JP2016116307A - 電力変換装置 - Google Patents

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亮平 牧野
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Abstract

【課題】同期整流時にチョッパ回路の整流部の通流損失を低減させて低損失化、高効率化を図った電力変換装置を提供する。【解決手段】リアクトルL0P,L0N、スイッチング部SWA,SWB、整流部REA,REBの各一端が一節点に接続され、スイッチング部SWA,SWBのオン/オフにより直流電圧を昇圧または降圧させるチョッパ回路を少なくとも1組以上備えた電力変換装置において、整流部REA,REBが、MOSFETSW1,SW4と、各MOSFET SW1,SW4に対して逆並列に接続された逆並列ダイオードD1,D4と、を有し、スイッチング部SWA,SWBのオフ期間に整流部REA,REBのMOSFETSW1,SW4がオンすることにより、リアクトルL0P,L0Nから供給される電流をMOSFETSW1,SW4のチャネル及び寄生ダイオードBD1,BD4と逆並列ダイオードD1,D4とに分流させる。【選択図】図1

Description

本発明は、リアクトルによるエネルギー蓄積作用とパワー半導体素子のスイッチング動作を利用して直流入力電圧を昇圧または降圧するチョッパ回路を備えた電力変換装置に関する。
周知のように、電力変換装置には、直流電圧の大きさを変換するDC−DCコンバータ、交流電圧の大きさ及び周波数を変換するAC−ACコンバータ、直流電圧を交流電圧に変換するDC−ACインバータ等がある。これらの電力変換装置に用いる回路として、直流電圧を昇圧または降圧して出力するチョッパ回路が知られている。
チョッパ回路としては、直流電圧を下降させる降圧チョッパ(図7)、直流電圧を上昇させる昇圧チョッパ(図8)、直流電圧の上昇、下降が可能な昇降圧チョッパ(図9)等が周知である。
図7の降圧チョッパは、直流電源Eと、その正負極間に入力端子1a,1bを介して接続されたMOSFET等の半導体スイッチング素子SWとダイオードDとの直列回路と、ダイオードDの両端に接続されたリアクトルLとコンデンサCとの直列回路と、から構成され、コンデンサCの両端には出力端子2a,2bを介して抵抗等の負荷Rが接続されている。また、図8の昇圧チョッパは、図7に対してスイッチング素子SW、ダイオードD及びリアクトルLの接続位置が異なっている。
更に、図9の昇降圧チョッパは、スイッチング素子SWのデューティ比を制御することにより直流電源Eの電圧を昇降圧して負荷Rに供給するものであり、電源電圧と負荷Rへの供給電圧とは極性が逆になる。
これらのチョッパ回路では、リアクトルLのインダクタンスによる電磁的なエネルギー蓄積作用、スイッチング素子SWのスイッチング作用及びダイオードDの整流作用等を利用して直流電源Eの電圧を上昇または下降させ、負荷Rに供給している。
一方、近年では、特許文献1に記載されているように、スイッチング素子とダイオードとの直列回路を2個直列に接続して変換可能な電圧範囲を拡大したり、パワー半導体により生じる損失やノイズを低減するようにした3レベルチョッパと称する回路も提供されている。
図10は、特許文献1に記載された3レベルチョッパの構成図である。図10において、C,C,Cはコンデンサ、Lは結合リアクトル、D,Dはダイオード、SW,SWはIGBT等のスイッチング素子であり、その他の構成部品については図7〜図9と同一の符号を付してある。
この3レベルチョッパの動作は、特許文献1に記載されているため詳述を省略するが、例えば、直流電源Eを昇圧して負荷Rに供給する場合には、スイッチング素子SW,SWを所定のデューティ比で交互にオン・オフすることにより結合リアクトルLへのエネルギーの蓄積、放出を繰り返し、コンデンサC,Cの電圧をそれぞれVout/2(Voutは負荷Rへの印加電圧であり、直流電源Eの電圧より大きい)に制御して昇圧動作を行う。
図7〜図10に示したチョッパ回路では、スイッチング素子がオンしている期間にリアクトル及びスイッチング素子に電流が流れると共に、リアクトルに磁気エネルギーが蓄積される。そして、スイッチング素子がオフしている期間には、リアクトルに蓄積された磁気エネルギーを発生源とする電流がリアクトル及びダイオードに流れる。
