JP2016101686A - 立体物造形装置、立体物造形システム、立体物造形装置の制御方法、及び、立体物造形装置の制御プログラム - Google Patents

立体物造形装置、立体物造形システム、立体物造形装置の制御方法、及び、立体物造形装置の制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】立体物を支持する支持部の形成に用いる液体の欠乏に起因して造形処理が中断する可能性を低く抑える技術を提供する【解決手段】 立体物を造形する際に立体物を支持する支持部を形成するための第1の液体、及び、立体物を造形するための第2の液体を含む複数種類の液体を吐出可能であり、吐出した液体によりドットを形成可能なヘッドユニットと、ドットを硬化させる硬化ユニットと、を備え、硬化したドットにより形成した層状の造形体を積層することで、支持部を形成して立体物を造形可能な立体物造形装置であって、第1の液体からなる複数のドットにより支持部を形成する第1形成モードと、第2の液体からなるドットを含む複数のドットにより支持部を形成する第2形成モードと、を含む複数の形成モードにより、支持部を形成可能である、ことを特徴とする、立体物造形装置。【選択図】図14

Description

本発明は、立体物造形装置、立体物造形システム、立体物造形装置の制御方法、及び、立体物造形装置の制御プログラムに関する。
近年、3Dプリンター等の立体物造形装置が各種提案されている。立体物造形装置は、インク等の液体を吐出して形成したドットを硬化させ、硬化したドットにより所定の厚さを有する造形体を形成し、形成した造形体を積層させることで立体物を造形する造形処理を実行する。
このような立体物造形装置において、例えば、傾斜が垂直よりも大きい張り出した形状である、所謂オーバーハング形状を有する立体物を造形する場合がある。この場合、単純に造形体を積層させて立体物を造形しようとしても、立体物のうちオーバーハング形状の部分(以下、「オーバーハング部」と称する)が落下してしまい、所望の形状に立体物を造形できないことがある。このため、オーバーハング部を有する立体物については、オーバーハング部を支持する支持部を形成して、オーバーハング部の落下を防止しつつ、立体物を正確な形状に造形する技術が提案されている(例えば、特許文献1及び2)。
特開2000−280354号公報 特開2011−245823号公報
ところで、造形処理の実行中に、支持部を形成するための液体が欠乏して、造形処理が中断することがある。中断・再開を経て造形された立体物は、中断の無い造形処理で造形された立体物と比較して、中断により液体を硬化させるための硬化時間にばらつきが生じてしまう等の原因により立体物を構成するドットの硬化の程度にばらつきが生じる可能性が高くなる。この場合、造形された立体物に、色ムラや、凹凸、または、強度の低下等が生じることがあり、立体物の品質が低くなる可能性が高くなる、という問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、立体物造形装置が立体物を造形する造形処理の実行中に、立体物を支持する支持部の形成に用いる液体の欠乏に起因して造形処理が中断する可能性を低く抑える技術を提供することを、解決課題の一つとする。
以上の課題を解決するために、本発明に係る立体物造形装置は、立体物を造形する際に前記立体物を支持する支持部を形成するための第1の液体、及び、前記立体物を造形するための第2の液体を含む複数種類の液体を吐出可能であり、吐出した前記液体によりドットを形成可能なヘッドユニットと、前記ドットを硬化させる硬化ユニットと、を備え、硬化した前記ドットにより前記支持部を形成して前記立体物を造形可能な立体物造形装置であって、前記第1の液体からなる複数のドットにより前記支持部を形成する第1形成モードと、前記第1の液体からなるドットを含まず、前記第2の液体からなるドットを含む、複数のドットにより前記支持部を形成する第2形成モードと、を含む複数の形成モードにより、前記支持部を形成可能である、ことを特徴とする。
この発明によれば、立体物を支持する支持部を、第1の液体、または、第1の液体とは異なる種類の第2の液体により形成することができる。このため、支持部を1種類の液体のみで形成可能な場合と比較して、支持部の形成に用いる液体が欠乏する可能性を低く抑えることができる。つまり、この発明によれば、立体物を造形する造形処理の実行中に、支持部の形成に用いる液体の欠乏に起因して造形処理が中断する可能性を低く抑えることができる。これにより、造形処理の中断に起因する立体物の品質の低下を抑制することができる。
また、上述した立体物造形装置において、前記複数の形成モードは、前記第1の液体からなるドット、及び、前記第2の液体からなるドット、を含む複数のドットにより前記支持部を形成する、第3形成モードを含む、ことを特徴とすることが好ましい。
この態様によれば、支持部を、第1の液体及び第2の液体の2種類の液体により形成可能である。このため、支持部を1種類の液体のみで形成可能な場合と比較して、支持部の形成に用いる液体が欠乏する可能性を低く抑えることができる。これにより、造形処理が中断する可能性を低く抑えることができる。
また、上述した立体物造形装置において、前記第1の液体を貯蔵する貯蔵部と、前記貯蔵部に貯蔵される前記第1の液体の残量を示す残量情報を出力する出力部と、を備え、前記残量情報の示す前記第1の液体の残量が第1基準量以下の場合、前記第2形成モードにより前記支持部を形成する、ことを特徴とすることが好ましい。
この態様によれば、第1の液体の残量が第1基準量以下であり、造形処理の実行中に第1の液体が欠乏する可能性がある場合には、第2の液体により支持部を形成する。このため、造形処理が中断する可能性を低く抑えることができる。なお、第1基準量とは、「0」以上の量であればよい。
また、上述した立体物造形装置において、前記第1の液体を貯蔵する貯蔵部と、前記貯蔵部に貯蔵される前記第1の液体の残量を示す残量情報を出力する出力部と、を備え、前記残量情報の示す前記第1の液体の残量から、前記支持部の形成に要する前記第1の液体の消費量を減算した量が、第1基準量以下の場合、前記第2形成モードにより前記支持部を形成する、ことを特徴とすることが好ましい。
この態様によれば、第1の液体を用いて支持部を形成した後の第1の液体の量が第1基準量以下であり、造形処理の実行中に第1の液体が欠乏する可能性がある場合には、第2の液体により支持部を形成する。このため、造形処理が中断する可能性を低く抑えることができる。なお、第1基準量とは、「0」以上の量であればよい。
また、本発明に係る立体物造形装置は、立体物を造形する際に前記立体物を支持する支持部を形成するための第1の液体、及び、前記立体物を造形するための第2の液体を含む複数種類の液体を吐出可能であり、吐出した前記液体によりドットを形成可能なヘッドユニットと、前記ドットを硬化させる硬化ユニットと、を備え、硬化した前記ドットにより前記支持部を形成して前記立体物を造形可能な立体物造形装置であって、前記第1の液体からなる複数のドットにより前記支持部を形成する第1形成モードと、前記第1の液体からなるドット、及び、前記第2の液体からなるドット、を含む複数のドットにより前記支持部を形成する第3形成モードと、を含む複数の形成モードにより、前記支持部を形成可能である、ことを特徴とする。
この発明によれば、支持部を、第1の液体及び第2の液体の2種類の液体により形成可能である。このため、支持部を1種類の液体のみで形成可能な場合と比較して、支持部の形成に用いる液体が欠乏する可能性を低く抑えることができる。これにより、造形処理が中断する可能性を低く抑えることができる。
また、上述した立体物造形装置において、前記第1の液体を貯蔵する貯蔵部と、前記貯蔵部に貯蔵される前記第1の液体の残量を示す残量情報を出力する出力部と、を備え、前記残量情報の示す前記第1の液体の残量が第2基準量よりも多い場合、前記第1形成モードにより前記支持部を形成し、前記残量情報の示す前記第1の液体の残量が前記第2基準量以下の場合、前記第3形成モードにより前記支持部を形成する、ことを特徴とすることが好ましい。
この態様によれば、第1の液体の残量が第2基準量以下であり、第1の液体の残量に余裕が無い場合には、第1の液体及び第2の液体の両方を用いて支持部を形成する。このため、支持部の形成に用いる液体の欠乏による造形処理の中断の可能性を低く抑えることができる。なお、第2基準量とは、「0」よりも多い量であればよい。
また、上述した立体物造形装置において、前記第1の液体を貯蔵する貯蔵部と、前記貯蔵部に貯蔵される前記第1の液体の残量を示す残量情報を出力する出力部と、を備え、前記残量情報の示す前記第1の液体の残量から、前記支持部の形成に要する前記第1の液体の消費量を減算した量が、第2基準量よりも多い場合、前記第1形成モードにより前記支持部を形成し、前記残量情報の示す前記第1の液体の残量から、前記支持部の形成に要する前記第1の液体の消費量を減算した量が、前記第2基準量以下の場合、前記第3形成モードにより前記支持部を形成する、ことを特徴とすることが好ましい。
この態様によれば、第1の液体を用いて支持部を形成した後の第1の液体の量が第2基準量以下であり、第1の液体の残量に余裕が無い場合には、第1の液体及び第2の液体の両方を用いて支持部を形成する。このため、支持部の形成に用いる液体の欠乏による造形処理の中断の可能性を低く抑えることができる。なお、第2基準量とは、「0」よりも多い量であればよい。
また、上述した立体物造形装置において、前記第3形成モードにおいて、前記支持部のうち、前記立体物に接する部分を含む接続領域は、前記第1の液体からなる複数のドットにより形成される、ことを特徴としてもよい。
この態様によれば、支持部の接続領域を第1の液体により形成する。つまり、立体物を造形する液体と支持部の接続領域を形成する液体とが異なる種類の液体となる。このため、立体物を造形する液体と支持部の接続領域を形成する液体とが同一の種類の液体である場合と比較して、立体部の造形後に立体物から支持部を分離することが容易となる。
また、上述した立体物造形装置において、前記第2の液体は、当該第2の液体に含まれる色材成分の重量比が所定値以下の液体である、ことを特徴とすることが好ましい。
この態様によれば、第2形成モードまたは第3形成モードにおいて、色材成分の含有量の少なく透明度の高い液体を用いて支持部を形成する。このため、立体物の外面に彩色を施す場合に、支持部を形成する液体の色が立体物に付着したとしても、立体物の色を正確に表示することが可能となる。
また、本発明に係る立体物造形装置の制御方法は、立体物を造形する際に前記立体物を支持する支持部を形成するための第1の液体、及び、前記立体物を造形するための第2の液体を含む複数種類の液体を吐出可能であり、吐出した前記液体によりドットを形成可能なヘッドユニットと、前記ドットを硬化させる硬化ユニットと、を備え、硬化した前記ドットにより前記支持部を形成して前記立体物を造形可能な立体物造形装置の制御方法であって、前記第1の液体からなる複数のドットにより前記支持部を形成する第1形成モードと、前記第1の液体からなるドットを含まず、前記第2の液体からなるドットを含む、複数のドットにより前記支持部を形成する第2形成モードと、を含む複数の形成モードのうち、一の形成モードにより、前記支持部を形成するように、前記ヘッドユニットを制御する、ことを特徴とする。
この発明によれば、立体物を支持する支持部を、第1の液体または第2の液体により形成することができるため、支持部を1種類の液体のみで形成可能な場合と比較して、支持部の形成に用いる液体が欠乏する可能性を低く抑えることができる。これにより、造形処理の中断に起因する立体物の品質の低下を抑制することができる。
また、本発明に係る立体物造形装置の制御プログラムは、立体物を造形する際に前記立体物を支持する支持部を形成するための第1の液体、及び、前記立体物を造形するための第2の液体を含む複数種類の液体を吐出可能であり、吐出した前記液体によりドットを形成可能なヘッドユニットと、前記ドットを硬化させる硬化ユニットと、コンピューターと、を備え、硬化した前記ドットにより前記支持部を形成して前記立体物を造形可能な立体物造形装置の制御プログラムであって、前記コンピューターを、前記第1の液体からなる複数のドットにより前記支持部を形成する第1形成モードと、前記第1の液体からなるドットを含まず、前記第2の液体からなるドットを含む、複数のドットにより前記支持部を形成する第2形成モードと、を含む複数の形成モードのうち、一の形成モードにより、前記支持部を形成するように、前記ヘッドユニットを制御する制御部として機能させる、ことを特徴とする。
