JP2016094482A - 歯科材料、歯科材料組成物、歯科修復材料および硬化物 - Google Patents
歯科材料、歯科材料組成物、歯科修復材料および硬化物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016094482A JP2016094482A JP2016027945A JP2016027945A JP2016094482A JP 2016094482 A JP2016094482 A JP 2016094482A JP 2016027945 A JP2016027945 A JP 2016027945A JP 2016027945 A JP2016027945 A JP 2016027945A JP 2016094482 A JP2016094482 A JP 2016094482A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- meth
- dental
- dental material
- group
- formula
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K6/00—Preparations for dentistry
- A61K6/80—Preparations for artificial teeth, for filling teeth or for capping teeth
- A61K6/884—Preparations for artificial teeth, for filling teeth or for capping teeth comprising natural or synthetic resins
- A61K6/887—Compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K6/00—Preparations for dentistry
- A61K6/80—Preparations for artificial teeth, for filling teeth or for capping teeth
- A61K6/884—Preparations for artificial teeth, for filling teeth or for capping teeth comprising natural or synthetic resins
- A61K6/891—Compounds obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
- A61K6/893—Polyurethanes
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C271/00—Derivatives of carbamic acids, i.e. compounds containing any of the groups, the nitrogen atom not being part of nitro or nitroso groups
- C07C271/06—Esters of carbamic acids
- C07C271/08—Esters of carbamic acids having oxygen atoms of carbamate groups bound to acyclic carbon atoms
- C07C271/24—Esters of carbamic acids having oxygen atoms of carbamate groups bound to acyclic carbon atoms with the nitrogen atom of at least one of the carbamate groups bound to a carbon atom of a ring other than a six-membered aromatic ring
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C271/00—Derivatives of carbamic acids, i.e. compounds containing any of the groups, the nitrogen atom not being part of nitro or nitroso groups
- C07C271/06—Esters of carbamic acids
- C07C271/08—Esters of carbamic acids having oxygen atoms of carbamate groups bound to acyclic carbon atoms
- C07C271/26—Esters of carbamic acids having oxygen atoms of carbamate groups bound to acyclic carbon atoms with the nitrogen atom of at least one of the carbamate groups bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring
- C07C271/28—Esters of carbamic acids having oxygen atoms of carbamate groups bound to acyclic carbon atoms with the nitrogen atom of at least one of the carbamate groups bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring to a carbon atom of a non-condensed six-membered aromatic ring
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C271/00—Derivatives of carbamic acids, i.e. compounds containing any of the groups, the nitrogen atom not being part of nitro or nitroso groups
- C07C271/06—Esters of carbamic acids
- C07C271/32—Esters of carbamic acids having oxygen atoms of carbamate groups bound to carbon atoms of rings other than six-membered aromatic rings
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C2601/00—Systems containing only non-condensed rings
- C07C2601/12—Systems containing only non-condensed rings with a six-membered ring
- C07C2601/14—The ring being saturated
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C2603/00—Systems containing at least three condensed rings
- C07C2603/56—Ring systems containing bridged rings
- C07C2603/58—Ring systems containing bridged rings containing three rings
- C07C2603/60—Ring systems containing bridged rings containing three rings containing at least one ring with less than six members
- C07C2603/66—Ring systems containing bridged rings containing three rings containing at least one ring with less than six members containing five-membered rings
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Plastic & Reconstructive Surgery (AREA)
- Public Health (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Dental Preparations (AREA)
- Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
Abstract
【課題】本発明は、特に硬化時の重合収縮が小さく、工業的にも安価に製造できる歯科材料組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の歯科材料組成物は、下記一般式(1)で表される特定のウレタン(メタ)アクリル化合物および(D)重合性単量体を含有することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の歯科材料組成物は、下記一般式(1)で表される特定のウレタン(メタ)アクリル化合物および(D)重合性単量体を含有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、新規な歯科材料、歯科材料組成物、歯科修復材料および該歯科材料を硬化してなる硬化物に関する。詳しくは、本発明は、新規なウレタン(メタ)アクリル化合物を含有する歯科材料、該歯科材料を含む歯科材料組成物に関する。
従来、(メタ)アクリレートに代表されるラジカル重合性単量体は、良好な硬化性および透明性等の特性を利用して、塗料、印刷製版、光学材料および歯科材料等のさまざまな分野で広く使用されている。
中でも、歯科材料の分野においては、天然歯牙の齲蝕や破折等の修復に用いられる歯科用コンポジットレジンなどの歯科修復材料、歯科用コンポジットレジンと歯牙とを接着させるために用いられる種々の歯科用接着剤、さらには人工歯や義歯床材料等に幅広く用いられている。
歯科用コンポジットレジンは、一般に重合性単量体、重合開始剤およびフィラーから構成されるが、重合性単量体としては、生体内における安全性、硬化物の機械的強度や耐磨耗性および審美性などの観点から、ラジカル重合性の多官能性(メタ)アクリレートが用いられている。多官能性(メタ)アクリレートとしては、2,2−ビス〔4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕プロパン(通称、Bis−GMAと称する)や2,2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)ジメタクリレート(通称、UDMAと称する)が用いられており、特に、Bis−GMAは、1962年にBowenが初めて歯科材料への応用を提案して以来、現在もほとんどの歯科用コンポジットレジンの重合性単量体として使われている。
しかしながら、歯科用コンポジットレジンについて、臨床現場からは、硬化物の曲げ強度、弾性率および耐磨耗性の向上、吸水および変着色の低減、硬化時の重合収縮の低減、天然歯と同様の透明性と審美性などに改良の余地が大きいと指摘されている。特に、重合収縮は、歯科用コンポジットレジンが接着面から剥がれて生じるコントラクションギャップの発生を招き、二次齲蝕、歯髄刺激、着色や修復物脱落などの原因となるため、可能な限り低減することが強く望まれている。また、歯科用コンポジットレジンには、審美性に対する高い要求を満たすと共に、X線造影性を付与するために高屈折率のフィラーがよく用いられることから、天然歯に近い透明性を付与する必要があり、使用する重合性単量体の屈折率が高いことが望まれる。さらに、口腔内での耐久性(耐衝撃性および耐破折性)の観点から、高い曲げ強度を有することが望まれている。
重合収縮の低減については、一般にアクリル化合物よりも重合収縮の少ない開環重合性のエポキシ化合物やオキセタン化合物を用いることが提案されている(特許文献1および特許文献2)。これらの化合物を用いることで重合収縮は低減できる傾向にあるが、硬化系が異なるため、専用のプライマーが必要になるなどの課題も多い。また、審美性および操作性の観点からも課題を有する。
また、フィラーの充填量を向上させ、重合収縮を低減することも提案されている(特許文献3および特許文献4)。しかしながら、使用するモノマーの収縮率が大きいため、その効果には限界がある。
さらに、ケイ素含有(メタ)アクリレートを用いた、低収縮性材料の提案がなされている(特許文献5)。しかしながら、この材料は合成が煩雑であり、工業的な製造に課題を残している。また、硬化物の機械的強度の観点からも課題を有する。
したがって、歯科修復材料に有用であり、硬化時の重合収縮が小さく、工業的にも安価に製造できる重合性単量体が望まれている。
したがって、歯科修復材料に有用であり、硬化時の重合収縮が小さく、工業的にも安価に製造できる重合性単量体が望まれている。
本発明は、特に硬化時の重合収縮が小さく、適度な粘度を有し、工業的にも安価に製造できる歯科材料、歯科材料組成物、歯科修復材料および該歯科材料を硬化してなる硬化物を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、分子内に少なくとも1つの脂環構造または芳香環構造を有する新規なウレタン(メタ)アクリル化合物が上記課題を達成することを見出し、本発明を完成した。
本発明の歯科材料は、後述する一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする。
本発明の歯科材料組成物は、本発明の歯科材料、(B)重合開始剤および(C)フィラーを含むことを特徴とする。
本発明の歯科修復材料は、本発明の歯科材料、(B)光重合開始剤および(C)フィラーを含むことを特徴とする。
本発明の硬化物は、本発明の歯科材料を硬化させてなることを特徴とする。
本発明の歯科材料組成物は、本発明の歯科材料、(B)重合開始剤および(C)フィラーを含むことを特徴とする。
本発明の歯科修復材料は、本発明の歯科材料、(B)光重合開始剤および(C)フィラーを含むことを特徴とする。
本発明の硬化物は、本発明の歯科材料を硬化させてなることを特徴とする。
本発明のウレタン(メタ)アクリル化合物を含有する歯科材料は、硬化物の機械的強度や耐磨耗性、審美性、操作性、安全性に加えて、特に重合硬化時の重合収縮率が小さく、歯科修復材料の調製時に好適な適度な粘度を有する。したがって、歯科修復材料などに適しており、特に齲蝕窩洞を治療するための充填修復用コンポジットレジンに好適である。本発明の歯科材料を含んでなるコンポジットレジンなどの歯科修復材料は、硬化時の重合収縮が小さいため、歯牙の接着面との間にコントラクションギャップが発生しにくく、二次齲蝕、歯髄刺激、修復物の脱落といった懸念が低減されたものとなる。