その際、ダイオードに流れる順方向の電流とダイオードの両端電圧との積に比例したジュール熱が発生し、電力が消費される。この消費電力を時間的に積分したものが損失であり、ダイオードまたは整流素子の通流損失、導通損失等と称されている。
ところで、ダイオードの順方向電圧には電圧オフセットがある。この電圧オフセットはスイッチング素子であるMOSFET等には見られないもので、ダイオードの種類にもよるが、概ね0.5〜1.5[V]程度の値であり、温度依存性を有することが多い。
ダイオードの順方向電流は、両端電圧がオフセット電圧以上の値になった状態で立ち上がり、以降は、オフセット電圧と、微分抵抗と電流との積に応じた電圧との和を電圧降下として電流が流れる。このため、ダイオードでは、微分抵抗が同等であるMOSFET等に比べて、同じ順方向電流を流す際の順方向電圧が大きくなり、結果として通流損失が大きくなる。
そこで、特許文献2に記載されているように、整流部としてのダイオードに代わる素子としてMOSFETを用い、もともとのダイオードへの通流期間に前記MOSFETをオンさせてMOSFETのチャネルに電流を流す、「同期整流」と呼ばれる方法が提案されている。このとき、MOSFETには、本来の順方向通流時とは逆向きに電流が流れるため、「逆導通」ということがある。
ここで、図11は、各チョッパ回路におけるスイッチング素子としてMOSFETSW,SWを用い、かつ、図10における整流部のダイオードD,Dの代わりに、MOSFETSW,SW及びそれらの寄生ダイオードBD,BDを用いて同期整流を行うようにした例である。なお、この回路は、特許文献1や特許文献2にも記載されている。
図11に示した回路では、スイッチング部のMOSFETSW,SWと整流部のMOSFETSW,SWとが同時にオンしないように、スイッチング部のMOSFETSW,SWがオフしてから、所定の「デッドタイム」を置いて整流部のMOSFETSW,SWをオンさせ、MOSFETSW,SWをオンさせるタイミングよりもデッドタイムだけ早めにMOSFETSW,SWをオフさせている。
上記のデッドタイムは、MOSFETSW,SW及びSW,SWが同時にオンすることがないような尤度を持たせた最小限の時間に設定されており、MOSFETSW,SWの逆導通の期間に比べると非常に短いものである。
図11の寄生ダイオードBD,BDは、MOSFETSW,SW本来の通流方向に対して逆並列に備わっており、寄生ダイオードBD,BDの通流方向は、図10における整流部のダイオードD,Dの通流方向と等しい。これらの寄生ダイオードは、内蔵ダイオード、ボディーダイオードとも呼ばれており、寄生ダイオードには前述したデッドタイムに電流が流れる。
このように、MOSFETには逆導通特性があり、しかも寄生ダイオードを有効活用できるため、同期整流に適した素子ということができる。
ところで、近年、パワー半導体素子の分野において、炭化ケイ素(SiC)系半導体や窒化ガリウム(GaN)系半導体といったワイドバンドギャップ半導体を用いた素子の研究開発が活発になされており、既に実用化も始まっている。ワイドバンドギャップ半導体が、従来のシリコン(Si)系半導体と比べて優れている点として、高耐圧な半導体素子を低オン抵抗で作製可能なこと、高温動作が可能なことが知られており、これらは、ワイドバンドギャップ半導体の禁制帯幅(バンドギャップ)が大きいこと、及び、絶縁破壊電界が大きいことから来る利点である。
この種のワイドバンドギャップ半導体を用いれば、前述のごとく高耐圧の素子を低オン抵抗にて作製することができ、導通損失の低減が可能になる。また、SiC系のMOSFETはSi系のMOSFETに比べてスイッチング速度が高いことが知られており、スイッチング損失も小さい。このため、スイッチング素子の動作周波数を高めて使用する条件でも使用可能であると共に、高周波化に伴って周辺回路のコンデンサやインダクタ等の受動部品を小型化することができるため、パワー密度、すなわち機器の体積当たりの電力容量を高めることが可能になる。
特開2008−295228号公報(図1,図2等) 特開2010−4726号公報(図1,図2等)
