JP2016104060A - 加熱調理器 - Google Patents

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Satoshi Furusawa
佐登志 古澤
富田 英夫
Hideo Tomita
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Abstract

【課題】加熱調理器の調理室内は高出力の電磁波が給電された電磁環境下にあり、且つ、過熱蒸気、油煙を含む高温の排気ガスに満たされた環境にあるため、調理食材の仕上がり状態を監視するセンサ類を安全に配置する空間を確保することが難しく、さらには、高温、高湿環境からの保護、油煙等に対する防汚、電磁界からの遮蔽が必要になる等の制約により、必ずしもセンサ性能に適したセンサ配置ができない等の課題があった。【解決手段】調理中に発生した排気ガスを、調理室10とは異なる空間に配した排熱処理手段40内の溶液41中に溶解させ、この溶液の状態変化で調理食材4の仕上がり状態を監視するので、調理室内等の過酷な環境下にセンサを配置する必要がなくなる。【選択図】図1

Description

本発明は、一般家庭の台所や業務用の厨房等で使用される加熱調理器に関するものである。
従来、食品を外部から加熱、焼成するためのヒータ熱源や、食品を内部から加熱し、再加熱、解凍等の調理を行うマイクロ波熱源を搭載した加熱調理器がある。
一般に、この種の加熱調理器では、加熱方式の異なる熱源を複合的に組合せることで調理を効率化することができる。例えば、ヒータ熱源のみで秋刀魚を焼き上げる場合には、200℃ぐらいの高温で秋刀魚の表面に焼き目をつけた後、やや低い温度に切り替え、内臓部位に緩慢に熱が通るように時間をかけて調理している。これに対し、ヒータ熱源とマイクロ波熱源を組合せた加熱調理器では、ヒータ熱源で表面に焼き目を付けた上で、マイクロ波熱源により秋刀魚の内臓部位の水分を迅速に昇温、気化することにより、より短時間での調理が実現できる。
反面、加熱源を複合的に組合せることで調理工程や工程の切替えタイミングは煩雑化し易く、これらを自動管理する為に、調理室内に多種のセンサを配し、該センサ情報に基づいて調理の仕上がり状態を監視している。特に、調理室内に用いられるセンサとしては、重量センサ、温度センサおよび湿度センサ等が代表的であり、各々、重量センサは調理室内の食材の重量、温度センサおよび湿度センサは調理室内の温湿度環境をセンシングするものである。
調理室内は、調理過程において、200〜300℃程度の高温環境下にあるとともに、高出力(kW級)の電磁波が給電された電磁環境下にある。さらに、調理食材の加熱、昇温に伴い、調理食材から水蒸気、油や臭気成分が発生し、この水蒸気や油が加熱調理手段により更に加熱されることにより過熱蒸気、油煙を含む高温の排気ガスが副次的に発生している。この過程で生じた排気ガスは、調理室内での再利用が難しく、また、厨房内に排出した場合には厨房内を汚染する要因となる為、通常、ダクトや換気扇を含む排気経路を介して厨房外に排出されている。
たとえば、従来の組み込み式機器においては、キッチン室外に配した排気経路と、排気経路に設けたキッチン室外に排出する排気装置と、機器内部と排気経路をキッチン室のキッチン壁を通して接続した排気ダクトとから構成し、機器内部の冷却風は排気ダクトを介して排気経路を通じ排気装置によりキッチン室外へ排出される(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−89993号公報
上述したように従来の加熱調理器は、ヒータ熱源やマイクロ波熱源等の加熱方式の異なる熱源を複合的に組合せることで調理室内の食材を加熱調理するとともに、該調理室内に食材の仕上がり状態を監視する多種のセンサを備えている。しかしながら、調理室内は高出力の電磁波が給電された電磁環境下にあり、且つ、過熱蒸気、油煙を含む高温の排気ガ
