JP2016111101A - 気相成長方法および気相成長装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】線状ヒータの損傷を防止するとともに、線状ヒータがパーティクルの発生源になることも防止できる。【解決手段】被処理基板を載置する支持台を有する反応炉と、反応炉にガスを供給するガス供給部と、を備えた気相成長装置を用いた気相成長方法は、被処理基板を支持台まで搬入する工程と、被処理基板を所定温度まで加熱する工程と、線状ヒータをヒータ収納部から反応炉の内部まで移動させる工程と、反応炉の内部に移動させた線状ヒータを所定温度まで加熱する工程と、線状ヒータが所定温度になると、ガス供給部から所定のガスを反応炉に供給して、被処理基板への成膜を行う工程と、被処理基板への成膜が終了すると、線状ヒータを降温させて、線状ヒータをヒータ収納部まで移動させる工程と、被処理基板を降温した後に搬出する工程と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、線状ヒータを用いた気相成長方法および気相成長装置に関する。
反応炉内に配置した線状ヒータを加熱触媒体として用いて、反応炉に供給されたガスを分解して、その分解種を被処理基板に堆積する気相成長方法が知られている。この気相成長方法は、Cat−CVD(Catalytic Chemical Vapor Deposition=触媒化学気相成長)法とも呼ばれている。
線状ヒータは、供給ガスを分解するための加熱触媒体として利用されることから、成膜中は反応炉内に継続して配置しておく必要がある。ところが、反応炉内に線状ヒータを配置したままにしておくと、反応炉の内壁等をクリーニングする際に供給されるエッチングガスにより、線状ヒータが損傷を受けるおそれがある。
また、Cat−CVD法による成膜を行う前に、通常のCVD法により被処理基板上に下地膜を形成する場合もある。その際、線状ヒータが反応炉内に配置されていると、下地膜を形成する材料であるガスに起因する副生成物がワイヤに付着してしまい、パーティクルの発生源となる。これにより、被処理基板上に均一な成膜ができなくなるおそれがある。
本発明が解決しようとする課題は、線状ヒータの損傷を防止するとともに、線状ヒータがパーティクルの発生源になることも防止可能な気相成長方法および気相成長装置を提供するものである。
本実施形態では、被処理基板を載置する支持台を有する反応炉と、
前記反応炉にガスを供給するガス供給部と、を備えた気相成長装置を用いた気相成長方法において、
被処理基板を前記支持台まで搬入する工程と、
前記被処理基板を所定温度まで加熱する工程と、
線状ヒータをヒータ収納部から前記反応炉の内部まで移動させる工程と、
前記反応炉の内部に移動させた前記線状ヒータを所定温度まで加熱する工程と、
前記線状ヒータが前記所定温度になると、前記ガス供給部から所定のガスを前記反応炉に供給して、前記被処理基板への成膜を行う工程と、
前記被処理基板への成膜が終了すると、前記線状ヒータを降温させて、前記線状ヒータを前記ヒータ収納部まで移動させる工程と、
前記被処理基板を降温した後に搬出する工程と、を備える気相成長方法が提供される。
前記反応炉にガスを供給するガス供給部と、を備えた気相成長装置を用いた気相成長方法において、
被処理基板を前記支持台まで搬入する工程と、
前記被処理基板を所定温度まで加熱する工程と、
線状ヒータをヒータ収納部から前記反応炉の内部まで移動させる工程と、
前記反応炉の内部に移動させた前記線状ヒータを所定温度まで加熱する工程と、
前記線状ヒータが前記所定温度になると、前記ガス供給部から所定のガスを前記反応炉に供給して、前記被処理基板への成膜を行う工程と、
前記被処理基板への成膜が終了すると、前記線状ヒータを降温させて、前記線状ヒータを前記ヒータ収納部まで移動させる工程と、
前記被処理基板を降温した後に搬出する工程と、を備える気相成長方法が提供される。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更したり、誇張してある。以下の実施形態では、一実施形態による気相成長方法および気相成長装置内の特徴的な構成および動作を中心に説明するが、気相成長方法および気相成長装置には以下の説明で省略した構成および動作が存在しうる。ただし、これらの省略した構成および動作も本実施形態の範囲に含まれるものである。
