JP2016087362A - 歯間清掃具及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも清掃性がより向上した歯間清掃具を提供すること。【解決手段】合成樹脂からなる基材部と、該基材部の少なくとも一部を被覆するエラストマからなる軟質部とを備え、前記基材部は、ハンドル基材部と、該ハンドル基材部の先端部に連設した細長い軸状の芯基材部とを有し、前記軟質部は、前記芯基材部をインサート成形により被覆する清掃用軟質部を少なくとも有し、前記ハンドル基材部からなる持ち手としてのハンドル部と、前記芯基材部と清掃用軟質部とからなる歯間清掃用の清掃部とを備えた歯間清掃具であって、前記清掃用軟質部は、芯基材部を被覆する芯被覆部と、該芯被覆部に一体的に形成され、芯基材部の長手方向に間隔をあけて外方へ突出状に形成された多数の突起部と、前記芯被覆部の複数の突起部間に形成され、前記長手方向に交差する方向に細長い形状の複数の凹部と、を有する歯間清掃具。【選択図】図1

Description

本発明は、歯間清掃具及びその製造方法に関し、特に、エラストマで被覆した清掃部を有する歯間清掃具及びその製造方法に関するものである。
歯間清掃具として、合成樹脂からなる基材部と、エラストマからなる軟質部とを備え、前記基材部は、ハンドル基材部と、前記ハンドル基材部の先端部に設けた細長い軸状の芯基材部とを有し、前記軟質部は、前記芯基材部の一部を被覆する清掃用軟質部を少なくとも有し、前記ハンドル基材部で持ち手としてのハンドル部を構成し、前記芯基材部と清掃用軟質部とで歯間清掃用の清掃部を構成したものが実用化されている(例えば、特許文献1参照。)。
前記歯間清掃具の製造方法としては、合成樹脂材料により成形した基材部の芯基材部を金型の成形空間にセットして成形空間にエラストマ材料を充填するインサート成形により軟質部を成形することで、歯間清掃具を得るようになした製造方法が広く採用されている。この製造方法を用いる場合、エラストマ材料を充填する際の圧力や熱により成形空間内の芯基材部が動いたり変形したりすることを防止して、軟質部を芯基材部に均質に形成するため、基材部を固定する必要がある。例えば、特許文献1に記載の構造を有する歯間清掃具に適用する場合、芯基材部の最先端部分には軟質部が形成されないため、この最先端部分を金型に固定し、軟質部が形成される部分を固定しないでインサート成形することが可能である。そのため、軟質部を所望の構造、形状にすることは可能である。しかしながら、芯基材部の最先端部分とハンドル基材部の先端部分で保持した場合でも、芯基材部の変形等の可能性は否定できない。また、最先端部分には軟質部を形成しないため、歯間の清掃性が低下したり、エラストマ材料より硬質な合成樹脂からなる芯基材部の先端部分により歯肉等を傷つける恐れがあるという問題も懸念される。
本発明者は、前述したようなインサート成形により製造される芯基材部の最先端部分も軟質部で被覆した歯間清掃具を開発している(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2に記載の歯間清掃具及びその製造方法では、インサート成形時に比較的大きい断面積を有する円柱状の3組の保持ピンにより芯基材部を保持している。しかし、引用文献2に記載のような構成の保持ピンを用いると、保持ピンで保持する部分に突起部を形成できなくなる。この場合でも、清掃性に大きな影響が出るわけではないが、清掃性をより向上させる余地がある。
ところで、歯間清掃具を用いて歯間の清掃力を高める目的で、歯間清掃具の清掃部に歯垢分解酵素等の有効成分を塗布した歯間清掃具が提案されている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3には、柄部と、該柄部に続く首部と、該首部の先端に形成された清掃体とからなり、前記清掃体は、先端側に向かってその径が狭まっていく円錐形または多角錐形状のコア部と、該コア部の長手方向に向かってコア部周面に形成された複数個のヒダ部とによって構成されている歯間清掃具が記載されている。また、ヒダ部としては、ヒダの途中に複数個の切れ目を入れたり、ヒダを連続する小山状としたりする形態が例示されている。しかし、特許文献3に記載の歯間清掃具では、長手方向に向かってヒダ部が形成されているため、表面積が必ずしも十分ではなく、有効成分の効果が発揮されるだけの十分量をヒダ部に保持することが必ずしも容易ではない。
特許第3002668号公報 国際公開第2013/176297号 特開平11−188050号公報
前述の問題点に鑑みて、本発明の目的は、従来よりも清掃性がより向上した歯間清掃具を提供することにある。また、歯間清掃具に殺菌剤を保持させる場合には、殺菌剤の保持量を従来よりも増加させることが可能な歯間清掃具を提供することにある。さらに、このような歯間清掃具を効率よく製造する製造方法を提供することにある。
本発明の発明者らは、前述の課題解決のために鋭意検討を行った。その結果、清掃用軟質部に、芯基材部の長手方向に交差する方向に細長い形状の複数の凹部を設けることで、前述の課題を解決可能なことを見出し、本発明を完成するに至った。本発明の要旨は以下の通りである。
(1)合成樹脂からなる基材部と、該基材部の少なくとも一部を被覆するエラストマからなる軟質部とを備え、前記基材部は、ハンドル基材部と、該ハンドル基材部の先端部に連設した細長い軸状の芯基材部とを有し、前記軟質部は、前記芯基材部をインサート成形により被覆する清掃用軟質部を少なくとも有し、前記ハンドル基材部からなる持ち手としてのハンドル部と、前記芯基材部と清掃用軟質部とからなる歯間清掃用の清掃部とを備えた歯間清掃具であって、
前記清掃用軟質部は、芯基材部を被覆する芯被覆部と、該芯被覆部に一体的に形成され、芯基材部の長手方向に間隔をあけて外方へ突出状に形成された多数の突起部と、前記芯被覆部の複数の突起部間に形成され、前記長手方向に交差する方向に細長い形状の複数の凹部と、を有する歯間清掃具。
(2)前記複数の凹部は、前記芯被覆部の一側面に前記長手方向に沿って形成されているとともに、これとは反対側の側面に前記長手方向に沿って形成されている前記(1)記載の歯間清掃具。
(3)前記凹部が、前記清掃用軟質部の先端から基端側へ向けて2mmの範囲内の芯被覆部の一側面とその反対側の側面に形成されているとともに、前記清掃用軟質部の基端から先端側に向けて4mmの範囲内の芯被覆部の一側面とその反対側の側面に形成されている前記(1)又は(2)に記載の歯間清掃具。
(4)前記突起部が、前記芯被覆部の一側面及びその反対側の側面に前記長手方向に沿って列状に並んでおり、各列状に並んだ突起部のうち長手方向に隣接する突起部間の総数の14〜71%に前記凹部が形成されている前記(1)〜(3)の何れかに記載の歯間清掃具。
(5)前記エラストマは、ショアA硬度が25〜50であるスチレン系エラストマであり、前記清掃用軟質部の表面に殺菌剤が放出可能に固着されている前記(1)〜(4)の何れかに記載の歯間清掃具。
