JP2016094568A - 蓄光顔料を含有する硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】架橋性珪素基を有する有機重合体及び蛍光体を含有する硬化性組成物であって貯蔵した後であっても硬化速度が低下しない、すなわち、貯蔵安定性が優れた硬化性組成物を提供すること。
【解決手段】(A)架橋性珪素基を有する有機重合体100質量部、(B)シラノール縮合触媒0.1〜20質量部、及び(C)蓄光顔料0.1〜200質量部を含有する硬化性組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は蓄光顔料を含有する硬化性組成物に関する。
ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基(以下、「架橋性珪素基」ともいう。)を有する有機重合体は、室温においても湿分等による反応性ケイ素基の加水分解反応等を伴うシロキサン結合の形成によって架橋し、ゴム状硬化物が得られるという性質を有することが知られている。これらの架橋性珪素基を有する重合体中で、主鎖骨格がポリオキシアルキレン系重合体または(メタ)アクリル酸エステル系重合体である有機重合体は、シーリング材、接着剤、塗料などの用途に広く使用されている。
一方、蛍光体を添加した樹脂が知られており、視認性に優れた表示板(特許文献1)や作物の成長に有効な波長の光を放出するフィルム(特許文献2)などに使用されている。
また、特許文献3に記載されているように接着剤などの硬化性組成物の塗布状態を確認するために蛍光体を添加することがなされている。さらに、特許文献4に記載されているように蛍光体を添加したシリコーン樹脂などは青色LEDからの光を白色光に変換するのに使用されている。
しかしながら、一般によく使用される蛍光体を架橋性珪素基を有する有機重合体に添加すると、得られる硬化性組成物を貯蔵した場合、硬化速度が低下することが判明した。
特開平7−330949号公報 特開平10−235776号公報 特開平5−331438号公報 特開2012−251165号公報
本発明の課題は架橋性珪素基を有する有機重合体及び蛍光体を含有する硬化性組成物であって貯蔵した後であっても硬化速度が低下しない、すなわち、貯蔵安定性が優れた硬化性組成物を提供することである。
本発明者らは蛍光体として蓄光性顔料を使用すると架橋性珪素基を有する有機重合体の硬化性組成物の貯蔵安定性が低下しないことを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は次の架橋性珪素基を有する有機重合体を含有する蛍光能を有する硬化性組成物に関する。
(1)(A)架橋性珪素基を有する有機重合体100質量部、(B)シラノール縮合触媒0.1〜20質量部、及び(C)蓄光顔料0.1〜200質量部を含有する硬化性組成物。
本発明の硬化性組成物は、貯蔵安定性が優れるという効果を有する。
本発明の硬化性組成物中、(A)成分の有機重合体における架橋性珪素基は珪素原子に結合した加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうる基である。代表例としては、式(1):
Figure 2016094568
(式中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基またはR SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基(Rは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基)を示し、Rが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Xは加水分解性基を示し、Xが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、2または3を、bは0、1または2を、それぞれ示す。またn個の式(2):
Figure 2016094568
におけるbは同一である必要はない。nは0〜19の整数を示す。但し、a+(bの和)≧1を満足するものとする。)で表わされる基があげられる。
該加水分解性基は1個の珪素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、a+(bの和)は1〜5の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸基が架橋性珪素基中に2個以上結合する場合には、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
架橋性珪素基を形成する珪素原子は1個でもよく、2個以上であってもよいが、シロキサン結合等により連結された珪素原子の場合には、20個程度あってもよい。
なお、式(3):
Figure 2016094568
(式中、R,X,aは前記と同じ)で表わされる架橋性珪素基が、入手が容易である点から好ましい。また、式(3)の架橋性珪素基においてaが2又は3である場合が好ましい。aが3の場合、aが2の場合よりも硬化速度が大きくなる。
上記Rの具体例としては、たとえばメチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基や、R SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基等があげられる。これらの中ではメチル基が好ましい。
上記Xで示される加水分解性基としては、特に限定されず、従来公知の加水分解性基であればよい。具体的には、たとえば水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等があげられる。これらの中では、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基およびアルケニルオキシ基が好ましく、アルコキシ基、アミド基、アミノオキシ基がさらに好ましい。加水分解性が穏やかで取扱やすいという観点からアルコキシ基が特に好ましい。アルコキシ基の中では炭素数の少ないものの方が反応性が高く、メトキシ基>エトキシ基>プロポキシ基の順のように炭素数が多くなるほどに反応性が低くなる。目的や用途に応じて選択できるが、通常メトキシ基やエトキシ基が使用される。式(3)で示される架橋性珪素基の場合、硬化性を考慮するとaは2以上が好ましい。
