JP2019108776A - 木造建築物の補強構造及び補強方法 - Google Patents

木造建築物の補強構造及び補強方法 Download PDF

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Abstract

【課題】天井や床を剥がすことなく工数を削減すると共に、柱の曲げ変形を抑制して必要な制震性や耐震性も確保する。【解決手段】補強構造は、フレーム1内で梁2の下面と一対の柱4,4の内側面とにそれぞれ連結される上補強材6,6と、上補強材6,6の下端に当接した状態で一対の柱4,4間に架設される上側支持材12と、土台3よりも上方で一対の柱4,4間に配設される下側支持材13と、上側支持材12と下側支持材13とにそれぞれ当接した状態で上側支持材12と前記下側支持材13との間に配設される制震ダンパー20と、を含んでなる。【選択図】図9

Description

本発明は、既存の木造建築物に対して耐震補強や制震補強を施すための補強構造及び補強方法に関する。
近年、相次ぐ震災の発生等に伴って防災意識が高まり、木造建築物においても耐震性や制震性を高めた構造とするケースが増加しつつある。特許文献1には、コンクリートの土台の上面に固定される下梁と、下梁より上方に伸びる一対の柱と、柱の上端に架設される上梁と、上梁の下面に固定される上側伝達部材と、下梁の上面に固定される高さ調整用の板材と、板材の上端に固定される下側伝達部材と、上側伝達部材と下側伝達部材との間に連結される油圧ダンパとからなり、壁内に組み込まれる制振装置の発明が開示されている。
しかし、既存の木造建築物に対して耐震性や制震性を付与する補強工事を行う場合、壁面や天井、床を構成する壁材や天井材、床材を剥がして柱や梁、土台等のフレームを露出させる必要があり、補強工事の完了後には改めて壁面や天井、床を張り直すことになるため、工費がかさむ上、工期も長くなる問題があった。
この問題に鑑み、特許文献2には、左右の柱の間に、間柱と、天井板よりも下方で柱と間柱との間に架設される上支持材と、床板よりも上方で柱と間柱との間に架設される下支持材と、柱に沿って固定される柱補強材と、上支持材と間柱と柱補強材と下支持材とで囲まれる空間内に取り付けられる平板等を含む制震部材とからなる制震装置を構成することで、天井や床を剥がすことなく建物のフレーム内に制震装置を取り付け可能とした補強構造の発明が開示されている。
また、特許文献3には、左右の柱の間に、天井高さよりも下方で上部ブラケットを、床面よりも上方で下部ブラケットをそれぞれ柱に沿った固定板を介して架設して、上部ブラケットと下部ブラケットとの間に、上部伝達部材及び下部伝達部材を介して油圧ダンパを支持してなる制震装置を組み込んだ補強構造の発明が開示されている。
特許第5153440号公報 特開2014−237946号公報 特許第4041743号公報
特許文献2,3の補強構造では、一対の柱の側面に柱補強材や固定板を設けてその内側に上支持材や上部ブラケットを架設し、上支持材や上部ブラケットに制震部材や上部伝達部材を固定する構造となっているため、柱に柱補強材や固定板を取り付ける手間や時間が必要となって工数の増加に繋がる。また、上支持材や上部ブラケットが柱補強材等を介して柱にのみ固定されるため、梁に変位が入力された際の柱の曲げ変形を抑制できず、柱が曲げ破壊を起こしたり、ダンパー等の制震部材へ効率よく変位を入力できなかったりするおそれがある。
そこで、本発明は、天井や床を剥がすことなく工数を削減して施工可能とすると共に、柱の曲げ変形を抑制して必要な制震性や耐震性も確保することができる木造建築物の補強構造及び補強方法を提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、一対の柱と、当該柱の上側で水平に配設される上横架材と、柱の下側で水平に配設される下横架材と、上横架材よりも下方に位置する天井材と、下横架材よりも上方に位置する床材とを含む木造建築物において、柱と上横架材と下横架材とで構成されるフレームを補強する構造であって、
