JP2016096211A - 真空処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウェハ処理を効率よく実施することのできる真空処理装置を提供する。
【解決手段】真空処理装置は、複数の処理室131,132,133と、複数の処理室131,132,133の各々に接続され、真空ロボット121,122,123が備わる搬送室141,142,143とを有する。さらに、真空処理装置は、隣り合う搬送室141,142,143の間を連結するロードロック111および中間室112,113を有し、複数の搬送室141,142,143と、ロードロック111および中間室112,113とが交互に連結されている。そして、複数の処理室131,132,133の各々へウェハを搬入する動作、および複数の処理室131,132,133の各々からウェハを搬出する動作がそれぞれ同期して開始される。
【選択図】図5
【解決手段】真空処理装置は、複数の処理室131,132,133と、複数の処理室131,132,133の各々に接続され、真空ロボット121,122,123が備わる搬送室141,142,143とを有する。さらに、真空処理装置は、隣り合う搬送室141,142,143の間を連結するロードロック111および中間室112,113を有し、複数の搬送室141,142,143と、ロードロック111および中間室112,113とが交互に連結されている。そして、複数の処理室131,132,133の各々へウェハを搬入する動作、および複数の処理室131,132,133の各々からウェハを搬出する動作がそれぞれ同期して開始される。
【選択図】図5
Description
本発明は、真空処理装置に関する。
本技術分野の背景技術として、特開2011−124496号公報(特許文献1)がある。この公報には、線形ツールの処理システムにおいて、被処理体を搬送する搬送ルートが複数ある場合、各々の搬送ルートにおけるスループットを比較し、最もスループットの高い搬送ルートを選択する手段によって、搬送ルートを決定する半導体処理システムが記載されている。
前記特許文献1には、最も高いスループットが得られる搬送ルートを決定する半導体処理システムが記載されている。
しかし、この半導体処理システムでは、処理モジュールにおいて処理されたウェハが、処理モジュールから搬出されるまでの待ち時間が考慮されていない。そのため、ウェハ処理を効率よく実施することができないという課題がある。
そこで、本発明は、ウェハ処理を効率よく実施することのできる真空処理装置を提供する。
上記課題を解決するために、本発明の真空処理装置は、複数の処理室と、複数の処理室の各々に接続され、真空ロボットが備わる複数の搬送室と、隣り合う搬送室の間を連結する複数の待機室とを有し、複数の搬送室と複数の待機室とが交互に連結されている。そして、複数の処理室の各々へウェハを搬入する動作、および複数の処理室の各々からウェハを搬出する動作がそれぞれ同期して開始される。
本発明によれば、ウェハ処理を効率よく実施することのできる真空処理装置を提供することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
以下の実施の形態において、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
また、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、以下の実施の形態で用いる図面においては、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。また、以下の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。以下、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(発明が解決しようとする課題の詳細説明)
真空処理装置では、そのスループットを向上させるため、ウェハの搬送ルートを決定する方法が検討されている。
真空処理装置では、そのスループットを向上させるため、ウェハの搬送ルートを決定する方法が検討されている。
例えば前記特許文献1に記載された半導体処理システムは、ウェハに処理を施す複数の処理モジュールと、複数の処理モジュールのそれぞれへウェハの受け渡しを行う複数の搬送ロボットとを有し、さらに、複数の処理モジュールの1つに至る搬送ルートが複数ある場合、複数の搬送ルートのそれぞれの中からスループットが最も高い搬送ルートを選択し、決定する手段を有している。
