルムを得る工程
(5) 前記偏光性積層フィルムから基材フィルムを剥離することにより偏光フィルムを得る工程
[5]厚みが10μm以下であり、面内の吸収軸の振れが0.2°以下である偏光フィルムの製造方法であって、以下の工程(1)〜(5)を含む偏光フィルムの製造方法。
(1) 熱可塑性樹脂を含む長尺状の基材フィルムであって、基材フィルムの厚みをMD方向に測定して得られる波形から算出した標準偏差σ1が0.80μm以下であり、
かつ、前記波形をフーリエ変換した後、波数が1/3(1/m)以上の領域のスペクトルを逆フーリエ変換して得られる厚みの波形から算出した標準偏差σ2が0.65μm以下である基材フィルムを準備する工程
(2) 前記基材フィルムの少なくとも一方の面上にポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液を塗工し、塗膜を得た後、塗膜を乾燥させることによりポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る工程
(3) 前記積層フィルムを一軸延伸して延伸フィルムを得る工程
(4) 前記延伸フィルムを染色して偏光性積層フィルムを得る工程
(5) 前記偏光性積層フィルムから基材フィルムを剥離することにより偏光フィルムを得る工程
[6]前記偏光性積層フィルムにおける偏光フィルム上に、接着剤または粘着剤を介して保護フィルムを積層する工程を含む、[4]または[5]に記載の偏光フィルムの製造方法。
[7]工程(1)において準備する基材フィルムが、溶融押出によって製膜された基材フィルムであることを特徴とする[4]または[5]に記載の偏光フィルムの製造方法。
[8]工程(1)において準備する基材フィルムの厚みが、5〜300μmであることを特徴とする[4]に記載の偏光フィルムの製造方法。
[9]工程(1)において準備する基材フィルムの厚みが、20〜150μmであることを特徴とする[5]に記載の偏光フィルムの製造方法。
[10]工程(1)において準備する基材フィルムが、ポリオレフィン系樹脂を含む基材フィルムであることを特徴とする[4]または[5]に記載の偏光フィルムの製造方法。
本発明の方法によれば、表示装置に実装したときの光漏れを抑制することができる偏光板を提供でき、かかる偏光板を組み込んだ表示装置は高いコントラスト比を達成することができる。
吸収軸の振れを測定する方法を説明するための図である。 本発明の偏光板の層構成の一例を示す概略図である。 本発明の表示装置の層構成の一例を示す概略図である。
本発明の偏光フィルムは、以下の工程(1)〜(5)を含む工程により製造することができる。各工程について順次説明をする。
(1) 熱可塑性樹脂を含む長尺状の基材フィルムであって、基材フィルムの厚みをMD方向に測定して得られる波形から算出した標準偏差σ1が0.80μm以下であり、
かつ、前記波形をフーリエ変換した後、波数が1/3(1/m)以上の領域のスペクトルを逆フーリエ変換して得られる厚みの波形から算出した標準偏差σ2が0.65μm以下である基材フィルムを準備する工程
(2) 前記基材フィルムの少なくとも一方の面上にポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液を塗工し、塗膜を得た後、塗膜を乾燥させることによりポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る工程
(3) 前記積層フィルムを一軸延伸して延伸フィルムを得る工程
(4) 前記延伸フィルムを染色して偏光性積層フィルムを得る工程
(5) 前記偏光性積層フィルムから基材フィルムを剥離することにより偏光フィルムを得る工程
また、本発明の偏光フィルムは、以下の工程(1)〜(5)を含む工程によっても製造することができる。
(1) 熱可塑性樹脂を含む長尺状の基材フィルムであって、基材フィルムの厚みをMD方向に測定して得られる波形から算出した標準偏差σ1と基材フィルムの厚みdの比(σ1/d)が9.0×10−3以下であり、
かつ前記波形をフーリエ変換した後、波数が1/3(1/m)以上の領域のスペクトルを逆フーリエ変換して得られる厚みの波形から算出した標準偏差σ2と基材フィルムの厚みdの比(σ2/d)が8.0×10−3μm以下である基材フィルムを準備する工程
(2) 前記基材フィルムの少なくとも一方の面上にポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液を塗工し、塗膜を得た後、塗膜を乾燥させることによりポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る工程
(3) 前記積層フィルムを一軸延伸して延伸フィルムを得る工程
(4) 前記延伸フィルムを染色して偏光性積層フィルムを得る工程
(5) 前記偏光性積層フィルムから基材フィルムを剥離することにより偏光フィルムを得る工程
[工程(1)]
工程(1)では、熱可塑性樹脂を含む長尺状の基材フィルムであって、基材フィルムの厚みをMD方向に測定して得られる波形から算出した標準偏差σ1が0.80μm以下であり、かつ、前記波形をフーリエ変換した後、波数が1/3(1/m)以上の領域のスペクトルを逆フーリエ変換して得られる厚みの波形から算出した標準偏差σ2が0.65μm以下である基材フィルムを準備する。
工程(1)で準備する基材フィルムは、熱可塑性樹脂を含む長尺状の基材フィルムであって、基材フィルムの厚みをMD方向に測定して得られる波形から算出した標準偏差σ1と基材フィルムの厚みdの比(σ1/d)が9.0×10−3以下であり、
かつ前記波形をフーリエ変換した後、波数が1/3(1/m)以上の領域のスペクトルを逆フーリエ変換して得られる厚みの波形から算出した標準偏差σ2と基材フィルムの厚みdの比(σ2/d)が8.0×10−3μm以下である基材フィルムであってもよい。
(基材フィルム)
基材フィルムを形成する樹脂は、透明性、機械的強度、熱安定性、延伸性などに優れる熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。熱可塑性樹脂としては、セルローストリアセテート等のセルロースエステル系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;ポリスルホン系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;鎖状ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂など)等のポリオレフィン系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;ポリアリレート系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリビニルアルコール系樹脂などが挙げられる。なお本明細書において、(メタ)アクリル系樹脂とはメタクリル系樹脂およびアクリル系樹脂を総称した意味を表す。
セルロースエステル系樹脂は、セルロースと脂肪酸とのエステルである。セルロースエステル系樹脂としては、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリプロピオネート、セルロースジプロピオネートなどが挙げられる。これらの中でも、セルローストリアセテートが好ましい。セルローストリアセテートは多くの種類の製品が市販されており、入手が容易である点やコストの点でも有利である。セルローストリアセテートの市販品としては、いずれも商品名で、「フジタック(登録商標)TD80」(富士フイルム(株)製)、「フジタック(登録商標)TD80UF」(富士フイルム(株)製)、「フジタック(登録商標)TD80UZ」(富士フイルム(株)製)、「フジタック(登録商標)TD40UZ」(富士フイルム(株)製)、「KC8UX2M」(コニカミノルタオプト(株)製)、「KC4UY」(コニカミノルタオプト(株)製)などが挙げられる。
鎖状ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの単独重合体の他、2種以上の鎖状オレフィンからなる共重合体を挙げることができる。
環状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称であり、たとえば、特開平1−240517号公報、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報等に記載されている樹脂が挙げられる。環状ポリオレフィン系樹脂としては、環状オレフィンの開環重合体、環状オレフィンの開環共重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等の鎖状オレフィンとの共重合体(代表的にはランダム共重合体)、およびこれらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、ならびにそれらの水素化物などが挙げられる。なかでも、環状オレフィンとしてノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマー等のノルボルネン系モノマーを重合させたノルボルネン系樹脂が好ましい。
環状ポリオレフィン系樹脂としては種々の製品が市販されている。環状ポリオレフィン系樹脂の市販品としては、いずれも商品名で、「Topas(登録商標)」(TOPAS ADVANCED POLYMERS GmbH社製、ポリプラスチックス(株)から入手できる)、「アートン(登録商標)」(JSR(株)製)、「ゼオノア(ZEONOR)(登録商標)」(日本ゼオン(株)製)、「ゼオネックス(ZEONEX)(登録商標)」(日本ゼオン(株)製)、「アペル(登録商標)」(三井化学(株)製)などが挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂としては、任意の(メタ)アクリル系樹脂を採用し得る。たとえば、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂など)、脂環族炭化水素基を有する重合体(たとえば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体など)が挙げられる。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどの、アルキル部位の炭素数が1〜6のポリ(メタ)アクリル酸アルキルなどが使用でき、より好ましくは、メタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂が使用できる。
