JP2016115613A - 防水リレー - Google Patents

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【課題】金属端子とベースとの良好な密着性が得られ、防水機能の優れた防水リレー及びその製造方法を提供する。【解決手段】 防水リレーは、射出成形前に金属端子における熱可塑性樹脂が覆う部分にクロロスルホン化ポリエチレン組成物からなる密着層を形成しておいて、射出成形時に、密着層に溶融された樹脂を密着させることにより、密着層を介して金属端子と熱可塑性樹脂とを良好に密着させるので、密着層により金属端子と熱可塑性樹脂で形成されるベースとの間に長期使用によっても隙間が形成されない。【選択図】図1

Description

本発明は、金属端子をインサート部品として熱可塑性樹脂をインサート成形して得られる防水機能が優れた防水リレー及び防水リレーの製造方法に関する。
例えば、街路灯や電子機器、通信機器等を屋外に配置する場合、その電子機器に使用される防水リレーは、シール部材などを用いた防水処理が施されたものが使用されている。また、自動車用途で使用される場合、雨や路面からの跳ね上がりの水の掛かる領域などは同じく防水機能が求められる。さらに、使用場所によっては、温度変化が大きな使用環境であっても防水機能を保つ必要がある。
一般的に防水リレーを製造する場合、主に射出成形にて熱可塑樹脂製ハウジングを成形した後、金属端子をピン打ち加工にて挿入する方法と、熱可塑性樹脂と金属端子のインサート成形を行う方法とが使用されている。特に、インサート成形で製造した場合は、射出成形工程において、熱可塑性樹脂が金属端子を押圧して成形されるため、隙間が空き難く、ピン打ち加工で製造した場合と比べて防水性能が高く、防水機能が求められる場合に用いられることが多い。
しかしながら、通常の方法でインサート成形を行った場合でも、熱可塑性樹脂と金属端子の種類によっては、線膨張係数の差によって金属端子と熱可塑性樹脂との間に大きな熱応力が発生して界面剥離が起こって隙間が発生し、防水機能が満たせないことがある。また、成形直後に防水機能を満たした場合でも、長期にわたって防水リレーを使用している間に、隙間が発生し、水の浸入によって防水リレーの機能が損なわれることがあった。この原因を解析したところ、長期間の使用中に高温環境と低温環境に繰り返し晒されることによって、線膨張係数の小さな金属端子と、線膨張係数の大きな熱可塑性樹脂との間に歪が生じて隙間が発生することが分かった。以上のことから、通常の方法でインサート成形を行った場合では防水機能を確保することは困難であるという問題があった。
これらの問題に対し、金属端子と熱可塑性樹脂との密着性を向上させて防水機能を付与したインサート成形技術として、いくつかの方法が知られている。
特開2009−144198号公報 特開2011−104787号公報
例えば、特許文献1には、インサートする金属表面を予めトリアジンチオール系表面処理剤で処理する方法が開示されている。
特許文献1に開示されるトリアジンチオール系表面処理は、金属表面に予めトリアジンチオール誘導体を含有する陽極酸化皮膜を形成する。そして、この陽極酸化皮膜上に樹脂層を形成して、陽極酸化皮膜を介して樹脂層と金属との接合を良好にしている。
しかしながら、金属表面へ陽極酸化皮膜を形成するためには、トリアジンチオール誘導体を含有する電解質水溶液を電着溶液として用いて電着して表面処理を行い、電着後に未反応のトリアジンチオール誘導体等を洗い流す必要がある。陽極酸化皮膜の電着形成後の洗浄は、陽極酸化皮膜の水和物化を防止するために洗浄温度の管理が煩雑となる。
さらに、陽極酸化皮膜と熱可塑性樹脂との接着性を良好にするためには、陽極酸化皮膜を形成してからインサート成形を行うまでの時間(オープンタイム)を短くする必要がある。そのため、インサート成形で防水リレーを成形する場合は、インサート部品である金属端子へ表面処理を行なってから成形するまでの間を注意深く管理する必要が有るので、少量多品種生産へは不向きであった。
さらに、特許文献2には、金型表面の金属部品と接触する面にポリイミドなど断熱性が高い物質による断熱層が形成された金型を用いてインサート成形を行うことにより密着性を向上させた方法が開示されている。
