以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施形態例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
図1に示すように、遊技機の一種であるパチンコ遊技機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ遊技機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態などに応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられている。また、演出ボタン67は、その周囲にジョグダイヤル68を備えている。演出ボタン67を遊技者が所定期間中に押下することで、後述する演出図柄表示装置6の画面に表示される演出内容が変化し、スピーカから出力する遊技音が変化する。また、ジョグダイヤル68を回転させることにより、演出用の画像に変化を与えることが可能に構成されている。
このパチンコ遊技機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ遊技機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。また、本実施例のパチンコ遊技機50は、賞球を機外に払い出す構成としているが、入賞に応じて発生した賞球を払い出さずに遊技機が記憶する封入式の構成としても良い。
図2は、遊技盤1の正面図である。図2に示すように、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3には、多数の遊技釘4が殖設されている。遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ等を備えた液晶表示装置であり演出図柄を表示する演出図柄表示装置6の画面を臨ませる窓等を備えている。
センターケース5の下には、第1始動口11(第1特別図柄に対応する始動口)が配置されている。なお、第1始動口11は、常時、遊技球の入球が可能となっており、遊技球の入球率が変化しない入賞口(本発明の不変入賞口、及び特定の入賞口に相当)である。
また、センターケース5の左方には、普通図柄作動ゲート17が配置され、第1始動口11の下方には、第2始動口12(第2特別図柄に対応する始動口)が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物からなり(本発明の可変入賞口、及び特定の入賞口に相当)本実施例では、翼片が開放中(普通電動役物が作動中)である場合のみ第2始動口12への入球が可能となっている。
第2始動口12の下方にはアタッカー式の大入賞口14(本発明の可変入賞口及び大入賞口に相当)が配置されている。また、第1始動口11の左方には、4個の普通入賞口31から34がガイドレールに沿って配置されている。なお、これらの普通入賞口31から34は、常時入球率が変化しない入賞口(本発明の不変入賞口に相当)である。
遊技領域3の右下部には、複数のLEDからなる普通図柄表示装置7と、第1特別図柄保留数表示装置18と、第2特別図柄保留数表示装置19と、普通図柄保留数表示装置8と、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10が配置されている。この位置に配置した各種表示装置の表示内容を遊技者が確実に視認することは困難となり、遊技中の遊技者は演出図柄表示装置6の表示内容に注目して遊技を行うことになる。
上記のように遊技盤1を構成することによって、遊技領域3を流下した遊技球が第1始動口11に入賞(第1始動口スイッチ11a(図4参照)が遊技球を検出)すると、第1特別図柄表示装置9において第1特別図柄(以下、第1特図とも記載)が変動を開始し、所定時間後に停止する。遊技領域3を流下した遊技球が普通図柄作動ゲート17に入球(普通図柄作動スイッチ17a(図4参照)が遊技球を検出)すると、普通図柄表示装置7で普通図柄(以下、普図とも記載)が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普図の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド12b(図4参照)が駆動する。普通電役ソレノイド12bが駆動すると、ほぼ同期して普通電動役物の翼片が開放し、第2始動口12への入球(第2始動口スイッチ12a(図4参照)の検出)が可能となるように構成されている。第2始動口12に遊技球が入球(第2特図始動スイッチ12a(図4参照)が遊技球を検出)すると、第2特別図柄表示装置10において第2特別図柄(以下、第2特図とも記載)が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、演出図柄表示装置6において各々の特別図柄(以降、特図ともいう)の変動に連動した演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、同時に変動することはなく、第1始動口11と第2始動口12への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動(当否判定)を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し、且つ、第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、第1特別図柄保留記憶分の変動(当否判定)を開始するが、第1特図と第2特図とが同時変動可能な構成であっても本願発明の効果は同様に発揮する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の確定表示した態様に応じて、後述する大入賞口ソレノイド14b(図4参照)が駆動する。大入賞口ソレノイド14bが駆動すると、ほぼ同期して大入賞口14の扉部材が開放し、大入賞口14への遊技球の入球(カウントスイッチ14a(図4参照)が遊技球を検出)が可能となるように構成されている。
図3は、パチンコ遊技機50の裏面を示し、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ遊技機50の裏側には、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下(裏側)に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
また、主制御装置80の背面には、4個の7セグメント表示装置で構成された結果表示装置91(本発明の表示手段に相当)が設けられている。結果表示装置91の表示内容等の詳細な説明は図を用いて後述する。