ポリビニルアルコール系樹脂層を積層した積層フィルムの延伸性に優れるという点で、基材フィルムは、セルロースエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂および(メタ)アクリル系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含むことが好ましい。中でも、相転移温度の調整が容易であるという点で、基材フィルムは、鎖状ポリオレフィン系樹脂を含むことがより好ましく、ポリプロピレン系樹脂(プロピレンの単独重合体であるポリプロピレン樹脂や、プロピレンを主体とする共重合体等)、またはポリエチレン系樹脂(エチレンの単独重合体であるポリエチレン樹脂や、エチレンを主体とする共重合体等)を含むことがさらに好ましい。
鎖状ポリオレフィン系樹脂は結晶性を有する場合が多く、プロピレンの単独重合体であるポリプロピレン樹脂は、融点Tmが概ね150〜180℃の範囲にある。エチレンの単独重合体であるポリエチレン樹脂の場合、その密度などにより融点Tmが変動し得るが、概ねその融点Tmは100〜140℃の範囲である。そして、プロピレンにエチレン等の他種のモノマーを共重合させたポリプロピレン系樹脂によれば、プロピレンの単独重合体の融点よりも低い融点の共重合体を得ることができる。このように、共重合成分の有無または共重合成分の種類や含有量などの調整により、ポリプロピレン系樹脂の相転移温度を制御することができる。
プロピレンに共重合可能な他種のモノマーとしては、エチレン、α−オレフィンなどを挙げることができる。α−オレフィンとしては、炭素数4以上のα−オレフィンが好ましく、炭素数4〜10のα−オレフィンがより好ましい。炭素数4〜10のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等の直鎖状モノオレフィン;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等の分岐状モノオレフィン;ビニルシクロヘキサンなどが挙げられる。プロピレンとポリプロピレンに共重合可能な他のモノマーとの共重合体は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。なお、共重合体中の当該他のモノマー由来の構成単位の含有率は、「高分子分析ハンドブック」(1995年、紀伊国屋書店発行)の第616頁に記載されている方法に従い、赤外線(IR)スペクトル測定により求めることができる。
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、またはプロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体が好ましい。
ポリプロピレン系樹脂の立体規則性は、アイソタクチックまたはシンジオタクチックであることが好ましい。アイソタクチックまたはシンジオタクチックの立体規則性を有するポリプロピレン系樹脂からなる樹脂層を含む基材フィルムは、そのハンドリング性が比較的良好であるとともに、高温環境下における機械的強度に優れているという点で好ましい。
基材フィルムには、上記の熱可塑性樹脂の他に、添加剤が添加されていてもよい。添加剤としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、着色剤などが挙げられる。
基材フィルムにおける熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは50〜100重量%であり、より好ましくは50〜99重量%であり、さらに好ましくは60〜98重量%である。
基材フィルム中の熱可塑性樹脂の含有量が50重量%未満の場合、熱可塑性樹脂の光透過性が十分に発現されないおそれがある。
基材フィルムの厚さは、強度やハンドリング性等の作業性の点から1〜500μmが好ましく、5〜300μmがより好ましく、10〜200μmがさらに好ましく、20〜150μmがさらに好ましい。
本発明の偏光フィルムの製造に用いられる基材フィルムは、単一の層からなる単層フィルムであってもよいし、複数の層からなる多層フィルムであってもよい。後工程での延伸工程にて裂け耐性を付与する意味では、多層フィルムを用いる方が好ましい。(参考:特開2013−101241号公報)
工程(1)において準備する長尺状の基材フィルムは、基材フィルムの厚みをMD(Machine Direction)方向に測定して得られる波形から算出した標準偏差σ1が0.80μm以下であり、かつ、前記波形をフーリエ変換した後、波数が1/3(1/m)以上の領域のスペクトルを逆フーリエ変換して得られる厚みの波形から算出した標準偏差σ2が0.65μm以下である。
基材フィルムの厚み測定において、基材フィルムにおけるTD(Transverse Direction)方向の測定位置は任意であるが、通常基材フィルムの中点で測定する。
標準偏差σ1、および標準偏差σ2の値の信頼性の観点から、長尺状の基材フィルムにおけるMD方向の長さは、10m以上であることが好ましく、100m以上であることがより好ましい。また、実際の長尺状の基材フィルムの長さを考慮すると、MD方向の長さは通常10000m以下である。
本発明においては、波数が1/3m−1以上の厚みムラ、すなわち周期が3m以下の厚みムラを測定する必要がある。したがって標準偏差σ1、および標準偏差σ2の値の信頼性の観点から、厚みデータ取得位置の間隔は、通常50cm以下であり、好ましくは5cm以下である。厚みデータ取得位置の間隔は、通常1cm以上である。
測定装置を固定した状態で、長尺状の基材フィルムを搬送しながら連続的に厚みを測定する場合、測定装置が厚みデータを取得する周期に応じて、上記厚みデータ取得の間隔を満たすように基材フィルムの搬送速度を適宜選択できる。例えば、測定装置が厚みデータを測定する周期が1秒周期である場合、基材フィルムの搬送速度は3m/min.以下であることが好ましい。
フィルムの厚みを測定する方法は、0.1μm以下の厚み変位を測定できる方法であればよいが、レーザーや赤外線などの光を使用する方式が好ましく、レーザーを使用する方式がより好ましい。
上記標準偏差σ1および標準偏差σ2を充足する基材フィルムは、例えば以下のようにして製造することができる。
基材フィルムとして多層フィルムを使用する場合、共押出成形法(共押出キャスト法ともいう)、押出ラミネーション法などによって基材フィルムを製造することができる。共押出成形法(共押出キャスト法)で成形する方法が生産性およびコストの観点から好ましい。共押出成形法は、必要な数の押出機を備え、それぞれの押出機が1台のTダイに連結された設備により、このTダイから樹脂を積層した状態でフィルム状に押出し、冷却ロールにて冷却固化し、多層フィルムを製造する方法である。
具体的に、共押出成形法にて多層の基材フィルムを製造する方法の一例として3層のポリプロピレン系樹脂からなる基材フィルムを製造する方法について、以下に説明する。
3台の押出機をそれぞれ200〜300℃程度に加熱し、ポリプロピレン系樹脂をそれぞれの押出機に供給する。各押出機のスクリューによりポリプロピレン系樹脂を溶融混練し、Tダイからシート状に溶融共押出した後、種々の手段で冷却ロールに接触させ、冷却することで、多層の基材フィルムが製造される。
共押出された溶融シート状のポリプロピレン系樹脂の多層フィルム(以下、溶融多層フィルムということがある。)の温度は、250〜300℃程度が好ましく、260〜290℃がより好ましい。溶融多層フィルムの温度が250℃を下回ると、押出機内でのポリプロピレン系樹脂の溶融混練状態が不十分となり、得られるフィルムの外観が極端に悪化し、フィルムのTD方向の厚み精度も悪化することがある。さらに、溶融多層フィルムの温度が250℃を下回ると、得られる多層フィルムは透明性に劣るものとなることがある。また温度が300℃を超えると、ポリプロピレン系樹脂の劣化や分解が起こりやすく、シート中に気泡が生じたり、炭化物が含まれたりするようになる。さらに溶融時の樹脂粘度が極端に低下するため、溶融多層フィルムを安定的に冷却固化することができなくなり、得られるフィルムの厚み精度が悪化することがある。
3台の押出機は、それぞれ単軸押出機であっても二軸押出機であってもよく、各押出機は、統一されていなくてもよい。また、基材フィルムにおける各層の構成比に基づいて、3台の押出機の各サイズを選択することにより、設備的に安定した押出量で製造できるようにすることもできる。各押出機で溶融混練されたそれぞれの樹脂は、アダプターと呼ばれる温度調節された単管を通り、フィードブロック、あるいはコンバーティングアダプターに供給される。これらは、Tダイの種類に応じて適切なものが選択される。Tダイ中の流路が一つの場合は、多層フィルムの樹脂構成に従ってフィードブロック内で事前に樹脂を並べた後、Tダイに供給される。一方、マルチマニホールドと呼ばれるTダイ中に流路が複数ある設備の場合は、Tダイリップ部分の直前で各樹脂層が積層されるので、各押出機からの流路をコンバーティングアダプターにより、フィルム構成に応じてTダイ中の各流路に接続する。
このときの各押出機内の圧力は、変動値が0.5MPa以内となるようにすることが好ましい。圧力の変動値が0.5MPaを超える場合、Tダイからの樹脂の流量に変動が生じるため、得られるフィルムのMD方向の厚み精度が悪化することがあり、特に3m以上の周期の厚み変動が大きくなりやすい。
なお、多層フィルムを構成する各樹脂の押出変動を抑制する観点から、各押出機とTダイとの間には、アダプターを介して各々ギアポンプを取り付け、各押出機内の圧力を安定させてTダイに樹脂を供給してもよい。