特許文献2に開示されているインサート成形方法では、金型表面に断熱層を形成することにより、金型内に高温の溶融樹脂が流入して金型内の金属部品の温度が急上昇した後の金属部品及び樹脂の金属部品と接触する部分の温度の低下をし難くし、樹脂と金属部品との接触部分の収縮量の差を小さくして密着性を上げるようにしている。しかしながら、この方法では全ての製品形状に対して精度良く断熱層を形成することが出来ないため、複雑な製品形状への対応は困難であり、製品形状が限定されるという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされた発明であり、その目的は、使用温度範囲が広い温度環境でも金属端子と熱可塑性樹脂との間に隙間が発生せず、表面処理後のオープンタイムが長く生産工程で制限されることなくインサート成形を行える、防水機能の高い防水リレーを提供することにある。
本発明者は、上記課題に対し、クロロスルホン化ポリエチレン組成物からなる密着層を形成した金属端子をインサート成形することによって、クロロスルホン化ポリエチレン組成物が金属端子、熱可塑性樹脂と強固に接着することにより高い密着性が得られ、この密着層が水の浸入を防ぐことを見出し、この手法で作られた防水リレーが高湿環境でも長期間正常に作動することを見出した。さらに、この防水リレーは優れた防水機能を有すること見出した。
すわなち、本発明は以下のものを提供する。
請求項1へ記載の金属端子の一部を熱可塑性樹脂製ベースで覆われる防水リレーであって、金属端子におけるベースが覆う部分へクロロスルホン化ポリエチレン組成物からなる密着層を形成して、金属端子とベースとの間に密着層を有することを特徴とする防水リレーであり、
請求項2へ記載の金属端子とベースを結合させる方法として、インサート成形金型に金属端子を配置し、型締めしてキャビティ内に熱可塑性樹脂をインサート成形する方法を用いる防水リレーの製造方法であって、インサート成形前に予め金属端子におけるベースが覆う部分へクロロスルホン化ポリエチレン組成物からなる密着層を形成し、密着層がキャビティ内に配置されるように金属端子をインサート成形金型へ装着してインサート成形を行うことを特徴とする防水リレーの製造方法であり、
請求項3へ記載の請求項2記載の防水リレーの製造方法において、予めクロロスルホン化ポリエチレン組成物を有機溶剤を用いて溶液化し、クロロスルホン化ポリエチレン組成物の溶液を金属端子におけるベースが覆う部分へ塗布した後に乾燥させて密着層を形成することを特徴とする防水リレーの製造方法である。
ここで、ハウジングが覆う部分とは、ハウジングによって、固定接点の端子部が固定される部分であり、端子部の外周部をハウジングで包埋する部分を示す。
本発明によれば、密着層はクロロスルホン化ポリエチレン組成物からなる。このクロロスルホン化ポリエチレンは耐熱性、耐寒性に優れた合成ゴムであるため、使用温度範囲が広い使用環境でも弾性を有するクロロスルホン化ポリエチレン組成物からなる密着層は金属端子と熱可塑性樹脂の線膨張係数の差による歪を吸収し隙間が発生することを防ぎ、防水機能の高い防水リレーを提供することができる。
本発明の実施の形態の防水リレーを示す断面図である
以下、本発明に係る防水リレーの実施形態の一例を、添付図面を参照しながら説明をする。
本実施形態の防水リレー1は図1に示すように、金属端子3をインサート成形してなる熱可塑樹脂製のベース2と、上記金属端子3に固定の固定接点5、および電磁石6を介して可動する可動接触片7の先端部に取付けられた可動接点8を包囲するように上記ベース2に溶着された樹脂製の密閉ケース9とから構成されている。金属端子3のベース2によって覆われる部分には、密着層4が形成されている。
本実施形態で使用する金属端子3は、図1に示すように、長尺板状のものを使用している。使用される金属端子3は、角形状や丸形状、単純な板状や複雑な折り曲げ形状など、使用目的に合わせてどのような形状であっても構わない。また、素材は銅または銅合金などの導電性金属材料を用いている。さらに、使用目的に応じてニッケル下地の金メッキや、錫メッキ、ニッケルメッキ等が施されていても構わない。金属端子3の中間部は、ベース2に埋設され、金属端子3の両端部は露出した状態になる。
本実施形態に使用される金属端子3は、ベース2で覆われる部分へ射出成形前に予め密着層4の形成を行う。本発明の密着層は、その端部がベース2からはみ出した状態になってもよいし、ベース2よりも内方に位置させてベース2で覆われた状態になってもよい。何れの場合でも、金属端子3とベース2とが密着層4に良好に密着する。
