以下、図面を参照して、本発明を適用した好適な実施形態の一例について説明する。但し、本発明を適用可能な実施形態が以下説明する実施形態に限定されるわけではない。
[1.第1実施形態]
[1−1.遊技用システムの構成]
図1は、第1実施形態における第1遊技用システム1Aのシステム構成の一例を表す図である。
第1遊技用システム1Aは、不図示の遊技島に設置される遊技機の一種である複数のパチンコ機2と、各パチンコ機2に対応して設けられる遊技用装置及び記録媒体処理装置の一種であるカードユニット3と、各パチンコ機2に対応して設けられる遊技用装置及び情報表示装置の一種である呼出ランプ装置9と、管理装置の一種であるホールコンピュータ6と、遊技客が所持する遊技用カードを管理するための管理装置の一種であるカード管理コンピュータ7と、遊技客の貯玉数や持玉数を管理するための管理装置の一種である玉管理コンピュータ8と、カード会社12とを備えて構成される。
本実施形態におけるパチンコ機2は、遊技媒体の一種である遊技玉(パチンコ玉)を用いて遊技可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄)を可変表示して表示結果を導出表示する可変表示手段(例えば特別図柄表示器)を備え、可変表示手段に導出表示された表示結果が特定表示結果(例えば大当り図柄)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御される遊技機である。
パチンコ機2は、カードユニット3に対応して(ここではカードユニット3の右側に隣接して)設けられ、対応するカードユニット3と通信することにより、当該カードユニット3が行う玉貸処理や再プレイ処理、払出処理に応じて当該パチンコ機2から遊技玉を払い出して貸与する、いわゆるCR式のパチンコ機である。パチンコ機2は、店舗内に設けられた遊技島において機種等に従って配置されており、ユニークな台番号により個々に識別可能に構成されている。
カードユニット3は、パチンコ機2に対応して(ここではパチンコ機2の左側に隣接して)設けられる、いわゆるCRユニットであり、遊技場に会員登録をしていないビジター遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるビジターカードや、遊技場に会員登録をした会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受け付けて、該ビジターカード又は会員カード(以下、包括的に「遊技用カード」と称する。)に記録された遊技用価値特定情報(プリペイド残額データ)から特定される有価価値の大きさ(プリペイド残額)に基づき、前述した玉貸処理及び再プレイ処理や、パチンコ機2における遊技において獲得された遊技玉を計数して、該計数済みの遊技玉数の範囲内の遊技玉を払い出す払出処理を行う。
呼出ランプ装置9は、正面視で横長の箱形の形状を呈する遊技用装置及び情報表示装置の一種であり、パチンコ機2で遊技を行っている遊技者が店員を呼び出すために用いられる他、パチンコ機2からの信号を受けて該パチンコ機2に関する遊技情報を、前面に設けられた表示部に表示する。
パチンコ機2、カードユニット3及び呼出ランプ装置9は、台端末10を介してホールコンピュータ6、カード管理コンピュータ7及び玉管理コンピュータ8に接続されている。なお、図1では、簡明化のために、遊技島に設置されるパチンコ機2を4台として図示している。
[1−2.情報及び信号の流れ]
図2は、第1遊技用システム1Aの各装置間における情報及び信号の流れの一例を示す図である。なお、図2では、説明の簡明化のために、台端末10については図示を省略している。
パチンコ機2からは、大当り中信号や確変中信号、時短中信号、打込信号、賞球信号、始動信号といった遊技に係る信号がデータ表示装置4及びホールコンピュータ6に出力される。
大当り中信号は、大当り遊技状態の期間中において出力状態とされる信号である。
確変中信号は、確変状態の期間中において出力状態とされる信号である。
時短中信号は、時短状態の期間中において出力状態とされる信号である。
打込信号は、所定玉数(例えば10玉)がアウト玉計数器により計数される毎に出力される所定幅のパルス信号である。
始動信号は、特図可変表示部28の表示結果が導出表示されたときに出力される所定幅のパルス信号である。
賞球信号は、所定玉数(例えば10玉)が払い出される毎に出力される所定幅のパルス信号である。これらの信号は、遊技機から出力される遊技信号の一例である。
本実施形態では、一のパチンコ機2で遊技する遊技者がカードユニット3を操作して、自身の貯玉や持玉の一部又は全部を、他のパチンコ機2で遊技する遊技者に振り分けることが可能に構成されている。具体的には、第1遊技用システム1Aは、玉管理コンピュータ8を介して、カードユニット3間で遊技玉の振り分けを行うことが可能に構成されている。
振り分けは、基本的に振分元の遊技者と振分先の遊技者とがパチンコ機2での遊技中に行うのが前提である。しかし、必ずしもこれに限らず、振分元の遊技者と振分先の遊技者とのうちの少なくとも一方が遊技を行っていない場合であっても、所持している遊技用カードをカードユニット3に挿入することで、振り分けを行うことが可能である。
本明細書では、一の遊技者が他の遊技者に振り分ける遊技玉の玉数のことを「振分玉数」と称する。振分玉数は、一の遊技者が他の遊技者への振り分けを要求する振分要求玉数と言い換えることもできる。また、本明細書では、遊技玉の振り分けを行う振分元のカードユニット3のことを振分元カードユニット3Aと称し、遊技玉が振り分けられる振分先のカードユニット3のことを振分先カードユニット3Bと称して説明する。
振分元カードユニット3Aと振分先カードユニット3Bとは、いずれも同じ設計であるため、各カードユニット3からは同じ信号が外部装置に送信され、各カードユニット3には同じ信号が外部装置から受信されるように構成されている。しかし、図2では、説明を分かり易くするために、振分元カードユニット3Aと振分先カードユニット3Bとを別個のカードユニット3として図示した上で、振り分けの処理を行うために送受信が必要となる信号を、振分元カードユニット3Aと振分先カードユニット3Bとで区別して図示している。
振分元カードユニット3Aからは、遊技用カード(会員カード又はビジターカード)が挿入されたこと/排出されたことを示すカード挿入/排出信号と、受け付けた遊技用カードに対応付けて記憶された識別情報であるカードIDと、ローカル計数玉数と、貯玉使用によって減算更新された貯玉数と、持玉使用によって減算更新された持玉数と、振り分けの許可を要求するための振分許可要求信号と、受け付けた会員カードに対する貯玉の可否の判定を要求するための貯玉可否判定要求信号とが、玉管理コンピュータ8に送信される。
ここで、ローカル計数玉数とは、計数払出ユニット380によって計数され、カードユニット3が内部的に記憶している計数玉数であって、玉管理コンピュータ8等の管理装置が直接把握することのできないローカルな計数玉数のことを意味する。また、後述するように、貯玉数とは、玉管理コンピュータ8が管理している会員カードに対応付けられた貯蓄遊技媒体数のことを意味し、持玉数とは、玉管理コンピュータ8が管理しているビジターカードに対応付けられた貯蓄遊技媒体数のことを意味する。
また、振分先カードユニット3Bからは、カード挿入/排出信号と、カードIDと、ローカル計数玉数と、貯玉数と、持玉数と、貯玉可否判定要求信号とが、玉管理コンピュータ8に送信される。
玉管理コンピュータ8からは、振分元カードユニット3Aが受け付けた会員カードの識別情報である会員カードIDに対応付けて記憶して管理している貯玉数と、振分元カードユニット3Aが受け付けたビジターカードの識別情報であるビジターカードIDに対応付けて記憶して管理している持玉数と、振分許可要求信号の受信に応じて振分許否判定処理を行って振り分けの許否を判定した判定結果の信号である振分許可/不許可信号と、貯玉可否判定要求信号の受信に応じて貯玉の可否を判定した判定結果の信号である貯玉可能/不可信号とが、振分元カードユニット3Aに送信される。振分許可信号は、振り分けが許可されたことを示す信号であり、振り分けに成功したことを示す振分成功信号と言うこともできる。また、振分不許可信号は、振り分けが不許可とされたことを示す信号であり、振分失敗信号と言うこともできる。
また、玉管理コンピュータ8からは、振分先カードユニット3Bが受け付けた会員カードの識別情報である会員カードIDに対応付けて記憶して管理している貯玉数と、振分先カードユニット3Bが受け付けたビジターカードの識別情報であるビジターカードIDに対応付けて記憶して管理している持玉数と、振り分けを実施したこと/不実施としたことを示す振分実施/不実施信号と、貯玉可能/不可信号とが、振分先カードユニット3Bに送信される。
[1−3.パチンコ機及びカードユニットの構成]
図3は、本実施形態におけるパチンコ機2及びカードユニッ3の外観構成の一例を示す正面図である。
パチンコ機2は、額縁状に形成されたガラス扉枠22を備え、該ガラス扉枠22の下部表面には打球供給皿23を備えて構成される。打球供給皿23の上面所定箇所には、操作部14が設けられており、打球供給皿(上皿)23の下部には、打球供給皿23から溢れた遊技玉を貯留する下皿24と、打球を発射する打球操作ハンドル(以下、「打球操作ノブ」と称する。)25とが設けられている。
ガラス扉枠22の後方には、遊技盤26が着脱可能に取付けられている。また、遊技盤26の前面には遊技領域27が設けられている。この遊技領域27に向かって右側の下方領域に「特別図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示される特図可変表示部28が設けられている。
また、遊技領域27の中央部には、「演出図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示されるとともに演出映像が表示される演出可変表示部29と、「普通図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示される可変表示装置30とが設けられている。また、遊技盤26には、複数の入賞口44や通過ゲート31、始動入賞口34、可変入賞球装置36が設けられているとともに、遊技領域27の下部には、入賞しなかった打込玉を回収するアウト口46が形成されている。
これら各入賞口に打玉が入賞した(すなわち付与条件が成立した)場合には、各入賞口に応じた賞球が不図示の玉切り払い出し装置により払い出されるとともに、該玉切り払い出し装置により払い出された賞球数(付与玉数)に応じた賞球信号(10玉に1パルス)が外部に出力されることで、賞球数が外部に通知される。
また各入賞口に入賞した打玉及びアウト口46に回収された打玉の数は、該パチンコ機2に対応して設けられるアウト玉計数器(不図示)により計数され、該計数された打込玉数に応じた打込信号(10玉に1パルス)が外部に出力されることで、打込玉数が外部に通知される。
打球操作ノブ25の操作によって揺動されるハンマー(図示略)によって発射された打玉は、打球レールを通って遊技領域27に入り、その後、遊技領域27を流下していく。この際、発射勢いが弱すぎて遊技領域27に達しなかった遊技玉は、環流経路(図示略)を通じて下皿24に環流される。
また、遊技領域27に打ち込まれた打込玉が通過ゲート31を通過すると、可変表示装置30に停止表示されている普通図柄が可変開始する。
可変表示装置30の可変表示動作後の表示結果が予め定められた特別表示結果(例えば○)となった場合、始動入賞口34に設けられた可動片35が所定時間開成して、始動入賞口34が開放され(開放状態となり)、始動入賞口34への遊技玉の入賞が可能となる。すなわち、通過ゲート31の通過という普通始動条件が成立した後に、普通図柄の可変表示の開始を許容する普通開始条件(例えば普通図柄の可変表示が実行されておらず且つ可動片35が開放制御されていないこと)が成立したことに基づいて普通図柄の可変表示が実行され、表示結果として予め定められた特別表示結果が導出表示されたときに、始動入賞口34への遊技玉の入賞が可能となる(特別図柄の可変表示に係る始動条件が成立可能となる)。
また、始動入賞口34に遊技玉が入賞すると、特図可変表示部28において特別図柄が可変表示(変動表示)を開始するとともに、演出可変表示部29において演出表示が開始される。そして、その後、特図可変表示部28における特別図柄が停止し、その停止表示結果が予め定められた特定の表示態様(例えば大当り図柄)となった場合には、演出可変表示部29における左、中、右の演出図柄の可変表示も停止する。そして、その演出図柄の表示態様も予め定められた特定の表示態様(例えば777)とされることで、特定遊技状態(大当り遊技状態)が発生するとともに、大当り中信号が出力状態とされることで、該大当りの発生が外部に通知される。
また、特図可変表示部28における特別図柄が停止したときに、所定パルス幅の始動信号が出力され、特図可変表示部28における特別図柄の可変表示(変動表示)が実施されたことが外部に通知される。すなわち、始動入賞口34への遊技玉の入賞という始動条件が成立した後に、特別図柄の可変表示の開始を許容する開始条件(例えば特別図柄の可変表示が実行されておらず、且つ、大当り遊技状態にも制御されていないこと)が成立したことに基づいて特別図柄の可変表示が実行され、表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときに遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御される。
このように大当り遊技状態が発生した場合には、可変入賞球装置36に設けられた開閉板40が開成して大入賞口が開放され(開放状態となり)、大入賞口への遊技玉の入賞が可能となる。大入賞口に遊技玉が入賞すると、他の入賞口に遊技玉が入賞した場合よりも多くの賞球が付与される。そして、可変入賞球装置36に設けられた開閉板40が開成して大入賞口が開放されてから(開放状態となってから)、所定期間(例えば30秒間)の経過又は遊技玉の所定個数(例えば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立すると、開閉板40が閉成して大入賞口が閉鎖され(閉鎖状態となり)、大入賞口への遊技玉の入賞が不可能となる。上記の開放状態と閉鎖状態とは、所定の実行回数に達するまで繰り返し継続するように制御される。この制御を繰返し継続制御と称する。
上記の繰返し継続制御の実行回数は、例えば、複数存在する特定遊技状態(大当り遊技状態)の種別に応じて異なるように設定しておくことが可能である。例えば、繰返し継続制御の実行回数が15回の大当りを15ラウンド大当りとし、繰返し継続制御の実行回数が2回の大当りを2ラウンド大当りとする2種類の大当り遊技状態を設定しておき、大当り遊技状態に応じて繰返し継続制御の実行回数を異ならせるようにすることができる。
このように、大当り遊技状態では、大当り遊技状態の種別に応じた実行回数の繰返し継続制御が実行されることにより、大入賞口への遊技玉の入賞が可能な状態となるため、遊技者にとって有利な有利期間となる。
この大入賞口に打玉が入賞した(即ち付与条件が成立した)場合にも、該入賞に応じた賞球が不図示の玉切り払い出し装置により払い出されるとともに、該玉切り払い出し装置により払い出された賞球数(付与玉数)に応じた賞球信号(10玉に1パルス)が外部に出力されることで、賞球数が外部に通知される。
特図可変表示部の表示結果並びに演出可変表示部の演出図柄の表示結果が予め定められた大当り図柄の組合せで停止表示されたときには上記のように、大当り遊技状態が発生するが、これら大当り図柄に停止表示される以前の状態において、リーチ状態が発生する場合がある。
特図可変表示部28並びに演出可変表示部29で可変表示された特別図柄並びに演出図柄が所定の確率変動図柄の種類に一致した図柄の組合せで停止表示されたときには、上記の繰返し継続制御による「大当り遊技状態」の終了後に、再度大当りとなる確率が通常遊技状態(低確率状態)よりも高い確率状態となる確率変動状態となるようになっており、これら確率変動図柄での大当りを通常の大当りと区別して「確変大当り」と呼称し、これら確変大当り終了後における確率変動状態中において、確変中信号が出力状態とされることで、該確率変動状態の発生が外部に通知される。
すなわち、確率変動状態においては、大当り遊技状態に制御される割合が通常遊技状態よりも高いため遊技者にとって有利な有利期間となる。例えば、確変大当りに係る大当り遊技状態終了後から次の大当りに係る大当り遊技状態に制御されるまでの期間は、確率変動状態に制御される。なお、確変大当りに係る大当り遊技状態終了後から次の大当りに係る大当り遊技状態に制御されるよりも前に、予め定められた所定回数(例えば100回)の特定表示結果とならない可変表示が実行されたことに基づいて確率変動状態が終了するようにしてもよい(いわゆるST機であってもよい)。
また、特図可変表示部28並びに演出可変表示部29で可変表示された特別図柄並びに演出図柄が所定の確率変動図柄以外の図柄の組合せで停止表示されたときには、上記の繰返し継続制御による「大当り」の終了後に、特図可変表示部28並びに演出可変表示部29で可変表示が所定回数に達するか、又は、次の大当りが発生するまでの間、特図可変表示部28における特別図柄及び演出可変表示部29における演出図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態(非時短状態)よりも短縮される(特別図柄時短制御が実行される)時短状態となるようになっており、これら時短状態中において、時短中信号が出力状態とされることで、該時短状態の発生が外部に通知される。
特別図柄時短制御が実行されると、開始条件が成立し易くなり、特別図柄の可変表示が実行される頻度が高められて大当り遊技状態に制御され易くなるため、遊技者にとって有利な有利期間となる。また、時短状態において、普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態(非時短状態)よりも短縮される普通図柄時短制御が実行されるようにしてもよい。普通図柄時短制御が実行されると、普通開始条件が成立し易くなり普通図柄が可変表示される頻度が高められることに伴い(特別表示結果が導出表示される頻度も高まり)可動片35が開放制御される頻度も高くなるため、遊技者にとって有利な有利期間となる。また、時短状態において、普通図柄の表示結果が特別表示結果となる割合を通常遊技状態(非時短状態)よりも高める普通図柄確変制御が実行されるようにしてもよい。
普通図柄確変制御が実行されると、特別表示結果が導出表示される頻度が高まり可動片35が開放制御される頻度も高くなるため、遊技者にとって有利な有利期間となる。また、時短状態において、可動片35が開放制御される期間を延長したり、開放回数を増加させる開放延長制御が実行されるようにしてもよい。開放延長制御が実行されると、始動入賞口34への入賞頻度が高められるため、遊技者にとって有利な有利期間となる。時短状態では、上記の特別図柄時短制御、普通図柄時短制御、普通図柄確変制御、及び開放延長制御のうちの1以上の制御が実行されるようにするとよい。
時短状態は、例えば、通常大当り(確変大当りではない大当り)に係る大当り遊技状態終了後から次の大当りに係る大当り遊技状態に制御されるよりも前に、予め定められた所定回数(例えば50回)の特定表示結果とならない可変表示が実行されたことに基づいて終了する。
なお、本実施形態では、後述する潜伏確変状態に制御される場合を除き、確変変動状態は時短状態を伴うものとする。このように、本実施形態では、大当り遊技状態、確率変動状態、及び時短状態のうち少なくとも1以上の状態に制御されている期間は有利期間であるものとする。
本実施形態のパチンコ機2には、これら各信号を外部出力するための不図示の情報出力基板が搭載されており、該情報出力基板とデータ表示装置4及びホールコンピュータ6とが、不図示の信号ケーブルを介して接続されており、情報出力基板からは、大当り中信号、確変中信号、時短中信号、始動信号、賞球信号からなる外部出力信号が、信号ケーブルを介してデータ表示装置4及びホールコンピュータ6に出力される。また、これらの信号の他に、不図示のアウト玉計数器によりアウト玉が計数され、このアウト玉の計数値が所定玉数(例えば10玉)に達する毎に、所定のパルス幅の打込信号がアウト玉計数器からデータ表示装置4及びホールコンピュータ6に出力される。
大当り中信号は、大当りが発生したことを示す信号であるとともに、大当り遊技状態に制御されていることを示す信号でもある。大当り遊技状態に制御されている期間は、大当り中信号をON状態とし、大当り遊技状態に制御されていない期間は大当り中信号をOFF状態とする制御を行う。これにより、データ表示装置4やホールコンピュータ6等、パチンコ機2に接続される遊技用装置において大当りが発生したこと及び大当り遊技状態に制御されていることを特定可能となる。
確変中信号は、大当りが発生する割合が通常状態(低確率状態)よりも高められた確変状態(高確率状態)に制御されていることを示す信号である。確変状態に制御されている期間は、確変中信号をON状態とし、確変状態に制御されていない期間は確変中信号をOFF状態とする制御を行う。これにより、データ表示装置4やホールコンピュータ6等、パチンコ機2に接続される遊技用装置において確変状態に制御されていることを特定可能となる。また、大当り遊技状態の終了に伴い確変状態に制御された場合には、確変大当りが発生したことを、これらの遊技用装置で特定可能となる。また、大当り遊技状態の終了に伴い確変状態に制御されなかった場合には、通常大当りが発生したことを、これらの遊技用装置で特定可能となる。これにより、遊技用装置側では、大当りの発生回数及び確変大当りと通常大当りの内訳を集計可能となる。
時短中信号は、可変表示装置の可変表示時間を短縮する時短状態に制御されていることを示す信号である。時短状態に制御されている期間は、時短中信号をON状態とし、時短状態に制御されていない期間は時短中信号をOFF状態とする制御を行う。これにより、データ表示装置4やホールコンピュータ6等、パチンコ機2に接続される遊技用装置において時短状態に制御されていることを特定可能となる。
また、大当り遊技状態の終了に伴い確変状態に制御されたものの時短状態には制御されなかった場合には、潜伏確変大当りが発生したことを、これらの遊技用装置で特定可能となる。ここで、潜伏確変大当りとは、大入賞口の開放パターンが小当りと共通の大当りであって、大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確率状態)に制御される大当りである。なお、小当りとは、大入賞口が特定の開放パターン(例えば0.5秒の開放が2回)で開放するものの、大入賞口の開放制御終了後に遊技状態が変化していない制御態様をいう。従って、遊技者は、大入賞口が特定の開放パターンで開放されただけでは、小当りが発生したのか潜伏確変大当りが発生したのかを特定することは困難である。一方、パチンコ機2に接続される遊技用装置においては、確変状態であるにもかかわらず時短状態ではないことに基づいて、遊技者が把握困難な潜伏確変状態であることを特定可能である。
本実施形態のパチンコ機2には、該パチンコ機2における遊技を制御する遊技制御基板から、入賞に基づいて出力される賞球信号に基づいて所定数の賞球を計数して払い出す制御を行うとともに、カードユニット3で計数される遊技者のローカル計数玉数や、遊技者が所有する貯玉数/持玉数から、所定の払出単位である25玉の倍数の玉数(例えば125玉)の遊技玉を払い出す制御を行う賞球制御基板(不図示)を備えており、カードユニット3から出力される払出信号に基づいて、該払出単位の玉数の遊技玉の払い出しを行うことが可能に構成されている。また、賞球制御基板は、カードユニット3から出力される貸出関連信号に基づいて、遊技者が所有するプリペイド残額に応じた玉数の遊技玉を貸し出すことが可能に構成されている。
本実施形態では、遊技玉の払い出しや貸し出しを、カードユニット3からパチンコ機2に対して払出信号や貸出関連信号を送信するCR通信によって実現することとして説明する。なお、本実施形態とは異なり、カードユニット3の所定位置からパチンコ機2の上皿の上方位置に延出するように設けられたノズルを介して、カードユニット3が遊技玉の払い出しや貸し出しを行うようにすることも可能である。
本実施形態に例示するパチンコ機は、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄や演出図柄)の可変表示を開始させた後に表示結果を導出表示する可変表示手段(例えば特図可変表示部28や演出可変表示部29)を備え、可変表示手段に予め定められた特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御し、特定遊技状態終了後に、遊技状態を、通常状態又は通常状態よりも可変表示手段の表示結果が特定表示結果となる確率が向上した高確率状態に制御する遊技機の一例である。
また、本実施形態に例示するパチンコ機は、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄や演出図柄)の可変表示を開始させた後に表示結果を導出表示する可変表示装置(例えば特図可変表示部28や演出可変表示部29)における識別情報の可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な第1遊技状態(開放状態)と遊技者にとって不利な第2遊技状態(閉鎖状態)とのいずれかの状態に変化可能な可変入賞手段(大入賞口を開放状態又は閉鎖状態に切り替える特別可変入賞球装置)を第1状態に変化させる遊技機であって、
前記可変入賞手段を所定期間第1状態に変化させることを所定回数行う第1遊技状態(例えば最長30秒の開放を15回実行する大当り遊技状態)に制御する第1遊技状態制御手段と、
前記可変入賞手段を前記所定期間よりも短い期間及び前記所定回数より少ない回数の少なくともいずれかで第1状態に変化させる第2遊技状態(例えば最長0.5秒の開放を2回実行する大当り遊技状態(潜伏確変大当りに伴う大当り遊技状態))を実行した後、遊技状態を、通常状態よりも前記可変表示の表示結果が前記特定表示結果となる確率が向上した高確率状態に制御する第2遊技状態制御手段と、
前記可変入賞手段を前記第2遊技状態と同様に変化させる第3遊技状態(例えば最長0.5秒の開放を2回実行する小当り遊技状態)を実行した後、前記可変入賞手段を第1状態に変化させる前の遊技状態に制御する第3遊技状態制御手段と、
前記第1遊技状態に制御するか否かと、前記第2遊技状態に制御するか否かと、前記第3遊技状態に制御するか否かとを、前記可変表示の表示結果を導出表示する前に決定する事前決定手段と、
前記第2遊技状態に制御された後と前記第3遊技状態に制御された後とで、同じ演出態様となる特定演出状態に制御する演出状態制御手段と、を備える遊技機の一例である。
このような遊技機では、潜伏確変大当りが発生した場合と小当りが発生した場合とで、大入賞口の開放パターンが共通であり且つ演出態様も共通となるため、遊技者は潜伏確変大当りが発生したのか又は小当りが発生したのかを把握し難い構成となっている。
また、本実施形態に例示するパチンコ機は、
遊技媒体を遊技領域に発射することにより遊技者が遊技を行い、
前記遊技領域に設けられ、前記遊技媒体が入賞しにくい又は入賞できない不利状態(閉状態)と、前記遊技媒体が入賞し易い有利状態(開放状態)とに変化可能な可変入賞装置(可動片35(いわゆる電動チューリップ))と、
前記遊技領域に設けられた普通始動領域(通過ゲート31)を前記遊技媒体が通過したことに基づいて、各々を識別可能な複数種類の普通識別情報(普通図柄)を可変表示して、該可変表示の表示結果を普通識別情報可変表示装置(可変表示装置30)に導出表示する制御を行う普通識別情報可変表示制御手段と、
前記普通識別情報可変表示装置に導出表示された表示結果が所定の表示結果(当りを示すLEDの点灯状態)となったことに基づいて、前記可変入賞装置を有利状態に変化させる制御を行う可変入賞装置制御手段と、
所定の条件(例えば高ベース状態を伴う大当り種別(例えば潜伏確変大当り以外の大当り種別)の大当り遊技状態の終了)が成立したことに基づいて、前記可変入賞装置を有利状態とする割合の低い低ベース状態(通常状態:低ベース状態)から、前記可変入賞装置を有利状態とする割合の高い高ベース状態に制御する高ベース状態制御手段と、を備える遊技機の一例である。
このような遊技機では、例えば、低ベース状態で潜伏確変大当りが発生した場合には、大当り遊技状態終了後に高確率低ベース状態となり、小当りが発生した場合には小当り遊技状態終了後に低確率低ベース状態となるため、遊技者は大入賞口の開放制御終了後に低ベース状態に制御された場合に、潜伏確変大当りが発生したのか(高確率低ベース状態に制御されているのか)又は小当りが発生したのか(低確率低ベース状態に制御されているのか)を把握し難い構成となっている。
なお、図柄確定信号、大当り中信号、時短中信号及び確変中信号の出力経路は、本実施形態に示すものに限定されるわけではない。これらの信号は、いずれも主制御基板から出力されるようにしてもよい。例えば、主制御基板に、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄)の可変表示を開始させた後に表示結果を導出表示する可変表示手段(例えば特別図柄表示器)が接続される構成とし、この可変表示手段に予め定められた特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御する。そして、特定遊技状態終了後に、遊技状態を、通常状態又は通常状態よりも可変表示手段の表示結果が特定表示結果となる確率が向上した高確率状態に制御する。そして、主制御基板は、可変表示手段により可変表示が実行される毎に図柄確定信号を出力し、特定遊技状態に制御されている場合には大当り中信号を出力し、高確率状態に制御されている場合には確変中信号を出力し、高ベース状態に制御されている場合には時短中信号を出力するようにする。
このような遊技機において、例えば低確率低ベース状態で潜伏確変大当りが発生した場合には、大当り遊技状態終了後(大入賞口が最長0.5秒で2回開放後)に確変中信号はON、時短中信号はOFFとなり、同じく低確率低ベース状態で小当りが発生した場合には、小当り遊技状態終了後(大入賞口が最長0.5秒で2回開放後)に確変中信号はOFF、時短中信号はOFFとなる。そのため信号が入力されるデータ表示装置等の外部装置では、潜伏確変状態(確変中信号ON、時短中信号OFF)であるか否かを確変中信号と時短中信号とに基づいて判定可能となっている。
なお、本実施形態におけるパチンコ機2を、通常のパチンコ機2ではなく、後述する封入玉式のパチンコ機(以下、「封入方式パチンコ機」と称す。)2Bとすることも可能である。封入方式パチンコ機2Bでは、内部に遊技玉が封入され、遊技者が打球操作ハンドルを操作することにより、発射装置の発射モータを駆動させて封入玉を1発ずつ遊技領域に打ち込んで遊技ができるように構成されている。遊技領域に打ち込まれた遊技玉はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口に回収される。いずれかの入賞口に入賞した遊技玉及びアウト口に回収された遊技玉は、再度遊技機内の回収経路を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドルを操作することにより再びその打球発射位置の遊技玉が遊技領域に打ち込まれる。
詳細は後述するが、封入方式パチンコ機2Bでは、遊技者は持点によって遊技を行う。具体的には、発射装置に設けられた発射玉検出器により発射玉が検出される毎に持点を減算するとともに、ファール玉検出器でファール玉が検出される毎に持点を加算することで、持点を随時更新する。また、入賞口に遊技玉が入賞した場合には、その入賞口への入賞に対応した点数を持点に加算することにより、持点を随時更新する。
カードユニット3の前面には、フルカラーLEDにより構成されて複数の色に点灯することでカードユニット3の状態等を報知可能とされた多機能ランプ301と、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302と、装置前面より装置前方側に突出形成された表示装置355と、ローカル計数玉数(計数済玉数)を払い出すための計数払出操作を受付けるための払出ボタン311と、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入口309とが設けられている。
カードユニット3は、払出ボタン311の押下操作により、ローカル計数玉数のみならず、貯玉数や持玉数を払い出すことが可能に構成されている。具体的には、カードユニット3からパチンコ機2に払出信号を送信するCR通信によって、パチンコ機2に遊技玉の払い出しを行わせるように制御する。
カードユニット3の前面に設けられたカード挿入口309は、該カード挿入口309に対応する位置に内蔵されるカードリーダライタ327のカードスロット392に連設されており、このカード挿入口309を介してビジターカードや会員カードをカードスロット392に挿入可能とされている。
ここで、ビジターカード及び会員カードには、種々のデータを記憶するための不揮発性メモリと、これら記録情報の書き換えや読み出しを実施するとともに、外部のリーダライタ装置との非接触通信を実施する制御部とを有するICチップが搭載されたICカードを使用しており、これらビジターカード並びに会員カードには、個々のカードを識別可能なカードIDが予め書き換え不能に記憶されている。そして、その種別がカードIDから識別可能とされているとともに、プリペイド残額を特定可能なプリペイド残額データ等の各種データが記憶されている。
なお、会員カードは、遊技場に会員登録を実施した会員遊技者に対して発行されるものであり、該会員に対して付与される会員IDが書き換え不能に記憶されている。また、該会員カードを使用して会員遊技者は、後述するように、一度獲得して計数した遊技玉を、その翌日以降においても再度遊技に使用したり、景品交換に使用できる貯玉を行うことができるようになっているが、該会員カードには、該貯玉が行われた遊技玉数である貯玉数は直接記録されておらず、該貯玉数は、後述するように、玉管理コンピュータ8において、会員カードIDと会員IDとに対応付けて記憶されることで、該会員カードIDや会員IDから特定されるようになっている。
また、会員カードには、該会員カードを所有する遊技者が計数した計数済玉数に基づく持玉数も直接記録されておらず、該持玉数も、後述するように、会員カードIDと会員IDとに対応付けて記憶されることで、該会員カードIDや会員IDから特定されるようになっており、該持玉数をその当日においてのみ、遊技場内の各カードユニット3において遊技に使用でき、また、景品交換POS端末(不図示)において景品交換に使用できるようになっている。
また、ビジターカードは、遊技場内に設置された不図示のカード発行・入金機において、購入、発行されるとともに、カードユニット3においても発行される。なお、ビジターカードには、該ビジターカードを所有する遊技者が計数した計数済玉数に基づく持玉数と日付とが記憶されており、該持玉数をその当日においてのみ、遊技場内の各カードユニット3において遊技に使用でき、また景品交換POS端末において景品交換に使用できるようになっている。
表示装置355には、メニュー選択を行うためのメニューボタン316a、台データを表示させるための台データボタン316b、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID並びに会員IDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン316c、音量/光量を変更するための音量/光量変更ボタン316ed、左右上下キー及び決定キーで構成される十字ボタン316eでなる操作ボタン316が設けられている。
また、表示装置355には、再プレイボタン316cの操作が有効であることを報知するための再プレイ表示部317と、遊技場の係員が所持する設定用リモコンからの赤外線信号を受信して電気信号に変換して出力するIR受光ユニット315とが設けられており、該表示装置355の表面には、表示装置355に表示された各表示項目を指触により入力可能とするための透明タッチパネル314が設けられている。
なお、タッチパネル314と操作ボタン316との両方を、本発明に係る操作手段としてもよいし、タッチパネル314と操作ボタン316とのうちのいずれか一方を、本発明に係る操作手段としてもよい。つまり、操作手段として、タッチパネル314のみを設けることとしてもよいし、操作ボタン316のみを設けることとしてもよい。また、それぞれの操作手段で行うことが可能な操作を、それぞれの操作が重複しないように設定してもよいし、一部又は全部の操作が重複するように設定してもよい。
また、表示装置355の内部には、後述する液晶表示器313や各操作ボタン316に対応するスイッチが設けられており、これらが表示装置355に対応する装置内位置に設けられた表示制御基板329に接続されることで、液晶表示器313の表示制御や、透明タッチパネル314による入力位置検出等が該表示制御基板329によって実施される。
カードユニット3内の上部位置には、紙幣挿入口302に連設され、該紙幣挿入口302に投入された紙幣を取り込んでその真贋や紙幣種別の識別を実施し、その識別結果を装置略中央部に設けられている後述する制御ユニット300に出力する紙幣識別ユニット302aが設けられており、該紙幣識別ユニット302aにおいて各種紙幣(1万円、5千円、2千円、千円の各紙幣)の受付が可能とされている。
また、カードユニット3の略中央部位置には、該カードユニット3を構成する各部と接続しやすいように該カードユニット3の動作を制御する制御ユニット300が設けられており、後述するように、該制御ユニット300によって該カードユニット3の各種の動作が制御されている。
また、カードユニット3の最下方位置には、遊技玉を計数して取り込み、該計数した遊技玉を最大端数分、つまり、対応するパチンコ機2における払出単位である125個未満の単位未満端数の最大値である24個だけ貯留するとともに、該単位未満端数の遊技玉を計数して払出す計数払出ユニット380が設けられている。
計数払出ユニット380には、パチンコ機2の下皿24と、遊技島の繕板との間に配置される横長の箱状とされた連結ボックス340が連結されるようになっている。
この連結ボックス340は、連結ボックス340の終端側に形成された、高さ方向の厚みが比較的大きな終端ボックス(不図示)と、高さ方向の厚みが比較的小さく、終端ボックスと計数払出ユニットとの連結部とを繋ぐように形成された経路ボックス(不図示)とから構成されている。
連結ボックス340は、計数払出ユニット380に連結することで、終端ボックスが下皿24の下方に位置するようになっており、該終端ボックスの上面には、下皿24から排出される遊技玉が投入されるホッパ形状とされた投入部345が形成されている。また、終端ボックスの前面下部位置には、遊技者が開閉自在とされ、通常において閉状態となるように付勢されている開閉シャッタを有し、計数払出ユニット380から払い出し(返却)される端数の遊技玉が排出される返却口342が設けられている。
また、経路ボックス内の上部位置には、計数払出ユニット380に向けて傾斜するように設けられ、該投入部345に投入された遊技玉を自然流下において計数払出ユニット380に導く2条の流路から成る計数通路343が設けられている。また、該計数通路343の下方位置に返却口342に向けて傾斜するように設けられ、計数払出ユニット380から払出された遊技玉を自然流下において返却口342に導く返却通路344が設けられている。
なお、終端ボックス340aの前面上部位置には、遊技者がスライド操作可能とされた計数レバー341が設けられており、該計数レバー341を、付勢に抗してスライドさせることで、投入部345から計数通路343への侵入口に設けられた開閉シャッタ346が開放されるようになっている。
連結ボックス340が連結される計数払出ユニット380の内部には、計数通路343と連結され、カードユニット3の前面側からカードユニット3の内方側に向けて傾斜するように設けられた流入路を有し、該流入路の終端位置には、該流入路を流下する遊技玉を検出して計数する計数センサ(不図示)が各条の流路毎に設けられており、計数通路343を通じて計数払出ユニット380に流入した遊技玉が、該計数センサにより検出されて計数されるようになっている。計数センサによって計数された場合には、1球の遊技玉の検出に応じて所定パルスの検出信号が計数払出ユニット380から制御ユニット500に対して出力される。制御ユニット500は、その検出信号が入力される毎に、記憶している持玉数を1加算する。
[1−4.カードユニットの機能構成]
図4は、カードユニット3の機能構成の一例を示すブロック図である。
カードユニット3は、紙幣識別ユニット302aと、カードリーダライタ327と、表示制御基板329と、カードユニット3の各部の制御を制御プログラムにより実施して該カードユニット3の各種の機能を提供する制御ユニット300とから構成されており、紙幣識別ユニット302a、カードリーダライタ327及び表示制御基板329は制御ユニット300と接続されて各種データの送受が可能とされている。
カードリーダライタ327は、カード挿入口309から挿入される会員カード/ビジターカードに記録されている会員カードID/ビジターカードIDや、会員ID(会員カードのみ)、プリペイド残額データ等の記録情報の読み出し及び書き込みを行う。
制御ユニット300は、処理部310と、ROM320と、RAM330と、時計部335とを備えて構成される。
処理部310は、カードユニット3を統括的に制御するCPUやDSP等のプロセッサを有して構成される制御装置及び演算装置である。
ROM320は、不揮発性の読み出し専用の記憶装置であり、処理部310により読み出され、カードユニット処理として実行されるカードユニット処理プログラム321aと、振分元処理として実行される振分元処理プログラム321bと、振分許可要求処理として実行される振分許可要求プログラム321cと、振分先処理として実行される振分先処理プログラム321dと、貯玉可否判定要求処理として実行される貯玉可否判定要求プログラム321eと、特別画像表示処理として実行される特別画像表示プログラム321fと、特別画像表示用閾値テーブル323とを記憶している。
特別画像表示用閾値テーブル323は、カードユニット3の液晶表示器313に特別画像表示を行わせる際のローカル計数玉数に対する表示用閾値を定めたテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図5に示す。
特別画像表示用閾値テーブル323には、第1表示閾値と、第1非表示閾値と、第2表示閾値と、第2非表示閾値との4つの表示用閾値が定められている。
第1表示閾値は、第1所定画像を表示させるためのローカル計数玉数に対する閾値であり、例えば1000発が定められている。第1表示閾値は第1値に相当する。
第1非表示閾値は、第1所定画像を非表示とさせるためのローカル計数玉数に対する閾値であり、例えば800発が定められている。第1非表示閾値は第2値に相当する。
