JP2016109743A - 1μm帯光アイソレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】ファラディ回転子が短尺であり、小型の光アイソレータを提供する。【解決手段】ファラディ回転子が、波長0.9〜1.1μmのいずれかにおけるベルデ定数が0.45min/(Oe・cm)以上のもので、ファラディ回転子の周囲に配置された第一中空マグネットと、該第一中空マグネットを挟んで配置された第二および第三中空マグネットとからなっており、第二および第三中空マグネットは、第一中空マグネットに対して、同じ磁極同士が向かい合うように配置されており、ファラディ回転子に印加される磁束密度B(T)は0.75≦B≦1.2の範囲内であり、かつ、光軸方向におけるファラディ回転子の長さL(mm)は5.0≦L<7.0の範囲内である1μm帯光アイソレータ。【選択図】図1

Description

本発明は1μm帯光アイソレータに関し、特には産業用レーザの分野で加工或いはマーキング用途等に用いられる、ファイバーレーザ用の1μm帯光アイソレータに関するものである。
従来より、切断、溶接、マーキング等用途の産業用レーザ加工機としては、COレーザ(10.6μm)とランプ励起式YAGレーザ(1μm)が代表的な装置である。
近年、その加工性能に対する要求が一層厳しくなり、より高精度かつ高出力、長寿命化がレーザ加工機に求められるようになっている。そのような市場要求の中で注目を浴びているのがファイバーレーザである。ファイバーレーザは、レーザダイオード(LD)光源から発振した1μm帯の光をイッテルビウム(Yb)などの希土類元素ドーピングファイバに伝搬させ、励起LDにより増幅されることで、高精度かつ高出力なレーザ光をファイバ出力できるという特徴を持つ。同波長帯のランプ励起式YAGレーザと比較すると、励起光の変換効率が高く冷却の要求が少ないことやランプ励起が不要であることから、低消費電力・長寿命という長所を理由に注目されている。
しかしながら、ファイバーレーザは、その発光スペクトルが狭くて変換効率に優れるという特徴を持つが、その反面、反射光による戻り光に対しては非常に敏感であり、光ファイバヘの結合端面や高反射率の金属面からの反射光が戻ると特性が不安定状態になり、ひいては高出力な発光の為にLD光源部が破損してしまうという危険性がある。よって、ファイバーレーザの安定動作の為には、反射光が発光光源である発光素子へ戻るのを防止するため、発光光源と加工体との間に光の一方向透過機能(順方向の光を透過し、逆方向の光を遮断する)を有する光アイソレータを配置し、光ファイバから発光光源の方向への反射光の戻り光を遮断する必要がある(特許文献1)。
ここで光アイソレータとは主に、ファラディ回転子と、ファラディ回転子の光入出射側に配置された偏光子と、ファラディ回転子の光透過方向(光軸方向)に磁界を印加するマグネットから成る3つの部品から構成される。この形態で光がファラディ回転子に入射するとファラディ回転子の中で偏光面が回転するという現象が生じる。これはファラディ効果と呼ばれる現象であり、偏光面が回転する角度をファラディ回転角と称し、その大きさθは次式で表される。
θ=V×H×L
Vはベルデ定数で、ファラディ回転子の材料および測定波長で決まる定数であり、Hは磁界の大きさ、Lは光軸方向におけるファラディ回転子の長さである。この式から解るように、ある一定の大きさのベルデ定数を持つ回転子において、所望のファラディ回転角を得ようとすると、磁界が大きいほど回転子長を短くすることができ、回転子長が長いほど磁界を小さくすることできる。
また、一般的に光アイソレータの機能を有するためには、ファラディ回転角は45°程度必要となる。
具体的に、光アイソレータに入射された光は、その偏光面をファラディ回転子により45°回転されて各々角度調整された入出射偏光子を透過する。一方で、戻り光はファラディ回転子の非相反性を利用して、逆方向に偏光面を45°回転されて入射偏光子と90°の直行偏光面となり、透過できなくなる。光アイソレータは、この現象を利用して戻り光発生を防止するものである。
特開2012−83381号公報
従来の構成では、例えばテルビウム・ガリウム・ガーネット(TGG)結晶のような使用するファラディ回転子のベルデ定数が波長1.06μmにおいて0.135min/(Oe.cm)程度であるため、そのファラディ回転角45°を満たす長さは20mm程度必要であった。このため、ファラディ回転子に与える磁束密度を大きくするために、その周囲のマグネット形状を大きくする必要があった。その結果、装置内における寸法的な制限が生じたり、また光アイソレータ外部からの漏洩磁場も大きく取り扱いが困難であった。
したがって、近年のレーザ加工機、特にファイバーレーザに搭載される光アイソレータにおいては、小型化への要求が強くなっており、上記光アイソレータのファラディ回転子として用いられる材料は、ファラディ効果が大きく且つ使用されるマグネットの形状が小さい構成が必要である。