しかし、上記半導体処理システムでは、処理モジュールにおいて処理されたウェハが、他のウェハを搬送するために使用されている搬送ロボットが使用可能となるまで、当該処理モジュールからの搬出を待たなければならない場合がある。そのため、ウェハ処理を効率よく実施することができないという課題がある。
さらに、ウェハが処理された後に、ウェハが処理モジュールに保持されたまま搬出されるまで待っている時間(待ち時間)が許容される限度を超えて長くなってしまうと、ウェハの主面上の膜に対して、処理モジュール内のガスまたは生成物などの粒子が悪影響を及ぼすという問題が生じる。
≪真空処理装置の構造≫
図1は、本実施例による真空処理装置の概略を模式的に示す上面図である。真空処理装置は大きく分けて大気側機構部151と真空側機構部152により構成される。
図1は、本実施例による真空処理装置の概略を模式的に示す上面図である。真空処理装置は大きく分けて大気側機構部151と真空側機構部152により構成される。
大気側機構部151は、大気圧下でカセット101内に収納されている未処理ウェハをカセット101から取り出して真空側機構部152に搬送し、処理が終了した処理済みウェハを真空側機構部152から取り出してカセット101内に収納する部分である。
真空側機構部152は、大気圧から減圧された真空圧下でウェハを搬送し、処理室131,132,133,134,135,136内でウェハを処理する部分である。
また、大気側機構部151と真空側機構部152との間でウェハの受け渡しを行うために大気圧と真空圧との切り替えが可能なロードロック(待機室、待機スペースとも言う)111が、大気側機構部151と真空側機構部152との間に備わっている。
大気側機構部151には、ロードポート102、アライナー106および大気搬送部107がある。ロードポート102には、ウェハを収納したカセット101が載置される。ロードポート102には、複数、例えば4つのカセット101を載置することができる。アライナー106は、ウェハの向きを合わせるための機構である。
大気搬送部107には、ウェハを保持することができる大気ロボット(搬送ロボットとも言う)105が備わっており、大気ロボット105は、大気搬送部107において水平方向移動、上下方向移動、旋回動作およびアームの伸縮動作が行える。大気ロボット105によりウェハをカセット101内から取り出したり、カセット101内へ収納したりする。大気ロボット105によりカセット101内から取り出されたウェハは、アライナー106に置かれ、ウェハの向きを合わせた後、再度大気ロボット105によりロードロック111に運ばれる。また、大気ロボット105によりロードロック111から取り出されたウェハは、カセット101内に収納される。
真空側機構部152には、処理室(処理モジュールとも言う)131,132,133,134,135,136、搬送室141,142,143および中間室(待機室、待機スペースとも言う)112,113がある。処理室131,132,133,134,135,136は、ウェハに対して、例えばエッチングまたは成膜などの処理を行う。処理室131,134は搬送室141に接続され、処理室132,135は搬送室142に接続され、処理室133,136は搬送室143に接続されている。
搬送室141はロードロック111を介して大気側機構部151に接続されており、搬送室142は中間室112を介して搬送室141に接続されている。さらに、搬送室143は中間室113を介して搬送室142に接続されている。すなわち、搬送室141,142,143とロードロック111および中間室112,113とは交互に接続されている。このように、真空側機構部152は、中間室112,113を介して搬送室141,142,143を線形に接続していく形態となっており、3つよりもさらに多く搬送室を接続して処理室を増設することができる。
図示は省略するが、処理室131,134と搬送室141との間、処理室132,135と搬送室142との間および処理室133,136と搬送室143との間には、それぞれの両者をシールして区画するゲートバルブが配置されている。これら複数のゲートバルブは、同時に開閉動作を行うことができ、また、1つのゲートバルブのみが開閉し、その他のゲートバルブは開閉しない排他的開閉動作を行うこともできる。