架橋性珪素基の具体的な例としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等のトリアルコキシシリル基、−Si(OR)、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基等のジアルコキシシリル基、−SiR1(OR)、があげられる。ここでRは前記と同じであり、Rはメチル基やエチル基のようなアルキル基である。
また、架橋性珪素基は1種で使用しても良く、2種以上併用してもかまわない。架橋性珪素基は、主鎖または側鎖あるいはいずれにも存在しうる。硬化物の引張特性等の硬化物物性が優れる点で架橋性珪素基が分子鎖末端に存在するのが好ましい。
架橋性珪素基は重合体1分子中に平均して少なくとも1個、好ましくは1.1〜5個存在するのがよい。分子中に含まれる架橋性珪素基の数が1個未満になると、硬化性が不充分になり、また多すぎると網目構造があまりに密となるため良好な機械特性を示さなくなる。特に、フタル酸エステル系可塑剤のような分子量800以下、さらには分子量1000以下、の低分子量の可塑剤を含有しない、いわゆる無可塑配合の硬化性組成物を製造する場合には架橋性珪素基は重合体1分子中に平均して1.1〜1.5個、さらに好ましくは1.1〜1.3個存在するのがよい。また、無可塑配合の硬化性組成物の場合には直鎖状の重合体を使用するのが好ましい。
架橋性珪素基を有する有機重合体の主鎖骨格は特に制限はなく、各種の主鎖骨格を持つものを使用することができる。具体的には、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシプロピレン−ポリオキシブチレン共重合体等のポリオキシアルキレン系重合体;エチレン−プロピレン系共重合体、ポリイソブチレン等の飽和炭化水素系重合体、イソブチレンとイソプレン等との共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、イソプレンあるいはブタジエンとアクリロニトリルおよび/またはスチレン等との共重合体、ポリブタジエン、イソプレンあるいはブタジエンとアクリロニトリル、および/またはスチレン等との共重合体、これらのポリオレフィン系重合体に水素添加して得られる水添ポリオレフィン系重合体等の炭化水素系重合体;アジピン酸、テレフタル酸、琥珀酸等の多塩基酸とビスフェノールA、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の多価アルコールとの縮合重合体やラクトン類の開環重合体等のポリエステル系重合体;ε−カプロラクタムの開環重合によるナイロン6、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の縮重合によるナイロン6・6、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の縮重合によるナイロン6・10、ε−アミノウンデカン酸の縮重合によるナイロン11、ε−アミノラウロラクタムの開環重合によるナイロン12、上記のナイロンのうち2成分以上の成分を有する共重合ナイロン等のポリアミド系重合体;エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のモノマーをイオン重合やラジカル重合して得られるポリアクリル酸エステル、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステルと、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、スチレン等とのアクリル酸エステル共重合体等のアクリル酸エステル系重合体;前記有機重合体中でのビニルモノマーを重合して得られるグラフト重合体;ポリサルファイド系重合体;たとえばビスフェノールAと塩化カルボニルより縮重合して製造されるポリカーボネート系重合体、ジアリルフタレート系重合体等が例示される。
上記主鎖骨格をもつ重合体のうち、ポリエステル系重合体、アクリル酸エステル系重合体、ポリオキシアルキレン系重合体、飽和炭化水素系重合体、ポリカーボネート系重合体等が好ましい。特に、架橋性珪素基を分子鎖末端に導入させ易く、比較的低粘度で安価でもあり、ガラス転移温度が低く、得られる硬化物が耐寒性に優れるオキシアルキレン系重合体、耐熱性、耐候性や接着性に優れるアクリル酸アルキルエステル系重合体や電気特性に優れる飽和炭化水素系重合体が好ましい。
更には、ポリオキシアルキレン系重合体と(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体の混合物が硬化物の機械強度に優れ、且つ、耐熱性や基材との接着性にも優れる特性を有するため、本発明に特に適している。架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体と架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の混合物を使用する場合、オキシアルキレン系重合体100重量部に対し、(メタ)アクリル酸エステル系重合体を5〜200重量部使用することが好ましく、5〜50重量部使用することがさらに好ましい。
架橋性珪素基を有する有機重合体は、直鎖状でもよくまたは分岐を有してもよく、数平均分子量で500〜50,000程度が好ましく、1,000〜30,000がさらに好ましい。分子量が大きくなると、硬度が小さくなる傾向にある。
上記重合体の中でポリオキシアルキレン系重合体は本質的に式(4)で示される繰り返し単位を有する重合体である。
Figure 2016094568
(式中、Rは2価の有機基)
式(4)におけるRは、炭素数1〜14の、さらには2〜4の、直鎖状もしくは分岐状アルキレン基が好ましい。式(4)で示される繰り返し単位の具体例としては、例えば、
