JP2016117657A - 脂肪分解作用を有するフコキサンチノール誘導体及びその製造方法 - Google Patents

脂肪分解作用を有するフコキサンチノール誘導体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 副作用が弱く、優れた脂肪分解作用を有するフコキサンチノール誘導体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 脂肪分解作用を有するフコキサンチノール誘導体はフコキサンチノール、カテキン、レスベラトロール、アデニン及びグルコン酸から構成されている。その製造方法は紅藻、緑藻、褐藻、カテキン及びレスベラトロールに乳酸菌を添加し、発酵する工程からなる。得られたフコキサンチノール誘導体は脂肪分解を促進し、脂肪の増加を抑制することからメタボリック症候群や内臓脂肪に対して効果的である。脂肪分解作用を有するフコキサンチノール誘導体は食品素材、化粧料及び肥満薬として応用できる。
【選択図】 なし

Description

この発明は、脂肪分解作用を有するフコキサンチノール誘導体に関するものである。また、前記のフコキサンチノール誘導体の製造方法に関するものである。
メタボリックシンドロームを煩っている日本人の数は、1000万人とも2000万人とも言われている。メタボリックシンドロームにあらわされるような脂肪の蓄積による内臓脂肪の増加と生活習慣病との関連性が話題となり、生活習慣の改善策として食事の見直し、運動の導入が啓蒙されている。
また、メタボリックシンドロームに関連した疾患である高血圧、糖尿病、動脈硬化症、高脂血症に対する治療費や薬剤費は莫大であり、年間に数兆円程度と言われており、国民医療費の負担が非常に大きい。厚生労働省も健康日本21の中で、このメタボリックシンドロームと生活習慣病の減少を目標としている。
生活習慣病に至るメタボリックシンドロームの根源は、脂肪の蓄積であると報告されている。
メタボリックシンドロームを解決すべく脂肪の減少を期待した様々な取り組みがなされているものの、体脂肪の蓄積の完全なる解決には至っていない。
医薬品として利用されているクロフィブラート系薬剤は、肝臓において中性脂肪の合成を抑制する働きを有するものの、副作用として肝機能障害が認められ、また、コレステロール合成を抑制するスタチン系薬剤には筋肉障害や肝臓障害の副作用が認められている。
また、マジンドールなどの合成の脂肪分解性の薬剤には副作用が報告されている。
天然由来の中性脂肪を減少させる有用成分として特定保健用食品として市販されているものとして、グロビン蛋白分解物、ウーロン茶重合ポリフェノール、ジアシルグリセロールなどが知られている。しかし、それぞれの成分の働きは軽度であり、また、大量の摂取を継続する必要がある。
これらの点に着目し、天然物由来成分を利用した中性脂肪を低下させる発明としては、チンピ、茶、蓮 肉およびシコンから選ばれる一種または二種以上の抽出物を含有することを特徴とする痩身用化粧料およびチンピ、蓮肉、カミツレおよびシコンから選ばれる一種または二種以上の抽出物を含有することを特徴とする脂肪分解促進剤に関する発明がみられる(例えば、特許文献1参照。)。
また、蓮植物体から得られた抽出物、該抽出物の製造方法及び肥満防止剤として、蓮植物体を含水アルコールで抽出した抽出液を合成高分子系樹脂又はイオン交換樹脂に通液させることによって総アルカロイドと総ポリフェノールを高濃度に溶出させて得られる抽出物は、脂肪や澱粉の体内における分解を阻害し、かつ代謝を高めて肥満を解消するという発明がある(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、シクロアルタン型トリジテルペン又はその配糖体を含有することを特徴とする血中中性脂肪低下剤の発明があり、限定された脂肪分解作用が報告されている(例えば、特許文献3参照。)。
また、人体に安全な媒体中に含有することを特徴とする化粧料または皮膚用薬組成物の発明があり、肌の脂肪分解を促進する組成物について報告されている(例えば、特許文献4参照。)。
しかし、上記のいずれの発明においても、有用な物質として特定された成分や誘導体は同定されておらず、また、その働きについても、確認されていない。これらの現状から、医薬品、化粧料、食品などの産業界では、国民医療費を圧迫するメタボリックシンドロームに対して、副作用が少なく、優れた脂肪分解作用を呈する長期間使用ができる天然の植物由来の成分とそれを利用した医薬品、化粧料、食品が切望されている。
特許第3696965号公報 特許第3671190号公報 特開2006−290882 特開2004−346060
従来の中性脂肪を減少させる素材としては、グロビン蛋白分解物、ウーロン茶ポリフェノール、ジアシルグリセロールなどが使用されているものの、それらの働きは軽度であり、十分な脂肪減少とメタボリックシンドロームの解決法としては不十分である。
また、化学合成された脂肪分解作用を呈する化合物、たとえば、合成された薬であるマジンドールには依存性、肺性高血圧、口の渇き、便秘、嘔吐、不眠、頭痛、脱力感、めまい、だるい、いらいら感、神経過敏、興奮、動悸、血圧変動などの副作用が報告され、また、作用の耐性もあることから、長期間服用することができない問題点がある。
