JP2016120078A - 殺菌方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】オゾンを用いて殺菌する際に、短い時間で所望する殺菌性能を得ることができる殺菌方法を提供する。【解決手段】オゾンガスを殺菌対象領域に供給して、殺菌対象領域に存在する菌を殺菌するに際し、個別に搬送されてきたオゾンガスと水分とを殺菌対象領域に供給する殺菌方法。オゾンガスと水分とは、殺菌対象領域の手前又は殺菌対象領域の内部で混合することができる。オゾンガスとしては、乾燥状態のオゾンガス又は湿潤状態のオゾンガスを用いることができ、水分としては、水蒸気又は加熱された噴霧水を用いることができる。【選択図】図2

Description

本発明は、飲料水などの液体を充填する容器を殺菌するのに好適な殺菌方法に関する。
飲料水などの液体をPET(Polyethylene terephthalate)ボトルやガラス瓶、ボトル缶等の容器に充填するシステムとして、回転式の充填装置が知られている。この回転式の充填装置は、回転体の外周部に複数の充填バルブを備えており、回転体がほぼ1回転して容器が周方向に搬送される間に、充填バルブから容器内への充填を行う。そして、容器への充填が終了した後、キャッパや打栓機により容器への蓋の装着が行われる。
容器の中で、PETボトルは、プリフォームと呼ばれる試験管状の前駆体に空気を吹き込んで成形される。この成形には、主に二軸延伸ブロー成形法が用いられている。二軸延伸ブロー成形法とは、加熱したプリフォームを金型に挿入後、延伸ロッドと呼ばれる棒で垂直方向に引き伸ばしながら、加圧空気を吹き込んで円周方向に膨らませる成形法である。
PETボトルを対象とする飲料充填システムは、PETボトルの成形装置を上流側に備え、成形されたPETボトルを充填装置に供給する形態もあれば、すでに成形されたPETボトルを用意して充填装置に供給する形態もある。
ところで、飲料水などの液体を充填する場合、雑菌が容器に混入するのを限りなく防ぐことが必要であり、このため、クリーンルーム内で、容器殺菌・すすぎ、キャップ殺菌、液体の充填及びキャップ装着といった一連の工程を行ういわゆる無菌充填方式が採用されている。PETボトルの成形装置を上流側に備える飲料充填システムの場合には、この成形装置で成形されたPETボトルを殺菌して充填装置に供給することも要求される場合がある。
無菌充填方式における殺菌としては、薬剤、例えば、過酢酸(PAA)、過酸化水素(H)を含む水溶液からなる過酢酸系殺菌剤を用いるのが主流である(例えば、特許文献1,2)。
ところが、過酢酸を殺菌剤として用いる場合は、過酢酸に対する耐性菌が作り出されることが問題となっている。また、過酸化水素については、耐性菌の問題は少ないものの、PETボトルを対象とする場合には、PETに吸収されて、容器に残留してしまうという問題がある。
耐性菌の問題がなく、かつ、殺菌対象領域への残留の問題のない手法として、オゾン(O)を用いる殺菌が知られている(例えば、特許文献3,4)。
特開2014−181039号公報 特開2014−080207号公報 特開昭63−59961号公報 特開平4−33658号公報
オゾンを用いるこれまでの殺菌方法は、水溶液からなる過酢酸系殺菌剤を用いる殺菌方法が有する問題を抱えていないものの、所望する殺菌性能を得るのに時間が長くかかる。長い時間を許容する対象物であればよいが、飲料用容器の場合には、1本当たりの容器へ飲料を充填する速度に応じて、当該容器を殺菌するのに割ける時間が秒単位である。