図4は、パチンコ遊技機50の電気的構成を示すブロック図となり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
電源基板85は、外部に設けられたAC電源から供給される電力により直流電圧を生成する直流電源として構成されており、電源基板85に設けられた電源スイッチが操作されることでパチンコ遊技機50を構成する各部位に電力が供給され、コンデンサ等から構成されたバックアップ電源生成回路によりバックアップ電源を生成する構成となっている。このバックアップ電源は、AC電源からの電力供給中にコンデンサに電力を蓄え、停電時には主制御装置80等(例えば、主制御装置80のRAM等)に電力を供給する。これにより、パチンコ遊技機50への電源供給が停止した後も、一定時間にわたり電源供給が停止した直前の主制御装置80のRAMの内容(例えば、普通入賞口31から34、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14への入賞により払い出させることとなった賞球の数の合計、パチンコ遊技機50の遊技状態)を保持する構成となっている。
一方、本実施例の電源基板85が生成するバックアップ電源は、サブ統合制御装置83へ供給されないため、パチンコ遊技機50への電源供給が停止した後は、サブ統合制御装置83のRAMに保持されている記憶はクリアされる。
なお、バックアップ電源は、主制御装置80に設けても良いし、電源基板85以外の他の装置に設けてもよい。また、電源基板85は、AC電源からの電力供給が停止している場合には、主制御装置80に対して停電信号を出力すると共に、AC電源からの電力供給がなされている場合には、主制御装置80に対して供給信号を出力する。
本実施例では、RAMクリアスイッチ97を押した状態で電源を投入すると、主制御装置80のRAMの領域がクリアされ、当該RAMの初期設定が行われる。但し、このRAMクリアが行われても、RAMが記憶している所定期間毎(本実施例においては、1分間)の普通入賞口31から34、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14への入賞に基づく夫々の賞球数データは、RAMの記憶領域からクリアされない。本実施例では、RAMクリアスイッチ97を主制御装置80に設けたが、払出制御装置81、又は電源基板85に設ける構成としてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させる普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を検出するカウントスイッチ14a、普通入賞口31から34までに入賞した遊技球を検出する普通入賞口スイッチ31aの検出信号が入力される。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作し、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10と普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19及び普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bの駆動を制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図4では普電役物ソレノイドと表記)12bの駆動を制御することで第2始動口12の開閉を制御する。また、主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータに送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。また、主制御装置80の背面には結果表示装置91が設けられ、主制御装置80からの信号によって表示制御が行われる。
主制御装置80との相互通信が可能な払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。なお、本実施例では遊技球を払い出す構成である。近年には、発射された遊技球を遊技機内部で回収し、再び発射装置により発射すると共に、ICカードなどの記憶媒体を用いて遊技者の持ち球数をデータとして管理する遊技機(封入式遊技機又は管理遊技機などと呼ばれる)が存在し、本実施例のパチンコ遊技機50を封入式遊技機とする構成であってもよい。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射できないようになっている。
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用、ランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、ジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ユニット67、68を操作した際には、その操作信号がサブ統合制御装置83に入力される。なお、ジョグダイヤル68を演出図柄制御装置82に接続する構成にしてもよい。
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能とし、演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面に表示させる。なお、本実施例では、サブ統合制御装置83及び演出図柄制御装置82は別々の装置に分かれているが、1つの装置にまとめる構成にしてもよい。
次に、図5に示した図表を用いて本実施例のパチンコ遊技機50の作動内容を説明する。本実施形態におけるパチンコ遊技機50は確率変動機として構成され、第1始動口11及び第2始動口12への遊技球入球に基づく当否判定は、通常遊技状態(低確率遊技状態)と、該通常遊技状態に比べて大当りとなる確率が高い高確率遊技状態とのいずれかの確率状態で実施される。本実施例では通常(低)確率が1/300、高確率が1/50に設定されている。また、大当り図柄の種類に応じて大当り遊技終了後に高確率遊技状態に移行する確率(確変突入率)は、60%に設定されている。
各入賞口に設定された賞球数(1個の遊技球の入賞で払い出される遊技球数)は、第1始動口11、第2始動口12は3個、普通入賞口31から34は10個、大入賞口14は15個となっている。また、第2始動口12となる普通電動役物の規定入賞数(閉鎖状態に戻る入賞球数)は10個、大入賞口14の1回のラウンド遊技における規定入賞数も10個に設定されている。