この発明は上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、副作用が弱く、優れた脂肪分解作用を有するフコキサンチノール誘導体を提供することにある。
また、フコキサンチノール誘導体の効率良い製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、脂肪分解作用を呈する下記の式(1)で示されるフコキサンチノール誘導体に関するものである。
請求項2に記載の発明は、紅藻、緑藻、褐藻、カテキン及びレスベラトロールに乳酸菌を添加し、発酵する工程からなるフコキサンチノール誘導体の製造方法に関するものである。
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載のフコキサンチノール誘導体によれば、副作用が弱く、優れた脂肪分解作用が発揮される。
請求項2に記載の製造方法によれば、フコキサンチノール誘導体を効率良く得ることができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
まず、脂肪分解作用を呈する下記の式(1)で示されるフコキサンチノール誘導体について説明する。
ここでいうフコキサンチノール誘導体は、式(1)で示されるようにフコキサンチノールにカテキン1分子、レスベラトロール1分子、グルコン酸1分子及びアデニン1分子が結合したものである。
このフコキサンチノール誘導体のうち、核となるフコキサンチノールはカロチノイドの一種であり、フコキサンチンの脱アセチル体である。フコキサンチノールの分子量は615であり、カロチノイド系でキサントフィル類にも属される。脂溶性が高く、藻類や微生物の中で生合成される天然の成分である。
フコキサンチノールには脂肪分解作用に加えて抗炎症作用や肌細胞の活性化作用が認められ、皮脂の過剰分泌による肌の健康障害や内臓脂肪によるメタボリック症候群の治療の目的で好ましい。
また、カテキンはフラボノイドの一種であり、ポリフェノールの一種である。カテキンは緑茶やべにふうきなどの植物に存在しているフラボノイドに属する。炭素元素15個、水素元素14個及び酸素元素6個より形成され、分子量は290.26である。
カテキンの働きとして脂肪吸収抑制作用及び中性脂肪分解作用に優れている。特に、中性脂肪を分解するリパーゼの誘導及び酵素活性の活性化により中性脂肪の分解作用に優れている。
このフコキサンチノール誘導体では、フコキサンチノール骨格の5位にリボース、ベンゼン環の4位の水酸基にシステインのカルボン酸がエステル結合している。
また、フコキサンチノールにはレスベラトロール1分子が結合しており、カテキン結合部位とは、立体的な障害から、対極に存在する六員環の水酸基と結合している。
さらに、このフコキサンチノール誘導体のレスベラトロール結合近傍にアデニンが結合している。このアデニンは脂肪細胞や脂肪前駆細胞の遺伝子に働き、脂肪細胞の増殖を抑制し、脂肪分解酵素の遺伝子を誘導することから好ましい。
ここでいうレスベラトロールとは優れた抗酸化作用を呈するスチルベン体であり、炭素元素14個、水素元素12個及び酸素元素3個よりなり、分子量は228.24である。
このレスベラトロールの抗酸化力は強く、細胞膜の酸化や遺伝子の修復に利用されることから脂肪分解により生じる酸化脂質の過酸化を防御することから好ましく、この誘導体の安定化作用に寄与している。
グルコン酸はグルコースが酸化された代謝物であり、発酵の工程によりグルコースから産生され。細胞膜の安定化や遺伝子の活性化にも関与している。
このフコキサンチノール誘導体は化学的に合成することが可能であり、ベンゼン、糖質、核酸などから有機化学合成される。合成されたフコキサンチノール誘導体はカラムクロマトなどの方法により精製されて利用できる。
このフコキサンチノール誘導体は標準物質から構造が解析され、例えば、400MHzのH−NMR測定の結果として、0.96〜1.84ppm、2.08〜2.85ppm、3.19〜4.01ppm、6.33〜6.65ppm、8.83〜9.89ppm、10.44及び13.99ppmにピークが認められ、この誘導体の同定に利用される。
さらに、質量分析やIR分析によりこの構造を同定することは、品質の点から好ましい。また、レスベラトロール及びカテキンの水酸基により酸化還元電位が還元状態を維持されていることは好ましい。
このフコキサンチノール誘導体は脂溶性と水溶性の両方の性質を有し、脂肪細胞に浸透しやすく、また、吸収されやすいことから好ましい。脂肪細胞の細胞内に浸透し、細胞の核内に移行して脂肪細胞増殖に関わる遺伝子を遺伝子レベルで抑制する。
また、中性脂肪分解酵素の遺伝子を活性化して脂肪分解酵素を誘導する。また、脂肪分解酵素が働いた後に、産生される脂肪酸の酸化を防止し、脂肪酸の代謝と脂肪分解を活性化する。
このフコキサンチノール誘導体にはフコキサンチノールの炭素元素、グルコン酸のカルボキシル基とカテキンの水酸基による陰イオン性の空隙が存在している。この空隙により陽イオンのキレート作用と脂肪酸の陽イオン部分のキレート作用が発揮される。
この空隙にキレートされるミネラルとしては藻類や土壌に存在しているカルシウム、マンガン、マグネシウム、ヨウ素、亜鉛、鉄、セレン、モリブデン、カリウムなどの必須ミネラルであり、イオン体としてキレートされ、生体内に輸送される。