搬送室141には、ウェハを保持することができる真空ロボット(搬送ロボットも言う)121が備わっており、真空ロボット121は、搬送室141において水平方向移動、上下方向移動、旋回動作およびアームの伸縮動作が行える。同様に、搬送室142には、ウェハを保持することができる真空ロボット(搬送ロボットも言う)122が備わっており、真空ロボット122は、搬送室142において水平方向移動、上下方向移動、旋回動作およびアームの伸縮動作が行える。また、同様に、搬送室143には、ウェハを保持することができる真空ロボット(搬送ロボットも言う)123が備わっており、真空ロボット123は、搬送室143において水平方向移動、上下方向移動、旋回動作およびアームの伸縮動作が行える。
搬送室141に備わる真空ロボット121は、ロードロック111からウェハを搬出し、搬送室141に接続されている処理室131,134または中間室112へウェハを搬入することができる。また逆に、上記真空ロボット121は、処理室131,134または中間室112からウェハを搬出し、ロードロック111へウェハを搬入することができる。さらに、真空ロボット121は、搬送室141内においてウェハを保持した状態で、当該ウェハの搬送室141からの搬出の開始を待機することができる。
搬送室142に備わる真空ロボット122は、中間室112に搬入されたウェハを中間室112から搬出し、搬送室142に接続されている処理室132,135または中間室113へウェハを搬入することができる。また逆に、上記真空ロボット122は、処理室132,135または中間室113からウェハを搬出し、中間室112へウェハを搬入することができる。さらに、真空ロボット122は、搬送室142内においてウェハを保持した状態で、当該ウェハの搬送室142からの搬出の開始を待機することができる。
搬送室143に備わる真空ロボット123は、中間室113に搬入されたウェハを中間室113から搬出し、搬送室143に接続されている処理室133,136へウェハを搬入することができる。また逆に、上記真空ロボット123は、処理室133,136からウェハを搬出し、中間室113へウェハを搬入することができる。さらに、真空ロボット123は、搬送室143内においてウェハを保持した状態で、当該ウェハの搬送室143からの搬出の開始を待機することができる。
真空処理装置の構成によっては、さらに中間室を介して搬送室が線形に接続されている場合もあるが、この場合も搬送室に備わる真空ロボットは同様の動作を行う。
ロードロック111および中間室112,113は複数のウェハを保持できる機構となっており、例えばそれぞれ4枚のウェハを保持することができる。これにより、例えば中間室113にウェハがある状態で、処理室133,136から搬出したウェハを中間室113へ搬入し、既に入っていたウェハを中間室113から搬出するといった動作も可能である。同様に、例えば中間室112にウェハがある状態で、処理室132,135から搬出したウェハを中間室112へ搬入し、既に入っていたウェハを中間室112から搬出するといった動作も可能である。また、同様に、例えばロードロック111にウェハがある状態で、処理室131,134から搬出したウェハをロードロック111へ搬入するといった動作も可能である。
真空側機構部152には、処理室131,132,133,134,135,136、搬送室141,142,143および中間室112,113が存在するので、同時に複数のウェハが存在する状態となる。
上記構造の真空処理装置では、例えば以下の動作が行われる。
まず、大気側機構部151のロードポート102に載置されたカセット101からウェハが取り出されてロードロック111へ搬入される。続いて、ロードロック111から処理室131,134へウェハが搬送されて処理される、ロードロック111から中間室112を経由して処理室132,135へウェハが搬送されて処理される、またはロードロック111から中間室112,113を経由して処理室133,136へウェハが搬送されて処理される。真空側機構部152においてウェハの処理が終わると、逆に処理室131,134からロードロック111へウェハが搬送される、処理室132,135から中間室112を経由してロードロック111へウェハが搬送される、処理室133,136から中間室112,113を経由してロードロック111へウェハが搬送される。その後、ウェハはロードロック111から取り出されて、大気側機構部151のロードポート102に載置されたカセット101内に収納される。
≪ウェハ搬送およびウェハ処理≫
次に、図1に示した真空処理装置において行われるウェハ搬送およびウェハ処理について、図2(a)、(b)および(c)を用いて説明する。図2(a)、(b)および(c)はそれぞれ、真空処理装置に備わる処理室131,132,133におけるウェハ処理の内容を説明するタイムチャートである。なお、ここでの説明においては、図1に示した真空処理装置を適宜参照する。