(6)前記殺菌剤が、カチオン性殺菌剤、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、ヒノキチオール、ラウロイルサルコシンナトリウムから選択される少なくとも1種である前記(1)〜(5)の何れかに記載の歯間清掃具。
(7)前記殺菌剤が、カチオン性殺菌剤であり、該カチオン性殺菌剤が、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン、塩化デカリニウム、塩化ベンザルコニウムから選択される少なくとも1種である前記(6)に記載の歯間清掃具。
(8)殺菌剤の固着量が、2.00μg以上である前記(1)〜(7)の何れかに記載の歯間清掃具。
(9)合成樹脂からなる基材部と、該基材部の少なくとも一部を被覆するエラストマからなる軟質部とを備え、前記基材部は、ハンドル基材部と、該ハンドル基材部の先端部に連設した細長い軸状の芯基材部とを有し、前記軟質部は、前記芯基材部をインサート成形により被覆する清掃用軟質部を少なくとも有し、前記ハンドル基材部からなる持ち手としてのハンドル部と、前記芯基材部と清掃用軟質部とからなる歯間清掃用の清掃部とを備えた歯間清掃具の製造方法であって、
前記基材部の芯基材部の少なくとも一部を前記軟質部を成形する金型の成形空間にセットし、金型の合わせ面と略直交状に清掃用軟質部成形部内に突出するように対向配置した2本の保持ピンを1組とする少なくとも2組の保持ピンで、前記芯基材部の先端側部分と基端側部分を含む芯基材部の長さ方向の2か所以上を清掃用軟質部成形部の略中央部にそれぞれ保持した状態で、前記清掃用軟質部成形部に対して先端側から基端部側へ向けてエラストマ材料が充填されるように、成形空間にエラストマ材料を充填して軟質部を成形する工程を有し、
前記金型の清掃用軟質部成形部は、芯基材部を被覆する芯被覆部を成形する芯被覆部成形部と、前記芯被覆部に一体的に形成され、芯基材部の長手方向に間隔をあけて外方へ突出状に形成された多数の突起部を成形する多数の突起部成形部とを有し、
前記保持ピンは、芯基材部の長手方向に交差する方向に細長い先端部形状を有し、前記突起部成形部の間の前記芯被覆部成形部から前記清掃用軟質部成形部内に突出するように配置され、芯基材部を保持した部分に、前記芯被覆部の複数の突起部間に形成された、前記長手方向に交差する方向に細長い形状の複数の凹部を形成する歯間清掃具の製造方法。
(10)前記保持ピンの先端部形状が、保持ピンの長手方向に直交する方向の断面が細長い四角形状である前記(9)記載の歯間清掃具の製造方法。
(11)前記芯基材部の先端側部分を保持する1組の保持ピンの芯基材部に接する部分の断面積を0.03〜0.2mmに設定するとともに、当該1組の保持ピンを清掃用軟質部成形部の先端部から基端側へ向けて2mmの範囲内に相当する芯基材部部分に先端が接する位置に配置し、前記芯基材部の基端側部分を保持する1組の保持ピンの芯基材部に接する部分の断面積を0.05〜0.5mmに設定するとともに、当該1組の保持ピンを清掃用軟質部成形部の基端部から先端側へ向けて4mmの範囲内に相当する芯基材部部分に先端が接する位置に配置した前記(9)又は(10)に記載の歯間清掃具の製造方法。
(12)前記突起部成形部が、芯基材部の長手方向に沿って複数の列状に並んでおり、列状に並んだ突起部成形部のうち長手方向に隣接する突起部成形部間の総数の14〜71%に前記保持ピンが配置されている前記(9)〜(11)の何れかに記載の歯間清掃具の製造方法。
本発明に係る歯間清掃具は、インサート成形により形成される清掃用軟質部に、芯基材部の長手方向に交差する方向に細長い形状の複数の凹部を設けることで、芯基材部を被覆する芯被覆部に多数の突起部を欠落することなく配置することができる。そのため、突起部による清掃性を従来よりも向上させることができる。また、突起部により除去された食物残渣や歯垢等は被覆部表面で捕捉され、保持されるため、長手方向に交差する方向に細長い形状の凹部にこれらが入り込むことで、より多くの食物残渣等を確実に被覆部表面に捕捉することが期待でき、清掃性をより向上させることが期待できる。
また、歯間清掃具に殺菌剤を保持させる場合には、被覆部に凹部を形成するとともに、突起部も従来のように欠落なく多数設けることができるため、表面積を大きくすることができる。そのため、殺菌剤を従来より多く付着させることができ、殺菌剤の効果がより期待できる。
本発明に係る歯間清掃具の製造方法によれば、このような歯間清掃具を効率よく製造することができる。
(a)本発明に係る歯間清掃具の実施形態を模式的に示した正面図である。(b)本発明に係る歯間清掃具の実施形態を模式的に示した右側面面図である。 (a)図1(a)の清掃部の拡大図である。(b)図1(b)の清掃部の拡大図である。(c)図2(a)のII−II線近傍の拡大図である。 図2(a)のI−I断面図である。 図2(a)のII−II断面図である。 本発明に係る歯間清掃具の連結体の実施形態を模式的に示した正面図である。 金型による軟質部の成形方法の説明図である。 (a)金型の清掃用軟質部成形部付近の拡大正面図である。(b)金型の清掃用軟質部成形部付近の保持ピン突出前の状態を説明する拡大図である。(c)金型の清掃用軟質部成形部付近の拡大底面図である。 金型の清掃用軟質部成形部付近の保持ピン突出し、エラストマ材料を充填した後の状態を説明する拡大図である。
以下、本発明の実施形態を、適宜図面を参照しつつ説明する。
<歯間清掃具>
本発明の歯間清掃具は、合成樹脂からなる基材部と、該基材部の少なくとも一部を被覆するエラストマからなる軟質部とを備え、前記基材部は、ハンドル基材部と、該ハンドル基材部の先端部に連設した細長い軸状の芯基材部とを有し、前記軟質部は、前記芯基材部をインサート成形により被覆する清掃用軟質部を少なくとも有し、前記ハンドル基材部からなる持ち手としてのハンドル部と、前記芯基材部と清掃用軟質部とからなる歯間清掃用の清掃部とを備えるものである。
そして、前記清掃用軟質部は、芯基材部を被覆する芯被覆部と、該芯被覆部に一体的に形成され、芯基材部の長手方向に間隔をあけて外方へ突出状に形成された多数の突起部と、前記芯被覆部の複数の突起部間に形成され、前記長手方向に交差する方向に細長い形状の複数の凹部と、を有する。
このように、本発明の歯間清掃具では、インサート成形により形成される清掃用軟質部が、多数の突起部と、複数の突起部間に形成される複数の凹部とを有する。この凹部は、前記長手方向に交差する方向に細長い形状を有する。このような凹部は、後述するように保持ピンで形成することが好ましいが、従来のように断面円形等の保持ピンでは、インサート成形時に樹脂の充填圧に抗してある程度の保持力を確保するには相応の断面積が必要になるため、突起部を欠落させざるを得ないと考えられていた。ところが、本発明者らは本発明のように凹部を上述したような形状にすることで、インサート成形により形成される清掃用軟質部において多数形成された突起部の間に凹部を容易に配置することができることを見出した。尚、保持ピンの詳細は後述する。
