以下に本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採り得ることができ、各実施例に記載された内容の相違部分を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
図1に遊技機の一種であるパチンコ機1の正面図を示し、詳細に説明する。図1に示す通り、本実施例のパチンコ機1は、大きく長方形の外枠2、前面枠3、意匠枠4a、意匠枠4bとからなる筐体にて各部を保持する構造である。
外枠2左側の上部には金具5aが、下部に金具5bがそれぞれ設けられており、金具5aおよび5bとでヒンジ機構を形成し、前面枠3は外枠2に対して開閉可能に構成され、図示しない前面枠閉鎖スイッチ38(図4参照)が前面枠3の閉鎖状態を検出可能に装着されている。また、前面枠3左側の中部には金具5cが設けられ、金具5aと金具5cとでヒンジ機構を形成し、意匠枠4aは前面枠3に対して開閉可能に構成されている。さらに、金具5cと金具5bとでヒンジ機構を形成し、意匠枠4bは前面枠3に対して開閉可能に構成されている。
ヒンジ機構が形成される逆側(ここでは右側)には、外枠2と前面枠3との施錠、前面枠3と意匠枠4aとの施錠、前面枠3と意匠枠4bとの施錠/解錠を行うための鍵穴6aを有するスライド錠6(図2参照)が設けられている。尚、本実施例のパチンコ機1は、外枠2の左隣にCRプリペイドカードユニット7を設けている所謂CR機として説明するが、CRプリペイドカードユニット7を設けない所謂現金機としても何ら差し支えない。
意匠枠4aは、後述する遊技盤8を視認可能とするために透明樹脂板またはガラス板を備える窓部9、前面枠3に設けられたスピーカ10の前面にスピーカ10を保護し、且つ、効果音を通すための保護音通部11を備えている。
また、意匠枠4bは、遊技球を貯留しておくための上皿12および下皿13を略中央に備え、遊技者が操作可能な遊技ボタン14、CRプリペイドカードユニット7と後述するCRユニット端子板60を介して接続される精算表示装置15、球貸ボタン16および精算ボタン17を左側に備えている。
前面枠3の右下側(意匠枠4bの右側)には、遊技球の発射強度を調節するための発射ハンドル18が設けられており、発射ハンドル18の近傍には、発射停止ボタン19(図4参照)および図示しないタッチ板20が設けられている。前面枠3の下側(意匠枠4bの下側)には、スピーカ10を備えたスピーカユニット21が設けられている。
続いて、図2にパチンコ機1の裏面図を示し、詳細に説明する。図2に示す通り、遊技盤8を着脱可能に取り付けられる前面枠3が外枠2に収納されるような構成となっている。前面枠3には、上方から球タンク22、タンクレール23および後述する払出ユニット24cを備える払出装置24が設けられ、遊技盤8に設けられる後述する入賞口に遊技球が入球することに基づいて、払出装置24の払出モータ24aが駆動することによって、球タンク22およびタンクレール23に貯留されている遊技球が、前述した上皿12に払い出されることになる。
また、遊技盤8の裏面側には、主制御装置50、サブ統合制御装置53、演出図柄ユニット54が設けられ、前面枠3の裏面側には、払出制御装置51、発射制御装置52、電源装置55が各々設けられ、電源装置55には電源スイッチ55aおよびRAMクリアスイッチ55b、図示しないバックアップ用電源が設けられている。尚、発射制御装置52が図示されていないが、払出制御装置51で隠れる位置に配置されている。
さらに、前面枠3には、外部接続端子板61が設けられており、この外部接続端子板61から遊技状態、遊技結果、賞球数、不正行為等を示す信号がホールコンピュータ70(図4参照)に送られるように構成されている。賞球数(遊技機が払出した賞球数)を示す賞球信号は、後述する払出スイッチ21が10個の遊技球の通過を検出する毎に信号を1回(0.128秒間オン)出力する構成となっている。尚、本実施例では外部接続端子板61を盤用、枠用を兼用する構成としているが、盤用、枠用の外部接続端子板を個々に備えるように構成しても何ら差し支えない。
続いて、図3に遊技盤8の正面図を示し、詳細に説明する。遊技盤8には公知のガイドレール25a、25bによって囲まれた略円形の遊技領域26が設けられ、多数の遊技釘27が植設されている。遊技領域26の略中央には、窓部28aを有する液晶枠飾り28が設けられており、演出図柄表示装置54b(図4参照)のLCD画面が遊技者から視認可能に構成され、図示しない公知のワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
また、窓部28aの上方左には、7セグメントLED等の発光部材により構成される第1特別図柄表示装置29、上方右には左と同一部材の第2特別図柄表示装置30と、中央には4個の発光部材で構成される第2特別図柄保留数表示装置30aが設けられており、窓部28a下には同様に4個の発光部材で構成される第1特別図柄保留数表示装置29aが設けられている。
液晶枠飾り28の左右両側又は左側には後述する普通図柄作動スイッチ42a(図4参照)を備える普通図柄作動ゲート42が設けられており、下側には第1始動口31と開放時のみ入賞可能となる普通電動役物40が第2始動口32として設けられている。また普通電動役物40には、7セグメントLED等の発光部材により構成される普通図柄表示装置41が配置されている。第2始動口32の下方には、アタッカー式の大入賞口33aを備える大入賞口ユニット33が配置され、該大入賞口ユニット33の下方にはアウト口34が設けられている。大入賞口33aの左側には4個のLEDで構成される普通図柄保留数表示装置41aが設けられている。
大入賞口ユニット33の左右両側には、後述する一般入賞口スイッチ35b、35c、35d、35e(図4参照)を備える一般入賞口35aが複数備えられる入賞口ユニット35が設けられている。尚、一般入賞口スイッチ35b、35c、35d、35eは遊技盤正面から見た一般入賞口スイッチ35aの位置によって区別され、右側上には一般入賞口スイッチ35b、右側下には一般入賞口スイッチ35c、左側上には一般入賞口スイッチ35d、左側下には一般入賞口スイッチ35e、が配置されている。尚、本実施例においては、普通電動役物40は開放時のみ遊技球の入賞が可能な構成としているが、この構成に限るわけではなく、未開放時(普通電役ソレノイド40bが駆動しない)でも遊技球の入球を可能とする構成でも問題ない。
上記のように遊技盤8を構成することによって、普通図柄作動ゲート42に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ42a(図4参照)で遊技球を検出)すると、普通図柄表示装置41で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド40b(図4参照)を駆動させる。普通電役ソレノイド40bを駆動させると、ほぼ同期して普通電動役物40の羽根部材が駆動して、普通電動役物40への入球(第2始動口スイッチ32a(図4参照)での検出率)が可能となるように構成されている。
第1始動口31に遊技球が入球(第1始動口スイッチ31a(図4参照)で遊技球を検出)すると、第1特別図柄表示装置29において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2始動口32である普通電動役物40に入球(第2始動口スイッチ32a(図4参照)で遊技球を検出)すると、第2特別図柄表示装置30において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、窓部28aに配置された演出図柄表示装置54bにおいて各々の特別図柄の変動に連動した演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、第1始動口31と第2始動口32への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動停止を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し且つ第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。尚、第1始動口と第2始動口への入球順(記憶が古い順)に変動を開始する構成としても問題ない。
変動後に確定表示した第1特別図柄及び第2特別図柄の態様に応じて後述する大入賞口ソレノイド33c(図4参照)を駆動させる。大入賞口ソレノイド33cを駆動させると、ほぼ同期して大入賞口ユニット33の扉部材が駆動して、大入賞口33aへの入球(カウントスイッチ33b(図4参照)での検出率)が可能となるように構成されている。
