JP2016096182A - R−t−b系焼結磁石 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた磁石特性(着磁性または耐食性)を有するR−T−B系焼結磁石を提供する。【解決手段】R2T14B結晶から成る粒子を主相7とし、主相7よりもRの含有量が多いRリッチ相を有するR−T−B系焼結磁石1の表面2から(中央部4)に向かって、R−T−B系焼結磁石1の最も薄い部分の厚さの1/4未満の領域、つまり、表面2から、深さt0=T0/4までの領域が表層部3の領域と定義したとき、表層部3に、中央部4と比較して結晶粒7の平均粒径が異なる領域を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、VCMを含む高性能モータや、MRIなど磁場発生装置に使用されるR−T−B系焼結磁石に関する。なお、Rは希土類元素、TはFe等の遷移金属元素、Bはホウ素等を表す。
R−T−B系焼結磁石は、比較的安価な原料を使用して高い磁気特性(残留磁束密度(Br)や保磁力(HcJ)等)が得られることから、従来から幅広い分野で使用され、近年ますます利用分野が拡大している。このような利用分野の拡大に伴い、R−T−B系焼結磁石の磁気特性も発明当初に比べ飛躍的に向上してきているが、市場においては、R−T−B系焼結磁石の磁気特性について、更なる向上が期待されている。
また、実用上の課題として、着磁性の向上の要求がある。例えば、高性能モータにR−T−B系焼結磁石を用いる場合には、未着磁の状態でモータに装填してから着磁するのが一般的である。装填後の着磁はR−T−B系焼結磁石に隣接した着磁コイルのスペースを確保しにくいため、着磁磁場が小さくなりやすい。着磁が不十分であると、設計上の磁力が得られないばかりか、減磁しやすくなり、モータの特性低下につながる。そのため、低磁場で高い着磁率を有するR−T−B系焼結磁石が望まれている。
さらに、実用上の課題として耐食性の向上要求がある。一般に、R−T−B系焼結磁石が十分な耐食性を有していない場合には、腐食により磁気特性が劣化し、所望のモータ特性が維持できなくなる恐れがある。そのため、保護膜を形成する必要があるが、保護膜の形成は、表面処理に要する工程を新たに設ける必要があり、工程の増加および生産コストの増大を招く。その故、保護膜が不要、もしくは簡易防錆処理で十分な耐食性を付与できるような高い耐食性を有するR−T−B系焼結磁石が望まれている。
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、磁石特性(着磁性または耐食性)に優れたR−T−B系焼結磁石を提供することを目的とする。
従来は、R−T−B系焼結磁石の組織は全体として均一にすることが望ましいと考えられてきたが、本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、敢えてR−T−B系焼結磁石の組織を表層部と中央部とで不均一化する、具体的には、R−T−B系焼結磁石の表層部における結晶粒(R14B結晶から成る粒子)の平均粒径を、中央部とは異なるように制御することにより、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
[1] R14B結晶から成る粒子を主相とし、
前記主相よりもRの含有量が多いRリッチ相を有するR−T−B系焼結磁石であって、
表層部と中央部とを有し、
前記表層部に、前記中央部と比較して結晶粒の平均粒径が異なる領域を有することを特徴とするR−T−B系焼結磁石。
[2] 前記平均粒径が異なる領域が、前記中央部よりも結晶粒の平均粒径が小さい、第1の領域から成ることを特徴とする上記[1]に記載のR−T−B系焼結磁石。
[3] 前記平均粒径が異なる領域が、前記中央部よりも結晶粒の平均粒径が大きい、第2の領域から成ることを特徴とする上記[1]に記載のR−T−B系焼結磁石。
[4] 前記第1の領域または第2の領域を有する前記表層部に直行する方向の厚みが8mm以下であることを特徴とする上記[2]または[3]に記載のR−T−B系焼結磁石。
本発明によれば、優れた磁石特性(着磁性または耐食性)を有するR−T−B系焼結磁石を提供することができる。
図1(A)は、本発明の一実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の外観図、図1(B)は、図1(A)に示すIB−IB線に沿う断面図、更に図1(C)はIC部の拡大図である。 図2(A)は、本発明の一実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の断面図、図2(B)は、別の一形態に係る断面図、図2(C)は、更に別の一形態に係る断面図である。 図3は、本実施例および比較例に係るR−T−B系焼結磁石(A)と、その断面図(B)であり、各R−T−B系焼結磁石の表層部と中央部を分析する際に採取するサンプルの位置(観測点IおよびII)を示している。 図4(A)は、本発明の実施例1に係るR−T−B系焼結磁石のSEM写真であり、図4(B)は、本発明の比較例1に係るR−T−B系焼結磁石のSEM写真であり、図4(C)は、本発明の実施例2に係るR−T−B系焼結磁石のSEM写真であり、図4(D)は、本発明の実施例3に係るR−T−B系焼結磁石のSEM写真であり、図4(E)は、本発明の実施例4に係るR−T−B系焼結磁石のSEM写真である。図4(F)は、本発明の比較例2に係るR−T−B系焼結磁石のSEM写真である。
<R−T−B系焼結磁石>
本発明に係るR−T−B系焼結磁石は、R14B結晶から成る粒子を主相とし、主相よりもRの含有量が多いRリッチ相を有する。更に、本発明に係るR−T−B系焼結磁石は、表層部と中央部とを有し、該表層部に、該中央部と比較して結晶粒(主相)の平均粒径が異なる領域を有することを特徴とする。
このようなR−T−B系焼結磁石によれば、優れた磁石特性(着磁性または耐食性)を実現し得る。