また、本発明の歯科材料は、比較的、屈折率が高く、X線造影性を有する歯科用フィラーの屈折率とほぼ同じ屈折率を有する。そのため、本発明の歯科材料を含んでなる硬化物は、透明性を確保することができ、審美性に優れる。
[歯科材料]
〔ウレタン(メタ)アクリル化合物〕
本発明にかかる新規なウレタン(メタ)アクリル化合物は、分子内に少なくとも1つの脂環構造もしくは芳香環構造を有するウレタン(メタ)アクリル化合物であり、一般式(1)で表される。このような特定のウレタン(メタ)アクリル化合物は、重合収縮率が小さく、コンポジットレジンなどの歯科修復材料に応用したとき、歯科修復材料の調製時に好適な適度な粘度を有する。また、本発明の歯科材料には、該ウレタン(メタ)アクリル化合物を1種、または2種以上含んで用いることができる。
〔ウレタン(メタ)アクリル化合物〕
本発明にかかる新規なウレタン(メタ)アクリル化合物は、分子内に少なくとも1つの脂環構造もしくは芳香環構造を有するウレタン(メタ)アクリル化合物であり、一般式(1)で表される。このような特定のウレタン(メタ)アクリル化合物は、重合収縮率が小さく、コンポジットレジンなどの歯科修復材料に応用したとき、歯科修復材料の調製時に好適な適度な粘度を有する。また、本発明の歯科材料には、該ウレタン(メタ)アクリル化合物を1種、または2種以上含んで用いることができる。
ただし、式(1)中、Aがcまたはdであり、かつ、X1およびX2が同時にR3がフェニル基であるiである化合物、ならびに、Aがaであり、かつ、R1およびR2が同時にメチル基であり、かつ、X1およびはX2が同時にR3がフェニル基であるiである化合物を除く。
式(1)において、A、X1およびX2の内、重合収縮率の低減の観点から、環構造を2つ以上有することが好ましく、環構造を3つ以上有することがより好ましい。
式(1)において、Aが、上記a、b、c、d、eおよびhからなる群より選択される2価の有機基であることが、より小さい重合収縮率を得られる点で好ましい。
式(1)において、Aが、上記a、b、c、d、eおよびhからなる群より選択される2価の有機基であることが、より小さい重合収縮率を得られる点で好ましい。
式(1)において、Aが、上記a、c、e、f、gおよびhからなる群より選択される2価の有機基であることが、硬化物にしたときに着色しにくい傾向にあるため、好ましい。
式(1)において、Aが、上記a、d、e、f、gおよびhからなる群より選択される2価の有機基であることが、歯科修復材料の調製時に好適な適度な粘度を有するため、好ましい。
式(1)において、Aが、上記a、d、eおよびhからなる群より選択される2価の有機基であることが、より小さい重合収縮率を得られ、かつ、歯科修復材料の調製時に好適な適度な粘度を有するため、より好ましい。
式(1)において、Aが、上記a、c、eおよびhからなる群より選択される2価の有機基であることが、より小さい重合収縮率を得られ、かつ、硬化物にしたときに着色しにくい傾向にあるためより好ましく、Aが、上記a、eおよびhからなる群より選択される2価の有機基であることが、さらに、歯科修復材料の調製時に好適な適度な粘度を有するため、好ましい。
また、式(1)において、Aが、上記aであることが、上記効果を有するほか、審美性に優れる点で、最も好ましい。
また、式(1)において、X1およびX2の少なくともいずれか一方が、上記i、j、lおよびmからなる群より選択される2価の有機基であることが、歯科修復材料の調製時に好適な適度な粘度を有するため、好ましい。
また、式(1)において、X1およびX2の少なくともいずれか一方が、上記i、j、lおよびmからなる群より選択される2価の有機基であることが、歯科修復材料の調製時に好適な適度な粘度を有するため、好ましい。
式(1)において、X1およびX2のいずれか一方が、上記i、j、kおよびmからなる群より選択される2価の有機基であることが、比較的、屈折率が高く、該歯科材料とフィラー成分を含有する歯科材料組成物を硬化物にしたときに、透明性を確保しやすくなり、審美性に優れるため、好ましく、X1およびX2のいずれか一方が、上記i、jおよびmからなる群より選択される2価の有機基であることが、さらに、歯科修復材料の調製時に好適な適度な粘度を有するため、より好ましい。
また、式(1)において、R1およびR2が同時に水素原子であることが、さらに小さい重合収縮率を得られる傾向にあるため、好ましい。
式(1)において、Aが、上記a、b、cまたはeのいずれかであり、X1およびX2が同時に上記iであり、R1およびR2が同時に水素原子であることが、さらに小さい重合収縮率を得られるため、好ましい。
式(1)において、Aが、上記a、b、cまたはeのいずれかであり、X1およびX2が同時に上記iであり、R1およびR2が同時に水素原子であることが、さらに小さい重合収縮率を得られるため、好ましい。
式(1)において、Aが上記dであり、X1およびX2が同時に上記iであり、R1およびR2が同時にメチル基であることが、さらに小さい重合収縮率を得られるため、好ましい。
なお、式(1)において、X1およびX2のいずれか一方が、メチレン基、エチレン基などの炭素数1〜4のアルキレン基であると、硬化時の重合収縮が比較的高くなる傾向にあり、好ましくない。
一般式(1)で表されるウレタン(メタ)アクリル化合物としては、一般式(1)を満たす限り特に限定されないが、たとえば、表1〜9に示す化合物番号1−1〜9−6が例示される。また、式中の記載の化合物では、全ての異性体を含む。なお、式中のC9は、異性体を含むノニル基を表す。
本発明に係るウレタン(メタ)アクリル化合物としては、歯科材料に、下記式(2)〜(5)からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を含むことが、より小さい重合収縮率を得られ、審美性に優れ、歯科修復材料の調製時に好適な適度な粘度を有し、硬化物にしたときに着色しにくい傾向にあり、かつ、比較的、屈折率が高いため、硬化物にしたときに、透明性を確保することができる点から最も好ましい。
〔ウレタン(メタ)アクリル化合物の製造方法〕
本発明に係るウレタン(メタ)アクリル化合物の製造方法は特に限定されないが、通常下記スキーム1に示されるジイソシアネート化合物と水酸基含有(メタ)アクリル化合物との付加反応により製造される。
本発明に係るウレタン(メタ)アクリル化合物の製造方法は特に限定されないが、通常下記スキーム1に示されるジイソシアネート化合物と水酸基含有(メタ)アクリル化合物との付加反応により製造される。
スキーム1において、構造の異なる水酸基含有(メタ)アクリル化合物を用いて、一般式(1)中のX1とX2が異なる化合物を製造することもできる。通常、X1とX2とが異なる化合物のみを製造することは困難であるため、一般式(1)中の、X1の構造のみを有する化合物、X2の構造のみを有する化合物、およびX1とX2の構造を有する化合物の混合物として得られる。混合物には、異性体も含む。
たとえば、一般式(1)中、R1およびR2が水素原子、Aが
たとえば、一般式(1)中、R1およびR2が水素原子、Aが
(水酸基含有(メタ)アクリル化合物)
本発明に係る水酸基含有(メタ)アクリル化合物は、工業的に入手可能な化合物も多いが、エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との開環エステル化により得ることもできる。
本発明に係る水酸基含有(メタ)アクリル化合物は、工業的に入手可能な化合物も多いが、エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との開環エステル化により得ることもできる。
開環エステル化の反応は、無溶媒中で行なってもよく、あるいは溶媒中で行なってもよい。かかる溶媒としては反応に不活性な溶媒であれば、公知の溶媒を用いることができ、たとえば、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の炭化水素系溶媒、
アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、
酢酸エチルおよび酢酸ブチル等のエステル系溶媒、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサン等のエーテル系溶媒、
ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンおよびパークレン等のハロゲン系溶媒、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドおよびスルホランなどの極性溶媒が挙げられる。
これらの溶媒は1種単独で、または2種類以上を併用して用いることができる。
アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、
酢酸エチルおよび酢酸ブチル等のエステル系溶媒、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサン等のエーテル系溶媒、
ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンおよびパークレン等のハロゲン系溶媒、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドおよびスルホランなどの極性溶媒が挙げられる。
これらの溶媒は1種単独で、または2種類以上を併用して用いることができる。
また、該反応では必要に応じて触媒を使用することもできる。触媒は、公知の触媒を用いることができ、例えば、トリフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン化合物、
トリエチルアミンおよびトリエタノールアミン等の3級アミン類、
トリメチルアンモニウムクロライドおよびトリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩類、
テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド等の有機リン塩類および2-メチルイミダゾール等のイミダゾール類、
オクテン酸コバルト等の有機金属化合物類が挙げられる。
トリエチルアミンおよびトリエタノールアミン等の3級アミン類、
トリメチルアンモニウムクロライドおよびトリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩類、
テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド等の有機リン塩類および2-メチルイミダゾール等のイミダゾール類、
オクテン酸コバルト等の有機金属化合物類が挙げられる。
触媒の添加量は、反応物の全重量100重量%に対して、通常0.01〜10.0重量%、好ましくは0.01〜5.0重量%である。触媒の添加量が上記範囲内であれば、反応に際して充分な反応速度を得られるため好ましい。
反応温度は、特に制限されないが、通常0〜200℃、好ましくは0〜150℃の範囲である。
反応時間は、反応温度等の条件に依存するため特に限定されないが、通常、数分から数10時間である。また、公知の分析手段(例えば、液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、赤外分光法など)により反応率を確認しながら、任意の反応率で反応を停止することも可能である。
反応時間は、反応温度等の条件に依存するため特に限定されないが、通常、数分から数10時間である。また、公知の分析手段(例えば、液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、赤外分光法など)により反応率を確認しながら、任意の反応率で反応を停止することも可能である。
(ジイソシアネート化合物)
本発明に係るジイソシアネート化合物は、工業的に入手可能な化合物も多いく、それらをそのまま使用できるが、たとえば、対応するジアミン化合物とホスゲンとの反応により合成して得ることもできる。
本発明に係るジイソシアネート化合物は、工業的に入手可能な化合物も多いく、それらをそのまま使用できるが、たとえば、対応するジアミン化合物とホスゲンとの反応により合成して得ることもできる。
(工程)
ウレタン(メタ)アクリル化合物は、たとえば、下記の(B)工程を含み、好ましくは、下記の(A)、(B)および(C)を含む工程で製造される。また、得られたウレタン(メタ)アクリル化合物に微量の異物が混入することもあるため、このような異物を濾過により除去する工程を含むことも好ましい。
(A)水酸基含有(メタ)アクリル化合物を20〜90℃で脱水を行う工程、
(B)脱水工程後の水酸基含有(メタ)アクリル化合物、または未脱水の水酸基含有(メタ)アクリル化合物に、ジイソシアネート化合物を滴下により投入して、ウレタン反応を行う工程および
(C)20〜90℃で脱臭を行う工程。
ウレタン(メタ)アクリル化合物は、たとえば、下記の(B)工程を含み、好ましくは、下記の(A)、(B)および(C)を含む工程で製造される。また、得られたウレタン(メタ)アクリル化合物に微量の異物が混入することもあるため、このような異物を濾過により除去する工程を含むことも好ましい。
(A)水酸基含有(メタ)アクリル化合物を20〜90℃で脱水を行う工程、
(B)脱水工程後の水酸基含有(メタ)アクリル化合物、または未脱水の水酸基含有(メタ)アクリル化合物に、ジイソシアネート化合物を滴下により投入して、ウレタン反応を行う工程および
(C)20〜90℃で脱臭を行う工程。
<工程A>
工程(A)は、酸素存在下、水酸基含有(メタ)アクリル化合物に、必要に応じて重合禁止剤やウレタン化触媒などを混合し、20〜90℃の温度にて脱水を行う工程である。工程Aは、水酸基含有(メタ)アクリル化合物中に水分が含まれていると次の工程(B)のウレタン反応時、水分によりジイソシアネート化合物が分解する可能性があるため、行うことが好ましい。
工程(A)は、酸素存在下、水酸基含有(メタ)アクリル化合物に、必要に応じて重合禁止剤やウレタン化触媒などを混合し、20〜90℃の温度にて脱水を行う工程である。工程Aは、水酸基含有(メタ)アクリル化合物中に水分が含まれていると次の工程(B)のウレタン反応時、水分によりジイソシアネート化合物が分解する可能性があるため、行うことが好ましい。
工程(A)では、重合禁止剤を添加することが好ましい。本発明では、公知の重合禁止剤を用いることができ、特に限定されないが、たとえば、ヒドロキノン(HQ)、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MQ)、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)およびフェノチアジン(PTZ)が挙げられる。BHTは、他のフェノール性重合禁止剤と比較するとイソシアネート基と反応することによって消費されることが少なく、アミン系の重合禁止剤で見られるような着色が少ないことから好ましい。重合禁止剤の使用量は、水酸基含有(メタ)アクリル化合物とジイソシアネート化合物の合計重量100重量%に対して、0.001〜0.5重量%であることが好ましい。重合禁止剤の添加時期は、水酸基含有(メタ)アクリル化合物に予め混合することなど、ジイソシアネート化合物を滴下する前ならいつ添加しても良いが、脱水前の方が熱履歴による重合性基の損失を軽減できるため好ましい。