図1は一実施形態による気相成長装置1の概略構成を示す図である。図1の気相成長装置1は、線状ヒータ2を加熱触媒体として用いて供給ガスを分解し、その分解種を被処理基板3上に堆積するCat−CVD装置である。
図1の気相成長装置1は、反応炉4と、ガス供給部5と、線状ヒータ2と、ヒータ収納部6とを備えている。
反応炉4は例えばステンレス製の中空構造であり、その内壁は処理ガス等と反応しないように、例えば石英ガラスにしている。ガス供給部5は、反応炉4の上部に設けられており、ガスをシャワー状に反応炉4内に供給する。反応炉4の斜め上方には、メインガス配管7とパージガス配管8とが設けられ、反応炉4の下方には排気配管9が設けられている。メインガス配管7から取り込まれたガスはガス供給部5に送られる。パージガス配管8から取り込まれたガスは、反応炉4の外周側に供給され、反応炉4の外周部分に反応副生成物が堆積することを抑制する。
反応炉4の内部には、被処理基板3を載置するサセプタ(支持台)11と、このサセプタ11を回転させる回転駆動部12とが設けられている。回転駆動部12の内部にはヒータ13が設けられており、サセプタ11を介して被処理基板3を加熱する。
サセプタ11上に載置される被処理基板3は、例えばサセプタ11の右側方向から不図示の自動搬送ロボットにて搬入されてくる。この搬送経路にはゲートバルブ14が設けられており、被処理基板3の搬入および搬出時のみゲートバルブ14を開けて、未処理の被処理基板3をサセプタ11まで搬入したり、処理済みの被処理基板3をサセプタ11から取り出して搬出する処理が行われる。
反応炉4の内部のサセプタ11の上方には、線状ヒータ2が図1の左方向から出入可能とされている。反応炉4には、線状ヒータ2の出入口15が設けられており、この出入口15を通して、線状ヒータ2は反応炉4から出し入れされる。
反応炉4の例えば左側には、ゲートバルブ16を介して、線状ヒータ2を収納するヒータ収納部6が設けられている。
図2Aおよび図2Bはヒータ収納部6周辺の構造をより詳細に示す図であり、図2Aは線状ヒータ2をヒータ収納部6に収納した第1状態を示し、図2Bは線状ヒータ2を反応炉4の内部に配置した第2状態を示している。図1では、模式的に、線状ヒータ2をヒータ収納部6に収納した第1状態と反応炉4の内部に配置した第2状態とを合わせて図示しているが、実際には、図2Aおよび図2Bに示すように、線状ヒータ2は、上述した第1状態と第2状態のいずれかに位置する。
図2Aおよび図2Bに示すように、ヒータ収納部6には、線状ヒータ2を移動させるヒータ駆動部10が接続されている。ヒータ駆動部10は、線状ヒータ2の移動方向に沿って伸縮するベローズ17と、このベローズ17を伸縮させる伸縮駆動部18と、線状ヒータ2を片持ち状態で支持するヒータ支持部19とを有する。
ヒータ支持部19は、伸縮駆動部18がベローズ17を伸縮させると、ベローズ17と一体となって移動する。ヒータ支持部19が移動すると、それに合わせて線状ヒータ2も移動する。このように、線状ヒータ2は、ベローズ17の伸縮に合わせて、ベローズ17の伸縮方向に移動する。
伸縮駆動部18は、例えばエアの圧力を変えることで、ベローズ17を伸縮させる。伸縮駆動部18は、線状ヒータ2をヒータ収納部6に収納する第1状態と、線状ヒータ2を反応炉4の内部に配置する第2状態とのいずれかになるようにベローズ17を伸縮させる。
反応炉4には、線状ヒータ2の出入口15が設けられているため、この出入口15を通して反応炉4内にガスが漏れ出さないように、線状ヒータ2を反応炉4の内部まで移動させるときだけゲートバルブ16を開くようにする。ヒータ支持部19の基端部には、図1に示すように段差19aが設けられており、線状ヒータ2を反応炉4の内部にまで移動させた状態では、この段差19aの面により線状ヒータ2の移動経路を塞ぐようにしている。これにより、反応炉4の内部のガスがヒータ収納部6の方向に漏洩するのが防止される。このような構造により、線状ヒータ2を反応炉4の内部に配置した状態では、ゲートバルブ16は開いたままでも反応炉4の内部のガスが漏洩しないようにしている。
