JP2016114748A - カラーフィルタ用顔料組成物及びカラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ用顔料組成物及びカラーフィルタ Download PDF

Info

Publication number
JP2016114748A
JP2016114748A JP2014252899A JP2014252899A JP2016114748A JP 2016114748 A JP2016114748 A JP 2016114748A JP 2014252899 A JP2014252899 A JP 2014252899A JP 2014252899 A JP2014252899 A JP 2014252899A JP 2016114748 A JP2016114748 A JP 2016114748A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color filter
organic pigment
parts
pigment
pigment composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014252899A
Other languages
English (en)
Inventor
頌悟 山田
Shogo Yamada
頌悟 山田
育郎 清都
Ikuro Kiyoto
育郎 清都
博 松沢
Hiroshi Matsuzawa
博 松沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
DIC Corp
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DIC Corp, Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical DIC Corp
Priority to JP2014252899A priority Critical patent/JP2016114748A/ja
Publication of JP2016114748A publication Critical patent/JP2016114748A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Abstract

【課題】カラーフィルタ作成時の高温での熱履歴を受けた後も輝度が高く、なおかつ熱履歴を受けた前後の色相変化が小さい画像が得ることができるカラーフィルタ用有機顔料組成物、その製造方法及び当該顔料組成物を画素部に含有するカラーフィルタを提供する。【解決手段】質量換算で有機顔料(A)100部当たり、ポリシロキサン重合体とポリシロキサン以外の重合体からなる複合樹脂(B)0.1〜15部を含有することを特徴とするカラーフィルタ用有機顔料組成物、および該カラーフィルタ有機顔料組成物を画素部に含有することを特徴とするカラーフィルタ。【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルタ作成時の高温での熱履歴を受けた後も輝度が高く、なおかつ熱履歴を受けた前後の色相変化が小さい画像が得ることができるカラーフィルタ用有機顔料組成物、その製造方法及び当該顔料組成物を画素部に含有するカラーフィルタに関する。
液晶表示装置のカラーフィルタは、赤色画素部(R)、緑色画素部(G)及び青色画素
部(B)を有する。これらの各画素部は、いずれも有機顔料が分散した合成樹脂の薄膜が基板上に設けられた構造であり、有機顔料としては、赤、緑及び青の各色の有機顔料が用いられている。
カラーフィルタを作成する際の有機顔料は、従来の汎用用途とは全く異なる特性、具体的には、液晶表示装置の表示画面がよりハッキリ見える様にする(高コントラスト化)、或いは、同じく表示画面がより明るくなる様にする(高輝度化)等の要求がある。この様な要求に応じるため、平均一次粒子径が100nm以下となる様に微細化された粉体の有機顔料が多用されている。
しかし、一方この様に微細化が進むほど、顔料の表面積が大きくなることで、表面エネルギーが増大し、カラーフィルタ作成時の熱履歴により有機顔料の凝集が起こり、結果として、輝度、コントラストが低下するという問題がある。
そこで、耐熱性を付与させるため、有機顔料誘導体や界面活性剤や合成樹脂による表面処理がよく行われる。この表面処理により、何も表面処理をされていない有機顔料の分散性や分散安定性、耐熱性を向上させることが出来る。
表面処理の手法としては、混練法、酸・アルカリ析出法、加圧加熱法等が知られている。具体的には、アクリル樹脂の存在下で有機顔料をソルベントソルトミリングする方法などが知られている。
有機顔料の合成樹脂による表面処理については、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等といった、大括りのポリマーのカテゴリー別には検討がなされているが、具体的にどの様なカテゴリーのポリマーが分散性や分散安定性での改良効果が高いのか、及び同じカテゴリーのポリマー内でどの様な構造のポリマーが、選択的に、最も前記改良効果が高いのかについては、体系的な検討が行われているわけではなく、不明な点も多い。
しかしながら、微細な有機顔料は、汎用有機顔料よりも凝集しやすいことから、必ずしも、汎用用途で用いられている有機顔料の表面処理の手法によって、どの様な合成樹脂を用いて表面処理しても、期待した通りの改良効果が得られるわけではなく、試行錯誤によって、最適なカテゴリーで最適な構造の合成樹脂を選択しているのが実態である。
具体的には、例えば、カラーフィルタ用カラーレジストの調製に用いる有機顔料の表面処理方法としては、ロジンエステルと有機顔料をソルベントソルトミリングする方法が知られている(特許文献1)。また、有機顔料の表面処理に用いられる合成樹脂としては、エポキシ基および/またはα−クロロヒドリン基を含有し、かつ側鎖の炭素原子数が異なる(メタ)アクリル酸エステル2種以上の単量体を含む単量体混合物を重合して得られた重合体が知られている(特許文献2)。
特開平8−179111号公報 特開2013−228714号公報
しかしながら、上記したソルベントソルトミリングによって、上記したエポキシ基および/またはα−クロロヒドリン基を含有し、かつ側鎖の炭素原子数が異なる(メタ)アクリル酸エステル2種以上の単量体を含む単量体混合物を重合して得られた重合体を顔料表面に処理した有機顔料は、日進月歩で改良が求められている光学特性の要求レベルを達成するには、依然として輝度、耐熱性が不足している。
本発明は、カラーフィルタ作成時の高温での熱履歴を受けた後も輝度が高く、なおかつ熱履歴を受けた前後の色相変化が小さい画像が得ることができるカラーフィルタ用有機顔料組成物、その製造方法及び当該顔料組成物を画素部に含有するカラーフィルタを提供する。
そこで、本発明者らは上記課題を解決すべく、各種の合成樹脂を用いて有機顔料の表面処理効果を鋭意検討したところ、ポリシロキサン重合体と、ポリシロキサン以外の重合体からなる複合樹脂で表面処理を行うと、上記した欠点が解消された着色物が得られること、特に、製造工程或いは使用条件で高温に長時間曝される様な液晶表示装置に用いられるカラーフィルタにおいて、輝度と耐熱性に優れた液晶表示が可能なカラーフィルタとなることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、質量換算で有機顔料(A)100部当たり、ポリシロキサン重合体とポリシロキサン以外の重合体からなる複合樹脂(B)0.1〜15部を含有することを特徴とするカラーフィルタ用有機顔料組成物。
また、前記複合樹脂(B)が、前記有機顔料(A)の顔料粒子表面に処理されていることを特徴とするカラーフィルタ用有機顔料組成物。
また、前記複合樹脂(B)が、加水分解性シリル基および酸基を併有する重合体の存在下に、一分子中に少なくとも2個の、珪素原子に結合した加水分解性基を有する珪素化合物の加水分解縮合反応を行なうことにより得られる複合樹脂であるカラーフィルタ用有機顔料組成物。
また、前記複合樹脂(B)が、親水性基含有ポリウレタンとビニル重合体とが前記ポリシロキサンを介して結合した複合樹脂であるカラーフィルタ用有機顔料組成物。
また、前記ポリシロキサン重合体が、シラノール基および/または加水分解性シリル基、並びに重合性二重結合を有するポリシロキサン重合体である複合樹脂(B)であるカラーフィルタ用有機顔料組成物。
