JP2016097365A - 汚泥脱水処理方法及びその装置 - Google Patents

汚泥脱水処理方法及びその装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016097365A
JP2016097365A JP2014237211A JP2014237211A JP2016097365A JP 2016097365 A JP2016097365 A JP 2016097365A JP 2014237211 A JP2014237211 A JP 2014237211A JP 2014237211 A JP2014237211 A JP 2014237211A JP 2016097365 A JP2016097365 A JP 2016097365A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sludge
rotor
inner peripheral
wall surface
movable wall
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP2014237211A
Other languages
English (en)
Inventor
忠 柏木
Tadashi Kashiwagi
忠 柏木
和広 中島
Kazuhiro Nakajima
和広 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nakata Kogyo kk
Original Assignee
Nakata Kogyo kk
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nakata Kogyo kk filed Critical Nakata Kogyo kk
Priority to JP2014237211A priority Critical patent/JP2016097365A/ja
Publication of JP2016097365A publication Critical patent/JP2016097365A/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Treatment Of Sludge (AREA)
  • Filtration Of Liquid (AREA)

Abstract

【課題】 シールド掘削機等に組込みうるコンパクトで、独自の回転制御で、安定的に運転動作しうる汚泥脱水処理装置と汚泥脱水処理方法を提供する。
【解決手段】 ペリトロコイド状の内周壁面を有するローターハウジング内を、該ペリトロコイド曲線に内接する三葉のローターが遊星回転運動するハウジング構造の装置において、該内周壁面に汚泥投入口と、多数の排水孔と、土砂排出口を配設し、ハウジング内の処理空間に、前記汚泥投入口から汚泥を導入し、ローターの回転に従って処理空間の容積を圧縮せしめることで汚泥内の水分を前記多数の排水孔からローターハウジング内周壁面外へと押し出した後、処理空間内に残された脱水後の土砂を前記土砂排出口から排出せしめることを特徴とする、ローターを回転させることで汚泥を脱水して土砂と水分とに分離する汚泥脱水処理方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、建築汚泥等の含水率が高く、かつ粒子の微細な泥状のものを脱水して土砂と水分とに分離するための、汚泥脱水処理方法とその装置に関する。とりわけトンネル等の堀削工事の際にシールドマシンと一体的に処理しうるシステムに適した、掘削で生じた含水率の高い微細な泥状物質を脱水して土砂と水分に分離して「自ら利用」しうる土砂を得ることのできる、汚泥脱水処理方法とその装置に関する。なお、ここに「自ら利用」とは、他人に有償売却できる性状のものを排出事業者(占有者)が自ら使用することのできる状態をいう。
建築物の基礎工事(杭工事)や地盤改良工事、シールド工法等によるトンネル掘削工事などでは、建設工事に伴って泥状の汚泥(液状)が建設汚泥として大量に生じている。これらの泥状の土砂は、水分を含むことで重くなっており、これを産業廃棄物として搬出移送する場合には輸送上の負担が大きく、また搬出後には産業廃棄物として適切に処理しなければならないところ、汚泥は環境負荷が高いのでその処理には手間とコストを多く要している。
ここに廃棄物とは「占有者が自ら利用し、又は他人に有償で売却することができないために不要になったすべての液状又は固形状のもの」であり、汚泥が含まれる。汚泥とは「含水率が高く、かつ粒子の微細な泥状のもの」である。そして、「泥状」の状態とは、標準仕様ダンプトラックに山積みできず、またその上を人が歩けない状態をいう。この状態をたとえば土の強度を指標で示すとコーン指数が概ね200kN/m2以下又は一軸圧縮強度が概ね50kN/m2以下のものとなる。
さて、掘削工事に伴い発生する掘削物は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下「廃棄物処理法」という。)が適用され産業廃棄物となり、汚泥として廃棄物処理法の規制に基づいた処理が必要となっている。他方、残土又は浚渫土砂(以下「土砂」という。)は、同法の規制の対象とはならない。
そして、「汚泥」かどうかは、外部への搬出移送する段階ではなく、発生した時点の掘削物の性状で判断されている。ここにいう搬出とは掘削事業所の敷地から掘削物が離れた時点をいう。そして、地山を掘削する工法においては、発生した掘削物を元の土砂と水に分離する工程までを、「掘削工事」として捉え、この一体となるシステムから排出される時点で掘削物の性状を判断することとされている。ここにいう一体とは、排出されたものを後で加工する場合は含まれない。(「掘削工事に伴う汚泥と土砂の判断区分について」第2版、平成24年4月、大阪府・大阪市・堺市・豊中市・高槻市・東大阪市作成、参照。)
さて、トンネル工事の工法としては、山岳工法、シールド工法、開削工法、沈埋工法が知られている。なかでも崩れやすい土壌の柔らかな都市部のトンネル等の掘削工事現場ではシールド工法が広く用いられている。シールド工法とは、地盤中にトンネルを構築する工法で、「シールドマシン」と呼ばれるトンネル外径大の全体が薄い鋼板で覆われた長さ4〜7mほどの円筒状のトンネル掘削機を地中に掘進させ、その中で先端にあるビットと称される歯のついた円盤状の板(カッターヘッド)を回転させながら掘削しつつシールドをジャッキで推進させ、セグメント(鋼製または鉄筋コンクリート製ブロック)を用いてトンネル壁を覆工し、土砂の崩壊を防ぎながらその内部で安全に掘削作業、覆工作業を行いトンネルを築造していく工法である。軟弱地盤に向いているので、シールド工法では、土砂や粘土を掘ることになる。
