JP2016113205A - 包装用箱 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数や製造工程を減らして、コストダウンを図るとともに製造効率を高めることができ、使用時には簡単にポンプ容器の使用開始が可能な包装用箱を提供する。
【解決手段】内容物が充填されるポンプ本体部51と、ポンプ本体部51の上端側から突出するステム部52と、ステム部52でのポンプ本体部側への押し込みにより内容物を噴出する押圧部54とを備え、押圧部54の少なくとも一部に、ステム部52の外周面から径方向に突出し、前記押圧部の押し込みによりポンプ本体部51に対して接近又は離間する突出領域58を有するポンプ容器50を収容する包装用箱である。ポンプ容器50を包囲する側壁1となる側壁部11と、側壁部11から延在し、側壁1の一方の開口部を塞ぐ上壁2となる上壁部12と、側壁部11から延在し、側壁1の他方の開口部を塞ぐ下壁3となる下壁部13と、側壁部11から延在し、ポンプ容器50を収容した状態で、先端縁が突出領域58に係止する係止片4とを備えた。
【選択図】図2

Description

本発明は、ポンプ容器を収容する包装用箱に関する。
液体を噴出するポンプ容器は、液体が充填されるポンプ本体部と、ポンプ本体部の上端側から突出するステム部と、液体が噴出する噴出口と、ステム部にてポンプ本体部側へ押し込まれる押圧部とを備えている。使用者が押圧部をポンプ本体部側へ押し込むと、ポンプ本体部に充填された液体が噴出口から噴出する。
押圧部をポンプ本体部側へ押し込むタイプのポンプ容器は、不使用時に、押圧部に外部から負荷がかかることにより、液体が漏出することがある。これを防止するため、ステム部にストッパーやキャップ等を装着する方法がある(特許文献1)。このストッパーやキャップ等は、押圧部に対して負荷がかかった場合に、押圧部の押し込みを規制し、不使用時の液体の漏出を防止するものである。
特開2010−105739号公報
しかしながら、ポンプ容器(特に、トリガータイプのポンプ容器)に、前記したようなストッパーやキャップ等の部品が装着されている場合、特に高齢者又は初めてポンプ容器を扱う使用者にとっては、部品を外しにくいという問題や、部品の存在に気づかないという問題が発生しやすい。また、ストッパーやキャップ等の部品が新たに必要となり、しかも、当該部品をポンプ容器の形態に合わせた設計にする必要があり、コスト高となる問題もある。さらには、部品を装着する工程が必要となるため、製造効率が劣るという問題もある。
そこで、本発明は斯かる実情に鑑み、部品点数や製造工程を減らして、コストダウンを図るとともに製造効率を高めることができ、使用時には簡単にポンプ容器の使用開始が可能な包装用箱を提供しようとするものである。
本発明の包装用箱は、内容物が充填されるポンプ本体部と、該ポンプ本体部の上端側から突出するステム部と、該ステム部でのポンプ本体部側への押し込みにより内容物を噴出する押圧部とを備え、この押圧部の少なくとも一部に、前記ステム部の外周面から径方向に突出し、前記押圧部の押し込みにより前記ポンプ本体部に対して接近又は離間する突出領域を有するポンプ容器を収容する包装用箱であって、前記ポンプ容器を包囲する側壁となる側壁部と、該側壁部から延在し、側壁の一方の開口部を塞ぐ上壁となる上壁部と、前記側壁部から延在し、側壁の他方の開口部を塞ぐ下壁となる下壁部と、前記側壁部から延在し、ポンプ容器を収容した状態で、先端縁が前記突出領域に係止する係止片とを備えたものである。ここで、側壁、上壁、下壁とは、組立て後の、箱として完成した状態における壁面を意味し、側壁部、上壁部、下壁部とは、組立ての前後にかかわらず、側壁、上壁、下壁を構成する板状部材を意味する。