また、前記樹脂(B)と有機顔料(A)をソルベントソルトミリングするカラーフィルタ用有機顔料組成物の製造方法。
また、前記カラーフィルタ用有機顔料組成物を、画素部に含有することを特徴とするカラーフィルタ。
更に、前記カラーフィルタ用有機顔料組成物の製造方法で得られたカラーフィルタ用有機顔料組成物を、画素部に含有することを特徴とするカラーフィルタに関するものである。
本発明の有機顔料組成物は、有機顔料(A)と特定の複合樹脂(B)とを所定割合で含有していることから、熱履歴を長時間に亘り受けても着色物の色差が小さい、すなわち着色の耐熱性に優れた着色物が得られるという格別顕著な技術的効果を奏する。
また本発明の有機顔料組成物の製造方法は、上記した有機顔料組成物が簡便に得られるという格別顕著な技術的効果を奏する。
更に本発明のカラーフィルタは、上記した有機顔料組成物又は上記した製造方法にて得られた有機顔料組成物を画素部に含有することから、輝度により優れた液晶表示が可能であるという格別顕著な技術的効果を奏する。
本発明の有機顔料組成物は、質量換算で有機顔料(A)100部当たり、ポリシロキサン重合体とポリシロキサン以外の重合体からなる複合樹脂(B)0.1〜15部を含有することを特徴とする。
有機顔料(A)としては、公知慣用のものがいずれも挙げることができる。例えば、フタロシアニン顔料、ジオキサジン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、スレン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、フタロン顔料、イソインドリン顔料、イソインドリノン顔料、メチン・アゾメチン顔料、アントラキノン顔料、チオインジゴ顔料、金属錯体顔料またはジケトピロロピロール顔料等の有機顔料を挙げることができ、フタロシアニン顔料としては、銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、コバルトフタロシアニン、ニッケルフタロシアニン、鉄フタロシアニン等、およびそれらのフタロシアニンをハロゲン化したハロゲン化フタロシアニン、アゾ顔料としてはアゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料等、アントラキノン顔料としては、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等、または、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラック、その他有機顔料全般を用いることができる。
具体的に、キナクリドン顔料としては、例えばC.I.Pigment Violet 19、同42、C.I.Pigment Red 122、同202、同206、同207、同209、C.I.Pigment Orange 48、同49等の顔料が挙げられる。
フタロシアニン顔料としては、例えばC.I.Pigment Blue 15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6、同16、C.I.Pigment Green 7、同36、同58、同59等の顔料が挙げられる。
スレン顔料としては、例えばC.I.Pigment Blue 60、C.I.Pigment Yellow 24、同108、C.I.Pigment Red 168、同177、C.I.Pigment Orange 40等の顔料が挙げられる。
ペリレン・ペリノン顔料としては、例えばC.I.Pigment Violet 29、C.I.Pigment Red 123、同149、同178、同179、C.I.Pigment Black 31、同32、C.I.Pigment Orange 43等の顔料が挙げられる。
フタロン顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 138等の顔料が挙げられる。
ジオキサジン顔料としては、例えばC.I.Pigment Violet 23、同37、C.I.Pigment Blue 80等の顔料が挙げられる。
イソインドリノン顔料としては、例えばC.I.Pigment Yellow 109、同110、同173、C.I.Pigment Orange 61等の顔料が挙げられる。
メチン・アゾメチン顔料としては、例えばC.I.Pigment Yellow 139、同185、C.I.Pigment Orange 66、C.I.PigmentBrown 38等の顔料が挙げられる。
金属錯体顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 150、129、C.I.Pigment Orange 68、C.I.Pigment Red 257等の顔料が挙げられる。
ジケトピロロピロール顔料としては、例えばC.I.Pigment Red 254、同255、C.I.Pigment Orange 71、72等の顔料がある。
アゾレーキ顔料としては、例えばC.I.Pigment Red 48:1、同48:2、同48:3、同48:4、同48:5、同49:1、同49:2、同49:3、同50:1、同51:1、同52:1、同52:2、同53:1、同57:1、同58:2、同58:4、同60:1、同63:1、同63:2、同64:1、同200、同211、同238、同239、同240、同243、同245、同247、C.I.Pigment Yellow 61、同62:1、同104、同133、同168、同169、同183、同190、同191、C.I.Pigment Orange 17、同17:1、同19、同46等の顔料が挙げられる。
不溶性アゾ顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、同3、同12、同13、同14、同17、同55、同73、同74、同81、同83、同97、同130、同151、同152、同154、同156、同165、同166、同167、同170、同171、同172、同174、同175、同176、同180、同181、同188、C.I.Pigment Orange 16、同36、同60、C.I.Pigment Red 5、同22、同31、同112、同146、同150、同171、同175、同176、同183、同185、同208、同213、C.I.PigmentViolet 43、同44、C.I.Pigment Blue 25、同26等の顔料が挙げられる。
縮合アゾ顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 93、同94、同95、同128、同166、C.I.Pigment Orange 31、C.I.Pigment Red 144、同166、同214、同220、同221、同242、同248、同262、C.I.Pigment Brown 41、同42等の顔料がある。
本発明における有機顔料(A)は、カラーフィルタとして高輝度、高コントラストが要求されるため、一次粒子の平均粒子径100nm以下であることが好ましく、さらには、80nm以下であると、より鮮明な着色物を得られやすいのでより好ましい。一方で、粒子径が小さい有機顔料(A)ほど一般的に耐熱性が低い場合が多いので、鮮明性を損なわずに何等かの手段で耐熱性を改良することが必要となる。
本発明において一次粒子の平均粒子径とは、次の様に測定される。まず、透過型電子顕微鏡または走査型電子顕微鏡で視野内の粒子を撮影する。そして、二次元画像上の、凝集体を構成する一次粒子の50個につき、個々の粒子の内径の最長の長さ(最大長)を求める。個々の粒子の最大長の平均値を一次粒子の平均粒子径とする。
また、本発明におけるポリシロキサン重合体とポリシロキサン以外の重合体からなる複合樹脂(B)としても、公知慣用のものをいずれも用いることができる。
本発明における複合樹脂(B)は、加水分解性シリル基(b−1)および酸基を併有する重合体(b−2)の存在下に、一分子中に少なくとも2個の、珪素原子に結合した加水分解性基を有する珪素化合物(b−3)の加水分解縮合反応を行なうことにより得られる複合樹脂であっても良い。さらには、加水分解性シリル基および酸基と、これらの両基以外の官能基(b−4)とを併有する重合体の存在下に、一分子中に少なくとも2個の、珪素原子に結合した加水分解性基を有する珪素化合物の加水分解縮合反応を行なうことにより得られる複合樹脂であっても良い。