そこで本発明は、オゾンを用いて殺菌する際に、短い時間で所望する殺菌性能を得ることができる殺菌方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、飲料充填システムにおける容器の殺菌については、極めて短時間、例えば一本当たり数秒程度の時間内で所定の殺菌性能を得る必要があることを念頭に置いて検討を行った。その結果なされた本発明の殺菌方法は、オゾンガスを殺菌対象領域に供給して、殺菌対象領域に存在する菌を殺菌するに際し、個別に搬送されてきたオゾンガスと水分とを殺菌対象領域に供給することを特徴とする。
本発明の殺菌方法において、個別に搬送されてきたオゾンガスと水分とを、殺菌対象領域の手前又は殺菌対象領域の内部で混合し、混合されたオゾンガスと水分が殺菌対象領域に供給されることが好ましい。
この場合、殺菌の対象物が連続的に搬送されるチャンバの内部において、オゾンガスと水分を供給することができる。
本発明の殺菌方法において、殺菌の対象物が飲料用の容器の場合には、オゾンガスと水分が容器の口部を介して供給され、口部を除いて閉じた空間をなす容器の内部において、オゾンガスと水分を混合させることができる。これは容器の内周面を殺菌することを想定しているが、容器の外周面を殺菌するために、当該外周面にオゾンガスと水分を供給することを妨げない。
本発明の殺菌方法において、オゾンガスと水分が同時に殺菌対象領域への供給が開始されるか、または、オゾンガスが水分より先行して殺菌対象領域に供給されることが好ましい。
本発明の殺菌方法において、水分として、粒状の水を用いることができる。粒状の水の生成方法は任意であるが、水蒸気をそのまま用いることができるし、液相の水を噴霧して用いることができる。また、二流体ノズルにオゾンガスと水分を供給することにより、オゾンガスと噴霧水の混合流体を生成して殺菌対象領域に供給することもできる。
また、本発明の殺菌方法において、オゾンガスは、乾燥状態のオゾンガス又は湿潤状態のオゾンガスのいずれかを用いることができる。
本発明の殺菌方法において、オゾンガスと水分とを殺菌対象領域に向けて供給する第1殺菌と、第1殺菌に引き続いて、オゾンガスと第1殺菌とは異なる種類の水分とを殺菌対象領域に向けて供給する第2殺菌と、を行うことができる。
また、本発明の殺菌方法において、オゾンガスと水分として水蒸気又は加熱された噴霧水とを殺菌対象領域に向けて供給することができる。この水蒸気としては、低温の湿り水蒸気を用いることもできる。
本発明によれば、オゾンを用いて殺菌する際に、短い時間で所望する殺菌性能を得ることができる殺菌方法を提供することができる。
本実施形態による殺菌の機構を模式的に示す図である。 本実施形態による殺菌のオゾンガスと水分の組み合わせ例を示す図である。 本実施形態によるオゾンガスと水分の供給形態を示す図である。 本発明をPETボトルの殺菌に適用する場合の工程例を示す図である。 本発明をPETボトルの殺菌に適用する場合の他の工程例を示す図である。 殺菌性能を評価した実験例(菌種:Bacillus atrophaeus)の結果を示すグラフである。 殺菌性能を評価した他の実験例(菌種:Chaetomium globosum)の結果を示すグラフである。
以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。
[殺菌性能向上の機構]
本実施形態は、殺菌対象領域に対して、オゾンガスと水分を供給することを前提とする。例えば、殺菌対象領域が飲料用の容器の場合には、オゾンガスと水分を容器の内部に供給する。この殺菌は、図1(a)に示すように、オゾンガスに含まれるオゾン(O)が水(HO)と反応することで生成されるヒドロキシルラジカル(hydroxyl radical,以下、OHラジカル)が、細菌Bにアタックし、その酸化作用によりなされるとされている。OHラジカルは、いわゆる活性酸素と称される分子種のなかで最も酸化力が強い。ただし、OHラジカルは、半減期が短く、生成後速やかに消滅する。
