JP2016098252A - 樹脂製品の金属汚れ用洗浄液組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂製品に付着した金属汚れを洗浄し除去できる、樹脂に対する損傷が殆ど無く、ハロゲン元素やアルカリ金属元素等を実質的に含まない、FOUPやFOSBの様な半導体ウェーハ(基板)を収納し搬送する為に使用される基板収納容器の洗浄に用いることができる樹脂製品の金属汚れ用の洗浄剤組成物の提供。
【解決手段】樹脂製品の表面に付着した金属汚れを除去して清浄化する為の、樹脂製品の金属汚れ用洗浄剤組成物であり、洗浄剤成分として、過硫酸の窒素塩基塩類及び/又はスルフォン酸の窒素塩基塩類とを含み、組成物中にハロゲン元素を実質的に含まない金属汚れ用洗浄剤組成物。前記過硫酸の窒素塩基塩類が、過硫酸アンモニウムと過硫酸ナトリウムから選ばれた1種又は2種以上の混合物であり、前記スルフォン酸の窒素塩基塩類がスルファミン酸とスルファミン酸アンモニウムから選ばれた1種又は2種以上の混合物である金属汚れ用洗浄剤組成物。
【選択図】なし
【解決手段】樹脂製品の表面に付着した金属汚れを除去して清浄化する為の、樹脂製品の金属汚れ用洗浄剤組成物であり、洗浄剤成分として、過硫酸の窒素塩基塩類及び/又はスルフォン酸の窒素塩基塩類とを含み、組成物中にハロゲン元素を実質的に含まない金属汚れ用洗浄剤組成物。前記過硫酸の窒素塩基塩類が、過硫酸アンモニウムと過硫酸ナトリウムから選ばれた1種又は2種以上の混合物であり、前記スルフォン酸の窒素塩基塩類がスルファミン酸とスルファミン酸アンモニウムから選ばれた1種又は2種以上の混合物である金属汚れ用洗浄剤組成物。
【選択図】なし
Description
この発明は、樹脂製品に付着した金属元素を洗浄し除去するための洗浄剤組成物に関し、好適には、半導体の製造工程で基板(ウェーハ)を収納して搬送するために使用される樹脂製の基板収納容器に付着した金属元素を洗浄し除去するために用いられる金属汚れ用洗浄剤組成物に関するものである。
近年、半導体の製造にあたり、基板であるウェーハはますます大口径化すると共に高集積化による微細化も進み、それにより搬送には高度なクリーン度が要求されている。このようなウェーハを収納したり搬送したりするために用いられる容器(以下、これを「基板収納容器」や、単に「容器」などと呼ぶ。)としては、従来から半導体デバイスメーカーにウェーハを納入するためのFOSB(Front Opening Shipping Box)や、半導体デバイスメーカーにおいてウェーハ処理プロセスの工程内でウェーハを収納し、処理する工程間でのハンドリング用として使用されるFOUP(Front Opening Unified Pod)が知られており、これらを用いてウェーハの収納・搬送におけるパーティクルの侵入防止や化学的な汚染防止などが図られている。
ところで、半導体の製造工程には金属めっきや金属スパッタリングなどのような金属元素を用いる工程がいくつか存在するため、そのような工程を経て製造されるウェーハ上には、回路の素材となる銅やアルミニウムなど必要な金属薄膜が形成されている。そのため、このような金属薄膜を持つウェーハを前記の基板収納容器に収納したり取り出したりする操作を何度も繰り返し行うと、ウェーハと容器内部とが擦れて容器内部に金属不純物の汚れが生じてしまう。また、この他にも、半導体の製造工程において、不純物となる金属元素を完全に除去できずに一部はウェーハに付着している場合もあり、このような金属不純物が付着したウェーハを前記の収納容器に収納したり取り出したりする操作を何度も繰り返し行うと、金属不純物が容器内部に付着して残留してしまい、容器内部が汚染されてしまう。そして、容器内部が一度汚染されてしまうと、これに清浄なウェーハを収納した場合には、清浄なウェーハも二次的に汚染されてしまい、汚染されたウェーハが半導体の製造工程に投入されることになり、結果として半導体製造プロセスにおける歩留まりを劣化させたり、不良な製品として製造されたりするおそれがある。