尚、遊技球が1個入賞した際に獲得する賞球数は、第1始動口31と普通電動役物40(第2始動口32)は3個、大入賞口33aは14個、一般入賞口35aは10個に設定されている。
続いて、図4にパチンコ機1の電気配線を示すブロック図を示し、詳細に説明する。尚、このブロック図には、煩雑になる電源回路に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には電源装置55から直接的または間接的に供給される構成となっている。
図4に示す通り、主制御装置50の入力端には、遊技盤中継端子板62を介して第1始動口31に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ31a(本発明の第1始動入賞検出スイッチに該当)と、第2始動口32となる普通電動役物40に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ32a(本発明の第2始動入賞検出スイッチに該当)と、普通図柄作動ゲート42に入球した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ42aと、大入賞口33aに入球した遊技球を検出するカウントスイッチ33b(本発明の大入賞検出スイッチに該当)と、一般入賞口35aに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ35b(右上)、35c(右下)、35d(左上)、35e(左下)(35b、35c、35d、35eは、本発明の一般入賞検出スイッチに該当)とが接続されている。また、裏配線中継端子板63を介して前面枠3が閉鎖していることを検出する前面枠閉鎖スイッチ38と、意匠枠4a・4bが閉鎖していることを検出する意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bと、が接続されている。
前面枠閉鎖スイッチ38及び意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bは、内部に電池(1次電池又は2次電池のいずれでも良い)を備えており、通常時(電源が供給され、且つ、電源スイッチ55aがON)は後述する裏配線中継端子板63から供給されるDC12Vで動作し、電源が供給されないとき(電源遮断又は電源スイッチOFF)には、電池の電源を利用して前面枠3又は意匠枠4a、4bの閉鎖状態を出力する構成となっている。また、電池として1次電池を採用する場合には電池の消耗によって交換(電池のみ交換又はリミットスイッチを交換)することとなるが、2次電池を採用する場合には通常時に充電する構成とし、繰り返し利用可能に構成することが望ましい。
主制御装置50の出力端には、遊技盤中継端子板62を介して大入賞口33aの扉部材を駆動する大入賞口ソレノイド33cと、普通電動役物40の羽根部材を駆動する普通電役ソレノイド40bと、図柄表示装置中継端子板64を介して特別図柄を表示する第1特図表示装置29と、第2特図表示装置30と、特別図柄の保留数を表示する第1特図保留数表示装置29aと、第2特図保留数表示装置30aと、普通図柄を表示する普通図柄表示装置41と、普通図柄の保留数を表示する普図保留数表示装置41aと、裏配線中継端子板63および外部接続端子板61を介してホールコンピュータ70と、が接続されている。
主制御装置50はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種コマンド等を生成し、払出制御装置51およびサブ統合制御装置53に出力する。ここで主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信回路として構成され、主制御装置50とサブ統合制御装置53とは間に演出中継端子板65を介して主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成されている。
払出制御装置51の入力端には、裏配線中継端子板63を介して球タンク22またはタンクレール23内の遊技球が不足していることを検出する球切れスイッチ22aまたは23aと、裏配線中継端子板63および払出中継端子板66を介して払い出した遊技球を検出する払出スイッチ24bと、各種端子板を介することなく下皿13への経路に遊技球が多数あることを検出する満杯スイッチ13aと、が接続されている。払出制御装置51の出力端には、裏配線中継端子板63および払出中継端子板66を介して遊技球を上皿へと払い出す払出モータ24aが接続されている
払出制御装置51はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて遊技球の払い出しに関わる各種コマンド等を生成し、主制御装置50および発射制御装置52に出力する。ここで、払出制御装置51と主制御装置50とは双方向通信回路として構成され、払出制御装置51と発射制御装置52とは払出制御装置51から発射制御装置52への一方向通信回路として構成されている。
発射制御装置52の入力端には、発射を停止するための発射停止スイッチ19aと、発射ハンドル17に遊技者が触れていることを検出するタッチスイッチ20aと、が接続されている。発射制御装置52の出力端には、遊技球を遊技領域26へ発射するための発射モータ36が接続されている。発射制御装置52はCPU、ROM、RAMを備えず、IC等で構成されたデジタル回路であり、入力される各種検出信号ならびに払出制御装置51からの入力に基づいて発射モータ36の駆動を制御している。
サブ統合制御装置53の入力端には、遊技者により操作可能な遊技スイッチ14aが接続されている。サブ統合制御装置53の出力端には、意匠枠4a、4bおよび遊技盤8に備えられる各種LED・ランプ37と、前面枠3およびスピーカユニット21に備えられるスピーカ10と、が接続されている。尚、サブ統合制御装置53と主制御装置50とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置53と演出図柄制御装置54aとはサブ統合制御装置53から演出図柄制御装置54aへの一方向通信回路として構成されている。
サブ統合制御装置53はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される遊技スイッチ14aの入力ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄ユニット54の演出図柄制御装置54aに出力する。尚、本実施例では、サブ統合制御装置53のRAMに記憶された遊技情報を電源断時に保持しない構成としているが、電源装置55からVBBを供給して記憶保持可能とし、復電時に記憶した遊技情報を元に電源断前の遊技を再開する構成としても何ら差し支えない。
また、サブ統合制御装置53には、音量を調節する音量調節スイッチ10aが備えられ、音量調節スイッチ10aの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカ10へ送信する内容とを判断し、スピーカ10から出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。例えば、遊技に伴う演出音声やエラー報知の一部(払出し遅延報知、前面枠3、意匠枠4a、4b等の枠開放/閉鎖報知など)の音声は、音量調節スイッチ10aの状態に応じて変更された音量でスピーカ10から出力され、その他のエラー報知(特殊報知など)は音量調節スイッチ10aの状態に関わらず予め設定された音量でスピーカ10から出力されるように構成することができる。
次に、遊技機の作動内容について説明する。本実施形態におけるパチンコ機は確率変動機として構成され、第1始動口31及び第2始動口32への遊技球入球に基づく当否判定(第1始動入賞検出スイッチ又は第2始動入賞検出スイッチでの遊技球の検出に起因して抽出された乱数値に基づいて特別遊技を実行するか否かの判定)は、通常(低)確率遊技状態と、該通常確率遊技状態に比べて大当りとなる確率が高い高確率遊技状態(確変状態)とのいずれかの遊技状態で実施される。本実施例では通常確率が1/300、高確率が1/30に設定されている。
また、普通電動役物40(第2始動口32)の作動契機と作動時間を変化させる開放延長機能を備えており、開放延長機能未作動時では、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物40は0.2秒の開放動作を1回行い、開放延長機能作動時では、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物40は1.8秒の開放動作を2回行うよう設定されている。また、開放延長機能が作動する遊技状態での第1及び第2特別図柄の変動パターン(変動時間)は、開放延長機能が未作動時の遊技状態で使用する変動パターン選択テーブルよりも平均変動時間が短くなるように設定された変動パターン選択テーブルを用いて選択される構成となっている。これにより、開放延長機能作動時の単位時間あたりの特別図柄の変動回数が、開放延長機能未作動時よりも増加する構成(時短機能)となっており、この時短機能は、開放延長機能の作動開始と終了の契機を同じくして作動する。