すなわち、このフコキサンチノール誘導体は必須ミネラル複合体を形成し、細胞膜を通過して細胞内にミネラルを放出することから必須ミネラルの輸送に優れた働きを呈する。なお、このフコキサンチノール誘導体は小腸上皮細胞に働き、腸管からのミネラル輸送に役立つことは好ましい。
さらに、このフコキサンチノール誘導体は細胞内では浸透圧の違いにより、必須ミネラルを放出した後は、フリー体になる。このフリー体は細胞内に過剰に存在している代謝物、陽イオン性の酸化物、中性脂肪を包み込み、細胞外に放出し、解毒作用を呈する。
脂肪は酸化されることにより、血管の内皮部分に侵入し、動脈硬化の原因となる。これが心筋梗塞や脳梗塞に至る。また、脂肪が分解される際にも、酸化が生じやすく、脂肪酸が酸化される。したがって、脂肪の酸化を防止することが重要である。
還元状態にあることは脂肪が酸化されることを防止し、分解された脂肪酸の変化を抑制する。また、還元状態を維持することにより、遺伝子の酸化ストレスによる障害から防御でき、動脈硬化の発症、発がんの抑制や癌の消失も促進する。また、皮膚の遺伝子にも働き、コラーゲン合成酵素及びセラミド合成酵素を増加させ、皮膚の保湿と弾性を増加させる。
前記のフコキサンチノール誘導体は脂肪細胞内のリパーゼを活性化し、脂肪分解を促進する。また、母核のフコキサンチノール骨格は血流を改善し、血液の流動性を高めることにより、脂肪組織への到達を促進することから好ましい。
さらに、分解された脂肪酸とグリセリンが血液を介して放出されることから、脂肪が利用されやすくなることは好ましい。また、皮膚の弾性も増加させることは好ましい。
前記のフコキサンチノール誘導体は藻類に分布しているものの、その存在量は微量であるという欠点がある。
前記のフコキサンチノール誘導体は中性脂肪を分解する酵素を誘導して脂肪分解作用を呈し、蓄積した中性脂肪を分解する。
前記のフコキサンチノール誘導体はアデニン側鎖を有し、脂肪細胞内の脂肪分解酵素の生成遺伝子を活性することは好ましい。中性脂肪に浸透しやすく、リパーゼなどの脂質分解酵素を活性化し、脂肪を分解する。
前記のフコキサンチノール誘導体は脂肪組織や臓器内の脂肪細胞の増殖を抑制し、かつ、中性脂肪やリン脂質を分解するリパーゼやホスホリパーゼなどの脂質分解酵素を活性化することにより、蓄積した脂肪を分解する。特に、臓器内に侵入した脂肪細胞に対してその増殖を抑制し、脂肪を分解する。
前記のフコキサンチノール誘導体はグルコン酸部位は血液脳バリアに働き、透過性を高めてミネラルの輸送に役立つことは好ましい働きである。
前記のフコキサンチノール誘導体は過剰に摂取され、吸収された場合、その過剰量は血中のエステラーゼにより分解されてフコキサンチノール、カテキン、レスベラトロール、アデニン、グルコン酸に分解される。分解されて得られるフコキサンチノール、カテキン、レスベラトロール、アデナン、グルコン酸は食経験も豊富であり、安全性も確認されていることから好ましい。
このフコキサンチノール誘導体を有機化学合成することは標準品を作成する上では好ましい。また、藻類を原料として加工し、粉砕して有機溶媒や植物油により抽出し、精製することは原料の入手が容易で、経済的であることから、好ましい。
ここで抽出に用いる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、クロロホルム、ヘキサン、酢酸エチル、ベンゼン、エーテルなどが用いられ、このうち、食品加工用エタノール又は含水エタノールはその利用範囲が高いことから好ましい。
抽出に用いる植物油としては、ヤシ油、パーム油、大豆油、オリーブ油、ナタネ油、コメ油、胚芽油、コーン油、ベニバナ油、アマニ油、アーモンド油、ゴマ油、カカオ油、キャノーラ油、グレープシード油、エゴマ油、小麦胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シソ油、茶油、ツキミソウ油、パンプキンシード油、ピーナッツ油、ブドウ油、ヘーゼルナッツ油、綿葉油、落花生油などの食用又は化粧料に用いられる油が用いられる。
また、化学合成反応による場合には、マグネシウム、アルミニウムなどの金属触媒とともに、加温される。これらの原料は、反応槽に入れられ、前記の有機溶媒とともに、反応が行われる。この反応物は、前記の有機溶媒を用いて抽出し、その溶媒を除去して粗生成物として得ることは、精製に要するコストを削減できることから、好ましい。
目的とするフコキサンチノール誘導体を天然の素材から前記の有機溶媒や植物油を用いて抽出し、さらに、精製することにより得ることができる。天然の素材としては藻類、植物の他、海藻、キノコ、食用動物、食用魚類、軟体動物、昆虫、甲殻類などがある。
前記のフコキサンチノール誘導体を微生物や酵母を用いた発酵により得ることは、発酵技術が古くから安全性が確認され、食経験も豊富であることから好ましい。この場合、ネンジュモ菌、乳酸菌、紅麹、枯草菌があり、酵母としてはビール酵母や酒精酵母が用いられる微生物であり、特に、乳酸桿菌はエステル交換作用に優れていることから好ましい。
前記の発酵は食用魚類、食用魚類の頭部や内臓、大豆や牛乳などの発酵ベースに前記の微生物又は酵母を添加して発酵タンクを用いて実施される。この発酵後、微生物又は酵母と発酵液の混合物から目的とする前記のフコキサンチノール誘導体を前記の有機溶媒や植物油を用いて抽出することにより得ることができる。
還元状態を増強する方法としては、水素ガスの添加やアルカリ還元装置によるアルカリ還元化などの方法がある。