前記した、加水分解性シリル基および酸基なるこれらの両基以外の官能基(b−4)は、水酸基、ブロックされた水酸基、3級アミノ基、シクロカーボネート基、エポキシ基、1級アミド基、2級アミド、カーバメート基および次のような一般式(I)
Figure 2016114748
で示される官能基であっても良い。
また、前記した加水分解性シリル基(b−1)はアルコキシシリル基であっても良く、また、前記した一分子中に少なくとも2個の、珪素原子に結合した加水分解性基を有する珪素化合物(b−3)が、テトラアルコキシシラン、オルガノトリアルコキシシランおよびジオルガノジアルコキシシランよりなる群から選ばれる、少なくとも1種のアルコキシシランであっても良く、また、前記した珪素原子に結合した加水分解性基がアルコキシ基であっても良い。
また、前記した重合体(b−2)はビニル系重合体であっても良く、さらにビニル系重合体がアクリル系重合体であっても良い。
本発明における複合樹脂(B)は、親水性基含有ポリウレタン(b−5)とビニル重合体(b−6)とがポリシロキサン(b−7)を介して結合した複合樹脂であっても良い。
前記親水性基含有ポリウレタン(b−5)は、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオールからなる群より選ばれる1種以上と親水性基含有ポリオールとを含むポリオール及びポリイソシアネートを反応させて得られるものであっても良い。
また、前記親水性基含有ポリウレタン(b−5)と前記ビニル重合体(b−6)との質量割合が1/1〜1/20の範囲であっても良い。
また、前記親水性基含有ポリウレタン(b−5)と前記ポリシロキサン(b−7)との結合が、前記親水性基含有ポリウレタン(b−5)の有する加水分解性シリル基及び/またはシラノール基と前記ポリシロキサン(b−7)の有する加水分解性シリル基及び/またはシラノール基との反応によって形成されるものであり、かつ前記ビニル重合体(b−6)と前記ポリシロキサン(b−7)との結合が、前記ビニル重合体(b−6)の有する加水分解性シリル基及び/またはシラノール基と前記ポリシロキサン(b−7)の有する加水分解性シリル基及び/またはシラノール基との反応によって形成されるものであっても良い。
また、前記ビニル重合体(b−6)は、加水分解性シリル基含有ビニル単量体及びシラノール基含有ビニル単量体からなる群より選ばれる1種以上を含むビニル単量体を重合して得られるものであっても良く、また、前記ポリシロキサン(b−7)が、珪素原子に結合した芳香族環式構造、珪素原子に結合した炭素原子数1〜3個を有するアルキル基、及び珪素原子に結合した炭素原子数1〜3個を有するアルコキシ基からなる群より選ばれる1種以上を有するものであっても良い。
さらに、本発明における複合樹脂(B)のポリシロキサン重合体が、シラノール基および/または加水分解性シリル基、並びに重合性二重結合を有するポリシロキサン重合体(b−8)であっても良い。
また、前記ポリシロキサン重合体(b−8)が下記一般式(II)および/または一般式(III)で表される構造単位を有するポリシロキサン重合体であっても良い。
Figure 2016114748
Figure 2016114748
(前記一般式(II)及び(III)中、R、R31及びR32は、それぞれ独立して炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子数が3〜8のシクロアルキル基、アリール基または炭素原子数が7〜12のアラルキル基を示す。)
また、前記ポリシロキサン重合体(b−8)が、重合性二重結合をポリシロキサン重合体の重量を基準として1〜40重量%含有するポリシロキサン重合体であってもよい。
本発明の有機顔料組成物は、質量換算で有機顔料(A)100部当たり、ポリシロキサン重合体とポリシロキサン以外の重合体からなる複合樹脂(B)0.1〜15部を含有することを特徴とするが、中でも有機顔料(A)100部当たり2〜14部、特に3〜13部の複合樹脂(B)を含有させることより、本発明における技術的効果、被着色媒体への分散性や分散安定性等のその他の技術的効果、経済性等の最もバランスが取れた有機顔料組成物と出来るので好ましい。
この様な本発明の有機顔料組成物は、有機顔料(A)と複合樹脂(B)とを任意の手段で混合することで調製することが出来る。簡便な調製方法としては、例えば、有機顔料(A)と複合樹脂(B)とを混合する方法、複合樹脂(B)の液媒体溶液中に有機顔料(A)を混合し攪拌し、濾過乾燥する方法等がある。
しかしながら、本発明者らは、前記した簡便な調製方法に比べて、より有機顔料(A)と複合樹脂(B)の強い相互作用が期待できる方法、具体的には、ポリシロキサン重合体とポリシロキサン以外の重合体からなる複合樹脂(B)の存在下で有機顔料(A)をソルベントソルトミリングすることで調製された有機顔料組成物の方が、前記した簡便な方法で調製された有機顔料組成物に比べて、より大きな耐熱性改良効果が奏されることを見出した。以下、この調製方法をソルベントソルトミリング法と称する。
本発明の上記した調整方法は、有機顔料(A)として、フタロシアニン顔料、ジオキサジン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、スレン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、フタロン顔料、イソインドリン顔料、イソインドリノン顔料、メチン・アゾメチン顔料、アントラキノン顔料、チオインジゴ顔料、金属錯体顔料またはジケトピロロピロール顔料等の有機顔料を挙げることができ、フタロシアニン顔料としては、銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、コバルトフタロシアニン、ニッケルフタロシアニン、鉄フタロシアニン等、およびそれらのフタロシアニンをハロゲン化したハロゲン化フタロシアニン、アゾ顔料としてはアゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料等、アントラキノン顔料としては、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等、または、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラック、その他有機顔料全般を得るのに、特に優れた製造方法である。
ソルベントソルトミリング法について説明する。ソルベントソルトミリング法によれば、有機顔料(A)と複合樹脂(B)を、水溶性無機塩と水溶性有機溶剤で機械的応力を加えて混練することで、有機顔料(A)の粒子径を微細にすると共に、粒子形状を略立方体状にした上で、複合樹脂(B)を均一かつ確実に有機顔料(A)の表面に被覆することができる。
このソルベントソルトミリングは、具体的には、有機顔料と、水溶性無機塩と、それを溶解しない水溶性有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練摩砕が行われる。
ソルベントソルトミリング法にて、有機顔料(A)と複合樹脂(B)とから有機顔料組成物を調製する場合、最終的に得られる有機顔料組成物が、有機顔料(A)100部当たり複合樹脂(B)0.1〜15部となる様に、両者が仕込まれるが、有機顔料(A)と複合樹脂(B)との間の吸着を含む相互作用が強いことから、仕込んだ複合樹脂(B)は、ほとんど流出することなく、有機顔料(A)にとどまる。
水溶性無機塩としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。また、平均粒子径0.5〜50μmの無機塩を用いることがより好ましい。この様な無機塩は、通常の無機塩を微粉砕することにより容易に得られる。
また、当該無機塩の使用量は、質量換算で有機顔料(A)1部に対して2〜20部とするのが好ましく、4〜16部とするのがより好ましく、6〜12部とするのがさらに好ましい。
水溶性有機溶剤としては、結晶成長を抑制し得るものが好適に使用でき、例えばジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1−メトキシ−2−プロパノール等を用いることができるが、エチレングリコール又はジエチレングリコールが好ましい。
当該水溶性有機溶剤の使用量は、特に限定されるものではないが、質量換算で有機顔料(A)1部に対して0.01〜5部が好ましい。
