JP2012080035A - 基板処理装置及び基板製造方法 - Google Patents

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正直 福田
Shinya Sasaki
伸也 佐々木
Yoshinori Imai
義則 今井
Kazuhiro Morimitsu
和広 盛満
Sadao Nakajima
定夫 中嶋
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Abstract

【課題】SiCエピタキシャル成長装置におけるクリーニング方法を提供する。
【解決手段】反応室内に載置された被処理基板にSiCエピタキシャル膜を形成する成膜工程と、前記成膜工程において前記反応室内に設けられる部材に堆積したSiC膜を改質するために第1のガス(例えば塩素系ガス)を供給する改質工程と、前記改質工程において改質された堆積膜を除去するために前記第2のガス(例えばフッ素系ガス、酸化ガス、水素ガス)を供給する除去工程とを有する。
【選択図】図7

Description

本発明は、基板を処理する工程を有する基板処理装置、半導体装置の製造方法及び基板製造方法、特に炭化ケイ素(以下、SiCとする)エピタキシャル膜を基板上に成膜する工程を有する基板処理装置、半導体装置の製造方法及び基板製造方法に関するものである。
SiCは、特にパワーデバイス用素子材料として注目されている。一方で、SiCはシリコン(以下Siとする)に比べて結晶基板やデバイスの作製が難しいことが知られている。
一方で、SiCを用いてデバイスを作製する場合は、SiC基板の上にSiCエピタキシャル膜を形成したウェーハを用いる。このSiC基板上にSiCエピタキシャル膜を形成されるSiCエピタキシャル成長装置の一例として特許文献1がある。
特許文献1にも記載されるように、SiC基板の上にSiCエピタキシャル膜を成長させるためには、1600度程度の高温まで加熱する必要がある。従って、高温に熱せられる処理炉内に位置する部品は、耐熱性が高いカーボンで形成されることが多い。
特開2009−212506号公報
ここで、処理炉内部品は、SiCエピタキシャル成長プロセス時にはウェーハ同様材料ガスに晒される。このため処理炉内の部品表面にもSiC膜が堆積する。このSiC膜がある厚さ以上堆積するとカーボンで形成される部品表面との熱膨張率差から剥がれてしまう。剥がれたSiC膜が、ウェーハ表面に付着するとエピタキシャル成長を阻害し、エピタキシャル膜の品質低下の要因となる。このため、部品に付着したSiC膜が剥がれる前に部品自体を交換もしくは機械的クリーニング処理(SiC膜を削り落とす)を実施する。本作業を実施するためには、装置からの部品を取外し及び再組立を必要とし装置の生産性を下げてしまう問題があった。また、炉内部材の交換コストが増大してしまうという問題があった。
前記課題を解決するための本発明の代表的な例は、反応室内に設けられる部材に堆積した堆積膜を除去するクリーニング方法であって、前記堆積膜を改質するために第1のガスを供給する改質工程と、前記改質工程において改質された堆積膜を除去するために前記第1のガスとは異なる第2のガスを供給する除去工程とを有するクリーニング方法である。
また、反応室内に載置された被処理基板に所定の膜を形成する成膜工程と、前記成膜工程において前記反応室内に設けられる部材に堆積した堆積膜を改質するために第1のガスを供給する改質工程と、前記改質工程において改質された堆積膜を除去するために前記第2のガスを供給する除去工程とを有する半導体装置又は基板の製造方法である。
所定の膜が形成される被処理基板が載置される反応室と、上記反応室内に設けられた第1の部材と、前記反応室に設けられ前記被処理基板に前記所定の膜を形成するための成膜ガス、及び、前記被処理基板への成膜時に第1の部材に堆積された堆積膜を除去するための第1及び第2ガスを供給する複数のガス供給ノズルと、前記堆積膜を除去する際に、前記堆積膜を改質するために第1ガスを供給し、前記改質された堆積膜を除去するために第2ガスを供給するよう制御する制御部とを有する基板処理装置である。
本発明によれば、生産性の向上を図ることができる。
本発明の第1の実施例が適用される半導体製造装置の斜視図である。 本発明の第1の実施例が適用される処理炉の側面断面図である。 本発明の第1の実施例が適用される処理炉の平面断面図である。 本発明の第1の実施例が適用される半導体製造装置の制御構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施例が適用される半導体製造装置の処理炉及びその周辺構造の概略断面図である。 本発明の処理炉の平断面図の一例である。 本発明のガスクリーニング過程の第1の実施例を示す図である。 SiC膜の一部がポーラス状カーボン化された状態のSEM写真である。 本発明のガスクリーニング過程の第2の実施例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。本実施例では、特許文献1に記載されるSiCエピタキシャル成長装置に対して、高さ方向にSiCウェハを並べる、所謂バッチ式縦型SiCエピタキシャル成長装置となっている。バッチ式縦型SiCエピタキシャル成長装置とすることで、一度に処理できるSiCウェハの数が多くなりスループットが向上する。
先ず、図1に於いて、本発明の第1の実施例に於けるSiCエピタキシャル膜を成膜する成膜装置、および、SiCエピタキシャル膜を成膜する方法について説明する。
基板処理装置(成膜装置)としての半導体製造装置10は、バッチ式縦型熱処理装置であり、主要部が配置される筐体12を有する。前記半導体製造装置10には、例えばSi又はSiC等で構成された基板としてのウェーハ14(図2参照)を収納する基板収容器として、フープ(以下、ポッドと称す)16がウェーハキャリアとして使用される。前記筐体12の正面側には、ポッドステージ18が配置されており、該ポッドステージ18にポッド16が搬送される。ポッド16には、例えば25枚のウェーハ14が収納され、蓋が閉じられた状態で前記ポッドステージ18にセットされる。