そして、シールド工法にも種々の方式があるが、一般的な密閉型の「泥土加圧シールド工法」は、掘削前面の土砂が崩壊するのを防ぐため、補助手段に切羽で切削した土砂に作泥土材を加えて練り混ぜてできた「泥土」を使う機械掘削技術である。すなわち、掘削した土砂を隔壁と切羽の間(カッターチャンバー)に充満させ、シールド機の推進力やスクリューコンベアのしぼり効果によって加圧することにより、切羽を安定させ、土砂崩壊を防ぐという土圧式シールド工法の特徴に加え、カッターチャンバー内の掘削土砂に泥水等添加材を注入することにより塑性流動性・不透水性を促進させ、切羽安定性・止水性・排土性を向上させて掘削していく工法である。そして、掘削で生じた掘削物は、トンネル外に汚泥として排出されることとなるので、掘削後の後処理として、土砂と水に分離しても、そのままでは産業廃棄物に取り扱われることになる。
このようなシールド工法によるトンネルは、シールドマシンの形状との関係で、通常は構造上の強さからアーチアクションの働く円形断面あるいは楕円形の断面のトンネルとなっている。断面が円形であることから、トンネル内部に道路や鉄道を通す場合には、路盤となる平面を下方に形成することとなる。そこで、路盤のために土砂による埋め戻し等がなされている。しかし、シールド工法で外部に搬出された掘削物は、後に後処理で泥水を土砂と水に分離したところで、一旦廃棄物扱いになってしまっている。廃棄物である以上は、トンネル内部に容易には戻すことは叶わず、外部から新たに土砂を運搬してきて敷設しなければならないのが現状である。すなわち、シールドマシンから後方に搬送された掘削物は、ベルトコンベアで一旦外部に運ばれ、土砂と水に分離された後、路盤の埋め戻しに用いることはせずに、トンネル外で廃棄物として処理されている。なお、掘削物をスクリューコンベアでシールドマシンの後方に搬送した後、圧縮して砂礫と水に分離したのち、砂礫はベルトコンベアでトンネル出口に搬送し、排出し、水についてはシールドマシンの加圧に再利用する技術は開示されているものの(たとえば特許文献3参照)、分離後の砂礫の再利用はなされていない。
その他、密閉型のシールドマシンでも、上述の泥土圧を用いる方法以外に、泥水式がある。泥水をシールド面に押圧して堀り進める工法では、シールド掘削機の裏面バルクヘッドの開口部にロータリーポンプを設置してトンネル外まで泥水を圧送排出してトンネル内部に作業スペースを確保するといったこともなされている(たとえば特許文献4参照。)。しかしこの方法においても、依然として掘削物は廃棄物となるので、後処理が必要となっていた。
さて、こうした掘削物を土砂と水に分離する構造としては、シールドのチャンバーの出口側にスクリューコンベアを備えており、その螺旋羽を回転させながら圧力を加えることで、分離するものがある。しかし、これはシールドマシンの後方に大きく突き出すスクリューコンベアを必ず必要とすることから、装置の大型化が避けがたいものであった。そこで、円筒状のシールドマシンの回転体の外周面に設けた窪んだ凹部に汚泥を保持し、これを脱水板で押すことで脱水する装置が開示されている(たとえば特許文献1および特許文献2参照。)
こうしたシールドマシンの外周壁に設計する機構は、シールドマシンがトンネル毎に設計される1回かぎりの専用品であることから、当初から入れ込む場合の工夫である。逆に、専用設計をする際に最初から見越して実装するよう設計しなければならず、後から実装する余地はなかった。また、シールドマシン自体の回転は非常にゆっくりであり、脱水板で押すことができるとしても、それはシールドマシンの回転に律速されるので、脱水分離が非常にゆるやかな速度で行われることから、脱水板がじわじわとした圧力負荷に耐えうる強靱な構造でなければならないほか、シールドの外壁も内面側から押されることとなるので、通常の土圧による押圧とは正反対の圧力への配慮が必要とされていた。このように脱水分離装置の機構が、非常に大きく、専用の機械の一部となっており、汎用性に乏しいものであった。
ロータリーポンプを用いた汚泥脱水機として、内部に通水路が設けられたローターを低速で回転させて、ゆるやかに脱水処理していく装置が開示されている(特許文献5参照。)。たしかに装置は小型にできるが、ローターの内部側に通水路があるのみであり、低速で回転させるものなので、ロータリーポンプを低速で回転させる途中で内側から抜ける量の水分を一部滲出分離させるに留まるものである。ロータリーポンプをゆっくり動かすという構造と、サイズから、大規模工事における迅速な分離作業に適したものとはいえなかった。
特開2007−152322号公報 特開2007−154604号公報 特許4230885号公報 特開平9−242477号公報 特開2001−41649号公報
土砂と水が混合分散している汚泥や泥水は、そのままでは搬出にも不都合であるし、廃棄物としても処理がしにくい。そこで、汚泥や泥水から水分を脱水分離することが望まれているが、たとえば、トンネル工事では、後方に搬出した掘削物の汚泥を後で脱水分離することは容易であるが、他方で産業廃棄物となり再利用に支障が出る。そこで、トンネルで用いた場合であっても支障の少ないような、たとえばシールドマシンの切歯に加圧すチャンバーの出口付近にもに取り付けることができるようなコンパクトな大きさとすることが可能な、幅の要らない構造の汚泥脱水処理装置が望まれている。
そしてコンパクトなサイズであるとしても、効率よく脱水し、土砂と水分とを分離することが望まれているので、圧力をかけながら脱水作業を実施する必要がある。そこで、シールドマシンとは独立した回転軸とすることで投入物の投入量に応じた速度制御をするものであって、かつ高い圧力を付与する状況下で迅速に脱水・分離処理ができる装置が求められている。シールドマシンは工事現場で計画的に掘削が進められており、できる限り停止するトラブルなどは避けなければならず、安定的に動作しうることも要請されている。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、コンパクトでかつ効率のよい汚泥から土砂と水を分離する装置であって、シールド掘削機等に組み込むことができるにもかかわらず、独自の回転制御をなしうる構造をしている、安定的に運転動作しうる汚泥脱水処理装置と汚泥脱水処理方法を提供することである。
上記の課題を解決するための本発明の手段は、第1の手段では、ペリトロコイド状の内周壁面を有するローターハウジング内を、該ペリトロコイド曲線に内接する三葉のローターが遊星回転運動するハウジング構造の装置において、該内周壁面に汚泥投入口と、多数の排水孔と、土砂排出口を配設し、該ペリトロコイド状の内周壁面と、該ローターの二つの頂点とその間の1つの内包絡線とで構成された処理空間に、前記汚泥投入口から汚泥を導入し、ローターの回転に従って処理空間の容積を圧縮せしめることで汚泥内の水分を前記多数の排水孔からローターハウジング内周壁面外へと押し出した後、処理空間内に残された脱水後の土砂を前記土砂排出口から排出せしめることを特徴とする、ローターを回転させることで汚泥を脱水して土砂と水分とに分離する汚泥脱水処理方法である。