Figure 2016094568
等があげられる。ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格は、1種類だけの繰り返し単位からなってもよいし、2種類以上の繰り返し単位からなってもよい。特にオキシプロピレンを主成分とする重合体から成るのが好ましい。
ポリオキシアルキレン系重合体を使用する場合、その分子量は硬化物の引張特性である引張モジュラスを小さくし破断時伸びを大きくするため大きいほうが好ましい。本発明においては、数平均分子量の下限としては5,000が好ましく、10,000がさらに好ましい。また、数平均分子量の上限は50,000が好ましく、30,000がさらに好ましい。なお、本発明でいう数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算分子量をいう。数平均分子量が5,000未満の場合、引張モジュラスや破断時伸びが十分でない場合があり、50,000を超えると組成物の粘度が大きくなり作業性が低下することがある。
ポリオキシアルキレン系重合体は直鎖状でもよくまたは分岐を有してもよいが、硬化物の引張モジュラスを小さくし破断時伸びを大きくできるため直鎖状の重合体が好ましい。また、架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体の分子量分布は2以下、特には1.6以下が好ましい。
ポリオキシアルキレン系重合体の合成法としては、たとえばKOHのようなアルカリ触媒による重合法、たとえば特開昭61−197631号、同61−215622号、同61−215623号、同61−215623号に示されるような有機アルミニウム化合物とポルフィリンとを反応させて得られる、有機アルミニウム−ポルフィリン錯体触媒による重合法、たとえば特公昭46−27250号および特公昭59−15336号などに示される複金属シアン化物錯体触媒による重合法等があげられるが、特に限定されるものではない。有機アルミニウム−ポルフィリン錯体触媒による重合法や複金属シアン化物錯体触媒による重合法によれば数平均分子量6,000以上、Mw/Mnが1.6以下の高分子量で分子量分布が狭いオキシアルキレン系重合体を得ることができる。
上記ポリオキシアルキレン類の主鎖骨格中にはウレタン結合成分等の他の成分を含んでいてもよい。ウレタン結合成分としては、たとえばトルエン(トリレン)ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート;イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネートと水酸基を有するポリオキシアルキレン類との反応から得られるものをあげることができる。
ポリオキシアルキレン系重合体への架橋性珪素基の導入は、分子中に不飽和基、水酸基、エポキシ基やイソシアネート基等の官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体に、この官能基に対して反応性を示す官能基および架橋性珪素基を有する化合物を反応させることにより行うことができる。この方法(以下、高分子反応法という)はポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体、リビング重合により得られる不飽和単量体の重合体にも好適に使用される。これらの重合体は分子鎖末端に水酸基等の官能基を有しているので、末端に架橋性珪素基を導入しやすいためである。
高分子反応法の具体例として、不飽和基含有オキシアルキレン系重合体に架橋性珪素基を有するヒドロシランや架橋性珪素基を有するメルカプト化合物を作用させてヒドロシリル化やメルカプト化し、架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体を得る方法をあげることができる。不飽和基含有オキシアルキレン系重合体は水酸基等の官能基を有する有機重合体に、不飽和ハロゲン化合物のような、この官能基に対して反応性を示す活性基および不飽和基を有する有機化合物を反応させ、不飽和基を含有するオキシアルキレン系重合体を得ることができる。
また、高分子反応法の他の具体例として、末端に水酸基を有するオキシアルキレン系重合体とイソシアネート基および架橋性珪素基を有する化合物を反応させる方法や末端にイソシアネート基を有するオキシアルキレン系重合体と水酸基やアミノ基等の活性水素基および架橋性珪素基を有する化合物を反応させる方法をあげることができる。イソシアネート化合物を使用すると、容易に架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体を得ることができる。高分子反応法はオキシアルキレン系重合体以外の他の重合体にも適用することが可能である。
架橋性珪素基を有するオキシアルキレン重合体の具体例としては、特公昭45−36319号、同46−12154号、特開昭50−156599号、同54−6096号、同55−13767号、同57−164123号、特公平3−2450号、特開2005−213446号、同2005−306891号、国際公開特許WO2007−040143号、米国特許3,632,557号、同4,345,053号、同4,960,844号等の各公報に提案されているものをあげることができる。
架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体は本質的に式(5)で示される繰り返し単位を有する重合体である。
Figure 2016094568
(式中、Rは水素原子またはメチル基、Rはアルキル基を示す)