この発明によれば、立体物を支持する支持部を、第1の液体または第2の液体により形成することができるため、支持部を1種類の液体のみで形成可能な場合と比較して、支持部の形成に用いる液体が欠乏する可能性を低く抑えることができる。これにより、造形処理の中断に起因する立体物の品質の低下を抑制することができる。
また、本発明に係る立体物造形システムは、立体物を造形する際に前記立体物を支持する支持部を形成するための第1の液体、及び、前記立体物を造形するための第2の液体を含む複数種類の液体を吐出可能であり、吐出した前記液体によりドットを形成可能なヘッドユニットと、前記ドットを硬化させる硬化ユニットと、硬化した前記ドットにより前記支持部を形成して前記立体物を造形するように、前記ヘッドユニットの動作を制御するシステム制御部と、を備え、前記システム制御部は、前記第1の液体からなる複数のドットにより前記支持部を形成する第1形成モードと、前記第1の液体からなるドットを含まず、前記第2の液体からなるドットを含む、複数のドットにより前記支持部を形成する第2形成モードと、を含む複数の形成モードの中から、一の形成モードを選択し、前記一の形成モードにより、前記ヘッドユニットの動作を制御する、ことを特徴とする。
この発明によれば、立体物を支持する支持部を、第1の液体または第2の液体により形成することができるため、支持部を1種類の液体のみで形成可能な場合と比較して、支持部の形成に用いる液体が欠乏する可能性を低く抑えることができる。これにより、造形処理の中断に起因する立体物の品質の低下を抑制することができる。
本発明に係る立体物造形システム100の構成を示すブロック図である。 立体物造形システム100による立体物Objの造形について説明するための説明図である。 立体物造形装置1の概略的な断面図である。 記録ヘッド30の概略的な断面図である。 駆動信号Vinの供給時における吐出部Dの動作を説明するための説明図である。 記録ヘッド30におけるノズルNの配置例を示す平面図である。 駆動信号生成部31の構成を示すブロック図である。 選択信号Selの内容を示す説明図である。 駆動波形信号Comの波形を表すタイミングチャートである。 データ生成処理及び造形処理を示すフローチャートである。 立体物Obj及び支持部SPを説明するための説明図である。 内部形状補完処理を示すフローチャートである。 支持部形状補完処理を示すフローチャートである。 形成モードを説明するための説明図である。 変形例1に係る支持部SPを説明するための説明図である。 変形例2に係るデータ生成処理を示すフローチャートである。 変形例2に係る形成モードを説明するための説明図である。 変形例3に係る形成モードを説明するための説明図である。 変形例3に係る形成モードを説明するための説明図である。 変形例6に係るデータ生成処理及び造形処理を示すフローチャートである。 変形例6に係る立体物造形システム100による立体物Objの造形について説明するための説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
<A.実施形態>
本実施形態では、立体物造形装置として、樹脂エマルジョンを含むレジンインクや、紫外線硬化型インク等の、硬化性インク(「液体」の一例)を吐出して立体物Objを造形する、インクジェット式の立体物造形装置を例示して説明する。
<1.立体物造形システムの構成>
以下、図1乃至図9を参照しつつ、本実施形態に係る立体物造形装置1を具備する立体物造形システム100の構成について説明する。
図1は、立体物造形システム100の構成を示す機能ブロック図である。
図1に示すように、立体物造形システム100は、インクを吐出し、吐出したインクにより形成されるドットにより所定の厚さΔZの層状の造形体LYを形成し、造形体LYを積層することで立体物Objを造形する造形処理を実行する立体物造形装置1と、立体物造形装置1が造形する立体物Objを構成する複数の造形体LYの各々の形状及び色彩を定める造形体データFDを生成するデータ生成処理を実行するホストコンピューター9と、を備える。
<1.1.ホストコンピューターについて>
図1に示すように、ホストコンピューター9は、ホストコンピューター9の各部の動作を制御するCPU(図示省略)と、ディスプレイ等の表示部(図示省略)と、キーボードやマウス等の操作部91と、ホストコンピューター9の制御プログラム、立体物造形装置1のドライバープログラム、及び、CAD(computer aided design)ソフト等のアプリケーションプログラムを記憶する情報記憶部(図示省略)と、モデルデータDatを生成するモデルデータ生成部92と、モデルデータDatに基づいて造形体データFDを生成するデータ生成処理を実行する造形データ生成部93と、を備える。
ここで、モデルデータDatとは、立体物造形装置1が造形すべき立体物Objを表すモデルの形状及び色彩を示すデータであり、立体物Objの形状及び色彩を指定するためのデータである。なお、以下において、立体物Objの色彩には、立体物Objに複数色が付される場合における当該複数色の付され方、すなわち、立体物Objに付される複数色により表される模様、文字、その他の画像も含むこととする。
モデルデータ生成部92は、ホストコンピューター9のCPUが情報記憶部に記憶されているアプリケーションプログラムを実行することにより実現される機能ブロックである。このモデルデータ生成部92は、例えばCADアプリケーションであり、立体物造形システム100の利用者が操作部91を操作して入力した情報等に基づいて、立体物Objの形状及び色彩を指定するモデルデータDatを生成する。
本実施形態では、モデルデータDatが、立体物Objの外部形状を指定する場合を想定する。換言すれば、モデルデータDatが、立体物Objを中空の物体であると仮定した場合の当該中空の物体の形状、すなわち、立体物Objの輪郭である外面SF(後述する図2または図11を参照)の形状を指定するデータである場合を想定する。例えば、立体物Objが球体である場合には、モデルデータDatは当該球体の輪郭である球面の形状を指定する。
但し、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、モデルデータDatは、少なくとも立体物Objの外面SFの形状を特定可能な情報を含むものであればよい。例えば、モデルデータDatは、立体物Objの外面SFの形状及び立体物Objの色彩に加えて、立体物Objの外面SFより内側の形状や、立体物Objの材料等を指定するものであってもよい。
モデルデータDatとしては、例えば、AMF(Additive Manufacturing File Format)、または、STL(Standard Triangulated Language)等のデータ形式を例示することができる。
造形データ生成部93は、ホストコンピューター9のCPUが情報記憶部に記憶されている立体物造形装置1のドライバープログラムを実行することにより実現される機能ブロックである。造形データ生成部93は、モデルデータ生成部92が生成するモデルデータDatに基づいて、立体物造形装置1が形成する造形体LYの形状及び色彩を定める造形体データFDを生成するデータ生成処理を実行する。
なお、以下では、立体物Objが、Q個の層状の造形体LYを積層させることで造形される場合を想定する(Qは、Q≧2を満たす自然数)。また、立体物造形装置1が造形体LYを形成する処理を積層処理と称する。すなわち、立体物造形装置1が立体物Objを造形する造形処理は、Q回の積層処理を含む。以下では、造形処理に含まれるQ回の積層処理のうちq回目の積層処理で形成される造形体LYを造形体LY[q]と称し、造形体LY[q]の形状及び色彩を定める造形体データFDを造形体データFD[q]と称する(qは、1≦q≦Qを満たす自然数)。
また、詳細は後述するが、立体物造形装置1は、造形処理の実行中に、造形中の立体物Objを支持するために、支持部SP(図11参照)を形成する場合がある。造形データ生成部93は、支持部SPの形成する動作に係る動作モード(以下、「形成モード」と称する)を定める形成モード決定処理を実行する。
図2は、モデルデータDatの指定する立体物Objの外面SFの形状と、造形体データFDに基づいて形成される造形体LYと、の関係を説明するための説明図である。
図2(A)及び(B)に示すように、造形データ生成部93は、所定の厚さΔZを有する造形体LY[1]〜LY[Q]の形状及び色彩を定める造形体データFD[1]〜FD[Q]を生成するために、まず、モデルデータDatの指定する外面SFの三次元の形状を所定の厚さΔZ毎にスライスすることで、造形体LY[1]〜LY[Q]と1対1に対応する断面モデルデータLdat[1]〜Ldat[Q]を生成する。ここで、断面モデルデータLdatとは、モデルデータDatの指定する三次元の形状をスライスして得られる断面体の形状及び色彩を示すデータである。但し、断面モデルデータLdatは、モデルデータDatの指定する三次元の形状をスライスしたときの断面の形状及び色彩を含むデータであればよい。なお、図2(A)は、1回目の積層処理で形成される造形体LY[1]に対応する断面モデルデータLdat[1]を例示し、図2(B)は、2回目の積層処理で形成される造形体LY[2]に対応する断面モデルデータLdat[2]を例示している。
次に、造形データ生成部93は、断面モデルデータLdat[q]の示す形状及び色彩に対応する造形体LY[q]を形成するために、立体物造形装置1が形成すべきドットの配置を決定し、決定結果を、造形体データFD[q]として出力する。つまり、造形体データFD[q]は、断面モデルデータLdat[q]の示す形状及び色彩を格子状に細分化することで、断面モデルデータLdat[q]の示す形状及び色彩をボクセルVxの集合として表した場合に、複数のボクセルVxの各々に形成すべきドットを指定するデータである。ここで、ボクセルVxとは、所定サイズの直方体または立方体であり、所定の厚さΔZを有し、所定体積を有する直方体または立方体である。また、本実施形態において、ボクセルVxの体積及びサイズは、立体物造形装置1が形成可能なドットのサイズに応じて定められる。以下では、造形体LY[q]に対応するボクセルVxを、ボクセルVxqと称する場合がある。
また、以下では、立体物Objを構成する造形体LYの構成要素であって、1個のボクセルVxに対応して形成された、所定体積を有する所定の厚さΔZの構成要素を単位造形体と称することがある。詳細は後述するが、単位造形体は、1または複数のドットにより構成される。換言すれば、単位造形体とは、1個のボクセルVxを満たすように形成された、1または複数のドットである。すなわち、本実施形態において、造形体データFDは、各ボクセルVxに、1または複数のドットを形成すべきことを指定する。
図2(C)及び(D)に示すように、立体物造形装置1は、造形データ生成部93が生成した造形体データFD[q]に基づいて、造形体LY[q]を形成する積層処理を実行する。なお、図2(C)は、断面モデルデータLdat[1]から生成された造形体データFD[1]に基づいて、造形台45(図3参照)上に形成された第1番目の造形体LY[1]を示し、図2(D)は、断面モデルデータLdat[2]から生成された造形体データFD[2]に基づいて、造形体LY[1]上に形成された第2番目の造形体LY[2]を示している。
そして、立体物造形装置1は、図2(E)に示すように、造形体データFD[1]〜FD[Q]に基づいて形成される造形体LY[1]〜LY[Q]を順番に積層させることで、立体物Objを造形する。
上述のとおり、本実施形態に係るモデルデータDatは、立体物Objの外面SFの形状(輪郭の形状)を指定する。このため、モデルデータDatの示す形状を有する立体物Objを忠実に造形した場合、立体物Objの形状は、厚みを有さない輪郭だけの中空形状となる。しかし、立体物Objを造形する場合には、立体物Objの強度等を考慮して、外面SFよりも内側の形状を決定することが好ましい。具体的には、立体物Objを造形する場合には、立体物Objの外面SFよりも内側の領域の一部または全部が中実構造であることが好ましい。
このため、本実施形態に係る造形データ生成部93は、図2に示すように、モデルデータDatの指定する形状が中空形状であるか否かに関わらず、外面SFよりも内側の領域の一部または全部が中実構造となるような造形体データFDを生成する。
以下では、データ生成処理のうち、モデルデータDatの示す形状の中空部分を補完して、当該中空部分の一部または全部が中実構造となる形状を示す断面モデルデータLdatを生成する処理を、内部形状補完処理と称する。なお、内部形状補完処理と、内部形状補完処理により生成されるデータが指定する外面SFよりも内側の構造と、についての詳細は、後述する。