図11のように、MOSFETを用いたチョッパ回路に同期整流を適用した場合、デッドタイムには、整流部のMOSFETの寄生ダイオードに電流が流れる。デッドタイムは、前述のごとく最小限の時間に設定され、従来のSi系のパワー半導体素子を主体とした電力変換装置に適用されてきた動作周波数においては、整流部のMOSFETの逆導通の期間に比べて非常に短い。このため、MOSFETの寄生ダイオードの特性が問題になることはなかったと考えられる。
しかしながら、ワイドバンドギャップ半導体からなるMOSFETを用いて同期整流を行うチョッパ回路を構成した場合、高周波化によってスイッチング周期を短くすることが可能になるが、デッドタイムの長さはあまり変えることができない。
このため、整流部のMOSFETの逆導通期間に比べてデッドタイムの比率が大きくなり、また、単位時間当たりでもデッドタイムの占める期間が動作周波数に比例して増加することになる。すなわち、MOSFETの寄生ダイオードに電流が流れる期間が長くなる。
一般に、MOSFETの寄生ダイオードは、電流−電圧特性が劣っており、寄生素子ではない整流部品として設計・製作されるダイオードに比べると電圧降下が大きいため、整流部における通流損失を低減させるという同期整流の効果が十分に発揮されなくなる恐れがある。
そこで、本発明の解決課題は、同期整流を行う場合にチョッパ回路の整流部における通流損失を低減させて低損失化、高効率化を可能にした電力変換装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、リアクトルと、半導体スイッチング素子を有するスイッチング部と、整流部と、を備え、前記リアクトル、前記スイッチング部、及び前記整流部の各一端が一つの節点に接続され、かつ、前記半導体スイッチング素子のオン・オフにより直流入力電圧を所定の大きさの直流電圧に変換して出力するチョッパ回路を、少なくとも1組以上備えた電力変換装置において、
前記整流部が、FETと、前記FETに対して逆並列に接続された逆並列ダイオードと、を有し、前記スイッチング部のオフ期間に前記FETがオンすることにより、前記リアクトルから供給される電流を、前記FETのチャネル及び寄生ダイオードと前記逆並列ダイオードとに分流させるものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載した電力変換装置において、前記チョッパ回路が、昇圧チョッパ、降圧チョッパ、または昇降圧チョッパの何れかであることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載した電力変換装置において、前記チョッパ回路が、3レベルチョッパであることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載した電力変換装置において、前記FETが、SiC系、GaN系等のワイドバンドギャップ半導体からなるMOSFETであることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載した電力変換装置において、前記逆並列ダイオードが、SiC系、GaN系等のワイドバンドギャップ半導体からなるショットキーバリアダイオードであることを特徴とする。
本発明によれば、FETとして、特にワイドバンドギャップ半導体を用いて高周波化したチョッパ回路を備える電力変換装置において、チョッパ回路の整流部における通流損失を低減させて同期整流効果を高め、低損失・高効率、更には小型でパワー密度の高い電力変換装置を実現することができる。
本発明の第1実施形態に係る電力変換装置の回路構成図である。 本発明の第2実施形態に係る電力変換装置の回路構成図である。 本発明の第3実施形態に係る電力変換装置の回路構成図である。 本発明の第4実施形態に係る電力変換装置の回路構成図である。 本発明の第5実施形態に係る電力変換装置の回路構成図である。 本発明の第6実施形態に係る電力変換装置の回路構成図である。 公知の降圧チョッパ回路の構成図である。 公知の昇圧チョッパ回路の構成図である。 公知の昇降圧チョッパ回路の構成図である。 特許文献1に記載された公知の3レベルチョッパの回路構成図である。 図10の3レベルチョッパに同期整流を適用した場合の回路構成図である。
