JP2016101982A - 破断によって箱の開封を容易化する方法及び開封が容易化された箱 - Google Patents

破断によって箱の開封を容易化する方法及び開封が容易化された箱 Download PDF

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Abstract

【目的】封かん作業時に特別な注意が不要で、開封方法が単純で分かりやすく、器具や強い力を用いずとも安定的に開封することができ、輸送中などに上から意図しない力が加わっても簡単に開封しにくく、さらに、箱から内容物を取り出しやすくなり、箱を開封するだけで内容物の陳列、展示が可能となる、破断によって箱の開封を容易化する方法及び開封が容易化された箱を提供する。
【構成】一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップに、一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップ及びこの外フラップと連続する側面板に、又は一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップと連続する側面板に、外フラップ中の粘着テープが貼り付けられた部分を含む部分とそれ以外の部分とを切り離す破断用部分(仕組み)を設けた、箱の開封容易化方法及び箱である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、粘着テープを用いて封かんされる開封面に一対の外フラップを持つ箱において、箱の開封を容易化する方法、及び開封が容易化された箱に関する。
一対の外フラップを持つ箱は、封かん時に、一対の側面板の上側及び下側の縁に連続して設けられた外フラップ(一対の端面板の上側及び下側の縁に連続して設けられ内フラップの上側に配置されるもの)の互いに対向する側の縁部が合わせ目を形成する。前記箱の封かんに粘着テープを用いる場合は、合わせ目及びその周辺と端面板に粘着テープが貼付されることにより、封かんされる。このように封かんされた箱を開封するときは、一般的には、粘着テープをカッターなどで切断し開封するか、粘着テープをはがして開封する。このような開封方法に対して、粘着テープで封かんされた箱を容易に開封するための工夫として、従来から、次のような3つの方法が提案されている。
第1の方法は、箱から粘着テープをはぎ取りやすくして、開封する方法である。特許文献1は、この第1の方法の一例を示すもので、粘着テープをはぎ取りやすくするために、箱に切れ目を入れている。
第2の方法は、切れ込みやミシン目を持つ粘着テープを用いて箱の封かんを行うようにし、開封時には前記切れ込みやミシン目から粘着テープを容易に切断できるようにして箱を開封しやすくする方法である。これには、特許文献2のように予め粘着テープに万遍なく切れ込みや孔をあけておくもの、特許文献3のように予め粘着テープ中央にミシン目を入れておくもの、などがある。
第3の方法は、箱を粘着テープで封かんした後に、特許文献4のように外フラップが形成する合わせ目に沿ってミシン目を入れ、開封時に、前記ミシン目を利用して開封するものである。
特開2004−175451号公報 実開昭54−133165号公報 実開平6−51256号公報 特開平7−251812号公報
従来から一般的に行われている、カッターなどを用いて粘着テープを切断して開封する方法では、常にカッターが必要であることに加え、カッターを使用するときに内容物を傷つけたり、怪我をしたりする恐れがあった。また、従来から一般的に行われている、粘着テープをはがして開封する方法では、箱に強く接着している粘着テープをはがすことは簡単ではなく、手間と時間がかかるほか、はがす際に爪を痛める恐れがあり、また、きれいに剥げないなどの問題があった。
特許文献1の方法は、上記の剥がしにくい問題を解決するために、粘着テープに近い箱の端面板や蓋面中央に切れ目を入れ、この切れ目を破り粘着テープを持ちやすくして、はがしやすくする方法である。しかしながら、この方法によるときは、箱に付けた切れ目の位置が決まっているので粘着テープを正確に貼りつける必要があり作業に注意が必要となるほか、開封方法が直感的に分かり難く、端面板の切れ目を破るために力が必要であり、粘着テープを安定的に剥がし難いなどの問題があった。
特許文献2の方法では、粘着テープに万遍なく切れ込みや孔もしくはミシン目が存在するため、封かん作業中に意図しない力が加わると粘着テープが切れてしまうなどの問題があった。特許文献3の方法では、粘着テープのミシン目を合わせ目に位置させて貼ることが難しく、封かん作業中に粘着テープが切れてしまう可能性があるなどの問題があった。
特許文献4では、封かん後に合わせ目に対向する粘着テープにミシン目をいれるので、封かん中に粘着テープが切れてしまう問題や粘着テープのミシン目と箱の合わせ目が一致しなくなる問題はないが、特に外フラップ間の合わせ目部分の全てにミシン目を形成する場合は、輸送中に上から力が加わるとミシン目の入った粘着テープが切断されてしまう恐れがあった。
さらにこれまでの技術では、箱の開封は天面だけの1面の開封しかできなかったため、箱内に内容物が隙間なく収容されている場合は、内容物が取り出し難いという問題があった。また、従来は、天面だけの1面の開封しかできなかったため、箱から商品を取り出さない限り(箱内に内容物である商品を収容したままでは)、内容物である商品の陳列、展示ができないという問題があった。
本発明は、このような従来技術の問題点に着目してなされたものであって、封かん作業時に特別な注意が不要で、開封方法が単純で分かりやすく、器具や強い力を用いずとも安定的に開封することができ、輸送中などに上から意図しない力が加わっても簡単に開封しにくい箱の開封を容易化する方法及び開封が容易化された箱を提供することを目的とする。また本発明は、箱から内容物を取り出しやすくなり、箱を開封するだけで内容物の陳列、展示が可能となるような、箱の開封を容易化する方法及び開封が容易化された箱を提供することを目的とする。