ここで、細菌細胞は、中央のコア部に遺伝情報の機能を司る染色体があり、その外側にたんぱく質と脂質からなる柔らかい細胞膜があり、さらにその外側にたんぱく質、多糖、脂質からなる細胞壁が取り囲んでいる。細菌に対するOHラジカルによる殺菌機構は、強力な酸化力でこの細胞壁を酸化破壊することを起点としている。このように、オゾンを用いた殺菌は、例えば塩素が細胞壁、細胞膜を通過して酵素を破壊する機構とは異なるものと解されている。
本発明において、殺菌対象領域とは、直接的に殺菌が必要な領域だけでなく、その周囲をも含む意である。例えば、PETボトルを例にすると、PETボトルの外周面及び内周面が直接的に殺菌が必要な領域であるが、外周面の場合にはPETボトルが処理される外部空間が、また、内周面の場合には内周面に取り囲まれるPETボトルの内部空間が殺菌対象領域に含まれる。
本発明者らの検討によると、所望する殺菌性能を得るのに、オゾンガスにおけるオゾン濃度を高くしただけでは足りず、オゾンガスとともに供給する水分の量が確保されることが必要である。この様子を図1(b)に示している。また、このことは、後述する実施例において述べるように、オゾンガスとともに供給する水分量の増減により、殺菌性能に有意な差異があることに基づいている。例えば、オゾンガスに湿度を付与した湿潤オゾンガスを用いて殺菌する場合には、供給できる水分量は飽和湿度以下に限られるので、高い殺菌能力に必要なOHラジカルの生成に足りる水分量を確保することができない。なお、具体的な水分量は、オゾンガス濃度、殺菌対象等の殺菌対象によって定められるものであるが、500mLのPETボトル1について、オゾン濃度が10vol.%のオゾンガスを用いた場合には、0.3〜10mLの範囲、好ましくは2〜8mLの範囲で選択されるのがよい。
そこで、本発明においては、供給する水分量を任意に調整できるように、オゾンガスと水分を個別に殺菌対象領域に対して供給することにする。
オゾン(O)は化学的に不安定であり、水の存在により、OHラジカルの生成を伴う分解が促進されるとともに、前述したように、OHラジカルは生成されると速やかに消失する。したがって、殺菌対象領域に供給する前にオゾンと水分とが長時間にわたって触れてしまうと、殺菌対象領域に到達するまでに生成されたOHラジカルは急速に減少し、殺菌対象領域でOHラジカルが不足してしまい、殺菌に寄与することができない。一方で、殺菌対象領域に到達するまでに、OHラジカルの生成にオゾンが消費されると、殺菌対象領域において生成されるOHラジカルの量が少なくなる。
そこで、本発明においては、オゾンガスと水分とを個別に殺菌対象領域に供給することで、殺菌対象領域の手前まで近づくか、または、殺菌対象領域に達してからその内部で、OHラジカルの生成を開始できるようにすることが好ましい。
[オゾンガスと水分の組合せ]
本実施形態に用いられるオゾンガスは、乾燥状態(ドライ)のオゾンガス又は湿潤状態(ウェット)のオゾンガスを用いることができる。ここで、乾燥状態とは、湿潤状態に対する相対的な表現であって、一切の湿度を持たないことを意味するものではなく、意図的に湿度を持たせていないという程度の意味である。また、菌対象領域に到達するまでに、OHラジカルの生成に必要なオゾン及び水分の消費を抑えるために、湿潤状態のオゾンガスを用いるとしても、湿度を低く抑えることが好ましい。この観点から、本発明においては、乾燥状態のオゾンガスを用いることが好ましい。
本実施形態に用いられる水分は、1〜1000μm程度の粒径を有する微細な粒状をなしていることが好ましい。できるだけ水分量を抑えながらも、オゾンとの接触機会を確保するためである。