以下に、図に沿って本発明の実施形態を説明する。なお、本発明は以下の実施形態によって何ら限定されるものではない。なお、各実施形態を示す図面においては、同一または対応する要素に同一の符号を付してある。
また、各実施形態に係る回路では、入力側に直流電源、出力側に抵抗等の負荷が接続されているが、直流電源の構成や負荷の種類は特に限定されない。更に、各実施形態の入出力は基本的には直流であるものの、交流的な脈動・変動成分や電圧レベルの変動を伴う可能性を排除するものではない。
また、電力変換装置の主要な回路部分(入出力端子間の回路部分)についても、各実施形態では代表的な構成を簡略的に示しており、他の部品や保護回路等、他の回路要素が存在する場合や、代替的な部品を使用する場合を排除するものではない。
まず、図1に従って本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、第1実施形態に係る電力変換装置の回路構成図であり、チョッパ回路の整流部以外は、前述した図11と同様に構成されている。
すなわち、図1において、直流電源Eの正負極は入力端子1a,1bにそれぞれ接続され、入力端子1a,1bの間にはコンデンサCが接続されている。
一方、MOSFETSW,SW,SW,SWが直列に接続されており、前記コンデンサCの両端は、結合リアクトルLを構成するリアクトルL0P,L0Nを介して、MOSFETSW,SW同士の接続点と、MOSFETSW,SW同士の接続点と、にそれぞれ接続されている。
MOSFETSW,SW,SW,SWは、素子本来の通流方向(順方向)に対して逆並列となる寄生ダイオードBD,BD,BD,BDを備えている。更に、両端のMOSFETSW,SWには、同じく素子本来の通流方向に対して逆並列となるダイオード(逆並列ダイオード)D,Dがそれぞれ接続されている。
また、MOSFETSW,SW,SW,SWの直列回路にはコンデンサC,Cの直列回路が並列に接続され、コンデンサC,Cの直列回路には、出力端子2a,2bを介して抵抗等の負荷Rが接続されている。
ここで、寄生ダイオードBDを含むMOSFETSW及びダイオードDからなる部分を整流部RE、寄生ダイオードBDを含むMOSFETSW及びダイオードDからなる部分を整流部RE、寄生ダイオードBDを含むMOSFETSWをスイッチング部SW、寄生ダイオードBDを含むMOSFETSWをスイッチング部SWとする。
これにより、図1の回路では、リアクトルL0P、整流部RE及びスイッチング部SWからなる第1のチョッパ回路と、リアクトルL0N、整流部RE及びスイッチング部SWからなる第2のチョッパ回路とにより、3レベルチョッパが構成されている。
上記構成において、整流部RE,REのスイッチング素子にはMOSFETSW,SWが使用されており、これらの素子には、ワイドバンドギャップ半導体からなるSiC−MOSFET等を用いれば好適であるが、ワイドバンドギャップ半導体はSiC系に限らず、また、FETの種類もMOSFETに何ら限定されない。但し、本実施形態では同期整流を行う趣旨から、整流部RE,REのスイッチング素子は逆導通が可能なFETとする必要があり、この点で、一般的にMOSFETの使用が想定される。なお、MOSFET以外の素子としては、HEMT(高電子移動度トランジスタ)や、HEMTとノーマリーオフスイッチング素子とを組合せてノーマリーオフ化を図ったカスコード回路等を使用することが考えられる。
また、整流部RE,REのダイオードD,Dには、SiC系やGaN系のSBD(ショットキーバリアダイオード)を用いることが望ましいが、その材料はSiCやGaNに限られるものではなく、また、SBDに限定されるものではない。
MOSFETSW,SW,SW,SWやダイオードD,Dは、個々にパッケージされたディスクリート素子によって構成しても良い。または、整流部REのMOSFETSWとダイオードDとを同梱し、整流部REのMOSFETSWとダイオードDとを同梱したモジュール形態のパッケージを使用しても良い。
更には、スイッチング部SWのMOSFETSWを整流部REのパッケージに同梱し、スイッチング部SWのMOSFETSWを整流部REのパッケージに同梱しても良い。