なお、本発明に係るR−T−B系焼結磁石は、中央部と比較して結晶粒の平均粒径が異なる領域を有する限り、特に限定されるものではない。したがって、R−T−B系焼結磁石の表層部の全体が中央部とは結晶粒の平均粒径が異なる領域で構成されていてもよいし、表層部に一つまたは複数の部分として中央部とは結晶粒の平均粒径が異なる領域を有していてもよい。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1に示すのは、本発明の一実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の外観(A)、IB−IB線に沿う断面(B)、およびIC部の組織を拡大したもの(C)をそれぞれ模式的に示す図である。
図1(A)には、直方体状の磁石体を例示したが、R−T−B系焼結磁石1の形状は特に限定されるものではなく、一般的には任意の形状に加工されて使用される。例えば、直方体の他、六面体、平板状、四角柱などの柱状、磁石の断面形状がC型等の任意の形状とすることができる。四角柱としては、例えば、底面が長方形の四角柱、底面が正方形の四角柱であってもよい。
また、その寸法にも特に制限はなく、用途に応じて適当な寸法とすればよいが、例えば、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の場合、L30〜90mm×W5〜40mm×T1〜40mm程度とすればよい。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石1は、好ましくはR−T−B系合金を用いて形成される焼結体である。
このような本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石1は、図1(C)に示すように、R14B結晶から成る粒子7(主相)と、隣り合う2つ以上の粒子7によって形成された粒界8、9と、を有する。ただし、上記一般式R14Bのうち、Rは希土類元素の少なくとも1種を表す。TはFe、あるいはFeおよびCo、あるいはFeおよびCoとその他の遷移金属元素から選択される1種以上、を表す。BはB、あるいはBおよびCを表す。
ここで、粒界とは、図1(C)に示されるように、2つのR14B結晶粒7によって形成される二粒子界面8と、隣り合う3つ以上のR14B結晶粒7によって形成される三重点9(多結晶粒界部)とを含むものである。
このような本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石1の粒界8、9には、主相よりもRの含有量が多いRリッチ相が含まれる。また、粒界8、9には、Rリッチ相の他に、ホウ素(B)の含有割合が高いBリッチ相が含まれていてもよい。
Rリッチ相は、Rが主な成分として含まれていればよく、R以外の成分を含んでいてもよい。Rリッチ相に含まれるR以外の成分としては、例えば、Fe、Co、Cu、Al、Ga、Zr、O、C、N等の成分が挙げられる。また、Rリッチ相は、Rのみから成る相であってもよい。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の主相は、正方晶R14B型の結晶構造を有する金属間化合物である。また、主相(結晶粒7)の平均粒子径は、通常1μm〜30μm程度である。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石において、Rは、希土類元素の少なくとも1種を表す。希土類元素とは、長周期型周期表の第3族に属するScとYとランタノイド元素とのことをいう。ランタノイド元素には、例えば、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等が含まれる。
本実施形態においては、製造コストおよび磁気特性の観点から、Rは、Ndを、あるいは、NdおよびPrを含むことが好ましい。また、磁気特性をさらに向上させる観点から、Rは、DyおよびTbのいずれか一方または両方をさらに含むことが好ましい。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石におけるRの含有量は、好ましくは28質量%以上35質量%以下であり、より好ましくは29質量%以上33質量%以下である。Rの含有量が少なすぎると、主相となるR14B化合物が十分に生成されず、軟磁性を持つα−Feなどが析出し、磁気特性が低下する可能性がある。また、Rの含有量が多すぎる場合は、前出のRリッチ相が増加することで、主相の体積率が相対的に少なくなり、残留磁束密度が低下する。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石において、Tは、鉄(Fe)、あるいはFeおよびコバルト(Co)、あるいはFeおよびCoとその他の遷移金属元素から選択される1種以上を示すものである。Tは、Fe単独であってもよく、Feの一部がCoで置換されていてもよい。Feの一部をCoに置換する場合、磁気特性を低下させることなく温度特性および耐食性を向上させることができる。
FeおよびCo以外の遷移金属元素としては、Ti、V、Cu、Cr、Mn、Ni、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wなどが挙げられる。また、Tは、遷移金属元素以外に、例えば、Al、Ga、Si、Bi、Snなどの元素の少なくとも1種の元素を更に含んでいてもよい。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石におけるFeの含有量は、R−T−B系焼結磁石の構成要素における実質的な残部であり、Feの一部をCoで置換してもよい。Coの含有量は0.3質量%以上4.0質量%以下の範囲が好ましく、1.0質量%以上3.0質量%以下とすることがより好ましい。Coの含有量が多すぎると、保磁力が低下する傾向がある。また、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石が高価となる。また、Coの含有量が少なすぎると、耐食性が低下する。