第1表示閾値と第1非表示閾値とは、所定玉数分の差(以下、「第1所定数」と称する。)を有するように定められている。具体的には、第1表示閾値は1000発であり、第1非表示閾値は800発であるため、第1非表示閾値は第1表示閾値よりも第1所定数として200発小さい値が定められている。このように第1表示閾値と第1非表示閾値との間に第1所定数分の差を持たせているのは、閾値間際のローカル計数玉数の増減で第1所定画像の表示非表示が頻繁に切り替わることを防止することを目的としたものである。
本実施形態において、第1所定数である200発は、所定の契機に遊技者のローカル計数玉数が減少する数に基づいて設定している。本実施形態では、所定の契機を、遊技者の払い戻し操作による遊技玉の1回の払い戻しとする場合を例示する。遊技者の払い戻し操作により、1回に125発の遊技玉が遊技者に払い戻される。つまり、1回の払い戻し操作により減少する遊技者のローカル計数玉数は125発である。この125発という払い戻し数に75発分の余裕を持たせた200発を第1所定数としている。
第2表示閾値は、第2所定画像を表示させるためのローカル計数玉数に対する閾値であり、例えば5000発が定められている。第2表示閾値は第3値に相当する。
第2非表示閾値は、第2所定画像を非表示とさせるためのローカル計数玉数に対する閾値であり、例えば4600発が定められている。第2非表示閾値は第4値に相当する。
第2表示閾値及び第2非表示閾値ついても、所定玉数分の差(以下、「第2所定数」と称する。)を有するように閾値を定めている。具体的には、上記の例では、第2表示閾値は5000発であり、第2非表示閾値は4600発であるため、第2非表示閾値は第2表示閾値よりも第2所定数として400発小さい値が定められている。このように第2表示閾値と第2非表示閾値との間に第2所定数分の差を持たせているのも、閾値間際のローカル計数玉数の増減で第2所定画像の表示非表示が頻繁に切り替わることを防止することを目的としたものである。
さらに、本実施形態では、第2所定数が第1所定数よりも大きくなるように閾値を設定している。上記の例では、第1所定数は200発であり、第2所定数は400発であるため、第2所定数の方が第1所定数よりも大きい。これは、第2所定画像を非表示とする条件を、第1所定画像を非表示とする条件と比べて厳しくすることを目的としたものである。第2所定画像は、特別画像表示用閾値が5000発や10000発といった大きな数に達した場合に表示させる第1所定画像とは異なる特別な画像であり、遊技者に優越感を与えるとともに、周囲の遊技客にアピールすることを目的としたものであるため、第1所定画像と比べて第2所定画像は非表示とされにくくなるようにしている。
なお、第1所定数及び第2所定数は、第1表示閾値を超えない数とする必要がある。
また、上記の例では、1回の払い戻し操作により遊技者のローカル計数玉数が減少する数(125発)に余裕を持たせた数(200発)を第1所定数として定めているが、これに代えて、1回の払い戻し操作により遊技者のローカル計数玉数が減少する数(125発)を第1所定数として定めておくこととしてもよい。また、第1表示閾値に基づいて第1所定数を定めることとしてもよい。この場合、好適には第1表示閾値の1/3以下の数、より好適には第1表示閾値の1/5以下の数を第1所定数として定めておくとよい。
また、本実施形態では、第2所定数は第1所定数よりも大きい数が定められていることとして説明するが、第1所定数と同じ数を第2所定数として定めておくこととしてもよい。つまり、上記の例では、第2所定数を第1所定数と同じ200発としてもよい。但し、第2所定数は第1所定数よりも大きい数であることが望ましく、好適には第1所定数の1.5倍〜2倍程度の数を第2所定数として定めておくとよい。
RAM330は、揮発性の読み書き可能な記憶装置であり、カードリーダライタ327に受付中のビジターカードや会員カードのカードID並びにプリペイド残額や、持玉数、貯蓄数、来店ポイント数、対応するパチンコ機2の台データ、遊技中の会員の遊技情報等の各種のデータを記憶する。RAM330は、不図示の電池によりバックアップされており、電源が遮断されても所定期間において記憶されているデータが保持される。
本実施形態において、RAM330には、カードデータ331と、ローカル計数玉数データ333と、当日貯玉数データ335と、過去貯玉数データ337と、持玉数データ339とが記憶される。
カードデータ331は、カードリーダライタ327によって読み出された会員カードID/ビジターカードIDや、会員ID(会員カードのみ)、プリペイド残額データ等が記憶されたデータである。
ローカル計数玉数データ333は、計数払出ユニット380によって計数された計数玉数であるローカル計数玉数が記憶されたデータである。ローカル計数玉数は、計数払出ユニット380によって計数済みの計数済玉数と同義である。
当日貯玉数データ335は、会員カードを受け付けた場合に、玉管理コンピュータ8から送信される当該会員カードの会員カードIDに対応付けられた当日貯玉数のデータである。会員カードを受け付けた際に、玉管理コンピュータ8から当日貯玉数がカードユニット3に送信され、この当日貯玉数が当日貯玉数データ335として記憶される。
過去貯玉数データ337は、会員カードを受け付けた場合に、玉管理コンピュータ8から送信される当該会員カードの会員カードIDに対応付けられた過去貯玉数のデータである。会員カードを受け付けた際に、玉管理コンピュータ8から過去貯玉数がカードユニット3に送信され、この過去貯玉数が過去貯玉数データ337として記憶される。
持玉数データ339は、ビジターカードを受け付けた場合に、玉管理コンピュータ8から送信される当該ビジターカードのビジターカードIDに対応付けられた持玉数のデータである。ビジターカードを受け付けた際に、玉管理コンピュータ8から持玉数がカードユニット3に送信され、この持玉数が持玉数データ339として記憶される。
制御ユニット300は、パチンコ機2に設けられている賞球制御基板との間で貸出関連信号を送受することによって、予め定められた単位玉数の遊技玉を遊技者に対して貸し出し可能に構成されている。従って、カードユニット3は、遊技機で遊技する遊技者に遊技媒体を貸与するための貸与処理を実行する遊技媒体貸与処理装置として機能する。また、制御ユニット300は、信号ケーブルを介して、パチンコ機2の情報出力基板と接続されることで、大当り中信号等の各種の外部出力信号が入力可能とされている。
また、制御ユニット300は、対応するパチンコ機2の下方位置に設けられているアウト玉計数器16に接続されて該アウト玉計数器16による打込信号が入力可能とされており、これらアウト玉計数器16からの打込信号の入力に応じて、総打込玉数の値に該打込信号に応じた所定数を加算更新する。
また、制御ユニット300は、計数払出ユニット380と接続されており、該計数払出ユニット380において遊技玉の計数が行われたことにより出力される計数センサ信号を入力し、該計数センサ信号に基づいてローカル計数玉数を更新する。例えば、前述したように計数払出ユニット380に流入した遊技玉が、計数センサにより検出され、1球の遊技玉の検出に応じて所定パルスの検出信号が計数払出ユニット380から制御ユニット300に対して出力される。
ローカル計数玉数は、計数払出ユニット380によって計数される遊技玉の玉数であり、遊技用カードに対応付けられておらず、カードユニット3において管理されるローカルな計数玉である。計数払出ユニット380に流入した遊技玉が計数センサにより検出され、1球の遊技玉の検出に応じて所定パルスの検出信号が計数払出ユニット380から出力されると、RAM330のローカル計数玉数データ331に“1”が加算されることで、ローカル計数玉数が1ずつ加算更新される。
また、制御ユニット300は、装置前面の表示装置355の下方位置に設けられた払出ボタン311に対応する払出ボタンスイッチ311’に接続されており、払出ボタン311の操作に応じた信号が、該払出ボタンスイッチ311’から入力されることにより、払出ボタン311の操作の有無を把握できるようになっている。払出ボタン311が押下されたことを検知すると、制御ユニット300は、所定の単位球数を遊技者に払い戻す。本実施形態では、1回の払い戻し操作で遊技者に払い戻される単位球数を125発として説明する。
制御ユニット300は、1回の払い戻し操作が行われる毎に、RAM330に記憶されている対応する玉数のデータを更新する。つまり、ローカル計数玉数を払い出した場合には、ローカル計数玉数データ333を更新し、当日貯玉数を払い出した場合には、当日貯玉数データ335を更新し、持玉数を払い出した場合には、持玉数データ339を更新する。玉数が払出単位の玉数以下(例えば125玉以下)である場合に払い戻し操作が行われた場合には、対応する玉数のデータを0に更新する。
遊技者のローカル計数玉数が増加する場合には、遊技者が計数レバー341を引いた状態としておくことでパチンコ機2から排出された遊技玉が下皿24から計数通路343に随時に流入し、計数払出ユニット380により計数されることで随時に増加する場合と、遊技者が計数レバー341を引かずにパチンコ機2から排出された遊技玉を下皿に溜めた状態としておき、ある程度遊技玉が溜まった段階で計数レバー341を引くことで、溜められた遊技玉が一気に計数通路343に流入し、計数払出ユニット380により計数されることで一気に増加する場合との2つのケースがある。
また、遊技者のローカル計数玉数が減少する場合は、遊技者の払い戻し操作により遊技玉が遊技者に払い戻される場合であり、前述したように1回の払い戻し操作による払戻数は払出単位の玉数であるため、1回の払い戻し操作により玉数は、この払出単位の玉数だけ減少する。当日貯玉数や持玉数を払い出す場合も同様である。
また、制御ユニット300には、前述したように、対応するパチンコ機2の操作部に設けられた残額表示器や、貸出ボタンの操作を検知する貸出ボタンスイッチや、受付中の会員カードやビジターカードを返却させる際に操作される返却ボタンの操作を検知する返却ボタンスイッチが接続されており、貸出ボタンの操作や返却ボタンの操作を検知できるとともに、これら残額表示器の表示制御を実施する。
制御ユニット300は、リモコンからの送信に応じたIR受光ユニット315からの出力や表示装置355に設けられている各種ボタンの操作やタッチパネルの操作に応じて表示制御基板329から入力される各種情報や、紙幣識別ユニット302aによる貨幣識別情報、並びにカードリーダライタ327からのカード挿入情報やビジターカードの貯留状態情報等を受けて、制御ユニット300に接続されている前記多機能ランプ内に設けられたフルカラーLED301a等の各LEDの点灯制御、カードリーダライタ327、表示制御基板329の制御、残額表示器の表示制御等、全体の動作制御を行う。
また、制御ユニット300は、カード挿入口309に挿入された会員カードやビジターカードの利用の可/不可を判別するカード受付け処理や、受付中の会員カード或いはビジターカードから読み出したプリペイド残額データに基づくプリペイド残額を使用した玉貸を行う貸与処理や、貨幣の受付けに応じて、受付中の会員カードやビジターカードに残存するプリペイド残額への入金、或いは新たなビジターカードにプリペイド残額を書き込んで発行する発行・入金処理や、返却ボタンによる返却操作により受付中の会員カードやビジターカードの返却する返却処理や貯玉数を用いた再プレイ処理や、払出ボタン311の操作の受付けによってローカル計数玉数や、挿入されたビジターカード並びに会員カードにより特定される玉数(当日貯玉数、過去貯玉数、持玉数)からの払い出し(返却)を行って該払出した玉数を計数済玉数から減算更新する払出処理等の処理を実行する。
また、制御ユニット300は、HUBを介して、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されているホールコンピュータ6やカード管理コンピュータ7、玉管理コンピュータ8等の外部装置とデータ通信可能に接続されており、これらの各コンピュータと各種データの送受が可能とされている。
また、制御ユニット300に接続された表示制御基板329は、表示装置355を成す液晶表示器313や、透明タッチパネル314、各種の操作ボタン316に対応するスイッチ、IR受光ユニット315、前述した再プレイ表示部内に設けられたLED320a等の電子部品が接続されており、これら透明タッチパネル314の操作情報や、各種スイッチ類の操作情報、IR受光ユニット315から出力された出力信号に基づく情報が、表示制御基板329を介して制御ユニット300に出力される。
本実施形態の表示制御基板329には、液晶表示器313の表示駆動を行う表示駆動回路(図示略)や、透明タッチパネル314からの出力信号に基づいて押圧操作された位置を特定して該特定した入力位置情報を出力する入力位置検出回路(図示略)や、表示装置355に表示する表示映像に関する処理を行うVDP(図示略)や、メニュー表示等に使用する画像データ等を記憶するVROM(図示略)や、表示装置355に表示する表示データを一時記憶するVRAM(図示略)や、制御ユニット300から独立して、各種スイッチ類やタッチパネル等の入力に伴う判断や処理を処理プログラムに基づいて実施する表示制御マイコン等が実装されており、制御ユニット300から出力される表示データ(ページデータ)等に基づいて、各種の表示画面を、表示装置355を構成する液晶表示器313に表示可能とされている。
カードユニット3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受付けたカードユニット3は、カードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(例えば当日貯玉数や過去貯玉数、持玉数、プリペイド残額等)を遊技玉数に変換する機能を有する。つまり、遊技価値に応じた玉数の遊技玉を用いて遊技者が遊技可能とするために、玉貸操作や払出操作に基づいて、遊技価値をそれに対応する遊技玉数に変換し、変換した遊技玉数の遊技玉を遊技者に貸し出したり、払い出す制御を行う。
カードユニット3の前面には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309が設けられている。このカード挿入/排出口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ327に受け付けられ、その遊技用カードに記録されている情報が読取られる。紙幣挿入口に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
カードユニット3には、会員カードを受け付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID(以下、単に「カードID」という。)及びカードIDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン316cが設けられている。
再プレイボタン316cを操作した場合に、挿入されたカードに対応する貯玉数や持玉数が存在する場合には、その玉数の一部を引落として遊技玉に変換し、変換した遊技玉に基づいてパチンコ機2による遊技を行うことが可能となる。挿入されたカードが会員カードであり、貯玉数が玉管理コンピュータ8に記録されている場合には、その貯玉数の一部が引落とされて遊技玉に変換され、パチンコ機2による遊技が可能となる。
「貯玉」とは、遊技者が獲得した玉でホールに預けている玉であり、遊技者が貯蓄する貯蓄遊技媒体数に相当する。前述したように、貯玉には、当日貯玉と過去貯玉との2種類がある。当日貯玉の玉数である当日貯玉数と、過去貯玉の玉数である過去貯玉数とは、玉管理コンピュータ8によって管理される。貯玉数は会員カードに記録させることはできず、カードユニット3が会員カードを受け付けたことに応じて、玉管理コンピュータ8で管理されている貯玉数がカードユニット3に送信される。
「過去貯玉数」は、当日よりも前に遊技者が貯蓄した貯蓄遊技媒体数である。一方、「当日貯玉数」は、当日に遊技者が貯蓄した貯蓄遊技媒体数であり、会員カードのカードIDに対応付けられた当日の持玉数と言うこともできる。当日貯玉数は、所定条件の成立に応じて、玉管理コンピュータ8によって移行管理されて記憶される。
本実施形態において、所定条件は、例えば、当日の店舗の営業終了後、締め処理が行われることとして定めておくことができる。締め処理は、時刻が所定の締め時刻(例えば深夜10時や深夜0時、深夜2時)となったことや、店舗の管理者によって締め処理の実行操作がなされたこと、店舗の営業終了により玉管理コンピュータ8の電源が一旦切断され、次の営業日の営業のために玉管理コンピュータ8の電源が立ち上げられたこと、等の条件の成立に応じて実行される。この締め処理が実行されることにより、当日貯玉数は過去貯玉数に加算されてリセットされ、次の営業日以降の過去貯玉数として管理されることになる。つまり、所定条件の成立により、当日貯玉数はその当日に遊技者が貯蓄した貯玉数として確定される。
なお、ローカル計数玉数に関しても、所定条件を定めておくことができる。例えば、遊技者が遊技を終了して遊技用カード(会員カード又はビジターカード)を返却する返却操作を行い、その返却操作に応じて遊技用カードを返却した後、カードユニット3から玉管理コンピュータ8に対してRAM330のローカル計数玉数データ333に記憶されているローカル計数玉数が送信されたことを、所定条件として定めておくことができる。この所定条件の成立により、ローカル計数玉数は当日貯玉数や持玉数に加算されて管理されることになる。
「持玉」は、遊技者が遊技機により遊技を行った結果、遊技者の所有となった遊技玉数のことである。本実施形態では、当日貯玉と区別するために、ビジターカードIDに対応付けて玉管理コンピュータ8が管理している玉数のことを持玉数と定義する。本実施形態では、持玉数も、玉管理コンピュータ8によって管理されることとして説明する。なお、本実施形態とは異なり、ビジターカードに持玉数を直接記録することとしてもよい。
上記のように、貯玉数(当日貯玉数及び過去貯玉数)は、会員カードに直接記録されず、玉管理コンピュータ8に会員カードIDと対応付けて記憶させて管理することで、会員カードIDに基づいて対応する貯玉数を検索できるように構成されている。また、持玉数も、玉管理コンピュータ8にビジターカードIDと対応させて記憶させて管理することで、ビジターカードIDに基づいて対応する持玉数を検索できるように構成されている。
カードユニット3が会員カードを受け付けると、玉管理コンピュータ8に対して貯玉数の送信要求を行い、玉管理コンピュータ8から貯玉数(当日貯玉数及び過去貯玉数)がカードユニット3に送信されて、RAM330に当日貯玉データ335及び過去貯玉データ337としてそれぞれ記憶される。また、カードユニット3がビジターカードを受け付けると、玉管理コンピュータ8に対して持玉数の送信要求を行い、玉管理コンピュータ8から持玉数がカードユニット3に送信されて、RAM330に持玉数データ339として記憶される。
また、遊技者が遊技を終えてカードユニット3が会員カードを返却した場合には、貯玉使用によって減算された貯玉数がローカル計数玉数とともに玉管理コンピュータ8に送信され、ローカル計数玉数は当日貯玉数に加算される。ビジターカードを返却した場合には、持玉使用によって減算された持玉数がローカル計数玉数とともに玉管理コンピュータ8に送信され、ローカル計数玉数は持玉数に加算される。
遊技者の払い戻し操作により遊技玉が遊技者に払い戻される場合、前述したように1回の払い戻し操作による払い戻し数は125発であるため、1回の払い戻し操作により玉数は125発減少する。制御ユニット500は、1回の払い戻し操作が行われる毎に、記憶している玉数を125減算し、使用した玉の種別に応じたデータを更新する。
また、カードユニット3とパチンコ機2とは、貸出関連信号を送受することによって、払出単位として所定の単位玉数の遊技玉を遊技者に対して貸し出し可能に構成されている。従って、カードユニット3は、遊技機で遊技する遊技者に遊技媒体を貸与するための貸与処理を実行する遊技媒体貸与処理装置として機能する。貸出関連信号には、カードユニット3からパチンコ機2にプリペイド残額に応じた遊技玉の貸し出しを行わせるための貸出要求信号や、パチンコ機2から出力される台端末貸出完了信号や台READY信号、台間計数ユニットREADY信号、台端末貸出要求完了確認信号といった信号が含まれる。
また、パチンコ機2からは、大当り中信号、確変中信号、時短中信号、賞球信号、始動信号等の遊技信号や、該パチンコ機2に対応して設けられる打込玉カウンタ(不図示)から出力される打込玉信号を受信可能に構成されている。
[1−5.カード管理コンピュータの機能構成]
図6は、カード管理コンピュータ7の機能構成の一例を示す図である。
カード管理コンピュータ7は、処理部710と、入力部720と、表示部730と、通信部740と、時計部750と、印刷部760と、DSU770と、記憶部780とを備えて構成される。
処理部710は、記憶部780に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、カード管理コンピュータ7の各部を統括的に制御する制御装置及び演算装置であり、CPUやDSP等のプロセッサを有して構成される。
入力部720は、例えばキーボードやマウスを有して構成される入力手段であり、押下されたキーやボタンの信号(操作信号)を処理部710に出力する。
表示部730は、処理部710から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置であり、LCD等を有して構成される。表示部730には、記憶部780に記憶された各種データベースのデータの内容等が表示される。
通信部740は、遊技場内のLANに接続され、ホールコンピュータ6や玉管理コンピュータ8等の各種の管理装置との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。
時計部750は、カード管理コンピュータ7が備える内部時計であり、例えば、水晶振動子及び発振回路を含む水晶発振器を有して構成される。時計部750の計時時刻(日付を含む。)は処理部710に随時出力される。
印刷部760は、記憶部780に記憶されている各種のデータを印刷するための印刷装置(プリンタ)であり、処理部710から出力される印刷制御信号に従って、記憶部780に記憶されている各種のデータを印刷する。
DSU770は、デジタルサービスユニットであり、カード会社12に設置された不図示の管理コンピュータとの間でデータ通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。
記憶780は、ROMやフラッシュROM、RAM等のメモリやハードディスク等の外部記憶装置を有して構成される記憶装置であり、システム管理プログラム781と、カード管理データ783と、ユニット管理データ887とを記憶している。
図7は、カード管理データ783のデータ構成の一例を示す図である。
カード管理データ783には、会員カードを管理するための会員カード管理データと、ビジターカードを管理するためのビジターカード管理データとが含まれる。
会員カード管理データは、各会員カードを個々に識別可能な会員カードIDと、当該会員カードの発行を受けた会員遊技者の会員IDと、プリペイド残額と、当該会員カードが使用不可であるか否かを示す使用不可フラグとが対応付けて記憶される。会員カードに記録されている会員カードID又は会員IDから、プリペイド残額や当該会員カードの使用可否を特定できるようになっている。
ビジターカード管理データには、各ビジターカードを個々に識別可能なビジターカードIDと、当該ビジターカードの状況(利用中であるか保管中であるか)と、当該ビジターカードが発行された最新の日時である最新発行日時と、プリペイド残額と、当該カードが使用不可であるか否かを示す使用不可フラグと対応付けて記憶される。ビジターカードに記録されているビジターカードIDから、プリペイド残額や当該ビジターカードの使用可否及び最新発行日時を特定できるようになっている。
[1−6.玉管理コンピュータの機能構成]
図8は、玉管理コンピュータ8の機能構成の一例を示す図である。
玉管理コンピュータ8は、処理部810と、入力部820と、表示部830と、通信部840と、時計部850と、印刷部860と、記憶部880とを備えて構成される。
処理部810は、記憶部880に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、玉管理コンピュータ8の各部を統括的に制御する制御装置及び演算装置であり、CPUやDSP等のプロセッサを有して構成される。
入力部820は、例えばキーボードやマウスを有して構成される入力手段であり、押下されたキーやボタンの信号(操作信号)を処理部810に出力する。
表示部830は、処理部810から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置であり、LCD等を有して構成される。表示部830には、記憶部860に記憶された各種データベースのデータの内容等が表示される。
通信部840は、カードユニット3との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。
時計部850は、玉管理コンピュータ8が備える内部時計であり、例えば、水晶振動子及び発振回路を含む水晶発振器を有して構成される。時計部850の計時時刻(日付を含む。)は処理部810に随時出力される。
記憶部880は、ROMやフラッシュROM、RAM等のメモリやハードディスク等の外部記憶装置を有して構成される記憶装置である。
記憶部880には、処理部810によって読み出され、玉管理処理として実行される玉管理プログラム881と、振分許否判定処理として実行される振分許否判定プログラム882と、振分許否判定結果通知処理として実行される振分許否判定結果通知プログラム883と、貯玉可否判定処理として実行される貯玉可否判定プログラム884とが記憶されている。また、記憶部880には、会員管理データ885と、貯蓄管理データ886と、ユニット管理データ887と、振分履歴データ888とが記憶される。
図9は、会員管理データ885のデータ構成の一例を示す図である。
会員管理データ885には、会員遊技客の個人情報のデータである会員情報データと、会員遊技客の遊技履歴のデータである会員遊技履歴データとが含まれる。
会員情報データには、例えば、会員をユニークに識別するための会員IDと、該会員が自身で設定する暗証番号と、店舗に来店する度に該会員に付与される来店ポイントと、来店ポイントに応じて該会員に設定されるランクと、該会員の名字と、該会員の名前とが対応付けて記憶される。
会員遊技履歴データには、例えば、会員IDと、来店日と、台番号と、機種名と、開始時刻と、終了時刻とが対応付けて記憶される。開始時刻は、該会員が該台番号のパチンコ機2で遊技を開始した時刻である。終了時刻は、該会員が該台番号のパチンコ機2で遊技を終了した時刻である。
図10は、貯蓄管理データ886のデータ構成の一例を示す図である。
貯蓄管理データ886には、会員遊技客の貯蓄管理データである会員貯蓄管理データと、ビジター遊技客の貯蓄管理データであるビジター貯蓄管理データとが含まれる。
会員貯蓄管理データには、会員カードIDと、当該会員カードの発行を受けた会員遊技者を個々に識別可能な会員識別情報である会員IDと、当該会員の当日貯玉数と、当該会員の過去貯玉数とが対応付けて記憶される。会員カードに記録されている会員カードID又は会員IDから、当該会員遊技客が所有する貯玉数を特定できるようになっている。
会員貯蓄管理データに管理されている当日貯玉数は、その営業当日のみの持玉数として管理されており、営業終了後の締め処理において、会員貯蓄管理データに存在する当日貯玉数は、次の営業日以降の過去貯玉数として加算更新された後、全てリセットされる。
ビジター貯蓄管理データには、ビジターカードを個々に識別可能なビジターカードIDと、当該ビジターカードの最新発行日時と、持玉数とが対応付けて記憶される、ビジターカードに記録されているカードIDから、当該遊技者が所有する持玉数を特定できるようになっている。
ビジター貯蓄管理データに管理されている持玉数は、その営業当日のみ有効とされており、営業終了後の締め処理において、ビジター貯蓄管理データに存在する持玉数が全てリセットされることにより、無効化される。また、ビジターカードに当日前の持玉数が記録されている場合には、該持玉数は無効として消去される。
なお、本実施形態では、会員貯蓄管理データとビジター貯蓄管理データとの両方の貯蓄管理データを玉管理コンピュータ8が記憶して管理することとして説明するが、会員貯蓄管理データとビジター貯蓄管理データとを、別々の管理装置で記憶して管理するようにしてもよい。例えば、会員管理コンピュータとビジター管理コンピュータとの2つの管理コンピュータを構成し、会員貯蓄管理データは会員管理コンピュータが記憶して管理し、ビジター貯蓄管理データはビジター管理コンピュータが記憶して管理するようにしてもよい。
図11は、ユニット管理データ887のデータ構成の一例を示す図である。
ユニット管理データ887には、遊技場内に設置された各カードユニット3に固有に付与されたユニットIDと、カードユニット3のローカルIPアドレスが格納されるローカルIPと、当該カードユニット3が設置されている遊技島と、当該カードユニット3に対応するパチンコ機2の対応台番号と、当該カードユニット3がカードの受付中であるか待機中であるかを示す状況と、受付中の遊技用カードの種別である受付カード種別と、受付中の遊技用カードのカードIDである受付カードIDと、当該カードユニット3のローカル計数玉数とが対応付けて記憶される。ローカル計数玉数のデータは、玉管理コンピュータ8からの送信要求の受信に応じて定期的に各カードユニット3から送信されるとともに、ローカル計数玉数の変更後の所定時間後(例えば5秒後)に、各カードユニット3から送信されることで、最新のローカル計数玉数が管理されるようになっている。
図12は、振分履歴データ888のデータ構成の一例を示す図である。
振分履歴データ888には、振り分けが実施された日付と、振分元カードユニット3AのユニットIDである振分元ユニットIDと、振分先カードユニット3BのユニットIDである振分先ユニットIDと、振分元の遊技用カードに記録されたカードIDである振分元カードIDと、振分先の遊技用カードに記録されたカードIDである振分先カードIDと、振分可否判定処理の判定結果である振分可否と、振り分けされた玉数である振分玉数とが対応付けて記憶される。
振分履歴データ888には振分可否を記憶しているため、玉管理コンピュータ8は、振り分けの実施/不実施の履歴を集計することが可能となる。この場合、処理部810は、振分履歴データ888を表示部830に表示させたり、通信部840を介して外部装置に送信したり、印刷部860に印刷させるなどして、振り分けの実施/不実施の履歴を出力可能である。
なお、振り分けの実施/不実施の履歴の集計は必ずしも玉管理コンピュータ8が行う必要はなく、ホールコンピュータ6やカード管理コンピュータ7等の他の管理装置が行って出力可能としてもよい。また、管理装置ではなく、遊技用装置であるカードユニット3が振り分けの実施/不実施の履歴の集計を行って出力可能としてもよい。
本実施形態では、パチンコ機2での遊技により遊技者に付与された付与遊技価値を当日貯玉数とし、この当日貯玉数と、当該当日貯玉数に加算される加算遊技玉数との合計である合計玉数が、貯蓄上限値である貯蓄上限玉数を超えるか否かの判定を、玉管理コンピュータ8の処理部810が実行することとして説明する。
なお、本明細書において、合計玉数が貯蓄上限玉数を超えるか否かを判定する際に、どのような判定方法を用いて判定を実現するかについては問わない。例えば、合計玉数が貯蓄上限玉数よりも大きいかどうか(合計玉数>貯蓄上限玉数)を判定することにより実現してもよいし、合計玉数が貯蓄上限玉数+1玉以上であるかどうか(合計玉数≧貯蓄上限玉数+1玉)を判定することにより実現してもよい。これは、後述する他の遊技価値について、合計遊技価値が貯蓄上限値を超えるか否かの判定を行う場合も同様である。
加算遊技玉数は、当日貯玉数に加算される遊技玉数であり、本実施形態では、この加算遊技価値を他の遊技者から振り分けられる振分玉数とする場合を例示する。つまり、付与遊技玉数である当日貯玉数に加算玉数である振分玉数を加算した合計玉数が貯蓄上限玉数を超えるか否かを判定する。
本実施形態では、振分元カードユニット3Aから振り分けられる加算遊技玉として振り分けられる振分玉の種別を、当日貯玉又はローカル計数玉として説明する。この場合、振分玉の被加算対象となる振分先カードユニット3Bの玉の種別は、ローカル計数玉としてもよいし、当日貯玉としてもよい。
なお、振分元カードユニット3Aと振分先カードユニット3Bの双方が会員カードを受け付けている状態において、ローカル計数玉数同士の振り分けを可能としてもよい。つまり、振分元カードユニット3Aが会員カードを受け付けているが、貯玉ではなくローカル計数玉からの振り分けを行うこととし、振分先カードユニット3Bも会員カードを受け付けているが、貯玉ではなくローカル計数玉に振分玉数が加算されるようにしてもよい。
この場合、会員カードが遊技者に返却されると、ローカル計数玉はその遊技者の当日貯玉となるため、ローカル計数玉数が存在する状態で会員カードが返却された場合には、ローカル計数玉からの振り分けができなくなる。そこで、会員カードを返却した後に遊技者により振分操作がなされた場合には、振り分けができないことを遊技者に報知する処理を行うようにすると好適である。例えば、「振り分けられる玉が存在しないため、振り分けを行うことができません。」といったメッセージを液晶表示器313に表示させる。
また、他の実施形態で説明するが、付与遊技価値は当日貯玉数に限られず、ローカル計数玉数や過去貯玉数を付与遊技価値とすることも可能である。また、加算遊技価値は振分玉数に限られず、会員カードに対応付けられた貯玉数(当日貯玉数、過去貯玉数)や、ビジターカードに対応付けられた持玉数を加算遊技価値とすることも可能である。これらのケースについては、他の実施形態で詳細に後述する。
なお、本実施形態では、遊技者が所有するプリペイド残額の管理をカード管理コンピュータ7が行い、遊技者の貯玉数や持玉数等の所有玉数の管理を玉管理コンピュータ8が行うこととして説明するが、これらの管理をカード管理コンピュータ7や玉管理コンピュータ8が行うようにしてもよい。つまり、プリペイド残額や所有玉数の管理を一の管理装置で行うようにしてもよい。
[1−7.処理の流れ]
図13は、カードユニット3の処理部310が、ROM320に記憶されているカードユニット処理プログラム321aに従って実行するカードユニット処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部310は、遊技用カードが挿入されたか否かを判定し(A1)、挿入されたと判定したならば(A1;Yes)、カード受付処理を行う(A3)。そして、処理部310は、A37へと処理を移す。
遊技用カードが挿入されなかったと判定したならば(A1;No)、処理部310は、玉貸操作がなされたか否かを判定し(A5)、なされたと判定したならば(A5;Yes)、玉貸処理を行う(A7)。
玉貸処理では、挿入された会員カード又はビジターカード(紙幣挿入により発行されたビジターカードを含む。)から読み出したプリペイド残額が、対応するパチンコ機2における払出単位である25球に相当する1度数=100円未満であるか否かを判定し、プリペイド残額が1度数=100円未満である場合には、玉貸処理を終了する。
一方、プリペイド残額が1度数=100円以上である場合には、プリペイド残額が玉貸処理の使用度数として設定されている5度数=500円以上であるか否かを判定する。プリペイド残額が使用度数である5度数=500円以上である場合には、使用金額玉貸処理を実行する。一方、使用度数である5度数=500円未満である場合には、表示金額玉貸処理を実行する。この使用金額玉貸処理においては、使用度数となる5度数=500円に相当するパチンコ玉数の払出指示、具体的には、1度数である25玉の払出を指示する信号を5回出力して、5度数=500円分に相当する125玉の払出を、対応するパチンコ機2に実施させる。
具体的には、パチンコ機2より出力されるPRDYのHIGH/LOWを判定し、PRDYがHIGHである場合には、所定のエラー処理を実施し、玉貸処理を終了する。また、PRDYがLOWである場合には、BRDYをLOWに切替えた後、BRQをLOWとして、パチンコ機2からのEXSのHIGHの検出待ちの状態となり、該EXSのLOWの検出に基づきBRQをHIGHに切替え、EXSのHIGHの検出待ちの状態となる。
次いで、パチンコ機2における1度分の払出が完了され、EXSのHIGHを検出すると、処理部310は、残額表示器に表示されているプリペイド残額と、カードデータ331のプリペイド残額データ及び受付中の会員カード又はビジターカードに記憶されているプリペイド残額データから該1度分に相当する100円を減算更新し、BRQの回数をカウントし、該カウントしたBRQの回数を使用度数である5度数に相当する5回と比較する。この比較において上記カウントしたBRQの回数が5度数に一致しない場合には、再び前述の1度分の払出処理を実施するようになっており、上記の使用度数との比較においてカウントしたBRQの回数が5度数に一致した場合には、BRDYをHIGHとする。
そして、カード管理コンピュータ7に対して、当該カードユニット3に固有に付与されたユニットIDと、受付け中の会員カード或いはビジターカードの(会員)カードIDと、使用度数に相当する使用額(500円)とを含む貸出完了通知を送信して、カード管理コンピュータ7の会員カード管理データ又はビジターカード管理データにおいて、当該(会員)カードIDに対応付けて記憶されているプリペイド残額から該使用額を減算更新させる。
次いで、受付中のカードがビジターカードであるか否かを判定し、ビジターカードでない場合には玉貸処理を終了する。一方、ビジターカードを受付中である場合には、残額表示器に表示されているプリペイド残額が“0”であるか否かを判定する。そして、該判定においてプリペイド残額が“0”でない場合には、玉貸処理を終了する。
一方、プリペイド残額が“0”である場合には、ビジターカード管理データに持玉数が存在するか否かを判定する。持玉数が存在する場合には、玉貸処理を終了する。一方、持玉数が存在しない場合には、該プリペイド残額が0となったビジターカードの回収指示をカードリーダライタ327に出力して、カードリーダライタ327の内方側のカード貯留部370に回収するとともに、カード管理コンピュータ7及び玉管理コンピュータ8に対し、該回収したビジターカードのカードIDを含む回収通知を送信することで、カード管理コンピュータ7のビジターカードテーブルの「状況」を「保管中」に更新させるとともに、玉管理コンピュータ8のユニット管理データ887の当該カードユニット3のデータを更新させた後、カードデータをリセットして、玉貸処理を終了する。
一方、表示金額玉貸処理においては、残額表示器に表示されているプリペイド残額を1度数に相当する100円で除した度数分の払出指示、例えば、プリペイド残額が400円であれば、1度数である25玉の払出を指示する信号を4回出力して、400円分に相当する4度数=100玉の払出を、上述した使用度数の払出の場合と同様にして対応するパチンコ機2に実施させるとともに、残額表示器に表示されているプリペイド残額と、カードテーブルのプリペイド残額データ及び受付け中の会員カード又はビジターカードに記憶されているプリペイド残額データをパチンコ玉の玉貸に使用した4度数分に相当する400円が減算更新された金額、つまり“0”に更新する。
そして、カード管理コンピュータ7に対して、当該カードユニット3に固有に付与された装置IDと、受付中の会員カード或いはビジターカードの(会員)カードIDと、使用金額である400円とを含む貸出完了通知を送信して、カード管理コンピュータ7において(会員)カードIDに対応付けて会員カード管理データ又はビジターカード管理データに記憶されているプリペイド残額から使用額である400円を減算更新させる。
そして、前述した使用度数の場合と同様に、受付中のカードがビジターカードであってプリペイド残額が0であるか否かを判定し(この場合においては、必ず0であると判定される)、ビジターカードであってプリペイド残額が“0”である場合には、更に、持玉数が存在しないことを条件にビジターカードを回収した後、玉貸処理を終了する。
玉貸操作がなされなかったと判定したならば(A5;No)、処理部310は、現金を受け付けたか否かを判定し(A9)、受け付けたと判定したならば(A9;Yes)、発行・入金処理を行う(A11)。
発行・入金処理では、入力された貨幣識別情報から投入された貨幣投入金額を特定するとともに、カードリーダライタ327に受付け中の会員カード又はビジターカードが存在するか否かを判定する。そして、受付中の会員カード又はビジターカードが存在しないとの判定の場合には、カード貯留部に収納されているビジターカードをカードスロット上の所定の読み取り位置に移動させて、当該ビジターカードのカードIDを読み出し、該読み出したカードIDと、投入金額と、当該カードユニット3のユニットIDとを含む発行要求をカード管理コンピュータ7に送信する。
この発行要求の受信に応じてカード管理コンピュータ7は、受信した発行要求に含まれるカードIDが、ビジターカード管理データに存在するか否かを判定し、存在する場合には、該カードIDに対応するビジターカード管理データの「状況」を「利用中」に更新し、時計部335から出力されるその時点の日時を最新発行日時に格納するとともに、受信した投入金額を「残存金額」にプリペイド残額として格納して、「発行許諾」を該発行要求の送信元のカードユニット3に対して返信する。なお、受信したカードIDが、ビジターカードテーブルに存在しない場合には、「発行不可」が返信される。
また、「発行許諾」の送信に伴い、カード管理コンピュータ7は、玉管理コンピュータ8に対して、格納した最新発行日時と受信した発行要求に含まれるカードIDとユニットIDとを含む発行通知を玉管理コンピュータ8に通知することで、玉管理コンピュータ8は、受信した発行通知に含まれるカードIDに対応するビジター貯蓄管理データの最新発行日時に、該受信した発行通知に含まれる最新発行日時を格納するとともに、受信した発行通知に含まれるユニットIDに対応するユニット管理データ887の「状況」を「受付中」に更新するとともに、「受付ID」に当該受信したカードIDを格納してユニット管理データ887を更新する。
上記の「発行許諾」の受信に応じて、処理部310は、カードスロットに移動させたビジターカードに、投入金額に相当するプリペイド残額を書き込み記憶するとともに、カード管理データに、該ビジターカードのカードIDと投入金額に相当するプリペイド残額とを記憶し、残額表示器に該プリペイド残額を表示した後、該発行・入金処理を終了する。
なお、カード管理コンピュータ7から「発行不可」を受信した場合、並びに、カード貯留部370にビジターカードが収納されていない場合には、紙幣挿入口302から投入された現金(紙幣)を返却するとともに、多機能ランプ301を所定のエラー報知態様にて点灯させるエラー報知処理を、該エラー状態が解消されるまで実施することで、エラーの発生を報知する。