工程(A)では、ウレタン化触媒を添加することが好ましい。本発明では、公知のウレタン化触媒を用いることができ、特に限定されないが、たとえば、
ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテートおよびオクタン酸錫などの有機錫化合物、
ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、アセチルアセトナトジルコニウム、アセチルアセトナト鉄およびアセチルアセトナトゲルマニウムなどの錫以外のその他の有機金属化合物、
トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2,6,7−トリメチル−1−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N,N,N',N'−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N',N'−テトラ(3−ジメチルアミノプロピル)−メタンジアミン、N,N'−ジメチルピペラジンおよび1,2−ジメチルイミダゾールなどのアミン化合物およびそれらの塩、
トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−ヘキシルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィンおよびトリ−n−オクチルホスフィンなどのトリアルキルホスフィン化合物が挙げられる。
ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテートおよびオクタン酸錫などの有機錫化合物、
ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、アセチルアセトナトジルコニウム、アセチルアセトナト鉄およびアセチルアセトナトゲルマニウムなどの錫以外のその他の有機金属化合物、
トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2,6,7−トリメチル−1−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N,N,N',N'−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N',N'−テトラ(3−ジメチルアミノプロピル)−メタンジアミン、N,N'−ジメチルピペラジンおよび1,2−ジメチルイミダゾールなどのアミン化合物およびそれらの塩、
トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−ヘキシルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィンおよびトリ−n−オクチルホスフィンなどのトリアルキルホスフィン化合物が挙げられる。
これらの中で、少量にて反応が進行し、ジイソシアネート化合物に対して選択性が高い、ジブチル錫ジラウレートおよびオクタン酸錫が好適に用いられる。ウレタン化触媒を使用する場合には、水酸基含有(メタ)アクリル化合物とジイソシアネート化合物の合計重量100重量%に対して、0.001〜0.1重量%を添加することが好ましい。0.001重量%より少ないと触媒の効果が小さく反応時間が長くなり、0.1重量%より多いと触媒効果が大きくなり多量の反応熱が発生し温度制御が困難になることがある。ウレタン化触媒の添加時期は、水酸基含有(メタ)アクリル化合物に予め混合するなど、ジイソシアネート化合物を滴下する前ならいつでもよい。
酸素は、水酸基含有(メタ)アクリル化合物や、本発明に係るウレタン(メタ)アクリル化合物の重合禁止剤として有効である。酸素としては、乾燥空気または酸素ガス、好ましくは乾燥空気を用い、反応容器の底部から気泡状で供給される。乾燥空気としては、凝縮型エアードライヤー等によって乾燥させたものが好ましい。乾燥が不十分であると反応系中に水分が混入し、ジイソシアネート化合物と水の反応を誘発し、得られたウレタン(メタ)アクリル化合物の粘度の増加を引き起こすおそれがある。また、乾燥空気の供給量は、反応容器の大きさに依存し特に限定されないが、たとえば、反応容器が1Lの場合、1〜500ml/分、好ましくは1〜300ml/分である。1ml/分より少ないと十分な量が供給できず、重合禁止剤として作用しない可能性があり、500ml/分より多いと反応時にジイソシアネート化合物の揮発を増加させ、ウレタン(メタ)アクリル化合物の硬化後の物性を低下させるおそれがある。
脱水時の温度は、重合性基が熱重合を起こさない温度で通常20〜90℃、好ましくは30〜80℃の範囲である。20℃より低いと脱水が不十分となり、ジイソシアネート化合物と水の反応を誘発し、ウレタン(メタ)アクリル化合物の粘度が増加するおそれがある。一方、90℃より高いと重合反応が起こるおそれがあり、ウレタン(メタ)アクリル化合物が着色するおそれがある。
脱水時の圧力は、特に限定されないが、通常0.133〜13.3kPa(1〜100mmHg)、好ましくは0.133〜6.67kPa(1〜50mmHg)の範囲である。0.133kPaより低いとエネルギー消費が多くなり、環境に付加を与えるため好ましくない。一方、13.3kPaより高いと脱水が不十分となり、ジイソシアネート化合物と水の反応を誘発し、ウレタン(メタ)アクリル化合物の粘度が増加するおそれがある。
脱水時間は、特に規定されないが、適宜系内の水分を測定し、水酸基含有(メタ)アクリル化合物、重合禁止剤およびウレタン化触媒の合計重量100重量%に対して、0.15重量%以下、好ましくは0.10重量%以下に到達した時点を終了とする。水分測定は、水分測定装置を利用し、JIS K 0068に準じて行うことが可能であり、例えばカールフィッシャー試薬を用いた自動滴定装置による容量滴定法が挙げられる。具体的には、真空下にて脱水を行った後、常圧に戻し、水酸基含有(メタ)アクリル化合物、重合禁止剤とウレタン化触媒の混合物を採取して測定できる。
<工程B>
工程(B)は、脱水工程後の水酸基含有(メタ)アクリル化合物、または未脱水の水酸基含有(メタ)アクリル化合物に、ジイソシアネート化合物を滴下により投入して、ウレタン反応を行う工程である。
工程(B)は、脱水工程後の水酸基含有(メタ)アクリル化合物、または未脱水の水酸基含有(メタ)アクリル化合物に、ジイソシアネート化合物を滴下により投入して、ウレタン反応を行う工程である。
本発明において、水酸基含有(メタ)アクリル化合物とジイソシアネート化合物の使用割合は、ジイソシアネート化合物のイソシアネート基1.0当量に対して、水酸基含有(メタ)アクリル化合物の水酸基が1.0〜1.3当量、より好ましくは1.0〜1.1当量である。水酸基含有(メタ)アクリル化合物の水酸基の量が1.0当量より少ないと、イソシアネート基が未反応のまま残り、製造後に固形物の析出、粘度の増加を引き起こす可能性がある。一方、1.3当量より多いと、未反応の水酸基含有(メタ)アクリル化合物が多くなるため、硬化後の物性低下を招く恐れがある。
また、滴下とは、所定のジイソシアネート化合物を、反応容器に接続された滴下容器に入れ、流量を調節することにより、一定時間にて一定量のジイソシアネート化合物を反応容器に加えていく方法である。これに対し、所定のジイソシアネート化合物を、短時間に全量仕込む一括仕込み方法では、水酸基含有(メタ)アクリル化合物やジイソシアネート化合物の構造、分子量、反応容器の構造、攪拌羽根の形状、攪拌速度などによっては、温度が著しく上昇し、温度制御が困難になる可能性があり、ジイソシアネート化合物の架橋反応が促進され、得られるウレタン(メタ)アクリル化合物の粘度の増加、場合によっては重合性基の重合を引き起こしゲル化するおそれがある。
水酸基含有(メタ)アクリル化合物を、ジイソシアネート化合物に滴下することも可能である。この場合、ジイソシアネート化合物より、多量の水酸基含有(メタ)アクリル化合物を使用する場合が多いため、ジイソシアネート化合物を滴下するより滴下時間が長くなり、また、ウレタン(メタ)アクリル化合物に余計な熱履歴を与え重合性基の重合を引き起こし、生産効率が悪くなる場合がある。
反応系中の温度は、反応容器の大きさ、構造等に依存し、特に限定されないが、通常20〜120℃、好ましくは30〜100℃である。120℃を超えると重合反応が起こるおそれがあり、所望の効果を有するウレタン(メタ)アクリル化合物が得られないおそれがある。20℃より低いと反応時間が長くなり、生産効率が悪くなるおそれがある。
滴下開始時点の温度は、特に限定されないが、通常20〜90℃、好ましくは30〜80℃である。20℃より低いと、反応に多くの時間が必要になり生産効率の低下を招くおそれがある。一方、90℃より高いと、重合反応が起こる可能性や反応(滴下)温度が上昇し反応が制御できなくなるおそれがある。
滴下速度は、上記の反応系中の温度を維持する速度であればよい。
滴下時間は、上記の温度を満たす時間であれば良いが、通常0.1〜30時間、好ましくは0.1〜5時間である。0.1時間より短いと、温度が著しく上昇し温度制御が困難になるおそれがある。また、5時間より長いと、ウレタン(メタ)アクリル化合物の生産効率が悪くなる傾向にある。
滴下時間は、上記の温度を満たす時間であれば良いが、通常0.1〜30時間、好ましくは0.1〜5時間である。0.1時間より短いと、温度が著しく上昇し温度制御が困難になるおそれがある。また、5時間より長いと、ウレタン(メタ)アクリル化合物の生産効率が悪くなる傾向にある。
工程(B)において、上記滴下時間によって反応が終了しない場合、必要に応じて滴下終了後に反応を継続することができる。この反応時間は、反応温度、反応容器の大きさ、構造、滴下時間等によるため、特に限定されないが、滴下時間との合計が、通常1〜30時間、好ましくは1〜20時間である。1時間より短いと反応が完結しない可能性があり、30時間より長いとウレタン(メタ)アクリル化合物に余計な熱履歴を与え重合性基の重合を引き起こすおそれがあり、生産効率が悪くなり製品価格の上昇に繋がるおそれがある。
滴下終了後の反応温度は、重合性基が熱重合を起こさない温度であれば限定されず、通常は20〜120℃、好ましくは30〜100℃の範囲である。20℃より低いと、反応時間が長くなるおそれがあり、生産効率の低下を招くおそれがある。また、120℃より高いと、重合反応が起こるおそれやウレタン(メタ)アクリル化合物が着色するおそれがある。
反応の終点の確認方法としては、JIS K 1556 5.5に準拠した測定方法にて、反応生成物中のジイソシアネート化合物の含有量を測定する方法やHPLC(高速液体クロマトグラフィー)による分析などが挙げられる。具体的には、反応容器より反応生成物を抜き取り、ジ−n−ブチルアミンと反応させ、未反応のアミンを塩酸で滴定することにより、反応生成物中のジイソシアネート化合物の含有量を測定する方法が挙げられる。この方法によりジイソシアネート化合物の含有量を算出し、ジイソシアネート化合物の含有量が、反応生成物の重量100重量%に対して、0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以下になった時を終点とする。
<工程C>
前記工程(B)の終了後、必要に応じて、脱臭を行う工程(C)を有することが好ましい。脱臭することで、良好なウレタン(メタ)アクリル化合物を得ることができる。
前記工程(B)の終了後、必要に応じて、脱臭を行う工程(C)を有することが好ましい。脱臭することで、良好なウレタン(メタ)アクリル化合物を得ることができる。
工程(C)の温度は、重合性基が熱重合を起こさない温度が好ましく、通常20〜120℃、好ましくは30〜100℃の範囲である。20℃より低いと脱臭が不十分となり、臭気が強く、かつ保存安定性の悪いウレタン(メタ)アクリル化合物が得られるおそれがある。また、120℃より高いと、重合反応が起こるおそれやウレタン(メタ)アクリル化合物が着色するおそれがある。
工程(C)の圧力は、特に限定されないが、通常0.133〜13.3kPa(1〜100mmHg)、好ましくは0.133〜6.67kPa(1〜50mmHg)の範囲である。0.133kPaより低いと、工業的に行うには難しくコストアップに繋がるため好ましくない。また、13.3kPaより高いと、脱臭が不十分となり、臭気が強く保存安定性の悪いウレタン(メタ)アクリル化合物が得られるおそれがある。
脱臭時間は、反応容器の大きさ、構造に依存し、特に限定されないが、通常1〜10時間、好ましくは1〜5時間である。1時間より短いと、脱臭が不十分で、臭気が強く保存安定性の悪いウレタン(メタ)アクリル化合物が得られるおそれがある。また、10時間より長いと、ウレタン(メタ)アクリル化合物に余計な熱履歴を与え重合性基の重合を引き起こすおそれや、生産効率が悪く、製品価格の上昇に繋がるおそれがある。
〔その他〕
本発明の歯科材料には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、耐熱安定剤、スリップ防止剤、結晶化助剤、核剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、衝撃改良剤、架橋剤、共架橋剤、架橋助剤、粘着剤、軟化剤、加工助剤等の各種添加剤が配合されていてもよい。
本発明の歯科材料には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、耐熱安定剤、スリップ防止剤、結晶化助剤、核剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、衝撃改良剤、架橋剤、共架橋剤、架橋助剤、粘着剤、軟化剤、加工助剤等の各種添加剤が配合されていてもよい。
[硬化物]
本発明のウレタン(メタ)アクリル化合物を含有する歯科材料を硬化させてなる硬化物は、機械的強度や耐磨耗性、審美性、操作性、安全性に加えて、特に重合硬化時の重合収縮率が小さい。したがって、該硬化物は、歯科材料用に適する。
硬化方法は、特に限定されないが、たとえば、常温硬化、加熱硬化、可視光線や紫外線の照射により光硬化などが挙げられる。
本発明のウレタン(メタ)アクリル化合物を含有する歯科材料を硬化させてなる硬化物は、機械的強度や耐磨耗性、審美性、操作性、安全性に加えて、特に重合硬化時の重合収縮率が小さい。したがって、該硬化物は、歯科材料用に適する。
硬化方法は、特に限定されないが、たとえば、常温硬化、加熱硬化、可視光線や紫外線の照射により光硬化などが挙げられる。
[歯科材料組成物および歯科修復材料]
本発明の歯科材料は、歯科材料組成物の成分として好適に使用できる。