第2始動口12となる普通電動役物は、作動契機と作動時間を変化させる開放延長機能(開放延長手段)を備えており、開放延長機能未作動時では、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物は0.2秒の開放動作を1回行い、開放延長機能作動時(開放延長状態)では、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物は2.0秒の開放動作を1回行うよう設定されている。また、開放延長機能が作動する遊技状態(開放延長状態)での第1及び第2特別図柄の変動パターン(変動時間)は、開放延長機能が未作動時の遊技状態で使用する変動パターン選択テーブルよりも平均変動時間が短くなるように設定された変動パターン選択テーブルを用いて選択される構成となっている。これにより、開放延長機能作動時の単位時間あたりの特別図柄の変動回数が、開放延長機能未作動時よりも増加する構成(時短状態)となっており、この時短機能は、開放延長機能の作動開始と終了の契機と同じくして作動する。
尚、開放延長機能作動時には、普通図柄の変動時間を短縮(単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加)する時短機能も作動する構成となっている。具体的には、開放延長機能未作動時となる通常時の普通図柄の変動時間は6.2秒に設定され、開放延長機能作動時の普通図柄の変動時間は0.7秒に設定されている。これにより、開放延長機能作動時では単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加し、普通電動役物の作動契機を大きく増加させことで、単位時間当たりの普通電動役物への入球率が増加し、第2特別図柄の変動回数が増えるとともに持球の減少が抑えられる。また、普通図柄の当選確率は、開放延長機能が未作動時である通常状態では1/6、開放延長機能作動時の開放延長状態では5/6に設定されている。
大当り遊技(本発明の「役物が連続して作動することで前記可変入賞口の一つである大入賞口が複数回開放する大当り遊技」に相当)は3種類となり、第1特図が大当りした場合と第2特図が大当りした場合とではこの3種類の選択比率が異なる構成となっている。
具体的な大当り遊技の内容の一つは、10カウント又は29.0秒のラウンド遊技を15回行い、当該大当り遊技の終了後に高確率状態(確変状態)及び時短状態に移行し、次回の大当りが生起するまで(詳しくは特図が10000回変動するまで)これらの状態を継続するものとなり、この大当り遊技は遊技者に最も有利な内容となる。もう一つは、同様のラウンド遊技を10回行い、当該大当り遊技の終了後に高確率状態(確変状態)及び時短状態に移行し、次回の大当りが生起するまで(詳しくは特図が10000回変動するまで)これらの状態を継続するものとなる。この大当り遊技は、遊技者にとって2番目に有利な内容となる。最後の一つは、同様のラウンド遊技を5回行い、当該大当り遊技の終了後に時短状態のみに移行し、特図が100回変動するまで時短状態を継続するものとなり、この大当り遊技は遊技者に最も不利な内容となる。
15ラウンドの大当り遊技を行ってから高確率状態に移行する大当りは、第1特図では30%、第2特図では40%の比率で選択され、10ラウンドの大当り遊技を行ってから高確率状態に移行する大当りは、第1特図では30%、第2特図では20%の比率で選択され、5ラウンドの大当り遊技を行ってから通常確率の時短状態に移行する大当りは、第1特図、第2特図共に40%の比率で選択される。
次に、図6を用いて、主制御装置80が実行するメインルーチンを説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S75までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS80の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、ほとんどが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
S10が否定判定、即ち、正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(初期乱数更新処理(S80))に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理(S20)、大当り決定用乱数更新処理(S25)、大当り図柄決定用乱数1更新処理(S30)、大当り図柄決定用乱数2更新処理(S35)、当り決定用乱数更新処理(S45)、リーチ判定用乱数更新処理(S50)、変動パターン決定用乱数更新処理(S55)が行われる。
続く入賞確認処理(S60)では、第1始動口11、第2始動口12への入賞、大入賞口14への入賞、普通入賞口31から34への入賞及び普通図柄作動ゲート17への入球の確認、及びパチンコ遊技機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。各始動口及び作動口への入賞(入球)確認処理(始動入賞処理)については、図7を用いて後述する。
続いて、当否判定処理(S65)、画像出力処理等の各出力処理(S70)、不正監視処理(S75)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S80)をループ処理する。
次に、図7を用いて、主制御装置80が実行する始動入賞処理を説明する。本処理は、図6に示した入賞確認処理(S60)のサブルーチンの一つとなる。以後、第1始動口11に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口12に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄始動ゲート17を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
本処理を開始すると、第1始動口スイッチ11aが遊技球を検出したか否か判定する(S100)。肯定判定であれば(S100:yes)、主制御装置80に既に格納されている第1保留記憶数が上限数(本実施例では4個)未満であるか否か判定する(S105)。肯定判定であれば(S105:yes)、当否乱数等の各種乱数値(大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数1,2、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数)を抽出し、第1保留記憶として主制御装置80の保留記憶数に応じた記憶領域に格納し、第1保留記憶の数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する(S110) (保留記憶手段)。