尚、開放延長機能作動時には、普通図柄の変動時間を短縮(単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加)する時短機能も作動する構成となっている。具体的には、開放延長機能未作動時となる通常時の普通図柄の変動時間は6.2秒に設定され、開放延長機能作動時の普通図柄の変動時間は0.7秒に設定されている。これにより、開放延長機能作動時では単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加し、普通電動役物40の作動契機を大きく増加させている。
上記した大当り確率と開放延長機能の作動は、主制御装置50が備える確変フラグと時短フラグの値によって判断可能な構成となっている。具体的には、確変フラグの値が「0」のときは大当り確率が通常確率であることを、値が「1」のときは高確率であることを主制御装置50が判断する。時短フラグの値が「0」のときは時短機能(開放延長機能を含む)が作動しない通常遊技状態中であることを、値が「1」のときは、時短機能(開放延長機能を含む)が作動する時短遊技状態(開放延長機能作動)であることを主制御装置50が判断する。
遊技状態は、確変フラグの値と時短フラグの値の組合せによって4種類のいずれかが決定され、この4種類の遊技状態は、確変フラグと時短フラグがともに「0」の「通常確率時短無し」、確変フラグが「0」で時短フラグが「1」の「通常確率時短有り」、確変フラグが「1」で時短フラグが「0」の「確率変動時短無し」、確変フラグと時短フラグがともに「1」の「確率変動時短有り」という組合せになる。
更に、確変フラグと時短フラグの組合せ(加算)により決定する遊技状態は、状態フラグとして主制御装置50に記憶される。状態フラグの値が「0」なら、上記した確変フラグと時短フラグがともに「0」の「通常確率時短無し」、値が「1」なら確変フラグが「0」で時短フラグが「1」の「通常確率時短有り」、値が「2」なら確変フラグが「1」で時短フラグが「0」の「確率変動時短無し」、値が「3」なら確変フラグと時短フラグがともに「1」の「確率変動時短有り」、となる。
上記した遊技状態(大当り遊技終了後)と大当り時の遊技内容(大入賞口33aの開放回数、開放時間)は、当否判定時に設定する図柄モードによって決定する(大当り遊技内容決定手段)。第1特別図柄の場合、当否判定の結果が大当りなら、判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数1の値に応じて図柄モード0、図柄モード1、図柄モード2、図柄モード3の4種類の中からいずれかが設定される。図柄モード0が設定されると、大当り遊技の内容に「大入賞口33aが28秒の開放を15回実施」を決定し、大当り遊技終了後の遊技状態に「特別図柄が100回変動するまで確率変動時短有り」を決定する。尚、どの大当り遊技においても、大入賞口33aの1回の開放は、10個の遊技球が入球すると終了する。
図柄モード1が設定されると、大当り遊技の内容に「大入賞口33aが28秒の開放を15回実施」を決定し、大当り遊技終了後の遊技状態に「特別図柄が100回変動するまで確率変動時短有り」を決定する。
図柄モード2が設定されると、大当り遊技の内容に「大入賞口33aが28秒の開放を13回実施」を決定し、大当り遊技終了後の遊技状態に「特別図柄が100回変動するまで確率変動時短無し」を決定する。
図柄モード3が設定されると、大当り遊技の内容に「大入賞口33aが28秒の開放を13回実施」を決定し、大当り遊技終了後の遊技状態に「通常確率時短有り」を決定する。
第2特別図柄の場合、当否判定の結果が大当りなら、判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数1の値に応じて図柄モード0か又は図柄モード4のいずれかを設定する。図柄モード0が設定されると、大当り遊技の内容に「大入賞口33aが28秒の開放を15回実施」を決定し、大当り遊技終了後の遊技状態に「特別図柄が100回変動するまで確率変動時短有り」を決定する。このように、図柄モード0の場合の設定内容は、第1特別図柄と共通となっている。
図柄モード4が設定されると、大当り遊技の内容に「大入賞口33aが28秒の開放を15回実施」を決定し、大当り遊技終了後の遊技状態に「特別図柄が100回変動するまで通常確率時短有り」を決定する。
図柄モード毎の設定内容を上記した構成とすることで、第2特別図柄の大当りでは毎回多くの遊技球が獲得可能であり、大当り遊技終了後も有利な遊技状態が設定される確率が第1特別図柄の大当りよりも高くなっている。具体的には、第1特別図柄の場合、60/100の割合で大当り遊技終了後の遊技状態に遊技者にもっとも有利な「確率変動時短有り」が設定され、第2特別図柄の場合、80/100の割合で「確率変動時短有り」が設定される。
尚、大当り遊技終了後の遊技状態は、図柄モードの種類に拘らず通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となるため、大当り遊技終了後の遊技状態は全て本発明における特典遊技に該当する。
次に、図5を用いて、主制御装置50が実行する始動入賞処理を説明する。始動入賞処理は、第1始動口31、第2始動口32に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過したときに取得する当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置50に格納(記憶)するとともに、記憶した乱数が予め設定された値か否かを当否判定を実施する以前に確認する処理を行い、第1始動口31及び第2始動口32への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置53に送信する処理となる。以後、第1始動口31に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口32に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄始動ゲート42を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
本実施形態においては、普通図柄保留数表示装置41a、第1特図保留数表示装置29a、第2特図保留数表示装置30aによる各々の点灯数の最大個数は4個(最大保留記憶数が4個)となっている。また、それぞれの保留記憶数が0であっても、第1始動口31、第2始動口32に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過したときに取得される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置50に格納される。
始動入賞処理を開始すると、第1始動口スイッチ31aが遊技球を検出したか否か判定する(S10)。否定判定なら(S10:no)S45に進み、肯定判定なら(S10:yes)、主制御装置50に格納されている第1保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S20)。否定判定なら(S20:no)S45に進み、肯定判定であれば(S20:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第1保留記憶として記憶し第1保留記憶の数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する(S25)。
S25に続いては、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S30)。具体的には、大当り判定用乱数の値が大当りを生起する値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、小当りを生起する値か否かを確認し、ハズレならリーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上記判定を行うことによって、記憶した乱数値が、遊技者が大当りの期待が持てる特定の値か否かを判定する。