そのため、ウェーハの収納・搬送に用いられる容器は、何度か使用された後には定期的に交換されるか、或いは洗浄して容器内部が清浄な状態に保たれていることが必要とされており、定期交換は高コストとなることから、通常は洗浄する方法が選択されている。基板収納容器の洗浄については、従来から、いくつかの方法や装置が提案されており、内部構造が複雑なFOUPやFOSBにおいても、主にパーティクルを洗浄して除去した後に容器内部を乾燥させる方法が開示されており(例えば、特許文献1〜3を参照)、また、金属汚れに対する洗浄方法についても開示されている(例えば、特許文献4又は5を参照)。
しかしながら、FOUPやFOSBのような搬送容器の内部は、例えばポリカーボネートやポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの樹脂が用いられていることから、これらの樹脂に前記の金属不純物が一部は突き刺さる等して固着しており、十分に除去することが難しいことがわかっている。事実、これら特許文献1〜5の方法では、いずれも具体的にはどのような金属元素がどの程度除去できるかどうかまでは開示されておらず、その実際の有効性については確認されていない。また、使用される洗浄液(薬液)について、特許文献2〜4では如何なるものが用いられているか明示されていないが、特許文献1及び特許文献5では、一部に樹脂をエッチング又は溶解できる薬液が使用されており、容器内部の洗浄のために樹脂をエッチングでき又は溶解できる前記の薬液を使用すると、容器内部の樹脂を傷めてしまい、その耐用年数を縮めてしまう。さらに、塩酸やフッ酸などの、ハロゲン元素を含む水溶液を用いた場合には、容器内にハロゲン元素が残存し、この残存したハロゲン元素がウェーハ上の配線等にコロージョン(腐食)をもたらすことがあり、不良品を製造する原因となるといった問題も有る。
一方、前記のような基板収納容器の洗浄用途には限られずに、電子材料の表面などに付着した微小なパーティクルや金属元素を除去する方法や(例えば、特許文献6及び7を参照)、ガラスをエッチングする洗浄剤やそれを用いたエッチング方法が開示されているものの(例えば、特許文献8〜10を参照)、これらの方法で使用される洗浄剤は、いずれもハロゲン元素などが含まれ、それ自体が半導体製造プロセスにとって汚染物質になり、また、環境上の負荷が大きいものであるため、半導体製造工程での使用は避けられていた。そのため、樹脂製品に固着している金属不純物(金属汚れ)を十分に除去できると共に、樹脂製品に対しては損傷を与えることなく、尚且つ半導体製造工程で使用される基板収納容器内部の樹脂製品などにも使用できるようにハロゲン元素などを含まない洗浄剤が望まれていた。
そこで、本発明者らは、半導体ウェーハを収納し搬送するための基板収納容器であるFOUPやFOSBの洗浄にも使用できる樹脂製品の金属汚れ用の洗浄剤組成物について鋭意検討した結果、洗浄剤成分として過硫酸の窒素塩基塩類及び/又はスルフォン酸の窒素塩基塩類を含むことにより、樹脂に固着した種々の金属元素を洗浄して除去できると共に、樹脂に対しては損傷を与えることなく、尚且つハロゲン元素などを実質的に含まない金属汚れ用の洗浄剤組成物を見出し、本発明を完成させた。
従って、本発明の目的は、樹脂製品の表面に付着している金属汚れを十分に除去できると共に、樹脂に対しては損傷を与えることなく、尚且つハロゲン元素などを実質的に含まない樹脂製品の金属汚れ用の洗浄剤組成物を提供することにある。
すなわち、本発明は、樹脂製品の表面に付着した金属汚れを除去して清浄化するための、樹脂製品の金属汚れ用洗浄剤組成物であり、
洗浄剤成分として、過硫酸の窒素塩基塩類及び/又はスルフォン酸の窒素塩基塩類を含み、
組成物中にハロゲン元素を実質的に含まないことを特徴とする樹脂製品の金属汚れ用洗浄剤組成物である。
洗浄剤成分として、過硫酸の窒素塩基塩類及び/又はスルフォン酸の窒素塩基塩類を含み、
組成物中にハロゲン元素を実質的に含まないことを特徴とする樹脂製品の金属汚れ用洗浄剤組成物である。