本実施形態のR−T−B系焼結磁石においては、Cuを含有することが好ましい。Cuの含有量は、好ましくは0.01〜1.5質量%、さらに好ましくは0.05〜1.0質量%である。Cuを含有することにより、得られるR−T−B系焼結磁石の高保磁力化、高耐食性化、温度特性の改善が可能となる。Cuの含有量が多すぎると、残留磁束密度が低下する傾向がある。また、Cuの含有量が少なすぎるとなると、保磁力及び耐食性が低下する。
本実施形態のR−T−B系焼結磁石においては、Alを含有することが好ましい。Alを含有させることにより、得られるR−T−B系焼結磁石の高保磁力化、高耐食性化が可能となる。Alの含有量は0.03質量%以上1.0質量%以下であるのが好ましく、0.05質量%以上0.50質量%以下がより好ましい。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石においては、Bはホウ素(B)、あるいはBおよび炭素(C)を示すものである。すなわち、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石では、ホウ素(B)の一部を炭素(C)に置換することができる。また、Cの置換量は、磁気特性に実質的に影響しない量とする。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石におけるBの含有量は、好ましくは0.5質量%以上1.5質量%以下であり、より好ましくは0.7質量%以上1.2質量%以下であり、さらに好ましくは0.7質量%以上1.0質量%以下である。Bの含有量が少なすぎるとなると保磁力が低下する傾向がある。また、Bの含有量が多すぎると、残留磁束密度が低下する傾向がある。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石におけるCの含有量は、他のパラメータ等によって変化し適量決定されるが、炭素量が増え過ぎると磁気特性は低下する。
また、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石において、窒素(N)量は、好ましくは100〜2000ppm、さらに好ましくは200〜1000ppm、特に好ましくは300〜800ppmである。
なお、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石中に含まれる各種成分の測定法は、従来から一般的に知られている方法を用いることができる。各種金属元素量については、蛍光X線分析および誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP分析)等により測定され、酸素量は、例えば、不活性ガス融解−非分散型赤外線吸収法により測定され、炭素量は、例えば、酸素気流中燃焼−赤外線吸収法により測定され、窒素量は、例えば、不活性ガス融解−熱伝導度法により測定される。
次に、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石1は、図1(B)に示すように、表層部3と中央部4とに、大別することができる。ただし、これらの領域は明確な境界面があるわけではなく、以下の説明を容易にするために区別する領域である。そのため、後述する第1の領域11および第2の領域12以外は、表層部3と中央部4とのR−T−B系焼結磁石体組成および結晶粒7の平均粒径に別段違いはない。
本実施形態では、表層部3の領域は、R−T−B系焼結磁石の表面2から(中央部4)に向かって、R−T−B系焼結磁石の最も薄い部分の厚さの1/4未満の領域と定義する。したがって、図1(A)に示すR−T−B系焼結磁石の場合、最も薄い部分の厚さはTであるから、表層部3の領域は、R−T−B系焼結磁石の表面2から、深さt=T/4までの領域と定義する。なお、中央部4は、表層部3以外の領域とする。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石1は、表層部3に、中央部4と比較して結晶粒7の平均粒径が異なる領域を有することを特徴とする。
本実施形態において、結晶粒7の平均粒径は、好ましくは走査型電子顕微鏡(SEM)観察により測定される平均粒径(メジアン径)である。
また、本実施形態において、中央部4と比較して結晶粒7の粒径が異なる領域とは、中央部4で観察される結晶粒7の平均粒径よりも、小さいまたは大きい平均粒径の結晶粒7を有する領域である。このような領域を有する本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、磁石特性(着磁性または耐食性)が向上する。
着磁性が向上すると、着磁電力の削減、着磁コイルの長寿命化が実現できる。また、耐食性が向上すると、腐食による磁気特性の劣化が少なく、長期にわたって所望のモータ特性を維持できる。さらに保護膜を形成する必要がない、もしくは簡易防錆処理で十分な場合は、処理工程およびコストの増大を抑制できる。
特に、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石1が、表層部3に、中央部4よりも結晶粒7の平均粒径が小さい、第1の領域11を有する場合には、特に、耐食性が向上する。R−T−B系焼結磁石素体の耐食性が向上すると、製品化する際の表面処理をフリー化、あるいは簡素化できるため、製品コストの低減につながる。
また、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石1が、表層部3に、中央部4よりも結晶粒7の平均粒径が大きい、第2の領域12を有する場合には、特に、着磁性が向上する。着磁性が向上すると、着磁電力の削減、着磁コイルの長寿命化が実現できる。
従来は、全体として組織が均一なR−T−B系焼結磁石を製造するのが一般的であり、R−T−B系焼結磁石を構成する結晶粒7の平均粒径についても、表層部3と中央部4とで別段違いを設けていなかった。しかし、本発明者らは、敢えてR−T−B系焼結磁石の組織(結晶粒7の粒径)を不均一化させることにより、優れた磁石特性(着磁性または耐食性)を実現できることを見出した。