前記筐体12内の正面であって、前記ポッドステージ18に対向する位置には、ポッド搬送装置20が配置されている。又、該ポッド搬送装置20の近傍にはポッド収納棚22、ポッドオープナ24及び基板枚数検知器26が配置されている。前記ポッド収納棚22は前記ポッドオープナ24の上方に配置され、ポッド16を複数個載置した状態で保持する様に構成されている。前記基板枚数検知器26は、前記ポッドオープナ24に隣接して配置され、前記ポッド搬送装置20は前記ポッドステージ18と前記ポッド収納棚22と前記ポッドオープナ24との間でポッド16を搬送する。前記ポッドオープナ24はポッド16の蓋を開けるものであり、前記基板枚数検知器26は蓋を開けられたポッド16内のウェーハ14の枚数を検知する様になっている。
前記筐体12内には、基板移載機28、基板保持具としてのボート30が配置されている。前記基板移載機28は、アーム(ツイーザ)32を有し、図示しない駆動手段により昇降可能且つ回転可能な構造となっている。前記アーム32は、例えば5枚のウェーハ14を取出すことができ、前記アーム32を動かすことにより、前記ポッドオープナ24の位置に置かれたポッド16及びボート30間にてウェーハ14を搬送する。
前記ボート30は、例えばカーボングラファイトやSiC等の耐熱性材料で構成されており、複数枚のウェーハ14を水平姿勢で、且つ互いに中心を揃えた状態で整列させて縦方向に積上げ、保持する様に構成されている。尚、前記ボート30の下部には、例えば石英やSiC等の耐熱性材料で構成された円盤形状の断熱部材としてボート断熱部34が配置されており、後述する被加熱体48からの熱が処理炉40の下方側に伝わりにくくなる様に構成されている(図2参照)。
前記筐体12内の背面側上部には前記処理炉40が配置されている。該処理炉40内に複数枚のウェーハ14を装填した前記ボート30が搬入され、熱処理が行われる。
次に、図2、図3に於いて、SiCエピタキシャル膜を成膜する前記半導体製造装置0の前記処理炉40について説明する。処理炉40には、第1のガス供給口68を有する第1のガス供給ノズル60、第2のガス供給口72を有する第2のガス供給ノズル70、及び第1のガス排気口90が代表例としてそれぞれ1つずつ図示されている。又、不活性ガスを供給する第3のガス供給口360、第2のガス排気口390が図示されている。
前記処理炉40は、円筒形状の反応室44を形成する前記反応管42を備えている。該反応管42は、石英又はSiC等の耐熱性材料からなり、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。該反応管42の内側の筒中空部には、前記反応室44が形成れており、Si又はSiC等で構成された基板としてのウェーハ14を前記ボート30によって水平姿勢で、且つ互いに中心を揃えた状態で整列させて縦方向に積上げ、保持した状態で収納可能に構成されている。
前記反応管42の下方には、該反応管42と同心円状にマニホールド36が配設されている。該マニホールド36は、例えばステンレス等からなり、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。該マニホールド36は、前記反応管42を支持する様に設けられている。尚、前記マニホールド36と前記反応管42との間には、シール部材としてのOリング(図示せず)が設けられている。前記マニホールド36が図示しない保持体に支持されることにより、前記反応管42は垂直に据付けられた状態になっている。該反応管42と前記マニホールド36により、反応容器が形成されている。
前記処理炉40は、加熱される被加熱体48及び磁場発生部としての誘電コイル50を具備している。前記被加熱体48は、前記反応室44内に配設され、該反応管42の外側に設けられた前記誘電コイル50により発生される磁場によって加熱される様になっており、前記被加熱体48が発熱することにより、前記反応室44内が加熱される様になっている。
前記被加熱体48の近傍には、前記反応室44内の温度を検出する温度検出体として図示しない温度センサが設けられている。前記誘電コイル50及び温度センサは、温度制御部52と電気的に接続されており、温度センサにより検出された温度情報に基づき、前記誘電コイル50への通電具合が調節されることで、前記反応室44内の温度が所望の温度分布となる様所定のタイミングにて制御される様構成されている(図4参照)。
尚、好ましくは、前記反応室44内に於いて前記第1及び第2のガス供給ノズル60,70と第1のガス排気口90との間であって、前記被加熱体48とウェーハ14との間には、前記被加熱体48とウェーハ14との間の空間を埋める様、鉛直方向に延在し断面が円弧状の構造物400を前記反応室44内に設けるのがよい。例えば、図3に示す様に、対向する位置にそれぞれ構造物400を設けることで、前記第1及び第2のガス供給ノズル60,70から供給されるガスが、前記被加熱体48の内壁に沿ってウェーハ14を迂回するのを防止することができる。前記構造物400としては、好ましくは断熱材若しくはカーボンフェルト等で構成すると、耐熱及びパーティクルの発生を抑制することができる。
前記反応管42と前記被加熱体48との間には、例えば誘電されにくいカーボンフェルト等で構成された断熱材54が設けられ、該断熱材54を設けることにより、前記被加熱体48の熱が前記反応管42或は該反応管42の外側へ伝達するのを抑制することができる。
又、前記誘電コイル50の外側には、前記反応室44内の熱が外側に伝達するのを抑制する為の、例えば水冷構造である外側断熱壁が前記反応室44を囲む様に設けられている。更に、前記外側断熱壁の外側には、前記誘電コイル50により発生された磁場が外側に漏れるのを防止する磁気シール58が設けられている。
図2に示す様に、前記被加熱体48とウェーハ14との間には、少なくともSi(シリコン)原子含有ガスと、Cl(塩素)原子含有ガスとをウェーハ14に供給するために少なくとも1つの第1のガス供給口68が設けられた第1のガス供給ノズル60が設置される。又、被加熱体48とウェーハ14との間の前記第1のガス供給ノズル60とは異なる箇所には、少なくともC(炭素)原子含有ガスと還元ガスとをウェーハ14に供給するために、少なくとも1つの前記第2のガス供給口72が設けられた第2のガス供給ノズル70が設けられる。また、第1のガス排気口90も同様に被加熱体48とウェーハ14との間に配置される。又、前記反応管42と前記断熱材54との間に、前記第3のガス供給口360及び前記第2のガス排気口390が配置されている。
