JP2016104943A - 受圧板 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンカー工法に用いられる受圧板において、施工が容易で且つ種々のアンカー角度に対応することができるとともに、リードタイムを短縮する。【解決手段】斜面に設置される第1および第2積層板2,3と、第2積層板3の上部に設置されるヘッド5と、を備える受圧板1である。ヘッド5の上部には少なくとも一部に球面7aを有する上側ヘッド部7が形成されている。アンカーを挿通するための貫通孔9が、第1積層板2の下面と上側ヘッド部7の球面7aとを通るように、決定されたアンカー角度に合わせて形成されている。球面7aの範囲内に位置している貫通孔9の上端の周縁部がアンカーの受圧面となる。球面7aには、下面が当該球面7aに沿う形状を有し、アンカーの突出端に取り付けられる支圧鉄板10と当該球面7aとの間に介在する台座8が固定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、アンカー工法に用いられる受圧板に関し、特に、種々のアンカー角度に対応可能な受圧板に関するものである。
従来から、斜面の崩壊や地滑り等を防止する工法として、グラウンドアンカー工法(またはアースアンカー工法ともいう)が広く知られている。このグラウンドアンカー工法は、斜面から良質地盤に達するアンカー孔を削孔し、当該アンカー孔に挿入されたアンカー(引張材)の先端部をグラウト材等で良質地盤に固定する一方、アンカーの突出端を斜面に設置した受圧板に緊張状態で固定し、受圧板を介してアンカーの引張力を斜面に伝達することで、斜面の安定化を図るものである。
かかるグラウンドアンカー工法では、アンカーの引張力を斜面に伝達することから、受圧板の受圧面とアンカーとが直交することが好ましい。このため、グラウンドアンカー工法では、斜面に対して垂直にアンカー孔を削孔するとともに、斜面と平行な受圧面に対して垂直な貫通孔が形成された受圧板を用いることで、アンカー孔と貫通孔との軸方向を一致させることが多い。このようにすれば、受圧面とアンカーとを容易に直交させることができ、貫通孔を通過したアンカーの突出端に取り付けた支圧板を受圧面で支持することで、受圧板を介してアンカーの引張力を効果的に斜面に伝達することができる。
しかしながら、グラウンドアンカー工法では、アンカー孔が常に斜面に対して垂直に削孔されるとは限らず、地滑りの方向、アンカーの効果、良質地盤の位置などを考慮して、斜面に垂直な方向から一定角度ずれた方向にアンカー孔が削孔される場合がある。例えば、事前の地質調査等により、斜面の垂直方向にアンカー孔を削孔するよりも、斜面の垂直方向から一定角度ずれた方向にアンカー孔を削孔する方が、短い削孔長で良質地盤に到達するような場合には、アンカー孔の方向は斜面の垂直方向から一定角度ずれた方向に設定される。
このような場合にも、受圧面が斜面と平行で且つ受圧面に対して垂直な貫通孔が形成された受圧板を用いると、貫通孔とアンカー孔との軸方向が一致しないことから、アンカーの引張力が斜面に垂直な方向ではなく、例えば斜面に平行な方向に卓越するため、受圧板を斜面に対し安定的に固定することが困難になるという問題がある。
そこで、例えば特許文献1には、地表面に配置される押圧体と、押圧体の上面に形成された台座とからなり、地表面と平行な押圧体の上面に対して、アンカー孔のずれ方向と同方向かつ同角度分だけ上面(受圧面)が傾斜するように台座が形成され、台座と押圧体とを貫通する貫通孔が台座の上面に対して垂直方向に設けられたグラウンドアンカーの受圧板が開示されている。この特許文献1のものによれば、貫通孔とアンカー孔との軸方向が一致するとともに、台座の受圧面がアンカーと直交することから、斜面に垂直な方向から一定角度ずれた方向にアンカー孔が削孔される場合でも、受圧板を斜面に対し安定的に固定することが可能となる。
また、特許文献2には、地中に係止したアンカー部材と係合可能な球面受け座を、枠状本体に設けた受圧板が開示されている。より詳しくは、この特許文献2のものでは、球面受け座が比較的薄く形成されているとともに、球面受け座に設けられた貫通孔の孔径がアンカー部材の外径よりも大きいことから、アンカー部材の地山に対する係止角度が自由度を持つことになる。そして、この特許文献2のものによれば、係止角度が変化した場合にも、アンカー部材が球面受け座を介して枠状本体に係止するので、アンカーの緊張に伴って受圧板に回転モーメントが加わることがないとされている。
