JP6137044B2 - 磁気光学材料及び磁気光学デバイス - Google Patents
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Description
〔1〕 下記式(1)で表される希土類酸化物を主成分として含む透光性セラミックス又は下記式(1)で表される希土類酸化物の単結晶からなり、波長1064nmでのベルデ定数が0.14min/(Oe・cm)以上であることを特徴とする磁気光学材料。
(TbxGdyR1-x-y)2O3 (1)
(式中、xは0.3以上1未満、yは0.1以上0.3以下、x+y<1であり、Rはイットリウム、ルテチウム、ツリウム、ホルミウム、スカンジウム、イッテルビウムよりなる群から選択された少なくとも1つの希土類元素である。)
〔2〕 光路長10mmとして波長1064nmのレーザー光をビーム径1.6mmで入射させた場合、熱レンズが発生しないレーザー光の入射パワーの最大値が30W以上であることを特徴とする〔1〕記載の磁気光学材料。
〔3〕 光路長10mm当たりの波長1064nmの光の透過率が70%以上である〔1〕又は〔2〕記載の磁気光学材料。
〔4〕 立方晶の結晶構造を有することを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の磁気光学材料。
〔5〕 更に、焼結助剤又はフラックスを含有することを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の磁気光学材料。
〔6〕 上記焼結助剤又はフラックスが、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化ケイ素、酸化ストロンチウムよりなる群から選択された少なくとも1つの酸化物であって、その添加量が5質量%以下であることを特徴とする〔5〕記載の磁気光学材料。
〔7〕 〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の磁気光学材料を用いて構成されることを特徴とする磁気光学デバイス。
〔8〕 上記磁気光学材料をファラデー回転子として備え、該ファラデー回転子の光学軸上の前後に偏光材料を備えた波長帯0.9μm以上1.1μm以下で利用可能な光アイソレータである〔7〕記載の磁気光学デバイス。
〔9〕 上記ファラデー回転子は、その光学面に反射防止膜を有することを特徴とする〔8〕記載の磁気光学デバイス。
以下、本発明に係る磁気光学材料について説明する。
本発明に係る磁気光学材料は、下記式(1)で表される希土類酸化物を主成分として含む透光性セラミックス又は下記式(1)で表される希土類酸化物の単結晶からなり、波長1064nmでのベルデ定数が0.14min/(Oe・cm)以上であることを特徴とするものである。
(TbxGdyR1-x-y)2O3 (1)
(式中、xは0.3以上1未満、yは0.1以上0.3以下、x+y<1であり、Rはイットリウム(Y)、ルテチウム(Lu)、ツリウム(Tm)、ホルミウム(Ho)、スカンジウム(Sc)、イッテルビウム(Yb)、ユーロピウム(Eu)よりなる群から選択された少なくとも1つの希土類元素である(ただし、ユーロピウム単独は除く)。)
なお、上記式(1)において、テルビウム及びガドリニウムのモル比合計は1未満であり、希土類元素Rのモル比との合計で1となる。
[原料]
本発明で用いる原料としては、テルビウム及びガドリニウム、並びに希土類元素R(Rは、イットリウム、ルテチウム、ツリウム、ホルミウム、スカンジウム、イッテルビウム、ユーロピウムよりなる群から選択された少なくとも1つの希土類元素である(ただし、ユーロピウム単独は除く)。)からなる本発明の磁気光学材料の構成元素となる希土類金属粉末、ないしは硝酸、硫酸、尿酸等の水溶液、あるいは上記希土類の酸化物粉末等が好適に利用できる。
本発明では、上記原料粉末を用いて、所定形状にプレス成形した後に脱脂を行い、次いで焼結して、相対密度が最低でも91%以上に緻密化した焼結体を作製する。その後工程として熱間等方圧プレス(HIP)処理を行うことが好ましい。
本発明の製造方法においては、通常のプレス成形工程を好適に利用できる。即ち、ごく一般的な、型に充填して一定方向から加圧するプレス工程や変形可能な防水容器に密閉収納して静水圧で加圧するCIP(Cold Isostatic Press)工程が利用できる。なお、印加圧力は得られる成形体の相対密度を確認しながら適宜調整すればよく、特に制限されないが、例えば市販のCIP装置で対応可能な300MPa以下程度の圧力範囲で管理すると製造コストが抑えられてよい。あるいはまた、成形時に成形工程のみでなく一気に焼結まで実施してしまうホットプレス工程や放電プラズマ焼結工程、マイクロ波加熱工程なども好適に利用できる。
本発明の製造方法においては、通常の脱脂工程を好適に利用できる。即ち、加熱炉による昇温脱脂工程を経ることが可能である。また、この時の雰囲気ガスの種類も特に制限はなく、空気、酸素、水素等が好適に利用できる。脱脂温度も特に制限はないが、もしも有機添加剤が混合されている原料を用いる場合には、その有機成分が分解消去できる温度まで昇温することが好ましい。
本発明の製造方法においては、一般的な焼結工程を好適に利用できる。即ち、抵抗加熱方式、誘導加熱方式等の加熱焼結工程を好適に利用できる。この時の雰囲気は特に制限されないが、不活性ガス、酸素、水素、真空等が好適に利用できる。
本発明の製造方法においては、焼結工程を経た後に更に追加で熱間等方圧プレス(HIP(Hot Isostatic Press))処理を行う工程を設けることができる。
本発明の製造方法においては、上記一連の製造工程を経た透光性希土類酸化物焼結体(透光性セラミックス)について、その光学的に利用する軸上にある両端面を光学研磨することが好ましい。このときの光学面精度はλ/8以下が好ましく、λ/10以下が特に好ましい(λ=633nmである)。なお、光学研磨された面に適宜反射防止膜を成膜することで光学損失を更に低減させることも可能である。
