以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1には、本発明の一実施形態の建築物の空調方法(以下、単に「空調方法」ということがある)が実施される建築物Bの断面図が概念的に示されている。図1に示されるように、本実施形態では、建築物Bとして、住宅Bhが示されている。なお、空調効果を高めるために、住宅Bhは、優れた断熱性能、遮光性能及び気密性能を具えた工業化住宅であるのが望ましい。
住宅Bhは、床下空間3と、床上空間4とを具えている。床下空間3は、基礎5と地面6と床7とで囲まれた非居住空間である。床上空間4は、床下空間3の上方に設けられた空間である。本実施形態の床上空間4は、複数の居室4A乃至4Cと、洗面室、トイレ等の非居室4Dとに区分されている。
本実施形態の空調方法は、換気空調システム2が用いられる。換気空調システム2は、外気を床下空間3に導入するための基礎給気口8と、床下空間3に配されたチャンバーボックス9と、チャンバーボックス9内の空気を各居室4A乃至4Cに供給しうる換気手段10とを含んでいる。なお、チャンバーボックス9内の空気は、非居室4Dに直接供給されてもよい。さらに、本実施形態の換気空調システム2では、集熱装置22を含むものが示されているが、この装置は、任意の要素である。
基礎給気口8は、基礎5の立ち上がり部に設けられた一つの開口である。この基礎給気口8を介して、床下空間3に外気が取り込まれる。本実施形態では、外気を積極的に導入するために、例えば、基礎給気口8の近傍に、基礎給気ファン11が設けられている。基礎5は、発泡樹脂等の断熱材により、外気から断熱されていることが望ましい(図示省略)。
床下空間3に供給された外気は、床下空間3の地面6を介して、地冷熱と熱交換される。これにより、床下空間3に蓄えられた空気(以下、単に「床下空気」ということがある)17は、夏期には外気よりも低く、冬期には外気よりも高い温度を持ち得る。床下空間3の地面6は、例えば、土間コンクリート等で仕上げられている。
図2には、チャンバーボックス9の一例が、拡大して示されている。なお、図1のチャンバーボックス9は、概念的に示されたものである。このため、図1のチャンバーボックス9と、図2に示されているチャンバーボックス9とは必ずしも一致していない。図2に示されるように、チャンバーボックス9は、略箱状であり、第1空間9Aと、第2空間9Bと、これらの間に設けられた開閉部9Cとを含んでいる。チャンバーボックス9は、各居室4A乃至4C(図1に示す)に供給するための空気を蓄える空間として用いられる。
第1空間9Aは、チャンバーボックス9の水平方向の一端側に設けられている。第1空間9Aを区画するチャンバーボックス9の壁面は、断熱材12が配されるのが望ましい。
第1空間9Aには、床下空気17を取り込むための第1導入口13が設けられている。従って、第1空間9Aは、第1導入口13から床下空気(即ち、地冷熱と熱交換された外気)17が導入されうる。本実施形態の第1導入口13は、第1空間9Aの上面側に設けられているが、その位置は任意に定められうる。また、本実施形態の第1導入口13には、電気制御により開閉可能な開閉部30が設けられている。
第1空間9Aには、集熱装置22で温められた外気を取り込むための第2導入口19が設けられている。従って、第1空間9Aは、集熱装置22(図1に示す)で温められた外気が取り込まれうる。また、第2導入口19には、開閉可能な開閉部21が設けられている。
第1空間9Aには、その中の空気を排出するための排気口14が設けられている。排気口14は、例えば、第1空間9Aの側面に設けられている。排気口14には、換気手段10のダクト10Aの一端10Aiが接続されている。これらについては、後で詳述する。
第2空間9Bは、チャンバーボックス9の水平方向の他端側に設けられている。第2空間9Bを区画するチャンバーボックス9の壁面にも、断熱材12が配されているのが望ましい。
第2空間9Bには、空気調和機(エアコン)16が収納されている。本実施形態の空気調和機16は、一般的な家庭用のセパレート型エアコンである。第2空間9Bには、空気調和機16の室内機が配置されている。空気調和機16の室外機(図示省略)は、建築物Bの外部に設置されている。
空気調和機16は、空気を吸い込む吸気部16aと、内部で冷媒と熱交換された空気を排気する排気部16bとを有している。従って、空気調和機16の運転により、第2空間9Bには、空調された空気が導入される。本実施形態の第2空間9Bには、空気調和機16の吸気部16aに、床上空間4の空気を供給するための床上空気導入口18が設けられている。
空気調和機16は、その設定温度が設定されうる。また、空気調和機16は、その設定風量が、複数段階で設定されうる。本実施形態の設定風量は、例えば、弱(例えば、425m3/h)、中(例えば、625m3/h)、及び、強(例えば、825m3/h)を含んでいる。なお、このような設定風量に限定されるわけではない。
開閉部9Cは、第1空間9Aと第2空間9Bとの間で、開閉可能に設けられている。このような開閉部9Cにより、第1空間9Aと第2空間9Bとは、相互に連通するか又は遮断される。
開閉部9Cが遮断位置に切換えられている場合、チャンバーボックス9の第1空間9Aには、「地面6と熱交換した床下空気17」のみが供給される。一方、開閉部9Cが連通位置に切換えられ、かつ、空気調和機16が運転されている場合、チャンバーボックス9の第1空間9Aには、地面6と熱交換した床下空気17と、空気調和機16によって空調された空気が供給され、第1空間9A内で混合空気が作成される。
図1に示されるように、換気手段10は、ダクト10Aと、ファン10Bと、空気浄化装置10Cとを含んでいる。本実施形態のファン10B及び空気浄化装置10Cは、いずれも、床下空間3に配置されている。
ダクト10Aの一端10Aiは、チャンバーボックス9の排気口14に接続されている。ダクト10Aの他端10Aoは、各居室4A、4B及び4Cの天井部分に位置している。ダクト10Aの各他端10Aoは、それぞれ、床下空気17又は混合空気の供給量を調節可能なダンパー20(20a〜20c)を介して、各居室4A、4B及び4Cに連通している。なお、本実施形態のダクト10Aは、1階用と2階用との2系統が設けられているが、これらを集約して一つの系統とされても良い。
ダンパー20の開度(開口面積)が大きいほど、床下空気17又は混合空気の供給量が大きくなる。ダンパー20の開度は、複数段階で調整されうる。本実施形態のダンパー20の開度は、例えば、第1開度〜第5開度の5段階で調整されうる。なお、各開度は、第1開度から第5開度に向かって漸増している。このようなダンパー20により、居室4A、4B及び4C毎に、床下空気17又は混合空気の供給量が柔軟に調節されうる。
ファン10Bは、ダクト10Aの一端10Aiから他端10Aoに向かう強制的な空気の流れを生成するファンによって構成されている。従って、ファン10Bを運転することにより、チャンバーボックス9の第1空間9A内の空気は、排気口14から、ダクト10Aの他端10Aoへと送給される。
ファン10Bの風量は、複数段階で設定されうる。本実施形態のファン10Bの風量は、例えば、第1風量〜第4風量が設定されている。第1風量は、建築物Bに必要な換気回数に基づいて、例えば、175m3/hに設定される。第2風量は、例えば、第1風量よりも大きい600m3/hに設定されている。第3風量は、例えば、第2風量よりも大きい800m3/hに設定されている。第4風量は、例えば、第3風量よりも大きい1000m3/hに設定されている。なお、ファン10Bの風量は、これらの第1風量〜第4風量に限定されるわけではない。
空気浄化装置10Cは、例えば、ダクト10Aの一端10Aiと他端10Aoとの間に設けられている。本実施形態の空気浄化装置10Cは、ファン10Bの上流側に設けられている。空気浄化装置10Cとしては、ダクト10A内の空気から花粉、微粒子状物質、塵埃等を除去するものであれば、種々の形式のものが採用されうる。
本実施形態の換気空調システム2は、床下温度検知手段23、外気温度検知手段24、居室温度検知手段25、吸気温度検知手段27、排気温度検知手段28、及び、制御手段26をさらに含んでいる。図3は、本実施形態の制御手段26の概念図である。
図1に示されるように、床下温度検知手段23は、床下空間3内に配置された温度センサーによって構成されている。外気温度検知手段24は、屋外に配置された温度センサーによって構成されている。居室温度検知手段25(25a〜25c)は、各居室4A、4B及び4C内にそれぞれ配置された温度センサーによって構成されている。図2に示されるように、吸気温度検知手段27は、空気調和機16の吸気部16a付近に配置された温度センサーによって構成されている。排気温度検知手段28は、空気調和機16の排気部16b付近に配置された温度センサーによって構成されている。
図3に示されるように、床下温度検知手段23、外気温度検知手段24、居室温度検知手段25(25a〜25c)、吸気温度検知手段27、及び、排気温度検知手段28は、制御手段26に接続されている。これにより、床下空気17の温度、各居室4A、4B及び4Cの温度、外気の温度、空気調和機16の吸気温度、及び、空気調和機16の排気温度が、制御手段26に伝達されうる。
本実施形態の制御手段26は、図1に示されるように、例えば、間仕切り壁等に設置されている。図3に示されるように、制御手段26は、CPU(中央演算装置)からなる演算部33と、制御手順が予め記憶されている記憶部34と、記憶部34から制御手順を読み込む作業用メモリ35とを含んで構成されている。
演算部33には、チャンバーボックス9の開閉部9C、第1導入口13の開閉部30、第2導入口19の開閉部21、及び、各居室4A、4B及び4Cのダンパー20(20a〜20c)が接続されている。これにより、チャンバーボックス9の開閉部9C、第1導入口13の開閉部30、第2導入口19の開閉部21、及び、各居室4A、4B及び4Cのダンパー20(20a〜20c)は、演算部33からの信号が伝達されることによって、それぞれ独立して開閉されうる。さらに、演算部33は、換気手段10のファン10B、及び、空気調和機16が接続されている。これにより、ファン10B、及び、空気調和機16は、演算部33からの信号が伝達されることによって、それぞれ運転が制御されうる。
次に、本実施形態の換気空調システム2を用いた空調方法について説明する。本実施形態の空調方法では、例えば、冬季(10月〜3月)と、夏季(4月〜9月)とで、異なる処理手順が実施される。なお、冬季及び夏季は、例示した期間に限定されるわけではない。図4は、本実施形態の空調方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
本実施形態の空調方法では、先ず、現在が冬季又は夏季のいずれに属するかが判断される(ステップS1)。これらの判断は、制御手段26(図3に示す)によって行われる。現在が冬季であると判断された場合、次の冬季空調ステップS2が実施される。他方、現在が夏季であると判断された場合、次の夏季空調ステップS3が実施される。
冬季空調ステップS2では、空気調和機16(図1に示す)による暖房が不要な中間期間、空気調和機16による暖房が必要な暖房期間、及び、暖房期間と中間期間との間の第1期間(以下、単に「冬季パッシブ期間」ということがある。)において、異なる処理手順が実施される。中間期間は、例えば、4月28日〜6月16日と、9月23日〜10月25日である。暖房期間は、例えば、12月9日〜2月20日である。第1期間(冬季パッシブ期間)は、例えば、2月21日〜4月27日と、10月26日〜12月8日である。なお、中間期間、暖房期間、及び、第1期間(冬季パッシブ期間)は、例示した期間に限定されるわけではなく、例えば、建築物B(図1に示す)が建てられた地域の気候に応じて、適宜設定されうる。図5は、本実施形態の冬季空調ステップS2の処理手順の一例を示すフローチャートである。
冬季空調ステップS2では、先ず、現在が中間期間、暖房期間、又は、第1期間(冬季パッシブ期間)のいずれに属するかが判断される(ステップS21)。これらの判断は、制御手段26(図3に示す)によって行われる。現在が、中間期間に含まれると判断された場合、次の換気モードS22が実施される。また、現在が、暖房期間に含まれると判断された場合、次の暖房モードS23が実施される。さらに、現在が、第1期間(冬季パッシブ期)に含まれると判断された場合、次の、パッシブ暖房モードS24が実施される。