つまり、ファラディ回転子の長さを短くすることが必要であるが、ファラディ効果が大きい結晶と磁束密度の大きいマグネット材及び磁気回路を用いることで解決するのが最も現実的である。また、レーザ加工機で問題となるハイパワー光によるファラディ回転子の光損傷は、回転子の透過率と長さで決まるため、透過率が高く長さが短いほど好都合である。
一方、特許文献1によると、上記マグネットの小型化のため、ファラディ回転子として(Tb1−X(x=0.6〜1.0)を用い、上記マグネット形状の小型化およびファラディ回転子の短尺化(7.0≦L≦11.0mm)について記されている。
しかしながら、今日のより広範囲な加工用途を目的としたファイバーレーザの高出力化は日進月歩、出力増大の一途をたどっている。それに伴いこれらの高出力レーザへ搭載する光アイソレータは、小型化と同時により低損失な特性が求められ、ファラディ回転子の短尺化へのニーズはより一層高まる状況となっている。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、ファラディ回転子が短尺であり、小型の光アイソレータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ファラディ回転子とマグネットとを備えた1μm帯光アイソレータであって、前記ファラディ回転子は、波長0.9〜1.1μmのいずれかにおけるベルデ定数が0.45min/(Oe・cm)以上のものであり、前記マグネットは、前記ファラディ回転子の周囲に配置された第一中空マグネットと、該第一中空マグネットを挟んで配置された第二中空マグネットおよび第三中空マグネットとからなっており、前記第二中空マグネットおよび第三中空マグネットは、前記第一中空マグネットに対して、同じ磁極同士が向かい合うように配置されており、前記ファラディ回転子に印加される磁束密度B(T)は下記式(1)の範囲内であり、かつ、光軸方向における前記ファラディ回転子の長さL(mm)は下記式(2)の範囲内であることを特徴とする1μm帯光アイソレータ。
0.75≦B≦1.2 (1)
5.0≦L<7.0 (2)
θ=V×H×Lのファラディ回転角の式から分かるように、所望のファラディ回転角を得ようとするとき、まずベルデ定数は、その値が高いほど、必要な光軸方向におけるファラディ回転子の長さ(以下、単に、ファラディ回転子の長さ、ともいう)や、必要な磁界の大きさ、ひいては磁束密度を小さくすることができる。それによりファラディ回転子の短尺化やマグネットのサイズを小さくすることができる。
本発明ではベルデ定数が0.45min/(Oe・cm)以上で高い値であるため、従来品よりもファラディ回転子やマグネットのサイズを小さくすることができる。
さらには、本発明では、ファラディ回転子の長さLが7.0mm未満であり、前述したような従来品(7.0mm以上)よりもファラディ回転子の大きさを小さくすることができる(長さを短くすることができる)。なお、ファラディ回転角の式より、ファラディ回転子の長さLを大きくすると、必要な磁束密度Bは小さくなるため、マグネットのサイズを小さくしたりその数を減らすことができる。なお、ここで、この磁束密度Bを小さくしすぎると、逆にファラディ回転子の長さLを従来よりも大きくする必要が生じ、光アイソレータの損失が大きくなってしまうので、磁束密度は0.75T以上とする。
一方、ファラディ回転子の長さLを小さくすると、必要な磁束密度Bが大きくなり、マグネットのサイズも大きくする必要がある。本発明では、ファラディ回転子の長さLの下限を5.0mmとしているので、必要な磁束密度Bが大きくなりすぎることもない(1.2T以下)。そのため、マグネットのサイズも必要以上に大きくならずに済ますことができ、光アイソレータ全体のサイズの小型化を図ることができる。
また、第一から第三中空マグネットを本発明のような配置にすることで、ファラディ回転子が位置するところの磁束密度が効率的に大きくなるようにすることができる。これによりマグネットの小型化、ひいては光アイソレータの小型化を図ることができる。
また、前記ファラディ回転子は、(TbRe1−X(x=0.9〜1.0)により構成される単結晶またはセラミックス材料からなるものであり、Reは、テルビウム以外のランタノイド元素群と、スカンジウムと、イットリウムとからなる集合から選択された少なくとも1つの元素を含むものとすることができる。
上記のようなものはファラディ回転子として用いられる材料として好適であり、xが上記範囲であると一層高いベルデ定数を得ることができる。これにより、より一層光アイソレータの小型化を図ることができる。
また、前記ファラディ回転子は、(Tb1−X(x=0.9〜1.0)により構成されるセラミックス材料からなるものとすることができる。
このようなものであれば、低コストで、かつ、比較的入手しやすい。
また、前記ファラディ回転子は、前記光軸方向における長さL(mm)において、挿入損失が1.0dB以下および消光比が25dB以上の光学特性を有するものとすることができる。
このようなものであれば、低損失かつ高アイソレーションの光学特性を有する光アイソレータとすることができる。
また、前記第一中空マグネット、第二中空マグネットおよび第三中空マグネットは、炭素鋼筐体の内部に搭載されているものとすることができる。