断面が上下対称のひょうたんのようなハウジングのケーシング内に、辺が膨らんだ三角状のローターが遊星回転運動する形状の装置に、汚泥を投入して回転運動中に圧縮して内部の水分を絞り出してから、水分が除去された土砂のみを分離して得る方法である。この三葉のローターは、前記ペリトロコイド曲線に内接する三葉の内包絡線で構成された三角状のローターである。さらに、三角状のローターの各葉は、過度に圧縮が高まりすぎないように、その一部を内包絡線上よりも中心側に切り欠いた形状としてもよい。また、各葉その中心あたりに一部分を浅く窪みを設けるように切り欠いたりしてもよい。さて、三葉のローターが1回転すると、3つの処理空間があるので3回の圧縮排水と分離処理が連続的に順次なされることとなる。
そして、ハウジングに接するローターの2角と1辺と、ハウジングの内周壁とで形成される処理空間へと、汚泥投入口から汚泥を投入すると、汚泥が回転に従って徐々に圧縮され、その圧力で汚泥内の水分が内周壁面に設けられた多数の孔から排出されることになる。この多数の孔は、たとえば、ハウジングの圧力に負けない鋼製のスリットもしくはメッシュ、またはパンチングメタルなどで形成されている。圧縮により汚泥内の水分が押し出されて多数の孔から排水されると、残った土砂は分離され、ケーシング内を回転搬送されて土砂排出口から排出される。なお、この排水孔は、通水できるものであればよく、たとえば断面円形や断面楕円形のほか、断面が三角形や長方形、その他多角形や、それらの組合せなど種々の断面形状が適用できる。
本発明の第2の手段は、前記第1の手段に記載の汚泥脱水処理方法において、さらに、前記の内周壁面の一部を、前記ローターの回転軸からみて略放射状に複数に分節された可動壁を組み合わせてなるものとし、該可動壁は外周から内周方向に所定の押圧力で押圧されることで内周壁面の一部を形成せしめたものであるところ、前記処理空間の容積がローターの回転に従って圧縮により狭まっていくことで処理空間の圧力が所定の押圧力以上に高まったときには該可動壁を外周方向に順次可動させて処理空間の容積を拡張させるようにして土砂の一部を拡張した処理空間へと逃がし、さらにローターの回転が進んで圧力が所定の押圧力を下回った段階で可動壁を内周壁面のペリコイド曲線上の所定位置へと復帰させること、を特徴とする汚泥脱水処理方法である。
処理空間の汚泥が、水分が多い場合は、第1の手段でも十分に水分を排出して分離しうるが、たとえば固体成分の割合が多い泥土の場合には、高まる圧力に抗して圧縮が進まなくなる可能性が考えられる。それでは回転が止まってしまうのみならず、ハウジングを破損する虞れが出てくるなど、安定した回転運動ができなくなる。トンネルのシールドマシンのような装置の掘削作業と連動して使用しているときには、掘削工程そのものに影響が及ぶこととなる。そこで、第2の手段は、圧力が高まりすぎたときには、一定程度の押圧力で脱水しつつも、ハウジング内の圧力を逃がすことで安定的に土砂と水分とを分離回収処理する方法となっている。この手段では、多数の排水孔を設けた内周壁の一部を可動壁とすることで、内周側に押圧している圧力よりも処理空間内の圧力が高くなったときには、可動壁を外方向へ移動させることで処理空間を拡張させることを手順としている。
処理空間内の圧力が高まったときだけ外側に押し拡げて拡張し、所定圧力以下になったら可動壁を元の位置に復帰させるようにしているので、拡張中も一定程度の押圧力は保たれて脱水作業はなされているので、極端に効率が落ちることはない。また、可動壁が外に拡がった後、元に戻るので、分離脱水の処理動作を繰り返すことができる。そして、その後の処理手順に応じて回転数や投入量にフィードバックしていくことができるので、可動壁が外に拡がるような処理を繰り返さずとも、適切な調整をすることが容易にできる。
本発明の第3の手段は、ペリトロコイド状の内周壁面を有するローターハウジング内を、該ペリトロコイド曲線に内接する三葉の内包絡線で構成された三角状のローターが遊星回転運動するハウジング構造であって、該ローターハウジングの内周壁面には、汚泥投入口と、多数の排水孔と、土砂排出口とが配設されていること、を特徴とする汚泥脱水処理装置である。
このローター部は、いわば正三角形の辺の中央を膨らませたような定幅図形の形状(いわゆるルーローの三角形)をしている。これは、ちょうどハウジング内壁の瓢箪のように2節に膨らんだペリトロコイド曲線の内周面に内接する三葉の内包絡線で描かれる形状である。なお、三角状のローターの各葉は、過度に圧縮が高まりすぎないように、その一部を内包絡線上よりも中心側に切り欠いた形状としてもよい。
そして、ローターの中央に真円形の内周に内歯の歯車ついた大きな穴が開口しており、その穴の形よりも小さな外径の回転軸がその外歯を大きな穴の内周の内歯と噛み合うようにして遊星運動するようになっている。さらに、複数のハウジングを軸方向に連接させるときでも、回転軸のシャフトをエキセントリックシャフトの偏心の向きを分散させることで、ローターの位置が分散できるので、振動等を低減してスムーズに回転運動ができる。以降は、簡単のため、ローター部分の回転が時計回りであることを前提に説明することとする。
この回転軸の回転に従動して、ローター部が偏心しながら回転することになり、三角形のローターがペリトロコイド状のハウジング内壁に沿ってなめらかに運動する。このとき、通常のロータリーエンジンの機構と同様に、三葉の内包絡線の一つがハウジング内周壁と構成する空間が回転の圧縮上死点にさしかかるときに最も高い圧縮負荷が加わることとなる。この圧縮上死点をローターの右側中央付近としたとき、時計回りにローターが回転するので、左上が投入口となり、時計回りに右中央にさしかかったときに圧縮され、左下で排出されることとなる。
なお、三葉あるので、ローターが全体で1回転する間に3箇所の処理空間で連続的に並行して取り込みと圧縮と排出が順次なされることとなるので、回転動作に無駄がなく高い処理効率が実現しうる。基円の周囲には外歯歯車が配され、この基円よりも径の大きな転円が円の内面に備えた内歯歯車を前記の基円の外歯歯車に噛み合わせるようにして配され、転円はシャフトの回転に応じて基円の周囲を遊星運動するように回転する。転円には前記のとおり三葉のローターが備わっている。基円と転円の径の違い、すなわち、基円の中心と、転円の中心からの偏位によって、ローターの回転する回転量が定まる。たとえば、シャフトが3回転するときにローターが1回転するように転円の径を基円の2倍としてもよいし、シャフトが3回転するときにローターが1.5回転するように転円の径を基円の1.5倍としてもよい。
本発明の第4の手段は、ペリトロコイド状の内周壁面を有するローターハウジング内を、該ペリトロコイド曲線に内接する三葉からなるローターが遊星回転運動するハウジング構造であって、該ローターの各葉はその一部を内包絡線上よりも中心側に切り欠いた形状であり、該ローターハウジングの内周壁面には、汚泥投入口と、多数の排水孔と、土砂排出口とが配設されていること、を特徴とする汚泥脱水処理装置である。
前記の三角状のローターの各葉は、土砂によって過度に圧縮が高まりすぎないように、その一部を予め内包絡線上よりも中心側に切り欠いた形状としたり、また、各葉その中心あたりに一部分を浅く窪みを設けるように切り欠いたりする。たとえば、ローターが時計回りに遊星回転するとして、ローターの各葉は、その葉の中央(辺の中心)よりも左側を大きくL字状に切り欠いたものとする。ローター側に圧力を逃がす部位を設けることで、圧縮率を少し下げることとなるので、土砂を過度に締め込みすぐることがない。土砂は水分が抜けて締め固まると、急激に流動性が失われ、締め固まったままとなることがある。そこで、ローターの一部を切り欠くことで圧力を逃がすようにすることで、締め固まったまま内部に貼りついたまま土砂排出口に落ちていかないといったトラブルが生じにくくなる。