一方、現金(紙幣)の投入時においてカードスロットに受付け中の会員カード又はビジターカードが存在する場合には、上記にて特定した投入金額を、受付中の会員カード又はビジターカード並びにカード管理データに記憶されているプリペイド残額データから特定されるプリペイド残額に加算して、これら各プリペイド残額データを加算後の新たなプリペイド残額を特定可能なプリペイド残額データに更新した後、該入金金額(投入金額に同じ)と当該カードユニット3のユニットIDと、受付中の会員カード又はビジターカードの(会員)カードIDとを含むカード入金通知をカード管理コンピュータ7に送信して、該カード管理コンピュータ7の会員カード管理データ又はビジターカード管理データにおいて該(会員)カードIDに対応して記憶されているプリペイド残額に該入金金額を加算更新させる。そして、残額表示器に表示されているプリペイド残額を、加算更新後の新たな金額に更新表示して、該入金処理を終了する。
また、遊技者が紙幣挿入口302から現金(紙幣)を投入した場合には、該現金(紙幣)の投入に伴う貨幣識別情報が紙幣識別ユニット321から処理部310に出力されることで、現金の受付け有りと判断して、発行・入金処理を実行する。
現金を受け付けなかったならば(A9;No)、処理部310は、遊技用カードの返却操作がなされたか否かを判定し(A13)、なされたと判定したならば(A13;Yes)、カード返却処理を行う(A15)。
カード返却処理では、カードリーダライタ327に受付中の会員カード又はビジターカードが存在するか否かを判定し、存在しない場合には当該操作を無効とする。一方、存在する場合には、払出ボタン311の操作を無効とするとともに、計数払出ユニット380に対して計数禁止指示を出力して、新たな計数を禁止する。
この計数禁止指示の出力によって計数払出ユニット380においては、流入口シャッタの解放が禁止されることで、新たなパチンコ玉の計数が禁止される。そして、処理部310は、玉管理コンピュータ8に対して当該カードユニット3のユニットIDと返却したカードのカードIDとカード管理データに記憶されている持玉数と貯玉数(会員のみ)を含む返却通知を送信する。
この返却通知の受信に応じて玉管理コンピュータ8は、会員貯蓄管理データ又はビジター貯蓄管理データにおいて、受信した返却通知に含まれる会員カードIDする貯玉数を、受信した返却通知に含まれる当日貯玉数に更新する。また、ユニット管理データ887において受信したユニットIDに対応する「状況」を「待機中」に変更し、「受付ID」に格納されているカードIDを削除して、該返却通知の送信元のカードユニット3に対して更新完了通知を送信する。ビジターカードについても同様の処理を行う。
カード返却操作がなされなかったと判定したならば(A13;No)、処理部310は、再プレイ操作がなされたか否かを判定し(A17)、なされたと判定したならば(A17;Yes)、再プレイ処理を行う(A19)。
再プレイ処理では、ローカル計数玉数が「0」であるか否かを判定し、ローカル計数玉数が「0」でない場合には、該操作を無効とするとともに、「ローカル計数玉数が有りますので、払出ボタンを操作して下さい。」のメッセージを液晶表示器313に表示する。一方、ローカル計数玉数が「0」である場合には、更に、暗証番号の照合済みの有無を示す照合済みフラグが、照合済みを示す「1」であるか否かを判定し、「1」でない場合(照合済みでない場合)には、暗証番号の受付処理を実行する。
暗証番号の受付処理では、テンキーを含む暗証番号の受付け画面並びに暗証番号の入力を促すアナウンス表示を液晶表示器313に表示させて、暗証番号の受付けを行う。そして、受付けた暗証番号と、玉管理コンピュータ8が管理している暗証番号とを比較し、双方が一致した場合において、RAM330の所定領域の照合済みフラグを、照合済みを示す「1」に更新するとともに、カードデータ331に格納している貯玉数が所定の再プレイ単位玉数(135玉)以上であることを条件に、再プレイ玉貸処理を実行する。
一方、照合済みを示す「1」である場合には、さらに、LED320aが点灯状態であるか否か、つまり、貯玉数が所定の再プレイ単位玉数以上であるか否かを判定し、LED320aが点灯状態である場合には、貯玉数から再プレイ単位数である135玉を減算更新し、再プレイ表示部320(LED320a)を消灯した後、再プレイ玉貸処理を実行する。再プレイ玉貸処理では、再プレイ単位数(135玉)に対応する玉数、具体的には、再プレイ単位数(135玉)から手数料10玉を除いた125玉のパチンコ玉の払い出しを、上述した貸出処理の場合と同様に、対応するパチンコ機2における払出単位である25玉の払出を指示する信号を5回出力することでパチンコ機2に実施させる。
なお、上記の再プレイ玉貸処理において手数料を取らないこととして、再プレイ単位数に対応する玉数のパチンコ玉の払い出しを行うようにしてもよい。また、当日貯玉と過去貯玉の中から再プレイ玉貸を行うことを可能とし、過去貯玉から再プレイ玉貸を行う場合には手数料を取るが、当日貯玉から再プレイ玉貸を行う場合には手数料を取らないようにしてもよい。
また、再プレイ単位玉数の減算更新後の貯玉数が、再プレイ単位玉数以上である場合には、再プレイ玉貸処理の終了後において、再度、再プレイ表示部320(LED320a)が点灯状態とされる。
そして、玉管理コンピュータ8に対して、カードデータ331に記憶されている会員カードID並びに会員IDと、貯玉数から減算した再プレイ単位数(135玉)とを含む再プレイ完了通知を送信した後、該再プレイ処理を終了する。
なお、再プレイ完了通知を受信した玉管理コンピュータ8は、会員貯蓄管理データにおいて、該再プレイ完了通知に含まれる会員カードID並びに会員IDに対応付けて記憶されている貯玉数から再プレイ単位数(135玉)を減算更新する。
再プレイ操作がなされなかったと判定したならば(A17;No)、処理部310は、払出操作がなされたか否かを判定し(A21)、なされたと判定したならば(A21;Yes)、払出処理を行う(A23)。払出処理では、払出単位数のパチンコ玉の払出しを対応するパチンコ機2から実行させるとともに、払出単位数未満の端数のパチンコ玉の払出しを計数払出ユニット380に実行させる。
払出操作がなされなかったと判定したならば(A21;No)、処理部310は、振分操作がなされたか否かを判定し(A25)、なされたと判定したならば(A25;Yes)、ROM320に記憶されている振分元処理プログラム321bに従って、振分元処理を実行する(A27)。
振分操作がなされなかったと判定したならば(A25;No)、処理部310は、玉管理コンピュータ8から振分許否判定結果の信号を受信したか否かを判定し(A29)、受信したと判定したならば(A29;Yes)、ROM320に記憶されている振分先処理プログラム321dに従って、振分先処理を実行する(A31)。
玉管理コンピュータ8から振分許否判定結果の信号を受信しなかったと判定したならば(A29;No)、処理部310は、特別画像表示操作がなされたか否かを判定し(A33)、なされたと判定したならば(A33;Yes)、ROM320に記憶されている特別画像表示処理プログラム321fに従って、特別画像表示処理を実行する(A35)。
A33がNoの場合、又は、A3、A7、A11、A15、A19、A23、A27、A31、A35の後、処理部310は、処理を終了するか否かを判定する(A37)。処理を継続する場合には(A37;No)、処理部310は、A1に処理を戻す。また、処理を終了する場合には(A37;Yes)、カードユニット処理を終了する。
図14は、カード受付処理の流れの一例を示すフローチャートである。
処理部310は、カード挿入/排出口309からビジターカードが挿入されたか否かを判定し(B1)、ビジターカードが挿入されなかったと判定した場合には(B1;No)、B7へと処理を移す。一方、ビジターカードが挿入されたと判定したならば(B1;Yes)、処理部310は、カードリーダライタ327によるカードIDの読み取り結果に基づいて、ビジターカードIDを特定する(B3)。
次いで、処理部310は、ビジターカード受付処理を行う(B5)。具体的には、ユニットID及び受け付けたビジターカードのビジターカードIDを玉管理コンピュータ8に送信し、玉管理コンピュータ8から、当該ビジターカードIDに対応付けて記憶されている持玉数を受信し、RAM330に持玉数データ339として記憶させる。
ここで、前述したように、ビジターカードに持玉数を直接記録することとした場合には、ビジターカードに記録されている持玉数をカードリーダライタ327により読み込んで、RAM330に持玉数データ339として記憶させるようにすればよい。
また、B5において、ビジターカードに対応付けられた持玉数をローカル計数玉数として取り扱うこととし、RAM330にローカル計数玉数データ333として記憶させるようにしてもよい。そして、以降のローカル計数玉に関連する処理(例えばB11の判定等)において、ローカル計数玉数データ333に記憶されたローカル計数玉数を用いることとしてもよい。
その後、処理部310は、会員カードが挿入されたか否かを判定し(B7)、会員カードが挿入されなかったと判定したならば(B7;No)、カード受付処理を終了する。一方、会員カードが挿入されたと判定したならば(B7;Yes)、処理部310は、カードリーダライタ327によるカードIDの読み取り結果に基づいて、会員カードIDを特定する(B9)。
次いで、処理部310は、RAM330のローカル計数玉数データ333に1以上の値が記憶されているか否かを判定することで、ローカル計数玉があるか否かを判定する(B11)。ローカル計数玉がない場合には(B11;No)、処理部310は、B17へと処理を移す。
一方、ローカル計数玉がある場合には(B11;Yes)、処理部310は、ROM320に記憶されている貯玉可否判定要求処理プログラム321eに従って、貯玉可否判定要求処理を実行する(B13)。これにより、玉管理コンピュータ8によって貯玉可否判定処理が実行される。
本処理における貯玉可否判定処理は、将来的に貯玉となる可能性がある玉数が貯蓄上限玉数を超えるか否かを、会員カードの受付時に判定するものである。本実施形態において、「将来的」とは、会員カードの返却時のことを意味する。会員カードの返却によりローカル計数玉は当日貯玉となるが、ローカル計数玉数と貯玉数との合計玉数(ローカル計数玉数+当日貯玉数+過去貯玉数)が貯蓄上限玉数を超えるか否かを、会員カードの受付時に判定するものである。
次いで、処理部310は、玉管理コンピュータ8から貯玉可能信号を受信したか否かを判定し(B15)、受信したと判定したならば(B15;Yes)、会員カード受付処理を実行する(B17)。
会員カード受付処理では、ユニットID及び受け付けた会員カードのカードIDを玉管理コンピュータ8に送信し、玉管理コンピュータ8から、当該会員カードIDに対応付けて記憶されている当日貯玉数及び過去貯玉数を受信し、RAM330にそれぞれ当日貯玉数データ335及び過去貯玉数データ337として記憶させる。そして、処理部310は、カード受付処理を終了する。
貯玉可能信号を受信し(B15;Yes)、会員カード受付処理を実行した場合には(B17)、遊技者は、受け付けられた会員カードを用いて遊技を行うことが可能となる。なお、会員カードが受け付けられた場合であっても、このタイミングでローカル計数玉は当日貯玉とはならず、会員カード返却処理により遊技者に会員カードが返却された場合に、ローカル計数玉は当日貯玉となる。
B15において貯玉可能信号を受信しなかったと判定した場合、つまり、貯玉不可信号を受信した場合には(B15;No)、処理部310は、貯玉が不可能であるため会員カードを受け付けることができない旨を遊技者に報知する会員カード受付規制報知処理を実行する(B19)。具体的には、「これ以上の貯玉ができないため会員カードを受け付けることができません。会員カードを返却します。」といったメッセージを液晶表示器313に表示させる。
その後、処理部310は、挿入された会員カードをカード挿入/排出口309から遊技者に返却させる会員カード返却処理を実行する(B21)。この場合、ローカル計数玉を貯玉として会員カードに対応付けて貯蓄することができないため、ローカル計数玉はそのまま保持されることになる。この場合、会員カードが返却された後、遊技者によりカード返却操作がなされることで、処理部310は、ローカル計数玉数を対応付けたビジターカードを発行させる。そして、処理部310は、カード受付処理を終了する。
図15〜図17は、振分元処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部310は、計数払出ユニット380による計数及び払出を無効化する制御を行う(C1)。そして、処理部310は、貯玉振分を許可する設定がなされているか否かを判定し(C3)、なされていると判定したならば(C3;Yes)、振分元の遊技用カードが会員カードであるか否かを判定する(C5)。
振分元の遊技用カードが会員カードである場合には(C5;Yes)、処理部310は、振分先の台番号を遊技者に選択させるための振分先台番号選択画面を液晶表示器313に表示させる(C7)。そして、処理部310は、表示させた振分先台番号選択画面での遊技者の選択操作に基づいて、振分先台番号を判定する(C9)。
次いで、処理部310は、振分対象の玉種別を遊技者に選択させるための振分対象玉種別選択画面を液晶表示器313に表示させる(C11)。そして、処理部310は、表示させた振分対象玉種別選択画面での遊技者の選択操作に基づいて、振分対象玉種別を判定する(C13)。
その後、処理部310は、振分対象玉種別として貯玉が選択されたか否かを判定し(C5)、選択されたと判定したならば(C15;Yes)、ローカル計数玉数があるか否かを判定する(C17)。ローカル計数玉がないと判定したならば(C17;No)、処理部310は、C23へと処理を移す。
一方、ローカル計数玉数があると判定したならば(C17;Yes)、処理部310は、振分選択玉種別を遊技者に確認させるための振分選択玉種別確認画面を液晶表示器313に表示させる(C19)。
その後、処理部310は、振分選択玉種別確認画面において遊技者により「OK」の操作がなされたことにより、確認OKであるか否かを判定する(C21)。確認OKであると判定したならば(C21;Yes)、処理部310は、RAM330に記憶されている当日貯玉数データ335及び過去貯玉数データ337に基づいて、貯玉があるか否かを判定する(C23)。
貯玉がないと判定したならば(C23;No)、処理部310は、貯玉がないことを遊技者に報知するための貯玉なし報知処理を実行する(C33)。具体的には、「貯玉がないので振り分けができません。」といったメッセージを液晶表示器313に表示させる。そして、処理部310は、振分元処理を終了する。
貯玉があると判定したならば(C23;Yes)、処理部310は、貯玉の中から遊技者が振り分ける振分玉数を入力するための振分玉数入力画像を液晶表示器313に表示させる(C25)。そして、処理部310は、表示させた振分貯玉数入力画面での遊技者の入力操作に基づいて、振分玉数を判定する(C27)。
次いで、処理部310は、振分玉数が貯玉数を超えているか否かを判定し(C29)、超えていると判定したならば(C29;Yes)、貯玉が不足していることを遊技者に報知するための貯玉不足報知処理を実行する(C35)。具体的には、「貯玉が不足しているので振り分けができません。」といったメッセージを液晶表示器313に表示させる。そして、処理部310は、振分元処理を終了する。
振分玉数が貯玉数を超えていないと判定したならば(C29;No)、処理部310は、ROM320に記憶されている振分許可要求処理プログラム321cに従って、振分許可要求処理を実行する(C31)。そして、処理部310は、振分元処理を終了する。
C3において貯玉振分許可設定がなされていないと判定した場合(C3;No)、C5において振分元が会員カードではないと判定した場合(C5;No)、又は、C15において振分対象種別として貯玉が選択されなかったと判定した場合には(C15;No)、処理部310は、ローカル計数玉数があるか否かを判定する(C37)。
ローカル計数玉数がないと判定したならば(C37;No)、処理部310は、ローカル計数玉数がないことを遊技者に報知するためのローカル計数玉数なし報知処理を実行する(C47)。具体的には、例えば、「ローカル計数玉数がないため振り分けができません。」といったメッセージを液晶表示器313に表示させる。
ローカル計数玉があると判定したならば(C37;Yes)、処理部310は、ローカル計数玉の中から振分玉数を遊技者に入力させるための振分玉数入力画面を液晶表示器313に表示させる(C39)。そして、処理部310は、振分玉数入力画面での遊技者による入力操作に基づいて、振分玉数を判定する(C41)。この場合、遊技者による振分玉数の指定は、遊技者に振分玉数を入力させる方式としてもよいし、1000玉や3000玉、5000玉、10000玉といった複数の玉数の中から遊技者に振分玉数を選択させる方式としてもよい。他の実施形態においても同様である。
次いで、処理部310は、振分玉数がローカル計数玉数を超えているか否かを判定し(C43)、超えていると判定したならば(C43;Yes)、ローカル計数玉数が不足していることを遊技者に報知するためのローカル計数玉数不足報知処理を実行する(C49)。具体的には、例えば、「ローカル計数玉数が不足しているので振り分けができません。」といったメッセージを液晶表示器313に表示させる。そして、処理部310は、振分元処理を終了する。
振分玉数がローカル計数玉数を超えていないと判定したならば(C43;No)、処理部310は、ROM320に記憶されている振分許可要求処理プログラム321cに従って、振分許可要求処理を実行する(C45)。そして、処理部310は、振分元処理を終了する
図18は、振分元カードユニット3Aが実行する振分許可要求処理と、玉管理コンピュータ8が実行する振分許否判定処理との一例を示すフローチャートである。左側に振分許可要求処理を、右側に振分許否判定処理を示して、振分元カードユニット3Aと玉管理コンピュータ8との間で行われる処理を示している。
振分元カードユニット3Aの処理部310は、自装置のユニットID、振分許可要求、振分先台番号、振分玉種別及び振分玉数を含む振分要求許可信号を玉管理コンピュータ8に送信する(E1)。玉管理コンピュータ8の処理部810は、振分許可要求信号を受信すると(F1)、記憶部880に記憶されているユニット管理データ887を参照して、受信した振分許可要求信号に含まれる振分台番号に対応する振分先カードユニット3Bの状態を確認する(F3)。
なお、本実施形態では、カードユニット3がユニット管理データ887を記憶しておらず、振分先台番号に対応するカードユニット3のユニットID、つまり振分先カードユニット3BのユニットIDを特定することができないため、E1では、振分先台番号を振分要求許可信号に含めて玉管理コンピュータ8に送信するようにしている。しかし、カードユニット3にユニット管理データ887を記憶させておけば、振分先台番号から振分先カードユニット3BのユニットIDを特定することが可能となる。このため、E1において、振分先カードユニット3BのユニットIDを振分要求許可信号に含めて玉管理コンピュータ8に送信するようにしてもよい。
次いで、処理部810は、振分先カードユニット3Bが会員カード受付中であるか否かを判定し(F5)、受付中ではないと判定したならば(F5;No)、受付エラー通知及び受付エラー報知命令を含む受付エラー信号を、振分元カードユニット3Aに送信する(F7)。受付エラー報知命令は、振分先カードユニット3Bが会員カードを受け付けていないことにより、振り分けができないことを振分元カードユニット3Aに報知させるための命令である。そして、処理部810は、振分許否判定処理を終了する。
振分元カードユニット3Aの処理部310は、玉管理コンピュータ8から受付エラー信号を受信すると(E3;Yes)、受付エラー報知処理を実行する(E5)。具体的には、「振分先のカードユニットに会員カードが挿入されていないため、振り分けできません。」といったメッセージを液晶表示器313に表示させる。そして、処理部310は、振分許可要求処理を終了する。
玉管理コンピュータ8の処理部810は、振分先カードユニット3Bが会員カード受付中であると判定したならば(F5;Yes)、振分先カードユニット3Bが受付中の会員カードの会員カードIDに対応付けて記憶されている当日貯玉数と、受信した振分許可要求信号に含まれる振分玉数とを合算する(F9)。
次いで、処理部810は、F9で算出した合計玉数が所定の貯蓄上限玉数を超えているか否かを判定する(F11)。貯蓄上限玉数は、例えば、「100万円」に相当する分の玉数であり、貸与レートが4円の場合には「25万発」に相当し、貸与レートが2円の場合には「50万発」に相当し、貸与レートが1円の場合には「100万発」に相当する。
上記のように貯蓄上限玉数を定めているのは、仮に貯玉を無制限としてしまうと、玉管理コンピュータ8で貯玉を管理する際のデータ量が膨大となったり、遊技客が会員カードを紛失した場合や会員カードの盗難にあった場合に多大な損失を被るといった理由からである。また、貯蓄上限玉数を定めておくことで、店舗側の運営管理が容易になるという利点もある。
貯蓄上限玉数を超えていると判定したならば(F11;Yes)、玉管理コンピュータ8の処理部810は、特定情報として、振分不許可通知、振分不許可報知命令、振分可能玉数及び振分可能玉数報知命令を含む振分不許可信号を振分元カードユニット3Aに送信する(F13)。振分不許可報知命令は、振り分けが不許可とされたことを振分元カードユニット3Aに報知させるための命令であり、振分不許可報知命令を振分元カードユニット3Aに送信することは、管理装置が加算遊技価値の加算を行うに際して遊技者が利用する遊技用装置に所定報知を行わせるための処理に相当する。また、振分可能玉数は、振り分けることが可能な玉数であり、貯蓄上限玉数から当日貯玉数を減算することで算出される。
一方、F9で算出した合計玉数が貯蓄上限玉数を超えていないと判定したならば(F11;No)、処理部810は、振分許可通知及び振分許可報知命令を含む振分許可信号を振分元カードユニット3Aに送信する(F15)。振分許可報知命令は、振り分けが許可されたことを振分元カードユニット3Aに報知させるための命令である。
次いで、処理部810は、振分元玉数更新処理を実行する(F17)。具体的には、受信した振分許可要求信号に含まれる振分玉種別及び振分玉数に基づいて、振分元カードユニット3Aが受付中の会員カードの会員カードIDに対応付けて記憶されている当該振分玉種別の玉数を、振分玉数分だけ減算して更新する。
振分元カードユニット3Aの処理部310は、玉管理コンピュータ8から受信した信号を判定し(E7)、受信した信号が振分許可信号であったならば(E7;振分許可信号)、振分許可報知処理を実行する(E9)。具体的には、「振り分けに成功しました。」といったメッセージを液晶表示器313に表示させる。そして、振分元カードユニット3Aの処理部310は、振分許可要求処理を終了する。
一方、受信した信号が振分不許可信号であったならば(E7;振分不許可信号)、振分元カードユニット3Aの処理部310は、振分不許可報知処理を実行する(E11)。具体的には、「相手方の貯玉上限を超えるため振り分けできませんでした。」といったメッセージを液晶表示器313に表示させる。
次いで、振分元カードユニット3Aの処理部310は、振分可能玉数報知処理を実行する(E13)。具体的には、玉管理コンピュータ8から受信した振分可能玉数に基づいて、当該振分可能玉数と丁度の玉数(****玉数)だけ振り分けが可能であることを遊技者に報知する。例えば、「****玉数までなら振り分けることができます。」といったメッセージを液晶表示器313に表示させる。そして、処理部310は、振分許可要求処理を終了する。
なお、上記の振分可能玉数報知処理において、当該振分可能玉数と丁度の玉数だけ振り分けが可能であることを遊技者に報知するのではなく、振分可能玉数に一定分の余裕を持たせた玉数だけ振り分けが可能であることを遊技者に報知するようにしてもよい。例えば、振分可能玉数のうち、最上位の桁以外の桁の玉数を端数として切り捨て、この端数の玉数を切り捨てた振分可能玉数だけ振り分けが可能であることを遊技者に報知するようにしてもよい。
図19は、振分先カードユニット3Bが実行する振分先処理と、玉管理コンピュータ8が実行する振分判定結果通知処理との一例を示すフローチャートである。左側に振分先処理を、右側に振分判定結果通知処理を示して、振分先カードユニット3Bと玉管理コンピュータ8との間で行われる処理を示している。
玉管理コンピュータ8の処理部810は、振分許否判定処理において振分許可と判定したか否かを判定し(H1)、振分許可と判定したならば(H1;Yes)、振分先玉数更新処理を実行する(H3)。具体的には、振分先カードユニット3Aが受付中の会員カードの会員カードIDに対応付けて記憶されている当日貯玉数を、合算玉数に更新する。
次いで、玉管理コンピュータ8の処理部810は、振分実施通知、振分実施報知命令及び振分玉数を含む振分実施信号を振分先カードユニット3Bに送信する(H5)。振分実施報知命令は、振り分けが実行されたことを振分先カードユニット3Bに報知させるための命令である。そして、玉管理コンピュータ8の処理部810は、振分判定結果通知処理を終了する。
一方、振分許可と判定しなかったならば(H1;No)、玉管理コンピュータ8の処理部810は、特定情報として、振分不実施通知及び振分不実施報知命令を含む振分不実施信号を振分先カードユニット3Bに送信する。振分不実施報知命令は、振り分けが不実施とされたことを振分先カードユニット3Bに報知させるための命令であり、振分不実施報知命令を振分先カードユニット3Bに送信することは、管理装置が加算遊技価値の加算を行うに際して遊技者が利用する遊技用装置に所定報知を行わせるための処理に相当する。
振分先カードユニット3Bの処理部310は、玉管理コンピュータ8から受信した信号を判定し(G1)、受信した信号が振分実施信号であったならば(G1;振分実施信号)、振分実施報知処理を実行する(G3)。具体的には、「****番台のお客様からプレゼントが届きました。」といったメッセージとともに、現在の当日貯玉数、振分玉数及び新しい当日貯玉数を液晶表示器313に表示させる。なお、この場合において、上記の玉数に加えて、ローカル計数玉数を表示させてもよいし、ローカル計数玉数と新しい当日貯玉数との合計玉数を表示させてもよい。また、ローカル計数玉数と新しい当日貯玉数との合計玉数のみを表示させてもよい。そして、処理部310は、振分先処理を終了する。
一方、玉管理コンピュータ8から受信した信号が振分不実施信号であったならば(G1;No)、振分先カードユニット3Bの処理部310は、振分不実施報知処理を行う(G5)。具体的には、「貯玉上限を超えるため、プレゼントを受け取ることができませんでした。」といったメッセージを液晶表示器313に表示させる。そして、処理部310は、振分先処理を終了する。
図20は、カードユニット3が実行する貯玉可否判定要求処理と、玉管理コンピュータ8が実行する貯玉可否判定処理との一例を示すフローチャートである。左側に貯玉可否判定要求処理を、右側に貯玉可否判定処理を示して、カードユニット3と玉管理コンピュータ8との間で行われる処理を示している。
カードユニット3の処理部310は、自装置のユニットID、貯玉可否判定要求、受付中の会員カードの会員カードID及びローカル計数玉数を含む貯玉可否判定要求信号を玉管理コンピュータ8に送信する(J1)。
玉管理コンピュータ8の処理部810は、カードユニット3から貯玉可否判定要求信号を受信すると(K1)、記憶部880に記憶されている会員貯蓄管理データを参照して、当該会員カードIDに対応する貯玉数(当日貯玉数+過去貯玉数)を特定する(K3)。
次いで、玉管理コンピュータ8の処理部810は、受信した貯玉可否判定要求信号に含まれるローカル計数玉数と、特定した貯玉数とを合算する(K5)。次いで、処理部810は、K5で算出した合計玉数が貯蓄上限玉数を超えているか否かを判定し(K7)、超えていると判定したならば(K7;No)、特定情報として、貯玉不可通知及び貯玉不可報知命令を含む貯玉不可信号をカードユニット3に送信する(K9)。貯玉不可報知命令は、貯玉をすることができないことをカードユニット3に報知させるための命令である。そして、処理部810は、貯玉可否判定処理を終了する。
合計玉数が貯蓄上限玉数を超えていないと判定したならば(K7;No)、処理部810は、貯玉可能通知及び貯玉可能報知命令を含む貯玉可能信号をカードユニット3に送信する(K11)。貯玉可能報知命令は、貯玉をすることができることをカードユニット3に報知させるための命令である。そして、処理部810は、記憶部880の会員貯蓄管理データにおいて当該会員カードIDに対応付けて記憶されている貯玉数を更新する(K13)。そして、処理部810は、貯玉可否判定処理を終了する。
カードユニット3の処理部310は、玉管理コンピュータ8から受信した信号を判定し(J3)、受信した信号が貯玉可能信号であったならば(J3;貯玉可能信号)、貯玉可能報知処理を実行する(J5)。具体的には、「貯玉することができます。」といったメッセージを液晶表示器313に表示させる。そして、処理部310は、貯玉可否判定要求処理を終了する。
玉管理コンピュータ8から受信した信号が貯玉不可信号であったならば(J3;貯玉不可信号)、カードユニット3の処理部310は、貯玉不可報知処理を実行する(J7)。具体的には、「貯玉上限を超えるため貯玉することができません。」といったメッセージを液晶表示器313に表示させる。そして、処理部310は、貯玉可否判定要求処理を終了する。
図21は、特別画像表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
この特別画像表示処理は、付与遊技価値であるローカル計数玉数に応じた所定画像を表示させる処理である。本処理では、第1表示カウンタ値及び第2表示カウンタ値の2つの表示カウンタ値に応じて、第1所定画像及び第2所定画像の表示数を決定し、該表示数に基づいて第1所定画像及び第2所定画像を表示させるように制御する。本処理では、第1所定画像の表示制御及び非表示制御に用いる係数(パラメーター値)の頭に「第1」を付し、第2所定画像の表示制御及び非表示制御に用いる係数(パラメーター値)の頭に「第2」を付して説明する。第1表示カウンタ値は、第1所定画像の表示数を示すカウンタ値であり、第2表示カウンタ値は、第2所定画像の表示数を示すカウンタ値である。なお、第1表示カウンタ値及び第2表示カウンタ値は0に初期設定されていることとして説明する。
最初に、処理部310は、第2整数m=[ローカル計数玉数/第2表示閾値]の整数部を算出する(D1)。第2整数mは、第2表示カウンタ値を設定するために用いる係数である。
次いで、処理部310は、中間ローカル計数玉数=ローカル計数玉数−(m×第2表示閾値)を算出する(D3)。中間ローカル計数玉数は、第1表示カウンタ値及び第2表示カウンタ値を設定するために用いる係数である。
次いで、処理部310は、中間ローカル計数玉数が第2非表示閾値に達しているか否かを判定する(D5)。この条件は、中間ローカル計数玉数が第2非表示閾値と同じであるか、第2非表示閾値を超えている場合に成立する。
D5において条件が成立すると判定したならば(D5;Yes)、処理部310は、第2表示カウンタ値がmよりも大きいか否かを判定する(D7)。そして、この条件が成立すると判定したならば(D7;Yes)、処理部310は、第2表示カウンタ値にm+1を設定する(D9)。これは、最新の第2表示カウンタ値を維持することを意味する。そして、処理部310は、第1表示カウンタ値に0を設定した後(D11)、D25へと処理を移行する。
D5において条件が成立しないと判定した場合(D5;No)、又は、D7において条件が成立しないと判定した場合(D7;No)、処理部310は、第2表示カウンタ値にmを設定する(D13)。そして、処理部310は、第1整数n=[中間ローカル計数玉数/第1表示閾値]の整数部を算出する(D15)。第1整数nは、第1表示カウンタ値を設定するために用いる係数である。
次いで、処理部310は、中間ローカル計数玉数−(n×第1表示閾値)が第1非表示閾値に達しているか否かを判定する(D17)。この条件は、中間ローカル計数玉数−(n×第1表示閾値)が第1非表示閾値と同じであるか、第1非表示閾値を超えている場合に成立する。そして、この条件が成立すると判定したならば(D17;Yes)、処理部310は、第1表示カウンタ値がnよりも大きいか否かを判定する(D21)。
D21において条件が成立すると判定したならば(D21;Yes)、処理部310は、第1表示カウンタ値にn+1を設定する(D23)。これは、最新の第1表示カウンタ値を維持することを意味する。そして、処理部310は、D25へと処理を移行する。
D17の条件が成立しないと判定した場合(D17;No)、又は、D21の条件が成立しないと判定した場合(D21;No)、処理部310は、第1表示カウンタ値にnを設定する(D19)。
次いで、処理部310は、第1表示カウンタ値に応じて第1所定画像を第1表示部430に表示させる制御を行う(D25)。具体的には、第1表示カウンタ値と同数の第1所定画像を第1表示部430に表示させる。
また、処理部310は、第2表示カウンタ値に応じて第2所定画像を第1表示部430に表示させる制御を行う(D27)。具体的には、第2表示カウンタ値と同数の第2所定画像を第1表示部430に表示させる。そして、処理部310は、特別画像表示処理を終了する。
図22は、上記の特別画像表示処理における特別画像表示の原理の説明図である。ここでは、第1表示閾値を1000発、第1非表示閾値を800発とし、第1所定画像としてドル箱を第1表示部430に表示させる場合を例に挙げて説明する。
上記の特別画像表示処理では、第1表示閾値である1000発を1つの表示単位数とし、ローカル計数玉数がこの表示単位数に達する毎に(1000発、2000発、3000発、・・・)、ドル箱の表示を1つ増やす。また、第1非表示閾値である800発を1の非表示単位数とし、所定球数がこの非表示単位数を下回る毎に(800発、1800発、2800発、・・・)、ドル箱の表示を1つ減らす。
この図において、一番左には、ローカル計数玉数=1800発である場合を図示しており、ローカル計数玉数が表示単位数である1000発を超えているため、ドル箱が1つ表示されている。その後、ローカル計数玉数が増加してローカル計数玉数=1900発となったが、ローカル計数玉数は未だ表示単位数である2000発を超えていないため、ドル箱の表示は1つのままで変わらない。その後、ローカル計数玉数が2000発に達すると、ドル箱が1つ増えて2つ表示される。
その後、ローカル計数玉数が増加して2100発となったが、ローカル計数玉数は表示単位数である3000発を超えていないため、ドル箱の表示は2つのままで変わらない。その後、遊技者が遊技玉を払い戻したことでローカル計数玉数が減少し、ローカル計数玉数が1900発まで減少したとする。この場合、ローカル計数玉数が表示単位数である2000発を下回ったが、非表示単位数である1800発を下回っていないため、ドル箱の表示は2つのままで変わらない。
注目すべきは、ローカル計数玉数が1800発から増加して1900発となった場合と、ローカル計数玉数が2100発から減少して1900発となった場合とで、表示させるドル箱の数が異なる点である。これは、同じローカル計数玉数であっても、ローカル計数玉数が増加する方向に変化する場合と減少する方向に変化する場合とで、表示させるドル箱の数が異なる場合があることを意味する。この詳細は具体例を挙げて後述する。
その後、ローカル計数玉数が減少してローカル計数玉数1800発となったが、ローカル計数玉数は非表示単位数である1800発を下回っていないため、ドル箱の表示は2つのままで変わらない。そして、ローカル計数玉数が減少して非表示単位数である1800発を下回ると、ドル箱が1つ減って1つ表示される。
次に、ローカル計数玉数が異なる場合の複数の具体例を挙げて、図21の特別画像表示処理の詳細について説明する。以下の説明では、特別画像表示処理の各ステップを参照して、各ステップにおける処理について説明する。
(1)具体例1
最初に、ローカル計数玉数=1900発のケースを考える。
D1では、第2整数m=[ローカル計数玉数/第2表示閾値]の整数部=[1900/5000]の整数部=0が算出される。
D3では、中間ローカル計数玉数=ローカル計数玉数−(m×第2表示閾値)=1900−(0×5000)=1900発が算出される。
D5では、中間ローカル計数玉数=1900発が第2非表示閾値である4600発に達しているか否かが判定され、この判定結果は否定判定となるため、D13へと処理が移される。
D13では、m=0であるため、第2表示カウンタ値に0が設定される。
D15では、第1整数n=[中間ローカル計数玉数/第1表示閾値]の整数部=[1900/1000]の整数部=1が算出される。
D17では、中間ローカル計数玉数−(n×第1表示閾値)=1900−(1×1000)=900発が第1非表示閾値である800発に達しているか否かが判定され、この判定結果は肯定判定となるため、D21へと処理が移される。
D21では、第1表示カウンタ値がnよりも大きいか否かが判定される。ここで、ローカル計数玉数が1900発まで増加した場合と、ローカル計数玉数が2000発に達した後に1900発まで減少した場合とでは、第1表示カウンタ値が異なるため、D21の判定結果が異なってくる。
ローカル計数玉数が1900発まで増加した場合は、ローカル計数玉数が1000発に達した時点で第1表示カウンタ値=1となるため、n=1と同じ値となる。このため、D21の判定結果は否定判定となり、D19へと処理が移される。D19では、第1表示カウンタ値にn(=1)が設定される。その結果、最終的に第1表示カウンタ値=1、第2表示カウンタ値=0となるため、D25における第1所定画像の表示数は1、D27における第2所定画像の表示数は0となる。
それに対して、ローカル計数玉数が2000発に達した後に1900発まで減少した場合は、ローカル計数玉数が2000発に達した時点で第1表示カウンタ値=2となるため、n=1よりも大きくなる。このため、D21の判定結果は肯定判定となり、D23へと処理が移される。D23では、第1表示カウンタ値にn+1(=1+1=2)が設定される。つまり、第1表示カウンタ値が維持される。その結果、最終的に第1表示カウンタ値=2、第2表示カウンタ値=0となるため、D25における第1所定画像の表示数は2、D27における第2所定画像の表示数は0となる。
上記の例から、ローカル計数玉数が同じ1900発であっても、ローカル計数玉数が1900発まで増加した場合と、ローカル計数玉数が2000発に達した後に1900発まで減少した場合とで、表示される第1所定画像の数が異なることがわかる。
(2)具体例2
次に、ローカル計数玉数=7900発のケースを考える。
D1では、第2整数m=[ローカル計数玉数/第2表示閾値]の整数部=[7900/5000]の整数部=1が算出される。
D3では、中間ローカル計数玉数=ローカル計数玉数−(m×第2表示閾値)=7900−(1×5000)=2900発が算出される。
D5では、中間ローカル計数玉数=2900発が第2非表示閾値である4600発に達しているか否かが判定され、この判定結果は否定判定となるため、D13へと処理が移される。
D13は、m=1であるため、第2表示カウンタ値に1が設定される。
D15では、第1整数n=[中間ローカル計数玉数/第1表示閾値]の整数部=[2900/1000]の整数部=2が算出される。
D17では、中間ローカル計数玉数−(n×第1表示閾値)=2900−(2×1000)=900発が第1非表示閾値である800発に達しているか否かが判定され、この判定結果は肯定判定となるため、D21へと処理が移される。
D21では、第1表示カウンタ値がnよりも大きいか否かが判定される。ここで、ローカル計数玉数が7900発まで増加した場合と、ローカル計数玉数が8000発に達した後に7900発まで減少した場合とでは、第1表示カウンタ値が異なるため、D21の判定結果が異なってくる。
ローカル計数玉数が7900発まで増加した場合は、ローカル計数玉数が7000発に達した時点で第1表示カウンタ値=2となるため、n=2と同じ値となる。このため、D21の判定結果は否定判定となり、D19へと処理が移される。D19では、第1表示カウンタ値にn(=2)が設定される。その結果、最終的に第1表示カウンタ値=2、第2表示カウンタ値=1となるため、D25における第1所定画像の表示数は2、D27における第2所定画像の表示数は1となる。
それに対し、ローカル計数玉数が8000発に達した後に7900発まで減少した場合は、ローカル計数玉数が8000発に達した時点で第1表示カウンタ値=3となるため、n=2よりも大きくなる。このため、D21の判定結果は肯定判定となり、D23へと処理が移される。D23では、第1表示カウンタ値にn+1(=2+1=3)が設定される。つまり、第1表示カウンタ値が維持される。その結果、最終的に第1表示カウンタ値=3、第2表示カウンタ値=1となるため、D25における第1所定画像の表示数は3、D27における第2所定画像の表示数は1となる。
(3)具体例3
次に、ローカル計数玉数=9900発のケースを考える。
D1では、第2整数m=[ローカル計数玉数/第2表示閾値]の整数部=[9900/5000]の整数部=1が算出される。
D3では、中間ローカル計数玉数=ローカル計数玉数−(m×第2表示閾値)=9900発−(1×5000)=4900発が算出される。
D5では、中間ローカル計数玉数=4900発が第2非表示閾値である4600発に達しているか否かが判定され、この判定結果は肯定判定となるため、D7へと処理が移される。
D7では、第2表示カウンタ値がmよりも大きいか否かが判定される。ここで、ローカル計数玉数が9900発まで増加した場合と、ローカル計数玉数が10000発に達した後に9900発まで減少した場合とでは、第2表示カウンタ値が異なるため、D7の判定結果が異なってくる。
ローカル計数玉数が9900発まで増加した場合は、ローカル計数玉数が5000発に達した時点で第2表示カウンタ値=1となるため、m=1と同じ値となる。このため、D7の判定結果は否定判定となり、D13へと処理が移される。D13では、第2表示カウンタ値にm(=1)が設定される。
それに対して、ローカル計数玉数が10000発に達した後に9900発まで減少した場合は、ローカル計数玉数が10000発に達した時点で第2表示カウンタ値=2となるため、m=1よりも大きくなる。このため、D7の判定結果は肯定判定となり、D9へと処理が移される。D9では、第2表示カウンタ値にm+1(=1+1=2)が設定される。つまり、第2表示カウンタ値が維持される。そして、D11では、第1表示カウンタ値に0が設定される。その結果、最終的に第1表示カウンタ値=0、第2表示カウンタ値=2となるため、D25における第1所定画像の表示数は0、D27における第2所定画像の表示数は2となる。
前述したように、遊技者のローカル計数玉数が増加する場合には、遊技者が計数レバー341を引いた状態としておき、パチンコ機2から排出された遊技玉が下皿24から計数通路343に随時に流入して計数されることで随時に増加する場合と、遊技者が計数レバー341を引かずにパチンコ機2から排出された遊技玉が下皿24に溜めた状態としておき、ある程度遊技玉が溜まった段階で計数レバー341を引くことで、溜められた遊技玉が一気に計数通路343に流入して計数されることで、一気に増加する場合との2つのケースがある。