換気モードS22では、図1及び図2に示されるように、先ず、チャンバーボックス9の開閉部9Cによって、第1空間9Aと第2空間9Bとが遮断される。さらに、換気手段10のファン10Bが運転される。これにより、チャンバーボックス9の第1空間9Aには、第1導入口13から床下空気17(外気)が導入される。さらに、第1空間9Aの床下空気17は、排気口14からダクト10A、空気浄化装置10Cを経由して清浄化された後、ダンパー20(20a〜20c)を介して、各居室4A、4B及び4Cに供給される。また、居室4A、4B及び4C内の空気は、各居室4A〜4C又は非居室4Dに設けられた排気用のファン38等によって、屋外へと排出される。これにより、各居室4A、4B及び4Cは、清浄化された外気によって換気される。これらの換気モードS22の一連の処理は、制御手段26によって行われる。また、換気手段10のファン10Bの風量は、建築物Bに必要な換気回数に基づいて設定された第1風量(例えば、175m3/h)が設定されている。各居室4A、4B又は4Cのダンパー20は、第1開度〜第5開度から適宜選択される。
暖房モードS23では、空気調和機16(図1に示す)で暖められた暖空気が、各居室4A、4B及び4C(図1に示す)に供給される。図6は、暖房モードS23の処理手順の一例を示すフローチャートである。暖房モードS23の一連の処理は、制御手段26(図3に示す)によって行われる。
暖房モードS23では、先ず、目標温度が設定される(ステップS230)。目標温度は、空気調和機16による暖房により、各居室4A、4B及び4Cで維持したい温度である。目標温度は、適宜設定されうる。本実施形態の目標温度は、ヒートショックを未然に防ぐ観点より、例えば、18℃〜22℃(本実施形態では、20℃)に設定されるのが望ましい。本実施形態の目標温度は、居室4A、4B及び4C毎にそれぞれ設定されてもよいし、同一でもよい。目標温度は、記憶部34に記憶されており、作業用メモリ35に読み込まれる。
次に、暖房モードS23では、図1及び図3に示されるように、各居室4A、4B及び4Cの温度が検知される(ステップS231)。各居室4A、4B及び4Cの温度は、居室温度検知手段25(25a〜25c)によってそれぞれ検知される。各居室4A、4B及び4Cの温度は、制御手段26に伝達される。
次に、暖房モードS23では、各居室4A、4B及び4Cの温度と予め定められた目標温度との差V1が求められる(ステップS232)。差V1は、居室4A、4B及び4C毎に求められる。本実施形態の差V1は、各居室4A、4B及び4Cの温度から目標温度を差し引いた値W1として求められる。この値W1(差V1)が大きいほど、各居室4A、4B及び4Cの温度が大きいことを示している。
次に、暖房モードS23では、全ての居室4A、4B及び4Cの前記値W1が、予め定められた第2暖房閾値以上であるか否かが判断される(ステップS233)。このステップS233では、空気調和機16による空調(暖房)が、必要か否かが判断される。従って、第2暖房閾値は、0℃以上に設定されるのが望ましい。本実施形態の第2暖房閾値は、例えば、+1.5℃に設定されている。
全ての居室4A、4B及び4Cの前記値W1が、予め定められた第2暖房閾値(例えば、+1.5℃)以上であると判断された場合(ステップS233で、「Y」)、全ての居室4A、4B及び4Cの温度は、目標温度(例えば、20℃)よりも大きいため、十分に暖められており、空気調和機16による空調(暖房)が不要であると判断されうる。このような場合、次の空調停止ステップS234が実行される。他方、全ての居室4A、4B及び4Cの前記値W1が、予め定められた第2暖房閾値(例えば、+1.5℃)未満であると判断された場合(ステップS233で、「N」)、全ての居室4A、4B及び4Cが十分に暖められていないため、空気調和機16による空調(暖房)が必要であると判断されうる。このような場合、空気調和機16で暖められた暖空気を、各居室4A、4B及び4Cに供給する暖房ステップS235が実行される。
図7は、空調停止ステップS234の処理手順の一例を示すフローチャートである。本実施形態の空調停止ステップS234では、先ず、空気調和機16(図1に示す)の運転が停止され(ステップS611)、換気手段10のファン10B(図1に示す)の風量が設定される(ステップS612)。本実施形態のファン10Bの設定風量は、建築物Bに必要な換気回数に基づいて、第1風量(例えば、175m3/h)に設定される。なお、ステップS612では、図1及び図2に示されるように、チャンバーボックス9の開閉部9Cによって、第1空間9Aと第2空間9Bとが遮断される。これにより、換気モードS22と同様に、各居室4A、4B及び4Cは、清浄化された外気(床下空気17)によって換気される。これらのステップS611及びステップS612の実行終了により、空調停止ステップS234の一連の処理が終了する。
図8は、暖房ステップS235の処理手順の一例を示すフローチャートである。暖房ステップS235では、先ず、空気調和機16(図1に示す)による暖房が開始される(ステップS620)。本実施形態のステップS620では、先ず、図1に示されるように、チャンバーボックス9の開閉部9Cによって、第1空間9Aと第2空間9Bとが連通される。また、空気調和機16が暖房運転される。さらに、換気手段10のファン10Bが運転される。これにより、第1空間9Aにおいて、床下空間3の空気と、空気調和機16の暖房運転で空調された空気とが混合される。そして、この混合空気(暖空気)が、換気手段10によって各居室4A、4B及び4Cに供給される。これにより、換気を行いながら、空気調和機16による暖房(空調)が実現されうる。なお、空気調和機16による暖房が既に開始されている場合、ステップS620は省略される。
次に、暖房ステップS235では、先ず、前記各居室4A、4B又は4Cの前記値W1のうち、最も小さい最小値W1sが、予め定められた第3暖房閾値以下であるか否かが判断される(ステップS621)。このステップS621では、空気調和機16(図1に示す)のより積極的な運転が、必要か否かが判断される。従って、第3暖房閾値は、0℃未満に設定されるのが望ましい。本実施形態の第3暖房閾値は、例えば、−0.5℃に設定されている。
最小値W1sが第3暖房閾値(例えば、−0.5℃)以下である場合(ステップS621で、「Y」)、居室4A、4B又は4C(図1に示す)の温度が低下している。このため、空気調和機16(図1に示す)の積極的な運転を行わせる積極運転ステップS622が実施される。他方、最小値W1sが第3暖房閾値(例えば、−0.5℃)よりも大きい場合(ステップS621で、「N」)、各居室4A、4B及び4Cが比較的暖まっている。このため、空気調和機16の効率的な運転が行われる効率運転ステップS623が実施される。
図9は、本実施形態の積極運転ステップS622の処理手順の一例を示すフローチャートである。積極運転ステップS622では、先ず、各居室4A、4B又は4C(図1に示す)の前記値W1のうち、最も大きい最大値W1mが、予め定められた第1暖房閾値以下であるか否かが判断される(ステップS631)。このステップS631では、各居室4A、4B又は4Cへの暖空気(混合空気)の供給量を最大にして、暖房する必要があるか否かが判断される。従って、第1暖房閾値は、前ステップで用いられた第3暖房閾値(例えば、−0.5℃)よりも小に設定されるのが望ましい。本実施形態の第1暖房閾値は、−1.5℃に設定されている。
最大値W1mが第1暖房閾値(例えば、−1.5℃)以下である場合(ステップS631で、「Y」)、全ての居室4A、4B又は4C(図1に示す)の温度が大幅に低下している。このため、各居室4A、4B又は4Cへの暖空気(混合空気)の供給量が最大に設定される(ステップS632)。この場合、各居室4A、4B又は4Cのダンパー20(図1に示す)は、最も大きい第5開度に設定される。これにより、各居室4A、4B又は4Cの暖空気の供給量が最大にされうる。
他方、最大値W1mが第1暖房閾値(例えば、−1.5℃)よりも大きい場合(ステップS631で、「N」)、全ての居室4A、4B又は4C(図1に示す)の温度が、大きく低下しているわけではない。従って、各居室4A、4B又は4Cへの暖空気(混合空気)の供給量を個別に調節して、各居室4A、4B又は4Cを効率的に暖房するのが有効である。この場合、次のステップS633及びステップS634が実行された後に、各居室4A、4B又は4Cへの暖空気の供給量を個別に調節する居室供給量調節ステップが実施される。居室供給量調節ステップは、第1居室供給量調節ステップS635と、第2居室供給量調節ステップS636とが含まれている。
図10は、第1居室供給量調節ステップS635の処理手順の一例を示すフローチャートである。図11は、第2居室供給量調節ステップS636の処理手順の一例を示すフローチャートである。第1居室供給量調節ステップS635及び第2居室供給量調節ステップS636では、各居室4A、4B及び4C(図1に示す)の前記値W1に基づいて、各居室4A、4B及び4Cのダンパー20(図1に示す)の開度が調節される。本実施形態では、前記値W1が小さい居室4A、4B及び4Cほど、ダンパー20a、20b及び20cの開度が大に設定されている。これにより、温度が低い居室4A、4B及び4Cほど、より多くの暖空気(混合空気)が供給されるため、各居室4A、4B及び4Cが効率良く暖房されうる。
第1開度〜第5開度毎に、各居室4A、4B又は4C(図1に示す)の前記値W1の閾値の範囲が設定されている。第1居室供給量調節ステップS635での閾値の範囲は、例えば、「+3.0℃よりも大」、「+3.0℃〜+1.0℃」、「+1.0℃〜−1.0℃」、「−1.0℃〜−3.0℃」、及び、「−3.0℃未満」である。他方、第2居室供給量調節ステップS636での閾値の範囲は、「+1.5℃よりも大」、「+1.5℃〜+0.5℃」、「+0.5℃〜−0.5℃」、「−0.5℃〜−1.5℃」、「−1.5℃未満」である。このように、第1居室供給量調節ステップS635は、第2居室供給量調節ステップS636に比べて、閾値の範囲が大に設定されている。
従って、第1居室供給量調節ステップS635は、各居室4A、4B又は4C(図1に示す)の前記値W1が広範囲に分布していても、居室4A、4B又は4C毎に、ダンパー20a〜20cの開度がバランスよく調節されうる。なお、第1居室供給量調節ステップS635及び第2居室供給量調節ステップS636の詳細については、後述する。
図9に示されるように、ステップS633では、各居室4A、4B又は4C(図1に示す)の前記値W1のうち、最も小さい最小値W1sが第4暖房閾値以下であるか否かが判断される。最小値W1sが大幅に小さいと、各居室4A、4B又は4Cの前記値W1が広範囲に分布している可能性が高い。従って、このような分布の有無を判断するために、第4暖房閾値については、第1暖房閾値(例えば、−1.5℃)よりも小に設定されるのが望ましい。本実施形態の第4暖房閾値は、例えば、−3.0℃に設定されている。
最小値W1sが第4暖房閾値(例えば、−3.0℃)以下である場合(ステップS633で、「Y」)、各居室4A、4B又は4C(図1に示す)の前記値W1が広範囲に分布している可能性が高い。この場合、第1居室供給量調節ステップS635が実施される。他方、最小値W1sが第4暖房閾値(例えば、−3.0℃)よりも大きい場合、本ステップS633のみでは、各居室4A、4B又は4Cの前記値W1が広範囲に分布しているか否かが判断できないため、次のステップS634が実施される。
第1居室供給量調節ステップS635では、図10に示されるように、前記値W1が小さい居室4A、4B又は4C(図1に示す)ほど、そのダンパー20(20a〜20c(図1に示す))の開度が大に設定されている(ステップS660〜ステップS666)。例えば、前記値W1が+3.0℃よりも大きい居室4A、4B又は4Cのダンパー20a、20b又は20cは、最も小さい第1開度が設定される(ステップS661)。前記値W1が+3.0℃〜+1.0℃である居室4A、4B又は4Cのダンパー20は、第1開度よりも大きい第2開度に設定される(ステップS662)。前記値W1が+1.0℃〜−1.0℃である居室4A、4B又は4Cのダンパー20は、第2開度よりも大きい第3開度に設定される(ステップS663)。