前記第1のガス供給口68及び第1のガス供給ノズル60は、例えばカーボングラファイトで構成され、前記反応室44内に設けられる。又、前記第1のガス供給ノズル60は、マニホールド36を貫通する様に該マニホールド36に取付けられている。ここで、SiCエピタキシャル膜を形成する際に、前記第1のガス供給口68は、少なくともSi(シリコン)原子含有ガスとして、例えばモノシラン(以下SiH4とする)ガスと、Cl(塩素)原子含有ガスとして、例えば塩化水素(以下HClとする)ガスとを前記第1のガス供給ノズル60を介して、前記反応室44内に供給する様になっている。尚、前記第1のガス供給ノズル60は複数本設けてもよい。また、クリーニングを行う際に、第1のガス供給口68は、少なくとも塩素系ガスとして、例えば塩素(以下、Cl2)と、フッ素系ガスとして、例えば三フッ化塩素(以下、ClF3)とを反応室44内に供給するようになっている。
該第1のガス供給ノズル60は、第1のガスライン222に接続されている。該第1のガスライン222は、例えばガス配管213a,213bに接続され、該ガス配管213a,213bはそれぞれSiH4ガス、HClガスに対して流量制御器(流量制御手段)としてのマスフローコントローラ(以下MFCとする)211a,211b及びバルブ212a,212bを介して、例えばSiH4ガス供給源210a、HClガス供給源210bに接続されている。また、第1のガスライン222は、更に、ガス配管213f,213gに接続され、該ガス配管213f、213gは、それぞれCl2ガス、ClF3ガスに対して流量制御器(流量制御手段)としてのMFC211f、211g及びバルブ212f、212gを介して、Cl2ガス供給源210f、ClF3ガス供給源210gに接続されている。
上記構成により、例えばSiH4ガス、HClガス、Cl2ガス、ClF3ガスのそれぞれの供給流量、濃度、分圧、供給タイミングを前記反応室44内に於いて制御することができる。前記バルブ212a,212b、212f、212g、前記MFC211a,211b、211f、211gは、ガス流量制御部78に電気的に接続されており、それぞれ供給するガスの流量が所定流量となる様に、所定のタイミングにて制御される様になっている(図4参照)。尚、SiH4ガス、HClガスそれぞれの前記ガス供給源210a,210b、前記バルブ212a,212b、前記MFC211a,211b、前記ガス配管213a,213b、前記第1のガスライン222、前記第1のガス供給ノズル60及び該第1のガス供給ノズル60に少なくとも1つ設けられる前記第1のガス供給口68により、ガス供給系として第1のガス供給系が構成される。また、第1のガス供給系には、クリーニングのため、更に、Cl2ガス、ClF3ガスそれぞれの前記ガス供給源210f,210g、前記バルブ212f,212g、前記MFC211f,211g、前記ガス配管213f,213が設けられている。
尚、上述では、SiCエピタキシャル膜を形成する際に流すCl(塩素)原子含有ガスとしてHClガスを例示したが、塩素ガスを用いてもよい。
又、上述ではSiCエピタキシャル膜を形成する際に、Si(シリコン)原子含有ガスとCl(塩素)原子含有ガスとを供給したが、Si原子とCl原子を含むガス、例えばテトラクロロシラン(以下SiCl4とする)ガス、トリクロロシラン(以下SiHCl3)ガス、ジクロロシラン(以下SiH2Cl2)ガスを供給してもよい。
更に、クリーニングの際に流す塩素系ガスとして、Cl2ガスを例示したが、そのほかにHClガスやBCl3ガス等を用いても良い。また、フッ素系ガスとしてClF3を例示したが、NF3ガス、F2ガス、BF3ガス、CF4ガス、CHF3ガス、HFガス等を用いても良い。
前記第2のガス供給口72は、例えばカーボングラファイトで構成され、前記反応室44内に設けられる。また、前記第2のガス供給ノズル70は、前記マニホールド36を貫通する様に、該マニホールド36に取付けられている。ここで、SiCエピタキシャル膜を形成する際に、前記第2のガス供給口72は、少なくともC(炭素)原子含有ガスとして、例えばプロパン(以下C3H8とする)ガスと、還元ガスとして、例えば水素(H原子単体、若しくはH2分子。以下H2とする)とを前記第2のガス供給ノズル70を介して前記反応室44内に供給する様になっている。尚、前記第2のガス供給ノズル70は、複数本設けてもよい。
該第2のガス供給ノズル70は、第2のガスライン260に接続されている。該第2のガスライン260は、例えばガス配管213c,213dと接続され、該ガス配管213c,213dはそれぞれ、C(炭素)原子含有ガスとして、例えばC3H8ガスに対して流量制御手段としてのMFC211c及びバルブ212cを介してC3H8ガス供給源210cに接続され、還元ガスとして、例えばH2ガスに対して流量制御手段としてのMFC211d及びバルブ212dを介してH2ガス供給源210dに接続されている。
上記構成により、例えばC3H8ガス、H2ガスの供給流量、濃度、分圧を前記反応室44内に於いて制御することができる。前記バルブ212c,212d、前記MFC211c,211dは前記ガス流量制御部78に電気的に接続されており、供給するガス流量が所定の流量となる様、所定のタイミングにて制御される様になっている(図4参照)。尚、C3H8ガス、H2ガスのガス供給源210c,210d、前記バルブ212c,212d、前記MFC211c,211d、前記ガス配管213c,213d、前記第2のガスライン260、第2のガス供給ノズル70、前記第2のガス供給口72により、ガス供給系として第2のガス供給系が構成される。