特に問題となるのは後者のケース(ローカル計数玉数が一気に増加する場合)である。前述したように、データ表示装置4は間欠的なタイミングでカードユニット3からローカル計数玉数信号を受信するため、一のタイミングで受信したローカル計数玉数信号から特定されるローカル計数玉数と、次のタイミングで受信したローカル計数玉数信号から特定されるローカル計数玉数とに大きな差が生ずる場合がある。具体的には、遊技者が大当り中に賞球される遊技玉を、下皿24が満タンとなるまで溜めておくことで、多量の遊技玉が一気に計数され、ローカル計数玉数が、例えば1000発〜2000発といった数値範囲で一度に増加する場合がある。この場合、第1表示閾値が1000発であることから、場合によっては、一度に第1表示閾値2つや3つ分を跨いでローカル計数玉数が増加するようなケースも考えられる。
このようなケースを想定し、上記の特別画像表示処理では、第1整数n及び第2整数mの2つの整数を算出し、これらの整数を用いて第1表示カウンタ値及び第2表示カウンタ値を設定することにしている。これにより、ローカル計数玉数の増加の程度(増加度合)に関わらず、常に正しい数の所定画像を表示させることができる。
なお、表示カウンタ値(第1表示カウンタ及び第2表示カウンタ値)は、所定画像(第1所定画像及び第2所定画像)の表示段階を特定するための係数であり、表示段階が1段上がる毎に1ずつ増加するカウンタ値である。このような表示カウンタ値を記憶する代わりに、あるローカル計数玉数を基準遊技媒体数とする表示フラグを設定し、この表示フラグに基づいて、所定画像の表示を行わせるようにしてもよい。
具体的には、第1表示閾値の整数倍に第1非表示閾値を加算した値を基準遊技媒体数とし、この基準遊技媒体数に対する表示フラグを設定するようにすることが可能である。例えば、第1表示閾値を1000発、第1非表示閾値を800発とするのであれば、800発、1800発、2800発、・・・を基準遊技媒体数とし、この基準遊技媒体数に対する表示フラグを設定する。具体的には、ローカル計数玉数が増加して第1表示閾値の整数倍に達する毎に表示フラグに「1」を設定する。また、ローカル計数玉数が増加して基準遊技媒体数に達するか、又は、ローカル計数玉数が減少して基準遊技媒体数を下回る毎に、表示フラグに「0」を設定する。そして、この表示フラグと、ローカル計数玉数とに基づいて、所定画像の表示数を決定する。
基準遊技媒体数を1800発とする場合を説明する。前述したように、例えば、ローカル計数玉数が増加して1900発となった場合の第1所定画像の表示数は1とし、ローカル計数玉数が2000発に達した後に減少して1900発となった場合の第1所定画像の表示数は2とする必要がある。そこで、ローカル計数玉数が増加して1800発に達した時点で表示フラグに「0」を設定し、ローカル計数玉数が増加して2000発に達した時点で表示フラグに「1」を設定する。この場合、ローカル計数玉数が2000発から減少したとしても、基準遊技媒体数である1800発を下回らなければ表示フラグは「1」に設定されたままである。つまり、ローカル計数玉数が増加して1900発となった場合は表示フラグに「0」が設定されているのに対し、ローカル計数玉数が2000発に達した後に減少して1900発となった場合は表示フラグに「1」が設定されていることになる。従って、ローカル計数玉数の千の位が1であることに基づいて、前者の場合は第1所定画像の表示数を1と決定し、後者の場合は第1所定画像の表示数を2と決定することができる。
図23は、第1表示部430に表示される特別画像画面の一例を示す図である。この図では、遊技者のローカル計数玉数に応じて第1所定画像及び第2所定画像の表示が変化する様子を示している。ここでは、第1所定画像としてドル箱を、第2所定画像として特箱を表示する場合を図示する。また、第1表示閾値を1000発、第2表示閾値を5000発として説明する。
ローカル計数玉数が1000発に達すると、ドル箱が1つ表示される(ドル箱第1表示段階)。ローカル計数玉数が2000発に達すると、ドル箱が2つ表示される(ドル箱第2表示段階)。同様に、ローカル計数玉数が3000発に達するとドル箱が3つ表示され(ドル箱第3表示段階)、ローカル計数玉数が4000発に達するとドル箱が4つ表示される(ドル箱第4表示段階)。
ローカル計数玉数が5000発に達すると、ドル箱の表示数は5となるが、特箱の表示条件が成立するため、全てのドル箱の表示を非表示とし、新たに特箱が1つ表示される(特箱第1表示段階)。ローカル計数玉数が6000発に達すると、5000発を基準としてローカル計数玉数が1000発増加したため、ドル箱が1つ表示され、特箱が1つ表示される(ドル箱第1表示段階&特箱第1表示段階)。
以下同様にして、ローカル計数玉数が9000発に達すると、ドル箱4つと特箱1つとが表示される(ドル箱第4表示段階&特箱第1表示段階)。
ローカル計数玉数が10000発に達すると、ドル箱の表示数は5となるが、特箱の表示条件が成立するため、全てのドル箱の表示を非表示とし、新たに特箱を1つ追加して特箱が2つ表示される(特箱第2表示段階)。そして、ローカル計数玉数が11000発に達すると、10000発を基準としてローカル計数玉数が1000発増加したため、ドル箱が1つ表示され、特箱2つが表示される(ドル箱第1表示段階&特箱第2表示段階)。
以下同様であり、例えばローカル計数玉数が15000発に達すると、特箱3つが表示される(特箱第3表示段階)。
この表示画面例では、ローカル計数玉数1000発毎にドル箱(第1所定画像)の表示を1つずつ増やしていくが、ローカル計数玉数の増分が5000発に達すると、ドル箱(第1所定画像)の表示を非表示として、特箱(第2所定画像)を新たに表示する。
なお、ローカル計数玉数の増分が5000発に達した場合に、表示されているドル箱(第1所定画像)を非表示とせず、ドル箱(第1所定画像)の表示を継続させて、特箱(第2所定画像)を新たに表示させるようにしてもよい。つまり、第2所定画像を表示させる際に、第1所定画像を非表示とさせてもよいし、第1所定画像の表示を継続させてもよい。
図24は、第1表示部430に表示される特別画像画面の別例を示す図である。ここでは、第1所定画像として千両箱に積まれる遊技玉の玉嵩を、第2所定画像として万両箱を表示する場合を図示している。ここでは、第1表示閾値を1000発、第2表示閾値を10000発とする場合を例示する。
ローカル計数玉数が1000発に達すると、千両箱に遊技玉1段が表示される(千両箱第1玉嵩表示段階)。ローカル計数玉数が2000発に達すると、千両箱に遊技玉2段が表示される(千両箱第2玉嵩表示段階)。同様に、ローカル計数玉数が3000発に達すると千両箱に遊技玉3段が表示され(千両箱玉嵩第3玉嵩表示段階)、ローカル計数玉数が4000発に達すると千両箱に遊技玉4段が表示される(千両箱第4玉嵩表示段階)。
以下同様にして、ローカル計数玉数が9000発に達すると、千両箱に遊技玉9段が表示される(千両箱第9玉嵩表示段階)。そして、ローカル計数玉数が10000発に達すると、千両箱の玉嵩が10段となるが、千両箱にこれ以上遊技玉を積み上げることができないため、千両箱の玉嵩を全てクリアして、新たに万両箱が1つ表示される(万両箱第1表示段階)。
その後、ローカル計数玉数が11000発に達すると、千両箱に遊技玉1段が表示され、万両箱が1つ表示される(千両箱第1玉嵩表示段階&万両箱第1表示段階)。以下同様にして、ローカル計数玉数が19000発に達すると、千両箱に遊技玉9段が表示され、万両箱が1つ表示される(千両箱第9玉嵩表示段階&万両箱第1表示段階)。そして、ローカル計数玉数が20000発に達すると、千両箱の玉嵩が10段となるが、千両箱にこれ以上遊技玉を積み上げることができないため、千両箱の玉嵩を全てクリアして、新たに万両箱を1つ追加し、万両箱が2つ表示される(万両箱第2表示段階)。
この表示画面例では、ローカル計数玉数1000発毎に千両箱の玉嵩(第1所定画像)の表示を1段ずつ増やしていくが、ローカル計数玉数の増分が10000発に達すると、千両箱の玉嵩(第1所定画像)を非表示として、万両箱(第2所定画像)を新たに表示する。
なお、ローカル計数玉数の増分が10000発に達した場合に、表示されている千両箱の玉嵩(第1所定画像)を非表示とせず、千両箱の玉嵩(第1所定画像)の表示を継続させて、万両箱(第2所定画像)を新たに表示させるようにしてもよい。つまり、第2所定画像を表示させる際に、第1所定画像を非表示とさせてもよいし、第1所定画像の表示を継続させてもよい。
図25は、第1表示部430に表示される特別画像画面の別例を示す図である。ここでは、第1所定画像として一の玉箱に積まれる遊技玉の玉嵩を、第2所定画像として別の玉箱に積まれる遊技玉の玉嵩を表示する場合を図示している。ここでは、第1表示閾値を1000発、第2表示閾値を10000発とする場合を例示する。
ローカル計数玉数が1000発に達すると、1つ目の箱に遊技玉1段が表示される(第1玉嵩表示段階)。ローカル計数玉数が2000発に達すると、1つ目の箱に遊技玉2段が表示される(第2玉嵩表示段階)。同様に、ローカル計数玉数が3000発に達すると1つ目の箱に遊技玉3段が表示され(第3玉嵩表示段階)、ローカル計数玉数が4000発に達すると1つ目の箱に遊技玉4段が表示される(第4玉嵩表示段階)。
以下同様にして、ローカル計数玉数が9000発に達すると、1つ目の箱に遊技玉9段が表示される(第9玉嵩表示段階)。そして、ローカル計数玉数が10000発に達すると、1つ目の箱に遊技玉10段が表示される。この際、1つ目の箱に遊技玉がそれ以上積み上げられない状態となるため、2つ目の箱が表示される(第10玉嵩表示段階)。
以下同様であり、ローカル計数玉数が11000発に達すると、2つ目の箱に遊技玉1段が表示される(第11玉嵩表示段階)。そして、ローカル計数玉数が20000発に達すると、2つの目の箱に遊技玉10段が表示される。この際、2つ目の箱に遊技玉がそれ以上積み上げられない状態となるため、3つ目の箱が表示される(第20玉嵩表示段階)。
この表示画面例では、ローカル計数玉数1000発毎に玉箱の玉嵩(第1所定画像)の表示を1段ずつ増やしていき、ローカル計数玉数の増分が10000発に達した場合に、先に積み上げられた玉箱の玉嵩(第1所定画像)の表示をそのまま残して(継続して)、次の玉箱の玉嵩(第2所定画像)を新たに表示する。
なお、ローカル計数玉数の増分が10000発に達した場合に、先に積み上げられた玉箱の玉嵩(第1所定画像)の表示を継続させず、先に積み上げられた玉箱の玉嵩(第1所定画像)を非表示として、次の玉箱の玉嵩(第2所定画像)を新たに表示させるようにしてもよい。つまり、第2所定画像を表示させる際に、第1所定画像を非表示とさせてもよいし、第1所定画像の表示を継続させてもよい。
[1−8.表示画面]
図26(1)は、カードユニット3の液晶表示器313に表示されるメニュー画面の一例を示す図である。
このメニュー画面には、メインメニューとして、台データと、ポイント表示と、ランキングと、再プレイと、ドル箱表示と、振り分けとにそれぞれ対応するアイコンが表示されている。このメインメニューにおける振り分けアイコンをタップすることで、遊技者は、振り分けを行うことが可能となる。また、メニュー画面の下部には、遊技者の計数済玉数(ローカル計数玉数)が別枠内に表示されている。
図26(2)は、図26(1)のメニュー画面において、ドル箱表示のアイコンがタップされることで表示される特別画像画面の一例を示す図である。
この特別画像画面には、遊技者のローカル計数玉数に応じた特別画像として、ドル箱画像(第1所定画像)と特箱画像(第2所定画像)が表示されている。また、特別画像画面の下部には、遊技者の計数済玉数(ローカル計数玉数)が別枠内に表示されている。
なお、後述するように、当日貯玉数ではなく、ローカル計数玉数に振分玉数を加算するケースがある。この場合、ローカル計数玉数に振分玉数を加算してローカル計数玉数を更新し、この更新したローカル計数玉数を対象として特別画像を表示させる特別画像表示処理を実行することとしてもよい。そして、他の遊技者から振り分けが行われた場合に、振分玉数の加算分に応じて、表示させる所定画像を追加するようにすると好適である。
具体的には、図26(2)の特別画像画面において、他の遊技者から振り分けが行われた場合には、振分玉数の加算分に応じて、ドル箱画像や特箱画像を追加して表示を更新するようにすると好適である。
図27は、振分元カードユニット3Aの液晶表示器313に表示される表示画面の一例を示す図である。
図27(1)は、振分先選択画面の一例を示す図である。
この振分先選択画面には、「玉をプレゼントするお客様の遊技台を選択してください。」というメッセージとともに、遊技者がスクロールバーによって遊技台を選択するための選択画面が表示されている。遊技者はスクロールバーを操作して遊技台を選択してタップし、下部に表示された決定アイコンをタップすることで、玉をプレゼントする相手を選択・決定することができる。ここでは、振分先の遊技者の遊技台として5番台が選択された場合を例示している。
図27(2)は、振分対象玉種別選択画面の一例を示す図である。
この振分対象玉種別選択画面は、図27(1)において決定アイコンがタップされることで表示される表示画面であり、「貯玉数から振り分け」、「計数済玉数から振り分け」の2つのアイコンが表示されている。遊技者は、これらのアイコンをタップすることで、貯玉数とローカル計数玉数とのいずれを振分対象玉種別とするかを選択・決定することができる。また、画面下部には、ローカル計数玉数を遊技者が把握できるように、計数済玉数が別枠内に表示されている。ここでは、貯玉数から振り分けが選択された場合を例示している。
図27(3)は、振分対象玉種別確認画面の一例を示す図である。
この振分対象玉種別確認画面は、図27(2)において貯玉数から振り分けが選択された場合に表示される表示画面であり、「計数済玉数が7500玉ありますが、貯玉使用でよろしいですか?」というメッセージとともに、「はい」と「いいえ」の2つのアイコンが表示されている。「はい」のアイコンを遊技者がタップすると、貯玉数からの振り分けが実行され、「いいえ」のアイコンを遊技者がタップすると、ローカル計数玉数からの振り分けが実行される。
図27(4)は、振分玉数入力画面の一例を示す図である。
この振分玉数入力画面は、図27(3)において「はい」のアイコンがタップされたことで表示される表示画面であり、「プレゼントする貯玉数を入力してください。」というメッセージが表示されている。また、画面の最下部には、振分玉数を遊技者が入力するためのテンキーのアイコンが表示されている。遊技者は、このテンキーのアイコンをタップして、振分玉数を入力する。入力された振分玉数は、画面中央部にプレゼント玉数として表示される。また、画面下部には、決定アイコンとキャンセルアイコンとが表示されている。遊技者は振分玉数を入力した後、決定アイコンをタップすることで、振分玉数を決定することができる。
図28は、図27に引き続いて、振分元カードユニット3Aの液晶表示器313に表示される表示画面の一例を示す図である。
図28(1)は、振分元確認画面の一例を示す図である。
この振分元確認画面は、図27(4)において決定アイコンがタップされることで表示される表示画面であり、「5番台のお客様に5000玉プレゼントしますか?」というメッセージが表示されている。また、画面下部には、「はい」と「いいえ」のアイコンが表示されている。遊技者が「はい」のアイコンをタップすることで、カードユニット3によって振分許可要求処理が実行され、玉管理コンピュータ8によって振分許可判定処理が実行される。
図28(2)は、振分許可報知画面の一例を示す図である。
この振分許可報知画面は、玉管理コンピュータ8によって振分許可と判定された場合に表示される表示画面であり、「プレゼントに成功しました。」というメッセージとともに、元の貯玉数と、プレゼント玉数と、残りの貯玉数とが表示されている。また、画面下部には「OK」のアイコンが表示されている。
図28(3)は、振分不許可報知画面の一例を示す図である。
この振分不許可報知画面は、玉管理コンピュータ8によって振分不許可と判定された場合に表示される表示画面であり、「5番台のお客様の貯蓄上限を超えるため、プレゼントすることができませんでした。」というメッセージが表示されている。また、画面下部にはOKアイコンが表示されている。
図28(4)は、振分可能玉数表示画面の一例を示す図である。
この振分可能玉数表示画面は、図28(3)においてOKアイコンがタップされることで表示される表示画面であり、振分可能玉数を遊技者に報知するためのメッセージとして、「3000玉までならプレゼントすることができます。」というメッセージが表示されている。また、画面下部にはOKアイコンが表示されている。
図29は、振分先カードユニット3の液晶表示器313に表示される表示画面の一例を示す図である。
図29(1)には、振り分け要求があったことを遊技者に報知するためのメッセージとして、「1番台のお客様からプレゼントが届いています。」というメッセージが表示されている。また、画面下部には、確認アイコンが表示されており、この確認アイコンをタップすることで、次の振分実施報知画面に表示が切り替わる。
図29(2)は、振分実施報知画面の一例を示す図である。
この振分実施報知画面には、振り分けが実施されたことを振分先の遊技者に報知するためのメッセージとして、「プレゼントを受け取りました。」というメッセージが表示されている。また、その下には、元の当日貯玉数と、プレゼント玉数と、新しい当日貯玉数とが表示されている。また、画面下部には、OKアイコンが表示されている。
図29(3)は、振分不実施報知画面の一例を示す図である。
この振分不実施報知画面には、振り分けが不実施とされたことを振分先の遊技者に報知するためのメッセージとして、「お客様の貯玉上限を超えるため、プレゼントを受け取ることができませんでした。」というメッセージが表示されている。また、画面下部には、OKアイコンが表示されている。
[1−9.作用効果]
第1遊技用システム1Aでは、遊技者が所持する遊技用記録媒体の識別情報と対応付けて、パチンコ機2での遊技に使用可能な遊技媒体数であって当該遊技者が貯蓄する貯蓄遊技媒体数を、所定の貯蓄上限値の範囲内で管理する管理装置である玉管理コンピュータ8と、当該玉管理コンピュータ8と通信可能に接続された遊技用装置であるカードユニット3とを備えて構成される。
玉管理コンピュータ8は、パチンコ機2での遊技により遊技者に付与された付与遊技価値である当日貯玉数を、所定条件の成立に応じて当該遊技者の貯玉数として記憶する記憶部880を備える。そして、玉管理コンピュータ8の処理部810は、所定条件が成立する前における当該遊技者の当日貯玉数と、当該当日貯玉数に加算される振分玉数との合計である合計玉数が貯蓄上限玉数を超える場合に、振分元カードユニット3A及び振分先カードユニット3Bに、振分を実行することができないことを示すメッセージを液晶表示器313に表示させるための処理を実行する。
これによれば、所定条件が成立する前における当日貯玉数に振分玉数が加算されたことで合計玉数が貯蓄上限玉数を超える場合に、所定のメッセージをカードユニット3に表示させることで、合計玉数を貯玉数として貯蓄することができないという弊害が生ずることを防止することができる。また、合計玉数を貯玉数として貯蓄することができないことを振分元の遊技者や振分先の遊技者に報知することが可能となり、特に振分先の遊技者に貯玉数を所費するように促すことができる。
また、玉管理コンピュータ8は、パチンコ機2での遊技により遊技者に付与されたローカル計数玉数と、当該遊技者の貯玉数とを合計した合計玉数が貯蓄上限玉数を超える場合に、貯玉ができないことをカードユニット3に報知させる。また、カードユニット3は、ローカル計数玉数に基づいて特別画像表示処理を実行し、ローカル計数玉数を第1所定画像及び第2所定画像で表した特別画像画面を表示する。
これによれば、遊技者に付与されたローカル計数玉数と貯玉数とを合計した合計玉数が貯蓄上限玉数を超える場合に、合計玉数を貯玉数として貯蓄することができないことを遊技者に報知することができる。また、パチンコ機2で遊技する遊技者のローカル計数玉数を示す直感的に分かり易い表示を可能としつつ、閾値間際のローカル計数玉数の増減によって所定画像の表示/非表示が頻繁に切り替わることを防止することができる。
[1−10.変形例]
[1−10−1.カードユニット間での振り分け]
上記の実施形態では、振分許否判定処理を玉管理コンピュータ8が実行し、玉管理コンピュータ8を介して、振分元カードユニット3Aと振分先カードユニット3Bとの間での振り分けが実行されることとして説明した。しかし、カードユニット3間の直接的な通信を可能とし、振分元カードユニット3Aと振分先カードユニット3Bとのいずれかのカードユニット3が振分許否判定処理を行うようにしてもよい。
図30は、この場合における振分元カードユニット3Aの処理部310が実行する第2振分許可判定要求処理と、振分先カードユニット3Bの処理部310が実行する第2振分許否判定処理との流れの一例を示すフローチャートである。
振分元カードユニット3Aの処理部310は、ユニットID、振分許可要求、振分玉種別及び振分玉数を含む振分許可要求信号を振分先カードユニット3Bに送信する(M1)。振分先カードユニット3Bの処理部310は、振分許可要求信号を受信すると(N1)、当該振分先カードユニット3Bの現在の状態を確認する(N3)。
次いで、処理部310は、N3の状態確認の結果に基づいて、会員カードを受付中であるか否かを判定し(N5)、受付中ではないと判定したならば(N5;No)、受付エラー通知を含む受付エラー信号を振分元カードユニット3Aに送信する(N7)。そして、処理部310は、第2振分許否判定処理を終了する。
一方、会員カード受付中であると判定したならば(N5;Yes)、振分先カードユニット3Bの処理部310は、受付中の会員カードに対応する当日貯玉数と受信した振分玉数とを合算する(N9)。
次いで、振分先カードユニット3Bの処理部310は、N9で算出した合計玉数が貯蓄上限玉数を超えているか否かを判定し(N11)、超えていると判定したならば(N11;Yes)、振分不許可通知及び振分可能玉数を含む振分不許可信号を振分先カードユニット3Bに送信する(N13)。そして、処理部310は、振分不実施報知処理を行った後(N15)、第2振分許否判定処理を終了する。
合計玉数が貯蓄上限玉数を超えていないと判定したならば(N11;No)、処理部310は、振分許可通知を含む振分許可信号を振分元カードユニット3Aに送信する(N17)。そして、処理部310は、当日貯玉数更新処理を行う(N19)。具体的には、RAM330の当日貯玉数データ335に記憶されている当日貯玉数を合計玉数に更新する。そして、処理部310は、第2振分許否判定処理を終了する。
振分元カードユニット3Aの処理部310は、振分先カードユニット3Bから受付エラー信号を受信したか否かを判定し(M3)、受信したと判定した場合には(M3;Yes)、受付エラー報知処理を実行する(M5)。そして、処理部310は、第2振分許可要求処理を終了する。
受付エラー信号を受信しなかったならば(M3;No)、処理部310は、振分先カードユニット3から受信した振分許否判定結果の信号の種類を判定し(M7)、受信した信号が振分許可信号であったならば(M7;振分許可信号)、振分許可報知処理を実行する(M9)。そして、処理部310は、玉数更新処理を行う(M11)。具体的には、振分を実行した玉種別(当日貯玉/ローカル計数玉)に基づいて、RAM330に記憶されているローカル計数玉数データ333/当日貯玉数データ335の玉数から振分玉数を減算して更新する。そして、処理部310は、第2振分許可要求処理を終了する。
一方、受信した信号が振分不許可信号であったならば(M7;振分不許可信号)、処理部310は、振分不許可報知処理を実行する(M13)。そして、処理部310は、振分可能玉数報知処理を実行した後(M15)、第2振分許可要求処理を終了する。
[1−10−2.処理パターン]
図31は、カードユニット3と玉管理コンピュータ8との間で行われる処理の処理パターンのバリエーションを示す図である。
図31(1)は、振分判定に係る処理パターンを示したテーブルであり、処理パターンと、玉管理コンピュータ8が行う処理と、カードユニット3(振分元、振分先)が行う処理とを対応付けたテーブルを表形式で図示している。
パターンA1は、上記の実施形態で説明したように、振分元カードユニット3Aが振分許可要求処理を実行し、玉管理コンピュータ8が振分許否判定処理を実行する処理パターンである。
パターンA2は、上記の変形例で説明したように、振分先カードユニット3Bが振分許否判定処理を実行する処理パターンである。
パターンA3は、パターンA1、A2とは異なり、振分元カードユニット3Aが振分許否判定処理を実行する処理パターンである。パターンA3では、振分元カードユニット3Aが、振分先カードユニット3Bが受付中の会員カードに対応する当日貯玉数を玉管理コンピュータ8から受信する。そして、受信した当日貯玉数と、遊技者により指定された振分玉数とを合算し、その合計玉数が貯蓄上限玉数を超えているか否かを判定する。
図31(2)は、振分許否判定処理の判定結果に基づく所定報知に係る処理パターンを示したテーブルであり、処理パターンと、カードユニット3(振分元、振分先)が行う処理とを対応付けたテーブルを表形式で図示している。
パターンB1は、上記の実施形態で説明したように、振分元カードユニット3Aが振分不許可報知処理を行い、振分先カードユニット3Bが振分不実施報知処理を行う処理パターンである。
パターンB2は、パターンB1とは異なり、振分元カードユニット3Aは振分不許可報知処理を実行するが、振分先カードユニット3Bは振分不実施報知を実行しない処理パターンである。つまり、振分元の遊技者に対してのみ、振り分けが不許可とされたことを報知する。
図31(3)は、貯玉判定に係る処理パターンを示したテーブルであり、玉管理コンピュータ8と、カードユニット3が行う処理とを対応付けたテーブルを表形式で図示している。
パターンC1は、上記の実施形態で説明したように、カードユニット3が貯玉可否判定要求処理を実行し、玉管理コンピュータ8が貯玉可否判定処理を実行する処理パターンである。
パターンC2は、パターンC1とは異なり、玉管理コンピュータ8が貯玉可否判定処理を実行するのではなく、カードユニット3が貯玉可否判定処理を実行する処理パターンである。この場合は、カードユニット3が、会員カードを受け付けた際に玉管理コンピュータ8から受信した貯玉数とローカル計数玉数とを合算し、その合計玉数が貯蓄上限玉数を超えるか否かを判定することで、貯玉の可否を判定する。
図31(1)〜(3)に示した処理パターンは、それぞれ組み合わせて適用することが可能である。つまり、振分可否判定、振分報知、貯玉可否判定に係る各テーブルに示した処理パターンは、任意の組合せで相互に組み合わせて適用することが可能である。
[1−10−3.貯玉可否判定処理]
上記の実施形態では、会員カード受付処理において、会員カードの受付時に貯玉可否判定処理を行って、貯玉が可能であるか否かを判定することとして説明した。これは、前述したように、将来的に貯玉となる可能性がある玉数が貯蓄上限玉数を超えるか否かを、会員カードの受付時に判定するものである。
しかし、会員カードの受付時に限らず、会員カードの返却時に貯玉可否判定処理を行って、貯玉が可能であるか否かを判定するようにしてもよい。具体的には、遊技者により会員カードを返却する操作がなされた場合に、カードユニット3が玉管理コンピュータ8に対して貯玉可否判定要求を行い、玉管理コンピュータ8が貯玉可否判定処理を行うようにしてもよい。
この場合、玉管理コンピュータ8は、ローカル計数玉数と貯玉数との合計玉数(ローカル計数玉数+当日貯玉数+過去貯玉数)が貯蓄上限玉数を超えるか否かを判定し、その判定結果をカードユニット3に送信する。カードユニット3は貯玉不可信号を受信した場合には、所定報知として、貯玉上限を超えるために会員カードを返却することができない旨を遊技者に報知する会員カード返却規制報知処理を行い、会員カードの返却を規制する。なお、この場合において、会員カード返却規制報知処理を省略してもよい。
また、合計玉数が貯蓄上限玉数を超える場合に、貯蓄上限玉数を超えた分の玉数を無効にする旨を遊技者に報知する超過玉数無効報知処理を行い、貯蓄上限玉数を超えた分の玉数を無効化して、遊技者に会員カードを返却するようにしてもよい。なお、この場合において、超過玉数無効報知処理を省略してもよい。
また、上記のように会員カードの返却時に貯玉可否判定処理を行うのではなく、例えば、所定の時間間隔毎のタイミング(例えば30分毎や1時間毎のタイミング)や、カードユニット3によってローカル計数玉数の計数が行われる毎のタイミングで貯玉可否判定処理を行うようにしてもよい。
なお、上記では、会員カードの受付時や会員カードの返却時といった各種のタイミングで貯玉可否判定処理を玉管理コンピュータ8が実行することとして説明したが、これをカードユニット3が行うようにしてもよい。つまり、貯玉可否判定処理の処理主体は、管理装置であってもよいし、遊技用装置であってもよい。これは、後述する実施形態においても同様である。
[1−10−4.カード受付処理]
図14のカード受付処理において、貯玉可否判定処理によって貯玉が不可能であると判定された場合であっても、会員カードを受け付けるようにしてもよい。この場合、B19において、会員カードは一旦受け付けるが、その後に会員カードの返却が規制される旨を遊技者に報知する会員カード返却規制報知処理を行い、B21において、会員カードを受け付ける会員カード受付処理を行う。そして、その後に遊技者により会員カードを返却する操作がなされた場合に、会員カードの返却を規制するようにすればよい。
なお、会員カードの返却の規制により遊技者が会員カードをカードユニット3から取り出すことができないことになると遊技者にとって不都合であるため、上記のように、会員カードの返却操作がなされた場合に貯玉可否判定処理を行うようにし、ローカル計数玉や貯玉の消費によって貯玉が可能な状態となっている場合には、会員カードの返却の規制を解除して、会員カードを遊技者に返却するようにすると好適である。
また、図14の会員カード受付処理において、貯玉可否判定処理によって貯玉が不可能であると判定された場合に、貯蓄上限玉数を超えた分の玉数を無効にするようにしてもよい。この場合には、B19において貯蓄上限玉数を超えた分の玉数を無効にする旨を遊技者に報知する超過玉数無効報知処理を行い、B21において会員カードを受け付ける会員カード受付処理を行う。そして、その後に遊技者により会員カードを返却する操作がなされた場合に、貯蓄上限玉数を超えた分の玉数を無効化して、遊技者に会員カードを返却するようにしてもよい。
また、ビジターカードでは貯玉ができないため、図14のカード受付処理では、会員カードが挿入された場合であって(B7;Yes)、ローカル計数玉がある場合に(B11;Yes)、貯玉可否判定要求処理を行い(B13)、玉管理コンピュータ8に貯玉可否判定処理を実行させるようにしている。しかし、ビジターカードについても、会員カードにおける貯玉可否判定要求処理を同様の処理を行って、ビジターカードに記録された持玉数が所定の上限玉数を超えるか否かを判定するようにしてもよい。
ビジターカードの記憶容量の問題で、ビジターカードに書き込むことができる持玉数には限度がある。また、ビジターカードに書き込まれるデータ量が膨大となることや、遊技客がビジターカードを紛失した場合やビジターカードの盗難にあった場合に多大な損失を被ること、店舗側の運営管理が容易になること等の理由から、会員カードと同様に、ビジターカードについても、持玉数に対する上限玉数を定めておくことが適切である。
そこで、ビジターカードが挿入された場合であって(B1;Yes)、ローカル計数玉が存在する場合に(B11;Yes)、遊技者が所有している持玉数とローカル計数玉数とを加算した合計玉数がビジターカードに対応する上限玉数を超えるか否かを判定し、上限玉数を超えていないと判定した場合には、ビジターカードを受け付けるようにし、上限玉数を超えると判定した場合には、ビジターカードを返却するようにしてもよい。この場合における判定の処理主体も、前述したように、管理装置としてもよいし、遊技用装置としてもよい。
[1−10−5.振り分け]
上記の実施形態で説明した振り分けが実行されることにより、振分先の遊技者が所有することとなる合計玉数が貯蓄上限玉数を超えてしまう場合がある。そこで、上記のカード受付処理の変形例と同様に、振り分けが実行された場合であって、合計玉数が貯蓄上限玉数を超える場合に、受付中の会員カードを返却することができない旨を遊技者に報知する会員カード返却規制報知処理を行い、会員カードの返却を規制してもよい。
なお、この場合にも、会員カードの返却の規制により遊技者が会員カードをカードユニット3から取り出すことができないことになると遊技者にとって不都合であるため、会員カードの返却操作がなされた場合に貯玉可否判定処理を行うようにし、ローカル計数玉や貯玉の消費によって貯玉が可能な状態となっている場合には、会員カードの返却の規制を解除して、会員カードを遊技者に返却するようにすると好適である。
また、振り分けが実行された場合に、振分先の遊技者が所有することとなる玉数のうち、貯蓄上限玉数を超えた分の玉数を無効にする旨を遊技者に報知する超過玉数無効報知処理を行い、遊技者により会員カードを返却する操作がなされた場合に、貯蓄上限玉数を超えた分の玉数を無効化して、遊技者に会員カードを返却するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、貯玉とローカル計数玉とを振分対象玉種別として、貯玉とローカル計数玉とのいずれかの玉種別の中から振り分けを行うこととして説明したが、貯玉を優先的に振分対象玉種別として振り分けを行うようにしてもよいし、ローカル計数玉を優先的に振分対象玉種別として振り分けを行うようにしてもよい。また、ビジターカードに対応付けられた持玉数を振分対象玉種別として振り分けを行うようにしてもよい。
[1−10−6.特別画像表示処理]
上記の実施形態で説明した特別画像表示処理は、前述した処理に限られるわけではない。以下、特別画像表示処理の変形例について説明する。
図32は、カードユニット3の処理部310が、図21の特別画像表示処理に代えて実行する第2特別画像表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
処理部310は、第1単位球数=ローカル計数玉数−(第1表示カウンタ値×第1表示閾値)を算出する(L1)。また、処理部310は、第2単位球数=ローカル計数玉数−(第2表示カウンタ値×第2単位球数)を算出する(L3)。ここで、第1単位球数は、第1表示閾値及び第1非表示閾値を用いた閾値判定を可能とするために、0発〜1000発の数値範囲に正規化したローカル計数玉数である。また、第2単位球数は、第2表示閾値及び第2非表示閾値を用いた閾値判定を可能とするために、0発〜5000発の数値範囲に正規化したローカル計数玉数である。
次いで、処理部310は、第1単位球数が第1表示閾値に達したか否かを判定し(L5)、達したと判定したならば(L5;Yes)、第1表示カウンタ値に1を加算する(L7)。そして、処理部310は、第2単位球数が第2表示閾値に達したか否かを判定し(L9)、達したと判定したならば(L9;Yes)、第2表示カウンタ値に応じた数の第2所定画像を第1表示部430に表示させるように制御する(L11)。
次いで、処理部310は、第1所定画像を全表示消去させる制御を行う(L13)。そして、処理部310は、第2表示カウンタ値に1を加算するとともに(L15)、第1表示カウンタ値をリセットして(L17)、第2特別画像表示処理を終了する。
L9において第2単位球数が第2表示閾値に達していないと判定したならば(L9;No)、処理部310は、第1表示カウンタ値に応じた数の第1所定画像を第1表示部430に表示させるように制御する(L19)。そして、第2特別画像表示処理を終了する。
L5において第1単位球数が第1表示閾値に達していないと判定したならば(L5;No)、処理部310は、第1単位球数が第1非表示閾値を下回ったか否かを判定する(L21)。
第1単位球数が第1非表示閾値を下回ったと判定したならば(L21;Yes)、処理部310は、第1表示カウンタ値が0であるか否かを判定し(L23)、0ではないと判定したならば(L23;No)、第1表示カウンタ値から1を減算する(L25)。そして、第1表示カウンタ値に応じた数の第1所定画像を第1表示部430に表示させる制御を行う(L27)。
その後、処理部310は、第2単位球数が第2非表示閾値を下回ったか否かを判定する(L29)。そして、下回ったと判定したならば(L29;Yes)、第2表示カウンタ値が0であるか否かを判定し(L31)、0ではないと判定したならば(L31;No)、第2表示カウンタ値から1を減算する(L33)。そして、第2表示カウンタ値に応じた数の第2所定画像を第1表示部430に表示させる制御を行った後(L35)、第2特別画像表示処理を終了する。
このような第2特別画像表示処理を行うことによっても、遊技者のローカル計数玉数に応じて、第1所定画像及び第2所定画像を適切に表示/非表示させ、遊技機で遊技する遊技者や周囲の遊技客に、該遊技者の遊技状態(遊技媒体の所持数)を分かり易い形で報知することができる。
[1−10−7.特別画像]
ローカル計数玉数の計数中や計数後に、特別画像表示処理を実行して、特別画像を表示させてもよい。また、計数払出ユニット380の計数結果に基づいてローカル計数玉数をリアルタイムに更新して、特別画像をローカル計数玉数と併せて表示させてもよい。また、遊技者が所有するプリペイド残額やカード残額の情報を併せて特別画像を表示させてもよい。
また、カードユニット3による玉貸中や玉貸後に、特別画像表示処理を実行して、特別画像を表示させてもよい。この場合も、ローカル計数玉数を玉貸中画面に併せて表示させてもよいし、ローカル計数玉数及び特別画像を玉貸中画面に併せて表示させてもよい。また、前述したように、遊技者が所有するプリペイド残額やカード残額の情報を併せて表示させてもよい。
[2.第2実施形態]
[2−1.遊技用システムの構成]
図33は、第2実施形態における第2遊技用システム1Bのシステム構成の一例を示す図である。
第2遊技用システム1Bは、不図示の遊技島に設置される遊技機の一種である複数のパチンコ機2と、各パチンコ機2に対応して設けられる遊技用装置及び記録媒体処理装置の一種であるカードユニット3と、各パチンコ機2に対応して設けられる遊技用装置及び情報表示装置の一種であるデータ表示装置4と、管理装置の一種であるホールコンピュータ6と、管理装置の一種であるカード管理コンピュータ7と、管理装置の一種である玉管理コンピュータ8と、カード会社12とを備えて構成される。
遊技島に設置される各パチンコ機2の上方所定位置には、カラーの液晶画面によってパチンコ機2での遊技に係る遊技情報や店舗の営業に係る店舗情報等の各種の情報を表示するデータ表示装置4が設置されている。
データ表示装置4は、後述するように第1表示部430と第2表示部440との2つの表示部を有し、第1表示部430と第2表示部440とでそれぞれ異なるデータを表示する。データ表示装置4は、遊技者や遊技客に対して情報を公開する端末であるため、情報公開端末と言い換えることもできる。また、データ表示装置4は、スピーカを有する音出力部450を備え、各種の音を音出力可能に構成されている。
なお、データ表示装置4以外の装置については、第1実施形態で説明した第1遊技用システム1Aにおける装置と同様であるため、再度の説明を省略する。
[2−2.情報及び信号の流れ]
図34は、第2遊技用システム1Bの各装置間における情報及び信号の流れの一例を示す図である。なお、図34では、説明の簡明化のために、台端末10については図示を省略している。
本実施形態では、一のパチンコ機2で遊技する遊技者がデータ表示装置4を操作して、自身の貯玉やローカル計数玉の一部又は全部を、他のパチンコ機2で遊技する遊技者に振り分けることが可能に構成されている。また、振分操作による振分元のデータ表示装置4のことを振分元データ表示装置4Aと称し、振分先のデータ表示装置4のことを振分先データ表示装置4Bと称する。
振分元データ表示装置4Aと振分先データ表示装置4Bとは、何れも同じデータ表示装置4として設計されているため、各データ表示装置4からは同種の信号が外部装置に送信され、各データ表示装置4には同種の信号が外部装置から受信されるように構成されている。しかし、図34では、説明を分かり易くするために、振分元データ表示装置4Aと振分先データ表示装置4Bとを別個のデータ表示装置4として図示した上で、振り分けの処理を行うために送受信が必要となる信号を、振分元データ表示装置4Aと振分先データ表示装置4Bとで区別して図示している。
パチンコ機2からは、大当り中信号や確変中信号、時短中信号、打込信号、賞球信号、始動信号といった遊技に係る信号がデータ表示装置4及びホールコンピュータ6に出力される。
振分元データ表示装置4Aからは、振分許可要求信号及び貯玉可否判定要求信号が玉管理コンピュータ8に送信される。また、玉管理コンピュータ8からは、振分許否判定処理を行った判定結果を示す信号として、振分許可/不許可信号が振分元データ表示装置4Aに送信される。
振分先データ表示装置4Bからは、貯玉可否判定要求信号が玉管理コンピュータ8に送信される。また、玉管理コンピュータ8からは、振分許否判定処理を行った判定結果を示す信号として、振分実施/不実施信号が振分先データ表示装置4B送信される。
カードユニット3からは、カード挿入/排出信号がデータ表示装置4に送信される。また、カードユニット3からは、計数払出ユニット380により計数された遊技者の計数済玉数を表すローカル計数玉数と、貯玉数と、持玉数とがデータ表示装置4に送信される。本実施形態では、カードユニット3が、間欠的なタイミングで、これらの玉数をデータ表示装置4に出力するように構成されている。
ここで、上記の間欠的なタイミングとは、随時(リアルタイム)のタイミングではなく、例えば、所定の時間間隔毎のタイミングや、計数払出ユニット380の計数結果が所定数に達したタイミング、計数払出ユニット380の計数がなくなってから所定時間が経過したら計数を確定し、その確定を待ったタイミングなどのことを言う。
振分元カードユニット3A及び振分先カードユニット3Bからは、カード挿入/排出信号と、受け付けた遊技用カードのカードIDと、貯玉使用により減算された貯玉数と、持玉使用により減算された持玉数と、ローカル計数玉数とが、玉管理コンピュータ8に送信される。
ホールコンピュータ6からは、データ表示装置4の表示部(第1表示部430及び第2表示部440)の表示用の設定データである表示用設定データや、表示部に特定の表示を行わせるための表示指示信号がデータ表示装置4に出力される。
なお、詳細な説明は省略するが、第2遊技用システム1Bでは、カードユニット3とデータ表示装置4との間でデータ通信が可能に構成されており、相互の遊技用装置の間でデータの齟齬が生じないように、カードユニット3とデータ表示装置4とが、例えば一定の時間間隔毎のタイミングで同期処理を行うように構成されている。
[2−3.ホールコンピュータの機能構成]
図35は、ホールコンピュータ6の機能構成の一例を示す図である。