さらに、前記値W1が−1.0℃〜−3.0℃である居室4A、4B又は4Cのダンパー20(20a〜20c)は、第3開度よりも大きい第4開度に設定される(ステップS664)。前記値W1が−3.0℃未満である居室4A、4B又は4Cのダンパー20は、第4開度よりも大きい第5開度に設定される(ステップS665)。
そして、全ての居室4A、4B及び4Cのダンパー20(20a〜20c)の開度が調節されたか否かが判断される(ステップS666)。全ての居室4A、4B及び4Cのダンパー20の開度が調節されたと判断された場合(ステップS666で、「Y」)、第1居室供給量調節ステップS635の一連の処理が終了する。他方、全ての居室4A、4B及び4Cのダンパー20の開度が調節されていないと判断された場合(ステップS666で、「N」)、他の居室4A、4B又は4Cのダンパー20が選択され(ステップS667)、ステップS660〜S666が再度実施される。これにより、前記値W1に基づいて、全ての居室4A、4B及び4Cのダンパー20の開度がそれぞれ調節されるため、各居室4A、4B及び4Cへの暖空気(混合空気)の供給量が、個別に調節されうる。従って、各居室4A、4B又は4Cが効率よく暖房されうる。なお、各ダンパー20(20a〜20c)の開度を区分した各閾値については、上記の値に限定されるわけではなく、例えば、換気手段10のファン10Bの風量に応じて、適宜変更されうる。
ステップS634では、図9に示されるように、最大値W1mが第5暖房閾値以上であるか否かが判断される。最大値W1mが大幅に大きいと、各居室4A、4B又は4Cの前記値W1が広範囲に分布している可能性が高い。従って、このような分布の有無を判断するために、第5暖房閾値については、第2暖房閾値(例えば、+1.5℃)よりも大きい値に設定されるのが望ましい。本実施形態の第5暖房閾値は、例えば、+3.0℃に設定されている。
最大値W1mが第5暖房閾値(例えば、+3.0℃)以上である場合(ステップS634で、「Y」)、各居室4A、4B又は4Cの前記値W1が広範囲に分布している可能性が高い。この場合、図10に示した第1居室供給量調節ステップS635が実施される。他方、最大値W1mが第5暖房閾値(例えば、+3.0℃)未満である場合(ステップS634で、「N」)、最大値W1mが比較的小であり、しかも、ステップS633の判断より、最小値W1sが比較的大きい。従って、各居室4A、4B又は4Cの前記値W1が広範囲に分布している可能性が低い。この場合、第2居室供給量調節ステップS636が実施される。
第2居室供給量調節ステップS636では、図11に示されるように、第1居室供給量調節ステップS635と同様に、前記値W1が小さい居室4A、4B又は4Cほど、そのダンパー20(20a〜20c(図1に示す))の開度が大に設定されている(ステップS670〜ステップS675)。例えば、前記値W1が+1.5℃よりも大きい居室4A、4B又は4Cのダンパー20は、最も小さい第1開度が設定される(ステップS671)。前記値W1が+1.5℃〜+0.5℃である居室4A、4B又は4Cのダンパー20は、第1開度よりも大きい第2開度に設定される(ステップS672)。前記値W1が+0.5℃〜−0.5℃である居室4A、4B又は4Cのダンパー20は、第2開度よりも大きい第3開度に設定される(ステップS673)。
さらに、前記値W1が−0.5℃〜−1.5℃である居室4A、4B又は4Cのダンパー20(20a〜20c)は、第3開度よりも大きい第4開度に設定される(ステップS674)。前記値W1が−1.5℃未満である居室4A、4B又は4Cのダンパー20は、第4開度よりも大きい第5開度に設定される(ステップS675)。
そして、全ての居室4A、4B及び4Cのダンパー20(20a〜20c)の開度が調節されたか否かが判断される(ステップS676)。全ての居室4A、4B及び4Cのダンパー20の開度が調節されたと判断された場合(ステップS676で、「Y」)、第2居室供給量調節ステップS636の一連の処理が終了する。他方、全ての居室4A、4B及び4Cのダンパー20の開度が調節されていないと判断された場合(ステップS676で、「N」)、他の居室4A、4B又は4Cのダンパー20が選択され(ステップS677)、ステップS670〜S676が再度実施される。これにより、前記値W1に基づいて、全ての居室4A、4B及び4Cのダンパー20の開度がそれぞれ調節されるため、各居室4A、4B及び4Cへの暖空気(混合空気)の供給量が、個別に調節されうる。従って、各居室4A、4B又は4Cが効率よく暖房されうる。なお、各ダンパー20(20a〜20c)の開度を区分した各閾値については、上記の値に限定されるわけではない。
本実施形態の積極運転ステップS622では、図9に示されるように、空気調和機16の設定温度が調節される(空調温度調節ステップS637〜S640)。
ステップS631において、最大値W1mが第1暖房閾値(例えば、−1.5℃)以下であると判断された場合(ステップS631で、「Y」)、全ての居室4A、4B又は4Cの温度が大幅に低下している。しかも、最大値W1mが第1暖房閾値以下であるため、最小値W1sが、第1暖房閾値よりも大幅に小さい可能性がある。この場合、空気調和機16の設定温度を高くして、暖房することが有効である。従って、空気調和機16の設定温度は、目標温度(例えば、20℃)と、第1加算温度との和に設定される(空調温度調節ステップS637)。第1加算温度については、適宜設定されうる。本実施形態の第1加算温度は、例えば、+5℃に設定されている。
ステップS633において、最小値W1sが第4暖房閾値(例えば、−3.0℃)以下であると判断された場合(ステップS633で、「Y」)、少なくとも一つの居室4A、4B及び4Cの温度は、目標温度よりも大幅に低くなっている。この場合、空気調和機16の設定温度を高くして、暖房することが有効である。このため、空気調和機16の設定温度は、目標温度(例えば、20℃)と、第1加算温度との和に設定される(空調温度調節ステップS638)。
ステップS634において、最大値W1mが第5暖房閾値(例えば、+3.0℃)以上であると判断された場合(ステップS634で、「Y」)、少なくとも一つの居室4A、4B及び4Cの温度は、目標温度よりも大幅に高くなっている。このため、空調温度調節ステップS637及びS638ほど、空気調和機16の設定温度を高くする必要はないと判断されうる。従って、空気調和機16の設定温度は、目標温度(例えば、20℃)と、第2加算温度との和に設定される(空調温度調節ステップS639)。第2加算温度については、第1加算温度よりも小であれば、適宜設定されうる。本実施形態の第2加算温度は、例えば、+2℃に設定されている。
ステップS634において、最大値W1mが第5暖房閾値(例えば、+3.0℃)未満であると判断された場合(ステップS634で、「N」)、上述したように、最大値W1mが比較的小であり、かつ、最小値W1sが比較的大きい。このため、各居室4A、4B及び4Cの温度は、他の条件に比べて、目標温度に近似している。従って、空気調和機16の設定温度は、目標温度(例えば、20℃)と、第2加算温度との和に設定される(空調温度調節ステップS640)
このように、空調温度調節ステップS637〜S640では、最小値W1sが小さいほど、空気調和機16の設定温度が大きくされ、かつ、最大値W1mが大きいほど、空気調和機16の設定温度が小さくされうる。従って、各居室4A、4B又は4Cが効果的に暖房されうる。
次に、本実施形態の積極運転ステップS622では、空気調和機16の設定風量が調節される(空調風量調節ステップS641〜S644)。
ステップS631において、最大値W1mが第1暖房閾値(例えば、−1.5℃)以下であると判断された場合(ステップS631で、「Y」)、最小値W1sが、第1暖房閾値よりも大幅に小さい可能性があるため、空気調和機16の設定風量を大きくして、暖房することが有効である。従って、空気調和機16の設定風量が、「強」に設定される(空調風量調節ステップS641)。
ステップS633において、最小値W1sが第4暖房閾値(例えば、−3.0℃)以下であると判断された場合(ステップS633で、「Y」)も、同様に、空気調和機16の設定風量が、「強」に設定される(空調風量調節ステップS642)。
ステップS634において、最大値W1mが第5暖房閾値(例えば、+3.0℃)以上であると判断された場合(ステップS634で、「Y」)、空調風量調節ステップS641及びS642ほど、空気調和機16の設定風量を大きくする必要はないと判断されうる。このため、空気調和機16の設定風量が、「弱」に設定される(空調風量調節ステップS643)。
ステップS634において、最大値W1mが第5暖房閾値(例えば、+3.0℃)未満であると判断された場合(ステップS634で、「N」)、空調風量調節ステップS641及びS642ほど、空気調和機16の設定風量を大きくする必要はないが、空調風量調節ステップS643よりも、空気調和機16の設定風量を大きくするのが有効である。このため、空気調和機16の設定風量が、「中」に設定される(空調風量調節ステップS644)。
このように、空調風量調節ステップS641〜S644では、最小値W1sが小さいほど、空気調和機16の設定風量が大きくされ、かつ、最大値W1mが大きいほど、空気調和機16の設定風量が小さくされうる。従って、各居室4A、4B又は4Cが効果的に暖房されうる。
次に、本実施形態の積極運転ステップS622では、換気手段10のファン10Bの風量が調節される(ファン風量調節ステップS645〜S648)。
ステップS631において、最大値W1mが第1暖房閾値(例えば、−1.5℃)以下であると判断された場合(ステップS631で、「Y」)、空調風量調節ステップS641と同様の観点より、ファン10Bの風量が、第4風量(例えば、1000m3/h)に設定される(ファン風量調節ステップS645)。また、ステップS633において、最小値W1sが第4暖房閾値(例えば、−3.0℃)以下であると判断された場合(ステップS633で、「Y」)、空調風量調節ステップS642と同様の観点より、ファン10Bの風量が、第4風量(例えば、1000m3/h)に設定される(ファン風量調節ステップS646)。
ステップS634において、最大値W1mが第5暖房閾値(例えば、+3.0℃)以上である場合(ステップS634で、「Y」)、空調風量調節ステップS643と同様の観点より、ファン10Bの風量が、第2風量(例えば、600m3/h)に設定される(ファン風量調節ステップS647)。また、ステップS634において、最大値W1mが第5暖房閾値(例えば、+3.0℃)未満である場合(ステップS634で、「N」)、空調風量調節ステップS644と同様の観点より、ファン10Bの風量が、第3風量(例えば、800m3/h)に設定される(ファン風量調節ステップS648)。
このように、ファン風量調節ステップS645〜S648も、最小値W1sが小さいほど、ファン10Bの風量が大きくされ、かつ、最大値W1mが大きいほど、ファン10Bの風量が小さくされうる。従って、各居室4A、4B又は4Cが効果的に暖房されうる。このファン風量調節ステップS645〜S648の処理終了後、積極運転ステップS622及び暖房ステップS235(図8に示す)の一連の処理が終了する。
図12は、本実施形態の効率運転ステップS623の処理手順の一例を示すフローチャートである。上述したように、効率運転ステップS623は、空気調和機16の効率的な運転が行われる。効率運転ステップS623では、先ず、現在の空気調和機16の暖房能力が計算される(ステップS681)。本実施形態の暖房モードS23において、空気調和機16の暖房能力Ewは、下記式(1)で求められる。
Ew=(Tb−Ta)×Af×Hs/1000 …(1)
ここで、各定数及び変数については、次のとおりである。
Tb:空気調和機の排気部の温度(℃)
Ta:空気調和機の吸気部の温度(℃)
Af:空気調和機の風量(m3/h)
Hs:空気比熱(0.35Wh/m3・℃)