本発明による箱の開封を容易化する方法は、一対の側面板と、一対の端面板と、前記各側面板の開封側の縁部にそれぞれ連続する一対の外フラップとを含む箱であって、封かん時に開封側の各外フラップの互いに対向する側の縁部が形成する合わせ目及びその近傍部分と前記各端面板中の前記合わせ目の近傍部分とに、短手方向に切断し易い粘着テープを貼り付けることにより、封かんされた箱の開封を容易化する方法であって、(a)前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップに、(b)前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップ及びこの外フラップと連続する側面板に、又は(c)前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップと連続する側面板に、前記外フラップ中の前記粘着テープが貼り付けられた部分を含む部分とそれ以外の部分とを互いに切り離すための破断用部分を、形成しておく第1ステップと、前記破断用部分により、前記外フラップ中の前記粘着テープが貼られた部分を含む部分とそれ以外の部分とを、互いに切り離す第2ステップと、前記一方の外フラップ中の前記粘着テープが貼られた部分を含む部分を、前記合わせ目を回転軸として、前記切り離された縁部側から持ち上げて回動させ、前記粘着テープ中の前記一方の外フラップと端面板とを固定している部分を切断する第3ステップと、前記持ち上げた部分と前記合わせ目を介して対向している他方の外フラップを、前記合わせ目側から持ち上げ、前記粘着テープ中の前記他方の外フラップと端面板とを固定している部分を切断する第4ステップと、を含むものである。
また、本発明の箱の開封を容易化する方法においては、前記破断用部分を、前記外フラップの左右の(各端面板側の)縁部を互いに結ぶように、又は前記外フラップの左右の(各端面板側の)スロットを互いに結ぶように、略直線状、略折れ線状又は曲線状に形成することが望ましい。
本発明の箱の開封を容易化する方法が対象とする箱は、開封面側に一対の外フラップを持ち、外フラップの互いに対向する側の縁部が封かん時に合わせ目を形成する箱である。
本願における合わせ目とは、一対の外フラップの縁部を突き合わせて封かんする箱のように、一対の外フラップの縁部で形成される合わせ目だけでなく、外フラップどうしを重ねて封かんする箱のように、一方の外フラップの縁部でのみ形成される合わせ目(一方の外フラップの縁部とその縁部に対向する他方の外フラップの部分とから成る合わせ目)も含む。
本発明において、短手方向に切断し易いように形成された粘着テープとは、紙を基材とするクラフト粘着テープ、厚さが薄い粘着テープ、粘着テープの短手方向に裂けやすい特殊なフィルムを基材とした粘着テープ、粘着テープの短手方向の縁の周辺部に小さな傷や切れ込みを付けた粘着テープなどである。これらは、刃物を用いずとも、指で引き裂くような力を加えるだけで粘着テープを短手方向に切断できる粘着テープである。なお、このような粘着テープを箱の封かんに用いた場合は、粘着テープは箱に貼り付けられており粘着テープには引き裂くような力が加わり難くなっているため、輸送中などに加わる意図しない力だけで簡単に粘着テープが切断してしまうことはない。
本発明において、破断用部分(破断用の仕組み)とは、箱の素材である段ボールや紙などを破断することができる破断用の仕組みを持つ部分であって、例えば、箱の開封に用いられる帯状のジッパーや線状のジッパー、一定の間隔で切れ目やスリットが並んだミシン目、ライナーカットやカットテープなどが用いられている部分である。
本発明の(a)は、破断用部分(破断用の仕組み)が、開封面側の外フラップの少なくとも一方の外フラップに形成され、破断によって外フラップ中の前記粘着テープが貼られた部分を含む部分を、他の部分から切り離すことができるように形成されたものである。破断用部分(破断用の仕組み)を用いて切り離した部分から指を入れて、前記外フラップを持ち上げることが可能になる。なお、前記外フラップを箱から切り離しても、前記外フラップ中の粘着テープが貼られた部分は、前記粘着テープにより、対向する他の外フラップと結びついている。
本発明の箱の開封を容易化する方法においては、まず、短手方向に切断しやすい粘着テープを用いて封かんした箱に対して、破断用部分の破断用の仕組みを利用して、外フラップ中の前記粘着テープが貼られた部分を含む部分を箱の他の部分から切り離す。次いで、前記合わせ目を軸として、外フラップ中の前記粘着テープが貼られた部分を含む部分を切り離した側から持ち上げて回動させると、その過程で、前記合わせ目を支点とするテコの原理により、前記粘着テープ中の外フラップと端面板との間の部分に対して引き裂くような力が加えられ、その結果、前記粘着テープ中の前記部分が容易に切断される。その後、開封面側の前記持ち上げた外フラップ以外の他の外フラップを持ち上げて回動させると、その過程で、粘着テープ中の前記他の外フラップと端面板間の部分が切断される。
破断用部分(破断用の仕組み)を両方の外フラップに形成した場合の開封は、両方の外フラップとも、合わせ目を支点とするテコの原理を利用して、前記粘着テープ中の外フラップと端面板との間の部分を容易に切断できるため、手数は増えるが破断用部分(破断用の仕組み)を片方の外フラップに形成した場合よりも簡単に開封できる。
また、実施例5で示すように外フラップ同士を重ねて、一方の外フラップの縁部とこれに対向する他方の外フラップの部分とで形成される合わせ目を粘着テープで封かんした箱の場合は、一方の外フラップのみに破断用部分(破断用の仕組み)を形成するだけで、両フラップともテコの原理を利用して、前記粘着テープ中の外フラップと端面板との間の部分を切断し開封することが可能である。
このように本発明の箱の開封を容易化する方法では、外フラップ同士を固定している粘着テープ中の合わせ目の部分は切断しないまま、前記破断用部分(破断用の仕組み)を利用しさらに前記合わせ目をテコの支点として利用することにより、前記外フラップと端面板との間の粘着テープを容易に切断し開封することを特徴としている。また、破断用部分(破断用の仕組み)を外フラップ中の側面板近くの部分に形成する場合は、上から意図しない力が加わっても外フラップが破断されないようにすることができる。
よって、本発明の箱の開封を容易化する方法は、封かん作業時に特別な注意が不要で、開封方法が単純で分かりやすく、器具や強い力が不要で、安定的にかつ容易に開封することができ、輸送中などに上から意図しない力が加わっても簡単に開封しにくい開封方法である。
また、本発明の箱の開封を容易化する方法の(b)と(c)は、前記破断用部分(破断用の仕組み)を、前記外フラップ及び側面板中の前記粘着テープが貼られた部分を含む部分とそれ以外の部分とを互いに切り離し可能なように形成するもので、(b)は前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップ及び前記外フラップと連続する側面板に破断用部分を形成する。また(c)は前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップと連続する側面板に破断用部分を形成する。