続いて、S30の判定結果から第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置53に送信し(S35)、S25で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信する(S40)。
S40の処理、S10、S20の否定判定(S10:no、S20:no)に続いては、第2始動口スイッチ32aが遊技球を検出したか否か判定する(S45)。否定判定なら(S45:no)S80に進み、肯定判定なら(S45:yes)、主制御装置50に格納されている第2保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S55)。否定判定なら(S55:no)S80に進み、肯定判定であれば(S55:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第2保留記憶として記憶し第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算し(S60)、S30と同様に記憶した第2保留記憶の先読判定を行う(S65)。
続いて、S65の判定結果から第2先読判定コマンドを生成しサブ統合制御装置53に送信し(S70)、S60で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信して(S75)、S80に進む。
S80では、普通図柄作動スイッチ42aが遊技球を検出したか否か判定する(S80)。否定判定なら(S80:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S80:yes)、主制御装置50に格納されている普図保留記憶数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S85)。否定判定なら(S85:no)リターンに抜け、肯定判定であれば(S85:yes)、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S90)、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信し(S95)、リターンする。
サブ統合制御装置53は第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置54b上で表示する各保留記憶数を変化させる制御を行う。また、本実施例では、演出図柄表示装置54b上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置に送信する構成も考えられる。これにより、普通電動役物40の開放を期待させる先読予告の実施が可能となる。
次に図6に示したフローチャートを用いて主制御装置50が行う当否判定処理を説明する。この処理は、第1始動入賞検出スイッチ又は第2始動入賞検出スイッチでの遊技球の検出に起因して抽出された乱数値に基づいて特別遊技を実行するか否かを判定する処理となる。
当否判定処理を開始すると、特図の始動条件が成立しているか否か判定する(S100)。この判定処理では、大当り遊技中でないこと、第1及び第2特図が変動中又は確定表示中でないことを確認する。否定判定なら(S100:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S100:yes)、第2保留記憶が有るか否か判定する(S105)。肯定判定なら(S105:yes)、S115に進み、否定判定なら(S105:no)第1保留記憶が有るか否か判定する(S110)。否定判定なら(S110:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S110:yes)、S115に進む。S105とS110の判定順により、第2保留記憶の当否判定を優先して実施する構成となっている。尚、本実施例では、特別図柄が複数(第1特別図柄と第2特別図柄)の構成となっているが、特別図柄を1つとすた構成であっても同様の効果を発揮する。
S115では確変フラグの値が0か否か判定する(S115)。確変フラグは、主制御装置50が記憶する値であり、値が「0」のときは、大当り確率が通常遊技状態中(通常確率)であることを、値が「1」のときは、確変遊技状態中(高確率)であることを主制御装置50が判断するための値である。肯定判定なら(S115:yes)S120に進み、否定判定なら(S115:no)高確率中の処理に進む。高確率中の処理は、大当り確率のみが異なる処理となるため説明は割愛する。
S120では、保留記憶のシフト処理を行い(S120)、これにより最も古い保留記憶を当否判定の対象とするとともに、保留記憶数を示す保留記憶カウンタから1を減算する。
続く、大当り判定用乱数比較処理(S125)では、当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数値と予め設定された当否判定テーブルとを比較して、乱数値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する。当否判定テーブルは通常確率(低確率1/300)用と高確率(1/30)用の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常遊技(確変フラグ「0」)であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率の遊技状態(確変フラグ「1」)であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。
続くS130の処理では、大当り判定用乱数の比較処理(S125)の結果が大当りであるか否か判定する(本実施例では1/300)。肯定判定なら(S130:yes)、図柄モード設定処理を行う(S135)。図柄モード設定処理では、当否判定の対象とした保留記憶の種類(第1保留記憶又は第2保留記憶)と、判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて、上述した大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態を決定する図柄モードを設定する。
次に、設定した図柄モードの種類と判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数2に基づいて大当り図柄選択処理を行う(S140)。これは、図柄モードの設定によって決定した大当りの種類(大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態)を大当り図柄によって報知するために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から表示する図柄を決定する処理となる。
次にS135で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理を行う(S145)。モードバッファは当否判定時に決定した大当り遊技終了後の遊技状態の内容を、該遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで記憶する装置である(大当り遊技中は遊技状態を設定する確変フラグ及び時短フラグをクリアする必要があるため)。モードバッファとしては、具体的な遊技内容(確変機能および開放延長機能(時短機能)の作動とその作動回数)は記憶せず、複数種類の具体的な遊技内容のそれぞれに対応した値を記憶する構成となっている。
次に、S135で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技の内容となる大入賞口の開放パターン設定処理を行い(S160)、当否判定の対象とした保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置29又は第2特別図柄表示装置30、及び演出図柄表示装置54bに表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、変動パターン選択テーブルから選択する(S170)。