混練温度は、0〜150℃の間で行うことが好ましい。後記する耐熱性、コントラスト等の低下も少なくすることが出来るので、こうして得られた有機顔料組成物は、カラーフィルタ用として好ましい。
この混練に用いる装置としては、ニーダー、ミックスマーラー、特開2007−100008公報に記載のプラネタリー型ミキサーである井上製作所株式会社製のトリミックス(商標名)や、特開平4−122778号公報に記載の連続式二軸押出機や、特開2006−306996号公報に記載の連続式一軸混練機である浅田鉄工株式会社製のミラクルKCK等を用いることができる。
ソルベントソルトミリング法において、液媒中での加熱や加熱混練が行なわれた混合物は、例えば冷却し、そこから液媒体を除去し、必要に応じて、固形物を洗浄、濾過、乾燥、粉砕等をすることにより、有機顔料(A)と複合樹脂(B)とを含有する本発明の有機顔料組成物の粉体を得ることが出来る。
洗浄としては、水洗、湯洗のいずれも採用することができる。洗浄回数は、1〜5回の範囲で繰り返すことも出来る。洗浄することで、有機顔料(A)に吸着していない複合樹脂(B)を容易に除去することが出来る。必要であれば、結晶状態を変化させない様に、酸洗浄、アルカリ洗浄、溶剤洗浄を行ってもよい。有機顔料組成物に含有された、有効成分である、複合樹脂(B)の量(いわゆる歩留まり)は、例えば有機顔料組成物の溶媒抽出による複合樹脂抽出量から、或いは、仕込複合樹脂(B)に対する濾液中の流出量から求めることが出来る。
上記した濾別、洗浄後の乾燥としては、例えば、乾燥機に設置した加熱源による80〜120℃の加熱等により、顔料の脱水及び/又は脱溶剤をする回分式あるいは連続式の乾燥等が挙げられ、乾燥機としては一般に箱型乾燥機、バンド乾燥機、スプレードライヤー等がある。特にスプレードライ乾燥はペースト作成時に易分散であるため好ましい。また、乾燥後の粉砕は、比表面積を大きくしたり一次粒子の平均粒子径を小さくするための操作ではなく、例えば箱型乾燥機、バンド乾燥機を用いた乾燥の場合のように顔料がランプ状等のとなった際に顔料を解して粉末化するために行うものであり、例えば、乳鉢、ハンマーミル、ディスクミル、ピンミル、ジェットミル等による粉砕等が挙げられる。こうして、有機顔料(A)と複合樹脂(B)とを含有する有機顔料組成物を主成分として含む乾燥粉末が得られる。
本発明における有機顔料組成物は、液媒体中への分散性、分散安定性が高く、顔料分散液の粘度は低く、かつ微細な粒子に分散していることからニュートン流動性も高いまま安定し、例えばこれからカラーフィルタ画素部を製造した場合には、均質な塗膜を形成して輝度、コントラストおよび光透過率のいずれもが高いカラーフィルタを得ることができる。
こうして得られた本発明の有機顔料組成物は、被着色媒体を着色した際の着色物は鮮明で彩度に優れ、熱履歴を長時間に亘り受けても着色物の色相が大きく変化せずに耐熱性に優れている。従って、カラーフィルタの画素部の着色をはじめとして、塗料、プラスチック、印刷インク、ゴム、レザー、捺染、電子写真用トナー、インクジェットインキ、熱転写インキなどの着色にも適する。
更には、本発明の有機顔料組成物には、有機顔料(A)のスルホン酸誘導体、同N−(ジアルキルアミノ)メチル誘導体、同N−(ジアルキルアミノアルキル)スルホン酸アミド誘導体、同フタルイミドアルキル誘導体等の有機顔料誘導体等や、ビックケミー社のディスパービック130、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック170、ディスパービック171、ディスパービック174、ディスパービック180、ディスパービック182、ディスパービック183、ディスパービック184、ディスパービック185、ディスパービック2000、ディスパービック2001、ディスパービック2020、ディスパービック2050、ディスパービック2070、ディスパービック2096、ディスパービック2150、ディスパービックLPN21116、ディスパービックLPN6919エフカ社のエフカ46、エフカ47、エフカ452、エフカLP4008、エフカ4009、エフカLP4010、エフカLP4050、LP4055、エフカ400、エフカ401、エフカ402、エフカ403、エフカ450、エフカ451、エフカ453、エフカ4540、エフカ4550、エフカLP4560、エフカ120、エフカ150、エフカ1501、エフカ1502、エフカ1503、ルーブリゾール社のソルスパース3000、ソルスパース9000、ソルスパース12000、ソルスパース13240、ソルスパース13650、ソルスパース13940、ソルスパース17000、18000、ソルスパース20000、ソルスパース21000、ソルスパース20000、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルスパース28000、ソルスパース32000、ソルスパース36000、ソルスパース37000、ソルスパース38000、ソルスパース41000、ソルスパース42000、ソルスパース43000、ソルスパース46000、ソルスパース54000、ソルスパース71000、味の素株式会社のアジスパーPB711、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB814、アジスパーPN411、アジスパーPA111等の分散剤や、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキッド系樹脂、ウッドロジン、ガムロジン、トール油ロジン等の天然ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、水添ロジン、酸化ロジン、マレイン化ロジン等の変性ロジン、ロジンアミン、ライムロジン、ロジンアルキレンオキシド付加物、ロジンアルキド付加物、ロジン変性フェノール等のロジン誘導体等の、室温で液状かつ水不溶性の合成樹脂を含有させることが出来る。これら分散剤や、樹脂の添加は、フロッキュレーションの低減、顔料の分散安定性の向上、分散体の粘度特性を向上にも寄与する。
本発明の有機顔料組成物は、公知慣用の用途にいずれも使用できるが、カラーフィルタの画素部に含有させる場合には、それは、特に一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.10μmであると、顔料凝集も比較的弱く、着色すべき合成樹脂等への分散性がより良好となる。
上記した本発明の有機顔料組成物又は本発明の製造方法で得られた有機顔料組成物を、カラーフィルタのR,G,Bの各色の画素部に含有させることで、カラーフィルタとすることが出来る。具体的には、例えばC.I.ピグメントレッド254の様なジケトピロロピロール顔料を含有する本発明の有機顔料組成物からはR画素が、C.I.ピグメントグリーン36や同58の様なハロゲン化金属フタロシアニン顔料を含有する本発明の有機顔料組成物からはG画素が、C.I.ピグメントブルー15:6の様な金属フタロシアニン顔料を含有する本発明の有機顔料組成物からはB画素を得ることが出来る。
上記した通り、本発明の有機顔料組成物は、公知の方法でカラーフィルタのR,G,B各色画素部のパターンの形成に用いることが出来る。典型的には、本発明のカラーフィルタ用顔料組成物と、感光性樹脂とを必須成分して含むカラーフィルタ画素部用感光性組成物を得ることが出来る。
カラーフィルタの製造方法としては、例えば、本発明の有機顔料組成物を感光性樹脂からなる分散媒に分散させた後、スピンコート法、ロールコート法、インクジェット法等でガラス等の透明基板上に塗布し、ついでこの塗布膜に対して、フォトマスクを介して紫外線によるパターン露光を行った後、未露光部分を溶剤等で洗浄して各色パターンを得る、フォトリソグラフィーと呼ばれる方法が挙げられる。
その他、電着法、転写法、ミセル電解法、PVED(Photovoltaic Electrodeposition)法の方法で各色画素部のパターンを形成して、カラーフィルタを製造してもよい。本発明の有機顔料組成物は、熱履歴を受けても色相変化が小さいため、例えば、ベーキングを工程に含む様なカラーフィルタの製造方法においては、極めて有用である。
カラーフィルタ画素部用感光性組成物を調製するには、例えば、本発明の有機顔料組成物と、感光性樹脂と、光重合開始剤と、前記樹脂を溶解する有機溶剤とを必須成分として混合する。その製造方法としては、本発明の有機顔料組成物と有機溶剤と必要に応じて分散剤を用いて分散液を調製してから、そこに感光性樹脂等を加えて調製する方法が一般的である。