ホールコンピュータ6は、処理部610と、入力部620と、表示部625と、音出力部630と、時計部635と、第1通信部640と、第2通信部650と、ROM670と、ハードディスク680と、RAM690とを備えて構成され、各部がバスを介して接続されるコンピューターシステムである。
処理部610は、ROM670に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、ホールコンピュータ6の各部を統括的に制御するCPUやDSP等プロセッサやASIC等の電気電子素子を有して構成される制御装置及び演算装置である。本実施形態において、処理部610は、主要な機能部として、表示設定部611と、遊技集計部613とを有する。
入力部620は、例えばキーボードやマウスを有して構成される入力手段であり、押下されたキーやボタンの信号(操作信号)を処理部610に出力する。この入力部620からの操作入力により、ハードディスク680に格納された各種データベースのデータの編集等の指示操作がなされる。
表示部625は、処理部610から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置であり、LCD等を有して構成される。表示部625には、ハードディスク680に格納された各種データベースのデータの内容等が表示される。
音出力部630は、処理部610から出力される音出力制御信号に基づく各種の音出力を行うスピーカなどの音出力装置である。音出力部630からは、例えば、注意を促す場合や、異常が発生した場合に、それを管理者に報知する警告音等が音出力される。
時計部635は、ホールコンピュータ6が備える内部時計であり、例えば、水晶振動子及び発振回路を含む水晶発振器を有して構成される。時計部635の計時時刻(日付を含む。)は処理部610に出力される。
第1通信部640は、パチンコ機2との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第1通信部640は、パチンコ機2から、大当り中信号や確変中信号、時短中信号、打込信号、賞球信号、始動信号等の遊技信号を受信する。なお、これらの遊技信号の他に、セーフ球の数を示すセーフ信号や、アウト球の数を示すアウト球信号を受信することとしてもよい。
第2通信部650は、データ表示装置4との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第2通信部650は、処理部610の制御に従って、表示用設定データ691や音量用設定データ693、光量用設定データ695といったデータ表示装置4における表示や音出力、発光に係る設定用データや、データ表示装置4に一斉演出の表示を指示するための一斉演出表示指示信号等を含む表示指示信号をデータ表示装置4に送信する。
ROM670は、読み出し専用の不揮発性の記憶装置であり、ホールコンピュータ6のシステムプログラム等の各種のプログラムを記憶している。本実施形態において、ROM670には、処理部610によって読み出され、管理処理として実行される管理プログラム671が記憶されている。管理プログラム671は、表示設定処理として実行される表示設定プログラム671aをサブルーチンとして含む。
なお、ホールコンピュータ61Aが記憶装置としてROM670を備えないような構成とすることも可能であり、この場合は、上記の各種プログラムを、例えばハードディスク680に記憶させるようにすればよい。
ハードディスク680は、読み書き可能な不揮発性の記憶装置であり、データ表示装置4の表示設定に係る各種のデータや、パチンコ機2での遊技に係る各種のデータベースを記憶する。具体的には、表示内容設定用テーブル681と、一斉演出時表示設定用テーブル682と、表示パターン設定用テーブル683と、遊技集計データベース688と、売上管理データベース689とが記憶される。
表示内容設定用テーブル681は、データ表示装置4の表示内容の設定に係るテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図36に示す。表示内容設定用テーブル681には、パチンコ機IDと、機種名と、表示種別と、表示内容とが対応付けて記憶されている。
パチンコ機IDは、各パチンコ機2をユニークに識別するための番号(ID)であり、各パチンコ機2に個別に割り当てられている。
機種名は、該パチンコ機IDのパチンコ機2の機種名である。
表示種別は、データ表示装置4の表示の種別であり、本実施形態では「通常」と「一斉演出」との2種類が定められている。
表示内容は、データ表示装置4の表示部に表示させる表示内容であり、第1表示部430の表示内容と、第2表示部440の表示内容とがそれぞれ個別に定められている。
具体的には、パチンコ機IDがP1〜P20のパチンコ機2は、その機種名が「パチンコXXX」である。そして、通常時における第1表示部430の表示内容として、(1)遊技データ画面、(2)大当り履歴グラフ画面、(3)出玉グラフ画面、(4)特別画像画面、(5)メニュー画面、(6)振分先選択画面、(7)振分玉数選択画面、(8)確認画面、(9)振分許可/不許可画面、(10)振分実施/エラー画面、が定められている。これらの画面については後述する。
特別画像画面は、該データ表示装置4が対応して設けられたパチンコ機2で遊技する遊技者のローカル計数玉数を、所定画像を用いて表示する特別表示画面である。遊技者の所持球を所定画像を用いて表す所持球画像表示画面や、遊技者の所持球を簡易的に表す所持球簡易表示画面と言い換えることもできる。本実施形態では、データ表示装置4の第1表示部430に特別画像画面を表示させることとして説明する。
また、パチンコ機IDがP1〜P20のパチンコ機2について、一斉演出時の第1表示部430の表示内容としては、(1)大当りランニング演出、(2)パチンコ機特別映像、(3)特別キャラクタ映像、が定められている。
(1)大当りランニング演出は、同機種のパチンコ機2の中に大当りしたパチンコ機2が存在する場合に、同機種の全てのパチンコ機2に対応して設けられたデータ表示装置4の第1表示部430に大当りを祝う特別映像を表示させる演出である。ランニング演出は、遊技島の端から端までデータ表示装置4に一定の時間差で大当り映像を表示させることにより実現する。この場合、大当り映像に係る音声や音楽を特定音として音出力部450から出力する。
なお、大当りランニング演出とは異なり、個別のデータ表示装置4において、該データ表示装置4に対応して設けられるパチンコ機2において大当りが発生した場合に、大当りを祝福するファンファーレ音を、該データ表示装置4の音出力部450から特定音として出力させてもよい。
また、大当りの発生に伴い、遊技者のローカル計数玉数が1000発、2000発、3000発、・・・、と増加していく場合に、1000発突破、2000発突破、3000発突破、といった、ローカル計数玉数の突破表示を第1表示部430に表示させたり、ローカル計数玉数の突破報知音を音出力部450から特定音として出力するようにしてもよい。なお、突破報知を行うローカル計数玉数は、1000発単位や5000発単位、10000発単位としてもよい。
(2)パチンコ機特別映像は、該機種のパチンコ機2のプロモーション映像であり、同機種の全てのパチンコ機2に対応して設けられたデータ表示装置4の第1表示部430に一斉演出表示させる。
(3)特別キャラクタ映像は、該機種のパチンコ機2の隠れキャラクタやマスコットキャラクタの映像であり、同機種の全てのパチンコ機2に対応して設けられたデータ表示装置4の第1表示部430に一斉演出表示させる。
また、通常時の第2表示部440の表示内容としては、(1)空き台情報、(2)大当り情報、(3)潜伏確変情報、(4)時短情報、が定められている。
(1)空き台情報は、該パチンコ機2が現在空き台であることを示す情報である。
パチンコ機2が空き台であるか否かは、後述するデータ表示装置4の処理部410が実行する稼働判定処理によって判定することができる。
稼働判定処理では、例えば、パチンコ機2から一定時間以上遊技信号の受信がない場合(例えば、アウト信号やセーフ信号の受信がない場合)に、該パチンコ機2は稼働状態ではない(非稼働状態)と判定し、空き台であると判定することができる。
また、本実施形態において、パチンコ機2にはカードユニット3が併設されるため、このカードユニット3からのカード挿入/排出信号や、ローカル計数玉数、貯玉数、持玉数、プリペイド残額等のデータに基づいて稼働判定処理を行って、該パチンコ機2が空き台であるか否かを判定することも可能である。また、パチンコ機2からの信号とカードユニット3からの信号とを併用し、これらの信号に基づいて稼働判定処理を行って、該パチンコ機2が空き台であるか否かを判定するようにしてもよい。この場合は、稼働判定及び空き台判定をより確実に行うことができる。
また、パチンコ機2から一定時間以上遊技信号を受信しない場合であっても、遊技者が席を確保した上で、トイレ休憩等の理由で離席している可能性がある。そこで、遊技者が着座していないパチンコ機2については店員が見回りをし、その台が稼働状態であるか否か(空き台であるか否か)を確認するようにしてもよい。空き台であると判断した場合には、店員が手元の設定用リモコンを用いてデータ表示装置4に空き台であることを表示させるように設定を行うなどすればよい。
(2)大当り情報は、該パチンコ機2が大当り中であることを示す情報である。パチンコ機2から大当り中信号を受信している間は、該パチンコ機2が大当り中であると判断することができる。
(3)潜伏確変情報は、該パチンコ機2が現在潜伏確変状態であることを示す情報である。潜伏確変中は、確変状態が潜伏しており、抽選が確変確率で行われるため、遊技者はそのまま遊技を継続することで、大当りする可能性が高い。
(4)時短情報は、該パチンコ機2が現在時短状態であることを示す情報である。時短中は、遊技者は予め定められた回転数(例えば30回転)だけ電サポ(電動チューリップによるサポート)状態で回転させることができるが、抽選は通常確率で行われるため、大当りする可能性は通常時と変わらない。
また、一斉演出時の第2表示部440の表示内容としては、(1)店舗宣伝情報、(2)新台入替情報、(3)店舗イベント情報、が定められている。
(1)店舗宣伝情報は、該店舗の営業時間や設置しているパチンコ機2の機種名、サービス内容等を示す情報である。
(2)新台入替情報は、新台として導入したパチンコ機2を示す情報や、次回の新台入替の日時を告知するための情報である。
(3)店舗イベント情報は、該店舗で実施されるイベントに関する情報である。例えば、レディースデーやシルバーデーといった情報がこれに含まれる。
同様に、パチンコ機IDがP21〜P40のパチンコ機2は、その機種名が「パチンコYYY」であり、第1表示部430と第2表示部440の表示内容がそれぞれ定められている。
パチンコ機IDがP21〜P40のパチンコ機2について、一斉演出時の第1表示部430の表示内容として、(1)大当りランニング演出、(2)パチンコ機特別映像、(3)特別キャラクタ映像、に加えて、(4)ライブ映像が定められている。
また、パチンコ機IDがP21〜P40のパチンコ機2について、通常時の第2表示部440の表示内容として、(1)空き台情報、(2)大当り情報、(3)小当り情報、(4)突確(突然確変)情報、が定められている。
つまり、本実施形態では、パチンコ機2の機種に応じて、パチンコ機2に対応して設けられるデータ表示装置4の第1表示部430や第2表示部440に表示させる表示内容をホールコンピュータ6側で自由に設定できる点が特徴である。
上記の表示内容設定用テーブル681では、第2表示部440の表示内容として、パチンコ機2から出力される情報に基づく遊技情報が定められている。具体的には、通常時における第2表示部440の表示内容として定められた(1)空き台情報、(2)大当り情報、(3)潜伏確変情報、(4)時短情報は、パチンコ機2から出力される遊技信号に基づいて特定可能な情報である。従って、ホールコンピュータ6の表示内容設定部は、パチンコ機2から出力される情報に基づく遊技情報を第2表示部440の表示内容として設定することができる。
これにより、遊技者以外の遊技客に対して遊技情報を視認可能とすることができる。例えば、遊技情報が潜伏確変状態の識別である場合は、遊技者に潜伏確変中であることを知られることなく、遊技者以外の遊技客に対して潜伏確変中であることを報知することが可能となる。
また、表示内容設定用テーブル681では、第2表示部440に表示させる情報として、第1表示部430に表示させる情報よりも少ない情報が定められている。これにより、ホールコンピュータ6の表示内容設定部は、第1表示部430に表示させる情報よりも少ない情報を第2表示部440に表示させるように表示内容を設定することになる。これによれば、遊技者以外の遊技客に対して適切な情報量で情報を視認させることができる。第2表示部440に表示させるのは、遊技者以外の遊技客向けの情報であるため、遊技者が遊技中に確認する第1表示部430に表示させる情報と比べて、少ない情報でよい。遊技客が遊技島全体を見て回る場合には、それほど細かい内容を通常見ないので、それで十分なケースが多いと考えられる。
上記の表示内容設定用テーブル681には、データ表示装置4の表示部(第1表示部430、第2、第2表示部440)に表示させる表示内容が定められており、処理部610は、この表示内容設定用テーブル681を用いて表示用設定データ691を作成することで、データ表示装置4の表示部の表示内容を設定する。従って、ホールコンピュータ6は、データ表示装置4の表示内容を設定する表示内容設定手段を有する。
一斉演出時表示設定用テーブル682は、一斉演出時におけるデータ表示装置4の表示設定に係るテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図37に示す。一斉演出時表示設定用テーブル682には、機種名と、一斉演出種別と、一斉演出表示条件と、一斉演出映像データ493とが対応付けて定められている。
一斉演出種別は、表示内容設定用テーブル681の表示種別「一斉演出」に定められている各種の表示内容である。
一斉演出表示条件は、一斉演出を第1表示部430に表示させるための条件である。
一斉演出映像データ493は、一斉演出表示条件が成立した場合に、第1表示部430に表示させる映像のデータである。
例えば、機種名「パチンコXXX」に対しては、一斉演出種別として「大当りランニング演出」と、「パチンコ機特別映像」と、「特別キャラクタ映像」とが定められている。「大当りランニング演出」の一斉演出表示条件は、「同機種のパチンコ機の中に大当りしたパチンコ機があること」であり、この場合に第1表示部430に表示させる一斉演出映像は「Movie_XXX1」である。
「パチンコ機特別映像」の一斉演出表示条件は、「第1の規定時間が経過する毎」であり、この場合に第1表示部430に表示させる一斉演出映像は「Movie_XXX2」である。第1の規定時間は適宜設定可能であり、例えば3時間とすることができる。
「特別キャラクタ映像」の一斉演出表示条件は、「第2の規定時間が経過する毎」であり、この場合に第1表示部430に表示させる一斉演出映像は「Movie_XXX3」である。第2の規定時間は適宜設定可能であり、例えば2時間とすることができる。
なお、機種名「パチンコYYY」についても、図面に示したように、複数の一斉演出に係るデータが定められている。
上記の一斉演出時表示設定用テーブル682には、データ表示装置4の表示部の表示内容の他に表示条件も定められており、処理部610は、この一斉演出時表示設定用テーブル682を用いて表示用設定データ691を作成することで、データ表示装置4の表示内容や表示条件を設定する。従って、ホールコンピュータ6は、表示内容設定手段の他、データ表示装置4の表示条件を設定する表示条件設定手段も有する。
表示態様設定用テーブル683は、データ表示装置4の第1表示部430及び第2表示部440に表示させる情報の表示パターンを定めたテーブルであり、第1表示部表示態様設定用テーブル683aと、第2表示部表示態様設定用テーブル683bとがこれに含まれる。
図38は、第1表示部表示態様設定用テーブル683aのテーブル構成の一例であり、表示種別と、表示画面と、表示パターンと、第1表示部表示態様とが対応付けて定められている。
表示種別には、前述したように「通常」と「一斉演出」との2種類が定められている。
表示画面には、前述した複数種類の表示画面が定められている。
表示パターンは、各表示画面に対応するデータの表示パターンが定められており、例えば遊技データ画面については、「パターンA」、「パターンB」、「パターンC」の3つのパターンが定められている。例えば、「パターンA」では、第1表示部表示態様として、第1表示窓に「機種名」、第2表示窓に「スタート回数」、・・・、第7表示窓に「前々日大当り回数」、第8表示窓に「簡易履歴グラフ」を表示させることが定められている。他のパターンについては図示した通りである。
表示種別「一斉演出」の表示パターンには、「パターンa、パターンb、パターンc、パターンd、・・・」が定められている。具体的には、第1表示部430の表示態様として、「パターンa」には「全画面大当りランニング映像」が、「パターンb」には「全画面にパチンコ機宣伝映像」、「パターンc」には「全画面特別キャラクタ映像」、「パターンd」には「ライブ映像」を表示させることがそれぞれ定められている。
図39は、第2表示部表示態様設定用テーブル683bのテーブル構成の一例であり、第1表示部表示態様設定用テーブル683aと同様に、表示種別と、表示パターンと、第2表示部440の表示態様とが対応付けて定められている。表示種別には、前述したように「通常」と「一斉演出」の2種類が定められている。
表示種別「通常」の表示パターンには、「パターンP、パターンQ、パターンR、パターンS、・・・」が定められている。そして、第2表示部440の表示態様として、「パターンP」には「全画面空き台情報」、「パターンQ」には「全画面大当り情報」、「パターンR」には「全画面潜伏確変情報」、「パターンS」には「全画面時短情報」を表示させることがそれぞれ定められている。
表示種別「一斉演出」の表示パターンには、「パターンp、パターンq、パターンr、・・・」が定められている。そして、第2表示部440の表示態様として、「パターンp」には「全画面店舗宣伝情報」、「パターンq」には「全画面新台入替情報」、「パターンr」には「全画面店舗イベント情報」を表示させることがそれぞれ定められている。
上記の表示態様設定用テーブル683には、データ表示装置4の表示部にどのような表示対象でデータを表示させるかが定められており、処理部610は、この表示態様設定用テーブル683を用いて表示用設定データ691を作成することで、データ表示装置4の表示態様を設定する。従って、ホールコンピュータ6は、表示内容設定手段や表示条件設定手段の他、データ表示装置4の表示態様を設定する表示態様設定手段を有する。
遊技集計データベース688は、パチンコ機2における遊技に関連するデータが記憶されたデータベースであり、そのデータ構成の一例を図40に示す。
遊技集計データベース688には、パチンコ機2毎に、該パチンコ機2の遊技集計データが記憶される。各遊技集計データには、パチンコ機2の識別情報であるパチンコ機IDと、機種名と、日別遊技集計データとが記憶される。
日別遊技集計データには、日付と対応付けて、差玉を集計した差玉集計データと、スタート回数を集計したスタート回数集計データと、大当り回数を集計した大当り集計データと、当日差玉グラフデータとが記憶される。
差玉集計データには、時間と、アウトと、セーフと、差玉とが対応付けて時系列に記憶される。この差玉集計データによって、当日の差玉グラフのデータである当日差玉グラフデータが生成される。
大当り集計データには、当日における大当り回数が記憶される。大当り回数には、通常大当り回数と、確変大当り回数と、潜伏確変回数と、時短回数とが含まれる。なお、図示は省略しているが、パチンコ機2の機種によっては小当りや突確が存在する機種があるため、これらの発生回数も大当り集計データに記憶される。
売上管理データベース689は、店舗に設置されるパチンコ機2における売上に関連するデータが記憶されたデータベースである。売上管理データベース689には、店舗の売り上げに関する情報を管理する売上管理データが記憶され、例えば、割数(機械割数や景品割数)や出玉率、客滞率、売上玉、景品玉、景品金額、玉粗利といった売上管理用のデータが、処理部610によって集計されて記憶される。
RAM690は、読み書き可能な揮発性のメモリであり、本実施形態では、各データ表示装置4に対する表示内容や表示条件、表示態様を設定した表示用設定データ691が記憶される。RAM690は不図示の電池によりバックアップされており、電源が遮断されても、所定期間において記憶されているデータが保持される。
表示用設定データ691は、処理部610が、上述した表示内容設定用テーブル681、一斉演出時表示設定用テーブル682及び表示態様設定用テーブル683に基づいて各データ表示装置4に対して個別に設定する表示用の設定データであり、そのデータ構成の一例を図41に示す。
表示用設定データ691には、該表示用設定データ691が適用されるデータ表示装置4のIDであるデータ表示装置IDと、該データ表示装置4に対応して設けられるパチンコ機2のIDである対応パチンコ機IDと、設定データと、一斉演出時設定データとが対応付けて記憶される。
設定データには、表示種別と、表示内容と、表示パターンとが対応づけて記憶される。
表示内容及び表示パターンは、第1表示部430及び第2表示部440の表示内容及び表示パターンをそれぞれ含む。一斉演出時設定データには、一斉演出種別と、一斉演出表示条件と、一斉演出映像データ493とが対応付けて記憶される。
このような表示用設定データ691を複数のデータ表示装置4それぞれについて個別に作成し、対応するデータ表示装置4に送信することで、パチンコ機2の機種に関わらず、各データ表示装置4に適切な表示を行わせることが可能となる。
[2−4.データ表示装置の構成]
図42及び図43は、データ表示装置4の外観構成の一例を示す図である。
データ表示装置4は、該パチンコ機2で遊技する遊技者向けに少なくとも該パチンコ機2から出力される情報に基づく遊技情報を表示する第1表示部430と、該パチンコ機2で遊技する遊技者以外の遊技客、つまり周囲の遊技客向けの情報を表示する第2表示部440との2つのディスプレイを有して構成される。
また、データ表示装置4は、音出力部450としてのスピーカが、筐体上面の中央部に、その音出力口が前面を向くように設置されている。なお、スピーカの設置位置は適宜設計変更可能であり、例えば、筐体上面の左右いずれかの位置や、データ表示装置4の筐体の側部の所定位置に設置することとしてもよい。
以下の説明では、パチンコ機2で遊技する遊技者を基準として、遊技者に対する手前方向及び奥方向を前後方向、遊技者を基準とする右方向及び左方向を左右方向、遊技者を基準とする上方向及び下方向を上下方向とそれぞれ定義する。
図42(1)及び図42(2)は、データ表示装置4の斜視図である。データ表示装置4の筐体は、正面視で左右方向に横長の矩形形状を有する基体部4Aと、基体部4Aの右端部及び左端部から、それぞれ手前方向に突出するように構成された扉部4Bとを有して構成される。左右の扉部4Bは、その幅が基体部4Aの幅の半分となるようにそれぞれ設計されている。
図42(3)は、データ表示装置4の正面図である。基体部4Aの前面には、正面視で左右方向に横長の矩形形状を有する第1表示部430が形成されている。第1表示部430は、遊技者に対向する向きに形成されており、パチンコ機2で遊技する遊技者は、遊技位置から第1表示部430を視認することができる。つまり、第1表示部430は、遊技者が遊技する遊技位置から該遊技者が視認可能な方向に向けて形成されている。
図42(4)は、データ表示装置4の右側面図である。扉部4Bの左右の面のうちの片面には、パチンコ機2で遊技する遊技者以外の遊技客向けの情報を表示する第2表示部440が形成されている。第2表示部440は、遊技者から見て右側の扉部4Bについては右面に、遊技者から見て左側の扉部4Bについては左面に形成されている。つまり、第2表示部440は、それぞれの扉部4Bのうちの外側の面に形成されており、遊技者は第2表示部440を遊技位置から視認することはできない。一方で、パチンコ機2を正面視しない遊技者以外の遊技客、例えば、遊技島の端からその遊技島のパチンコ機2を見渡して遊技を開始するパチンコ機2を選んでいるような遊技客は、第2表示部440を視認することができる。
図42(2)に示すように、左右の扉部4Bは、内側に向けて折り畳み収納可能に構成されている。具体的には、左右の扉部4Bは、それぞれヒンジ部4Cによって内側に向けて折り畳むことが可能である。左右の扉部4Bの幅はいずれもヒンジ部4Cを除いた基体部4Aの幅の半分となるように設計されているため、左右の扉部4Bを閉じると基体部4Aとちょうど重なり合った状態となり、このとき左右の扉部4Bは基体部4Aと平行になり、第1表示部430は左右の扉部4Bで覆われる。このように、左右の扉部4Bを内側に折り畳むことが可能となっているため、データ表示装置4を遊技島に設置する際や遊技島から取り外す際は、左右の扉部4Bを折り畳んだ状態で設置作業や取り外し作業を容易に行うことができる。
また、第2表示部440は、扉部4Bを開いた状態では遊技者が視認できない外側の面に形成されているが、扉部4Bを閉じた状態では、遊技者が第2表示部440を正面から視認可能な状態となる。このように、データ表示装置4は、第1表示部430を遊技者が視認可能であるが第2表示部440を遊技者が視認不能(一方で遊技者以外の遊技客は視認可能)な第1状態(第2表示部440が第1表示部430と垂直になった状態)とすることが可能であるとともに、第1表示部430を遊技者が視認不能であるが第2表示部440を遊技者が視認可能な第2状態(第2表示部440が第1表示部430と平行になった状態)にすることも可能である。
図43は、第2表示部440の詳細構成を示す図である。本実施形態において、第2表示部440は、該第2表示部440の全体を覆う透明なプラスチック蓋447を着脱可能に構成されている。第2表示部440の表示面は、扉部4Bを開いた状態でその筐体面よりも突出する(右側の扉部4Bであれば右側に突出し、左側の扉部4Bであれば左側に突出する)ように設けられており、第2表示部440の筐体面と第2表示部440の表示面との間の段差を形成する外向き嵌合段部441が設けられている。
図43に示すプラスチック蓋447は、底板442の外周端縁に周壁443を突設した蓋部材であり、透光性を有するプラスチック材料によって底板442と周壁443とが一体に成形されたトレイ形状を有している。この底板442の周壁443が突設された側の表面と周壁443の端面(トレイ形状の縁面)との間の段差を形成する内向き嵌合段部444が設けられており、内向き嵌合段部444が外向き嵌合段部441と嵌合されることによって、内向き嵌合段部444の内面が外向き嵌合段部441の外面に係合した状態となり、プラスチック蓋447と第2表示部440とが一体化される構成となっている。
また、プラスチック蓋447の底板442と周壁443によって形成される凹部には、各種の情報を遊技客に報知するためのPOP広告445を入れ込むことが可能に構成されている。POP広告445には、例えば、パチンコ機2が設置された店舗の営業に関する情報や、店舗で行われるイベントに関する情報を掲載することができる。
図43では、POP広告445の一例として、当日がイベントデーの1つであるレディースデーであることを示すPOP広告445を示している。プラスチック蓋447の凹部にこのPOP広告445を入れ込んだ状態で、その内向き嵌合段部444を扉部4Bの外向き嵌合段部441と嵌合させると、POP広告445は底板442と第2表示部440の表示面との間に挟まれることにより支持され、第2表示部440の表示画面を覆い隠すようになる。
また、プラスチック蓋447は透光性を有するため、入れ込まれたPOP広告445は、底板442を介して外部から遊技客が視認可能である。対応するデータ表示装置4にレディースデーのPOP広告445が掲げられたパチンコ機2は女性専用台となり、女性のみが遊技をすることができる。
なお、POP広告は上記のイベントデーを告知するものに限らず、例えば、データ表示装置4が対応して設置されたパチンコ機2が新台であることを示す新台情報や、該パチンコ機2が4円パチンコや2円パチンコ、1円パチンコであることを示す情報、該パチンコ機2の機種名を示す情報といった各種の情報を掲載することが可能である。
このように第2表示部440にプラスチック蓋447を取り付け可能とすることで、遊技者以外の遊技客向けの情報を遊技者が視認してしまうことを防止することができる。また、POP広告を介在させてプラスチック蓋447を取り付けることで、周囲の遊技客は、店舗やパチンコ機2に関する情報を確認することができる。また、このようにPOP広告等によって第2表示部440を覆うことにより、第2表示部440に潜伏確変状態であることが表示されるような場合など、その表示を遊技者にも遊技者以外の遊技客にも見せたくないような場合に、第2表示部440の表示自体を視認できないようにすることができる。
ここで、仮に第2表示部440に潜伏確変状態であることを表示させないように設定するためには、ホールコンピュータ6あるいは各データ表示装置4側で、第2表示部440に潜伏確変状態であることを表示させないようにするための設定処理を行うことが必要となる。これに対して、第2表示部440をPOP広告等の覆体により覆うことにより、このような設定処理を要せず、仮に第2表示部440に潜伏確変状態であることが表示される場合であっても、これを遊技者及び遊技者以外の遊技客に視認させないようにすることができる。
また、例えばレディースデー等のイベント日において、イベントの対象となる遊技者(例えば女性客)に対してのみ、POP広告等を外して第2表示部440を視認可能とする運用を行うようにしてもよい。さらに、このようなイベントの対象となる遊技者(例えば女性客)が遊技を行う場合には、POP広告等を外した上で扉部4Bを内側に折り畳んだ状態(前述した第2状態)として第2表示部440を遊技者から視認可能とした上で、その第2表示部には、潜伏確変状態の表示を行うようにしてもよい。これによれば、イベント対象者等の特定の遊技者のみが、第2表示部440の表示内容を視認することができるようになる。
なお、図43ではデータ表示装置4の第2表示部440を覆う覆体としてプラスチック蓋447を例示したが、覆体はこれに限られるわけではない。覆体を蓋とするのであれば、プラスチック蓋447に限らず、ガラスの蓋や木製の蓋としてもよい。また、蓋以外の覆体として、第2表示部440を囲う庇体を本発明に係る覆体としてもよい。庇体は、例えば、付色されたプラスチック製やビニール製、木製の庇体とすることができる。
図44は、この場合における庇体の一例を示す図である。
第2表示部440が形成された扉部4Bには、その全体を囲うように庇体448が着脱可能に構成されている。具体的には、扉部4Bのうちヒンジ部4Cの接着面以外の面を囲うように正面視コの字型に成形された庇体448が扉部4Bに取り付け可能に構成されている。このような庇体448を扉部4Bに取り付けることで、遊技機で遊技している遊技者から第2表示部440がより一層視認できない状態を作り出すことができる。
なお、庇体448は、扉部4Bの内側の面を囲う底部を備えた底有り構造としてもよいし、底部を備えない底無し構造としてもよい。底有り構造を採用した場合は、庇体448によって扉部4Bの内側の面も囲われた状態となるため、遊技者からは扉部4Bの内側の面さえも視認できない状態となり、あたかも遊技者が隔離されたかのような状態を作り出すことができる。
また、上記の覆体は、必ずしも第2表示部440の全体を覆う覆体である必要はなく、第2表示部440の一部を覆う覆体してもよい。例えば、第2表示部440のうちの中央部のみが覆われるような覆体としてもよいし、第2表示部440の右半分や左半分、上半分、下半分を覆う覆体としてもよい。また、第2表示部440の周囲を覆う覆体としてもよい。
図45は、データ表示装置4の機能構成の一例を示す図である。なお、ホールコンピュータ6に記憶されているデータと同一のデータについては同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
データ表示装置4は、処理部410と、操作部420と、第1表示部430と、第2表示部440と、音出力部450と、発光部455と、時計部460と、近距離無線通信部465と、第1通信部470と、第2通信部475と、第3通信部480と、第4通信部485と、記憶部490とを備えて構成される。
処理部410は、記憶部490に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、データ表示装置4の各部を統括的に制御する制御装置及び演算装置であり、CPUやDSP等のプロセッサやASIC等の集積回路を有して構成される。
本実施形態において、処理部410は、主要な機能部として、第1表示制御部411と、第2表示制御部412と、振分元処理部413と、振分許可要求処理部414と、振分先処理部415と、貯玉可否判定要求処理部416と、特別画像表示処理部417とを有する。
操作部420は、第1表示部430と一体的に構成されたタッチパネル421を有する入力手段であり、タッチパネル421に対する操作入力信号を処理部410に出力する。タッチパネル421に対するタップ操作により、遊技者や他の遊技客は、店員の呼出やメニュー選択、サービス選択、表示画面選択等の各種指示操作を行うことができる。
なお、操作部420にタッチパネル421の他に、又は、タッチパネル421に代えて、十字キーや決定ボタンを含む操作ボタンを構成し、この操作ボタンの押下操作により、遊技者や他の遊技客が各種の操作を行うことを可能としてもよい。本実施形態では、各種の指示操作を全てタッチパネル421に対するタップ操作によって行うこととして説明する。
第1表示部430は、前述したように基体部4Aに形成されたディスプレイであり、LCD等を有して構成され、第1表示制御部411から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置である。
第2表示部440は、前述したように扉部4Bに形成されたディスプレイであり、LCD等を有して構成され、第2表示制御部412から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置である。
音出力部450は、処理部410から出力される音出力制御信号に基づく各種の音出力を行う音出力装置であり、スピーカ等を有して構成される。音出力部450は、処理部410の制御に従って、特定音や確認音を出力可能に構成されている。
発光部455は、効果ランプや装飾用LED等を有して構成される発光装置であり、処理部410の制御に従って、種々の発光色で効果ランプや装飾用LEDを点灯/点滅させることが可能に構成されている。
時計部460は、データ表示装置4の内部時計であり、例えば、水晶振動子及び発振回路を含む水晶発振器を有して構成される。時計部465の計時時刻(日付を含む。)は処理部410に出力される。
近距離無線通信部465は、店員が所持する設定用リモコン等の通信装置と無線通信を行う通信装置である。近距離無線通信部475が無線通信を行う方式としては、代表的には赤外線通信を適用することができる。なお、赤外線通信に限らず、例えば、ZigBee(登録商標)やBluetooth(登録商標)といった通信規格に則った近距離無線通信を実現する近距離無線通信モジュールを内蔵させ、これらの通信方式に従って無線通信を行うようにすることも可能である。
第1通信部470は、パチンコ機2との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第1通信部470は、パラレル通信端子を有し、パラレル通信方式に従ってパチンコ機2から各種の遊技信号を受信する。
なお、パチンコ機2を封入方式パチンコ機2Bとする場合は、封入方式パチンコ機2Bから持点に関する情報を含む遊技信号をシリアル通信方式で受信するためのシリアル通信端子を第1通信部470に設けることとし、シリアル通信方式に従って、封入方式パチンコ機2Bから遊技信号を受信するようにすればよい。
第2通信部475は、ホールコンピュータ6との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第2通信部475は、パラレル通信端子を有し、パラレル通信方式に従ってホールコンピュータ6から表示用設定データ691と、一斉演出表示指示信号を含む表示指示信号を受信する。
第3通信部480は、カードユニット3との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第3通信部480は、パラレル通信端子を有し、パラレル通信方式に従ってカードユニット3から持玉数信号を受信する。
第4通信部485は、玉管理コンピュータ8との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第4通信部485は、パラレル通信端子を有し、パラレル通信方式に従って玉管理コンピュータに各種の信号を送信するとともに、玉管理コンピュータから各種の信号を受信する。
記憶部490は、ROMやフラッシュROM、RAM等の揮発性又は不揮発性のメモリを有して構成される記憶装置である。記憶部490には、処理部410により読み出され、メイン処理として実行されるメインプログラム491が記憶されている。メインプログラム491は、表示処理として実行される表示処理プログラム491aと、振分元処理として実行される振分元処理プログラム321bと、振分許可要求処理として実行される振分許可要求プログラム321cと、振分先処理として実行される振分先処理プログラム321dと、貯玉可否判定要求処理として実行される貯玉可否判定要求プログラム321eと、特別画像表示処理として実行される特別画像表示プログラム321fとをサブルーチンとして含む。
また、記憶部490には、表示用画像データ492と、一斉演出映像データ493と、特別画像表示用閾値テーブル323と、ローカル計数玉数データ495と、貯玉数データ497と、持玉数データ499と、表示態様設定用テーブル683と、表示用設定データ691とが記憶される。
表示用画像データ492は、第1表示部430や第2表示部440に表示させる画像のデータである。本実施形態において、表示用画像データ492には、特別画像表示を行う際の第1所定画像及び第2所定画像のデータが含まれる。
一斉演出映像データ493は、パチンコ機2の一斉演出時に第1表示部430に表示させる一斉演出の映像データである。一斉演出映像データ493には、大当りランニング演出を行うための映像データや、パチンコ機2のプロモーション映像データ、パチンコ機2の隠れキャラクタやマスコットキャラクタの映像データ、パチンコ機2のライブ映像データといった一斉演出に係る各種の映像データが含まれる。
表示用設定データ691は、第2通信部480を介してホールコンピュータ6から受信した表示用の設定データであり、そのデータ構成は図41で説明した通りである。
ローカル計数玉数データ495は、該データ表示装置4に対応するパチンコ機2で遊技する遊技者のローカル計数玉数を記憶したデータであり、カードユニット3から間欠的なタイミングで受信して更新される。
貯玉数データ497は、該データ表示装置4に対応するパチンコ機2で遊技する遊技者の貯玉数を記憶したデータであり、カードユニット3から間欠的なタイミングで受信して更新される。
持玉数データ499は、該データ表示装置4に対応するパチンコ機2で遊技する遊技者の持玉数を記憶したデータであり、カードユニット3から間欠的なタイミングで受信して更新される。
[2−5.処理の流れ]
[2−5−1.ホールコンピュータの処理]
図46及び図47は、ホールコンピュータ6の処理部610が、ROM670に記憶されている管理プログラム671に従って実行する管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。
処理部610は、各データ表示装置4についてループAの処理を行う(P1〜P11)。ループAは、各データ表示装置4に対して順番に又は並列的にループA内の各ステップを実行することを意味する。
ループAでは、表示設定部611が、該データ表示装置4について表示設定処理を行う(P3)。具体的には、表示設定部611は、ハードディスク680に記憶されている表示内容設定用テーブル681、一斉演出時表示設定用テーブル682及び表示態様設定用テーブル683を用いて、該データ表示装置4の表示用設定データ691を生成し、RAM690に記憶させる(P5)。
次いで、処理部610は、該パチンコ機2に対応して設けられたデータ表示装置4との間の接続確認を行い(P7)、接続確認がとれたならば、生成した表示用設定データ69を、該データ表示装置4に送信する(P9)。そして、次のデータ表示装置4へと処理を移行する。
全ての次のデータ表示装置4に対するループAの処理を終了したならば(P11)、処理部610は、各パチンコ機2についてループBの処理を行う(P13〜P19)。ループBは、各パチンコ機2に対して順番に又は並列的にループB内の各ステップを実行することを意味する。
ループBでは、処理部610は、第1通信部640を介して該パチンコ機2から遊技信号を受信する(P15)。そして、受信した遊技信号に基づき、遊技集計部613が、該パチンコ機2の遊技集計データを更新し、ハードディスク680の遊技集計データベース688に記憶させる(P17)。そして、次のパチンコ機2へと処理を移行する。
全ての次のパチンコ機2に対するループBの処理を終了したならば(P19)、処理部610は、大当りランニング演出の表示条件が成立したか否かを判定し(P21)、成立したと判定したならば(P21;Yes)、大当りランニング演出表示指示信号を各データ表示装置4に送信する(P23)。この際、所定の時間差をもってデータ表示装置4に大当りランニング演出を行わせるように、各データ表示装置4に対して上記の時間差に相当する遅延時間分の遅延をかけた大当りランニング演出表示指示信号を送信する。そして、処理部610は、P29へと処理を移す。
大当りランニング演出の表示条件が成立しなかったと判定したならば(P21;No)、処理部610は、その他の一斉演出表示条件が成立したか否かを判定し(P25)、成立したと判定したならば(P25;Yes)、成立した一斉演出表示条件に対応する一斉演出映像の表示指示信号を各データ表示装置4に送信する(P27)。そして、処理部610は、A29へと処理を移す。また、その他の一斉演出表示条件が成立しなかったと判定したならば(P25;No)、処理部610は、P33へと処理を移す。
P23又はP27の後、処理部610は、一斉演出の終了タイミングであるか否かを判定する(P29)。そして、終了タイミングであると判定したならば(P29;Yes)、処理部610は、一斉演出表示終了指示信号を各データ表示装置4に送信する(P31)。一斉演出の終了タイミングではないと判定したならば(P29;No)、処理部610は、P33へと処理を移す。
その後、処理部610は、処理を終了するか否かを判定する(P33)。例えば、店舗の営業終了時にホールコンピュータ6の電源を切断する場合に、処理を終了すると判定する。処理を継続すると判定したならば(P33;No)、処理部610は、P13へと処理を戻す。また、処理を終了すると判定したならば(P33;Yes)、管理処理を終了する。