スに満たされた環境にあるため、センサ類を安全に配置する空間を確保することが難しく、さらには、高温、高湿環境からの保護、油煙等に対する防汚、電磁界からの遮蔽が必要になる等の制約により、必ずしもセンサ性能に適したセンサ配置ができない等の課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、調理室内の電磁波および調理中に発生した排気ガス等の過酷な環境下に影響されずに、調理室内に配された食材の仕上がり状態を監視できる加熱調理器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の加熱調理器は、調理室に収容した調理食材を加熱する加熱調理手段と、調理室内に連通する排気路を備える加熱調理器であって、排気路を流れる排気ガスを処理容器内に貯留した溶液に溶解する排熱処理手段と、溶液の状態を監視する溶液センサを備えるとともに、溶液センサの検出値に基づいて、加熱調理手段の運転状態を制御する加熱制御手段を設けたものである。
この構成によって、加熱調理手段を稼動し調理食材を加熱する際に、調理食材から生じる過熱蒸気、油煙、臭気成分等を含む高温の排気ガスは、排気路を介して、排熱処理手段に到達し、排熱処理手段内の溶液中に溶解する。この際、排ガスの持つ熱量が溶液中で直接熱交換されることによる溶液温度の上昇、および、流入する過熱蒸気が溶液中で凝縮することによる溶液の重量変化など、溶液の状態変化が生じる。この状態変化は、調理室内の昇温、調理食材の水分蒸発量等に対応する量であることから、調理室とは異なる空間に設けた排熱処理手段において調理食材の仕上がり状態を監視する。
本発明の加熱調理器は、調理中に発生した排気ガスを、調理室とは異なる空間に配した排熱処理手段内の溶液中に溶解させ、排気ガスの流入に伴う溶液の状態変化を監視することにより、調理室内等の過酷な環境下にセンサを配置することなく、調理食材の仕上がり状態を監視できる。
本発明の実施の形態1における加熱調理器を示す斜視図 本発明の実施の形態1における加熱調理器を示す断面図 本発明の実施の形態1における加熱調理器の排熱処理手段を示す断面図 本発明の実施の形態1における加熱調理器の機能ブロック図 本発明の実施の形態1における加熱調理器の動作説明図
第1の発明は、調理室に収容した調理食材を加熱する加熱調理手段と、調理室内に連通する排気路を備える加熱調理器であって、排気路を流れる排気ガスを処理容器内に貯留した溶液に溶解する排熱処理手段と、溶液の状態を監視する溶液センサを備えるとともに、溶液センサの検出値に基づいて、加熱調理手段の運転状態を制御する加熱制御手段を設けたものである。
このような発明によって、調理中に発生した排気ガスを、調理室とは異なる空間に配した排熱処理手段内の溶液中に溶解させ、溶解センサによって排気ガスの流入に伴う溶液の状態変化を監視することにより、調理室内等の過酷な環境下にセンサを配置することなく、調理食材の仕上がり状態を監視できる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、溶液センサの検出値が予め設定された所定
値に到達した際に、加熱調理手段の運転を停止することにより、加熱調理を自動的に終了することができる。
第3の発明は、特に、第1の発明において、加熱調理手段を、調理食材を食材外部から加熱する外部加熱手段と調理食材を食材内部から加熱する内部加熱手段とで構成し、調理食材を外部加熱手段により加熱し、溶液センサの検出値が予め設定された所定値に到達した際に、内部加熱手段による調理食材の加熱を開始するとともに、溶液センサの検出値の時間変化率に基づいて、加熱調理手段による加熱期間を決定し、加熱期間に到達した際に加熱調理手段の運転を停止するものである。これにより、加熱調理手段の運転状態を、調理食材の仕上がり状態に応じてきめ細かく自動制御することができる。
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明の溶液センサを処理容器外に配設し、処理容器の外部から処理容器を介して溶液の状態を監視するものであり、溶液センサを処理容器の外部に配置する構造により、処理容器を着脱できるため、溶液の交換作業が容易化する。