本発明の包装用箱によれば、係止片は側壁部と一体的に設けられており、ポンプ容器を収容した状態において、係止片をポンプ容器の突出領域に係止させることができる。これにより、運搬時等に、ポンプ容器の押圧部に負荷がかかっても、係止片は、押圧部のポンプ本体部側への押し込みを規制することができ、不使用時に内容物が漏出してしまうことを防止できる。このように、本発明の包装用箱は、包装用箱自体が、押圧部の押し込みを規制する機能を有するものであるため、押圧部の押し込みを規制するためのストッパーやキャップ等の部品が不要となり、部品点数の削減及び製造工程の省略を図ることができる。さらに、ポンプ容器の使用時には、ポンプ容器を包装用箱から取り出すと、押圧部の押し込み規制状態が自動的に解除されるため、ポンプ容器を取り出すだけで、使用を開始することができる。このため、部品を外しにくい、又は部品の存在に気付かない等の理由によりポンプ容器の使用を開始できないという問題が生じない。しかも、係止片は、ポンプ容器の保持機能も有する。すなわち、ポンプ容器を収容した状態で、落下等により衝撃が加わった際に、部品は外れる可能性があるのに対し、本発明の包装用箱では、係止片が外れにくいものとなって、押圧部の押し込み規制状態を安定して維持することができる。
前記構成において、ポンプ容器を収容した状態で、前記係止片が、前記突出領域の突出側又は側方側のいずれかの方向から係止するようにしてもよい。ここで、突出領域の突出側とは、突出領域から突出方向に離間した方面である。突出領域の側方側とは、突出領域から突出方向と直交する方向に離間した方面であり、突出領域の側方側は、突出領域から相反する方向に2方面存在する。
前記構成とすることで、係止片は、突出領域に対して最短距離で係止するものとなり、ポンプ容器の収容時に、係止片の位置決めを行いやすく、収容しやすいものとなる。
前記側壁において、前記係止片の延在位置と、前記上壁部の延在位置とが対面するようにしてもよい。
前記構成とすることで、上壁部と係止片との間にフラップを設けることができるため、包装用箱の側方から埃等が入ることを防止することができ、ポンプ容器を良好な状態に維持することができる。また、包装用箱の方向性(前後)が分かり易いものとなって、トリガータイプのポンプ容器等、突出領域に方向性がある場合、直感的に収容方向が分かり易いものとなる。
前記構成において、前記係止片は、延在方向と直交する方向に延びる第一谷折り線、及び当該第一谷折り線よりも係止片の先端側に設けられた第二谷折り線を有し、第一谷折り線から係止片の先端縁までの長さ寸法が、第一谷折り線から係止片の基端縁までの長さ寸法よりも大きくすることができる。ここで、延在方向と直交する方向とは、延在方向と厳密に90°をなすことを意味するのではなく、延在方向と90°又はその近傍角度を有する方向を含む。
前記構成とすることで、第一谷折り線で係止片を折り曲げた際に、係止片の先端縁は、側壁の開口部よりも外方に位置する。これにより、側壁の外側で、係止片の先端縁をポンプ容器の突出領域に当接させることができる。また、ポンプ容器を収容する際には、第二谷折り線の屈曲により、係止片が係止した状態でポンプ容器をそのまま収容することができるため、ポンプ容器を収容しやすいものとなる。
前記構成において、前記係止片の、延在方向と直交する方向の長さ寸法が、側壁の前記方向での内側寸法と略同一とすることができる。ここで、延在方向と直交する方向とは、延在方向と厳密に90°をなすことを意味するのではなく、延在方向と90°又はその近傍角度を有する方向を含む。
前記構成とすることで、係止片は、側壁に支持されて動きが規制され、搬送中や携帯時に、係止片と突出領域との係止が解除されにくいものとなり、押圧部の押し込み規制状態を安定して維持することができる。
前記構成において、前記ポンプ容器をトリガータイプとすることができる。
本発明の包装用箱は、部品点数や製造工程を減らしてコストダウンを図るとともに製造効率を高めることができ、使用時には簡単にポンプ容器の使用開始が可能となる。