炭素鋼筐体に収納することにより、マグネットの周囲にヨーク(継鉄)材が構成されることになるので、マグネットの持っている吸着力あるいは吸引力を増大させることができる。
以上のように、本発明によれば、従来品よりもファラディ回転子を短尺化し、マグネットを小さくすることができ、光アイソレータをさらに小型化することが可能である。そして、光アイソレータの小型化によって、該光アイソレータを有する本体装置の空間的寸法の自由度を大きくすることができる。また、ファラディ回転子の長さを従来よりも短くすることができるので、ハイパワー光入力により懸念されるファラディ回転子の光損傷に対して耐性を持つことが期待できる。
本発明の光アイソレータの基本的な構成の一例を示す断面模式図である ファラディ回転角を45°とするために必要なファラディ回転子の長さと磁束密度の関係を示すグラフである。 実施例1、2、比較例1における、ファラディ回転角を45°とするために必要なファラディ回転子の長さと磁束密度の関係を示すグラフである。 実施例1のマグネット構成における磁束密度分布解析結果を示すグラフである。 比較例1のマグネット構成における磁束密度分布解析結果を示すグラフである。 偏光無依存型の光アイソレータにおける、入力光および戻り光の偏光状態の挙動を示す説明図である。 従来の光アイソレータの基本的な構成の一例を示す断面模式図である。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の光アイソレータは、0.9〜1.1μmの波長帯域のレーザ光に好ましく使用される。このようなレーザとしては、ランプ励起式YAGレーザが含まれる。
なお、ここでまず、偏光無依存型の光アイソレータの基本構造、原理について簡単に説明しておく。
高出力のファイバーレーザに搭載される光アイソレータには、各部品がハイパワー光に対して耐性を持ち、伝搬する光の偏光状態に影響されない偏光無依存型であることが要求される。この要求に応えるべく、使用される偏光子としては、その屈折率差を利用して光ビームを分離する複屈折結晶が最適である。代表的な複屈折結晶としては、波長1.0〜1.1μmで透明であるイットリウム・バナデート(YVO)、ルチル単結晶(TiO)、方解石単結晶(CaCO)、α−BBO結晶(BaB)が挙げられ、それらを使用することができる。
また、偏光無依存化を図るためには、複屈折結晶の光学軸は光軸に対しておよそ45°になるように平板加工を施すことが好ましく、その厚みは異常光の分離距離と比例関係にあるため所望のビームシフト量を満足する厚みに各々精度良く加工すればよい。この平板型複屈折偏光子を入出射偏光子として2枚配置し、その間に波長0.9〜1.1μmのいずれかにおいて45°のファラディ回転角を有するファラディ回転子と、同一波長で偏光面を45°回転する45度旋光子と、その周囲にファラディ回転子の光軸方向に磁界を与えるマグネットを配置することにより偏光無依存型光アイソレータが構成される。
図6に上記構成の偏光無依存型の光アイソレータにおける、入力光および戻り光の偏光状態の挙動を示す。
入力光はスネルの法則に従い、入射偏光子の光学軸偏光方向にシフトする異常光と、光学軸に対して直交偏光方向で直進する常光2つに分離される。この2つの分離光は、ファラディ回転子により偏光面をそれぞれ回転され、更に次に入射する45度旋光子において偏光面を45°回転する。これにより異常光、常光の偏光回転角は90度になり、出射偏光子に入射すると異常光が常光、常光が異常光に入れ替わり異常光のみが光学軸方向にシフトする。この結果、入射偏光子において分離された2つのビームは出射偏光子において一致し、偏光無依存の機能を示す。
一方、戻り光が出射偏光子に入射すると、前述と同様に異常光および常光に分離される。この2つの分離光が45度旋光子に入射すると、前記入力光と同方向に偏光面を45°回転し、ファラディ回転子に入射する。このとき、ファラディ回転子の非相反性により、前記入力光の偏光回転方向とは逆に45°回転される。その結果、偏光面の回転角は0度となるので入射偏光子において、異常光は異常光として2度ビームシフトして直進し、常光は常光としてそのまま直進することになる。これにより、戻り光は2つの分離光に分かれ、入力光の入射位置においては、各々偏光子1つ分の分離距離を保ったまま平行出力されるので、偏光無依存型光アイソレータとして機能する。
このような偏光無依存型の本発明の光アイソレータについて詳述する。
図1は、本発明の光アイソレータの基本的な構成の一例を示す断面模式図である。全体的な構成としては、まず、図1に示すように、本発明の光アイソレータ1では、入射偏光子2、ファラディ回転子3(ここでは所望のファラディ回転角が45°のものとする)、及び出射偏光子4が、左側の入射側から右側の出射側に向う光軸5上に、順次配置されている。図1において、入射偏光子2や出射偏光子4は楔ガラス6により光軸5上に固定されている。入射側で入射偏光子2は偏光子ホルダ7に固定されている。一方、出射側では45度旋光子8と出射偏光子4が偏光子ホルダ7に固定されている。また、光学軸9を入射偏光子2及び出射偏光子4に示している。
