JP2016088523A - ガスバリア性容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】レトルト処理のような過酷な熱水処理を施しても、酸素バリア性の劣化のないガスバリア性容器を提供すること。【解決手段】樹脂の射出成形によって製造された容器本体1と蓋材4とを備えて構成され、容器本体の底部11及び周壁12の両方に、射出成形と同時に一体化されたラベル2,3を有する容器で、ラベルがガスバリア層を有して構成され、ガスバリア層が、多価金属のとリン化合物とが反応して形成された複合構造物を含む。この複合構造物は、多価金属原子をMで表わすと、金属原子Mとリン原子とがM−O−P−O−M又はM−O−(P−O−P)n−O−Mで表される共有結合によって結合されており、金属原子Mを中心として多数のリン原子Pが配位し、一方、リン原子Pを中心として多数の金属原子Mが配位する。このため、複合構造物は網目状の緻密な構造物となり、高いガスバリア性を発揮する。また、熱や水分に対する耐性に優れている。【選択図】図1

Description

本発明は、ガスバリア性を有する樹脂製の容器に関する。この容器は、例えば、カップ状の形状を有する。あるいはトレー状の形状を有するものである。
カップ状あるいはトレー状の形状を有する樹脂製の容器はよく知られている。このような容器は、例えば、樹脂の射出成形によって製造されている。あるいは、樹脂シートを深絞り成形することによって製造されている。
特許文献1は、酸素バリア性のある樹脂シートを深絞り成形することによって、カップ状あるいはトレー状の形状を有するガスバリア性の樹脂容器を製造する技術を記載している。この技術では、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレンをこの順に積層した多層シートに、さらにシーラント層としてポリカーボネートを積層して4層構造の樹脂シートを作製し、深絞り成形して樹脂容器を製造する。このとき、ポリカーボネートは容器内面側に位置しており、このため、容器上面開口部の周縁のフランジの上面側にポリカーボネートが位置する。このため、ポリカーボネートは蓋材をシールするときのシーラント層として機能する。また、この容器は、その層構成中にエチレン−ビニルアルコール共重合体層を含んでいるため、酸素バリア性に優れている。このエチレン−ビニルアルコール共重合体層の表裏に配置されたポリプロピレン樹脂層は、エチレン−ビニルアルコール共重合体層を水分から保護して、ガスバリア性の劣化を防ぐものである。
特開平05−77865号公報
しかしながら、このような容器はガスバリア層としてエチレン−ビニルアルコール共重合体層を使用している。このエチレン−ビニルアルコール共重合体は親水性が高く、このため、水分によってそのバリア性が劣化する。このため、例えば、レトルト処理を施すと、そのガスバリア性が劣化するという問題があった。
特許文献1に記載の容器では、エチレン−ビニルアルコール共重合体層の表裏にポリプロピレン樹脂層を配置して水分の透過を防止しているが、このような容器においても、レトルト処理のような過酷な熱水処理を施すと、その酸素バリア性の劣化を十分防止することは困難であった。
そこで、本発明は、レトルト処理のような過酷な熱水処理を施しても、酸素バリア性の劣化のないガスバリア性容器を提供することを目的とする。
すなわち、請求項1に記載の発明は、樹脂の射出成形によって製造された容器本体と蓋材とを備えて構成される容器であって、前記容器本体が、底部と、この底部から立ち上がった周壁とを有する容器であって、
前記底部及び周壁の両方に、前記射出成形と同時に一体化されたラベルを有しており、
このラベルがガスバリア層を有して構成されており、このガスバリア層が、多価金属の
化合物とリン化合物とが反応して形成されたガスバリア性複合構造物を含む層であることを特徴とするガスバリア性容器である。
次に、請求項2に記載の発明は、底部に一体化された前記ラベルが、底部の全面を覆っていることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性容器である。
また、請求項3に記載の発明は、底部に一体化された前記ラベルが、底部から前記周壁の下部まで延出されており、この周壁の下部に一体化していることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスバリア性容器である。