なお、図2に示す例では、2回目の積層処理で形成される造形体LY[2]を構成する単位造形体の形成されたボクセルVx2の下側(−Z方向)に、1回目の積層処理で形成される造形体LY[1]を構成する単位造形体が形成されたボクセルVx1が存在する。
しかし、立体物Objの形状によっては、ボクセルVx2の下側に、単位造形体の形成されたボクセルVx1が存在しない場合がある。このような場合、造形処理において、ボクセルVx2にドットを形成しようとしても、当該ドットが下側に落下してしまい、ボクセルVx2に形成すべきドットを正確な位置に形成できない可能性がある。
このような問題は、立体物Objが、外面SFの傾斜が90度よりも大きい張り出した形状である所謂オーバーハング形状を有する場合に生じる可能性が高い。
すなわち、オーバーハング形状を有する立体物Objにおいて、当該オーバーハング形状の部分の下側には、当該オーバーハング形状の部分を支えることのできる、立体物Objの単位造形体が存在しない。よって、オーバーハング形状を有する立体物Objを造形する場合、単純に立体物Objをスライスした造形体LYを積層させても、当該オーバーハング形状の部分を、正確な形状に形成できない可能性が高い。なお、以下では、当該オーバーハング形状の部分を、オーバーハング部OH(図11参照)と称する。
以上において説明した問題に対応するために、本実施形態では、立体物Objがオーバーハング形状を有する場合、オーバーハング部OHを支持するための支持部SPを形成する。具体的には、「q≧2」のボクセルVxqが、オーバーハング部OHに含まれる場合、ボクセルVxqの−Z方向であって、+Z方向または−Z方向から見たときにボクセルVxqの少なくとも一部と重なる位置に、ボクセルVxqに形成されるドットを支持するための支持部SPを形成する。
これにより、ボクセルVxqに形成すべきドットが−Z方向に落下することなく、ボクセルVxqに正確に形成されることになる。すなわち、支持部SPを形成することにより、オーバーハング部OHを含む立体物Objを、正確な形状に造形することが可能となる。
なお、本実施形態では、造形体データFDが、立体物Objの形状を定めるデータの他に、立体物Objを支持する支持部SPの形状を定めるデータを含むこととする。
つまり、本実施形態において、造形体LY[q]は、立体物Objのうちq回目の積層処理で形成すべき部分と、支持部SPのうちq回目の積層処理で形成すべき部分と、の双方を含むこととする。換言すれば、本実施形態において、造形体データFD[q]は、立体物Objのうち造形体LY[q]として形成される部分の形状及び色彩をボクセルVxqの集合として表したデータと、支持部SPのうち造形体LY[q]として形成される部分の形状をボクセルVxqの集合として表したデータと、の双方を含む。
本実施形態に係る造形データ生成部93は、モデルデータDatに基づいて、立体物Objの造形のために支持部SPを設ける必要があるか否かを判定する。そして、造形データ生成部93は、当該判定の結果が肯定である場合には、モデルデータDatに基づいて、立体物Objを造形のために必要な支持部SPの形状を決定する。そして、造形データ生成部93は、立体物Objの形状と支持部SPの形状とを示す断面モデルデータLdatを生成する。
以下では、造形データ生成部93が実行する断面モデルデータLdatを生成する処理のうち、断面モデルデータLdatの示す支持部SPの形状を定めることで、モデルデータDatの示す形状を補完する処理を、支持部形状補完処理と称する。
なお、支持部SPは、立体物Objの造形後に容易に除去することのできる材料、例えば、水溶性のインク、または、立体物Objを造形するインクよりも低い融点のインク等で構成されることが好ましい。
<1.2.立体物造形装置について>
次に、図1に加え図3を参照しつつ、立体物造形装置1について説明する。図3は、立体物造形装置1の構造の概略を示す斜視図である。
図1及び図3に示すように、立体物造形装置1は、筐体40と、造形台45と、立体物造形装置1の各部の動作を制御する制御部6(「造形制御部」の一例)と、造形台45に向かってインクを吐出する吐出部Dを具備する記録ヘッド30が設けられたヘッドユニット3と、造形台45の上に吐出されたインクを硬化させる硬化ユニット61と、インクを貯蔵する6個のインクカートリッジ48(「貯蔵部」の一例)と、ヘッドユニット3及びインクカートリッジ48を搭載するキャリッジ41と、筐体40に対するヘッドユニット3、造形台45、及び、硬化ユニット61の位置を変化させるための位置変化機構7と、立体物造形装置1の制御プログラムやその他の各種情報を記憶する記憶部60と、各インクカートリッジ48に貯蔵されているインクの残量を示す残量情報Rを出力する残量情報出力部62(「出力部」の一例)と、を備える。
なお、制御部6及び造形データ生成部93は、立体物造形システム100の各部の動作を制御するシステム制御部101として機能する。また、制御部6は、残量情報出力部62が出力した残量情報Rを、造形データ生成部93に供給する。
残量情報出力部62は、例えば、各インクカートリッジ48に貯蔵されているインクの重量を検出して検出結果を残量情報Rとして出力する重量計や、各インクカートリッジ48に貯蔵されているインクに光を照射したときにインクを透過する光の強度を測定して測定結果を残量情報Rとして出力する照度計、または、各インクカートリッジ48に貯蔵されているインクの吐出部Dからの吐出回数をカウントしてカウント値を残量情報Rとして出力するカウンター等である。
硬化ユニット61は、造形台45の上に吐出されたインクを硬化させるための構成要素であり、例えば、紫外線硬化型インクに対して紫外線を照射するための光源や、レジンインクを加熱するための加熱器等を例示することができる。硬化ユニット61が紫外線の光源である場合、硬化ユニット61は、例えば造形台45の上側(+Z方向)に設けられ、一方、硬化ユニット61が過熱器である場合、硬化ユニット61は、例えば造形台45に内蔵され、または、造形台45の下側に設けられればよい。以下では、硬化ユニット61が紫外線の光源である場合を想定し、硬化ユニット61が造形台45の+Z方向に位置する場合を想定して説明する。
6個のインクカートリッジ48は、支持部SPを形成するための支持用インク(「第1の液体」の一例)と、立体物Objを造形するための5色の造形用インクと、の合計6種類のインクと1対1に対応して設けられたものである。各インクカートリッジ48には、当該インクカートリッジ48に対応する種類のインクが貯蔵されている。
立体物Objを造形するための5色の造形用インクには、有彩色の色材成分を有する有彩色インクと、無彩色の色材成分を有する無彩色インクと、有彩色インク及び無彩色インクと比較して単位重量または単位体積あたりの色材成分の含有量が少ないクリアー(CL)インクと、が含まれる。本実施形態では、有彩色インクとして、シアン(CY)、マゼンタ(MG)、及び、イエロー(YL)の3色のインクを採用する。また、本実施形態では、無彩色インクとして、ホワイト(WT)のインクを採用する。本実施形態に係るホワイトインクとは、可視光の波長領域(概ね、400nm〜700nm)に属する波長を有する光がホワイトインクに照射された場合において、当該照射された光のうち、所定の割合以上の光を反射するインクである。なお、「所定の割合以上の光を反射する」とは、「所定の割合未満の光を吸収または透過する」ことと同義であり、例えば、ホワイトインクに照射される光の光量に対する、ホワイトインクで反射される光の光量の比率が、所定の割合以上である場合が該当する。本実施形態において、「所定の割合」とは、例えば、30%以上で且つ100%以下の任意の割合であればよく、好ましくは、50%以上の任意の割合、より好ましくは、80%以上の任意の割合である。また、本実施形態において、クリアーインクは、クリアーインクに含まれる色材成分の重量比が所定値以下であり、透明度の高いインクである。
なお、各インクカートリッジ48は、キャリッジ41に搭載される代わりに、立体物造形装置1の別の場所に設けられるものであってもよい。
図1及び図3に示すように、位置変化機構7は、造形台45を+Z方向及び−Z方向(以下、+Z方向及び−Z方向を「Z軸方向」と総称する場合がある)に昇降させる造形台昇降機構79aを駆動するための昇降機構駆動モーター71と、キャリッジ41をガイド79bに沿って+Y方向及び−Y方向(以下、+Y方向及び−Y方向を「Y軸方向」と総称する場合がある)に移動させるためのキャリッジ駆動モーター72と、キャリッジ41をガイド79cに沿って+X方向及び−X方向(以下、+X方向及び−X方向を「X軸方向」と総称する場合がある)に移動させるためのキャリッジ駆動モーター73と、硬化ユニット61をガイド79dに沿って+X方向及び−X方向に移動させるための硬化ユニット駆動モーター74と、を備える。
また、位置変化機構7は、昇降機構駆動モーター71を駆動するためのモータードライバー75と、キャリッジ駆動モーター72を駆動するためのモータードライバー76と、キャリッジ駆動モーター73を駆動するためのモータードライバー77と、硬化ユニット駆動モーター74を駆動するためのモータードライバー78と、を備える。
記憶部60は、ホストコンピューター9から供給される造形体データFDを格納する不揮発性半導体メモリーの一種であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)と、立体物Objを造形する造形処理等の各種処理を実行する際に必要なデータを一時的に格納し、あるいは造形処理等の各種処理が実行されるように立体物造形装置1の各部を制御するための制御プログラムを一時的に展開するRAM(Random Access Memory)と、制御プログラムを格納する不揮発性半導体メモリーの一種であるPROMと、を備える。
制御部6は、CPU(Central Processing Unit)やFPGA(field-programmable gate array)等を含んで構成され、当該CPU等が記憶部60に記憶されている制御プログラムに従って動作することで、立体物造形装置1の各部の動作を制御する。
制御部6は、ホストコンピューター9から供給される造形体データFDに基づいて、ヘッドユニット3及び位置変化機構7の動作を制御することにより、造形台45上にモデルデータDatに応じた立体物Objを造形する造形処理の実行を制御する。
具体的には、制御部6は、まず、ホストコンピューター9から供給される造形体データFDを記憶部60に格納する。次に、制御部6は、造形体データFD等の記憶部60に格納されている各種データに基づいて、ヘッドユニット3の動作を制御して吐出部Dを駆動させるための駆動波形信号Com及び波形指定信号SIを含む各種信号を生成し、これら生成した信号を出力する。また、制御部6は、造形体データFD等の記憶部60に格納されている各種データに基づいて、モータードライバー75〜78の動作を制御するための各種信号を生成し、これら生成した信号を出力する。
なお、駆動波形信号Comはアナログの信号である。このため、制御部6は、図示省略したDA変換回路を含み、制御部6が備えるCPU等において生成されるデジタルの駆動波形信号を、アナログの駆動波形信号Comに変換したうえで、出力する。
このように、制御部6は、モータードライバー75、76、及び、77の制御を介して、造形台45に対するヘッドユニット3の相対位置を制御し、モータードライバー75、及び、78の制御を介して、造形台45に対する硬化ユニット61の相対位置を制御する。また、制御部6は、ヘッドユニット3の制御を介して、吐出部Dからのインクの吐出の有無、インクの吐出量、及び、インクの吐出タイミング等を制御する。
これにより、制御部6は、造形台45上に吐出されたインクにより形成されるドットサイズ及びドット配置を調整しつつ造形台45上にドットを形成し、造形台45上に形成されたドットを硬化させて造形体LYを形成する積層処理の実行を制御する。更に、制御部6は、積層処理を繰り返し実行することで、既に形成された造形体LYの上に新たな造形体LYを積層し、これにより、モデルデータDatに対応する立体物Objを形成する造形処理の実行を制御する。
図1に示すように、ヘッドユニット3は、M個の吐出部Dを具備する記録ヘッド30と、吐出部Dを駆動するための駆動信号Vinを生成する駆動信号生成部31と、を備える(Mは、1以上の自然数)。
以下では、記録ヘッド30に設けられるM個の吐出部Dの各々を区別するために、順番に、1段、2段、…、M段と称することがある。また、以下では、記録ヘッド30に設けられるM個の吐出部Dのうちm段の吐出部Dを、吐出部D[m]と表現する場合がある(mは、1≦m≦Mを満たす自然数)。また、以下では、駆動信号生成部31が生成する駆動信号Vinのうち、吐出部D[m]を駆動するための駆動信号Vinを駆動信号Vin[m]と表現する場合がある。