次に、図1に示した真空処理装置において行われるウェハ搬送およびウェハ処理について、図2(a)、(b)および(c)を用いて説明する。図2(a)、(b)および(c)はそれぞれ、真空処理装置に備わる処理室131,132,133におけるウェハ処理の内容を説明するタイムチャートである。なお、ここでの説明においては、図1に示した真空処理装置を適宜参照する。
まず、図2(a)に示すタイムチャート201を用いて、処理室131におけるウェハ搬送とウェハ処理について説明する。
処理室131内にある処理済みウェハが処理室131内から搬出され、処理室131内に新たに未処理ウェハが搬入されると、時点211で処理室131のウェハ処理が開始される。ウェハ処理が開始された後、一旦処理室圧力を所定値に減圧するための排気を行う。
次に、プロセスガスを導入し、処理室131内でウェハを吸着させるためのESC電圧(静電吸着電圧)を印加する。その後、処理室圧力が上昇し始め、所定の圧力値になるように圧力制御を行う。次に、プラズマ発生源であるソースパワーを印加し、プラズマからイオンをウェハへ入射するためのウェハバイアスを印加する。これにより、ウェハ処理が進行する。
ウェハ処理では、処理時間であるステップタイムが設定されており、ステップタイムに応じてウェハ処理を行い、ウェハの処理状況を判定してステップタイムを終了させる。タイムチャート201では時点231でステップタイムが終了している。
ステップタイムが終了した後、プロセスガスの導入を停止する。次に、ESC電圧およびウェハバイアスの印加を停止し、ソースパワーの印加を停止する。次に、処理室131内の排気を行い、処理室圧力が所定値に減圧された時点でウェハ処理は終了となる。タイムチャート201では時点251でウェハ処理が終了している。
その後は、同様にして、処理室131内にある処理済みウェハが処理室131内から搬出され、処理室131内に新たに未処理ウェハが搬入されて、ウェハ処理が開始される、というシーケンスが繰り返される。
他の複数の処理室132,133,134,135,136においても同様にしてウェハ処理が行われる。
例えば図2(b)に示すように、処理室132において、タイムチャート201とほぼ同様なタイムチャート202により、ウェハ処理が進行する。また、図2(c)に示すように、処理室133において、タイムチャート201とほぼ同様なタイムチャート203により、ウェハ処理が進行する。
本実施例では、図2(a)、(b)および(c)に示すように、処理室131,132,133におけるウェハ処理の開始を同期させている。そして、搬送室141,142,143から処理室131,132,133へのウェハの搬入を同期させることによって、処理室131,132,133におけるウェハ処理の開始を同期させている。
ここで「同期」とは、同時(同じ時刻)に同じ動作を行うことではなく、ほぼ同時に同じ動作を行うことを意味し、近似した時刻における動作も含む。真空ロボット121,122,123を例示すると、具体的には、真空ロボット121,122,123に対して同時にウェハの搬入・搬送を指示しても、実際には真空ロボット121,122,123間では動作開始のタイミングにバラツキが生じるからである。言い換えれば、「同期」とは、動作開始のタイミングを揃えた動作であり、動作開始のタイミングのバラツキを含んだ時間内での動作も含めるものである。
しかし、同一種類のウェハの処理であってもステップタイムの終了タイミングが異なることがある。これは、ウェハの処理状況の判定が、処理室またはウェハの状態により差が出るからであり、処理時間の変動要因となっている。図2(b)に示すタイムチャート202では、時点232がステップタイムの終了であり、図2(c)に示すタイムチャート203では、時点233がステップタイムの終了である。また、これにより、ウェハ処理の終了タイミングも異なることになる。図2(b)に示すタイムチャート202では、時点252がウェハ処理の終了であり、図2(c)に示すタイムチャート203では、時点253がウェハ処理の終了である。
但し、この差が大きくなる状況は、ウェハ処理の結果が異常の場合と考えられるので、ステップタイムに対する比率またはウェハの処理状況の判定に掛かる時間に対する比率で許容値を定めておき、処理室131,132,133におけるウェハ処理の終了を許容値まで待つことで、ウェハ処理の終了を同期させることができる。このように同期してウェハ処理を終了した時点が、図2(a)、(b)および(c)に示す時点213である。