尚、上記では前記ガス供給源210c,210d、前記バルブ212c,212d、前記MFC211c,211d、前記ガス配管213c,213d、前記第2のガスライン260、前記第2のガス供給ノズル70、前記第2のガス供給口72を第2のガス供給系としているが、前記H2ガス供給源210d、前記バルブ212d、前記MFC211d、前記ガス配管213d、前記第2のガスライン260、前記第2のガス供給ノズル70、前記第2のガス供給口72を第2のガス供給系とし、前記C3H8ガス供給源210c、前記バルブ212c、前記MFC211c、前記ガス配管213cを第3のガス供給系とし、該第3のガス供給系を第1のガス供給系或は第2のガス供給系と接続させてもよい。
又、上述ではC(炭素)原子含有ガスとしてC3H8ガスを例示したが、エチレン(以下C2H4とする)ガス、アセチレン(以下C2H2とする)ガスを用いてもよい。
又、前記ボート30に保持された複数枚のウェーハ14に対して均一にガスを供給する為、前記第1のガス供給ノズル60及び前記第2のガス供給ノズル70の基板の配列領域に於いて、各ウェーハ14に対向する様に前記第1のガス供給口68及び前記第2のガス供給口72が設けられていてもよい。これにより、ウェーハ14の膜厚面内均一性を制御しやすくなる為、好ましい。
又、前記第1のガス供給ノズル60及び前記第2のガス供給ノズル70に於いて、基板の配列領域に前記第1のガス供給口68及び前記第2のガス供給口72が少なくとも1つ設けられていてもよく、ウェーハ14の所要数枚毎に設けられていてもよい。
尚、第1の実施例では、前記第1のガス供給ノズル60よりSi(シリコン)原子含有ガス及びCl(塩素)原子含有ガスを供給し、前記第2のガス供給ノズル70よりC(炭素)原子含有ガス及び還元ガスを供給したが、これに限らずガス種毎にガス供給ノズルを設けて前記反応室44内にガスを供給してもよい。
次に、上述した第1のガス供給系及び第2のガス供給系を構成する理由について説明する。従来のSiCエピタキシャル膜を成膜する半導体製造装置では、Si(シリコン)原子含有ガスと、C(炭素)原子含有ガスと、還元ガス等で構成される原料ガスを前記反応室44の1箇所より供給し、SiCエピタキシャル膜を成膜していた。本実施例の様に、SiC等から構成される複数枚のウェーハ14が水平姿勢で多段に整列させて保持される場合に於いて、原料ガスは前記反応室44内にガス供給ノズルを設けることで供給されている。この時、ガス供給ノズル内では原料ガス同士が反応することで消費され、原料ガスが消費されることで、前記反応室44の下流側で原料ガスが不足するだけでなく、ガス供給ノズル内で反応し堆積したSiCエピタキシャル膜等の堆積物がガス供給ノズルを閉塞し、原料ガスの供給が不安定になると共に、パーティクルを発生させる等の問題を生じてしまう。
又、図3に示す様に、前記第1のガス排気口90が、前記第1のガス供給ノズル60及び前記第2のガス供給ノズル70の位置に対して対向する様に配置され、前記マニホールド36には、前記第1のガス排気口90に接続されたガス排気管230が貫通する様設けられている。該ガス排気管230の下流側には、図示しない圧力検出器としての圧力センサ及び、圧力調整器としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ214を介して真空ポンプ等の真空排気装置220が接続されている。圧力センサ及び前記APCバルブ214には、圧力制御部98が電気的に接続されており、該圧力制御部98は圧力センサにより検出された圧力に基づいて前記APCバルブ214の開度を調整し、前記処理炉40内の圧力が所定の圧力となる様所定のタイミングにて制御する様に構成されている(図4参照)。
上記した様に、前記第1のガス供給口68から少なくともSi(シリコン)原子含有ガスとCl(塩素)原子含有ガスとを供給し、前記第2のガス供給口72から少なくともC(炭素)原子含有ガスと還元ガスとを供給し、供給されたガスはSi又はSiCで構成されたウェーハ14に対し平行に流れ、前記第1のガス排気口90より排気されるので、ウェーハ14全体が効率的且つ均一にガスに晒される。
又、図3に示す様に、前記第3のガス供給口360は前記反応管42と前記断熱材54との間に配置され、前記マニホールド36を貫通する様に取付けられている。更に、前記第2のガス排気口390が、前記反応管42と前記断熱材54との間であり、前記第3のガス供給口360に対して対向する様に配置され、前記第2のガス排気口390は前記ガス排気管230に接続されている。前記第3のガス供給口360は前記マニホールド36を貫通する第3のガスライン240に形成され、バルブ212e、MFC211eを介してガス供給源210eと接続されている。該ガス供給源210eからは不活性ガスとして、例えば希ガスのArガスが供給され、SiCエピタキシャル膜成長に寄与するガス、例えばSi(シリコン)原子含有ガス又はC(炭素)原子含有ガス又はCl(塩素)原子含有ガス又はそれらの混合ガスが、前記反応管42と前記断熱材54との間に進入するのを防ぎ、前記反応管42の内壁又は前記断熱材54の外壁に不要な生成物が付着するのを防止することができる。
又、前記反応管42と前記断熱材54との間に供給された不活性ガスは、前記第2のガス排気口390より前記ガス排気管230の下流側にある前記APCバルブ214を介して前記真空排気装置220から排気される。
尚、還元ガスとしてH2ガスを例示したが、これに限らずH(水素)原子含有ガス、Ar(アルゴン)ガス、He(ヘリウム)ガス、Ne(ネオン)ガス、Kr(クリプトン)ガス、Xe(キセノン)ガス等の希ガスのうち少なくとも1つを用いてもよいし、上記したガスを組合わせた混合ガスを用いてもよい。
次に、図5に於いて、前記処理炉40及びその周辺の構成について説明する。
該処理炉40の下方には、該処理炉40の下端開口を気密に閉塞する為の炉口蓋体としてシールキャップ102が設けられている。該シールキャップ102は、例えばステンレス等の金属製であり、円盤状に形成されている。該シールキャップ102の上面には、前記処理炉40の下端と当接するシール材としてのOリング(図示せず)が設けられている。前記シールキャップ102には回転機構104が設けられ、該回転機構104の回転軸106は前記シールキャップ102を貫通して前記ボート30に接続されており、該ボート30を回転させることでウェーハ14を回転させる様に構成されている。