なお、駆動信号生成部31の詳細については、後述する。
<1.3.記録ヘッドについて>
次に、図4乃至図6を参照しつつ、記録ヘッド30と、記録ヘッド30に設けられる吐出部Dと、について説明する。
図4は、記録ヘッド30の、概略的な一部断面図の一例である。なお、この図では、図示の都合上、記録ヘッド30のうち、当該記録ヘッド30が有するM個の吐出部Dの中の1個の吐出部Dと、当該1個の吐出部Dにインク供給口360を介して連通するリザーバ350と、インクカートリッジ48からリザーバ350にインクを供給するためのインク取り入れ口370と、を示している。
図4に示すように、吐出部Dは、圧電素子300と、インクが充填されたキャビティ320と、キャビティ320に連通するノズルNと、振動板310と、を備える。吐出部Dは、圧電素子300が駆動信号Vinにより駆動されることにより、キャビティ320内のインクをノズルNから吐出させる。キャビティ320は、凹部を有するような所定の形状に成形されたキャビティプレート340と、ノズルNが形成されたノズルプレート330と、振動板310と、により区画される空間である。キャビティ320は、インク供給口360を介してリザーバ350と連通している。リザーバ350は、インク取り入れ口370を介して1個のインクカートリッジ48と連通している。
本実施形態では、圧電素子300として、例えば、図4に示すようなユニモルフ(モノモルフ)型を採用する。なお、圧電素子300は、ユニモルフ型に限らず、バイモルフ型や積層型など、圧電素子300を変形させてインク等の液体を吐出させることができるものであれば良い。圧電素子300は、下部電極301と、上部電極302と、下部電極301及び上部電極302の間に設けられた圧電体303と、を有する。そして、下部電極301の電位が所定の基準電位VSSに設定され、上部電極302に駆動信号Vinが供給されることで、下部電極301及び上部電極302の間に電圧が印加されると、当該印加された電圧に応じて圧電素子300が図において上下方向に撓み(変位し)、その結果、圧電素子300が振動する。
キャビティプレート340の上面開口部には、振動板310が設置され、振動板310には、下部電極301が接合されている。このため、圧電素子300が駆動信号Vinにより振動すると、振動板310も振動する。そして、振動板310の振動によりキャビティ320の容積(キャビティ320内の圧力)が変化し、キャビティ320内に充填されたインクがノズルNより吐出される。インクの吐出によりキャビティ320内のインクが減少した場合、リザーバ350からインクが供給される。また、リザーバ350へは、インクカートリッジ48からインク取り入れ口370を介してインクが供給される。
図5は、吐出部Dからのインクの吐出動作を説明するための説明図である。図5(a)に示す状態において、吐出部Dが備える圧電素子300に対して駆動信号生成部31から駆動信号Vinが供給されると、当該圧電素子300において、電極間に印加された電界に応じた歪が発生し、当該吐出部Dの振動板310は図において上方向へ撓む。これにより、図5(a)に示す初期状態と比較して、図5(b)に示すように、当該吐出部Dのキャビティ320の容積が拡大する。図5(b)に示す状態において、駆動信号Vinの示す電位を変化させると、振動板310は、その弾性復元力によって復元し、初期状態における振動板310の位置を越えて図において下方向に移動し、図5(c)に示すようにキャビティ320の容積が急激に収縮する。このときキャビティ320内に発生する圧縮圧力により、キャビティ320を満たすインクの一部が、このキャビティ320に連通しているノズルNからインク滴として吐出される。
図6は、+Z方向または−Z方向から立体物造形装置1を平面視した場合の、記録ヘッド30に設けられたM個のノズルNの配置の一例を説明するための説明図である。
図6に示すように、記録ヘッド30には、複数のノズルNからなるノズル列Ln-CYと、複数のノズルNからなるノズル列Ln-MGと、複数のノズルNからなるノズル列Ln-YLと、複数のノズルNからなるノズル列Ln-WTと、複数のノズルNからなるノズル列Ln-CLと、複数のノズルNからなるノズル列Ln-SPと、からなる6列のノズル列Lnが設けられている。
ここで、ノズル列Ln-CYに属するノズルNは、シアン(CY)のインクを吐出する吐出部Dに設けられたノズルNであり、ノズル列Ln-MGに属するノズルNは、マゼンタ(MG)のインクを吐出する吐出部Dに設けられたノズルNであり、ノズル列Ln-YLに属するノズルNは、イエロー(YL)のインクを吐出する吐出部Dに設けられたノズルNであり、ノズル列Ln-WTに属するノズルNは、ホワイト(WT)のインクを吐出する吐出部Dに設けられたノズルNであり、ノズル列Ln-CLに属するノズルNは、クリアー(CL)のインクを吐出する吐出部Dに設けられたノズルNであり、ノズル列Ln-SPに属するノズルNは、支持用インクを吐出する吐出部Dに設けられたノズルNである。
なお、本実施形態では、図6に示すように、各ノズル列Lnを構成する複数のノズルNがX軸方向に一列に整列するように配置される場合を例示しているが、例えば、各ノズル列Lnを構成する複数のノズルNのうち一部のノズルN(例えば、偶数番目のノズルN)と、その他のノズルN(例えば、奇数番目のノズルN)とのY軸方向の位置が異なる、所謂千鳥状に配列されるものであってもよい。
また、各ノズル列Lnにおいて、ノズルN間の間隔(ピッチ)は、印刷解像度(dpi:dot per inch)に応じて適宜設定され得る。
<1.4.駆動信号生成部について>
次に、図7乃至図9を参照しつつ、駆動信号生成部31の構成及び動作について説明する。
図7は、駆動信号生成部31の構成を示すブロック図である。
図7に示すように、駆動信号生成部31は、シフトレジスタSR、ラッチ回路LT、デコーダーDC、及び、トランスミッションゲートTGからなる組を、記録ヘッド30に設けられたM個の吐出部Dと1対1に対応するように、M個有する。以下では、駆動信号生成部31及び記録ヘッド30が備えるこれらM個の組を構成する各要素を、図において上から順番に、1段、2段、…、M段と称することがある。
駆動信号生成部31には、制御部6から、クロック信号CLK、波形指定信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び、駆動波形信号Comが供給される。
波形指定信号SIは、吐出部Dが吐出すべきインク量を指定するデジタルの信号であり、波形指定信号SI[1]〜SI[M]を含む。
このうち、波形指定信号SI[m]は、吐出部D[m]からのインクの吐出の有無、及び、吐出されるインク量を、上位ビットb1及び下位ビットb2の2ビットで規定する。具体的には、波形指定信号SI[m]は、吐出部D[m]に対して、大ドットに相当する量のインクの吐出、中ドットに相当する量のインクの吐出、小ドットに相当する量のインクの吐出、または、インクの非吐出、のうち、いずれか1つを指定する。
シフトレジスタSRのそれぞれは、波形指定信号SI(SI[1]〜SI[M])のうち、各段に対応する2ビットの波形指定信号SI[m]を、一旦保持する。詳細には、M個の吐出部D[1]〜D[M]に1対1に対応する、1段、2段、…、M段のM個のシフトレジスタSRが互いに縦続接続されるとともに、シリアルで供給された波形指定信号SIが、クロック信号CLKに従って順次後段に転送される。そして、M個のシフトレジスタSRの全てに波形指定信号SIが転送された場合に、M個のシフトレジスタSRのそれぞれが波形指定信号SIのうち自身に対応する2ビット分の波形指定信号SI[m]を保持する。
M個のラッチ回路LTのそれぞれは、ラッチ信号LATが立ち上がるタイミングで、M個のシフトレジスタSRのそれぞれに保持された各段に対応する2ビット分の波形指定信号SI[m]を一斉にラッチする。
ところで、立体物造形装置1が造形処理を実行する期間である動作期間は、複数の単位期間Tuから構成される。また、本実施形態では、各単位期間Tuは、3個の制御期間Ts(Ts1〜Ts3)からなる。なお、本実施形態では、3個の制御期間Ts1〜Ts3は、互いに等しい時間長を有することとする。詳細は後述するが、単位期間Tuは、ラッチ信号LATにより規定され、制御期間Tsは、ラッチ信号LAT及びチェンジ信号CHにより規定される。
制御部6は、駆動信号生成部31に対して、単位期間Tuが開始されるよりも前のタイミングで波形指定信号SIを供給する。そして、制御部6は、駆動信号生成部31の各ラッチ回路LTに対して、単位期間Tu毎に波形指定信号SI[m]がラッチされるように、ラッチ信号LATを供給する。
m段のデコーダーDCは、m段のラッチ回路LTによってラッチされた2ビット分の波形指定信号SI[m]をデコードし、制御期間Ts1〜Ts3のそれぞれにおいて、ハイレベル(Hレベル)またはローレベル(Lレベル)のいずれかのレベルに設定された選択信号Sel[m]を出力する。
図8は、デコーダーDCが行うデコードの内容を説明するための説明図である。
この図に示すように、m段のデコーダーDCは、波形指定信号SI[m]の示す内容が(b1、b2)=(1、1)であれば、制御期間Ts1〜Ts3において選択信号Sel[m]をHレベルに設定し、波形指定信号SI[m]の示す内容が(b1、b2)=(1、0)であれば、制御期間Ts1、Ts2において選択信号Sel[m]をHレベルに設定し、制御期間Ts3において選択信号Sel[m]をLレベルに設定し、波形指定信号SI[m]の示す内容が(b1、b2)=(0、1)であれば、制御期間Ts1において選択信号Sel[m]をHレベルに設定し、制御期間Ts2、Ts3において選択信号Sel[m]をLレベルに設定し、波形指定信号SI[m]の示す内容が(b1、b2)=(0、0)であれば、制御期間Ts1〜Ts3において選択信号Sel[m]をLレベルに設定する。
図7に示すように、駆動信号生成部31が備える、M個のトランスミッションゲートTGは、記録ヘッド30が備えるM個の吐出部Dと1対1に対応するように設けられる。
m段のトランスミッションゲートTGは、m段のデコーダーDCから出力される選択信号Sel[m]がHレベルのときにオンし、Lレベルのときにオフする。各トランスミッションゲートTGの一端には、駆動波形信号Comが供給される。m段のトランスミッションゲートTGの他端は、m段の出力端OTNに電気的に接続されている。
選択信号Sel[m]がHレベルとなり、m段のトランスミッションゲートTGがオンする場合、m段の出力端OTNから吐出部D[m]に対して、駆動波形信号Comが駆動信号Vin[m]として供給される。
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、トランスミッションゲートTGがオンからオフに切り替わるタイミング(つまり、制御期間Ts1〜Ts3の開始及び終了のタイミング)における駆動波形信号Comの電位を基準電位V0としている。このため、トランスミッションゲートTGがオフする場合、吐出部D[m]の圧電素子300が有する容量等により、出力端OTNの電位は基準電位V0に維持されることになる。以下では、説明の便宜上、トランスミッションゲートTGがオフする場合には、駆動信号Vin[m]の電位が基準電位V0に維持されることとして説明する。
以上において説明したように、制御部6は、各吐出部Dに対して単位期間Tu毎に駆動信号Vinが供給されるように、駆動信号生成部31を制御する。これにより、各吐出部Dは、単位期間Tu毎に、造形体データFDに基づいて定められる波形指定信号SIの示す値に応じた量のインクを吐出し、造形台45上に造形体データFDに対応するドットを形成することができる。
図9は、各単位期間Tuにおいて制御部6が駆動信号生成部31に供給する各種信号を説明するためのタイミングチャートである。
図9に例示するように、ラッチ信号LATは、パルス波形Pls-Lを含み、当該パルス波形Pls-Lにより単位期間Tuが規定される。また、チェンジ信号CHは、パルス波形Pls-Cを含み、当該パルス波形Pls-Cにより単位期間Tuが制御期間Ts1〜Ts3に区分される。また、図示は省略するが、制御部6は、単位期間Tu毎に、波形指定信号SIを、クロック信号CLKに同期させて、駆動信号生成部31に対してシリアルで供給する。
また、図9に例示するように、駆動波形信号Comは、制御期間Ts1に配置された波形PL1と、制御期間Ts2に配置された波形PL2と、制御期間Ts3に配置された波形PL3と、を含む。以下では、波形PL1〜PL3を波形PLと総称する場合がある。また、本実施形態において、駆動波形信号Comの電位は、各制御期間Tsの開始または終了のタイミングにおいて、基準電位V0に設定される。