本発明においては、前記過硫酸の窒素塩基塩類が、過硫酸アンモニウム〔(NH4)2S2O8〕、過硫酸ナトリウム〔Na2S2O8〕から選ばれた1種又は2種以上の混合物であることが好ましい。
また、本発明においては、前記スルフォン酸の窒素塩基塩類がスルファミン酸〔HOSO2NH2〕、スルファミン酸アンモニウム〔NH4OSO2NH2〕から選ばれた1種又は2種以上の混合物であることが好ましい。
また、本発明において、前記樹脂製品が、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、硬質塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から選ばれたいずれかの合成樹脂製の製品であることが好ましい。
また、本発明において、樹脂表面の金属汚れが、半導体の製造工程で使用されるウェーハ表面に付着した金属汚染に起因するものであることが好ましい。
また、本発明において、前記樹脂表面の金属汚れが、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)及びマグネシウム(Mg)から選ばれたいずれか1種又は2種以上の金属元素を含むことが好ましい。
更に、本発明において、前記樹脂製品が、半導体の製造工程で基板を収納して搬送するために使用される基板収納容器であることが好ましい。
本発明の洗浄剤組成物によれば、樹脂に付着した金属不純物(金属汚れ)を十分に除去できると共に、樹脂に対する損傷もほとんど無く、尚且つハロゲン元素などを実質的に含まないことから、FOUPやFOSBのような半導体ウェーハ(基板)を収納し搬送するために使用される基板収納容器の洗浄に好適に用いることができる。すなわち、FOUPやFOSBの金属汚染から派生する半導体製造工程の歩留りの劣化を抑え、また、不良製品の発生を防止することができるので、単位チップあたりの製造コストの削減ができ、安価で製造することができる。また、樹脂製品を洗浄することにより再利用することができるので、定期交換などの無駄をなくすことができ、限りある資源を有効に活用することができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの記載に限定されるものではなく、以下の例示以外についても、本発明の主旨を損なわない範囲で適宜変更して実施し得る。
本発明において、金属汚れを除去する対象となる樹脂製品としては、樹脂材料を主成分とした製品全般を指し、用途により適宜選定することが可能であり特に限定はされないが、特に、半導体の製造工程で基板を収納して搬送するために使用される基板収納容器(例えば、FOSBやFOUPなど)を対象とする。例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリウレタン(PUR)、テフロン(登録商標)、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂などの汎用プラスチックや、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエステルなどのエンジニアリングプラスチックや、非晶ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、フッ素樹脂、液晶ポリマー(LCP)などのスーパーエンジニアリングプラスチックが挙げられる。また、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタンなどの熱硬化性樹脂でもよい。更には、これらを複数組み合わせて使用した複合材料でもよい。この中でも、半導体用途への使用実績から、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)から選ばれたいずれかの合成樹脂製の製品であることが好ましい。