式(5)におけるRはアルキル基であり、炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。Rは直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。また、ハロゲン原子やフェニル基等を有する置換アルキル基でもよい。Rの例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、トリデシル基、セチル基、ステアリル基、ベヘニル基、グリシジル基等のエポキシ基置換アルキル基、ジエチルアミノエチル基等のアミノ基置換アルキル基等をあげることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体の分子鎖は本質的に式(5)の単量体単位からなるが、ここでいう本質的にとは該重合体中に存在する式(5)の単量体単位の合計が50重量%をこえることを意味する。式(5)の単量体単位の合計は好ましくは70重量%以上である。
式(5)以外の単量体単位の例としては、アクリル酸、メタクリル酸等の(メタ)アクリル酸;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のアミド基、アミノエチルビニルエーテル等のアミノ基を含む単量体;その他アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン等に起因する単量体単位があげられる。
架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体は上記したように、オキシアルキレン系重合体と混合して使用されることがある。この場合、架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体との相溶性が大きい点で、架橋性珪素基を有し分子鎖が、下記式(6):
Figure 2016094568
(式中、Rは前記に同じ、Rは炭素数1〜5のアルキル基を示す)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体単位と、下記式(7):
Figure 2016094568
(式中、Rは前記に同じ、Rは炭素数6以上のアルキル基を示す)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体単位からなる共重合体が好ましい。
前記式(6)のRとしては、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜5、好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜2のアルキル基があげられる。なお、Rは一種でもよく、2種以上混合していてもよい。
前記式(7)のRとしては、たとえば2−エチルヘキシル基、ラウリル基、トリデシル基、セチル基、ステアリル基、ベヘニル基等の炭素数6以上、通常は7〜30、好ましくは8〜20の長鎖のアルキル基があげられる。なお、Rは一種でもよく、2種以上混合したものであってもよい。また、式(6)の単量体単位と式(7)の単量体単位の存在比は、重量比で95:5〜40:60が好ましく、90:10〜60:40がさらに好ましい。
架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体は通常、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルをラジカル共重合して得ることができる。また、架橋性珪素基を有する開始剤や架橋性珪素基を有する連鎖移動剤を使用すると分子鎖末端に架橋性珪素基を導入することができる。
特開2001−040037号公報、特開2003−048923号公報および特開2003−048924号公報には架橋性珪素基を有するメルカプタンおよびメタロセン化合物を使用して得られる架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体が記載されている。また、特開2005−082681号公報合成例には高温連続重合による架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体が記載されている。
特開2000−086999号公報等にあるように、架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体であって架橋性珪素基が分子鎖末端に高い割合で導入された重合体も知られている。このような重合体はリビングラジカル重合によって製造されているため、高い割合で架橋性珪素基を分子鎖末端に導入することができる。本発明では以上に述べたような(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体を使用することができる。
架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体やこの重合体と架橋性珪素基を有するオキシアルキレン重合体の混合物の具体例は、特開昭59−122541号、同63−112642号、同特開平6−172631号等の各公報に記載されている。また、特開昭59−78223号、特開昭59−168014号、特開昭60−228516号、特開昭60−228517号等の各公報には、架橋性珪素基を有するオキシアルキレン重合体の存在下で(メタ)アクリル酸エステル系単量体の重合を行い、架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体と架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体の混合物を得る方法が記載されている。
有機重合体の中で飽和炭化水素系重合体は、芳香環以外の炭素−炭素不飽和結合を実質的に含有しない重合体であり、その骨格をなす重合体は、(1)エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレンなどのような炭素原子数2〜6のオレフィン系化合物を主モノマーとして重合させるか、(2)ブタジエン、イソプレンなどのようなジエン系化合物を単独重合させ、あるいは、オレフィン系化合物とを共重合させた後、水素添加するなどの万法により得ることができるが、イソブチレン系重合体や水添ポリブタジエン系重合体は、末端に官能基を導入しやすく、分子量を制御しやすく、また、末端官能基の数を多くすることができるので好ましく、イソブチレン系重合体が特に好ましい。