駆動信号生成部31は、一の制御期間Tsにおいて、選択信号Sel[m]がHレベルである場合には、駆動波形信号Comのうち当該一の制御期間Tsに配置される波形PLを、駆動信号Vin[m]として吐出部D[m]に供給する。逆に、駆動信号生成部31は、一の制御期間Tsにおいて、選択信号Sel[m]がLレベルである場合には、基準電位V0に設定された駆動波形信号Comを、駆動信号Vin[m]として吐出部D[m]に供給する。
よって、駆動信号生成部31が、単位期間Tuにおいて、吐出部D[m]に供給する駆動信号Vin[m]は、波形指定信号SI[m]の示す値が(b1、b2)=(1、1)であれば、波形PL1〜PL3を有する信号となり、波形指定信号SI[m]の示す値が(b1、b2)=(1、0)であれば、波形PL1及びPL2を有する信号となり、波形指定信号SI[m]の示す値が(b1、b2)=(0、1)であれば、波形PL1を有する信号となり、波形指定信号SI[m]の示す値が(b1、b2)=(0、0)であれば、基準電位V0に設定された信号となる。
1つの波形PLを有する駆動信号Vin[m]が供給されると、吐出部D[m]は、小程度の量のインクを吐出して小ドットを形成する。
このため、単位期間Tuにおいて、波形指定信号SI[m]の示す値が(b1、b2)=(0,1)であり、吐出部D[m]に供給される駆動信号Vin[m]が1つの波形PL(PL1)を有する場合、吐出部D[m]からは、当該1つの波形PLに基づいて小程度の量のインクが吐出され、吐出されたインクにより小ドットが形成される。
また、単位期間Tuにおいて、波形指定信号SI[m]の示す値が(b1、b2)=(1,0)であり、吐出部D[m]に供給される駆動信号Vin[m]が2つの波形PL(PL1、PL2)を有する場合、吐出部D[m]からは、当該2つの波形PLに基づいて小程度の量のインクが2度吐出され、当該2度にわたり吐出された小程度の量のインクが合体することで、中ドットが形成される。
また、単位期間Tuにおいて、波形指定信号SI[m]の示す値が(b1、b2)=(1,1)であり、吐出部D[m]に供給される駆動信号Vin[m]が3つの波形PL(PL1〜PL3)を有する場合、吐出部D[m]からは、当該3つの波形PLに基づいて小程度の量のインクが3度吐出され、当該3度にわたり吐出された小程度の量のインクが合体することで、大ドットが形成される。
一方、単位期間Tuにおいて、波形指定信号SI[m]の示す値が(b1、b2)=(0,0)であり、吐出部D[m]に供給される駆動信号Vin[m]が波形PLを有さず基準電位V0に保たれる場合、吐出部D[m]からインクは吐出されず、当該ドットは形成されない(非記録となる)。
なお、本実施形態では、以上の説明からも明らかなように、中ドットは小ドットの2倍のサイズであり、大ドットは小ドットの3倍のサイズである。
本実施形態において、駆動波形信号Comの波形PLは、小ドットを形成するために吐出される小程度の量のインクが、単位造形体を形成するために必要なインク量の略3分の1の量となるように定められる。つまり、単位造形体は、1個の大ドット、1個の中ドット及び1個の小ドットの組み合わせ、または、3個の小ドットの組み合わせ、の3パターンのうちいずれかで構成される。
また、本実施形態では、1個のボクセルVxに対して、1個の単位造形体が設けられる。すなわち、本実施形態において、1個のボクセルVxには、1個の大ドット、1個の中ドット及び1個の小ドットの組み合わせ、または、3個の小ドットの組み合わせ、の3パターンのうちいずれかのパターンでドットが形成される。
<2.データ生成処理及び造形処理>
次に、図10乃至図14を参照しつつ、立体物造形システム100が実行するデータ生成処理及び造形処理について説明する。
<2.1.データ生成処理及び造形処理の概要>
図10は、データ生成処理及び造形処理を実行する場合における立体物造形システム100の動作の一例を示すフローチャートである。
データ生成処理は、ホストコンピューター9の造形データ生成部93が実行する処理であり、モデルデータ生成部92が出力したモデルデータDatを、造形データ生成部93が取得したときに開始される。図10に示すステップS100、S110、及び、S120の処理が、データ生成処理に該当する。
図10に示すように、造形データ生成部93は、データ生成処理が開始されると、モデルデータ生成部92が出力したモデルデータDatに基づいて、断面モデルデータLdat[q](Ldat[1]〜Ldat[Q])を生成する(S100)。
なお、上述のとおり、造形データ生成部93は、ステップS100において、モデルデータDatの示す形状の中空部分を補完して、立体物Objの外面SFよりも内側の領域の一部または全部が中実の形状となるような断面モデルデータLdatを生成する処理である、内部形状補完処理を実行する。また、造形データ生成部93は、ステップS100において、モデルデータDatの示す形状を補完して、立体物Objの形状と、支持部SPの形状と、を示す断面モデルデータLdatを生成する、支持部形状補完処理を実行する。
以下では、モデルデータDatの示す形状を補完する処理である内部形状補完処理及び支持部形状補完処理を、形状補完処理と総称する。形状補完処理の詳細については、後述する。
次に、造形データ生成部93は、残量情報出力部62が出力する残量情報R、より具体的には、残量情報Rのうち支持用インクの残量RSPを示す情報に基づいて、形成モードを決定する形成モード決定処理を実行する(S110)。
次に、造形データ生成部93は、断面モデルデータLdat[q]の示す形状及び色彩に対応する造形体LY[q]を形成するために立体物造形装置1が形成すべきドットの配置を決定し、決定結果を造形体データFD[q]として出力する(S120)。
このように、造形データ生成部93は、図10のステップS100〜S120に示すデータ生成処理を実行する。
立体物造形システム100は、データ生成処理を実行した後に、造形処理を実行する。
造形処理は、制御部6による制御の下で、立体物造形装置1が実行する処理であり、ホストコンピューター9が出力した造形体データFDを、立体物造形装置1が取得したときに開始される。図10に示すステップS130〜S180の処理が、造形処理に該当する。
図10に示すように、制御部6は、積層処理の実行回数を示す変数qに「1」を設定する(S130)。次に、制御部6は、造形データ生成部93が生成した造形体データFD[q]を取得する(S140)。また、制御部6は、造形台45が、造形体LY[q]を形成するための位置に移動するように、昇降機構駆動モーター71を制御する(S150)。
なお、造形体LY[q]を形成するための造形台45の位置とは、ヘッドユニット3から吐出されたインクが、造形体データFD[q]の指定するドット形成位置(ボクセルVxq)に対して、正確に着弾可能な位置であれば、どのような位置であってもよい。例えば、制御部6は、ステップS150において、造形体LY[q]とヘッドユニット3とのZ軸方向の間隔が一定となるように、造形台45の位置を制御してもよい。この場合、制御部6は、例えば、q回目の積層処理において造形体LY[q]を形成した後、(q+1)回目の積層処理による造形体LY[q+1]の形成が開始されるまでの間に、造形台45を所定の厚さΔZだけ−Z方向に移動させればよい。
制御部6は、ステップS150において、造形台45を造形体LY[q]を形成するための位置に移動させた後、造形体データFD[q]に基づいて造形体LY[q]が形成されるように、ヘッドユニット3、位置変化機構7、及び、硬化ユニット61の動作を制御する(S160)。なお、図2からも明らかなように、造形体LY[1]は造形台45上に形成され、造形体LY[q+1]は造形体LY[q]の上に形成される。
その後、制御部6は、変数qが「q≧Q」を充足するか否かを判定し(S170)、判定結果が肯定である場合には、立体物Objの造形が完了したと判定して造形処理を終了させ、一方、判定結果が否定である場合には、変数qに1を加算した上で、処理をステップS140に進める(S180)。
このように、立体物造形システム100のうち造形データ生成部93が、図10のステップS100〜S120に示すデータ生成処理を実行することで、モデルデータDatに基づいて造形体データFD[1]〜FD[Q]を生成し、立体物造形システム100のうち立体物造形装置1が、図10のステップS130〜S180に示す造形処理を実行することで、造形体データFD[1]〜FD[Q]に基づいて立体物Objを造形する。
なお、図10は、データ生成処理及び造形処理の流れの一例を示すものに過ぎない。例えば、図10では、データ生成処理が終了した後に、造形処理を開始するが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、データ生成処理が終了する前に造形処理を開始してもよい。例えば、データ生成処理において造形体データFD[q]が生成された場合には、次の造形体データFD[q+1]の生成を待つことなく、造形体データFD[q]に基づいて造形体LY[q]を形成する造形処理(つまり、q回目の積層処理)を実行してもよい。
<2.2.内部形状補完処理>
上述のとおり、ステップS100において、造形データ生成部93は、モデルデータDatの指定する立体物Objの外面SFの形状の中空部分の一部または全部を補完して、外面SFよりも内側の領域の一部または全部が中実構造となるような断面モデルデータLdatを生成する内部形状補完処理を実行する。
以下では、図11及び図12を参照しつつ、断面モデルデータLdatに基づいて生成される立体物Objの外面SFよりも内側の構造の一例と、外面SFよりも内側の構造を定めて断面モデルデータLdatを生成する内部形状補完処理と、について説明する。
まず、図11を参照しつつ、立体物Objの外面SFよりも内側の構造について説明する。
ここで、図11(A)は、立体物Objの斜視図である。上述のとおり、図11(A)に示す立体物Objは、モデルデータDatの指定する形状の外面SFを有する。また、図11(B)は、図11(A)に示す立体物Objと、当該立体物Objを造形する際に形成される支持部SPと、を示す斜視図である。この図では、支持部SPが2箇所に分かれて形成される場合を例示している。また、図11(C)は、図11(B)に示す立体物Obj及び支持部SPを、直線γ−Γを通りX軸及びY軸に平行な平面で切断したときの断面図である。なお、図11では、図示の都合上、図2及び図3とは異なる形状の立体物Objを造形する場合を想定する。
図11(C)に示すように、立体物造形システム100が造形する立体物Objは、立体物Objの輪郭である外面SFから、立体物Objの内側にむけて順番に、彩色層L1、遮蔽層L2、及び、充填層L3の3層を備え、また、当該3層よりも内側に中空部HLを備える。
ここで、彩色層L1とは、有彩色インクを含むインクにより形成される層であり、立体物Objの色彩を表現するための外面SFを含む層である。また、遮蔽層L2とは、例えば、ホワイトインクを用いて形成される層であり、立体物Objのうち彩色層L1よりも内側部分の色が、彩色層L1を透過して立体物Objの外部から視認されることを防止するための層である。すなわち、彩色層L1及び遮蔽層L2は、立体物Objが表示すべき色彩を正確に表現するために設けられる。以下では、立体物Objのうち、立体物Objが表示すべき色彩を正確に表現するために設けられる彩色層L1及び遮蔽層L2を、立体物Objの外部領域LOUTと称する場合がある。
また、充填層L3とは、立体物Objの強度を確保するために設けられる層であり、原則としてクリアーインクを用いて形成される。以下では、立体物Objのうち、外部領域LOUTよりも内側に設けられる充填層L3及び中空部HLを、立体物Objの内部領域LIN(または、「立体物Objの内部」)と称する場合がある。
なお、本実施形態では、簡単のために、図11(C)に示すように、彩色層L1が略一様な厚さΔL1を有し、遮蔽層L2が略一様な厚さΔL2を有し、充填層L3が略一様な厚さΔL3を有するように、各層が設けられる場合を想定するが、各層の厚さは略一様でなくてもよい。
なお、本明細書において「略一様」や「略同じ」等の表現は、完全に一様または同一である場合の他に、各種誤差を無視すれば一様または同一と看做すことができる場合も含む。また、無視することができる各種誤差には、モデルデータDatの示す形状をボクセルVxの集合として表す場合に生じる離散化誤差を含むこととする。
図12は、内部形状補完処理を実行する場合における造形データ生成部93の動作の一例を示すフローチャートである。