前記破断用部分(破断用の仕組み)を上記のように形成することにより、本発明によれば、外フラップと側面板の一部又は全部を一緒に除去することができるので、箱の内容物を側面板側の開口部からも取り出すことが可能になり、箱の内容物の取り出しがより容易になる(従来技術では、粘着テープを切断又は除去することにより外フラップ同士の合わせ目部分の固定を解除するという開封方法であったために、天面側(外フラップ側)のみしか開封できなかった)。よって、本発明によれば、安価なA式の箱でありながら、前記開封動作により側面板の一部又は全部が外フラップと一緒に除去されるので、側面板にも開口部が形成されるようになる。よって、本発明によれば、内容物を箱内に収容したままでも、前記側面板の開口部から内容物を露出させることができるので、前記箱を、内容物(商品)の陳列、展示ができる箱として利用することも可能になる。
さらに、本発明において、前記破断用部分(破断用の仕組み)を側面板のみに形成するようにしたときは、前記破断用部分(破断用の仕組み)を外フラップに形成した場合と比較して、外フラップに上から意図しない力が加わっても外フラップを破断され難くすることができる。
本発明の開封が容易化された箱は、一対の側面板と、前記各側面板にそれぞれ連結している一対の端面板と、前記各側面板の開封側の縁部にそれぞれ連続する一対の外フラップとを含み、封かん時に開封側の一対の外フラップ中の互いに対向する側の縁部が形成する合わせ目及びその近傍部分と前記各端面板中の前記合わせ目の近傍部分とに、短手方向に切断し易い粘着テープが貼り付けられることにより、封かんされる箱であって、(a)前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップに、(b)前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップ及びこの外フラップと連続する側面板に、又は(c)前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップと連続する側面板に、前記外フラップ中の前記粘着テープが貼り付けられた部分を含む部分とそれ以外の部分とを互いに切り離すための破断用部分が、形成されているものである。
本発明の対象とする開封が容易化された箱は、開封面側に一対の外フラップを持ち、外フラップの互いに対向する側の縁部が封かん時に合わせ目を形成する箱で、かつ、箱を構成する一対の側面板と一対の端面板が交互に連結している箱である。
この開封が容易化された箱の発明の作用及び効果は、前記箱の開封を容易化する方法の発明と同様である。
本発明の開封が容易化された箱は、前記破断用部分(破断用の仕組み)が、前記外フラップの左右の(各端面板側の)縁部を互いに結ぶように、又は前記外フラップの左右の(各端面板側の)スロットを互いに結ぶように、略直線状、略折れ線状又は曲線状に形成されてたものであっても良い。
この開封が容易化された箱の発明の作用及び効果は、前記箱の開封を容易化する方法の発明と同様である。
B式と呼ばれる段ボール箱に代表される開封面の外フラップが1枚しかない箱などに用いられているジッパーを用いた開封は、簡単かつ容易である。
しかし、A式と呼ばれる段ボール箱に代表される一対の外フラップを持つ箱は、外フラップと端面板が粘着テープで固定されるため、外フラップにジッパーなどを形成し破断しても外フラップ面を開封できないので、本発明のような開封方法が利用されてこなかった。このため、従来技術で述べたような様々な開封方法が提案されてきたが、いずれも一長一短であった。
本発明により、一対の外フラップと端面板が粘着テープで固定される箱でありながら、ジッパーなどの破断用部分(破断用の仕組み)と短手方向に切れ易い粘着テープとを用いることにより、非常に簡単に開封することが可能になった。
このように本発明によれば、安価なA式の箱でありながら、ジッパーなどの破断用部分(破断用の仕組み)による簡単な開封が可能になるので、コストダウンと開封時の作業性の向上が可能である。
さらに、従来技術では、粘着テープを切断又は除去することにより外フラップ同士の固定を解除するという開封方法であったために、天面側のみしか開封できなかった。これに対して、本発明の開封方法においては、前記一方の外フラップ及び/又はこれと連続する側面板に、前記外フラップ及び/又は側面板中の前記粘着テープが貼られた部分を含む部分とそれ以外の部分とを互いに切り離し可能な破断用部分(破断用の仕組み)を形成しておくことにより、外フラップと側面板を一緒に除去することができるようになり、その結果、箱の内容物を外フラップのある天面側と側面板側の開口部から取り出すことが可能になるので、箱から内容物を取り出すことがより容易になる。また、安価なA式の箱でありながら、前記の外フラップと側面板の一部とを一緒に除去するという開封動作を行うだけで、前記外フラップ側の側面板の一部を開口部とすることができるので、内容物を箱内に収容したままでも、前記側面板の開口部から内容物を露出させることができ、前記箱を、内容物(商品)の陳列、展示ができる箱として利用することが可能になる。
本発明の実施例1における粘着テープで封かんした段ボール箱を示す斜視図である。 図1の箱の展開図である。 本実施例1における箱の開封方法を説明するための図である。 本発明の実施例2における段ボール箱とその開封方法を説明するための斜視図である。 本発明の実施例3における段ボール箱とその開封方法を説明するための斜視図である。 本発明の実施例4における段ボール箱とその開封方法を説明するための斜視図である。 本発明の実施例5における粘着テープで封かんした段ボール箱を示す斜視図である。 本実施例5における箱の開封方法を説明するための図である。
本発明の実施形態に使用する箱は、例えば図1に示すように、一対の側面板4の少なくとも開封面側の縁にそれぞれ連続するように設けられた外フラップ1、2と、各側面板4にそれぞれ連続している一対の端面板3とを有している。外フラップ1、2は一対の端面板3の上下の縁に連続するように設けられた内フラップの上側に位置するものである。なお、一対の側面板4にそれぞれ繋がる一対の外フラップ1,2を持つ箱であれば、どのような箱であっても本発明の開封方法を適用することが可能である。封かん時に各外フラップ1、2の互いに対向する側の縁部は、合わせ目7を形成する。前記箱は、互いに対向する外フラップ1、2の縁部及びその近傍部分と端面板3の前記合わせ目7の近傍部分を、粘着テープ6を用いて固定することにより、封緘される。
封かんに用いられる粘着テープ6は、短手方向に指などで切断可能又は切断容易な粘着テープである。このような粘着テープとして、以下の実施例では、箱の封かんに良く利用されているクラフト粘着テープを用いるが、これに限られるものではなく、例えば、厚さの薄いOPP粘着テープや特殊なフィルム基材を用いた手で切れるOPP粘着テープ、縁に傷をつけた粘着テープであっても良い。なお、実施例の図においては、外フラップ1、2の合わせ目7を分かりやすく図示するために、不透明なクラフト粘着テープ6を透明化して示している。