本発明の包装用箱の展開図である。 本発明の包装用箱にポンプ容器を収容する方法を示す斜視図又は一部破断斜視図であり、(a)は側壁及び下壁を形成した状態を示し、(b)は係止片の第一谷折り線を折り曲げた状態を示し、(c)はポンプ容器を収容する途中状態を示し、(d)はポンプ容器が収容されて上壁を形成した状態を示す。 本発明の包装用箱にポンプ容器を収容する方法を示す断面図であり、(a)は側壁及び下壁を形成した状態を示し、(b)は係止片の第一谷折り線を折り曲げた状態を示し、(c)はポンプ容器を収容する途中状態を示し、(d)はポンプ容器が収容されて上壁を形成した状態を示す。 本発明の包装用箱に収容されるポンプ容器の上端部を示す正面図である。 参考例の包装用箱の展開図である。 参考例の包装用箱に容器を収容する方法を示す斜視図又は一部破断斜視図であり、(a)は容器を収容する途中状態を示し、(b)は容器を収容した状態を示す。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
本発明の包装用箱は、図4に示すようなポンプ容器50を収容するためのものである。ポンプ容器50は、図4に示すように、図示省略の内容物(液体)が充填されるポンプ本体部51と、ポンプ本体部51の上端側から突出するステム部52と、液体が噴出する噴出口を有する噴出ノズル53と、ステム部52にてポンプ本体部51側へ押し込まれる押圧部54とを備えている。このようなポンプ容器50は、押圧部54が、ポンプ本体部51側へ押し込まれることにより、ポンプ本体部51に充填された液体を噴出する。
例えばトリガータイプのポンプ容器50の押圧部54は、図4(a)に示すように、把持レバー55と押圧片56とからなる。把持レバー55を把持すると、押圧部54は、回動中心57を支点として図4(a)の矢印方向に回動し、押圧部54をポンプ本体部51側へ押し込むことができ、ポンプ本体部51内の液体が噴出口から噴出する。
本発明の包装用箱に収容されるポンプ容器50は、突出領域58を有している。突出領域58とは、押圧部54の少なくとも一部に、ステム部52の外周面から径方向に突出し、前記押圧部の押し込みによりポンプ本体部51に対して接近又は離間する領域をいう。図4(a)に示すトリガータイプのポンプ容器50の突出領域58は、押圧部54のうち、把持レバー55が設けられる方向において、ステム部52よりも外径方向に突出する部分(すなわち、当該方向における押圧片56及び把持レバー55)である。
また、別のポンプ容器として、図4(b)のように、押圧部54に噴出ノズル53が一体的に設けられたポンプ容器50がある。すなわち、押圧部54は、ステム部52に沿って延びる軸部59と、軸部59の上端から、軸部59の径方向に延びる噴出ノズル53とから構成されている。このようなポンプ容器50は、2つの突出領域60、61を有している。すなわち、一方の突出領域60は、噴出ノズル53の根元部から先端部までの領域であり、他方の突出領域61は、軸部59のうち、ステム部52よりも外周側の領域である。
前記したようなポンプ容器50を収容する本発明の包装用箱は、組立て後の箱として完成した状態では、図2(d)に示すように、ポンプ容器50を包囲する側壁1と、側壁1の一方の開口部を塞ぐ上壁2と、側壁1の他方の開口部を塞ぐ下壁3と、ポンプ容器50の突出領域58に係止する係止片4とを備える。上壁2、下壁3は、組立てた状態において必ずしも上方、下方に位置するものではなく、側壁1の一方の開口部と他方の開口部とを塞ぐ壁面であり、例えば、上壁2や下壁3が、搬送中等に図2(d)の側壁1に相当する位置となっていたり、上壁2と下壁3との上下が逆の位置となっていたりしてもよい。包装用箱は、上壁2と下壁3とが正方形をなし、側壁1は、正面1a、背面1b、第一の側面1c、及び第二の側面1dの夫々が上下方向に長辺を有する略同一の長方形から構成された六面体となっている。
前記本発明の包装用箱を展開した状態は、図1に示すように、側壁1となる側壁部11と、側壁部11から延在し、上壁2となる上壁部12と、側壁部11から延在し、下壁3となる下壁部13と、側壁部11から延在する係止片4とを備える。側壁部11、上壁部12、下壁部13、及び係止片4は、1枚の厚紙を図1の形状に成形することにより構成されている。ここで、側壁1、上壁2、下壁3は、組立て後の、箱として完成した状態における壁面を意味し、側壁部11、上壁部12、下壁部13は、組立ての前後にかかわらず、側壁1、上壁2、下壁3を構成する板状部材を意味する。また、本発明の包装用箱は、図2(d)のような組立て後の完成状態と、図1のような組立て前の展開状態との両方の状態を含む。