図3は線状ヒータ2の構造の一例を示す図である。図示のように、線状ヒータ2は、一端がヒータ支持部19に支持された第1線状電極21と、同じく一端がヒータ支持部19に支持され第1線状電極21よりも長い第2線状電極22と、第1線状電極21の他端(先端)部および第2線状電極22の他端(先端)部の間に掛け渡される線状導体23とを有する。第1線状電極21、第2線状電極22および線状導体23はいずれも、その長手方向が線状ヒータ2の移動方向に略平行である。線状導体23の径は、第1線状電極21および第2線状電極22の径よりも小さいため、インピーダンスが高くなっており、第1線状電極21と第2線状電極22との間に所定の電圧を印加すると、線状導体23は加熱して、ヒータとして機能する。
線状ヒータ2は、約2000℃まで加熱することを想定しており、長時間使用すると、線状ヒータ2の構成部材である線状導体23が断線するおそれがある。ヒータ収納部6は、ゲートバルブ16にネジ止めされており、ゲートバルブ16を閉じた状態でヒータ収納部6を取り外すことで、反応炉4に悪影響を与えることなく、線状ヒータ2を容易に交換可能としている。
図4は本実施形態による気相成長方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、被処理基板3としてのウエハ上にシリコンナノワイヤを形成する処理手順を示している。
まず、常温の状態で、反応炉4内に、被処理基板3であるウエハを搬入して、このウエハをサセプタ11上に載置する(ステップS1)。この状態では、線状ヒータ2はヒータ収納部6に収納されている。
次に、回転駆動部12にてウエハを回転させ(ステップS2)、回転駆動部12内のヒータ13を加熱して、ウエハを300〜500℃まで昇温する(ステップS3)。
次に、ヒータ収納部6から線状ヒータ2を移動させて、反応炉4の内部に配置し、線状ヒータ2の加熱を開始する(ステップS4)。上述したように、ヒータ収納部6に収納された線状ヒータ2を反応炉4まで移動する際に、ゲートバルブ16を開いて線状ヒータ2を反応炉4の出入口15から反応炉4の内部まで移動させる。
次に、メインガス配管7から処理ガスを取り込んで、ガス供給部5を介して、反応炉4内に処理ガスを供給する(ステップS5)。この処理ガスは、線状ヒータ2にて分解し、その分解種がウエハ上に堆積し、多数のシリコンナノワイヤがウエハ上に成長する。シリコンナノワイヤを成長させるのに必要な処理ガスは、珪素化合物であり、具体的な一例としてはシラン(SiH4)である。併せてパージガス配管8から例えば水素などのパージガスが供給される。
ウエハ上にシリコンナノワイヤが形成された後、ガス供給部5は反応炉4への処理ガスの供給を停止する(ステップS6)。
その後、線状ヒータ2の加熱を停止させて、線状ヒータ2を降温させた後、線状ヒータ2を反応炉4から移動させて、ヒータ収納部6に収納する(ステップS7)。
次に、回転駆動部12内のヒータ13の加熱を停止させて、ウエハを降温させる(ステップS8)。続いて、ウエハの回転を停止させて、ウエハを搬出する(ステップS8)。
上述したステップS1〜S8の工程を所定回数繰り返すと、反応炉4内の内壁や各種配管に処理ガス等が付着する。このため、ガス供給部5から例えばClF3などのフッ素系のエッチングガスを反応炉4内に供給して反応炉4内のクリーニングを行う必要がある。このクリーニングの最中は、線状ヒータ2はヒータ収納部6に収納したままにし、線状ヒータ2がエッチングガスによる損傷を受けないようにする。さらに、エッチング終了後は、反応炉4内にN2ガスを供給して炉内にエッチングガスが残存しないようにする。
上述した図4のフローチャートでは、ウエハ上に直接、線状ヒータ2を加熱触媒体として用いて分解した処理ガスの分解種を堆積させる例を示したが、場合によっては、ウエハ上に下地層を形成し、その下地層の上に、上述した処理ガスの分解種を堆積する場合もありうる。下地層の形成は、線状ヒータ2を使用しないで通常のCVD法などで行われる。この場合、線状ヒータ2を反応炉4内に配置しておくと、ガス供給部5から供給された処理ガスに起因する副生成物がワイヤに付着してしまい、パーティクルの発生源となってしまうおそれがある。そこで、下地層を形成する際には、線状ヒータ2をヒータ収納部6に収納しておくのが望ましい。