なお、本実施形態において、中央部4と比較して結晶粒7の粒径が異なる領域は、表層部3に形成されていればよく、領域の深さや面積、数等については特に限定されるものではなく、R−T−B系焼結磁石1に求める特性に応じて任意に設定できる。また、当該領域における結晶粒7の粒径は、中央部4における結晶粒7の粒径と異なっていればよく、その大小関係についても、R−T−B系焼結磁石1に求める特性に応じて任意に設定できる。
このような本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石1は、例えば、図2(A)、(B)および(C)のような形態が挙げられる。なお、図2は、図1(A)のIB−IB線に沿う断面図である。
図2(A)の形態の場合、R−T−B系焼結磁石1の表層部3に、中央部4よりも結晶粒7の平均粒径が小さい、第1の領域11が形成されている。このような形態のR−T−B系焼結磁石1は、特に、優れた耐食性を実現し得る。
このような第1の領域11における結晶粒7の平均粒径φは、中央部4における結晶粒7の平均粒径φに比べて小さく(φ<φ)、好ましくは、中央部4における結晶粒7の平均粒径φの0.9倍以下(φ≦0.9φ)、より好ましくは、中央部4における結晶粒7の平均粒径φの0.8倍以下(φ≦0.8φ)である。
また、中央部4における結晶粒7の平均粒径φは、1.0〜10.0μmが好ましく、さらに好ましくは2.0〜6.0μmである。第1の領域11における結晶粒7の平均粒径φは、1.0μm〜4.0μmが好ましく、さらに好ましくは1.5μm〜3.5μmである。
また、本実施形態に係る第1の領域の深さtは、中央部4における結晶粒7の平均粒径φの50倍以上、より好ましくは100倍以上であり、表層部3の厚みを上限とする。
次に、図2(B)の形態の場合、R−T−B系焼結磁石1の表層部3に、中央部4よりも結晶粒7の平均粒径が大きい、第2の領域12が形成されている。このような形態のR−T−B系焼結磁石1は、特に、優れた着磁性を実現し得る。
このような第2の領域12における結晶粒7の平均粒径φは、中央部4における結晶粒7の平均粒径φに比べて大きく(φ>φ)、好ましくは、中央部4における結晶粒7の平均粒径φの1.1倍以上(φ≧1.1φ)、より好ましくは、中央部4における結晶粒7の平均粒径φの1.2倍以上(φ≧1.2φ)である。
また、中央部4における結晶粒7の平均粒径φは、1.0〜10.0μmが好ましく、さらに好ましくは2.0〜6.0μmである。第2の領域12における結晶粒7の平均粒径φは、2.0μm〜10.0μmが好ましく、さらに好ましくは2.5μm〜8.0μmである。
また、本実施形態に係る第2の領域の深さtは、中央部4における結晶粒7の平均粒径φの50倍以上、より好ましくは100倍以上であり、表層部3厚みを上限とする。
なお、図2(A)および(B)では、R−T−B系焼結磁石1の表面2の全体を覆う様に第1の領域11または第2の領域12が形成されているが、これらの領域は必ずしもR−T−B系焼結磁石1の全面を覆う必要はなく、R−T−B系焼結磁石1の表層部3の少なくとも一部に形成されていればよい。ただし、耐食性向上の観点からは、第1の領域11がR−T−B系焼結磁石1の表面2の全体を覆うように形成されていることが好ましい。また、着磁性向上の観点からは、第2の領域12がR−T−B系焼結磁石1の表面2の全体を覆うように形成されていることが好ましい。
また、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石1は、図2(C)に示されるような形態であってもよい。図2(C)では、表層部3に、上述の第1の領域11と第2の領域12の両方を有している。
ここで、第1の領域11と第2の領域12とは、必ず接している必要はなく、それぞれの領域の境目は、中央部4と同等の粒子径を有し、徐々に同化するように形成されていてもよい。
このような形態のR−T−B系焼結磁石1についても、優れた耐食性及び着磁性が発揮される。また、第1の領域11と第2の領域12との間では保磁力差が生じるため、所望の保磁力分布を実現し得る。
なお、図2(A)〜(C)は、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の断面を模式的に示したものである。したがって、これらの図では、模式的に、第1の領域11および第2の領域12が明確に区分されているが、実際には、各領域の境目は必ずしも明確でなくてもよい。すなわち、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石1では、第1の領域11および第2の領域12における結晶粒7の粒径は、中央部4に向かって徐々に、中央部4における結晶粒7の粒径に近づいていき、各領域は最終的に中央部の組織に同化していくと考えられる。
また、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の組織(結晶粒7や粒界8、9)の様子は、例えばSEM観察等で確認することができる。また、小領域の磁気特性(保磁力や残留磁束密度等)については、VSM(Vibrating Sample Magnetometer)やパルスBHトレーサーなどにより測定することができる。
<R−T−B系焼結磁石の製造方法>
次に、本発明に係るR−T−B系焼結磁石の製造方法について、好ましい実施形態を説明する。
なお、以下では、粉末冶金法で作製されるR−T−B系焼結磁石を例に説明するが、本発明に係るR−T−B系焼結磁石の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の他の方法も用いることができる。
また、本発明に係るR−T−B系焼結磁石は、表層部に、中央部と比較して結晶粒の平均粒径が異なる領域を有することを特徴とする。したがって、R−T−B系焼結磁石の表層部における結晶粒の平均粒径や、当該領域を形成する場所やその大きさ等に応じて、製造方法や製造条件を適宜選択することが好ましい。
例えば、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の製造方法は、以下の各工程を含むことが好ましい。