第5の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明の溶液センサを処理容器中に配設し、溶液の状態を直接的に監視するものであり、溶液に生じる僅かな状態変化を高い精度で監視することができるため、より緻密な加熱制御を実現できる。
第6の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明の溶液センサを、処理容器内の溶液の温度変化を検出する温度センサとするものであり、調理中に発生した排気ガスの熱量を吸熱した溶液の温度変化を監視することにより、調理室内の温度上昇、食材から蒸発した水分量(減水量)を容易に推定できる。
第7の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明の溶液センサを、処理容器内の溶液の重量変化を検出する重量センサとするものであり、調理中に発生した排気ガスが溶解した溶液の重量変化を監視することにより、食材から蒸発した水分量(減水量)を直接的に検知できる。
第8の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明の溶液センサを、処理容器内の溶液の液面高さを検出する位置センサとするものであり、調理中に発生した排気ガスが溶解した溶液の体積変化を液位で監視することにより、食材から蒸発した水分量(減水量)を容易に推定できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における加熱調理器を示す斜視図、図2は本発明の実施の形態1における加熱調理器を示す断面図、図3は本発明の実施の形態1における加熱調理器の排熱処理手段を示す断面図、図4は本発明の実施の形態1における加熱調理器の機能ブロック図である。
図1〜図4に示すように、加熱調理器1は、耐熱ガラス製のトッププレートと複数の誘導加熱コイル(図示せず)で構成された誘導加熱調理器2の下方に配置され、筐体3に内包されてシステムキッチンンなどに設けられている。
加熱調理器1は、調理食材4を収納する調理室10と、調理食材4を食材外部から輻射加熱する外部加熱手段21と、調理食材4の食材内部から加熱する内部加熱手段24とか
らなる加熱調理手段20と、調理室10に連通する排気路30と、排気路30と連通し調理室10とは異なる空間に配された排熱処理手段40とから構成している。
調理室10は、調理食材4を入れる開閉自在のドア11を筐体3前方に配置し、上部に保護柵を兼ねた多数の開口部12を開口し、かつ底面には耐熱ガラス製の床部13を配置している。また、調理食材4を載せる調理皿14は、フッ素を塗布したアルミ製或いは鉄製の材料で成型されており、耐熱ガラス製の床部13上に収容する。
調理食材4を加熱する外部加熱手段21は、上加熱手段22および下加熱手段23とからなり、この内、調理室10の上側手に設けた上加熱手段22は、一本の近赤外線管ヒータと二本の遠赤外線管ヒータ及び反射板(図示せず)とから構成される。また、調理室10の下側手にあり、耐熱ガラス製の床部13の下方に設けた下加熱手段23は、二本の遠赤外線管ヒータと反射板(図示せず)とから構成される。
同様に、調理食材4を加熱する内部加熱手段24は、マイクロ波源であるマグネトロン25と、該マイクロ波を導波する導波管26と、導波管26を伝播したマイクロ波を調理室10内に給電する開口アンテナ27で構成されており、開口アンテナ27を調理室10の後面側に配している。
なお、加熱調理手段20による調理中は、外部加熱手段21および内部加熱手段24の稼動状態は、加熱制御手段60により制御される。
排熱処理手段40は、調理室10と排熱処理手段40を連接する排気路30から流入する排気ガスを、溶液中に溶解する溶解式熱交換器であり、例えば容積が1〜2リットル程度の水(顕熱 4.2kJ/kg・沸点100℃)である溶液41と、溶液41を貯留する処理容器42と、排気路30から流入する排気ガスを処理容器42内の下方に導く排気溝43と、排気溝43から流入した排気ガスを溶液41中に拡散する例えば多孔体構造を有する拡散体44とから構成されている。なお、図3中、排気ガスの移動方向を黒矢印で示している。