歯科材料組成物としては、例えば、歯科修復材料、歯科用コンポジットレジン(支台築造用コンポジットレジン、歯冠用コンポジットレジン、充填修復用コンポジットレジン)、義歯床用レジン、義歯床用裏装材、印象材、合着用材料(レジンセメントやレジン添加型グラスアイオノマーセメント)、歯科用接着材、歯列矯正用接着材、小窩裂溝封鎖剤、CAD/CAM用レジンブロック、テンポラリークラウンや、人工歯材料等が挙げられる。
本発明の歯科材料は、歯科材料組成物の成分として好適に使用できる。
歯科材料組成物としては、例えば、歯科修復材料、歯科用コンポジットレジン(支台築造用コンポジットレジン、歯冠用コンポジットレジン、充填修復用コンポジットレジン)、義歯床用レジン、義歯床用裏装材、印象材、合着用材料(レジンセメントやレジン添加型グラスアイオノマーセメント)、歯科用接着材、歯列矯正用接着材、小窩裂溝封鎖剤、CAD/CAM用レジンブロック、テンポラリークラウンや、人工歯材料等が挙げられる。
特に、本発明の歯科材料、後述する、重合開始剤(B)およびフィラー(C)を含む歯科材料組成物は、好ましい使用形態の一つであり、かかる歯科材料組成物は、たとえば、歯科用コンポジットレジンとして好適である。
また、本発明の歯科材料、光重合開始剤(B)およびフィラー(C)を含む歯科材料組成物は、歯科修復材料として好適である。かかる歯科修復材料は、光硬化性を有し、歯科用コンポジットレジン、特に充填修復用コンポジットレジンとして好適である。
また、歯科修復材料などの歯科材料組成物には、必要に応じて、本発明に係るウレタン(メタ)アクリル化合物以外の公知の重合性単量体(D)を組み合わせて用いることができる。重合性単量体(D)を組み合わせると、該組成物の粘度や屈折率を目的に応じて調整できるため、好ましい。
なお、歯科修復材料では、通常、フィラー(C)を含むペースト状物となる。該ペーストは、通常、少なくとも、本発明に係るウレタン(メタ)アクリル化合物、該重合性単量体(D)および光重合開始剤(B)と、フィラー(C)を混合して得られる。該ウレタン(メタ)アクリル化合物および該重合性単量体(D)を含む組成物(I)の粘度が高すぎると、フィラー(C)との混合が困難となり充填量を上げ難くなる。また、粘度が低すぎると、フィラー(C)との混合においてペースト状になり難くなる。該組成物(I)の粘度は、通常50〜50000(mPa・s、30℃)であり、好ましくは100〜20000(mPa・s、30℃)、より好ましくは100〜10000(mPa・s、30℃)である。本発明に係る歯科材料組成物は、歯科修復材料の調製時に好適な粘度を有しながら、該組成物の重合硬化時における重合収縮率が非常に低いと言う、相反する効果を両方有する。
(重合開始剤または光重合開始剤(B))
(光)重合開始剤は、歯科分野で用いられる公知の(光)重合開始剤を使用することができ、通常、重合性単量体の重合性と重合条件を考慮して選択される。
常温で重合を行う場合には、たとえば、酸化剤及び還元剤を組み合わせたレドックス系の重合開始剤が好適である。レドックス系の重合開始剤を使用する場合、酸化剤と還元剤が別々に包装された形態をとり、使用する直前に両者を混合する必要がある。
(光)重合開始剤は、歯科分野で用いられる公知の(光)重合開始剤を使用することができ、通常、重合性単量体の重合性と重合条件を考慮して選択される。
常温で重合を行う場合には、たとえば、酸化剤及び還元剤を組み合わせたレドックス系の重合開始剤が好適である。レドックス系の重合開始剤を使用する場合、酸化剤と還元剤が別々に包装された形態をとり、使用する直前に両者を混合する必要がある。
酸化剤としては、特に限定されないが、たとえば、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ケトンパーオキサイド類およびハイドロパーオキサイド類などの有機過酸化物を挙げることができる。具体的には、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイドおよびm−トルオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、
t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートおよびt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどのパーオキシエステル類、
ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドおよびラウロイルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのパーオキシケタール類、
メチルエチルケトンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類、
t−ブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類が挙げられる。
t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートおよびt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどのパーオキシエステル類、
ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドおよびラウロイルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのパーオキシケタール類、
メチルエチルケトンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類、
t−ブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類が挙げられる。
また、還元剤としては、特に限定されないが、通常第三級アミンが用いられ、たとえば、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−4−エチルアニリン、N,N−ジメチル−4−i−プロピルアニリン、N,N−ジメチル−4−t−ブチルアニリン、N,N−ジメチル−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−エチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−i−プロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−t−ブチルアニリン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジ−i−プロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸n−ブトキシエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(2−メタクリロイルオキシ)エチル、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−ラウリルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、(2−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N,N−ビス(メタクリロイルオキシエチル)−N−メチルアミン、N,N−ビス(メタクリロイルオキシエチル)−N−エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−メタクリロイルオキシエチルアミン、N,N−ビス(メタクリロイルオキシエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)アミン、トリス(メタアクリロイルオキシエチル)アミン等が挙げられる。
これら有機過酸化物/アミン系の他には、クメンヒドロパーオキサイド/チオ尿素系、アスコルビン酸/Cu2+塩系、有機過酸化物/アミン/スルフィン酸(又はその塩)系等のレドックス系重合開始剤を用いることができる。
また、重合開始剤として、トリブチルボラン、有機スルフィン酸なども好適に用いられる。
可視光線照射による光重合を行う場合には、α−ジケトン/第3級アミン、α−ジケトン/アルデヒド、α−ジケトン/メルカプタン等のレドックス系開始剤が好ましい。
可視光線照射による光重合を行う場合には、α−ジケトン/第3級アミン、α−ジケトン/アルデヒド、α−ジケトン/メルカプタン等のレドックス系開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、特に限定されないが、たとえば、α−ジケトン/還元剤、ケタール/還元剤、チオキサントン/還元剤等が挙げられる。α−ジケトンとしては、カンファーキノン、ベンジルおよび2,3−ペンタンジオンなどが挙げられる。ケタールとしては、ベンジルジメチルケタールおよびベンジルジエチルケタール等が挙げられる。チオキサントンとしては、2−クロロチオキサントンおよび2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。還元剤としては、ミヒラ−ケトン等、
2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N,N−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕−N−メチルアミン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブトキシエチル、N−メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジンおよびジメチルアミノフェナントール等の第三級アミン、
シトロネラール、ラウリルアルデヒド、フタルジアルデヒド、ジメチルアミノベンズアルデヒドおよびテレフタルアルデヒド等のアルデヒド類、
2−メルカプトベンゾオキサゾール、デカンチオール、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、4−メルカプトアセトフェノン、チオサリチル酸およびチオ安息香酸等のチオール基を有する化合物等を挙げることができる。
2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N,N−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕−N−メチルアミン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブトキシエチル、N−メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジンおよびジメチルアミノフェナントール等の第三級アミン、
シトロネラール、ラウリルアルデヒド、フタルジアルデヒド、ジメチルアミノベンズアルデヒドおよびテレフタルアルデヒド等のアルデヒド類、
2−メルカプトベンゾオキサゾール、デカンチオール、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、4−メルカプトアセトフェノン、チオサリチル酸およびチオ安息香酸等のチオール基を有する化合物等を挙げることができる。
これらのレドックス系に有機過酸化物を添加したα−ジケトン/有機過酸化物/還元剤の系も好適に用いられる。
紫外線照射による光重合を行う場合には、ベンゾインアルキルエーテルおよびベンジルジメチルケタール等が好適である。また、(ビス)アシルフォスフィンオキサイド類の光重合開始剤も好適に用いられる。
紫外線照射による光重合を行う場合には、ベンゾインアルキルエーテルおよびベンジルジメチルケタール等が好適である。また、(ビス)アシルフォスフィンオキサイド類の光重合開始剤も好適に用いられる。
(ビス)アシルフォスフィンオキサイド類のうち、アシルフォスフィンオキサイド類としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドおよびベンゾイルジ−(2,6−ジメチルフェニル)ホスホネートなどが挙げられる。
ビスアシルフォスフィンオキサイド類としては、例えば、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイドおよび(2,5,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
これら(ビス)アシルフォスフィンオキサイド類の光重合開始剤は、単独もしくは各種アミン類、アルデヒド類、メルカプタン類およびスルフィン酸塩等の還元剤と併用することもできる。
上記可視光線の光重合開始剤とも好適に併用することができる。
上記重合開始剤または光重合開始剤は単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができ、配合量は、歯科材料組成物100重量%に対して、通常0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲で使用される。
上記重合開始剤または光重合開始剤は単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができ、配合量は、歯科材料組成物100重量%に対して、通常0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲で使用される。
(フィラー(C))
フィラーは、歯科分野で用いられる公知のフィラーを使用することができ、通常、有機フィラーと無機フィラーに大別される。
フィラーは、歯科分野で用いられる公知のフィラーを使用することができ、通常、有機フィラーと無機フィラーに大別される。
有機フィラーとしては、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル−メタクリル酸エチル共重合体、架橋型ポリメタクリル酸メチル、架橋型ポリメタクリル酸エチル、エチレン−酢酸ビニル共重合体およびスチレン−ブタジエン共重合体等が挙げられる。
無機フィラーとしては、各種ガラス類(二酸化珪素を主成分とし、必要に応じ、重金属、ホウ素およびアルミニウム等の酸化物を含有する)、各種セラミック類、珪藻土、カオリン、粘土鉱物(モンモリロナイト等)、活性白土、合成ゼオライト、マイカ、フッ化カルシウム、フッ化イッテルビウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、ヒドロキシアパタイト等が挙げられる。
また、これら無機フィラーに重合性単量体を予め添加し、ペースト状にした後、重合硬化させ、粉砕して得られる有機無機複合フィラーを用いても差し支えない。
これらのフィラーは1種単独で又は2種類以上を組み合わせて適宜用いられる。
これらのフィラーは1種単独で又は2種類以上を組み合わせて適宜用いられる。
