JP2016089420A - 木造用制震フレーム及びその取付構造 - Google Patents
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Description
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、ブラケット金具の本固定部と仮固定部とはそれぞれ別々に形成されることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1の構成において、ブラケット金具に、一部を本固定部として、残りを仮固定部として使用可能な兼用固定部を形成したことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかの構成において、本固定部には、複数の本固定用ビス孔が形成され、仮固定部には、複数の仮固定用ビス孔が形成されて、本固定用ビス孔の数は、仮固定用ビス孔の数よりも多いことを特徴とするものである。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、木造用制震フレームの取付構造であって、木造建築物の軸組内に、請求項1乃至4の何れかに記載の木造用制震フレームを嵌合させ、ブラケット金具の本固定部をフレームを介して軸組に固定することを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、ブラケット金具の本固定部と仮固定部とがそれぞれ独立して形成されることで、本固定部と仮固定部とを容易に区別でき、仮固定と本固定とに係る作業がやりやすくなる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、ブラケット金具に本固定部と仮固定部との兼用固定部を形成したことで、ブラケット金具がコンパクトとなり、厚みの薄いフレームであっても省スペースで用いることができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れかの効果に加えて、本固定用ビス孔の数を仮固定用ビス孔の数よりも多くしているので、作業者には本固定部と仮固定部との区別がよりしやすくなる上、本固定に必要な取付強度も確保できる。
[形態1]
図1は、木造用制震フレーム(以下単に「制震フレーム」という。)の一例を示す正面図である。この制震フレーム1は、木造建築物の軸組内に嵌合する縦長四角形状のフレーム2と、そのフレーム2内に対角線上に架設される制震ブレース3とからなる。フレーム2は、左右一対の縦枠4,4と、その縦枠4,4の上下端に両端が接合される上下一対の横枠5,5とで形成され、両縦枠4,4の内側には、縦枠4と平行な補強枠6,6が接合されている。
制震ブレース3は、制震ダンパーとしての粘弾性ダンパー7の長手方向両端に、取付部材としての延長木材8,8を接合してなる。この粘弾性ダンパー7は、筒状の外管9と内管10とを同軸で部分的に重合させて両管9,10の間に図示しない粘弾性体を接着したもので、外管9の端部に延設した接合部11が一方の延長木材8に接合され、内管10の端部と他方の延長木材8とが接合金具12によって接合されている。
よって、地震等によって軸組30が加振されると、水平方向の変位が制震ブレース3に伝わって軸方向に圧縮力と引張力とを交互に作用させるため、粘弾性ダンパー7の粘弾性体が剪断変形を生じさせて振動エネルギーを熱エネルギーに変換し、減衰作用を生じさせる。
また、本固定部S1の本固定用ビス孔18の数を、仮固定部S2の仮固定用ビス孔19の数よりも多くしているので、作業者には本固定部S1と仮固定部S2との区別がよりしやすくなる上、本固定に必要な取付強度も確保できる。
また、ダンパー固定部や第1、第2取付部の形状も、例えばダンパー固定部を矩形状以外に延長木材の接合方向へ突出する台形状としたり、正方形状や扇状としたり、第1、第2取付部をダンパー固定部よりも長く形成したり等、適宜変更可能である。
さらに、上記形態では、仮固定、本固定共にビスによる固定としているが、例えば仮固定を釘打ちとして本固定をビスとする等、仮固定と本固定とで固定手段を変えることもできる。
[形態2]
図5に示す制震フレーム1Aにおいても、制震ブレース3がブラケット金具40,40を介してフレーム2の仕口部に取り付けられる。このブラケット金具40は、図6に示すように、形態1と同様にダンパー固定部41、第1取付部42、第2取付部43とからなるものであるが、第1、第2取付部42,43は、フレーム2の厚みの略半分の高さで形態1よりも低く形成されている。また、ここでの第1、第2取付部42,43においては、本固定部S1と仮固定部S2との領域分けがなされておらず、複数のビス孔44,44・・がランダムに形成されて、このビス孔44,44・・の一部を本固定用に、残りを仮固定用に任意に使い分け可能となっている。すなわち、第1、第2取付部42,43は、同一領域内で本固定部S1と仮固定部S2とに兼用される兼用固定部となる。
よって、地震等によって軸組30が加振されると、水平方向の変位が制震ブレース3に伝わって軸方向に圧縮力と引張力とを交互に作用させるため、粘弾性ダンパー7の粘弾性体が剪断変形を生じさせて振動エネルギーを熱エネルギーに変換し、減衰作用を生じさせる。
特に第1、第2取付部のビス孔においては、仮固定用のビス孔と本固定用のビス孔とを予め決定して使い分けるようにしてもよい。この場合、仮固定用と本固定用とが容易に区別できるように、ビス孔の近傍に印を付けたり、ビス孔の周囲に着色したり等する識別手段を設けるのが望ましい。また、仮固定用と本固定用とでビスの太さを変えてビス孔の大きさを変えることで識別するようにもできる。