また、処理容器42内の溶液41中に、溶液41の温度変化などの状態を監視するもので、排気ガスが溶液41に溶解する際の熱量移動による溶液41の温度上昇を随時監視する溶液センサ50を配置している。溶液センサ50の検出値に基づいて、加熱調理手段20の運転状態を加熱制御手段60で制御している。
尚、溶液センサ50は溶液41中に配置しているが、溶液41の温度を直接、間接に関わらずに検出できれば良いのであって、これに拘るものではない。従って、処理容器42内に温度センサを埋設する構造や、処理容器42の外側から処理容器42の壁面を介して該温度を検出してもかまわない。
また、処理容器42外の下方に、処理容器42中の溶液41の状態である重量変化を随時監視する溶液センサ51を配置している。
尚、溶液41は水としたが、水以外の液体で、比熱の大きい溶液であれば利用できることは明らかである。また、溶液41中に、溶液41とは熱容量の異なる混合物を混ぜ、擬似的に比熱を調整してもかまわない。
尚、排気経路上の通路抵抗をカバーする為に、処理容器42の溶液41の液面より上方に空気層を設け、該空気層に連通した排気口と吸気ポンプの吸気口を連通し、排熱処理後の排気ガスを吸気してもかまわない。
以上のように構成された加熱調理器の加熱動作について説明する。
先ず、使用者は、ドア11を開扉し、調理食材4を調理皿14に載せ、調理皿14とともに調理室10内の耐熱ガラス製の床部13上に収容した後、ドア11を閉扉する。これに続き、加熱調理器1に設けられた操作パネル(図示せず)から、調理メニューの指定と調理開始を指示する。この指示に従い、加熱制御手段60は、調理食材(メニュー)に応じた加熱条件で、加熱調理手段20の通電制御を開始する。
ここで、加熱調理手段20を構成する上加熱手段22、下加熱手段23および内部加熱手段24は、夫々、調理食材4を加熱する上で異なる役割を有しており、その役割により、使い分けされるものである。この内、上加熱手段22は、上加熱手段22を構成するヒータ熱源からの輻射により調理食材4を上面側から加熱、焼成するものである。同様に、下加熱手段23は、下加熱手段23を構成するヒータ熱源からの輻射により耐熱ガラス製の床部13を介して調理皿14を加熱し、調理皿14中を伝導した熱により、調理食材4を下面側から加熱、焼成するものである。また、内部加熱手段24は、調理食材4に含まれる水分を直接加熱することにより、調理食材4を内側から加熱するものである。
次に、加熱調理中(通電制御中)の動作を説明する。
加熱調理中は、調理室10内の空気温度は200〜300℃程度に加熱される。また、調理食材4の加熱、昇温に伴い、調理室10内で、調理食材4から水蒸気、油や臭気成分が発生し、この水蒸気や油が加熱調理手段20により更に加熱されることにより過熱蒸気、油煙を含む高温の排気ガスが副次的に発生する。この調理過程で生じた排気ガスは、調理室10に連通した排気路30へ流入し、排熱処理手段40に到達する。
この排気ガスは、排熱処理手段40を構成する排気溝43を経由して処理容器42内の下方に導かれ、拡散体44を介して溶液41中に拡散され溶液41と直接接触する。この接触により、臭気成分、油成分および凝縮水は溶液41中に溶解するとともに、排気ガスの持つ熱量は溶液41の顕熱(比熱)により吸熱される。この時、排気ガスの流入により、溶液温度の上昇や、溶液重量の増加等の状態変化が生じる。
溶液41中に配置された溶液センサ50は、溶液41の温度を検出し、加熱制御手段60は、この溶液センサ50の検知結果に基づいて、加熱制御手段60は、加熱調理手段20の運転状態を通電制御し、所定の調理工程を進行した上で、調理を完了する。溶液41中に配置された溶液センサ50は、溶液41の状態を直接的に監視することができ、溶液41に生じる僅かな状態変化を高い精度で監視することができるため、より緻密な加熱制御を実現できるものである。溶液センサ50は、処理容器42内の溶液41の温度変化を検出する温度センサとすることにより、調理中に発生した排気ガスの熱量を吸熱した溶液41の温度変化を監視することにより、調理室10内の温度上昇、調理食材4から蒸発した水分量(減水量)を容易に推定することができる。