またファラディ回転子3の外周には、マグネット10(第一中空マグネット11、第二中空マグネット12、第三中空マグネット13)が配置されている。
そして、このマグネット10は炭素鋼筐体14の内部に搭載されている。
以下、本発明におけるファラディ回転子3およびマグネット10について、さらに詳述する。
(ファラディ回転子について)
まず、ファラディ回転子3について説明する。
本発明におけるファラディ回転子は、波長0.9〜1.1μmのいずれかにおけるベルデ定数が0.45min/(Oe.cm)以上であり、好ましくは、波長1.06μmにおけるベルデ定数が0.45min/(Oe.cm)以上である。ベルデ定数は0.45min/(Oe.cm)以上であれば特に限定されないが、より大きいベルデ定数を有することがより好ましい。このように大きなベルデ定数のものとすることで、ファラディ回転子3の長さやマグネット10のサイズの小型化をより一層図ることができる。
逆に、ベルデ定数が0.45min/(Oe.cm)未満であると、ファラディ回転角を45°とするために必要なファラディ回転子の長さが長くなり、光アイソレータの低損失化が困難である。また、マグネットの必要なサイズも大きくなり、小型化が困難になる。
なお、このベルデ定数は定法に従い測定すればよい。具体的には、所定の厚さの酸化物を切り出し、鏡面研磨仕上げを行い、磁束密度の大きさが既知の永久磁石にファラディ回転子をセットし、波長0.9〜1.1μmにおけるベルデ定数を測定する。また、測定条件は25±10℃とし、大気中で測定を行う。
また、このファラディ回転子の形状は、その長さ以外は特に限定されず、三角柱状、四角柱状でもよいが、円筒状であることが好ましい。ここでは円筒状のファラディ回転子を例にとり説明する。
そして、ファラディ回転子の長さL(mm)は下記式(2)の範囲内にある。
5.0≦L<7.0 (2)
この長さLが7.0mm以上になると、ファラディ回転子の長さが従来品よりも短いものではなくなってしまい、光アイソレータの小型化、低損失化が難しくなる。
また、5.0mm未満であると所望のファラディ回転角を得るための磁束密度の大きさが大きくなり、そのためマグネットのサイズも大きくする必要が出てしまい、やはりアイソレータの小型化が難しくなる。したがって、ファラディ回転子の長さを上記のように5.0mm以上、7.0mm未満にする必要がある。
本発明に用いるファラディ回転子は、(TbRe1−X(x=0.9〜1.0)により構成される単結晶またはセラミックス材料からなるものであり、Reは、テルビウム以外のランタノイド元素群と、スカンジウムと、イットリウムとからなる集合から選択された少なくとも1つの元素を含むものとすることができる。このようなものであれば好適である。
ここで、Reは一種単独であってもよいし、複数のReが任意の比率で含まれていてもよい。これらの中でも、原料が入手容易であるという観点から、Reとしてはイットリウム、ガドリニウム及びルテチウムが好ましく、より好ましくはイットリウムである。すなわち、(Tb1−X(x=0.9〜1.0)であれば、コスト面、入手の容易性において有利である。
また、本発明に用いるファラディ回転子は、前記式(TbRe1−Xで表される酸化物以外の成分を含有していてもよい。
本発明に用いることができるファラディ回転子が含有し得るその他の成分としては、アルカリ土類金属の酸化物、第13族元素の酸化物、第14族元素の酸化物、その他第4族元素、第5族元素(V、Nb、Taなど)、第6族元素(Mo、Wなど)、及び第17族元素(F、Cl、Brなど)の酸化物よりなる群から選択される金属酸化物などが挙げられるが、これらに限定されない。また、その他の成分は2種類以上含んでいてもよく、その含有量はファラディ回転子全体の0.000001〜1.0質量%であることが好ましく、0.00001〜0.1質量%であることがより好ましい。
上記の金属酸化物は、例えば、単結晶作製の際に添加するドーパントや、セラミックス作製時に添加する焼結助剤として含有される。また、ファラディ回転子の材料を製造する際に、坩堝の構成成分などが副成分として混入する場合もある。
酸化物結晶を作製する方法としては、公知の方法を用いればよいが、フローティングゾーンメルト法、マイクロ引下げ法、引上げ法、スカルメルト法、ブリッジマン法などが例示される。これらの各方法については、「バルク単結晶の最新技術と応用開発」(福田承生監修、シーエムシー出版、2006年3月)、「結晶成長ハンドブック」(「日本結晶成長学会「結晶成長ハンドブック」編集委員会編、共立出版株式会社、1995年9月」に詳しい。
酸化物単結晶の作製においては、上述したように、安定に結晶化させる目的で、アルカリ土類金属の酸化物(例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム)をドーピングしてもよい。
前記式(TbRe1−Xで表される酸化物は、単結晶又はセラミックスであることが好ましいが、低温で合成できることからセラミックスであることがより好ましい。