さらに、プロピレン系樹脂に含まれる異物をリーフディスクフィルターにより取り除くことが好ましい。リーフディスクフィルターの枚数および1枚あたりの濾過面積は、溶融樹脂の粘度と押出量(流量)、および樹脂の耐熱性により任意に選択できる。フィルム中に巻き込まれる異物量を少なくでき、フィルムとしての品質を向上できるという点で、異物の捕集率が98%以上となる異物サイズが10μm以下であるフィルターを使用することが好ましい。異物の捕集率が98%以上となる異物サイズが5μm以下であるフィルターを使用することがより好ましく、異物の捕集率が98%以上となる異物サイズが3μm以下であるフィルターを使用することが一層好ましい。また、リーフディスクフィルターの設置位置は、押出機、ギアポンプ、リーフディスクフィルター、Tダイの順とするのが、安定した異物除去が可能であるという観点から好ましい。
溶融多層フィルムは、引き続き金属製の冷却ロール(チルロールまたはキャスティングロールともいう)に接触し、冷却ロールに密着することで冷却され、ポリプロピレン系樹脂を含む多層フィルム(以下、多層フィルムということがある。)が得られる。このとき、冷却ロールへの密着方法が、透明性に影響を与えることがある。冷却ロールへの密着は、たとえば、溶融多層フィルムに静電気を付与し、表面状態が鏡面の冷却ロールに密着させて冷却する方法、溶融多層フィルムを、表面状態が鏡面の冷却ロールと表面状態が鏡面の弾性変形可能な金属ロール(タッチロールともいう)または金属ベルトとの間で挟圧し、冷却ロールに密着させて冷却する方法、溶融多層フィルムを冷却ロールに接触させるときに、エアチャンバーから吹き出されるエアによって冷却ロールに密着させて冷却する方法などの公知の方法で実施できるが、生産性・品質の観点からエアチャンバーから吹き出されるエアによって溶融多層フィルムを冷却ロールに密着させて冷却する方法が好ましい。
エアチャンバーから吹き出されるエアによって溶融多層フィルムを冷却ロールに密着させて冷却する方法では、Tダイから押出された溶融多層フィルムを冷却ロールに接触させるときに、溶融多層フィルムを介して、当該冷却ロールに向かってエアチャンバーによりエアを吹き付けることにより、冷却ロールに溶融多層フィルムを密着させる。エアチャンバーは、市販の適宜のものを使用することができる。吹き付けるエアはたとえば、製造環境空間の空気をブロア(blower)などで高性能エアフィルター(HEPAフィルター:High Efficiency Particulate Air Filter)を介して吸い込み、エアチャンバー内が50〜300Paの加圧された状態となるようにすることが好ましく、100〜200Paの加圧された状態となるようにすることがより好ましい。エアチャンバー内の圧力が300Paより高い場合、溶融多層フィルムにかかる圧力が大きくなり過ぎ、溶融多層フィルムがバタつきを起こすことによって得られる多層フィルムの面内での膜厚精度が大幅に悪化することがあり、特に3m以下の周期の厚み変動が大きくなりやすい傾向がある。また、エアチャンバー内の圧力が50Paよりも小さい場合、溶融多層フィルムにかかる風圧が小さくなり冷却ロールへの密着が不十分となるため、多層フィルムのヘイズが上昇したり、また場合によっては冷却ロールへの密着が不均一となり、多層フィルム冷却に濃淡が発生し、外観が悪化したりして、厚み精度が大幅に悪化することがある。
上記の3種類の方式で用いられる冷却ロールは、たとえば表面温度を10〜60℃に調整することが好ましい。冷却ロールの表面温度が60℃を超えると、溶融多層フィルムの冷却固化に時間がかかるため、溶融多層フィルムを構成するプロピレン系樹脂中の結晶成分が成長してしまい、得られる多層フィルムは透明性に劣るものとなることがある。一方、冷却ロールの表面温度が10℃を下回ると、冷却ロールの表面が結露して水滴が付着し、得られる多層フィルムの外観を悪化させることがある。
ポリプロピレン系樹脂層を含む多層フィルムを製造するときの加工速度は、溶融多層フィルム中のポリプロピレン系樹脂を冷却固化するために必要な時間により決定される。加工速度に関しては、使用する冷却ロールの径が大きくなると、溶融多層フィルムがその冷却ロールと接触している距離が長くなるため、より高速で多層フィルムを製造することが可能となる。具体的には、600mmφの金属製冷却ロールを用い、ヘイズ値が20%以下の透明なプロピレン系樹脂層を含む多層フィルムを製造する場合、加工速度は20〜40m/min.程度である。加工速度が20m/min.よりも低い場合、MD方向でフィルムの厚みにムラとなって出やすく、特に3m以下の周期の厚み変動がおおきくなりやすい。また加工速度が40m/min.よりも高い場合結晶化は均一に進行するが、結晶化速度が遅くなるためにヘイズが高くなり、多層フィルムの透明性が劣ることがある。
以上、溶融多層フィルムの温度、エアチャンバー内の圧力、冷却ロール温度、及び加工速度それぞれを適宜最適な条件を選ぶことによって、膜厚精度に優れた多層の基材フィルムを得ることができる。
なお得られた基材フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂層との密着性を向上させるために、ポリビニルアルコール系樹脂層が形成される側の表面に、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理等を行なってもよい。
また、上記標準偏差σ1と基材フィルムの厚みdの比σ1/dが9.0×10−3以下であり、かつ標準偏差σ2と基材フィルムの厚みdの比σ2/dが8.0×10−3μm以下である基材フィルムも、上記標準偏差σ1および標準偏差σ2を充足する基材フィルムと同様にして製造することができる。σ1/dおよびσ2/dが上記範囲を満たす場合、基材フィルムの厚みの大小に関わらず、本発明の偏光フィルムを製造することが可能となるため、好ましい。
[工程(2)]
工程(2)では、前記基材フィルムの少なくとも一方の面にポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液を塗工し、塗膜を得る。そして、前記塗膜を乾燥させることにより、ポリビニルアルコール系樹脂層を形成する。
(ポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液)
塗工液は、好ましくはポリビニルアルコール系樹脂の粉末を良溶媒(例えば水)に溶解させて得られるポリビニルアルコール系樹脂溶液である。ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂及びその誘導体が挙げられる。ポリビニルアルコール樹脂の誘導体としては、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタールなどの他、ポリビニルアルコール樹脂をエチレン、プロピレンのようなオレフィン類で変性したもの;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸のような不飽和カルボン酸類で変性したもの;不飽和カルボン酸のアルキルエステルで変性したもの;アクリルアミドで変性したものなどが挙げられる。変性の割合は30モル%未満であることが好ましく、10モル%未満であることがより好ましい。30モル%を超える変性を行った場合には、二色性色素を吸着しにくくなり、偏光性能が低くなってしまう不具合を生じ得る。上述のポリビニルアルコール系樹脂の中でも、ポリビニルアルコール樹脂を使用することが好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、100〜10000の範囲にあることが好ましく、1000〜10000の範囲にあることがより好ましく、1500〜8000の範囲にあることがさらに好ましく、2000〜5000の範囲にあることが最も好ましい。平均重合度は、JIS K 6726−1994「ポリビニルアルコール試験方法」に規定される方法によって求めることができる。平均重合度が100未満では好ましい偏光性能を得ることが困難であり、10000超では溶媒への溶解性が悪化し、ポリビニルアルコール系樹脂層の形成が困難になってしまう。
ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂のケン化品であることが好ましい。ケン化度の範囲は、80モル%以上、さらには90モル%以上、とりわけ94モル%以上であることが好ましい。ケン化度が低すぎると、偏光性積層フィルムや偏光板にしたときの耐水性や耐湿熱性が十分でなくなる可能性がある。また、完全ケン化品(ケン化度が100モル%のもの)であってもよいが、ケン化度が高すぎると、染色速度が遅くなって、十分な偏光性能を与えるためには製造時間が長くなったり、場合によっては十分な偏光性能を有する偏光フィルムが得られなかったりすることがある。そこで、そのケン化度は99.5モル%以下、さらに99.0モル%以下であるのが好ましい。
ケン化度とは、ポリビニルアルコール系樹脂の原料であるポリ酢酸ビニル系樹脂に含まれる酢酸基(アセトキシ基:−OCOCH)がケン化処理により水酸基に変化した割合をユニット比(モル%)で表したものであり、下記式:
ケン化度(モル%)=〔(水酸基の数)÷(水酸基の数+酢酸基の数)〕×100
で定義される。
ケン化度が高いほど、水酸基の割合が多いことを意味し、従って結晶化を阻害する酢酸基の割合が少ないことを意味する。ケン化度は、JIS K 6726−1994「ポリビニルアルコール試験方法」に規定される方法によって求めることができる。
ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体などが挙げられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類などが挙げられる。