[2−5−2.データ表示装置の処理]
図48は、データ表示装置4の処理部410が、記憶部490に記憶されているメインプログラム491に従って実行するメイン処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部410は、ホールコンピュータ6との通信を確立する(Q1)。そして、処理部410は、該データ表示装置4の表示用設定データの送信をホールコンピュータ6に要求する(Q3)。
次いで、処理部410は、ホールコンピュータ6から第2通信部480を介して表示用設定データ691を受信し、記憶部490に記憶させる(Q5)。そして、処理部410は、受信した表示用設定データ691に基づいて、第1表示部430及び第2表示部440の表示の初期表示設定を行う(Q7)。具体的には、表示用設定データ691に基づいて、第1表示部430及び第2表示部440に表示させる表示内容や表示態様を初期設定する。
次いで、第1表示制御部411及び第2表示制御部412が、記憶部490に記憶されている表示処理プログラム491aに従って表示処理の実行を開始する(Q9)。表示処理は、メイン処理が終了するまで継続的に実行される。
次いで、処理部410は、メニュー画面の表示中であるか否かを判定し(Q11)、表示中であると判定したならば(Q11;Yes)、メニュー画面において遊技者による振分要求操作がなされたか否かを判定する(Q13)。振分要求操作がなされたと判定したならば(Q13;Yes)、処理部410は、記憶部490に記憶されている振分元処理プログラム321bに従って、振分元処理を実行する(Q15)、
次いで、処理部410は、玉管理コンピュータ8から振分許可判定結果の信号を受信したか否かを判定し(Q17)、受信したと判定したならば(Q17;Yes)、記憶部490に記憶されている振分先処理プログラム321dに従って、振分先処理を実行する(Q19)。
なお、振分元処理及び振分先処理については、データ表示装置4と玉管理コンピュータ8との間で行われる処理として、第1実施形態で説明した振分元処理及び振分先処理を同様に適用することが可能であるため、ここでは説明を省略する。
メニュー画面表示中ではないと判定した場合(Q11;No)、振分要求操作がなされなかったと判定した場合(Q13;No)、玉管理コンピュータ8から振分判定結果信号を受信しなかったと判定したならば(Q17;No)、処理部410は、Q21へと処理を移す。
次いで、処理部410は、カードユニット3からローカル計数玉数を受信したか否かを判定し(Q21)、受信しなかったと判定したならば(Q21;No)、Q25へと処理を移す。一方、ローカル計数玉数を受信したと判定したならば(Q21;Yes)、処理部410は、記憶部480に記憶されている貯玉可否判定要求プログラム321eに従って、貯玉可否判定要求処理を実行する。
なお、貯玉可否判定要求処理については、データ表示装置4と玉管理コンピュータ8との間で行われる処理として、第1実施形態で説明した貯玉可否判定要求処理を同様に適用することが可能であるため、ここでは説明を省略する。
次いで、処理部410は、処理を終了するか否かを判定し(Q25)、処理を継続すると判定したならば(Q25;No)、Q11に処理を戻す。一方、処理を終了すると判定したならば(Q25;Yes)、処理部410は、メイン処理を終了する。
図49及び図50は、表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部410は、画面選択切替表示処理の実行を開始する(R1)。具体的には、遊技者による表示画面の切替操作に従って、表示画面を選択的に切り替える制御を行う。画面選択切替表示処理で遊技者が選択的に切り替えることのできる表示画面は、前述した各種の表示画面のうち、(1)遊技データ画面、(2)大当り履歴グラフ画面、(3)出玉グラフ画面、(4)特別画像画面、(5)メニュー画面、の5種類の表示画面である。第1表示部430に表示された画面切替アイコンをタップすると、これらの表示画面が順番に切り替わる。
ここで、遊技者によって特別画像画面を表示する操作がなされた場合には、処理部410は、記憶部480に記憶されている特別画像表示プログラム321fに従って、ローカル計数玉数データ495に記憶されている最新のローカル計数玉数を対象として、特別画像表示処理を実行する。
次いで、処理部410は、対応して設けられたパチンコ機2が稼働状態であるか否かを判定する稼働判定処理を行う(R3)。具体的には、前述したように、パチンコ機2から送信される遊技信号やカードユニット3から送信されるカード排出信号に基づいて、該パチンコ機2が現在稼働状態であるか否か(又は現在空き台であるか否か)を判定する。
稼働中である(空き台ではない)と判定したならば(R5;Yes)、処理部410は、稼働中フラグを「ON」に設定する(R7)。一方、稼働中ではない(空き台である)と判定したならば(R5;No)、第2表示制御部412は、稼働中フラグを「OFF」に設定し(R9)、空き台情報を第2表示部440に表示させるように制御する(R11)。
なお、稼働中であるか否か、すなわち、該パチンコ機2が空き台であるか否か、の判定は、パチンコ機2から送信される遊技信号やカードユニット3から送信されるカード排出信号の他にも、例えば、該パチンコ機2に撮像装置(カメラ)を設けておき、撮像による遊技者の立ち去りを判定して、該パチンコ機2から遊技者が立ち去ったことを示す信号を送信することにより判定してもよい。また、赤外線センサ等の検出センサを設けておき、遊技者が立ち去ったことを示す信号を送信するようにしてもよい。
R7又はR11の後、処理部410は、該パチンコ機2で遊技が開始されたか否かを判定し(R13)、開始されたと判定したならば(R13;Yes)、第2表示部440に表示させた空き台情報を非表示とさせるように制御する(R15)。遊技が開始されなかったと判定したならば(C15;No)、処理部410は、R17へと処理を移す。
次いで、処理部410は、カードユニット3から信号を受信したか否かを判定し(R17)、受信したと判定したならば(R17;Yes)、受信した信号に基づいて、記憶部490のローカル計数玉数データ495、貯玉数データ497、持玉数データ499を更新する(R19)。信号を受信しなかったと判定したならば(R17;No)、処理部410は、R21へと処理を移す。
次いで、第1表示制御部411は、ホールコンピュータ6から一斉演出表示指示信号を受信したか否かを判定し(R21)、受信したと判定したならば(R21;Yes)、大当りランニング演出の実行指示がなされたか否かを判定する(R23)。
大当りランニング演出の実行指示がなされたと判定したならば(R23;Yes)、第1表示制御部411は、表示用設定データ691に基づいて、大当りランニング映像を第1表示部430に表示させる制御を行う(R25)。上記のように、ホールコンピュータ6から出力されるランニング演出用の表示指示信号には、所定の時間差に相当する遅延時間分の遅延がかけられている。これにより、各データ表示装置4は、第1表示部430に上記の時間差をもって大当りランニング映像を表示させることになり、これにより大当りランニング演出が実現される。
一方、大当りランニング演出の実行指示がなされなかったと判定したならば(R23;No)、第1表示制御部411は、一斉演出表示指示信号に含まれる一斉演出表示条件に応じた一斉演出映像を第1表示部430に表示させる制御を行う(R27)。
次いで、第1表示制御部411は、一斉演出表示を終了するか否かを判定し(R29)、終了しないと判定したならば(R29;No)、R37へと処理を移す。また、終了すると判定したならば(R29;Yes)、第1表示部430の一斉演出表示を終了させる制御を行う(R31)。そして、C37へと処理を移す。
R21においてホールコンピュータ6から一斉演出表示指示信号を受信しなかったと判定したならば(R21;No)、第1表示制御部411は、バージョン情報の表示タイミングであるか否かを判定する(R33)。バージョン情報の表示タイミングは、所定時間が経過する毎のタイミングとしてもよいし、遊技者や遊技客により、第1表示部430においてバージョン情報を表示する操作がなされたことを検知したタイミングとしてもよい。また、バージョン情報の表示を一斉演出表示に含めることとし、パチンコ機2の一斉演出と同期して、バージョン情報の一斉演出表示を行わせるようにしてもよい。
バージョン情報の表示タイミングであると判定したならば(R33;Yes)、第1表示制御部411は、該データ表示装置4に対応して設けられたパチンコ機2のバージョン情報を第1表示部430に表示させる制御を行う(R35)。ここで、第1表示部430に表示させるバージョン情報には、パチンコ機2の機種名や第何弾の機種(シリーズ)であるか、通常大当り確率、確変大当り確率、確変突入率、継続率等の情報が含まれる。そして、処理部410は、R29へと処理を移す。
R31の後、第1表示制御部411は、バージョン情報の表示終了タイミングであるか否かを判定し(R37)、表示終了タイミングではないと判定したならば(R37;No)、R41へと処理を移す。
また、表示終了タイミングであると判定したならば(R37;Yes)、第1表示制御部411は、第1表示部430のバージョン情報の表示を終了させる制御を行う(R39)。
次いで、処理部410は、処理を終了するか否かを判定し(R41)、処理を継続すると判定したならば(R41;No)、R3へと処理を戻す。一方、処理を終了すると判定したならば(R41;Yes)、表示処理を終了する。
[2−6.表示画面]
[2−6−1.第1表示部の表示画面]
図51〜図54は、データ表示装置4の第1表示部430に表示される表示画面例を示す図である。
図51(1)は、遊技データ画面の一例を示す図である。
この遊技データ画面は、デフォルトとして第1表示部430に表示される表示画面であり、該データ表示装置4に対応して設けられたパチンコ機2の機種名(ここでは「パチンコXXX」)が表示されている。その下には、遊技データとして、大当り回数と、スタート回数と、確変大当り回数と、通常大当り回数と、前日大当り回数と、前々日大当り回数とが、それぞれ個別に設けられた表示枠内に表示されている。この表示画面により、遊技者は、現在遊技しているパチンコ機2の遊技データを把握することができる。
なお、この遊技データ画面に、デフォルトとして遊技者のローカル計数玉数や貯玉数、持玉数を表示させる表示設定を行っておき、遊技データとしてこれらを併せて表示するようにしてもよい。
また、画面の下部には、呼出アイコンと、サービスアイコンと、画面切替アイコンとが表示されている。呼出アイコンをタップすることで、遊技者は店員を呼び出すことができる。サービスアイコンをタップすることで、遊技者は各種のサービス選択を行うことができる。また、画面切替アイコンをタップすることで、遊技客は、(1)遊技データ画面、(2)大当り履歴グラフ画面、(3)出玉グラフ画面、(4)特別画像画面、(5)メニュー画面、の5種類の表示画面を順番に切替表示させることができる。
図51(2)は、メニュー画面の一例を示す図である。
このメニュー画面には、画面中央部に、メニュー項目として、遊技者がサービスを選択するためのサービス選択アイコンと、遊技者が音量/光量を調整するための音量/光量調整アイコンと、遊技者が貯玉やローカル計数玉をプレゼントするためのプレゼントアイコンとが表示されている。ここでは、プレゼントアイコンが遊技者によりタップされた状態を図示している。
また、画面の下部には、呼出アイコンと、サービスアイコンと、画面切替アイコンと、戻るアイコンとが表示されている。戻るアイコンをタップすると、1つ前の表示画面に表示を戻すことができる。
図51(3)は、振分先選択画面の一例を示す図である。
この振分先選択画面は、図51(2)のメニュー画面においてプレゼントアイコンがタップされることで表示される表示画面であり、「玉をプレゼントするお客様が遊技している台番号を選択してください。」とうメッセージとともに、店内に設置された遊技台を遊技島毎にレイアウト表示したレイアウト画像が表示されている。遊技者は、このレイアウト画像の中から、振り分けを行う遊技者が遊技している遊技台の台番号をタップする。ここでは、遊技者により20番台がタップされた状態を図示している。
図52(1)は、振分玉数選択画面の一例を示す図である。
この振分玉数選択画面は、図51(3)の振分先選択画面において振分先台番号がタップされることで表示される表示画面であり、「プレゼントする玉数を選択してください。」というメッセージとともに、振分玉数に対応するアイコンとして、「1000玉」、「3000玉」、「5000玉」、「10000玉」、「半分」、「1/4」のアイコンが表示されている。遊技者は、これらのアイコンの中から、振分玉数を選択してタップする。ここでは、振分玉数として5000玉がタップされた状態を図示している。
図52(2)は、振分元確認画面の一例を示す図である。
この振分元確認画面は、図52(1)の振分玉数選択画面において振分玉数がタップされることで表示される表示画面であり、「20番台のお客様に5000玉をプレゼントします。」というメッセージとともに、現在の貯玉数と、プレゼント玉数と、残りの貯玉数とが表示されている。また、その下には、決定アイコンと取消アイコンとが表示されており、遊技者は、確認OKである場合には決定アイコンを、確認NGである場合には取消アイコンをタップする。ここでは、決定アイコンがタップされた状態を図示している。
図52(3)は、振分不許可報知画面の一例を示す図である。
この振分不許可報知画面は、玉管理コンピュータ8が実行する振分許否判定処理により振分不許可と判定された場合に振分元データ表示装置4Aに表示される表示画面であり、「20番台のお客様の貯蓄上限を超えるため、プレゼントすることができませんでした。」というメッセージが表示されている。また、その下には、OKアイコンが表示されている。
図53(1)は、振分通知画面の一例を示す図である。
この振分通知画面は、振分先データ表示装置4Bの第1表示部430に表示される表示画面であり、「1番台のお客様からプレゼントが届いています。」というメッセージが表示されている。また、その下には、確認アイコンが表示されており、振分先の遊技者がこの確認アイコンをタップすることで、図53(2)の振分先確認画面へと表示が切り替わる。
図53(2)は、振分先確認画面の一例を示す図である。
この振分先確認画面は、図53(1)の振分通知画面において確認アイコンがタップされることで表示される表示画面であり、「5000玉プレゼントされました。」というメッセージとともに、現在の貯玉数と、プレゼント玉数と、新しい貯玉数とが表示されている。また、その下には、OKアイコンが表示されており、このOKアイコンをタップすることで、デフォルトの表示画面である遊技データ画面に戻る。
図53(3)は、振分不実施画面の一例を示す図である。
この振分先確認画面は、振分許否判定処理により振分不許可と判定された場合に振分先データ表示装置4Bに表示される表示画面であり、「お客様の貯蓄上限を超えるため、プレゼントを受け取ることができませんでした。」というメッセージが表示されている。また、その下には、OKアイコンが表示されており、振分先の遊技者がこのOKアイコンをタップすることで、デフォルトの表示画面である遊技データ画面に戻る。
図54(1)は、大当り履歴グラフ画面の一例を示す図である。
この大当り履歴グラフ画面には、画面中央部に、横軸を日付とし、縦軸を大当り回数とする、過去30日分の大当りの発生回数を示す大当り履歴グラフが表示されている。この大当り履歴グラフは、大当りの種類(通常大当り及び確変大当り)による区別がなされていない大当り区別なしの大当り履歴グラフである。この大当り履歴グラフにおいて、白色の矩形が1回の大当りの発生を示している。また、画面下部には、呼出アイコンと、サービスアイコンと、画面切替アイコンと、メニューアイコンとが表示されている。
図54(2)は、出玉グラフ画面の一例を示す図である。
この出玉グラフ画面には、当日の対応するパチンコ機2における出玉(差玉)を時系列にグラフ化した出玉グラフが表示されている。出玉グラフにおいて、横軸は時間(又はスタート回数)であり、縦軸は出玉(差玉)である。また、画面下部には、呼出アイコンと、サービスアイコンと、画面切替アイコンと、メニューアイコンとが表示されている。
図54(3)は、特別画像画面の一例を示す図である。
この特別画像画面には、第1所定画像の一例であるドル箱画像と、第2所定画像の一例である特箱画像とが表示されている。このドル箱画像及び特箱画像の表示数は、前述した特別画像表示更新処理において、遊技者のローカル計数玉数に応じて更新される。この表示画面により、遊技者は、自身のローカル計数玉数をドル箱や特箱の画像によって把握することができる。また、画面下部には、呼出アイコンと、サービスアイコンと、画面切替アイコンと、メニューアイコンとが表示されている。
なお、この特別画像画面に、デフォルトとして遊技者のローカル計数玉数を表示させる表示設定を行っておき、特別画像と併せて持玉数を表示するようにしてもよい。また、カードユニット3から遊技者が所有するプリペイド残額やカード残額の情報を取得して、これらの情報を併せて表示するようにしてもよい。
また、特別画像画面の右部には、第1表示切替アイコン(表示切替1)と、第2表示切替アイコン(表示切替2)との2つのアイコンが表示されている。表示切替アイコンがタップされることにより、特別画像画面に表示される第1所定画像及び第2所定画像の表示が切り替わる。具体的には、第1表示切替アイコンがタップされると、第1所定画像を千両箱画像及びこの千両箱画像に積まれるパチンコ玉の玉嵩画像とし、第2所定画像を万両箱画像とする特別画像画面(図24参照)に表示画面が切り替わる。また、第2表示切替アイコンがタップされると、第1所定画像を一の箱に積み上げられるパチンコ玉の玉嵩画像とし、第2所定画像を別の箱に積み上げられるパチンコ玉の玉嵩画像とする特別画像画面(図25参照)に表示画面が切り替わる。
このように、本実施形態では、異なる所定画像(第1所定画像及び第2所定画像)の組合せを用いて遊技者のローカル計数玉数を直感的に分かり易い形で表示する点が特徴である。また、表示切替アイコンをタップすることで、所定画像の組合せが異なる特別画像画面に表示を切り替えることができる点が特徴である。
[2−6−2.第2表示部の表示画面]
図55は、第2表示部440の表示画面の一例を示す図である。
図55(1)は、空き台情報画面の一例を示す図である。
この空き台情報画面には、該パチンコ機2が空き台であることを示す空き台情報が表示されている。具体的には、画面中央部に「空き台」というメッセージとともに、「今なら遊技できます」というメッセージが表示されている。このメッセージにより、遊技客は、該パチンコ機2が現在空き台であり、遊技可能であることを知ることができる。
図55(2)は、大当り中画面の一例を示す図である。
この大当り中画面には、該パチンコ機2が大当り中であることを示す大当り情報が表示されている。具体的には、画面中央部に炎が表示されており、その中に該パチンコ機2が大当り中であることを示す「大当り中」のメッセージが表示されている。このメッセージにより、遊技客は、該パチンコ機2が現在大当り中であることを知ることができる。
図55(3)は、潜伏確変中画面の一例を示す図である。
この潜伏確変中画面には、画面中央部に該パチンコ機2が潜伏確変中であることを示す潜伏確変情報が表示されている。具体的には、画面中央部にギザギザ形状の吹き出しが表示されており、その中に「潜伏確変中」のメッセージが表示されている。また、画面下部には「今がチャンス!!」のメッセージが表示されている。
第2表示部440は遊技者の遊技位置からは視認できないため、遊技者は潜伏確変中であることを知ることはできない。一方、遊技客は、第2表示部440に目を向けることで、該パチンコ機2が潜伏確変中であることを知ることができる。つまり、観覧している遊技客はその台がチャンス状態であることを知っているが、遊技者はチャンス状態であることを知らずに遊技を続けことになる。また、仮に潜伏確変中であることを知らずに遊技者が遊技をやめて離席した場合、周囲の遊技客は、その台がチャンス状態であることを知っているため、その台に座って遊技を行うことで大当りを期待することができる。これにより、従来の呼出ランプ装置では実現することのできない新たな興趣を生み出すことができる。
図55(4)は、時短中画面の一例を示す図である。
この時短中画面には、画面中央部に該パチンコ機2が時短中であることを示す時短情報が表示されている。具体的には、画面中央部に雲状の吹き出しが表示されており、その中に「時短中」のメッセージが表示されている。また、画面下部には「残念。次に期待を」のメッセージが表示されている。
第2表示部440は遊技者の遊技位置からは視認できないため、遊技者は時短中であることを知ることはできない。一方、観覧している遊技客は、第2表示部440に目を向けることで、該パチンコ機2が時短中であり、大当りする可能性が低いことを知ることができる。
[2−7.作用効果]
第2遊技用システム1Bでは、遊技者が所持する遊技用記録媒体の識別情報と対応付けて、パチンコ機2での遊技に使用可能な遊技媒体数であって当該遊技者が貯蓄する貯蓄遊技媒体数を、所定の貯蓄上限値の範囲内で管理する管理装置である玉管理コンピュータ8と、当該玉管理コンピュータ8と通信可能に接続され、パチンコ機2に対応して設けられる遊技用装置及び情報表示装置の一種であるデータ表示装置4とを備えて構成される。
玉管理コンピュータ8は、パチンコ機2での遊技により遊技者に付与された付与遊技価値である当日貯玉数を、所定条件の成立に応じて当該遊技者の貯玉数として記憶する記憶部880を備える。そして、玉管理コンピュータ8の処理部810は、所定条件が成立する前における当該遊技者の当日貯玉数と、当該当日貯玉数に加算される振分玉数との合計である合計玉数が貯蓄上限玉数を超える場合に、振分元データ表示装置4A及び振分先データ表示装置4Bに、振分を実行することができないことを示すメッセージを第1表示部430に表示させるための処理を実行する。
これによれば、所定条件が成立する前における当日貯玉数に振分玉数が加算されたことで合計玉数が貯蓄上限玉数を超えてしまった場合に、合計玉数を貯玉数として貯蓄することができないことを、振分元の遊技者及び振分先の遊技者に報知することができる。
また、データ表示装置4は、カードユニット3から受信したローカル計数玉数が第1表示閾値に達した場合に第1所定画像を第1表示部430に表示させる表示制御を実行し、第1表示部430に第1所定画像が表示されているときにローカル計数玉数が第1表示閾値を下回っても、第1表示閾値よりも所定数分小さい第1非表示閾値に達していれば第1所定画像を非表示とせず、第1非表示閾値を下回った場合に、第1所定画像を非表示とさせる非表示制御を実行する。
これによれば、遊技者のローカル計数玉数に基づいて第1表示部430に第1所定画像を表示させることで、遊技機で遊技する遊技者や周囲の遊技客に、該遊技者の遊技状態(遊技媒体のローカル計数玉数)を分かり易い形で報知することができる。また、所定画像を非表示とする第1非表示閾値は、所定画像を表示させる第1表示閾値よりも所定数分小さい。この所定数の閾値の差を設けたことにより、閾値間際のローカル計数玉数の増減によって所定画像の表示/非表示が頻繁に切り替わることを防止することができる。
[2−8.変形例]
[2−8−1.処理パターン]
図56は、玉管理コンピュータ8と、データ表示装置4と、カードユニット3との間で行われる処理に係る処理パターンの一例を示す図である。
図56(1)は、振分判定に係る処理パターンを示したテーブルであり、処理パターンと、玉管理コンピュータ8が行う処理と、データ表示装置4(振分元、振分先)が行う処理と、カードユニット3(振分元、振分先)が行う処理とを対応付けたテーブルを表形式で図示している。
パターンX1は、上記の実施形態で説明したように、振分元データ表示装置4Aが振分許可要求処理を実行し、玉管理コンピュータ8が振分許否判定処理を実行する処理パターンである。
パターンX2は、振分先データ表示装置4Bが振分許否判定処理を実行する処理パターンである。この場合は、振分元データ表示装置4Aが振分先データ表示装置4Bに振分許可要求信号を送信する。そして、振分先データ表示装置4Bが、振分先カードユニット3から受信した当日貯玉数と、振分許可要求信号に含まれる振分玉数とを加算して、その合計玉数が貯蓄上限玉数を超えるか否かを判定するようにすればよい。
パターンX3は、振分元データ表示装置4Aが振分許否判定処理を実行する処理パターンである。この場合は、振分元データ表示装置4Aが、玉管理コンピュータ8から振分先カードユニット3Bが受付中の会員カードの会員カードIDに対応付けて記憶されている当日貯玉数を受信し、受信した当日貯玉数と、当該振分元データ表示装置4Aにおいて入力された振分玉数とを加算して、その合計玉数が貯蓄上限玉数を超えるか否かを判定するようにすればよい。
パターンX4は、振分元カードユニット3Aが振分許可要求処理を実行し、玉管理コンピュータが振分許否判定処理を実行する処理パターンである。これは、第1実施形態で説明した通りである。
パターンX5は、振分先カードユニット3Bが振分許否判定処理を実行する処理パターンである。これは、第1実施形態で説明した通りである。
パターンX6は、振分元カードユニット3Aが振分許否判定処理を実行する処理パターンである。これは、第1実施形態で説明した通りである。
図56(2)は、振分許否判定処理の判定結果に基づく所定報知に係る処理パターンを示したテーブルであり、処理パターンと、データ表示装置4(振分元、振分先)が行う処理と、カードユニット3(振分元、振分先)が行う処理とを対応付けたテーブルを表形式で図示している。
パターンY1は、上記の実施形態で説明したように、振分元データ表示装置4Aが振分不許可報知処理を行い、振分先データ表示装置4Bが振分不実施報知処理を行う処理パターンである。
パターンY2は、振分元データ表示装置4Aは振分不許可報知処理を実行するが、振分先データ表示装置4Bは振分不実施報知処理を実行しない処理パターンである。
パターンY3は、振分元データ表示装置4A及び振分元カードユニット3Aがそれぞれ振分不許可報知処理を行い、振分先データ表示装置4B及び振分先カードユニット3Bがそれぞれ振分不実施報知処理を行う処理パターンである。
パターンY4は、振分元データ表示装置4A及び振分元カードユニット3Aはそれぞれ振分不許可報知処理を実行するが、振分先データ表示装置4B及び振分先カードユニット3Bはいずれも振分不実施報知処理を実行しない処理パターンである。
パターンY5は、振分元カードユニット3Aが振分不許可報知処理を実行し、振分先カードユニット3Bが振分不実施報知処理を実行するが、データ表示装置4はいずれも報知処理を実行しない処理パターンである。
パターンY6は、振分元カードユニット3Aは振分不許可報知処理を実行するが、振分先カードユニット3Bは振分不実施報知処理を実行せず、データ表示装置4もいずれも報知処理を実行しない処理パターンである。
図56(3)は、貯玉可否に係る処理パターンを示したテーブルであり、玉管理コンピュータ8が行う処理と、データ表示装置4が行う処理と、カードユニット3が行う処理とを対応付けたテーブルを表形式で図示している。
パターンZ1は、上記の実施形態で説明したように、データ表示装置4が貯玉可否判定要求処理を実行し、玉管理コンピュータ8が貯玉可否判定処理を実行する処理パターンである。
パターンZ2は、上記のパターンとは異なり、玉管理コンピュータ8が貯玉可否判定処理を実行するのではなく、データ表示装置4が貯玉可否判定処理を実行する処理パターンである。
パターンZ3は、第1実施形態で説明したように、カードユニット3が貯玉可否判定処理を実行し、玉管理コンピュータ8が貯玉可否判定処理を実行する処理パターンである。
パターンZ4は、第1実施形態で説明したように、カードユニットが貯玉可否判定処理を実行する処理パターンである。
図56(1)〜(3)に示した処理パターンは、それぞれ組み合わせて適用することが可能である。つまり、振分可否判定、振分報知、貯玉可否判定に係る各テーブルに示した処理パターンは、任意の組合せで相互に組み合わせて適用することが可能である。
[3.第3実施形態]
第3実施形態は、本発明に係る遊技機を、遊技玉を内部に封入して循環させる封入方式のパチンコ機(以下、「封入方式パチンコ機」という。)とする遊技用システムの実施形態である。
[3−1.遊技用システムの構成]
図57は、上記の封入方式パチンコ機2Bを適用した第3遊技用システム1Cのシステム構成の一例を示す図である。
第3遊技用システム1Cでは、共通会員用記録媒体であるICカードから成る共通会員カード1000を所持する会員遊技者が、その1枚の共通会員カード1000を用いて複数の各遊技場A〜C(各店舗A〜C)にて会員登録を行えるようになっている。遊技場は店舗と同義である。なお、各遊技場A〜Cのシステム構成は同一となっているので、遊技場Aを例として本実施形態のシステム構成を説明する。
共通会員カード1000は、上記の実施形態で説明した店舗単位で管理される会員カードを、全国単位で管理される会員カードに拡張したものである。つまり、上記の実施形態では、各店舗それぞれについて個別の会員カードを発行することとし、カードIDや会員IDが当該店舗で遊技する遊技者に個別に割り当てられて、当該カードIDや会員IDに基づいて持玉数や貯玉数等が管理装置で管理されて、当該店舗での遊技者による遊技が可能に構成されていた。第3遊技用システム1Cでは、全国の各店舗で遊技する遊技者が全ての店舗で利用可能な共通会員カード1000を各遊技場で発行し、持玉数や貯玉数を全国単位で管理することで、全国の全ての店舗での遊技者による遊技を可能とする。つまり、第3遊技用システム1Cは、店舗単位であった第1遊技用システム1A及び第2遊技用システム1Cを、全国単位に拡張したものである。
本実施形態の遊技場Aでは、複数配置された遊技島に並設される遊技機としての封入方式パチンコ機2Bに対して1対1に設置されるカードユニット3及びデータ表示装置4と、当該カードユニット3にて使用される会員用記録媒体である共通会員カード1000、並びにプリペイドカードであるビジターカードに記録されている遊技用価値であるプリペイド度数(以下、単に度数とする場合がある。)の管理等を行うシステムコントローラ100と、共通会員カード1000を用いて会員登録を行うための会員登録機10と、会員遊技者の貯蓄玉数(会員情報に含まれる貯玉数)を管理する貯玉サーバ110と、セキュリティ上の管理を行うホールコンピュータ801とが互いに通信ケーブル108を介して双方向にデータ通信可能に接続されている。ホールコンピュータ801は、さらに鍵管理コンピュータ800に接続されている。
カードユニット3には、前面に設けられたカード挿入口に挿入された共通会員カード1000、遊技場会員カードやビジターカードに記憶された(会員)カードIDやプリペイド度数等の記憶データを読み出すカードリーダライタ327が内蔵されており、該カードリーダライタ327により読み出されたプリペイド度数や、共通会員カード1000や遊技場会員カードに記憶されている持玉を使用して遊技玉を貸し出す玉貸処理や、共通会員カード1000や遊技場会員カードで特定される貯玉の少なくとも一部を遊技玉として払い出す再プレイ処理等が実施される。
また、カードユニット3からは、当該カードユニット3に共通会員カード1000が挿入されたことを示す会員カードIDを含む会員カード受付け通知や、対応する封入方式パチンコ機2Bにおける遊技関連情報等の各種情報が送信され、システムコントローラ100からは、各共通会員カード1000や各遊技場会員カード、各ビジターカードに残存するプリペイド度数等の情報が送信される。
また、貯玉サーバ110には、当該遊技場において会員登録した会員遊技者に関する会員情報(当該会員遊技者の遊技にて発生する会員遊技関連情報や、会員遊技者の氏名や住所等の個人情報である会員属性情報を含む)を収集、管理する会員管理コンピュータ120が通信ケーブル109を介して双方向にデータ通信可能に接続されている。
さらに、会員管理コンピュータ120は、専用通信回線111を介して外部機関の貯玉補償センタに設置されている貯玉補償サーバ130に双方向にデータ通信可能に接続されている。この貯玉補償サーバ130は、会員管理コンピュータ120を介して遊技場Aの貯玉サーバ110と通信可能になっている。また、会員管理コンピュータ120は、貯玉サーバ110を介して、各カードユニット3や会員登録機10やシステムコントローラ100と通信可能になっている。
なお、本実施形態では、会員管理コンピュータ120と貯玉サーバ110とを個別のコンピュータとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら会員管理コンピュータ120と貯玉サーバ110とを単一のコンピュータ(コンピュータコンピュータ)にて形成するようにしてもよい。
また、本実施形態では、会員登録を後述する受付カウンタにて実施できるようにするために、会員管理コンピュータ120とは個別に、共通会員カード1000に記憶されている会員カードIDや遊技場会員IDを読み出すためのカードリーダライタ10’を備える会員登録機10を用いた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら会員登録機10と会員管理コンピュータ120とを単一のコンピュータにて形成するようにしてもよい。
貯玉補償サーバ130は、各遊技場の貯玉サーバ110が有する貯蓄玉(貯玉)数管理データと同一のデータを有し、各遊技場の貯玉サーバ110の貯蓄玉数管理データが更新されるとともに、貯玉補償サーバ130の貯蓄玉数管理データも構成されるようになっており、何らかの不具合等によって各遊技場における貯蓄玉数の管理データが損傷しても、これら貯蓄玉数の管理データを外部機関としての貯玉補償センタが補償できるようになっている。
さらに、遊技場Aの貯玉サーバ110は、専用通信回線112を介して共通会員カード1000のカード管理会社に設置されている管理コンピュータ140に双方向にデータ通信可能に接続されている。この管理コンピュータ140は、貯玉サーバ110を介して遊技場Aのシステムコントローラ100、会員登録機10、並びに会員管理コンピュータ120と通信可能になっている。なお、カード管理会社の管理コンピュータ140では、後述するように、各遊技場A〜Cにて会員登録を行った会員遊技者に関する情報を登録管理できるようになっている。
また、カード管理会社の管理コンピュータ140は、インターネットに接続された図示しない通信部を備えており、インターネットへの接続機能を有する会員遊技者が操作可能な情報端末であるノートパソコン15Aや携帯電話機16Aから、該インターネットを介してアクセス可能とされるサイトコンピュータの機能を有する。
さらに、前述したカードユニット3は、対応する封入方式パチンコ機2Bと直接接続されており、カードユニット3と対応する封入方式パチンコ機2Bとの間で各種信号の送受が可能とされているとともに、対応する封入方式パチンコ機2Bの遊技に使用される遊技玉数や該遊技玉数を計数した計数玉数などが送受信されている。
そして、これら入力された各信号に基づいて遊技関連情報が会員管理コンピュータ120に送信されることで、該会員管理コンピュータ120において、各封入方式パチンコ機2Bにおける遊技関連情報を把握できるとともに、対応するカードユニット3において共通会員カード1000の受付け中に生じた遊技関連情報を、当該会員遊技者の遊技にて発生した会員遊技関連情報である遊技履歴として管理するようになっている。
また、共通会員カード1000が備えるICチップには、各共通会員カード1000を個々に識別可能とするための会員カードID(記録媒体識別情報)と、各会員遊技者を個々に識別可能とするために、各遊技場において各会員に固有に付与された遊技場会員IDとが記憶されるようになっている。
なお、共通会員カード1000には、当該遊技場Aにおいて発行された遊技場会員IDのみならず、他の遊技場B〜Cにおいて発行された遊技場会員IDも記憶されるようになっており、会員遊技者は、1枚の共通会員カード1000によって、各遊技場A〜Cにおいて会員登録を行えるようになっている。ここで、遊技場会員カードが備えるICチップには、各会員遊技者を個々に識別可能とするために、各遊技場において各会員に固有に付与された遊技場会員IDが記憶されているが、会員カードID(記録媒体識別情報)は記憶されるようにはなっていない。
図58は、共通会員カード1000のICチップの記憶領域の一例を示す図である。
共通会員カード1000には、カード管理会社用の記憶領域や各遊技場A〜Cの固有に割り当てられた記憶領域が設定されている。そして、後述するように、遊技場Aは、共通会員カード1000における自店に対して割り当てられた記憶領域に、遊技場Aが独自に発行する遊技場会員IDを、会員登録機10やカードユニット3に設けられたカードリーダライタ327を用いて書き込むことができるようになっている。
なお、共通会員カード1000のICチップにおける各遊技場A〜Cに割り当てられた記憶領域には、各遊技場A〜Cにおける独自の記憶データが記憶できるようになっているが、未使用の状態では、「0」などの空データを示すNULL値が初期値記憶データとして記憶されている。
貯玉サーバ110が備える記憶装置には、図59に示すような貯蓄玉数管理データが記憶されている。なお、この貯蓄玉数管理データには、会員遊技者の遊技場会員IDに対応付けて、玉計数器40にて計数されて再度の遊技に使用可能とされた貯玉数が記憶されている。
会員管理コンピュータ120が備える記憶装置には、図60に示すように、遊技場会員情報テーブル((a)参照)と、会員別遊技履歴テーブル((b)参照)とが記憶されている。なお、遊技場会員情報テーブルには、当該遊技場Aにおいて会員登録した会員遊技者を識別可能な各遊技場会員IDに対応付けて、本人確認に使用される暗証番号と、各会員遊技者の氏名(名字並びに名前)、性別、年齢、誕生日、職業、住所、電子メールアドレスからなる会員属性情報(会員情報)とが登録されている。
また、会員別遊技履歴テーブルには、各会員遊技者の遊技場会員IDに対応付けて、来店ポイントと、来店回数と、会員遊技者がカードユニット3に共通会員カード1000を挿入してから遊技を終えて当該共通会員カード1000を取り出すまでに実施した遊技を1回の遊技として、最近10回の遊技履歴(会員情報)が記憶されている。
これら遊技履歴として、具体的には、遊技場会員ID毎に、来店日、遊技を実施した封入方式パチンコ機2Bの台番号、遊技の開始時刻(共通会員カード1000の挿入時刻)、遊技の終了時刻(共通会員カード1000の返却時刻)、開始時刻と終了時刻との差である遊技時間、始動回数、大当回数、確変回数、会員遊技者が遊技に消費した金額である売上金額、会員遊技者が遊技にて獲得することで遊技場が該会員遊技者に対して提供する景品と等価な金額である支出金額(最小数は100円単位)、これら売上金額から支出金額を差し引いた収支金額、遊技場の勝敗が記憶されている。会員別遊技履歴テーブルは、会員管理コンピュータ120のみに記憶されるだけでもよいが、会員カードIDに対応付けて管理コンピュータ140に記憶してもよい。
また、本実施形態の貯玉サーバ110は、カードユニット3における再プレイ操作に基づいて該カードユニット3から送信される貯玉使用要求の受信に基づいて、会員管理コンピュータ120に対して、当該貯玉使用要求に含まれる暗証番号が、当該貯玉使用要求に含まれる遊技場会員IDに対応して前記遊技場会員情報テーブルに記憶されている暗証番号と一致するか否かを照会し、当該暗証番号が一致した場合において、貯蓄玉数管理データに当該遊技場会員IDに対応付けて記憶されている貯蓄玉数の遊技への再使用を許諾する貯蓄玉数使用許諾処理を実施し、該貯蓄玉数の遊技への再使用に供された貯蓄玉数を該貯蓄玉数から減算更新する。なお、この際、所定の手数料分の貯蓄玉数を減算更新するようにしてもよい。
また、本実施形態の貯玉サーバ110は、カードユニット3から送信される計数玉数の受信に基づいて、当該計数玉数とともに送信される遊技場会員IDに対応して貯蓄玉数管理データに記憶されている貯蓄玉数に、当該受信した計数玉数を加算更新する貯蓄玉数更新処理を実施する。更に、貯蓄玉数管理データの更新があった場合に、貯玉サーバ110は、更新後の新たな貯蓄玉数と遊技場会員IDとを含む貯玉情報を貯玉補償センタの貯玉補償サーバ130に送信する貯玉情報送信処理を実施する。
また、本実施形態の会員管理コンピュータ120は、カードユニット3に新たに共通会員カード1000が受付けられたことに基づいて、当該カードユニット3から送信される共通会員カード受付け通知の受信に基づき、当該共通会員カード受付け通知に含まれる新たに受付けた共通会員カード1000から読み出した遊技場会員IDに対応する会員別遊技履歴テーブルの今回のデータを前回のデータに、前回のデータを2回前のデータというように、それぞれの遊技履歴の回数の更新を実施するともに、今回の遊技履歴への記憶(更新)を開始して、当該会員遊技者の遊技において発生する会員遊技関連情報の記憶し、カードユニット3における返却操作に基づいて、カードユニット3から送信される返却通知に記憶を開始した遊技場会員IDが含まれる場合において、今回の遊技履歴への記憶(更新)を終了し、当該遊技単位における勝敗を判定して記憶する処理を実施する。
なお、今回の遊技履歴への記憶(更新)を開始に際しては、会員管理コンピュータ120からシステムコントローラ100に対して当該更新する遊技履歴に対応する遊技場会員IDを含む使用度数情報出力要求を送信することで、システムコントローラ100から、当該送信した使用度数情報出力要求に含まれる遊技場会員IDが記録された共通会員カード1000からプリペイド度数の使用があった場合に、該使用度数の情報が送信されてくることで、遊技履歴の売上金額への加算更新が実施されるようになっている。
また、本実施形態の会員管理コンピュータ120は、会員登録機10において、新規の会員登録を実施するための所定操作がなされた場合に、会員登録画面を会員登録機10の表示装置に表示して、新たに会員登録する会員遊技者に関する会員属性情報の入力を受付ける会員属性情報入力処理を実施し、遊技場会員情報テーブルに記憶された遊技場会員IDのうち、未使用の遊技場会員IDを当該新規会員遊技者に対して付与し、当該遊技場会員IDに対応付けて、会員登録画面にて受付けた会員属性情報を遊技場会員情報テーブルに記憶する会員属性情報記憶処理を実施する。
図61に示すように、カード管理会社の管理コンピュータ140が備える記憶装置には、共通会員情報テーブル((a)参照)と、登録済遊技場テーブル((b)参照)と、遊技場情報テーブル((c)参照)と、関連会員情報テーブル((d)参照)とが記憶されている。
共通会員情報テーブルには、各共通会員カード1000を個々に識別可能な会員カードID毎に対応付けて、本人確認に使用される暗証番号と、各会員遊技者の氏名(名字並びに名前)、性別、年齢、誕生日、職業、住所、電子メールアドレスからなる会員属性情報とが登録されている。なお、本実施形態では、共通会員情報テーブルにおいて暗証番号も管理しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら暗証番号は、個々の遊技場のみで個別に管理することで、個々の遊技場で異なる暗証番号となるようにしてもよい。