又、前記シールキャップ102は前記処理炉40の外側に設けられた昇降機構として、後述する昇降モータ122によって垂直方向に昇降される様に構成されており、これにより前記ボート30を前記処理炉40に対して搬入搬出することが可能となっている。前記回転機構104及び前記昇降モータ122には、駆動制御部108が電気的に接続されており、所定の動作をする様所定のタイミングにて制御する様構成されている(図4参照)。
予備室としてのロードロック室110の外面に下基板112が設けられている。該下基板112には、昇降台114と摺動自在に嵌合するガイドシャフト116及び前記昇降台114と螺合するボール螺子118が設けられている。又、前記下基板112に立設した前記ガイドシャフト116及び前記ボール螺子118の上端には上基板120が設けられている。前記ボール螺子118は、前記上基板120に設けられた前記昇降モータ122によって回転され、前記ボール螺子118が回転されることで前記昇降台114が昇降する様になっている。
該昇降台114には中空の昇降シャフト124が垂設され、前記昇降台114と前記昇降シャフト124の連結部は気密となっており、該昇降シャフト124は前記昇降台114と共に昇降する様になっている。前記昇降シャフト124は前記ロードロック室110の天板126を遊貫し、前記昇降シャフト124が貫通する前記天板126の貫通孔は、前記昇降シャフト124が前記天板126と接触することがない様充分な隙間が形成されている。
又、前記ロードロック室110と前記昇降台114との間には、前記昇降シャフト124の周囲を覆う様に伸縮性を有する中空伸縮体としてベローズ128が設けられ、該ベローズ128により前記ロードロック室110が気密に保たれる様になっている。尚、前記ベローズ128は前記昇降台114の昇降量に対応できる充分な伸縮量を有し、前記ベローズ128の内径は前記昇降シャフト124の外径に比べて充分に大きく、伸縮の際に前記ベローズ128と前記昇降シャフト124が接触することがない様に構成されている。
該昇降シャフト124の下端には、昇降基板130が水平に固着され、該昇降基板130の下面にはOリング等のシール部材を介して駆動部カバー132が気密に取付けられる。前記昇降基板130と前記駆動部カバー132とで駆動部収納ケース134が構成され、この構成により該駆動部収納ケース134内部は前記ロードロック室110内の雰囲気と隔離される。
又、前記駆動部収納ケース134の内部には前記ボート30の前記回転機構104が設けられ、該回転機構104の周辺は冷却機構135によって冷却される様になっている。
電力ケーブル138は、前記昇降シャフト124の上端から中空部を通り、前記回転機構104に導かれて接続されている。又、前記冷却機構135及び前記シールキャップ102には冷却水流路140が形成されている。更に、冷却水配管142が前記昇降シャフト124の上端から中空部を通り前記冷却水流路140に導かれて接続されている。
前記昇降モータ122が駆動され、前記ボール螺子118が回転することで、前記昇降台114及び昇降シャフト124を介して前記駆動部収納ケース134を昇降させる。
該駆動部収納ケース134が上昇することにより、前記昇降基板130に気密に設けられている前記シールキャップ102が前記処理炉40の開口部である炉口144を閉塞し、ウェーハ処理が可能な状態となる。又、前記駆動部収納ケース134が下降することにより、前記シールキャップ102と共に前記ボート30が降下され、ウェーハ14を外部に搬出できる状態となる。
次に、図4に於いて、SiCエピタキシャル膜を成膜する前記半導体製造装置10を構成する各部の制御構成について説明する。
温度制御部52、前記ガス流量制御部78、前記圧力制御部98、前記駆動制御部108は、操作部及び入出力部を構成し、前記半導体製造装置10全体を制御する主制御部150に電気的に接続されている。又、前記温度制御部52、前記ガス流量制御部78、前記圧力制御部98、前記駆動制御部108は、コントローラ152として構成されている。
次に、上述した前記半導体製造装置10を用い、半導体デバイスの製造工程の一工程として、SiC等で構成されるウェーハ14等の基板上に、例えばSiC膜を形成する方法について説明する。尚、以下の説明に於いて前記半導体製造装置10を構成する各部の動作は、前記コントローラ152により制御される。
先ず、前記ポッドステージ18に複数枚のウェーハ14を収納したポッド16がセットされると、前記ポッド搬送装置20により前記ポッド16を前記ポッドステージ18から前記ポッド収納棚22へ搬送し、ストックする。次に、前記ポッド搬送装置20により、前記ポッド収納棚22にストックされた前記ポッド16を前記ポッドオープナ24に搬送してセットし、該ポッドオープナ24により前記ポッド16の蓋を開き、前記基板枚数検知器26により前記ポッド16に収納されているウェーハ14の枚数を検知する。
次に、前記基板移載機28により、前記ポッドオープナ24の位置にある前記ポッド16からウェーハ14を取出し、前記ボート30に移載する。
複数枚のウェーハ14が前記ボート30に装填されると、ウェーハ14を保持した前記ボート30は、前記昇降モータ122による前記昇降台114及び昇降シャフト124の昇降動作により前記反応室44内に搬入(ボートローディング)される。この状態では、前記シールキャップ102はOリング(図示せず)を介して前記マニホールド36の下端をシールした状態となる。
前記ボート30搬入後、前記反応室44内が所定の圧力(真空度)となる様に、前記真空排気装置220によって真空排気される。この時、前記反応室44内の圧力は、圧力センサ(図示せず)によって測定され、測定された圧力に基づき前記第1のガス排気口90及び前記第2のガス排気口390に連通するAPCバルブ214がフィードバック制御される。又、ウェーハ14及び前記反応室44内が所定の温度となる様前記被加熱体48が加熱される。この時、前記反応室44内が所定の温度分布となる様、温度センサ(図示せず)が検出した温度情報に基づき前記誘電コイル50への通電具合がフィードバック制御される。続いて、前記回転機構104により、前記ボート30が回転されることで、ウェーハ14が周方向に回転される。