好適に使用できるポリビニルアルコール系樹脂の市販品としては、いずれも商品名で、(株)クラレ製の「PVA124」(ケン化度:98.0〜99.0モル%)、「PVA117」(ケン化度:98.0〜99.0モル%)、「PVA117H」(ケン化度:99.5モル%以上)、「PVA624」(ケン化度:95.0〜96.0モル%)、「PVA617」(ケン化度:94.5〜95.5モル%);日本合成化学工業(株)製の「AH−26」(ケン化度:97.0〜98.8モル%)、「AH−22」(ケン化度:97.5〜98.5モル%)、「NH−18」(ケン化度:98.0〜99.0モル%)、「N−300」(ケン化度:98.0〜99.0モル%);日本酢ビ・ポバール(株)製の「JC−33」(ケン化度:99.0モル%以上)、「JM−33」(ケン化度:93.5〜95.5モル%)、「JM−26」(ケン化度:95.5〜97.5モル%)、「JP−45」(ケン化度:86.5〜89.5モル%)、「JF−17」(ケン化度:98.0〜99.0モル%)、「JF−17L」(ケン化度:98.0〜99.0モル%)、「JF−20」(ケン化度:98.0〜99.0モル%)などが挙げられる。
塗工液は必要に応じて、可塑剤、界面活性剤などの添加剤を含有していてもよい。可塑剤としては、ポリオール又はその縮合物などが挙げられ、具体的にはグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどが例示される。添加剤の配合量は、ポリビニルアルコール系樹脂の20重量%以下とするのが好適である。
(塗工液の塗工および塗膜の乾燥)
上記塗工液を基材フィルムに塗工する方法は、ワイヤーバーコーティング法;リバースコーティング、グラビアコーティングのようなロールコーティング法;ダイコート法;カンマコート法;リップコート法;スピンコーティング法;スクリーンコーティング法;ファウンテンコーティング法;ディッピング法;スプレー法などの公知の方法から適宜選択することができる。
基材フィルムの両面に塗工液を塗工する場合、上述の方法により片面ずつ順番に塗工することもできるし、ディッピング法やスプレーコート法により、基材フィルムの両面に同時に塗工することもできる。
塗膜(乾燥前のポリビニルアルコール系樹脂層)の乾燥温度及び乾燥時間は塗工液に含まれる溶媒の種類に応じて設定される。乾燥温度は、例えば50〜200℃であり、好ましくは60〜150℃である。溶媒が水を含む場合、乾燥温度は80℃以上であることが好ましい。乾燥時間は、例えば2〜20分である。
ポリビニルアルコール系樹脂層は、基材フィルムの一方の面のみに形成してもよいし、両面に形成してもよい。両面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成すると偏光性積層フィルムや偏光板の製造時に発生し得るフィルムのカールを抑制できるとともに、1枚の偏光性積層フィルムから2枚の偏光フィルムを得ることができるので、偏光フィルムの生産効率の面でも有利である。
積層フィルムにおけるポリビニルアルコール系樹脂層の厚みは、3〜30μmであることが好ましく、5〜20μmであることがより好ましい。この範囲内の厚みを有するポリビニルアルコール系樹脂層であれば、後述する工程(3)及び工程(4)を経て、二色性色素の染色性が良好で偏光性能に優れ、かつ厚みが10μm以下の偏光フィルムを得ることができる。ポリビニルアルコール系樹脂層の厚みが30μmを超えると、偏光フィルムの厚みが10μmを超えることがある。また、ポリビニルアルコール系樹脂層の厚みが3μm未満であると、延伸後に薄くなりすぎて染色性が悪化する傾向にある。
塗工液の塗工に先立ち、基材フィルムとポリビニルアルコール系樹脂層との密着性を向上させるために、ポリビニルアルコール系樹脂層が形成される側の基材フィルム表面に、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム(火炎)処理などを施してもよい。
(プライマー層)
また、塗工液の塗工に先立ち、基材フィルムとポリビニルアルコール系樹脂層との密着性を向上させるために、基材フィルム上にプライマー層や接着剤層を介してポリビニルアルコール系樹脂層を形成してもよい。
プライマー層は、プライマー層形成用塗工液を基材フィルム表面に塗工した後、乾燥させることにより形成することができる。プライマー層形成用塗工液は、基材フィルムとポリビニルアルコール系樹脂層との両方にある程度強い密着力を発揮する成分を含む。プライマー層形成用塗工液は通常、このような密着力を付与する樹脂成分と溶媒とを含有する。樹脂成分は、透明性、熱安定性、延伸性などに優れる熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂などが挙げられる。中でも、良好な密着力を与えるポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂及びその誘導体が挙げられる。ポリビニルアルコール樹脂の誘導体としては、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタールなどの他、ポリビニルアルコール樹脂をエチレン、プロピレンのようなオレフィン類で変性したもの;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸のような不飽和カルボン酸類で変性したもの;不飽和カルボン酸のアルキルエステルで変性したもの;アクリルアミドで変性したものなどが挙げられる。上述のポリビニルアルコール系樹脂の中でも、ポリビニルアルコール樹脂を使用することが好ましい。
溶媒としては通常、上記樹脂成分を溶解できる一般的な有機溶媒や水系溶媒が採用できる。溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類;酢酸エチル、酢酸イソブチルのようなエステル類;塩化メチレン、トリクロロエチレン、クロロホルムのような塩素化炭化水素類;エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールのようなアルコール類である。ただし、有機溶媒を含むプライマー層形成用塗工液からプライマー層を形成すると、基材フィルムを溶解させてしまうこともあるので、基材フィルムの溶解性も考慮して溶媒を選択することが好ましい。環境への影響も考慮すると、水を溶媒とする塗工液からプライマー層を形成するのが好ましい。
プライマー層の強度を上げるために、プライマー層形成用塗工液に架橋剤を添加してもよい。架橋剤は、使用する熱可塑性樹脂の種類に応じて、有機系、無機系など公知のものの中から適切なものを適宜選択する。架橋剤としては、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、ジアルデヒド系架橋剤、金属系架橋剤が挙げられる。
プライマー層形成用塗工液中の樹脂成分と架橋剤の割合は、樹脂成分100重量部に対して、架橋剤0.1〜100重量部の範囲から、樹脂成分の種類や架橋剤の種類などに応じて適宜決定すればよく、とりわけ0.1〜50重量部の範囲から選択するのが好ましい。また、プライマー層形成用塗工液の固形分は、プライマー層形成用塗工液中の溶剤100重量部に対して、1〜25重量部となるようにするのが好ましい。
プライマー層の厚みは、0.05〜1μmであることが好ましく、0.1〜0.4μmであることがより好ましい。0.05μmより薄くなると、基材フィルムとポリビニルアルコール系樹脂層との密着力向上の効果が小さく、1μmより厚くなると、偏光性積層フィルムや偏光板の薄膜化に不利である。
プライマー層形成用塗工液を基材フィルムに塗工する方法は、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液を塗工する方法と同様の方法を挙げることができる。プライマー層形成用塗工液は、ポリビニルアルコール系樹脂層形成用の塗工液が塗工される面(基材フィルムの片面又は両面)に塗工される。プライマー層形成用塗工液から得られる塗工層の乾燥温度及び乾燥時間は、塗工液に含まれる溶媒の種類に応じて設定される。乾燥温度は、例えば50〜200℃であり、好ましくは60〜150℃である。溶媒が水を含む場合、乾燥温度は80℃以上であることが好ましい。乾燥時間は、例えば30秒〜20分である。
プライマー層を設ける場合、基材フィルムへの塗工の順番は特に制約されるものではなく、例えば基材フィルムの両面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成する場合には、基材フィルムの両面にプライマー層を形成した後、両面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成してもよいし、基材フィルムの一方の面にプライマー層、ポリビニルアルコール系樹脂層を順に形成した後、基材フィルムの他方の面にプライマー層、ポリビニルアルコール系樹脂層を順に形成してもよい。
[工程(3)]
工程(3)では、前記積層フィルムを一軸延伸して延伸フィルムを得る。積層フィルムの延伸倍率は、所望する偏光特性に応じて適宜選択することができるが、好ましくは、積層フィルムの元長に対して5倍超17倍以下であり、より好ましくは5倍超8倍以下である。延伸倍率が5倍以下であると、ポリビニルアルコール系樹脂層を構成するポリビニルアルコール系樹脂の高分子鎖が十分に配向しないため、偏光フィルムの偏光度が十分に高くならないことがある。一方、延伸倍率が17倍を超えると、延伸時にフィルムの破断が生じ易くなるとともに、延伸フィルムの厚みが必要以上に薄くなり、後工程での加工性及び取扱性が低下するおそれがある。
積層フィルムの延伸は、MD方向に延伸する縦延伸であってもよいし、TD方向に延伸する横延伸又は斜め延伸などであってもよい。縦延伸方式としては、ロールを用いて延伸するロール間延伸〔距離を置いて設置された2つのニップロール間を搬送させながら、これら2つのニップロールの間の周速差によって縦一軸延伸を行う方式〕、熱ロール延伸〔延伸可能な所望の温度に表面が加熱された熱ロールと、該熱ロールより周速の大きいガイドロール(又は熱ロールであってもよい)との間を通すことにより、熱ロールと接触することで生じる加熱状態下に熱ロールとの接触時(熱ロール上)又はその近傍で縦一軸延伸を行う方式〕、圧縮延伸、チャック(クリップ)による延伸などが挙げられ、横延伸方式としては、テンター法などが挙げられる。延伸処理は、湿潤式延伸方法、乾式延伸方法(空中での延伸)のいずれも採用できるが、延伸温度を広い範囲から選択することができる点で乾式延伸方法が好ましい。