また、スイッチング部SW,SWのスイッチング素子としては、MOSFETSW,SW以外にIGBTやHEMTを用いても良い。
なお、この実施形態では、チョッパ回路の入力側にリアクトルL0P,L0Nが磁気的に結合された結合リアクトルLを備えているが、各リアクトルL0P,L0Nを個別に備えていても良い。
本実施形態のチョッパ回路においても、スイッチング部SW,SWのMOSFETSW,SWがオンしている期間に、リアクトルL0P,L0N及びMOSFETSW,SWに電流が流れると共に、リアクトルL0P,L0Nに磁気エネルギーが蓄積される。そして、スイッチング部SW,SWのMOSFETSW,SWがオフしている期間には、リアクトルL0P,L0Nに蓄積された磁気エネルギーを発生源とする電流が、リアクトルL0P,L0N及び整流部RE,REに流れる。ここで、本実施形態では、整流部RE,REへの通流期間にMOSFETSW,SWをオンさせることにより、これらのチャネルに逆導通による電流を流して同期整流を行う。
以下、この同期整流における各期間や条件に応じた整流部RE,REの動作及び通流損失について、同期整流非適用時や従来技術による同期整流適用時との比較を交えて考察する。
整流部RE,REのMOSFETSW,SWがオンして逆導通している期間であって、MOSFETSW,SWのドレイン−ソース間電圧の絶対値が整流部RE,REのダイオードD,Dがオンする電圧以下の期間においては、MOSFETSW,SWによる逆導通経路が電流経路の大部分となる。この期間における整流部RE,REの損失は、従来技術(図11)による同期整流の場合と同等であるが、図10のように順方向電圧に電圧オフセットがあるダイオードD,Dのみに通流させる同期整流非適用時に比べ、電圧オフセット分の電圧降下がない分、整流部RE,REの通流損失は大幅に低減される。
そして、MOSFETSW,SWのドレイン−ソース間電圧の絶対値が整流部RE,REのダイオードD,Dがオンする電圧を超える期間では、MOSFETSW,SWの逆導通に加えてダイオードD,Dにも電流が分流するため、整流部RE,REの抵抗値が大幅に低下する。
なお、本実施形態及び従来技術(図11)の同期整流においてもMOSFETSW,SWの寄生ダイオードBD,BDへの分流が生じるが、これらの寄生ダイオードBD,BDは電流−電圧特性が劣っており、寄生素子ではない製品として設計・製作されるダイオードに比べると、オフセット電圧や抵抗分が大きいため、整流部RE,REの抵抗値低減への寄与は小さい。従って、本実施形態の上記期間における整流部RE,REの損失は、同期整流非適用時はもとより、従来技術(図11)による同期整流適用時に比べても大幅に低減される。
上記のように、本実施形態によれば、負荷電流が定格電流に対して軽負荷である運転条件においても、重負荷である運転条件においても、整流部RE,REの導通損失を低減することができ、この利点は、スイッチング部SW,SWの動作周波数に依存せずに享受することができる。
次に、整流部RE,REのMOSFETSW,SWをオフさせて逆導通させないデッドタイムの動作について説明する。
従来技術(図11)の同期整流適用時におけるデッドタイムでは、もっぱら整流部のMOSFETSW,SWの寄生ダイオードBD,BDに通流する。前述したように、従来のSi系のパワー半導体素子を主体とした電力変換回路の動作周波数では、整流部のMOSFETSW,SWの逆導通期間に比べてデッドタイムが非常に小さいため、MOSFETの寄生ダイオードの特性が問題になることはない。しかし、本実施形態のように、ワイドバンドギャップ半導体素子からなるMOSFETを用いて電力変換装置を高周波化する場合、整流部のMOSFETの逆導通の期間に比べて、デッドタイムの期間の比率が大きくなり、単位時間当たりでもデッドタイムが占める割合が動作周波数に比例して増加する。すなわち、通常のダイオードよりも電圧降下が大きいMOSFETの寄生ダイオードへの通流期間が長くなり、同期整流時に整流部における通流損失を低減させることができない。
これに対して、本実施形態では、デッドタイムにおける電流経路の大部分を、電流−電圧特性に優れ、電圧降下の小さいダイオードD,Dが担うため、高周波化に伴ってデッドタイムの占める割合が高くなったとしても、整流部RE,REにおける通流損失の増大を抑制することができる。