このように、特定構造の凹部を形成することができるため、前述したように突起部を欠落させる必要がない。その結果、突起部による清掃性を向上させることができる。また、この凹部は、長手方向に交差する方向に細長い形状を有する。つまり、凹部は歯間を清掃する時の歯間清掃具を動かす方向に対して交差する方向に形成され、かつ、その交差方向に幅広く形成されることになる。したがって、清掃時に、歯の表面から剥離された歯垢等を効率よく凹部に捕捉することができ、清掃性をより向上させることができる。
本発明の歯間清掃具の実施形態としては、例えば図1〜4に示すような構造を有するものが挙げられる。また、図5に示すように、図1〜4に示すような構造の歯間清掃具を切り離し可能に複数個並列状に連結した歯間清掃具連結体1Aの形態にし、歯間清掃具連結体1Aから歯間清掃具1を連結部13において切り離して歯間清掃具1を使用可能に構成してもよい。尚、連結部13の構成は、例えば特許文献2の構成を採用することができる。
図1に示す実施形態の歯間清掃具1は、その機能で区別すると、歯間清掃用の清掃部2と、持ち手としてのハンドル部3とを備え、その素材で区別すると、合成樹脂からなる基材部10と、エラストマからなる軟質部20とを備えている。
(基材部)
基材部10は、ハンドル部3を構成する扁平な細長い板状のハンドル基材部11と、ハンドル基材部11の先端部に連設した細長い軸状の芯基材部12とを備える。
ハンドル基材部11は、扁平な細長い板状に形成したが、手で保持して歯間を清掃し易い形状であれば、扁平な細長い板状以外の任意の形状、例えば円形や楕円形や多角形などの横断面形状の棒状に形成することもできる。ハンドル基材部11の先端部は芯基材部12側へ行くにしたがって幅狭に構成されて、芯基材部12に滑らかに連設されている。ハンドル基材部11の寸法は、手で保持して歯間を清掃し易い寸法であれば任意の寸法に設定でき、図1に示す形状のハンドル基材部11では、例えば長さL1は10mm〜25mm、幅W1は4mm〜10mm、把持部分の厚さt1は1.0mm〜2.0mmに設定できる。このように、ハンドル基材部11を薄肉に構成しているので、基材部10を成形するときに、ハンドル基材部11の収縮による寸法バラツキを少なくできるとともに、ヒケを防止して、軟質部20を成形するための金型40、41への基材部10の装填不良を防止できる。
芯基材部12は、略直線状の細長い軸状に形成され、芯基材部12の把持部側には外部に露出する露出部12aが形成され、芯基材部12の先端側部分にはエラストマが被覆されて歯間に挿入可能な芯本体12bが形成される。
芯基材部12の構造は特に限定はないが、歯間に対する清掃部の挿入性を向上できるとともに、歯間清掃時に、各々大きさの異なる歯間鼓形空隙部の歯間乳頭部を1本の歯間清掃具を用いて無理なく優しくマッサージできるという付加的効果も得られることから、芯基材部12をその先端側へ行くにしたがって縮径するテーパ形状に形成することが好ましく、芯基材部12の長さ方向中心線に対するテーパ形状のなす角度θを0.2°〜2.5°に設定することがより好ましく、0.2°〜1.8°に設定することがさらに好ましい。
幅狭に構成されるハンドル基材部11の先端部側面のアール(湾曲部)の終点から軟質部20の被覆部20aの基端部までの芯基材部12の露出部12aの長さL2は、操作性を考慮して、例えば10mm〜50mm、好ましくは10mm〜25mmに設定され、清掃用軟質部21の長さL3は歯間に対する清掃性を考慮して、例えば12mm〜22mmに設定されるのが好ましい。
芯本体12bの先端側部分の直径は0.4mm〜0.6mmに設定され、芯本体12bの基端部の直径は0.8mm〜2.0mmに設定され、また清掃用軟質部21の芯被覆部21aの先端部分の曲面終端部における直径Dは0.5〜1.2mmに設定され、芯本体12bの先端部から少なくとも5mm以上の芯本体12bの先端側部分を確実に歯間に挿入できるように構成されている。
ただし、芯基材部12のテーパ形状のなす角度θは、芯基材部12の全長にわたって同じ角度θに設定したが、芯基材部12の先端側へ行くにしたがって連続的或いは段階的に小さくなるように設定することもできる。また、露出部12aを全長にわたって同じ直径の軸状に形成し、芯本体12bのみを先端側へ行くにしたがって縮径する緩やかなテーパ形状に形成することもできる。更に、露出部12aを省略し、芯本体12bをハンドル基材部11に直接的に連設することも可能である。
基材部10を構成する合成樹脂材料としては、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、飽和ポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、プロピオン酸セルロース、ポリウレタン、ポリアミド、ポリカーボネート、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)などの熱可塑性合成樹脂材料を採用できる。特に、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)は、基材部10の折れを防止できることから好ましく、ポリプロピレンは、成形温度が低く、サイクルタイムを短縮して生産性を向上できるとともに、成形設備に対する熱負荷が少ないことから最も好ましい。
本発明では、基材部10を構成する合成樹脂材料に対して繊維材や鉱物等の添加剤を添加してもよい。このような繊維材としては、例えば、ガラス繊維や炭素繊維やアラミド繊維などを採用することができる。また、鉱物としては、タルクやマイカなどを採用することができる。
繊維材を使用する場合のその配合割合は、基材部10を構成する合成樹脂材料にもよるが、基本的には、12重量%未満の場合には曲り易くなって、清掃部2を歯間に挿入し難くなり、35重量%を超えると清掃部2が折れ易くなるので、12重量%以上35重量%以下に設定することが好ましく、15重量%以上35重量%以下に設定することがより好ましく、20重量%以上30重量%以下に設定することが特に好ましい。具体的には、合成樹脂材料としてポリプロピレン(PP)を用いる場合には、繊維材の配合割合を15重量%以上、35重量%以下に設定することが好ましく、ポリブチレンテレフタレート(PBT)を用いる場合には、12重量%以上、35重量%以下、15重量%以上、35重量%以下に設定することが好ましい。
繊維材や鉱物を添加すると、基材部10の寸法安定性が向上するとともに、基材部10の強度剛性が高くなって変形が効果的に防止されるため、後述するように、成形した基材部10をインサート成形の金型40、41の成形空間42に装填する場合は装填不良も防止できる。更に、繊維材により芯基材部12の熱変形温度を高くできるため、清掃用軟質部21を成形するときのエラストマ材料の熱により、芯基材部12が軟化して変形することを効果的に防止できるとともに、繊維材により強度剛性が高くなるため、エラストマ材料の射出圧による芯基材部12の変形を防止でき、清掃用軟質部21の成形不良を効果的に防止できる。