図12に示すように、造形データ生成部93は、まず、モデルデータDatの表す立体物Objのモデルにおいて、立体物Objの外面SFから立体物Objの内側に向かう厚さΔL1の領域を、彩色層L1として定める(S200)。また、造形データ生成部93は、彩色層L1の内側の面から立体物Objの内側に向かう厚さΔL2の領域を、遮蔽層L2として定める(S210)。また、造形データ生成部93は、遮蔽層L2の内側の面から立体物Objの内側に向かう厚さΔL3の領域を、充填層L3として定める(S220)。また、造形データ生成部93は、充填層L3よりも立体物Objの内側の部分を、中空部HLとして定める(S230)。
造形データ生成部93は、上述した内部形状補完処理を実行することにより、図11(C)に例示したような、彩色層L1、遮蔽層L2、及び、充填層L3を有する立体物Objを造形するための断面モデルデータLdatを生成する。
なお、本実施形態に係る立体物Objの内部構造は一例に過ぎず、立体物造形システム100は少なくとも彩色層L1を有する立体物Objを造形可能であればよい。例えば、立体物造形システム100は、彩色層L1のみからなる立体物Objを造形してもよいし、彩色層L1及び充填層L3からなる立体物Objを造形してもよい。
<2.3.支持部形状補完処理>
上述のとおり、ステップS100において、造形データ生成部93は、モデルデータDatの示す形状を補完して、立体物Objの形状及び支持部SPの形状の両方の形状を示す断面モデルデータLdatを生成する処理である、支持部形状補完処理を実行する。
以下では、図11及び図13を参照しつつ、断面モデルデータLdatに基づいて生成される支持部SPの形状の一例と、支持部SPの形状を定めて断面モデルデータLdatを生成する支持部形状補完処理と、について説明する。
図11(A)に示すように、立体物造形システム100が造形する立体物Objは、図において左右(+Y方向及び−Y方向)に2個のオーバーハング部OHを有している。
図11(A)からも明らかなように、2個のオーバーハング部OHの−Z方向には立体物Objを構成する造形体LYが形成されていない。このため、立体物Objを構成する造形体LYのみを積層して立体物Objを造形する場合、各オーバーハング部OHが−Z方向に落下する可能性が生じる。この場合、各オーバーハング部OHを、モデルデータDatにより指定される位置に、正確に形成することは困難である。
これに対して、本実施形態に係る立体物造形システム100は、図11(B)及び(C)に示すように、立体物Objを造形する際に、各オーバーハング部OHの−Z方向に支持部SPを形成する。すなわち、本実施形態では、各オーバーハング部OHの−Z方向に、支持部SPを構成する造形体LYが形成される。この場合、造形処理の実行中に、支持部SPが各オーバーハング部OHを支持するため、造形処理において各オーバーハング部OHが落下することを防止することができる。これにより、本実施形態では、各オーバーハング部OHを、モデルデータDatにより指定される位置に正確に形成することが可能となる。
図13は、支持部形状補完処理を実行する場合における造形データ生成部93の動作の一例を示すフローチャートである。
図13に示すように、造形データ生成部93は、まず、モデルデータDatの指定する外面SFの形状に基づいて、立体物Objにおけるオーバーハング部OHの範囲(すなわち、立体物Objにおけるオーバーハング部OHの位置及び形状)を特定する(S300)。
オーバーハング部OHの特定は、どのような方法により実行してもよい。
例えば、本実施形態に係る造形データ生成部93は、まず、外面SFを複数の領域に区分し、当該複数の領域の各々に着目点を設定する。次に、造形データ生成部93は、外面SFの各着目点における法線ベクトルであって立体物Objの内部から外部に向かう法線ベクトルと、+Z方向を向いたベクトルと、のなす角度が、90度よりも大きい所定の角度以上である場合、立体物Objのうち当該着目点の+Z方向の部分を、オーバーハング部OHとして特定する。
造形データ生成部93は、立体物Objがオーバーハング部OHを有さない場合には、図13に示す支持部形状補完処理を終了させる(図示省略)。
次に、造形データ生成部93は、支持部SPの形状を指定する(S310)。具体的には、造形データ生成部93は、ステップS300において特定したオーバーハング部OHの−Z方向の領域であって、立体物Objの外面SFよりも外側の領域を、支持部SPが形成される領域として指定することで、支持部SPの形状を指定する。
以上のように、本実施形態に係る造形データ生成部93は、ステップS300、S310に示す支持部形状補完処理を実行することにより、支持部SPを形成するための断面モデルデータLdatを生成する。
なお、本実施形態に係る支持部形状補完処理は一例であり、造形データ生成部93は、支持部SPと立体物Objとを一体と看做したときの形状が、オーバーハング形状を有さない形状となるように支持部SPの形状を定めるものであればよい。
<2.4.形成モード決定処理>
上述のとおり、造形データ生成部93は、ステップS110において、立体物造形装置1から供給される残量情報Rに基づいて形成モードを決定する処理である、形成モード決定処理を実行する。以下、形成モード決定処理と、形成モード決定処理において決定される形成モードと、について説明する。
本実施形態に係る立体物造形システム100の立体物造形装置1は、通常形成モード(「第1形成モード」の一例)、代替形成モード(「第2形成モード」の一例)、及び、混合形成モード(「第3形成モード」の一例)、の3つの形成モードにより、支持部SPの形成が可能である。造形データ生成部93が実行する形成モード決定処理とは、立体物造形装置1が造形処理において支持部SPを形成する際の形成モードを、上記3つの形成モードの中から選択する処理である。
ここで、通常形成モードとは、支持部SPの形成に本来用いられるべき支持用インクを用いて、支持部SPを形成する形成モードである。すなわち、通常形成モードにより造形処理が実行される場合には、支持用インクを用いて、支持部SPが形成される。
また、代替形成モードとは、支持部SPの形成に本来用いられるべき支持用インク以外のインクを用いて、支持部SPを形成する形成モードである。すなわち、代替形成モードにより造形処理が実行される場合には、支持用インク以外のインク、すなわち、5色の造形用インクのうち少なくとも1種類のインク(「第2の液体」の一例)を用いて、支持部SPが形成される。
また、混合形成モードとは、支持部SPの形成に本来用いられるべき支持用インクと支持用インク以外のインクとの両方を用いて、支持部SPの全体を形成する形成モードである。すなわち、混合形成モードにより造形処理が実行される場合には、支持用インクと、支持用インク以外のインクとを用いて、支持部SPが形成される。
図14は、造形データ生成部93が実行する形成モード決定処理における、形成モードの選択(決定)についての説明するための説明図である。
この図に示すように、造形データ生成部93は、残量情報Rの示す支持用インクの残量RSPが、「RSP≦α1」を満たす場合、形成モードとして代替形成モードを選択する。なお、基準量α1(「第1基準量」の一例)は、「α1≧0」を満たす値である。
すなわち、造形データ生成部93は、支持用インクの残量RSPが基準量α1以下であり、支持用インクが造形処理の実行中に不足する可能性が高い場合、支持用インク以外のインクにより支持用インクを代用することで支持部SPを形成する代替形成モードを選択する。
また、造形データ生成部93は、残量情報Rの示す支持用インクの残量RSPが、「α1<RSP≦α2」を満たす場合、形成モードとして混合形成モードを選択する。なお、基準量α2(「第2基準量」の一例)は、「α1<α2」を満たす値である。
すなわち、造形データ生成部93は、支持用インクの残量RSPが、基準量α1よりは多いものの、基準量α2以下であり十分な量ではないと判断しうる場合、支持用インクと支持用インク以外のインクとを併用して支持部SPを形成する混合形成モードを選択する。
また、造形データ生成部93は、残量情報Rの示す支持用インクの残量RSPが、「α2<RSP」を満たす場合、形成モードとして通常形成モードを選択する。
すなわち、造形データ生成部93は、支持用インクの残量RSPが、基準量α2よりも多く十分な量であると判断しうる場合、支持部SPの形成に本来用いられることが予定されている支持用インクのみを用いて支持部SPを形成する通常形成モードを選択する。
以上において説明したように、造形データ生成部93は、ステップS110において、通常形成モード、代替形成モード、または、混合形成モードのうち、いずれかの形成モードを選択する。
そして、造形データ生成部93は、上述したステップS120において、ステップS110で選択した形成モードにより支持部SPが形成されるような、造形体データFD[1]〜FD[Q]を生成する。すなわち、造形データ生成部93は、形成モードとして通常形成モードが選択された場合、支持部SPが支持用インクにより形成されるような造形体データFD[q]を生成する。また、造形データ生成部93は、形成モードとして代替形成モードが選択された場合、支持部SPが支持用インク以外のインクにより形成されるような造形体データFD[q]を生成する。また、造形データ生成部93は、形成モードとして混合形成モードが選択された場合、支持部SPが支持用インクと支持用インク以外のインクとの両方により形成されるような造形体データFD[q]を生成する。
なお、形成モードが代替形成モードまたは混合形成モードである場合に、支持部SPを形成するために支持用インクの代替として用いられるインク(以下、「代替インク」と称する場合がある)は、クリアーインクが好ましい。但し、代替インクとしてホワイトインク等の無彩色インクを採用してもよい。
本実施形態に係る造形データ生成部93は、代替インクとして、クリアーインクの残量が所定量以上である場合にはクリアーインクを選択し、クリアーインクの残量が所定量よりも少ない場合には無彩色インクを選択する。
<3.実施形態の結論>
以上において説明したように、本実施形態に係る立体物造形システム100は、造形処理において立体物Objを支持する支持部SPの形成に本来用いられる支持用インクの残量RSPが十分でない場合、支持用インク以外の代替インクを用いて、支持部SPを形成する。このため、支持用インクのみを用いて支持部SPを形成する場合と比較して、支持用インクの不足に起因する造形処理の中断の発生の可能性を低減することができる。
造形処理が中断及び再開を経る場合、造形処理の中断時に実行中の積層処理で積層される造形体LYを構成するドット、及び、造形処理の中断時に実行中の積層処理よりも1つ前の積層処理で積層された造形体LYを構成するドット等は、それ以外のドットと比較して、例えば空気に接する時間が中断から再開までの時間分だけ長くなる。すなわち、この場合には、造形処理の中断により、ドットを硬化させるための硬化時間にばらつきが生じる。このため、立体物Objを構成する複数のドットの間で、硬化の程度にばらつきが生じることがある。この場合、ドット間の硬化の程度のばらつきに起因して、造形される立体物Objに、色むらや、凹凸、強度の低下等の不都合が生じることがある。すなわち、造形処理が中断する場合、造形処理が中断しない場合と比較して、立体物Objの品質が低下する可能性が高くなる。
更に、支持用インクの不足に起因して造形処理が中断する場合、立体物造形システム100の利用者が、造形処理の実行中に、支持用インクに対応するインクカートリッジ48を交換しなければ、造形処理を継続できなくなる。つまり、造形処理において、利用者に支持用インクのインクカートリッジ48の交換作業を強いることになり、造形処理に係る利便性の低下を招くことになる。
これに対して、本実施形態では、支持用インクの不足による造形処理の中断の発生の可能性を低減できるため、造形処理の中断に起因する立体物Objの品質の低下や、造形処理中の支持用インクのインクカートリッジ48の交換作業による利便性の低下等を、抑制できる。
また、本実施形態に係る立体物造形システム100は、支持用インクの残量RSPが基準量α2よりも多く、支持用インクの量に十分な余裕がある場合には、通常形成モードにより造形処理を実行し、残量RSPが基準量α2以下となり、支持用インクの量に十分な余裕がなくなった場合には、混合形成モードにより造形処理を実行し、残量RSPが基準量α1以下となり、造形処理中に支持用インクが枯渇する可能性が高い場合には、代替形成モードにより造形処理を実行する。すなわち、本実施形態では、支持用インクの残量RSPに応じた形成モードにより、造形処理を実行する。