さらに、特許文献3には、固定台座と調節台座とからなり、アンカーの定着用支圧面を移動可能に構成したアンカーの定着台座が開示されている。このアンカーの定着台座は、受圧面が球面状に形成された固定台座に長穴を開設して、アンカーの頭部を当該長穴と調節台座の孔とに貫通させて、調節台座の定着用支圧面を、アンカーと直交するように角度調節してセットするものである。
特開平11−323925号公報 特開2001−172967号公報 特開平5−59723号公報
しかしながら、上記各特許文献のものには、それぞれ以下のような問題がある。
すなわち、先ず、上記特許文献2および3のものは共に、受圧面を球面とすることでアンカーの係止角度に自由度を持たせて、施工現場において受圧板に対するアンカーの角度を合わせるものであるが、現実問題として、アンカー力を加えながら受圧板に対するアンカーの角度を調整するのは至難の業であり、受圧板に対するアンカーの角度が合わず、偏荷重が加わることが多いという問題がある。
一方、上記特許文献1のものでは、製造の段階で受圧板に対するアンカーの角度が決まることから、上記特許文献2および3のもののような問題は生じない。しかしながら、斜面の垂直方向からのアンカー孔乃至アンカーのずれ(以下、アンカー角度ともいう)が決定されるのは設計の最終段階であるところ、上記台座はアンカー角度に合わせて上面を傾斜させることから、アンカー角度が決定するまでは台座の作製に着手することができない。そうして、アンカー角度が決定してから台座の作製に着手したのでは、受圧板が納品可能になるまでに時間がかかり過ぎるという問題が生じる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、アンカー工法に用いられる受圧板において、施工が容易で且つ種々のアンカー角度に対応することができるとともに、受圧板の作製に着手してから受圧板が完成するまでの所要期間、すなわちリードタイムを短縮することを可能にする技術を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る受圧板では、種々のアンカー角度に対応することができるように、受圧板に受圧面としての球面を設け、当該球面を貫通するようにアンカーの角度に合わせて貫通孔を形成するとともに、当該球面に台座を固定するようにしている。
具体的には、本発明は、アンカーの突出部を挿通するための貫通孔を有し、当該貫通孔の上端における周縁部をアンカーの受圧面とする受圧板を対象としている。
そして、この受圧板は、少なくとも一部に球面を有し、上記貫通孔は、上端が上記球面の範囲内に位置するように、決定されたアンカー角度に合わせて形成されており、上記球面には、下面が当該球面に沿う形状を有し、上記アンカーの突出端に取り付けられる支圧板と当該球面との間に介在する台座が固定されていることを特徴とするものである。
なお、本発明において「アンカー角度」とは、斜面の垂直方向からのアンカー孔乃至アンカーのずれを意味する。
この構成によれば、アンカーを挿通するための貫通孔の上端が球面の範囲内に位置しており、球面には異方性がない(等方性がある)ことから、アンカー角度の如何を問わず、球面におけるいずれの部分もアンカーの受圧面となり得る。このように、受圧面としての球面を設けるという簡単な構成で、種々のアンカー角度に対応することができることから、アンカー角度が決定する前でも、受圧板の作製に着手することが可能となる。そうして、アンカー角度の決定後は、決定されたアンカー角度に合わせて、球面を通るように貫通孔を受圧板に削孔すればよいので、アンカー角度が決定してから受圧板が納品可能になるまでの時間を大幅に短縮することができる。
ところで、アンカーの突出端に取り付けられる支圧板は通常、平板状であることから、これを球面で直接支持しようとすると、支圧板と球面との間に隙間が生じることになり、アンカーの引張力を支圧板から受圧板へ適正に伝達することが困難になるおそれがある。この点、本発明の受圧板では、支圧板と球面との間に介在する台座は、下面が球面に沿う形状を有していることから、アンカー角度に応じて球面におけるいずれの部分にも設置することができるので、支圧板と球面との間に生じる隙間を埋めることができる。これにより、台座を介して支圧板から受圧板へアンカーの引張力を確実に伝達することができる。
しかも、かかる台座は球面に固定されていることから、施工現場において受圧板に対するアンカーの角度を合わせる必要がないので、受圧板に対するアンカーの角度が合わなかったり、偏荷重が加わったりすることなく、容易に施工することができる。加えて、球面の曲率半径は、アンカー角度の如何を問わず決定されるところ、台座は球面の曲率半径さえ分かれば作製可能なので、アンカー角度が決定する前でも、台座を準備しておくことができる。したがって、アンカー角度が決定してから、台座が固定された受圧板が納品可能になるまでの時間を大幅に短縮することができる。