本実施例では、処理室131,132,133におけるウェハ処理の開始を同期させることに加えて、処理室131,132,133におけるウェハ処理の終了を同期させている。そして、処理室131,132,133からのウェハの搬出を同期させることによって、ウェハ処理の終了を同期させている。
このように、ウェハ処理の開始およびウェハ処理の終了をそれぞれ同期させることにより、ウェハ処理を効率よく実施することができる。また、ウェハ処理の終了を同期させることに伴い、ウェハが処理された後の待ち時間の許容値を定めているので、ウェハの主面上の膜に対して、処理室131,132,133内のガスまたは生成物などの粒子が及ぼす影響を低減することができる。
≪ウェハ移動の態様≫
次に、処理室131,132,133において、ウェハ処理が終了した後に、待ち時間が許容される限度を超えることなく処理済みウェハを搬出し、次に処理する未処理ウェハを搬入して、ウェハ処理を開始する一連の動作について、図3〜図10を用いて詳細に説明する。図3は、本実施例によるウェハ搬送の流れを示すタイムチャートである。図4〜図10は、本実施例によるウェハ搬送の流れを模式的に示す真空処理装置の上面図であり、図3のウェハ搬送の流れに沿ってウェハの移動の態様を示している。
次に、処理室131,132,133において、ウェハ処理が終了した後に、待ち時間が許容される限度を超えることなく処理済みウェハを搬出し、次に処理する未処理ウェハを搬入して、ウェハ処理を開始する一連の動作について、図3〜図10を用いて詳細に説明する。図3は、本実施例によるウェハ搬送の流れを示すタイムチャートである。図4〜図10は、本実施例によるウェハ搬送の流れを模式的に示す真空処理装置の上面図であり、図3のウェハ搬送の流れに沿ってウェハの移動の態様を示している。
図3に示すタイムチャートは、ウェハ処理を繰り返していくシーケンスの部分を抽出したものである。繰り返されるシーケンスの範囲は、図2に示す時点211(ウェハ処理開始の時点)から時点214(次のウェハ処理開始の時点)の間である。前提としては、処理室131,132,133において、同時に、同一のウェハ処理が同一の条件で開始され、また、ウェハ処理中に、次に処理する未処理ウェハがロードロック111および中間室112,113に待機している状態として説明する。
なお、図3では、未処理ウェハを大気搬送部107から搬入し、搬送室141へ搬出する場合は、ロードロック111をロードロック111Aとして表し、処理済みウェハを搬送室141から搬入し、大気搬送部107へ搬出する場合は、ロードロック111をロードロック111Bとして表す。また、未処理ウェハを搬送室141から搬入し、搬送室142へ搬出する場合は、中間室112を中間室112Aとして表し、処理済みウェハを搬送室142から搬入し、搬送室141へ搬出する場合は、中間室112を中間室112Bとして表す。また、未処理ウェハを搬送室142から搬入し、搬送室143へ搬出する場合は、中間室113を中間室113Aとして表し、処理済みウェハを搬送室143から搬入し、搬送室142へ搬出する場合は、中間室113を中間室113Bとして表す。
図3に示すタイムチャート204は、ウェハ搬送のタイムチャートであり、各部位毎にウェハの存在を示している。
(1)図3に示す時点241におけるウェハの状態について説明する(図4参照)。
図4に示すように、時点241では、処理室131,132,133において、同一の条件で行われた同一のウェハ処理が終了した状態である。処理室131,132,133には、処理済みウェハ301,302,303が待機し、ロードロック111および中間室112,113には、次に処理する未処理ウェハ401,402,403が搬入されて待機している。
(2)次に、図3に示す時間範囲242におけるウェハ搬送の流れについて説明する(図5参照)。
真空ロボット121,122,123は同期して、真空ロボット121がロードロック111Aから未処理ウェハ401を搬出して保持し、真空ロボット122が中間室112Aから未処理ウェハ402を搬出して保持し、真空ロボット123が中間室113Aから未処理ウェハ403を搬出して保持する。
次に、真空ロボット121が、処理室131から処理済みウェハ301を搬出して未処理ウェハ401を処理室131へ搬入する。真空ロボット122が、処理室132から処理済みウェハ302を搬出して未処理ウェハ402を処理室132へ搬入する。真空ロボット123が、処理室133から処理済みウェハ303を搬出して未処理ウェハ403を処理室133へ搬入する。