フィラーの配合量は、ペーストの操作性(粘稠度)や機械的強度を考慮して適宜決定すればよく、歯科材料組成物中に含まれるフィラー以外の全成分100重量部に対して、通常10〜2000重量部、好ましくは50〜1000重量部、より好ましくは100〜600重量部である。
本発明において、かかる無機フィラーの中でも、屈折率が1.5〜1.6のX線造影性を有する無機フィラーを配合すると、歯科修復材料として有用な歯科用コンポジットレジンとなる。歯科用コンポジットレジンに望まれる重要な物性として、天然歯と同様の透明性とX線造影性がある。透明性は、無機フィラーと重合性単量体の硬化後の屈折率をできるだけ一致させることで達成される。X線造影性を付与するために、無機フィラーとして、ジルコニア、バリウム、チタンおよびランタン等の重金属元素を有する無機酸化物が用いられるようになってきている。この様な重金属元素を含む無機フィラーの屈折率は、通常高く、1.5〜1.6の範囲にある。本発明に係るウレタン(メタ)アクリル化合物は、分子内に環構造を1個以上有するため、硬化後の屈折率が比較的高く、1.50以上の屈折率を有するものが多い。従って、この様な高屈折率の無機フィラーと組み合わせると、屈折率差を小さくすることができるため、透明性が高い硬化物を得やすい。
かかる無機フィラーとしては、たとえば、バリウムボロシリケートガラス(キンブルレイソーブT3000、ショット8235、ショットGM27884およびショットGM39923など)、ストロンチウムボロアルミノシリケートガラス(レイソーブT4000、ショットG018−093およびショットGM32087など)、ランタンガラス(ショットGM31684など)、フルオロアルミノシリケートガラス(ショットG018−091およびショットG018−117など)、ジルコニウムおよび/またはセシウム含有のボロアルミノシリケートガラス(ショットG018−307、G018−308およびG018−310など)が挙げられる。
また、歯科材料組成物において、粒径が0.1μm以下のミクロフィラーが配合された組成物は、歯科用コンポジットレジンに好適な態様の一つである。
かかる粒径の小さなフィラーの材質としては、シリカ(例えば、商品名アエロジル)、アルミナ、ジルコニア、チタニアなどが好ましい。
かかる粒径の小さなフィラーの材質としては、シリカ(例えば、商品名アエロジル)、アルミナ、ジルコニア、チタニアなどが好ましい。
このような粒径の小さい無機フィラーの配合は、コンポジットレジンの硬化物の研磨滑沢性を得る上で有利である。
これらのフィラーに対しては、目的に応じて、シランカップリング剤などにより表面処理が施される場合がある。かかる表面処理剤としては、公知のシランカップリング剤、例えば、γ−メタクリルオキシアルキルトリメトキシシラン(メタクリルオキシ基とケイ素原子との間の炭素数:3〜12)、γ−メタクリルオキシアルキルトリエトキシシラン(メタクリルオキシ基と珪素原子との間の炭素数:3〜12)、ビニルトリメトキシシラン、ビニルエトキシシランおよびビニルトリアセトキシシラン等の有機珪素化合物が使用される。表面処理剤の濃度は、フィラー100重量%に対して、通常0.1〜20重量%、好ましくは1〜5重量%の範囲で使用される。
これらのフィラーに対しては、目的に応じて、シランカップリング剤などにより表面処理が施される場合がある。かかる表面処理剤としては、公知のシランカップリング剤、例えば、γ−メタクリルオキシアルキルトリメトキシシラン(メタクリルオキシ基とケイ素原子との間の炭素数:3〜12)、γ−メタクリルオキシアルキルトリエトキシシラン(メタクリルオキシ基と珪素原子との間の炭素数:3〜12)、ビニルトリメトキシシラン、ビニルエトキシシランおよびビニルトリアセトキシシラン等の有機珪素化合物が使用される。表面処理剤の濃度は、フィラー100重量%に対して、通常0.1〜20重量%、好ましくは1〜5重量%の範囲で使用される。
(重合性単量体(D))
重合性単量体は、本発明に係るウレタン(メタ)アクリル化合物以外であって、歯科分野で通常用いられる単量体であれば特に限定されないが、たとえば、α−シアノアクリル酸、(メタ)アクリル酸、α−ハロゲン化アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、マレイン酸およびイタコン酸等のエステル化物、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド誘導体、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、モノ−N−ビニル誘導体およびスチレン誘導体等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリレートが好適に用いられる。かかる重合性単量体の例を以下に示す。なお、本発明において、1つのオレフィン性二重結合を有する単量体を一官能性単量体とする。同様に、オレフィン性二重結合が2つのものは二官能性単量体と、3つのものは三官能性単量体とする。
重合性単量体は、本発明に係るウレタン(メタ)アクリル化合物以外であって、歯科分野で通常用いられる単量体であれば特に限定されないが、たとえば、α−シアノアクリル酸、(メタ)アクリル酸、α−ハロゲン化アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、マレイン酸およびイタコン酸等のエステル化物、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド誘導体、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、モノ−N−ビニル誘導体およびスチレン誘導体等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリレートが好適に用いられる。かかる重合性単量体の例を以下に示す。なお、本発明において、1つのオレフィン性二重結合を有する単量体を一官能性単量体とする。同様に、オレフィン性二重結合が2つのものは二官能性単量体と、3つのものは三官能性単量体とする。
また、これらの重合性単量体は、1種単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
(イ)一官能性単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エリトリトールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N、N−(ジヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムクロライドおよび(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルピリジニウムクロライド等が挙げられる。
(イ)一官能性単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エリトリトールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N、N−(ジヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムクロライドおよび(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルピリジニウムクロライド等が挙げられる。
(ロ)二官能性単量体としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルメタクリレート(2,2−ビス〔4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕プロパン;通称BisGMA)、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕プロパン、1,2−ビス〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕エタン、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレートおよび2,2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)ジメタクリレート(通称UDMA)および下記一般式(6)で表される化合物等が挙げられる。
なお、式(6)中、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、mおよびnはそれぞれ0〜10の整数で、かつ、m+n=0〜10である。
また、一般式(6)については、特開昭56−26809号公報を参照でき、その製造方法には特に限定されないが、たとえば、m+n=0でない場合、下記スキーム2に示すように、ジオール化合物とエチレンオキサイドの付加反応後、該反応物と(メタ)アクリル酸との反応により製造される。
また、一般式(6)については、特開昭56−26809号公報を参照でき、その製造方法には特に限定されないが、たとえば、m+n=0でない場合、下記スキーム2に示すように、ジオール化合物とエチレンオキサイドの付加反応後、該反応物と(メタ)アクリル酸との反応により製造される。
(ハ)三官能性以上の単量体としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、N,N'−(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2−(アミノカルボキシ)プロパン−1,3−ジオール〕テトラメタクリレート、1,7−ジアクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラアクリロイルオキシメチル−4−オキシヘプタン等が挙げられる。
本発明においては、比較的低い収縮率と粘度の理由から、重合性単量体(D)として、前記式(6)で表される化合物が好ましく、その中でも前記式(6)中、Rが水素原子で、mおよびnはそれぞれ0〜6の整数で、かつ、m+n=2〜6の化合物がより好ましい。
また上記歯科用組成物を歯科用接着材として使用する場合、共重合する単量体として各種の接着性単量体、特に分子内に酸性基を有する単量体がさらに配合されることが好ましい。酸性基を有する単量体とは、酸性基及び重合性基を同一分子内に持つ化合物であって、酸性基として、例えば、リン酸残基、ピロリン酸残基、チオリン酸残基、カルボン酸残基又はスルホン酸残基等を有し、重合性基として、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、スチレン基等を有する化合物が挙げられる。
リン酸残基を有する重合性単量体としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート、9−(メタ)アクリロイルオキシノニルジハイドロジェンホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート、11−(メタ)アクリロイルオキシウンデシルジハイドロジェンホスフェート、20−(メタ)アクリロイルオキシエイコシルジハイドロジェンホスフェート、1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2−ジハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルリン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル 2'−ブロモエチルリン酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルホスホネート等、または、これらの酸塩化物が挙げられる。
ピロリン酸残基を有する重合性単量体としては、例えば、ピロリン酸ジ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)等、またはこれらの酸塩化物が挙げられる。
チオリン酸残基を有する重合性単量体としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンジチオホスフェートおよび10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンチオホスフェート等、またはこれらの酸塩化物が挙げられる。
チオリン酸残基を有する重合性単量体としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンジチオホスフェートおよび10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンチオホスフェート等、またはこれらの酸塩化物が挙げられる。
カルボン酸残基を有する重合性単量体としては、例えば、4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニルフタル酸、5−(メタ)アクリロイルアミノペンチルカルボン酸および11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸等、またはこれらの酸塩化物や酸無水物等が挙げられる。
スルホン酸残基を有する重合性単量体としては、例えば、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸および2−スルホエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの酸性基を有する重合性単量体は、1種単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
これらの重合性単量体の配合量は、特に限定されないが、本発明に係るウレタン(メタ)アクリル化合物の全量100重量部に対して、通常100重量部を超えない範囲で用いられる。
これらの重合性単量体の配合量は、特に限定されないが、本発明に係るウレタン(メタ)アクリル化合物の全量100重量部に対して、通常100重量部を超えない範囲で用いられる。
(その他)
本発明の歯科材料組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、重合禁止剤、紫外線吸収剤、蛍光剤、顔料等の添加剤を含有していてもよい。
本発明の歯科材料組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、重合禁止剤、紫外線吸収剤、蛍光剤、顔料等の添加剤を含有していてもよい。
重合禁止剤としては、例えば、2,6−ジブチルヒドロキシトルエン、ハイドロキノン、ジブチルハイドロキノン、ジブチルハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[製造例1]
攪拌羽根、温度計および還流管を備えた300ミリリットル4ツ口フラスコ内に3−フェノキシ−2−ヒドロキシアクリレート111.1g(0.5モル)とジブチル錫ジラウレート0.11g(水酸基含有(メタ)アクリル化合物の重量に対し1000ppm)を添加し、60℃に昇温した。続いて、ビスイソシアナトシクロヘキシルメタン(水添MDI)65.6g(0.25モル)を0.5時間かけて滴下したところ、反応温度は80℃に上昇した。全量滴下後反応温度を80〜90℃に保って10時間反応を行った。反応生成物中の水添MDIの重量%を測定したところ0.00重量%であった。