排気部16bの温度Tbは、排気温度検知手段28(図2に示す)によって測定される。吸気部16aの温度TAは、吸気温度検知手段27によって測定される。空気調和機16の風量は、空気調和機16の運転状況が伝達される信号によって取得されうる。
図13(a)は、暖房能力とCOP(Coefficient of Performance )との関係を示すグラフである。図13(a)のグラフでは、COP、消費電力(kW)、及び、顕熱負荷(kW)が示されている。一般に、暖房能力Ewが、2kW以上である場合、暖房効率が悪い状態である。このような場合、暖房能力Ewが2kWに近づくように、例えば、設定温度、及び、設定風量を小さくして、空気調和機16が運転されるのが望ましい。
次に、効率運転ステップS623では、図12に示されるように、現在の空気調和機16の暖房効率が悪いか否かが判断される(ステップS682)。本実施形態では、現在の暖房能力Ewが2kW以上である場合に、暖房効率が悪いと判断される。このように、暖房効率が悪い場合、ステップS683以降の空気調和機16の効率的な運転が行われる。
現在の空気調和機16の暖房効率が悪いと判断された場合(ステップS682で、「Y」)、空気調和機16の効率的な運転を行わせるに先立ち、次のステップS683が実施される。他方、現在の空気調和機16の暖房効率が悪くないと判断された場合(ステップS682で、「N」)、既に、空気調和機16の効率的な運転が行われている。このため、現在の空気調和機16の運転状態(設定温度、及び、設定風量)、並びに、ファン10Bの風量が維持されたまま、効率運転ステップS623及び暖房ステップS235(図8に示す)の一連の処理が終了する。
次に、効率運転ステップS623では、空気調和機16の設定温度が、目標温度(例えば、20℃)よりも大きいか否かが判断される(ステップS683)。空気調和機16の設定温度が、目標温度よりも大きい場合(ステップS683で、「Y」)、その設定温度をやや小さくしても、各居室4A、4B又は4Cを目標温度に暖房されうる。このような場合、ダンパー20a〜20cの開度が維持されたまま(ステップS684)、空気調和機16の設定温度が小さくされる(ステップS685)。なお、空気調和機16の設定温度の減少分は、適宜設定される。本実施形態の減少分は、例えば、−1℃に設定される。
さらに、空気調和機16の設定風量が「中」に設定され(ステップS686)、ファン10Bの風量が第3風量(例えば、800m3/h)に設定される(ステップS687)。これにより、効率運転ステップS623では、各居室4A、4B又は4Cが効率良く暖房されうる。
空気調和機16の設定温度が、目標温度以下である場合(ステップS683で、「N」)、設定温度をこれ以上小さくすると、各居室4A、4B又は4Cを目標温度に維持できなくなるおそれがある。このため、ダンパー20a〜20cの開度が維持されるとともに(ステップS688)、空気調和機16の設定温度が維持される(ステップS689)。
さらに、空気調和機16の設定風量が「弱」に設定され(ステップS690)、ファン10Bの風量が第2風量(例えば、600m3/h)に設定される(ステップS691)。これにより、効率運転ステップS623では、空気調和機16の暖房効率の悪化を防ぎつつ、各居室4A、4B又は4Cが効率良く暖房されうる。
次に、効率運転ステップS623では、ステップS684〜S691において設定された空気調和機16の設定温度、設定風量、及び、ファン10Bの風量が維持された状態で、空気調和機16及びファン10Bの運転が残置される(ステップS692)。これにより、空気調和機16の暖房効率の悪化を防ぎつつ、各居室4A、4B又は4Cが効率良く暖房されうる。なお、残置される時間については、適宜設定されうる。本実施形態では、効率運転ステップS623で設定された空気調和機16の設定温度、設定風量、及び、ファン10Bの風量により、各居室4A、4B又は4Cが効率良く暖房させることを考慮して、例えば、5分程度に設定されるのが望ましい。このステップS692の処理終了後、効率運転ステップS623及び暖房ステップS235(図8に示す)の一連の処理が終了する。
次に、図6に示されるように、暖房モードS23では、暖房モードS23が開始されてから予め定められた終了時間が経過したか否かが判断される(ステップS236)。終了時間については、適宜設定されうる。本実施形態では、暖房モードS23で設定された空気調和機16の設定温度、設定風量、及び、ファン10Bの風量により、各居室4A、4B又は4Cが効果的に暖房させることを考慮して、例えば、例えば、30分程度に設定されるのが望ましい。
終了時間が経過したと判断された場合(ステップS236で、「Y」)、暖房モードS23の一連の処理が終了する。他方、終了時間が経過していないと判断された場合(ステップS236で、「N」)、ステップS230〜S236が再度実施される。これにより、暖房モードS23では、時々刻々と変化する各居室4A、4B又は4Cの温度に基づいて、ダンパー20の開度、空気調和機16の設定温度、設定風量、及び、ファン10Bの風量が調節されるため、各居室4A、4B又は4Cが効果的に暖房されうる。なお、本実施形態の差V1は、各居室4A、4B及び4Cの温度から目標温度を差し引いた値W1として求められる態様が例示されたが、これに限定されない。例えば、目標温度から各居室4A、4B及び4Cの温度を差し引いた値として求められてもよい。
次に、パッシブ暖房モードS24では、床下空気17が各居室4A、4B及び4Cに供給されることにより、居室4A、4B及び4Cがそれぞれ換気されながら空調される。図14は、パッシブ暖房モードS24の処理手順の一例を示すフローチャートである。パッシブ暖房モードS24の一連の処理は、制御手段26(図3に示す)によって行われる。
パッシブ暖房モードS24では、先ず、図1及び図3に示されるように、各居室4A、4B及び4Cの温度が検知される(ステップS241)。各居室4A、4B及び4Cの温度は、居室温度検知手段25によってそれぞれ検知される。各居室4A、4B及び4Cの温度は、制御手段26に伝達される。
次に、パッシブ暖房モードS24では、外気の温度が検知される(ステップS242)。外気の温度は、外気温度検知手段24によって検知される。外気の温度は、制御手段26に伝達される。
次に、パッシブ暖房モードS24では、床下空気17の温度が検知される(ステップS243)。床下空気17の温度は、床下温度検知手段23によって検知される。床下空気17の温度は、制御手段26に伝達される。
次に、パッシブ暖房モードS24では、各居室4A、4B及び4Cの温度が、空気調和機16による暖房運転が必要とされる温度よりも高いか否かが判断される(ステップS244)。なお、「空気調和機16による暖房運転が必要とされる温度」については、例えば、建築物Bの構造や、床下空気17による暖房能力(温度)等に応じて、適宜設定されうる。本実施形態では、例えば、15℃程度に設定されている。
各居室4A、4B及び4Cの温度が、空気調和機16による暖房運転が必要とされる温度(例えば、15℃)よりも高い場合(ステップS244で、「Y」)、床下空気17を利用して暖房(空調)可能と判断されうる。このような場合、次のステップS245が実施される。他方、各居室4A、4B及び4Cの温度が、空気調和機16による暖房運転が必要とされる温度(例えば、15℃)以下である場合(ステップS244で。「N」)、床下空気17を利用しても、各居室4A、4B及び4Cを十分に暖房できないと判断されうる。このような場合、パッシブ暖房モードS24が中断され、前記暖房モードS23(図5及び図6に示す)が実施される。
次に、パッシブ暖房モードS24では、外気の温度が、予め定められた温度以上であるか否かが判断される(ステップS245)。外気の「予め定められた温度」については、例えば、建築物Bの構造や、床下空気17による暖房能力(温度)等に応じて、適宜設定されうる。本実施形態では、例えば、10℃に設定されている。
外気の温度が、予め定められた温度(例えば、10℃)度以上である場合(ステップS245で、「Y」)、外気による居室4A、4B及び4Cの温度低下の影響が小さいため、床下空気17を利用して、各居室4A、4B及び4Cを暖房(空調)できると判断されうる。このような場合、次のステップS246が実施される。他方、外気の温度が、予め定められた温度(例えば、10℃)未満である場合(ステップS245で、「N」)、床下空気17を利用しても、各居室4A、4B及び4Cを十分に暖房できないと判断されうる。このような場合、パッシブ暖房モードS24が中断され、前記暖房モードS23(図5及び図6に示す)が実施される。
次に、パッシブ暖房モードS24では、床下空気17の温度が、予め定められた温度以上であるか否かが判断される(ステップS246)。床下空気17の「予め定められた温度」については、例えば、建築物Bの構造等に応じて、適宜設定されうる。本実施形態では、例えば、18℃に設定されている。
床下空気17の温度が、予め定められた温度(例えば、18℃)以上である場合(ステップS246で、「Y」)、比較的温度が高い床下空気17を利用して、各居室4A、4B及び4Cを暖房(空調)できると判断されうる。このような場合、次の第1供給ステップS247が実施される。他方、床下空気17の温度が、予め定められた温度(例えば、18℃)未満である場合(ステップS246で、「N」)、床下空気17を利用しても、各居室4A、4B及び4Cを効果的に暖房できないと判断されうる。このような場合、パッシブ暖房モードS24が中断され、暖房モードS23(図5及び図6に示す)が実施される。
次に、パッシブ暖房モードS24では、床下空気17が、各居室4A、4B及び4Cに供給される(第1供給ステップS247)。第1供給ステップS247は、ステップS244〜S246の判断により、各居室4A、4B及び4Cの温度が、空気調和機16による暖房運転が必要とされる温度よりも高く、かつ、外気の温度が、予め定められた温度以上であり、床下空気17の温度が、予め定められた温度以上であると判断された場合にのみ実施される。従って、第1供給ステップS247では、各居室4A、4B及び4Cの温度、外気の温度、及び、床下空気17の温度が比較的高いため、空気調和機16を使用しなくても、床下空気17を利用して、各居室4A、4B及び4Cが効果的に暖房(空調)されうる。従って、空調コストの増大を防ぐことができる。図15は、第1供給ステップS247の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図1、図2及び図15に示されるように、本実施形態の第1供給ステップS247では、先ず、換気手段10のファン10Bの風量(床下空気17の総供給量)が設定される(ステップS711)。本実施形態のファン10Bの風量は、例えば、冬季の自然換気量を考慮して、比較的小さい第2風量(600m3/h)に設定されている。なお、ステップS711では、チャンバーボックス9の開閉部9Cによって、第1空間9Aと第2空間9Bとが遮断される。これにより、チャンバーボックス9の第1空間9Aの空気は、排気口14からダクト10A、空気浄化装置10Cを経由して清浄化された後、ダンパー20(20a〜20c)を介して、各居室4A、4B及び4C等の床上空間4に供給されうる。
次に、第1供給ステップS247では、各居室4A、4B及び4Cの温度と予め定められた目標温度との差Vaが求められる(ステップS712)。目標温度は、適宜設定されうる。本実施形態の目標温度は、ヒートショックを未然に防ぐ観点より、例えば、20℃に設定されるのが望ましい。また、目標温度は、居室4A、4B及び4C毎に設定されてもよい。目標温度は、記憶部34に予め記憶されている。
差Vaは、居室4A、4B及び4C毎に求められる。本実施形態の差Vaは、暖房モードS23と同様に、各居室4A、4B及び4Cの温度から目標温度を差し引いた値として求められる。この値(差Va)が大きいほど、各居室4A、4B及び4Cの温度が大きいことを示している。
本実施形態では、ステップS246で判断された床下空気17の温度(18℃)が、目標温度(20℃)よりも小に設定されている。このため、床下空気17を利用しても、各居室4A、4B及び4Cを目標温度まで暖めることができないようにも考えられる。しかしながら、本実施形態の各居室4A、4B及び4Cは、家電製品や、居住者等による内部発熱を有するため、目標温度よりもやや小さい床下空気17が利用されたとしても、各居室4A、4B及び4Cを目標温度まで十分に暖めうる。このように、床下空気17の温度が、目標温度よりも小であっても、空気調和機16を使用しないパッシブ暖房モードS24が実施されるため、空調コストが抑制されうる。