本発明において、金属汚れとは、半導体の製造工程で使用される金属に起因したものや、不可避的に外部から持ち込まれた極微量の金属に起因したものも含まれる。前述の通り、半導体の製造工程では、ウェーハに対して回路の素材となる銅やアルミニウムなど必要な金属薄膜が形成されており、このような金属薄膜を持つウェーハと基板収納容器内部とが接触して擦れることにより、容器内部に金属不純物の汚れが生じてしまう。また、この他にも、半導体の製造工程において、不可避的に不純物となる金属元素が完全に除去されずに、一部はウェーハに付着している場合もある。本発明においては、洗浄の対象とする金属汚れの成分元素としては、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、などが挙げられる。特に、半導体の製造工程において問題となる金属汚れ(金属元素)としては、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)が挙げられる。これらの金属汚れについては、通常は、ウエーハ上に、酸化物や単体の状態で存在していることが多い。このような金属汚れは、通常は、硬く鋭利な金属片の形状を有していることから、樹脂製品に付着した場合には、樹脂表面に突き刺さって固着してしまい、通常の温水や酸、塩基を用いた比較的温和な洗浄方法では、完全に除去することが難しく、半導体製造工程の歩留まりを劣化させたり、不良な製品として製造されたりするおそれがある。
そして、前記のように樹脂表面に付着・固着してしまった金属汚れを除去するため、本発明においては、過硫酸の窒素塩基塩類及び/又はスルフォン酸の窒素塩基塩類を含む洗浄剤組成物を使用する。これらを併用することにより、前記の金属汚れが複数種類樹脂表面に付着している場合でも十分な洗浄及び除去をすることができる。
このような、過硫酸の窒素塩基塩類としては、好ましくは40質量%以下、より好ましくは0.01〜40質量%、更に好ましくは4〜30質量%である。40質量%よりも多い場合には作用効果の上昇程度が小さくなり、飽和してしまう傾向がある。また、スルフォン酸の窒素塩基塩類としては、好ましくは25質量%以下、より好ましくは0.01〜25質量%、更に好ましくは6〜12質量%である。25質量%よりも多い場合には作用効果の上昇程度が小さくなり、飽和してしまう傾向がある。
本発明における金属汚れ用洗浄剤組成物は、その組成物中に、その調製時などにおいて不可避的に混入することがある極微量のハロゲン元素以外に、ハロゲン元素は実質的に含まれないことが必要である。ハロゲン元素がウェーハや基板収納容器に残存し、これにより製造工程内に持ち込まれると、ウェーハ上の配線等にコロージョン(腐食)をもたらすことがあり、不良品を製造する原因となる場合が有る。また、特に、半導体の製造工程で基板を収納して搬送するために使用される基板収納容器(例えば、FOSBやFOUPなど)の洗浄の用途として本発明の洗浄剤組成物を使用する際には、その調製時などにおいて不可避的に混入することがある極微量のアルカリ金属元素以外に、アルカリ金属元素は実質的に含まれないことが好ましい。アルカリ金属元素については、これが製造工程内に持ち込まれると、絶縁部の導通により、ショートの原因となる場合があるため好ましくない。なお、実際の使用時には、本発明の洗浄剤組成物を用いた金属汚れの洗浄除去工程の後に、純水による洗浄などを更に行なうことが多いことから、仮に、洗浄剤組成物中にアルカリ金属などが含まれている場合でも、前記の純水洗浄により除去されるため、被洗浄物に残留する量は極僅かである。
前記の過硫酸の窒素塩基塩類としては、過硫酸アンモニウム〔(NH4)2S2O8〕、過硫酸ナトリウム〔Na2S2O8〕を1種単独で、或いは2種以上を混合して使用することが好ましい。洗浄ターゲットを、Zn, Fe, Cu, Niのうち1種または2種以上の金属とする場合には、過硫酸アンモニウム〔(NH4)2S2O8〕を使用する。上記のほか、過硫酸テトラブチルアンモニウム〔(NC4H9)2S2O8〕、過硫酸カリウム〔K2S2O8〕、過硫酸テトラブチルアンモニウム〔(NC4H9)2S2O8〕、過硫酸水素テトラブチルアンモニウム〔(NC4H9)HS2O8〕、を使用することもできる。