以上のように、本実施形態によれば、整流部RE,REの通流損失を低減・抑制できるため、チョッパ回路の低損失・高効率化、及び、これらに伴って冷却体の小型化も可能になり、ひいては、高周波化を通して受動素子の小型化にも寄与する。また、特に重負荷条件において、整流部RE,REに流す電流をMOSFETSW,SWの逆導通動作とダイオードD,Dへの通流とによって分流することから、従来の同期整流適用時(図11)のMOSFETSW,SWや同期整流非適用時(図10)のダイオードD,Dに比べて、素子の負担を軽くして信頼性の向上を図ることができ、定格を抑えた素子の採用による低コスト化を図ることもできる。
総じて、本実施形態によれば、特にSiC系等のワイドバンドギャップ半導体素子を適用して高周波化する場合に、低損失・高効率化やこれに付随する利点を得ることができる。
すなわち、電力変換装置を高周波化する場合に、チョッパ回路の整流部における通流損失を低減させるという同期整流の効果が大きく、低損失・高効率化、更には小型でパワー密度の高い電力変換装置を実現することができる。なお、本実施形態では、従来のSi系の素子を使用したり、それに見合った相対的に低い動作周波数を適用したりする場合にも効率改善の効果を得ることができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図2は、第2実施形態に係る電力変換装置の回路構成図である。この実施形態では、第1のチョッパ回路が、整流部RE及びスイッチング部SWからなるハーフブリッジモジュール(2in1モジュールともいう)HBを備え、第2のチョッパ回路が、同じく整流部RE及びスイッチング部SWからなるハーフブリッジモジュールHBを備えており、これらのハーフブリッジモジュールHB,HBが3レベルチョッパを構成している。
ハーフブリッジモジュールHB内の整流部REは、寄生ダイオードBDを有するMOSFETSWと、このMOSFET SWに対して逆並列に接続されたダイオードDと、によって構成され、スイッチング部SWは、寄生ダイオードBDを有するMOSFETSWと、このMOSFET SWに対して逆並列に接続されたダイオードDと、によって構成されている。
更に、ハーフブリッジモジュールHB内の整流部REは、寄生ダイオードBDを有するMOSFETSWと、このMOSFET SWに対して逆並列に接続されたダイオードDと、によって構成され、スイッチング部SWは、寄生ダイオードBDを有するMOSFETSWと、このMOSFET SWに対して逆並列に接続されたダイオードDと、によって構成されている。
この実施形態の動作上、スイッチング部SW,SWのダイオードD,Dは不要であるが、ハーフブリッジモジュールHB,HBを使用した結果として、それらが含まれた回路構成となっている。このように、本来は不要なダイオードD,Dが含まれている場合であっても、第1,第2のチョッパ回路の動作には支障がない。
なお、前述した第1実施形態のように、整流部RE,REのみにダイオードD,Dを備えることにより、回路の簡素化・小型化・低コスト化が図れる一方、この第2実施形態のように、汎用性・入手性が高いハーフブリッジモジュールHB,HBを用いることで、低コスト化ひいては簡素化・小型化を期待することができる。従って、これらの事情に鑑み、第1実施形態または第2実施形態を適宜選択して適用すれば良い。
図3は、本発明の第3実施形態に係る電力変換装置の回路構成図である。
この実施形態では、スイッチング部SW,SWのスイッチング素子としてSi系の素子であるIGBTを用いている。
本発明においては、同期整流を行うことから、整流部RE,REにはMOSFET等の逆導通可能なスイッチング素子を使用する必要があるが、スイッチング部SW,SWのスイッチング素子は逆導通可能な素子である必要はなく、また、整流部RE,REのスイッチング素子と同種の素子である必要もない。更に、スイッチング部SW,SWのスイッチング素子は、寄生ダイオードを備えている必要がなく、また、寄生ダイオード以外のダイオードが逆並列に接続される必要もない。