側壁部11には、互いに平行に延びる4つの折曲線14a、14b、14c、14dが設けられている。これらの折曲線14a、14b、14c、14dにて、側壁部11が、正面1aとなる正面部11aと、背面1bとなる背面部11bと、第一の側面1cとなる第一側面部11cと、第二の側面1dとなる第二側面部11dと、接着部(いわゆる糊代)11eとの5つの領域に区画されている。接着部11eに接着剤が塗布されて、接着部11eと第二側面部11dの端部とを重ね合わせることにより、側壁部11はポンプ容器50を包囲する側壁1となる。また、正面部11aには、側壁部11の端縁とで閉形状をなすミシン目15が設けられている。
上壁部12は、側壁部11のうち、側壁1の一方の開口部(以下、上端側開口部という)となる側から延在し、本実施形態では背面部11bから延在する。上壁部12は、延在方向と直交する方向の長さ寸法が、正面部11a、背面部11b、第一側面部11c、及び第二側面部11dそれぞれの幅方向(図1における横方向)の長さ寸法と略同一の長さ寸法となっている。上壁部12は、延在方向と直交する方向に折曲線16が設けられており、上壁部12の基端縁から折曲線16までが、側壁1の上端側開口部を塞ぐ上壁面部12aとなり、上壁部12の折曲線16から先端縁までが、正面1aに差し込まれる差込片(タック)12bとなる。
下壁部13は、側壁部11のうち、側壁1の他方の開口部(以下、下端側開口部という)となる側から延在する。下壁部13は、正面部11a、背面部11b、第一側面部11c、及び第二側面部11dから夫々延在する第1片13aと、第2片13bと、第3片13cと、第4片13dとからなり、これらが順に重なり合うことにより、側壁1の下端側開口部を塞ぐ下壁3となる。
係止片4は、側壁部11のうち、上壁部12の延在側と同じ側(つまり、側壁1の上端側開口部となる側)から延在し、本実施形態では、前面部11aから延在する。係止片4は、延在方向と直交する方向の長さ寸法が、正面部11a、背面部11b、第一側面部11c、及び第二側面部11dそれぞれの幅方向(図1における横方向)の長さ寸法と略同一の長さ寸法となっており、後述するように、ポンプ容器50を収容した状態で、先端縁が突出領域58に係止する。
係止片4は、延在方向と直交する方向に延びる第一谷折り線17、及び当該第一谷折り線17よりも係止片4の先端側に設けられた第二谷折り線18を有する。そして、第一谷折り線17から係止片4の先端縁までの長さ寸法H1が、第一谷折り線17から係止片4の基端縁までの長さ寸法H2よりも大きいものとなっている。
また、係止片4の基端側には穴部19が設けられており、穴部19の端縁の一部が、係止片4の基端縁に沿っている。この穴部19は、係止片4を基端縁に沿って折り曲げた状態で、ミシン目15の位置に対応する。
側壁部11のうち、側壁1の上端側開口部となる側において、第一側面部11c及び第二側面部11dから、夫々小片20a、20bが延在する。これら小片20a、20bは、組立て状態において、側壁1の上端側開口部の一部を塞ぐフラップ21a、21b(図2(d)参照)となる。
次に、包装用箱を組立ててポンプ容器50を収容する方法について説明する。本発明の包装用箱に収容されるポンプ容器50の一例として、トリガータイプのポンプ容器50を収容する場合について説明する。まず、図1の展開状態において、接続部11eに接着剤を塗布し、接続部11eと第二側面部11dの端部とを重ね合わせる。これにより、側壁部11は、図2(a)及び図3(a)に示すように、閉空間を形成する側壁1となる。それと同時に、下壁部13の第1片13aと、第2片13bと、第3片13cと、第4片13dとが順に重なり合い、図2(a)に示すように、側壁1の下端側開口部を塞ぐ下壁3となる。