粒状の水分としては、気相の水である水蒸気を用いることができるし、液相の水を噴霧して生成される噴霧水を用いることができる。水蒸気だけを用いる場合には、飽和水蒸気及び不飽和水蒸気のいずれをも用いることができる。また、この水分は、常温で使用してもよいし、加熱された温水として使用してもよい。温水については、殺菌対象領域の例えば耐熱性を考慮して温度を設定する必要があり、例えば、PETボトルを殺菌対象領域とする場合には、現行のPETボトルの耐熱性が70℃程度であるから、温水を用いる場合には、PETボトルに付着する噴霧水の温度が70℃を超えないようにすることが好ましい。
図2に、オゾンガスと水分の具体的な組み合わせの一例を記載するが、本発明は、図2(a)〜(d)に示すいずれでもよく、図2(c)に示すように、水蒸気を供給した後に、ドライオゾンガスと噴霧水を供給する形態に加え、図2(d)に示すように、ドライオゾンガスと水蒸気による殺菌を行った後に、ドライオゾンガスと噴霧水による殺菌を連続的に行うこともできる。
[オゾンガス]
次に、本発明に用いるオゾンガスについて説明する。
ドライオゾンガスは、典型的には、酸素(O)ガスを原料としてオゾン(O)と酸素(O)の混合ガスとして生成される。したがって、本発明におけるオゾンガスは、オゾンと酸素の混合ガスを意味する。本発明において、オゾンガスにおけるオゾン濃度は、5〜20体積%の範囲から選択され、好ましくは8〜15体積%とされる。なお、オゾンガスを生成する原料としては、純粋な酸素に限らず、原料として酸素を含むガス、例えば空気を用いることもできる。この場合も、オゾンガスはオゾン(O)と酸素(O)の混合ガスであることに変わりはない。
ドライオゾンガスの生成方式としては、無声放電方式、電気分解方式、紫外線ランプ方式等がある。工業的用途には無声放電方式が用いられており、本発明においても無声放電方式を適用することが好ましいが、他の方式を採用することを妨げない。ここで、無声放電(Silent discharge)とは、平行電極間に誘電体(dielectric)を設け、この間に酸素ガスを供給し、両極間に交流高電圧を印加する際に観察される放電現象である。この無声放電により気体中に電子eが放出される。この電子eを安定な酸素分子Oに衝突させて、酸素分子Oを酸素原子Oに解離させる第1ステップと、酸素原子Oと酸素分子Oと第三の物質M(例えば、窒素分子)を含めた三体衝突が生ずる第2ステップにより、オゾンが生成する。したがって、本発明におけるオゾンガスは、この第三の物質Mを含みうる。
第1ステップ:O+e→2O+e
第2ステップ:O+O+M→O+M
ウェットオゾンガスは、ドライオゾンガスに湿度を付与して得ることができる。
湿度を付与する方法は任意であり、気泡式溶解法、それぞれ生成された湿潤酸素等の湿潤ガスとオゾンガスとを混合する混合法、シャワー状に散布される水にオゾンガスを供給するシャワー法等を採用することができる。また、任意の方法でオゾン水を生成した後に、これを気化して湿潤オゾンガスを生成することもできるし、任意の方法で水蒸気を生成し、これにオゾンガスを接触させることもできる。
[水分]
次に、本発明に用いる水分について説明する。
本発明の水分の一形態である水蒸気は、大気圧における飽和又は不飽和の水蒸気を用いることができる。また、この水蒸気として、液相の水と水蒸気との混合物である湿り水蒸気を用いることができる。飽和水蒸気は、温度が100℃近傍であるから、短時間で殺菌対象領域を昇温して耐熱性の劣る菌を殺菌するのに有効である。
一方で、本発明の水分の他の形態である噴霧水は、アトマイジングノズルを用いて生成することができる。この場合、図3(a)に示すように、液相の水を微粒化できる二流体式のノズル6を用いることが好ましい。二流体ノズルは、気体と液体とを混合させることによって、液体を微細な霧状にして噴射することができる。二流体ノズルによる噴霧水の粒径は、数十μmのオーダーであり、10μm以下をも容易に実現できる。