次に、第1供給ステップS247では、各居室4A、4B及び4Cの前記差Vaに基づいて、各居室4A、4B及び4Cのダンパー20(20a〜20c)の開度が調節される(ステップS713〜ステップS719)。本実施形態では、前記差Vaが小さい居室4A、4B又は4Cほど、ダンパー20の開度(床下空気17の供給量)が大に設定されている。これにより、温度が低い居室4A、4B及び4Cほど、より多くの暖かい床下空気17が供給されるため、各居室4A、4B及び4Cが効率良く暖房されうる。
例えば、前記差Vaが+1.5℃よりも大きい居室4A、4B又は4Cのダンパー20は、最も小さい第1開度が設定される(ステップS714)。前記差Vaが+1.5℃〜+0.5℃である居室4A、4B又は4Cのダンパー20は、第1開度よりも大きい第2開度に設定される(ステップS715)。前記差Vaが+0.5℃〜−0.5℃である居室4A、4B又は4Cのダンパー20は、第2開度よりも大きい第3開度に設定される(ステップS716)。
さらに、前記差Vaが−0.5℃〜−1.5℃である居室4A、4B又は4Cのダンパー20(20a〜20c)は、第3開度よりも大きい第4開度に設定される(ステップS717)。前記差Vaが−1.5℃未満である居室4A、4B又は4Cのダンパー20は、第4開度よりも大きい第5開度に設定される(ステップS718)。
そして、全ての居室4A、4B及び4Cのダンパー20(20a〜20c)の開度が調節されたか否かが判断される(ステップS719)。全ての居室4A、4B及び4Cのダンパー20の開度が調節されたと判断された場合(ステップS719で、「Y」)、次のステップS248(図14に示す)が実施される。他方、全ての居室4A、4B及び4Cのダンパー20の開度が調節されていないと判断された場合(ステップS719で、「N」)、他の居室4A、4B又は4Cのダンパー20が選択され(ステップS720)、ステップS713〜S719が再度実施される。これにより、前記差Vaに基づいて、全ての居室4A、4B及び4Cのダンパー20の開度がそれぞれ調節されうる。従って、各居室4A、4B及び4Cへの床下空気17の供給量が、個別に調節されうる。
なお、ダンパー20(20a〜20c)の各開度を区分した前記差Vaの各閾値(本実施形態では、「+1.5℃」、「+0.5℃」、「−0.5℃」、「−1.5℃」)については、例えば、換気手段10のファン10Bの風量に応じて、適宜変更されうる。また、本実施形態の前記差Vaは、各居室4A、4B及び4Cの温度から目標温度を差し引いた値として求められる態様が例示されたが、これに限定されない。例えば、目標温度から各居室4A、4B及び4Cの温度を差し引いた値として求められてもよい。この場合、前記差Vaが大きいほど、ダンパー20の開度(床下空気17の供給量)が大に設定されるのが望ましい。
次に、図1及び図14に示されるように、パッシブ暖房モードS24では、第1供給ステップS247の開始から予め定められた時間が経過するまで、各居室4A、4B及び4Cへの床下空気17の供給が残置される(ステップS248)。このような残置により、第1供給ステップS247で設定された各居室4A、4B及び4Cのダンパー20(20a〜20c)の開度に基づいて、床下空気17が一定時間供給されるため、各居室4A、4B及び4Cが効果的に暖房されうる。残置される時間については、適宜設定されうる。本実施形態では、換気手段10のファン10Bの風量や、各居室4A、4B及び4Cへの床下空気17の供給量等を考慮して、例えば、20分〜30分程度に設定されている。
次に、パッシブ暖房モードS24では、各居室4A、4B及び4Cの温度が、予め定められた温度以上か否かが判断される(ステップS249)。各居室4A、4B及び4Cの「予め定められた温度」については、適宜設定されうる。本実施形態では、例えば、第1供給ステップS247で設定された目標温度(例えば、20℃)と、ステップS246で判断された床下空気17の温度(18℃)との間の温度(19℃)に設定される。これにより、床下空気17を利用して、各居室4A、4B及び4Cの温度が目標温度に向かって、上昇しているか否かが判断されうる。
各居室4A、4B及び4Cの温度が前記温度(19℃)以上である場合(ステップS249で、「Y」)、床下空気17を利用して、各居室4A、4B及び4Cが効果的に暖房されていると判断されうる。このような場合、次のステップS250が実施される。他方、各居室4A、4B及び4Cの温度が前記温度未満(即ち、少なくとも一つの居室4A、4B及び4Cの温度が前記温度未満)である場合(ステップS249で、「N」)、床下空気17を利用しても、各居室4A、4B及び4Cを効果的に暖房できないと判断されうる。この場合、パッシブ暖房モードS24が中断され、暖房モードS23(図5及び図6に示す)が実施される。このように、本実施形態では、各居室4A、4B及び4Cに床下空気17が一定時間供給されても、各居室4A、4B及び4Cが十分に暖房されないと判断された場合に、パッシブ暖房モードS24が中断され、暖房モードS23が迅速に実施される。従って、各居室4A、4B及び4Cが確実に暖房されうる。
次に、パッシブ暖房モードS24では、ステップS241〜ステップS249を経た現在において、第1期間(冬季パッシブ期間)か否かが判断される(ステップS250)。現在が第1期間であると判断された場合(ステップS250で、「Y」)、ステップS245〜S250が再度実施される。これにより、第1期間(冬季パッシブ期間)では、空気調和機16を使用しなくても、自然エネルギーのみを利用して、各居室4A、4B及び4Cが継続して暖房(空調)されうるため、空調コストの増大が防がれうる。
他方、現在が第1期間(冬季パッシブ期間)外であると判断された場合(ステップS250で、「N」)、パッシブ暖房モードS24の一連の処理が終了する。
上述した換気モードS22、暖房モードS23、及び、パッシブ暖房モードS24の一連の処理が終了することにより、次のステップS4(図4に示す)が実施される。これにより、冬季空調ステップS2では、現在が属する期間に応じて、各居室4A、4B及び4Cが、効率よく暖房(空調)されうる。
図16は、本実施形態の夏季空調ステップS3の処理手順の一例を示すフローチャートである。図1及び図16に示されるように、夏季空調ステップS3では、空気調和機16による冷房が不要な中間期間、空気調和機による冷房が必要な冷房期間、及び、中間期間と冷房期間との間の第2期間(以下、単に「夏季パッシブ期間」ということがある。)で、異なる処理手順が実施される。中間期間は、例えば、4月28日〜6月16日と、9月23日〜10月25日である。冷房期間は、例えば、8月1日〜8月21日である。第2期間(夏季パッシブ期間)は、例えば、6月17日〜7月31日と、8月22日〜9月22日である。なお、中間期間、冷房期間、及び、第2期間(夏季パッシブ期間)は、例示した期間に限定されるわけではなく、例えば、建築物Bが竣工された地域の気候に応じて、適宜変更されうる。
夏季空調ステップS3では、先ず、現在が中間期間、冷房期間、又は、第2期間(夏季パッシブ期間)のいずれに属するかが判断される(ステップS31)。これらの判断は、制御手段26によって行われる。現在が、中間期間に含まれると判断された場合、次の換気モードS32が実施される。また、現在が、冷房期間に含まれると判断された場合、次の冷房モードS33が実施される。さらに、現在が、第2期間(夏季パッシブ期間)に含まれると判断された場合、次の、パッシブ冷房モードS34が実施される。
換気モードS32では、冬季空調ステップS2の換気モードS22と同様に、第1空間9Aと第2空間9Bとが遮断される。さらに、換気手段10のファン10Bが運転される。これにより、チャンバーボックス9、換気手段10及びダンパー20(20a〜20c)を介して、床下空気17が各居室4A、4B及び4Cに供給される。また、居室4A、4B及び4Cの空気は、排気用のファン38等によって屋外へ排出される。これにより、各居室4A、4B及び4Cは、清浄化された外気によって換気される。これらの換気モードS32の一連の処理は、制御手段26によって行われる。また、ファン10Bの風量は、第1風量(例えば、175m3/h)に設定されている。各居室4A、4B又は4Cのダンパー20は、第1開度〜第5開度から適宜選択される。
次に、冷房モードS33では、空気調和機16で冷却された冷空気が、各居室4A、4B及び4Cに供給される。図17は、冷房モードS33の処理手順の一例を示すフローチャートである。冷房モードS33の一連の処理は、制御手段26(図3に示す)によって行われる。
冷房モードS33では、先ず、目標温度が設定される(ステップS330)。目標温度は、空気調和機16による冷房により、各居室4A、4B及び4Cで維持したい温度である。目標温度は、適宜設定されうる。本実施形態の目標温度は、屋内熱中症を未然に防ぐ観点より、例えば、26℃〜29℃(本実施形態では、28℃)に設定されるのが望ましい。本実施形態の目標温度は、居室4A、4B及び4C毎にそれぞれ設定されてもよいし、同一でもよい。目標温度は、記憶部34に記憶されており、作業用メモリ35に読み込まれる。
次に、冷房モードS33では、図1及び図3に示されるように、各居室4A、4B及び4Cの温度が検知される(ステップS331)。各居室4A、4B及び4Cの温度は、居室温度検知手段25(25a〜25c)によってそれぞれ検知される。各居室4A、4B及び4Cの温度は、制御手段26に伝達される。
次に、冷房モードS33では、各居室4A、4B及び4Cの温度と予め定められた目標温度との差V2が求められる(ステップS332)。差V2は、居室4A、4B及び4C毎に求められる。本実施形態の差V2は、各居室4A、4B及び4Cの温度から目標温度を差し引いた値W2として求められる。この値W2(差V2)が小さいほど、各居室4A、4B及び4Cの温度が小さいことを示している。
次に、冷房モードS33では、全ての居室4A、4B及び4Cの前記値W2が、予め定められた第2冷房閾値以下であるか否かが判断される(ステップS333)。ステップS233では、空気調和機16による空調(冷房)が、必要か否かが判断される。従って、第2冷房閾値は、0℃以下に設定されるのが望ましい。本実施形態の第2冷房閾値は、例えば、−1.5℃に設定されている。
全ての居室4A、4B及び4Cの前記値W1が、予め定められた第2冷房閾値(例えば、−1.5℃)以下であると判断された場合(ステップS333で、「Y」)、全ての居室4A、4B及び4Cの温度は、目標温度(例えば、28℃)よりも小であり、十分に冷却されている。従って、空気調和機16による空調(冷房)が不要であると判断されうる。このような場合、次の空調停止ステップS334が実行される。なお、空調停止ステップS334の処理手順は、図7に示した暖房モードS23の空調停止ステップS234の処理手順と同一である。
他方、全ての居室4A、4B及び4Cの前記値W1が、予め定められた第2冷房閾値(例えば、−1.5℃)よりも大きいと判断された場合(ステップS333で、「N」)、全ての居室4A、4B及び4Cが十分に冷却されていないため、空気調和機16による空調(冷房)が必要であると判断されうる。このような場合、空気調和機16で冷却された冷空気を、各居室4A、4B及び4Cに供給する冷房ステップS335が実行される。
図18は、冷房ステップS335の処理手順の一例を示すフローチャートである。冷房ステップS335では、先ず、空気調和機16による冷房が開始される(ステップS820)。本実施形態のステップS820では、先ず、暖房モードS23と同様に、第1空間9Aと第2空間9Bとが連通され、空気調和機16が冷房運転される。さらに、換気手段10のファン10Bが運転される。これにより、第1空間9Aにおいて、床下空間3の空気と、空気調和機16で冷却された冷空気とが混合される。そして、この混合空気(冷空気+床下空気)が換気手段10によって各居室4A、4B及び4Cに供給される。これにより、換気を行いながら、空気調和機16による冷房(空調)が実現されうる。空気調和機16の設定温度、設定風量、及び、ファン10Bの風量については、適宜設定されうる。なお、空気調和機16による冷房が既に開始されている場合、ステップS820は省略される。
