JP2016108013A - 包装容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓋材の摘み部を持って容器本体から剥がし、最後まで剥離したときに、特に強い力で引っ張らなくとも、剥がすことができ、そのため、勢いあまって、中の内容物が飛び出したり、こぼれたりすることのない包装容器を提供する。【解決手段】容器本体1と容器本体のフランジ部11にヒートシールされた蓋材2とからなる包装容器100であって、蓋材に設けられた摘み部21の反対側のヒートシール部3の内縁および外縁の形状が、外方に向けて尖って角部31を形成している。【選択図】図1

Description

本発明は、包装容器に関するものである。特に、容器本体と容器本体のフランジ部にヒートシールされた蓋材とからなる包装容器に関するものである。
成型された容器本体と容器本体のフランジ部にヒートシールされた蓋材とからなる包装容器は、シロップやコーヒー用クリームなどを収納したポーションパックや、ゼリーなどの容器に広く使用されている。
このような容器では、蓋材の摘み部を持ってヒートシール部を剥がして開封していくとき、剥がし始めにおいては、ヒートシール部の剥離境界線の幅が急に広くなって、抵抗が強くなり、剥離するのに強く引かなければならない。
このため、開ける際に強く引くと、剥離が開始され、中間部になると然程の抵抗がなくなり、その拍子に揺らしてしまい、内容物が飛び出したりしてしまうことがあった。これを解消するために、シール形状の工夫が行われている。
蓋部がヒートシールされるべきフランジ部を有する絞り成型容器で、フランジ部の初期開口部となるべき部分が特に広幅になっていて、この部分のヒートシール部を3角形状に外方に突出させて、初期開口を容易にした絞り成型容器がある(特許文献1)。
このように、ヒートシール部を3角形状に外方に突出させた容器では、外部環境の変化などから、容器内部の内容物収納部の内圧と外部圧力との変動によって、この3角形状に外方に突出したヒートシール部が剥離してしまうことがあった。
公知文献を以下に示す。
実開昭62−191613号公報
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、容器内部の内容物収納部の内圧と外部圧力との変動があっても、外方に突出したヒートシール部が剥離してしまうことのない包装容器を提供することを課題としている。
本発明は係る課題に鑑みなされたものであり、請求項1の発明は、容器本体と容器本体のフランジ部にヒートシールされた蓋材とからなる包装容器であって、
前記蓋材に設けられた摘み部の近傍のヒートシール部の形状が、外方に向けて尖っていて、その尖った前記ヒートシール部の内側にポイントシール部が設けられていることを特徴とする包装容器である。
本発明の請求項2の発明は、前記ヒートシール部と前記ポイントシール部は分離して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の包装容器である。
本発明の包装容器は、尖った前記ヒートシール部の内側にポイントシール部が設けられているので、容器内部の内容物収納部の内圧と外部圧力との変動があっても、外方に突出したヒートシール部が剥離してしまうことがない。
本発明の包装容器の一例を模式的に示した説明図である。(A)平面図である。(B)正面図である。 本発明の包装容器の他の例を模式的に平面で示した説明図である。 本発明の包装容器の更に他の例を模式的に平面で示した説明図である。
以下、本発明を実施するための形態につき説明する。
図1は、本発明の包装容器の一例を模式的に示した説明図である。(A)平面図である。(B)正面図である。
本例の包装容器100は、図1(A)平面図、(B)正面図のように、容器本体1と容器本体のフランジ部11にヒートシールされた蓋材2とからなっている。容器本体1は、フランジ部11の内縁の形状が円形で、開口部が円形になっている。
フランジ部11の内縁から下方に狭まりながら向かう側壁が設けられ、側壁の下端部に底部が設けられている。フランジ部11の形状は、前述のように内縁が円形で、外縁は、円形で、そこから蓋材の摘み部に合わせて突き出し部が形成されている。
蓋材2は、フィルム状で、フランジ部11の外形に合わせた、円形で、そこから摘み部21が突き出るように設けられている。
容器本体1のフランジ部11と、蓋材2とのヒートシール部3は、容器本体1の開口部を取り巻くように、円形で帯状に設けられ、蓋材2に設けられた摘み部21の近傍のヒートシール部3の形状が、外方に向けて突き出し、尖った尖り部31を形成している。尖り部31は2つの直線が突き当たったような、角状に形成されていて、その尖り部31の内側にポイントシール部4が設けられている。
このように尖った尖り部31の内側にポイントシール部4が設けられているので、包装容器の内圧が増加して膨らむ場合、例えば、内容物自体が膨張したり、内容物からガスが発生したり、包装容器外の温度や圧力の変化により、包装容器の内圧が高まったりした場合でも、ポイントシール部4とヒートシール部3に均等に力が加わり、剥離して破裂してしまうことがない。