また、請求項4に記載の発明は、周壁に一体化された前記ラベルが、周壁の下端まで延びており、周壁の下部において、底部に一体化された前記ラベルと、周壁に一体化された前記ラベルとが、互いに対面していることを特徴とする請求項3に記載のガスバリア性容器である。
また、請求項5に記載の発明は、底部に一体化された前記ラベルが、容器本体の内面側に位置しており、周壁に一体化された前記ラベルが容器本体の外面側に位置していることを特徴とする請求項4に記載のガスバリア性容器である。
また、請求項6に記載の発明は、容器本体が前記周壁の上部開口部の周囲にフランジを備えており、前記蓋材がこのフランジに接着されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリア性容器である。
また、請求項7に記載の発明は、前記蓋材がガスバリア層を備えていることを特徴とする請求項6に記載のガスバリア性容器である。
また、請求項8に記載の発明は、蓋材の前記ガスバリア層が多価金属の化合物とリン化合物とが反応して形成されたガスバリア性複合構造物を含む層であることを特徴とする請求項7に記載のガスバリア性容器である。
また、請求項9に記載の発明は、周壁に一体化された前記ラベルが、前記フランジの下面まで延出しており、周壁に一体化された前記ラベルと、蓋材とが、フランジをはさんで互いに対面していることを特徴とする請求項8に記載のガスバリア性容器である。
本発明においては、射出成形によって製造された容器本体の底部及び周壁の両方に、射出成形と同時に一体化されたガスバリア性のラベルを有しており、しかもそのガスバリア層が多価金属の化合物とリン化合物とが反応して形成されたガスバリア性複合構造物を含む層である。このような複合構造物は、多価金属原子をMで表わすと、金属原子Mとリン原子とがM−O−P−O−M又はM−O−(P−O−P)−O−Mで表される共有結合によって結合された複合構造物である。しかも、金属原子Mは多価金属原子であるため、この金属原子Mを中心として多数のリン原子Pが配位し、一方、リン原子Pも多価原子であるため、このリン原子Pを中心として多数の金属原子Mが配位する。このため、複合構造物は網目状に共有結合した緻密な構造物となり、この結果、高いガスバリア性を発揮するのである。しかも、この複合構造物は熱や水分に対する耐性に優れているため、レトルト処理のような過酷な熱水処理を経た後にも、高いガスバリア性を維持することができる。そして、このため、ガスバリア性に優れた容器とすることができる。
本発明に係る容器の例を示す断面図である。 図2(a)は底部用ラベルの形状を示す説明図、図2(b)は本発明の底部用ラベル及び周壁用ラベルの積層構造を示す断面図である。 周壁用ラベルの積層構造を示す断面図である。 蓋材の積層構造を示す断面図である。
本発明は、容器本体と蓋材とを備えて構成される容器である。容器本体は樹脂の射出成形によって製造されたもので、容器本体の射出成形と同時に、その一部にラベルを一体化する。このような成形方法はインサート成形法の名称で知られており、射出成形金型の内面所定位置にラベルを載置した後、樹脂を金型内部に射出することにより、ラベルと一体化した容器本体を製造することができる。射出する樹脂は任意の樹脂であってよいが、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などを例示することができる。ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂などを例示できる。
容器本体はカップ状あるいはその他の形状を有するものであってよいが、一般に、底部と、この底部から立ち上がった周壁とを有するものである。図面の図1は本発明に係る容器の例を示す断面図で、この例では、容器本体1は断面が円形のカップ状であり、底部11と周壁12のほかに、上部開口部の周囲にフランジ13を有しており、底部11の下方に脚部14を有している。
ラベルはいずれも酸素バリア性のラベルであって、容器本体1にはその底部及び周壁の両方にこのガスバリア性ラベルが配置されている必要がある。図1に示す例では、底部用ラベル2は容器本体1の内面側に配置されている。一方、周壁用ラベル3は容器本体1の外面側に配置されている。