次に、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を、変動指示信号としてサブ統合制御装置53へ送信する(S175)。この情報を受信したサブ統合制御装置53からの指示に基づいて、演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bを制御し、大当り図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置53への送信とほぼ同時に、主制御装置50は、第1特別図柄表示装置29又は第2特別図柄表示装置30を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S130が否定判定、即ちハズレなら(S130:no)、大当り判定用乱数の比較処理(S125)の結果が小当りであるか否か判定し(1/150)(S150)、肯定判定なら(S150:yes)、小当り図柄を選択し(S155)、続いて小当り遊技の開放パターン設定処理を行い(S160)、小当り図柄に対応する変動パターン選択処理を行い(S170)、小当り図柄および変動パターンの情報となる変動指示信号をサブ統合制御装置53へ送信する(S175)。この情報を受信したサブ統合制御装置53からの指示に基づき演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bを制御し、小当り図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置53への送信とほぼ同時に、主制御装置50は、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S150が否定判定なら(S150:no)、ハズレ図柄を選択し(S165)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い(S170)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示信号をサブ統合制御装置53へ送信する(S170)。この情報を受信したササブ統合制御装置53からの指示に基づき演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bを制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置53への送信とほぼ同時に主制御装置50は、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
次に、図7のフローチャートを用いて、主制御装置50が実行する賞球データ作成処理を説明する。この処理は、各入賞口への遊技球の入球に応じて、払出す賞球個数を示す賞球データを作成する処理となる。賞球データ作成処理を開始すると、第1始動口スイッチ31aが遊技球を検出したか否か判定する(S200)。肯定判定なら(S200:yes)、賞球データ記憶バッファに記憶する賞球個数を示すデータの下位1ビット目に1をセットする(S205)。ここで、賞球個数を示すデータは00000000のように1バイトで構成され、第1始動口スイッチ31aのみの入賞によって払出す賞球個数を示すデータは00000001となる。各ビットは対応する入賞口への入賞状態を表し、1が検知、0が未検知を示す。
S205の処理の後、又はS200が否定判定なら(S200:no)、第2始動口スイッチ32aが遊技球を検出したか否か判定する(S210)。肯定判定なら(S210:yes)、賞球データ記憶バッファに記憶する賞球個数を示すデータの下位2ビット目に1をセットする(S215)。第2始動口スイッチ32aのみの入賞によって払い出す賞球個数を示すデータは00000010となる。
S215の処理の後、又はS210が否定判定なら(S210:no)、大入賞口33aへの入球を検出するカウントスイッチ33bが遊技球を検出したか否か判定する(S220)。肯定判断(S220:yes)なら下位3ビット目に1をセットする(S225)。大入賞口33aのみの入賞によって払い出す賞球個数を示すデータは00000100となる。
S225の処理の後、又はS220が否定判定なら(S220:no)、遊技盤正面から見て右上の位置に配置された一般入賞口スイッチ33bが遊技球を検出したか否か判定する(S230)。肯定判断(S230:yes)なら下位4ビット目に1をセットする(S235)。一般入賞口スイッチ33bのみの入賞によって払い出す賞球個数を示すデータは00001000となる。
S235の処理の後、又はS230が否定判定なら(S230:no)、遊技盤正面から見て右下の位置に配置された一般入賞口スイッチ33cが遊技球を検出したか否か判定する(S240)。肯定判断(S240:yes)なら下位5ビット目に1をセットする(S245)。一般入賞口スイッチ33cのみの入賞によって払い出す賞球個数を示すデータは00010000となる。
S245の処理の後、又はS240が否定判定なら(S240:no)、遊技盤正面から見て左上の位置に配置された一般入賞口スイッチ33dが遊技球を検出したか否か判定する(S250)。肯定判断(S250:yes)なら下位6ビット目を1にする(S255)。一般入賞口スイッチ33dのみの入賞によって払い出す賞球個数を示すデータは00100000となる。
S255の処理の後、又はS250が否定判定なら(S250:no)、遊技盤正面から見て左下の位置に配置された一般入賞口スイッチ33eが遊技球を検出したか否か判定する(S260)。肯定判断(S260:yes)なら下位7ビット目を1にする(S265)。一般入賞口スイッチ33eのみの入賞によって払い出す賞球個数を示すデータは01000000となる。
S265の処理の後、又はS260が否定判定なら(S260:no)、上記処理によって得た賞球データを賞球データ記憶バッファに記憶処理し(S270)、リターンに抜ける。
以上が賞球データ作成処理となるが、払出す賞球個数を示すデータ7個(賞球データ記憶00H〜06H)を記憶する賞球データ記憶バッファと、それとは別に払い出す賞球個数を示すデータを送信するための賞球データ記憶バッファを備えているため、記憶個数を増やしても問題ない。また、入賞頻度の高い入賞口順に下位ビットから割り振ることで、処理の負担を軽減する構成が好適といえる。
次に、図8のフローチャートを用いて、主制御装置50が実行する第1未払いカウンタ処理を説明する。この処理は、図7の処理で作成された賞球データを基に、払出を実施する賞球個数を第1未払いカウンタと払出予定カウンタとに記憶する処理となる。なお、第1未払いカウンタは、本発明の第1未払いカウンタに該当し、払出予定カウンタは払出予定カウンタに該当する。
第1未払いカウンタ処理を開始すると、まず賞球データ記憶バッファにステップS270で記憶処理されたデータがあるか否か(00000000でないか否か)が判定されるが(S300)、これ以前に図示しない処理で、賞球データ記憶バッファにデータがなかった場合に賞球データシフト処理が行われる。賞球データシフト処理は、賞球データ記憶バッファにデータがなく、賞球データ記憶00Hに記憶されたデータがある場合に行われ、賞球データ記憶00Hに記憶された払い出す賞球個数を示すデータを賞球データ記憶バッファに移す処理が行われる。それと同時に賞球データ記憶01H〜05Hまでに記憶された賞球データも1段階前の領域へと移される処理が行われる。
S300が否定判定なら(S300:no)リターンし、肯定判定(S300:yes)なら、賞球データ記憶バッファに記憶された賞球データの下位1ビット目が1になっているか否か判定する(S315)。肯定判定なら(S315:yes)、データバスに賞球3個のデータをセットし(S320)、下位1ビット目に0をセットする(S325)。S315が否定判定なら(S315:no)、賞球データの下位2ビット目が1か否か判定する(S330)。肯定判定なら(S330:yes)、データバスに賞球3個のデータをセットし(S335)、下位2ビット目に0をセットする(S340)。
S325、又はS340に続いては、即ち、第1始動口31又は第2始動口32への入球に基づく賞球データのセットに続いては、当該処理時が特典遊技中か否か判定する(S345)。上述したように、大当り遊技終了後の特典遊技は、確変フラグ、又は時短フラグによって制御されるため、ここでの判定内容は二つのフラグの設定状態によって判断される。
S345が肯定判定、即ち、特典遊技中なら(S345:yes)、払出回数カウンタに+1し(S350)、特典遊技中の始動口(第1及び第2)への入賞間隔を計測するタイマの計時をクリアし(S355)、改めて次回の入賞までの間隔計時を開始する(S360)。払出回数カウンタは、特典遊技中の第1及び第2始動口への入賞回数を計数するカウンタであり、特典遊技中は払出回数カウンタの値と第2未払いカウンタ(本発明の第2未払いカウンタに該当)との値に応じて、払出制御装置51に払出データ3又は4のいずれかを選択して送信する(本発明の第2賞球信号出力手段に該当)。
