JPH10110430A - アンカー工法及びアンカー受圧板 - Google Patents

アンカー工法及びアンカー受圧板

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JPH10110430A
JPH10110430A JP26739096A JP26739096A JPH10110430A JP H10110430 A JPH10110430 A JP H10110430A JP 26739096 A JP26739096 A JP 26739096A JP 26739096 A JP26739096 A JP 26739096A JP H10110430 A JPH10110430 A JP H10110430A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンカー工法を改良し、従来ではアンカー工
法による崩落防止工事が困難であった場所でもアンカー
工法による崩落防止を可能とする。併せてより運搬が容
易な受圧板10を提案する。 【解決手段】 受圧板10の各層を構成する板体11,
12,13,14,15を個別に作業現場に搬入する。
受圧板10の最も下層に積層される板体11にネジ穴2
1を設け、管体17をネジ固定する。上部の板体12,
13,14,15には貫通穴22,23,24,25が
設けられ、板体12,13,14,15は貫通穴22,
23,24,25を管体17に挿通して順次積層する。
最後に雌ねじ部材20を取り付けて板体11,12,1
3,14,15を締めつける。接着剤が硬化したら雌ね
じ部材20及び管体17を撤去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンカー工法に関
するものである。また併せて本発明は、アンカー工法に
使用するアンカー受圧板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】わが国は、山の多い地形であり、居住地
域や農地に隣接した斜面も多く、斜面の崩壊や地滑りの
発生により大きな被害の発生が懸念される地域が多い。
そこで斜面の崩壊や地滑りを防止する有力な方法とし
て、アンカー工法が知られている。アンカー工法とは、
崩壊の危険の無い強固な岩盤にアンカーを設け、このア
ンカーからPC鋼線等のアンカー連結部材を地表まで引
出し、地表面に設けたアンカー受圧板にこのアンカー連
結部材を結合し、地表面をアンカー受圧板で押さえるこ
とにより、地盤を保持するものである。そして従来技術
のアンカー工法では、工場で完成されたアンカー受圧板
をアンカー埋設位置まで運搬し、アンカー連結部材と結
合することにより行われていた。
【0003】ところでアンカー工法に使用するアンカー
受圧板には、旧来鉄筋コンクリート製のものが多く利用
されていた。しかしながら鉄筋コンクリート製のアンカ
ー受圧板は、重量が極めて大きく、設置には大型の土木
建築機械が必須であるという欠点があった。また鉄筋コ
ンクリート製のアンカー受圧板は、ひび割れを起こしや
すいという問題があった。そこで本発明者らは、これら
の問題を解決するものとして、繊維強化樹脂製のアンカ
ー受圧板を提案した(特開平6−108456号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らが提案した
アンカー受圧板は、鉄筋コンクリート製のものに比べて
格段に軽く、運搬や設置は旧来に比べて格段に容易であ
る。しかしながら、当業者の間では、アンカー受圧板の
運搬や設置がより容易なアンカー工法や、より運搬が容
易なアンカー受圧板を開発する要望がある。すなわちア
ンカー工法を行う場所には、急傾斜地や、周辺道路の幅
が狭い等の理由により、大型の土木建築機械の進入が困
難である場合もあり、このような場所にアンカー受圧板
を設置するためには、人力でアンカー受圧板を搬入しな
ければならない。またこの様な場所においては、アンカ
ー受圧板を位置決めする際の移動についても人力によっ
て行う必要がある。ここで従来技術のアンカー受圧板