ガスバリア性の底部用ラベル2は、容器本体1の底部全面を覆う大きさを有することが望ましい。また、図1に示すように、底部から前記周壁12の下部まで延出されており、この周壁の下部を覆っていることが望ましい。一方、ガスバリア性の周壁用ラベル3は、周壁12の全周囲を被覆し、しかも、その下部は周壁の下端まで延びていることが望ましい。図1に示す例は、底部用ラベル2が周壁12の下部まで延出されており、かつ、周壁用ラベル3が周壁の下端まで延びているもので、この場合には、周壁12の下部において、ガスバリア性の底部用ラベル2とガスバリア性の周壁用ラベル3とが周壁12を挟んで互いに対面しており、このため、この周壁12下部からの酸素の透過を防止することができる。
また、ガスバリア性の周壁用ラベル3の上部は、フランジ13の下面まで延出していることが望ましい。後述するように、蓋材4がガスバリア性を有している場合には、このフランジ13を挟んでガスバリア性の周壁用ラベル3とガスバリア性の蓋材4とが互いに対面することとなり、このフランジ13部分からの酸素透過を防止することができる。図1はこのような例を示している。
底部用ラベル2としては、図2(a)に示すように、底部11の形状に対応して、円形の外形を有するものが使用できる。そして、この底部用ラベル2は特定のガスバリア層を含む積層構造を有する必要がある。
図面の図2(b)は、この積層構造を有する底部用ラベル2の例を示す断面説明図である。すなわち、この底部用ラベル2は、ガスバリア層2bを必須の構成要素として、その内面側及び外面側に、それぞれ、内面側樹脂層2aと印刷インキ層2cを有する外面側樹脂層2dと積層した積層構造を有している。なお、底部用ラベル2には、これら内面側樹
脂層2a、ガスバリア層2b、外面側樹脂層2dに加えて、その他の層を積層することも可能である。
底部用ラベル2の積層構造に含まれるガスバリア層2bは、特定の複合構造物を含んで構成されたものである。すなわち、この複合構造物は、多価金属の化合物とリン化合物とが反応して形成されたガスバリア性複合構造物である。このようなガスバリア性複合構造物を含むガスバリア層は、多価金属の化合物を含む溶液又は分散液と、リン化合物を含む溶液とを混合してコーティング液とし、このコーティング液を内面側樹脂層2a又は外面側樹脂層2dに塗布し、乾燥して溶剤を除去した後、これら多価金属の化合物とリン化合物とを反応させて形成することができる。多価金属原子をMで表わすと、この反応によって、金属原子Mとリン原子との間にM−O−P−O−Mで表される結合又はM−O−(P−O−P)−O−Mで表される結合が生成される。なお、式中、nは任意に整数を意味する。前述のとおり、この複合構造物は高いガスバリア性を有し、しかも熱や水分に対する耐性に優れているため、レトルト処理のような過酷な熱水処理を経た後にも、高いガスバリア性を維持することができる。そして、このため、ガスバリア性に優れた容器とすることができる。
多価金属元素としては、リン化合物の2分子以上が反応できる金属元素であれば、任意の元素を使用できる。半金属元素であってもよい。例えば、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、珪素、チタン、ジルコニウムなどの元素である。中でも、アルミニウムが望ましい。
また、これら金属元素の化合物としては、リン化合物とを反応して複合構造物を形成できるものなら任意の化合物を使用できる。一般に、水酸基を有する化合物である。また、この金属化合物は、溶剤に溶解した溶液の形式で供給されても良いし、金属化合物の微粒子を溶剤に分散した分散液の形式で供給されてもよい。
例えば、硝酸アルミニウムを金属化合物として、その水溶液の形式で供給することができる。
また、金属酸化物の微粒子を水又は水性溶剤中に分散して、分散液の形式で供給することもできる。望ましくは、酸化アルミニウム微粒子の分散液である。一般に、金属酸化物の微粒子はその表面に水酸基を有しており、この水酸基の存在によって前記リン化合物と反応して前記結合を生成する。この金属酸化物微粒子は、例えば、加水分解可能な特性基が金属原子に結合した化合物を原料として、これを加水分解し、この加水分解性生物を縮合させることで合成することができる。原料として使用できる化合物は、例えば、塩化アルミニウム、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムイソプロポキシドなどである。ガスバリア性を高めるため、金属酸化物微粒子の大きさとしては平均粒径が1〜100nmの範囲にあることが望ましい。