破断用部分(破断用の仕組み)には、以下の実施例では、段ボール箱の破断のために良く用いられるジッパー5を破断用の仕組みとして用いるが、これに限られるものではなく、例えば切れ目やスリットが並んだミシン目、ライナーカット、又はカットテープやこれらの組み合わせであっても良い。
以下の実施例において、特に断りがない限り「封かん時に各外フラップの互いに対向する側の縁部が形成する合わせ目」を単に「合わせ目」と言う場合がある。
本発明の実施例1の容易に開封できる箱について図1〜3を用いて説明する。
本実施例1の箱は、図1に示すように、外フラップ1、2の互いに対向する縁部及びその近傍部分と端面板3の前記合わせ目7の近傍部分がクラフト粘着テープ6により固定されている。開封面側の片方の外フラップ1には、外フラップ1の左右の各端面板3側の縁を互いに直線的に結ぶ帯状のジッパー5が設けられている。
図2は図1の箱の展開図である。図2に示すように、外フラップ1には、ジッパー5を切除するとこのジッパー5と外フラップ1の左右のスロット9とで囲まれた部分が他の部分から分離されるように、外フラップ1の左右のスロット9を繋ぐ帯状のジッパー5が、形成されている。
図3はこの箱の開封方法の説明のための図である。本実施例1では、ジッパー5を切除することにより、ジッパー5が形成されていた外フラップ1が、前記外フラップ1中の前記クラフト粘着テープ6が貼られた部分を含む部分とそれ以外の部分とに、分離される。図3(1)は、ジッパー5を切除した後の前記外フラップ1中の前記クラフト粘着テープ6が貼られた部分を含む部分を、ジッパー5が切除された側の縁部から、合わせ目7を回転軸として、上方に持ち上げ、回動した状態を示している。図3(2)は、ジッパー5が形成されていなかった外フラップ2を、外フラップ2の側面板4側の縁部を回転軸として、外フラップ2の合わせ目7を形成する縁部から上方に持ち上げ回動し開封した状態を示している。このように開封時には、2つの外フラップ1、2は、合わせ目7でクラフト粘着テープ6により繋がったままである。
次に実施例1における作用及び効果を図1〜3を用いて説明する。図1に示すジッパー5を切除すると、ジッパー5が形成されていた外フラップ1は、ジッパーが存在した部分を境目として、外フラップ1中のクラフト粘着テープ6で固定された部分(合わせ目7など)を含む部分と、外フラップ1中の側面板4と連続する部分とに、分離する。図3(1)に示すように、ジッパー5を切除した後に、外フラップ1中のクラフト粘着テープ6で固定された部分を含む部分を、ジッパー5が切除された側の縁部から、合わせ目7を回転軸として持ち上げ回動させる過程で、合わせ目7を支点とするテコの原理により、比較的軽い力で、クラフト粘着テープ6中の外フラップ1と端面板3との間の部分が裂ける。
さらに、図3(2)に示すように、ジッパー5が形成されていなかった外フラップ2を、外フラップ2の側面板4側の縁部を回転軸として、外フラップ2の合わせ目7側の縁部から上方に持ち上げ、回動すると、クラフト粘着テープ6中の外フラップ2と端面板3との部分が容易に引き裂かれ、箱が開封される。
以上のように本実施例1による段ボール箱は、外フラップ1中のジッパー5を切除した後、外フラップ1中の前記クラフト粘着テープ6が貼られた部分を含む部分を前述のように持ち上げ、さらに外フラップ2を前述のように持ち上げるだけで、簡単に開封することができる。よって、本実施例1によれば、箱の開封者は、直感的に、迷うことなく開封できる。また、クラフト粘着テープ6で固定されている外フラップ1を持ち上げて回動させると、合わせ目7を支点とするテコの原理が働くので、比較的軽い力で簡単かつ安定的に開封できる。
次に本発明の実施例2について、図4を用いて説明する。
前記実施例1の直線的なジッパー5に対して、本実施例2では、図4に示すような略U字形をしたジッパー5aを使用している。このジッパー5aは、開封面側の外フラップ1aの左右(合わせ目7aの延びる方向)の各端面板側の縁部を結ぶ略U字型に形成されている。すなわち、ジッパー5aは、外フラップ1aの左右のスロット9(図2参照)を略U字状に繋ぐように形成されている。略U字型のジッパー5aには、ジッパー5a中の側面板4aに近い中間部分に開封開始部10a(開封者が開封操作するときに指などを入れる部分)が設けられている。
本実施例2においては、開封者が、ジッパー5aの開封開始部10aから指を入れて、外フラップ1a中のジッパー5aと各端面板3a側の縁部と合わせ目7aとで囲まれた部分を持ち上げると、ジッパー5aの開封動作と、外フラップ1a中のジッパー5aと各端面板3a側縁部と合わせ目7aとで囲まれた部分の合わせ目7aを回転軸とする回動動作(クラフト粘着テープ6a中の外フラップ1aと端面板3a間の部分が切断される動作を含む)とが同時に行われる。この回動動作により、外フラップ1aは、ジッパー5aの図示左右の2つの部分に分離されるとともに、クラフト粘着テープ6a中の前記外フラップ1aと端面板3a間の部分に力が加わって前記部分が容易に切断される。その後、実施例1と同様に、残った他方の外フラップ2aを持ち上げ回動すると、この回動により、クラフト粘着テープ6a中の他方の外フラップ2aと端面板3aとの間の部分が容易に切断され、箱が開封される。
このように、本実施例2によれば、開封者がジッパー5aの開封開始部10aから指を入れて外フラップ1a中のジッパー5aと各端面板3a側縁部と合わせ目7aとで囲まれた部分を持ち上げるだけで、ジッパー5aの開封動作と、外フラップ1a中のジッパー5aと各端面板3a側の縁部と合わせ目7aとで囲まれた部分の合わせ目7aを回転軸とする回動動作(クラフト粘着テープ6a中の外フラップ1aと端面板3a間の部分が切断される動作を含む)とが同時に行われるので、前記実施例1よりも開封の工程を少なくすることができ、開封方法がより分かりやすくなり、より簡単に開封できるようになる。
さらに本発明の実施例3について図5を参照して説明する。本実施例3では、図5に示すように、開封面側の外フラップ1bの左右(合わせ目7bの延びる方向)の各端面板3b側の縁を結ぶ略U字型のジッパー5bが、前記外フラップ1bと前記外フラップ1bと繋がる側面板4bとにまたがって形成されている。この実施例3においても、前記実施例2と同様の方法で開封できる。
本実施例3の効果は次のとおりである。従来技術においては、合わせ目の粘着テープを刃物で切断したり、粘着テープをはぎ取って開封した場合、外フラップのある開封面のみが開封されるだけなので、内容物が隙間なく詰め込まれているときは、内容物が取り出しにくいという問題があった。これに対して、実施例3では、側面板4bの一部も同時に取り除かれるので、箱の内容物を側面板4b側の開口部から取り出すことが可能になり、内容物を取り出し易くなる。また、側面板4bの一部と外フラップ1b、2bとを一緒に開封できるので、この箱を、内容物の陳列、展示用の箱として利用することもできるようになる。