次に、冷房ステップS335では、先ず、前記各居室4A、4B又は4Cの前記値W2のうち、最も大きい最大値W2mが、予め定められた第3冷房閾値以上であるか否かが判断される(ステップS821)。このステップS821では、空気調和機16のより積極的な運転が、必要か否かが判断される。従って、第3冷房閾値は、0℃よりも大きい温度に設定されるのが望ましい。本実施形態の第3冷房閾値は、例えば、+0.5℃に設定されている。
最大値W2mが第3冷房閾値(例えば、+0.5℃)以上である場合(ステップS821で、「Y」)、居室4A、4B又は4Cの温度が高くなっている。このため、空気調和機16の積極的な運転を行わせる積極運転ステップS822が実施される。他方、最大値W2mが第3冷房閾値(例えば、+0.5℃)よりも小である場合(ステップS821で、「N」)、各居室4A、4B及び4Cが比較的冷却されている。このため、空気調和機16の効率的な運転が行われる効率運転ステップS823が実施される。
図19は、本実施形態の積極運転ステップS822の処理手順の一例を示すフローチャートである。積極運転ステップS822では、先ず、各居室4A、4B又は4Cの前記値W2のうち、最も小さい最小値W2sが、予め定められた第1冷房閾値以上か否かが判断される(ステップS831)。このステップS831では、各居室4A、4B又は4Cへの冷空気(混合空気)の供給量を最大にして、冷房する必要があるか否かが判断される。従って、第1冷房閾値は、前ステップで用いられた第3冷房閾値(例えば、+0.5℃)よりも大きい値に設定されるのが望ましい。本実施形態の第1冷房閾値は、+1.5℃に設定されている。
最小値W2sが第1冷房閾値(例えば、+1.5℃)以上の場合(ステップS831で、「Y」)、全ての居室4A、4B又は4Cの温度が大幅に上昇している。このため、各居室4A、4B又は4Cへの冷空気(混合空気)の供給量が最大に設定される(ステップS832)。ステップS832では、各居室4A、4B又は4Cのダンパー20が、最も大きい第5開度に設定される。これにより、各居室4A、4B又は4Cへの冷空気の供給量が最大にされうる。
他方、最小値W2sが第1冷房閾値(例えば、+1.5℃)未満である場合(ステップS831で、「N」)、全ての居室4A、4B又は4Cの温度が、大幅に上昇しているわけではない。従って、各居室4A、4B又は4Cへの冷空気(混合空気)の供給量を個別に調節して、各居室4A、4B又は4Cを効率的に冷房するのが有効である。この場合、次のステップS833及びステップS834が実行された後に、各居室4A、4B又は4Cへの冷空気の供給量を個別に調節する居室供給量調節ステップが実施される。本実施形態の居室供給量調節ステップは、第1居室供給量調節ステップS835と、第2居室供給量調節ステップS836とが含まれている。
図20は、第1居室供給量調節ステップS835の処理手順の一例を示すフローチャートである。図21は、第2居室供給量調節ステップS836の処理手順の一例を示すフローチャートである。第1居室供給量調節ステップS835及び第2居室供給量調節ステップS836では、各居室4A、4B及び4Cの前記値W2に基づいて、各居室4A、4B及び4Cのダンパー20(20a〜20c)の開度が調節される。本実施形態では、前記値W2が大きい居室4A、4B及び4Cほど、ダンパー20の開度が大に設定されている。これにより、温度が高い居室4A、4B及び4Cほど、より多くの冷空気(混合空気)が供給されるため、各居室4A、4B及び4Cが効率良く冷房されうる。
各ダンパー20a〜20cの第1開度〜第5開度毎に、各居室4A、4B又は4Cの前記値W2の閾値の範囲が設定されている。暖房モードS23と同様に、第1居室供給量調節ステップS835は、第2居室供給量調節ステップS836に比べて、閾値の範囲が大に設定されている。このため、第1居室供給量調節ステップS835は、各居室4A、4B又は4Cの前記値W2が広範囲に分布していても、居室4A、4B又は4C毎に、各ダンパー20a〜20cの開度がバランスよく調節されうる。なお、第1居室供給量調節ステップS835及び第2居室供給量調節ステップS836の詳細については、後述する。
図19に示されるように、ステップS833では、各居室4A、4B又は4Cの前記値W2のうち、最も大きい最大値W2mが第4冷房閾値以上か否かが判断される。最大値W2mが大幅に大きいと、各居室4A、4B又は4Cの前記値W2が広範囲に分布している可能性が高い。従って、このような分布の有無を判断するために、第4冷房閾値については、第1冷房閾値(例えば、+1.5℃)よりも大に設定されるのが望ましい。本実施形態の第4冷房閾値は、例えば、+3.0℃に設定されている。
最大値W2mが第4冷房閾値(例えば、+3.0℃)以上である場合(ステップS833で、「Y」)、各居室4A、4B又は4Cの前記値W2が広範囲に分布している可能性が高い。この場合、第1居室供給量調節ステップS835が実施される。他方、最大値W2mが第4冷房閾値(例えば、+3.0℃)未満である場合、本ステップS833のみでは、各居室4A、4B又は4Cの前記値W1が広範囲に分布しているか否かが判断できないため、次のステップS834が実施される。
第1居室供給量調節ステップS835では、図20に示されるように、前記値W2が大きい居室4A、4B又は4Cほど、ダンパー20(20a〜20c(図1に示す))の開度が大に設定されている(ステップS860〜ステップS865)。例えば、前記値W2が−3.0℃未満である居室4A、4B又は4Cのダンパー20は、最も小さい第1開度が設定される(ステップS861)。前記値W2が−3.0℃〜−1.0℃である居室4A、4B又は4Cのダンパー20は、第1開度よりも大きい第2開度に設定される(ステップS862)。前記値W2が−1.0〜+1.0である居室4A、4B又は4Cのダンパー20は、第2開度よりも大きい第3開度に設定される(ステップS863)。
さらに、前記値W2が+1.0〜+3.0である居室4A、4B又は4Cのダンパー20(20a〜20c)は、第3開度よりも大きい第4開度に設定される(ステップS864)。前記値W2が+3.0よりも大きい居室4A、4B又は4Cのダンパー20は、第4開度よりも大きい第5開度に設定される(ステップS865)。
そして、全ての居室4A、4B及び4Cのダンパー20(20a〜20c)の開度が調節されたか否かが判断される(ステップS866)。全ての居室4A、4B及び4Cのダンパー20の開度が調節されたと判断された場合(ステップS866で、「Y」)、第1居室供給量調節ステップS835の一連の処理が終了する。他方、全ての居室4A、4B及び4Cのダンパー20の開度が調節されていないと判断された場合(ステップS866で、「N」)、他の居室4A、4B又は4Cのダンパー20が選択され(ステップS867)、ステップS861〜S866が再度実施される。これにより、前記値W2に基づいて、全ての居室4A、4B及び4Cのダンパー20の開度がそれぞれ調節されるため、各居室4A、4B及び4Cへの冷空気(混合空気)の供給量が、個別に調節されうる。従って、各居室4A、4B又は4Cが効率よく冷房されうる。なお、各ダンパー20(20a〜20c)の開度を区分した各閾値については、上記の値に限定されるわけではない。
次に、ステップS834では、図19に示されるように、最小値W2sが第5冷房閾値以下であるか否かが判断される。最小値W2sが大幅に小さいと、各居室4A、4B又は4Cの前記値W2が広範囲に分布している可能性が高い。従って、このような分布の有無を判断するために、第5冷房閾値については、第2冷房閾値(例えば、−1.5℃)よりも小に設定されるのが望ましい。本実施形態の第5冷房閾値は、例えば、−3.0℃に設定されている。
最小値W2sが第5冷房閾値(例えば、−3.0℃)以下である場合(ステップS834で、「Y」)、各居室4A、4B又は4Cの前記値W2が広範囲に分布している可能性が高い。この場合、図20に示した第1居室供給量調節ステップS835が実施される。他方、最小値W2sが第5冷房閾値(例えば、−3.0℃)よりも大きい場合(ステップS834で、「N」)、最小値W2sが比較的大であり、しかも、ステップS833の判断より、最大値W2mが比較的小さい。従って、各居室4A、4B又は4Cの前記値W2が広範囲に分布している可能性が低い。この場合、第2居室供給量調節ステップS836が実施される。
第2居室供給量調節ステップS836では、図21に示されるように、第1居室供給量調節ステップS835と同様に、前記値W2が大きい居室4A、4B又は4Cほど、ダンパー20(20a〜20c(図1に示す))の開度が大に設定されている(ステップS870〜ステップS875)。例えば、前記値W2が−1.5℃未満である居室4A、4B又は4Cのダンパー20は、最も小さい第1開度が設定される(ステップS871)。前記値W2が−1.5℃〜−0.5℃である居室4A、4B又は4Cのダンパー20は、第1開度よりも大きい第2開度に設定される(ステップS872)。前記値W2が−0.5〜+0.5である居室4A、4B又は4Cのダンパー20は、第2開度よりも大きい第3開度に設定される(ステップS873)。
さらに、前記値W2が+0.5〜+1.5である居室4A、4B又は4Cのダンパー20(20a〜20c)は、第3開度よりも大きい第4開度に設定される(ステップS874)。前記値W2が+1.5よりも大きい居室4A、4B又は4Cのダンパー20は、第4開度よりも大きい第5開度に設定される(ステップS875)。
そして、全ての居室4A、4B及び4Cのダンパー20(20a〜20c)の開度が調節されたか否かが判断される(ステップS876)。全ての居室4A、4B及び4Cのダンパー20の開度が調節されたと判断された場合(ステップS876で、「Y」)、第2居室供給量調節ステップS836の一連の処理が終了する。他方、全ての居室4A、4B及び4Cのダンパー20の開度が調節されていないと判断された場合(ステップS876で、「N」)、他の居室4A、4B又は4Cのダンパー20が選択され(ステップS877)、ステップS870〜S876が再度実施される。これにより、前記値W2に基づいて、全ての居室4A、4B及び4Cのダンパー20の開度がそれぞれ調節されるため、各居室4A、4B及び4Cへの冷空気(混合空気)の供給量が、個別に調節されうる。従って、各居室4A、4B又は4Cが効率よく冷房されうる。なお、各ダンパー20(20a〜20c)の開度を区分した各閾値については、上記の値に限定されるわけではない。
本実施形態の積極運転ステップS822では、図19に示されるように、空気調和機16の設定温度が調節される(空調温度調節ステップS837〜S840)。
ステップS831において、最小値W2sが第1冷房閾値(例えば、+1.5℃)以上であると判断された場合(ステップS831で、「Y」)、全ての居室4A、4B又は4Cの温度が大幅に上昇している。しかも、最小値W2sが第1冷房閾値以上であることから、最大値W2mは、第1冷房閾値よりも大幅に大きい可能性がある。この場合、空気調和機16の設定温度を低くして、冷房することが有効である。従って、空気調和機16の設定温度は、目標温度(例えば、28℃)と、第1減算温度との差に設定される(空調温度調節ステップS837)。第1減算温度については、適宜設定されうる。本実施形態の第1減算温度は、例えば、−5℃に設定されている。
ステップS833において、最大値W2mが第4冷房閾値(例えば、+3.0℃)以上と判断された場合(ステップS833で、「Y」)、少なくとも一つの居室4A、4B及び4Cの温度は、目標温度よりも大幅に大きくなっている。このため、空気調和機16の設定温度は、目標温度(例えば、28℃)と、第1減算温度(例えば、−5℃)との差に設定される(空調温度調節ステップS838)。