さらに、上記受圧板では、上記球面が凸球面または凹球面であることが好ましい。
本発明の球面は、アンカー角度の如何を問わず、アンカーの受圧面となればよいので、例えばドーム状の凸球面でも、碗状の凹球面でも適用することができる。
そして、上記受圧板の具体例として、地面に設置される積層板と、上記積層板の上部に設置されるヘッドと、を備え、上記ヘッドの上部には上記球面が形成されており、上記貫通孔は、上記積層板の下面と上記球面とを通るように貫通形成されていることが好ましい。
この構成によれば、アンカー角度が決定する前に、積層板およびヘッドを製造し、アンカー角度の決定後に、決定されたアンカー角度に合わせて、積層板の下面とヘッドの上部に形成された球面とを通るように、貫通孔を形成することで、リードタイムを短縮することができる。
ところで、鋼製やプレキャスト製の受圧板では、斜面の垂直方向から一定角度ずれた方向にアンカー孔が削孔される場合、別部材である角度調整台座を用いて、受圧面とアンカーとを直交させることが多い。このように別部材である角度調整台座を用いるのは、鋼製やプレキャスト製の受圧板では、コストや構造等との関係上、角度調整台座を一体的に取り付けるのが容易ではないためである。そうして、別部材である角度調整台座として大きな角度調整台座を用いようとすると、施工現場での設置や受圧板への固定等が困難になることから、角度調整台座のサイズは制限を受けることになる。それ故、アンカー角度が大きいことにより斜面方向の分力が大きくなるような場合には、小さな角度調整台座では対応が困難となるため、鋼製やプレキャスト製の受圧板は、その適用範囲が比較的小さなアンカー角度に制限されるという問題がある。
そこで、上記受圧板では、上記ヘッドおよび上記積層板が、ガラス繊維で補強された熱硬化性樹脂発泡体で形成されていることが好ましい。
この構成によれば、ヘッドが比較的大きい場合でも、例えば接着等を用いて、ヘッドを積層板に対し容易に取り付けることができ、ヘッドと積層板とが一体になった状態で施工現場に搬入することができるので、施工現場での設置等が困難にならず、より広い範囲のアンカー角度に対応可能な受圧板を実現することができる。
以上、説明したように本発明に係る受圧板によれば、施工が容易で且つ種々のアンカー角度に対応することができるとともに、リードタイムを短縮することができる。
本発明の実施形態に係る受圧板を模式的に示す図であり、同図(a)は平面図であり、同図(b)は側面図である。 受圧板が斜面に設置された状態を模式的に示す図であり、同図(a)は斜面に垂直な方向にアンカー孔を削孔した場合であり、同図(b)は斜面の垂直方向から一定角度ずれたアンカー孔を削孔した場合である。 受圧板の変形例を模式的に示す図であり、同図(a)は平面図であり、同図(b)は側面図である。 受圧板の変形例を模式的に示す側面図である。 従来の受圧板を模式的に示す図であり、同図(a)は平面図であり、同図(b)は側面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る受圧板1を模式的に示す図であり、同図(a)は平面図であり、同図(b)は側面図である。また、図2は、受圧板1が斜面11に設置された状態を模式的に示す図であり、同図(a)は斜面11に垂直な方向にアンカー孔12を削孔した場合であり、同図(b)は斜面11の垂直方向から一定角度ずれたアンカー孔12を削孔した場合である。この受圧板1は、グラウンドアンカー工法に用いられるものである。より詳しくは、受圧板1は、図2に示すように、先端部がグラウト材等で良質地盤14に固定されたアンカー13の突出端が緊張状態で固定されることで、アンカー13の引張力を斜面(地面)11に伝達して、斜面11を安定化させるものである。この受圧板1は、図1に示すように、斜面11に設置される第1および第2積層板2,3と、当該第2積層板3の上部に設置されるヘッド5と、を備えている。
第1積層板2は、第2積層板3の下側に配置されていて、斜面11に直接設置されるものである。この第1積層板2は、同じ厚さ(例えば30mm)で且つ同じ縦横寸法(例えば1400mm平方)の2枚の積層板2a,2bを、エポキシ系接着剤を用いて上下に接着接合することで形成されている。各積層板2a,2bは、ガラス繊維で補強された熱硬化性樹脂発泡体(硬質ウレタン樹脂)からなるFFU(Fiber reinforced Foamed Urethane)から形成されている。なお、2枚の積層板2a,2bは、縦方向にも横方向にも均一に強度が高まるように、各々に含まれているガラス繊維の延びる方向が互いに直交するように接合されている。