は、軽量化されたとは言え、人力で運搬するには重すぎ
る。そのため従来技術では、この様な場所ではアンカー
工法の活用は困難であり、他の方法によって斜面の崩壊
を防止するか、崩壊の危険に晒されながらも放置するよ
り方法はなかった。
【0005】さらに積層体たるアンカー受圧板を、各層
を構成する板体の状態で工事現場に搬入し、工事現場で
板体同士を接着積層する方策も考えられるが、工事現場
は多くの場合傾斜地であり、板体がずり落ちるために、
各板体を正規の位置関係に積層することは困難であっ
た。またこのような環境で各板体を完全に接着すること
は困難であり、工事現場で接合されたアンカー受圧板
は、板同士の一体性を欠き、設計強度が発現されない場
合が多い。本発明は、従来技術の上記した問題点に注目
し、新規なアンカー工法を提案することにより、従来技
術では対応が困難であった場所でもアンカー工法による
崩壊防止を可能とすることを技術的課題とするものであ
る。また併せて本発明は、より運搬が容易なアンカー受
圧板を提案するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そして上記した課題を達
成するための請求項1記載の発明は、複数の板体を接着
して積層したアンカー受圧板と、地中に埋設されたアン
カーとをアンカー連結部材によって連結し、地表面を押
さえるアンカー工法において、少なくとも上端部にネジ
が形成された管体が、アンカー受圧板の下層に積層され
る板体に立設され、前記下層に積層される板体の上部に
積層される板体には貫通穴が設けられ、前記管体にアン
カー連結部材を挿通した状態で下層に積層される板体を
アンカー埋設位置上に設置し、上部に積層される板体は
接着剤を介在させた状態で貫通穴を前記管体に挿通して
順次積層し、管体の上端部に雌ネジ部材を取り付けて板
体を締めつけて板体同士を接着積層することを特徴とす
るアンカー工法である。
【0007】また同様の目的を達成するための請求項2
に記載の発明は、複数の板体を接着して積層したアンカ
ー受圧板と、地中に埋設されたアンカーとをアンカー連
結部材によって連結し、地表面を押さえるアンカー工法
において、アンカー受圧板の下層に積層される板体には
ネジ穴が設けられ、前記下層に積層される板体の上部に
積層される板体には貫通穴が設けられ、外周の少なくと
も両端近傍にネジが形成された管体を、下層に積層され
る板体に設けられた前記ネジ穴にネジ固定して下層に積
層される板体に管体を立設すると共に管体にアンカー連
結部材を挿通した状態で当該板体をアンカー埋設位置上
に設置し、上部に積層される板体は接着剤を介在させた
状態で貫通穴を前記管体に挿通して順次積層し、管体の
上端部に雌ネジ部材を取り付けて板体を締めつけ、接着
完了後に雌ネジ部材及び管体を撤去し、アンカー連結部
材とアンカー受圧板とを結合することを特徴とするアン
カー工法である。
【0008】従来技術のアンカー工法が、工場で完成さ
れたアンカー受圧板を工事現場まで運搬するものであっ
たのに対し、上記した二つの発明は、アンカー受圧板を
半製品の形で工事現場に搬入し、工事現場においてアン
カー受圧板を完成させるものである。すなわち請求項1
に記載のアンカー工法では、各層を構成する板体と、少
なくとも一端にネジが形成された管体を工事現場に運搬
する。管体については、予め下層に積層される板体に立
設した状態で搬入してもよい。そして工事現場におい
て、アンカーの埋設位置に下層に積層される板体を配置
し、この板体に管体を接続する。なお前記した様に予め
管体を立設した状態で搬入した場合には、そのままアン
カーの埋設位置に下層に積層される板体を配置しする。
またアンカー連接部材を、上記した管体に挿通してお
く。
【0009】そして必要な部位に接着剤を塗布し、上層
に積層する板体の貫通穴に前記管体に挿通して、板体を
順次積層して行く。そのため傾斜地であっても上層部の
板体がずれ落ちることがなく、各板体は正規の位置関係
をもって積層することができる。そして本発明では、管
体の上端部に雌ネジ部材を取り付けて板体を締めつけて
板体同士を接着積層するので、工事現場でも各層の完全
な接着を行うことができる。また前記した様に、管体に