次に、リン化合物としては、多価金属の化合物と反応して前記結合を生成できるものであれば任意のリン化合物を使用できる。その代表例はリン酸系化合物及びその誘導体である。例えば、リン酸、ポリリン酸、亜リン酸、ホスホン酸などである。なお、ポリリン酸としては、ピロリン酸、三リン酸、あるいは4以上のリン酸が縮合したポリリン酸を使用することができる。また、リン酸系化合物の誘導体としては、その塩、エステル(例えば、リン酸トリメチル)、あるいははハロゲン化物であってもよいし、脱水物(例えば、5酸化リン)、ハロゲン化物を例示できる。
このリン化合物は溶液の形式で供給することができる。例えば、水を溶剤とする水溶液である。また、親水性の有機溶剤の溶液の形式で供給することもできる。例えば、低級ア
ルコールの溶液である。
そして、前述のように、多価金属化合物の溶液又は分散液と、リン化合物の溶液とを混合してコーティング液とすることができる。このコーティング液には、その他の成分を添加することもできる。例えば、高分子化合物、金属錯体、粘土化合物、架橋剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤などである。なお、高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルの部分けん化物、ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、多糖類(例えば、でんぷんなど)、アクリル系ポリマー(例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−メタクリル酸共重合体など)及びそれらの塩、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体のけん化物などを挙げることができる。
このコーティング液を塗布し、溶剤を除去乾燥して得られた塗布膜を、例えば、加熱処理することにより、多価金属化合物とリン化合物とを反応させて前記結合を生成させ、本発明に係るガスバリア性複合構造物を含むガスバリア層2bを形成することができる。塗布膜の厚さは0.1μm以上であればよい。例えば、0.2μm以上である。また、4.0μm以下でよい。好ましくは2.0μm以下である。
次に、加熱処理温度としては、110℃以上であることが望ましく、より望ましくは140℃以上である。加熱処理温度が低いと十分な結合を生成するために必要な時間が長くなり、生産性が低下する。また、加熱処理の時間は5〜300秒の間でよい。この加熱処理は、例えば、オーブンによって可能である。
なお、内面側樹脂層2a又は外面側樹脂層2dとしては任意の樹脂を使用できる。そのうち一方の樹脂層を前記コーティング液を塗布する塗布基材とするため、予め製膜されたフィルムで構成することが望ましい。図2(b)の例は、印刷インキ2cを施した外面側樹脂層2dをフィルムで構成した例である。なお、他方の樹脂層は、予め製膜されたフィルムの形式で供給して、これをガスバリア層2bに貼り合わせてもよいし、溶融押出コーティング又は溶液コーティングなどで塗布して形成してもよい。
これら内面側樹脂層2a又は外面側樹脂層2dとして使用できる樹脂を例示すると、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂などを挙げることができる。また、これら樹脂を積層した多層構造を有するものであってもよい。容器に収容する内容物が飲食物である場合には、衛生上の問題がない樹脂を使用することが望ましい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどである。
次に、周壁用ラベル3としては、図3に示すように、周壁12の形状に対応して、扇形の外形を有するものが使用できる。この周壁用ラベル3も、前記ガスバリア性複合構造物を含むガスバリア層を有する必要がある。その積層構造は底部用ラベル2の積層構造と同様であってよい。このため、周壁用ラベル3の断面構造を図示する代わりに、図2(b)に、符号3a,3b,3c,3dをかっこ書きで記入してある。もっとも、底部用ラベル2と周壁用ラベル3の積層構造は互いに異なるものであってもよい。