登録済遊技場テーブルには、各会員カードIDに対応付けて、当該会員カードIDから特定される会員遊技者が会員登録を行った遊技場の遊技場ID(遊技場情報)が全て記憶されている。これら登録済遊技場テーブルへの遊技場IDの登録は、各遊技場に設置されている会員登録機10又は会員管理コンピュータ120から会員属性情報登録要求又は会員属性情報送信要求とともに送信されてきた会員カードIDに対応付けて当該登録済遊技場テーブルに記憶されている遊技場IDに、当該送信がなされた遊技場の遊技場IDが含まれていない場合に、当該遊技場の遊技場IDを当該会員遊技者が登録を行った遊技場として登録済遊技場テーブルに登録される。
遊技場情報テーブルには、各遊技場の遊技場識別子(遊技場A、遊技場B、・・・)と遊技場IDとに対応付けて、当該遊技場の遊技場名や、所在地が記憶されていることにより、遊技場IDから当該遊技場の遊技場名や所在地等の情報を特定できるようになっている。
関連会員情報テーブルには、各会員カードIDに対応付けて、当該会員カードIDから特定される会員遊技者と所定の関連性を持つ関連会員遊技者(以下、「フレンド会員」とも言う。)が全て記憶されている。本実施形態において、フレンド会員は、当該会員カードIDから特定される会員遊技者が他の会員遊技者の中から選択したことに応じて登録される。。
次に、新規に共通会員カード1000を発行して会員登録を受付ける場合の会員登録機10と会員管理コンピュータ120と管理コンピュータ140との処理状況について図62を参照して説明する。
先ず、各遊技場A〜Cのいずれの店舗でも会員登録を行っていない遊技者が遊技場Aに来場し、遊技場Aの会員登録を行うものとする。この遊技者は未だ共通会員カード1000を所持(所有)しておらず、遊技場Aに来場した際に、会員登録機10が設置されている受付カウンタに出向く。そこで、会員登録の申込用紙に氏名や住所等の個人情報である会員属性情報を記入して店員に渡す。そして、遊技者から申込用紙を受け取った店員は、未使用(未発行)の共通会員カード1000を会員登録機10のカードリーダライタ10’にセットするとともに、会員登録機10に会員属性情報を入力する。
なお、本実施形態では、店員が会員登録機10を操作して会員属性情報を入力するようになっているが、来場した遊技者が自由に操作できる入力端末を遊技場内に設置して、これらの端末を会員登録機10に通信可能に接続し、遊技者が入力端末を用いて入力した会員属性情報を会員登録機10に送信することで、会員登録機10が会員属性情報を取得できる構成であってもよい。
また、会員登録機10は、会員属性情報の入力を受付ける処理を行うとともに、カードリーダライタ10’に挿入された共通会員カード1000のICチップにおいてカード管理会社用の記憶領域に記憶された会員カードIDの読み出し処理を行う。そして、会員登録機10は、読み出した会員カードIDと当該遊技場Aの遊技場IDと入力された会員属性情報とを含む会員属性情報登録要求をカード管理会社の管理コンピュータ140に送信する処理を行う。
ここで、カード管理会社の管理コンピュータ140は、遊技場Aの会員登録機10から受信した会員属性情報登録要求に含まれる会員カードIDを参照し、共通会員情報テーブルにおける当該会員カードIDに対応付けられた氏名や住所等の項目に、受信した会員属性情報登録要求に含まれる会員属性情報である会員遊技者の氏名や住所等を登録する処理を行う。更に、管理コンピュータ140は、受信した会員属性情報登録要求に含まれる遊技場IDを当該会員カードIDに対応付けて登録済遊技場テーブルに登録する処理を行う。
さらに、会員登録機10は、会員属性情報を含む遊技場新規会員情報を会員管理コンピュータ120に送信する処理を行う。ここで、会員管理コンピュータ120は、遊技場会員情報テーブルを参照し、未使用の遊技場会員IDの中から所定の遊技場会員IDを決定し、この決定した遊技場会員IDに対応付けられた氏名や住所等の項目に、受信した遊技場新規会員情報に含まれる会員属性情報である会員遊技者の氏名や住所等を登録する処理を行う。そして、決定した遊技場会員IDを会員登録機10に送信する処理を行う。なお、会員管理コンピュータ120は、決定した遊技場会員IDを貯玉サーバ110にも送信して、該貯玉サーバ110に決定した遊技場会員IDを登録させるとともに、該遊技場会員IDに対応する貯玉数に初期値である「0」を記憶させる。
そして、会員登録機10は、会員管理コンピュータ120から受信した遊技場会員IDを、共通会員カード1000のICチップにおける遊技場A用の記憶領域に書き込む処理を行う。そして、店員は、会員登録機10から共通会員カード1000を取り外し、この新規な共通会員カード1000を遊技者に手渡すようにし、遊技場Aにおける会員登録を完了することで、該共通会員カード1000を当該遊技場Aにて使用することが可能となる。
次に、共通会員カード1000を所持している遊技者から会員登録を受付ける場合の会員登録機10と会員管理コンピュータ120と管理コンピュータ140との処理状況について図63を参照して説明する。
先ず、遊技場A以外の遊技場B〜Cのいずれかの店舗で既に会員登録を完了している遊技者が遊技場Aに来場し、遊技場Aの会員登録を行うものとする。この遊技者は、既に最初に会員登録を行った遊技場にて発行された共通会員カード1000を所持(所有)した状態で、会員登録機10が設置されている受付カウンタに出向いて、会員登録したい旨を店員伝えるとともに、自身が所持している共通会員カード1000を店員に手渡す。店員は、受け取った共通会員カード1000を会員登録機10のカードリーダライタ10’に挿入する。
会員登録機10は、カードリーダライタ10’に挿入された共通会員カード1000のICチップにおける遊技場A用の記憶領域に記憶された記憶データとカード管理会社用の記憶領域に記憶された会員カードIDの読み出し処理を行う。ここで、遊技場Aにおいて未だ会員登録がなされていない場合には、遊技場A用の記憶領域に前述したNULL値が記憶データとして記憶されており、遊技場Aにおいて既に会員登録がなされている場合には、当該遊技場Aで独自に付与された遊技場会員IDが記憶されていることとなる。
更に、会員登録機10は、共通会員カード1000から読み出した記憶データを会員管理コンピュータ120に送信する処理を行う。このカードの記憶データを受信した会員管理コンピュータ120は、遊技場会員情報テーブルを参照して共通会員カード1000の遊技場A用の記憶領域から読み出したデータが遊技場会員IDとして登録されているか否かを判定する処理を行う。そして、会員管理コンピュータ120は、その判定結果(登録有り・登録無し)を会員登録機10に返信する処理を行う。
そして、会員管理コンピュータ120から判定結果を受信した会員登録機10は、この判定結果により登録有りと判定された場合(記憶データが遊技場会員IDである場合)に、登録済の旨を表示装置に表示する。この場合には、店員は、会員登録機10から共通会員カード1000を取り外し、共通会員カード1000を遊技者に返却するとともに、既に遊技場Aにおける会員登録が済んでいることを伝える。
また、会員管理コンピュータ120から判定結果を受信した会員登録機10は、この判定結果により登録無しと判定された場合(記憶データがNULL値である場合等)に、読み出した会員カードIDと当該遊技場Aの遊技場IDとを含む会員属性情報送信要求をカード管理会社の管理コンピュータ140に送信する処理を行う。
ここで、カード管理会社の管理コンピュータ140は、遊技場Aの会員登録機10から受信した会員属性情報送信要求に含まれる会員カードIDを照合し、該会員カードIDが登録されている場合には、共通会員情報テーブルにおける当該会員カードIDに対応付けられて登録されている氏名や住所等の会員属性情報を会員登録機10に送信する処理を行う。更に、管理コンピュータ140は、受信した会員属性情報送信要求に含まれる遊技場IDを当該会員カードIDに対応付けて登録済遊技場テーブルに登録する処理を行う。
一方、該会員カードIDが共通会員情報テーブルに登録されていない場合には、会員属性情報の登録がない旨を示す会員属性情報未登録通知を返信して、会員登録機10を、会員属性情報の受付け状態に移行させる。なお、これら会員属性情報が受付けられた場合の流れは、新規に共通会員カード1000を発行する場合の上述した流れと同じである。
また、カード管理会社の管理コンピュータ140から会員属性情報を受信した会員登録機10は、受信した会員属性情報を含む遊技場新規会員情報を会員管理コンピュータ120に送信する処理を行う。ここで、会員管理コンピュータ120は、遊技場会員情報テーブルを参照し、未使用の遊技場会員IDの中から所定の遊技場会員IDを決定し、この決定した遊技場会員IDに対応付けられた氏名や住所等の項目に、受信した遊技場新規会員情報に含まれる会員属性情報である会員遊技者の氏名や住所等を登録する記録媒体利用登録処理を行う。そして、決定した遊技場会員IDを会員登録機10に送信する処理を行う。
なお、会員管理コンピュータ120は、決定した遊技場会員IDを貯玉サーバ110にも送信して、該貯玉サーバ110に決定した遊技場会員IDを登録させるとともに、該遊技場会員IDに対応する貯玉数に初期値である「0」を記憶させる。
更に、会員登録機10は、カードリーダライタ10’により、会員管理コンピュータ120から受信した遊技場会員IDを共通会員カード1000のICチップにおける遊技場A用の記憶領域に書き込む処理を行う。そして、店員は、カードリーダライタ10’から共通会員カード1000を取り外し、この共通会員カード1000を遊技者に手渡すようにし、遊技場Aにおける会員登録を完了する。
このように、本実施形態では、共通会員カード1000を所持している場合も、受付カウンタにおいて会員登録を実施するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、以下に示すように、カードユニット3において共通会員カード1000を使用して会員登録を実施するようにしても良く、この場合のカードユニット3と会員管理コンピュータ120と管理コンピュータ140との処理状況について図64を参照して説明する。
先ず、遊技場A以外の遊技場B〜Cのいずれかの店舗で既に会員登録を完了している遊技者が遊技場Aに来場したものとする。この遊技者は、既に最初に会員登録を行った遊技場にて発行された共通会員カード1000をカードユニット3に挿入する。
そして、カードユニット3は、挿入された共通会員カード1000のICチップにおける遊技場A用の記憶領域に記憶された記憶データとカード管理会社用の記憶領域に記憶された会員カードIDをカードリーダライタ3’により読み出す読み出し処理を行う。ここで、遊技場Aにおいて未だ会員登録がなされていない場合には、遊技場A用の記憶領域に前述したNULL値が記憶データとして記憶されており、遊技場Aにおいて既に会員登録がなされている場合には、当該遊技場Aで独自に付与された遊技場会員IDが記憶されていることとなる。
更に、カードユニット3は、共通会員カード1000から読み出した記憶データを会員管理コンピュータ120に送信する処理を行う。このカードの記憶データを受信した会員管理コンピュータ120は、遊技場会員情報テーブルを参照して共通会員カード1000の遊技場A用の記憶領域から読み出したデータが遊技場会員IDとして登録されているか否かを判定する処理を行う。そして、会員管理コンピュータ120は、その判定結果(登録有り・登録無し)をカードユニット3に返信する処理を行う。
そして、会員管理コンピュータ120から判定結果を受信したカードユニット3は、この判定結果により登録有りと判定された場合(記憶データが遊技場会員IDである場合)に、前述した貯玉使用要求を貯玉サーバ110に送信し、当該カードユニット3にて貯玉を使用できるようにする。
また、会員管理コンピュータ120から判定結果を受信したカードユニット3は、この判定結果により登録無しと判定された場合(記憶データがNULL値である場合等)に、該カードユニット3が備える表示装置に「お客様は当店にて会員登録がなされておりません。当店にて会員登録を行いますか?」等の表示を行い、遊技者に対して当該遊技場Aの会員登録を行うか否かを問い合わせる処理を行う。
ここで、遊技者が会員登録をしない旨の選択をした場合には、カードユニット3から共通会員カード1000を排出するカード返却処理を行う。また、遊技者が会員登録する旨の選択をした場合には、読み出した会員カードIDを含む会員登録要求を会員管理コンピュータ120に送信する処理を行う。
このように本実施形態の遊技用システムでは、共通会員カード1000を所持している遊技者が会員となっていない遊技場Aにおいて新たに会員になる際においては、カード管理会社の管理コンピュータ140において管理されている該遊技者の会員属性情報が、共通会員カード1000に記録されている会員カードIDに基づいて取得されて会員情報として登録されるため、これら会員属性情報を新たに会員になる毎に記入したり入力したりする等の当該遊技者の手間を著しく省くことができ、会員登録が非常に簡素化されるばかりか、複数の会員カードを携行する必要もないので、他の遊技場において既に会員登録している遊技者の他の遊技場における会員化を促進させることができる。
また、遊技者は、会員登録機10が設置されているいずれか1の遊技場にて共通会員カード1000の新たな発行を受けて会員となることができるとともに、該会員の会員属性情報をカード管理会社の管理コンピュータ140において迅速に管理できる。
また、会員登録機10又はカードユニット3において共通会員カード1000を受付けた際に、会員管理コンピュータ120が遊技場会員情報テーブルを参照してカードの記憶データが遊技場会員IDとして登録されているか否かを判定する処理を行うことで、遊技者が来場した遊技場Aの会員であると判定されたときには、カード管理会社の管理コンピュータ140に対して会員カードIDが送信されて会員属性情報が無駄に取得されることがないので、会員管理コンピュータ120と管理コンピュータ140との間の通信負荷を低減できるとともに、管理コンピュータ140における処理負荷も低減できる。
本実施形態では、フレンド会員同士で玉の振り分けを可能とし、これを封入方式パチンコ遊技機2Bの側方に隣接して設置されたカードユニット3や、封入方式パチンコ遊技機2Bの上方に隣接して設置されたデータ表示装置4を用いて実現することができる。具体的には、前述したように、管理コンピュータ140の関連会員情報テーブルには、会員遊技者と関連性を持つ関連会員遊技者が記憶されている。この関連会員情報テーブルを利用してフレンド機能を遊技者に提供することができる。
ここで、フレンド機能とは、管理コンピュータ140にログインした会員カードIDに対応付けて関連会員情報テーブルに登録してある関連会員遊技者のうち、同じ遊技場で遊技している関連会員遊技者を検索して、ログインした会員に通知する機能である。この通知は、カードユニット3の表示部や、データ表示装置4の表示部に表示させることで実現することができる。
この場合は、遊技場内に設置される貯玉サーバ110及び管理コンピュータ140を本発明に係る管理装置とし、遊技用装置であるカードユニット3やデータ表示装置4を遊技者が操作して、フレンド登録しているフレンド会員同士の玉の振り分けを実現すればよい。なお、振り分けを実現する手法それ自体は、第1実施形態や第2実施形態で説明した手法と同様の手法を適用することができる。
[3−2.封入方式パチンコ機の構成]
図65は、本実施形態における封入方式パチンコ機2Bの外観構成の一例を示す正面図である。
封入方式パチンコ機2Bは、内部に遊技媒体の一例のパチンコ玉を封入しており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより、発射モータを駆動させて封入玉を1発ずつ遊技盤26前面の遊技領域27に打込んで遊技ができるように構成されている。具体的には、打球操作ハンドル25の周囲にタッチセンサが設けられており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作している状態でその遊技者の手がタッチセンサに触れ、その遊技者の手の接触をタッチセンサで検知して発射モータが駆動される。この状態で、遊技者による打球操作ハンドル25の回動操作量に応じて打球発射勢いが調整されて玉が遊技領域27内に発射される。
封入方式パチンコ機2Bは、いわゆる第1種のパチンコ機であって、遊技領域27の中央に可変表示装置(特別図柄とも言う)278が設けられている。また、遊技領域27には、打込まれたパチンコ玉が入賞可能な複数種類の入賞口が設けられている。遊技領域27には、1つの大入賞口(可変入賞球装置)271と、3つの普通入賞口272,273,274と、3つの始動入賞口275,276,277とが示されている。特に、始動入賞口276は、遊技者にとって有利な第1の状態(例えば開成状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(例えば閉成状態)とに変化可能な電動チューリップで構成されている。
可変表示装置278は、複数種類の識別情報(図柄)を可変表示可能な可変表示部を備えており、各始動入賞口275,276,277に入賞した始動入賞玉の検出信号に基づいてそれらの複数種類の識別情報の可変表示を開始させる。可変表示装置の表示結果が特定の識別情報の組合せ(例えばぞろ目)になると、大当り状態となり、大入賞口271が開放する。
また、可変表示装置278の表示結果が大当り図柄の組合せ(ぞろ目)のうちの予め定められた特別の識別情報の組合せ(例えば777等の確変図柄の組合せ)となることにより、確変大当り状態が発生し、それに伴う大当り状態の終了後大当りの発生確率が向上した確率変動状態(確変状態)が発生する。
遊技領域27内に打込まれたパチンコ玉はいずれかの入賞口に入賞するか或いは入賞することなくアウト口154に回収される。いずれかの入賞口に入賞したパチンコ玉及びアウト口154に回収されたパチンコ玉は再度封入方式パチンコ機2B内の回収経路を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより再びその打球発射位置のパチンコ玉が遊技領域27内に打込まれる。
封入方式パチンコ機2Bにおける遊技領域27の下方位置には、表示器54が設けられている。表示器54は、液晶表示装置で構成されており、持点やカード残額、或いは可変表示装置278の表示と連動した様々な演出画像を遊技者に表示する。
なお、表示器54は、カードユニット3Bから独立して封入方式パチンコ機2Bに取付けられる構成でも、カードユニット3Bと一体に形成され、封入方式パチンコ機2Bの前面に嵌合させる構成でもよい。
さらに、封入方式パチンコ機2Bにおける打球操作ハンドル25の左方位置には、遊技玉から持玉への計数処理をするための計数ボタン28が設けられている。本実施形態では、計数ボタン28を押下し続けた時間に応じて計数動作が繰り返し実行される。
なお、押下継続時間に関わらず、1度押下すると、所定数(例えば100玉)だけ遊技玉から持玉への計数が行われるようにしてもよく、或いは、計数ボタン28を1度押下した場合には、その押下時間にかかわらず(長押しか否かにかかわらず)、現在遊技者が所有している遊技玉のすべてが計数されるようにしてもよい。
このように、計数ボタン28を封入方式パチンコ機2B側に設けているため、計数ボタン28をカードユニット3B側に設ける場合に比較して、封入方式パチンコ機2Bに正対して座っている遊技者の操作性を向上できる。
計数ボタン28の右上方には、遊技玉数を表示するための遊技玉数表示器29が設けられている。遊技玉数表示器29は、7セグメント式のディスプレイである。なお、遊技玉数表示器29は、液晶表示器や有機EL表示器、その他の表示器で構成してもよい。
本実施形態に係る封入方式パチンコ機2Bは、遊技盤26とそれ以外の遊技枠(前枠)21とに分けることができる。特に、遊技盤26は、各社が開発するパチンコ機の機種毎に異なるものである一方、遊技枠21は、機種に関わらず共通の共通枠とされている。このため、遊技店は新台入れ替えの際には遊技盤26のみの交換で事足りる。
[3−3.カードユニットの構成]
図65及び図66は、本実施形態におけるカードユニット3の構成を説明するための図である。
カードユニット3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(一般カードとも言う)、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行され、会員登録した遊技場でのみ紐付けされた貯玉や残額等が使用可能とされる遊技用記録媒体である遊技場会員カード、及び複数の遊技場で共通に利することができるように会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である共通会員カード1000を受け付ける。ビジターカード、遊技場会員カード及び共通会員カード1000はICカードで構成されている。
それらのカードを受付けたカードユニット3は、カードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(例えばカード残額、持玉数、或いは貯玉数等)を「遊技玉のデータ」に変換する機能を有する。封入方式パチンコ機2Bでは、遊技玉のデータによって特定される玉数相当の弾球遊技が可能とされる。つまり、「遊技玉のデータ」とは、発射可能な玉の発射残数を示すデータである。以下の説明では、「遊技玉のデータ」を貯玉や持玉と同様に、単に「遊技玉」と称する。
カードユニット3の前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、装置前面より装置前方方向に突出形成された突出部305、共通会員カード1000、遊技場会員カード又はビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309などが設けられている。このカード挿入/排出口309に挿入された共通会員カード1000、遊技場会員カード又はビジターカードがカードリーダライタ327に受付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。
前述の突出部305において、遊技者と対向する面には、表示器312が設けられている。本実施形態のカードユニット3には、機械的な再プレイボタンは設けられず、表示器54又は表示器312に、再プレイボタンが表示され、表示器54又は表示器312のタッチパネルで、表示されている再プレイボタンへの操作が検知される。再プレイボタンは、共通会員カード1000や遊技場会員カードを受付けた場合において、該共通会員カード1000や該遊技場会員カードに記録された会員カードIDや遊技場会員ID(単に、カードID、C-IDとも言う)ならびに会員カードIDや遊技場会員IDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するためのボタンである。
表示器312は、挿入された遊技用記録媒体(カード)に記録されているプリペイド残額(カード残額又は単に残額とも言う)を表示するものであるが、遊技玉数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示器312の表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
表示器312には、第1実施形態と同様に、残額取出操作を行うための残額取出アイコンや、少量貸し操作を行うための少量貸しアイコン、持玉分割を行うための持玉分割アイコン、カード後挿入操作を行うためのカード後挿入アイコン、カードロック操作を行うためのカードロックアイコン、情報照会操作を行うための情報照会アイコン等が表示され、これらのアイコンを遊技がタップすることで、残額取出処理や少量貸し処理、持玉分割処理、カード後挿入処理、カードロック処理、情報照会処理等の各種の処理が実行される。
再プレイボタンを操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持玉数が記録されているときにはその持玉数の一部を引落として遊技玉に変換し、変換した遊技玉に基づいて封入方式パチンコ機2Bによる遊技を行うことが可能となる。一方、挿入されたカードが共通会員カード1000や遊技場会員カードであり持玉数が記録されておらずかつ貯玉がホール用管理コンピュータ等に記録されている場合には、その貯玉の一部が引落とされて遊技玉に変換され、封入方式パチンコ機2Bによる遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持玉との双方が記憶されている場合には、持玉が優先的に引落とされる。この持玉や貯玉の遊技玉への変換は、遊技者所有の遊技用価値を封入方式パチンコ機2Bでの遊技に使用させるための使用処理に相当し、制御ユニット305が使用処理手段に相当する。なお、再プレイボタンとは別に、持玉を引落とすための専用の持玉払出ボタンを設け、再プレイボタンは貯玉引落とし専用のボタンとしてもよい。
本実施形態では、貯玉データは共通会員カード1000や遊技場会員カードに直接記録させずホール用管理コンピュータ等の遊技場に設置されたコンピュータに共通会員カード番号や遊技場会員カード番号と対応付けて記憶させ、共通会員カード番号や遊技場会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。つまり、貯玉データは、カードユニット3からコンピュータに送信され、コンピュータにおいて貯玉データが管理される。一方、持玉は、カードユニット3がカードに直接持玉データとして記録する。
このように、カードユニット3が貯玉データをコンピュータに送信してカードを返却する処理や、カードユニット3Aが持玉データをカードに記録してカードを返却する処理は、使用処理に供されなかった遊技用価値を確定させるための確定処理に相当し、制御ユニット305が確定処理手段に相当する。
なお、貯玉データや持玉データの管理方法は、上記に限定されるものではなく、両者ともにホールコンピュータ801にカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持玉は、ビジターカードに直接記録している。
しかし、それに限定されるものではなく、持玉をホールコンピュータ801にカード番号と対応させて記憶させてもよい。このホールコンピュータ801にカード番号と対応させて記憶させる際に、ホールコンピュータ801に記憶させた時刻を特定できるデータをカード(共通会員カード1000、遊技場会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残額についてはカード(共通会員カード1000、遊技場会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
なお、持玉を、カード(共通会員カード1000、遊技場会員カード、ビジターカード)、又はホールコンピュータに記憶させるタイミングは、例えば、計数ボタン28が操作されて計数処理が行われる度にリアルタイムに記憶させる、一定周期ごとに記憶させる、又はカードを返却するときに一括して記憶させるなどのタイミングとすることが考えられる。
また、遊技者が遊技を終えてカードユニット3からカードを返却したときには、カードユニット3に記憶していた持玉が一旦貯玉としてホールコンピュータ801に記憶されるようにし、その遊技者がカードの返却を受けた日と同じ日に再び同じ又は別のカードユニット3にカードを挿入したときには、一旦貯玉として記憶された当日分の持玉のみが再びそのカードユニット3に記憶され、その持玉の範囲で遊技玉を加算し、遊技できるようにしてもよい。この遊技玉の加算は、遊技者所有の遊技用価値を遊技機での遊技に使用させるための使用処理に相当する。
紙幣挿入口302に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
カードユニット3の前面側には、さらに、IR感光ユニット(IR受光ユニットとも言う。)320と、カメラ399とが設けられている。IR感光ユニット320は、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号を受信して電子信号に変換して出力する。カメラ399は、遊技者の顔画像を撮影して、制御ユニット305に出力する。
本実施形態においては、上述の再プレイボタンと同様、機械的な玉貸(球貸)ボタン及びカード返却ボタンは設けられず、表示器54又は表示器312に、玉貸ボタン及びカード返却ボタンが表示され、表示器54又は表示器312のタッチパネルで、表示されている玉貸ボタン及びカード返却ボタンへの操作が検知される。
玉貸ボタンは、挿入されたカードに記録されている残額を引落として封入方式パチンコ機2Bによる遊技に用いるための操作(遊技玉への変換操作)を行うボタンである。
カード返却ボタンは、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した遊技玉数(カード挿入時の持玉数−遊技玉への変換数+計数操作によって計数された持玉数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。
[3−4.表示画面]
図67〜図69は、本実施形態において、データ表示装置4の第1表示部430に表示される表示画面の一例を示す図である。なお、以下例示する表示画面は、データ表示装置4の第1表示部430に表示させるのに限らず、カードユニット3の表示器312に表示させるようにしてもよい。
図67(1)は、遊技データ画面の一例を示す図である。この遊技データ画面は、第2実施形態で説明した遊技画面データとほぼ同じであるが、画面右下部に、当該会員がフレンド登録しているフレンド会員の番号が表示されている点が異なる。
図67(2)は、メニュー画面の一例を示す図である。
このメニュー画面には、当該会員がフレンド会員とチャットをするためのチャットアイコンと、当該会員がフレンド会員に玉を振り分けるためのプレゼントアイコンと、当該会員がデータ表示装置4の音量/光量調整を行うための音量/光量調整アイコンとが表示されている。当該会員がプレゼントアイコンをタップすると、図67(3)に示すフレンド選択画面に表示画面が切り替わる。
図67(3)は、フレンド選択画面の一例を示す図である。
このフレンド選択画面は、図67(2)においてプレゼントアイコンがタップされることで表示される表示画面であり、「プレゼントするフレンド会員を選択してください。」というメッセージとともに、フレンド会員の一覧が表示されている。遊技者は、このフレンド会員の一覧の中から、玉をプレゼントするフレンド会員をタップ操作によって選択する。ここでは、「No.15」のフレンド会員が選択された場合を例示している。
図68(1)は、振分玉数選択画面の一例を示す図である。
この振分玉数選択画面は、図67(3)においてフレンド会員が選択されることで表示される表示画面であり、「プレゼントする玉数を選択してください。」というメッセージとともに、振分玉数を選択するためのアイコンとして、「1000玉」、「3000玉」、「5000玉」、「10000玉」、「半分」、「1/4」のアイコンが表示されている。当該会員は、これらのアイコンの中から振分玉数を選択する。ここでは、振分玉数として「10000玉」が選択された場合を例示している。
図68(2)は、振分元確認画面の一例を示す図である。
この振分元確認画面は、図68(1)において振分玉数が選択された場合に表示される表示画面であり、「No.015のフレンド会員に10000玉を贈ります。」というメッセージとともに、現在の貯玉数と、プレゼント玉数と、残りの貯玉数とが表示されている。また、その下には決定アイコンと取消アイコンとが表示されており、決定アイコンをタップすることで、振分許否判定処理が実行される。
図68(3)は、振分不許可報知画面の一例を示す図である。
この振分不許可報知画面は、振分許否判定処理により振分不許可と判定された場合に表示される表示画面であり、「フレンドNo。015さんの貯蓄上限を超えるため、プレゼントすることができません。」というメッセージが表示されている。
図69(1)は、振分通知画面の一例を示す図である。
この振分通知画面は、振分許否判定処理により振分許可と判定された場合に表示される表示画面であり、「No.1のフレンド会員からプレゼントが届いています。」というメッセージが表示されている。また、その下には、確認アイコンが表示されており、この確認アイコンをタップすることで、図69(2)の振分先確認画面が表示される。
図69(2)は、振分先確認画面の一例を示す図である。
この振分先確認画面は、図69(1)において確認アイコンがタップされることで表示される表示画面であり、「10000玉プレゼントされました。」とうメッセージとともに、現在の当日貯玉数と、プレゼント玉数と、新しい当日貯玉数とが表示されている。また、その下には、OKアイコンが表示されており、このOKアイコンがタップされることで、デフォルトの表示画面である遊技データ画面に戻る。
図69(3)は、振分不実施画面の一例を示す図である。
この振分不実施画面は、振分許否判定処理により振分不許可と判定された場合に表示される表示画面であり、「お客様の貯蓄上限を超えるため、プレゼントを受け取ることができませんでした。」というメッセージが表示されている。また、その下には、OKアイコンが表示されており、このOKアイコンがタップされることで、デフォルトの表示画面である遊技データ画面に戻る。
[3−5.変形例]
上記の実施形態では、同じ遊技場内でフレンド登録したフレンド会員同士での振り分けを実現する遊技用システムについて説明したが、別の遊技場で遊技する会員との間でのフレンド登録を可能とし、複数の遊技場間でフレンド登録されたフレンド会員同士で振り分けを実現するシステムを構築してもよい。
[4.第4実施形態]
第4実施形態は、第1実施形態で説明したデータ表示装置4の第2表示部440に、遊技者が遊技したパチンコ機2が、(1)遊技者が唯一遊技した唯一遊技機種、(2)遊技者の遊技時間が第1の所定時間よりも長い長時間遊技機種、(3)遊技者が最初に遊技した初遊技機種、(4)遊技者の遊技時間が第2の所定時間よりも短い短時間遊技機種、の1以上の遊技機種のうちのいずれの遊技機種であるかの集計結果に関する情報を表示させる実施形態である。
また、本実施形態では、第1実施形態で説明したデータ表示装置4の第2表示部440に、パチンコ機2での遊技において、遊技玉が遊技領域のうちの第1領域を通過した回数及び/又は割合と、遊技玉が遊技領域のうちの第2領域を通過した回数及び/又は割合とを、遊技玉の発射強度別に集計した集計結果に関する情報を表示させる実施形態である。
データ表示装置4の処理部410は、パチンコ機2に併設されるカードユニット3に挿入された会員カードに記録されたカード情報に基づいて、遊技者が遊技した遊技機種を判定する。図示は省略するが、カード情報には、会員IDと対応づけて、パチンコ機2のID別に、遊技者が該パチンコ機2での遊技時刻が記録される。遊技時刻には、該パチンコ機2での遊技を開始した遊技開始時刻と、該パチンコ機2での遊技を終了した遊技終了時刻とが含まれる。処理部410は、これらの遊技時刻に基づいて、遊技者が遊技した遊技機種が上記の(1)〜(4)のいずれの遊技機種であるかを判定する。
遊技機種の判定方法の一例を説明する。該会員IDの会員が遊技したパチンコ機2が1台のみである場合は、その台番号のパチンコ機2を唯一遊技機種と判定する。該会員IDの会員が遊技したパチンコ機2のうち、遊技開始時刻から遊技終了時刻までの時間として求められる遊技時間が第1の所定時間(例えば3時間)よりも長い台番号のパチンコ機2を長時間遊技機種と判定する。該会員IDの会員が遊技したパチンコ機2のうち、遊技開始時刻から遊技終了時刻までの時間として求められる遊技時間が第2の所定時間(例え15分)よりも短い台番号のパチンコ機2を短時間遊技機種と判定する。また、該会員IDの会員が遊技したパチンコ機2のうち、遊技開始時刻が最も古い台番号のパチンコ機2を初遊技機種と判定する。
処理部410は、上記の遊技機種の判定結果に基づいて、遊技者が遊技した遊技機種がいずれの遊技機種であるかを集計し、その集計結果をデータベース化して記憶する。そして、処理部410は、データベースに記憶された遊技機種の集計結果に基づいて、例えば、遊技機種を周囲の遊技客が視認しやすいようにグラフ化し、作成したグラフを第2表示部440に表示させる制御を行う。
図70は、この場合におけるデータ表示装置4の第2表示部440の表示画面の一例を示す図である。
図70(1)では、該パチンコ機2が長時間遊技機種として遊技者により遊技された割合を表す円グラフ(機種別長時間遊技機種割合円グラフ)が第2表示部440に表示されている。この円グラフの代わりに棒グラフで該パチンコ機2が長時間遊技機種として遊技者により遊技された割合を表したもの(機種別長時間遊技機種割合棒グラフ)が図70(2)であり、機種別長時間遊技機種割合棒グラフが第2表示部440に表示されている。第2表示部440に上記のようなグラフ表示を行うことで、周囲の遊技客は、該パチンコ機2で長時間遊技が行われた割合を知ることができる。
なお、上記は長時間遊技機種について作成した円グラフ及び棒グラフの表示画面の一例であるが、これに代えて、唯一遊技機種や初遊技機種、短時間遊技機種について作成した円グラフや棒グラフを第2表示部440に表示させるようにしてもよい。このような表示を行うことで、周囲の遊技客は、該パチンコ機2で唯一遊技や初遊技、短時間遊技が行われた割合を知ることができる。長時間遊技の割合が高いパチンコ機2は、人気のある機種であることがわかり、唯一遊技の割合が高いパチンコ機2は、非常に人気のある機種であることがわかる。また、短時間遊技の割合が高いパチンコ機2は、それほど人気のない機種であることがわかる。これにより、周囲の遊技客は、人気のある遊技機種や人気のない遊技機種を判断することができ、遊技する機種を選択する際の参考にすることができる。
図71は、第2表示部440の表示画面の別例を示す図である。
図71(1)では、パチンコ機2の機種Aについて、遊技者が遊技をした遊技機種の判定結果を示す円グラフが第2表示部440に表示されている。具体的には、機種Aついて、遊技者が初遊技をした割合、短時間遊技をした割合、長時間遊技をした割合及び唯一遊技をした割合が円グラフ形式で表されている。
これを棒グラフ形式で表したものが図71(2)であり、機種Aについて、遊技者が初遊技をした割合、短時間遊技をした割合、長時間遊技をした割合及び唯一遊技をした割合が棒グラフ形式で第2表示部440に表示されている。
このような表示を行うことで、周囲の遊技客は、該パチンコ機2が唯一遊技機種、長時間遊技機種、初遊技機種、短時間遊技機種として遊技された割合を知ることができ、該パチンコ機2が人気のある機種であるか人気のない機種であるかを判断することができる。
また、本実施形態において、パチンコ機2が備える発射装置は、遊技玉の発射強度を検出する発射強度センサを有し、この発射強度センサにより、発射装置から発射された遊技玉の発射強度を検出する。そして、検出した発射強度を示す発射強度信号をデータ表示装置4に出力する。また、パチンコ機2は、遊技領域に打ち込まれた遊技玉が各入賞口(普通入賞口や始動入賞口、大入賞口)を通過した際に、遊技玉が入賞口を通過したことを示す通過領域信号をデータ表示装置4に出力する。この際、パチンコ機2は、通過領域信号に遊技玉の発射強度を紐付けて出力する。
データ表示装置4は、パチンコ機2から出力される発射強度信号や通過領域信号に基づいて、遊技玉の発射強度や通過領域を判定する。そして、その判定結果に基づいて、遊技玉が遊技領域のうちの第1領域を通過した回数及び/又は割合と、遊技玉が遊技領域のうちの第2領域を通過した回数及び/又は割合とを、遊技玉の発射強度別に集計する。ここで、第1領域及び第2領域には、遊技玉が入賞する各種の入賞口(普通入賞口や始動入賞口、大入賞口)や、遊技領域内の区分けされた打込領域(右打領域や左打領域、ぶっ込み領域)が含まれる。
図72は、処理部410が、発射強度に応じていずれの打込領域に遊技玉が打ち込まれたかを判定するために用いる発射強度しきい範囲テーブルのテーブル構成の一例を示す図である。
発射強度しきい範囲テーブルには、打込領域と、発射強度しきい範囲とが対応付けて記憶されている。打込領域は、例えば「右打領域」と、「左打領域」と、「ぶっ込み領域」とに分けられている。ここで、「右打領域」とは遊技領域の右側の領域であり、「左打領域」とは遊技領域の左側の領域である。また、「ぶっ込み領域」とは、この領域に遊技玉が打ち込まれることで遊技玉が始動入賞口の方へ流れやすいとされる領域である。
発射強度しきい範囲には、右打領域については発射強度しきい範囲AR(下限値ARlow〜上限値ARhi)が、左打領域については発射強度しきい範囲AL(下限値ALlow〜上限値ALhi)、ぶっ込み領域については発射強度しきい範囲AB(下限値ABlow〜上限値ABhi)がそれぞれ定められている。
処理部410は、パチンコ機2から出力される発射強度信号に基づいて総打込数及び総打込割合を集計する。また、発射強度信号から特定される発射強度が発射強度しきい範囲テーブルのいずれの発射強度しきい範囲に含まれるかを判定することで、遊技玉の打込領域を判定する。そして、その判定結果に基づいて、打込領域別に総打込数及び総打込割合を集計する。
図73は、処理部410が集計した発射強度別通過領域データのデータ構成の一例を示す図である。
発射強度別通過領域データは、発射強度別の遊技玉の通過領域の集計結果のデータであり、パチンコ機IDと、遊技玉の通過領域、総通過数及び発射強度別通過数とを対応付けた発射強度別通過数データと、遊技玉の通過領域、総通過割合及び発射強度別通過割合を対応付けた発射強度別通過割合データとが記憶される。
通過領域には、第1始動入賞口、第2始動入賞口、第3始動入賞口、第1普通入賞口、第2普通入賞口、第3普通入賞口及び大入賞口が定められている。また、大入賞口は、確変入賞口を含む。各入賞口について、パチンコ機2から出力される発射強度信号及び通過領域信号に基づいて、通過領域別の総通過数、発射強度別通過数、総通過割合及び発射強度別通過割合を集計し、発射強度別通過領域データに記憶させる。
なお、本実施形態では、各パチンコ機2について、発射強度別通過数及び発射強度別通過割合の両方を集計することとして説明するが、これらのうちのいずれか一方のみを集計するようにしてもよい。つまり、発射強度別通過数のみを集計してもよいし、発射強度別通過割合のみを集計するようにしてもよい。
図74は、処理部410が集計した発射強度別打込領域データのデータ構成の一例を示す図である。
発射強度別打込領域データは、発射強度別の遊技玉の打込領域の集計結果のデータであり、パチンコ機IDと、遊技玉の打込領域、総打込数及び発射強度別打込数とを対応付けた発射強度別打込数データと、遊技玉の打込領域、総打込割合及び発射強度別打込割合を対応付けた発射強度別打込割合データとが記憶される。
打込領域には、前述した右打領域、左打領域及びぶっ込み領域が含まれる。各打込領域について、処理部410は、パチンコ機2から出力される発射強度信号に基づいて総打込数及び総打込割合を集計する。また、発射強度信号から特定される発射強度が発射強度しきい範囲テーブルのいずれの発射強度しきい範囲に含まれるかを判定することで、遊技玉の打込領域を判定し、その判定結果に基づいて、打込領域別に発射強度別打込数及び発射強度別打込割合を集計する。