フレーム内で上横架材の下面と一対の柱の内側面とにそれぞれ連結される少なくとも1つの上補強材と、上補強材の下端に当接した状態で一対の柱間に架設される上側支持材と、下横架材よりも上方で一対の柱間に配設される下側支持材と、上側支持材と下側支持材とにそれぞれ当接した状態で上側支持材と下側支持材との間に配設される主補強体と、を含んでなることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、下側支持材は、下横架材とは当接状態で一対の柱間に架設されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1の構成において、下側支持材は、下横架材とは非当接状態で一対の柱間に架設されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかの構成において、下側支持材は、上面が床材による床面以上となる高さに配設されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかの構成において、下横架材の上面と下側支持材の下面とにそれぞれ当接した状態で下横架材と下側支持材とにそれぞれ連結される下補強材を備えることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかの構成において、上補強材は、本体部と、本体部の長手方向両端から同一面側へ斜めに折曲される取付部とからなり、上横架材の下面と柱の内側面とに取付部がそれぞれ連結されて上横架材と柱との間へ斜めに配設されることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6の構成において、上補強材は、フレームの正面視で左右対称に一対設けられることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかの構成において、上補強材は、上横架材の下面と柱の内側面とに両端がそれぞれピンを用いて連結され、長手方向の寸法を調整可能な伸縮部材であることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかの構成において、上補強材は、上横架材と一対の柱とで囲まれる空間内に嵌合する形状を有することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9の何れかの構成において、主補強体は、上側支持材と下側支持材との間でブレース状に架設される制震ダンパーであることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項11に記載の発明は、一対の柱と、当該柱の上側で水平に配設される上横架材と、柱の下側で水平に配設される下横架材と、上横架材よりも下方に位置する天井材と、下横架材よりも上方に位置する床材とを含む木造建築物において、柱と上横架材と下横架材とで構成されるフレームを補強する方法であって、
天井材による天井面と床材による床面との間で壁材を除去する工程と、フレーム内で上横架材の下面と一対の柱の内側面とに、少なくとも1つの上補強材をそれぞれ連結する工程と、上補強材の下端に当接した状態で一対の柱間に上側支持材を架設する工程と、下横架材よりも上方で一対の柱間に下側支持材を配設する工程と、上側支持材と下側支持材とにそれぞれ当接した状態で上側支持材と下側支持材との間に主補強体を配設する工程と、天井面と床面との間を壁材で塞ぐ工程と、を実行することを特徴とする。
請求項1及び11に記載の発明によれば、フレーム内で上横架材の下面と一対の柱の内側面とに上補強材をそれぞれ連結し、上側支持材と下側支持材とにそれぞれ当接した状態で上側支持材と下側支持材との間に主補強体を配設するので、天井や床を剥がすことなく工数を削減して施工可能となると共に、柱の曲げ変形を抑制して必要な制震性や耐震性も確保することができる。よって、既存の木造建築物に対して簡易に制震補強や耐震補強を施すことが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、上記効果に加えて、下側支持材を下横架材とは当接状態で一対の柱間に架設したことで、下側支持材の補強に繋がる。
請求項3に記載の発明によれば、上記効果に加えて、下側支持材を下横架材とは非当接状態で一対の柱間に架設したことで、フレーム内への下側支持材の固定が下横架材の上方で容易に行える。
請求項4に記載の発明によれば、上記効果に加えて、下側支持材を、上面が床材による床面以上となる高さに配設したことで、下側支持材の固定と共に主補強体の固定も容易に行える。
請求項5に記載の発明によれば、上記効果に加えて、下横架材の上面と下側支持材の下面とにそれぞれ当接した状態で下横架材と下側支持材とにそれぞれ連結される下補強材を備えることで、フレームの曲げ変形をより効果的に防止可能となる。