S110に続いては、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S115)。具体的には、大当り決定用乱数の値が大当りを生起させる値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認し、ハズレなら、ハズレ図柄の種類を確認する(先読判定手段)。
続いて、S115の先読判定結果に基づいて第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置83に送信し(S120)、S110で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S125)。本実施例では、第1先読判定コマンドと第1保留数指示コマンドとを個別のコマンドとしてサブ統合制御装置83に送信しているが、この二つのコマンド内容を一つのコマンドに合成してサブ統合制御装置83に送信する構成も考えられる。また、保留記憶数コマンドの内容は、S110で加算した第1保留記憶カウンタの値を示すものではなく、+1(1増)を示すものでもよい。
S125の処理、又はS100、S105の否定判定(S100:no、S105:no)に続いては、第2始動口スイッチ12aが遊技球を検出したか否か判定する(S130)。否定判定なら(S130:no)S160に進み、肯定判定なら(S130:yes)、主制御装置80に格納されている第2保留記憶の数が上限数(=4個)未満か否か判定する(S135)。否定判定なら(S135:no)S160に進み、肯定判定であれば(S135:yes)、当否乱数等の各種乱数値(大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数1,2、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数)を抽出し、第2保留記憶として主制御装置80の保留記憶数に応じた記憶領域に格納し、第2保留記憶の数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算し(S140)、S115と同様に記憶した第2保留記憶の先読判定を行う(S145)。
続いて、S145の判定結果に基づいて第2先読判定コマンドを生成しサブ統合制御装置83に送信し(S150)、S140で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信して(S155)S160に進む。なお、 特図の変動時間等に係る乱数は、後述する当否判定処理時(特図変動開始時)に抽出する構成としてもよい。
S160では、普通図柄作動スイッチ17aが遊技球を検出したか否か判定する(S160)。否定判定なら(S160:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S160:yes)、主制御装置80に格納されている普図保留記憶数が上限数(=4個)未満か否か判定する(S165)。否定判定なら(S165:no)リターンに抜け、肯定判定であれば(S165:yes)、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S170)、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S175)、リターンする。
サブ統合制御装置83は第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置6上で表示する各保留記憶数を変化(保留図柄を表示)させる指示信号を演出図柄制御装置82に送信する。また、本実施例では、演出図柄表示装置6上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置83に送信する構成も考えられる。これにより、普通電動役物(第2始動口12)の開放を期待させる先読予告の実施が可能となる。
次に、図8,9,10を用いて、主制御装置80が実行する当否判定処理を説明する。本処理を開始すると、条件装置が作動中か否か、即ち、大当り中か否か判定し(S200)、肯定判定なら(S200:yes)リターンし、否定判定なら(S200:no)、第1又は第2特別図柄が変動中か否か判定し(S205)、否定判定なら(S205:no)、第1又は第2特別図柄が確定表示中か否か判定し(S210)、否定判定なら(S210:no)、第2保留記憶が有るか否か判定する(S215)。肯定判定なら(S215:yes)、S225に進み、否定判定なら(S215:no)第1保留記憶が有るか否か判定し(S220)、否定判定なら(S220:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S220:yes)S225に進む。S215とS220の判定順により、第2保留記憶の当否判定を優先して実施する構成となっている。
尚、本実施例では、特別図柄が複数(第1特別図柄と第2特別図柄)の構成となっているが、特別図柄を1つとした構成であっても本発明の効果に変わりはない。また、2種類の特図が同時に変動可能な構成であっても本発明の効果に変わりはない。
S225では時短フラグの値が0か否か判定する(S225)。時短フラグは、主制御装置80が記憶する値であり、値が「1」のときは時短状態、及び開放延長状態であることを、値が「0」のときは非時短状態、非開放延長状態であることを主制御装置80が判断する。肯定判定なら(S225:yes)S230に進み、否定判定なら(S225:no)時短状態中の処理に進む。時短状態中の処理は、特図の変動時間を設定する変動パターン選択テーブルのみが異なる処理となるため説明は割愛する。
S230では、保留記憶のシフト処理を行い(S230)、これにより最も古い保留記憶を当否判定の対象とするとともに、保留記憶数を示す保留記憶カウンタから1を減算する。本実施例では、保留数が増加した時のみ保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する構成としているが、この減算に応じて、サブ統合制御装置83に減少を示す保留数指示コマンドを送信する構成としてもよい。
S230に続いては、当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数の値と予め設定された当否判定テーブルとを比較して、乱数値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する(S235)。当否判定テーブルは通常確率(低確率1/300)用と高確率(1/50)用の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常確率状態(確変フラグ「0」)であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率状態(確変フラグ「1」)であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。