次に、蓋材4は、容器本体1の上部開口部を密閉するもので、例えば、容器本体1の上部開口部の周囲のフランジ13にヒートシールして使用される。このため、蓋材4の容器本体側表面には、ヒートシール可能なシーラント層が配置されていることが望ましい。
また、蓋材4はその積層構造の中にガスバリア層を有することが望ましい。ガスバリア
層としては、底部用ラベル2のガスバリア層や周壁用ラベル3のガスバリア層と同様に、多価金属の化合物とリン化合物とが反応して形成されたガスバリア性複合構造物を含む層を使用することが望ましい。熱水処理によってもガスバリア性が低下しないからである。そして、蓋材4がガスバリア層を備えていて、しかも、周壁用ラベル3フランジ13の下面まで延出している場合には、前述のように、フランジ13を挟んでガスバリア性の周壁用ラベル3とガスバリア性の蓋材4とが互いに対面することとなり、このフランジ13部分からの酸素透過を防止することができる。
図面の図4は、シーラント層とガスバリア層の両者を有する蓋材4の層構成の例を示すもので、基材4bの外面側に印刷インキ層4cを形成した後、この印刷インキ層4cを被覆してその全面にガスバリア層4aを形成すると共に、内面側にシーラント層4dを積層したものである。
基材4bとしては任意のシートを利用できる。紙、プラスチックフィルム、金属箔などである。また、多層構造のシートを使用することも可能である。シーラント層4dも公知のシーラント樹脂を使用することができる。すなわち、低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、あるいは低密度ポリエチレン樹脂中にポリブテン樹脂を分散させた易剥離性のシーラント樹脂である。そして、基材4bに多価金属の化合物とリン化合物とを含むコーティング液を塗布し反応させてガスバリア層4aを形成した後、その内面側にシーラント層4dを積層することにより、図4に示す蓋材4を製造することができる。
(実施例)
ポリプロピレンフィルムを塗布基材2d(3d)として、この塗布基材2d(3d)の上に印刷インキ層2c(3c)を形成した後、この印刷インキ層2c(3c)を被覆して、酸化アルミニウム微粒子とリン化合物とを含有するコーティング液を塗布乾燥した。塗布量は0.4g/mである。また、塗布方法はグラビアコーティングで、塗布版は150ライン/インチ、深さ55μmの斜線版である。次に、140℃のオーブンで約30秒間加熱して、塗布膜に含まれる酸化アルミニウム微粒子とリン化合物とを反応させて、ガスバリア性複合構造物を含むガスバリア層2b(3b)を形成した。そして、ポリプロピレンフィルムを内面側樹脂層2a(3a)として、前記ガスバリア層2b(3b)に接着した。こうして得られた積層体を図2(a)に示す円形に打ち抜いて底部用ラベル2とした。また、同じ積層体を図3に示す扇形に打ち抜いて周壁用ラベル3とした。
これら底部用ラベル2と周壁用ラベル3の両者を、射出金型の所定位置に配置し、ポリプロピレン樹脂を射出して、容量180ccの容器本体1を成形すると同時に、底部用ラベル2と周壁用ラベル3の両者をこの容器本体1に接合一体化した。得られた容器本体は図1の断面図に示すようなカップ状の容器本体で、底部用ラベル2は、容器本体1の底部11内面の全面を覆うと共に、周壁12の下部まで延出されており、この周壁12の下部の全周囲を覆う位置である。また、周壁用ラベル3は、周壁12外面の全周囲に及んでおり、その下部は周壁12の下端まで延びていて、このため、周壁12の下部では底部用ラベル2とガスバリア性の周壁用ラベル3とが対面している。また、周壁用ラベル3の上端はフランジ13の下面まで延出している。
次に、ポリアミドフィルムを基材4bとして、この基材4bに印刷インキ層4cを形成した後、この印刷インキ層4cを被覆して、酸化アルミニウム微粒子とリン化合物とを含有するコーティング液を塗布乾燥した。塗布量は0.4g/mである。また、塗布方法はグラビアコーティングで、塗布版は150ライン/インチ、深さ55μmの斜線版である。次に、140℃のオーブンで約30秒間加熱して、塗布膜に含まれる酸化アルミニウ
