JPH0559723A - アンカーの定着台座 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、台座の定着用支圧面を移動可能に
構成し、傾斜角が一定でない傾斜面においても、常に定
着用支圧面とアンカーとが直交するよう設置できるアン
カーの定着台座を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、地山あるいは構造物に打設したア
ンカーの頭部を、地山面あるいは構造物面に定着する際
に用いる台座において、台座のアンカー定着用支圧面を
移動可能に構成したことを特徴とする、アンカーの定着
台座である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、地山あるいは構造物に
打設したアンカーの頭部を、地山面あるいは構造物面に
定着する際に用いる台座に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】地山あるいは現場打ち法枠、コンクリー
ト擁壁等の構造物にアンカーを定着する際には、図５に
示すような台座ａが用いられる。この台座ａは、法枠等
の構造物ｂに打設したアンカーｃの頭部を貫通させ、そ
の貫通端を把持する定着具ｄを、台座ａの定着用支圧面
ｅに定着するものである。 ところで、図５に示すよう
に、打設したアンカーｃは、必ずしも構造物ｂと直交し
ていない場合がある。このような場合、アンカーｃの定
着性能が著しく低下するという問題がある。そこで従来
は、台座ａの定着用支圧面ｅとアンカーｃが直交するよ
うに、台座ａの形状を加工していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の台座ａは、アン
カーｃの傾斜角、斜面の傾斜角を考慮して予め工場等で
一定の角度の物を作成する。しかし、自然斜面では傾斜
角が一定ではなく、また切土法面においても切土勾配が
漸次変化する場合があり、従来の台座ａでは構造物ｂと
の角度変化に対応できず、アンカーｃの定着性能の低下
は避けられない。また、角度の異なる台座ａを多数作製
することは、施工性及び経済性の面において損失が大き
い。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
問題点を解決するためになされたもので、台座の定着用
支圧面を移動可能に構成し、傾斜角が一定でない傾斜面
においても、常に定着用支圧面とアンカーとが直交する
よう設置できるアンカーの定着台座を提供することを目
的とする。即ち、本発明は、地山あるいは構造物に打設
したアンカーの頭部を、地山面あるいは構造物面に定着
する際に用いる台座において、台座のアンカー定着用支
圧面を移動可能に構成したことを特徴とする、アンカー
の定着台座である。

【０００５】

【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明の一実施
例について説明する。本発明の台座は、図１に示すよう
に、鋼材、コンクリートあるいは樹脂等で作製した固定
台座１と調節台座２よりなり、アンカー３の定着用支圧
面２１を移動可能に構成したことを特徴とする。固定台
座１は、図１、３に示すように、法枠等の構造物４に接
地する平面状の接地面１１と、その反対側に凹曲面１２
を有する。凹曲面１２は、球面状あるいはアーチ面状
（カマボコ型）等に形成する。また、凹曲面１２には長
穴１３を開設して、接地面１１まで貫通させる。一方、
調節台座２は、平面状のアンカー定着用支圧面２１と、
その反対側に凸曲面２２を有する。凸曲面２２は、球面
状あるいはアーチ面状（カマボコ型）等に形成し、固定
台座１の凹曲面１２と面接触して合致するよう構成す
る。また、凸曲面２２には、定着用支圧面２１まで貫通
するアンカー３の挿入孔２３を開設する。なお、凹曲面
１２と凸曲面２２に、水平方向の溝等の凹凸を多数設
け、両者を噛み合わせて、滑り止めを図る場合もある。

【０００６】

【作用】次に、上記のように構成した台座を用いて、ア
ンカー３の定着方法を説明する。 図１に示すように、
打設したアンカー３の頭部を固定台座１の長穴１３内に
貫通させて、固定台座１をアンカーボルト等で構造物４
にセットする。次に、調節台座２の孔２３内にアンカー
３の頭部を貫通させて、凸曲面２２を凹曲面１２に合致
させてセットする。このとき、調節台座２の定着用支圧
面２１は、アンカー３と直交するように角度を調節して
セットする。角度調節は、上下の傾斜角度、及び左右あ
るいは斜め方向のずれを修正して、直交するように調節
する。そして、アンカー３を緊張し、クサビ等の定着具
によって、定着用支圧面２１にアンカー３の頭部を定着
して作業を終了する。このように、調節台座２の定着用
支圧面２１とアンカー３とを直交させてセットできるた
め、アンカー３の定着性能を向上させることができる。

【０００７】

【実施例２】図２、４に示すように、固定台座と調節台
座の凹凸面を逆に形成する場合もある。即ち、固定台座
５は、平面状の接地面５１の反対側に、長穴５３を開設
した凸曲面５２を有し、一方、調節台座６は、平面状の
定着用支圧面６１の反対側に、前記の凸曲面５２と合致
する凹曲面６２を有し、かつアンカー３の挿入孔６３を
貫通させた構造である。上記構造の場合は、アンカー３
を緊張することにより、セットした調節台座６が固定台
座５上を移動して、自動的に定着用支圧面６１とアンカ
ー３が直交するように調節が可能である。

【０００８】

【本発明の効果】本発明は以上説明したようになるた
め、次のような効果を得ることができる。 ＜イ＞台座の定着用支圧面を移動可能に構成することに
よって、傾斜角が一定でない傾斜面においても、常に定
着用支圧面とアンカーとが直交するよう設置できる。従
って、アンカーの定着性能を向上させることができる。

【０００９】＜ロ＞従来のように傾斜角度に合わせて台
座を作製する必要がないため、施工性及び経済性が向上
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の台座の定着状態を示す説明図

【図２】 実施例２の説明図

【図３】 台座の形状の説明図

【図４】 実施例２の説明図

【図５】 従来技術の説明図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 地山あるいは構造物に打設したアンカー
   の頭部を、地山面あるいは構造物面に定着する際に用い
   る台座において、 台座のアンカー定着用支圧面を移動可能に構成したこと
   を特徴とする、アンカーの定着台座。