必要に応じて用いる分散剤としては、例えばビックケミー社のディスパービック(Disperbyk登録商標)130、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック170、エフカ社のエフカ46、エフカ47等が挙げられる。また、レベンリグ剤、カップリング剤、カチオン系の界面活性剤なども併せて使用可能である。
有機溶剤としては、例えばトルエンやキシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物のようなカルバミン酸エステル、水等がある。有機溶剤としては、特にプロピオネート系、アルコール系、エーテル系、ケトン系、窒素化合物系、ラクトン系、水等の極性溶媒で水可溶のものが適している。
本発明の有機顔料組成物100質量部当たり、300〜1000質量部の有機溶剤と、必要に応じて0〜200質量部の分散剤及び/又は0〜20質量部の顔料誘導体とを、均一となる様に攪拌分散して分散液を得ることができる。次いでこの分散液に、本発明の有機顔料組成物1質量部当たり、0.5〜20質量部の感光性樹脂、感光性樹脂1質量部当たり0.05〜3質量部の光重合開始剤と、必要に応じてさらに有機溶剤を添加し、均一となる様に攪拌分散してカラーフィルタ画素部用感光性組成物を得ることができる。
この際に使用可能な感光性樹脂としては、例えばウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド酸系樹脂、ポリイミド系樹脂、スチレンマレイン酸系樹脂、スチレン無水マレイン酸系樹脂等の熱可塑性樹脂や、例えば1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ビス(アクリロキシエトキシ)ビスフェノールA、3−メチルペンタンジオールジアクリレート等のような2官能モノマー、トリメチルロールプロパトントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等のような多官能モノマー等の光重合性モノマーが挙げられる。
光重合開始剤としては、例えばアセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、ベンゾイルパーオキサイド、2−クロロチオキサントン、1,3−ビス(4'−アジドベンザル)−2−プロパン、1,3−ビス(4'−アジドベンザル)−2−プロパン−2'−スルホン酸、4,4'−ジアジドスチルベン−2,2'−ジスルホン酸等がある。
こうして調製されたカラーフィルタ画素部用感光性組成物は、フォトマスクを介して紫外線によるパターン露光を行った後、未露光部分を有機溶剤やアルカリ水等で洗浄することによりカラーフィルタとなすことができる。
以下、調整例、合成例、実施例、比較例を用いて、本発明を具体的に示す。これらの例中、「部」は「重量部」を、「%」は質量パーセントを意味するものとする。
(調整例1)[中間体(B’−1−1)の合成]
攪拌機、温度計、冷却管および窒素導入管を装備した4つ口フラスコに、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(和光純薬工業株式会社製)36部、イソプロピルアルコール(和光純薬工業株式会社製)80部、フェニルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製)32部、及びジメチルジメトキシシラン(信越化学工業株式会社製)19部を仕込んで、80℃まで昇温した。次いで、同温度で、メチルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)9部、n−ブチルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)86部、n−ブチルアクリレート(和光純薬工業株式会社製)67部、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製)14部、アクリル酸(和光純薬工業株式会社製)16部、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(和光純薬工業株式会社製)14部及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油株式会社製)14部を含有する混合液を、前記反応容器中へ4時間で滴下した後、更に同温度で2時間反応させることで、カルボキシル基と加水分解性シリル基とを有する数平均分子量13,100のビニル重合体1を得た。
[数平均分子量の測定]
なお、本発明における数平均分子量(ポリスチレン換算)の測定はGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によって行い、東ソー株式会社製HLC8220システムを用い以下の条件で行った。
分離カラム:TSKgelGMHHR−N(東ソー株式会社製)を4本使用。カラム温度:40℃。移動層:テトラヒドロフラン(和光純薬工業株式会社製)。流速:1.0ml/分。試料濃度:1.0重量%。試料注入量:100マイクロリットル。検出器:示差屈折計。
次いで、前記ビニル重合体1の有機溶剤溶液を含む反応容器中に、「A−3」〔堺化学(株)製のiso−プロピルアシッドホスフェート〕0.9部と脱イオン水24部とを含む混合液を、5分間で滴下し、更に80℃で10時間攪拌し加水分解縮合反応させることによって、前記ビニル重合体1の有する加水分解性シリル基に、フェニルトリメトキシシラン及びジメチルジメトキシシラン由来のポリシロキサンが結合した樹脂よりなる中間体(B’−1−1)を得た。
(調整例2)[中間体(B’−1−2)の合成]
攪拌機、温度計、冷却管および窒素導入管を装備した4つ口フラスコに、メチルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製)1421部を仕込んで、60℃まで昇温し、反応容器中に「A−3」〔堺化学(株)製のiso−プロピルアシッドホスフェート〕0.17部と脱イオン水207部との混合液を5分間で滴下した後、80℃の温度で4時間攪拌して加水分解縮合反応させた。 前記加水分解縮合反応によって得られた縮合物を、温度40〜60℃及び300〜10mmHgの減圧下(メタノールの留去開始時の減圧条件が300mmHgで、最終的に10mmHgとなるまで減圧する条件を言う。)で蒸留し前記反応過程で生成したメタノール及び水を除去することによって、数平均分子量1,000のメチルトリメトキシシランの縮合物よりなる中間体(B’−1−2)を含む混合液(有効成分70%)を得た。なお、前記有効成分とは、メチルトリメトキシシラン等のシランモノマーのメトキシ基が全て縮合反応した場合の理論収量(質量部)を、縮合反応後の実収量(質量部)で除した値〔シランモノマーのメトキシ基が全て縮合反応した場合の理論収量(質量部)/縮合反応後の実収量(質量部)〕により算出したものである。
(調整例3)[中間体(B’−2−1)の合成]
攪拌機、温度計、冷却管および窒素導入管を装備した4つ口フラスコに、数平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコール(三菱化学株式会社製PTMG−2000)122部、イソホロンジイソシアネート(和光純薬工業株式会社製)51部を仕込んで100℃まで昇温し、同温度で1時間反応させた。次いで、温度を80℃に下げ、ジメチロールプロピオン酸(和光純薬工業株式会社製)10部、ネオペンチルグリコール(和光純薬工業株式会社製)4部、及びメチルエチルケトン(和光純薬工業株式会社製)94部を、前記反応容器中へ投入した後、更に80℃で5時間反応させた。次いで、温度を50℃に下げ、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製)23部、及びイソプロピルアルコール(和光純薬工業株式会社製)221部を前記反応容器中へ投入し反応させることで、カルボキシル基と加水分解性シリル基とを有する数平均分子量が7,500のポリウレタンよりなる中間体(B’−2−1)を得た。
(調整例4)[中間体(B’−2−2)の合成]