ヒートシール部3とポイントシール部4は、分離して設けられている。包装容器の圧力が高まった時に均等に力がかかれるように、ヒートシール部3の内縁を突き出さないで、外縁のみを、外方に向けて突き出す形状も考えられるが、この構造の場合、開封時の抵抗が強くなってしまう。そこでヒートシール部3とポイントシール部4を分離して設けることで内圧の力を均等にしながら、開封時の抵抗を適度に保つことができる。
また、摘み部21を持って引っ張ったときに抵抗が強く、剥離され始めたときに抵抗が弱くなり、勢いよく剥離するのを、ポイントシール部4によって受けて、剥離の勢いを低下させることができる。
図2は、本発明の包装容器の他の例を模式的に平面で示した説明図である。
本発明の包装容器は、図2に示す包装容器200のように、2つの直線が突き当たったような、角状に形成されている尖り部31の代わりに、2つの曲線が突き当たったような、先端が鋭く形成された尖り部32にして、この尖り部32の内側にポイントシール部4を設けるようにしてもよい。
このようになっていても、包装容器の内圧が増加して膨らむ場合でも、包装容器100と同様に、ポイントシール部4とヒートシール部3に均等に力が加わり、剥離して破裂してしまうことがない。
また、摘み部21を持って引っ張ったときに抵抗が強く、剥離され始めたときに抵抗が弱くなり、勢いよく剥離するのを、ポイントシール部4によって受けて、剥離の勢いを低下させることができる。
図3は、本発明の包装容器の更に他の例を模式的に平面で示した説明図である。
本例の包装容器300は、図3のように、容器本体のフランジ部11の内縁の形状が角を取った四角形で、開口部が角を取った四角形になっている。この容器本体のフランジ部11に蓋材2がヒートシールされている。
そして、フランジ部11の内縁から下方に狭まりながら向かう側壁が設けられ、側壁の下端部に底部が設けられている。フランジ部11の形状は、前述のように内縁が角を取った四角形で、外縁は、角を取った四角形で、そこから蓋材の摘み部に合わせて突き出し部が形成されている。
蓋材2は、フィルム状で、フランジ部11の外形に合わせた、角を取った四角形で、その一角から摘み部21が突き出るように設けられている。
容器本体のフランジ部11と、蓋材2とのヒートシール部3は、容器本体1の開口部を取り巻くように、四角形で帯状に設けられ、蓋材2に設けられた摘み部21の近傍のヒートシール部3が四角形の一つの角になっていて、尖り部33になっている。その尖り部33の内側にポイントシール部4が設けられている。
この包装容器300の場合は、四角形のヒートシール部3の他の角の内側にも、それぞれポイントシール部41が設けられている。
このように尖った尖り部33の内側にポイントシール部4が設けられ、また他の角の内側にもポイントシール部41が設けられているので、包装容器の内圧が増加して膨らむ場合でも、ポイントシール部4、ポイントシール部41と、ヒートシール部3に均等に力が加わり、剥離して破裂してしまうことがない。
また、摘み部21を持って引っ張ったときに抵抗が強く、剥離され始めたときに抵抗が弱くなり、勢いよく剥離するのを、ポイントシール部4によって受けて、剥離の勢いを低下させることができる。
本発明に用いる容器本体1は、プラスチックのシートをシート成型したものでも、インジェクション成型したものでもよい。また、アルミニウムなどの金属箔にプラスチックフィルムを積層して、絞り成型したものでもよい。蓋材2とヒートシールするフランジ部11の面が蓋材2とヒートシールできる熱可塑性樹脂であればよい。
蓋材2は、基材層とシーラント層からなる積層フィルムからできている。また、基材層やシーラント層自体が多層になっていてもよい。
基材層には、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等の樹脂の2軸延伸、あるいは、1軸延伸、未延伸のプラスチックフィルムが好ましく使用できる。その場合の厚さは12〜50μm程度である。
また、金属や無機物を蒸着した蒸着フィルムを、基材層として用いることもできる。また、これらを組み合わせて、基材層を多層にして設けても良い。さらには、アルミニウム箔などの金属箔も、多層の基材フィルムの1層として設けることもできる。
蓋材2のシーラント層としては、容器本体1とイージーピール性があるものが好ましく用いられる。また、シール温度によってシール強度が変化しないものが望ましい。このようなシーラント層の樹脂は、ベース熱可塑性樹脂/ブレンド用熱可塑性樹脂のブレンド樹脂を用いるのが好ましい。
容器本体1のフランジ部11のシールする面である被着体がポリエチレン(PE)の場合、ベース樹脂/ブレンド用の熱可塑性樹脂の組合せとして、ポリエチレン(PE)/エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、ポリエチレン(PE)/エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレン(PE)/エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、ポリエチレン(PE)/エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)の組合せが好ましい。
また容器の被着体がポリスチレン樹脂(PS)の場合、ベース樹脂/ブレンド用の熱可塑性樹脂の組合せとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)/ポリブテン樹脂(PB)、ポリエチレン樹脂(PE)+エラストマー+石油樹脂/ポリブテン樹脂(PB)の組合せが好ましい。