続くS240の処理では、大当り判定用乱数の比較処理(S235)の結果が大当り(判定値と同一)であるか否か判定する(S240)。肯定判定なら(S240:yes)、図柄モード設定処理を行う(S245)。図柄モード設定処理では、判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて、大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態を決定する図柄モードを設定する。続いて、設定した図柄モードの種類と判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数2に基づいて大当り図柄選択処理を行う(S250)。これは、図柄モードの設定によって決定した大当りの種類(大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態)と大当り図柄との関連付けを行うために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から表示する図柄を決定する処理となる。
次にS245で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理を行う(S255)。モードバッファは当否判定時に決定した大当り遊技終了後の遊技状態の内容を、該遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで記憶する装置である(大当り遊技中は遊技状態を設定する確変フラグ及び時短フラグをクリアする必要があるため)。モードバッファとしては、具体的な遊技内容(確変機能および開放延長機能(時短機能)の作動とその作動回数)は記憶せず、複数種類の具体的な遊技内容のそれぞれに対応した値を記憶する構成となっている。
次に、S245で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技の内容となる大入賞口の開放パターン設定処理を行い(S260)、当否判定の対象とした保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、変動パターン選択テーブルから選択する(S265)。
次に、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を、変動指示コマンドとしてサブ統合制御装置83へ送信する(S270)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づいて、演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、大当り図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S240が否定判定、即ちハズレなら(S240:no)、ハズレ図柄を選択し(S275)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い(S265)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置83へ送信する(S270)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に基づいた擬似図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
次に、S205が肯定判定、即ち、特別図柄の変動中であれば(S205:yes)、図9のフローチャートに進み、特別図柄の変動時間(S265で選択された変動パターンに基づく)が経過したか否か判定する(S300)。否定判定なら(S300:no)リターンし、肯定判断なら(S300:yes)、確定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を制御してS250,又はS275で選択した確定図柄を確定表示させる(S305)。確定コマンドを受信したサブ統合制御装置83は演出図柄制御装置82に予め選択されていた擬似図柄を確定表示させる指示信号を送信し、演出図柄制御装置82は、その信号に応じて演出図柄表示装置6を制御して擬似図柄を確定表示させる。
これにより、第1又は第2特別図柄と、演出図柄表示装置6に表示される擬似図柄の変動の開始と終了とが同じタイミングになる(同期する)。なお、変動指示コマンドで変動時間が指示されるため、確定コマンドを送信しなくてもサブ統合制御装置83が、変動指示コマンドのみに基づいて変動時間が終了に達すると確定表示を行う構成でもよい。
S305に続いては、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10で確定表示させた第1又は第2特別図柄が、大当り図柄か否か判定し(S310)、肯定判定なら(S310:yes)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S315)、確変フラグが1か否か(高確率状態か否か)判定し(S320)、肯定判定なら(S320:yes)、確変フラグに0をセットし(S325)、S325、又はS320の否定判定(S320:no)に続いては、時短フラグが1か否か判定し(S330)、肯定判定なら(S330:yes)、時短フラグに0をセットし(S335)、S335、又はS330の否定判定(S330:no)に続いては、条件装置作動開始処理(S340)と、役物連続作動装置作動開始処理(S345)を行うことで大入賞口14(特別電動役物)を連続して作動させる処理を行い、大当りフラグに1をセットし(S348)、大当り演出指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S350)。