ステップS834において、最小値W2sが第5冷房閾値(例えば、−3.0℃)以下であると判断された場合(ステップS834で、「Y」)、少なくとも一つの居室4A、4B及び4Cの温度は、目標温度よりも大幅に低くなっている。このため、空調温度調節ステップS837及びS838ほど、空気調和機16の設定温度を高くする必要はないと判断されうる。従って、空気調和機16の設定温度は、目標温度(例えば、28℃)と、第2減算温度との差に設定される(空調温度調節ステップS839)。第2減算温度については、第1減算温度よりも大きければ、適宜設定されうる。本実施形態の第2減算温度は、例えば、−2℃に設定されている。
ステップS834において、最小値W2sが第5冷房閾値(例えば、−3.0℃)よりも大きいと判断された場合(ステップS834で、「N」)、上述したように、最小値W2sが比較的大であり、かつ、最大値W2mが比較的小さい。このため、各居室4A、4B及び4Cの温度は、他の条件に比べて、目標温度に近似している。従って、空気調和機16の設定温度は、目標温度と、第2減算温度(例えば、−2℃)との差に設定される(空調温度調節ステップS840)。
このように、空調温度調節ステップS837〜S840では、最大値W2mが大きいほど、空気調和機16の設定温度が小さくされ、かつ、最小値W2sが小さいほど、空気調和機16の設定温度が大きくされうる。従って、各居室4A、4B又は4Cが効果的に冷房されうる。
次に、本実施形態の積極運転ステップS822では、空気調和機16の設定風量が調節される(空調風量調節ステップS841〜S844)。
ステップS831において、最小値W2sが第1冷房閾値(例えば、+1.5℃)以上であると判断された場合(ステップS831で、「Y」)、最大値W2mが、第1冷房閾値よりも大幅に大きい可能性があるため、空気調和機16の設定風量を大きくして、冷房することが有効である。従って、空気調和機16の設定風量が、「強」に設定される(空調風量調節ステップS841)。
ステップS833において、最大値W2mが第4冷房閾値(例えば、+3.0℃)以上であると判断された場合(ステップS833で、「Y」)も、同様に、空気調和機16の設定風量が、「強」に設定される(空調風量調節ステップS842)。
ステップS834において、最小値W2sが第5冷房閾値(例えば、−3.0℃)以下であると判断された場合(ステップS834で、「Y」)、空調風量調節ステップS841及びS842ほど、空気調和機16の設定風量を大きくする必要はないと判断されうる。このため、空気調和機16の設定風量が、「弱」に設定される(空調風量調節ステップS843)。
ステップS834において、最小値W2sが第5冷房閾値(例えば、−3.0℃)よりも大きいと判断された場合(ステップS834で、「N」)、空調風量調節ステップS841及びS842ほど、空気調和機16の設定風量を大きくする必要はないが、空調風量調節ステップS843よりも、空気調和機16の設定風量を大きくするのが有効である。このため、空気調和機16の設定風量が、「中」に設定される(空調風量調節ステップS844)。
このように、空調風量調節ステップS841〜S844では、最大値W2mが大きいほど、空気調和機16の設定風量が大きくされ、かつ、最小値W2sが小さいほど、空気調和機16の設定風量が小さくうる。従って、各居室4A、4B又は4Cが効果的に冷房されうる。
次に、本実施形態の積極運転ステップS822では、換気手段10のファン10Bの風量が調節される(ファン風量調節ステップS845〜S848)。
ステップS831において、最小値W2sが第1冷房閾値(例えば、+1.5℃)以上であると判断された場合(ステップS831で、「Y」)、空調風量調節ステップS841と同様の観点より、ファン10Bの風量が、第4風量(例えば、1000m3/h)に設定される(ファン風量調節ステップS845)。また、ステップS833において、最大値W2mが第4冷房閾値(例えば、+3.0℃)以上であると判断された場合(ステップS833で、「Y」)、空調風量調節ステップS842と同様の観点より、ファン10Bの風量が、第4風量(例えば、1000m3/h)に設定される(ファン風量調節ステップS846)。
ステップS834において、最小値W2sが第5冷房閾値(例えば、−3.0℃)以下であると判断された場合(ステップS834で、「Y」)、空調風量調節ステップS843と同様の観点より、ファン10Bの風量が、第2風量(例えば、600m3/h)に設定される(ファン風量調節ステップS847)。また、ステップS834において、最小値W2sが第5冷房閾値(例えば、−3.0℃)よりも大きいと判断された場合(ステップS834で、「N」)、空調風量調節ステップS844と同様の観点より、ファン10Bの風量が、第3風量(例えば、800m3/h)に設定される(ファン風量調節ステップS848)。
このように、ファン風量調節ステップS845〜S848も、最大値W2mが大きいほど、ファン10Bの風量が大きくされ、かつ、最小値W2sが小さいほど、ファン10Bの風量が小さくされうる。従って、各居室4A、4B又は4Cが効果的に冷房されうる。このファン風量調節ステップS845〜S848の処理終了後、積極運転ステップS822及び冷房ステップS335(図18に示す)の一連の処理が終了する。
図22は、本実施形態の効率運転ステップS823の処理手順の一例を示すフローチャートである。上述したように、効率運転ステップS823は、空気調和機16の効率的な運転が行われる。効率運転ステップS823では、先ず、現在の空気調和機16の冷房能力が計算される(ステップS881)。本実施形態の冷房モードS33において、空気調和機16の冷房能力Ecは、下記式(2)で求められる。
Ec=(Ta−Tb)×Af×Hs/1000 …(2)
ここで、各定数及び変数については、次のとおりである。
Ta:空気調和機の吸気部の温度(℃)
Tb:空気調和機の排気部の温度(℃)
Af:空気調和機の風量(m3/h)
Hs:空気比熱(0.35Wh/m3・℃)
図13(b)は、冷房能力とCOP(Coefficient of Performance )との関係を示すグラフである。図13(b)のグラフでは、COP、消費電力(kW)、顕熱負荷(kW)、及び、潜熱負荷(kW)が示されている。一般に、冷房能力Ecが、2kW以上である場合、冷房効率が悪い状態である。このような場合、冷房能力Ecが2kWに近づくように、例えば、設定温度を大きくする、又は、設定風量を小さくして、空気調和機16が運転されるのが望ましい。
次に、図22に示されるように、効率運転ステップS823では、現在の空気調和機16の冷房効率が悪いか否かが判断される(ステップS882)。本実施形態では、現在の冷房能力Ecが2kW以上である場合に、冷房効率が悪いと判断される。このように、冷房効率が悪い場合、空気調和機16の効率的な運転が行われる。
現在の空気調和機16の冷房効率が悪いと判断された場合(ステップS882で、「Y」)、空気調和機16の効率的な運転を行わせるに先立ち、次のステップS883が実施される。他方、現在の空気調和機16の冷房効率が悪くないと判断された場合(ステップS882で、「N」)、既に、空気調和機16の効率的な運転が行われている。このため、現在の空気調和機16の運転状態(設定温度、及び、設定風量)、及びファン10Bの風量が維持されたまま、効率運転ステップS823及び冷房ステップS335(図8に示す)の一連の処理が終了する。
次に、効率運転ステップS823では、空気調和機16の設定温度が、目標温度(例えば、20℃)未満であるか否かが判断される(ステップS883)。空気調和機16の設定温度が、目標温度未満である場合(ステップS883で、「Y」)、設定温度をやや大きくしても、各居室4A、4B又は4Cを目標温度に冷房することができる。このような場合、ダンパー20a〜20cの開度が維持されたまま(ステップS884)、空気調和機16の設定温度が大に設定される(ステップS885)。なお、空気調和機16の設定温度の増加分は、適宜設定される。本実施形態の増加分は、例えば、+1℃に設定される。
さらに、空気調和機16の設定風量が「中」に設定され(ステップS886)、ファン10Bの風量が第3風量(例えば、800m3/h)に設定される(ステップS887)。これにより、効率運転ステップS823では、各居室4A、4B又は4Cが効率良く冷房されうる。
空気調和機16の設定温度が、目標温度以上である場合(ステップS883で、「N」)である場合、設定温度をこれ以上大きくすると、各居室4A、4B又は4Cを目標温度に維持できなくなるおそれがある。このため、ダンパー20a〜20cの開度が維持されるとともに(ステップS888)、空気調和機16の設定温度が維持される(ステップS889)。
さらに、空気調和機16の設定風量が「弱」に設定され(ステップS890)、ファン10Bの風量が第2風量(例えば、600m3/h)に設定される(ステップS891)。これにより、効率運転ステップS823では、空気調和機16の冷房効率の悪化を防ぎつつ、各居室4A、4B又は4Cが効率良く冷房されうる。
次に、効率運転ステップS823では、ステップS884〜ステップS891で設定された空気調和機16の設定温度、設定風量、及び、ファン10Bの風量が維持された状態で、空気調和機16及びファン10Bの運転が残置される(ステップS892)。これにより、空気調和機16の冷房効率の悪化を防ぎつつ、各居室4A、4B又は4Cが効率良く冷房されうる。なお、残置される時間については、適宜設定されうる。本実施形態では、効率運転ステップS823で設定された空気調和機16の設定温度、設定風量、及び、ファン10Bの風量により、各居室4A、4B又は4Cが効率良く冷房させることを考慮して、例えば、5分程度に設定されるのが望ましい。このステップS892の処理終了後、効率運転ステップS623及び冷房ステップS335(図18に示す)の一連の処理が終了する。
次に、図17に示されるように、冷房モードS33では、冷房モードS33が開始されてから予め定められた終了時間が経過したか否かが判断される(ステップS336)。終了時間については、適宜設定されうる。本実施形態では、冷房モードS33で設定された空気調和機16の設定温度、設定風量、及び、ファン10Bの風量により、各居室4A、4B又は4Cが効果的に冷房させることを考慮して、例えば、例えば、30分程度に設定されるのが望ましい。
終了時間が経過したと判断された場合(ステップS336で、「Y」)、冷房モードS33の一連の処理が終了する。他方、終了時間が経過していないと判断された場合(ステップS336で、「N」)、ステップS330〜ステップS336が再度実施される。これにより、冷房モードS33では、時々刻々と変化する各居室4A、4B又は4Cの温度に基づいて、ダンパー20の開度、空気調和機16の設定温度、設定風量、及び、ファン10Bの風量が調節されるため、各居室4A、4B又は4Cが効果的に冷房されうる。なお、本実施形態の差V2は、各居室4A、4B及び4Cの温度から目標温度を差し引いた値W2として求められる態様が例示されたが、これに限定されない。例えば、目標温度から各居室4A、4B及び4Cの温度を差し引いた値として求められてもよい。
パッシブ冷房モードS34では、床下空気17が各居室4A、4B及び4Cに供給されることにより、居室4A、4B及び4Cが換気されながら空調される。図23は、パッシブ冷房モードS34の処理手順の一例を示すフローチャートである。パッシブ冷房モードS34の一連の処理は、制御手段26によって行われる。
パッシブ冷房モードS34では、先ず、図1及び図3に示されるように、各居室4A、4B及び4Cの温度が検知される(ステップS341)。次に、パッシブ冷房モードS34では、外気の温度が検知される(ステップS342)。次に、パッシブ冷房モードS34では、床下空気17の温度が検知される(ステップS343)。各居室4A、4B及び4Cの温度、外気の温度、並びに、床下空気17の温度は、制御手段26に伝達される。
次に、パッシブ冷房モードS34では、各居室4A、4B及び4Cの温度が、空気調和機16による冷房運転が必要とされる温度よりも低いか否かが判断される(ステップS344)。なお、「空気調和機16による冷房運転が必要とされる温度」については、例えば、建築物Bの構造や、床下空気17による冷房能力(温度)等に応じて、適宜設定されうる。本実施形態では、例えば、31℃程度に設定されている。