攪拌機、温度計、冷却管および窒素導入管を装備した4つ口フラスコに、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(和光純薬工業株式会社製)125部、フェニルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製)168部及びジメチルジメトキシシラン(信越化学工業株式会社製)102部を仕込んで、80℃まで昇温した。次いで、同温度で、メチルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)38部、n−ブチルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)24部、n−ブチルアクリレート(和光純薬工業株式会社製)36部、アクリル酸(和光純薬工業株式会社製)24部、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製)4部、54部及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油株式会社製)6部を含有する混合液を、前記反応容器中へ4時間で滴下した後、更に同温度で2時間反応させることによって、カルボキシル基と加水分解性シリル基とを有する数平均分子量10,200のビニル重合体2を得た。
次いで、「A−3」〔堺化学(株)製のiso−プロピルアシッドホスフェート〕2.7部と脱イオン水76部との混合液を5分間で滴下し、更に同温度で1時間攪拌して加水分解縮合反応させ、次いで、前記メチルトリメトキシシランの縮合物よりなる中間体(B’−1−2)291部を加え、更に、脱イオン水49部を添加して同温度で16時間攪拌し、加水分解縮合反応させることで、前記ビニル重合体2の有する加水分解性シリル基と、前記フェニルトリメトキシシラン及びジメチルジメトキシシラン由来のポリシロキサンの有する加水分解性シリル基及びシラノール基とが結合し、更にメチルトリメトキシシランの縮合物よりなる中間体(B’−1−2)が結合した中間体(B’−2−2)を得た。
(調整例5)[中間体(B’−3−1)の合成]
攪拌機、温度計、冷却管および窒素導入管を装備した4つ口フラスコに、フェニルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製)164部を仕込んで、120℃まで昇温した。次いで、メチルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)226部、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製)14部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油株式会社製)24部からなる混合液を、前記反応容器中へ4時間で滴下した。その後、同温度で16時間攪拌し、加水分解性シリル基を有する数平均分子量11,000のビニル重合体よりなる中間体(B’−3−1)を調製した。
(合成例1)[複合樹脂(B−1)の合成]
攪拌機、温度計、冷却管および窒素導入管を装備した4つ口フラスコに、前記中間体(B’−1−1)の全量を仕込み、トリエチルアミン(和光純薬工業株式会社製)18部を混合することで前記中間体中のカルボキシル基を中和した中和物を得た。次いで、該中和物に前記中間体(B’−1−2)124部を加え、攪拌下80℃で1時間加水分解縮合反応させることで、前記中間体(B’−1−1)の加水分解性シリル基と、前記中間体(B’−1−2)中の加水分解性シリル基とが結合した複合樹脂の含有液を得た。次いで、減圧乾燥(60℃、24時間)し、ポリシロキサン重合体とポリシロキサン以外の重合体からなる数平均分子量4,200の複合樹脂(B−1)を得た。
(合成例2)[複合樹脂(B−2)の合成]
攪拌機、温度計、冷却管および窒素導入管を装備した4つ口フラスコに、前記中間体(B’−2−1)の全量と前記中間体(B’−2−2)279部とを仕込み、攪拌下80℃で1時間加水分解縮合反応させることで、前記樹脂中間体(B’−2−1)のポリウレタンの有する加水分解性シリル基と前記中間体(B’−2−2)中の加水分解性シリル基とが結合した複合樹脂の含有液を得た。次いで、前記複合樹脂の含有液とトリエチルアミン(和光純薬工業株式会社製)14部とを混合することで樹脂中のカルボキシル基を中和した中和物を得、次いで、この溶液を減圧乾燥(60℃、24時間)し、ポリシロキサン重合体とポリシロキサン以外の重合体からなる数平均分子量5,100の複合樹脂(B−2)を得た。
(合成例3)[複合樹脂(B−3)の合成]
攪拌機、温度計、冷却管および窒素導入管を装備した4つ口フラスコに、前記中間体(B’−3−1)を仕込み、反応容器の温度を80℃に調整し、メチルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製)113部、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製)194部、ジメチルジメトキシシラン(信越化学工業株式会社製)99部を、前記反応容器中へ添加した。その後、「A−3」〔堺化学(株)製のiso−プロピルアシッドホスフェート〕5.4部と脱イオン水83部との混合液を、5分間で滴下し、同温度で2時間攪拌することにより、加水分解縮合反応させ、反応生成物を得た。その後、前記反応生成物を減圧乾燥(60℃、24時間)し、ポリシロキサン重合体とポリシロキサン以外の重合体からなる数平均分子量2,300の複合樹脂(B−3)を得た。
(合成例4)[比較樹脂(C−1)の合成]
攪拌機、温度計、冷却管および窒素導入管を装備した4つ口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(ダイセル化学工業株式会社)1540部を仕込み、窒素気流下で110℃に昇温した後、ベンジルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)856部、メタクリル酸(和光純薬工業株式会社製)142部およびt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油株式会社製)15部からなる混合液を、4時間かけて滴下した。滴下終了後、110℃にて7時間反応させて、数平均分子量7,700の共重合体よりなる溶液を得た。この樹脂溶液を減圧乾燥(60℃、24時間)し、比較樹脂(C−1)を得た。
(合成例5)[比較樹脂(C−2)の合成]
攪拌機、温度計、冷却管および窒素導入管を装備した4つ口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(ダイセル化学工業株式会社)1540部を仕込み、窒素気流下で110℃に昇温した後、メチルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)597部、n−ブチルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)261部、グリシジルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)142部およびt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油株式会社製)18部からなる混合液を、4時間かけて滴下した。滴下終了後、110℃にて7時間反応させて、数平均分子量7,500の共重合体よりなる溶液を得た。この樹脂溶液を減圧乾燥(60℃、24時間)し、比較樹脂(C−2)を得た。
[実施例1]
FASTOGEN Blue AE−8(DIC株式会社製C.I.Pigment Blue 15:6)85部、平均置換基数1.4の銅フタロシアニンフタルイミドメチル誘導体(DIC株式会社製)5部、複合樹脂(B−1)10部、粉砕した塩化ナトリウム(日本食塩製造株式会社製)1000部、およびジエチレングリコール(三菱化学株式会社製)160部を双腕型ニーダーに仕込み、80〜90℃で10時間混練した。