真空ロボット121は、搬送室141内において処理済みウェハ301を保持した状態で、未処理ウェハ401の搬送室141からの搬出の開始を待機する。真空ロボット122は、搬送室142内において処理済みウェハ302を保持した状態で、未処理ウェハ402の搬送室142からの搬出の開始を待機する。真空ロボット123は、搬送室143内において処理済みウェハ303を保持した状態で、未処理ウェハ403の搬送室143からの搬出の開始を待機する。
その後、真空ロボット121が処理済みウェハ301をロードロック111Bへ搬入し、真空ロボット122が処理済みウェハ302を中間室112Bへ搬入し、真空ロボット123が処理済みウェハ303を中間室113Bへ搬入する。これにより図5に示す状態になる。
ここで、これら真空ロボット121,122,123により処理済みウェハ301,302,303を処理室131,132,133から搬出する動作は同期し、また、これら真空ロボット121,122,123により未処理ウェハ401,402,403を処理室131,132,133へ搬入する動作は同期している。すなわち、処理済みウェハ301,302,303の処理の終了が同期し、また、未処理ウェハ401,402,403の処理の開始が同期する。
従って、前述したように、処理済みウェハ301,302,303を処理室131,132,133に長く待機させることなく処理室131,132,133から搬出でき、また、スループットを損なうことなく処理室131,132,133を稼動させることができる。
(3)次に、図3に示す時間範囲243におけるウェハ搬送の流れについて説明する(図6〜図10参照)。
時間範囲243では、処理室131,132,133においてウェハ処理が開始されて、未処理ウェハ401,402,403が処理中の状態である。また、時間範囲243では、処理済みウェハ301,302,303がカセット101内に収納され、カセット101内に収納されている未処理ウェハがそれぞれロードロック111A、中間室112Aおよび中間室113Aに搬送され、待機する動作が行われる。以下に、これら動作について説明する。
最初に、ロードロック111Bを大気圧にするためにベントする。この間、大気ロボット105がウェハ503をカセット101内から取り出す。ロードロック111Bのベント完了後に、大気ロボット105がウェハ503をロードロック111Aへ搬入し、ロードロック111Bからウェハ301を搬出してカセット101内に収納する。次に、ロードロック111Aが真空圧になるよう排気をする。これにより図6に示す状態になる。
次に、真空ロボット121がウェハ302を中間室112Bから搬出し、ロードロック111Bへ搬入する。さらに、真空ロボット121がウェハ503をロードロック111Aから搬出し、中間室112Aへ搬入する。これにより図7に示す状態になる。
次に、ロードロック111Bを大気圧にするためにベントする。この間、大気ロボット105がウェハ502をカセット101内から取り出す。ロードロック111Bのベント完了後に、大気ロボット105がウェハ502をロードロック111Aへ搬入し、ロードロック111Bからウェハ302を搬出してカセット101へ収納する。次に、ロードロック111Aが真空圧になるよう排気をする。
この間、真空ロボット122が、ウェハ303を中間室113Bから搬出して中間室112Bへ搬入し、ウェハ503を中間室112Aから搬出して中間室113Aへ搬入する。これにより図8に示す状態になる。
次に、真空ロボット121が、ウェハ303を中間室112Bから搬出してロードロック111Bへ搬入し、ウェハ502をロードロック111Aから搬出して中間室112Aへ搬入する。これにより図9に示す状態になる。
次に、ロードロック111Bを大気圧にするためにベントする。この間、大気ロボット105はウェハ501をカセット101内から取り出す。ロードロック111Bのベント完了後に、大気ロボット105がウェハ501をロードロック111Aへ搬入し、ロードロック111Bからウェハ303を搬出してカセット101内に収納する。次に、ロードロック111Aが真空圧になるよう排気をする。これにより図10に示す状態になる。
以上の動作により、処理室131,132,133において未処理ウェハ401,402,403が処理中に、次に処理する未処理ウェハ501,502,503をそれぞれロードロック111A、中間室112Aおよび中間室113Aに搬送して待機させた状態となる。このように次に処理する未処理ウェハ501,502,503の搬送が終了した時点が、図2(a)、(b)および(c)並びに図3に示す時点212である。