アンカー連結部材が予め挿通されているので、公知の方
法によりアンカー連結部材とアンカー受圧板を接続する
ことができ、アンカー工法による傾斜面の養生を完成す
ることができる。
【0010】請求項2記載の発明は、アンカー連結部材
とアンカー受圧板との接続に先立って、管体を抜く必要
がある場合に好適なものである。すなわち請求項2に記
載のアンカー工法においては、アンカー受圧板の下層に
積層される板体にネジ穴が設けられており、管体は、ネ
ジの嵌合によって板体に立設される。請求項2記載の発
明においても、前記した請求項1記載の発明と同様にア
ンカー連接部材を上記した管体に挿通しておき、上層に
積層する板体を、当該板体の貫通穴を前記管体に挿通し
て順次積層し、雌ネジ部材を取り付けて板体を締めつけ
て板体同士を接着積層する。請求項2記載の発明では、
雌ネジ部材を取り付けて板体を締めつけて板体を接着接
合した後、雌ネジ部材を外す。雌ネジ部材を外すと、管
体の上部は、積層された板体から突出する。従って、こ
の突出部分を治具等で掴み、回転すると、下層に積層さ
れる板体とのネジの嵌合が解けるので、管体を抜き去る
ことができる。
【0011】請求項3に記載の発明は、上記した二つの
発明を改良したものであり、アンカー受圧板を構成する
板体は、繊維強化樹脂によって形成されたものであり、
板体は面積の大きなものから順次面積の小さなものが積
層されることを特徴とする請求項1又は2に記載のアン
カー工法である。
【0012】請求項4に記載の発明は、上記した発明を
改良したものであり、アンカー受圧板を構成する板体に
は、前記管体と併せてボルトが挿通されることを特徴と
する請求項1乃至3のいずれかに記載のアンカー工法で
ある。
【0013】本発明のアンカー工法では、管体による締
付の他、ネジによる結合も行われるため、各層間の結合
はより強固である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下さらに本発明の実施形態につ
いて説明する。図1は、本発明の実施形態のアンカー工
法を説明する断面図である。図2は、本発明の実施形態
のアンカー工法におけるアンカー受圧板の接合工程を示
す分解断面図である。図3は、本発明の実施形態のアン
カー工法におけるアンカー受圧板を示し、各層が一体に
締結された状態における断面図である。図4は、本発明
の実施形態のアンカー工法におけるアンカー受圧板を示
し、管体を抜き去った状態における断面図である。図5
は、本発明の実施形態のアンカー工法におけるアンカー
受圧板を示す斜視図である。
【0015】本発明のアンカー工法は、従来技術と同様
に傾斜地の斜面1(図1参照)を掘削し、滑り線2を越
えて強固な岩盤3にまで達する掘削穴4を形成すること
から開始される。そして掘削穴内にPC鋼線等のアンカ
ー連結部材5を挿通し、アンカー連結部材の先端部分、
即ち岩盤3内の部分にセメント等のグラウト材を充填し
て、当該部分を岩盤3に固定し、アンカー6を形成させ
る。
【0016】そしてアンカー連結部材5の他端側は、地
表面に引き出しておく。続いて当該部分にアンカー受圧
板10を設置する。アンカー受圧板の素材は、従来技術
と同様であり、繊維強化樹脂が利用される。樹脂を補強
する繊維には、例えばガラス繊維、炭素繊維、金属繊
維、セラミック繊維等の無機質繊維や、芳香族ポリアミ
ド繊維等の有機繊維が活用可能である。また上記した繊
維の中でも、強度及び経済性の観点からガラス繊維の採
用が最も推奨される。繊維の形態は、ヤーン、クロス、
ロービング、ロービングクロス、クロスマット等の長繊
維形態のものが好適であり、必要に応じてチップ、ミド
ルファイバー等の短繊維やミルクバルーン等の中空充填
材を併用してもよい。
【0017】また樹脂は、熱硬化性樹脂が活用され、特
に硬質の発泡体となる樹脂が好適である。具体的な樹脂
の種類には、例えば硬質ウレタン樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。アンカー受圧
板の素材として最も好適なものは、硬質ウレタン樹脂を