得られた内容物を大過剰の水で洗浄、濾過し、濾液の比電導度が原水の比電導度+20μS/cm以下となるまで水洗することによって、ε型銅フタロシアニン顔料組成物のウエットケーキを得た。得られたウエットケーキをビーカーに移し、2%塩酸(ダイキン工業株式会社)水溶液3000部を加え、攪拌分散してスラリーとし、70℃で1時間攪拌後、濾過、水洗し、ウエットケーキを得た。得られたウエットケーキをビーカーに移し、室温の水3000部を加え、攪拌分散してスラリーとした。引き続き、平均置換基数0.8の銅フタロシアニンスルホン酸誘導体(DIC株式会社製)5部の水酸化ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)水溶液を前記顔料スラリー中に添加し、1時間攪拌後、塩酸(ダイキン工業株式会社)を添加してスラリーのpHを7まで戻し、銅フタロシアニンスルホン酸誘導体を顔料の表面に析出させた。そのまま1時間保持後、濾過、温水洗浄、乾燥、粉砕し、一次粒子の平均粒子径100nm以下の青色顔料組成物を得た。
このようにして得られた青色顔料組成物20部をポリビンに入れ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(ダイセル化学工業株式会社)110部、DISPERBYK LPN21116(ビックケミー株式会社社製)14部、0.3−0.4mmφセプルビーズ(サンゴバン株式会社社製)を加え、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で4時間分散し、顔料分散液を得た。この顔料分散液75.00部とポリエステルアクリレート樹脂(アロニックス(商標名)M7100、東亜合成化学工業株式会社製)5.50部、ジペンタエリスレートヘキサアクリレート(KAYARAD(商標名)DPHA、日本化薬株式会社製)5.00部、ベンゾフェノン(KAYACURE(商標名)BP−100、日本化薬株式会社製)1.00部、ユーカーエステルEFP(ダウケミカル株式会社製)13.5部を分散攪拌機で攪拌し、孔径1.0μmのフィルターで濾過し、カラーレジストを得た。このカラーレジストスピンコーターにより50mm×50mm、1mmのガラス基板上に塗布し、90℃で20分間予備乾燥して塗膜を形成させた。次いで、フォトマスクを介して紫外線によるパターン露光を行った後、未露光部分を0.5%の炭酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)水溶液中で洗浄し、230℃で60分間焼成することでカラーフィルタとした。
[色差ΔE*の評価]
230℃焼成前と230℃焼成後のカラーフィルタを用いて、C光源における色差ΔE*を、大塚電子株式会社製MCPD−3000で測定した。色差ΔE*は0に近いほど優れる。
[輝度Yの評価]
230℃焼成後のカラーフィルタを用いて、C光源における輝度Yを、大塚電子株式会社製MCPD−3000で測定した。輝度Yは大きい値であるほど優れる。
実施例1で得られたカラーフィルタを用いて、230℃焼成前後のC光源における色差ΔE*および輝度Yを、大塚電子株式会社製MCPD−3000で測定したところ、色差ΔE*は0.2、色度y=0.110における焼成後輝度Yは13.5であった。
[実施例2]
実施例1の複合樹脂(B−1)に変えて、複合樹脂(B−2)を用いた以外は実施例1と同様にして、青色顔料組成物を得て、それを用いてカラーフィルタとした。得られたカラーフィルタを用いて、230℃焼成前後のC光源における色差ΔE*および輝度Yを、大塚電子株式会社製MCPD−3000で測定したところ、色差ΔE*は0.2、色度y=0.110における焼成後輝度Yは13.5であった。
[実施例3]
実施例1の複合樹脂(B−1)に変えて、複合樹脂(B−3)を用いた以外は実施例1と同様にして、青色顔料組成物を得て、それを用いてカラーフィルタとした。得られたカラーフィルタを用いて、230℃焼成前後のC光源における色差ΔE*および輝度Yを、大塚電子株式会社製MCPD−3000で測定したところ、色差ΔE*は0.3、色度y=0.110における焼成後輝度Yは13.5であった。
[実施例4]
C.I.Pigment Red 254(DIC株式会社製)44部、下記一般式(IV)の顔料誘導体フタルイミドメチル化ジクロロキナクリドン(DIC株式会社製)1部を、ジメチルスルホキシド1500部(和光純薬工業株式会社製)とナトリウムメトキシドの28重量%メタノール溶液55部(シグマアルドリッチ社製)との混合溶媒中に溶解させ、50℃で3時間攪拌後、35℃まで放冷し、赤色顔料溶解液を得た。
Figure 2016114748
(但し、フタルイミドメチル基の置換数nは1〜3である。)
次に、水2200部、氷2700部に塩酸34部(濃度35.0%〜37.0%、和光純薬工業株式会社製)を添加し、さらに氷浴して冷却した希塩酸中に、激しく攪拌しながら、前記赤色顔料溶解液を滴下し、滴下終了後1時間攪拌した。得られた複合粒子を含有する顔料懸濁液をヌッチェで濾過し、濾液のpHが7以上になるまで濾過、水洗浄をくりかえし、90℃で17時間乾燥、粉砕し、赤色顔料粉末を得た。
続いて、前記赤色顔料粉末35部、フタルイミドメチル化ジクロロキナクリドン(DIC株式会社製)1部、複合樹脂(B−1)4部、塩化ナトリウム(日本食塩製造株式会社製)400部、およびジエチレングリコール(三菱化学株式会社製)70部をステンレス製1Lニーダー(吉田製作所社製)に仕込み、80℃で5時間混練した。つぎにこの混合物を2リットルの温水に投入し、30分間攪拌してスラリー状とし、比電導度が原水の比電導度+20μS/cm以下となるまで濾過、水洗をくりかえして塩化ナトリウムおよび溶剤を除いた後、90℃で17時間乾燥、粉砕し、一次粒子の平均粒子径100nm以下の赤色顔料組成物35部を得た。
このようにして得られた赤色顔料組成物20部をポリビンに入れ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(ダイセル化学工業株式会社製)88部、DISPERBYK LPN21116(ビックケミー株式会社社製)24部、0.3−0.4mmφセプルビーズ(サンゴバン株式会社製)を加え、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で2時間分散し、顔料分散液を得た。この顔料分散液75.00部とポリエステルアクリレート樹脂(アロニックス(商標名)M7100、東亜合成化学工業株式会社製)5.50部、ジペンタエリスレートヘキサアクリレート(KAYARAD(商標名)DPHA、日本化薬株式会社製)5.00部、ベンゾフェノン(KAYACURE(商標名)BP−100、日本化薬株式会社製)1.00部、ユーカーエステルEFP(ダウケミカル株式会社製)13.5部を分散攪拌機で攪拌し、孔径1.0μmのフィルターで濾過し、カラーレジストを得た。このカラーレジストスピンコーターにより50mm×50mm、1mmのガラス基板上に塗布し、90℃で20分間予備乾燥して塗膜を形成させた。次いで、フォトマスクを介して紫外線によるパターン露光を行った後、未露光部分を0.5%の炭酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)水溶液中で洗浄し、230℃で60分間焼成することでカラーフィルタとした。
実施例4で得られたカラーフィルタを用いて、230℃焼成前後のC光源における色差ΔE*および輝度Yを、大塚電子株式会社製MCPD−3000で測定したところ、色差ΔE*は0.9、色度x=0.640、色度y=0.320における焼成後輝度Yは19.2であった。
(比較例1)
実施例1の複合樹脂(B−1)に変えて、比較樹脂(C−1)を用いた以外は実施例1と同様にして、青色顔料組成物を得て、それを用いてカラーフィルタとした。得られたカラーフィルタを用いて、230℃焼成前後のC光源における色差ΔE*および輝度Yを、大塚電子株式会社製MCPD−3000で測定したところ、色差ΔE*は0.4、色度y=0.110における焼成後輝度Yは13.3であった。
(比較例2)
実施例1の複合樹脂(B−1)に変えて、比較樹脂(C−2)を用いた以外は実施例1と同様にして、青色顔料組成物を得て、それを用いてカラーフィルタとした。得られたカラーフィルタを用いて、230℃焼成前後のC光源における色差ΔE*および輝度Yを、大塚電子株式会社製MCPD−3000で測定したところ、色差ΔE*は0.4、色度y=0.110における焼成後輝度Yは13.4であった。
(比較例3)
実施例1のFASTOGEN Blue AE−8 85部と、複合樹脂(B−1)10部の代わりに、樹脂添加がなくFASTOGEN Blue AE−8 95部のみに変えた以外は実施例1と同様にして、青色顔料組成物を得て、それを用いてカラーフィルタとした。得られたカラーフィルタを用いて、230℃焼成前後のC光源における色差ΔE*および輝度Yを、大塚電子株式会社製MCPD−3000で測定したところ、色差ΔE*は0.8、色度y=0.110における焼成後輝度Yは13.2であった。