次に本発明の実施例4について、図6を用いて説明する。
前記実施例1では外フラップ1にジッパー5を形成した。これに対して、本実施例4では、図6に示すように、外フラップ1cの左右のスロット9に繋がるジッパー5cを側面板4cに形成した。
次に本実施例4の作用と効果について、図6を用いて説明する。
開封方法は、側面板4cに形成されたジッパー5cの中間にある開封開始部10cから指を入れてジッパー5cを引き起こすと外フラップ1cの左右のスロット9が繋がり、側面板4c中の外フラップ1cと繋がっている部分とその他の部分とが分離される。次に、側面板4c中の外フラップ1cと繋がった部分とこれに繋がる外フラップ1cとを、合わせ目7cを回転軸として、側面板4cの方から持ち上げ回動すると、クラフト粘着テープ6c中の外フラップ1cと端面板3c間の部分が容易に切断される。以降は前記実施例1と同様に最後に残った外フラップ2cを持ち上げると開封される。
本実施例4では、側面板4cにジッパー5cを形成するので上からの力が加わってもジッパー5cが破断しにくいため、通常の箱とほぼ同じ封かん力を持つことができる。
さらに本実施例4では、側面板4cの一部も開封されるので、箱の内容物を側面板4c側の開口部から取り出すことが可能になり、箱の中に内容物が隙間なく収用された場合でも内容物も取り出しやすくなる、という効果を有する。また、天面(開封面側の外フラップ1cと2c)と側面板4cの一部との双方をほぼ同時に開けることができるので、この箱を内容物の陳列、展示用の箱として利用することも可能になる。
なお、側面板4cにジッパー5cを形成する場合、前記側面板4cと繋がる開封面側の外フラップ1cの左右のスロット9(図2参照)にジッパー5cが繋がるようにすれば、どのような形のジッパーであっても本実施例4と同様な作用と効果を持つ。
本発明の実施例5の容易に開封できる箱について図7と図8を用いて説明する。
本実施例5の箱は、旧JIS形式でA−2形と呼ばれるもので、図7に示すように、封かん時に外フラップ2dの上に外フラップ1dを重ねて、外フラップ1dの縁部とそれに対向する外フラップ2d中の部分とにより合わせ目7dが形成される箱である。実施例5では、外フラップ1d中の縁部(合わせ目7d)の近傍部分と、外フラップ2d中の外フラップ1dの縁部(合わせ目7d)の近傍部分と、端面板3d中の外フラップ1dの縁部(合わせ目7d)の近傍部分とが、クラフト粘着テープ6dにより互いに固定されている。また、開封面側の外フラップ1dには、外フラップ1dの左右(合わせ目7dが延びる方向)の各端面板3d側の縁を互いに直線的に結ぶ帯状のジッパー5dが設けられている。
図8はこの箱の開封方法の説明のための図である。本実施例5では、ジッパー5dを切除することにより、ジッパー5dが形成されていた外フラップ1dが、前記外フラップ1d中の前記クラフト粘着テープ6dが貼られた部分を含む部分とそれ以外の部分とに、分離される。図8(1)は、ジッパー5dを切除した後の前記外フラップ1d中の前記クラフト粘着テープ6dが貼られた部分を含む部分を、合わせ目7dを回転軸として、上方に持ち上げ、回動した状態を示している。図8(2)は、ジッパー5dが形成されていない外フラップ2dを、外フラップ2dの側面板4d側の縁部を回転軸として、外フラップ2dを上方に持ち上げ回動し開封した状態を示している。開封時には、2つの外フラップ1d、2dは、合わせ目7d及びその近傍部分に貼り付けられたクラフト粘着テープ6dにより、繋がったままである。
次に実施例5における作用及び効果を図7と図8を用いて説明する。図7に示したジッパー5dを切除し、図8(1)に示すように、外フラップ1d中のクラフト粘着テープ6dが貼られた部分を含む部分を、合わせ目7dを回転軸として持ち上げ回動させる過程で、合わせ目7dを支点とするテコの原理により、比較的軽い力で、クラフト粘着テープ6d中の外フラップ1dと端面板3dとの間の部分が裂ける。次いで残った外フラップ2dを、外フラップ2dの側面板4d側の縁部を回転軸として、上方に持ち上げ回動させる過程で、外フラップ2dの側面板4d側の縁部を支点とするテコの原理により、比較的軽い力で、クラフト粘着テープ6d中に切れ残った外フラップ2dと端面板3dとの間の部分が裂け、箱を開封することができる。
以上のように本実施例5の段ボール箱の開封は、外フラップ1dと端面板3d間の粘着テープをテコの原理で容易に切断できるだけでなく、さらに外フラップ2dと端面板3d間の粘着テープもテコの原理を利用して容易に切断できるため、他の実施例よりも比較的弱い力で、簡単に開封できる。
なお、実施例5のように外フラップ1dにジッパー5dを形成する代わりに、外フラップ2dにジッパー5dを形成するようにしてもテコの原理を利用して容易に開封することができる。
1、1a、1b、1c、1d 外フラップ
2、2a、2b、2c、2d 外フラップ
3、3a、3b、3c、3d 端面板
4、4a、4b、4c、4d 側面板
5、5a、5b、5c、5d ジッパー
6、6a、6b、6c、6d クラフト粘着テープ
7、7a、7b、7c、7d 各外フラップが形成する合わせ目
8、8d 内フラップ
9 スロット
10a、10b、10c ジッパーの開封開始部
本発明による箱の開封を容易化する方法は、一対の側面板と、一対の端面板と、前記各側面板の開封側の縁部にそれぞれ連続し且つ前記各端面板の開封側の縁部とは連続しないように形成されている一対の外フラップとを含む箱であって、封かん時に開封側の各外フラップの互いに対向する側の縁部が形成する合わせ目の全て及びその近傍部分と前記各端面板中の前記合わせ目の近傍部分とに、粘着テープを貼り付けることにより、封かんされた箱の開封を容易化する方法であって、(a)前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップに、(b)前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップ及びこの外フラップと連続する側面板に、又は(c)前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップと連続する側面板に、前記一方の外フラップ及びこれと連続する側面板中の前記粘着テープが貼り付けられている全ての部分及びこれに隣接する部分を含む第1部分と、前記一方の外フラップ及びこれと連続する側面板中の前記第1部分以外の第2部分とを、互いに切り離すための破断用部分を、形成しておく第1ステップと、前記破断用部分により、前記第1部分と第2部分とを、互いに切り離す第2ステップと、前記第1部分を、前記合わせ目を回転軸として、前記切り離された縁部側から持ち上げて回動させ、前記粘着テープ中の前記一方の外フラップと端面板とを固定している部分を切断する第3ステップと、前記持ち上げた部分と前記合わせ目を介して対向している他方の外フラップを、前記合わせ目側から持ち上げ、前記粘着テープ中の前記他方の外フラップと端面板とを固定している部分を切断する第4ステップと、を含むものである。