本実施形態に使用される密着層4は、クロロスルホン化ポリエチレン(以下、CSMという)と、加硫剤、加硫促進剤、受酸剤など添加剤の混合物であるCSM組成物から形成される膜である。さらに、CSM組成物はCSMの性能を有効に作用させる為に、酸化防止剤、老化防止剤、充填剤、加工助剤、軟化剤、樹脂・金属導電体に対する濡れ性を改善する濡れ性改善剤などが必要に応じて添加される。
本実施形態に使用されるクロロスルホン化ポリエチレンは、ポリエチレン、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体等へ塩素と亜硫酸ガスとを反応させ、塩素化とクロロスルホン化を行う事によってゴム状にしたものである。
本実施形態に使用される加硫剤は、例えば、酸化マグネシウム、N,N’−m−フェニレンジマレイミド等のマレイミド化合物、ジクミルペルオキシド等の有機酸化物などを用いることができる。
本実施形態に使用される加硫促進剤は、例えば、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド等のチウラム化合物、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2、2,2,4−トリメチルキノリン、ジブチルジチオカルバミン酸、2−メルカプトベンズイミダゾール等を用いることができる。
本実施形態に使用される受酸剤は、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等の金属酸化物や金属水酸化物、ハイドロタルサイト等を用いることができる。
本実施形態に使用される密着層4は、CSM組成物を有機溶剤へ溶解させた有機溶液を金属端子3の前述した位置に塗布し、乾燥させることによって形成する。有機溶媒に、CSM組成物を投入して均質になるまで攪拌して有機溶液にする。また、均質に溶解させるためにCSM組成物の混錬工程を追加しても構わない。
CSMを溶解する有機溶媒としては、CSMに対して溶解性を示す不活性な有機溶媒を用いる。具体的には、例えば、トルエン、キシレン、塩化メチレン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、メチルエチルケトンなどを用いることができる。
CSM、加硫剤、加硫促進剤、受酸剤及び酸化防止剤をより均質に混合することを目的に、予めCSM及び添加剤をロール混錬機、ニーダー、バンバリーミキサー等で添加剤が均一に混ざるまで混錬してCSM組成物固体を作製する。このCSM組成物固体を有機溶媒に溶かすと、より均質な有機溶液が作製できる。
有機溶液の塗布方法は、金属端子3がベース2に覆われる部分へ塗布できる方法であれば限定されるものではなく、はけ塗り法、エアーブラシ法、浸漬法などの塗装方法、または、パット印刷法、シルク印刷、インクジェット印刷などの印刷方法などの塗布方法を用いることができる。また、1度の塗布で目的の膜厚を確保することが望ましいが、膜厚の均一性や厚い膜厚が必要な場合は複数回塗布してもかまわない。塗装により密着層4を形成する場合には、金属端子3における密着層4を形成しない部分にマスキングをして塗装することにより、必要な部分だけ正確に密着層4を形成することができる。さらに、塗布領域に関しては、ベース2で包埋される部分全体であっても一部であっても防水機能が満たせれば構わない。
密着層4の乾燥方法は、自然乾燥、加熱乾燥のいずれかの方法が適宜選択され、乾燥時間は有機溶媒が蒸発すれば限定されないが、CSM組成物の加硫が起こらない乾燥条件で行う。また、乾燥後の金属端子3は密着層4の加硫が起こらない温度であれば、長期間保管しても構わない。
本実施形態に使用される密着層4の膜厚は、ベース2への金属端子3のインサート方法、金属端子3の形状、使用される金属端子3と熱可塑性樹脂の線膨張係数の差などによって適宜選択する必要があるが、5μm以上100μm以下の範囲が好ましい。密着層の膜厚が薄いと、温度範囲が広い際に密着効果が低く、防水効果を十分に保つことができない。また、膜厚が厚いと、インサート成形工程で密着層が押し流され、押し流された密着層が異物となったり、金型汚染の原因となったりする。さらに好ましくは10μm以上60μm以下であれば、防水機能を良好に保ち、かつインサート成形時に押し流されない膜の密着層4を形成できる。