第2積層板3は、第1積層板2よりも小さな縦横寸法を有していて、第1積層板2の上側に配置されて、その上部に設置されるヘッド5を支持するものである。この第2積層板3も、第1積層板2と同様に、同じ厚さ(例えば30mm)で且つ同じ縦横寸法(例えば1100mm平方)の2枚の積層板3a,3bを、エポキシ系接着剤を用いて上下に接着接合することで形成されている。各積層板3a,3bは、FFUから形成されていて、各々に含まれているガラス繊維の延びる方向が互いに直交するように接合されている。
このように構成された第1積層板2と第2積層板3とは、図1(a)に示すように、上方から見て互いの中心が一致するように、エポキシ系接着剤を用いて上下に接着接合されている。
ヘッド5は、第2積層板3の上側に配置される下側ヘッド部6と、下側ヘッド部6の上側に一体形成された上側ヘッド部7と、を有している。このヘッド5は、第1および第2積層板2,3と同様に、FFUから形成してもよいし、第1および第2積層板2,3とは異なり、短繊維状のFFU粉砕品をプレス成型したリサイクル素材から形成してもよい。下側ヘッド部6は、第1および第2積層板2,3よりも厚い(例えば70mm)四角形板状に形成されている。下側ヘッド部6は、図1(a)に示すように、上方から見て互いの中心が一致するように、エポキシ系接着剤を用いて第2積層板3の上面に接着接合されている。
一方、上側ヘッド部7は、その上面(表面)7aすべてが凸球面となるように形成されている。より詳しくは、上側ヘッド部7は、第1積層板2の下面の中心Cを中心(仮想中心)とする所定半径(この例では317mm)の球を、下側ヘッド部6の上面と平行な面で切断したような形状に形成されている。
このように形成された受圧板1には、図1(b)に示すように、当該受圧板1が適用される各施工現場におけるアンカー角度(斜面11の垂直方向からのアンカー孔12乃至アンカー13のずれ)と同方向かつ同角度になるように、第1積層板2の下面の中心Cと上側ヘッド部7の上面(以下、球面ともいう)7aとを通る、アンカー13の地表からの突出部を挿通するための貫通孔9が貫通形成されている。換言すると、貫通孔9は、球面7aの仮想中心を通り、且つ、第1積層板2の下面の垂直方向からのずれが、アンカー角度と同方向かつ同角度となるように球面7aの径方向に延びている。
このように、本実施形態の受圧板1では、貫通孔9の上端が球面7aの範囲内に位置しており、球面7aには異方性がない(等方性がある)ことから、アンカー角度の如何を問わず、球面7aにおけるいずれの部分もアンカー13の受圧面(貫通孔9の上端の周縁部)となり得る。それ故、図2(a)に示すように、斜面11に垂直な方向にアンカー孔12を削孔した場合のみならず、図2(b)に示すように、斜面11の垂直方向から一定角度ずれたアンカー孔12を削孔した場合にも、ヘッド5の球面7aを、アンカー13と直交する受圧面とすることができる。
ここで、図5に示すような従来の受圧板101では、第1および第2積層板2,3の上面に対して、アンカー孔12のずれ方向と同方向かつ同角度分だけ上面105aが傾斜するようにヘッド105を形成していたため、アンカー角度が決定するまでは、第1および第2積層板2,3の作製にしか着手できず、ヘッド105の作製に着手することができなかった。それ故、従来の受圧板101では、アンカー角度が決定してから受圧板101が納品可能になるまでに時間がかかり過ぎるという問題があった。
この点、本実施形態の受圧板1では、球面7aにおけるいずれの部分もアンカー13の受圧面となり得ることから、アンカー角度が決定されるのを待つ必要がなく、アンカー角度が決定する前でも、受圧板1の作製に着手することが可能となる。そうして、アンカー角度の決定後は、決定されたアンカー角度に合わせて、球面7aの仮想中心と球面7aとを通るように、より詳しくは、第1積層板2の下面の中心Cと上側ヘッド部7の球面7aとを通るように貫通孔9を削孔すればよいので、アンカー角度が決定してから受圧板1が納品可能になるまでの時間を大幅に短縮することができる。
ところで、アンカー13の突出端に取り付けられる支圧鉄板(支圧板)10は平板状であることから、これを球面7aで直接支持しようとすると、支圧鉄板10と球面7aとの間に隙間が生じることになり、アンカー13の引張力を支圧鉄板10から受圧板1へ適正に伝達することが困難になるおそれがある。