S330が否定判定なら(S330:no)、賞球データの下位3ビット目が1か否か判定する(S365)。肯定判定なら(S365:yes)、データバスに賞球14個のデータをセットし(S370)、下位3ビット目に0をセットする(S260)。S365が否定判定なら(S365:no)、賞球データの下位4ビット目、5ビット目、6ビット目が1か否か順に判定し(S380、S395、S410)、判定結果に応じてデータバスに賞球10個のデータをセットし(S385、S400、S415、S425)、1であったビットに0をセットする(S390、S405、S420、S430)。
S360、S375、S390、S405、S420、又はS430に続いては、上記した処理で作成した賞球データを第1未払いカウンタと払出予定カウンタとに加算し(S435、S440)、賞球データ記憶バッファにデータが無いか否か判定し(S445)、肯定判定なら(S445:yes)リターンし、否定判定なら(S445:no)、S315に戻り上述した処理を繰り返す。
以上が主制御装置50が実行する第1未払いカウンタ処理となるが、大当り遊技終了後に実施される特典遊技中に限り、第1始動口31と第2始動口32とへ入賞した場合は、賞球データを第1未払いカウンタに加算する処理を行うと共に、入賞回数をカウントする処理を行い、入賞間隔を計時するタイマを作動させる。また、第1未払いカウンタに加算する値と同一の値を払出予定カウンタに加算するが、この払出予定カウンタは、機外のホールコンピュータ80等の管理装置に、実際の入賞に応じた払出(予定)数を出力するために用いるカウンタとなり、具体的な処理内容は後述する。
次に、図9のフローチャートを用いて、主制御装置50が実行する予定信号出力処理を説明する。この処理は、図8の処理で加算された払出予定カウンタの値を基に、実際に賞球が払いだされたか否かに拘わらず遊技球の入賞に応じたセーフ信号(本発明の賞球払出予定信号に該当)をホールコンピュータに出力する処理(本発明の予定信号出力手段に該当)であり、特別遊技中(大当りフラグ=1)にはセーフ信号の出力回数を計数する処理を行う。
予定信号出力処理を開始すると、払出予定カウンタの値が10以上か否か、即ち払出される賞球数が10個以上か否か判定する(S500)、否定判定なら(S500:no)リターンし、肯定判定なら(S500:yes)、出力回数カウンタに+1する(S505)。
出力回数カウンタに+1されると、主制御装置50から外部接続端子版61を介してホールコンピュータ80にセーフ信号(本発明の賞球払出予定信号に該当)が出力される。この場合のセーフ信号は、100msのHi信号となり、セーフ信号が連続する場合は100msのHi信号の出力後、100msのLow信号期間を経て再度100msのHi信号が出力される。
上記したように、出力回数カウンタに+1するごとにホールコンピュータ80にセーフ信号が出力されるため、S500の判定値「10」が本発明における予定信号出力手段を実行する払出予定カウンタの所定値となる。
S505に続いては払出予定カウンタの値から−10して(S510)セーフ信号の出力に対応するカウンタ値を減算する。続いて、大当りフラグの値によって特別遊技中か否か判定する(S515)。肯定判定なら(S515:yes)、予定回数カウンタ(本発明の予定回数カウンタに該当)に+1する(S520)。このS520の処理により、特別遊技中のセーフ信号の出力回数が計数される。従って、予定回数カウンタの値に10を積算した値が、大当り遊技中の入賞によって払出されるべき賞球数となる。S520に続いて、又はS515が否定判定なら(S515:no)、払出予定カウンタの値が10より少ないか否か判定し(S525)、肯定判定なら(S525:yes)リターンし、否定判定なら(S525:no)、S505から上記した処理を繰り返す。
以上が、予定信号出力処理となる。ホールコンピュータ80は、この予定信号出力処理によって出力するセーフ信号を受信することにより、遊技機が払出を実施しなければならない賞球数を実際の賞球払出しが実施されたか否かに拘らず計数することが可能となる。これにより、例えば、大当り遊技中において大量の入賞に対して払出し動作が追いつかず、払出しを未実施の賞球数が第1未払いカウンタの値として増加した場合や、大当り遊技中にエラーが発生し実際の払出し動作が中断された場合でも、大当り遊技中の入賞に対する賞球数を大当り出球として管理することが可能となる。
次に、図10のフローチャートを用いて、主制御装置50が実行するカウンタ値移動処理1を説明する。この処理は、大当り遊技の終了を契機として、払出しが未完了の第1未払いカウンタの値(大当り遊技による賞球)を、第2未払いカウンタに移動する処理となる。
主制御装置50がカウンタ移動処理1を開始すると、特別遊技が終了したか否か判定する(S550)。この場合の判定内容は、大当りフラグが1から0に切り替わったか否か、即ち、切換わった時点(終了した時点)で1回のみ肯定判定となる内容となる。否定判定なら(S550:no)リターンし、肯定判定なら(S550:yes)、予定回数カウンタの値をクリアし(S553)、特別遊技終了時からの時間を計時する終了タイマの計時を開始する(S555)。
続いて、当該処理時、即ち、特別遊技終了時の第1未払いカウンタの値を第2未払いカウンタにコピーし(S560)、第1未払いカウンタの値をクリアして(S565)、リターンする。
以上がカウンタ値移動処理1の説明となる。この処理により大当り遊技が終了した時点で大当り遊技中の入賞に応じた未払い分の賞球データは、第2未払いカウンタに移動し、これにより大当り中の未払い分の賞球データと、大当り遊技終了後(特典遊技中)の賞球データとが、第2未払いカウンタと第1未払いカウンタとで区別して記憶される構成となる。
次に、図11、12のフローチャートを用いて、主制御装置50が実行する払出データ送信処理を説明する。この処理は、払出すべき賞球数を示すデータを払出動作を制御する払出制御装置51に送信する処理となり、本発明における第1賞球信号出力手段と、第2賞球信号出力手段と、賞球出力停止手段とを含む処理となる。
主制御装置50が払出データ送信処理を開始すると、各種エラーフラグが0になっているか否か判断する(S600)。否定判定つまりエラーが発生しているなら(S600:no)、エラー処理をするため本ルーチンからリターンする。肯定判定なら(S600:yes)、払出動作信号を未受信か否か判定する(S605)。払出動作信号は、払出制御装置51が払出動作を実施中であることを示す信号であり、払出動作を実施中(払出制御装置51の払出カウンタ>0)は継続して出力される(オン状態)信号である。
S605が否定判定なら、待機状態処理を実施して(S680)リターンに抜ける。待機状態処理は、払出制御装置51から受信する払出動作信号がオフ状態になるまで継続する。S605が肯定判定なら即ち払出制御装置51が払出動作を未実施なら(S605:yes)、特典遊技中(開放延長中、確率変動中)に第1始動口32及び第2始動口32への遊技球の入球数を計数する払出回数カウンタの値と、第2未払いカウンタの値とが0ではないか否か判定する(S610、S615)。
S610、S615のどちらも肯定判定、即ち、特典遊技中として第1始動口31及び第2始動口32への入賞がカウントされ、尚且つS560の処理によって確保した第2未払いカウンタの値が0でなければ(S610:yes、S615:yes)、第2未払いカウンタの値が3以上か否か判定し(S620)、肯定判定なら(S620:yes)、払出制御装置51に送信する払出データ3に3を加算して払出データ3を作成(選択)し(S625)、第2未払カウンタの値から3を減算し(S630)、払出データ3を払出制御装置51に送信する(S650)(本発明の第2賞球信号出力手段に該当)。本実施例では、払出データ3が示す賞球数を3個としているがこれに限るわけではなく、個数を増やすことによって特典遊技中のベースを更に高くすることができる。
S620が否定判定、即ち、第2未払いカウンタの値が3未満なら(S620:no)、払出制御装置51に送信する払出データ4に第2未払いカウンタの値を加算して払出データ4を作成(選択)し(S640)、第2未払いカウンタの値をクリアし(S645)払出データ4を払出制御装置51に送信する(S650)(本発明の第2賞球信号出力手段に該当)。S635又は、S650に続いては、払出回数カウンタから−1し(S655)リターンに抜ける。
S610、S615のいずれかが否定判定、即ち、特典遊技中の第1始動口31及び第2始動口32への入賞数をカウントする払出カウンタの値が0であるか、0でなくても大当り終了時に大当り遊技中の入賞に対する賞球数として確保した第2未払いカウンタの値が0ならば(S610:no、S615:no)、図12に進み、予定回数カウンタの値が所定値よりも小さいか否か判定する(S660)。