請求項6に記載の発明によれば、上記効果に加えて、上補強材を、直線状の本体部と、本体部の長手方向両端から同一面側へ斜めに折曲される取付部とから形成して、上横架材の下面と柱の内側面とに取付部をそれぞれ連結して上横架材と柱との間へ斜めに配設したことで、天井材の間で開口するフレーム内の狭い隙間でも上補強材を取り付け可能となる。
請求項7に記載の発明によれば、上記効果に加えて、上補強材を、フレームの正面視で左右対称に一対設けているので、柱の間に間柱があっても容易に施工可能となる。
請求項8に記載の発明によれば、上記効果に加えて、上補強材を、上横架材の下面と柱の内側面とに両端がそれぞれピンを用いて連結され、長手方向の寸法を調整可能な伸縮部材としたことで、フレームの大きさ等の現場の状況に合わせた上補強材の取り付けが可能となる。
請求項9に記載の発明によれば、上記効果に加えて、上補強材を、上横架材と一対の柱とで囲まれる空間内に嵌合する形状を有するものとしたことで、フレームの剛性を一層高めることができる。
請求項10に記載の発明によれば、上記効果に加えて、主補強体を、上側支持材と下側支持材との間でブレース状に架設される制震ダンパーとしたことで、フレームに制震性能を簡単に付与することができる。
制震補強を行うフレームの説明図で、(A)が正面、(B)が右側面(右側の柱は省略)をそれぞれ示す。 壁材を部分的に除去したフレームの説明図で、(A)が正面、(B)が右側面(右側の柱は省略)をそれぞれ示す。 上補強材を取り付けたフレームの説明図で、フレームの説明図で、(A)が正面、(B)が右側面(右側の柱は省略)をそれぞれ示す。 (A)は上補強材を取り付けた左側の仕口部の拡大図、(B)は上補強材の平面図、(C)は正面図である。 上側支持材及び下側支持材を取り付けたフレームの説明図で、(A)が正面、(B)が右側面(右側の柱は省略)をそれぞれ示す。 上側支持材及び下側支持材の取付構造を示す説明図で、(A)は平面、(B)は正面をそれぞれ示す。 制震ダンパーを設置したフレームの説明図で、(A)が正面、(B)が右側面(右側の柱は省略)をそれぞれ示す。 制震ダンパーを固定したフレームの説明図で、(A)が正面、(B)が右側面(右側の柱は省略)をそれぞれ示す。 壁材の除去部分を再度壁材で塞いだフレームの説明図で、(A)が正面、(B)が右側面(右側の柱は省略)をそれぞれ示す。 (A)は変更例の上補強材を取り付けた左側の仕口部の拡大図、(B)は上補強材の平面図、(C)は正面図である。 (A)は変更例の上補強材を取り付けた左側の仕口部の拡大図、(B)は上補強材の正面図、(C)は補強金具の平面図、(D)は正面図である。 (A)変更例の上補強材の正面図、(B)は側面図、(C)は底面図である。 変更例の上側支持材及び下側支持材の取付構造を示す説明図で、(A)は取付前の平面、(B)は取付後の平面をそれぞれ示す。 下側支持材の変更例を示すフレームの部分正面図で、(A)は土台に当接させた変更例、(B)は下補強材を用いた変更例をそれぞれ示す。 (A)は制震ダンパーに代えて構造用合板を用いたフレームの正面図、(B)はブレースを用いたフレームの正面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、壁を構成するフレーム1の説明図で、(A)は正面図、(B)は右側面図で、右側の柱は省略している。フレーム1は、上横架材としての梁2と、下横架材としての土台3と、梁2と土台3との間に鉛直方向に架設される一対の柱4,4とを備えてなる。5は、フレーム1の前後を覆う壁材で、点線L1は、図示しない天井材によって形成される天井面を、点線L2は、図示しない床材によって形成される床面をそれぞれ示している。
ここではフレーム1に対して制震補強を施す手順を説明する。
まず図2に示すように、フレーム1の正面側の壁材5において、天井面L1と床面L2との間と、左右の柱4,4の間との部分5aを除去して、フレーム1内を正面側に露出させる。
次に、図3に示すように、天井面L1のやや下側で梁2と柱4,4との間に上補強材6を取り付ける。この上補強材6は、図4に示すように、帯状の金属板の左右の長手辺をそれぞれ直角に折り返して、長手辺全長に亘って折り返し部7,7を形成すると共に、長手方向の両端を折り返し部7側へ斜めに折り曲げて、直線状の本体部8と、その両端の取付部9,9とを形成した斜め材で、各取付部9の折り曲げ部分に補強リブ10をそれぞれ固定してなる。但し、本体部は図4に示すような断面コ字状に限らず、断面を湾曲形状にするなど、その形状は問わない。直線状でなくてもよい。