本発明の第5の手段は、前記ローターハウジングの内周壁面の多数の排水孔は、前記汚泥投入口と前記土砂排出口の間の内周壁面に配されて排水壁部を形成しており、該排水壁部の内周壁面の一部は、前記ローターの回転軸からみて略放射状に分割された複数の可動壁からなり、該可動壁は外周から内方向に向かって付勢して押圧せしめることで内周壁面の一部として形成せしめたものであって、ハウジング内の圧縮圧力が付勢した押圧力より高まったときには該可動壁が外方向に移動するように押し拡げられることで処理空間を拡張しうること、を特徴とする第3または第4の手段に記載の汚泥脱水処理装置である。
可動壁は、ローターと接するペリトロコイド曲線を多数に分割してなるものであって、各断片をペリコロイド曲線から外方向へと移動しうるものとなっている。通常時は、ペリトロコイド曲線上に位置しているが、圧力の高まりに応じて外方向に移動する。その際、外方向に移動した際に隣接する可動壁との間に隙間ができないように、たとえば内周側が短い辺となる断面台形状とし、外周側に設けたケーシングからハウジングに向けて弾撥ばねで付勢することで、内周方向に強く押圧しているものなどを用いるとよい。なお、各可動壁は外方向から内方向に向けてコイルばねなどで押圧されている。コイルばねのほかに、油圧などで押圧してもよい。この押圧力は、ローターの1葉と内周壁面に囲まれた処理空間が所定の圧力に高まったときには、可動壁が外周方向に可動しうるように押圧力を予め調整しておくものとする。
本発明の第6の手段は、前記可動壁は隣接する可動壁と連接されており、一部の可動壁が外方向に押し拡げられるように移動すると、それに連接して隣接する可動壁が従動して外方向に移動すること、を特徴とする第5の手段に記載の汚泥脱水処理装置である。
前記の可動壁が1ピースだけ外方向に移動して圧力を逃がすことになると、そこに土砂が大量に流入したままとなり、土砂が処理空間に戻りきらず取り残される可能性もある。仮に、排出が十分にできないままに次の回転動作で投入口からさらに汚泥や泥水が投入されてしまうこととなれば、脱水排水する余地が十分得られなくなる事態を招来しかねない。そこで、可動壁の各ピースを、隣接した可動壁同士を連接して連動させるようにすることで、可動壁の拡張と内周のペリトロコイド曲線上への復帰を隣接する可動壁の移動によってスムーズに促しうることとし、排出口から土砂を排出せしめるようにしている。
たとえば、隣接させた可動壁の連接の方法としては、隣接するピースaとピースb同士をクランクを用いて接続しておき、ピースaが外方向に移動していくとき、ピースaとピースbを結ぶクランクの角度が変化していくとともにピースbも従動してやや外方向に移動する。このように隣接するピースをクランクで連接することで、可動壁のピース同士が順次スライド可能に連接せしめることができる。クランクはたとえばピースaの外周側中央に突出させた爪部と、ピースbの同様に設けた爪部との間にスライド可能な連接棒を渡すようにしたスライダークランクを用いることができる。可動壁は第2の手段と組み合わせて、外周側から押圧されるものとし、押圧の圧力よりも大きな内圧が生じたときに可動壁が外周側に移動して、その内部の圧力を逃がすものの、各可動壁が付勢された押圧によって内周まで復帰するとき、隣接する可動壁同士が隣接しているので、復帰がスムーズに促されることとなる。
本発明の第7の手段は、前記可動壁は、隣接する可動壁と接する左右端部が、それぞれ櫛形状になるように凸条と凹条を順に繰り返す形状に形成されており、前記凸条の部位が、隣接する可動壁の対向する凹条の部位と摺動可能に嵌め合わさるように重なり合っていること、を特徴とする第5または第6の手段に記載の汚泥脱水処理装置である。
可動壁の各ピースの左右端を櫛形状に形成し、隣接するピースの櫛形状の端部と対抗させて嵌め合わせるようにして、側面からみたときに重なりあったようにするものである。すなわち、可動壁の左右端(隣接する可動壁と接触する部位)に、内壁面側から外方向まで長く開口せしめた複数のスリットの深い溝を設けて凹条とし、これによって形成される突出部が凸条となって、全体としては左右端部は、それぞれ凸凹を繰り返して、櫛形状に形成されている。そして、可動壁の端部は、隣接する可動壁とは互い違いに櫛形状部分を嵌め合わさるようにして重なり合っている。
たとえばピースcの右端の凹条とピースcの右側に隣接するピースdの左端の凸条とが、対向するようにして摺動可能に嵌め合わさることとなる。このように嵌め合わせることで、隣接する可動壁同士の対向する端部同士がいわばオーバーラップするように重なり合うことができるので、可動壁が外方向に移動する場合でも、可動壁と隣接する可動壁との間に切れ目が生じないようになっている。他方、こうした継ぎ目部分の重なり合いがないと、可動壁が外方向に動くと、隣接する可動壁と離間して切れ目が生じてしまい、そこに土砂が流入したりすれば、可動壁が元の位置まで戻れなくなるおそれがある。このように隣接する端部同士が櫛形状に重なり合ってオーバーラップしていると、櫛同士が摺動しながら外方向に可動壁が拡がっても隣接する可動壁との内周側の重なり合いは維持される。
本発明によると、土砂と水が混合分散された汚泥や泥水を効率よく脱水することができ、コンパクトな構造でありながら土砂と水に分離できる。そして、コンパクトな構造ゆえにシールドマシンのチャンバー出口に一体的に取り付けることができる。そこで自ら利用する土砂としてトンネル内で費消することができる。また、シールドマシンとは独立した回転動力で作動できるので、汚泥投入量や土砂排出量の処理効率の調整が容易であり、掘削速度に左右されずに汚泥脱水処理を適切に実施することができる。
また本発明の第2の手段や第5の手段によると、圧力が過度に高まりすぎないように可動壁の外方向への移動によって圧力を逃がすことができるので、耐久性を確保しやすく、土砂も固まらず排出できるので、安定的に運転を継続することができる。第4の手段によると、ローター側に切欠きを設けて圧力が高まりすぎることを避けることができるので、機械が壊れにくく、土砂が貼りつきにくくなるので、排出も容易となる。
また、第6の手段のようにすることで可動壁が移動した場合の復帰がスムーズとなり、連続して継続的な運転がより安定的に実施しうるものとなる。また、第7の手段のように可動壁の櫛形状の端部が隣接する可動壁の端部と嵌め合わせられて重なり合うので、可動壁が移動しても可動壁同士が離間することなく、スムーズに動作することができる。
本発明の実施の形態を説明する断面模式図である。 図1の断面模式図のローターを回転させた図である。 本発明の他の実施の形態として可動壁を備えた場合の断面模式図の1例である。 ハウジングの可動壁とバネの構成の1例を示す模式図である。 ハウジングの可動壁とバネおよび連接部の構成の1例を示す模式図である。 シールドマシンと本発明装置の配置を示す説明図である。