本発明の場合には、気体をオゾンガスとし、液体を水分とすることによって、オゾンガスと微細な水の混合流体として殺菌対象領域に供給することができる。また、水分の種類を途中から切り替える場合には、図3(b)に示すように、一つのノズルに三つの流体の導入口を備える三流体式のノズル7を用いることもできる。
ただし、本発明は、図3(c)に示すように、オゾンガスと水分を、それぞれ個別のノズル8,9を用いて供給することを許容する。この場合、一流体ノズルを用いて水分を霧状にして吐出する一方、吐出された水に向けてオゾンガスを供給すれば、二流体ノズルを用いたのと同様に、オゾンガスと微細な粒状の水分との混合流体を生成できる。図3(d)に示すように、流体が吐出されるノズル8,9の先端をPETボトル1の内部に挿入することもできるし、ノズル8,9の先端を昇降しながら混合流体をPETボトル1の内部に供給することもできる。
水蒸気及び噴霧水は本発明にとって好ましい水分の形態であるが、本発明はこれに限定されず、シャワー状の散水を用いることもできる。
以上のように、オゾンガスと微細な粒状の水分との混合流体として殺菌対象領域に供給すれば、撹拌作用が生じて、殺菌性能の向上に寄与する。つまり、図1(c)に示すように、オゾンガスと水分の粒子が共存して、互いに撹拌されることにより、オゾンと水分が接する機会が増えるとともに、生成されるOHラジカルが細菌Bに触れる機会を増やすことで、殺菌性能の向上に寄与する。
この撹拌による効果は、殺菌対象領域が、一部を除いて閉じた空間である場合に顕著となり、個別に送られてきたオゾンガスと水分が当該空間内において互いに撹拌し合って混合を促進する。このような閉じた空間からなる殺菌対象領域の一例として、殺菌の対象物が飲料用の容器の場合に、飲料が充填される容器の内部空間が該当し、容器の内周面を殺菌する際に、この内部空間において、オゾンガスと水分の混合が促進される。また、他の例として、殺菌対象物、例えば飲料用の容器を殺菌処理する際にチャンバに容器を収容すれば、容器よりも外側であってチャンバの内部空間が該当する。この場合には、容器の外周面を殺菌する際に、当該内部空間において、オゾンガスと水分の混合が促進される。
[飲料容器への適用例]
以下、本発明を飲料容器、例えばPETボトル1に対する具体的な適用例を図4及び図5を参照して説明する。
この例は、上流工程から連続的に搬送されるPETボトル1の内周面及び外周面を殺菌して、下流工程にPETボトル1を受け渡すことを前提としている。ここで説明する工程は、殺菌自体を行う殺菌工程と、殺菌されたPETボトル1をすすぐリンス工程と、からなる。殺菌工程は、第1殺菌と第2殺菌に区分される。なお、殺菌工程及びリンス工程を通じて、PETボトル1をチャンバ10の中に収容することが好ましい。このチャンバ10は、搬送されるPETボトル1を連続的に処理する場合には、搬送経路に連なるトンネル形状にして、PETボトル1の入口及び出口を除いて閉じた空間からなる殺菌領域を形成するのが好ましい。
本実施形態は、PETボトル1を、図4に示すように、口部2を下向きにした倒立状態で殺菌する。これは、殺菌に当たり相当の水分を供給した場合には、供給された水分が重力によりPETボトル1から排出するのを期待しているためである。
第1殺菌として、倒立しているPETボトル1の口部2の開口から、オゾンガスと水蒸気を胴部3の内部空間に向けて供給する。なお、ここでは、常温のPETボトル1が供給されてくるものとする。