この取付部9の一方を梁2の下面に、他方を柱4の内側面にそれぞれ釘や木ねじ等の固定具11で固定することで、梁2と柱4との間へ方杖状に取り付けられる。この上補強材6は、下側の取付部9が天井面L1よりも下方へ突出する位置で左右対称に一対取り付けられる。
次に、図5に示すように、天井面L1より下側と、床面L2より上側とにおいて、柱4,4の間に上側支持材12と下側支持材13とをそれぞれ水平に架設する。この架設は、例えば図6に示すように、柱4,4の相対向する内側面に、前後に貫通する切欠き14をそれぞれ形成し、この切欠き14,14に上側支持材12(下側支持材13)の両端を嵌合させて、柱4と上側支持材12(下側支持材13)とに跨がって図示しない補強金具を取り付ける等することで行われる。
また、このとき上側支持材12は、上面が左右の上補強材6,6の各取付部9の下端に当接する高さで架設する。下側支持材13は、全体が床面L2より上側となる高さで架設してもよいし、上面のみが床面L2より上側となる高さで架設してもよい。
次に、図7に示すように、左右の柱4,4と上側支持材12、下側支持材13とで構成される内フレーム15内に、主補強体としての制震ダンパー20を設置する。この制震ダンパー20は、同軸で重合する外筒21と内筒22との間に図示しない粘弾性体を接着させた粘弾性ダンパーで、外筒21の外側端部と内筒22の外側端部とにそれぞれ延長線上に固定された延長木材23,23を、柱4と上側支持材12との仕口部と、柱4と下側支持材13との仕口部との間に配置することで、内フレーム15内でブレース状に架設される。
次に、図8に示すように、制震ダンパー20の両延長木材23,23を、ブラケット金具24,24を用いて各仕口部に固定した後、図9に示すように、天井面L1と床面L2との間と、左右の柱4,4との間を再び壁材5bで塞げば、制震補強の施工が完了する。
よって、このフレーム1においては、地震等によって水平方向に加振されて左右へ変形すると、内フレーム15内の制震ダンパー20に圧縮力と引張力とが交互に入力され、外筒21と内筒22との間に接着される粘弾性体を剪断変形させて震動エネルギーを減衰させる。
このとき、フレーム1では、梁2と上側支持材12との間に上補強材6が設けられているため、柱4,4の曲げ変形が抑制されて曲げ破壊が生じにくくなると共に、制震ダンパー20への軸方向力が効率よく入力される。
このように、上記形態の木造建築物の補強構造及び補強方法によれば、フレーム1内で梁2の下面と一対の柱4,4の内側面とにそれぞれ連結される上補強材6,6と、上補強材6,6の下端に当接した状態で一対の柱4,4間に架設される上側支持材12と、土台3よりも上方で一対の柱4,4間に配設される下側支持材13と、上側支持材12と下側支持材13とにそれぞれ当接した状態で上側支持材12と下側支持材13との間に配設される制震ダンパー20と、を含んでなることで、天井や床を剥がすことなく工数を削減して施工可能となると共に、柱4,4の曲げ変形を抑制して必要な制震性も確保することができる。よって、既存の木造建築物に対して簡易に制震補強を施すことが可能となる。
特にここでは、下側支持材13を、土台3との非当接状態で柱4,4間に架設しているので、フレーム1内への下側支持材13の固定が土台3の上方で容易に行える。
また、下側支持材13の上面が床面L2以上となる高さ(ここでは床面L2を超えた高さ)となっているので、下側支持材13の固定と共に制震ダンパー20の固定も容易に行える。
さらに、上補強材6を、直線状の本体部8と、本体部8の長手方向両端から同一面側へ斜めに折曲される取付部9,9とから形成して、梁2の下面と柱4の内側面とに取付部9,9を連結することで梁2と柱4との間へ斜めに配設する構成としているので、天井材の間で開口するフレーム1内の狭い隙間でも上補強材6を取り付け可能となる。特に上補強材6を、フレーム1の正面視で左右対称に一対設けているので、柱4,4の間に間柱があっても容易に施工可能となる。
そして、主補強体を、上側支持材12と下側支持材13との間でブレース状に架設される制震ダンパー20としているので、フレーム1に制震性能を簡単に付与することができる。