続いて、SiCエピタキシャル成長反応に寄与するSi(シリコン)原子含有ガス及びCl(塩素)原子含有ガスは、それぞれ前記ガス供給源210a,210bから供給され、前記第1のガス供給口68より前記反応室44内に噴出される。又、C(炭素)原子含有ガス及び還元ガスであるH2ガスが、所定の流量となる様に対応する前記MFC211c,211dの開度が調整された後、前記バルブ212c,212dが開かれ、それぞれのガスが前記第2のガスライン260に流通し、前記第2のガス供給ノズル70に流通して前記第2のガス供給口72より前記反応室44内に導入される。
前記第1のガス供給口68及び前記第2のガス供給口72より供給されたガスは、前記反応室44内の前記被加熱体48の内側を通り、前記第1のガス排気口90から前記ガス排気管230を通って排気される。前記第1のガス供給口68及び前記第2のガス供給口72より供給されたガスは、前記反応室44内を通過する際に、SiC等で構成されるウェーハ14と接触し、ウェーハ14表面上にSiCエピタキシャル膜成長がなされる。
又、前記ガス供給源210eより、不活性ガスとしての希ガスであるArガスが所定の流量となる様に対応する前記MFC211eの開度が調整された後、前記バルブ212eが開かれ、前記第3のガスライン240に流通し、前記第3のガス供給口360から前記反応室44内に供給される。前記第3のガス供給口360から供給された不活性ガスとしての希ガスであるArガスは、前記反応室44内の前記断熱材54と前記反応管42との間を通過し、前記第2のガス排気口390から排気される。
SiCエピタキシャル膜成長は、予め設定された時間が経過すると、上述したガスの供給が停止され、図示しない不活性ガス供給源より不活性ガスが供給され、前記反応室44内の前記被加熱体48の内側の空間が不活性ガスで置換されると共に、前記反応室44内の圧力が常圧に復帰される。
その後、前記昇降モータ122により前記シールキャップ102が下降され、前記マニホールド36の下端が開口されると共に、処理済みのウェーハ14が前記ボート30に保持された状態で前記マニホールド36の下端から前記反応管42の外部に搬出(ボートアンローディング)され、前記ボート30に保持されたウェーハ14が冷える迄、前記ボート30を所定位置にて待機させる。待機させた該ボート30のウェーハ14が所定温度迄冷却されると、前記基板移載機28により、前記ボート30からウェーハ14を取出し、前記ポッドオープナ24にセットされている空のポッド16に搬送して収納する。その後、ポッド搬送装置20によりウェーハ14が収納された前記ポッド16を前記ポッド収納棚22、又は前記ポッドステージ18に搬送する。この様にして、前記半導体製造装置10の一連の作動が完了する。
上述した様に、前記第1のガス供給口68から少なくともSi(シリコン)原子含有ガスとCl(塩素)原子含有ガスとを供給し、前記第2のガス供給口72から少なくともC(炭素)原子含有ガスと還元ガスとを供給したので、前記第1のガス供給ノズル60及び前記第2のガス供給ノズル70内での堆積膜の成長を抑制し、又前記反応室44内では前記第1のガス供給ノズル60及び前記第2のガス供給ノズル70より供給されるSi(シリコン)原子含有ガスとCl(塩素)原子含有ガス、C(炭素)原子含有ガスと還元ガスであるH2ガスが反応することで、SiC等から構成される複数のウェーハ14を水平姿勢で且つ多段に保持した場合に於いて、均一にSiCエピタキシャル膜成長を行うことができる。
なお、図2において、説明を簡単にするために、前記第1のガス供給ノズル60及び前記第2のガス供給ノズル70を1本ずつ例示したが、複数本設ける際には、図6に示す様に、前記反応室44内の前記被加熱体48の内周に沿って複数本設け、前記第1のガス供給口68及び前記第2のガス供給口72をそれぞれウェーハ14の中心に向けてガスを噴出可能にすると共に、前記第2のガス供給ノズル70を両端に配置するとよい。前記第2のガス供給口72より供給される還元ガスにより、成膜ガスがウェーハ14に供給されやすくなると共に、ウェーハ14以外の箇所にSi膜やSiC膜が析出するのを抑制することができる。
更に、上記構成に加え、前記第1のガス供給ノズル60及び前記第2のガス供給ノズル70を交互に設けるとよい。これにより、前記第1のガス供給口68より少なくとも供給される成膜ガスと、前記第2のガス供給口72より少なくとも供給される還元ガスとが混合する箇所が増え、ウェーハ14に達する前に成膜ガスと還元ガスを効率よく混合させることができるので、供給ガスの偏りを抑制し、より一層膜厚面内均一性が向上する。
尚、前記ガス供給源210eから供給される不活性ガスとして、希ガスのArガスを用いることが好ましいが、これに限らず、He(ヘリウム)ガス、Ne(ネオン)ガス、Kr(クリプトン)ガス、Xe(キセノン)ガスを用いてもよい。
以下、このSiC膜を除去するクリーニング方法の第1の実施例について説明する。なお、これらのガス供給動作は、図4の制御部が制御を行う。反応室44内に位置する第1および第2ガス供給ノズル60、70、第1及び第2のガス供給口62、72、ボート30、及び、被加熱体48等の反応室内に位置する部品は、高温に熱せられるため耐熱性が高いカーボン基材C−BASE(カーボングラファイト基材)が用いられる。また、SiCエピタキシャル膜を形成する際に、カーボンがエッチングされ、パーティクルとなるのを防止するためにSiC膜SiC−PREでコーティングされており(図7(a))、SiCエピタキシャル膜を形成するとその上に更にSiC膜SiC-DEPOが堆積される(図7(b))。SiCエピタキシャル膜の成膜処理を繰り返すと表面上にSiC膜は厚くなっていく。表面上のSiC膜SiC−DEPOが(膜剥がれを起こさない)ある厚さ(200〜300μm程度)となった時点でガスクリーニングを実施する。