酸化物の単結晶を製造する場合、原料を融液状態にするために高温にする必要がある。例えば、酸化テルビウムの融点は約2600℃、酸化イットリウムの融点は約2300℃であり、それら2つの固溶体を製造する場合は、2つの融点の中間温度まで昇温する必要がある。
一方、セラミックスの場合は、その融点まで昇温する必要がなく、加圧焼結すれば、融点以下で、作製することができる。焼結時に、焼結助剤を入れて、焼結密度を上げて、緻密化させることも可能である。セラミックスの場合では、単結晶を製造する場合のように高温のため、原料を溶融して単結晶を作製するための坩堝の選定が、レニウム、タングステン、又はそれらの合金等に限られることもなく、製造コストをより低減できる。
ファラディ回転子として用いられる透明セラミックスの作製方法としては、従来公知の製造方法を適宜選択して使用することができ、特に限定されない。主な作製方法としては、熱間等方圧加圧処理する方法、固相法とプレス成形法とを組み合わせる方法、鋳型成形等を利用して真空焼結する方法等が挙げられ、池末明生著「光学単結晶から光学多結晶へ」応用物理、第75巻、第5号、579−583(2006)、柳谷高公、八木秀喜著「セラミックレーザー材料の現状と将来」レーザー研究、第36巻、第9号、544−548(2008年)等に記載されている。
本発明に用いることができるファラディ回転子は、波長0.9〜1.1μmで使用される光アイソレータ機能を実現するために、光軸方向における長さL(5.0≦L<7.0)において挿入損失が1.0dB以下および消光比が25dB以上の光学特性を有することが好ましい。
挿入損失は1.0dB以下であればより低い方がよく、消光比は25dB以上であればより高い方が好ましいが、少なくとも前記範囲内であれば、低損失かつ高アイソレーションの光学特性を有する光アイソレータの作製が可能となる。
なお、挿入損失及び消光比等の光学特性は、定法に従い、波長1.06μmにおいて測定することができる。なお、測定条件は25±10℃とし、大気中で測定を行う。
また、本発明に用いることができるファラディ回転子は、波長1.06μm、光軸方向における長さLmm(5.0≦L<7.0)での透過率(光の透過率)が70%以上であることが好ましい。ファラディ回転子の透過率は100%以下であれば、より高い方が好ましく、上限は特に限定されない。
透過率は、波長1.06μmの光を厚さLmmのファラディ回転子に透過させた時の光の強度により測定される。すなわち、透過率は以下の式で表される。
透過率=I/Io×100
(上記式中、Iは透過光強度(厚さLmmの試料を透過した光の強度)、Ioは入射光強度を表す。)
なお、得られる酸化物の透過率が均一ではなく、測定箇所によって透過率に変動がある場合には、任意の10点の平均透過率をもって、該酸化物の透過率とする。
(マグネットについて)
次に、マグネット10(第一中空マグネット11、第二中空マグネット12、第三中空マグネット13)について説明する。
図1に示すように、ファラディ回転子3の周囲に第一中空マグネット11が配置されており、さらに、該第一中空マグネット11を挟んで第二中空マグネット12および第三中空マグネット13が配置されている。また、この第二、第三中空マグネット12、13は、第一中空マグネット11に対して、同じ磁極同士が向かい合うように配置されている。
なお、ファラディ回転子が円筒状の場合、第一から第三中空マグネットはいずれも中空円筒状であることが好ましく、ファラディ回転子の中心軸及び第一から第三中空マグネットの中空部の中心軸は同軸であることが好ましい。また、ファラディ回転子の外径と、第一から第三中空マグネットの中空部の内径はほぼ同じであり、光アイソレータを組み立てた後に調芯とすることが好ましい。この配置により、ファラディ回転子が第一中空マグネットの中心に配置される。
また、第一から第三中空マグネットは、これらの中空部が光軸と同軸になるように配置されている。
ところで、一般に光アイソレータにおいては、ファラディ回転子が位置するところの磁束密度が大きくなるようにマグネットを配置することが好ましい。
ここで、従来例としては特許文献1のような配置例が挙げられる。図7に、マグネットの配置例を含む従来の光アイソレータの基本的な構成の一例を示す。
特許文献1に記載の従来の光アイソレータ101では、ファラディ回転子103(ベルデ定数が0.27min/(Oe・cm)以上)の周囲に第一中空マグネット111が配置されており、その両端に第二中空マグネット112、第三中空マグネット113が図7に示す向きで配置されている。なお、第二中空マグネット112および第三中空マグネット113はそれぞれ4つに分割されている。
しかしながら図7のような構成にすると磁束密度を比較的大きくすることは可能になるが、部品数が多くなり、光アイソレータの製造が煩雑になるという問題がある。
一方で本発明のマグネット構成は、光アイソレータ製造の容易さやコストを低減できるという観点から極めて優れている。
また、光アイソレータに使用するマグネットは、可能な限り小型であることが好ましい。したがって、本発明に使用するマグネットの種類は特に限定されないが、大きな磁束密度を示すことから、ネオジム−鉄−ボロン(NdFeB)系磁石が好ましい。