なお、上補強材は、間柱がなければ一対の斜め材の上端側の取付部同士を一体にして正面視台形状の一部材として設けてもよいし、互いにたすき掛けしてブレース状に架設してもよい。
また、図10に示す上補強材6Aのように、胴部30の両端に一対の棒材31,31を互いに逆ネジで螺合させて全長が伸縮可能なターンバックル構造とすると共に、各棒材31の端部に、それぞれピン32,32によって取付金具33,33を軸着して、一方の取付金具33を梁2の下面に、他方の取付金具33を柱4の内側面にそれぞれ固定具11で左右一対で取り付けるようにしてもよい。
このように上補強材6Aを、梁2の下面と柱4の内側面とに両端がそれぞれ軸着され、長手方向の寸法を調整可能な伸縮部材とすれば、フレーム1の大きさ等の現場の状況に合わせた上補強材6Aの取り付けが可能となる。
さらに、図11に示す上補強材6Bのように、木材で形成した方杖35の両端に、フレーム1への取付部37と、方杖35の前後両面を挟む挟持部38,38とからなる取付金具36をそれぞれ固定し、上端側の取付金具36の取付部37を梁2の下面に、下端側の取付金具36の取付部37を柱4の内側面にそれぞれ左右一対で固定するようにしてもよい。
加えて、図12に示す上補強材6Cのように、梁2と左右の柱4,4との間に形成される空間に、左右の仕口部を除いて嵌合する正面視凸字状で木製或いは金属製の板部40と、板部40の上辺及び左右辺へそれぞれ直交状に固定される帯板41,41・・とから形成して、上辺の帯板41を梁2の下面へ固定具11で取り付け、左右辺の帯板41,41の下部を柱4,4の内側面へそれぞれ固定具11で取り付けるようにしてもよい。ここで板部40を左右の仕口部を除いた凸字状としたのは、各仕口部に設けられる補強金具との干渉を避けるためで、補強金具がなければ正面視矩形状としても差し支えない。
このように上補強材6Cを、梁2と柱4,4とで囲まれる空間内に嵌合する形状とすれば、フレーム1の剛性を一層高めることができる。
一方、上側支持材や下側支持材の取付構造も、例えば図13(A)に示すように、左右の柱4,4の内側面の手前側に切欠き16,16を形成して、上側支持材12(下側支持材13)の両端に、各柱4の切欠き16に嵌合する凸部17をそれぞれ形成して、同図(B)のようにフレーム1の正面側から上側支持材12(下側支持材13)を柱4,4間に、両端の凸部17,17を切欠き16,16に嵌合させて取り付けるようにしてもよい。
また、下側支持材の位置も、上記形態のように土台3の上方に非当接状態で架設する他、図14(A)に示すように、下側支持材13を土台3の上面に当接する状態で架設してもよい。このように当接状態とすれば下側支持材13の補強に繋がる。さらに、図14(B)に示すように、土台3と非当接状態とした場合でも、土台3と下側支持材13との間に、両端に取付部46,46を折曲形成した帯板状の下補強材45,45を左右一対配置して、上端の取付部46を下側支持材13に当接する高さで柱4の内側面に、下端の取付部46を土台3の上面にそれぞれ固定してもよい。勿論下補強材の形態はこれに限らず、上補強材と同様の変更は可能である。
このように土台3の上面と下側支持材13の下面とにそれぞれ当接した状態で土台3と下側支持材13とにそれぞれ連結される下補強材45を設ければ、フレーム1の曲げ変形をより効果的に防止可能となる。
そして、上記形態では、主補強体として、粘弾性ダンパーと延長木材とからなる制震ダンパーを採用しているが、これに限らず、複数の鋼板とその間に接着される粘弾性体とからなる積層型として、互い違いに積層される一方の鋼板を柱の中央の内側面に接合し、他方の鋼板を、上側支持材と下側支持材と柱との仕口部から架設される上下のブレースに接合して、K型の制震ダンパーとする等、適宜変更できる。粘弾性ダンパーでなく油圧ダンパー等も採用できる。
また、制震ダンパーを用いた制震補強に限らず、図15(A)に示すように、内フレーム15のフレーム面に構造用合板50を取り付けたり、図15(B)に示すように、内フレーム15内に木製や金属製のブレース51を架設したりして耐震補強を行うことも可能である。
1・・フレーム、2・・梁、3・・土台、4・・柱、5・・壁材、6,6A,6B,6C・・上補強材、8・・本体部、9,37,46・・取付部、11・・固定具、12・・上側支持材、13・・下側支持材、15・・内フレーム、20・・制震ダンパー、21・・外筒、22・・内筒、23・・延長木材、30・・胴部、31・・棒材、33,36・・取付金具、35・・方杖、38・・挟持部、40・・板部、41・・帯板、45・・下補強材、50・・構造用合板、51・・ブレース、L1・・天井面、L2・・床面。