尚、調理工程の制御にかかわらず、安全面から、溶液41の沸騰を回避するために、溶液センサ50の検出値が予め設定された所定値に到達した際に、加熱調理手段20の運転を停止させるように加熱制御手段60を制御し、溶液温度が沸点に到達する前に調理を強制停止する等の制御を行ってもかまわない。
図5は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の動作説明図であり、調理期間中における調理室10の温度、調理食材4の温度および排熱処理手段40内の溶液温度の時間変化を示している。尚、同図に於いては、説明の簡単のため、調理室10、調理食材4および溶液41の初期温度を共通(室温)としている。
以下、調理食材4が秋刀魚の場合について、図5を参照して、本発明の実施の形態1における加熱調理器の加熱動作を説明する。
同図に示すように、秋刀魚の調理工程は、調理の前半期間(t0〜t1)で秋刀魚に焼き目をつける焼成工程と、調理の後半期間(t1〜t3)で秋刀魚の内臓温度を昇温する昇温工程で構成している。通常、秋刀魚に焼き目が付く為に必要な調理室10内の温度は200〜300℃程度であり、また、秋刀魚を美味しく仕上げる為に必要な水分蒸発率(加熱調理により秋刀魚から蒸発・減水した水分量と、調理前の秋刀魚重量との比)は15〜20%である。即ち、秋刀魚1尾の重量は150g前後であることから、秋刀魚の調理工程において秋刀魚から蒸発する水分量は1尾あたり20〜30gとなる。特に、蒸発する水分量が少ないと生焼けの食感に、蒸発する水分量が多いとパサパサの食感になる等、蒸発する水分量が食味に与える影響が大きい。
先ず、使用者の指示により、調理が開始する。調理の前半期間(t0〜t1)にあたる焼成工程では、加熱制御手段60は、上加熱手段22、下加熱手段23を同時に稼動して秋刀魚の上面側および下面側を焼成する。この期間は、空気と水の比熱の違いにより、調理室10内(空気)の温度上昇(T0〜250℃)の速度に比べ、秋刀魚の昇温速度は緩慢となる。加えて、秋刀魚に焼き目が付く温度(250℃)に到達するタイミング(t1)で、秋刀魚は沸点(大気圧中の水:100℃)から十分低い温度にある為、秋刀魚からの水分蒸発は抑制されている。
従って、この焼成工程では、調理室10内の蒸気量は僅かであり、排気ガスは、主に、高温の乾燥空気で占められている。この排気ガス(顕熱:〜2kJ/kg・K)は、排気路30を経由し、排熱処理手段40の溶液41中(溶液の顕熱4.2kJ/kg・K)に吸熱される。この熱量の移動により溶液41は初期温度(T0)から温度T1に上昇する。換言すると、調理室10内の空気温度情報は、排気ガスを介して調理室10の外部に設けた溶液に移動したものと見なせる。これにより、調理室10内に温度センサを配することなく、溶液41の温度を溶液センサ50で監視し、溶液センサ50の検出値が予め設定された所定値に到達した際である、溶液41の温度がT0からT1に変化したタイミングで、秋刀魚の焼成工程を完了することができる。
尚、焼成工程中の調理室10内の温度上昇速度は、魚の尾数(重量)に比例して変化することから、焼成工程(t0〜t1)中の一部の期間で、溶液温度の昇温速度を求め、魚の尾数(重量)を推定することができる。特に、この重量情報を加熱調理手段20の制御に用いてもよく、例えば、この重量情報から焼成工程の終了時刻を決定し、該終了時刻に基づいて、焼成工程を完了してもかまわない。
続いて、調理の後半期間(t1〜t3)にあたる昇温工程に於いては、秋刀魚の過剰な焦げつきを避ける為、加熱制御手段60が、上加熱手段22、下加熱手段23による加熱を停止(あるいは抑制)するとともに、内部加熱手段24を稼動して、秋刀魚を内部から昇温する。
この期間(t1〜t3)は、調理室10内(空気)の温度上昇は抑制される一方で、マイクロ波加熱により秋刀魚の温度は急激に上昇し、沸点に達するとともに、秋刀魚からの水分蒸発が促進される。