さらに容器の該被着体がポリプロピレン樹脂(PP)の場合、ベース樹脂/ブレンド用の熱可塑性樹脂の組合せとして、ポリプロピレン樹脂(PP)/ポリスチレン樹脂(PS)、ポリプロピレン樹脂(PP)/ポリエチレン樹脂(PE)の組合せが好ましい。
シーラント層の厚さは、シール強度、加工性を考慮すると、15〜100μmであることが好ましく、20〜40μmがより望ましい。
また、絵柄印刷層を基材層のおもて面などに設けることができる。また、多層の基材層の場合は、基材層の最外層のフィルムのうら面に絵柄印刷層を設けることが好ましい。絵柄印刷層を設ける印刷方式は、特に限定するものではないが、通常、グラビア印刷、あるいは、フレキソ印刷が用いられる。
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
<実施例1>
ポリプロピレン/エチレンビニルアルコール共重合体/ポリプロピレンからなる共押し出しシートを圧空成型し、逆台形状の収納部とフランジ部を有する容器本体1を作成した。
ポリエチレンエレフタレートフィルム、アルミナ蒸着ポリエチレンエレフタレートフィルム、ポリプロピレン用イージーピールフィルムをこの順でドライラミネートにより積層し、蓋材2を作成した。
内容物としてキムチを用意し、先の容器本体1の逆台形状の収納部に収納し、蓋材2をかぶせてヒートシールにより密封し、打ち抜き、図1の包装容器100のような、実施例1の包装容器を作成した。
すなわち、容器本体1は、フランジ部11の内縁の形状が円形で、フランジ部11の内縁から下方に狭まりながら向かう側壁が設けられ、側壁の下端部に底部が設けられている。蓋材は、円形から摘み部21が突き出るように設けられていて、摘み部21の側のヒートシール部の形状が、外方に向けて尖り部31が設けられている。その尖り部31の内側にポイントシール部4が設けられている。実施例1では、フランジの幅6mmに対し、シール幅は3mmで作成し、ポイントシール部4は直径1.5mmで設けた。
以下に、本発明の比較例について説明する。
<比較例1>
尖り部31の内側にポイントシール部4を設けなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例1の包装容器を作成した。
<比較例2>
ヒートシール部の形状を、尖り部31を設けずに円形のままにし、ポイントシール部4も設けなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例2の包装容器を作成した。
<比較例3>
ヒートシール部の形状を、内縁は突き出さずに、外縁のみを突き出させ、尖り部を設けた形状にした以外は実施例1と同様にして、比較例3の包装容器を作成した。
<試験方法>
実施例と比較例の包装容器を下記の方法で試験し、比較評価した。
<剥離性評価>
実施例と比較例の包装容器を、それぞれ、摘み部を持って、蓋材を容器本体の開口部の半分程度まで剥離し、その剥離性を官能により評価した。その結果を表1にまとめた。
剥離したとき、スムーズに剥離したものを○とし、剥離時にはっきり抵抗があったものを×とし、抵抗が弱冠大きかったものを△として評価した。その結果を表1にまとめた。
<加温剥離評価>
実施例と比較例の包装容器を、60℃の恒温室で保存、1日後、蓋材が容器本体から剥離した部分があるか否かをチェックした。
剥離のなかったものをあった○とし、剥離部分があったものを×として評価した。その結果を表1にまとめた。
Figure 2016108013
以下に、実施例と比較例との比較結果について説明する。
<比較結果>
実施例1の包装容器は、剥離性評価で、蓋材を、摘み部を持って容器本体から剥がしたところ、剥がし始めの部分も良好に剥離することができた。また、加温剥離評価で、剥離してもれるようなことはなかった。
一方、比較例1の包装容器は、剥離性評価では、蓋材を、摘み部を持って容器本体から剥がしたところ、剥がし始めの部分も良好に剥離することができたが、加温剥離評価で、剥離した部分があって、もれていた。
比較例2の包装容器は、加温剥離評価では、剥離して漏れることはなかったが、剥離性評価では、剥がし始めの部分で、若干抵抗があり、剥離しにくかった。
比較例3の包装容器は、加温剥離評価では、剥離して漏れることはなかったが、剥離性評価では、剥がし始めの部分ではかなり抵抗があり、剥がしにくかった。
100、200、300・・・包装容器
1・・・容器本体
11・・・フランジ部
2・・・蓋材
21・・・摘み部
3・・・ヒートシール部
31、32、33・・・尖り部
4、41・・・ポイントシール部

Claims (2)

  1. 容器本体と容器本体のフランジ部にヒートシールされた蓋材とからなる包装容器であって、
    前記蓋材に設けられた摘み部の近傍のヒートシール部の形状が、外方に向けて尖っていて、その尖った前記ヒートシール部の内側にポイントシール部が設けられていることを特徴とする包装容器。
  2. 前記ヒートシール部と前記ポイントシール部は分離して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の包装容器。
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