また、本発明の箱の開封を容易化する方法においては、前記破断用部分を、前記外フラップの左右の(各端面板側の)縁部を互いに結ぶように、又は前記外フラップの左右の(各端面板側の)スロットを互いに結ぶように、略直線状、略折れ線状又は曲線状に形成することが望ましい。
また、本発明の箱の開封を容易化する方法の(b)と(c)は、前記破断用部分(破断用の仕組み)を、前記一方の外フラップ及びこれと連続する側面板中の前記粘着テープが貼り付けられている全ての部分及びこれに隣接する部分を含む第1部分と、前記一方の外フラップ及びこれと連続する側面板中の前記第1部分以外の第2部分とを、互いに切り離し可能なように形成するもので、(b)は前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップ及び前記外フラップと連続する側面板の双方に破断用部分を形成する。また(c)は前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップと連続する側面板のみに破断用部分を形成する。
本発明の開封が容易化された箱は、一対の側面板と、前記各側面板にそれぞれ連結している一対の端面板と、前記各側面板の開封側の縁部にそれぞれ連続し且つ前記各端面板の開封側の縁部とは連続しないように形成されている一対の外フラップとを含み、封かん時に開封側の一対の外フラップ中の互いに対向する側の縁部が形成する合わせ目の全て及びその近傍部分と前記各端面板中の前記合わせ目の近傍部分とに、粘着テープが貼り付けられることにより、封かんされる箱であって、(a)前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップに、(b)前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップ及びこの外フラップと連続する側面板に、又は(c)前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップと連続する側面板に、前記一方の外フラップ及びこれと連続する側面板中の前記粘着テープが貼り付けられている全ての部分及びこれに隣接する部分を含む第1部分と、前記一方の外フラップ及びこれと連続する側面板中の前記第1部分以外の第2部分とを、互いに切り離すための破断用部分が形成されて成るものである。
本発明による箱の開封を容易化する方法は、四角筒状の胴部を形成する一対の対向する側面板及び一対の対向する端面板と、前記各側面板の開封側の縁部にそれぞれ連続し且つ前記各端面板の開封側の縁部とは連続しないように形成された四角筒状胴部の開口部を塞ぐ一対の外フラップとを含む箱であって、前記各外フラップの互いに対向する側の各縁部の少なくとも一方の縁部が封かん時に形成する合わせ目の全ての部分及びその近傍部分と前記各端面板中の前記合わせ目の近傍部分とに、粘着テープを貼り付けることにより、前記開口部が封かんされた箱の開封を容易化する方法であって、
前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップに、前記一方の外フラップ中の前記粘着テープが貼り付けられている全ての部分及びこれに隣接する部分から成る第1部分と、前記一方の外フラップ中の前記第1部分を除く第2部分とを、互いに切り離すための帯状又は線状の破断用部分であって、その各端部が前記一方の外フラップ中のスロット側(封かん時における端面板側)の各縁部まで伸びており、破断時には前記外フラップの両側のスロットを繋ぐように作用する破断用部分を、形成しておく第1ステップと、
開封時に前記破断用部分により、前記第1部分と第2部分とを、互いに切り離す第2ステップと、
前記切り離し動作により分離された第1部分を、前記合わせ目を回転軸として、前記切り離された縁部側から持ち上げて回動させることにより、前記粘着テープ中の前記一方の外フラップと端面板とを固定している部分を切断する第3ステップと、
前記持ち上げた部分と前記合わせ目を介して対向している他方の外フラップを、前記合わせ目側から持ち上げることにより、前記粘着テープ中の前記他方の外フラップと端面板とを固定している部分を切断する第4ステップと、
を含むものである。
また、本発明の箱の開封を容易化する方法においては、前記第1ステップは、前記破断用部分を、略直線状、略折れ線状又は曲線状に形成するものであってもよい。
また本発明による箱の開封を容易化する方法は、四角筒状の胴部を形成する一対の対向する側面板及び一対の対向する端面板と、前記各側面板の開封側の縁部にそれぞれ連続し且つ前記各端面板の開封側の縁部とは連続しないように形成された四角筒状胴部の開口部を塞ぐ一対の外フラップとを含む箱であって、前記各外フラップの互いに対向する側の各縁部の少なくとも一方の縁部が封かん時に形成する合わせ目の全ての部分及びその近傍部分と前記各端面板中の前記合わせ目の近傍部分とに、粘着テープを貼り付けることにより、前記開口部が封かんされた箱の開封を容易化する方法であって、
(a)前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップ及びこの外フラップと連続する側面板に、又は(b)前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップと連続する側面板に、前記一方の外フラップ及びこれと連続する側面板中の前記粘着テープが貼り付けられている全ての部分及びこれに隣接する部分とから成る第1部分と、前記一方の外フラップ及びこれと連続する側面板中の前記第1部分を除く第2部分とを、互いに切り離すための帯状又は線状の破断用部分であって、前記破断用部分の各端部が(a)前記外フラップ中のスロット側(封かん時における端面板側)の各縁部に、又は(b)前記側面板中の前記スロットに面する各角部に接続されており、破断時には前記外フラップの両側のスロットを繋ぐように作用する破断用部分を、形成しておく第1ステップと、
開封時に前記破断用部分により、前記第1部分と第2部分とを、互いに切り離す第2ステップと、
前記切り離し動作により分離された第1部分を、前記合わせ目を回転軸として、前記切り離された縁部側から持ち上げて回動させることにより、前記粘着テープ中の前記一方の外フラップと端面板とを固定している部分を切断する第3ステップと、