[合金準備工程]
原料粉末は、公知の方法により作製することができる。本実施形態では、第1合金と第2合金との2合金を混合して原料粉末を作製するいわゆる2合金法の場合について説明するが、単独の合金を使用する1合金法でもよい。
まず、主にR−T−B系焼結磁石の主相を形成する第1合金と、主にR−T−B系焼結磁石の粒界を形成する第2合金とを準備する(合金準備工程)。合金準備工程では、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の組成に対応する原料金属を、真空またはArガスなどの不活性ガスの不活性ガス雰囲気中で溶解した後、鋳造することによって所望の組成を有する第1合金および第2合金を作製する。
原料金属としては、例えば、希土類金属あるいは希土類合金、純鉄、フェロボロン、更にこれらの合金や化合物等を使用することができる。原料金属を鋳造する鋳造方法は、例えばストリップキャスト法やブックモールド法や遠心鋳造法などである。得られた原料合金は、凝固偏析がある場合は必要に応じて均質化処理を行う。原料合金の均質化処理を行う際は、真空または不活性ガス雰囲気の下、700℃以上1200℃以下の温度で1時間以上保持して行う。これにより、R−T−B系焼結磁石用合金は均質化される。
第1合金および第2合金が作製された後、第1合金および第2合金を粉砕する(粉砕工程)。粉砕工程では、第1合金および第2合金が作製された後、これらの第1合金および第2合金を別々に粉砕して粉末とする。なお、第1合金および第2合金を混合して同時に粉砕してもよい。
[粉砕工程]
粉砕工程は、粒径が数百μm〜数mm程度になるまで粉砕する粗粉砕工程と、粒径が数μm程度になるまで微粉砕する微粉砕工程との2段階で実施する場合を以下に記述するが、微粉砕工程のみで粉砕してもよい。
粗粉砕工程では、第1合金および第2合金を各々粒径が数百μm〜数mm程度になるまで粗粉砕する。これにより、第1合金および第2合金の粗粉砕粉末を得る。粗粉砕は、例えば、第1合金および第2合金に水素を吸蔵させた後、異なる相間の水素吸蔵量の相違に基づく体積膨張の差で自己崩壊的な粉砕を生じさせる(水素吸蔵粉砕)ことによって行うことができる。
なお、粗粉砕工程は、上記のように水素吸蔵粉砕を用いる以外に、不活性ガス雰囲気中にて、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等の粗粉砕機を用いて行ってもよい。
また、高い磁気特性を得るために、粉砕工程から焼結工程までの各工程の雰囲気は、低酸素濃度とすることが好ましい。酸素濃度は、各製造工程における雰囲気の制御等により調節される。各製造工程の酸素濃度が高いと原料粉中の希土類元素が酸化して希土類酸化物が生成され、得られるR−T−B系焼結磁石の残留磁束密度および保磁力が低下する。そのため、例えば、各工程の酸素の濃度を100ppm以下とすることが好ましい。
次に、第1合金および第2合金を粗粉砕した後、得られた第1合金および第2合金の粗粉砕粉末を平均粒子径が数μm程度になるまで微粉砕する(微粉砕工程)。これにより、第1合金および第2合金の微粉砕粉末を得る。微粉の平均粒径は好ましくは1μm以上10μm以下、より好ましくは2μm以上6μm以下である。
なお、本実施形態においては、第1合金および第2合金を別々に粉砕して微粉砕粉末を得るようにしているが、微粉砕工程において第1合金および第2合金の粗粉砕粉末を混合してから微粉砕粉末を得るようにしてもよい。
微粉砕は、粉砕時間等の条件を適宜調整しながら、ジェットミル、ボールミル、振動ミル、湿式アトライター等の微粉砕機を用いて実施される。ジェットミルは、高圧の不活性ガス(例えば、Nガス)を狭いノズルより開放して高速のガス流を発生させ、この高速のガス流により第1合金および第2合金の粗粉砕粉末を加速して第1合金および第2合金の粗粉砕粉末同士を衝突させて、あるいはターゲットまたは容器壁との衝突を発生させて粉砕する方法である。
第1合金および第2合金の粗粉砕粉末を微粉砕する際、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸アミド等の粉砕助剤を添加することにより、成形時に配向性の高い微粉砕粉末を得ることができる。
第1合金および第2合金を微粉砕した後、各々の微粉砕粉末を低酸素雰囲気で混合する(混合工程)。これにより、混合粉末が得られる。低酸素雰囲気は、例えば、Nガス、Arガス雰囲気など不活性ガス雰囲気とする。第1合金粉末および第2合金粉末の配合比率は、質量比で80対20以上97対3以下とするのが好ましく、より好ましくは質量比で90対10以上97対3以下である。
また、粉砕工程において、第1合金および第2合金を一緒に粉砕する場合の配合比率も、第1合金および第2合金を別々に粉砕する場合と同様に、第1合金粉末および第2合金粉末の配合比率は、質量比で80対20以上97対3以下とするのが好ましく、より好ましくは質量比で90対10以上97対3以下である。
上記のように2合金法の場合には、混合工程を経た混合粉末を、成形体を得るための原料粉末とするが、1合金法の場合には、粉砕工程を経た粉末を、成形体を得るための原料粉末とすることができる。
[成形工程]
成形工程では、原料粉末(例えば、上記混合粉末)を目的の形状に成形する。本実施形態では、上記混合粉末を、金型内に充填して、磁場中で加圧する。これにより得られた成形体は、主相結晶が特定方向に配向しているので、より残留磁束密度の高いR−T−B系焼結磁石が得られる。
成形時の加圧は、20MPa〜300MPaで行うことが好ましい。印加する磁場は、950kA/m〜1600kA/mであることが好ましい。印加する磁場は静磁場に限定されず、パルス状磁場とすることもできる。また、静磁場とパルス状磁場を併用することもできる。
なお、成形方法としては、上記のように混合粉末をそのまま成形する乾式成形の他、原料粉末を油等の溶媒に分散させたスラリーを成形する湿式成形を適用することもできる。