[製造例1]
攪拌羽根、温度計および還流管を備えた300ミリリットル4ツ口フラスコ内に3−フェノキシ−2−ヒドロキシアクリレート111.1g(0.5モル)とジブチル錫ジラウレート0.11g(水酸基含有(メタ)アクリル化合物の重量に対し1000ppm)を添加し、60℃に昇温した。続いて、ビスイソシアナトシクロヘキシルメタン(水添MDI)65.6g(0.25モル)を0.5時間かけて滴下したところ、反応温度は80℃に上昇した。全量滴下後反応温度を80〜90℃に保って10時間反応を行った。反応生成物中の水添MDIの重量%を測定したところ0.00重量%であった。
反応器から生成を排出することにより、下記式で表わされるウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料170gを得た。
[製造例2〜14]
製造例1に記載の3−フェノキシ−2−ヒドロキシアクリレートおよび水添MDIの代わりに表11に示す水酸基含有(メタ)アクリル化合物とジイソシアネートを用いて、製造例1と同様の合成操作を行うことで各種ウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料を得た。
製造例1に記載の3−フェノキシ−2−ヒドロキシアクリレートおよび水添MDIの代わりに表11に示す水酸基含有(メタ)アクリル化合物とジイソシアネートを用いて、製造例1と同様の合成操作を行うことで各種ウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料を得た。
[製造例15]
攪拌羽根、温度計および還流管を備えた300ミリリットル4ツ口フラスコ内にアクリル酸14.4g(0.2モル)および触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミド0.5g(1.7ミリモル)を添加し、60℃に昇温した。続いて、4−ノニルフェニルグリシジルエーテル55.3g(0.2モル)を0.7時間かけて滴下したところ、反応温度は65℃に上昇した。全量滴下後反応温度を90〜100℃に保って12時間反応を行った。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、トルエン200ミリリットルを加えた。得られたトルエン溶液を500ミリリットルの分液ロートに移し、蒸留水を用いて水層のpHは中性になるまで水洗した。水洗後、トルエン層からエバポレーターを用いてトルエンを留去し、2−ヒドロキシ−4−(4-ノニルフェノキシ)プロピルアクリレート60.6g(収率87%)を得た。
攪拌羽根、温度計および還流管を備えた300ミリリットル4ツ口フラスコ内にアクリル酸14.4g(0.2モル)および触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミド0.5g(1.7ミリモル)を添加し、60℃に昇温した。続いて、4−ノニルフェニルグリシジルエーテル55.3g(0.2モル)を0.7時間かけて滴下したところ、反応温度は65℃に上昇した。全量滴下後反応温度を90〜100℃に保って12時間反応を行った。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、トルエン200ミリリットルを加えた。得られたトルエン溶液を500ミリリットルの分液ロートに移し、蒸留水を用いて水層のpHは中性になるまで水洗した。水洗後、トルエン層からエバポレーターを用いてトルエンを留去し、2−ヒドロキシ−4−(4-ノニルフェノキシ)プロピルアクリレート60.6g(収率87%)を得た。
攪拌羽根、温度計および還流管を備えた300ミリリットル4ツ口フラスコ内に先に得られた2−ヒドロキシ−4−(4-ノニルフェノキシ)プロピルアクリレート52.3g(0.15モル)とジブチル錫ジラウレート0.05g(水酸基含有(メタ)アクリル化合物の重量に対し1000ppm)を添加し、60℃に昇温した。続いて、ビスイソシアナトシクロヘキシルメタン(水添MDI)32.8g(0.125モル)を0.5時間かけて滴下したところ、反応温度は80℃に上昇した。全量滴下後反応温度を80〜85℃に保って12時間反応を行った。反応生成物中の水添MDIの重量%を測定したところ0.00重量%であった。
反応器から生成を排出することにより、下記式で表わされるウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料81gを得た。
反応器から生成を排出することにより、下記式で表わされるウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料81gを得た。
[製造例16〜25]
製造例15に記載の4-ノニルフェニルグリシジルエーテルとアクリル酸の代わりに表12に示すエポキシ化合物とアクリル酸もしくはメタクリル酸を用いて水酸基含有(メタ)アクリル化合物を製造し、さらにHMDIの代わりに表12に示すジイソシアネートを用いて、製造例15と同様の合成操作を行うことで各種ウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料を得た。
製造例15に記載の4-ノニルフェニルグリシジルエーテルとアクリル酸の代わりに表12に示すエポキシ化合物とアクリル酸もしくはメタクリル酸を用いて水酸基含有(メタ)アクリル化合物を製造し、さらにHMDIの代わりに表12に示すジイソシアネートを用いて、製造例15と同様の合成操作を行うことで各種ウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料を得た。
[製造例26]
攪拌羽根、温度計および還流管を備えた300ミリリットルの4ツ口フラスコ内にアクリル酸14.4g(0.2モル)および触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミド0.5g(1.7ミリモル)を添加し、60℃に昇温した。続いて、4−ノニルフェニルグリシジルエーテル55.3g(0.2モル)を0.7時間かけて滴下したところ、反応温度は65℃に上昇した。全量滴下後、反応温度を90〜100℃に保って12時間反応を行った。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、トルエン200ミリリットルを加えた。得られたトルエン溶液を500ミリリットルの分液ロートに移し、蒸留水を用いて水層のpHが中性になるまで水洗した。水洗後、トルエン層からエバポレーターを用いてトルエンを留去し、2−ヒドロキシ−4−(4-ノニルフェノキシ)プロピルアクリレート60.6g(収率87%)を得た。
攪拌羽根、温度計および還流管を備えた300ミリリットルの4ツ口フラスコ内にアクリル酸14.4g(0.2モル)および触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミド0.5g(1.7ミリモル)を添加し、60℃に昇温した。続いて、4−ノニルフェニルグリシジルエーテル55.3g(0.2モル)を0.7時間かけて滴下したところ、反応温度は65℃に上昇した。全量滴下後、反応温度を90〜100℃に保って12時間反応を行った。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、トルエン200ミリリットルを加えた。得られたトルエン溶液を500ミリリットルの分液ロートに移し、蒸留水を用いて水層のpHが中性になるまで水洗した。水洗後、トルエン層からエバポレーターを用いてトルエンを留去し、2−ヒドロキシ−4−(4-ノニルフェノキシ)プロピルアクリレート60.6g(収率87%)を得た。
攪拌羽根、温度計および還流管を備えた300ミリリットルの4ツ口フラスコ内に先に得られた2−ヒドロキシ−4−(4-ノニルフェノキシ)プロピルアクリレート34.8g(0.1モル)、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート19.8g(0.1モル)とジブチル錫ジラウレート0.05g(水酸基含有(メタ)アクリル化合物の重量に対し1000ppm)を添加し、60℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート(IPDI)22.2g(0.1モル)を0.5時間かけて滴下したところ、反応温度は75℃に上昇した。全量滴下後反応温度を80〜90℃に保って12時間反応を行った。反応生成物中のIPDIの重量%を測定したところ0.00重量%であった。
反応器から生成を排出することにより、下記式で表わされるウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料72gを得た。
反応器から生成を排出することにより、下記式で表わされるウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料72gを得た。
[製造例27〜31]
製造例26に記載の2−ヒドロキシ−4−(4-ノニルフェノキシ)プロピルアクリレートと1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、およびIPDIの代わりに、表13に示す2種の水酸基含有(メタ)アクリル化合物とジイソシアネートを用いて、製造例26と同様の合成操作を行うことで各種ウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料を得た。
製造例26に記載の2−ヒドロキシ−4−(4-ノニルフェノキシ)プロピルアクリレートと1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、およびIPDIの代わりに、表13に示す2種の水酸基含有(メタ)アクリル化合物とジイソシアネートを用いて、製造例26と同様の合成操作を行うことで各種ウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料を得た。
[歯科材料のFT−IR測定]
赤外分光光度計(Biorad社製FTS−6000)を用いて、製造例1〜31で得られたウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料のFT−IR測定を行った。
測定結果を図1〜31に示す。
赤外分光光度計(Biorad社製FTS−6000)を用いて、製造例1〜31で得られたウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料のFT−IR測定を行った。
測定結果を図1〜31に示す。
[実施例1〜31:重合収縮率の測定]
製造例1〜31で得られたウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料70重量部に、粘度調整のための希釈モノマーとしてトリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業(株)社製NKエステル3G)30重量部を混合したモノマー組成物を調製し、更にこのモノマー組成物100重量部に対して、カンファーキノン(和光純薬(株)社製)を0.3重量部、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル(和光純薬(株)社製)を0.3重量部添加して溶解させ、光硬化型モノマー組成物(歯科材料組成物)を調製した。
製造例1〜31で得られたウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料70重量部に、粘度調整のための希釈モノマーとしてトリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業(株)社製NKエステル3G)30重量部を混合したモノマー組成物を調製し、更にこのモノマー組成物100重量部に対して、カンファーキノン(和光純薬(株)社製)を0.3重量部、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル(和光純薬(株)社製)を0.3重量部添加して溶解させ、光硬化型モノマー組成物(歯科材料組成物)を調製した。
この光重合型モノマー組成物を直径10mm、深さ2mmのアルミニウム製金型に充填し、カバーガラスで上下から挟んだ後、歯科用可視光線照射器((株)松風社製ツイン重合器)で片面に付き3分間、両面から合計6分間照射して光硬化型モノマー組成物を硬化させた。
硬化前後の光硬化型モノマー組成物の密度を乾式密度計((株)島津製作所社製アキュピック1330)を用いて測定し、下記の式(1)より重合収縮率を求めた。
式(1):重合収縮率(%)=((重合後の密度−重合前の密度)/重合後の密度)×100
式(1):重合収縮率(%)=((重合後の密度−重合前の密度)/重合後の密度)×100
次いで、上記と同様の操作により、トリエチレングリコールジメタクリレート単独の重合収縮率を測定した。その結果、その重合収縮率は13.0%であった。
次いで、ウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料とトリエチレングリコールジメタクリレートとの混合モノマー組成物の重合収縮率(S1)と、トリエチレングリコールジメタクリレート単独の重合収縮率(S2、13.0%)を用いて、以下の式(2)からウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料の重合収縮率(S3)を求めた。
式(2):(S3)=((S1)−((S2)×0.3))/0.7
結果を表14〜16に示す。
次いで、ウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料とトリエチレングリコールジメタクリレートとの混合モノマー組成物の重合収縮率(S1)と、トリエチレングリコールジメタクリレート単独の重合収縮率(S2、13.0%)を用いて、以下の式(2)からウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料の重合収縮率(S3)を求めた。
式(2):(S3)=((S1)−((S2)×0.3))/0.7
結果を表14〜16に示す。
[実施例1〜24、26〜31:粘度の測定]
製造例1〜23、28および29で得られたウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料60重量部に、粘度調整のための希釈モノマーとしてトリエチレングリコールジメタクリレート(NKエステル3G)40重量部を混合したモノマー組成物を調製した。
製造例1〜23、28および29で得られたウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料60重量部に、粘度調整のための希釈モノマーとしてトリエチレングリコールジメタクリレート(NKエステル3G)40重量部を混合したモノマー組成物を調製した。