アルカリ還元化としては、アルカリ還元装置やアルカリ還元整水器により実施されることが好ましい。たとえば、ゼマイティス製のアルカリ還元水・強酸化水連続生成器「プロテックATX−501」、エヌアイシー製のアルカリ還元水製造装置「テクノスーパー502」、マルタカ製「ミネリア・CE−212」、クレッセント製「アキュラブルー」、株式会社日本鉱泉研究所製「ミネラル還元整水器「元気の水」」などの装置が好ましい。これらの操作により発酵物はアルカリ還元される。
植物から抽出する場合、藻類、緑茶、ギョウジャニンニク、タマネギ、ニンニク、大豆、ギジギシ、カンゾウ、ツリフネソウ、ハナイカダ、大麦若葉、葛の花、トウガラシ、カキ、梨、栗、タラ、ワサビ、ワラビ、稲、小麦、トウモロコシ、ダイコン、菜の花、サクラ、マツ、アオキ、アカネ、アカメガシワ、アケビ、アマチャズル、アマドコロ、アロエ、イカリソウ、イタドリ、イノコズチ、イブキジャコウソウ、ウコギ、ウツボグサ、ウド、ウメ、ウラジロガシ、エビスグサ、オウレン、オオバコ、オケラ、オクラ、オトギリソウ、オナモミ、オミナエシ、カキドオシ、カラスウリ、カラスビシャク、カワラケツメイ、カワラナデシコ、カンアオイ、キクイモ、キキョウ、キササゲ、キハダ、キランソウ、キンミズヒキ、クガイソウ、クサボケ、クズ、クチナシ、コウホネ、コブシ、サイカチ、サボンソウ、サルトリイバラバッケツ、サンシュユ、ジャノヒゲ、シラン、スイカズラ、セリ、センブリ、タムシバ、タラノキ、タンポポ、チガヤ、ツリガネニンジン、ツワブキ、トチノキ、トチバニンジン、ナンテン、ノイバラ、ハコベ、ハトムギ、ハハコグサ、ヒキオコシ、ヒシ、ヒトツバ、ビワ、フキ、フクジュソウ、フジ、マタタビ、マンゴスチン、メハジキ、ヤマノイモ、ユキノシタ、ヨモギ、リンドウ、レンギョウ、ロウバイ、ワレモコウなどの葉、茎、花、葉又は根は、入手しやすいことから好ましい。
前記のフコキサンチノール誘導体は、液体又は粉末として得られる。得られたフコキサンチノール誘導体は医薬品、食品製剤、化粧料、衛生用具、衣類や繊維、プラスチックなどに利用される。
医薬品としては、抗肥満薬、局所の脂肪分解薬、抗セルライト剤、しわ除去剤、脂肪肝抑制剤、高脂血症改善剤、抗動脈硬化剤、メタボリックシンドロームや生活習慣病の予防や改善などに利用される。また、動物に用いる獣医用の医薬品やペットに用いる医薬品としても脂肪分解剤、抗肥満剤、しわ除去剤、脂肪肝抑制剤、高脂血症改善剤、抗動脈硬化剤などとして利用される。
前記の食品製剤としては、肥満を予防又は改善するサプリメント、セルライトの改善や局所の脂肪減少、メタボリックシンドロームや生活習慣病の予防や改善を目的としたサプリメントなどに使用される。また、動物に用いる獣医用の食品や食品製剤、又はペットに用いる食品製剤としても脂肪分解、肥満の改善と予防、しわ除去、脂肪肝抑制、高脂血症改善、動脈硬化抑制や予防の目的などとして利用される。
前記の化粧料としては、セルライトや皮下脂肪の蓄積により生じるたるみを改善又は予防する化粧料、医薬部外品として利用される。また、脂肪の蓄積により表面にデコボコを生じたセルライトを解消又は予防する化粧料、医薬部外品として利用される。また、動物に用いる獣医用の化粧料やペットに用いる化粧料としても利用される。
前記の医薬品、食品、化粧料は、メタボリックシンドロームとそれに派生する皮膚疾患に対して優れた治療または予防的な働きを呈する。また、前記のフコキサンチノール誘導体を添加した繊維を利用して脂肪を除去する目的とした衣類にも利用され、特に、下着、ストッキング、肌着、水着、靴下、パジャマ、布団やシーツなどに利用される。
また、前記のフコキサンチノール誘導体を添加したプラスチックを利用して脂肪分解を目的とした保存容器やトイレ、バス用品などに利用される。
次に、紅藻、緑藻、褐藻、カテキン及びレスベラトロールに乳酸菌を添加し、発酵する工程からなる脂肪分解作用を呈するフコキサンチノール誘導体の製造方法について説明する。
ここでいうフコキサンチノール誘導体はフコキサンチノールにカテキン1分子、レスベラトロール1分子、グルコン酸1分子及びアデニン1分子が結合したものである。
このフコキサンチノール誘導体は脂溶性と水溶性の両方の性質を有し、脂肪細胞に浸透しやすく、また、吸収されやすいことから好ましい。脂肪細胞の細胞内に浸透し、細胞核内に移行して細胞増殖に関わる遺伝子を遺伝子レベルで抑制する。
また、中性脂肪分解酵素の遺伝子を活性化して脂肪分解酵素を誘導する。また、脂肪分解酵素が働いた後に、産生される脂肪酸の酸化を防止し、脂肪酸の代謝を活性化する。
ここでいう紅藻とは紅色植物門や紅藻植物門に属する藻類の総称であり、赤っぽい藻類である。小型の藻類であり、フコキサンチンやフコイダン、ミネラル類を含んでいる。4000以上の種類があり、多くは海産多細胞性である。海苔やダルスのようにアジアやヨーロッパでは伝統的な食材であり、また寒天の原料としても用いられる。
紅藻のうち、ゲリジウム クリナレ、学名Gelidium Crinaleは代表的な食用の紅藻であり、粘性のある多糖類やカロチノイドを産生する特徴があることから原料として好ましい。
ここで用いる紅藻は日本国産のものが安全性や品質の点で好ましく、九州や北海道などの水産資源の豊富な地方のものはさらに、好ましい。
緑藻とは緑色植物亜界緑藻植物門緑藻綱の藻類であり、基本的には緑色の藻類である。クロロフィルa及びbを含有し、海藻として出現するものもあれば、単細胞生物となっているものもある。緑藻としては食用としても汎用されている青のり、アオサ、海苔類が存在している。