有機溶液の濃度は、使用する有機溶媒、金属端子3への塗布方法、目的とする膜厚によって異なるが、有機溶媒100重量部に対して、CSM組成物を10重量部以上70重量部以下の範囲で有機溶液の濃度が調整される。有機溶液のCSM組成物の濃度が10重量部未満では、密着層の膜厚は薄くなり、温度範囲が広い際に密着効果が小さく、防水効果が低くなる。対して、有機溶液のCSM組成物の濃度が70重量部より高いと、膜厚が厚くなり過ぎて異物や金型汚染の原因となるためこのましくない。そのため、有機溶液を塗装工程により塗布する場合は、有機溶液のCSM組成物の濃度は、有機溶媒100重量部に対し、CSM組成物を30重量部以上70重量部以下で調整することが好ましい。また、有機溶液を印刷工程により塗布する場合は、有機溶液のCSM組成物の濃度は、有機溶媒100重量部に対し、CSM組成物を10重量部以上50重量部以下の範囲で調整することが好ましい。
本実施形態に使用されるベース2を形成するために使用される熱可塑性樹脂は、通常の射出成形法に用いられる樹脂が選択される。特に、ポリフェニレンサルファイド樹脂、液晶ポリマー、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ナイロン系樹脂は寸法精度が高く耐熱性が高いため好ましい。
本実施形態で使用される射出成型用金型は、溶融し液化した熱可塑性樹脂が注入されるキャビティ部と金属端子が保持される空間を有する一般的なインサート成形用途の金型である。CSM組成物の密着層を形成した金属端子を上述の射出成形用金型に配置し、一般的な射出成形機を用いてインサート成形を行う。
CSM組成物からなる密着層4は、溶融された樹脂と良好に密着するので、金属端子3とベース2とが密着層4を介して密着した防水リレー1が得られる。
以上のように、本実施形態の防水リレー1は、ベース2と金属端子3との間に密着層4を形成しているため、ベース2を構成する熱可塑性樹脂と金属端子3とを密着層4を介することによって良好に密着させることができる。その結果、防水リレー1のベース2と金属端子3とは密着層4を介して長期使用を行なっても良好な密着性を有し、確実な防水機能が得られる。
尚、本発明に係る防水リレーおよびその製造方法は、上記記述および図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて種々の変更を施すことが可能である。
本発明の防水リレーは、屋外で使用される電子機器や車載部品など、主に防水が要求される分野で良好に使用することが出来る。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。
製造例
(金属端子)
本実施例および比較例に使用した金属端子3は、錫メッキ処理を行った銅を用いた。
(CSM組成物の作成)
クロロスルホン化ポリエチレン(TOSO−CSM(商標登録) CM−1500:東ソー株式会社製)100重量部に対し、
加硫剤および受酸材として酸化マグネシウム(キョーワマグ150(商標登録):協和化学工業株式会社製)4重量部、
加硫促進剤としてジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(ノクセラー(商標登録)TRA:大内新興化学工業株式会社製)2重量部、
酸化防止剤としてペンタエリスリトール(ノイライザー(商標登録)P:日本合成化学株式会社製)3重量部の割合で添加して、加工温度80℃のロール混錬機で15分間混錬することによりCSM組成物を得た。
(有機溶液の作成)
トルエン(和光純薬工業株式会社製・1級)100重量部に対し、上記CSM組成物40重量部の割合で投入し、スターラーを用いて4時間撹拌し有機溶液を得た。
(密着層の形成)
金属端子3へはけ塗りによって有機溶液を塗布し、室温25℃の環境下で16時間自然乾燥して密着層4を得た。乾燥後に膜厚を測定したところ、15〜30μmであった。
(成形材料)
本実施例および比較例に使用したインサート成形品1’を形成するための成形材料は市販のポリフェニレンサルファイド(以下、PPS樹脂という)、ポリブチレンテレフタレート(以下、PBT樹脂という)を用意し、それぞれ140℃の乾燥機で3時間以上乾燥したものを用いた。それぞれの商品名に関しては表1に記載する。
(インサート成形)
図示しない射出成形機、金型によって、インサート成形を行い図1に示すベース2を作成した。主な成形条件は表1に示す。その後、図1に示すように一般的な防水リレー1を組立て下記評価方法で評価を実施した。
評価方法
(インサート成形品の防水機能評価)
得られた防水リレー1を1日間室温で保管した後、水深1mの水中で30分水没させた。その後、動作確認を行い作動不良の有無を確認した。
(ヒートサイクル試験後の防水機能評価)