また、必要に応じて金型に潤滑剤を塗布してもよい。潤滑剤としては、公知の潤滑剤を用いることができ、例えば、乾式の潤滑剤であるステアリン酸亜鉛や、湿式の潤滑剤であるオレイン酸アミド溶液(溶媒はアルコール)等が挙げられる。また、潤滑剤を塗布する方法も公知の方法を用いることができる。
混合粉末を成形して得られる成形体の形状は特に限定されるものではなく、例えば直方体、平板状、柱状、リング状等、所望とするR−T−B系焼結磁石の形状に応じて任意の形状とすることができる。
[焼結工程]
焼結工程は、成形体を真空または不活性ガス雰囲気中で焼結し、R−T−B系焼結磁石を得る工程である。焼結温度は、組成、粉砕方法、粒度と粒度分布の違い等、諸条件により調整する必要があるが、成形体に対して、例えば、真空中または不活性ガスの存在下、1000℃以上1200℃以下で1時間以上20時間以下で加熱する処理を行うことにより焼成する。これにより、高密度のR−T−B系焼結磁石が得られる。
なお、焼結工程の前に、脱WAXを行ってもよい。脱WAXとは、成形体に残留している潤滑剤成分を除去するために、低温で熱処理等を行うことをいう。
[時効処理工程]
時効処理工程は、成形体を焼結した後、R−T−B系焼結磁石を焼結温度より低温で熱処理する工程である。時効処理は、例えば、700℃以上900℃以下の温度で1時間から10時間、更に500℃から700℃の温度で0.1時間から10時間加熱する2段階加熱や、600℃付近の温度で0.1時間から10時間加熱する1段階加熱等、時効処理を施す回数に応じて適宜処理条件を調整する。このような時効処理によって、R−T−B系焼結磁石の磁気特性を向上させることができる。また、時効処理工程は後述する加工工程や粒界拡散工程の後に行ってもよい。あるいは、後述する粒界拡散工程により、時効処理工程を兼ねてもよい。
[冷却工程]
冷却工程では、R−T−B系焼結磁石に時効処理を施した後、R−T−B系焼結磁石をArガス雰囲気中で急冷する。これにより、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石を得ることができる。冷却速度は、特に限定されるものではなく、30℃/min以上とするのが好ましい。
[加工工程]
必要に応じて、得られたR−T−B系焼結磁石所望の形状に加工する工程を有してもよい。加工方法は、例えば切断、研削などの形状加工や、バレル研磨などの面取り加工などが挙げられる。
[粒界拡散工程]
加工されたR−T−B系焼結磁石の粒界に対して、更に重希土類元素を拡散させる工程を有してもよい。粒界拡散は、塗布または蒸着等により重希土類元素を含む化合物をR−T−B系焼結磁石の表面に付着させた後、熱処理を行うことや、重希土類元素の蒸気を含む雰囲気中でR−T−B系焼結磁石に対して熱処理を行うことにより、実施することができる。これにより、R−T−B系焼結磁石の保磁力を更に向上させることができる。なお、粒界拡散工程を行う場合には、前述の時効処理工程を兼ねることができる。この場合、製造工程を一部簡略化できるため、生産性の観点から好適である。粒界拡散工程の後に再度、加工工程を実施しても良い。
[表面処理工程]
以上の工程により得られたR−T−B系焼結磁石は、めっきや樹脂被膜や酸化処理、化成処理などの表面処理を施してもよい。これにより、耐食性を更に向上させることができる。
なお、本実施形態では、加工工程、粒界拡散工程、表面処理工程を行っているが、これらの各工程は必ずしも行う必要はない。
ここで、本実施形態に係る製造方法において、R−T−B系焼結磁石の表層部に、中央部と比較して結晶粒の平均粒径が異なる領域を形成する方法の具体例をいくつか示す。なお、当該領域を形成する方法は、下記の方法に限定されず、様々な方法を選択し得る。
まず、最終的に得られるR−T−B系焼結磁石の表層部に、第1の領域(中央部よりも結晶粒の平均粒径が小さい領域)を形成する方法としては、例えば、粗粉砕工程における保持温度を所定の範囲に制御する方法や、焼成前の成形体を比較的高酸素雰囲気下で保持し表面のみを軽度に酸化させる方法や、成型時に金型側面等から湿式の潤滑剤を浸透させる方法等が挙げられる。
水素吸蔵を利用した粗粉砕工程における保持温度を制御して最終的に得られるR−T−B系焼結磁石の表層部に、第1の領域(中央部よりも結晶粒の平均粒径が小さい領域)を形成する場合には、組成により違いはあるものの、保持温度を、好ましくは250〜800℃、より好ましくは300〜700℃とすればよい。これにより、R−T−B系焼結磁石の表層部における結晶粒の平均粒径を、中央部よりも小さくすることができる。
また、焼成前の成形体を高酸素雰囲気下で保持する場合には、酸素濃度を、好ましくは500ppm〜10000ppm、より好ましくは1000ppm〜5000ppmとすればよい。また、保持時間は、好ましくは10分〜1時間程度とすればよい。これにより、成形体表面が軽度に酸化し、焼結時の結晶粒成長が抑制されるため、R−T−B系焼結磁石の表層部における結晶粒の平均粒径を、中央部よりも小さくすることができる。
成型時に金型側面等から成形体に湿式の潤滑剤を浸透させる方法の場合には、塗布量を通常より多めにすればよい。湿式潤滑剤の成型体への浸透量(取り込まれ量)は、金型への湿式潤滑剤の塗布量により適宜調整することができるが、好ましくは未潤滑で成形した同じ形の成形体の基本重量の0.1〜1%であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.5%程度である。すなわち、湿式潤滑剤を浸透させた成形体の重量は、未潤滑で成形した成形体の基本重量より、好ましくは0.1〜1%、より好ましくは0.1〜0.5%重くなる。このように成形体に湿式の潤滑剤を浸透させることにより、焼結後に、内部に比べ、表層部の残留炭素量を多くできる。その結果、残留炭素により表層部の結晶粒成長が抑制されるため、R−T−B系焼結磁石の表層部における結晶粒の平均粒径を、中央部よりも小さくすることができる。
なお、湿式潤滑剤の塗布量を増やすと、成形体への浸透量は増えるが、金型側面との摩擦が大きくなるため好ましくない。また、湿式潤滑剤としては、公知の潤滑剤を用いることができる。例えば、オレイン酸アミド溶液(溶媒は、例えばアルコール)等を用いることができる。
