JP4190202B2 - 折り畳み封書用シート及び折り畳み封書 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、折り畳んで内部に書簡や、印刷物などの収容物を収容した封書とする折り畳み封書用シート及び折り畳み封書に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の折り畳み封書用シートを用いた封書は、三辺に沿って設けた開封用ミシン目を破断してこの三辺縁を切り取ったり、一辺に平行に設けた二条の開封用ミシン目を破断して帯状に切り取って、開封するよう構成しているのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このため、従来にあっては、開封に際して切り取った部分は、単に廃棄物となるだけで有効活用できないという不都合があった。本発明は、この不都合を解消することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の請求項1に係る折り畳み封書用シートは、四角形状シートの一対の対向辺と平行に二つの折り部を設け、一方の折り部は開封用ミシン目を兼ねる折り部であり、前記シートを前記各折り部で折り重ねたときに重なり合う前記各折り部と直交する一対の対向辺に沿った対接予定部分と、前記各折り部と平行な一対の対向辺のうち後で折る折り部側の辺に沿った部分及びこれに重なり合う部分である対接予定部分とに、それぞれ封着用の接着部を設け、前記開封用ミシン目を兼ねる折り部の少なくとも一端側に設けた接着部をほぼ3分の 1 の範囲にわたって切り取るための切り用ミシン目を設け、この切り取る部分の前記接着部分に、強度補強用の樹脂を含浸したものである。
【0005】
また、本発明の請求項2に係る折り畳み封書は、四角形状のシートを折り部で折り重ね、折り部と直交する一対の対向辺に沿った対接部分と、前記折り部と平行な一対の対向辺で表出している辺に沿った対接部分とを接着剤で封着し、折り部の少なくとも一つは開封用ミシン目からなり、この開封用ミシン目を兼ねる折り部の少なくとも一端側には、前記封着部分の一部を切り取るための、例えばL字状の切り用ミシン目を設け、また、この開封用ミシン目を兼ねる折り部の少なくとも一端側には、前記封着部分のほぼ3分の 1を切り取るための切り用ミシン目を設け、この切り取る部分の前記接着部分に、強度補強用の樹脂を含浸したものである。そして、封着部分を切り取ると、前記切り用ミシン目がL字状の場合には四角形状に開口される一方、切り取った部分はペーパーナイフとして使用可能であり、この切り取った部分を前記開口から差し込んで開封用ミシン目を破断し、開封することができる。
【0006】
本発明の請求項3に係る折り畳み封書は、上記折り畳み封書の構成において、封着部分のほぼ3分の 1を切り取るための切り用ミシン目を、シートが三重に重なってなる、換言すると、3枚の紙片が重なってなる封着部分に設けたことを特徴とするものである。すなわち、この場合の折り畳み封書は、シートを三つ折りしてなる封書である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を三つ折り封書用シート及びこのシートからなる封書に適用した場合の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。ここにおいて、図1はシートの内面側を示す概略的な平面図、図2はシートの外面側を示す概略的な平面図、図3は開封用ミシン目を兼ねる第1折り部で折り重ねた状態を示す概略的な平面図、図4はさらに第2折り部で折り重ねて封書とした状態の概略的な平面図、図5は第1折り部の一端側の封着部を切り取って開口した状態を示す斜視図である。
【0008】