本発明の磁気光学材料は、磁気光学デバイス用途に好適であり、特に波長0.9〜1.1μmの光アイソレータのファラデー回転子として好適に使用される。
上記式(1)で表される希土類酸化物を主成分とする透光性セラミックスを作製した。
まず、信越化学工業(株)製の酸化テルビウム粉末、酸化ガドリニウム粉末、酸化イットリウム粉末、酸化ルテチウム粉末、酸化ツリウム粉末、酸化ホルミウム粉末、酸化スカンジウム粉末、酸化イッテルビウム粉末、酸化ユーロピウム粉末を用意した。純度はいずれも99.9質量%以上であった。これらの原料粉の一次粒径はいずれも約200nmであった。更に焼結助剤として、第一稀元素化学工業(株)製酸化ジルコニウム粉末、アメリカンエレメンツ社製酸化ハフニウム粉末、和光純薬工業(株)製酸化アルミニウム粉末、関東化学(株)製の酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸バリウムの各粉末群を入手した。これらはいずれも純度99.9質量%以上であった。
次に、得られた出発原料を直径40mmの金型に充填し、一軸プレス成形機で厚さ6mmのロッド状に仮成形した後、198MPaの圧力で静水圧プレスしてCIP成形体を得た。続いて得られたCIP成形体をマッフル炉に入れ、大気中800℃で3時間熱処理して脱脂した。
次いで、得られた脱脂済み成形体を真空加熱炉に仕込み、100℃/hの昇温レートで1500〜1700℃まで昇温し、3時間保持してから600℃/hの降温レートで冷却して焼結体を得た。この際、サンプルの焼結相対密度が92%以上となるよう焼結温度や保持時間を調整した。
更に、上記焼結体について、加圧媒体としてArガスを用いて、HIP熱処理温度1500〜1700℃、圧力190MPaで保持時間3時間のHIP処理を行った。
こうして得られた各セラミックス焼結体を、長さ10mmになるように研削及び研磨処理し、次いでそれぞれのサンプルの光学両端面を光学面精度λ/8(λ=633nm)で最終光学研磨し、更に中心波長が1064nmとなるように設計された反射防止膜をコートした。ここで得られたサンプルの光学外観もチェックした。
透過率は、波長1064nmの光を透過させたときの光の強度により測定され、以下の式に基づいて求めた。
透過率=I/Io×100
(式中、Iは透過光強度(長さ10mmの試料を透過した光の強度)、Ioは入射光強度を示す。)
ベルデ定数Vは、以下の式に基づいて求めた。
θ=V×H×L
(式中、θはファラデー回転角(min)、Vはベルデ定数、Hは磁界の大きさ(Oe)、Lはファラデー回転子の長さ(この場合、1cm)である。)
熱レンズの発生しない入射パワーの最大値は、それぞれの入射パワーの光を1.6mmの空間光にして出射させ、そこへファラデー回転子を挿入した際の焦点距離の変化が0.1m以下となるときの最大入射パワーを読み取ることにより求めた。
なお、使用したハイパワーレーザーは最大出力が100Wまでのため、これ以上の熱レンズ評価はできなかった。
これらの結果をすべて表2にまとめて示す。
逆に、比較例1からテルビニウムの固溶比率0.2以下ではベルデ定数0.1min/(Oe・cm)未満と小さいことも明らかとなった。またガドリニウムの固溶比率が0.4以上の場合(比較例2、3)には透光性が損なわれ、0.05以下の場合(比較例4)には熱レンズの発生しない入射パワーの最大値が20W以下にとどまってしまうことも判明した。
110 ファラデー回転子
120 偏光子
130 検光子
140 磁石
Claims (9)
- 下記式(1)で表される希土類酸化物を主成分として含む透光性セラミックス又は下記式(1)で表される希土類酸化物の単結晶からなり、波長1064nmでのベルデ定数が0.14min/(Oe・cm)以上であることを特徴とする磁気光学材料。
(TbxGdyR1-x-y)2O3 (1)
(式中、xは0.3以上1未満、yは0.1以上0.3以下、x+y<1であり、Rはイットリウム、ルテチウム、ツリウム、ホルミウム、スカンジウム、イッテルビウムよりなる群から選択された少なくとも1つの希土類元素である。) - 光路長10mmとして波長1064nmのレーザー光をビーム径1.6mmで入射させた場合、熱レンズが発生しないレーザー光の入射パワーの最大値が30W以上であることを特徴とする請求項1記載の磁気光学材料。
- 光路長10mm当たりの波長1064nmの光の透過率が70%以上である請求項1又は2記載の磁気光学材料。
- 立方晶の結晶構造を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の磁気光学材料。
- 更に、焼結助剤又はフラックスを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の磁気光学材料。
- 上記焼結助剤又はフラックスが、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化ケイ素、酸化ストロンチウムよりなる群から選択された少なくとも1つの酸化物であって、その添加量が5質量%以下であることを特徴とする請求項5記載の磁気光学材料。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の磁気光学材料を用いて構成されることを特徴とする磁気光学デバイス。
- 上記磁気光学材料をファラデー回転子として備え、該ファラデー回転子の光学軸上の前後に偏光材料を備えた波長帯0.9μm以上1.1μm以下で利用可能な光アイソレータである請求項7記載の磁気光学デバイス。
- 上記ファラデー回転子は、その光学面に反射防止膜を有することを特徴とする請求項8記載の磁気光学デバイス。
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