主鎖骨格が飽和炭化水素系重合体であるものは、耐熱性、耐候性、耐久性、及び、湿気遮断性に優れる特徴を有する。イソブチレン系重合体は、単量体単位のすべてがイソブチレン単位から形成されていてもよいし、他単量体との共重合体でもよいが、ゴム特性の面からイソブチレンに由来する繰り返し単位を50質量%以上含有するものが好ましく、80質量%以上含有するものがより好ましく、90〜99質量%含有するものが特に好ましい。
飽和炭化水素系重合体の合成法としては、従来、各種重合方法が報告されているが、特に近年多くのいわゆるリビング重合が開発されている。飽和炭化水素系重合体、特にイソブチレン系重合体の場合、Kennedyらによって見出されたイニファー重合(J. P. Kennedyら、 J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed.1997年、15巻、2843頁)を用いることにより容易に製造することが可能であり、分子量500〜100,000程度を、分子量分布1.5以下で重合でき、分子末端に各種官能基を導入できることが知られている。
架橋性珪素基を有する飽和炭化水素系重合体の製法としては、たとえぱ、持公平4ー69659号、特公平7−108928号、特開昭63−254149号、特開昭64−22904号、特開平1−197509号、特許公報第2539445号、特許公報第2873395号、特開平7−53882号の各明細書などに記戰されているが、特にこれらに限定されるものではない。
上記の架橋性珪素基を有する飽和炭化水素系重合体は、単独で使用してもよいし2種以上併用してもよい。
本発明に使用する(B)成分であるシラノール縮合触媒は(A)成分である架橋性珪素基を有する有機重合体を架橋硬化するための触媒である。シラノール縮合触媒の例としては、アルキルチタン酸塩、有機珪素チタン酸塩、ビスマストリス2−エチルヘキソエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジバーサテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫マレエート、ジオクチル錫ジアセテート、オクチル酸錫、ナフテン酸錫等の如きカルボン酸の金属塩:ジブチルアミン−2−エチルヘキソエート等の如きアミン塩:並びに他の酸性触媒および塩基性触媒をあげることができる。これらの中では有機錫化合物が好ましく、4価の錫化合物がさらに好ましく、ジオクチル錫ジバーサテート等の4価の錫化合物であるジオクチル錫化合物が特に好ましい。シラノール縮合触媒を使用する場合、(A)成分100質量部に対し、通常0.1〜20質量部の範囲、好ましくは0.2〜10質量部の範囲で使用するのが良い。
本発明に使用する(C)成分である蓄光顔料の例としては、ビスマスを付活剤とした硫化カルシウム(CaS:Bi)、ビスマスを付活剤とした硫化カルシウム・ストロンチウム((Ca,Sr)S:Bi)、銅を付活剤とした硫化亜鉛(ZnS:Cu)、銅を付活剤とした硫化亜鉛カドミウム((Zn,Cd)S:Cu)などの付活剤で付活された金属硫化物、セラミックス系蓄光顔料(例えば、希土類元素を含むアルミナなどで構成されたセラミックス系酸化物)などが挙げられる。これらの蓄光顔料は一種又は二種以上使用できる。蓄光顔料としては、銅を付活剤とした硫化亜鉛、セラミックス系蓄光顔料を用いる場合が多い。
蓄光顔料に、プロメシウムなどの放射性物質を添加することにより夜光顔料としてもよい。さらに、演色性を高めるため、有機又は無機の着色顔料、例えは、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料などの有機顔料、クロムイエロー、酸化鉄、ジンクイエロー、紺青、群青などの無機顔料などを併用してもよい。
蓄光顔料の使用量は、発光効率を損なわない範囲で選択でき、例えば、(A)成分の重合体100質量部に対して0.1〜200重量部、好ましくは1〜100重量部、さらに好ましくは1〜50重量部、特に好ましくは、5〜25重量部程度である。
本発明の硬化性組成物には、さらに、充填剤、接着性付与剤、脱水剤、酸化防止剤、光安定剤、希釈剤、可塑剤、滑剤、顔料、発泡剤、エポキシ樹脂やエポキシ樹脂硬化剤などを必要に応じて添加することができる。
充填剤の例としては、フュームシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸およびカーボンブラックの如き補強性充填剤;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、硬化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華、水添ヒマシ油およびシラスバルーン、などの如き充填剤;石綿、ガラス繊維およびフィラメントの如き繊維状充填剤等が使用できる。
これらの充填剤の使用により強度の高い硬化物を得たい場合には、主にフュームシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸およびカーボンブラック、表面処理微細炭酸カルシウム、焼成クレー、クレー、および活性亜鉛華などから選ばれる充填剤を使用すれば好ましい結果が得られる。また、低強度で伸びが大である硬化物を得たい場合には、主に酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、酸化第二鉄、酸化亜鉛、およびシラスバルーンなどから選ばれる充填剤を使用すれば好ましい結果が得られる。もちろんこれらの充填剤は1種類のみで使用してもよいし、2種類以上混合使用してもよい。充填剤を使用する場合、(A)成分100質量部に対し、通常1〜300質量部の範囲、好ましくは5〜300質量部の範囲、さらに好ましくは5〜250質量部で使用するのが良い。なお、不透明な充填剤を使用する場合にはその添加量に注意する必要がある。