ム微粒子とリン化合物とを反応させて、ガスバリア性複合構造物を含むガスバリア層4aを形成した。そして、その反対面、すなわち、基材4bにシーラント層4dとしてポリプロピレン樹脂層を積層し、所定形状として蓋材4を作成した。この蓋材4は図4の積層構造を有するものである。
そして、容器本体1に内容物を収納し、その上面開口部に蓋材4を重ね、フランジ13に蓋材4のシーラント層4dをヒートシールして、内容物入りの容器を製造した。
(比較例)
エチレン−ビニルアルコール共重合体をガスバリア層として、その表裏にポリプロピレン樹脂フィルムを接着した多層シートを真空成形して、容量180ccのカップ状の容器本体を製造した。
蓋材として、ナイロンフィルムの表裏にポリプロピレン樹脂フィルムを接着した多層シートを使用し、前記容器本体に内容物を収納した後、この蓋材でヒートシールして比較例の内容物入り容器を製造した。
(評価)
実施例及び比較例の内容物入り容器に、121℃、60分の条件でレトルト処理を施した。レトルト処理前の酸素透過度、レトルト処理の後50時間経過した時の酸素透過度、レトルト処理後100時間経過した時の酸素透過度を表1に示す。併せて、レトルト処理前の水蒸気透過度を表1に示す。
この表から分かるように、レトルト処理前においては、実施例の容器の酸素バリア性は、エチレン−ビニルアルコール共重合体をガスバリア層とする比較例の容器の酸素バリア性と大差がないが、レトルト処理によって比較例の酸素バリア性は大きく低下しているのに対して、実施例の酸素バリア性はほとんど低下せず、そのまま維持されている。なお、水蒸気バリア性も優れていることが分かる。
1:容器本体 11:底部 12:周壁 13:フランジ 14:脚部
2:底部用ラベル 3:周壁用ラベル
2a,3a:内面側樹脂層 2b,3b:ガスバリア層 2c,3c:印刷インキ層2d,3d:外面側樹脂層

Claims (9)

  1. 樹脂の射出成形によって製造された容器本体と蓋材とを備えて構成される容器であって、前記容器本体が、底部と、この底部から立ち上がった周壁とを有する容器であって、
    前記底部及び周壁の両方に、前記射出成形と同時に一体化されたラベルを有しており、
    このラベルがガスバリア層を有して構成されており、このガスバリア層が、多価金属の化合物とリン化合物とが反応して形成されたガスバリア性複合構造物を含む層であることを特徴とするガスバリア性容器。
  2. 底部に一体化された前記ラベルが、底部の全面を覆っていることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性容器。
  3. 底部に一体化された前記ラベルが、底部から前記周壁の下部まで延出されており、この周壁の下部に一体化していることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスバリア性容器。
  4. 周壁に一体化された前記ラベルが、周壁の下端まで延びており、周壁の下部において、底部に一体化された前記ラベルと、周壁に一体化された前記ラベルとが、互いに対面していることを特徴とする請求項3に記載のガスバリア性容器。
  5. 底部に一体化された前記ラベルが、容器本体の内面側に位置しており、周壁に一体化された前記ラベルが容器本体の外面側に位置していることを特徴とする請求項4に記載のガスバリア性容器。
  6. 容器本体が前記周壁の上部開口部の周囲にフランジを備えており、前記蓋材がこのフランジに接着されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリア性容器。
  7. 前記蓋材がガスバリア層を備えていることを特徴とする請求項6に記載のガスバリア性容器。
  8. 蓋材の前記ガスバリア層が多価金属の化合物とリン化合物とが反応して形成されたガスバリア性複合構造物を含む層であることを特徴とする請求項7に記載のガスバリア性容器。
  9. 周壁に一体化された前記ラベルが、前記フランジの下面まで延出しており、周壁に一体化された前記ラベルと、蓋材とが、フランジをはさんで互いに対面していることを特徴とする請求項8に記載のガスバリア性容器。
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