一方、S310が否定判定、即ち、確定図柄が大当りでなければ(S310:no)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S360)、確変フラグが1か否か判定し(S365)、肯定判定なら(S365:yes)、確変カウンタからデクリメントし(S370)、確変カウンタが0か否か判定し(S375)、肯定判定なら(S375:yes)、確変フラグに0をセットする(S380)。続いて、S380、又はS365,S375が否定判定なら(S365:no,S375:no)、時短フラグが1か否か判定し(S385)、肯定判定なら(S385:yes)、時短カウンタからデクリメントし(S390)、時短カウンタが0か否か判定し(S395)、肯定判定なら(S395:yes)、時短フラグに0をセットする(S400)。S365からS400によって、特別図柄が当否判定に応じたハズレ確定表示を行うごとに、高確率状態を規制する確変カウンタと時短(開放延長)状態を規制する時短カウンタとが計数され、これらのカウンタが所定値に至ることで遊技状態が変化(時短(開放延長)状態が終了し、通常状態(通常確変状態で、且つ、通常開放状態)に移行)する。
続いて、S350,S400、又はS395の否定判定(S395:no)に続いては、上記処理の結果に基づく遊技状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S355)リターンする。
図8に戻り、S210が肯定判定、即ち、確定図柄の表示中なら(S210:yes)、図10のフローチャートに進み、確定図柄表示時間が経過したか否か判定し(S450)、否定判定なら(S450:no)リターンし、肯定判定なら(S450:yes)、確定図柄表示終了処理(S455)を行い、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を制御して特別図柄の確定表示を終了させ、サブ統合制御装置83に擬似図柄の確定表示を終了させる指示信号を送信してリターンする。
次に、図11から図14を用いて主制御装置80が実行する特別遊技処理を説明する。本処理では、図8のS260により設定された内容に基づいて大当り遊技を行い、大当り遊技終了時にS255で設定されたモードバッファに基づいて確変フラグ(及び確変カウンタ)と時短フラグ(及び時短カウンタ)とを設定することで大当り遊技終了後の遊技状態が設定される。
本処理を開始すると、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判定し(S500)、否定判定なら(S500:no)リターンし、肯定判定なら(S500:yes)、大入賞口14が開放中か否かを判定し(S505)、否定判定なら(S505:no)、ラウンド間のインターバル中か否か判定し(S510)、否定判定なら(S510:no)、大当り終了演出中であるか否か判定し(S515)否定判定なら(S515:no)、大当り開始演出時間が経過したか否か判定し(S520)、否定判定なら(S520:no)リターンし、肯定判定なら(S520:yes)、大入賞口開放処理(S525)を行なってリターンする。
S505が肯定判定、即ち大入賞口14が開放中なら(S505:yes)、図12に進みカウントスイッチ14aが遊技球を10個検出したか否か判定し(S550)、否定判定なら(S550:no)、大入賞口14の開放時間が終了したか否か判定し(S555)、否定判定なら(S555:no)リターンし、S550、又はS555が肯定判定なら(S550:yes、S555:yes)、大入賞口閉鎖処理を行い(S560)、インターバル処理(S565)を行ってリターンする。
図11に戻り、S510が肯定判定、即ちインターバル中なら(S510:yes)、図13に進みインターバル時間が終了したか否か判定し(S600)、否定判定なら(S600:no)リターンし、肯定判定なら(S600:yes)、最終ラウンドが終了したか否か判定し(S605)、肯定判定なら(S605:yes)、大当り終了演出処理(S530)を行ってリターンし、否定判定なら(S605:no)、大入賞口開放処理(S615)を行ってリターンする。
図11に戻り、S515が肯定判定、即ち大当り終了演出中なら(S515:yes)、図14に進み、大当り終了演出時間が経過したか否か判定し(S650)、否定判定なら(S650:no)リターンし、肯定判定なら(S650:yes)、役物連続作動装置の作動停止処理(S655)、条件装置の作動停止処理(S660)を行い、S255で設定したモードバッファを参照して(S665)、確変フラグ設定(S670)、確変カウンタ設定(S675)、時短フラグ設定(S680)、時短カウンタ設定(S685)を行い、モードバッファをクリアし(S690)、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S695)、状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S700)、大当りフラグに0をセットして(S705)リターンする。
次に、図15に示したフローチャートを用いて、主制御装置80が実行する賞球データ作成処理を説明する。本処理は、各入賞口入賞に応じて払い出す賞球個数を示す信号の確定過程を示している(本発明の賞球の付与に相当)。本処理を開始すると、第1始動口スイッチ11aが遊技球を検出したか否か判定する(S750)。肯定判定なら(S750:yes)、賞球データ記憶バッファに記憶する払い出す賞球個数を示すデータの下位1ビット目に1を設定する(S755)。この場合、払い出す賞球個数を示すデータは00000000のように1バイトデータで表され、第1始動口スイッチ11aが遊技球を検出すると当該データは00000001となり、各ビットは対応する入賞口への入賞状態を示す(1が検知、0が未検知)。
S755、又はS750の否定判定(S750:no)に続いては、第2始動口スイッチ12aが遊技球を検出したか否か判定し(S760)、肯定判定なら(S760:yes)、下位2ビット目に1を設定する(S765)。これにより、第2始動口スイッチ12aのみの入賞によって払い出す賞球個数を示すデータは00000010となる。
S765、又はS760の否定判定(S760:no)に続いては、カウントスイッチ14aが遊技球を検出したか否か判定し(S770)、肯定判定なら(S770:yes)、下位3ビット目に1を設定する(S775)。これにより、カウントスイッチ14aのみの入賞によって払い出す賞球個数を示すデータは00000100となる。
S775、又はS770の否定判定(S770:no)に続いては、普通入賞口スイッチ31aが遊技球を検出したか否か判定し(S780)、肯定判定なら(S780:yes)、下位4ビット目に1を設定する(S785)。これにより、普通入賞口スイッチ31aのみの入賞によって払い出す賞球個数を示すデータは00001000となる。
S785、又は780の否定判定(S780:no)に続いては、上記処理によって得た賞球データを賞球データ記憶バッファに記憶処理し(S790)リターンする。