また、ウエハ上にシリコンナノワイヤを成長させた後に、電極を形成する目的で通常のCVD法を行う場合にも、同様の理由で、線状ヒータ2はヒータ収納部6に収納しておくのが望ましい。
図4のフローチャートでは、シリコンナノワイヤをウエハ上に成長させる場合の工程順序を説明したが、本実施形態による気相成長方法および気相成長装置1は、シリコンナノワイヤ以外の種々の電子デバイスの製造に適用可能である。
また、本実施形態による気相成長方法を適用可能な電子デバイスは、必ずしも半導体デバイスだけでなく、微細構造のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)も含まれる。
このように、本実施形態では、線状ヒータ2を加熱触媒体として用いて、供給ガスを分解させて、その分解種を被処理基板3上に堆積させる気相成長方法において、必要な場合のみ線状ヒータ2が反応炉4内に配置されるように、線状ヒータ2を反応炉4から出し入れ可能にしたため、エッチングガスによる線状ヒータ2の損傷を防止できるとともに、処理ガスに起因する副生成物が線状ヒータ2に付着することも防止できる。これにより、被処理基板上に成膜される膜の品質を向上できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 気相成長装置、2 線状ヒータ、3 被処理基板、4 反応炉、5 ガス供給部、6 ヒータ収納部、7 メインガス配管、8 パージガス配管、9 排気配管、11 サセプタ、12 回転駆動部、13 ヒータ、14 ゲートバルブ、15 出入口、16 ゲートバルブ、17 ベローズ、18 伸縮駆動部、19 ヒータ支持部
Claims (5)
- 被処理基板を載置する支持台を有する反応炉と、
前記反応炉にガスを供給するガス供給部と、を備えた気相成長装置を用いた気相成長方法において、
被処理基板を前記支持台まで搬入する工程と、
前記被処理基板を所定温度まで加熱する工程と、
線状ヒータをヒータ収納部から前記反応炉の内部まで移動させる工程と、
前記反応炉の内部に移動させた前記線状ヒータを所定温度まで加熱する工程と、
前記線状ヒータが前記所定温度になると、前記ガス供給部から所定のガスを前記反応炉に供給して、前記被処理基板への成膜を行う工程と、
前記被処理基板への成膜が終了すると、前記線状ヒータを降温させて、前記線状ヒータを前記ヒータ収納部まで移動させる工程と、
前記被処理基板を降温した後に搬出する工程と、を備える気相成長方法。 - 前記線状ヒータを前記ヒータ収納部から前記反応炉まで移動させる工程では、前記ヒータ収納部と前記反応炉との間の前記線状ヒータの移動経路上に設けられる開閉部を開けて、前記線状ヒータを前記ヒータ収納部から前記反応炉まで移動させ、
前記線状ヒータを前記ヒータ収納部まで移動させる工程では、前記線状ヒータを前記ヒータ収納部まで移動させた後、前記開閉部を遮断する請求項1に記載の気相成長方法。 - 被処理基板を載置する支持台を有する反応炉と、
前記被処理基板への成膜に必要なガスを前記反応炉に供給するガス供給部と、
前記反応炉の出入口から出し入れ可能な線状ヒータと、
前記反応炉から取り出した前記線状ヒータを収納するヒータ収納部と、
前記線状ヒータの移動経路上に設けられ、前記反応炉と前記ヒータ収納部との間でのガスの流れを遮断可能な開閉部と、を備える気相成長装置。 - 前記線状ヒータを前記ヒータ収納部に収納する第1状態と、前記線状ヒータを前記反応炉の内部に配置する第2状態との間で前記線状ヒータを移動制御するヒータ駆動部を備える請求項3に記載の気相成長装置。
- 前記線状ヒータは、
前記線状ヒータの移動方向に延在される第1線状電極と、
線状ヒータの移動方向に延在され、前記第1線状電極よりも長い第2線状電極と、
前記第1線状電極の先端部と前記第2線状電極の先端部との間に掛け渡され、前記第1線状電極および前記第2線状電極よりもインピーダンスが高い線状導体と、を有する請求項3または4に記載の気相成長装置。
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