一般的に、支持用インクは、立体物Objを構成するための造形用インクと比較して、コストが低い。このため、本実施形態のように、支持用インクの残量RSPに応じた形成モードにより造形処理を実行することで、造形処理の中断の発生を低く抑えることを可能とするのと同時に、代替インクを使用することに起因するコストの増加を抑制することが可能となる。
<B.変形例>
以上の実施形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。
なお、以下に例示する変形例において作用や機能が実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
<変形例1>
上述した実施形態において、混合形成モードでは、支持部SPの全体が、支持用インクと支持用インク以外の代替インクとの両方を用いて形成されるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、混合形成モードにおいて、支持部SPの一部が、支持用インクまたは支持用インク以外の代替インクの何れか一方で形成されてもよい。
以下、図15を参照しつつ、本変形例に係る混合形成モードで形成された支持部SPについて説明する。
図15は、造形処理により造形された立体物Objと、当該立体物Objを支持するための支持部SPであって、本変形例に係る混合形成モードにより形成された支持部SPとの断面図である。図15に示す立体物Objは、図11に示す立体物Objと同様である。また、図15に示す支持部SPは、接続領域Ar1と非接続領域Ar2とに区分されて形成されている点を除き、図11に示す支持部SPと同様である。
図15に示すように、本変形例に係る造形データ生成部93は、図10のステップS110に示す形成モード決定処理において、形成モードとして混合形成モードを選択した場合、まず、当該支持部SPと、立体物Objとの接触面CFの位置を特定する。次に、本変形例に係る造形データ生成部93は、接触面CFからの距離が所定の距離ΔCF以下の領域を、接続領域Ar1として指定する。また、本変形例に係る造形データ生成部93は、支持部SPのうち接続領域Ar1以外の領域を、非接続領域Ar2として指定する。その後、本変形例に係る造形データ生成部93は、図10のステップS120において、接続領域Ar1を支持用インクのみを用いて形成し、また、非接続領域Ar2を支持用インクと代替インクとの両方を用いて形成することを指定する造形体データFDを生成する。
このように、本変形例に係る立体物造形システム100は、混合形成モードにおいて、支持部SPを接続領域Ar1と非接続領域Ar2とに区分し、接続領域Ar1を支持用インクで形成する。このため、支持部SPの全体を代替インクで形成する場合や、支持部SPの全体を支持用インク及び代替インクの両方を用いて形成する場合と比較して、立体物Objの造形後における、支持部SPと立体物Objとの分離が容易になる。
<変形例2>
上述した実施形態及び変形例において、造形データ生成部93は、造形処理の開始時における支持用インクの残量RSPに基づいて形成モードを決定するが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、形成モードは、造形処理の実行中に支持用インクが欠乏する可能性に応じて定めればよい。
例えば、支持用インクの残量RSPが少ない場合の他に、支持部SPの体積が大きく、造形処理において消費される予定の支持用インクの量が多い場合等においても、造形処理の実行中に支持用インクが欠乏する可能性が高くなる。よって、本変形例では、一例として、支持用インクの残量RSPと、支持部SPの形成に要する支持用インクの消費量WSPと、の双方に基づいて、形成モードを定めることで、支持用インクが欠乏する可能性に応じて形成モードを決定することが可能となる。
図16は、本変形例に係るデータ生成処理を説明するためのフローチャートである。
図16に示す本変形例に係るデータ生成処理は、ステップS110に示す形成モード決定処理の代わりに、ステップS111及びS112に示す形成モード決定処理が実行される点を除き、図10に示す実施形態に係るデータ生成処理と同様である。
図16に示すように、本変形例に係る造形データ生成部93は、データ生成処理において、支持部SPの形成に要する支持用インクの消費量WSPを算出する(S111)。この場合、支持用インクの消費量WSPは、概算値であればよい。例えば、ステップS111において、造形データ生成部93は、断面モデルデータLdat[1]〜Ldat[Q]に基づいて支持部SPの体積を算出し、当該算出結果を用いて支持用インクの消費量WSPを算出してもよい。また、例えば、ステップS111において、造形データ生成部93は、断面モデルデータLdat[1]〜Ldat[Q]をボクセルVxに分解することで、支持部SPを形成する場合に必要となる、支持用インクからなるドットの個数及びサイズを決定することで、支持用インクの消費量WSPを算出してもよい。
次に、造形データ生成部93は、支持用インクの残量RSPと、支持用インクの消費量WSPと、に基づいて、形成モードを決定する(S112)。
図17は、本変形例に係る造形データ生成部93がステップS112で実行する、形成モードの決定についての説明するための説明図である。
この図に示すように、本変形例に係る造形データ生成部93は、支持用インクの残量RSP及び消費量WSPが、「RSP−WSP≦β1」を満たす場合、形成モードとして代替形成モードを選択する。なお、基準量β1(「第1基準量」の他の例)は、「β1≧0」を満たす値である。
また、本変形例に係る造形データ生成部93は、支持用インクの残量RSP及び消費量WSPが、「β1<RSP−WSP≦β2」を満たす場合、形成モードとして混合形成モードを選択する。なお、基準量β2(「第2基準量」の他の例)は、「β1<β2」を満たす値である。
また、本変形例に係る造形データ生成部93は、支持用インクの残量RSP及び消費量WSPが、「β2<RSP−WSP」を満たす場合、形成モードとして通常形成モードを選択する。
以上において説明したように、図16及び図17に示す本変形例に係る形成モード決定処理では、支持用インクの残量RSPに加え、支持用インクの消費量WSPを考慮して形成モードを定めるため、体積の大きい支持部SPを形成する場合であっても、造形処理の実行中に支持用インクが不足する可能性を低く抑えることが可能となる。
<変形例3>
上述した実施形態及び変形例において、立体物造形システム100は、通常形成モード、代替形成モード、及び、混合形成モードの3つの形成モードにより、支持部SPの形成が可能であるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、これらの3つの形成モードのうち、少なくとも2つの形成モードにより、支持部SPの形成が実行可能であればよい。具体的には、立体物造形システム100は、通常形成モード及び代替形成モードにより支持部SPを形成可能であってもよいし、通常形成モード及び混合形成モードにより支持部SPを形成可能であってもよい。
図18及び図19は、本変形例に係る立体物造形システム100が、通常形成モード及び代替形成モードの2つの形成モードにより支持部SPを形成可能な場合における、形成モードの決定を説明するための説明図である。
このうち、図18は、上述した実施形態のように、形成モードを支持用インクの残量RSPに基づいて定める場合を例示している。図18に示すように、本変形例に係る造形データ生成部93は、例えば、支持用インクの残量RSPが、「RSP≦α1」を満たす場合、形成モードとして代替形成モードを選択し、支持用インクの残量RSPが、「α1<RSP」を満たす場合、形成モードとして通常形成モードを選択してもよい。
また、図19は、上述した変形例2のように、形成モードを支持用インクの残量RSP及び消費量WSPに基づいて定める場合を例示している。図19に示すように、本変形例に係る造形データ生成部93は、例えば、支持用インクの残量RSP及び消費量WSPが、「RSP−WSP≦β1」を満たす場合、形成モードとして代替形成モードを選択し、支持用インクの残量RSP及び消費量WSPが、「β1<RSP−WSP」を満たす場合、形成モードとして通常形成モードを選択してもよい。
<変形例4>
上述した実施形態及び変形例において、立体物造形装置1が吐出可能なインクは、3色の有彩色インク、1色の無彩色インク、クリアーインク、及び、支持用インクの、合計6種類のインクであるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、立体物造形装置1は、支持部SPの形成に用いるための所定種類のインク(「第1の液体」の一例)、及び、当該所定種類のインクとは異なる種類の立体物Objの造形に用いるためのインク(「第2の液体」の一例)を含む、少なくとも2種類のインクを吐出可能であればよい。
なお、上述した実施形態及び変形例では、残量情報Rは、複数のインクカートリッジ48の各々に貯蔵されるインクの残量を示すが、残量情報Rは、少なくとも、支持部SPの形成に用いる所定種類のインクの残量を示すものであればよい。
<変形例5>
上述した実施形態及び変形例では、代替インクとして、クリアーインクまたは無彩色インクを例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、代替インクは、立体物造形装置1が吐出可能なインクであれば、どのような種類のインクであってもよい。
<変形例6>
上述した実施形態及び変形例において、立体物造形装置1は、造形用インクを硬化させて形成された造形体LYを積層することで立体物Objの造形と支持部SPの形成とを実行するが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、層状に敷き詰められた粉体を硬化性の造形用インクにより固めることで造形体LYを形成し、形成された造形体LYを積層することで立体物Objの造形と支持部SPの形成とを実行するものであってもよい。
この場合、立体物造形装置1は、造形台45上に粉体を所定の厚さΔZで敷き詰めて粉体層PWを形成するための粉体層形成部(図示省略)と、立体物Obj及び支持部SPの形成後に、立体物Objまたは支持部SPを構成しない粉体(造形用インクにより固められた粉体以外の粉体)を廃棄するための粉体廃棄部(図示省略)と、を備えればよい。なお、以下では、造形体LY[q]を形成するための粉体層PWを、粉体層PW[q]と称する。
図20は、本変形例に係る造形処理を実行する場合の立体物造形システム100の動作の一例を示すフローチャートである。図20に示す本変形例に係る造形処理は、ステップS160の代わりにステップS161及びS162に示す処理を実行する点と、ステップS170における判定結果が肯定である場合にステップS190に示す処理を実行する点と、を除き、図10に示す実施形態に係る造形処理と同様である。
図20に示すように、本変形例に係る制御部6は、粉体層形成部が粉体層PW[q]を形成するように、立体物造形装置1の各部の動作を制御する(S161)。
また、本変形例に係る制御部6は、造形体データFD[q]に基づいて、粉体層PW[q]にドットを形成して造形体LY[q]を形成するように、立体物造形装置1の各部の動作を制御する(S162)。具体的には、制御部6は、ステップS162において、まず、造形体データFD[q]に基づいて、粉体層PW[q]に対して造形用インクまたは支持用インクを吐出させるようにヘッドユニット3の動作を制御する。次に、制御部6は、粉体層PW[q]に対して吐出されたインクにより形成されたドットを硬化させることで、粉体層PW[q]のうちドットが形成された部分の粉体を固めるように、硬化ユニット61の動作を制御する。これにより、粉体層PW[q]の粉体がインクにより固められ、造形体LY[q]を形成することができる。
また、本変形例に係る制御部6は、立体物Objが造形された後、立体物Objを構成しない粉体を廃棄するように粉体廃棄部の動作を制御する(S190)。
図21は、本変形例に係るモデルデータDat及び断面モデルデータLdat[q]と、造形体データFD[q]と、粉体層PW[q]と、造形体LY[q]と、の関係を説明するための説明図である。
このうち、図21(A)及び(B)は、図2(A)及び(B)と同様、断面モデルデータLdat[1]及びLdat[2]を例示している。本変形例においても、モデルデータDatをスライスすることで断面モデルデータLdat[q]を生成し、断面モデルデータLdat[q]から造形体データFD[q]を生成し、そして、造形体データFD[q]に基づいて形成されたドットにより造形体LY[q]を形成する。以下、図21(C)乃至(F)を参照しつつ、本変形例に係る造形体LY[q]の形成について、造形体LY[1]及びLY[2]を例示して説明する。