本発明の実施の形態について、適宜図面を参照しつつ以下に説明する。本発明は、汚泥を土砂と水に分離する処理方法や装置に関するものである。これらの処理方法や装置は、図7に例示するようにとりわけ汚泥の大量に発生する密閉型のシールドマシンによるトンネル掘削工事に適用すると好適である。そこで、以下は密閉型シールドマシンとして泥土加圧シールド工法のシールドマシンと組み合わせる場合を例に説明する。もちろんそれ以外にも、泥水加圧式シールドマシンにも適用可能であるし、さらに、切羽に圧力をかけないTBM(Tunnel Boring Machine)における掘削物などであっても、泥状で土砂と水分とに分離する必要がある際には、本発明を適用することが可能である。
まず、本発明の方法を実施する汚泥脱水処理装置1の基本的な構成を図1、図2を例に示すと、内部に断面がペリトロコイド曲線からなる上下対称なひょうたん形状のローターハウジング2と、そのハウジングのペリトロコイド曲線に内接する三葉のローター10と、このローター10の中心部に開口した転円12に備わる内葉歯車と噛み合うように外葉歯車を備えた基円11と、基円の内部を貫くシャフト20の回転軸とがある装置である。この基円11は転円12よりも径が小さく、基円11に対して転円12は偏心しており、転円12は基円11の周囲を遊星運動しながら回動して、ローター10が回転する。ハウジング2の上部には、土砂の投入をするための汚泥投入口8が開口しており、ペリトロコイド状の内周壁面3と、ローター10の二つの頂点とその間の1つの内包絡線とで構成された処理空間7に投入可能となっている。そして、ハウジング2の内周から外方向に多数の排水孔6が配設されて多数開口している。そして、ローター10が時計回りに回転するとき、ハウジング2の左下7時から9時方向のあたりに土砂排出口9が設けられている。土砂排出口9から排出された土砂34は、コンベア33等でトンネル外まで搬送することもできるが、そのままトンネル内の路盤下の埋設土砂としても利用しうる。
ローターハウジング2は鋼製であり、そのサイズはたとえば高さ140cm、横幅110cm、奥行140cm程度であり、内部のハウジングの厚みは100cmである。ハウジング内のローター10は、転円12のサイズがたとえば直径45cm、基円10が30cmとする。基円の外歯歯車と、その周囲を遊星運動するローター内の転円の内歯歯車とは噛み合って回転するので、動力からシャフトの回転軸が3回転すると、それに伴いローターは2回転する。ローター10には3葉あるので、動力側1回転につき2回脱水されることになる。なお、この基円と転円の偏心する比率によって動力1回転につき脱水される回数は変わる。
上記の装置は、図6に示すようにたとえば泥土加圧シールド工法に用いる密閉型シールドマシン30の、カッターチェンバー31の出口付近に連なるように設置される。あるいは、カッターチェンバー31の出口に付属のスクリューで汚泥を少し高い位置まで移動させてから本装置1に投入して脱水処理をする。トンネルは円形であるが、道路となる路盤のために下方を一部埋め戻すことから、本装置1の位置を少し高めにするほうが、土砂の埋め戻しや排出に便宜だからである。さて、掘削過程で排出される汚泥は、汚泥投入口から順次投入されて本装置で処理されることとなる。この投入速度はあくまでシールドマシン30の切歯32の掘削速度による。たとえば、直径500cmのシールドマシンの場合、1分間に掘削で進む距離は平均25mmである。最大でも分速50mm程度であるから、掘削物の発生量は、1分間に25mmの場合で0.49m3、50mmでも0.98m3である。
さて、圧縮前の汚泥投入口8から投入される汚泥の処理空間7の容積は約0.19m3である。本装置に投入されるのはシールドマシンで加圧された状態の汚泥であるから、水分が大量に含まれている。そこで、実働の処理能力を容積率の50%を掘削されて排出分離処理される土砂の量とした場合、上記のスペックの本装置を5rpmで回転させた場合、1分あたり0.95m3相当の処理量の土砂が得られることになる。
なお、処理状況に応じて本装置の動力の回転数を独自に上昇下降の調整をすることができるので、シールドマシンの速度や動力に左右されずに処理能力に応じてエネルギー負荷を最適化することができる。もちろん、上記の装置のサイズは一例にすぎないので、シールドマシンに合せて装置のサイズ等は変更しうるのはいうまでもない。さて、これらの脱水処理は、シールドマシンとは独立したモーターからの動力を回転軸に伝え転円側のローターを回動させる伝わるところ、回転軸のシャフト20を5rpmで回転させると、12秒で1回転することになり、6秒に1回圧縮後の脱水分離された土砂が排出されることとなる。4rpmなら15秒で1回転し、7.5秒に1回圧縮されることとなる。6rpmで1回転10秒なら、5秒に1回圧縮された土砂が排出されることとなる。なお、3葉あるので、1回転につき2箇所分の脱水処理が進んでいるものの、汚泥投入口に汚泥が投入されてから、汚泥が回転で圧縮され、土砂排出口から脱水後の土砂が排出されるまでには、約3分の2回転ローターが回転することになるので、回転軸が5rpmのときには、約12秒かかる。途中圧力が高まり強く排水が促されるが、投入されてから排出されるまでの間も、排水孔から排水されるので、十分な時間が確保されているといえる。こうした脱水処理能力があるので、上記のスペックのような小型サイズの装置でもって、直径5メートルのトンネルを掘削するマシンの排出汚泥を土砂と水に分離することが可能となっている。
もちろん排水能力を上回る量を投入して高速回転させても意味はないので、そのような場合には、本装置1は、たとえば、ハウジングを2つ並べてローター数を2として、エキセントリックシャフトを介して2連ローターの装置とすることができる。さらに3連、4連ローターの装置とすることも可能である。複数のローターをエキセントリックシャフトを介して配置するだけなので、大きな場所を必要としないことから、必要な処理能力を容易に得ることができる。また、2ローターや3ローターの場合、各ローターの偏心させる傾きをエキセントリックシャフトによって適宜変えて組み合わせることができるので、圧縮されるタイミングを分散させることができ、回転負荷で生じるトルクが分散によって安定した動作が得られやすくなる。
また、本装置で脱水した土砂を再度本装置で脱水するように、繰り返し脱水することで徐々に土砂の水分排出を高めてもよい。たとえば、本装置Aで処理した土砂を本装置Bで再度処理するといったことをすると、ある程度の回転処理速度を保ちながらも、繰り返し脱水することで土砂内の水分を排出して含水率を低くすることが容易となる。