また、前記スルフォン酸の窒素塩基塩類としては、スルファミン酸〔HOSO2NH2〕、スルファミン酸アンモニウム〔NH4OSO2NH2〕、を1種単独で、或いは2種以上を混合して使用することが好ましい。洗浄ターゲットを、Al, Zn, Feのうち1種または2種以上の金属とする場合には、スルファミン酸〔HOSO2NH2〕を使用する。洗浄ターゲットを、Zn, Fe, Cu, Mgのうち1種または2種以上の金属とする場合には、スルファミン酸アンモニウム〔NH4OSO2NH2〕を使用する。上記のほか、スルファミン酸グアニジン〔C(N3H5)・OSO2NH2〕、N−シクロヘキシルスルファミン酸〔HOSO2NHC6H11〕、スルファミン酸アンモニウム〔NH4OSO2NH2〕、メチルスルファミン酸〔HOSO2NHCH3〕、ブチルスルファミン酸〔HOSO2NHC4H9〕、N−シクロヘキシルスルファミン酸〔HOSO2NHC6H11〕、N−シクロヘキシルスルファミン酸ナトリウム〔NaOSO2NHC6H11〕を使用することもできる。
本発明の洗浄剤組成物においては、洗浄の対象とする金属汚れに応じて、過硫酸の窒素塩基塩類とスルフォン酸の窒素塩基塩類とのうち、それぞれを単独で使用してもよく、また、これらを混合物として使用しても良い。好ましくは、洗浄可能となる金属種が多くなる点において、過硫酸の窒素塩基塩類とスルフォン酸の窒素塩基塩類とを混合して使用することがよい。
本発明の洗浄剤組成物においては、溶媒として、実質的にハロゲン元素及びアルカリ金属元素を含まない水、最高温度として70℃の温水、界面活性剤などを含むことができる。また、必要により、メタノール、エタノール等の有機溶剤を、必要な割合で添加してもよい。
本発明における洗浄剤組成物のpHは、0.5〜3.0であることが好ましい。pHが3.0より中性に近い場合には、金属の溶解速度が小さくなる傾向がある。
また、本発明における金属汚れ用洗浄剤組成物には、必要に応じて、界面活性剤などの添加剤を、別途含有させることができる。このような添加剤は、洗浄剤組成物の洗浄力や安定性を損なわない範囲で使用されることが好ましい。
本発明の金属汚れ用洗浄剤組成物を使用した金属汚れの洗浄方法としては、浸漬、流水、ジェット吹付け、などが挙げられる。また、金属汚れの洗浄を行なった後には、それに引き続き、実質的にハロゲン元素及びアルカリ金属元素を含まない純水などを用いて被洗浄物を洗浄することが好ましい。
また、本発明の洗浄剤組成物は、その使用時には温度0〜70℃であることが好ましい。温度が0℃より小さいと、薬液が凍結するという問題があり、一方で、温度が70℃より大きい場合には、樹脂へのダメージが懸念されるという問題があるため好ましくない。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明の好適な実施形態を具体的に説明する。
[実施例1〜9及び比較例1]
「洗浄剤組成物の調整」
純水に、過硫酸の窒素塩基塩類とスルフォン酸の窒素塩基塩類とを混合し、以下の表1の通りの組成により、実施例1〜9及び比較例1に係る浄剤組成物を調製した。
「洗浄剤組成物の調整」
純水に、過硫酸の窒素塩基塩類とスルフォン酸の窒素塩基塩類とを混合し、以下の表1の通りの組成により、実施例1〜9及び比較例1に係る浄剤組成物を調製した。
<金属溶解性の評価>
得られた実施例1〜9及び比較例1の洗浄剤組成物、Al、Zn、Fe、Cu、Ni、Mg及びSiの各金属片(純度99%以上、幅:1cm、長さ:1cm、厚み:0.01cm)を浸漬させ、温度23℃で10分間静置した。その後、各金属片の重量変化と原子量から、1分間あたりのエッチング量(μm/分)を算出した。評価基準は以下の通りである。
○:金属片の溶解速度が0.01μm/分以上である
×:金属片の溶解速度が0.01μm/分未満である。