係止片4は、図2(a)及び図3(a)に示すように、側壁1の正面1aから延在し、上壁部12は、側壁1の背面1bから延在する。すなわち、側壁1において、係止片4が延在する位置と、上壁部12が延在する位置とが対面している。これにより、上壁部12と係止片4との間にフラップ21a、21bとなる小片20a、20bを設けることができるため、包装用箱の側方から埃等が入ることを防止することができ、ポンプ容器50を良好な状態に維持することができる。また、包装用箱の方向性(前後)が分かり易いものとなって、トリガータイプのポンプ容器50等、突出領域58に方向性がある場合、直感的に収容方向が分かり易いものとなる。
その後、図2(b)及び図3(b)に示すように、係止片4を基端縁25に沿って山折りし、係止片4を側壁1の内側へ折りこむ。さらに、係止片4を第一谷折り線17に沿って谷折りする。このとき、第一谷折り線17から係止片4の先端縁までの長さ寸法H1が、第一谷折り線17から係止片4の基端縁25までの長さ寸法H2よりも大きいため、第一谷折り線17で係止片4を折り曲げた際に、係止片4の先端縁は、側壁1の上端側開口部よりも上方に位置する。
この状態で、図2(c)及び図3(c)に示すように、側壁1の外側で、係止片4の先端縁をポンプ容器50の突出領域58に当接させることができる。この場合、突出領域58のうち、ステム部52の近傍にて係止片4を係合させるのが好ましく、ステム部52から把持レバー55までの間で係止片4を係合させるのが好ましい。また、ポンプ容器50を収容する際には、第二谷折り線18の屈曲により、係止片4が係止した状態でポンプ容器50をそのまま収容することができるため、ポンプ容器50を収容しやすいものとなる。
その後、上壁部12の差込片(タック)12bを正面1aに当接させて、上壁部12は、図2(d)及び図3(d)に示すように、上端側開口部を閉蓋する上壁2となる。さらに、図2(d)に示すように、ミシン目15で囲まれた領域から上壁2にかけて、接着テープ26を貼付する。これにより、上壁2と正面1aとを固定することができ、ポンプ容器50のバージン性を担保することができる。
このように、本発明の包装用箱は、係止片4が側壁部11と一体的に設けられており、ポンプ容器50を収容した状態において、係止片4をポンプ容器50の突出領域58に係止させることができる。これにより、運搬時等に、ポンプ容器50の押圧部54に負荷がかかっても、係止片4は、押圧部54のポンプ本体部50側への押し込みを規制することができ、不使用時に内容物が漏出してしまうことを防止できる。このように、本発明の包装用箱は、包装用箱自体が、押圧部54の押し込みを規制する機能を有するものであるため、押圧部54の押し込みを規制するためのストッパーやキャップ等の部品が不要となり、部品点数の削減及び製造工程の省略を図ることができる。しかも、係止片4は、ポンプ容器50の保持機能も有する。すなわち、ポンプ容器50を収容した状態で、落下等により衝撃が加わった際に、部品は外れる可能性があるのに対し、本発明の包装用箱では、係止片4が外れにくいものとなって、押圧部54の押し込み規制状態を安定して維持することができる。
ポンプ容器50を収容した状態では、図2(d)及び図3(d)に示すように、係止片4が、突出領域58の突出側から係止している。ここで、突出領域58の突出側とは、突出領域58から突出方向に離間した方面である。これにより、係止片4は、突出領域58に対して最短距離で係止するものとなり、ポンプ容器50の収容時に、係止片4の位置決めを行いやすく、収容しやすいものとなる。
また、係止片4の、延在方向と直交する方向の長さ寸法が、側壁1の前記方向での内側寸法と略同一としているため、係止片4は、側壁1に支持されて動きが規制され、搬送中や携帯時に、係止片4と突出領域58との係止が解除されにくいものとなり、押圧部54の押し込み規制状態を安定して維持することができる。
包装用箱に収容されたポンプ容器50を使用する際には、ミシン目15で囲まれた領域を押圧することにより、ミシン目15を切断し、当該領域を開口させる。このとき、ミシン目15には、係止片4の穴部19が対応しているため、ミシン目15を切断する際の押圧が規制されない。このようにして、接着テープ26が貼付されていても、接着テープ26を剥がすことなく上壁2と正面1aとの固定を解除することができる。