ガスクリーニングでは、まず始めに複数のガス供給ノズル60、70のうち、少なくとも1本から第1のガスとして塩素系ガス(例えば、Cl2ガス)を反応室内に供給する。この供給された塩素系ガスにより部品表面に堆積したSiC膜からSiが選択的に脱離することにより、SiC膜が改質され、ポーラス状カーボン層C−PORを形成する(図7(c)、塩素系ガス処理)。ここで、塩素系ガスはSiC層のSiにしか作用しないため、基材となるカーボン層C−BASEに与えるダメージを最小限にできる。なお、図8にSiC堆積膜SiC−DEPOに塩素系ガスを供給することにより形成したポーラス状カーボン層C−PORのSEM写真を示す。図8(a)は全体像であり、図8(b)は、図8(a)の白枠部分の拡大像である。
次に複数のガス供給ノズル60、70のうち、少なくとも1本からフッ素系ガス(例えば、ClF3ガス)を第2のガスとして供給する。このフッ素系ガスによりポーラス状カーボン層C−PORを除去する(図7(d)、フッ素系ガス処理)。ここで、ポーラス状カーボン層C−PORとカーボン基材C−BASEは、共にカーボンであるためエッチングされることになるが、ポーラス状カーボン層C−PORは、その密度がカーボン基材層C−BASEと比較して小さいため、エッチングされやすい。従って、ポーラス状カーボン層C−PORとカーボン基材層C−BASEとでエッチングレートが異なる(ポーラス状カーボン層>カーボン基材層)ことになり、カーボン基材層C−BASEに与えるダメージを最小限に抑えつつ、ポーラス状カーボン層C−PORを除去することができる。
最後に基材表面に基材内部からの不純物放出防止を目的とした50〜100μm程度のSiC膜SiC−PREをプレコートし、一連のガスクリーニングが完了する(図7(e))。
以上、本発明のガスクリーニングでは、除去対象となる部品への堆積膜を第1のガスにより改質する工程と、第2のガスにより改質後の堆積膜を除去する工程とを有する。これにより、改質前は部品の基材とのエッチング比が取りにくい場合であっても、改質することにより基材とのエッチング比を取りやすくし、基材へのダメージを最小限にしたがスクリーニングを実現できる。また、それにより部品を頻繁に交換することなく生産性を向上でき、炉内部品からの膜剥がれによる品質の低下を抑止することができる。
望ましくは、第1のガスは、改質前の堆積膜の密度を減少させるようなガスを用いるとよい。このようにすると、改質後の堆積膜はエッチングされやすくなり、除去工程において、基材とのエッチング比を取りやすくなる。更に望ましくは、第1のガスは、部品の基材への影響が小さいガスを用いるとよい。これにより、堆積膜の改質を最後まで十分に行うことが可能となる。
また、本発明はSiCを成膜する装置におけるガスクリーニングで特に効果を発揮する。即ち、SiCを成膜する装置においては、反応室内の部品が高温に熱せられるため耐熱性の高いカーボン基材を用いることが多い。その結果、カーボン基材にSiC膜が堆積されることになり、カーボン基材とSiC膜との間でエッチング比を取ることが難しい。しかしながら、本発明によれば、第1のガスによりSiC膜からSiを脱離させることにより、SiC膜を改質し、ポーラス状カーボン層とする。ポーラス状カーボン層はカーボン基材に対し、密度が小さいためカーボン基材との間でエッチング比が取りやすくなる。これにより、SiC成膜装置においてもガスクリーニングが実現でき、部品交換の回数を少なくなり、生産性を向上できる。
なお、堆積膜がSiC膜である場合は、第1のガスは塩素系ガスが望ましい。塩素系ガスは、SiC膜のうち主にSiと反応し、カーボンに与える影響は小さい。従って、カーボン基材に対して与える影響も小さい。
また、複数のガス供給ノズルを有している場合、すべてのガス供給ノズルからではなく、一部のガス供給ノズルから供給することが望ましい。クリーニングガスを供給することで小さいながらも部品基材へのダメージは存在する。従って、複数回クリーニングを繰り返した後、ガス供給ノズルを交換する必要がある。クリーニングガスを供給するガス供給ノズルを少なくすることで交換する本数も低減できる。
特にSiC膜を成膜する装置においては、複数本のガス供給ノズルを2系統に分け、一方の系統にSi原料ガスを供給し、他方の系統にC原料ガスを供給するように構成すると良い。これにより、ガス供給ノズル内にはSiC膜が形成されず、SiC膜を除去するためのクリーニングガスをガス供給ノズルの一部にのみを介して供給することができる。
また、ガス供給ノズルを2系統に分けた場合、Si原料ガスを供給するガス供給ノズル60から少なくとも塩素系ガスを供給すると良い。これにより、もしガス供給ノズル内にSiが堆積したとしても改質工程にてクリーニングすることが可能となる。
次にガスクリーニング方法の第2の実施例を図9を用いて説明する。図9(a)、(b)は、第1の実施例と同じである。第1の実施例と異なる点は、第1の実施例では1回の塩素系ガス処理(改質工程)にて、堆積したSiC膜のすべてをポーラス状カーボン層としていたが、本実施例では、複数回に分けて行う点である。即ち、堆積したSiC膜のクリーニングを行う際に、まず、塩素系ガス(例えば、Cl2ガス)を複数のガス供給ノズルの少なくとも1本から供給し、SiC膜の表面を改質し、ポーラス状カーボン層とする(図9(c)、塩素系ガス処理)。その次に、複数のガス供給ノズルの少なくとも1本からフッ素系ガス(例えばClF3ガス)を供給し、改質後のポーラス状カーボン層を除去し、ポーラス状カーボン層となっていなかったSiC膜の表面を露出する(図9(d)、フッ素系ガス処理)。その後、再度、塩素系ガスを供給し、露出したSiC膜表面を改質し、ポーラス状カーボン層とし(図9(c))、除去する(図9(d))。この工程を繰り返し、SiC膜の除去が終わった状態(図9(e))で、最後にプレコートを行う(図9(f))
堆積した膜が厚い場合等では、第1のガスを供給しても堆積膜のすべてを改質できない、若しくは、非常に時間がかかることも考えられる。しかし、改質する工程と除去する工程を繰り返すことにより完全な除去を行うことができる。
次にガスクリーニング方法の第3の実施例を説明する。第3の実施例では、第1及び第2の実施例が第1のガス(堆積膜がSiC膜においては、塩素系ガス)と第2のガス(堆積膜がSiC膜においては、フッ素系ガス)を個別に供給するのを同時に供給するものである。この場合、第1のガスと第2のガスを別のガス供給ノズルから供給してもよいし、同じガス供給ノズルから供給してもよい。