得られた実施例1〜9及び比較例1の洗浄剤組成物、Al、Zn、Fe、Cu、Ni、Mg及びSiの各金属片(純度99%以上、幅:1cm、長さ:1cm、厚み:0.01cm)を浸漬させ、温度23℃で10分間静置した。その後、各金属片の重量変化と原子量から、1分間あたりのエッチング量(μm/分)を算出した。評価基準は以下の通りである。
○:金属片の溶解速度が0.01μm/分以上である
×:金属片の溶解速度が0.01μm/分未満である。
<樹脂ダメージの評価(通常評価)>
得られた実施例1〜9及び比較例1の洗浄剤組成物に、ポリカーボネート(PC)及びポリエーテルエーテルケトン(PEEK)の各樹脂片(幅:1cm、長さ:1cm、厚み:0.1cm)を浸漬させ、温度23℃で120時間静置した。その後、各樹脂片の表面状態の変化を目視で観察した。また、重量変化を測定した。評価基準は以下の通りである。
○:表面状態変化なし、重量変化0.05%未満
△:表面状態変化あり、重量変化0.05%未満
×:表面状態変化あり、重量変化0.05%以上
得られた実施例1〜9及び比較例1の洗浄剤組成物に、ポリカーボネート(PC)及びポリエーテルエーテルケトン(PEEK)の各樹脂片(幅:1cm、長さ:1cm、厚み:0.1cm)を浸漬させ、温度23℃で120時間静置した。その後、各樹脂片の表面状態の変化を目視で観察した。また、重量変化を測定した。評価基準は以下の通りである。
○:表面状態変化なし、重量変化0.05%未満
△:表面状態変化あり、重量変化0.05%未満
×:表面状態変化あり、重量変化0.05%以上
<樹脂ダメージの評価(促進評価)>
得られた実施例1〜9及び比較例1の洗浄剤組成物に、ポリカーボネート(PC)及びポリエーテルエーテルケトン(PEEK)の各樹脂片(幅:1cm、長さ:1cm、厚み:0.1cm)を浸漬させ、60〜70℃に加熱し、336時間静置した。その後、表面状態の変化を目視で観察した。また、重量変化を測定した。評価基準は以下の通りである。
○:表面状態変化なし、重量変化0.05%未満
△:表面状態変化あり、重量変化0.05%未満
×:表面状態変化あり、重量変化0.05%以上
得られた実施例1〜9及び比較例1の洗浄剤組成物に、ポリカーボネート(PC)及びポリエーテルエーテルケトン(PEEK)の各樹脂片(幅:1cm、長さ:1cm、厚み:0.1cm)を浸漬させ、60〜70℃に加熱し、336時間静置した。その後、表面状態の変化を目視で観察した。また、重量変化を測定した。評価基準は以下の通りである。
○:表面状態変化なし、重量変化0.05%未満
△:表面状態変化あり、重量変化0.05%未満
×:表面状態変化あり、重量変化0.05%以上
<金属汚れ除去性能の評価>
基板収納容器(FOUP)等に金属が付着した状態を再現するため、ポリカーボネート(PC)の樹脂片(幅:1cm、長さ:1cm、厚み:0.01cm)に鉄(Fe)の金属粉末(50〜100μm程度)を、樹脂片の表面に刷り込んで、金属粉末を樹脂片の表面に固着させた(これを、「洗浄前」と呼ぶ。)。その後、金属粉末が固着された樹脂片上に実施例1に係る洗浄剤組成物を滴下し、1時間静置した(以下、これを「洗浄後」と呼ぶ。)。洗浄前及び洗浄後のそれぞれの樹脂片の表面を走査型電子顕微鏡〔SEM、日本電子(株)社製、JSM-5800LV〕で金属の除去具合、樹脂の表面状態を観察した。結果を図1及び図2に示す。
図1、図2に示す結果から明らかなように、本発明の実施例1に係る洗浄剤組成物によれば、樹脂片にダメージを与えずに、樹脂表面に固着された金属粉末だけを除去できることが判明した。
基板収納容器(FOUP)等に金属が付着した状態を再現するため、ポリカーボネート(PC)の樹脂片(幅:1cm、長さ:1cm、厚み:0.01cm)に鉄(Fe)の金属粉末(50〜100μm程度)を、樹脂片の表面に刷り込んで、金属粉末を樹脂片の表面に固着させた(これを、「洗浄前」と呼ぶ。)。その後、金属粉末が固着された樹脂片上に実施例1に係る洗浄剤組成物を滴下し、1時間静置した(以下、これを「洗浄後」と呼ぶ。)。洗浄前及び洗浄後のそれぞれの樹脂片の表面を走査型電子顕微鏡〔SEM、日本電子(株)社製、JSM-5800LV〕で金属の除去具合、樹脂の表面状態を観察した。結果を図1及び図2に示す。