さて、この装置を用いた具体的な汚泥からの土砂と水の分離方法について以下に記載する。まず、前記のシールドマシンのカッターチェンバーの出口から汚泥投入口8までを配管で連接し、本装置の上から汚泥をハウジング2内に投入する。ローター10は、シールドマシンの前記の掘削量を見越して、必要な回転速度、たとえば、5rpmなどの回転数で回転しており、ハウジング2内に投入された泥土は時計回りに回転するローターの回転によって時計回りに送られていく。すると、ローター10の回転に連れて、ペリトロコイド曲線の内周壁面とローターが迫っていき、だんだんと投入された空間が圧縮されていく。内周壁面には、外方向に向けて開口した排水孔が開口している。排水孔は、土砂を通さず水を通すように、たとえば直径1mm〜20mm程度とする。ローター10の動きによって5kg/cm2程度の圧力が加わるので、単に汚泥や泥水を排水孔の開いた平板の上に載置する場合に比して、極めて勢いよくケーシングの外に排水される。こうした排水孔を設けるには、やや厚みのあるパンチングメタル板のような多数の孔が開口した板材が好適である。パンチングメタル板をハウジング内周壁面3に用いることで、内周壁面3上に十分な排水孔6の開口数が確保されることとなり、十分な排水能力を備えながら、ローターの押圧力にも抗しうる強度を確保することができる。
脱水後の土砂は、時計回りにそのままローター10に押し出されて、時計回りに7〜9時あたりに開口した土砂排出口9からハウジング2の外に排出される。得られた土砂は、そのままベルトコンベアにより搬送されてトンネル外に搬出される。得られた土砂は、ダンプカーの荷台に山積みできる状態であり、その上を人が歩行することもできる状態であった。すなわち、コーン指数で概ね200kN/m2又は一軸圧縮強度が概ね50kN/m2を十分に上回っているものと思われる状態が得られ、泥状の状態を脱していた。
次に、図3、図4および図5に示す可動壁4について説明する。ローター10の回転方向において、汚泥投入口8から土砂排出口9までの間の内周壁面3を、基円11を中心に放射状に多数のピースに分ける。たとえば8〜12程度のピース数に分割する。そして、これらのピースをそれぞれ、外方向から内周壁方向へとばねで押圧して付勢した可動壁4とすることで、所定の押圧力以上の圧力が処理空間7にかかったときに、過度に生じた圧力を緩和することができるハウジング構造としている。すると、掘削中のコンディションの変化で脱水しにくい汚泥が入り込んだ場合でも、圧縮中に装置が止まることがなくなる。シールドマシンの掘削作業において、脱水分離処理が止まってしまうことは避けなければならず、安定性が求められており、付属して組み合わされる機器の安定性は重要である。過度に負荷がかかってしまってスタックしてしまうようなことは、避けなければならない。所定の圧力以上の圧力が加わったとき、可動壁4が外側に拡がれば、その空間に土砂が入り込めるので、圧力の高まりが納まるのみならず、ばねによって圧力が所望の圧力のままに拡がるだけなので、無闇に圧力が抜けきってしまうようなこともない。バネの押圧力を、たとえば、5kg/cm2に設定しておき、圧力を維持したまま回転し、ローター10の回転が進み圧力が下がると、バネの付勢で元の位置に復帰する。
可動壁4は、ハウジング内部の圧力に抗するばね5を外側から配しているので、そのばね5の反対側は、さらにハウジング2の外側に設けたケーシングに接することとなっている。このケーシングは、多数の排水孔6から排出された水を壁面に沿って下方に集積し、ドレンから外部へと排出する。排出された水は、トンネル外へと排出されるか、あるいは、シールドマシンの加圧に再利用される。
可動壁4と隣接する可動壁4を単純に放射状に輪切りにして外方向に拡げると、隣接する可動壁同士の間に楔型に隙間が形成されてしまい、このなかに汚泥が入り込むと復帰に支障を来すことがありうる。そこで、可動壁は、ローターの周囲を囲むようにペリトロコイド曲線をいくつものピースに分割しているが、単純に放射線状に可動壁のピースをペリトロコイド曲線に対して垂直方向に分割するのではなく、ペリトロコイド曲線に対して斜めに角度をつけて分割することとする。
たとえば、ハウジングの内周壁面に対して回転方向に約30度の傾きで傾斜させる。すると、いわば2個の四辺形を斜辺が隣接するように並べ置いてから、一方の斜辺を他方の四辺形をスライドさせても隙間が生じないで辺を接したまま移動するのと同様に、可動壁同士もずれて移動することとなる。すなわち、可動壁間の辺を斜辺として、可動壁が外方向に拡がり移動するときに、隣接する可動壁の斜辺上をスライドしながら外方向に移動するので、隙間が生じにくくなり、汚泥が可動壁と可動壁の間に挟まってしまうトラブルを未然に回避することができる。また、斜めにスライドさせると、可動壁同士が接触する断面が増えるので、局所に圧力が集中することも避けることができ、拡がった可動壁が割れたり歪んだりしににくくなる。
また、可動壁と可動壁の境界線は、内周壁面と垂直に交わるのではなく、斜めに傾いているが、その傾きは直線ではなく、外方向に向かうにつれて傾斜が大きくなる、すなわち緩く円弧状に湾曲しているものであってもよい。たとえば、時計方向に回転する渦巻き状に傾けてもよい。
また、各可動壁の外側には、隣接する可動壁と連接させるための3節のクランクや図5に示すようにスライダークランクを設けて連接部13とすることができる。可動壁と隣接する可動壁を連接すると、1箇所の可動壁が外側へ拡がり移動したとき、隣接する可動壁もそれに従動して拡がろうとし、周囲の可動壁が元の位置に復帰するとき、これに促されて連接する可動壁も復帰されやすくなる。可動壁の1つに圧力が集中しすぎてひとつだけ拡がりっぱなしになると、土砂がそこに取り残されることとなるので、周囲の可動壁と連接させて順次押し出されるように可動壁を移動さることで、全体として土砂を受け止めて、土砂の取り残しを少なくするためのものである。
さらにその他の可動壁の構成としては、各可動壁の境界部分を櫛形状に形成し、隣接する可動壁の櫛形状の部分と互い違いに噛み合うように嵌めあわせて重ねることで、一方が外方向に移動しても他方との間に隙間が開かないようになったものである。すなわち、可動壁の隣接可動壁との境界部分を深く凸凹を繰り返して凹条部と凸条部とが櫛状に形成されている。隣接する可動壁とは、深い櫛状の深い溝が噛み合うように嵌めあっているので、可動壁の周辺は隣接する可動壁と互いに重なったようになっている。たとえば、溝の深さを6cmとすると、6cmの重なり合いとなるので、可動壁が外方向に移動しても、重なりあった状態のまま外に拡がることとなる。可動壁は前述のケーシングでは100cmの幅があるので、深さ6cmの凹凸をたとえば5cm毎に繰り返すようなものとする。
こうした櫛形状の嵌め合いを用いた可動壁は、時計回りの渦状に斜めに角度をつけてハウジングを分割するように形成されているので、隣接する可動壁との嵌め合いがずれる場合は、斜めにスライドしてずれて移動するようになる。また、可動壁同士は、外側に設けたスライダークランクの連接部によって互いに連動するようになっていてもよい。
また、ローターの各葉の一部をきり欠いておくことで、予め過度に圧力がかかり過ぎないようにしておいてもよい。たとえば、時計方向に回転するローター10の各葉の後方側を図1に示すように、内包絡線上よりも中心側にきり欠いて切欠き部19を形成しておくこととする。ローター10の回転が圧力がかかりすぎずスムーズに動くように、ローターの各葉の中央を窪ませることもでもよい。このようにきり欠く工夫をローターに施すことで圧縮圧力が高まりにくくなるので、過度な負担がかかりにくくなる。どの程度の面積をきり欠くかで、圧縮比の上限を予め抑えることができる。可動壁の場合は、いわば所定の圧力を維持したまま過度の圧力を回避するものであるが、この切欠きはもともとの圧縮比を低く下げるために行う工夫である。汚泥は強く圧力がかかりすぎると、固まって流動性が失われるので、周囲に固着して、処理運転に支障を来すこともありえるので、圧力がかかりすぎないようにしながら、土砂と水を分離することに資する。