ポンプ容器50を包装用箱から取り出すと、押圧部54の押し込み規制状態が自動的に解除されるため、ポンプ容器50を取り出すだけで使用を開始することができる。このため、本発明の包装用箱は、部品を外しにくい、又は部品の存在に気付かない等の理由によりポンプ容器50の使用を開始できないという問題が生じない。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、組立てた包装用箱の形状は種々のものとできる。すなわち、包装用箱の上壁部12及び下壁部13の形状は、円形、楕円形、三角形以上の多角形、星形、規則性を有さない形状等種々のものとすることができ、さらに、上壁部12と下壁部13とで形状が異なっていてもよい。上壁部12、下壁部13、及び係止片4は、側壁部11の正面部11a、背面部11b、第一側面部11c、及び第二側面部11dのいずれに延在していてもよく、例えば、上壁部12を正面部11aや第一側面部11cに設ける等、いずれの面から延在していてもよい。
図4(b)のように、突出領域60、61を複数有するポンプ容器50を収容する場合は、いずれかの突出領域60、61に係止片4を係合させればよい。フラップ21a、21bを構成する小片20a、20bや差込片12bは省略することもでき、下壁部13の構成は、上壁部12と同様の構成であってもよい。接着部11eは、第二側面部11d側に設けてもよい。
前記実施形態では、ポンプ容器50を収容した状態で、係止片4が、突出領域58の突出側から係止する構成としたが、係止片4が、第一側面部11cや第二側面部11dから延在し、突出領域58の側方側から係止する構成としてもよい。ここで、突出領域58の側方側とは、突出領域58から突出方向と直交する方向に離間した方面であり、突出領域58の側方側は、突出領域58から相反する方向に2方面存在する。この場合も、係止片4は、突出領域58に対して最短距離で係止するものとなり、ポンプ容器50の収容時に、係止片4の位置決めを行いやすく、収容しやすいものとなる。ただし、運搬時等の振動や落下等により衝撃が加わった際に、係止片4と突出領域58との係止が外れにくいという観点から、係止片4が、突出領域58の突出側から係止する構成が好ましい。
前記実施形態では、係止片4は、側壁部11の端縁から延在するものであったが、他の位置から延在させてもよい。例えば、正面部11aや側面部11c、11dに、略コの字状の切り込みを設けると、切込片を形成することができ、この切込片を係止片4とすることができる。また、接着部11eの一部を延長し、この延長部分に接着剤を塗布しなければ、接着部11eから延長片が延在する。この延長片を係止片4とすることができる。ただし、運搬時等の振動や落下等により衝撃が加わった際に、係止片4と突出領域58との係止が外れにくいという観点から、係止片4は、側壁部11の端縁から延在することが好ましい。
係止片4の形状は前記実施形態のものに限られず、側壁1にて形成される形状に応じた形状とするのが好ましい。また、係止片4の先端部を凹形状として、係止片4が、突出領域58を周方向から包囲するように係止させるような構成としてもよい。前記実施形態では、連続した1枚の厚紙から側壁部11と係止片4とが構成されていたが、側壁部11を構成する厚紙と、係止片4を構成する厚紙とを接着剤等にて接着して係止片4を形成してもよい。ただし、係止片4が剥がれてしまうことがなく、且つ厚紙の成形の効率を高めるという観点から、側壁部11を構成する厚紙と、係止片4を構成する厚紙とは、連続した1枚の厚紙から構成されることが好ましい。
次に、包装用箱の参考例について、図5及び図6を用いて説明する。参考例の包装用箱は、有体物(例えば蓋部材にて開閉可能な容器)を収容する包装用箱であって、前記有体物を包囲する側壁となる側壁部と、該側壁部から延在し、側壁の一方の開口部を塞ぐ上壁となる上壁部と、前記側壁部から延在し、側壁の他方の開口部を塞ぐ下壁となる下壁部と、前記側壁部から延在する係止片とを備え、該係止片の基端縁側に穴部を設け、前記係止片を基端縁に沿って折り曲げた状態で、前記穴部に対応する側壁部の位置に、前記基端縁とで閉形状をなすミシン目を設けたものである。