図1、図2に示す結果から明らかなように、本発明の実施例1に係る洗浄剤組成物によれば、樹脂片にダメージを与えずに、樹脂表面に固着された金属粉末だけを除去できることが判明した。
<残留ハロゲン元素量の評価>
実施例1〜9及び比較例1の洗浄剤組成物に係る各洗浄剤組成物の残留ハロゲン元素量を、イオンクロマトグラフィー(装置:Dionex製 ICS−1500)により定量した。評価基準は以下の通りである。
○:ハロゲン元素量:0.05ppb未満
×:ハロゲン元素量:0.05ppb以上
実施例1〜9及び比較例1の洗浄剤組成物に係る各洗浄剤組成物の残留ハロゲン元素量を、イオンクロマトグラフィー(装置:Dionex製 ICS−1500)により定量した。評価基準は以下の通りである。
○:ハロゲン元素量:0.05ppb未満
×:ハロゲン元素量:0.05ppb以上
<不純物金属元素量の評価>
実施例1〜9及び比較例1の洗浄剤組成物に係る洗浄剤組成物の不純物金属元素の量を、原子吸光光度法(装置:Agilent製AA280Z)により定量した。評価基準は以下の通りである。
なお、対象の金属元素は(Na、Fe、K、Ca、Al、Cu、Zn、Ni、Cr、Mg、Cd、Pb、Mn、Ag)である。
○:各金属元素量:0.1ppb未満
×:各金属元素量:0.1ppb以上
実施例1〜9及び比較例1の洗浄剤組成物に係る洗浄剤組成物の不純物金属元素の量を、原子吸光光度法(装置:Agilent製AA280Z)により定量した。評価基準は以下の通りである。
なお、対象の金属元素は(Na、Fe、K、Ca、Al、Cu、Zn、Ni、Cr、Mg、Cd、Pb、Mn、Ag)である。
○:各金属元素量:0.1ppb未満
×:各金属元素量:0.1ppb以上
Claims (7)
- 樹脂製品の表面に付着した金属汚れを除去して清浄化するための、樹脂製品の金属汚れ用洗浄剤組成物であり、洗浄剤成分として、過硫酸の窒素塩基塩類及び/又はスルフォン酸の窒素塩基塩類を含み、組成物中にハロゲン元素を実質的に含まないことを特徴とする樹脂製品の金属汚れ用洗浄剤組成物。
- 前記過硫酸の窒素塩基塩類が、過硫酸アンモニウム〔(NH4)2S2O8〕、過硫酸ナトリウム〔Na2S2O8〕、から選ばれた1種又は2種以上の混合物である請求項1に記載の樹脂製品の金属汚れ用洗浄剤組成物。
- 前記スルフォン酸の窒素塩基塩類がスルファミン酸〔HOSO2NH2〕、スルファミン酸アンモニウム〔NH4OSO2NH2〕、から選ばれた1種又は2種以上の混合物である請求項1又は2に記載の樹脂製品の金属汚れ用洗浄剤組成物。
- 前記樹脂製品が、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリル樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)から選ばれたいずれかの合成樹脂製の製品である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂製品の金属汚れ用洗浄剤組成物。
- 樹脂表面の金属汚れが、半導体の製造工程で使用されるウェーハ表面に付着した金属汚染に起因するものである請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂製品の金属汚れ用洗浄剤組成物。
- 前記樹脂表面の金属汚れが、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)及びマグネシウム(Mg)から選ばれたいずれか1種又は2種以上の金属元素を含む請求項1〜5に記載の樹脂製品の金属汚れ用洗浄剤組成物。
- 前記樹脂製品が、半導体の製造工程で基板を収納して搬送するために使用される基板収納容器である請求項1〜6に記載の樹脂製品の金属汚れ用洗浄剤組成物。
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