以上が賞球データ作成処理となるが、払出す賞球個数を示すデータ4個(賞球データ記憶00H〜03H)を記憶する賞球データ記憶バッファと、それとは別に払い出す賞球個数を示すデータを送信するための賞球データ記憶バッファを備えているため、記憶個数を増やしても問題ない。また、入賞頻度の高い入賞口順に下位ビットから割り振ることで、処理の負担を軽減する構成が好適といえる。
次に、図16を用いて主制御装置80が実行する賞球データ送信処理を説明する。本処理は、図15の賞球データ作成処理で作成されたデータを基に賞球個数を示すデータを払出制御装置81へ送信する処理となる。
本処理を開始すると、まず賞球データ記憶バッファにステップS790で記憶処理されたデータがあるか否か(00000000でないか否か)が判定されるが(S800)、これ以前に図示しない処理で、賞球データ記憶バッファにデータがなかった場合に賞球データシフト処理が行われる。賞球データシフト処理は、賞球データ記憶バッファにデータがなく、賞球データ記憶00Hに記憶されたデータがある場合に行われ、賞球データ記憶00Hに記憶された払い出す賞球個数を示すデータを賞球データ記憶バッファに移す処理が行われる。それと同時に賞球データ記憶01H〜03Hまでに記憶された賞球データも1段階前の領域へと移される処理が行われる。
S800が否定判定なら(S800:no)リターンし、肯定判定なら(S800:yes)、払出制御装置81から未払い満タン信号を未受信か否かを判定する(S805)。未払い満タン信号は、未払いの賞球個数を示すデータが払出制御装置81のRAM容量の所定容量以上となったことを知らせる信号である。
S805が否定判定なら(S805:no)リターンし、払い出す賞球個数を示すデータの送信を中断できように構成する。これによって、払出制御装置81のRAMの記憶容量を小さくすることができ、コストの削減に寄与することができる。S805が肯定判定なら(S805:yes)、賞球データ記憶バッファに記憶された賞球データの下位1ビット目が1か否か判定し(S810)、肯定判定なら(S810:yes)、データバスに賞球3個のデータをセットし(S815)、S845に進む。
S810が否定判定なら(S810:no)、下位2ビット目が1か否か判定し(S820)、肯定判定なら(S820:yes)、データバスに賞球3個のデータをセットし(S825)、S845に進む。S820が否定判定なら(S820:no)、下位3ビット目が1か否か判定し(S830)、肯定判定なら(S830:yes)、データバスに賞球15個のデータをセットし(S835)、S845に進み、否定判定なら(S830:no)、データバスに賞球10個のデータをセットし(S835)、S845に進む。S845では、上記処理から得た払い出す賞球個数を示すデータを払出制御装置81に送信する(S845)。
続いて、賞球記憶期間フラグが0か否か判定する(S850)。賞球記憶期間フラグは主制御装置80が記憶する値であり、値が1なら、夫々の入賞口入賞に基づく賞球獲得比率を確認するために、遊技球が入賞した入賞口の種類に関連付けて該入賞に基づいて払い出す賞球数を記憶する賞球記憶期間(本発明の所定期間に相当)であることを、値が0なら、賞球記憶期間ではないことを主制御装置80が判断する。
S850が肯定判定、即ち、賞球記憶期間ではないなら(S850:yes)、賞球記憶フラグに1をセットし(S855)(本発明の「所定期間ではない期間における前記賞球の付与に起因して該所定期間を開始する所定期間開始手段」に相当)、賞球期間タイマをセットしてタイマ(1分間)の計数をスタートし(S860)、記憶領域カウンタにインクリメントする(S865)。記憶領域カウンタは、上記した賞球に係るデータを記憶した賞球記憶期間の数を判断するためのカウンタであり、夫々の入賞口入賞に基づく賞球獲得比率を演算するための必要な賞球記憶期間数を満たしているか否かの判定に用いる。
S865、又はS850の否定判定(S850:no)に続いては、賞球数記憶処理として遊技球が入賞した入賞口の種類に関連付けて該入賞に基づく賞球数を記憶する処理を行い(S870)、賞球個数を示すデータ及び賞球データ記憶バッファに記憶された賞球データ(記憶ビット位置により遊技球が入賞した入賞口の種類の判断が可能)をクリアし(S875)リターンする。
次に、図17を用いて主制御装置80が実行する賞球記憶期間管理処理を説明する。本処理によって賞球記憶期間は賞球記憶期間フラグに1がセットされてから1分経過すると当該賞球記憶期間を終了する(本発明の所定期間終了手段に相当)。また、賞球記憶期間の数が600(本発明の所定回数の所定期間に相当)に到達すると、記憶した賞球数の合計に基づいて役物比率及び連続役物比率の演算を行い(本発明の演算手段に相当)、演算結果を結果表示装置91に表示する(本発明の表示手段に相当)。
本処理を開始すると、賞球記憶期間フラグが1か否か判定し(S900)、否定判定なら(S900:no)リターンし、肯定判定なら(S900:yes)、賞球期間タイマにインクリメントし(S905)、賞球期間タイマが所定値(本実施例では1分)に達したか否か判定し(S910)、否定判定なら(S910:no)、リターンする。
S910が肯定判定、即ち、賞球記憶期間の開始から所定期間(本実施例では1分としたがこれに限るわけではない)が経過したなら(S910:yes)、賞球記憶期間フラグに0をセットし(S915)、記憶領域カウンタが600よりも大きいか否か判定し(S920)、肯定判定なら(S920:yes)、記憶領域カウンタからデクリメントし(S925)、記憶してから最も時間が経過している所定期間に対応した記憶領域の賞球数記憶をクリアする(S930)。S920が否定判定なら(S920:no)、記憶領域カウンタの値が600か否か判定し(S935)、否定判定なら(S935:no)リターンする。
S930、又はS935の肯定判定(S935:yes)に続いては、記憶している600期間分の賞球数の合計値を用いて役物比率と連続役物比率を演算し(S940)、演算結果を結果表示装置91に表示する演算結果表示処理(本発明の表示手段に相当)を行って(S945)リターンする。
図18は、賞球データ送信処理(図16)の賞球数記憶処理(S870)によって記憶する内容とその記憶構成を例示した図であり、各賞球記憶期間に対応した記憶領域に入賞口毎の賞球数が記憶される(本発明の賞球数記憶手段に相当)。本実施例では、賞球記憶期間は1分に設定されており、この賞球記憶期間が計600(図では第1期間から第600期間まで)に達した時点から新たな賞球記憶期間が終了する毎に、最新の計600の賞球記憶期間で記憶した内容に基づいて、各入賞口の賞球数の合計と全ての入賞口の賞球数の合計とから、大入賞口14と第2始動口12となる普通電動役物とへの入賞に基づく賞球合計の比率(本発明の役物比率に相当)と、大入賞口14への入賞に基づく賞球の比率(本発明の連続役物比率に相当)との演算を実施する(S940)。この演算の結果はS945により、図19を用いて後述する内容で報知される。なお、RAMクリアが行われても賞球記憶期間に対応した記憶内容は消去されない構成となっている。