予定回数カウンタは、特別遊技中に出力したセーフ信号の出力回数を計数するカウンタであるため、この場合のS660の判定内容は、特別遊技中の入賞に応じた賞球数(未払い分含む)が予め定められた数に達していないか否かの判定、即ち、大当り遊技中における入賞が所定数(所定値×10)の賞球数を払出す数に達していないか否かの判定となる。なお、予定回数カウンタの値は、特別遊技終了時にクリアされるため(図10参照)、特別遊技中以外では、その値が0(所定値より小さい)となるため、S660は肯定判定となる。
S660が肯定判定、即ち、非特別遊技中か、特別遊技中であっても特別遊技による賞球数(未払い分含む)が所定数に達していなければ(S660:yes)、第1未払いカウンタの値が0よりも大きいか否か判定する(S663)。否定判定なら(S663:no)リターンし、肯定判定なら(S663:yes)、第1未払いカウンタの値が15以上か否か判定する(S665)。肯定判定なら(S665:yes)、払出制御装置51に送信する払出データ1に15を加算して払出データ1を作成(選択)し(S670)、第1未払いカウンタの値から15を減算し(S675)、払出データ1を払出制御装置51に送信し(S680)(本発明の第1賞球信号出力手段に該当)リターンに抜ける。
S665が否定判定、即ち、第1未払いカウンタに記憶されている値が15未満なら(S665:no)、払出制御装置51に送信する払出データ2に第1未払いカウンタの値を加算して払出データ2を作成(選択)し(S685)、第1未払いカウンタの値をクリアし(S690)払出データ2を払出制御装置51に送信し(S695)(本発明の第1賞球信号出力手段に該当)リターンに抜ける。
S660が否定判定、即ち、特別遊技による賞球数(未払い分含む)が所定数に達したなら(S660:no)、リターンに抜ける。この判定により、特別遊技中に該特別遊技中の入賞に応じた賞球数(未払い分含む)が所定数に達した場合には、払出制御装置51に払出データを出力する処理を回避(停止)する。これは本発明の賞球出力停止手段に該当する構成となる。
従って、S660が否定判定となると、以降の特別遊技中の入賞に応じた賞球は、第1未払いカウンタに加算されるだけで払出されることは無く、図10を用いて説明したように、第1未払いカウンタに溜まった特別遊技による賞球は、特別遊技終了を契機に第2未払いカウンタに移動し、第1未払いカウンタはクリアされる。
尚、払出データの出力を停止することとなる予定回数カウンタの所定値は、本実施例では130となっている。従って、1300個の賞球を払出す分の入賞が発生した時点で、特別遊技中の払出しが停止する。
以上が払出データ送信処理の説明となる。この処理では、第2未払いカウンタの値に基づく払出データとして、払出データ3又は払出データ4のいずれかが選択され出力され(第2賞球信号出力)、第1未払いカウンタの値に基づく払出データとして、払出データ1又は払出データ2のいずれかが選択され出力される(第1賞球信号出力)。第2未払いカウンタの値に基づく払出データ(3、4)の出力は、特別遊技終了後の時短状態、確変状態(特典遊技状態)で、第1始動口31又は第2始動口32(時短状態では普通電動役物40の開放延長により入賞率が増加)への入賞(払出回数カウンタの値)に応じて実施されるが、賞球データ作成処理及び第1未払いカウンタ処理の実施によって第1未払いカウンタにも値が加算されるため、第1未払いカウンタの値を基にした払出データの出力も行われる。
即ち、大当り遊技終了時に第2未払いカウンタに値がある場合は、大当り遊技終了後の時短状態中、確変状態中に第1始動口31又は第2始動口32に遊技球が入賞すると、第2未払いカウンタの値から3個を払出した後、該入賞に応じて加算された第1未払いカウンタの値から3個(又は15個以下)の賞球の払出しが行われる。この構成は、本発明における第2賞球信号出力手段が賞球信号を出力する所定条件を、第1始動入賞検出スイッチ又は/及び第2始動入賞検出スイッチでの遊技球の検出とした構成に該当する。
本実施例では、特別遊技中に払出データの出力を停止するセーフ信号の出力回数(予定回数カウンタの所定値)を130に設定したが、これは大当り発生後に1300個程度の遊技球が払出されると上皿下皿の遊技球貯留部が満杯になるためであり、この設定値で払出データの出力を停止したことにより、残りの大当り遊技に必要な発射球数を十分に確保したうえで、大当り出球のそれ以上の増加により遊技球を球箱に移すといった煩わしい作業を行う必要を排除している。従って、払出データの出力を停止するセーフ信号の出力回数の所定値は、パチンコ遊技機の遊技球貯留部の構造(貯留数の違い)に応じて値を設定するのが好適であり、所定値は130以外の値であってもよい。
更に、従来機における大当り遊技終了後の確変状態、時短状態(特典遊技状態)では、第1始動口31又は第2始動口32へ遊技球が入賞しても、各入賞に対する賞球数が少ないため徐々に持ち球が減少し、球箱に移した遊技球を上皿に戻す作業が必要となったが、本実施例のパチンコ遊技機では、特典遊技中に第1始動口31又は第2始動口32へ入賞すると、該入賞に対する賞球の払出し(第1未払いカウンタの値)に加え、大当り遊技中の残りの賞球として確保した第2未払いカウンタの値を用いてプラスαの賞球が排出されるため、持玉の減少を防ぎ、球箱から上皿に遊技球を戻す手間を省くことが可能となっている。
次に、図13、14を用いて、払出制御装置51が実施する賞球払出処理を説明する。この処理は、主制御装置51が払出データ1、2、3、4のいずれかを出力した場合に、払出制御装置51がそれを受けて実施する処理であり、実際の賞球を遊技球貯留部に払出す処理となる。
賞球払出処理を開始すると、払出カウンタが0か否か判定する(S700)。肯定判定、即ち新たな払出し動作の開始が可能な状態なら(S700:yes)、払出動作信号がオン状態(出力中)か否か判定し(S705)、肯定判定なら(S705:yes)、払出動作信号をオフにする(S710)。S710又はS705の否定判定(S705:no)に続いては、払出データ1を受信したか否か判定し(S715)、肯定判定なら(S715:yes)、払出カウンタに払出データ1が示す15を加算する処理を行い(S720)、払出動作信号をオン状態にして(S755)リターンに抜ける。
S715が否定判定なら(S715:no)、払出データ2を受信したか否か判定し(S725)、肯定判定なら(S725:yes)、払出カウンタに払出データ2が示す15未満の値を加算する処理を行い(S730)、払出動作信号をオン状態にして(S755)リターンに抜ける。
S725が否定判定なら(S725:no)、払出データ3を受信したか否か判定し(S735)、肯定判定なら(S735:yes)、払出カウンタに払出データ3が示す3を加算する処理を行い(S740)、払出動作信号をオン状態にして(S755)リターンに抜ける。
S735が否定判定なら(S735:no)、払出データ4を受信したか否か判定し(S745)、否定判定なら(S745:no)リターンし、肯定判定なら(S745:yes)、払出カウンタに払出データ4が示す3未満の値を加算する処理を行い(S750)、払出動作信号をオン状態にして(S755)リターンに抜ける。
S700が否定判定なら、即ち、払出制御装置51が備える払出カウンタに払出し処理を実施しなければならない未払賞球がセットされているなら(S700:no)、図14のフローチャートに進み、払出モータ24aを制御して遊技球を排出し(S760)、払出スイッチ24bが遊技球を検出したか否か判定する(S765)。肯定判定なら(S765:yes)払出カウンタの値から−1するデクリメント処理を行い(S770)リターンに抜ける。S765が否定判定なら(S765:no)、払出しエラー信号を主制御装置50に送信して(S775)、払出制御装置51が記憶する払出エラーフラグに1をセットして(S780)リターンに抜ける。尚、払出エラーは、主制御装置50のリセット処理又はRAMクリア処理によってクリアされ、払出制御装置51が記憶する払出エラーフラグに0がセットされる。
以上が払出制御装置51が実行する賞球払出処理となる。本処理では払出制御装置51が賞球の払出を実行中の場合は、主制御装置50に払出動作信号を出力するが、この信号は払出制御装置51が未払賞球数を記憶しているか(払出カウンタ>0)否かを示す信号ともなる。
次に、図15を用いて主制御装置50が実行するカウンタ移動処理2を説明する。この処理は、所定の条件に基づいて第2未払いカウンタの値を第1未払いカウンタに移す(戻す)処理であり、本実施例における所定の条件は、特典遊技の終了、特別遊技終了時からの所定時間の経過、及び特典遊技中の第1始動口31または第2始動口32への入賞間隔が所定時間に達した場合となる。