接着性付与剤は基材に対する接着性を向上させるためのものである。接着性付与剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミカップリング剤等が挙げられるが、好ましくはシランカップリング剤である。シランカップリング剤は架橋性珪素基と他の官能基を有する化合物である。
このようなシラン化合物としては、ビニルアルキル(炭素数1〜4)アルコキシ(炭素数1〜4)シラン(例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等)、(メタ)アクリロイロキシアルキル(炭素数1〜4)アルコキシ(炭素数1〜4)シラン(例えばγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等)、アルキル(炭素数1〜4)アルコキシ(炭素数1〜4)シラン(例えばメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン等)、アミノ(分子中に1〜4個)アルキル(炭素数2〜15)アルコキシ(炭素数1〜4)シラン(例えばγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルメチルジメトキシシラン等)、エポキシ(分子中に1〜4個)アルキル(炭素数1〜4)アルコキシ(炭素数1〜4)シラン(例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等)、メルカプト(分子中に1〜4個)アルキル(炭素数1〜4)アルコキシ(炭素数1〜4)シラン(例えばγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等)等が挙げられる。
これらの中ではアミノ基と架橋性珪素基を有するシランカップリング剤(以下、アミノシランともいう)が接着性改善効果が大きいので好ましい。また、アミノ基をケチミン化したケチミノシランのように、水と反応して、1分子中に少なくとも1個のアルコキシシリル基を有するアミン化合物を生成するアルコキシシラン化合物を使用することができる。水と反応して、1分子中に少なくとも1個のアルコキシシリル基を有するアミン化合物を生成するアルコキシシラン化合物はKBE−9103(信越化学工業株式会社製)、サイラエースS340(チッソ株式会社製)、Z−6860(東レ・ダウコーニング株式会社製)等として市販されている。
接着性付与剤の使用量は、(A)成分の架橋性珪素基を有する有機重合体100質量部に基づいて0.1〜20質量部が好ましく、1〜10質量部がさらに好ましい。これらの接着性付与剤は、2種以上併用して使用しても差し支えがない。
本発明の硬化性組成物は、脱水剤をさらに含むことができる。脱水剤は(A)成分の架橋性珪素基を有する有機重合体が保存中に架橋することを防止する。脱水剤としてシリケート挙げることができる。例えば、テトラアルコキシシランまたはその部分加水分解縮合物があげられ、より具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、エトキシトリメトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、メトキシトリエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−i−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン(テトラアルキルシリケート)、および、それらの部分加水分解縮合物が挙げられる。脱水剤として上記したシランカップリング剤を使用することができる。
脱水剤の配合割合は特に制限はないが、(A)成分100質量部に対して、0.1〜50質量部が好ましく、1〜50質量部がより好ましい。脱水剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
酸化防止剤としては、p−フェニレンジアミン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤や、二次酸化防止剤としてリン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられる。酸化防止剤の添加量は、特に限定されないが、(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、更に好ましくは0.5〜5質量部の範囲で使用できる。
光安定剤は各種のものが知られており、例えば大成社発行の「酸化防止剤ハンドブック」、シーエムシー化学発行の「高分子材料の劣化と安定化」(235〜242)等に記載された種々のものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。光安定剤の中でも、紫外線吸収剤が好ましく、具体的には、チヌビンP、チヌビン234、チヌビン320、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン329、チヌビン213(以上いずれも日本チバガイギー社製)等のようなベンゾトリアゾール系化合物やチヌビン1577等のようなトリアジン系、CHIMASSORB81等のようなベンゾフェノン系、チヌビン120(日本チバガイギー社製)等のようなベンゾエート系化合物等が例示できる。
また、ヒンダードアミン系化合物も好ましく、そのような化合物は具体的には特開2006−274084号公報記載のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。更には紫外線吸収剤とヒンダードアミン系化合物の組み合わせはより効果を発揮することがあるため、特に限定はされないが併用しても良く、併用することが好ましいことがある。光安定剤は前述した酸化防止剤と併用してもよく、併用することによりその効果を更に発揮し、特に耐候性が向上することがあるため特に好ましい。予め光安定剤と酸化防止剤を混合してあるチヌビンC353、チヌビンB75(以上いずれも日本チバガイギー社製)などを使用しても良い。
光安定剤の使用量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜10質量部の範囲であることが好ましい。0.1質量部未満では耐候性を改善の効果が少なく、10質量部超では効果に大差がなく経済的に不利である。