各居室4A、4B及び4Cの温度が、空気調和機16による冷房運転が必要とされる温度(例えば、31℃)よりも低い場合(ステップS344で、「Y」)、床下空気17を利用して冷房(空調)可能と判断されうる。このような場合、次のステップS345が実施される。他方、各居室4A、4B及び4Cの温度が、空気調和機16による冷房運転が必要とされる温度(例えば、31℃)以上である場合(ステップS344で、「N」)、床下空気17を利用しても、各居室4A、4B及び4Cを効果的に冷房できないと判断されうる。このような場合、パッシブ冷房モードS34が中断され、前記冷房モードS33(図16及び図17に示す)が実施される。
次に、パッシブ冷房モードS34では、外気の温度が、予め定められた温度未満であるか否かが判断される(ステップS345)。外気の「予め定められた温度」については、例えば、建築物Bの構造や、床下空気17による冷房能力(温度)等に応じて、適宜設定されうる。本実施形態では、例えば、30℃に設定されている。
外気の温度が、予め定められた温度(例えば、30℃)未満である場合(ステップS345で、「Y」)、外気による居室4A、4B及び4Cの温度上昇の影響が小さいため、床下空気17を利用して、各居室4A、4B及び4Cを冷房(空調)できると判断されうる。このような場合、次のステップS346が実施される。他方、外気の温度が、予め定められた温度(例えば、30℃)以上である場合(ステップS345で、「N」)、床下空気17を利用しても、各居室4A、4B及び4Cを効果的に冷房できないと判断されうる。このような場合、パッシブ冷房モードS34が中断され、前記冷房モードS33(図16及び図17に示す)が実施される。
次に、パッシブ冷房モードS34では、床下空気17の温度が、予め定められた温度未満であるか否かが判断される(ステップS346)。床下空気17の「予め定められた温度」については、例えば、建築物Bの構造等に応じて、適宜設定されうる。本実施形態では、例えば、22℃に設定されている。
床下空気17の温度が、予め定められた温度(例えば、22℃)未満である場合(ステップS346で、「Y」)、比較的温度が低い床下空気17を利用して、各居室4A、4B及び4Cを冷房(空調)できると判断されうる。このような場合、次の第2供給ステップS347が実施される。他方、床下空気17の温度が、予め定められた温度(例えば、22℃)以上である場合(ステップS346で、「N」)、床下空気17を利用しても、各居室4A、4B及び4Cを効果的に冷房できないと判断されうる。このような場合、パッシブ冷房モードS34が中断され、前記冷房モードS33(図16及び図17に示す)が実施される。
次に、パッシブ冷房モードS34では、床下空気17が、各居室4A、4B及び4Cに供給される(第2供給ステップS347)。第2供給ステップS347は、ステップS344〜ステップS346の判断により、各居室4A、4B及び4Cの温度が、空気調和機16による冷房運転が必要とされる温度よりも低く、かつ、外気の温度が、予め定められた温度未満であり、しかも、床下空気17の温度が、予め定められた温度未満であると判断された場合にのみ実施される。従って、第2供給ステップS347では、各居室4A、4B及び4Cの温度、外気の温度、及び、床下空気17の温度が比較的低いため、空気調和機16を使用しなくても、床下空気17を利用して、各居室4A、4B及び4Cが効果的に冷房(空調)されうる。従って、空調コストの増大を防ぐことができる。図24は、第2供給ステップS347の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図1及び図24に示されるように、本実施形態の第2供給ステップS347では、先ず、換気手段10のファン10Bの風量(床下空気17の総供給量)が設定される(ステップS911)。本実施形態のファン10Bの風量は、例えば、冬季と比べて自然換気量が少ないため、第4風量(例えば、1000m3/h)が設定されている。なお、ステップS911では、図1及び図2に示されるように、チャンバーボックス9の開閉部9Cによって、第1空間9Aと第2空間9Bとが遮断される。これにより、チャンバーボックス9の第1空間9Aの空気は、排気口14からダクト10A、空気浄化装置10Cを経由して清浄化された後、ダンパー20(20a〜20c)を介して、各居室4A、4B及び4C等の床上空間4に供給される。
次に、第2供給ステップS347では、各居室4A、4B及び4Cの温度と予め定められた目標温度との差Vbが求められる(ステップS912)。目標温度は、適宜設定されうる。本実施形態の目標温度は、屋内熱中症を未然に防ぐ観点より、例えば、28℃に設定されるのが望ましい。また、目標温度は、居室4A、4B及び4C毎に設定されてもよい。目標温度は、記憶部34に予め記憶されている。
差Vbは、居室4A、4B及び4C毎に求められる。本実施形態の差Vbは、パッシブ暖房モードS24と同様に、各居室4A、4B及び4Cの温度から目標温度を差し引いた値として求められる。この値(差Vb)が小さいほど、各居室4A、4B及び4Cの温度が小さいことを示している。
次に、第2供給ステップS347では、各居室4A、4B及び4Cの前記差Vbに基づいて、各居室4A、4B及び4Cのダンパー20(20a〜20c)の開度が調節される(ステップS913〜ステップS919)。本実施形態では、前記差Vbが大きいほど、ダンパー20の開度(床下空気17の供給量)が大に設定されている。これにより、温度が高い居室4A、4B及び4Cほど、より多くの冷たい床下空気17が供給されるため、各居室4A、4B及び4Cが効率良く冷房されうる。
例えば、前記差Vbが−1.5℃未満である居室4A、4B又は4Cのダンパーは、最も小さい第1開度に設定される(ステップS914)。前記差Vbが−1.5℃〜−0.5℃である居室4A、4B又は4Cのダンパー20は、第1開度よりも大きい第2開度に設定される(ステップS915)。前記差Vbが−0.5℃〜+0.5℃である居室4A、4B又は4Cのダンパー20は、第2開度よりも大きい第3開度に設定される(ステップS916)。
さらに、前記差Vbが+0.5℃〜+1.5℃である居室4A、4B又は4Cのダンパー20(20a〜20c)は、第3開度よりも大きい第4開度に設定される(ステップS917)。前記差Vbが+1.5℃よりも大きい居室4A、4B又は4Cのダンパー20は、第4開度よりも大きい第5開度に設定される(ステップS918)。
そして、全ての居室4A、4B及び4Cのダンパー20(20a〜20c)の開度が調節されたか否かが判断される(ステップS919)。全ての居室4A、4B及び4Cのダンパー20の開度が調節されたと判断された場合、次のステップS348(図23に示す)が実施される。他方、全ての居室4A、4B及び4Cのダンパー20の開度が調節されていないと判断された場合、他の居室4A、4B及び4Cのダンパー20が選択され(ステップS920)、ステップS913〜ステップS919が再度実施される。これにより、前記差Vbに基づいて、全ての居室4A、4B及び4Cのダンパー20の開度が調節されうる。従って、各居室4A、4B及び4Cへの床下空気17の供給量が、個別に調節されうる。
なお、前記差Vbの閾値(本実施形態では、「+1.5℃」、「+0.5℃」、「−0.5℃」、「−1.5℃」)については、例えば、換気手段10のファン10Bの風量に応じて、適宜変更することができる。また、本実施形態の前記差Vaは、例えば、目標温度から各居室4A、4B及び4Cの温度を差し引いた値として求められてもよい。
次に、パッシブ冷房モードS34では、第2供給ステップS347の開始から予め定められた時間が経過するまで、各居室4A、4B及び4Cへの床下空気17の供給が残置される(ステップS348)。このような残置により、第2供給ステップS347で設定された各居室4A、4B及び4Cのダンパー20(20a〜20c)の開度に基づいて、床下空気17が一定時間供給されるため、各居室4A、4B及び4Cが効果的に冷房されうる。残置される時間については、適宜設定されうる。本実施形態では、例えば、20分〜30分程度に設定されている。
次に、パッシブ冷房モードS34では、各居室4A、4B及び4Cの温度が、予め定められた温度未満であるか否かが判断される(ステップS349)。各居室4A、4B及び4Cの「予め定められた温度」については、適宜設定されうる。本実施形態の温度は、第2供給ステップS347で設定された目標温度(28℃)に基づいて、例えば28℃に設定されている。
各居室4A、4B及び4Cの温度(28℃)が前記温度未満である場合(ステップS349で、「Y」)、床下空気17を利用して、効果的に冷房されていると判断されうる。このような場合、次のステップS350が実施される。他方、各居室4A、4B及び4Cの温度が前記温度以上(即ち、少なくとも一つの居室4A、4B及び4Cの温度が前記温度以上)である場合(ステップS349で、「N」)、床下空気17を利用しても、各居室4A、4B及び4Cを効果的に冷房できないと判断されうる。この場合、パッシブ冷房モードS34が中断され、前記冷房モードS33(図16及び図17に示す)が実施される。このように、本実施形態では、各居室4A、4B及び4Cに床下空気17が一定時間供給されても、各居室4A、4B及び4Cが十分に冷房されないと判断された場合に、パッシブ冷房モードS34が中断され、冷房モードS33が迅速に実施される。従って、各居室4A、4B及び4Cが確実に冷房されうる。
次に、パッシブ冷房モードS34では、ステップS341〜ステップS349を経た現在において、第2期間(夏季パッシブ期間)か否かが判断される(ステップS350)。現在が第2期間であると判断された場合(ステップS350で、「Y」)、ステップS345〜S350が再度実施される。これにより、第2期間(夏季パッシブ期間)では、空気調和機16を使用しなくても、自然エネルギーのみを利用して、各居室4A、4B及び4Cが効果的に冷房(空調)されうるため、空調コストの増大が防がれうる。他方、現在が第2期間(夏季パッシブ期間)外であると判断された場合(ステップS350で、「N」)、パッシブ冷房モードS34の一連の処理が終了する。
上述した換気モードS32、冷房モードS33、及び、パッシブ冷房モードS34の一連の処理が終了することにより、次のステップS4(図4に示す)が実施される。これにより、夏季空調ステップS3では、現在が属する期間に応じて、各居室4A、4B及び4Cが、効率よく冷房(空調)されうる。
次に、本実施形態の空調方法では、図4に示されるように、冬季空調ステップS2又は夏季空調ステップS3が実施された後に、空調方法の終了命令の有無が判断される(ステップS4)。終了命令は、例えば、制御手段26を介して、居住者等によって行われる。ステップS4では、終了命令が有る場合、本実施形態の一連の処理が終了する。他方、終了命令が無い場合は、ステップS1〜ステップS4が再度実施される。
このように、本実施形態の空調方法では、暖房モードS24及び冷房モードS33が含まれるため、空気調和機16を利用して、各居室4A、4B及び4Cが、一年を通して快適に空調されうる。さらに、暖房モードS24及び冷房モードS33では、各居室4A、4B及び4Cの温度と目標温度との温度差に基づいて、暖空気又は冷空気の供給量が個別に調節されうるため、各居室4A、4B及び4Cが効率よく冷暖房されうる。また、本実施形態の空調方法では、パッシブ暖房モードS24と、パッシブ冷房モードS34とが含まれるため、床下空気を利用して、各居室4A、4B及び4Cが効率よく冷暖房されうる。
また、上述したように、パッシブ暖房モードS24での床下空気17の総供給量(本実施形態では、第2風量)は、パッシブ冷房モードS34での床下空気17の総供給量(本実施形態では、第4風量)よりも小さい。これは、夏季の自然換気量に比べて大きくなる冬季の自然換気量を考慮したものである。これにより、冬季において、各居室4A、4B及び4Cが、過乾燥になるのを抑制しうる。
なお、本実施形態では、床下空間3に1台の空気調和機16のみが設けられる態様が例示されたが、これに限定されるわけではない。例えば、床下空間3に、2台以上の空気調和機16が設けられてもよい。また、床下空間3に設けられた空気調和機16とともに、各居室4A、4B及び4Cに、空気調和機(図示省略)が別途設けられてもよい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。