Claims (11)

  1. 一対の柱と、当該柱の上側で水平に配設される上横架材と、前記柱の下側で水平に配設される下横架材と、前記上横架材よりも下方に位置する天井材と、前記下横架材よりも上方に位置する床材とを含む木造建築物において、前記柱と前記上横架材と前記下横架材とで構成されるフレームを補強する構造であって、
    前記フレーム内で前記上横架材の下面と前記一対の柱の内側面とにそれぞれ連結される少なくとも1つの上補強材と、
    前記上補強材の下端に当接した状態で前記一対の柱間に架設される上側支持材と、
    前記下横架材よりも上方で前記一対の柱間に配設される下側支持材と、
    前記上側支持材と前記下側支持材とにそれぞれ当接した状態で前記上側支持材と前記下側支持材との間に配設される主補強体と、
    を含んでなることを特徴とする木造建築物の補強構造。
  2. 前記下側支持材は、前記下横架材とは当接状態で前記一対の柱間に架設されることを特徴とする請求項1に記載の木造建築物の補強構造。
  3. 前記下側支持材は、前記下横架材とは非当接状態で前記一対の柱間に架設されることを特徴とする請求項1に記載の木造建築物の補強構造。
  4. 前記下側支持材は、上面が前記床材による床面以上となる高さに配設されることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の木造建築物の補強構造。
  5. 前記下横架材の上面と前記下側支持材の下面とにそれぞれ当接した状態で前記下横架材と前記下側支持材とにそれぞれ連結される下補強材を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の木造建築物の補強構造。
  6. 前記上補強材は、本体部と、前記本体部の長手方向両端から同一面側へ斜めに折曲される取付部とからなり、前記上横架材の下面と前記柱の内側面とに前記取付部がそれぞれ連結されて前記上横架材と前記柱との間へ斜めに配設されることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の木造建築物の補強構造。
  7. 前記上補強材は、前記フレームの正面視で左右対称に一対設けられることを特徴とする請求項6に記載の木造建築物の補強構造。
  8. 前記上補強材は、前記上横架材の下面と前記柱の内側面とに両端がそれぞれピンを用いて連結され、長手方向の寸法を調整可能な伸縮部材であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の木造建築物の補強構造。
  9. 前記上補強材は、前記上横架材と前記一対の柱とで囲まれる空間内に嵌合する形状を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の木造建築物の補強構造。
  10. 前記主補強体は、前記上側支持材と前記下側支持材との間でブレース状に架設される制震ダンパーであることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の木造建築物の補強構造。
  11. 一対の柱と、当該柱の上側で水平に配設される上横架材と、前記柱の下側で水平に配設される下横架材と、前記上横架材よりも下方に位置する天井材と、前記下横架材よりも上方に位置する床材とを含む木造建築物において、前記柱と前記上横架材と前記下横架材とで構成されるフレームを補強する方法であって、
    前記天井材による天井面と前記床材による床面との間で壁材を除去する工程と、
    前記フレーム内で前記上横架材の下面と前記一対の柱の内側面とに、少なくとも1つの上補強材をそれぞれ連結する工程と、
    前記上補強材の下端に当接した状態で前記一対の柱間に上側支持材を架設する工程と、
    前記下横架材よりも上方で前記一対の柱間に下側支持材を配設する工程と、
    前記上側支持材と前記下側支持材とにそれぞれ当接した状態で前記上側支持材と前記下側支持材との間に主補強体を配設する工程と、
    前記天井面と前記床面との間を壁材で塞ぐ工程と、
    を実行することを特徴とする木造建築物の補強方法。
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