希釈剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ガソリンから灯油留分にいたる石油系溶剤類、ジメチルアジペート(DMA)、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート(TXIB)、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のエーテルエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の含窒素系溶剤等が挙げられる。希釈剤を使用する場合、(A)成分100質量部に対し、通常0.5〜50質量部の範囲、好ましくは1〜30質量部の範囲で使用するのが良い。
可塑剤の具体例としては、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル、セバシン酸ジブチル等の脂肪族二塩基酸エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル等のグリコールエステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル等の脂肪族エステル類;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル等のリン酸エステル類;2塩基酸と2価アルコールとのポリエステル類等のポリエステル系可塑剤類;ポリプロピレングリコールやその誘導体等のポリエーテル類;パラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、パラフィン−ナフテン系混合炭化水素等の炭化水素系可塑剤類;塩素化パラフィン類;低分子量のアクリル酸エステル重合体等が挙げられる。これらの可塑剤は単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよい。特にアクリル酸エステル重合体を使用すると硬化物の耐候性を改善することができる。
可塑剤を使用する場合、(A)成分100質量部に対し、通常10〜300質量部の範囲、好ましくは20〜250質量部の範囲で使用するのが良い。可塑剤の使用量が10質量部未満の場合には組成物の粘度が高くなりすぎる場合があり、また300質量部を越える場合は硬化物からの可塑剤の染み出しなどが生じる場合があるため好ましくない。
エポキシ樹脂としては、分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物を挙げることができる。このような化合物として、エピクロルヒドリン−ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピクロルヒドリン−ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールAのグリシジルエーテルなどの難燃型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、p−オキシ安息香酸グリシジルエーテルエステル型エポキシ樹脂、m−アミノフェノール系エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン系エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、各種脂環式エポキシ樹脂、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン、トリグリシジルイソシアヌレート、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンなどのごとき多価アルコールのグリシジルエーテル、ヒダントイン型エポキシ樹脂、石油樹脂などのごとき不飽和重合体のエポキシ化物などが例示されるが、これらに限定されるものではなく、一般に使用されているエポキシ樹脂が使用され得る。
エポキシ樹脂を使用する場合その使用量は(A)架橋性珪素基を有する重合体100質量部に対して1〜1000質量部の範囲が好ましい。より好ましい範囲は2〜500質量部、さらには5〜300質量部、特には5〜200質量部である。
エポキシ樹脂硬化剤としては、通常市販されているエポキシ樹脂硬化剤を一種又は複数種選択して使用し得る。このような硬化剤としては、例えば、アミン類、酸無水物類、イミダゾール類やその他の硬化剤を挙げることができる。
アミン類としては、第一〜第三級アミンを使用できる。第一級アミンとしては脂肪族アミン(ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレントリアミン、ポリメチレンジアミン(トリメチルヘキサメチレンジアミン、ポリエーテルジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン))、脂環族アミン(メンセンジアミン)、芳香環を含む脂肪族アミン(メタキシレンジアミン)、芳香族アミン(メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、芳香族ジアミン共融混合物)、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ〔5,5〕ウンデカン)、変性アミン(アミンアダクト、シアノエチル化ポリアミン)を例示できる。第二級及び第三級アミンとしては直鎖第二級アミン、直鎖第三級アミン、テトラメチルグアニジン、ピペリジン、ピリジン、ピコリン、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノールを例示できる。