図1及び図2に示すように、折り畳み封書用シート1は、長方形状で、一対の対向辺である短辺1a,1bと平行に、開封用ミシン目を兼ねる第1折り部2と第2折り部3を設けている。第2折り部3はあらかじめ決定された折り予定部であって、ミシン目や指示線などで明示されていないので、仮想線で図示している。前記第1折り部2と前記第2折り部3との間隔は、前記第2折り部3からこの折り部3側の短辺1aまでの間隔とほぼ等しく設定する一方、前記第1折り部2からこの折り部2側の短辺1bまでの間隔は、前記間隔のほぼ3分の1に設定している。
【0009】
図1に示す、折り畳み封書用シート1を折り畳む際の内面側には、第2折り部3側の短辺1aに沿った部分と、これと直交する一対の対向辺である長辺1c,1dにそれぞれ沿った部分とに、剥離困難な接着剤を帯状に塗布する予定のコ字状に伸びる封着用の接着部4a,4b,4cを設けている。また、前記各接着部4a,4bの内側に沿って、第1折り部2に対して対称的に伸びる切り用ミシン目5a,5bを前記第1折り部2から短辺1bまでの長さと等しくそれぞれ設け、同様に前記第1折り部2から前記短辺1b迄の長さと等しく、短辺1aから第2折り部3に向けて切り用ミシン目5c,5dを設けている。そして、各切り用ミシン目5a,5b,5c,5dの第2折り部3側端は、対応する長辺1c,1dに至るよう直角に伸びて、全体としてはL字状になっている。
【0010】
一方、図2に示す、折り畳み封書用シート1を折り畳む際の外面側には、第1折り部2に沿った短辺1b側の部分に剥離困難な接着剤を帯状に塗布する予定の接着部4dを設けている。また、この外面側の前記各折り部2,3に挟まれた部分が宛名表示面となっている。この宛名表示面は、当初、何らの情報も表示されない白紙状態にある。さらに、短辺1aに沿って、図では必ずしも明確ではないが、「切り取ってペーパーナイフとしてミシン目を破断開封して下さい」という文と各切り用ミシン目5c,5dに向けた矢印からなる説明文6をあらかじめ印刷してある。なお、折り畳んだ際に重なり合う対接予定部分は、接着部4a、接着部4b、接着部4cと接着部4dの3箇所になる。
【0011】
続いて、上述した折り畳み封書用シート1を用いて形成する封書について説明する。まず、図2に示すように、折り畳み封書用シート1の宛名表示面に適宜なプリンタで宛名情報7を印字した後、図1に示すように、一対の長辺1c,1d及び短辺1aに沿って接着部4a,4b,4cを設けた面を内側にし、これら接着部4a,4b,4cにホットメルト型接着剤を塗布したうえ、図3に示すように、第1折り部2でこの折り部2から短辺1b側を折り重ね、長辺1c,1dに沿った各接着部4a,4b同士で重なった部分である対接部分を剥離困難に接着する。この折り重ねの前後に、シート1の内面側の第1折り部2と第2折り部3との間に収容物、例えば書簡L(図3に仮想線で図示)を載置する。
【0012】
次に、この図3図示状態で接着部4dにホットメルト型接着剤を塗布したうえ、第2折り部3でこの折り部3から短辺1a側にさらに折り重ねて、各長辺1c,1dに沿った各接着部4a,4b同士で重なった部分及び第1折り部2と短辺1aに沿った各接着部4c,4dの対接部分を剥離困難に接着して封着し、図4に示す封書8とする。この時、切り用ミシン目5aと5c、及び切り用ミシン目5bと5dとが、互いに重なり合った状態となり、これら切り用ミシン目5a,5b,5c,5dで囲まれた、シートが三重に重なった部分がペーパーナイフ部9a,9bとなる。なお、このペーパーナイフ部9a,9bに対応する部分に、強度補強用の樹脂を含浸しておくとより好適である。
【0013】
次に、上述の如く構成した封書8の開封手順について説明する。まず、図4図示状態において、各切り用ミシン目5a,5cまたは5b,5dのいずれか一方側、例えば5a,5c側を切断し、切り取った3枚の紙片が接着されてなるペーパーナイフ部9(図5参照)を、一般のペーパーナイフと同様に、開口部分に差し込んで開封用ミシン目2を破断し、開封する。これによって、収容していた書簡Lを取り出すことができるが、一端側に四角形状に切り取った開口部分があるので、この取り出しを容易に行うことができる。