緑藻のうち、ヒトエグサ、学名Monostroma Nitidum、は、アオノリやアオサとして食用に利用され、その中にはクロロフィルの他に、ミネラル類が豊富であることから好ましい。
用いる緑藻は日本国産のものが安全性や品質の点で好ましく、九州や北海道などの水質の良い地方のものはより好ましい。
原料として用いる褐藻とは褐色をしているのが特徴の藻類であり、ほとんどが海産で、
大型になるものが含まれる。単細胞ではなく、糸状、葉状、樹枝状などの構造を呈し、大型の藻体を形成してクロロフィル、ミネラル類、多糖類、核酸類、糖質など多種類の成分を含有している。
褐藻としては昆布、マコンブ、モズク、わかめ、ヒジキなど食用として利用されるものが多い。
このうち、マコンブは真昆布ともいわれ、学名Laminaria Japonicaは主に北海道で採取されるコンブ属の褐藻であり、だし昆布、おぼろ昆布、白髪昆布などの薄く削った加工品としても食用される。このマコンブには食物繊維、タンパク質、ミネラル類、フコキサンチン、フコキサンチノール、核酸類、糖質など豊富であることは好ましい。
褐藻の産地は、日本以外でも良いが、日本産、特に、北海道や九州産は品質に家具れている点から好ましい。
紅藻、緑藻、褐藻は採取された後に、水洗されることは雑菌を除外できる点から好ましい。水洗後、乾燥後、粉砕することは、以降の工程を効率良く行うことができる点から好ましい。
乾燥機として西村鐵工所製のCDドライヤー、株式会社大川原製作所製のバイブロンやロートスルー、株式会社奈良機械製作所製の旋回気流乾燥機、トルネッシュドライヤー、流動層乾燥機、粉砕機として株式会社奈良機械製作所製の自由ミル、スーパー自由ミル、サンプルミル、ゴブリン、スーパークリーンミル、マイクロス、減圧乾燥機として東洋理工製の小型減圧乾燥機、株式会社マツイ製の小型減圧伝熱式乾燥機DPTH−40、エーキューエム九州テクノス株式会社製のクリーンドライVD−7、VD−20などが用いられる。
用いるカテキンはフラボノイドの一種であり、緑茶や植物中に存在するポリフェノールである。カテキンに水酸基が多数存在することから、種々の誘導体が存在している。しかし、カテキンは水酸基が豊富で抗酸化成分に優れる。
カテキンには脂肪分解作用があるものの、体内への吸収率は悪い欠点がある。ここで用いるカテキンは株式会社太陽化学などで緑茶より精製された精製品が好ましい。その理由はフコキサンチノール誘導体の純度を高くするためである。カテキン以外の成分が混在することによりフコキサンチノール誘導体の収率が低下するおそれがある。
ここで用いるレスベラトロールはブドウの種子や果皮などに存在するスチルベンであり、抗酸化力が高い。
レスベラトロールはブドウ種子より精製された精製品が好ましい。オリザ油化株式会社のレスベラトロール−P5などは精製度が高いことから好ましい。
原料となる乳酸桿菌とは真正細菌類でラクトバチルス科の腸内細菌の一種である。この属は 20種ほどがヒトの体内などで発見されている。
形状としては細長い桿菌で、胞子をつくらず、非運動性のグラム陽性菌であり、乳酸発酵をする菌もある。
乳酸桿菌のうち、ヒトの腸内細菌として善玉菌に属するLactobacillus caseiは通性嫌気性菌であり、増殖しやすく、植物や栄養素の分解、代謝の能力に優れている。
特に、リパーゼ活性を呈し、脂肪成分の分解に優れている。また、プロテアーゼや食物繊維分解酵素も備えていることから物質の低分子化に優れた働きを呈する。
また、エステル交換作用を有し、糖質や核酸成分のエステル体形成に働き、新規成分の形成に働く。
この乳酸桿菌は栄養素とともに前培養されることにより菌の増殖と酵素活性が高まる。
前記の発酵に関するそれぞれの添加量は、紅藻1重量に対し、緑藻は0.4〜2重量が好ましく、褐藻は0.3〜2重量が好ましく、カテキンは0.01〜0.05重量、レスベラトロールは0.001〜0.01重量、乳酸桿菌は0.0001〜0.001重量が好ましい。乳酸桿菌はグルコース培地などで前培養されることは好ましい。
前記の原料は清浄な培養用タンクで実施され、水道水により前記の材料を混合することは好ましい。
また、この発酵は41〜48℃に加温され、発酵は24〜98時間行われる。発酵後に、以下の抽出を効率良く実施するために、水道水で希釈される。
この発酵の工程によって藻類のフコキサンチノールにカテキン及びレスベラトロールが結合し、さらに、アデニンとグルコン酸が結合して目的とする誘導体が製造される。
前記の発酵により生成された発酵物は40〜59℃の温水で抽出され、この製造工程により、生成物を分解から守り、効率良く回収でき、かつ、次の工程を実施しやすい。
得られた発酵物は真空乾燥や凍結乾燥などにより、濃縮することは、好ましい。
この発酵物はアルカリ還元されることは活性を維持し、安定化されることから好ましい。アルカリ還元の工程は、アルカリ還元装置やアルカリ還元整水器により実施されることが好ましい。たとえば、ゼマイティス製のアルカリ還元水・強酸化水連続生成器「プロテックATX−501」、エヌアイシー製のアルカリ還元水製造装置「テクノスーパー502」、マルタカ製「ミネリア・CE−212」、クレッセント製「アキュラブルー」、株式会社日本鉱泉研究所製「ミネラル還元整水器「元気の水」」などの装置が好ましい。これらの装置により発酵物はアルカリ還元される。