図21(C)に示すように、制御部6は、造形体LY[1]の形成に先立ち、所定の厚さΔZの粉体層PW[1]を形成するように粉体層形成部の動作を制御する(上述したステップS161参照)。
次に、制御部6は、図21(D)に示すように、粉体層PW[1]内に造形体LY[1]が形成されるように、立体物造形装置1の各部の動作を制御する(上述したステップS162参照)。具体的には、制御部6は、まず、造形体データFD[1]に基づいてヘッドユニット3の動作を制御することで、粉体層PW[1]にインクを吐出させてドットを形成する。次に、制御部6は、粉体層PW[1]に形成したドットを硬化させるように、硬化ユニット61の動作を制御することで、ドットが形成されている部分の粉体を固め、造形体LY[1]を形成する。
その後、制御部6は、図21(E)に示すように、粉体層PW[1]及び造形体LY[1]の上に、所定の厚さΔZの粉体層PW[2]を形成するように粉体層形成部を制御する。さらに、制御部6は、図21(F)に示すように、造形体LY[2]が形成されるように、立体物造形装置1の各部の動作を制御する。
このように、制御部6は、造形体データFD[q]に基づいて、粉体層PW[q]内に造形体LY[q]を形成し、当該造形体LY[q]を積層させていくことで、立体物Obj及び支持部SPを形成する。
<変形例7>
上述した実施形態及び変形例において、吐出部Dから吐出されるインクは、紫外線硬化型インク等の硬化性インクであるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂等からなるインクであってもよい。
この場合、インクは、吐出部Dにおいて加熱された状態で吐出されることが好ましい。すなわち、本変形例に係る吐出部Dは、キャビティ320に設けられた発熱体(図示省略)を発熱させることでキャビティ320内に気泡を生じさせてキャビティ320の内側の圧力を高め、これによりインクを吐出させる、所謂サーマル方式の吐出であることが好ましい。
また、この場合、吐出部Dから吐出されたインクは外気により冷却されて硬化するため、立体物造形装置1は、硬化ユニット61を具備しなくてもよい。
<変形例8>
上述した実施形態及び変形例において、立体物造形装置1が吐出可能なドットのサイズは、小ドット、中ドット、及び、大ドットの3種類であるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、立体物造形装置1が吐出可能なドットのサイズは1種類以上あればよい。
<変形例9>
上述した実施形態及び変形例において、造形データ生成部93はホストコンピューター9に設けられるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、造形データ生成部93は立体物造形装置1に設けられるものであってもよい。例えば、造形データ生成部93は、制御部6が制御プログラムに従って動作すること実現される機能ブロックとして実装されてもよい。
立体物造形装置1が造形データ生成部93を備える場合、立体物造形装置1は、立体物造形装置1の外部から供給されるモデルデータDatに基づいて造形体データFDを生成し、更に、生成した造形体データFDに基づいて立体物Objを造形することができる。
<変形例10>
上述した実施形態及び変形例において、立体物造形システム100はモデルデータ生成部92を備えるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、立体物造形システム100がモデルデータ生成部92を含まずに構成されてもよい。
つまり、立体物造形システム100は、立体物造形システム100の外部から供給されるモデルデータDatに基づいて、立体物Objを造形するものであればよい。
<変形例11>
上述した実施形態及び変形例において、駆動波形信号Comは、波形PL1〜PL3を有する信号であるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、駆動波形信号Comは、少なくとも1種類のサイズのドットに対応する量のインクを吐出部Dから吐出させることが可能な波形を有する信号であれば、どのような信号であってもよい。例えば、駆動波形信号Comは、インクの種類に応じて異なる波形としてもよい。
また、上述した実施形態及び変形例において、波形指定信号SI[m]のビット数は2ビットであるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、波形指定信号SI[m]のビット数は、吐出部Dから吐出されたインクにより形成されるドットのサイズの種類数に応じて、適宜定めればよい。
1…立体物造形装置、3…ヘッドユニット、6…制御部、7…位置変化機構、9…ホストコンピューター、30…記録ヘッド、31…駆動信号生成部、45…造形台、60…記憶部、61…硬化ユニット、62…残量情報出力部、92…モデルデータ生成部、93…造形データ生成部、100…立体物造形システム、101…システム制御部、D…吐出部、N…ノズル。

Claims (11)

  1. 立体物を造形する際に前記立体物を支持する支持部を形成するための第1の液体、及び、前記立体物を造形するための第2の液体を含む複数種類の液体を吐出可能であり、
    吐出した前記液体によりドットを形成可能なヘッドユニットと、
    前記ドットを硬化させる硬化ユニットと、
    を備え、
    硬化した前記ドットにより前記支持部を形成して前記立体物を造形可能な立体物造形装置であって、
    前記第1の液体からなる複数のドットにより前記支持部を形成する第1形成モードと、
    前記第1の液体からなるドットを含まず、前記第2の液体からなるドットを含む、複数のドットにより前記支持部を形成する第2形成モードと、
    を含む複数の形成モードにより、前記支持部を形成可能である、
    ことを特徴とする、立体物造形装置。
  2. 前記複数の形成モードは、
    前記第1の液体からなるドット、及び、前記第2の液体からなるドット、を含む複数のドットにより前記支持部を形成する、第3形成モードを含む、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の立体物造形装置。
  3. 前記第1の液体を貯蔵する貯蔵部と、
    前記貯蔵部に貯蔵される前記第1の液体の残量を示す残量情報を出力する出力部と、
    を備え、
    前記残量情報の示す前記第1の液体の残量が第1基準量以下の場合、
    前記第2形成モードにより前記支持部を形成する、
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の立体物造形装置。
  4. 前記第1の液体を貯蔵する貯蔵部と、
    前記貯蔵部に貯蔵される前記第1の液体の残量を示す残量情報を出力する出力部と、
    を備え、
    前記残量情報の示す前記第1の液体の残量から、前記支持部の形成に要する前記第1の液体の消費量を減算した量が、第1基準量以下の場合、
    前記第2形成モードにより前記支持部を形成する、
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の立体物造形装置。
  5. 立体物を造形する際に前記立体物を支持する支持部を形成するための第1の液体、及び、前記立体物を造形するための第2の液体を含む複数種類の液体を吐出可能であり、
    吐出した前記液体によりドットを形成可能なヘッドユニットと、
    前記ドットを硬化させる硬化ユニットと、
    を備え、
    硬化した前記ドットにより前記支持部を形成して前記立体物を造形可能な立体物造形装置であって、
    前記第1の液体からなる複数のドットにより前記支持部を形成する第1形成モードと、
    前記第1の液体からなるドット、及び、前記第2の液体からなるドット、を含む複数のドットにより前記支持部を形成する第3形成モードと、
    を含む複数の形成モードにより、前記支持部を形成可能である、
    ことを特徴とする、立体物造形装置。
  6. 前記第1の液体を貯蔵する貯蔵部と、
    前記貯蔵部に貯蔵される前記第1の液体の残量を示す残量情報を出力する出力部と、
    を備え、
    前記残量情報の示す前記第1の液体の残量が第2基準量よりも多い場合、
    前記第1形成モードにより前記支持部を形成し、
    前記残量情報の示す前記第1の液体の残量が前記第2基準量以下の場合、
    前記第3形成モードにより前記支持部を形成する、
    ことを特徴とする、請求項2または5に記載の立体物造形装置。
  7. 前記第1の液体を貯蔵する貯蔵部と、
    前記貯蔵部に貯蔵される前記第1の液体の残量を示す残量情報を出力する出力部と、
    を備え、
    前記残量情報の示す前記第1の液体の残量から、前記支持部の形成に要する前記第1の液体の消費量を減算した量が、第2基準量よりも多い場合、
    前記第1形成モードにより前記支持部を形成し、
    前記残量情報の示す前記第1の液体の残量から、前記支持部の形成に要する前記第1の液体の消費量を減算した量が、前記第2基準量以下の場合、
    前記第3形成モードにより前記支持部を形成する、
    ことを特徴とする、請求項2または5に記載の立体物造形装置。
  8. 前記第2の液体は、
    当該第2の液体に含まれる色材成分の重量比が所定値以下の液体である、
    ことを特徴とする、請求項1乃至7のうち何れか1項に記載の立体物造形装置。
  9. 立体物を造形する際に前記立体物を支持する支持部を形成するための第1の液体、及び、前記立体物を造形するための第2の液体を含む複数種類の液体を吐出可能であり、
    吐出した前記液体によりドットを形成可能なヘッドユニットと、
    前記ドットを硬化させる硬化ユニットと、
    を備え、
    硬化した前記ドットにより前記支持部を形成して前記立体物を造形可能な立体物造形装置の制御方法であって、
    前記第1の液体からなる複数のドットにより前記支持部を形成する第1形成モードと、
    前記第1の液体からなるドットを含まず、前記第2の液体からなるドットを含む、複数のドットにより前記支持部を形成する第2形成モードと、
    を含む複数の形成モードのうち、一の形成モードにより、
    前記支持部を形成するように、前記ヘッドユニットを制御する、
    ことを特徴とする、立体物造形装置の制御方法。
  10. 立体物を造形する際に前記立体物を支持する支持部を形成するための第1の液体、及び、前記立体物を造形するための第2の液体を含む複数種類の液体を吐出可能であり、
    吐出した前記液体によりドットを形成可能なヘッドユニットと、
    前記ドットを硬化させる硬化ユニットと、
    コンピューターと、
    を備え、
    硬化した前記ドットにより前記支持部を形成して前記立体物を造形可能な立体物造形装置の制御プログラムであって、
    前記コンピューターを、
    前記第1の液体からなる複数のドットにより前記支持部を形成する第1形成モードと、
    前記第1の液体からなるドットを含まず、前記第2の液体からなるドットを含む、複数のドットにより前記支持部を形成する第2形成モードと、
    を含む複数の形成モードのうち、一の形成モードにより、
    前記支持部を形成するように、前記ヘッドユニットを制御する制御部として機能させる、
    ことを特徴とする、立体物造形装置の制御プログラム。
  11. 立体物を造形する際に前記立体物を支持する支持部を形成するための第1の液体、及び、前記立体物を造形するための第2の液体を含む複数種類の液体を吐出可能であり、
    吐出した前記液体によりドットを形成可能なヘッドユニットと、
    前記ドットを硬化させる硬化ユニットと、
    硬化した前記ドットにより前記支持部を形成して前記立体物を造形するように、
    前記ヘッドユニットの動作を制御するシステム制御部と、
    を備え、
    前記システム制御部は、
    前記第1の液体からなる複数のドットにより前記支持部を形成する第1形成モードと、
    前記第1の液体からなるドットを含まず、前記第2の液体からなるドットを含む、複数のドットにより前記支持部を形成する第2形成モードと、
    を含む複数の形成モードの中から、一の形成モードを選択し、
    前記一の形成モードにより、前記ヘッドユニットの動作を制御する、
    ことを特徴とする、立体物造形システム。
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