また、本発明における、ファラディ回転子3に印加される磁束密度B(T)の数値範囲は、前述したように下記式(1)で示される。この数値範囲を導き出した経緯について説明する。
0.75≦B≦1.2 (1)
ファラディ回転角が45°の光アイソレータを得るために必要な磁束密度Bを求めた。ここでは、ファラディ回転子として(Tb1−X(x=0.9〜1.0)からなるものを用意した。そしてファラディ回転子の長さLを変化させ、そのときに必要な磁束密度Bを求めた。その結果を図2に示す。
なお、ファラディ回転子の長さLは5.0〜7.0mmの範囲とし、上記組成式においてx=1.0のとき(ベルデ定数が0.50min/(Oe・cm))とx=0.9のとき(ベルデ定数が0.46min/(Oe・cm))についての上記磁束密度分布を示している。
そして、この図2から、上記の必要な磁束密度Bは0.75〜1.2(T)の範囲であることが分かる。このようにして、本発明における磁束密度Bの数値範囲を導き出した。
(その他の部品について)
前述したように、炭素鋼筐体14内にマグネット10は搭載されている。炭素鋼筐体14に収納することにより、マグネット10の周囲にヨーク(継鉄)材が構成されることになるので、マグネットの持っている吸着力あるいは吸引力を増大させることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示すような本発明における光アイソレータ1を作製した。なお、ここではファラディ回転角が45°のものを作製した。
入射偏光子2および出射偏光子4としてはルチル単結晶を使用し、その光透過面は10mm厚の平行平板に加工されており、その光学軸9は光軸5に対して47.8度傾いている。この図1では傾き方向が図中にあるように描かれている。さらにこの平板型偏光子は光透過面に中心波長1.06μmの反射防止膜を施すとともに、入射光路に光透過面の反射光が戻ることを回避するため、5度だけ傾き角度をもった楔ガラス6の上に偏光子底面を接着固定し偏光子ホルダ7に搭載した。また、中心波長1.06μmの反射防止膜を施したファラディ回転子3は第一中空マグネット11の中空部中心に位置するようにし、第二中空マグネット12と第三中空マグネット13を合わせた全てのマグネットにより形成される磁界分布の最大となる位置に固定した。入射光路順にファラディ回転子3の後に配置される45度旋光子8は、人工水晶を材質とする1/2波長板を使用し、前記偏光子およびファラディ回転子と同様、その光透過面には中心波長1.06μmの反射防止膜を施してある。
ここで、入力光の偏光面の挙動として、入射偏光子2において偏光面を0度、90度に分離された常光、異常光がファラディ回転子3により右回りにそれぞれ45°回転される。この偏光面の角度が更に右回りに45°回転されるように、1/2波長板の光学軸は面内に22.5度とし配置した。この構成で常光、異常光が1/2波長板を透過すると、偏光面が共に右回りに45°回転されるので、常光、異常光それぞれ90度偏光面を回転する。その結果、出射偏光子4においては、入射偏光子2と同方向に光学軸を有しているので、常光が異常光としてビームシフト、異常光は常光として直進し双方のビームが一致して偏光無依存化が図られる。
尚、前述したビームシフト量は平行平板偏光子の厚みに依存し、10mm厚とした本実施例においてはおよそ1mmとなる。戻り光についても入射位置よりそれぞれ上下1mm離れて分離され出射されるので、光アイソレータ機能を考慮すると、最大ビーム径(1/e)としてはφ1.0mmまで対応することができる。また、ハイパワー光のパワー密度を小さくする等の目的で、さらに大きいビーム径を取り扱う場合は、ファラディ回転子の有効領域を確保した上で、平行平板偏光子の厚みを10mm以上の任意の大きさにすれば良い。
マグネット磁気回路については、第一中空マグネット11に対し第二中空マグネット12と第三中空マグネット13は各々相互に反磁力を持ち合わせる3枚の構成としており、外形は円筒でも四角、多面体でもよい。
この実施例1においては、各々のマグネットは同外径の円筒形状としており、これと同外径の偏光子ホルダ7と同時に外部筐体14に挿入し、前記偏光子ホルダ7の側面部をねじ或いはロールピン等で固定することで各々マグネットが隙間なく固定することができる。これにより、構成するマグネット全体の固定が接着剤等を必要としない信頼性の高い実装を可能にした。
次に、実施例1でのファラディ回転子3の詳細を説明する。
材料としてはテルビウム酸化物であり、その組成はx=1.0とするTbセラミックスを用いた。透明セラミックスの作製方法として、先ず原料粉末(Tb、及びその他の成分)の混合粉末を調製する。なお、混合粉末の調製方法については、高純度の粉末材料(Tb及び、その他の成分)を使用し、純度99.99重量%以上とした。
また、酸化テルビウムとしてはTbに限定されるものではなく、Tbを使用することもできるが、得られる酸化物の結晶性に優れることから、ここではTbを使用した。