オゾンガスと水蒸気を供給することにより、PETボトル1の内部において生成されたOHラジカルが、PETボトル1の内周面を殺菌する。また、PETボトル1の内部に水蒸気が供給されるために、図4に示すように、PETボトル1が昇温するが、本実施形態はこの昇温を殺菌に利用する。つまり、死滅させたい菌の中には熱に弱い菌も存在しており、加熱することでこれらの菌を死滅させることを想定している。
次に、第2殺菌として、オゾンガスと噴霧水を吹き込み、OHラジカル生成によるPETボトル1の内部の殺菌、特に耐熱性菌に対する殺菌を促進する。特に、第1殺菌では、水分として水蒸気を用いているために、供給できる水分の絶対量に制限があるので、第2殺菌において、噴霧水を用いてOHラジカルの生成を加速し、殺菌性能の向上を図る。この第2殺菌の際に、PETボトル1よりも外側であってチャンバ10の内部空間に、PETボトル1の外周面を殺菌するために、オゾンガスと噴霧水を吹き込む。なお、外周面を殺菌するために、第1殺菌の際に、または、第1殺菌及び第2殺菌を通じて、オゾンガスと噴霧水を吹き込んでもよい。
第1殺菌及び第2殺菌からなる殺菌工程が終了すると、リンス工程に移行する。
リンス工程は、PETボトル1の内部に残留するオゾンガスを排出するために、PETボトル1の内部にエア(air)を供給する。
供給するエアは、常温の冷風でもよいし、温風であってもよい。また、PETボトル1の内周面を洗い流すために、エアとともに噴霧水を吹き込んでもよい。
以上では、PETボトル1の内周面の殺菌について説明したが、チャンバ10の内部にオゾンガスと水蒸気及び/又は噴霧水を供給することにより、PETボトル1の外周面を殺菌することができる。上述した第1殺菌と第2殺菌からなる殺菌工程の場合には、第2殺菌に用いられるオゾンガスと噴霧水を、チャンバ10の内部であって、PETボトル1の外部に供給できる機構を設けて、内周面と同様に殺菌することができる。
ここでは、上流工程としてPETボトル1の成形装置を備えているものとし、成形されたばかりのPETボトルを殺菌するものとする。この成形装置は、プリフォームと称されるPETボトル1の原型を用い、加熱を伴うブロー成形法によりPETボトル1を成形するものであり、成形されたPETボトル1は70℃程度の温度を有している。したがって、この場合には熱による殺菌が行われたものとみなして、上述した第1殺菌に対応する処理を行うことなく、図5に示すように、オゾンガスと噴霧水を供給する殺菌を行うことができる。この場合には、殺菌工程においてPETボトル1の温度を保持するために、低温の湿り蒸気や、温水からなる噴霧水を供給することが好ましい。この場合、PETボトル1の耐熱温度を考慮すべきである。
[実験例]
Bacillus atrophaeus及びChaetomium globosumの二つの菌種を用い、500mLのペットボトル(供試体)について殺菌性能を評価する実験を以下にしたがって行った。それぞれの菌種についての評価結果を図6及び図7に示す。
殺菌工程としては、下記の処理A,B,Cを単独で又は組み合せて行った。なお、処理B,Cは、本発明に該当する。
殺菌性能の評価は、殺菌工程の後に内部をすすぐリンス工程を経た供試体について行った。オゾンガスと水蒸気、オゾンガスと水(液相)を同時に供給する際には、二流体ノズルを用いて混合流体を供試体に吹き込んだ。
処理A:オゾンガスを単独で供給する
処理B:オゾンガスと水蒸気を供給する
処理C:オゾンガスと噴霧水を供給する
また、殺菌に使用したオゾンガス、水蒸気及び噴霧水の仕様、並びに、リンスに用いたエアの仕様は以下の通りである。
オゾンガス:ドライ(酸素を原料),室温,オゾン濃度;10vol.%,流量;20mL/min.
水蒸気(蒸気圧);0.3MPa
噴霧水:蒸留水,室温
エア(リンス):ドライ,室温,流量;20mL/min.
比較例:湿潤オゾンガス,30mL/min.