ガラス長繊維で補強した発泡体である(例えば商品名エ
スロンネオランバー FFU 積水化学工業株式会社
製)。
【0018】アンカー受圧板10の設置方法及び機械的
構造は、本発明の最も肝心な点であり、詳細に説明す
る。本実施形態のアンカー工法において特記するべき
は、各層を構成する板体11,12,13,14,15
をばらばらの状態で工事現場に搬入する点である。また
本実施形態のアンカー工法においては、板体11,1
2,13,14,15の他に、管体17と雌ネジ部材2
0及び座がね19を使用する。本実施形態においては、
繊維強化樹脂によって形成された十字形の板体に積層さ
れたアンカー受圧板10を設置することとする。アンカ
ー受圧板10は、5層構造であり、各層を構成する板体
11,12,13,14,15は、上に行く程面積が小
さい。また各層は、隣合う層の繊維の配向方向が直交す
る様に積層される。ただし、最も上に積層される板体
(台座と称される)15は、比較的短い繊維がランダム
に入れられたものを採用することが望ましい。
【0019】そして本実施形態では、各板体11,1
2,13,14,15は、いずれも中心に貫通穴が2
1,22,23,24,25が設けられている。ただし
最も下層となる板体11には、底面に座繰り30が形成
されている。そして当該座繰り30に、雌ネジ34が設
けられた鋼板31がネジ33によって一体的に取り付け
られ、最も下層となる板体11の貫通穴21は、ネジ穴
となっている。尚、座繰り30部分に装着する鋼板31
は、管用のネジ込みフランジをもって代用することがで
きる。また最も下層となる板体11には、所定の位置に
下穴35が設けられている。中間層を構成する板体1
2,13,14には、それぞれの十字形の端部近傍にネ
ジ挿通穴36,37,38が設けられている。
【0020】管体17は、例えばSGP(ガス管)であ
り両端にネジ45,46が設けられている。雌ネジ部材
20は、具体的にはナットである。
【0021】本実施形態のアンカー工法では、前記した
様に板体11,12,13,14,15をばらばらの状
態で工事現場に搬入し、そして最も下層となる板体11
をアンカー6の埋設位置上に設置する。より具体的に
は、板体11の貫通穴(ネジ穴)21を掘削穴4に一致
させて、板体11を位置決めする。アンカー連結部材5
の他端側は、貫通穴(ネジ穴)21から外部に引き出し
ておく。そして板体11の貫通穴(ネジ穴)21に管部
材17のネジ46をネジ込み、管部材17を板体11に
対して垂直に立設させる。この時、アンカー連結部材5
の他端側は、管部材17を挿通させ、管部材17から外
部に引き出しておく。
【0022】続いて板体11の表面に図示しない接着剤
を塗布する。そして次に下から2番目の板体12を板体
11に載せる。ここで、最も下の板体11には管部材1
7が垂直に立設されており、2番目の板体12には中心
に貫通穴22が設けられているので、貫通穴22を管体
17に挿通させると、板体12は、管体17をガイドと
して中心位置が一致した状態で重ねることができる。板
体12を重ねた後、ネジ挿通穴36にネジ(コーチスク
リュー)50を挿通し、板体12を板体11に固定す
る。後は順次同様の手段によって板体13,14を重
ね、ネジ(コーチスクリュー)50をネジ挿通穴37,
38に挿通して板体13,14を板体11,12に固定
する。最も上部には板体15を接着する。
【0023】そして板体15から突出した管体17に、
座がね19を介して雌ネジ部材20を取り付け、雌ネジ
部材20を締め込むことによって、各板体11,12,
13,14,15の中心部分を互いに強く締めつける。
この状態で、数日放置し、各板体11,12,13,1
4,15の接着剤が硬化するのを待つ。接着剤の硬化が
完了すると、雌ネジ部材20及び座がね19を外す。続
いて、所定の治具、あるいはパイプレンチ等によって管
体17の先端を掴み、これをネジの緩み方向に回転させ
る。その結果、管体17の下側端部のネジ46と、板体
11のネジ34との嵌合が解け、管体17を抜き去るこ
とができる。管体17を抜き去った状態は、図4の通り
であり、板体11,12,13,14,15が積層され