本発明による低損失・高効率の効果は、スイッチング部SW,SWのスイッチング素子にワイドバンドギャップ半導体素子を使用して高周波化した場合に特に顕著なものとなるが、この第3実施形態のようにSi系の素子を用い、それに見合った相対的に低い周波数を適用する場合にも所望の効果を得ることができる。
次に、図4は、本発明の第4実施形態に係る電力変換装置の回路構成図である。この第4実施形態は、図7の降圧チョッパ回路における整流部のダイオードDに代えて、寄生ダイオードBDを有するMOSFETSWと、MOSFET SWに対し逆並列に接続されたダイオードDと、を備え、これらによって同期整流動作を行わせるものである。
また、図5は、本発明の第5実施形態に係る電力変換装置の回路構成図である。この第5実施形態は、図8の昇圧チョッパ回路における整流部のダイオードDに代えて、寄生ダイオードBDを有するMOSFETSWと、MOSFET SWに対し逆並列に接続されたダイオードDと、を備え、これらによって同期整流動作を行わせるものである。
更に、図6は、本発明の第6実施形態に係る電力変換装置の回路構成図である。この第6実施形態は、図9の昇降圧チョッパ回路における整流部のダイオードDに代えて、寄生ダイオードBDを有するMOSFETSWと、MOSFET SWに対し逆並列に接続されたダイオードDと、を備え、これらによって同期整流動作を行わせるものである。
これらの第4〜第6実施形態においても、MOSFETSWやダイオードDにSiC系、GaN系等のワイドバンドギャップ半導体からなる素子を用い、また、ダイオードDをショットキーバリアダイオードとすることにより、第1〜第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
本発明は、直流入力電圧を昇圧または降圧して出力する各種のチョッパ回路を備えた電力変換装置に適用可能であり、例えば、鉄道車両や電気自動車の電源システムや太陽光発電システムを構成するDC−DCコンバータ等に利用することができる。
1a,1b:入力端子
2a,2b:出力端子
E:直流電源
,C,C:コンデンサ
:結合リアクトル
0P,L0N:リアクトル
SW,SW:スイッチング部
RE,RE:整流部
SW,SW,SW,SW:MOSFET
BD,BD,BD,BD:寄生ダイオード
,D,D,D:ダイオード
R:負荷
HB,HB:ハーフブリッジモジュール

Claims (5)

  1. リアクトルと、半導体スイッチング素子を有するスイッチング部と、整流部と、を備え、前記リアクトル、前記スイッチング部、及び前記整流部の各一端が一つの節点に接続され、かつ、前記半導体スイッチング素子のオン・オフにより直流入力電圧を所定の大きさの直流電圧に変換して出力するチョッパ回路を、少なくとも1組以上備えた電力変換装置において、
    前記整流部が、FETと、前記FETに対して逆並列に接続された逆並列ダイオードと、を有し、前記スイッチング部のオフ期間に前記FETがオンすることにより、前記リアクトルから供給される電流を、前記FETのチャネル及び寄生ダイオードと前記逆並列ダイオードとに分流させることを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項1に記載した電力変換装置において、
    前記チョッパ回路が、昇圧チョッパ、降圧チョッパ、または昇降圧チョッパの何れかであることを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項1または2に記載した電力変換装置において、
    前記チョッパ回路が、3レベルチョッパであることを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載した電力変換装置において、
    前記FETが、ワイドバンドギャップ半導体素子からなるMOSFETであることを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載した電力変換装置において、
    前記逆並列ダイオードが、ワイドバンドギャップ半導体からなるショットキーバリアダイオードであることを特徴とする電力変換装置。
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