次に得られた混合粉末に、溶媒、結合剤、可塑剤、潤滑剤等を添加し、湿式混合してスラリー状とする。なお、このとき焼結助剤を所定量添加し、得られたスラリーをスプレードライヤーで処理して、乾燥させ、その後、円柱状に成形する。
なお、成形後、加熱(好ましくは400〜600℃)により脱脂処理を行うことが好ましく、ここでは大気中において400℃で行った。
その後、真空炉で焼成を行った。焼成条件としては、1500〜2000℃で、焼成時間は1〜50時間、焼成時真空度は1Pa以下であることが好ましく、さらには1×10−1Pa以下とすることができる。
ここでは、1600℃、1×10−2Paで、3時間行った。
また、上記の焼成の後、さらに透明性を上げるため、熱間等方圧加圧(HIP)法で処理を行った。処理温度は、前記焼成温度よりも高いことが好ましく、1600〜2000℃である。またこのときの処理圧力は、10〜1000MPaとすることができる。処理時間は特に限定されないが、50時間以下で行うことができる。
ここでは、1700℃、180MPaで、3時間行った。
こうして得られたTbセラミックスを外周研削および円柱両端面の光学研磨を行い、両端面には中心波長1.06μmにおいて無反射コーティングを施した。その後、同波長1.06μmにおいて光学測定を行ったところ、挿入損失が0.3dB、消光比が35dB、ベルデ定数が0.50min/(Oe.cm)の特性を有していることがわかった。
なお、このとき測定したサンプルは外径φ3.5mm、長さ5.5mmの形状であった。
ここで、マグネットの形状について考察した。具体的には、上記ファラディ回転子の長さが5.5mmの際に、ファラディ回転角が45°となるのに必要な磁束密度を求め、そして、図1のような本発明におけるマグネット配置において、その必要な磁束密度が得られるマグネットの形状を求めた。
まず、実施例1のファラディ回転子について、サンプル長(光軸方向におけるファラディ回転子の長さ)を変化させたときに、ファラディ回転角が45°となる磁束密度の大きさを図3に示す。
ここで、実施例1について、サンプル長(5.5mm)とベルデ定数(0.50min/(Oe.cm))値から、ファラディ回転角45°になる磁束密度を算出すると、必要とする磁束密度は9800(Oe)(=0.98(T))程度であることがわかった。
次に、図1のようにしてマグネットを配置したときのマグネットの磁束密度分布を、マグネット外径寸法をパラメータとした磁場解析により求めた。
なお、解析手法としては有限要素法(JMAG−Designer)を選択し、マグネット材質は信越化学工業株式会社製のネオジム−鉄−ボロン(NdFeB)マグネット、外部筐体14の材質は炭素鋼とした。シミュレーション結果を図4に示す。
ここで、図4の横軸Position Zは、光軸5(中空マグネットの中空部の中心軸)に沿った位置を示し、0地点は全中空マグネットユニット(第一中空マグネット、第二中空マグネット、第三中空マグネットを合わせたもの)の長さの中心に相当する。第一中空マグネットの長さ(mm)をMTで示し、第二および第三中空マグネットの長さをMOと示す場合、MOは次式より求められる。
MO=(65−MT)/2 (全中空マグネットユニットの長さは65mmとした)
その結果、式(1)、式(2)を満たす全中空マグネットの全体の形状は内径φ4.0mm、外径φ25mm、長さ65mmとなった。
また、実施例1のファラディ回転子3(サンプル長5.5mm、外径3.5mm)に必要な磁束密度9800(Oe)(=0.98(T))を満足するには、図4よりMT=20(mm)のときが最適であった。
以上をまとめると、実施例1において、各数値は以下の通りであった。
ファラディ回転子の形状(ベルデ定数:0.50min/(Oe・cm)、サンプル長:5.5mm、外径:3.5mm)
ファラディ回転子に印加される磁束密度:0.98T
マグネットの全体の形状(内径:4.0mm、外径:25mm、長さ:65mm(このうち、第一中空マグネットの長さは20mm))
(実施例2)
ファラディ回転子3として、組成をx=0.9として、(Tb0.90.1のセラミックスを用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明の光アイソレータを作製した。
この実施例2において、各数値は以下の通りであった。
ファラディ回転子の形状(ベルデ定数:0.46min/(Oe・cm)、サンプル長:5.5mm、外径:3.5mm)
ファラディ回転子に印加される磁束密度:10600[Oe]=1.06T
マグネットの全体の形状(内径:4.0mm、外径:25mm、長さ:65mm(このうち、第一中空マグネットの長さは15mm))
(比較例1)
特許文献1のようなマグネットの配置の図7の従来の光アイソレータを作製した。
なお、ファラディ回転子103として(Tb0.60.4のセラミックスを作製し、ベルデ定数を測定した。その結果、ベルデ定数は0.30min/(Oe.cm)であった。また、特許文献1でのファラディ回転子103の長さは実際には7mm以上であるが、ここでは実施例1、2のマグネット構成の有効性(マグネットサイズの小型化可能性)について比較しやすいように、実施例1、2と同様にファラディ回転子の長さを7mm未満とした(具体的には6.5mm)。