また、繊維材を使用する場合は、繊維材の長さ方向が基材部10の長さ方向に沿った方向となるように配向されていることが好ましく、このように構成することで、基材部10の曲げ強度や軸方向に対する座屈強度をより向上でき、歯間清掃具1の使用時における、芯基材部12の折れや座屈をより効果的に防止できる。また、図5に示す歯間清掃具連結体1Aにおいて、繊維材を基材部10の長さ方向に配向させた場合は、歯間清掃具連結体1Aの連結部13における切り離しが容易になる。
(軟質部)
軟質部20は、図1に示すように、エラストマ材料を用いて基材部10にインサート成形により一体成形したもので、芯基材部12に外装した清掃用軟質部21を備えている。ただし、軟質部20として、芯本体12bの基端部に歯間への挿入を規制する環状の挿入規制部を設けたり、ハンドル基材部11に滑り止め部を設けたりすることも可能である(何れも図示せず)。挿入規制部や滑り止め部は、清掃用軟質部21とは独立に成形することも可能であるが、金型構造が複雑になるので、清掃用軟質部21の基部に連なるように形成することが好ましい。
清掃用軟質部21は、芯基材部12に被覆される芯被覆部21aと、芯被覆部21aに一体的に形成され、芯基材部12の長さ方向に間隔をあけて外方へ突出状に形成した多数の突起部21bと、芯被覆部21aの複数の突起部21b間に形成され、前記長手方向に交差する方向に細長い形状の複数の凹部21cと、を有している。
芯被覆部21aの肉厚は、厚過ぎると芯被覆部21aに覆われている芯本体12bの直径を小さくする必要が生じるため、歯間への挿入時における清掃部の剛性が大きく低下するだけでなく、成形時にカルマン渦が発生し易かったりカルマン渦の影響を大きく受ける恐れがあるため好ましくなく、薄過ぎると清掃部2の基端部までエラストマ材料を充填できないので好ましくない。このため、芯被覆部21aの肉厚は、0.08mm〜0.2mmに設定することが好ましい。
突起部21bは、芯基材部12(芯被覆部21a)の長手方向に相互に間隔をあけて形成されるとともに、芯被覆部21aの周方向に間隔をあけて配置されている。より具体的には、後述する金型40、41により成形できるように、芯被覆部21aの周方向には、芯被覆部21aから型開閉方向の一側方に突出する2つ1組の突起部21bと、芯被覆部21aから型開閉方向の他側方に突出する2つ1組の突起部21bと、芯被覆部21aから合わせ面40a、41aに沿って一側方へ突出する1つの突起部21bと、芯被覆部21aから合わせ面40a、41aに沿って他側方へ突出する1つの突起部21bの計6種類の突起部21bが配置され、これら6種類の突起部21bが芯被覆部21aの長さ方向に相互に間隔をあけて複数組形成されている。この時、いずれの組の突起部21bの長さ方向の間隔も、先端側から基端側に亘り規則的にすることができる。即ち、突起部21bの欠落がない。また、このような複数組の突起部は、全体として螺旋状に規則的に並ぶように形成されていてもよい。ただし、突起部21bは、上述した以外の配列パターンで形成することも可能である。
突起部21bの基端部の断面積や長さ、個数や配設ピッチは、任意に設定可能であるが、成形性及び清掃性を考慮して、突起部21bの基端部の断面積は、0.03mm〜1.5mm程度に設定することが好ましく、突起部21bの長さは0.5mm〜2.0mm程度に設定することが好ましく、突起部21bの個数は20個〜100個に設定することが好ましく、突起部21bの配設ピッチは0.5mm〜1.5mmに設定することが好ましい。また、突起部21bとして、円錐状のものを採用したが、軸方向に扁平な平板状の先細形状のものを採用することもできる。更に、突起部21bの断面形状としては、円形以外に、楕円形や多角形などの任意の断面形状のものを採用できる。
凹部21cは、芯被覆部21aの複数の突起部21b間に複数形成され、芯基材部12(芯被覆部21a)の長手方向に交差する方向に細長い形状を有する。凹部21cは、前記長手方向に一列に並んだ一組の複数の突起部21bの隣接する突起部21bの間に形成されている。凹部21cの数は、適宜決定することができるが、清掃性、後述するインサート成形時の成形性などの観点から、列状に並んだ突起部21bのうち長手方向に隣接する突起部21b間の総数の14〜71%に凹部21cが形成されているのが好ましく、14〜42%がより好ましい。図1に示す例では、列状(1列)に並んだ突起部21bの突起部間の総数は14個であるため、凹部21cの数は、2〜10個が好ましい。
また、凹部21cの形成箇所は、後述するインサート成形時の成形性などの観点から、清掃用軟質部21の先端から基端側へ向けて2mmの範囲内の芯被覆部21aの一側面とその反対側の側面に形成されているとともに、清掃用軟質部21の基端から先端側に向けて4mmの範囲内の芯被覆部21aの一側面とその反対側の側面に形成されているのが好ましい。さらに、凹部21cを3箇所以上設ける場合は、清掃用軟質部21の先端側に多く設けるのが好ましい。特に、芯基材部12が先端側が先細りするテーパ形状の場合は、芯基材部12の先端側が剛性が低くなるため、後述するインサート成形時の芯基材部12の変形などを防止することができる。また、先端側が歯間に入りやすいため、その部分に凹部21cが多く設けられることで清掃性が向上する。
さらに、凹部21cは、芯被覆部21aの一側面にその長手方向に沿って形成されているとともに、これとは反対側の側面に長手方向に沿って形成されているのが好ましい。このように凹部21cを設けることで、歯間を清掃する場合に、歯間清掃具の対面する両側の歯において除去される歯垢等を一度に凹部21cで容易に捕捉することができる。また、インサート成形時に芯基材部12を対向する保持ピンで確実に保持することができ、芯基材部12の変形を効果的に防止することができる。
このように、凹部21cを芯被覆部21aの一側面とそれとは反対側の側面の長手方向に沿って形成した場合における、一方の側面のある1つの凹部21cと、この凹部21cに近接する他方の側面の1つの凹部21cを1対とした場合の両者の位置関係は、突起部21bの配置にもよるが、両者は長手方向にずらして配置されているのが好ましい(例えば、図2(b)参照。)。このような配置の場合、凹部21cを芯被覆部21aにより多く形成できる傾向にあり、清掃性が向上する。また、表面積を増加させることもできる。さらに、インサート成形時に芯基材部12をより多くの保持ピンで保持し易く、より確実に芯基材部12を保持し易くなる。
凹部21cの形状は、細長い形状を有していればよく、例えば、芯被覆部21aの平面視で細長い多角形状、細長い楕円状、これらに準ずる形状などが挙げられる。多角形状としては三角形、四角形以上などが挙げられる。また、凹部21cの底面部は、凹部21c芯基材部12の表面に沿うように形成されるのが好ましい。これにより、芯被覆部21aの厚みを抑制しつつ、凹部21cの深さを確保できる傾向にある。