1 汚泥脱水処理装置
2 ローターハウジング
3 内周壁面
4 可動壁
5 ばね
6 排水孔
7 処理空間
8 汚泥投入口
9 土砂排出口
10 ローター
11 基円
12 転円
13 連接部
14 櫛形
15 凹条
16 凸条
17 汚泥
18 ケーシング
19 切欠き部
20 シャフト
21 クランク
30 シールドマシン
31 チェンバー
32 切歯
33 コンベア
34 土砂

Claims (7)

  1. ペリトロコイド状の内周壁面を有するローターハウジング内を、該ペリトロコイド曲線に内接する三葉のローターが遊星回転運動するハウジング構造の装置において、該内周壁面に汚泥投入口と、多数の排水孔と、土砂排出口を配設し、該ペリトロコイド状の内周壁面と、該ローターの二つの頂点とその間の1つの内包絡線とで構成された処理空間に、前記汚泥投入口から汚泥を導入し、ローターの回転に従って処理空間の容積を圧縮せしめることで汚泥内の水分を前記多数の排水孔からローターハウジング内周壁面外へと押し出した後、処理空間内に残された脱水後の土砂を前記土砂排出口から排出せしめることを特徴とする、ローターを回転させることで汚泥を脱水して土砂と水分とに分離する汚泥脱水処理方法。
  2. 請求項1に記載の汚泥脱水処理方法において、さらに、前記の内周壁面の一部を、前記ローターの回転軸からみて略放射状に複数に分節された可動壁を組み合わせてなるものとし、該可動壁は外周から内周方向に所定の押圧力で押圧されることで内周壁面の一部を形成せしめたものであるところ、前記処理空間の容積がローターの回転に従って圧縮により狭まっていくことで処理空間の圧力が所定の押圧力以上に高まったときには該可動壁を外周方向に順次可動させて処理空間の容積を拡張させるようにして土砂の一部を拡張した処理空間へと逃がし、さらにローターの回転が進んで圧力が所定の押圧力を下回った段階で可動壁を内周壁面のペリコイド曲線上の所定位置へと復帰させること、を特徴とする汚泥脱水処理方法。
  3. ペリトロコイド状の内周壁面を有するローターハウジング内を、該ペリトロコイド曲線に内接する三葉の内包絡線で構成された三角状のローターが遊星回転運動するハウジング構造であって、該ローターハウジングの内周壁面には、汚泥投入口と、多数の排水孔と、土砂排出口とが配設されていること、を特徴とする汚泥脱水処理装置。
  4. ペリトロコイド状の内周壁面を有するローターハウジング内を、該ペリトロコイド曲線に内接する三葉からなるローターが遊星回転運動するハウジング構造であって、該ローターの各葉はその一部を内包絡線上よりも中心側に切り欠いた形状であり、該ローターハウジングの内周壁面には、汚泥投入口と、多数の排水孔と、土砂排出口とが配設されていること、を特徴とする汚泥脱水処理装置。
  5. 前記ローターハウジングの内周壁面の多数の排水孔は、前記汚泥投入口と前記土砂排出口の間の内周壁面に配されて排水壁部を形成しており、該排水壁部の内周壁面の一部は、前記ローターの回転軸からみて略放射状に分割された複数の可動壁からなり、該可動壁は外周から内方向に向かって付勢して押圧せしめることで内周壁面の一部として形成せしめたものであって、ハウジング内の圧縮圧力が付勢した押圧力より高まったときには該可動壁が外方向に移動するように押し拡げられることで処理空間を拡張しうること、を特徴とする請求項3または請求項4に記載の汚泥脱水処理装置。
  6. 前記可動壁は隣接する可動壁と連接されており、一部の可動壁が外方向に押し拡げられるように移動すると、それに連接して隣接する可動壁が従動して外方向に移動すること、を特徴とする請求項5に記載の汚泥脱水処理装置。
  7. 前記可動壁は、隣接する可動壁と接する左右端部が、それぞれ櫛形状になるように凸条と凹条を順に繰り返す形状に形成されており、前記凸条の部位が、隣接する可動壁の対向する凹条の部位と摺動可能に嵌め合わさるように重なり合っていること、を特徴とする請求項5または6に記載の汚泥脱水処理装置。
JP2014237211A 2014-11-22 2014-11-22 汚泥脱水処理方法及びその装置 Ceased JP2016097365A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014237211A JP2016097365A (ja) 2014-11-22 2014-11-22 汚泥脱水処理方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014237211A JP2016097365A (ja) 2014-11-22 2014-11-22 汚泥脱水処理方法及びその装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016097365A true JP2016097365A (ja) 2016-05-30

Family

ID=56076248

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014237211A Ceased JP2016097365A (ja) 2014-11-22 2014-11-22 汚泥脱水処理方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016097365A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109432845A (zh) * 2018-12-13 2019-03-08 湖南万通科技股份有限公司 一种脱水仓
CN111943291A (zh) * 2020-07-28 2020-11-17 付正东 一种基于环保用自动清理污泥的污水处理设备
CN113893454A (zh) * 2021-09-28 2022-01-07 中国科学院江西稀土研究院 一种搏动式人工心脏泵、定子结构及用途
CN114888627A (zh) * 2022-07-11 2022-08-12 江苏沛泽机械科技有限公司 一种机床冷却液循环装置
CN115286200A (zh) * 2022-10-08 2022-11-04 南通西田环保科技有限公司 一种高效污泥脱水装置
CN117258953A (zh) * 2023-11-22 2023-12-22 严格生物科技产业发展有限公司 一种用于植物提取物制备的压力机及其使用方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5933100A (ja) * 1982-08-19 1984-02-22 Hitachi Metals Ltd 連続式し渣脱水機
JPS59166397A (ja) * 1983-03-11 1984-09-19 Hitachi Metals Ltd 関節シユ−ト付きし渣脱水装置