前記の還元反応物から、目的とするフコキサンチノール誘導体を分離し、精製することは純度の高い物質として摂取量を減少させることができる点から好ましい。この精製の方法としては、分離用の樹脂などの精製操作を利用することが好ましい。
分離用担体または樹脂としては、表面がコーティングされた、多孔性の多糖類、酸化珪素化合物、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリプロピレン、スチレン−ビニルベンゼン共重合体等が用いられる。適切な分離用溶媒により分離し、精製され、有機溶媒を除去して目的とするフコキサンチノール誘導体を得ることは好ましい。
分離用溶媒としてはメタノール、エタノール、クロロホルム、ヘキサン、酢酸エチル、ベンゼン、エーテルなどが用いられ、このうち、食品加工用エタノールまたは含水エタノールはその利用範囲が高いことから好ましい。
このようにして得られたフコキサンチノール誘導体は、液体または粉末として得られる。得られたフコキサンチノール誘導体は医薬品、食品製剤、化粧料、衛生用具、衣類や繊維、プラスチックなどに利用される。
医薬品としては、抗肥満薬、局所の脂肪分解薬、抗セルライト剤、しわ除去剤、脂肪肝抑制剤、高脂血症改善剤、抗動脈硬化剤、メタボリックシンドロームや生活習慣病の予防や改善などに利用される。また、動物に用いる獣医用の医薬品やペットに用いる医薬品としても脂肪分解剤、抗肥満剤、しわ除去剤、脂肪肝抑制剤、高脂血症改善剤、抗動脈硬化剤などとして利用される。
前記の食品製剤としては、肥満を予防又は改善するサプリメント、セルライトの改善や局所の脂肪減少、メタボリックシンドロームや生活習慣病の予防や改善を目的としたサプリメントなどに使用される。また、動物に用いる獣医用の食品や食品製剤、又はペットに用いる食品製剤としても脂肪分解、肥満の改善と予防、しわ除去、脂肪肝抑制、高脂血症改善、動脈硬化抑制や予防の目的などとして利用される。
前記の化粧料としては、セルライトや皮下脂肪の蓄積により生じるたるみを改善又は予防する化粧料、医薬部外品として利用される。また、脂肪の蓄積により表面にデコボコを生じたセルライトを解消又は予防する化粧料、医薬部外品として利用される。また、動物に用いる獣医用の化粧料やペットに用いる化粧料としても利用される。
前記の医薬品、食品、化粧料は、メタボリックシンドロームとそれに派生する皮膚疾患に対して優れた治療または予防的な働きを呈する。また、前記のフコキサンチノール誘導体を添加した繊維を利用して脂肪を除去する目的とした衣類にも利用され、特に、下着、ストッキング、肌着、水着、靴下、パジャマ、布団やシーツなどに利用される。
また、前記のフコキサンチノール誘導体を添加したプラスチックを利用して脂肪分解を目的とした保存容器やトイレ、バス用品などに利用される。
以下、前記実施形態を実施例及び試験例を用いて具体的に説明する。まず、フコキサンチノール誘導体の製造について説明する。
熊本県で採取されたゲリジウム クリナレを紅藻として、また、ヒトエグサを緑藻としていずれもカネリョウ海藻株式会社より購入して用いた。また、北海道産羅臼昆布を褐藻のマコンブとして羅臼漁業協同組合より購入して用いた。
これを水洗後、乾燥機により乾燥し、粉砕機(クイジナート)により粉砕して紅藻、緑藻及び褐藻の粉砕物それぞれ1kgを得た。これをオートクレーブ滅菌した。
さらに、精製カテキンとして太陽化学株式会社のサンフェノンを購入して用いた。サンフェノンは精製水に懸濁して用いた。
また、レスベラトロールとしてオリザ油化社のレスベラトロール−P5を購入して用いた。レスベラトロールは精製水に懸濁して用いた。
洛東化成工業株式会社製の乳酸桿菌、Lactobacillus casei菌を用いた。乳酸桿菌は予め前培養としてグルコース培地に1万個を播種して40℃で1日間培養させた。
前記の紅藻の1kg、緑藻の1kg、褐藻の1kg、カテキンの10g及びレスベラトロールの10gを100Lの発酵タンクに滅菌精製水10Lとともに、添加した。
これに乳酸桿菌の10gを添加して攪拌後、41〜43℃の温度範囲内で発酵させた。
発酵過程の途中段階で3回攪拌した。発酵終了の判定には、目的とするフコキサンチノール誘導体またはその酸化物の生成を指標とした。
その方法は、質量分析器付き高速液体クロマトグラフィ(HPLC、島津製作所)に発酵液を供して分析し、目的とする物質の生成を確認した。
その結果、発酵48時間後に、目的とするフコキサンチノール誘導体が十分量生成されたため、発酵時間を48時間として発酵を終了させた。
この発酵液を珪藻土を敷いたろ過器に供し、ろ過した。さらに、日本エフディ製の凍結乾燥機に供し、目的とするフコキサンチノール誘導体を粉末として569g得た。これを検体1とした。
以下に、フコキサンチノール誘導体の精製物について説明する。
実施例1で得られたフコキサンチノール誘導体300gをエタノール500mLに懸濁し、三菱化学製ダイヤイオンの約980gを充填したカラムに供した。これを5%エタノール含有水1000mLで洗浄した。さらに20%エタノール含有水900mLで洗浄後、60%エタノール含有水700mLで溶出し、次いで80%エタノール含有水の分画を採取した。
この分画を減圧乾燥機に供してエタノールと水を留去した後、日本エフディ製の凍結乾燥機によりフコキサンチノール誘導体の精製物31gを得た。これを実施例2の検体とした。