凹部21cの大きさは、突起部21bの配置や形状によるが、例えば、芯被覆部21aの平面視で細長い四角形状の場合、交差方向の長さは、同平面視で芯被覆部21aの一方の側部から他方の側部に亘る直線距離L5の45%〜100%が好ましく、50%〜85%がより好ましい。また、交差方向に直交する最大幅W2は、交差方向の長さの5%〜60%が好ましく、7%〜25%がより好ましい。凹部21cの最大深さは、芯被覆部21aの厚みによるが、厚みの80%〜100%が好ましく、90%〜100%がより好ましい。
芯基材部12(芯被覆部21a)の長手方向中心軸に交差する凹部21cの角度αとしては、突起部21bの配置によるが、0°より大きく90°以下であるのが好ましく、成形時の不良防止、金型強度の観点からは、50°〜70°がより好ましい。
軟質部20を構成するエラストマとしては、スチレン系、オレフィン系、ポリアミド系(例えば、6ナイロン、6−6ナイロン、6−10ナイロン、6−12ナイロン等をハードセグメントとして有するナイロン系エラストマ)、ウレタン系、フッ素系等の熱可塑性エラストマや、シリコーンゴム、天然ゴム、合成ゴムなどの熱硬化性エラストマなどを採用できる。特に、基材部10を構成する合成樹脂材料との相溶性を有する材料が好ましく、例えば基材部10をポリプロピレンで構成する場合には、軟質部20をオレフィン系エラストマ又はスチレン系エラストマで構成することが好ましい。
本発明では、清掃用軟質部12の表面に殺菌剤が放出可能に固着されていてもよい。殺菌剤が、歯間清掃中に唾液等により清掃用軟質部12の表面から溶出することで歯表面や歯茎等に存在する細菌に作用して歯間の清掃性をより向上させることができる。
前述のように、軟質部20を構成するエラストマとして各種のものを使用可能であるが、殺菌剤を放出可能に固着する場合は、ショアA硬度が25〜50であるスチレン系エラストマが好ましい。また、スチレン系エラストマのショアA硬度としては30〜40がより好ましい。このような材質のエラストマを用いることにより、殺菌剤の固着量を増加させることができるとともに、歯間清掃時には殺菌剤を適度に徐放することができる。
本発明において使用可能な殺菌剤としては、口腔内細菌等に対する殺菌作用が認められるものであれば特に限定はなく、例えば、カチオン性殺菌剤、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、ヒノキチオール、ラウロイルサルコシンナトリウム等が挙げられる。これらは、1種でも良いし、2種以上組み合わせてもよい。
また、このうち、殺菌性の観点から、カチオン性殺菌剤が好ましい。このようなカチオン性殺菌剤としては、例えば、塩化セチルピリジニウム(CPC)、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン、塩化デカリニウム、塩化ベンザルコニウム等が挙げられる。これらは、1種でも良いし、2種以上組み合わせてもよい。このうち、殺菌性、安全性の観点から、塩化セチルピリジニウムが好ましい。
殺菌剤の固着量は、歯間を清掃中に殺菌作用を効果的に発揮させ得る観点から、2.00μg以上が好ましい。
前述のように、本発明では、清掃用軟質部を構成するエラストマとしてショアA硬度が25〜50であるスチレン系エラストマを採用することで、殺菌剤の固着量を確保することができるとともに、歯間清掃中に効果的に殺菌剤を放出することができる。また、上述した特定の凹部を形成することで芯被覆部21aの表面積をより向上させることができるため、固着量をより多くすることが期待できる。また、凹部に捕捉した歯垢等に含まれる口腔内細菌を効果的に殺菌することが期待できる。
尚、殺菌剤の放出特性は、例えば次のようにして測定することができる。
ブレインハートインヒュージョン(BHI)培地にテストピースを設置し、嫌気条件で、37℃、3日間、S.mutansを培養した後、テストピース(例えば、歯間清掃具の清掃部や、25mm×5mm×2mmの試験片など。)の中心点から、その長辺方向に対して直交する方向に、S.mutansの存在が認められない円(阻止円)の幅を測定する。経験上、阻止円の幅が10.5mm以上である場合に良好な放出特性があると判断できる。
本発明では、殺菌剤以外に、必要に応じて、他の成分が付着されていてもよい。例えば、グリセリンなどの多価アルコール、ミントなどの香料、ステビアやサッカリンなどの甘味料、クエン酸などの有機酸、有機酸の塩や無水物、硫酸ナトリウムなどの無機塩、色素、界面活性剤などが挙げられる。
<製造方法>
(歯間清掃具の製造方法)
本発明に係る歯間清掃具の製造方法は、合成樹脂からなる基材部と、該基材部の少なくとも一部を被覆するエラストマからなる軟質部とを備え、前記基材部は、ハンドル基材部と、該ハンドル基材部の先端部に連設した細長い軸状の芯基材部とを有し、前記軟質部は、前記芯基材部をインサート成形により被覆する清掃用軟質部を少なくとも有し、前記ハンドル基材部からなる持ち手としてのハンドル部と、前記芯基材部と清掃用軟質部とからなる歯間清掃用の清掃部とを備える。
そして、この製造方法では、前記基材部の芯基材部の少なくとも一部を前記軟質部を成形する金型の成形空間にセットし、金型の合わせ面と略直交状に清掃用軟質部成形部内に突出するように対向配置した2本の保持ピンを1組とする少なくとも2組の保持ピンで、前記芯基材部の先端側部分と基端側部分を含む芯基材部の長さ方向の2か所以上を清掃用軟質部成形部の略中央部にそれぞれ保持した状態で、前記清掃用軟質部成形部に対して先端側から基端部側へ向けてエラストマ材料が充填されるように、成形空間にエラストマ材料を充填して軟質部を成形する工程を有する。
この工程において使用する前記金型の清掃用軟質部成形部は、芯基材部を被覆する芯被覆部を成形する芯被覆部成形部と、前記芯被覆部に一体的に形成され、芯基材部の長手方向に間隔をあけて外方へ突出状に形成された多数の突起部を成形する多数の突起部成形部とを有する。
また、前記保持ピンは、芯基材部の長手方向に交差する方向に細長い先端部形状を有し、前記突起部成形部の間の前記芯被覆部成形部から前記清掃用軟質部成形部内に突出するように配置され、芯基材部を保持した部分に、前記芯被覆部の複数の突起部間に形成された、前記長手方向に交差する方向に細長い形状の複数の凹部を形成する。
このように、本発明の製造方法では、保持ピンを、芯基材部の長手方向に交差する方向に細長い先端部形状を有するように構成した。このため、保持ピンを、金型に形成された突起部成形部の間の芯被覆部成形部から清掃用軟質部成形部内に突出させることができる。つまり、保持ピンを設けるために突起部成形部を潰す必要がない。