延伸温度は、積層フィルム(ポリビニルアルコール系樹脂層及び基材フィルム)が延伸可能な程度に流動性を示す温度以上に設定され、好ましくは基材フィルムの相転移温度(融点又はガラス転移温度)の−30〜+30℃の範囲であり、より好ましくは−30℃から+5℃の範囲であり、さらに好ましくは−25℃から+0℃の範囲である。基材フィルムが複数の樹脂層からなる場合、上記相転移温度は該複数の樹脂層が示す相転移温度のうち、最も高い相転移温度を意味する。
延伸温度を相転移温度の−30℃より低くすると、5倍超の高倍率延伸が達成されにくいか、又は、基材フィルムの流動性が低すぎて延伸処理が困難になる傾向にある。延伸温度が相転移温度の+30℃を超えると、基材フィルムの流動性が大きすぎて延伸が困難になる傾向にある。5倍超の高延伸倍率をより達成しやすいことから、延伸温度は上記範囲内であって、さらに好ましくは120℃以上である。延伸温度が120℃以上の場合、5倍超の高延伸倍率であっても延伸処理に困難性を伴わないことが多い。
延伸処理における積層フィルムの加熱方法としては、ゾーン加熱法(例えば、熱風を吹き込むことによって所定の温度に調整した加熱炉のような延伸ゾーン内で加熱する方法);熱ロール延伸によって延伸する場合において、ロール自体を加熱する方法;ヒーター加熱法(赤外線ヒーター、ハロゲンヒーター、パネルヒーターなどを積層フィルムの上下に設置し輻射熱で加熱する方法)などがある。ロール間延伸方式においては、延伸温度の均一性の観点からゾーン加熱法が好ましい。この場合、2つのニップロールは調温した延伸ゾーン内に設置してもよく、延伸ゾーン外に設置してもよいが、積層フィルムとニップロールとの粘着を防止するために延伸ゾーン外に設置する方が好ましい。
なお、延伸温度とは、ゾーン加熱法の場合、ゾーン内(例えば加熱炉内)の雰囲気温度を意味し、ヒーター加熱法においても炉内で加熱を行う場合は炉内の雰囲気温度を意味する。また、熱ロール延伸の場合は、熱ロールの表面温度を意味する。
積層フィルムの延伸は、一段での延伸に限定されず、多段で行うこともできる。この場合、延伸処理の全段を合わせて5倍超の延伸倍率となるように延伸処理を行うことが好ましい。
工程(3)に先立ち、積層フィルムを予熱する予熱処理工程を設けてもよい。予熱方法としては、延伸処理における加熱方法と同様の方法を適用することができる。延伸方式がロール間延伸である場合、予熱は、上流側のニップロールを通過する前、通過中、通過した後のいずれのタイミングで行ってもよい。延伸方式が熱ロール延伸である場合には、予熱は、熱ロールを通過する前のタイミングで行うことが好ましい。延伸方式がチャックによる延伸である場合には、予熱は、チャック間距離を広げる前のタイミングで行うことが好ましい。予熱温度は、(延伸温度−50)℃から(延伸温度+0)℃の範囲であることが好ましく、(延伸温度−40)℃から(延伸温度−10)℃の範囲であることがより好ましい。
また、工程(3)における積層フィルムの延伸の後に、熱固定処理工程を設けてもよい。熱固定処理は、延伸フィルムの端部をクリップにより把持した状態で緊張状態に維持しながら、ポリビニルアルコール系樹脂層の結晶化温度以上で熱処理を行う処理である。この熱固定処理によって、ポリビニルアルコール系樹脂層の結晶化が促進される。熱固定処理の温度は、(延伸温度−80)℃から(延伸温度+0)℃の範囲であることが好ましく、(延伸温度−50)℃から(延伸温度+0)℃の範囲であることがより好ましい。
[工程(4)]
工程(4)では、延伸フィルムのポリビニルアルコール系樹脂層を二色性色素で染色して、二色性色素を吸着配向させ、偏光性積層フィルムを得る。本工程を経て基材フィルムの片面又は両面に偏光フィルムが積層された偏光性積層フィルムが得られる。
二色性色素としては、ヨウ素又は二色性有機染料が挙げられる。二色性有機染料としては、レッドBR、レッドLR、レッドR、ピンクLB、ルビンBL、ボルドーGS、スカイブルーLG、レモンイエロー、ブルーBR、ブルー2R、ネイビーRY、グリーンLG、バイオレットLB、バイオレットB、ブラックH、ブラックB、ブラックGSP、イエロー3G、イエローR、オレンジLR、オレンジ3R、スカーレットGL、スカーレットKGL、コンゴーレッド、ブリリアントバイオレットBK、スプラブルーG、スプラブルーGL、スプラオレンジGL、ダイレクトスカイブルー、ダイレクトファーストオレンジS、ファーストブラックなどが挙げられる。二色性色素は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
染色は、二色性色素を含有する溶液(染色溶液)に延伸フィルムを浸漬することにより行うことができる。染色溶液としては、上記二色性色素を溶媒に溶解した溶液を使用できる。染色溶液の溶媒としては、一般的には水が使用されるが、水と相溶性のある有機溶媒を添加してもよい。染色溶液における二色性色素の濃度は、0.010〜10重量%であることが好ましく、0.020〜7重量%であることがより好ましく、0.025〜5重量%であることがさらに好ましい。
二色性色素としてヨウ素を使用する場合、染色効率をより一層向上できることから、ヨウ素を含有する染色溶液にヨウ化物をさらに添加することが好ましい。ヨウ化物としては、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタンなどが挙げられる。染色溶液におけるヨウ化物の濃度は、0.01〜20重量%であることが好ましい。ヨウ化物の中でも、ヨウ化カリウムを添加することが好ましい。ヨウ化カリウムを添加する場合、ヨウ素とヨウ化カリウムとの割合は重量比で、1:5〜1:100の範囲にあることが好ましく、1:6〜1:80の範囲にあることがより好ましく、1:7〜1:70の範囲にあることがさらに好ましい。
染色溶液への延伸フィルムの浸漬時間は、通常15秒〜15分間であり、好ましくは30秒〜3分間である。また、染色溶液の温度は、10〜60℃であることが好ましく、20〜40℃であることがより好ましい。
なお、工程(4)中に延伸フィルムに対してさらに追加の延伸処理を施してもよい。この場合における実施態様としては、
1)上記工程(3)において、目標より低い倍率で延伸処理を行った後、工程(4)における染色処理中に、総延伸倍率が目標の倍率となるように延伸処理を行う態様や、
後述するように、染色処理の後に架橋処理を行う場合には、
2)上記工程(3)において、目標より低い倍率で延伸を行った後、工程(4)における染色処理中に、総延伸倍率が目標の倍率に達しない程度まで延伸を行い、次いで、最終的な総延伸倍率が目標の倍率となるように架橋処理中に延伸処理を行う態様
などを挙げることができる。
工程(4)は、染色処理に引き続いて実施される架橋処理工程を含むことが好ましい。
架橋処理は、架橋剤を含む溶液(架橋溶液)中に染色されたフィルムを浸漬することにより行うことができる。架橋剤としては、従来公知の物質を使用することができ、ホウ酸、ホウ砂のようなホウ素化合物、グリオキザール、グルタルアルデヒドなどが挙げられる。
架橋剤は1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋溶液は、具体的には架橋剤を溶媒に溶解した溶液である。溶媒としては、水が使用できるが、水と相溶性のある有機溶媒をさらに含んでもよい。架橋溶液における架橋剤の濃度は、1〜20重量%であることが好ましく、6〜15重量%であることがより好ましい。
架橋溶液はヨウ化物を含んでいてもよい。ヨウ化物の添加により、偏光フィルムの面内における偏光性能をより均一化させることができる。ヨウ化物としては、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタンなどが挙げられる。架橋溶液におけるヨウ化物の濃度は、0.05〜15重量%であることが好ましく、0.5〜8重量%であることがより好ましい。
架橋溶液への染色されたフィルムの浸漬時間は、通常15秒〜20分間であり、30秒〜15分間であることが好ましい。また、架橋溶液の温度は、10〜90℃であることが好ましい。
なお架橋処理は、染色処理に先立ち行うこともできるし、架橋剤を染色溶液中に配合することにより、染色処理と同時に行うこともできる。また、架橋処理中に延伸処理を行ってもよい。架橋処理中に延伸処理を実施する具体的態様は上述のとおりである。
工程(4)の後、洗浄工程(工程(4’))及び乾燥工程(工程(4”))を行うことが好ましい。工程(4’)は通常、水洗浄工程を含む。水洗浄処理は、イオン交換水、蒸留水のような純水に染色処理後の又は架橋処理後の偏光性積層フィルムを浸漬することにより行うことができる。水洗浄温度は、通常3〜50℃、好ましくは4〜20℃である。
水への浸漬時間は通常2〜300秒間、好ましくは3〜240秒間である。
工程(4’)は、水洗浄工程とヨウ化物溶液による洗浄工程との組み合わせであってもよい。また、水洗浄工程及び/又はヨウ化物溶液による洗浄処理で使用する洗浄液には、水のほか、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、プロパノールのような液体アルコールを適宜含有させることができる。
工程(4”)としては、自然乾燥、送風乾燥、加熱乾燥などの任意の適切な方法を採用し得る。例えば加熱乾燥の場合、乾燥温度は、通常20〜95℃であり、乾燥時間は、通常1〜15分間である。以上のようにして得られる偏光性積層フィルムはそのまま偏光素子として使用することができるとともに、偏光フィルムと保護フィルムとを含む偏光板を作製するための中間物としても有用である。
偏光性積層フィルムが有する偏光フィルムの厚みは10μm以下であり、好ましくは7μm以下である。偏光フィルムの厚みを10μm以下とすることにより、薄型の偏光性積層フィルムを構成することができる。
[工程(5)]
工程(5)は、偏光性積層フィルムから基材フィルムを剥離する。この工程(5)を経て、偏光フィルム上に基材フィルムを有しない偏光フィルムを得ることができる。偏光性積層フィルムが基材フィルムの両面に偏光フィルムを有する場合には、工程(5)により、1枚の偏光性積層フィルムから2枚の偏光フィルムが得られる。基材フィルムを剥離除去する方法は特に限定されるものでなく、通常の粘着剤付偏光板で行われるセパレータ(剥離フィルム)の剥離工程と同様の方法で剥離できる。