賞球記憶期間は、賞球データ送信処理(図16)で説明したように、賞球記憶期間外にいずれかの入賞検出SW(第1始動口、第2始動口、カウント、普通入賞口)が遊技球を検出(図のX時点)することで開始し、当該開始から各入賞口の1分間の賞球数を記憶する。図例に示す第1期間から第3期間は、通常の遊技状態(低確率、開放延長機能未作動)における第1始動口11への入球が主となる3回の遊技期間を示し、図例に示す第300期間は大入賞口14への入賞が発生する大当り遊技中の1分間を示し、図例に示す第600期間は第2始動口12となる普通電動役物が頻繁に作動する開放延長状態の1分間を示している。
賞球記憶期間を第600期間まで記憶すると第1期間から第600期間までの10時間分の賞球数の合計を用いて、役物比率と連続役物比率との演算を行い、第601期間以降の賞球記憶期間が終了すると、最も古い賞球記憶期間の記憶をクリアし、最も新しい計600期間の賞球数の合計を用いて役物比率と連続役物比率との演算が順次行われる。
図例における第1期間から第600期間までの600期間分(10時間分)の賞球記憶における役物比率は、普通電動役物(第2始動口12)による賞球数の合計(B)と大入賞口14による賞球数の合計(C)との加算値を全ての賞球数の合計(E)で除算した値0.681となり、7割以下になっている。連続役物比率は、大入賞口14による賞球数の合計(C)を全ての賞球数の合計(E)で除算した値0.593となり、6割以下になっている。
図19は、主制御装置80の背面に配置された結果表示装置91の形態と、結果表示装置91の表示内容を示している。図19(1)に示すように、結果表示装置91は左から第1表示部91a、第2表示部91b、第3表示部91c、第4表示部91dの4つの7セグメント表示器で構成されている。
図19(2)の図表は、結果表示装置91に表示される内容について示している。結果表示装置91は、パチンコ遊技機50に電源が投入された時点から表示を開始し、(a)の連続役物比率の演算結果の表示と、(b)の役物比率の演算結果を示す表示とを、所定時間毎(本実施例では3秒毎)に交互に表示する。なお、(a)と(b)とを交互に表示する場合、異なる表示色を用いることで識別を容易にしてもよい。
連続役物比率の演算結果は、常時(a)に示す「y 6.6 0」で表示され、第1表示部91aと第2表示部91bとで表示する「y 6.」は、連続役物比率の演算結果であることを示し、記憶した賞球記憶期間の数が既に600に達している場合は「y 6.」の点灯表示を行い、未だ600に達していない場合は、0.5秒周期で「y 6.」の点滅表示(演算結果を表示する条件を満たしていないことを示す表示)を行う。第3表示部91cと第4表示部91dとで表示する「6 0」は、連続役物比率の演算結果が6割以内であれば点灯表示を行い、6割を超えていれば点滅表示を行う。
役物比率の演算結果は、常時(b)に示す「y 7.7 0」で表示され、第1表示部91aと第2表示部91bとで表示する「y 7.」は、役物比率の演算結果であることを示し、記憶した賞球記憶期間の数が既に600に達している場合は「y 7.」の点灯表示を行い、未だ600に達していない場合は、0.5秒周期で「y 7.」の点滅表示(演算結果を表示する条件を満たしていないことを示す表示)を行う。第3表示部91cと第4表示部91dとで表示する「7 0」は、役物比率の演算結果が7割以内であれば点灯表示を行い、7割を超えていれば点滅表示を行う。結果表示装置91の表示内容をこのような構成とすることで、遊技領域3に殖設された遊技釘4を実際に確認しなくても不正に殖設角度が変更されたか否かが容易に判別可能となる。
なお、連続役物比率、役物比率ともに、記憶する賞球記憶期間の数が600に達していない場合(第1表示部91aと第2表示部91bとが点滅表示状態の場合)は演算結果を表示せず、第3表示部91cと第4表示部91dを消灯状態としてもよい。また、実施例では、連続役物比率の演算結果が6割以内であれば点灯表示を行い、6割を超えていれば点滅表示を行う構成としてが、第3表示部91cと第4表示部91dの発光色を変えることで6割以内か6割超かを判断可能とする構成としてもよく、役物比率も同様に発光色を変えてもよい。また、役物比率と連続役物比率を演算結果である実際の数値で表示してもよい。
以上が実施例の説明となる。本実施例では、普通電動役物が作動した場合のみ第2始動口12への入賞が可能となる構成としたが、普通電動役物の未作動時も第2始動口12への入賞が可能な構成とした場合は、作動時の入賞に基づく賞球数と未作動時の入賞に基づく賞球数とを区別して記憶することで、役物比率を正確に演算することができる。
また、小当りを設けた場合も、大入賞口14への入賞に基づく賞球数を大当り遊技と小当り遊技とで区別して記憶することで、役物比率及び連続役物比率を正確に演算することができる。また、小当り遊技時のみ作動する第2大入賞口を備えた場合は、第2大入賞口への入賞に係る賞球数を区別して記憶すればよく、この場合の第2大入賞口への入賞に係る賞球数は、役物比率の計算に用いる。
各賞球記憶期間の賞球数に係る記憶は、パチンコ遊技機50への電源供給を停止しても所定期間は記憶が保持される構成が好適であり、一度電源を落としても記憶している各入賞口に対応した賞球数に基づいて、役物比率、連続役物比率を確認することが可能な構成となっている。なお、電源投入時にRAMクリア操作が行われても各入賞口に対応した賞球数の記憶はクリアされない構成が好適である。
実施例では計600の賞球記憶期間が記憶されると、以降の賞球記憶期間が終了する毎に最も古い賞球記憶期間の記憶を削除したが、新たな賞球記憶期間を開始した時点で最も古い賞球記憶期間の記憶を削除する構成としてもよい。
ホールでは、スタッフがガラス枠を開放して遊技球を任意の入賞口に入球させることで遊技者に賞球を与えること(トラブル時のサービス)があるが、ガラス枠の開放時(ガラス枠開放スイッチ35オフ)に入賞検出スイッチが遊技球を検出した場合は、該検出に係る賞球数を記憶しない構成としてもよく、これにより実際の遊技に基づく賞球数のみ記憶することで、遊技結果としての役物比率及び連続役物比率を正確に算出できる。また、役物比率及び連続役物比率の算出結果を不正に操作することを防止できる。
実施例の構成とすることで、結果表示装置91に表示された演算結果(役物比率が七割を超えているか否か、連続役物比率が六割を超えているか否か)を確認すれば、遊技釘の角度が不正に変更されているか否かを実際の釘調整を目視等で確認しなくても容易に判別することができる。