さらに、ダンパー固定部や第1、第2取付部の形状も、例えばダンパー固定部を矩形状以外に延長木材の接合方向へ突出する台形状としたり、正方形状や扇状としたり、第1、第2取付部をダンパー固定部よりも長く形成したり等、適宜変更可能である。
そして、仮固定、本固定共にビスによる固定としているが、例えば仮固定を釘打ちとして本固定をビスとする等、仮固定と本固定とで固定手段を変えることもできる。
図9に示すブラケット金具50は、長辺部52と短辺部53とからなる側面視L字状の板体51と、その板体51の長辺部52の幅方向中央に、延長木材8が嵌入可能な間隔をおいて固定される一対の矩形状のダンパー固定部54,54とからなる。ダンパー固定部54には、複数のビス孔55,55・・がそれぞれ形成される一方、両ダンパー固定部54,54の外側で長辺部52と短辺部53とにも、複数のビス孔がそれぞれ形成される。但し、ここでは一方のダンパー固定部54の外側に位置する長辺部52と短辺部53との端縁部分が本固定部S1となってここに本固定用ビス孔56,56・・が形成され、他方のダンパー固定部54の外側に位置する長辺部52と短辺部53との端縁部分が仮固定部S2となってここに仮固定用ビス孔57,57・・が形成されている。
また、ダンパー固定部や板体の形状も、例えばダンパー固定部を矩形状以外に延長木材の接合方向へ突出する台形状としたり、正方形状や扇状としたり、板体の両端を同じ長さとしたり、仮固定部の幅を本固定部の幅よりも狭くしたり等、適宜変更可能である。
さらに、仮固定、本固定共にビスによる固定としているが、例えば仮固定を釘打ちとして本固定をビスとする等、仮固定と本固定とで固定手段を変えることもできる。
そして、ここでは本固定部S1と仮固定部S2とを形態1のように領域分けしているが、形態2のようにダンパー固定部54,54の両側にそれぞれ設けたビス孔を本固定用と仮固定用との何れかに選択して使用するようにしてもよい。
図11に示すブラケット金具60は、長辺部62と短辺部63とからなる側面視L字状の板体61と、その板体61の長辺部62の幅方向中央に固定される矩形状のダンパー固定部64とからなる。ダンパー固定部64には、複数のビス孔65,65・・がそれぞれ設けられる一方、ダンパー固定部64の左右両側で長辺部62と短辺部63とにも、複数のビス孔がそれぞれ設けられる。但し、ここではダンパー固定部64の左右一方側に位置する長辺部62と短辺部63とが本固定部S1となって本固定用ビス孔66,66・・が形成され、ダンパー固定部64の他方側に位置する長辺部62と短辺部63とが仮固定部S2となって仮固定用ビス孔67,67・・が形成されている。
また、ダンパー固定部や板体の形状も、例えばダンパー固定部を矩形状以外に延長木材の接合方向へ突出する台形状としたり、正方形状や扇状としたり、板体の両端を同じ長さとしたり、仮固定部の幅を本固定部の幅よりも狭くしたり等、適宜変更可能である。
さらに、仮固定、本固定共にビスによる固定としているが、例えば仮固定を釘打ちとして本固定をビスとする等、仮固定と本固定とで固定手段を変えることもできる。
このような補強プレート70を設ければ、ブラケット金具13と軸組30とがより強固に固定される。なお、補強プレートの形状はこの変更例に限らず、柱側と横架材側とに分けて複数設けたり、ブラケット金具の形状によっては軸組の前後でブラケット金具を挟むように設けたりすることもできる。
また、制震ブレースに限らず、積層型の粘弾性ダンパーを取付部材を介して上下の梁と土台との間に架設する場合も、取付部材と梁及び土台とを接合するブラケット金具に本固定部と仮固定部とを設けて本発明を採用することができる。このような壁型の制震ダンパーでも取付部材を省略して制震ダンパーの端部を直接ブラケット金具に取り付けることは可能である。
Claims (5)
- 木造建築物の軸組内に嵌合固定される木製のフレームと、
前記フレーム内に配置される制震ダンパーと、
前記制震ダンパーが直接或いは取付部材を介して間接的に固定されるダンパー固定部と、前記軸組への本固定部と、前記フレームへの仮固定部とを備えたブラケット金具と、を含み、
前記ブラケット金具は、前記ダンパー固定部に前記制震ダンパー或いは前記取付部材を固定した状態で、前記仮固定部を介して前記フレームに仮固定されることを特徴とする木造用制震フレーム。 - 前記ブラケット金具の前記本固定部と前記仮固定部とはそれぞれ別々に形成されることを特徴とする請求項1に記載の木造用制震フレーム。
- 前記ブラケット金具に、一部を前記本固定部として、残りを前記仮固定部として使用可能な兼用固定部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の木造用制震フレーム。
- 前記本固定部には、複数の本固定用ビス孔が形成され、前記仮固定部には、複数の仮固定用ビス孔が形成されて、前記本固定用ビス孔の数は、前記仮固定用ビス孔の数よりも多いことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の木造用制震フレーム。
- 木造建築物の軸組内に、請求項1乃至4の何れかに記載の木造用制震フレームを嵌合させ、前記ブラケット金具の前記本固定部を前記フレームを介して前記軸組に固定することを特徴とする木造用制震フレームの取付構造。
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