また、基材フィルムの剥離に先立って、偏光性積層フィルムにおける偏光フィルム上に、接着剤または粘着剤を介して保護フィルムを積層しておいてもよい。偏光性積層フィルムにおける偏光フィルム上に保護フィルムを積層した積層体から基材フィルムを剥離すると偏光フィルムと保護フィルムとを有する偏光板を得ることができる。
(保護フィルム)
保護フィルムとしては、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂など)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂など)のようなポリオレフィン系樹脂;セルローストリアセテート、セルロースジアセテートのようなセルロースエステル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;又はこれらの混合物、共重合物などからなるフィルムが挙げられる。
保護フィルムは、位相差フィルム、輝度向上フィルムなどのような光学機能を併せ持つ保護フィルムであってもよい。例えば、上記材料からなる樹脂フィルムを延伸(一軸延伸又は二軸延伸など)したり、該フィルム上に液晶層などを形成したりすることにより、任意の位相差値が付与された位相差フィルムとすることができる。
保護フィルムにおける偏光フィルムとの貼合面とは反対側の表面には、ハードコート層、防眩層、反射防止層などの光学層を形成することもできる。保護フィルム表面にこれらの光学層を形成する方法は特に限定されず、公知の方法を適用することができる。光学層は、保護フィルム上に予め形成しておいてもよいし、保護フィルムを偏光性積層フィルムに貼合した後に形成してもよい。
偏光フィルム上に保護フィルムを貼合するにあたり、保護フィルムにおける偏光フィルムとの貼合面には、偏光フィルムとの接着性を向上させるために、予めプラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、ケン化処理などの表面処理(易接着処理)をおこなっておいてもよい。中でも、プラズマ処理、コロナ処理又はケン化処理を行うことが好ましい。例えば保護フィルムが環状ポリオレフィン系樹脂からなる場合、通常プラズマ処理やコロナ処理が行われる。また、セルロースエステル系樹脂からなる場合には、通常ケン化処理が行われる。ケン化処理としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリ水溶液に浸漬する方法が挙げられる。
保護フィルムの厚みは薄いことが好ましいが、薄すぎると強度が低下し、加工性に劣る。一方、厚すぎると、透明性が低下したり、貼合後に必要な養生時間が長くなったりするなどの問題が生じる。したがって、保護フィルムの厚みは、好ましくは90μm以下であり、より好ましくは5〜60μmであり、さらに好ましくは5〜50μmである。また、偏光板の薄膜化の観点から、偏光フィルムと保護フィルムとの合計厚みは、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは90μm以下、さらに好ましくは80μm以下である。
(接着剤)
接着剤としては、水系接着剤又は光硬化性接着剤を使用することができる。水系接着剤としては、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる接着剤、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤などが挙げられる。とりわけ、保護フィルムとしてケン化処理などで表面処理(親水化処理)されたセルロースエステル系樹脂フィルムを使用する場合には、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる水系接着剤を使用することが好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマーのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるポリビニルアルコール系共重合体又はそれらの水酸基を部分的に変性した変性ポリビニルアルコール系重合体などを使用することができる。水系接着剤は、多価アルデヒド、水溶性エポキシ化合物、メラミン系化合物、ジルコニア化合物、亜鉛化合物などの添加剤を含んでいてもよい。水系接着剤から得られる接着剤層の厚みは、通常1μm以下である。
水系接着剤を偏光性積層フィルムの偏光フィルム上及び/又は保護フィルム上に塗工し、接着剤層を介して両フィルムを貼合し、好ましくは貼合ロールなどにより加圧し密着させることにより、両フィルムを積層させることができる。水系接着剤(光硬化性接着剤についても同様)の塗工方法は特に制限されず、流延法、マイヤーバーコート法、グラビアコート法、カンマコーター法、ドクターブレード法、ダイコート法、ディップコート法、噴霧法などの従来公知の方法を適用することができる。
水系接着剤を使用する場合、上述の貼合を実施した後、水系接着剤中に含まれる水を除去するためにフィルムを乾燥させる乾燥工程を実施することが好ましい。乾燥は、保護フィルムを貼合した偏光フィルムを乾燥炉に導入することによって行うことができる。乾燥温度(乾燥炉の温度)は、好ましくは30〜90℃である。30℃未満であると、保護フィルムが偏光フィルムから剥離しやすくなる傾向がある。また乾燥温度が90℃を超えると、熱によって偏光フィルムの偏光性能が劣化するおそれがある。乾燥時間は通常10〜1000秒であり、生産性の観点から、好ましくは60〜750秒であり、より好ましくは150〜600秒である。
乾燥後、室温又はそれよりやや高い温度、例えば20〜45℃の温度で12〜600時間養生させてもよい。養生温度は、乾燥温度よりも低く設定されるのが一般的である。
光硬化性接着剤とは、紫外線などの活性エネルギー線を照射することで硬化する接着剤をいう。光硬化性接着剤としては、重合性化合物及び光重合開始剤を含む接着剤、光反応性樹脂を含む接着剤、バインダー樹脂及び光反応性架橋剤を含む接着剤などを挙げることができる。重合性化合物としては、エポキシ系モノマー、アクリル系モノマー、ウレタン系モノマーなどの光重合性モノマーや、光重合性モノマーに由来するオリゴマーなどを挙げることができる。光重合開始剤としては、紫外線などの活性エネルギー線の照射により中性ラジカル、アニオンラジカル、カチオンラジカルといった活性種を発生する化合物を挙げることができる。重合性化合物及び光重合開始剤を含む光硬化性接着剤として、光硬化性エポキシ系モノマー及び光カチオン重合開始剤を含む接着剤を好ましく使用することができる。
光硬化性接着剤を使用する場合、上述の偏光フィルムと保護フィルムとを貼合した後、必要に応じて乾燥工程を行い(光硬化性接着剤が溶媒を含む場合など)、次いで活性エネルギー線を照射することによって光硬化性接着剤を硬化させる。活性エネルギー線の光源は、波長400nm以下に発光分布を有する光源が好ましく、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプなどが好ましい。
光硬化性接着剤への光照射強度は、光硬化性接着剤の組成によって適宜決定され、重合開始剤の活性化に有効な波長領域の照射強度が0.1〜6000mW/cmとなるように設定されることが好ましい。照射強度が0.1mW/cm以上である場合、反応時間が長くなりすぎず、6000mW/cm以下である場合、光源から輻射される熱及び光硬化性接着剤の硬化時の発熱による光硬化性接着剤の黄変や偏光フィルムの劣化を生じるおそれが少ない。
光硬化性接着剤への光照射時間は、光硬化性接着剤の組成によって適宜決定され、上記照射強度と照射時間との積として表される積算光量が10〜10000mJ/cmとなるように設定されることが好ましい。積算光量が10mJ/cm以上である場合、重合開始剤由来の活性種を十分量発生させて硬化反応をより確実に進行させることができ、10000mJ/cm以下である場合、照射時間が長くなりすぎず、良好な生産性を維持できる。
なお、活性エネルギー線照射後の接着剤層の厚みは、通常0.001〜5μmであり、好ましくは0.01〜2μmであり、さらに好ましくは0.01〜1μmである。
(粘着剤)
保護フィルムの貼合に使用することができる粘着剤は、通常、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂などをベースポリマーとし、そこに、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物のような架橋剤を加えた粘着剤組成物からなる。さらに微粒子を含有して光散乱性を示す粘着剤とすることもできる。
粘着剤組成物から形成される粘着剤層の厚みは、通常1〜40μmであるが、加工性、耐久性の特性を損なわない範囲で、薄く塗るのが好ましく、3〜25μmであることが好ましい。3〜25μmの厚みは、良好な加工性を有し、かつ偏光フィルムの寸法変化を抑える上でも好適である。粘着剤層が1μm未満であると粘着性が低下し、40μmを超えると粘着剤が偏光板端部からはみ出すなどの不具合を生じ易くなる。粘着剤により保護フィルムを偏光性積層フィルムにおける偏光フィルムに貼合する方法においては、保護フィルム面に粘着剤層を設けた後、偏光フィルムに貼合してもよいし、偏光フィルム面に粘着剤層を設けた後、ここに保護フィルムを貼合してもよい。
粘着剤層を形成する方法は特に限定されるものではなく、保護フィルム面又は偏光フィルム面に、上記したベースポリマーをはじめとする各成分を含む粘着剤組成物を塗工し、乾燥して粘着剤層を形成した後、保護フィルムと偏光フィルムとを貼り合わせてもよいし、セパレータ(剥離フィルム)上に粘着剤層を形成した後、この粘着剤層を保護フィルム面又は偏光フィルム面に転写し、次いで保護フィルムと偏光フィルムとを貼り合わせてもよい。粘着剤層を保護フィルム面又は偏光フィルム面に形成する際には、必要に応じて保護フィルム面若しくは偏光フィルム面、又は粘着剤層の片面若しくは両面に表面処理、コロナ処理などを施してもよい。
(偏光フィルムまたは偏光板)