以下に、フコキサンチノール誘導体の同定試験について説明する。
(試験例1)
上記のように実施例2で得られたそれぞれのフコキサンチノール誘導体を精製エタノールに溶解し、質量分析器付き高速液体クロマトグラフィ(HPLC、島津製作所)で分析し、さらに、核磁気共鳴装置(400MHz、H−NMR、ブルカー製)により解析した。
その結果、検体2からフコキサンチノール誘導体としてフコキサンチノール、カテキン、レスベラトロール、グルコン酸及びアデニンよりなる目的とするフコキサンチノール誘導体が同定された。
これを400MHzのH−NMRで分析した結果、0.96、1.38、1.48、1.53、1.84、2.08、2.62、2.85、3.19、3.69、3.76、4.01、4.29、4.51、6.33、6.57、6.65、8.83、8.87、9.11、9.55、9.66、9.89、10.44及び13.99ppmにピークが認められた。この結果は、標準品のピークと一致し、フコキサンチノール誘導体が確認された。
さらに、IR分析及び質量分析などで、このフコキサンチノール誘導体の構造が同定された。加えて検体1からも検体2と同様に目的とするフコキサンチノール誘導体の存在が確認された。
以下に、SCIDマウスとヒト由来脂肪細胞を用いた脂肪減少効果の試験について説明する。
(試験例2)
ここで用いたSCIDマウスとは重症複合免疫不全マウスであり、免疫機能が低下していることから、種々のヒト由来細胞や組織が移植可能で、ヒト由来脂肪細胞を体内で増殖及び成育させることができ、この方法は試験例が豊富であり、医薬品の開発及び研究にも利用されている。和光純薬製のヒト由来白色脂肪細胞培養キットを購入し、培養することにより増殖させ、ヒト由来脂肪細胞とした。
このSCIDマウスの背部に、前記のように培養したヒト由来脂肪細胞10万個を移植した。餌としてマウス飼育用固形試料を食べさせた。移植の翌日より、実施例1で得られた検体1および陽性対照としたマジンドール(Sigma製)を0.2%アラビアゴム水に懸濁して14日間、経口投与した。また、溶媒対照群には0.2%アラビアゴム水のみを投与した。
1群の動物数を5匹とし、投薬14日後に、エーテル麻酔下で、腹部動脈より採血し、遠心分離して得られた血清を用いて血中中性脂肪量を和光純薬製キット(アセチルアセトン法)にて測定した。
その結果、水摂取対照群の血中中性脂肪値に比し、実施例1のフコキサンチノール誘導体1mgを経口投与したSCIDマウスの血中中性脂肪値は平均値として溶媒対照群の46%となり、検体による血中の中性脂肪値の減少効果が確認された。また、マジンドールの1mg投与では平均値として溶媒対照群の66%となった。
これらの結果から、実施例1で得られたフコキサンチノール誘導体はマジンドールより優れた中性脂肪を減少させる作用が確認された。
また、フコキサンチノール誘導体1mg投与した動物の背部に移植したヒト由来脂肪組織の重量は溶媒対照群の値に比し40%となり、脂肪組織の減少作用が認められた。また、マジンドール1mg投与では溶媒対照群の61%になった。
一方、溶媒のみを投与した動物の背部に移植したヒト由来脂肪組織に変化は認められなかった。
さらに、フコキサンチノール誘導体1mg投与した動物の体重は、溶媒対照群の値に比し、62%となり、体重の減少作用も認められた。また、マジンドール投与では、溶媒対照群の77%となった。
一方、溶媒のみを投与した動物の体重は、溶媒対照群の値に比し、102%となり、体重に変化は認められなかった。
これらの結果から、実施例1で得られたフコキサンチノール誘導体には、マジンドールより著しい体重減少、脂肪減少、血中中性脂肪値の減少の効果が認められた。しかし、投薬期間の症状、その他の臓器には肉眼的に異常は認められず、毒性は確認できなかった。
以下に、フコキサンチノール誘導体を含有する食品製剤の製造について記載する。
前記の実施例1で得られたフコキサンチノール誘導体100gを食品加工用混合器(ツカサ製、パウミキサー、シングルタイプ)に入れ、日清オイリオ製の大豆油10gを添加し、攪拌しながらこれを45℃で12時間加温して冷却後、組成物約120gを得た。
この組成物100gに、食用セルロース100g、アスコルビン酸1g及び食用香料10gを食品加工用ミキサー(ツカサ製、パウミキサー、Wタイプ)に添加し、混合した。これを常法により粉末化し、乾燥後、ブタ由来ゼラチン製ハードカプセルに、1粒266mgとして充填し、食品製剤を得た。これを実施例3の検体とした。
以下に、中性脂肪の高い方に対する食品製剤の試験について説明する。
(試験例3)
200〜500mg/dLの中性脂肪値を示す男性6名及び女性7名に対して実施例3で得られた食品製剤を毎食後に3錠ずつ、1日1回、28日間摂取させた。試験実施前及び摂取28日間後の血中中性脂肪値を検査した。また、皮膚の状態をモニターした。
その結果、実施例3の食品製剤の摂取は、摂取前に比して中性脂肪値が男性の平均値で56%、女性の平均値で30%となり、いずれも減少した。また、血糖値も男性の平均値で49%、女性の平均値で51%、摂取前に比していずれも減少が認められた。皮膚の状態も良好であり、皮膚弾力と保湿性が増加していた。
なお、食品製剤摂取による体調の変化はなく、血液検査、その他の血液生化学検査、尿検査の検査値に副作用は認められなかった。