たアンカー受圧板10が、掘削穴4に貫通穴52が一致
した位置に配置され、貫通穴52にはアンカー連結部材
5の他端側が挿通されたものとなっている。尚、ネジ
(コーチスクリュー)50は装着したままの状態として
おくことが望ましい。また板体11の底部に設けられた
鋼板31は取り出す方法が無く、装着されたままの状態
となるが、特段の問題は生じない。
【0024】後の工程は、従来技術と同一であり、公知
の手段によって、アンカー受圧板10とアンカー連結部
材5とを接続する。
【0025】以上の実施形態においては、板体11,1
2,13,14,15が、十字形をしたものを例示した
が、本発明はこの形状にこだわるものではなく、板体は
正方形や、長方形等のあらゆる形ものであってもよい。
ただし、本発明はクレーン等の進入が困難であって、人
力でアンカー受圧板を工事現場に搬入せざるを得ない場
合に活用される機会が多いと予想されるから、板体の重
量が軽く、しかも地面の大きな面積を押さえることがで
きる十字形のものが、最も本発明に適すると考えられ
る。
【0026】上記した実施形態では、最も下層に積層さ
れる板体11に、雌ネジ34が設けられた鋼板31をネ
ジ止めしてネジ穴21を形成した。この様に板体11に
金属板を取り付けてネジ穴21を形成する方策は、ネジ
穴の剛性が高く、推奨される構成である。しかしより簡
便な方法としては、板体11に直接ネジ加工を施す方法
も可能である。ネジ穴21を設ける板体は、最も下層に
位置するものであることが普通であるが、場合によって
は、最も下の層の板体に貫通穴(バカ穴)を設け、2段
め、あるいは3段目の板体に管体17がネジ止めされる
ネジ穴を設けても良い。
【0027】また上記した実施形態では、管体17を抜
き去る方策を例示したが、管体17を残したままの状態
でアンカー受圧板10とアンカー連結部材5を結合して
もよい。ただし一般的には、アンカー受圧板10の表面
が平滑であることが望ましく、また管体17や雌ネジ部
材20が錆びることもあるので、管体17等は抜いてお
くことが望ましい。またアンカー受圧板の搬入の効果だ
けで足る場合については、管体17に代わって丸棒を使
用し、丸棒を芯体として、板体11,12,13,1
4,15を結合してもよい。
【0028】
【実施例】積水化学工業株式会社製の硬質ウレタン樹脂
をガラス長繊維で補強した発泡体(商品名エスロンネオ
ランバー)を素材として、図5に示すような十字形状の
アンカー受圧板10を作ったところ、その総重量は26
6kgであった。この重量のアンカー受圧板10を作業
者が担い、傾斜面を登ることは極めて困難である。次に
本発明の実施例として、各段の板体を別個に運び、工事
現場で同様のアンカー受圧板10を作った。この際の各
段の重量が下記の通りであり、人力での搬入が可能であ
った。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明のアンカー工法によると、アンカ
ー受圧板を各層ごとに搬送することができるので、土木
機械が通行できない様な狭い場所や、急傾斜地において
もアンカー受圧板の搬入が可能である。またアンカー受
圧板の位置決めについても、本発明のアンカー工法では
各層ごとに行うことができるので、人力でも可能であ
る。そのため従来技術ではアンカー工法の採用を断念せ
ざるを得ない場所においてもアンカー工法の利用が可能
であり、傾斜地の崩壊防止に寄与する優れた効果があ
る。また土木機械を利用してアンカー受圧板を搬入する
場合においても、本発明の場合には、小型の土木機械で
足りる効果がある。本発明のアンカー受圧板は、工事現
場の様な傾斜地においても、板体の接着積層が可能であ
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のアンカー工法を説明する断
面図である。
【図2】本発明の実施形態のアンカー工法におけるアン
カー受圧板の接合工程を示す分解断面図である。
【図3】本発明の実施形態のアンカー工法におけるアン
カー受圧板を示し、各層が一体に締結された状態におけ
る断面図である。
【図4】本発明の実施形態のアンカー工法におけるアン