また、突起部成形部を潰すことなく、保持ピンを多数設けることができる。そのため、芯基材部を安定して支持することができる。また、エラストマ材料の射出圧や射出時の熱による変形を防止することができる。これらの結果、歯間清掃具や歯間清掃具連結体を安定して生産することができる。
さらに、芯被覆部に多数の突起部と凹部を形成することもできるため、歯間清掃具の清掃性を向上させることができる。また、殺菌剤を固着させる場合、表面積を増やすことができるため、殺菌剤の固着量を増やすことができる。
本発明の歯間清掃具の製造方法の実施形態を、図1〜4に示す歯間清掃具1を例にして、図6〜8を参照しつつ説明する。
本発明の歯間清掃具の製造方法では、先ず、基材部10を射出成形により成形する。そして成形した基材部10を金型40、41の成形空間42にセットした後、成形空間42にエラストマ材料を充填して軟質部20を成形する。
金型40、41について説明すると、金型40、41には、成形した基材部10に対応する位置に成形空間42が形成される。金型40、41と基材部10間には成形空間42として、芯基材部12を取り囲む清掃用軟質部成形部46が形成されている。また、金型40、41に形成される清掃用軟質部成形部46は、金型40、41にそれぞれ形成される2つ1組の突起部21bと、金型40、41の合わせ面40a、41aに沿って突出する2つの突起部21bとを成形する突起部成形部46b、及び、芯被覆部21aを成形する芯被覆部成形部46cを備える。突起部21bを規則的に多数設けるとともに、保持ピンを多数設ける観点から、突起部成形部46bは、成形空間42にセットされた芯基材部12の長手方向に沿って複数の列状に並んでいるのが好ましい。
清掃用軟質部成形部46の先端側において金型40、41の合わせ面40a、41aには、清掃用軟質部成形部46の先端部に開口するゲート47が形成され、ゲート47は金型40、41に形成したランナ48に連通され、ランナ48からゲート47を経て成形空間42にエラストマ材料が供給されるように構成されている。なお、ゲート47の直径は0.1mm以上1.0mm以下に設定することが好ましい。
金型40、41には、清掃用軟質部成形部46の先端側部分と途中部と基端側部分とにそれぞれ対応させて1対の先端側保持ピン50と複数の1対の途中部保持ピン51(ただし、この途中部保持ピン51は、必要に応じて設けているが、省略することもある。)と1対の基端側保持ピン52とが設けられるのが好ましい。また、これら一対の保持ピン50〜52は、金型40、41の合わせ面40a、41aと略直交方向、言い換えると金型40、41の型開閉方向に移動自在に設けられるのが好ましい。このように構成すると、図8に示すように、これら一対の保持ピン50〜52の先端部を清掃用軟質部成形部46内に突出させて、各組の保持ピン50〜52の先端部間に芯基材部12を挟持することで、清掃用軟質部成形部46の中央部に精度良く位置決め保持できる。
保持ピン50〜52は、突起部成形部46bの間の芯被覆部成形部46cから清掃用軟質部成形部46内に突出するように配置される。また、一対の保持ピン50〜52は、清掃用軟質部成形部46の長手方向にずらして配置するのが好ましく、一方の保持ピンの仮想延長部分が他方の保持ピンと接しないように、相互に互い違いに配置するのがより好ましい(例えば、図7(b)参照。)。これにより、突起部成形部46bの間により多くの保持ピン50〜52を配置できる傾向にあるため、インサート成形時に芯基材部12をより多くの保持ピンで保持することができ、より確実に芯基材部12を保持できる。また、保持ピンで保持した部分に凹部21cが形成されるため、凹部21cを芯被覆部21aにより多く形成できる傾向にあり、清掃性を向上することができる傾向にある。
保持ピン50〜52は、芯基材部12の長手方向に沿って複数の列状に並べられた隣接する突起部成形部46bの間に設けるのが好ましい。また、突起部成形部46bが多数の場合は、列状に並べられた隣接する突起部成形部46bの間には1つの保持ピン50〜52を設けるのが好ましい。さらに、保持ピン50〜52は、列状に並べられた突起部成形部46bにおいてその隣接する突起部成形部46b間の総数の14〜71%に配置するのが好ましく、14〜42%がより好ましい。図6に示す例では、列状に並んだ突起部成形部46bの突起部成形部46b間の総数は14個(14組)であるため、保持ピン50〜52の数は、2〜10個(2〜10組)が好ましく、2〜6個(2〜6組)がより好ましい。但し、保持ピンの数が2個(2組)の場合は、先端側保持ピン50と基端側保持ピン52とで構成される。
保持ピン50〜52の先端部形状は、芯基材部12の長手方向に交差する方向に細長い形状を有しておればよい。細長い形状とは、長手方向の最大幅と短手方向の最大幅の比(長/短)が5/3以上であるものを意味する。また、芯基材部12の保持力、凹部21cの表面積を確保する観点からは、20/1以下が好ましく、13/1以下がより好ましい。
保持ピンの先端部形状としては、具体的には、例えば、保持ピン50〜52の長手方向に直交する方向の断面(横断面)が細長い多角形状、細長い楕円形状、これらに準ずる細長い形状であるのが好ましい。また、多角形のうち、保持ピンの作製し易さ、安定した芯基材部の保持のため、四角形がより好ましい。即ち、横断面が細長い四角形状であるのがより好ましい。
芯基材部12の長手方向中心軸に交差する保持ピン50〜52の角度βとしては、突起部成形部46bの配置によるが、0°より大きく90°以下であるのが好ましく、成形時の不良防止、金型強度の観点からは、50°〜70°がより好ましい。
保持ピン50〜52のうちの芯基材部12に当接する先端面は、保持ピン50〜52の軸方向と直交する平坦な面で構成してもよいし、芯基材部12の外周面に沿った円弧面、外周面より小さな曲率の円弧面で構成してもよい。このうち、外周面に沿った面形状(図1に示す芯基材部12に対しては円弧面形状)の場合は、芯基材部のホールド性をより向上できる点で好ましい。
保持ピン50〜52の断面積は、先端側保持ピン50、複数の途中部保持ピン51、基端側保持ピン52の順番で大きくなるように構成されている。また、複数の途中部保持ピン51も、先端側から基端側に向かうに従い断面積が大きくなるように構成されている。清掃用軟質部成形部46の先端側部分は通路面積が小さくなるので、先端側保持ピン50の断面積を最も小さくすることで、エラストマ材料の流通抵抗を極力小さく設定するとともに、成形時に発生するカルマン渦の影響を抑えることにより、清掃用軟質部成形部46に対するエラストマ材料の充填不良を防止できるとともに、芯基材部12の過度の溶融を防止できる。もっとも、保持ピン50〜52の断面積は同じに設定することも可能である。