また、製造例24、26、27、30および31で得られたウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料40重量部に、トリエチレングリコールジメタクリレート60重量部を混合したモノマー組成物を調製した。
次いで、これらのモノマー組成物を用いて、30℃の粘度をE型粘度計(東機産業社製 TV−22型)にて測定した。なお、コーンロータは、No4を使用した。また、トリエチレングリコールジメタクリレートの粘度は、10(mPa・s、30℃)であった。
結果を表14〜16に示す。
結果を表14〜16に示す。
[比較例1および2]
上記実施例のウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料に代えて、歯科用コンポジットレジンに従来広く使用されているメタクリレートモノマーとしてBis−GMA(新中村化学工業(株)社製D−GMA)またはUDMA(根上工業(株)社製SH500S)60重量部に、トリエチレングリコールジメタクリレート(NKエステル3G)40重量部を混合したモノマー組成物を調製した。
上記実施例のウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料に代えて、歯科用コンポジットレジンに従来広く使用されているメタクリレートモノマーとしてBis−GMA(新中村化学工業(株)社製D−GMA)またはUDMA(根上工業(株)社製SH500S)60重量部に、トリエチレングリコールジメタクリレート(NKエステル3G)40重量部を混合したモノマー組成物を調製した。
その後、比較例1においては、上記実施例と同様にして、該組成物における30℃の粘度をE型粘度計(TV−22型)にて測定した。
その後、上記実施例と同様にして、該モノマー組成物100重量部に対して、カンファーキノン(和光純薬(株)社製)を0.3重量部、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル(和光純薬(株)社製)を0.3重量部添加して溶解させ、光硬化型モノマー組成物を調製した。次いで、上記と同様の方法により、該モノマー組成物の重合収縮率(S4)を求めた。
その後、上記実施例と同様にして、該モノマー組成物100重量部に対して、カンファーキノン(和光純薬(株)社製)を0.3重量部、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル(和光純薬(株)社製)を0.3重量部添加して溶解させ、光硬化型モノマー組成物を調製した。次いで、上記と同様の方法により、該モノマー組成物の重合収縮率(S4)を求めた。
さらに、該モノマー組成物の重合収縮率(S4)と、トリエチレングリコ−ルジメタクリレ−ト単独の重合収縮率(S2、13.0%)を用いて、以下の式(3)からBis−GMAまたはUDMAの単独の重合収縮率(S5)を求めた。
式(3):(S5)=((S4)−((S2)×0.4))/0.6
結果を表16に示す。
式(3):(S5)=((S4)−((S2)×0.4))/0.6
結果を表16に示す。
[実施例32〜37:重合収縮率および粘度の測定]
製造例3、12および16で得られたウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料40重量部に、粘度調整のための希釈モノマーとしてDCP−4EO−A(式(6)中、R=水素原子、m+n=4の化合物)、またはDCP−A(式(6)中、R=水素原子、m+n=0の化合物)60重量部を混合したモノマー組成物を調製し、上記実施例と同様にして、該組成物における30℃の粘度をE型粘度計(TV−22型)にて測定した。
製造例3、12および16で得られたウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料40重量部に、粘度調整のための希釈モノマーとしてDCP−4EO−A(式(6)中、R=水素原子、m+n=4の化合物)、またはDCP−A(式(6)中、R=水素原子、m+n=0の化合物)60重量部を混合したモノマー組成物を調製し、上記実施例と同様にして、該組成物における30℃の粘度をE型粘度計(TV−22型)にて測定した。
その後、上記実施例と同様にして、該モノマー組成物100重量部に対して、カンファーキノン(和光純薬(株)社製)を0.3重量部、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル(和光純薬(株)社製)を0.3重量部添加して溶解させ、光硬化型モノマー組成物(歯科材料組成物)を調製した。次いで、上記と同様の方法により、式(1)を用いて、硬化前後の該光硬化型モノマー組成物の密度から、該光硬化型モノマー組成物の重合収縮率を求めた。
また、上記と同様の方法により、DCP−4EO−AおよびDCP−A単独の重合収縮率および粘度を測定した結果、DCP−4EO−Aの重合収縮率は8.0%、粘度は130(mPa・s、30℃)、DCP−Aの重合収縮率は8.3%、粘度は110(mPa・s、30℃)であった。
結果を表17に示す。
結果を表17に示す。
[比較例3]
Bis−GMA(D−GMA)40重量部に、DCP−4EO−A60重量部を混合したモノマー組成物を用いた以外は、実施例32〜37と同様な操作で、粘度および重合収縮率を求めた。
結果を表17に示す。
Bis−GMA(D−GMA)40重量部に、DCP−4EO−A60重量部を混合したモノマー組成物を用いた以外は、実施例32〜37と同様な操作で、粘度および重合収縮率を求めた。
結果を表17に示す。
[実施例100〜112:光硬化型ペーストの重合収縮率の測定]
実施例1〜31で得られた光硬化型モノマー組成物40重量部と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)社製KBM503)10重量部で表面処理した平均粒径1μmのバリウムガラス(NEC SCHOTTコンポーネンツ(株)社製GM8235)60重量部を混合し、均一な光硬化型ペースト(歯科材料組成物)を得た。
その光硬化型ペーストに関して、実施例1の光硬化型モノマー組成物と同じ方法で重合収縮率を測定した。
その結果を表18〜20に示す。
実施例1〜31で得られた光硬化型モノマー組成物40重量部と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)社製KBM503)10重量部で表面処理した平均粒径1μmのバリウムガラス(NEC SCHOTTコンポーネンツ(株)社製GM8235)60重量部を混合し、均一な光硬化型ペースト(歯科材料組成物)を得た。
その光硬化型ペーストに関して、実施例1の光硬化型モノマー組成物と同じ方法で重合収縮率を測定した。
その結果を表18〜20に示す。
[比較例10および11]
上記実施例のウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料に代えて、メタクリレートモノマーとしてBis−GMA(新中村化学工業(株)社製D−GMA)またはUDMA(根上工業(株)社製SH500S)を使用し、実施例100と同様にして、光硬化型ペーストを調製した。
その光硬化型ペーストに関して、実施例1の光硬化型モノマー組成物と同じ方法で重合収縮率を測定した。
結果を表20に示す。
上記実施例のウレタン(メタ)アクリル化合物を含む歯科材料に代えて、メタクリレートモノマーとしてBis−GMA(新中村化学工業(株)社製D−GMA)またはUDMA(根上工業(株)社製SH500S)を使用し、実施例100と同様にして、光硬化型ペーストを調製した。
その光硬化型ペーストに関して、実施例1の光硬化型モノマー組成物と同じ方法で重合収縮率を測定した。
結果を表20に示す。
本発明の歯科材料は、後述する一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする。
本発明の歯科材料組成物は、本発明の歯科材料、(B)重合開始剤および(C)フィラーを含むことを特徴とする。
本発明の歯科材料組成物は、後述する一般式(1)で表される化合物および(D)重合性単量体を含むことを特徴とする。
本発明の歯科修復材料は、本発明の歯科材料、(B)光重合開始剤および(C)フィラーを含むことを特徴とする。
本発明の硬化物は、本発明の歯科材料を硬化させてなることを特徴とする。
本発明の硬化物は、本発明の歯科材料組成物を硬化させてなることを特徴とする。
本発明の歯科材料組成物は、本発明の歯科材料、(B)重合開始剤および(C)フィラーを含むことを特徴とする。
本発明の歯科材料組成物は、後述する一般式(1)で表される化合物および(D)重合性単量体を含むことを特徴とする。
本発明の歯科修復材料は、本発明の歯科材料、(B)光重合開始剤および(C)フィラーを含むことを特徴とする。
本発明の硬化物は、本発明の歯科材料を硬化させてなることを特徴とする。
本発明の硬化物は、本発明の歯科材料組成物を硬化させてなることを特徴とする。
Claims (19)
- 下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする歯科材料。
- 上記式(1)で表され、Aが上記a、b、c、d、eおよびhからなる群より選択される2価の有機基である化合物を含む請求項1に記載の歯科材料。
- 上記式(1)で表され、Aが上記a、c、eおよびhからなる群より選択される2価の有機基である化合物を含む請求項1に記載の歯科材料。
- 上記式(1)で表され、Aが上記a、eおよびhからなる群より選択される2価の有機基である化合物を含む請求項1に記載の歯科材料。
- 上記式(1)で表され、Aが上記aの2価の有機基である化合物を含む請求項1に記載の歯科材料。
- 上記式(1)で表され、X1およびX2の少なくともいずれか一方が上記i、j、lおよびmからなる群より選択される2価の有機基である化合物を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯科材料。
- 上記式(1)で表され、X1およびX2のいずれか一方が上記i、jおよびmからなる群より選択される2価の有機基である化合物を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯科材料。
- 上記式(1)で表され、Aが上記a、b、cまたはeのいずれかであり、X1およびX2が同時に上記iであり、R1およびR2が同時に水素原子である化合物を含有する請求項1に記載の歯科材料。
- 上記式(1)で表され、Aが上記dであり、X1およびX2が同時に上記iであり、R1およびR2が同時にメチル基である化合物を含有する請求項1に記載の歯科材料。
- 下記式(2)〜(5)からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を含む請求項1に記載の歯科材料。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の歯科材料、(B)重合開始剤および(C)フィラーを含む歯科材料組成物。
- さらに、(D)重合性単量体を含む請求項11に記載の歯科材料組成物。
- 上記重合性単量体(D)が、下記一般式(6)で表わされる、請求項12に記載の歯科材料組成物。
- 上記一般式(6)中、Rが水素原子を表し、mおよびnはそれぞれ0〜6の整数で、かつ、m+n=2〜6である、請求項13に記載の歯科材料組成物。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の歯科材料、(B)光重合開始剤および(C)フィラーを含む歯科修復材料。
- さらに、(D)重合性単量体を含む請求項15に記載の歯科修復材料。
- 上記重合性単量体(D)が、下記一般式(6)で表わされる、請求項16に記載の歯科修復材料。
- 上記一般式(6)中、Rが水素原子を表し、mおよびnはそれぞれ0〜6の整数で、かつ、m+n=2〜6である、請求項17に記載の歯科修復材料。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の歯科材料を硬化させてなる硬化物。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011109606 | 2011-05-16 | ||
JP2011109606 | 2011-05-16 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013515124A Division JP5931057B2 (ja) | 2011-05-16 | 2012-05-11 | 歯科材料、歯科材料組成物、歯科修復材料および硬化物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016094482A true JP2016094482A (ja) | 2016-05-26 |
Family
ID=47175396
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013515124A Active JP5931057B2 (ja) | 2011-05-16 | 2012-05-11 | 歯科材料、歯科材料組成物、歯科修復材料および硬化物 |
JP2016027945A Pending JP2016094482A (ja) | 2011-05-16 | 2016-02-17 | 歯科材料、歯科材料組成物、歯科修復材料および硬化物 |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013515124A Active JP5931057B2 (ja) | 2011-05-16 | 2012-05-11 | 歯科材料、歯科材料組成物、歯科修復材料および硬化物 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US9511004B2 (ja) |
EP (1) | EP2710994B1 (ja) |
JP (2) | JP5931057B2 (ja) |
WO (1) | WO2012157566A1 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019031488A1 (ja) | 2017-08-07 | 2019-02-14 | 三井化学株式会社 | 分包型硬化性組成物 |
WO2019082964A1 (ja) | 2017-10-26 | 2019-05-02 | 三井化学株式会社 | 硬化性組成物 |
WO2020031897A1 (ja) | 2018-08-09 | 2020-02-13 | 三井化学株式会社 | 重合開始剤、硬化性組成物、歯科材料および硬化性組成物の調製用キット |
JP2021011543A (ja) * | 2019-07-08 | 2021-02-04 | 日本化薬株式会社 | ディスプレイ用封止剤 |
WO2022014492A1 (ja) | 2020-07-15 | 2022-01-20 | 三井化学株式会社 | 重合開始剤、硬化性組成物調製用キット、硬化性組成物、硬化物及び歯科材料 |