酸無水物類としては、芳香族酸無水物(無水フタル酸、無水トリメリット酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、無水ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物)、環状脂肪族酸無水物(無水マレイン酸、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、アルケニル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物)、脂肪族酸無水物、ポリカルボン酸無水物、ハロゲン化酸無水物、クロレシド酸無水物を例示できる。
イミダゾール類としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウム・トリメリテート、2,4−ジアミノ−6−〔2−メチルイミダゾリル−(1)〕−エチル−S−トリアジン、四級塩(1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド)、イソシアヌル酸塩(2−フェニルイミダゾリウムイソシアヌレート)、ヒドロキシメチル体(2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール)、三フッ化ホウ素−アミン・コンプレックスを例示できる。
その他の硬化剤としては、ポリアミド樹脂(ダイマー酸とポリアミンの縮合物)、ジシアンジアミド及びその誘導体、(o−トリルビグアニド、α−2、5−ジメチルビグアニド)、有機酸ヒドラジッド(コハク酸ヒドラジド、アジピン酸ヒドラジド)、ジアミノマレオニトリルとの誘導体、メラミン及びその誘導体、アミンイミド、ポリアミンの塩、オリゴマー類:合成樹脂初期縮合物(ノボラックフェノール樹脂、ノボラッククレゾール樹脂)、ポリビニルフェノール(ポリ−p−ビニルフェノール)を挙げることができる。
特に、アミン類を使用するのが好適であり、硬化性の優れた樹脂組成物を得ることができる。また、アミノ基をケチミン化した化合物を使用でき、この場合、貯蔵中には硬化しない1液型硬化性組成物を容易に製造することができる。
エポキシ樹脂硬化剤を使用する場合、エポキシ樹脂100質量部に対して5〜200質量部使用するのが好ましい。滑剤、顔料あるいは発泡剤としては一般に市販されているものを使用できる。
本発明の硬化性組成物を製造する方法は特に制限はなく、例えば、配合物質を所定量配合し、脱気攪拌することにより製造することができる。本発明の硬化性組成物は、必要に応じて1液型とすることもできるし、2液型とすることもできるが、特に1液型として好適に用いることができる。本発明の硬化性組成物は大気中の湿気により常温で硬化することが可能であり、常温湿気硬化型接着剤やシーリング材として好適に用いられるが、必要に応じて、適宜、加熱により硬化を促進させてもよい。また、本発明の硬化性組成物は、引火点が65℃未満の溶剤を含有しないことが好ましい。
本発明の硬化性組成物やその硬化物はブラックライト(長波長の紫外線)などの光照射により発光する。また、蓄光性を有しており、光照射を停止しても発光する。このような特性を利用し、発光性のパネルやシートなどの成型体、塗料、接着剤、シーリング材などに使用できる。また、本発明の組成物を接着剤に使用する場合、特許文献3に記載されているように、画像処理などにより接着剤が所定の位置に所定量塗布されているかどうか容易に検出することができる。
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
(実施例1〜2)
表1に示す成分及び配合割合(質量基準)にて、攪拌機、温度計、窒素導入口、装入管および水冷コンデンサーを装着したフラスコに、(A)成分の架橋性珪素基を有する有機重合体、(B)成分のシラノール縮合触媒、(C)成分の蓄光顔料、充填剤として微粉シリカ、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系酸化防止剤とヒンダードアミン系酸化防止剤、光安定剤としてヒンダードアミン系光安定剤及び希釈剤としてノルマルパラフィンを混合した。該混合物を加熱(100℃)、脱気、撹拌を2時間することによって混練及び脱水をした。冷却後、その混合物に接着性付与剤として3−アミノプロピルトリメトキシシラン、脱水剤としてビニルトリメトキシシランとn−デシルトリメトキシシラン及びシラノール縮合触媒としてジオクチル錫ジバーサテートを添加し、混合撹拌することにより硬化性組成物を調製した。
この硬化性組成物をガラス瓶に充填し、50℃に調整した熱風循環式乾燥機内に放置した。50℃で所定時間(1、2又は4週間)経過後、室温まで冷ました。 JIS A1439 5.19により配合直後の硬化性組成物及び貯蔵後の硬化性組成物の23℃50%RHにおける指触乾燥時間を測定した。結果を表1に示す。
(比較例1)
表1に示す成分及び配合割合(質量基準)にて、発光性物質として汎用の蛍光物質を使用し実施例1と同様に硬化性組成物を調製し貯蔵安定性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2016094568
表1の配合における添加量は質量部であり、各配合物質の詳細は下記の通りである。
*1 (株)カネカ製、商品名:SAT400
*2 日東化成工業(株)製、商品名:U−830
*3 (株)ネモト・ルミマテリアル製、商品名:GSS
*4 (株)ネモト・ルミマテリアル製、商品名:G300M
*5 AR BROWN(株)製、商品名:サバンナイエロー
*6 日本アエロジル(株)製、商品名:R972
*7 信越化学工業(株)製、商品名:KBM−903
*8 信越化学工業(株)製、商品名:KBM−1003
*9 信越化学工業(株)製、商品名:3103C
*10 (株)ADEKA製、商品名:AO−60
*11 大内新興化学工業(株)製、商品名:ノクラックCD
*12 (株)ADEKA製、商品名:LA−63P
*13 JX日鉱日石エネルギー(株)製、商品名:N−11


Claims (1)

  1. (A)架橋性珪素基を有する有機重合体100質量部、(B)シラノール縮合触媒0.1〜20質量部、及び(C)蓄光顔料0.1〜200質量部を含有する硬化性組成物。
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