すなわち、参考例の包装用箱は、図6に示すような有体物(本参考例では容器150を例示する)を収容するものである。参考例の包装用箱は、組立てた後に箱として完成した状態では、図6(b)に示すように、容器150を包囲する側壁101と、側壁101の一方の開口部(上端側開口部)を塞ぐ上壁102と、側壁101の他方の開口部(下端側開口部)を塞ぐ下壁103と、係止片104とを備える。包装用箱は、上壁102と下壁103とが正方形をなし、側壁101は、正面101a、背面101b、第一の側面101c、及び第二の側面101dの夫々が上下方向に長辺を有する略同一の長方形から構成された六面体となっている。
参考例の包装用箱を展開した状態は、図5に示すように、側壁101となる側壁部111と、側壁部111から延在し、上壁102となる上壁部112と、側壁部111から延在し、下壁103となる下壁部113と、係止片104とを備える。側壁部111、上壁部112、下壁部113、及び係止片104は、1枚の厚紙を図5の形状に成形することにより構成されている。この参考例も、側壁101、上壁102、下壁103は、組立て後に、箱として完成した状態の壁面を意味し、側壁部111、上壁部112、下壁部113は、組立ての前後にかかわらず、側壁101、上壁102、下壁103を構成する板状部材を意味する。また、参考例の包装用箱は、図6(b)のような組立てた後の完成状態と、図5のような組立てる前の展開状態との両方の状態を含む。
側壁部111には、前記実施形態と同様に、互いに平行に延びる4つの折曲線114a、114b、114c、114dが設けられ、側壁部111が、正面101aとなる正面部111aと、背面101bとなる背面部111bと、第一の側面101cとなる第一側面部111cと、第二の側面101dとなる第二側面部111dと、接着部(いわゆる糊代)111eとの5つの領域に区画されている。また、正面部111aには、側壁部111の端縁とで閉形状をなすミシン目115が設けられている。
上壁部112は、前記実施形態と同様の形態を採用しており、上壁部112が設けられる位置も前記実施形態と同様である。上壁部112には、折曲線116が設けられており、上壁面部112aと差込片(タック)112bとが形成されている。
下壁部113は、前記実施形態と同様の形態を採用しており、下壁部113が設けられる位置も前記実施形態と同様である。下壁部113は、第1片113aと、第2片113bと、第3片113cと、第4片113dとからなる。
本参考例でも、前記実施形態と同様の位置に、小片120a、120bが延在する。これら小片120a、120bは、組立て状態において、側壁1の上端開口部の一部を塞ぐフラップ121a、121b(図6(b)参照)となる。
係止片104は、側壁部111のうち、上壁部112の延在側と同じ側(つまり、側壁101の上端側開口部となる側)から延在し、本参考例では、正面部111aから延在する。係止片104は、延在方向と直交する方向の長さ寸法が、正面部111a、背面部111b、第一側面部111c、及び第二側面部111dそれぞれの幅方向(図5における横方向)の長さ寸法と略同一の長さ寸法となっている。
係止片104は、延在方向と直交する方向に延びる第一谷折り線117、当該第一谷折り線117と平行に延びる第二谷折り線118、及び第二谷折り線118よりも係止片4の先端側に設けられた第三谷折り線122を有する。第二谷折り線118から第三谷折り線122までの長さ寸法は、正面101aから背面101bまでの長さ寸法と略同一となっている。
また、係止片104の基端側には穴部119が設けられており、穴部119の端縁の一部が、係止片104の基端縁に沿っている。この穴部119は、係止片104を基端縁に沿って折り曲げた状態で、ミシン目115の位置に対応する。また、第二谷折り線118から第三谷折り線122までの間に、支持用穴部123が設けられている。この支持用穴部123は、図6に示すように、容器150を挿通させて容器150を支持する。このように、参考例の係止片104は、包装用箱内において収容された容器150を支持し、容器150の包装用箱内での動きを規制する。