以上の工程(1)〜(5)を含む工程から得られる偏光フィルムまたは偏光板は、面内の吸収軸の振れが0.2°以下となる。さらに、かかる面内の吸収軸の標準偏差は、0.04°以下であることが好ましい。ただし基材フィルムの両面に偏光フィルムを有する偏光性積層フィルムの場合、通常、各偏光フィルムの吸収軸はほぼ同一であるが、少なくとも一方の面において、吸収軸の振れが0.2°以下となればよく、いずれの面においても吸収軸の振れが0.2°以下となることが好ましい。
面内の吸収軸の振れについて、図1を参照して説明をする。まず図1におけるMD方向2を基準として0°とする。そしてMD方向2と吸収軸6との間のなす角を求める。ただしなす角とは、MD方向2と吸収軸6とがつくる角度の内小さい方の角度(図1中のθで示した角度)のことをいい、さらに、図中点線矢印7の方向から吸収軸6を見たときにMD方向に対して反時計回りの角度をプラスの角度とし、時計回りの角度をマイナスの角度とする。ただし、角度のプラスとマイナスとは任意であり、どちらの向きをプラスにしてもよく、図1で基材フィルム4における偏光フィルム3を積層していない面にさらに偏光フィルムを積層している場合(基材フィルムの両面に偏光フィルムを積層している場合)も同様である。そして、面内の吸収軸の振れとは、上記方法により測定された面内吸収軸角度の最大値と最小値との差の絶対値のことをいう。面内吸収軸の振れは、例えば工程(4)で得られる偏光性積層フィルムまたは工程(5)で得られる本発明の偏光フィルム面内において、異なる2箇所以上で面内吸収軸角度を測定することで求めることができる。
値の信頼性の観点から、吸収軸角度の測定箇所の数は40箇所以上であることがより好ましく、通常100箇所以下の測定で十分である。さらに、値の信頼性をより高められるという点で、該吸収軸角度の測定箇所は、前記フィルム面内において均等に分布していることが好ましい。基材フィルムの両面に偏光フィルムを有する偏光性積層フィルムの場合、前述のとおり通常、各偏光フィルムの吸収軸はほぼ同一であるため、偏光性積層フィルムの吸収軸角度は、各偏光フィルムの吸収軸とみなすことができる。
本発明の偏光フィルムに保護フィルムを貼合した偏光板の構成について説明する。図2は、偏光フィルム3の両面に保護フィルム8を有する偏光板を表す。
本発明の偏光フィルムまたは本発明の偏光板は、表示装置に好適に組み込むことができる。表示装置としては、液晶表示装置や有機EL表示装置などが挙げられる。図3(a)は、本発明の偏光板9、液晶セル10、偏光板91およびバックライトユニット11をこの順に有する液晶表示装置12を表す。図3(b)は、偏光板91、液晶セル10、偏光板9およびバックライトユニット11をこの順に有する液晶表示装置12を表す。偏光板91は、本発明の偏光板であってもよいし、公知の偏光板であってもよい。すなわち、液晶表示装置が有する一対の偏光板のうち、少なくとも1つの偏光板は、本発明の偏光板である。なお、偏光板9の代わりに偏光フィルム3を適用してもよい。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(1)基材フィルムAの作製
エチレンユニットを約5重量%含むプロピレン/エチレンのランダム共重合体(住友化学(株)製の「住友ノーブレン W151」、融点Tm=138℃)からなる樹脂層の両面にプロピレンの単独重合体(住友化学(株)製の「住友ノーブレンFLX80E4」、融点Tm=163℃)からなる樹脂層を配置した3層構造の長尺の基材フィルムAを、多層押出成形機を使用し共押出成形により作製した。
この際、各層の樹脂温度は280℃に加熱した50mmφ押出機にて溶融混練し、次いで600mm幅Tダイから溶融状態で押出し溶融多層フィルムを得た。かかる溶融多層フィルムを、25℃に温調した冷却ロールにより冷却して多層の基材フィルムとした。
基材フィルムAの合計厚みは約90μmであり、各層の厚み比(FLX80E4/W151/FLX80E4)は3/4/3であった。
[基材フィルムAのMD方向の厚みムラ測定]
キーエンス(株)のレーザー測定器LT9010により、TD方向の長さが300mm、MD方向の長さが200mである基材フィルムAに対して、連続的にMD方向の200mにわたって、厚みを測定した。MD方向の厚みムラの測定時にデータの取り込みは、1秒の間隔で4096点サンプリングした(2.5m/分で搬送測定しているため1秒×(4096−1)×2・5m/分÷60秒/分=170.625mで、170.625mの厚みムラデータを取り込んだ)。
得られた厚みムラの波形から、標準偏差σ1を算出したところ、0.63であった。
[フーリエ変換]
このように取り込んだデータに対して高速フーリエ変換(FFT)処理を施した。この際、MD方向の変数に、フィルムの長さ(m)を取ると、FFT処理により、波数(1/m)に対する強度分布が得られる。
[波数分離と逆フーリエ変換、及び厚みムラの算出]
フーリエ変換して得られた強度分布データについて、波数が1/3(1/m)未満に対応する112点のスペクトル強度にのみ0を乗じて得られる強度データ4096点について逆フーリエ変換した。得られた厚みムラの波形から、標準偏差σ2を算出したところ、0.59であった。
[標準偏差と厚みの比の算出]
標準偏差σ1および標準偏差σ2の値を基材フィルムAの平均厚みdで割ることで、標準偏差と厚みの比σ1/dおよびσ2/dを算出したところ、それぞれ7.07×10−3および6.62×10−3であった。なお、基材フィルムAの平均厚みdは、前記MD方向の厚みムラ測定時における基材フィルム厚みの全測定値の平均値を用いた。
(2)プライマー層の形成
ポリビニルアルコール粉末(日本合成化学工業(株)製「Z−200」、平均重合度1100、平均ケン化度99.5モル%)を95℃の熱水に溶解し、濃度3重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液に架橋剤(住友化学(株)製「スミレーズレジン(登録商標)650」)をポリビニルアルコール粉末6重量部に対して5重量部混合した。得られた混合水溶液を、コロナ処理を施した上記基材フィルムAのコロナ処理面上にマイクログラビアコーターにより塗工し、80℃で10分間乾燥させることで、プライマー層を形成した。ついで、この基材フィルムAにおけるプライマー層とは反対の面にも同様の処理を施し、両面にプライマー層が形成された基材フィルムAを得た。プライマー層の厚みはいずれも0.5μmであった。
(3)ポリビニルアルコール系樹脂層の形成
ポリビニルアルコール粉末((株)クラレ製「PVA124」、平均重合度2400、平均ケン化度98.0〜99.0モル%)を95℃の熱水に溶解し、濃度8重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液を、上記プライマー層上にリップコーターにより塗工し、80℃で2分間、70℃で2分間、ついで60℃で4分間の条件下で乾燥させることにより、基材フィルムA/プライマー層/ポリビニルアルコール系樹脂層からなる3層構造の積層フィルムを作製した。ついで、この基材フィルムAのポリビニルアルコール系樹脂層とは反対の面にも同様の処理を施し、両面にポリビニルアルコール系樹脂層が形成された積層フィルムを得た。ポリビニルアルコール系樹脂層の厚みはそれぞれ9.2μm、9.5μmであった。
(4)延伸フィルムの作製
上記積層フィルムを160℃の延伸温度で5.3倍に自由端縦一軸延伸し、延伸フィルムを得た。
(染色工程)
その後、延伸フィルムを30℃のヨウ素とヨウ化カリウムの混合水溶液である染色溶液1に180秒ほど浸漬して染色した後、10℃の純水で余分なヨウ素液を洗い流した。次いで78℃のホウ酸水溶液である架橋溶液1に120秒浸漬させた。次いで、ホウ酸およびヨウ化カリウムを含む70℃の架橋溶液2に60秒浸漬させた。その後10℃の純水で10秒間洗浄し、最後に80℃で300秒間乾燥させた。以上の工程によりポリビニルアルコール系樹脂層から偏光フィルムを形成し、偏光性積層フィルムを得た。各溶液の配合比率は以下のとおりである。偏光フィルムの厚みは、いずれも6.8μmであった。
<染色溶液1>
水:100重量部
ヨウ素:0.6重量部
ヨウ化カリウム:10重量部
<架橋溶液1>
水:100重量部
ホウ酸:10.4重量部
<架橋溶液2>
水:100重量部
ホウ酸:5.7重量部
ヨウ化カリウム:12重量部
(5)偏光性積層フィルムの評価試験
以上の方法で得られた偏光性積層フィルムに対して、大塚電子(株)製の位相差フィルム・光学材料検査装置(商品名“RETS”)により、吸収軸の測定を行った。まず作製した偏光性積層フィルムのTD方向中央を中心に480mmの範囲をとり、その480mm幅の範囲を10mm間隔で分割し、合計49点について偏光性積層フィルムの吸収軸の測定を行った。これら49点の吸収軸から標準偏差を算出した。また、面内吸収軸角度の最大値と最小値の差の絶対値を吸収軸の振れとした。なお測定に供した偏光性積層フィルムは、基材フィルムの両面に偏光フィルムを有するが、各測定点における吸収軸角度はそれぞれの偏光フィルムでほぼ同一であるため、偏光性積層フィルムの吸収軸角度を、それぞれの偏光フィルムの吸収軸角度とみなすことができる。
得られたデータから偏光性積層フィルムの吸収軸の標準偏差を算出したところ0.021°であった。すなわち各偏光フィルムの吸収軸の標準偏差も0.021°である。また、各偏光フィルムの吸収軸の振れは0.12°であった。偏光フィルムの吸収軸の標準偏差が0.04°未満、また偏光フィルムの吸収軸の振れが0.2°未満であれば、吸収軸の面内均一性は良好と判断できる。
<実施例2>
標準偏差σ1が0.77、標準偏差σ2が0.61である基材フィルムAを使用した以外は実施例1と同様にして偏光性積層フィルムを得た。評価の結果、吸収軸の標準偏差は0.027°、吸収軸の振れは0.11°であった。
<実施例3>
標準偏差σ1が0.78、標準偏差σ2が0.63である基材フィルムAを使用した以外は実施例1と同様にして偏光性積層フィルムを得た。評価の結果、吸収軸の標準偏差は0.033°、吸収軸の振れは0.13°であった。
<実施例4>
標準偏差σ1が0.67、標準偏差σ2が0.66である基材フィルムAを使用した以外は実施例1と同様にして偏光性積層フィルムを得た。評価の結果、吸収軸の標準偏差は0.041°、吸収軸の振れは0.14°であった。
<実施例5>