先端側保持ピン50は、清掃用軟質部成形部46の先端部46aから基端側へ向けて2mmの範囲内に相当する芯基材部部分に先端が接する位置に設けられ、その先端側保持ピン50の芯基材部12に接する部分の断面積は0.03mm〜0.2mmに設定されるのが好ましい。なお、「芯基材部に接する部分の断面積」は、保持ピンの先端付近の横断面積を意味する場合がある。また、基端側保持ピン52は、清掃用軟質部成形部46の基端部から先端側へ向けて4mmの範囲内に相当する芯基材部部分に先端が接する位置に設けられ、その基端側保持ピン52の先端付近の断面積は0.05mm〜0.5mmに設定されるのが好ましい。また、途中部保持ピン51は、先端側保持ピン50と基端側保持ピン52の間に上述した数が配置される。複数個設ける場合は、先端側に多く配分するのが好ましい。また、途中部保持ピン51の先端付近の断面積は0.04mm〜0.3mmに設定されるのが好ましく、先端側から基端側に向かうに従い大きくなるように設定されるのが好ましい。
以上のような構成により、成形時における芯基材部12の固定を確実にするだけでなく、成形時に発生するカルマン渦による成形体への影響を防止することが期待できる。
図7に示すように、成形空間42に芯基材部12をセットして型閉じした状態で、図8に示すように、1対の先端側保持ピン50と、1対の複数の途中部保持ピン51と、1対の基端側保持ピン52とを清掃用軟質部成形部46内に突出させて、これら複数組の保持ピン50〜52により芯基材部12を保持し、ランナ48を通じてゲート47にエラストマ材料を射出供給して、清掃用軟質部成形部46へエラストマ材料を充填する。そして、芯基材部12を保持した部分に、芯被覆部21aの複数の突起部21b間に、芯基材部12の長手方向に交差する方向に細長い形状の複数の凹部21cが形成される。
このとき、保持ピン50〜52の断面積を清掃用軟質部成形部46の基部側へ行くにしたがって大きく設定していると、清掃用軟質部成形部46の先端部からの基端側へのエラストマ材料の充填が保持ピン50〜52により極力阻害されないようにしつつ、保持ピン50〜52と芯基材部12との接触面積を増やして、芯基材部12を安定性良く保持できることになり、射出圧に多少バラツキが生じたとしても、芯基材部12の湾曲を防止して、精度良くエラストマ材料からなる清掃用軟質部21を成形することができる。特に、保持ピン50〜52が、芯基材部の長手方向に交差する方向に細長い先端部形状を有し、途中部保持ピン51を多数配置することができるため、芯基材部12をより一層安定性良く保持でき、芯基材部12の射出圧等による変形をより一層効果的に防止できる。
こうして、基材部10に対して軟質部20を被覆した後、合成樹脂からなるランナ部37及びゲート部36を除去するとともに、ランナ48及びゲート47にて成形されたエラストマからなるランナ部55及びゲート部56を除去して歯間清掃具1を得ることができる。
尚、図5に示す歯間清掃具連結体1Aは、例えば、特許文献2に記載の製造方法に準じて製造することができる。
(歯間清掃具に対する殺菌剤の塗布方法)
本発明では、必要に応じて清掃用軟質部21の表面に殺菌剤を放出可能に固着するため、殺菌剤を塗布することができる。殺菌剤を塗布する方法としては、上述した殺菌剤を含む溶液を調製し、この殺菌剤溶液に先述の歯間清掃具1の清掃用軟質部21を浸漬する浸漬方法、殺菌剤溶液を清掃用軟質部21に噴霧する噴霧方法、殺菌剤溶液を回転ローラーから浸み出させながら清掃用軟質部21に塗る方法、殺菌剤溶液を刷毛により塗る方法などが挙げられる。このうち、殺菌剤の固着量を確保する観点からは、浸漬方法、噴霧方法が好ましく、浸漬方法がより好ましい。
殺菌剤溶液の調製に使用可能な溶媒としては、水、エタノール、グリセリン等が挙げられる。このうち、殺菌剤の溶解性の観点からは、水が好ましい。
殺菌剤溶液の殺菌剤の濃度は、0.001〜10重量%が好ましい。
殺菌剤溶液には、必要に応じて付着させる殺菌剤以外の他の成分が含まれていてもよい。他の成分は上述したとおりである。殺菌剤溶液は、例えば、殺菌剤、任意成分である他の成分、溶媒を混合して調製することができるが、殺菌剤を含む市販のものをそのまま又は溶媒で希釈して使用してもよい。
殺菌剤溶液を塗布した後、乾燥させることで、清掃用軟質部の表面に殺菌剤が放出可能に固着されている歯間清掃具1が得られる。乾燥処理は、例えば、20〜150℃の温度で、30秒間〜12時間行うとよい。
<試験例1>
歯間清掃具の軟質部を構成する材質の殺菌剤の固着量を確認するため、以下の試験を行った。
(試験片1〜7の調製)
長さ25mm、幅5mm、厚み2mmの直方体の下記の各種エラストマ材料からなるテストピースを用意した。また、塩化セチルピリジニウム配合液体製剤(サンスター株式会社製、バトラークリーンマウスウォッシュ)を蒸留水で10倍希釈し、塩化セチルピリジニウム(CPC)溶液を調製した。
調製した殺菌剤溶液にテストピースを5秒間浸漬した後、室温、一晩乾燥し、殺菌剤が放出可能に固着されている試験片1〜7を得た。
尚、各種エラストマ材料は以下の通りである。
・スチレン系エラストマ(ショア30A):KRAIBURG社製、商品名「TF3BNA」
・スチレン系エラストマ(ショア40A):KRAIBURG社製、商品名「TF4BNA」
・スチレン系エラストマ(ショア50A):KRAIBURG社製、商品名「TF5BNA」
・スチレン系エラストマ(ショア60A):KRAIBURG社製、商品名「TF6BNA」
・ポリエステル系エラストマ:東洋紡株式会社製、商品名「ペルプレン」
・オレフィン系エラストマ(ショア65A):三菱化学株式会社製、商品名「サーモラン3655N」
・オレフィン系エラストマ(ショア75A):三菱化学株式会社製、商品名「サーモラン3755N」
(CPC付着量の測定)
試験片を抽出液(10mMラウリル硫酸ナトリウム、40mMクエン酸緩衝液(pH3.0)/アセトニトリル=25/75)1mLに入れて、超音波処理10分、ボルテックスミキサーで撹拌処理10分行い、サンプルを得た。このサンプルを高速液体クロマトグラフィ(島津製作所社製、製品名LC−10A)により測定した。
高速液体クロマトグラフィの条件は下記の通りである。
検出器:紫外吸光光度計
測定波長:258nm
カラム:ODSカラム(メルク社製、LiChroCART250-4 LiChrospher 60 RP-SelectB(5μm))、内径4mm、長さ25cm
カラム温度:40℃
移動相:10mMラウリル硫酸ナトリウム、40mMクエン酸緩衝液(pH3.0)/アセトニトリル=25/75
流速:CPCの保持時間を約9分に設定
テストピースを構成する材料の種類(エラストマ材料及びそのショアA硬度)、CPC付着量を表1に示す。
Figure 2016087362
<試験例2>
歯間清掃具の軟質部を構成する材質の殺菌剤の放出特性への影響を確認するため、以下の試験を行った。
(試験片8〜14の調製)
殺菌剤溶液として、塩化セチルピリジニウム配合液体製剤(サンスター株式会社製、バトラークリーンマウスウォッシュ)を原液のまま用い、テストピースを7時間浸漬した以外は、試験片1、2、4〜7と同様にして試験片8〜13を調製した。
(CPCの放出特性の評価)