本実施例では、第1のガスと第2のガスを別に供給する必要はないため時間短縮を行うことができる。
以上、実施例に基づき本発明を説明してきたが、発明の要旨を逸脱しない限り様々な変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、実施例では縦型バッチ式SiCエピタキシャル成長装置について説明してきたが、これに限らずその他の装置にも適用可能である。特に、枚葉式装置(多枚葉式装置を含む)にも適用可能であることは言うまでもない。
また、実施例では、ポーラス状カーボン層C−PORを除去するガスとして、フッ素系ガスを用いたが、酸化ガスを用いてポーラス状カーボン層C−PORを除去しても良い。酸化ガスとしては、O2ガス、O3ガス、CO2ガス、H2O、COガス等が上げられる。また、水素ガス(H2ガス)によりポーラス状カーボン層C−PORを除去しても良い。なお、ポーラス状カーボン層を除去するガスに必要な条件は、(1)カーボンをエッチングできること、(2)ポーラス状カーボン層C−PORとカーボン基材C−BASEとの間でエッチング比が取れること、である。
本明細書の記載事項には次の発明が含まれる。
(1)反応室内に設けられる部材に堆積した堆積膜を除去するクリーニング方法であって、前記堆積膜を改質するために第1のガスを供給する改質工程と、前記改質工程において改質された堆積膜を除去するために前記第1のガスとは異なる第2のガスを供給する除去工程とを有するクリーニング方法。
(2)反応室内に載置された被処理基板に所定の膜を形成する成膜工程と、前記成膜工程において前記反応室内に設けられる部材に堆積した堆積膜を改質するために第1のガスを供給する改質工程と、前記改質工程において改質された堆積膜を除去するために前記第2のガスを供給する除去工程とを有する半導体装置の製造方法若しくは基板製造方法。
(3)上記(1)又は(2)において、前記改質工程と前記除去工程とを一つの単位として、複数回繰り返すクリーニング方法、半導体装置の製造方法、若しくは、基板製造方法。
(4)上記(1)又は(2)において、前記改質工程と前記除去工程は、同時に行われるクリーニング方法、半導体装置の製造方法、若しくは、基板製造方法。
(5)上記(1)乃至(4)のいずれか一つにおいて、上記第1のガスは、前記堆積膜の密度を小さくするガスであるクリーニング方法、半導体装置の製造方法、若しくは、基板製造方法。
(6)上記(5)において、上記第1のガスは、前記部材の基材に与える影響より前記堆積膜に与える影響が小さいガスであるクリーニング方法、半導体装置の製造方法、若しくは、基板製造方法。
(7)上記(1)乃至(6)のいずれか一つにおいて、前記堆積膜は、SiC膜であり、前記反応室内に設けられる部材は、カーボン材であるクリーニング方法、半導体装置の製造方法、若しくは、基板製造方法。
(8)上記(7)において、前記除去工程の後に前記反応室内に設けられた部材にSiC膜をプリコートするプリコート工程を有するクリーニング方法、半導体装置の製造方法、若しくは、基板製造方法。
(9)上記(7)又は(8)において、上記第1のガスは、塩素系ガスであり、上記第2のガスは、フッ素系ガス若しくは酸化ガスであるクリーニング方法、半導体装置の製造方法、若しくは、基板製造方法。
(10)上記(1)乃至(9)のいずれか一つにおいて、上記反応室内には、上記堆積膜を成膜するための成膜ガスを供給する複数のガス供給ノズルを有し、上記第1及び第2のガスは、上記複数のガス供給ノズルのうち一部のガス供給ノズルから供給されるクリーニング方法、半導体装置の製造方法、若しくは、基板製造方法。
(11)所定の膜が形成される被処理基板が載置される反応室と、上記反応室内に設けられた第1の部材と、前記反応室に設けられ前記被処理基板に前記所定の膜を形成するための成膜ガス、及び、前記被処理基板への成膜時に第1の部材に堆積された堆積膜を除去するための第1及び第2ガスを供給する複数のガス供給ノズルと、前記堆積膜を除去する際に、前記堆積膜を改質するために第1ガスを供給し、前記改質された堆積膜を除去するために第2ガスを供給するよう制御する制御部とを有する基板処理装置。
10:半導体製造装置、12:筐体、14:ウェーハ、16:ポッド、30:ボート、40:処理炉、42:反応管、44:反応室、48:被加熱体、50:誘電コイル、60:第1のガス供給ノズル、68:第1のガス供給口、70:第2のガス供給ノズル、72:第2のガス供給口、90:第1のガス排気口、150:主制御部、152:コントローラ、360:第3のガス供給口、390:第2のガス排気口、SiC−PRE:SiCプリコート膜、SiC−DEPO:SiC堆積膜、C−POR:ポーラス状カーボン層、C−BASE:カーボン基材。

Claims (3)

  1. 反応室内に載置された被処理基板に所定の膜を形成する成膜工程と、
    前記成膜工程において前記反応室内に設けられる部材に堆積した堆積膜を改質するために第1のガスを供給する改質工程と、
    前記改質工程において改質された堆積膜を除去するために前記第2のガスを供給する除去工程と、を有する半導体装置の製造方法。
  2. 反応室内に載置された被処理基板に所定の膜を形成する成膜工程と、
    前記成膜工程において前記反応室内に設けられる部材に堆積した堆積膜を改質するために第1のガスを供給する改質工程と、
    前記改質工程において改質された堆積膜を除去するために前記第2のガスを供給する除去工程とを有する基板製造方法。
  3. 所定の膜が形成される被処理基板が載置される反応室と、
    上記反応室内に設けられた第1の部材と、
    前記反応室に設けられ前記被処理基板に前記所定の膜を形成するための成膜ガス、及び、前記被処理基板への成膜時に第1の部材に堆積された堆積膜を除去するための第1及び第2ガスを供給する複数のガス供給ノズルと、
    前記堆積膜を除去する際に、前記堆積膜を改質するために第1ガスを供給し、前記改質された堆積膜を除去するために第2ガスを供給するよう制御する制御部と、を有する基板処理装置。
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