このように、同期処理を行う枚数分のウェハの搬送時間に対して1回のウェハの処理時間が長い場合、未処理ウェハ401,402,403を処理室131,132,133において処理している間に、次に処理する未処理ウェハ501,502,503をロードロック111および中間室112,113に搬送することができる。この後、処理室131,132,133でのウェハ処理の終了を同期して待ち、全ての処理室131,132,133でウェハ処理を終了させる。全ての処理室131,132,133でウェハ処理が終了した時点が、図2(a),(b)および(c)並びに図3に示す時点213である。この後、再び図4〜図10に示した上記一連の動作を繰り返す。
以上述べたように、複数の処理室131,132,133においてウェハ処理の開始およびウェハ処理の終了をそれぞれ同期させることができる。これにより、ウェハ処理が終了した処理済みウェハ301,302,303を処理室131,132,133に長く待機させることなく処理室131,132,133から搬出し、また、スループットを損なうことなく処理室131,132,133を稼動させることができる。
カセット内の複数のウェハを全て処理する場合には、例えばウェハが25枚であれば、本実施例ではウェハを3枚ずつ同期して処理するので、最後は1枚のウェハのみを処理することになる。この時、次に処理すべき別の後続のカセットがロードポートにあり、同一種類のウェハであれば、後続のカセットから2枚のウェハを足して、ウェハを3枚ずつ同期して処理する動作を継続させる。つまり、現在ウェハ処理中のウェハを収納するカセットの残りの未処理ウェハの枚数が、処理室の数を下回る場合は、後続のカセットから全ての処理室を満たす数のウェハを割り当てる。これにより処理室の稼働率を高めることができる。また、後続のカセットの処理のスループットも向上する。
また、別のカセットから2枚のウェハを先に搬送し、先カセットの最後のウェハを後から搬送すれば、先カセットの処理済みウェハの回収が先に行われるため、先カセットのスループットが向上する。
なお、本実施例では、処理室131,132,133にそれぞれ搬送された未処理ウェハ401,402,403に対して同時にウェハ処理が開始され、ウェハ処理中に次に処理される未処理ウェハ501,502,503がロードロック111および中間室112,113に待機している状態から説明を始めたが、最初にこの状態を作り出さなければいけない。
この状態は、例えば以下の動作によって実現できる。すなわち、ウェハ303を中間室113へ搬入し、次にウェハ302を中間室112へ搬入し、次にウェハ301をロードロック111へ搬入してから、ウェハ303,302,301を同期して処理室133,132,131へそれぞれ搬入してウェハ処理を開始すればよい。また、この後、ウェハ処理中に、カセット101から順次ウェハ403,402,401を中間室113、中間室112およびロードロック111へ搬入すればよい。
≪変形例≫
図1に示した真空処理装置に接続された複数の処理室の使用方法の変形例について説明する。
図1に示した真空処理装置に接続された複数の処理室の使用方法の変形例について説明する。
前述した複数の処理室の使用法では、図4〜図10に示したように、処理室131,132,133を使用した場合について説明した。この時、ウェハの処理時間が長く、図3に示す時間範囲244において3枚の処理済みウェハの搬出および次に処理する未処理ウェハの搬入が可能な搬送の空き時間がある場合は、処理室134,135,136を使用して、もう一組の対を成し、図2(a)、(b)および(c)並びに図3に示すタイムチャートに従ったウェハ処理が可能となる。
さらに、処理室131,132,133,134,135,136でのウェハの処理時間、並びに処理済みウェハの搬出および次に処理する未処理ウェハの搬入に掛かる時間を条件として、複数の処理室の組合せの中からウェハ処理を行う処理室131,132,133,134,135,136を選択することができる。例えば処理室131と処理室132とを1対とした組と、処理室134と処理室135とを1対とした組とすることができる。
以上説明したように、本実施例により、ウェハ処理の歩留まりを向上させた真空処理装置または真空処理装置の運転方法を提供することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
101 カセット
102 ロードポート
105 大気ロボット(搬送ロボット)
106 アライナー
107 大気搬送部
111 ロードロック(待機室、待機スペース)
112,113 中間室(待機室、待機スペース)
121,122,123 真空ロボット(搬送ロボット)