主制御装置50がカウンタ移動処理2を開始すると、特典遊技が終了したか否か判定する(S800)。この処理は、確変フラグと時短フラグの両方に0が設定されたか否かで判断する。S800が肯定判定なら(S800:yes)、全ての第2未払いカウンタの値を第1未払いカウンタに加算する処理を行い(S810)、第2未払いカウンタの値をクリアし(S815)リターンする。S800が否定判定なら(S800:no)、特別遊技終了時に計時を開始した終了タイマが所定時間経過したか否か判定する(S820)。肯定判定なら(S820:yes)、S810、S815に進んで第2未払いカウンタの値を第1未払いカウンタに戻し、否定判定なら(S820:no)、特典遊技中の第1始動口31又は第2始動口32への入賞間隔を計時する間隔タイマの計時が所定時間に達したか否か判定する(S825)。肯定判定なら(S825:yes)、S810、S815に進み、否定判定なら(S825:no)リターンする。尚、終了タイマの値と、間隔タイマの値は第2未払いカウンタの値が第1未払いカウンタに移動した時点でクリアされる。
以上がカウンタ値移動処理2の説明となる。第2未払いカウンタの値を第1未払いカウンタに移動することにより、主制御装置50は第1未払いカウンタの値が0になるまで払出データ1(又は払出データ2)の出力を行い、第2未払いカウンタに確保していた前回の特別遊技による残り賞球を全て払いだす。
また、カウンタ値移動処理2では、特別遊技終了後に実施される特典遊技が終了したことを契機にカウンタ値を移動(第2未払いカウンタ→第1未払いカウンタ)するが、上記したように特典遊技は確変フラグと時短フラグの設定内容がともに0になった場合に終了となる。この確変フラグと時短フラグに0が設定される条件は、大当り終了時にセットされた確変カウンタ又は時短カウンタの値が、特別図柄の変動数に応じて0になった場合と、確変フラグと時短フラグのいずれか、又は両方が1の時に、新に特別遊技を開始した場合となる。従って、特典遊技中に大当りに当選した場合も大当り遊技開始時にカウンタ値移動処理2によってカウンタ値の移動(第2未払いカウンタ→第1未払いカウンタ)が実施され、前回の残りの大当り出球が払いだされる。
また、本実施例では、特典遊技の終了時に第2未払いカウンタの値を第1未払いカウンタに移動することによって前回の残りの大当り出球を全て払出したが、該移動は行わず、特典遊技の終了を契機に第2未払いカウンタの値に基づいて払出データを出力する構成も考えられる。これは、特典遊技の終了後は、所定条件(第1始動口31又は第2始動口32への入賞)が未成立であっても、第2賞球信号出力手段により第2未払いカウンタの値に応じて所定の賞球信号を出力する構成となる。
この構成の場合、特典遊技が終了した時点で第2未払いカウンタに値が残っていれば、第2未払いカウンタの値に基づいた払出データ(第2賞球信号)の出力によって確保していた前回の大当り出球を全て払出す構成となる。従ってその場合、主制御装置50は、第2未払いカウンタの値を基に15の賞球数を示す払出データ5と、15未満の賞球数を示す払出データ6を備える構成(第2賞球信号の種類を増やす構成)が好適である。
また、実際の遊技では、特典遊技終了後の遊技者が最も不利となる遊技状況において、遊技者が受取るべき保留していた賞球を払いだすことで遊技の継続意向を向上させることができるとともに、カウンタ値の移動に伴う制御の負担を軽減することができる。
同様に、特典遊技の実行中に、第1始動口31又は/及び前記第2始動口32への入賞間隔が所定時間となることを条件に、第2賞球信号出力手段により第2未払いカウンタの値に応じて所定の賞球信号を出力する構成としてもよく、この構成でも、カウンタ値の移動に伴う制御の負担を軽減することができる。
以上が実施例の説明となる。本実施例では、第2未払いカウンタに確保した値を特典遊技中の第1始動口31又は第2始動口32への入賞に応じて該入賞に基づく第1未払いカウンタの加算分とは別にプラスαの払出しを行い、特典遊技終了時に残りの第2未払いカウンタの値を第1未払いカウンタに移すことによって残りの大当りによる賞球を全て払出す構成としたが、特典遊技を終了しても、第2未払いカウンタの値を第1未払いカウンタに移さず、第1始動口31又は第2始動口32への入賞に応じて第2未払いカウンタの値に応じて第2賞球信号を出力する(プラスαの払出しを行う)構成としても良い。
この構成は、特典遊技が終了しても遊技を継続する意向がある遊技者に対してはベースが高くなるため球箱から上皿に遊技球を移す手間が減り有効となるが、第1始動口31又は第2始動口32への入賞間隔が所定時間を経過した場合は、遊技者が遊技を終了する契機と捉え、第2未払いカウンタに保持した値の賞球を払出すのが好適である。
また、特典遊技中、特に確率変動中は第2未払いカウンタの値に基づく払出データ3、4の送信は行わず、特典遊技の終了を契機に第2未払いカウンタの値を第1未払いカウンタに移動して全ての賞球を払出してもよいし、移動は行わず第2未払いカウンタの値に応じて払出データ5、6(第2賞球信号)を出力し、全ての賞球を払出す構成としても良い。これは、大当りが発生する可能性が高い高確率状態においては、あえて遊技球貯留部の遊技球を減らすことによって、大当りが発生した場合に多くの払出球を貯留可能な状態とすることで玉箱への遊技球の移動を極力減らし、確率変動中に大当りが獲得できなかった場合、即ち大当りを獲得する可能性が低い通常遊技状態に移行した場合は直ちに確保していた第2未払いカウンタの値を賞球として払出すことによって、遊技継続意向を継続させることができる。
また、本発明を所定数の遊技球を機内で循環させる封入式遊技機で実施する場合、発射球数を常時検出する構成となるため、特別遊技終了後から、又は特典遊技終了後からの所定数の発射球数(所定数のアウト球としてもよい)の検出を条件に、第2未払いカウンタの値を第1未払いカウンタの値に加算し、第2未払いカウンタの値をクリアする構成としてもよい。所定の発射球数を残りの第2未払いカウンタ値の払出し条件としたことで、確実にある程度の遊技を実施したことを条件として賞球を行うことができる。
また、封入式遊技機(セーフ玉とアウト玉両方を管理しなければならない)では、特典遊技中の所定の期間において所定の出球率を下回ったことを条件に、第2未払いカウンタの値に基づいて第2賞球信号(払出データ3、4)を出力する構成としてもよい。これにより、特典遊技中は遊技球の減少(上皿に遊技球を追加する必要)を気にすることなく遊技を進行することが可能となる。
また、遊技施設の閉店間際の時間に大当りとなった場合は、大当り遊技の賞球全てを速やかに払出すことが求められるため、主制御装置50にRTC回路を備える構成とし、予め設定された時間以降に大当りに当選した場合は、S660の判定を行わない構成、即ち本発明の賞球出力停止手段を実施せずに第1賞球信号の出力を継続し、且つ、カウンタ移動処理1も実施しない構成が考えられる。これにより閉店間際で大当りを獲得した場合には全ての賞球が速やかに払出される。
また、本実施例での始動入賞処理(図5)では、第1保留記憶と第2保留記憶について先読判定を実施しているが、特典遊技中の先読判定結果に応じて第2未払いカウンタの値を払出す構成も考えられる。具体的には、例えば、特典遊技中の第2保留記憶の先読判定結果が大当りであった場合、第2未払いカウンタの値を第1未払いカウンタの値に加算し、前回の特別遊技による賞球を速やかに全て払出す構成が考えられる。これにより、次回の大当り遊技(先読判定が大当りであった保留記憶の大当り)による賞球の払出しが開始される前に、第2未払いカウンタの値をクリアしておくことによって、第2未払いカウンタの値が必要以上に大きくならずに済むと共に、特典遊技中における前回の大当りの残りの賞球の払出しの開始が、大当りの発生の前兆となり、次回の大当り出球の払出しが大当り遊技を開始するよりも前に開始されたような従来機には無い興趣を与えることが可能となると共に大量の出球獲得を印象付けることが可能となる。
また、本実施例の構成を用いれば、一般的なパチンコ遊技機に比べて払出し性能(単位時間当りの払出し回数)を落としても、遊技者に悪印象を与えることなく正常な遊技が可能となる。これは、単純に単位時間あたりの払出し性能を落とした場合、大当り遊技が終わったにもかかわらず賞球の払出しが終了する時間が長くなるため、遊技機の印象が悪くなるが、本願発明の構成で大当り遊技による賞球を払出すことで悪い印象を与えずにすむ。
更に、大当たり遊技中の入賞に係る賞球の払出しの一部を保留するように構成したため、従来のように払出速度を重視して、球タンクから2条のタンクレールを払出装置に導いて単位時間当たりの払出個数を多くする必要はなく、遊技機裏面側の領域を有効活用することが可能となる。また、払出モータの性能を落としてコストを下げることも可能となる。