Families Citing this family (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5931057B2 (ja) | 2011-05-16 | 2016-06-08 | 三井化学株式会社 | 歯科材料、歯科材料組成物、歯科修復材料および硬化物 |
EP2711381B1 (en) | 2011-05-16 | 2020-02-05 | Mitsui Chemicals, Inc. | Novel compound, composition containing said compound, and cured product |
US10206762B2 (en) * | 2014-02-05 | 2019-02-19 | Mitsui Chemicals, Inc. | Material for denture base, denture base, method of manufacturing the denture base, plate denture, and method of manufacturing the plate denture |
CN106132382A (zh) * | 2014-03-31 | 2016-11-16 | 三井化学株式会社 | 牙科材料用聚合性单体 |
DE102015104440A1 (de) * | 2015-03-24 | 2016-09-29 | Heraeus Kulzer Gmbh | Verfahren zur Herstellung dentaler Prothesen sowie gebrauchsfertiges Dentalmaterial und Kit enthaltend das Dentalmaterial |
CN107427414B (zh) | 2015-03-31 | 2021-07-02 | 三井化学株式会社 | 牙科材料用聚合性单体、组合物、粘接性牙科材料及试剂盒 |
JP7012704B2 (ja) * | 2016-08-10 | 2022-01-28 | アルケマ フランス | 環状構造要素、ウレタン/ウレイド結合及びフリーラジカル重合性官能基を含む化合物 |
JP6941186B2 (ja) | 2017-11-28 | 2021-09-29 | 三井化学株式会社 | (メタ)アクリレートおよびその用途 |
WO2019107322A1 (ja) | 2017-11-28 | 2019-06-06 | 三井化学株式会社 | (メタ)アクリレート、モノマー組成物、該組成物から得られた歯科材料およびその製造方法 |
US20210246239A1 (en) | 2018-08-21 | 2021-08-12 | Mitsui Chemicals, Inc. | (meth)acrylate, monomer composition for dental material, molded body, composition for dental material, dental material, and method of manufacturing (meth)acrylate |
US20210403632A1 (en) * | 2018-12-11 | 2021-12-30 | Mitsui Chemicals, Inc. | (meth)acrylate, monomer composition, molded body, composition for dental material, and dental material |
JP7429559B2 (ja) | 2020-02-17 | 2024-02-08 | 三井化学株式会社 | (メタ)アクリレート化合物、モノマー組成物、成形体、歯科材料用組成物、歯科材料及び(メタ)アクリレート化合物の製造方法 |
JP7490213B2 (ja) | 2020-03-10 | 2024-05-27 | 株式会社トクヤマデンタル | 歯科用複合体の製造方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013515124A (ja) * | 2009-12-22 | 2013-05-02 | ヘクセル ランフォルセマン | ベール糸を重ね合わせ織り交ぜることによって形成された新規な中間材料 |
Family Cites Families (20)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE2931926A1 (de) * | 1979-08-07 | 1981-02-26 | Bayer Ag | Dentalmassen |
US4614705A (en) | 1984-02-17 | 1986-09-30 | Ricoh Co., Ltd. | Optical information recording medium |
JPS60171648A (ja) | 1984-02-17 | 1985-09-05 | Ricoh Co Ltd | 光情報記録媒体 |
JPH0644354B2 (ja) * | 1985-07-12 | 1994-06-08 | 株式会社日立製作所 | プラスチック情報記録媒体 |
JPS633757A (ja) | 1986-06-25 | 1988-01-08 | Ando Seika Kk | 梅果肉入りキヤンデ−の製造方法 |
DE19544671A1 (de) * | 1995-11-30 | 1997-06-05 | Bayer Ag | Urethan(meth)acrylate mit cyclischen Carbonatgruppen |
DE19603577C2 (de) | 1996-02-01 | 2003-11-13 | Heraeus Kulzer Gmbh & Co Kg | Adhäsive |
JP4860884B2 (ja) | 2002-03-11 | 2012-01-25 | Tdk株式会社 | 光情報媒体 |
JP4456838B2 (ja) | 2003-09-12 | 2010-04-28 | 株式会社トクヤマ | 歯科用光重合性組成物 |
JP4456859B2 (ja) | 2003-12-25 | 2010-04-28 | 株式会社トクヤマ | 歯科用カチオン硬化性組成物 |
EP1570831A1 (de) | 2004-03-02 | 2005-09-07 | Ernst Mühlbauer GmbH & Co.KG | Gefülltes, polymerisierbares Dentalmaterial und Verfahren zu dessen Herstellung |
JP2008024724A (ja) | 2004-11-15 | 2008-02-07 | Nippon Kayaku Co Ltd | 紫外線硬化型樹脂組成物およびその硬化物 |
JP4749779B2 (ja) | 2005-07-05 | 2011-08-17 | 株式会社トクヤマ | 歯科用カチオン硬化性組成物 |
JP5122078B2 (ja) | 2006-04-03 | 2013-01-16 | アイカ工業株式会社 | 化粧板及びその製造方法 |
JP5132946B2 (ja) * | 2007-02-08 | 2013-01-30 | 三菱レイヨン株式会社 | モールドプリント用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物及び賦型物 |
JP5216343B2 (ja) | 2008-01-30 | 2013-06-19 | クラレノリタケデンタル株式会社 | 歯科材料に好適な重合性単量体 |
TW201035060A (en) * | 2008-10-09 | 2010-10-01 | Septodont Confi Dental Division | Carbamate-methacrylate monomers and their use in dental applications |
US9011150B2 (en) * | 2010-11-23 | 2015-04-21 | Dentsply International Inc. | High strength dental material |
JP5931057B2 (ja) | 2011-05-16 | 2016-06-08 | 三井化学株式会社 | 歯科材料、歯科材料組成物、歯科修復材料および硬化物 |
EP2711381B1 (en) | 2011-05-16 | 2020-02-05 | Mitsui Chemicals, Inc. | Novel compound, composition containing said compound, and cured product |
-
2012
- 2012-05-11 JP JP2013515124A patent/JP5931057B2/ja active Active
- 2012-05-11 WO PCT/JP2012/062159 patent/WO2012157566A1/ja active Application Filing
- 2012-05-11 EP EP12785296.0A patent/EP2710994B1/en active Active
- 2012-05-15 US US13/471,725 patent/US9511004B2/en active Active
-
2016
- 2016-02-17 JP JP2016027945A patent/JP2016094482A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013515124A (ja) * | 2009-12-22 | 2013-05-02 | ヘクセル ランフォルセマン | ベール糸を重ね合わせ織り交ぜることによって形成された新規な中間材料 |
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
歯科材料・器械, vol. 7, no. 2, JPN6012029713, 1988, pages 143 - 158 * |
福岡歯科大学学会雑誌, vol. 19, no. 1, JPN6012029712, 1992, pages 11 - 24 * |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019031488A1 (ja) | 2017-08-07 | 2019-02-14 | 三井化学株式会社 | 分包型硬化性組成物 |
US11744782B2 (en) | 2017-08-07 | 2023-09-05 | Mitsui Chemicals, Inc. | Separately packed curable composition |
WO2019082964A1 (ja) | 2017-10-26 | 2019-05-02 | 三井化学株式会社 | 硬化性組成物 |
US11306160B2 (en) | 2017-10-26 | 2022-04-19 | Mitsui Chemicals, Inc. | Curable composition |
WO2020031897A1 (ja) | 2018-08-09 | 2020-02-13 | 三井化学株式会社 | 重合開始剤、硬化性組成物、歯科材料および硬化性組成物の調製用キット |
JP2021011543A (ja) * | 2019-07-08 | 2021-02-04 | 日本化薬株式会社 | ディスプレイ用封止剤 |
JP7195228B2 (ja) | 2019-07-08 | 2022-12-23 | 日本化薬株式会社 | ディスプレイ用封止剤 |
WO2022014492A1 (ja) | 2020-07-15 | 2022-01-20 | 三井化学株式会社 | 重合開始剤、硬化性組成物調製用キット、硬化性組成物、硬化物及び歯科材料 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20120296003A1 (en) | 2012-11-22 |
EP2710994B1 (en) | 2018-08-01 |
US9511004B2 (en) | 2016-12-06 |
JP5931057B2 (ja) | 2016-06-08 |
CN103491928A (zh) | 2014-01-01 |
WO2012157566A1 (ja) | 2012-11-22 |
EP2710994A4 (en) | 2015-04-08 |
EP2710994A1 (en) | 2014-03-26 |
JPWO2012157566A1 (ja) | 2014-07-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5931057B2 (ja) | 歯科材料、歯科材料組成物、歯科修復材料および硬化物 | |
JP5819415B2 (ja) | 新規な化合物、該化合物を含む組成物および硬化物 | |
EP3135270B1 (en) | Polymerizable monomer for dental material | |
JP5216343B2 (ja) | 歯科材料に好適な重合性単量体 | |
WO2018181707A1 (ja) | 歯科材料用接着性モノマー | |
KR101517628B1 (ko) | 개선된 치과용 복합재를 유도하는 재료 및 그로부터 제조된 치과용 복합재 | |
JP5143580B2 (ja) | 歯科用組成物及びそれを用いたコンポジットレジン | |
JP2021031409A (ja) | 粉液型歯科用レジン強化型グラスアイオノマーセメント組成物 | |
JP7286674B2 (ja) | (メタ)アクリレート、モノマー組成物、成形体、歯科材料用組成物、及び歯科材料 | |
WO2018181710A1 (ja) | 歯科材料用多官能モノマーおよび歯科材料用水酸基含有モノマー | |
JP6614998B2 (ja) | 歯科用硬化性組成物 | |
JP7429559B2 (ja) | (メタ)アクリレート化合物、モノマー組成物、成形体、歯科材料用組成物、歯科材料及び(メタ)アクリレート化合物の製造方法 | |
WO2019189579A1 (ja) | 歯科材料用重合性組成物、該組成物から得られた歯科材料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160302 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160302 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132 Effective date: 20170214 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20170808 |