これらの結果、実施例3の食品製剤は、中性脂肪の高めの方に対して中性脂肪及び血糖値を減少させた。また、実施例3の食品製剤摂取による副作用は認められず、安全性が確認された。
以下に、フコキサンチノール誘導体からなる化粧料の製造について説明する。
前記の実施例1で得られたフコキサンチノール誘導体20gを化粧料加工用混合器(寿工業製、ポーレコンテナミキサー)に入れ、大豆油20gを添加し、攪拌しながらこれを37℃で2時間加温して冷却後、組成物約53gを得た。
この組成物40gを前記の混合器に入れ、ミツロウ(アピ社製)300gを添加し、混合して、化粧料製剤としてクリームを得た。これを実施例4の検体とした。同時に、実施例1で得られたフコキサンチノール誘導体を除いた基材のみのクリームを調製した。
以下に、化粧料の効果及び副作用について評価した試験例を示す。
(試験例4)
両足の大腿部にセルライトが認められる46〜70才の女性10人に対し、右足大腿部に実施例4で得られたクリーム0.5gを左足大腿部に基材のみからなるクレーム0.5gを14日間塗布した。塗布終了後に、脂肪分(モリテックス製、トリプルセンス)及び皮膚弾性力(インテグラル製、衝撃波測定装置、RVM600)などを測定した。
その結果、フコキサンチノール誘導体を含有するクリームを塗布した右足の脂肪分は基材のみを塗布した左足に比して71%となり、脂肪分の減少が認められた。これは検体による脂肪分解によるダイエット作用及び引締め作用を示す。また、右足の皮膚の弾性力は、左足に比して132%となり、弾性力の向上が認められ、皮膚の改善が認められた。
さらに、大腿部の観察により、フコキサンチノール誘導体を含有するクリームを塗布した右足の大腿部ではセルライトが減少しており、大腿部の周囲の長さも左足に比して減少していた。また、皮膚の保湿性も平均値で156%に増加し、保湿の働きも認められた。
これらの結果は、実施例4の化粧料は脂肪分を減少させ、かつ、セルライトを減少させ、皮膚の弾性を増加させることが判明した。さらに、この化粧料の塗布による副作用は認められず、安全性が確認された。
以下に、フコキサンチノール誘導体からなる抗肥満薬について述べる。
清浄なステンレス製溶解槽に、前記の実施例1で得られたフコキサンチノール誘導体30g、ラノリン90g、マクロゴールド100g、ミツロウ10g、オゾケライト20gを添加し、37℃で1時間溶解した。これを混練機に供し、混合した。これを再度、溶解槽で溶解して、過熱し、脱気装置により脱気させて、目的とする抗肥満薬を軟膏剤として得た。
なお、対照として前記の実施例1で得られたフコキサンチノール誘導体の代わりとしてラノリンを用いた対照となる検体を作製し、対照検体として試験に用いた。
以下に、抗肥満薬を用いた試験について説明する。
(試験例5)
前記の抗肥満薬を用いた臨床試験を実施した。すなわち、肥満度(BMI、体重(kg)を身長(m)の二乗で除した値)が30以上、体脂肪率(タニタ製体脂肪計にて測定)27%以上の女性7名に、前記の実施例5で得られた軟膏剤を腹部に1gを供し、塗布した。塗布は1日1回とし、30日間行った。塗布30日後に、体脂肪率、体重、血中中性脂肪値、顔面皮膚の保水性を測定した。
その結果、塗布30日後の平均値は塗布前に比し、肥満度については69%に低下し、体脂肪率については68%に低下した。また、血中中性脂肪量については51%に減少した。これらの結果、実施例6の軟膏剤は、腹部の肥満に対して改善効果を発揮することが確認できた。さらに、顔面皮膚の保水性は、塗布前に比して平均値で171%に増加した。
一方、自覚症状、血液検査値、その他の血液生化学検査などには、異常は認められず、実施例5の抗肥満薬の安全性が確認された。
なお、ラノリンなどの基材のみを用いた軟膏剤では、使用前の値に比して肥満度では104%、体脂肪率では98%、血中中性脂肪については102%であり、変化は認められなかった。
本発明である脂肪分解作用を有するフコキサンチノール誘導体は、全身及び内臓の脂肪の過剰な蓄積を防止及び改善した副作用の弱い、優れた働きを示し、肥満、内臓脂肪の蓄積、皮下脂肪の蓄積に苦しむ患者、肥満、生活習慣病の患者又はその予備軍のQOLを改善するものである。
また、本発明である脂肪分解作用を有するフコキサンチノール誘導体からなる食品製剤は、メタボリックシンドロームの原因である内臓脂肪や皮下脂肪の蓄積を改善又は予防し、国民生活の質的向上に寄与するものである。
さらに、脂肪分解作用を有するフコキサンチノール誘導体からなる化粧料は、セルライトや脂肪による皮膚の凹凸に対して改善又は予防効果を示し、国民のQOLを向上させるものである。
加えて、脂肪分解作用を有するフコキサンチノール誘導体からなる抗肥満薬によれば、メタボリックシンドロームの原因である肥満に対して脂肪を減少させて肥満を改善又は予防に貢献し、国民生活を向上させる。この抗肥満薬は副作用が少なく、優れた脂肪分解作用を発揮することにより、医療及び医薬品業界の活性化に寄与するものである。

Claims (2)

  1. 脂肪分解作用を呈する下記の式(1)で示されるフコキサンチノール誘導体。
  2. 紅藻、緑藻、褐藻、カテキン及びレスベラトロールに乳酸菌を添加し、発酵する工程からなる請求項1に記載の脂肪分解作用を呈するフコキサンチノール誘導体の製造方法。
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