カー受圧板を示し、管体を抜き去った状態における断面
図である。
【図5】本発明の実施形態のアンカー工法におけるアン
カー受圧板を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 斜面 5 アンカー連結部材 6 アンカー 10 アンカー受圧板 11 最も下層となる板体 12,13,14,15 板体 17 管体 20 雌ネジ部材 21 貫通穴(ネジ穴) 31 鋼板 34 雌ネジ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の板体を接着して積層したアンカー
    受圧板と、地中に埋設されたアンカーとをアンカー連結
    部材によって連結し、地表面を押さえるアンカー工法に
    おいて、少なくとも上端部にネジが形成された管体が、
    アンカー受圧板の下層に積層される板体に立設され、前
    記下層に積層される板体の上部に積層される板体には貫
    通穴が設けられ、前記管体にアンカー連結部材を挿通し
    た状態で下層に積層される板体をアンカー埋設位置上に
    設置し、上部に積層される板体は接着剤を介在させた状
    態で貫通穴を前記管体に挿通して順次積層し、管体の上
    端部に雌ネジ部材を取り付けて板体を締めつけて板体同
    士を接着積層することを特徴とするアンカー工法。
  2. 【請求項2】 複数の板体を接着して積層したアンカー
    受圧板と、地中に埋設されたアンカーとをアンカー連結
    部材によって連結し、地表面を押さえるアンカー工法に
    おいて、アンカー受圧板の下層に積層される板体にはネ
    ジ穴が設けられ、前記下層に積層される板体の上部に積
    層される板体には貫通穴が設けられ、外周の少なくとも
    両端近傍にネジが形成された管体を、下層に積層される
    板体に設けられた前記ネジ穴にネジ固定して下層に積層
    される板体に管体を立設すると共に管体にアンカー連結
    部材を挿通した状態で当該板体をアンカー埋設位置上に
    設置し、上部に積層される板体は接着剤を介在させた状
    態で貫通穴を前記管体に挿通して順次積層し、管体の上
    端部に雌ネジ部材を取り付けて板体を締めつけ、接着完
    了後に雌ネジ部材及び管体を撤去し、アンカー連結部材
    とアンカー受圧板とを結合することを特徴とするアンカ
    ー工法。
  3. 【請求項3】 アンカー受圧板を構成する板体は、繊維
    強化樹脂によって形成されたものであり、板体は面積の
    大きなものをから順次面積の小さなものが積層されるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載のアンカー工法。
  4. 【請求項4】 アンカー受圧板を構成する板体には、前
    記管体と併せてボルトが挿通されることを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載のアンカー工法。
  5. 【請求項5】 複数の板体を接着して積層したアンカー
    受圧板において、下層に積層される板体には、外周の少
    なくとも両端近傍にネジが形成された芯体の一端がネジ
    固定されて立設され、前記下層に積層される板体の上部
    に積層される板体には貫通穴が設けられ、上部に積層さ
    れる板体は貫通穴を前記芯体に挿通した状態で積層さ
    れ、芯体の上端部には雌ネジ部材が取り付けられている
    ことを特徴とするアンカー受圧板。
JP26739096A 1996-10-08 1996-10-08 アンカー工法及びアンカー受圧板 Expired - Fee Related JP3325470B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016104943A (ja) * 2014-12-01 2016-06-09 積水化学工業株式会社 受圧板

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