なお、本実施形態では、各パチンコ機2について、発射強度別打込数及び発射強度別打込割合の両方を集計することとして説明するが、これらのうちのいずれか一方のみを集計するようにしてもよい。つまり、発射強度別打込数のみを集計してもよいし、発射強度別打込割合のみを集計するようにしてもよい。
処理部410は、上記の発射強度別の通過領域(打込領域を含む。)の集計結果に基づいて、例えば、遊技玉の発射強度別の通過領域を周囲の遊技客が視認しやすいようにグラフ化し、作成したグラフを第2表示部440に表示させる制御を行う。
図75は、この場合におけるデータ表示装置4の第2表示部440の表示画面の一例を示す図である。
図75(1)では、発射強度別の始動入賞口への入賞の割合を示す円グラフが第2表示部440に表示されている。具体的には、始動入賞口への遊技玉の入賞を示す割合が、発射強度「T0〜T9」〜発射強度「T90〜T99」別に表されている。
これを棒グラフ形式で表したのが図75(2)であり、発射強度別の始動入賞口への入賞の割合を示す棒グラフが第2表示部440に表示されている。このような表示を行うことにより、遊技者以外の遊技客は、発射強度に応じて遊技玉がどの領域を通過する傾向にあり、どの程度のハンドル操作を行えば遊技玉を始動入賞口に入賞させることができるかを把握することができる。
なお、始動入賞口ではなく、発射強度別の普通入賞口に入賞した遊技玉の数や割合に関する情報をグラフ形式で第2表示部440に表示させるようにしてもよい。また、発射強度別の大入賞口や確変入賞口に入賞した遊技玉や割合に関する情報をグラフ形式で第2表示部440に表示させるようにしてもよい。これにより、周囲の遊技客は、どの程度のハンドル操作を行えば遊技玉を普通入賞口や大入賞口、確変入賞口に入賞させることができるかを把握することができる。
なお、本実施形態では、データ表示装置4の処理部410が遊技機種の集計を行うこととして説明したが、この遊技機種の集計をホールコンピュータ6の処理部610が行うようにしてもよい。この場合は、ホールコンピュータ6が集計結果をデータベース化して記憶するようにし、データベースに記憶された集計結果のデータを、データ表示装置4に送信するようにすればよい。また、カード管理コンピュータ7や玉管理コンピュータ8が遊技機種の集計を行うようにしてもよい。また、会員情報を管理する会員管理コンピュータを店舗に設置することとし、この会員管理コンピュータが遊技機種の集計を行うようにしてもよい。
また、ホールコンピュータ6、カード管理コンピュータ7、玉管理コンピュータ8、会員管理コンピュータのうちの2以上の機能を兼ねた管理コンピュータが遊技機種の集計を行うようにしてもよい。
発射強度別の通過領域の集計についても同様であり、データ表示装置4の処理部410が発射強度別の通過領域の集計を行うようにするのではなく、各種の管理コンピュータが発射強度別の通過領域の集計を行うようにしてもよい。この場合は、パチンコ機2が、前述した発射強度信号及び通過領域信号を各種の管理コンピュータに出力すればよい。
[5.他の実施形態]
本発明を適用可能な実施形態は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、他の実施形態について説明する。なお、上記の各実施形態と同一の構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
[5−1.遊技機]
上記の実施形態では、本発明に係る遊技機を、従来型のパチンコ機2や、封入方式パチンコ機2Bとして説明した。しかし、これに代えて、遊技媒体である遊技メダルを用いて遊技可能なスロットマシンを、本発明に係る遊技機としてもよい。遊技機をスロットマシンとする場合は、遊技者の貯蓄遊技価値を貯メダル数とし、付与遊技媒体数を当日貯メダル数やローカル計数メダル数として、上記の実施形態と同様の処理を行えばよい。
スロットマシンでは、遊技者にとって有利な有利状態として、ボーナス(RB(レギュラーボーナス)、BB(ビッグボーナス))状態やチャンスタイム(ART(アシストリプレイタイム)、AT(アシストタイム)及びRT(リプレイタイム))状態等の遊技者に対する特典が付与される状態に制御される。このため、ボーナス状態及びチャンスタイム状態の少なくともいずれかに制御される状態を有利状態として、上記の実施形態と同様の処理を行えばよい。
この場合、第1実施形態で説明したカードユニット3には、遊技者が所持する所持メダル数を計数して払い出すメダル計数払出ユニットを備えることとし、このメダル計数払出ユニットの計数結果に基づいてローカル計数メダル数をカウントするようにすればよい。また、第2実施形態で説明したデータ表示装置4は、スロットマシンから出力される遊技信号であるメダルIN信号やメダルOUT信号に基づいてINメダル数及びOUTメダル数を特定し、INメダル数とOUTメダル数とに基づいて、ローカル計数メダル数を特定すればよい。
第1実施形態で説明したようにカードユニット3の液晶表示器313に所定画像を表示させるのであれば、カードユニット3に設けられた計数払出ユニット380によるメダル数の計数結果に基づいて遊技者のローカル計数メダル数を判定し、このローカル計数メダル数に基づいて、所定画像の表示制御及び非表示制御を行えばよい。
また、第2実施形態で説明したようにデータ表示装置4の第1表示部430に特別画像を表示させるのであれば、カードユニット3が遊技者のローカル計数メダル数をデータ表示装置4に出力するように構成し、データ表示装置4の処理部410は、カードユニット3から出力されるローカル計数メダル数に基づいて、所定画像の表示制御及び非表示制御を行えばよい。
この場合、第1所定画像は、遊技者が獲得した遊技メダルが投入される遊技メダル用のドル箱としたり、一の箱に積まれる遊技メダルの嵩高とすることができる。また、第2所定画像は、遊技者が獲得した遊技メダルが投入される遊技メダル用の特箱としたり、別の箱に積まれる遊技メダルの嵩高とすることができる。
また、第1所定画像を表示させるための第1表示閾値(第1値)と、第1所定画像を非表示とさせるための第1非表示閾値(第2値)とは、所定の時間範囲内に所持メダル数が減少する数に基づいて定めておくことができる。具体的には、1回の払い戻し操作により遊技者に払い戻される遊技メダル数を50枚とした場合、例えば50枚に25枚分の余裕を持たせた75枚を第1表示閾値と第1表示非閾値との差(第1所定数)とする。そして、例えば、第1表示閾値を200枚とし、第1非表示閾値を125枚とする。
また、第2表示閾値が第1表示閾値よりも大きくなり、且つ、第2表示閾値と第2非表示閾値との差(第2所定数)が第1所定数よりも大きくなるように第2表示閾値と第2非表示閾値とを定めておく。例えば、第2所定数を150枚とし、第2表示閾値を1000枚、第2非表示閾値を850枚とする。
また、遊技機をスロットマシンとする場合において、データ表示装置4の第1表示部430の表示内容としては、スロットマシンの機種名やスタート回数、ボーナス発生回数(RB発生回数、BB発生回数)やチャンスタイム付与回数(ART付与回数、AT付与回数、RT付与回数)等の特典付与回数、スタート履歴グラフ等の情報を含む遊技データ画面や、差メダルを示す差メダルグラフ画面、所持メダル数を所定画像によって表示する所持メダル特別画像画面を定めておけばよい。
また、遊技機をスロットマシンとする場合に遊技用装置に表示させるメニュー画面は、スロットマシン用のメニュー画面であればよく、上記の実施形態と同様に、メダルを振り分けるためのメダル振分項目を含むメニュー画面であればよい。
また、スロットマシンに代えて、遊技点方式で遊技を行う遊技点方式スロットマシンを本発明に係る遊技機としてもよい。従来型のスロットマシンは、メダルをメダル投入部から投入して、役が成立したとき(あるいは精算スイッチが操作されてクレジットが返却されるとき)に、メダル払出口からメダルが払出されるものであるが、遊技点方式スロットマシンは、このように遊技機外部からのメダルの投入や遊技機外部へのメダルの払出しを要することなく遊技を行うことが可能なスロットマシンである。
このような遊技点方式スロットマシンでは、対応するカードユニット3によってプリペイド価値を「遊技点」に変換して遊技に使用する。「遊技点」は、封入方式パチンコ機2Bにおける「遊技玉数」に該当する。すなわち、遊技者所有の有価価値を遊技に使用可能な遊技価値に変換する。例えば1000円分のプリペイド価値を50の遊技点(遊技点1は1枚のメダルに相当する)に変換可能である。
このような遊技点方式スロットマシンでは、遊技点を用いて賭数を設定する。メダル1枚分に相当する「遊技点=1」を用いて賭数を設定する際には、1枚BETスイッチを操作し、遊技状態に応じて定められた最大の賭数を設定する際には、MAXBETスイッチを操作する。スタートスイッチの操作に応じた各リールの回転開始及び各ストップボタンの操作に応じた各リールの回転停止に関しては、前述したメダル投入方式のスロットマシンと同様である。
ここで、スタートスイッチが操作されたときには、設定された賭数に相当する遊技点が減算点数となり、遊技制御基板のRAMに記憶される減算カウンタの値に減算点数が加算される。そして、全てのリールが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せが各リールの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた遊技点が加算点数となり、遊技制御基板のRAMに記憶される加算カウンタの値に加算点数が加算される。
また、遊技制御基板では、減算カウンタの値や加算カウンタの値が更新されると、カードユニット3に対して、更新後の減算カウンタの値(減算点数)や更新後の加算カウンタの値(加算点数)を送信する。そして、遊技制御基板では、記憶する「遊技点」から更新後の減算カウンタの値を減算し、減算カウンタの値を0にクリアする。また、記憶する「遊技点」に更新後の加算カウンタの値を加算し、加算カウンタの値を0にクリアする。
一方、カードユニット3では、減算カウンタの値(減算点数)を受信したときには、RAMに記憶する総減算点数に受信した減算点数の値を累計加算すると共に、記憶する「遊技点」から受信した減算点数を減算する。また、加算カウンタの値(加算点数)を受信したときには、RAMに記憶する総加算点数に受信した加算点数の値を累計加算すると共に、記憶する「遊技点」に受信した加算玉数を加算する。
また、カードユニット3は、所定のタイミングで(例えば総加算点数、総減算点数が更新される毎に)、ホールコンピュータ6と通信して、総加算点数及び総減算点数を、遊技点を管理する遊技点管理コンピュータに送信する。遊技点管理コンピュータは、ホールコンピュータ6を介してカードユニット3から受信した総加算点数に基づいて遊技データテーブルの「セーフ数」を更新し、ホールコンピュータ6を介してカードユニット3から受信した総減算点数に基づいて遊技データテーブルの「アウト数」を更新する。
このような遊技点方式スロットマシンでは、遊技者が獲得した遊技点数を付与遊技価値とし、遊技点管理コンピュータが記憶して管理している貯蓄遊技点数を貯蓄遊技価値として、上記の実施形態と同様の処理を行えばよい。振り分けを行う場合には、遊技点数の振り分けを可能とし、振分遊技点数を加算遊技価値として、上記の実施形態と同様の処理を行えばよい。
[5−2.管理装置]
上記の第1実施形態及び第2実施形態で説明した第1遊技用システム1A及び第2遊技用システム1Bでは、本発明に係る管理装置を玉管理コンピュータ8として説明したが、管理装置は玉管理コンピュータ8に限られないことは勿論である。
具体的には、カード管理コンピュータ7やホールコンピュータ6を本発明に係る管理装置としてもよい。また、会員の貯蓄管理データを管理する会員管理コンピュータと、ビジターの貯蓄管理データを管理するビジター管理コンピュータとを別個に設け、これらの会員管理コンピュータやビジター管理コンピュータを、本発明に係る管理装置としてもよい。また、上記の各種の管理コンピュータのうちの2以上の機能を兼ねた管理コンピュータを、本発明に係る管理装置としてもよい。
また、第3実施形態で説明した第3遊技用システム1Cでは、本発明に係る管理装置を管理コンピュータ140として説明したが、管理装置は管理コンピュータ140に限られないことは勿論である。例えば、カード会社に会員管理コンピュータやカード管理コンピュータを設置し、これらの管理コンピュータを本発明に係る管理装置としてもよい。また、これらの管理コンピュータのうちの2以上の機能を兼ねた管理コンピュータを、本発明に係る管理装置としてもよい。
[5−3.遊技用装置]
上記の実施形態では、本発明に係る遊技用装置を、カードユニット3やデータ表示装置4として説明したが、本発明に係る遊技用装置をこれらに限られるわけではない。加算遊技価値の加算を行うに際して遊技者が利用する遊技用装置であればよく、例えば、店舗内の所定場所に設置され、遊技者が振り分けを行う際に利用する振分装置やキオスク端末を、本発明に係る遊技用装置としてもよい。
また、上記の実施形態で説明したようなCR式の遊技機に対応して設けられるCRユニット(カードユニット3)に代えて、CRユニットの横に現金機用のサンドが付設されており、カードでも現金でも遊技を行うことが可能に構成されたダブルサンドを、本発明に係る遊技用装置としてもよい。
また、カードユニット3の液晶表示器313やデータ表示装置4の第1表示部430に振り分けに係る表示画面や特別画像画面を表示させるのではなく、各パチンコ機2に対応して該パチンコ機2の下部に設けられる各台計数機の前面に表示部を構成し、この表示部に上記の表示画面を表示させてもよい。
図76は、この場合における各台計数機7の表示部730の構成例を示す図である。
パチンコ機2の下部には、各台計数機7が設けられており、パチンコ機2の下皿24から排出された遊技玉を計数可能に構成されている。各台計数機7の前面には表示部730が設けられている。各台計数機7の制御ユニットは、上記の実施形態と同様の表示処理を行って、振り分けに係る表示画面や、特別画像に係る表示画面を表示させる。
また、上記の実施形態では、データ表示装置4の第1表示部430にタッチパネル421を設けることとし、遊技者が指で画面をタップすることにより店員の呼び出しやメニュー選択を行うこととして説明した。しかし、タッチパネル421の代わりに筐体に呼出ボタンやメニュー選択ボタンを設けることとし、遊技者が呼出ボタンやメニュー選択ボタンを押下することにより、店員の呼び出しやメニュー選択を行うようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、第1表示部430の左右に1つずつ第2表示部440を設けることとして説明したが、左右のいずれか一方にのみ第2表示部440を設けることとしてもよい。また、第2表示部440を基体部4Aから通路側に突出するように設けるのではなく、基体部4Aの側面に設けることとしてもよい。この場合も、左右の両方の側面に第2表示部440を設けてもよいし、左右のいずれか一方の側面にのみ第2表示部440を設けることとしてもよい。
また、上記の実施形態では、データ表示装置4を、ヒンジ部4Cにより扉部4Bを回動させることで、第2表示部440の角度を第1表示部430に対して相対的に変化させることが可能な構成として説明したが、第2表示部440の角度が第1表示部430に対して相対的に変化しないような固定的な構成とすることも可能である。この場合は、第2表示部440を形成した部材(以下、「サブ基体部」という。)が、基体部4Aに対して所定の開き角度を有するように、基体部4Aとサブ基体部とを一体的に構成すればよい。
具体的には、基体部4Aとサブ基体部とが重なり合った状態の開き角度を0°とし、その状態からサブ基体部を扉のように開いて(基体部4Aの一端を基準として回転させて)、サブ基体部が基体部4Aに対して垂直となった状態の開き角度を90°と定義した場合、サブ基体部の設置角度は、例えば、60°〜90°の角度範囲に含まれる設置角度とすることができる。この角度範囲に含まれる設置角度とすれば、遊技機で遊技する遊技者の遊技位置から第2表示部440を視認することはできないが、遊技島の端から周囲の遊技客が第2表示部440を視認することができる。
また、上記の他に、第2表示部440をデータ表示装置4の本体側面(左右両方の側面又は左右一方の側面)に配置することとしてもよい。つまり、基体部4Aから通路側に突出するようにサブ基体部を設けるのではなく、基体部4Aの側面にサブ基体部を設けることとしてもよい。
また、上記の第1実施形態では、特別画像表示をデータ表示装置4の第1表示部430に表示させることとして説明したが、第1表示部430ではなく、第2表示部440に特別画像表示を表示させることとしてもよい。
図78は、この場合に第2表示部440に表示される特別画像画面の一例を示す図である。この図には、第1所定画像としてドル箱を、第2所定画像として特箱を表示する場合の特別画像画面の一例を示している。なお、第1所定画像及び第2所定画像の表示方法は、第1実施形態及び第2実施形態で説明した表示方法と同様であるため、ここでは再度の説明を省略する。
なお、データ表示装置4の第1表示部430及び第2表示部440のいずれか一方の表示部に特別画像表示を表示させるのではなく、第1表示部430及び第2表示部440の両方の表示部に特別画像表示を表示させることとしてもよい。
また、第2表示部440は、必ずしも文字や数字で情報を表示するディスプレイである必要はなく、発光により情報を遊技客に報知するLEDランプとしてもよい。具体的には、例えば、円形や多角形(三角形や四角形、六角形等)のLEDランプを形成したサブ基体部をデータ表示装置4の本体側面(左右両方の側面又は左右一方の側面)に設けることでサイドランプを構成することができる。また、基体部4Aからブリッジを用いて通路側に突出させるような形でLEDランプを設けることとしてもよい。この場合、データ表示装置4の処理部410は、パチンコ機2の大当り中や確変中、潜伏確変中、時短中、空き台中といった情報を、それぞれ異なる発光色や発光パターンでLEDランプに発光させるように制御すればよい。
図79は、この場合におけるLEDランプの発光の設定に関するテーブルである発光設定用テーブルのテーブル構成の一例を示す図である。この発光設定用テーブルは、ホールコンピュータ6のメモリ(記憶装置)に予め記憶させておくことができる。そして、ホールコンピュータ6の処理部610は、この発光設定用テーブルに基づいて、データ表示装置4の第2表示部440の発光に関する設定を行う。
発光設定用テーブルには、種別と、番号と、LEDランプの発光設定とが対応付けて記憶されている。LEDランプの発光設定には、報知内容と、発光色と、発光パターンとが定められている。報知内容は、その発光色及び発光パターンにより遊技客に報知する内容である。
例えば、該パチンコ機2が空き台であることを示す「空き台情報」には、発光色として「青色」が、発光パターンとして「点灯」が定められている。つまり、該パチンコ機2が空き台である場合は、LEDランプが青色に点灯制御されることになる。
該パチンコ機2が大当り中であることを示す「大当り情報」には、発光色として「赤色」が、発光パターンとして「α秒の時間間隔で点滅」が定められている。つまり、該パチンコ機2が空き台である場合は、LEDランプが赤色に点滅制御されることになる。
該パチンコ機2が潜伏確変中であることを示す「潜伏確変情報」には、発光色として「緑色」が、発光パターンとして「β秒の時間間隔で点滅」が定められている。つまり、該パチンコ機2が潜伏確変中である場合は、LEDランプが緑色に点灯制御されることになる。
該パチンコ機2が潜伏確変中であることを示す「潜伏確変情報」には、発光色として「黄色」が、発光パターンとして「γ秒の時間間隔で点滅」が定められている。つまり、該パチンコ機2が時短中である場合は、LEDランプが黄色に点灯制御されることになる。
なお、上記のLEDランプの発光設定に係る報知内容と発光色、発光パターンとの対応関係は一例に過ぎず、適宜設計変更可能である。LEDランプの点滅の時間間隔(例えば上記のα秒、β秒、γ秒)も適宜設定することが可能である。また、固定的な発光色でLEDランプを発光させるのではなく、種々の発光色を組み合わせたイルミネーションによって周囲の遊技客に情報を発信するようにしてもよい。
また、データ表示装置4において、カードユニット3からデータ表示装置4に送信される付与遊技媒体数を特定可能な信号は、遊技者のローカル計数玉数を示す信号や、遊技者のローカル計数メダル数を示す信号に限られるわけではない。これらの信号に代えて、遊技媒体(遊技玉又は遊技メダル)の増減数を示す信号(以下、「遊技媒体増減数信号」と称す。)をデータ表示装置4に送信するようにしてもよい。この場合、データ表示装置4は、カードユニット3から送信される遊技媒体増減数信号に基づいて、遊技者のローカル計数玉数やローカル計数メダル数を更新することで、付与遊技媒体数を判定するようにすればよい。
また、上記の所持遊技媒体数を特定可能な信号を出力するタイミングは、所定の時間間隔毎のタイミングや、計数払出ユニット380の計数結果が所定数に達したタイミング、計数払出ユニット380の計数がなくなってから所定時間(例えば10秒)が経過したら計数を確定し、その確定を待ったタイミングといった間欠的なタイミングとすればよく、いずれのタイミングで信号を出力するかは、適宜設計変更可能である。
また、データ表示装置4の第1表示部430及び第2表示部440の表示内容に関して、第1表示部430にはパチンコ機2の種類に応じた情報を表示させ、第2表示部440にはパチンコ機2の種類に因らない情報を表示させるようにしてもよい。パチンコ機2の種類に因らない情報としては、大当り中、確変中、空き台中、回転数、入賞数等のパチンコ機2のスペックに直接的に依存しない情報が挙げられる。第1表示部430には、潜伏確変情報や時短情報、突確情報、小当り情報等のパチンコ機2の種類に依存する情報を表示させるように制御し、第2表示部440には、大当り中、確変中、空き台中、回転数、入賞数等のパチンコ機のスペックに直接的に依存しない情報を表示させるように制御すればよい。
また、上記の実施形態では、データ表示装置4がホールコンピュータ6から一斉演出表示指示信号を受信した場合に、一斉演出表示を行うこととして説明した。しかし、データ表示装置4が具備する時計部465の計時時刻に基づいて、一斉演出表示を行うようにしてもよい。この場合、パチンコ機2が具備するRTCとデータ表示装置4が具備する時計部465とを同期させて、パチンコ機2が一斉演出を行うのと同じタイミングで一斉演出表示を行うようにすればよい。
また、大当りランニング演出では、ホールコンピュータ6が大当りランニング演出用の表示指示信号を所定の遅延時間分の遅延をかけて各データ表示装置4に送信することで、大当りランニング演出を行うこととして説明したが、大当りランニング演出を実現するための構成はこれに限られるわけではない。
例えば、データ表示装置4同士を所定の通信ケーブルを用いて接続し、大当りランニング演出実行信号をこの通信ケーブルを用いて相互に伝送するようにしてもよい。この場合は、データ表示装置4が、隣接するデータ表示装置4から大当りランニング演出実行信号を受信した場合に、所定の時間差だけ時間をずらして大当りランニング映像を表示し、次のデータ表示装置4に大当りランニング演出実行信号を送信するようにすればよい。つまり、大当りランニング演出実行信号をデータ表示装置4の識別番号に応じて昇順又は降順に順次に伝送していくようにすることで大当りランニング演出を実現することができる。
また、上記の実施形態では、ローカル計数玉数を計数可能な計数装置を、計数払出ユニット380を備えるカードユニット3として説明した。しかし、遊技点方式スロットマシンでは、ローカル計数玉数に対応する持点によって遊技が行われ、持点は遊技機によって算出されるため、遊技用装置が計数装置を備える構成に限らず、遊技機が計数装置を備える構成とすることも可能である。
なお、遊技用装置のうち、情報表示装置の一種であるデータ表示装置4や呼出ランプ装置9は計数装置を具備しないため、計数装置によって計数が実行されたことを特定するために、計数が実行されたことを特定可能な信号(例えば計数中信号)を計数装置から受信することが必要となる。
また、遊技用装置のうち、情報表示装置の一種であるデータ表示装置4や呼出ランプ装置9は遊技媒体貸与処理装置を具備しないため、遊技媒体貸与処理装置によって貸与処理が実行されたことを特定するために、貸与処理が実行されたことを特定可能な信号(例えば玉貸中信号)を遊技媒体貸与処理装置から受信することが必要となる。
[5−4.被加算遊技価値/加算遊技価値]
上記のパチンコ機で遊技する実施形態では、振分先の遊技者が所有する当日貯玉数を付与遊技媒体数とし、この当日貯玉数に振分玉数を加算し、その合計玉数が貯蓄上限玉数を超えるか否かの判定を行うこととして説明した。しかし、付与遊技媒体数とすることができる遊技媒体数はこれに限られるわけではない。
図80は、加算遊技価値が加算される被加算遊技価値と、被加算遊技価値に加算される加算遊技価値との関係をケース別に示した図である。
ケース1は、被加算遊技価値を当日貯玉数とし、加算遊技価値を振分玉数又はビジターカードに対応付けられた持玉数とするケースである。このケースでは、(1)遊技者が会員カードを挿入した状態で、当該会員カードに対応付けられた当日貯玉数に他の遊技者から振り分けられる振分玉数を加算する場合と、(2)遊技者が会員カードを挿入した状態で、後からビジターカードを挿入して持玉の合算操作を行い、当該会員カードに対応付けられた当日貯玉数に、当該ビジターカードに対応付けられた持玉数を加算する場合と、が考えられる。この場合の当日貯玉数は、所定条件が成立する前に遊技者に付与された付与遊技価値に相当するため、ケース1は、所定条件が成立する前に遊技者に付与された付与遊技価値に加算遊技価値を加算するケースであると言える。なお、当日貯玉数は貯蓄遊技価値にも相当するため、ケース1は、貯蓄遊技価値に加算遊技価値を加算するケースであるとも言える。
ケース2は、被加算遊技価値をローカル計数玉数とし、加算遊技価値を振分玉数又は会員カードに対応付けられた当日貯玉数/過去貯玉数とするケースである。このケースでは、(1)遊技者が会員カードを挿入しない状態で遊技を行い、遊技で獲得したローカル計数玉数に他の遊技者から振り分けられる振分玉数を加算する場合と、(2)遊技者が会員カードを挿入しない状態で遊技を行い、後から会員カードを挿入することで、遊技で獲得したローカル計数玉数に、当該会員カードに対応付けられた当日貯玉数/過去貯玉数を加算する場合と、(3)遊技者が会員カードを挿入した状態で遊技を行い、遊技で獲得したローカル計数玉数に他の遊技者から振り分けられる振分玉数を加算する場合と、が考えられる。この場合のローカル計数玉数は、所定条件が成立する前に遊技者に付与された付与遊技価値に相当するため、ケース2は、所定条件が成立する前に遊技者に付与された付与遊技価値に加算遊技価値を加算するケースであると言える。
ケース3は、被加算遊技価値を貯蓄遊技価値である過去貯玉数とし、加算遊技価値を振分玉数又はビジターカードに対応付けられた持玉数とするケースである。このケースでは、(1)遊技者が会員カードを挿入した状態で遊技を行い、当該会員カードに対応付けられた過去貯玉数に他の遊技者から振り分けられる振分玉数を加算する場合と、(2)遊技者が会員カードを挿入した状態で遊技を行い、後からビジターカードを挿入することで、当該会員カードに対応付けられた過去貯玉数に当該ビジターカードに対応付けられた持玉数を加算する場合と、が考えられる。この場合の過去貯玉数は、遊技者が貯蓄済みの貯蓄遊技価値に相当するため、ケース3は、貯蓄遊技価値に加算遊技価値を加算するケースであると言える。
ケース1又はケース2では、所定条件が成立する前に遊技者に付与された付与遊技価値と、当該付与遊技価値に加算される加算遊技価値との合計である合計遊技価値が貯蓄上限値を超えるか否かを判定し、合計遊技価値が貯蓄上限値を超えると判定した場合に、遊技用装置が所定報知を行うケースである。この場合における合計遊技価値が貯蓄上限値を超えるか否かの判定は、上記の実施形態で説明したように、管理装置(例えば玉管理コンピュータ8)が行ってもよいし、振分先の遊技用装置(振分先カードユニット3Bや振分先データ表示装置4B)が行ってもよいし、振分元の遊技用装置(振分元カードユニット3Aや振分元データ表示装置4A)が行ってもよい。
ケース1又はケース3は、遊技者が貯蓄済みの貯蓄遊技価値と、当該貯蓄遊技価値に加算される加算遊技価値との合計である合計遊技価値が貯蓄上限値を超えるか否かを判定し、合計遊技価値が貯蓄上限値を超えると判定された場合に、所定報知を行うケースである。この場合における合計遊技価値が貯蓄上限値を超えるか否かの判定も、上記の実施形態で説明したように、管理装置(例えば玉管理コンピュータ8)が行ってもよいし、振分先の遊技用装置(振分先カードユニット3Bや振分先データ表示装置4B)が行ってもよいし、振分元の遊技用装置(振分元カードユニット3Aや振分元データ表示装置4A)が行ってもよい。
ケース3は、過去貯玉を用いて遊技を行うことが可能な遊技用システムに適用する場合に好適なケースである。店舗によっては、当日貯玉と過去貯玉とを別個に使用して、パチンコ機での遊技を行うことが可能な店舗がある。但し、過去貯玉を使用して遊技を行う場合には、手数料が必要となる場合がある。この場合において、遊技者の中には、積極的に過去貯玉を使用して遊技を行うことを希望する遊技者も存在する。このような遊技者は、当日貯玉数やローカル計数玉数に加算遊技価値を加算するよりも、過去貯玉数に加算遊技価値を加算することを望む場合があるため、ケース3はこのような場合に好適なケースであると言える。
なお、ケース1〜ケース3において、他の遊技者に振り分ける際の振分玉種別は、ローカル計数玉としてもよいし、会員カードに対応付けられている当日貯玉数や過去貯玉数としてもよいし、ビジターカードに対応付けられている持玉数としてもよい。例えば、ケース3において、一の遊技者が、自身が所持する会員カードに対応付けられている過去貯玉の中から振り分けを行うことを可能とし、一の遊技者が過去貯玉数の中から他の遊技者に振り分ける振分玉数を指定するようにして、過去貯玉同士の振り分けを行うことができるようにしてもよい。
また、ケース1〜ケース3において、上記の各種の振分玉種別の振分玉数が加算される被加算玉種別も、上記の振分玉種別と同様に、ローカル計数玉数としてもよいし、会員カードに対応付けられている当日貯玉数や過去貯玉数としてもよいし、ビジターカードに対応付けられている持玉数としてもよい。
つまり、遊技用カード(主として会員カード)が挿入されている場合の振り分けにより、「貯玉」となり得る玉の合計玉数が貯蓄上限玉数を超えるか否かの判定を行うようにすればよく、いずれの玉種別を振分玉種別や被加算玉種別として処理を行うかは、自由に設定することが可能である。
また、ケース1〜ケース3のいずれのケースに対応する加算遊技価値の加算を実現するかを、遊技者が選択することを可能としてもよい。例えば、振り分けを行う場合において、振分先の遊技用装置の表示部に、「当日貯玉に加算」、「ローカル計数玉に加算」、「過去貯玉に加算」の3種類の項目を表示するようにし、これらの項目の中から遊技者が一の項目を指定して、いずれの玉種別に振分玉数を加算させるかを選択することができるようにしてもよい。
なお、図80では、遊技価値をパチンコ機で遊技する場合の玉数として図示・説明したが、上記のように、遊技価値をスロットマシンで遊技する場合のメダル数とする場合についても同様のことが言えるため、繰り返しの説明を省略する。また、前述したように、遊技価値を遊技点方式スロットマシンで遊技する場合の遊技点とする場合についても同様のことが言えるため、繰り返しの説明を省略する。
[5−5.振分玉数に対する判定]
上記のケース2において、振分先の遊技者のローカル計数玉数が“0”である場合に、振分元の遊技者から振り分けられる振分玉数が貯蓄上限玉数を超えるか否かを判定し、振分玉数が貯蓄上限玉数を超えると判定した場合に、振り分けができないことを振分元の遊技者及び振分先の遊技者に報知するようにしてもよい。
ローカル計数玉数が“0”であれば、振分先の遊技者は、貯蓄上限玉数まで貯玉をすることができる。このため、振分先カードユニット3Bで計数されたローカル計数玉数を判定し、判定したローカル計数玉数が“0”である場合に、振分元の遊技用装置で指定された振分玉数が貯蓄上限玉数を超えるか否かを判定し、超えると判定した場合に、所定報知を行うようにしてもよい。
この場合における振分玉数が貯蓄上限玉数を超えるか否かの判定は、上記の実施形態で説明したように、管理装置(例えば玉管理コンピュータ8)が行ってもよいし、振分先の遊技用装置(振分先カードユニット3Bや振分先データ表示装置4B)が行ってもよいし、振分元の遊技用装置(振分元カードユニット3Aや振分元データ表示装置4A)が行ってもよい。
[5−6.所定報知]
上記の実施形態では、合計遊技価値が貯蓄上限値を超える場合に、所定報知として、合計遊技価値が貯蓄上限値を超えることを示すメッセージを遊技用装置が備える表示部に表示させることとして説明した。しかし、所定報知はこれに限られるわけではない。
具体的には、所定報知として、合計遊技価値が貯蓄上限値を超えることを示す音声メッセージや警告音等の特定のエラー音を、遊技用装置が備える音出力部(スピーカ)から音出力させるようにしてもよい。また、他の所定報知として、遊技用装置が備える発光部(ランプ)を規定色(例えば赤色)で点灯/点滅させるなどして、合計遊技価値が貯蓄上限値を超えることを遊技者に報知してもよい。
なお、上記の各種の所定報知の例は、貯玉可否判定処理によって貯玉が不可であると判定した場合に遊技用装置が行う所定報知についても同様に適用可能である。
[5−7.仮加算]
上記の実施形態では、合計遊技価値が貯蓄上限値を超える場合に、遊技価値の加算を行わないこととして説明したが、合計遊技価値が貯蓄上限値を超えるか否かに関わらず、遊技価値を仮加算するようにしてもよい。そして、この仮加算によって得られた仮加算遊技価値が貯蓄上限値を超えるか否かを判定し、仮加算遊技価値が貯蓄上限値を超えると判定した場合に、遊技用装置に所定報知を行わせるようにしてもよい。
この場合における仮加算は、上記の実施形態と同様に、管理装置(例えば玉管理コンピュータ8)が行ってもよいし、振分先の遊技用装置(振分先カードユニット3Bや振分先データ表示装置4B)が行ってもよいし、振分元の遊技用装置(振分元カードユニット3Aや振分元データ表示装置4A)が行ってもよい。
また、管理装置側では仮加算によって得られた仮加算遊技価値を記憶しておき、所定条件の成立(例えば締め処理の実行)に応じて、記憶している仮加算遊技価値のうち、貯蓄上限値を超えた分の遊技価値を無効化して、貯蓄遊技価値が貯蓄上限値となるように調整を行うこととしてもよい。
[5−8.乗り入れ]
上記の実施形態において、貯玉許否判定処理によって貯玉不可と判定された場合に、貯玉の乗り入れを可能としてもよい。乗り入れとは、遊技媒体の貸与レート(例えば4円)と同レートの貯玉数/持玉数が払出単位の玉数(例えば125玉)に満たない場合に、他レート(例えば1円)の貯玉数/持玉数を当該貸与レートの貯玉数/持玉数に変換する機能のことを言う。
例えば、貸与レートを4円とする場合において、貯玉許否判定処理によって貯玉不可と判定された場合に、遊技用装置(例えばカードユニット3)が、他の貸与レートである2円や1円であれば、貯玉の乗り入れが可能であることを報知する乗り入れ報知処理を行うようにしてもよい。貯玉上限値を100万円相当とした場合、貸与レートが4円の場合には貯蓄上限玉数は「25万発」であるが、貸与レートが2円の場合には「50万発」であり、貸与レートが1円の場合には「100万発」であるため、高い貸与レートから低い貸与レートへの貯玉の乗り入れが可能である。
乗り入れ報知処理では、「4円レートでは貯玉することができませんが、2円レートや1円レートなら貯玉することができます。」といったメッセージを遊技用装置の表示部に表示させるなどして、遊技者に対して乗り入れをお勧めするようにすればよい。そして、カードユニット3が、4円レートの貯玉数を、2円レートや1円レートの貯玉数に変換するレート変換処理を行うようにすればよい。
なお、この乗り入れは、上記の実施形態で説明した振り分けによって貯玉数に振分玉数を加算する場合において、合計玉数が貯蓄上限玉数を超える場合についても同様に適用することが可能である。
[5−9.特別画像表示]
上記の実施形態では、付与遊技価値をローカル計数玉数とし、ローカル計数玉数の増減に応じた特別画像を表示させる特別画像表示処理を実行することとして説明した。しかし、特別画像を表示させるための付与遊技価値はローカル計数玉数に限られるわけではない。具体的には、付与遊技価値を当日貯玉数とし、当日貯玉数の増減に応じた特別画像を表示させる特別画像表示処理を実行することとしてもよい。また、ビジターカードに対応付けられた持玉数の増減に応じた特別画像を表示させる特別画像表示処理を実行することとしてもよい。
また、上記の各種の玉種別の玉数に基づいて、振り分けに応じて特別画像の表示を更新するようにしてもよい。つまり、ローカル計数玉数ばかりでなく、当日貯玉数や過去貯玉数が更新される毎に、特別画像の表示を更新するようにしてもよい。また、ローカル計数玉数と当日貯玉数との合計玉数や、ローカル計数玉数と過去貯玉数との合計玉数、当日貯玉数と過去貯玉数との合計玉数といったように、上記の各種の玉種別のうちの一部の玉種別の合計玉数又は全部の玉種別の合計玉数に基づいて特別画像表示処理を実行することとし、これらの合計玉数が更新される毎に、特別画像の表示を更新するようにしてもよい。
また、上記の遊技点方式スロットマシンでは、遊技点によって遊技が行われる。そこで、遊技者が獲得した遊技点数の増減に応じて特別画像を表示させる特別画像表示処理を実行することとしてもよい。この場合は、遊技点数に対する閾値を定めておき、遊技者が獲得した遊技点数に対する閾値判定を行って、所定画像(第1所定画像及び第2所定画像)の表示/非表示を行うようにすればよい。
また、カードユニット3で計数されるローカル計数玉数は、計数払出ユニット380に流入した遊技玉が、計数センサにより検出され、1球の遊技玉の検出に応じて所定パルスの検出信号が計数払出ユニット380から制御ユニット300に対して出力されて、これに応じて制御ユニット300において記憶されるローカル計数玉数が1ずつ増加する例について説明した。つまり、1球の遊技玉が検出されたことに基づいて直ちにローカル計数玉数が1増加する例について説明した。
しかし、このような形態に限らず、1球の遊技玉が検出されたことに基づいて、直ちにローカル計数玉数を更新せずに、一旦「計数玉数」を更新させ(1増加させ)、(1)所定期間内(例えば10秒以内)に「計数玉数」が増加しなかったこと、(2)所定期間内の「計数玉数」の増加数が所定値より小さくなったこと、(3)所定期間内の「計数玉数」の増加率が所定率より小さくなったこと、等の所定条件に基づいて、「計数玉数」をローカル計数玉数に加算するようにしてもよい。
例えば、大当り遊技状態のときには、所定期間内に「計数玉数」が増加するため、大当り遊技状態中(ラウンド中)はローカル計数玉数が増加せず、「計数玉数」が大当り種別(大当り遊技状態に制御されている期間)に応じた数(例えば1000〜2000)まで増加する。そして、大当り遊技状態が終了して、大入賞口への入賞に基づく賞球の払出が終了した後のタイミングで、「計数玉数」がローカル計数玉数に加算されることになる。この場合には、ローカル計数玉数が急激に変化することになるが、前述した特別画像表示処理によって、適切に第1所定画像及び第2所定画像を表示させることが可能となる。
[5−10.その他]
上記の封入方式パチンコ機2Bや遊技点方式スロットマシンを本発明に係る遊技機とする場合において、広域の店舗に設置された全ての遊技機に通番のIDを割り当て、所定の管理装置が、各店舗に設置された全ての遊技機の遊技情報を管理・集計する遊技用システムを構築することが可能である。
ここで、「広域」とは、例えば、所定の区域(例えば都道府県別の区域)とすることもできるし、全国とすることもできる。この場合、一の店舗に設置されたホールコンピュータ6が、他の店舗に設置された遊技機での遊技に関連する情報を、自店舗に設置された遊技用装置に表示させるような遊技用システムを構築することが可能である。これにより、例えば、上記の第3遊技用システム1Cにおいて、自店舗の遊技情報及び他店舗の遊技情報を、データ表示装置4の第2表示部440に表示させるようにすることができる。
図76は、この場合にデータ表示装置4の第2表示部440に表示される表示画面の一例を示す図である。
第2表示部440には、封入方式パチンコ機2Bの機種である「パチンコXXX」について、自店の大当り平均回数である当店大当り平均回数と、他店であるA店の大当り平均回数とがそれぞれ表示されている。また、A店よりも自店の大当り平均回数の方が多かったため、「当店の方が大当り回数が多いです!!」というメッセージが表示されている。このような表示を行うことで、周囲の遊技客は、該店舗の封入方式パチンコ機2Bの大当り回数に加えて、他店舗の封入方式パチンコ機2Bの大当り回数を知ることができ、どの店舗で遊技を行えば有利であるかを把握することができる。
この他にも、上記の遊技用装置の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための表示装置における表示動作やスピーカにおける音出力動作、さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
また、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、遊技用装置が備えるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態としてもよいし、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態としても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態としてもよい。
上記の実施形態における技術思想は、管理装置及び遊技用装置全般に適用できる。また、上記の実施形態では、遊技者が表示部を指し示す位置をタッチパネルに対するタップ操作によって検出しているが、これに限らず、例えば、赤外線CCDカメラ(モーションセンサ)で遊技者の手指を撮像して、この撮像データに基づいてカメラコントローラが指示位置を検出してもよい。また、遊技者の指し示す指示位置を検出する手段は、赤外線CCDカメラに限らず、赤外線センサやその他の非接触型の検出手段であってもよい。
また、遊技用記録媒体は、上記の実施形態で説明した遊技用カードに限られるわけではなく、遊技者が所持する遊技用コインや携帯電話機(スマートフォンを含む。)等の遊技用記録媒体であってもよい。
また、遊技用装置による遊技用記録媒体の受付方式は、カードユニット3への遊技用カードや遊技用コインの挿入による方式に限られるわけではない。例えば、カードユニット3やデータ表示装置4等の遊技用装置の前面所定位置にICリーダライタを設けることとし、ICチップが埋め込まれた遊技用カード(ICカード)や携帯電話機を遊技者がICリーダライタに翳すことで、遊技用記録媒体を受け付ける非接触式の受付方式を採用してもよい。