さらに、秋刀魚から蒸発した水蒸気は、調理室10内(200℃以上)から熱量を得て過熱水蒸気化するため、調理室10内は加熱により体積膨張した過熱水蒸気で占められている。この排気ガスは、排気路30を経由し、排熱処理手段40の溶液41中に吸熱される。この熱量の移動に伴い、溶液41は温度T1から温度T3に急激に上昇する。また、これに伴い、秋刀魚から蒸発した水分は、排気ガスを介して溶液41内に凝縮するため、
溶液41の重量は、調理前に比較して、秋刀魚から蒸発した水分量だけ増加する。換言すると、調理室10内で秋刀魚から蒸発した水分量情報は、排気ガスを介して調理室10の外部に設けた溶液41に移動したものと見なせる。これにより、調理室10内に重量センサや湿度センサを配することなく、溶液41の重量を溶液センサ51で監視し、溶液41の重量の増加分が、秋刀魚を美味しく仕上げる為に必要な水分蒸発量(秋刀魚重量の15〜20%程度)に到達した時に、秋刀魚の昇温工程を完了することができる。換言すれば、溶液センサ51の検出値の時間変化率に基づいて、加熱調理手段20による加熱期間を決定し、この加熱期間に到達した際に加熱調理手段20の運転を停止することができる。これは、加熱調理手段の運転状態を、調理食材の仕上がり状態に応じてきめ細かく自動制御することができるものである。
また、溶液センサ51を処理容器42の外部に配置する構造とすることにより、処理容器42を加熱調理器1に対して着脱自在な構成とすることができ、溶液41の交換作業が容易にできるものである。
また、溶液センサ51は、調理中に発生した排気ガスが溶解した溶液41の重量変化を監視することにより、調理食材4から蒸発した水分量(減水量)を直接的に検知できるものである。
尚、昇温工程中の調理室10内の水分蒸発速度は、魚の尾数(重量)に比例して変化することから、昇温工程(t1〜t3)中の一部の期間(例えばt1〜t2)で、溶液重量の増加速度を求め、当該情報と魚の尾数(重量)情報を元に、昇温工程の終了時刻を決定し、該終了時刻に基づいて、昇温工程を完了してもかまわない。
尚、本実施の形態では、昇温工程中の秋刀魚の水分蒸発量を、溶液41の重量変化で溶液センサ51で監視しているが、例えば、溶液41より比重の軽い球状の発砲材を浮かべ、この発砲材の位置を反射型の光センサ等で検出することにより、溶液41の増加量を、水位の上昇(液面の高さ)で監視しても構わない。つまり、溶液センサ51は、処理容器42内の溶液の液面高さを監視する位置センサとしても良く、位置センサとすることにより、調理中に発生した排気ガスが溶解した溶液41の体積変化を液位で監視することができ、調理食材4から蒸発した水分量(減水量)を容易に推定できるものである。
また、本実施の形態では、昇温工程中の秋刀魚の水分蒸発量を、溶液41の重量変化で監視しているが、溶液41の温度を監視してもかまわない。
この場合、前述したように焼成工程での水分蒸発量が僅少であることから、秋刀魚を焼き上げる為に必要な水分蒸発量mと昇温工程での水分蒸発量は同等量とみなせる。ここで、昇温工程(t1〜t3)において、過熱水蒸気と溶液41が温度T3で温度平衡している(J0=J1)とすると、過熱水蒸気が温度T3の水になる為に必要な熱量J0、および、溶液41が温度T1からT3に昇温する為に必要な熱量J1は、昇温工程における加熱水蒸気(排気ガス)の温度をT(略250℃)、加熱水蒸気の顕熱C0(〜2kJ/kg・K)、水蒸気の蒸発潜熱C1(2252kJ/kg)、凝縮後の水の顕熱C2(4.2kJ/ kg・K)、溶液(水)の重量Mを用いて、以下の様に記述できる。
J0=m×C0×(T−100)+m×C1+m×(100−T3)×C2
≒m×C1 (C1>>C0、C2)
J1=M×(T3−T1)×C2
また、温度平衡の仮定(J0=J1)より、m ∝(T3−T1)、即ち、蒸発水分の重量と溶液の温度上昇が略比例関係にあることがわかる。
この関係により、調理室10の外部に設けた溶液41の温度を監視することにより、調
理室10内で秋刀魚から蒸発した水分量を推定することができる。これにより、調理室10内に重量センサや湿度センサを配することなく、溶液41の温度を温度センサで監視し、溶液温度の増加分から秋刀魚の水分蒸発量を推定することにより、最適なタイミングで秋刀魚の昇温工程を完了することができる。