そこで、本実施形態の受圧板1では、図1(b)に示すように、下面が球面7aに沿う形状を有する台座8を、支圧鉄板10と球面7aとの間に介在させるようにしている。この台座8は、細骨材と樹脂とを混練したレジンモルタル(樹脂モルタル)から成り、アンカー13を挿入可能な孔8aを有する筒状に形成されている。台座8は、下面が球面7aに沿う形状を有しているので、アンカー角度に応じて、球面7aにおけるいずれの部分にも設置することが可能となっている。これにより、支圧鉄板10と球面7aとの間に生じる隙間を埋めて、台座8を介して支圧鉄板10から受圧板1へアンカー13の引張力を確実に伝達することができる。
また、球面7aの曲率半径は、アンカー角度の如何を問わず、第1および第2積層板2,3の厚さや下側ヘッド部6の大きさ等により決定されるところ、台座8は球面7aの曲率半径さえ分かれば作製可能なので、アンカー角度が決定する前でも、予め台座8を作製しておくことができる。したがって、アンカー角度が決定してから、台座8が固定された受圧板1が納品可能になるまでの時間を大幅に短縮することができる。なお、台座8は、受圧板1に貫通孔9が削孔された後、台座8の孔8aの軸心と貫通孔9の軸心とが一致するような位置で、エポキシ系接着剤を用いて、その下面が上側ヘッド部7の球面7aに固定される。
ここで、本実施形態のようにアンカー角度に合わせて貫通孔9を削孔するのではなく、例えば球面7aに長穴を形成し、施工現場において台座8を長穴に沿って球面7a上を滑らせることで位置合わせをする構成、換言すると、アンカー13の受圧板1に対する係止角度に自由度を持たせる構成も可能とも思える。しかしながら、理論上はアンカー力により台座8が球面7a上を滑って適正位置に収束するが、現実には球面7aと台座8との間には摩擦力が生じることから、アンカー力を加えながら受圧板1に対するアンカー13の角度を調整しようとすると、台座8が球面7a上を滑らず、意図しない位置(角度)で固定されてしまうおそれがある。つまり、アンカー力を加えながら受圧板1に対するアンカー13の角度を調整するのは、現実的には至難の業であり、受圧板1に対するアンカー13の角度が合わず、偏荷重が加わることが多い。
これに対し、本実施形態の受圧板1では、アンカー角度と同方向かつ同角度になるように貫通孔9が形成されているとともに、台座8が球面7aに固定されていることから、施工現場において受圧板1に対するアンカー13の角度を合わせる必要がないので、受圧板1に対するアンカー13の角度が合わなかったり、偏荷重が加わったりすることなく、容易に施工することができる。
加えて、本実施形態の受圧板1は、FFU製であることから、以下のような利点を有する。すなわち、別部材である角度調整台座(図示せず)を用いて、受圧面とアンカーとを直交させる鋼製やプレキャスト製の受圧板(図示せず)は、アンカー角度が大きいことにより斜面方向の分力が大きくなるような場合には、小さな角度調整台座では対応が困難となるため、その適用可能なアンカー角度が0°〜20°に制限される。
これに対し、本実施形態の受圧板1はFFU製であることから、ヘッド5が比較的大きい場合でも、エポキシ系接着剤を用いて、ヘッド5を第2積層板3に対し容易に取り付けることができ、ヘッド5と第1および第2積層板2,3とが一体になった状態で施工現場に搬入することができる。これにより、施工現場での設置等が容易になるとともに、比較的大きいヘッド5を用いることで、アンカー角度が大きいことにより斜面方向の分力が大きくなるような場合でも対応することができる。このため、本実施形態の受圧板1は、その適用可能なアンカー角度を0°〜30°まで広げることができる。
なお、球面7aの曲率半径については、特に規定しないが、例えば、第1および第2積層板2,3の合計厚さが60mmで、且つ、下側ヘッド部6の厚さが70mmである場合において、0〜30°のアンカー角度に対応させるためには、球面7aの曲率半径は300〜450mmであることが好ましい。
以上のように、本実施形態の受圧板1によれば、種々のアンカー角度に対応することができるとともに、リードタイムを短縮することができる。
−変形例−
上記実施形態では、第1および第2積層板2,3という2枚の積層板を用いたが、図3に示すように、第3積層板4を加えた3枚の積層板を用いて受圧板1’を構成してもよい。