比較例1のサンプル長とファラディ回転角が45°となる磁束密度の大きさとの関係を、実施例1および実施例2の結果とともに図3に示した。
図3からわかるように、比較例1について、サンプル長6.5mmのとき、ファラディ回転角が45°になる磁束密度は、13800(Oe)(=1.38(T))程度であることがわかった。
また、図5は、図7に示したマグネット構成(特許文献1参照)の磁束密度分布を解析した結果である。比較例1の(Tb0.60.4のセラミックス(サンプル長6.5mm、外径3.5mm)が必要とする上記磁束密度に対応したマグネットの全体の形状は、内径4.0mm、外径35mm、長さ65mmとなり、MT=15(mm)が最適であった。
すなわち、比較例1についてまとめると、各数値は以下の通りであった。
ファラディ回転子の形状(ベルデ定数:0.30min/(Oe・cm)、サンプル長:6.5mm、外径:3.5mm)
ファラディ回転子に印加される磁束密度:1.38T
マグネットの全体の形状(内径:4.0mm、外径:35mm、長さ:65mm(このうち、第一中空マグネットの長さは15mm))
ここで、実施例1と比較例1のマグネットの全体の形状を比較したところ、体積比50%のサイズダウンを実現できることがわかった。よって、本発明は、各部品および構成をより小型にすることができる。
なお、実施例2と比較例1のマグネット形状を比較すると、体積比50%のサイズダウンを実現できることがわかった。
ベルデ定数が0.45min/(Oe・cm)以上であり、式(1)および式(2)を満たす本発明の構成(図3の斜線部)では、比較例1での(Tb0.60.4セラミックスを用いた従来品とは異なり、所望のファラディ回転角を得るために必要な磁束密度を小さくすることが可能となる。そのため、図7に示したような従来のマグネット構成(特許文献1参照)にする必要がなく、部品点数を少なくすることができるので、光アイソレータの小型化およびコスト低減に寄与する。
加えて、前述したようにファラディ回転子の長さも7mm未満と短くできるため、光アイソレータの損失の低減にも寄与する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…光アイソレータ、 2…入射偏光子、 3…ファラディ回転子、
4…出射偏光子、 5…光軸、 6…楔ガラス、 7…偏光子ホルダ、
8…旋光子、 9…光学軸、 10…マグネット、
11…第一中空マグネット、 12…第二中空マグネット、
13…第三中空マグネット、 14…炭素綱筐体。

Claims (5)

  1. ファラディ回転子とマグネットとを備えた1μm帯光アイソレータであって、
    前記ファラディ回転子は、波長0.9〜1.1μmのいずれかにおけるベルデ定数が0.45min/(Oe・cm)以上のものであり、
    前記マグネットは、前記ファラディ回転子の周囲に配置された第一中空マグネットと、該第一中空マグネットを挟んで配置された第二中空マグネットおよび第三中空マグネットとからなっており、
    前記第二中空マグネットおよび第三中空マグネットは、前記第一中空マグネットに対して、同じ磁極同士が向かい合うように配置されており、
    前記ファラディ回転子に印加される磁束密度B(T)は下記式(1)の範囲内であり、かつ、光軸方向における前記ファラディ回転子の長さL(mm)は下記式(2)の範囲内であることを特徴とする1μm帯光アイソレータ。
    0.75≦B≦1.2 (1)
    5.0≦L<7.0 (2)
  2. 前記ファラディ回転子は、(TbRe1−X(x=0.9〜1.0)により構成される単結晶またはセラミックス材料からなるものであり、Reは、テルビウム以外のランタノイド元素群と、スカンジウムと、イットリウムとからなる集合から選択された少なくとも1つの元素を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の1μm帯光アイソレータ。
  3. 前記ファラディ回転子は、(Tb1−X(x=0.9〜1.0)により構成されるセラミックス材料からなるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の1μm帯光アイソレータ。
  4. 前記ファラディ回転子は、前記光軸方向における長さL(mm)において、挿入損失が1.0dB以下および消光比が25dB以上の光学特性を有するものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の1μm帯光アイソレータ。
  5. 前記第一中空マグネット、第二中空マグネットおよび第三中空マグネットは、炭素鋼筐体の内部に搭載されているものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の1μm帯光アイソレータ。
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