ブレインハートインヒュージョン(BHI)培地(日本ベクトン・ディッキンソン社製、商品名「Difco Brain Haert Infusion Agar)に前述のようにして得られたテストピースを、厚み方向が培地面に交差するように設置し、嫌気条件で、37℃、3日間、S.mutansを培養した。テストピースの長さ方向及び幅方向の中間点(中心点)から、長さ方向に直交し幅方向に平行な方向において、S.mutansの存在が認められない円(阻止円)の幅を測定した。
テストピースを構成する材料の種類、阻止円幅を表2に示す。
Figure 2016087362
表1に示すように、試験片1〜3では、CPC付着量が2.00μg以上で、十分な付着量が確保できていることが分かる。また、表2に示すように、試験片8、9では、阻止円幅が10.5mm以上であり、良好な放出特性を有することが分かる。一方、試験片4〜7及び試験片10〜13では、CPCの付着量又は阻止円幅が低いことがわかる。
1 歯間清掃具
2 清掃部
3 ハンドル部
10 基材部
11 ハンドル基材部
12 芯基材部
12a 露出部
12b 芯本体
13 連結部
20 軟質部
21 清掃用軟質部
21a 被覆部
21b 突起部
21c 凹部
40、41 金型
40a、41a 合わせ面
42 成形空間
46 清掃用軟質部成形部
46a 先端部
46b 突起部成形部
46c 芯被覆部成形部
47 ゲート
48 ランナ
50 先端側保持ピン
51 途中部保持ピン
52 基端側保持ピン
55 ランナ部
56 ゲート部

Claims (12)

  1. 合成樹脂からなる基材部と、該基材部の少なくとも一部を被覆するエラストマからなる軟質部とを備え、前記基材部は、ハンドル基材部と、該ハンドル基材部の先端部に連設した細長い軸状の芯基材部とを有し、前記軟質部は、前記芯基材部をインサート成形により被覆する清掃用軟質部を少なくとも有し、前記ハンドル基材部からなる持ち手としてのハンドル部と、前記芯基材部と清掃用軟質部とからなる歯間清掃用の清掃部とを備えた歯間清掃具であって、
    前記清掃用軟質部は、芯基材部を被覆する芯被覆部と、該芯被覆部に一体的に形成され、芯基材部の長手方向に間隔をあけて外方へ突出状に形成された多数の突起部と、前記芯被覆部の複数の突起部間に形成され、前記長手方向に交差する方向に細長い形状の複数の凹部と、を有する歯間清掃具。
  2. 前記複数の凹部は、前記芯被覆部の一側面に前記長手方向に沿って形成されているとともに、これとは反対側の側面に前記長手方向に沿って形成されている請求項1記載の歯間清掃具。
  3. 前記凹部が、前記清掃用軟質部の先端から基端側へ向けて2mmの範囲内の芯被覆部の一側面とその反対側の側面に形成されているとともに、前記清掃用軟質部の基端から先端側に向けて4mmの範囲内の芯被覆部の一側面とその反対側の側面に形成されている請求項1又は2に記載の歯間清掃具。
  4. 前記突起部が、前記芯被覆部の一側面及びその反対側の側面に前記長手方向に沿って列状に並んでおり、各列状に並んだ突起部のうち長手方向に隣接する突起部間の総数の14〜71%に前記凹部が形成されている請求項1〜3の何れかに記載の歯間清掃具。
  5. 前記エラストマは、ショアA硬度が25〜50であるスチレン系エラストマであり、
    前記清掃用軟質部の表面に殺菌剤が放出可能に固着されている請求項1〜4の何れかに記載の歯間清掃具。
  6. 前記殺菌剤が、カチオン性殺菌剤、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、ヒノキチオール、ラウロイルサルコシンナトリウムから選択される少なくとも1種である請求項1〜5の何れかに記載の歯間清掃具。
  7. 前記殺菌剤が、カチオン性殺菌剤であり、
    該カチオン性殺菌剤が、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン、塩化デカリニウム、塩化ベンザルコニウムから選択される少なくとも1種である請求項6に記載の歯間清掃具。
  8. 殺菌剤の固着量が、2.00μg以上である請求項1〜7の何れかに記載の歯間清掃具。
  9. 合成樹脂からなる基材部と、該基材部の少なくとも一部を被覆するエラストマからなる軟質部とを備え、前記基材部は、ハンドル基材部と、該ハンドル基材部の先端部に連設した細長い軸状の芯基材部とを有し、前記軟質部は、前記芯基材部をインサート成形により被覆する清掃用軟質部を少なくとも有し、前記ハンドル基材部からなる持ち手としてのハンドル部と、前記芯基材部と清掃用軟質部とからなる歯間清掃用の清掃部とを備えた歯間清掃具の製造方法であって、
    前記基材部の芯基材部の少なくとも一部を前記軟質部を成形する金型の成形空間にセットし、金型の合わせ面と略直交状に清掃用軟質部成形部内に突出するように対向配置した2本の保持ピンを1組とする少なくとも2組の保持ピンで、前記芯基材部の先端側部分と基端側部分を含む芯基材部の長さ方向の2か所以上を清掃用軟質部成形部の略中央部にそれぞれ保持した状態で、前記清掃用軟質部成形部に対して先端側から基端部側へ向けてエラストマ材料が充填されるように、成形空間にエラストマ材料を充填して軟質部を成形する工程を有し、
    前記金型の清掃用軟質部成形部は、芯基材部を被覆する芯被覆部を成形する芯被覆部成形部と、前記芯被覆部に一体的に形成され、芯基材部の長手方向に間隔をあけて外方へ突出状に形成された多数の突起部を成形する多数の突起部成形部とを有し、
    前記保持ピンは、芯基材部の長手方向に交差する方向に細長い先端部形状を有し、前記突起部成形部の間の前記芯被覆部成形部から前記清掃用軟質部成形部内に突出するように配置され、芯基材部を保持した部分に、前記芯被覆部の複数の突起部間に形成された、前記長手方向に交差する方向に細長い形状の複数の凹部を形成する歯間清掃具の製造方法。
  10. 前記保持ピンの先端部形状は、保持ピンの長手方向に直交する方向の断面が細長い四角形状である請求項9記載の歯間清掃具の製造方法。
  11. 前記芯基材部の先端側部分を保持する1組の保持ピンの芯基材部に接する部分の断面積を0.03〜0.2mmに設定するとともに、当該1組の保持ピンを清掃用軟質部成形部の先端部から基端側へ向けて2mmの範囲内に相当する芯基材部部分に先端が接する位置に配置し、前記芯基材部の基端側部分を保持する1組の保持ピンの芯基材部に接する部分の断面積を0.05〜0.5mmに設定するとともに、当該1組の保持ピンを清掃用軟質部成形部の基端部から先端側へ向けて4mmの範囲内に相当する芯基材部部分に先端が接する位置に配置した請求項9又は10に記載の歯間清掃具の製造方法。
  12. 前記突起部成形部が、芯基材部の長手方向に沿って複数の列状に並んでおり、列状に並んだ突起部成形部のうち長手方向に隣接する突起部成形部間の総数の14〜71%に前記保持ピンが配置されている請求項9〜11の何れかに記載の歯間清掃具の製造方法。
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