この第3積層板4は、第2積層板3の上側に配置されていて、その上部に設置されるヘッド15を支持するものである。この第3積層板4も、第1および第2積層板2,3と同様に、同じ厚さ(例えば30mm)で且つ同じ縦横寸法(例えば900mm平方)の積層板4a,4bを、エポキシ系接着剤を用いて上下に接着接合することで形成されている。各積層板4a,4bは、第1および第2積層板2,3と同様にFFUから形成されていて、各々に含まれているガラス繊維の延びる方向が互いに直交するように接着接合されている。
なお、第3積層板4の上側に配置される、下側ヘッド部16と上側ヘッド部17とを有するヘッド15は、上記ヘッド5よりも大きく形成されている(曲率半径が440mm)ことを除けば、上記ヘッド5と同様の構成なので、説明を省略する。
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態に限定されず、その精神または主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
上記実施形態では、上側ヘッド部7に形成される球面7aを凸球面としたが、これに限らず、上側ヘッド部7に形成される球面7aを凹球面としてもよい。なお、この場合には、台座8の下面を凸球面状とする。
また、上記実施形態では、上面7aすべてが球面となるように上側ヘッド部7を形成したが、少なくとも一部に球面7aを有するのであれば、これに限らず、上面7aに球面ではない部分を有するように上側ヘッド部7を形成してもよい。具体的には、例えば、図4に示すように、左半分だけが球面27aで、右半分が傾斜面27bである上側ヘッド部27を有するヘッド25を採用してもよい。このような形状のヘッド25を採用しても、受圧板1”は前後対称なので、受圧板1”を180°回転させることで、0〜30°の範囲のすべてのアンカー角度に対応することができる。
さらに、上記実施形態では、第1積層板2の下面の中心Cと上側ヘッド部7の球面7aとを通るように貫通孔9を形成したが、貫通孔9が、球面7aの仮想中心と第1積層板2の下面と球面7aとを通っているのであれば、必ずしも第1積層板2の下面の中心Cを通る必要はない。
また、上記実施形態では、第1積層板2の下面の中心Cを中心とする所定半径の球に基づいて球面7aを決定したが、これに限らず、どのようなやり方で球面7aを決定してもよい。
さらに、上記実施形態およびその変形例では、1400mm平方の積層板2a,2bや1100mm平方の積層板3a,3bや900mm平方の積層板4a,4b、すなわち、正方形状の積層板2a,2b,3a,3b,4a,4bを用いたが、これに限らず、例えば長方形状の積層板2a,2b,3a,3b,4a,4bを用いてもよい。なお、これらの寸法が例示であることは言うまでもない。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明によると、施工が容易で且つ種々のアンカー角度に対応することができるとともに、リードタイムを短縮することができるので、アンカー工法に用いられる受圧板に適用して極めて有益である。
1 受圧板
1’ 受圧板
1” 受圧板
2 第1積層板
3 第2積層板
4 第3積層板
5 ヘッド
6 下側ヘッド部
7 上側ヘッド部
7a 上面、球面
8 台座
9 貫通孔
10 支圧鉄板(支圧板)
11 斜面(地面)
13 アンカー
15 ヘッド
16 下側ヘッド部
17 上側ヘッド部
25 ヘッド
27 上側ヘッド部
27a 球面

Claims (4)

  1. アンカーの突出部を挿通するための貫通孔を有し、当該貫通孔の上端における周縁部をアンカーの受圧面とする受圧板であって、
    少なくとも一部に球面を有し、
    上記貫通孔は、上端が上記球面の範囲内に位置するように、決定されたアンカー角度に合わせて形成されており、
    上記球面には、下面が当該球面に沿う形状を有し、上記アンカーの突出端に取り付けられる支圧板と当該球面との間に介在する台座が固定されていることを特徴とする受圧板。
  2. 上記請求項1に記載の受圧板において、
    上記球面が凸球面または凹球面であることを特徴とする受圧板。
  3. 上記請求項1または2に記載の受圧板において、
    地面に設置される積層板と、
    上記積層板の上部に設置されるヘッドと、を備え、
    上記ヘッドの上部には上記球面が形成されており、
    上記貫通孔は、上記積層板の下面と上記球面とを通るように貫通形成されていることを特徴とする受圧板。
  4. 上記請求項3に記載の受圧板において、
    上記ヘッドおよび上記積層板が、ガラス繊維で補強された熱硬化性樹脂発泡体で形成されていることを特徴とする受圧板。
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