次に、最終的に得られるR−T−B系焼結磁石の表層部に、第2の領域(中央部よりも結晶粒の平均粒径が大きく領域)を形成する方法としては、例えば、焼結工程における昇温速度を所定の範囲に制御する方法や、実施の有無を含めた焼結処理前の脱WAX工程条件を変更する方法等が挙げられる。
焼結工程における昇温速度を制御する場合には、昇温速度を、好ましくは10〜30℃/分、より好ましくは15〜25℃/分とすればよい。これにより、R−T−B系焼結磁石の表層部における結晶粒の平均粒径を、中央部よりも大きくすることができる。
また、脱WAX処理条件を変更する場合には、好ましくは、脱WAX処理を実施しない、あるいは100℃以下で、かつ1時間未満の処理とすれば良い。
更に、最終的に得られるR−T−B系焼結磁石の表層部に、第1の領域と第2の領域を同時に形成する方法としては、例えば、上記のR−T−B系焼結磁石の表層部における結晶粒の平均粒径を中央部よりも小さくする方法と、上記のR−T−B系焼結磁石の表層部における結晶粒の平均粒径を中央部よりも大きくする方法を組み合わせる方法等が挙げられる。このような方法によれば、R−T−B系焼結磁石の表層部に、中央部おける結晶粒の平均粒径よりも、結晶粒の平均粒径が小さい部分と、大きい部分とを同時に形成できる。
これらの方法は、単独で行ってもよいし、上記の方法またはそれ以外の方法と組み合わせて行ってもよい。その他、上記以外の方法により行われてもよい。
なお、以上の方法により得られた本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、着磁することにより、R−T−B系焼結磁石製品となる。
このようにして得られる本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、モータなど回転機用の磁石に用いた場合、耐食性が高いため長期に渡って使用することができ、信頼性の高い磁石を得ることができる。本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、例えば、ロータ表面に磁石を取り付けた表面磁石型(Surface Permanent Magnet:SPM)モータ、インナーロータ型のブラシレスモータのような内部磁石埋込型(Interior Permanent Magnet:IPM)モータ、PRM(Permanent magnet Reluctance Motor)などの磁石として好適に用いられる。具体的には、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、ハードディスクドライブのハードディスク回転駆動用スピンドルモータやボイスコイルモータ、電気自動車やハイブリッドカー用モータ、自動車の電動パワーステアリング用モータ、工作機械のサーボモータ、携帯電話のバイブレータ用モータ、プリンタ用モータ、発電機用モータ等の用途として好適に用いられる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
以下、本発明を、更に詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
(実施例1)
表1に示す原料合金を、ストリップキャスティング法により準備した。なお、表1では、bal.は、各合金の全体組成を100質量%とした場合の残りを示す。また、Bは、ICP法で、それ以外の元素は蛍光X線法で測定された。
Figure 2016096182
次いで、原料合金に対して、室温で1時間水素ガスをフローさせて、水素を吸蔵させ後、Arガス中で昇温し、300℃、1時間保持し、脱水素を行う水素粉砕処理(粗粉砕)を行った。
次に、原料合金に対して、水素粉砕後微粉砕を行う前に粗粉砕粉末に粉砕助剤(潤滑剤)として、オレイン酸アミド0.1質量%を添加し、窒素ガスを使用した低酸素雰囲気中(O≦100ppm)でジェットミルを用いて微粉砕を行い、平均粒径が4.0μm程度の微粉砕粉末とした。
得られた微粉砕粉末を、R−T−B系焼結磁石中に配置された金型内に充填し、印加磁場1200kA/mで、50MPaの圧力を加える磁場中成形を行い、成形体を得た(サンプルA)。なお、金型内には、成形時に微粉末と金型間の摩擦を低減し、結晶配向度を向上させる目的で、乾式の潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を噴霧した。
その後、得られた成形体に対し、減圧下で、300℃、2時間の熱処理により、脱WAXを行い、真空中、昇温速度5〜10℃/分で昇温し、1060℃で4時間保持して焼成した後、急冷して、焼結体(R−T−B系焼結磁石)を得た。なお、粗粉砕〜焼結処理までの間は、酸素濃度が100ppm未満となるように雰囲気管理の下ですべての処理が行われた。
得られた焼結体に対し、Arフロー雰囲気下で、580℃、1時間の時効処理を施し、実施例1のR−T−B系焼結磁石(60mm×30mm×40mm)を得た。
(比較例1)
比較例1では、水素粉砕処理(粗粉砕)で脱水素を行う際の保持温度を600℃とした以外は、実施例1と同様の方法により、R−T−B系焼結磁石を得た(サンプルB)。
(実施例2)
実施例2では、焼成時の昇温速度を15〜20℃/分としたこと、及び脱WAX処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の方法により、R−T−B系焼結磁石を得た(サンプルC)。
(実施例3)
実施例3では、焼成前の成形体を酸素濃度1000ppmの雰囲気下に20分保持した以外は、比較例1と同様の方法により、R−T−B系焼結磁石を得た(サンプルD)。
(実施例4)
実施例4では、成形時の金型に用いる潤滑剤として、乾式の潤滑剤であるステアリン酸亜鉛に代えて、湿式の潤滑剤であるオレイン酸アミド溶液(メタノールに対して7質量%でオレイン酸アミドを溶解させた溶液)を用い、オレイン酸アミド溶液を金型側面に多めに塗布した以外は、比較例1と同様の方法により、R−T−B系焼結磁石を得た(サンプルE)。