図6において、No.7はオゾンガスを単独で供給する処理Aだけで殺菌を行った比較例であり、その他のNo.1〜6は、処理B,Cの少なくとも一方を行った本発明例である。また、図7も同様で、No.3が比較例であり、No.1及びNo.2が本発明例である。
図6及び図7に示すように、本発明例は比較例に比べて、殺菌性能が向上している。
また、図6において、本発明例に該当するNo.1〜6の中で、No.3とNo.4を比較すると、噴霧水を供給する量を多くすることにより、殺菌性能が格段に向上することがわかる。
[効 果]
以上説明したように、オゾンガスと水分を個別に殺菌対象領域に供給する本発明によれば、短時間における殺菌性能を格段に向上できる。特に、実験例で示したように、オゾンガスと水蒸気を供給する処理Bとオゾンガスと噴霧水を供給する処理Cというように、オゾンガスとともに供給する水分を選択することにより、数秒程度の短時間で飲料用のPETボトル1に要求される殺菌性能を得ることができる。これは、以下の理由による。
はじめに、オゾンガスと水分を個別に供給することにより、供給できる水分量を任意に設定できるので、殺菌に必要なOHラジカルの生成量を十分に確保できるからである。
また、水分を二流体ノズル通じて霧状として供給するので、過剰な量の水分を供給するのを避けつつ、撹拌作用により効率的にオゾンガスと接触させることによりOHラジカルの生成を促進する。
次に、本発明において、オゾンガスとともに供給する水分として水蒸気を用いれば、OHラジカルによる殺菌と並行して熱による殺菌を行うことができるので、常温で搬送されてくる例えばPETボトルについて、短時間で所望する殺菌性能を得るのに有効である。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
例えば、実施形態では殺菌対象領域としてPETボトル1を示したが、本発明における殺菌対象は任意であり、飲料を含む食品分野の容器及び製造機器、医療分野における器具、機器などに広く適用することができる。
1 PETボトル
2 口部
3 胴部
6,7,8,9 ノズル
10 チャンバ

Claims (9)

  1. オゾンガスを殺菌対象領域に供給して、前記殺菌対象領域に存在する菌を殺菌するに際し、
    個別に搬送されてきた前記オゾンガスと水分とを、前記殺菌対象領域に供給する、
    ことを特徴とする殺菌方法。
  2. 前記オゾンガスと前記水分とを前記殺菌対象領域の手前又は前記殺菌対象領域の内部で混合される、
    請求項1に記載の殺菌方法。
  3. 殺菌の対象物が連続的に搬送されるチャンバの内部において、前記オゾンガスと前記水分が供給される、
    請求項2に記載の殺菌方法。
  4. 殺菌の対象物が飲料用の容器であり、
    前記オゾンガスと前記水分が前記容器の口部を介して供給され、
    前記口部を除いて閉じた空間をなす前記容器の内部において、前記オゾンガスと前記水分が混合される、
    請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の殺菌方法。
  5. 前記オゾンガスと前記水分が同時に前記殺菌対象領域への供給が開始されるか、または、
    前記オゾンガスが前記水分より先行して前記殺菌対象領域に供給される、
    請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の殺菌方法。
  6. 前記水分は、
    粒状の水が用いられる、
    請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の殺菌方法。
  7. 前記オゾンガスは、
    乾燥状態のオゾンガス又は湿潤状態のオゾンガスである、
    請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の殺菌方法。
  8. 前記オゾンガスと前記水分とを前記殺菌対象領域に向けて供給する第1殺菌と、
    前記第1殺菌に引き続いて、前記オゾンガスと前記第1殺菌とは異なる種類の前記水分とを前記殺菌対象領域に向けて供給する第2殺菌と、を行う、
    請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の殺菌方法。
  9. 前記オゾンガスと前記水分として水蒸気又は加熱された前記噴霧水とを前記殺菌対象領域に向けて供給する、
    請求項6〜請求項8のいずれか一項に記載の殺菌方法。
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