前記持ち上げた部分と前記合わせ目を介して対向している他方の外フラップを、前記合わせ目側から持ち上げることにより、前記粘着テープ中の前記他方の外フラップと端面板とを固定している部分を切断する第4ステップと、を含むものである。
また本発明による箱の開封を容易化する方法においては、前記第1ステップは、前記破断用部分を、略直線状、略折れ線状又は曲線状に形成するものであってもよい。
本発明の箱の開封を容易化する方法が対象とする箱は、開封面側に一対の外フラップを持ち、外フラップの互いに対向する側の縁部が封かん時に合わせ目を形成する箱で、かつ、箱を構成する一対の対向する側面板と一対の対向する端面板が連結し四角筒状の胴部を形成している箱である。
本願における合わせ目とは、一対の外フラップの縁部を突き合わせて封かんする箱のように、一対の外フラップの縁部で形成される合わせ目だけでなく、外フラップどうしを重ねて封かんする箱のように、一方の外フラップの縁部でのみ形成される合わせ目(一方の外フラップの縁部とその縁部に対向する他方の外フラップの部分とから成る合わせ目)も含む。
本発明において、短手方向に切断し易いように形成された粘着テープとは、紙を基材とするクラフト粘着テープ、厚さが薄い粘着テープ、粘着テープの短手方向に裂けやすい特殊なフィルムを基材とした粘着テープ、粘着テープの短手方向の縁の周辺部に小さな傷や切れ込みを付けた粘着テープなどである。これらは、刃物を用いずとも、指で引き裂くような力を加えるだけで粘着テープを短手方向に切断できる粘着テープである。なお、このような粘着テープを箱の封かんに用いた場合は、粘着テープは箱に貼り付けられており粘着テープには引き裂くような力が加わり難くなっているため、輸送中などに加わる意図しない力だけで簡単に粘着テープが切断してしまうことはない。
本発明において、破断用部分(破断用の仕組み)とは、箱の素材である段ボールや紙などを破断することができる破断用の仕組みを持つ部分であって、例えば、箱の開封に用いられる帯状のジッパーや線状のジッパー、一定の間隔で切れ目やスリットが並んだミシン目、ライナーカットやカットテープなどが用いられている部分である。
本発明では、破断用部分(破断用の仕組み)が、開封面側の外フラップの少なくとも一方の外フラップに形成され、破断によって外フラップ中の前記粘着テープが貼られた部分を含む部分を、他の部分から切り離すことができるように形成されたものである。破断用部分(破断用の仕組み)を用いて切り離した部分から指を入れて、前記外フラップを持ち上げることが可能になる。なお、前記外フラップを箱から切り離しても、前記外フラップ中の粘着テープが貼られた部分は、前記粘着テープにより、対向する他の外フラップと結びついている。
本発明の箱の開封を容易化する方法においては、まず、短手方向に切断しやすい粘着テープを用いて封かんした箱に対して、破断用部分の破断用の仕組みを利用して、外フラップ中の前記粘着テープが貼られた部分を含む部分を箱の他の部分から切り離す。次いで、前記合わせ目を軸として、外フラップ中の前記粘着テープが貼られた部分を含む部分を切り離した側から持ち上げて回動させると、その過程で、前記合わせ目を支点とするテコの原理により、前記粘着テープ中の外フラップと端面板との間の部分に対して引き裂くような力が加えられ、その結果、前記粘着テープ中の前記部分が容易に切断される。その後、開封面側の前記持ち上げた外フラップ以外の他の外フラップを持ち上げて回動させると、その過程で、粘着テープ中の前記他の外フラップと端面板間の部分が切断される。
破断用部分(破断用の仕組み)を両方の外フラップに形成した場合の開封は、両方の外フラップとも、合わせ目を支点とするテコの原理を利用して、前記粘着テープ中の外フラップと端面板との間の部分を容易に切断できるため、手数は増えるが破断用部分(破断用の仕組み)を片方の外フラップに形成した場合よりも簡単に開封できる。
また、実施例5で示すように外フラップ同士を重ねて、一方の外フラップの縁部とこれに対向する他方の外フラップの部分とで形成される合わせ目を粘着テープで封かんした箱の場合は、一方の外フラップのみに破断用部分(破断用の仕組み)を形成するだけで、両フラップともテコの原理を利用して、前記粘着テープ中の外フラップと端面板との間の部分を切断し開封することが可能である。
このように本発明の箱の開封を容易化する方法では、外フラップ同士を固定している粘着テープ中の合わせ目の部分は切断しないまま、前記破断用部分(破断用の仕組み)を利用しさらに前記合わせ目をテコの支点として利用することにより、前記外フラップと端面板との間の粘着テープを容易に切断し開封することを特徴としている。また、破断用部分(破断用の仕組み)を外フラップ中の側面板近くの部分に形成する場合は、上から意図しない力が加わっても外フラップが破断されないようにすることができる。
よって、本発明の箱の開封を容易化する方法は、封かん作業時に特別な注意が不要で、開封方法が単純で分かりやすく、器具や強い力が不要で、安定的にかつ容易に開封することができ、輸送中などに上から意図しない力が加わっても簡単に開封しにくい開封方法である。
また、本発明の箱の開封を容易化する方法の(a)と(b)は、前記破断用部分(破断用の仕組み)を、前記外フラップ及び側面板中の前記粘着テープが貼られた部分を含む部分とそれ以外の部分とを互いに切り離し可能なように形成するもので、(a)は前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップ及び前記外フラップと連続する側面板に破断用部分を形成する。また(b)は前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップと連続する側面板に破断用部分を形成する。
前記破断用部分(破断用の仕組み)を上記のように形成することにより、本発明によれば、外フラップと側面板の一部又は全部を一緒に除去することができるので、箱の内容物を側面板側の開口部(側方の開口部)からも取り出すことが可能になり、箱の内容物の取り出しがより容易になる(従来技術では、粘着テープを切断又は除去することにより外フラップ同士の合わせ目部分の固定を解除するという開封方法であったために、天面側(外フラップ側)のみしか開封できなかった)。よって、本発明によれば、安価なA式の箱でありながら、前記開封動作により側面板の一部又は全部が外フラップと一緒に除去されるので、側面板にも開口部(側方の開口部)が形成されるようになる。よって、本発明によれば、内容物を箱内に収容したままでも、前記側面板の開口部(側方の開口部)から内容物を露出させることができるので、前記箱を、内容物(商品)の陳列、展示ができる箱として利用することも可能になる。
さらに、本発明において、前記破断用部分(破断用の仕組み)を側面板のみに形成するようにしたときは、前記破断用部分(破断用の仕組み)を外フラップに形成した場合と比較して、外フラップに上から意図しない力が加わっても外フラップを破断され難くすることができる。