【0014】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、折り畳み封書用シート1は、第1折り部2と第2折り部3とによって、3等分されるものであってもよい。また、開封用ミシン目からなる第1折り部2によって二つ折りされる二つ折りシートでもよい。この二つ折りシートを用いる場合にはペーパーナイフ部に対応する部分に強度補強用の樹脂を含浸することが望ましい。さらに、封着用の接着部4a,4b,4cには、通常では接着せず所定以上の圧を加えると接着可能となる、剥離困難な感圧性接着剤をあらかじめ帯状に塗布しておいてもよい。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したところで明らかなように、本願の請求項1の折り畳み封書用シートによれば、各折り部で三つ折りすることにより、はさみ、ペーパーナイフなどの開封用具を別途用意しなくても、本シートから形成した封書において、開封用ミシン目を兼ねる折り部から封着部分のほぼ3分の1に達する強度を補強した切り取り部分を形成し得るようなしたので、開封時に前記切り取り部分を前記開封用ミシン目を兼ねる折り部破断用のペーパーナイフとして使用することが可能で、開封が容易な封書を形成できるという効果を奏する。
【0016】
また、本願請求項2の折り畳み封書によれば、開封時に開封用ミシン目を兼ねる折り部から封着部分のほぼ3分の1に達する強度を補強した切り取り部分をペーパーナイフとして使用でき、開封が容易であるとともに、収容物の取り出しも容易であり、さらには、封書の折り部を開封するので、開封した封書の見栄えもよいという効果を奏する。
【0017】
さらに、本願請求項3の折り畳み封書によれば、開封時に使用するペーパーナイフ部は、三重に重なり合って3枚の紙片が接着されてなるので、良好な開封作業を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 折り畳み封書用シートの内面側を示す概略的な平面図。
【図2】 折り畳み封書用シートの外面側を示す概略的な平面図。
【図3】 第1折り部で折り重ねた状態を示す概略的な平面図。
【図4】 封書とした状態の概略的な平面図。
【図5】 第1折り部の一端側の封着部を切り取って開口した状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1 折り畳み封書用シート
1a,1b 短辺
1c,1d 長辺
2 第1折り部
3 第2折り部
4a,4b,4c,4d 接着部
5a,5b,5c,5d 切り用ミシン目
8 封書
9a,9b ペーパーナイフ部
Claims (3)
- 四角形状シートの一対の対向辺と平行に二つの折り部を設け、一方の折り部は開封用ミシン目を兼ねる折り部であり、前記シートを前記各折り部で折り重ねたときに重なり合う前記各折り部と直交する一対の対向辺に沿った対接予定部分と、前記各折り部と平行な一対の対向辺のうち後で折る折り部側の辺に沿った部分及びこれに重なり合う部分である対接予定部分とに、それぞれ封着用の接着部を設け、前記開封用ミシン目を兼ねる折り部の少なくとも一端側に設けた接着部をほぼ3分の 1 の範囲にわたって切り取るための切り用ミシン目を設け、この切り取る部分の前記接着部分に、強度補強用の樹脂を含浸したことを特徴とする折り畳み封書用シート。
- 四角形状シートを折り部で折り重ね、折り部と直交する一対の対向辺に沿った対接部分と、前記折り部と平行な一対の対向辺で表出している辺に沿った対接部分とを接着剤で封着し、折り部の少なくとも一つは開封用ミシン目からなり、この開封用ミシン目を兼ねる折り部の少なくとも一端側には、前記封着部分のほぼ3分の 1を切り取るための切り用ミシン目を設け、この切り取る部分の前記接着部分に、強度補強用の樹脂を含浸したことを特徴とする折り畳み封書。
- 封着部分のほぼ3分の 1を切り取るための切り用ミシン目は、シートが三重に重ね合わされてなる封着部分に設けられていることを特徴とする請求項2記載の折り畳み封書。
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