標準偏差σ1が0.73、標準偏差σ2が0.69である基材フィルムAを使用した以外は実施例1と同様にして偏光性積層フィルムを得た。評価の結果、吸収軸の標準偏差は0.046°、吸収軸の振れは0.16°であった。
<実施例6>
(1)基材フィルムBの準備
基材フィルムBとして、無延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(オージェイケイ(株)製の「オーファン」)を用いた。
[基材フィルムBのMD方向の厚みムラ測定]
キーエンス(株)のレーザー測定器LT9010により、TD方向の長さが640mm、MD方向の長さが131mである基材フィルムBに対して、連続的にMD方向の131mにわたって、厚みを測定した。MD方向の厚みムラの測定時にデータの取り込みは、1秒の間隔で512点サンプリングした(2.5m/分で搬送測定しているため1秒×(512−1)×2・5m/分÷60秒/分=21.292mで、21.292mの厚みムラデータを取り込んだ)。
得られた厚みムラの波形から、標準偏差σ1を算出したところ、1.79であった。
[フーリエ変換、波数分離と逆フーリエ変換、及び厚みムラの算出]
取り込んだ厚みムラデータに対して高速フーリエ変換(FFT)処理を施した。次いでフーリエ変換して得られた強度分布データについて、波数が1/3(1/m)未満に対応する7点のスペクトル強度にのみ0を乗じて得られる強度データ512点について逆フーリエ変換した。得られた厚みムラの波形から、標準偏差σ2を算出したところ、1.68であった。
[標準偏差と厚みの比の算出]
標準偏差σ1および標準偏差σ2の値を基材フィルムBの平均厚みdで割ることで、標準偏差と厚みの比σ1/dおよびσ2/dを算出したところ、それぞれ7.97×10−3および7.48×10−3であった。
(2)プライマー層の形成
実施例1と同様に、上記基材フィルムBの片面にコロナ処理を施し、コロナ処理面上にプライマー層を形成した。プライマー層の厚みは0.5μmであった。
(3)ポリビニルアルコール系樹脂層の形成
実施例1と同様に、上記プライマー層上にポリビニルアルコール系樹脂層を形成し、基材フィルムB/プライマー層/ポリビニルアルコール系樹脂層からなる3層構造の積層フィルムを作製した。ポリビニルアルコール系樹脂層の厚みは5.1μmであった。
(4)延伸フィルムの作製
上記積層フィルムを90℃の延伸温度で1.8倍に自由端縦一軸延伸し、延伸フィルムを得た。
(染色工程)
延伸フィルムを30℃のホウ酸水溶液である架橋溶液3に30秒浸漬した。次に、30℃のヨウ素とヨウ化カリウムの混合水溶液である染色溶液2に120秒ほど浸漬して染色した後、7℃の純水で余分なヨウ素液を洗い流した。次いでホウ酸およびヨウ化カリウムを含む40℃の水溶液である架橋溶液4に120秒浸漬させた。次いで、ホウ酸およびヨウ化カリウムを含む75℃の架橋溶液5に60秒浸漬させながら、延伸倍率3.0倍となるように自由端縦一軸延伸(総延伸倍率:5.4倍)した。その後7℃のヨウ化カリウム水溶液(水100重量部に対し、ヨウ化カリウムを4.9重量部混合した水溶液)で5秒間洗浄し、最後に60℃で180秒間乾燥させた。以上の工程によりポリビニルアルコール系樹脂層から偏光フィルムを形成し、偏光性積層フィルムを得た。各溶液の配合比率は以下のとおりである。偏光フィルムの厚みは、3.7μmであった。
<染色溶液2>
水:100重量部
ヨウ素:0.59重量部
ヨウ化カリウム:1.6重量部
<架橋溶液3>
水:100重量部
ホウ酸:3.0重量部
<架橋溶液4>
水:100重量部
ホウ酸:3.0重量部
ヨウ化カリウム:3.1重量部
<架橋溶液5>
水:100重量部
ホウ酸:4.0重量部
ヨウ化カリウム:5.0重量部
(5)偏光性積層フィルムの評価試験
以上の方法で得られた偏光性積層フィルムに対して、大塚電子(株)製の位相差フィルム・光学材料検査装置(商品名“RETS”)により、吸収軸の測定を行った。まず作製した偏光性積層フィルムのTD方向中央を中心に110mmの範囲をとり、その110mm幅の範囲を10mm間隔で分割し、合計11点について偏光性積層フィルムの吸収軸の測定を行った。これら11点の吸収軸から標準偏差を算出した。また、面内吸収軸角度の最大値と最小値の差の絶対値を吸収軸の振れとした。
得られたデータから偏光性積層フィルムの吸収軸の標準偏差を算出したところ0.063°であった。すなわち偏光フィルムの吸収軸の標準偏差は0.063°である。また、偏光フィルムの吸収軸の振れは0.18°であった。
<比較例1>
標準偏差σ1が0.77、標準偏差σ2が0.72である基材フィルムAを使用した以外は実施例1と同様にして偏光性積層フィルムを得た。評価の結果、吸収軸の標準偏差は0.064°、吸収軸の振れは0.26°であった。
<比較例2>
標準偏差σ1が0.97、標準偏差σ2が0.84である基材フィルムAを使用した以外は実施例1と同様にして偏光性積層フィルムを得た。評価の結果、吸収軸の標準偏差は0.072°、吸収軸の振れは0.24°であった。
<比較例3>
標準偏差σ1が1.17、標準偏差σ2が0.95である基材フィルムAを使用した以外は実施例1と同様にして偏光性積層フィルムを得た。評価の結果、吸収軸の標準偏差は0.080°、吸収軸の振れは0.27°であった。
<比較例4>
標準偏差σ1が1.26、標準偏差σ2が1.13である基材フィルムAを使用した以外は実施例1と同様にして偏光性積層フィルムを得た。評価の結果、吸収軸の標準偏差は0.142°、吸収軸の振れは0.57°であった。
以上の結果を、表1に示す。
Figure 2016122190
表1において、吸収軸の振れが0.13°以下である場合◎と判定し、吸収軸の振れが0.13°超、0.2°以下である場合○と判定し、吸収軸の振れが0.2°を超える場合×と判定した。表1より、実施例1〜6で得られた偏光フィルムは、吸収軸の振れが0.2°以下であり、かかる偏光板を組み込んだ液晶表示装置のコントラスト比が向上する。
本発明によれば、吸収軸精度に優れた偏光板を提供でき、かかる偏光板を組み込んだ表示装置は高いコントラスト比を達成することができる。
1:TD方向、2:MD方向、3:偏光フィルム、4:基材フィルム、5:偏光性積層フィルム、6:吸収軸、7:点線矢印、8:保護フィルム、9:本発明の偏光板、10:液晶セル、11:バックライトユニット、12:液晶表示装置

Claims (10)

  1. 厚みが10μm以下であり、面内の吸収軸の振れが0.2°以下である偏光フィルム。
  2. 請求項1に記載の偏光フィルムに保護フィルムを貼合してなる偏光板。
  3. 請求項1に記載の偏光フィルム、または請求項2に記載の偏光板を有する表示装置。
  4. 厚みが10μm以下であり、面内の吸収軸の振れが0.2°以下である偏光フィルムの製造方法であって、以下の工程(1)〜(5)を含む偏光フィルムの製造方法。
    (1) 熱可塑性樹脂を含む長尺状の基材フィルムであって、基材フィルムの厚みをMD方向に測定して得られる波形から算出した標準偏差σ1と基材フィルムの厚みdの比(σ1/d)が9.0×10−3以下であり、
    かつ前記波形をフーリエ変換した後、波数が1/3(1/m)以上の領域のスペクトルを逆フーリエ変換して得られる厚みの波形から算出した標準偏差σ2と基材フィルムの厚みdの比(σ2/d)が8.0×10−3μm以下である基材フィルムを準備する工程
    (2) 前記基材フィルムの少なくとも一方の面上にポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液を塗工し、塗膜を得た後、塗膜を乾燥させることによりポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る工程
    (3) 前記積層フィルムを一軸延伸して延伸フィルムを得る工程
    (4) 前記延伸フィルムを染色して偏光性積層フィルムを得る工程
    (5) 前記偏光性積層フィルムから基材フィルムを剥離することにより偏光フィルムを得る工程
  5. 厚みが10μm以下であり、面内の吸収軸の振れが0.2°以下である偏光フィルムの製造方法であって、以下の工程(1)〜(5)を含む偏光フィルムの製造方法。
    (1) 熱可塑性樹脂を含む長尺状の基材フィルムであって、基材フィルムの厚みをMD方向に測定して得られる波形から算出した標準偏差σ1が0.80μm以下であり、
    かつ、前記波形をフーリエ変換した後、波数が1/3(1/m)以上の領域のスペクトルを逆フーリエ変換して得られる厚みの波形から算出した標準偏差σ2が0.65μm以下である基材フィルムを準備する工程
    (2) 前記基材フィルムの少なくとも一方の面上にポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液を塗工し、塗膜を得た後、塗膜を乾燥させることによりポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る工程
    (3) 前記積層フィルムを一軸延伸して延伸フィルムを得る工程
    (4) 前記延伸フィルムを染色して偏光性積層フィルムを得る工程
    (5) 前記偏光性積層フィルムから基材フィルムを剥離することにより偏光フィルムを得る工程
  6. 前記偏光性積層フィルムにおける偏光フィルム上に、接着剤または粘着剤を介して保護フィルムを積層する工程を含む、請求項4または5に記載の偏光フィルムの製造方法。
  7. 工程(1)において準備する基材フィルムが、溶融押出によって製膜された基材フィルムであることを特徴とする請求項4または5に記載の偏光フィルムの製造方法。
  8. 工程(1)において準備する基材フィルムの厚みが、5〜300μmであることを特徴とする請求項4に記載の偏光フィルムの製造方法。
  9. 工程(1)において準備する基材フィルムの厚みが、20〜150μmであることを特徴とする請求項5に記載の偏光フィルムの製造方法。
  10. 工程(1)において準備する基材フィルムが、ポリオレフィン系樹脂を含む基材フィルムであることを特徴とする請求項4または5に記載の偏光フィルムの製造方法。
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