本発明の開封が容易化された箱は、四角筒状の胴部を形成する一対の対向する側面板及び一対の対向する端面板と、前記各側面板の開封側の縁部にそれぞれ連続し且つ前記各端面板の開封側の縁部とは連続しないように形成された四角筒状胴部の開口部を塞ぐ一対の外フラップとを含む箱であって、前記各外フラップの互いに対向する側の各縁部の少なくとも一方の縁部が封かん時に形成する合わせ目の全ての部分及びその近傍部分と前記各端面板中の前記合わせ目の近傍部分とに、粘着テープが貼り付けられることにより、前記開口部が封かんされる箱であって、
前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップに、前記一方の外フラップ中の前記粘着テープが貼り付けられている全ての部分及びこれに隣接する部分から成る第1部分と、前記一方の外フラップ中の前記第1部分を除く第2部分とを、互いに切り離すための帯状又は線状の破断用部分であって、その各端部が前記一方の外フラップ中のスロット側(封かん時における端面板側)の各縁部まで伸びており、破断時には前記外フラップの両側のスロットを繋ぐように作用する破断用部分が形成されているものである。
また本発明の開封が容易化された箱は、四角筒状の胴部を形成する一対の対向する側面板及び一対の対向する端面板と、前記各側面板の開封側の縁部にそれぞれ連続し且つ前記各端面板の開封側の縁部とは連続しないように形成された四角筒状胴部の開口部を塞ぐ一対の外フラップとを含む箱であって、前記各外フラップの互いに対向する側の各縁部の少なくとも一方の縁部が封かん時に形成する合わせ目の全ての部分及びその近傍部分と前記各端面板中の前記合わせ目の近傍部分とに、粘着テープが貼り付けられることにより、前記開口部が封かんされる箱であって、
(a)前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップ及びこの外フラップと連続する側面板に、又は(b)前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップと連続する側面板に、前記一方の外フラップ及びこれと連続する側面板中の前記粘着テープが貼り付けられている全ての部分及びこれに隣接する部分とから成る第1部分と、前記一方の外フラップ及びこれと連続する側面板中の前記第1部分を除く第2部分とを、互いに切り離すための帯状又は線状の破断用部分であって、前記破断用部分の各端部が(a)前記外フラップ中のスロット側(封かん時における端面板側)の各縁部に、又は(b)前記側面板中の前記スロットに面する各角部に接続されており、破断時には前記外フラップの両側のスロットを繋ぐように作用する破断用部分が形成されているものである。
本発明の対象とする開封が容易化された箱は、開封面側に一対の外フラップを持ち、外フラップの互いに対向する側の縁部が封かん時に合わせ目を形成する箱で、かつ、箱を構成する一対の側面板と一対の端面板が交互に連結し四角筒状の胴部を形成している箱である。
この開封が容易化された箱の発明の作用及び効果は、前記箱の開封を容易化する方法の発明と同様である。

Claims (4)

  1. 一対の側面板と、一対の端面板と、前記各側面板の開封側の縁部にそれぞれ連続する一対の外フラップとを含む箱であって、封かん時に開封側の各外フラップの互いに対向する側の縁部が形成する合わせ目及びその近傍部分と前記各端面板中の前記合わせ目の近傍部分とに、短手方向に切断し易い粘着テープを貼り付けることにより、封かんされた箱の開封を容易化する方法であって、
    (a)前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップに、(b)前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップ及びこの外フラップと連続する側面板に、又は(c)前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップと連続する側面板に、前記外フラップ中の前記粘着テープが貼り付けられた部分を含む部分とそれ以外の部分とを互いに切り離すための破断用部分を、形成しておく第1ステップと、
    前記破断用部分により、前記外フラップ中の前記粘着テープが貼られた部分を含む部分とそれ以外の部分とを、互いに切り離す第2ステップと、
    前記一方の外フラップ中の前記粘着テープが貼られた部分を含む部分を、前記合わせ目を回転軸として、前記切り離された縁部側から持ち上げて回動させ、前記粘着テープ中の前記一方の外フラップと端面板とを固定している部分を切断する第3ステップと、
    前記持ち上げた部分と前記合わせ目を介して対向している他方の外フラップを、前記合わせ目側から持ち上げ、前記粘着テープ中の前記他方の外フラップと端面板とを固定している部分を切断する第4ステップと、
    を含む、箱の開封を容易化する方法。
  2. 前記第1ステップは、前記破断用部分を、前記外フラップの左右の(各端面板側の)縁部を互いに結ぶように、又は前記外フラップの左右の(各端面板側の)スロットを互いに結ぶように、略直線状、略折れ線状又は曲線状に形成するものである、請求項1に記載の箱の開封を容易化する方法。
  3. 一対の側面板と、前記各側面板にそれぞれ連結している一対の端面板と、前記各側面板の開封側の縁部にそれぞれ連続する一対の外フラップとを含み、封かん時に開封側の一対の外フラップ中の互いに対向する側の縁部が形成する合わせ目及びその近傍部分と前記各端面板中の前記合わせ目の近傍部分とに、短手方向に切断し易い粘着テープが貼り付けられることにより、封かんされる箱であって、
    (a)前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップに、(b)前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップ及びこの外フラップと連続する側面板に、又は(c)前記一対の外フラップの少なくとも一方の外フラップと連続する側面板に、前記外フラップ中の前記粘着テープが貼り付けられた部分を含む部分とそれ以外の部分とを互いに切り離すための破断用部分が、形成されている、開封が容易化された箱。
  4. 前記破断用部分は、前記外フラップの左右の(各端面板側の)縁部を互いに結ぶように、又は前記外フラップの左右の(各端面板側の)スロットを互いに結ぶように、略直線状、略折れ線状又は曲線状に形成されている、請求項3に記載の開封が容易化された箱。
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