更に、溶液センサによる焼成工程、昇温工程の監視を、一種類の温度センサで行うことができるとともに、溶液の過昇温を防止する温度センサと共用化できるため、より簡易に構成できる。
以上のように、本実施の形態においては、調理中に発生した排気ガスを、調理室10とは異なる空間に配した排熱処理手段40内の溶液41中に溶解させ、排気ガスの流入に伴う溶液の状態変化を監視することにより、調理室10内等の過酷な環境下にセンサを配置することなく、調理食材4の仕上がり状態を監視できるものである。
以上のように、本発明にかかる加熱調理器は、調理中に発生した排気ガスを、調理室とは異なる空間に配した排熱処理手段内の溶液中に溶解させ、排気ガスの流入に伴う溶液の状態変化を監視することにより、調理室内等の過酷な環境下にセンサを配置することなく、調理食材の仕上がり状態を監視できるので、種々の加熱調理器の用途に適用できる。
1 加熱調理器
4 調理食材
10 調理室
20 加熱調理手段
21 外部加熱手段
22 上加熱手段
23 下加熱手段
24 内部加熱手段
25 マグネトロン
30 排気路
40 排熱処理手段
41 溶液
42 処理容器
50 溶液センサ(温度センサ)
51 溶液センサ(重量センサ)
60 加熱制御手段

Claims (8)

  1. 調理室に収容した調理食材を加熱する加熱調理手段と、前記調理室内に連通する排気路を備える加熱調理器であって、
    前記排気路を流れる排気ガスを処理容器内に貯留した溶液に溶解する排熱処理手段と、
    前記溶液の状態を監視する溶液センサを備えるとともに、
    前記溶液センサの検出値に基づいて、前記加熱調理手段の運転状態を制御する加熱制御手段を設けたことを特徴とする加熱調理器。
  2. 前記加熱調理手段は、前記溶液センサの検出値が予め設定された所定値に到達した際に、前記加熱調理手段の運転を停止することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
  3. 前記加熱調理手段を、該調理食材を食材外部から加熱する外部加熱手段と該調理食材を食材内部から加熱する内部加熱手段とで構成し、
    前記調理食材を前記外部加熱手段により加熱し、
    前記溶液センサの検出値が予め設定された所定値に到達した際に、前記内部加熱手段による前記調理食材の加熱を開始するとともに、
    前記溶液センサの検出値の時間変化率に基づいて、前記加熱調理手段による加熱期間を決定し、前記加熱期間に到達した際に前記加熱調理手段の運転を停止することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
  4. 前記溶液サンサは、処理容器外に配設され、処理容器の外部から処理容器を介して溶液の状態を監視することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  5. 前記溶液センサは、処理容器内の溶液中に配設されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  6. 前記溶液センサは、前記処理容器内の溶液の温度変化を検出する温度センサであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  7. 前記溶液センサは、前記処理容器内の溶液の重量変化を検出する重量センサであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  8. 前記溶液センサは、前記処理容器内の溶液の液面高さを監視する位置センサであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の加熱調理器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106037513A (zh) * 2016-08-22 2016-10-26 晏中进 热辐射烹饪装置及方法

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