(比較例4)
実施例4の複合樹脂(B−1)に変えて、比較樹脂(C−1)を用いた以外は実施例4と同様にして、赤色顔料組成物を得て、それを用いてカラーフィルタとした。得られたカラーフィルタを用いて、230℃焼成前後のC光源における色差ΔE*および輝度Yを、大塚電子株式会社製MCPD−3000で測定したところ、色差ΔE*は1.2、色度x=0.640、色度y=0.320における焼成後輝度Yは19.1であった。
(比較例5)
実施例4の赤色顔料粉末35部と、複合樹脂(B−1)4部を、樹脂添加がなく赤色顔料粉末39部のみに変えた以外は実施例4と同様にして、赤色顔料組成物を得て、それを用いてカラーフィルタとした。得られたカラーフィルタを用いて、230℃焼成前後のC光源における色差ΔE*および輝度Yを、大塚電子株式会社製MCPD−3000で測定したところ、色差ΔE*は2.0、色度x=0.640、色度y=0.320における焼成後輝度Yは18.8であった。
上記実施例1〜4および比較例1〜5の評価結果を、表1に示した。
Figure 2016114748
(表中、B−15:6はC.I.Pigment Blue 15:6を、R−254はC.I.Pigment Red 254を示す。)
上記表1の実施例1〜3と、比較例3との対比および、実施例4と比較例5の対比から分かる通り、有機顔料に樹脂が含有されていた方が、輝度が高いことは明らかである。
また、上記表1の実施例1〜3と、比較例1、2との対比および、実施例4と比較例4の対比から分かる通り、本発明で用いるポリシロキサン重合体とポリシロキサン以外の重合体からなる複合樹脂(B)の方が、従来用いられて来た共重合体に比べて、焼成による色相の変化が小さく、焼成後の輝度が高いことは明白である。
本発明によれば、有機顔料(A)と、ポリシロキサン重合体とポリシロキサン以外の重合体からなる複合樹脂(B)との相互作用による特異な耐熱性により、熱履歴を受けても色相変化の小さい着色物を提供でき、特に、カラーフィルタの画素部の調製に用いた際に、高輝度で、熱履歴を長時間に亘って受けても、輝度に優れた液晶表示が可能となる液晶表示装置を提供できる。

Claims (8)

  1. 質量換算で有機顔料(A)100部当たり、ポリシロキサン重合体とポリシロキサン以外の重合体からなる複合樹脂(B)0.1〜15部を含有することを特徴とするカラーフィルタ用有機顔料組成物。
  2. 前記複合樹脂(B)が、前記有機顔料(A)の顔料粒子表面に処理されていることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用有機顔料組成物。
  3. 前記複合樹脂(B)が、加水分解性シリル基および酸基を併有する重合体の存在下に、一分子中に少なくとも2個の、珪素原子に結合した加水分解性基を有する珪素化合物の加水分解縮合反応を行なうことにより得られる複合樹脂である請求項1または2いずれか記載のカラーフィルタ用有機顔料組成物。
  4. 前記複合樹脂(B)が、親水性基含有ポリウレタンとビニル重合体とが前記ポリシロキサンを介して結合した複合樹脂である請求項1または2いずれか記載のカラーフィルタ用有機顔料組成物。
  5. 前記ポリシロキサン重合体が、シラノール基および/または加水分解性シリル基、並びに重合性二重結合を有するポリシロキサン重合体である複合樹脂(B)である請求項1〜4いずれか1項記載のカラーフィルタ用有機顔料組成物。
  6. 前記複合樹脂(B)と有機顔料(A)をソルベントソルトミリングする請求項1〜5のいずれか1項記載のカラーフィルタ用有機顔料組成物の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項記載のカラーフィルタ用有機顔料組成物を、画素部に含有することを特徴とするカラーフィルタ。
  8. 請求項6記載のカラーフィルタ用有機顔料組成物の製造方法で得られたカラーフィルタ用有機顔料組成物を、画素部に含有することを特徴とするカラーフィルタ。
JP2014252899A 2014-12-15 2014-12-15 カラーフィルタ用顔料組成物及びカラーフィルタ Pending JP2016114748A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014252899A JP2016114748A (ja) 2014-12-15 2014-12-15 カラーフィルタ用顔料組成物及びカラーフィルタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014252899A JP2016114748A (ja) 2014-12-15 2014-12-15 カラーフィルタ用顔料組成物及びカラーフィルタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016114748A true JP2016114748A (ja) 2016-06-23

Family

ID=56141701

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014252899A Pending JP2016114748A (ja) 2014-12-15 2014-12-15 カラーフィルタ用顔料組成物及びカラーフィルタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016114748A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101802660B (zh) 滤色器用颜料分散组合物
JP6938871B2 (ja) カラーフィルタ用顔料組成物、その製造方法及びカラーフィルタ
JP4539477B2 (ja) カラーフィルタ用顔料組成物、その製造方法及びカラーフィルタ
JP6536645B2 (ja) カラーフィルタ用表面処理有機顔料、その製造方法及びカラーフィルタ
JP5354317B1 (ja) カラーフィルタ用有機顔料組成物、その製造方法及びカラーフィルタ
JP6197964B2 (ja) カラーフィルタ用有機顔料組成物、その製造方法及びカラーフィルタ
JP2008233620A (ja) カラーフィルター用青色顔料分散体、その製造方法及びそれを用いたカラーフィルター
JP6089710B2 (ja) カラーフィルタ用赤色顔料組成物、その製造方法及びカラーフィルタ
JP2018066806A (ja) カラーフィルタ用有機顔料組成物及びカラーフィルタ
JP2016114748A (ja) カラーフィルタ用顔料組成物及びカラーフィルタ
JP2016114887A (ja) カラーフィルタ用顔料組成物及びカラーフィルタ
JP2005275052A (ja) カラーフィルター用青色顔料組成物及びカラーフィルター
JP5994406B2 (ja) カラーフィルタ用有機顔料組成物及びカラーフィルタ
JP2017010028A (ja) カラーフィルタ用顔料組成物及びカラーフィルタ
JP6988139B2 (ja) カラーフィルタ用有機顔料分散体及びカラーフィルタ
JP5835618B2 (ja) 有機顔料組成物及びカラーフィルタ
KR101142343B1 (ko) 피리미딘 또는 그 유도체를 포함하는 안료 조성물
JP2005242123A (ja) カラーフィルター用青色顔料組成物およびそれを青色画素部に含有してなるカラーフィルター
KR101748396B1 (ko) 복합안료 및 이를 포함하는 칼라필터용 적색 안료 조성물
JP6464840B2 (ja) カラーフィルタ用赤色顔料組成物、その製造方法及びカラーフィルタ
TW202222988A (zh) 顏料分散液組合物及包含其的著色光敏樹脂組合物
JP2017097272A (ja) カラーフィルタ用赤色顔料組成物、その製造方法及びカラーフィルタ
JP2011093979A (ja) カラーフィルタ用青色顔料組成物、その製造方法及びカラーフィルタ
KR20130019991A (ko) 피리미딘 또는 그 유도체와 멜라민 또는 그 유도체를 포함하는 안료 조성물
JP2010055081A (ja) カラーフィルター用着色粉末組成物及びそれを用いたカラーフィルター