131,132,133,134,135,136 処理室(処理モジュール)
141,142,143 搬送室
151 大気側機構部
152 真空側機構部
201,202,203,204 タイムチャート
211 ウェハ処理開始の時点
212 次処理ウェハ搬送済の時点
213 ウェハ処理終了の時点
214 次のウェハ処理開始の時点
231,232,233 ステップタイム終了の時点
241 ウェハ処理終了の時点
242,243,244 時間範囲
251,252,253 ウェハ処理終了の時点
301,302,303 処置済みウェハ
401,402,403 未処理ウェハ
501,502,503 未処理ウェハ
102 ロードポート
105 大気ロボット(搬送ロボット)
106 アライナー
107 大気搬送部
111 ロードロック(待機室、待機スペース)
112,113 中間室(待機室、待機スペース)
121,122,123 真空ロボット(搬送ロボット)
131,132,133,134,135,136 処理室(処理モジュール)
141,142,143 搬送室
151 大気側機構部
152 真空側機構部
201,202,203,204 タイムチャート
211 ウェハ処理開始の時点
212 次処理ウェハ搬送済の時点
213 ウェハ処理終了の時点
214 次のウェハ処理開始の時点
231,232,233 ステップタイム終了の時点
241 ウェハ処理終了の時点
242,243,244 時間範囲
251,252,253 ウェハ処理終了の時点
301,302,303 処置済みウェハ
401,402,403 未処理ウェハ
501,502,503 未処理ウェハ
Claims (5)
- ウェハに処理を施す複数の処理室と、
前記複数の処理室の各々に接続され、前記ウェハの受け渡しを行う搬送ロボットが備わる複数の搬送室と、
隣り合う前記搬送室の間を連結する複数の待機室と、
を有し、
前記複数の搬送室と前記複数の待機室とが交互に連結された真空処理装置であって、
前記複数の処理室の各々へ、前記複数の処理室の各々に接続された前記複数の搬送室の各々に備わる前記搬送ロボットによって前記ウェハを搬入する動作がタイミングを揃えて開始され、
前記複数の処理室の各々から、前記複数の処理室の各々に接続された前記複数の搬送室の各々に備わる前記搬送ロボットによって前記ウェハを搬出する動作がタイミングを揃えて開始される、真空処理装置。 - 請求項1記載の真空処理装置において、
前記複数の処理室の各々において、前記ウェハに対して同一の処理が同一の条件で行われる、真空処理装置。 - 請求項1記載の真空処理装置において、
前記複数の処理室の各々へ前記搬送ロボットにより搬入される前記ウェハは、前記複数の処理室の各々における処理が実施されていない未処理のウェハであり、
前記複数の処理室の各々から前記搬送ロボットにより搬出される前記ウェハは、前記複数の処理室の各々における処理が実施された処理済みのウェハである、真空処理装置。 - 請求項1記載の真空処理装置において、
前記複数の処理室の各々で実施される前記ウェハに対する処理が、前記複数の処理室においてタイミングを揃えて開始される、真空処理装置。 - 請求項1記載の真空処理装置において、
前記複数の処理室の各々に前記ウェハが搬入され、処理され、搬出されるまでの間に、前記複数の搬送室の各々に未処理のウェハが搬入される、真空処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014230583A JP2016096211A (ja) | 2014-11-13 | 2014-11-13 | 真空処理装置 |
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ID=56071449
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---|---|---|---|---|
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JP2010147250A (ja) * | 2008-12-18 | 2010-07-01 | Hitachi Kokusai Electric Inc | 基板処理装置 |
-
2014
- 2014-11-13 JP JP2014230583A patent/JP2016096211A/ja active Pending
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