JPH09823A (ja) * 1995-06-21 1997-01-07 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 脱水処理装置
JP2001041649A (ja) * 1999-07-28 2001-02-16 Maezawa Ind Inc 汚泥脱水機
JP2004532733A (ja) * 2001-07-05 2004-10-28 レ アンデュストリエ フォーニア インコーポレイテッド 湿った塊に存在する液体を抽出するための方法と装置
JP2007144471A (ja) * 2005-11-29 2007-06-14 Yoshinobu Wada 回転式脱水機
JP2007154604A (ja) * 2005-12-08 2007-06-21 Kumagai Gumi Co Ltd シールド掘削機
JP2013082005A (ja) * 2011-09-30 2013-05-09 Metawater Co Ltd スクリュープレス脱水装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5933100A (ja) * 1982-08-19 1984-02-22 Hitachi Metals Ltd 連続式し渣脱水機
JPS59166397A (ja) * 1983-03-11 1984-09-19 Hitachi Metals Ltd 関節シユ−ト付きし渣脱水装置
JPH09823A (ja) * 1995-06-21 1997-01-07 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 脱水処理装置
JP2001041649A (ja) * 1999-07-28 2001-02-16 Maezawa Ind Inc 汚泥脱水機
JP2004532733A (ja) * 2001-07-05 2004-10-28 レ アンデュストリエ フォーニア インコーポレイテッド 湿った塊に存在する液体を抽出するための方法と装置
JP2007144471A (ja) * 2005-11-29 2007-06-14 Yoshinobu Wada 回転式脱水機
JP2007154604A (ja) * 2005-12-08 2007-06-21 Kumagai Gumi Co Ltd シールド掘削機
JP2013082005A (ja) * 2011-09-30 2013-05-09 Metawater Co Ltd スクリュープレス脱水装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109432845A (zh) * 2018-12-13 2019-03-08 湖南万通科技股份有限公司 一种脱水仓
CN111943291A (zh) * 2020-07-28 2020-11-17 付正东 一种基于环保用自动清理污泥的污水处理设备
CN113893454A (zh) * 2021-09-28 2022-01-07 中国科学院江西稀土研究院 一种搏动式人工心脏泵、定子结构及用途
CN114888627A (zh) * 2022-07-11 2022-08-12 江苏沛泽机械科技有限公司 一种机床冷却液循环装置
CN115286200A (zh) * 2022-10-08 2022-11-04 南通西田环保科技有限公司 一种高效污泥脱水装置
CN117258953A (zh) * 2023-11-22 2023-12-22 严格生物科技产业发展有限公司 一种用于植物提取物制备的压力机及其使用方法
CN117258953B (zh) * 2023-11-22 2024-04-05 严格生物科技产业发展有限公司 一种用于植物提取物制备的压力机及其使用方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2016097365A (ja) 汚泥脱水処理方法及びその装置
CN104603366B (zh) 结节形现浇混凝土桩的构造方法以及装备有挖掘刃的钢管
US5078545A (en) Method for boring hole in the ground and apparatus therefor
JP5975266B2 (ja) 砕石杭形成用アタッチメント
JP4566805B2 (ja) 地盤改良装置及び地盤改良工法
KR20110133517A (ko) 신 수직갱 굴착장치 및 확공 굴착방법
JP2003129476A (ja) 杭の埋設工法及びそれに用いる装置
JP2002105942A (ja) 静的締固め杭造成方法及び装置
JP6703343B2 (ja) 推進装置
JP5623583B2 (ja) 廃棄物処分場における廃棄物処理工法及び掘削体
JP6897959B2 (ja) 縦型破砕装置
KR101025574B1 (ko) 수직구 굴착 장치 및 이를 이용한 지하시설의 시공방법
JP6961206B2 (ja) 縦型破砕装置
JP5717048B2 (ja) 小口径推進工法
JP2008302273A (ja) 廃棄物処分場におけるゴミ処理工法及びゴミ処理工法用掘削ヘッド
JP5932595B2 (ja) 杭挿入装置および杭挿入方法
JP3140498U (ja) 地盤圧密装置
RU2553723C1 (ru) Способ дистанционной добычи угля на пластах крутого залегания при открытых горных работах и устройство для его осуществления
CN109718595A (zh) 一种多级可调式盾构机泥浆滤渣设备
KR101075445B1 (ko) 지중 추진관용 분쇄식 굴착장치
JP5985537B2 (ja) ゴミ処理方法
JP6400151B1 (ja) 排土・無排土両用掘削装置
JP5300801B2 (ja) 既製端板つきコンクリート中空杭の破壊装置及び破壊排出装置
JP3015865B2 (ja) 基礎地盤の施工工法とその装置
JP4625655B2 (ja) 地下水浄化壁の構築装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171028

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180416

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180625

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180710

A045 Written measure of dismissal of application [lapsed due to lack of payment]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A045

Effective date: 20181127