得られた防水リレー1を1日間室温で保管した後、表1に示す温度環境下でヒートサイクル試験を行った。その後、この防水リレー1’を上記防水機能評価と同様の方法で評価を行った。
[実施例1]
有機溶液を金属端子3へ塗布・乾燥し密着層4を得た。この密着層4を形成した金属端子3へ表1に示すPPS樹脂を用いて表1に示す射出成形条件でインサート成形して防水リレー1を得た。得られた防水リレー110個に対して防水機能評価を行ったところ、動作不良は1つも確認されなかった。さらにヒートサイクル試験後の防水リレー110個に対して防水機能評価を行なったところ、動作不良は1つも確認されなかった。実施例1により、CSM組成物を密着層4として形成した金属端子3にPPS樹脂をインサート成形して得られた防水リレー1は、金属端子3とベース2の密着状態は良好であり、防水機能を有することを確認した。
[実施例2]
インサート成形する樹脂をPBT樹脂に変更する点以外、実施例1と同様に防水リレー1を成形した。得られた防水リレー110個に対して防水機能評価を行ったところ、動作不良は1つも確認されなかった。さらにヒートサイクル試験後の防水リレー110個に対して防水機能評価を行なったところ、動作不良は1つも確認されなかった。実施例2により、CSM組成物を密着層4として形成した金属端子3にPBT樹脂をインサート成形して得られた防水リレー1は金属端子とベース2の密着状態は良好であり、防水機能を有することを確認した。
[比較例1]
密着層4を形成しない金属端子3へPPS樹脂をインサート成形して防水リレー1を得た。得られた防水リレー110個に対して防水機能評価を行ったところ、動作不良は1つも確認されなかった。さらにヒートサイクル試験後の防水リレー110個に対して防水機能評価を行なったところ、10個中3個動作不良が確認された。比較例1により、密着層4を形成していない金属端子3にPPS樹脂をインサート成形して得られた防水リレー1は、高温環境と低温環境に繰り返し晒されることによって密着状態が悪化し、防水機能が損なわれることを確認した。
[比較例2]
密着層4を形成しない金属端子3へPBT樹脂をインサート成形して防水リレー1を得た。得られた防水リレー110個に対して防水機能評価を行ったところ、動作不良は1つも確認されなかった。さらにヒートサイクル試験後の防水リレー110個に対して防水機能評価を行なったところ、10個中2個動作不良が確認された。比較例2により、密着層4を形成していない金属端子3にPBT樹脂をインサート成形して得られた防水リレー1は、高温環境と低温環境に繰り返し晒されることによって密着状態が悪化し、防水機能が損なわれることを確認した。
実施例1、2および比較例1、2の評価結果を表2に示す。
以上の各実施例および比較例の結果から、金属端子とベースとの間にクロロスルホン化ポリエチレン組成物からなる密着層を付与する事により、防水が要求される使用環境において、長期にわたって確実な防水機能が得られるインサート成形品が作成されることを確認した。CSM組成物を密着層として形成することによって、PPS樹脂、PBT樹脂を成形樹脂としたインサート成形時に優れた密着性の改善効果があることが確認された。
1 防水リレー
2 ベース
3 金属端子
4 密着層
5 固定接点
6 電磁石
7 可動接触片
8 可動接点
9 密着ケース

Claims (3)

  1. 金属端子の一部を熱可塑性樹脂製ベースで覆われる防水リレーであって、
    金属端子におけるベースが覆う部分へクロロスルホン化ポリエチレン組成物からなる密着層を形成して、金属端子とベースとの間に密着層を有することを特徴とする防水リレー。
  2. 金属端子とベースを結合させる方法として、インサート成形金型に金属端子を配置し、型締めしてキャビティ内に熱可塑性樹脂をインサート成形する方法を用いる防水リレーの製造方法であって、
    インサート成形前に予め金属端子におけるベースが覆う部分へクロロスルホン化ポリエチレン組成物からなる密着層を形成し、密着層がキャビティ内に配置されるように金属端子をインサート成形金型へ装着してインサート成形を行うことを特徴とする防水リレーの製造方法。
  3. 請求項2記載の防水リレーの製造方法において、
    予めクロロスルホン化ポリエチレン組成物を有機溶剤を用いて溶液化し、クロロスルホン化ポリエチレン組成物の溶液を金属端子におけるベースが覆う部分へ塗布した後に乾燥させて密着層を形成することを特徴とする防水リレーの製造方法。
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