前記構成を備えた参考例の包装用箱を組立てた状態では、図6(b)に示すように、ミシン目115で囲まれた領域から上壁102にかけて、接着テープ126を貼付する。これにより、上壁102と正面101aとを固定することができ、ポンプ容器150のバージン性を担保することができる。
前記構成とすることで、参考例の包装用箱では、係止片104を基端縁に沿って折り曲げた状態としたときに、ミシン目115は穴部119に対応する。これにより、包装用箱に収容された容器150を使用する際には、ミシン目115で囲まれた領域を押圧することにより、ミシン目115を切断し、当該領域を開口させる。このとき、ミシン目115には、係止片104の穴部119が対応しているため、ミシン目115を切断する際には押圧が規制されない。このようにして、接着テープ126が貼付されていても、接着テープ126を剥がすことなく上壁102と正面101aとの固定を解除することができ、簡単に、容器150の使用を開始することができる。
本参考例において、係止片104は支持用穴部123を有さないものであってもよく、係止片104の機能は、包装用箱内での空間を仕切るためのものや、有体物の緩衝機能を有するものである等、種々の機能を有するものであってよい。また、本参考例の包装用箱に収容される有体物は容器に限らず、種々のものとすることができる。
1 側壁
2 上壁
3 下壁
4 係止片
11 側壁部
12 上壁部
13 下壁部
17 第一谷折り線
18 第二谷折り線
50 ポンプ容器
51 ポンプ本体部
52 ステム部
54 押圧部
58 突出領域

Claims (6)

  1. 内容物が充填されるポンプ本体部と、該ポンプ本体部の上端側から突出するステム部と、該ステム部でのポンプ本体部側への押し込みにより内容物を噴出する押圧部とを備え、この押圧部の少なくとも一部に、前記ステム部の外周面から径方向に突出し、前記押圧部の押し込みにより前記ポンプ本体部に対して接近又は離間する突出領域を有するポンプ容器を収容する包装用箱であって、
    前記ポンプ容器を包囲する側壁となる側壁部と、
    該側壁部から延在し、側壁の一方の開口部を塞ぐ上壁となる上壁部と、
    前記側壁部から延在し、側壁の他方の開口部を塞ぐ下壁となる下壁部と、
    前記側壁部から延在し、ポンプ容器を収容した状態で、先端縁が前記突出領域に係止する係止片とを備えたことを特徴とする包装用箱。
  2. ポンプ容器を収容した状態で、前記係止片が、前記突出領域の突出側又は側方側のいずれかの方向から係止することを特徴とする請求項1に記載の包装用箱。
  3. 前記側壁において、前記係止片の延在位置と、前記上壁部の延在位置とが対面することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の包装用箱。
  4. 前記係止片は、延在方向と直交する方向に延びる第一谷折り線、及び当該第一谷折り線よりも係止片の先端側に設けられた第二谷折り線を有し、第一谷折り線から係止片の先端縁までの長さ寸法が、第一谷折り線から係止片の基端縁までの長さ寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装用箱。
  5. 前記係止片の、延在方向と直交する方向の長さ寸法が、側壁の前記方向での内側寸法と略同一であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の包装用箱。
  6. 前記ポンプ容器が、トリガータイプであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の包装用箱。
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