なお、未潤滑で成形した成形体の基本重量が544gであり、乾式の潤滑剤であるステアリン酸亜鉛を用いて成形された比較例1の成形体が544g(n=20の平均値)であったのに対し、湿式の潤滑剤であるオレイン酸アミド溶液を多めに用いて成形された実施例4の成形体は、546g(n=20の平均値)であり、未潤滑または乾式の潤滑剤を用いて成形した成形体に比べてわずかに重かった。このことから、金型にオレイン酸アミド溶液を多めに塗布した場合には、湿式の潤滑剤であるオレイン酸アミド溶液が成形体側に浸透していると考える。しかし、成型体を破断し目視で観察する限り、中心付近に湿式潤滑剤が到達している様子はなかった。
(比較例2)
比較例2では、金型側面に対するオレイン酸アミド溶液の塗布量を少なめとした以外は、実施例4と同様の方法により、R−T−B系焼結磁石を得た(サンプルF)。なお、比較例2で作製された成形体の重量は、544g(n=20の平均値)であり、未潤滑または乾式の潤滑剤を用いて成形した成形体の重量と変わらなかった。
次に、実施例1〜4および比較例1および2で得られたR−T−B系焼結磁石(サンプルA〜F)について、以下の測定・評価を行った。
[1.組織評価]
サンプルA〜Fについて、組織の評価を行った。組織評価の詳細は次の通りである。
それぞれのサンプルについて、図3(A)および(B)に示すように、表層部(観測点I)および中央部(観測点II)の組織をそれぞれ採取する。採取したそれぞれの組織について、走査型電子顕微鏡(SEM)により断面観察を行った。結果を図4(A)〜(F)に示す。なお、図4(A)〜(F)は、それぞれサンプルA〜Fに対応し、左側が表層部、右側が中心部の組織に対応する。
図4に示されるように、本実施例に係るサンプルA、C、DおよびEは、中心部の結晶粒と、表層部の結晶粒とで、粒径に違いがあることが確認された。特に、サンプルA、DおよびEでは、中央部の結晶粒に比べて、表層部の結晶粒が小さく、サンプルCでは、中央部の結晶粒に比べて、表層部の結晶粒が大きいことが確認された。
一方、比較例に係るサンプルBおよびFでは、中央部と表層部とで、結晶粒の粒径に明確な違いはなく、表層部と中央部の結晶粒の平均粒径は同程度であった。
なお、粒径の測定は、焼結磁石表面を研磨し、SEMのBEIモードで観察して行った。観察した画像から粒界を特定し、粒界で囲まれた領域を円相当径に換算したものをサンプルの粒径とした。結果を表2に示す。
Figure 2016096182
[2.着磁性評価]
サンプルA〜Fについて、着磁性の評価を行った。着磁性評価の詳細は次の通りである。
電磁石の磁極間にサンプルを挟み閉磁路を成形し、表3に示す磁場を印加する。その後、磁場をゼロに戻す。その後、サンプルを電磁石から取り出し、フラックスメーターとサーチコイルを用いて総フラックスを測定する。このような作業を低磁場側から実施しデータを取得する。これらとパルス着磁4000kA/m印加時の総フラックスを100%とした場合と比較することで、各印加磁場における相対的な着磁率を算出した。結果を表3に示す。
Figure 2016096182
表3に示されるように、本実施例に係るサンプルA、C、DおよびEでは、優れた着磁性が発揮されることが確認された。これに対し、比較例に係るサンプルBおよびFでは、本実施例に係るサンプルA、C、DおよびEに比べて、着磁性が劣ることが確認された。
これらの結果から、本発明のR−T−B系焼結磁石は、製造過程によらず、R−T−B系焼結磁石の表層部の結晶粒の平均粒径と、中央部の結晶粒の平均粒径とが異なる関係となるように制御することにより、R−T−B系焼結磁石の着磁性を向上できることが確認された。
中でも、R−T−B系焼結磁石の表層部における結晶粒の平均粒径を中央部よりも大きく制御した場合に、R−T−B系焼結磁石の着磁性を劇的に向上できることが確認された。
[3.耐食性評価]
次に、サンプルA、B、D、EおよびFについて、耐食性の評価を行った。耐食性評価の詳細は次の通りである。
プレッシャークッカー試験(Pressure Cooker. Test;PCT)試験機を用いて120℃、2atm、100%RHの条件下で腐食させ、R−T−B系焼結磁石の表面の腐食物を除去し、腐食による重量変化を測定した。結果を、表4に示す。なお、評価結果としては、重量変化が3mg/cmを超えた時間とした。また、重量変化は100hまでは20h単位、100〜1000hは100h単位で測定した。
Figure 2016096182
表4に示されるように、比較例に係るサンプルBおよびFに比べて、本実施例に係るサンプルA、DおよびEでは、大幅な耐食性向上が認められる。
これらの結果から、本発明のR−T−B系焼結磁石は、製造過程によらず、R−T−B系焼結磁石の表層部における結晶粒の平均粒径を中央部よりも小さく制御することにより、R−T−B系焼結磁石の耐食性を劇的に向上できることが確認された。
1…R−T−B系焼結磁石
2…表面
3…表層部
4…中央部
7…粒子(主相)
8…二粒子界面(粒界)
9…三重点(粒界)
11…第1の領域
12…第2の領域

Claims (4)

  1. 14B結晶から成る粒子を主相とし、
    前記主相よりもRの含有量が多いRリッチ相を有するR−T−B系焼結磁石であって、
    表層部と中央部とを有し、
    前記表層部に、前記中央部と比較して結晶粒の平均粒径が異なる領域を有することを特徴とするR−T−B系焼結磁石。
  2. 前記平均粒径が異なる領域が、前記中央部よりも結晶粒の平均粒径が小さい、第1の領域から成ることを特徴とする請求項1に記載のR−T−B系焼結磁石。
  3. 前記平均粒径が異なる領域が、前記中央部よりも結晶粒の平均粒径が大きい、第2の領域から成ることを特徴とする請求項1に記載のR−T−B系焼結磁石。
  4. 前記第1の領域または第2の領域を有する前記表層部に直行する方向の厚みが8mm以下であることを特徴とする請求項2または3に記載のR−T−B系焼結磁石。
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