JP2016085927A - 複合発電システム及び複合発電システムの制御方法 - Google Patents

複合発電システム及び複合発電システムの制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016085927A
JP2016085927A JP2014219665A JP2014219665A JP2016085927A JP 2016085927 A JP2016085927 A JP 2016085927A JP 2014219665 A JP2014219665 A JP 2014219665A JP 2014219665 A JP2014219665 A JP 2014219665A JP 2016085927 A JP2016085927 A JP 2016085927A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
gas
power generation
sofc
ratio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014219665A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6486649B2 (ja
Inventor
雄一 寺本
Yuichi Teramoto
雄一 寺本
弘毅 入江
Hiroki Irie
弘毅 入江
卓磨 永井
Takuma Nagai
卓磨 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Hitachi Power Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Hitachi Power Systems Ltd filed Critical Mitsubishi Hitachi Power Systems Ltd
Priority to JP2014219665A priority Critical patent/JP6486649B2/ja
Publication of JP2016085927A publication Critical patent/JP2016085927A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6486649B2 publication Critical patent/JP6486649B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】燃料電池に供給される混合ガスのS/C比を簡易かつ適切に調整することが可能な複合発電システム及び複合発電システムの制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】複合発電システム10は、SOFC12及びSOFC12から排出される排燃料ガスを用いて運転されるガスタービン16を備え、SOFC12からガスタービン16へ排燃料ガスを供給する排燃料供給ライン32と、排燃料供給ライン32から分岐して設けられ、排燃料ガスをSOFC12に戻す再循環ライン33と、SOFC12に対し、排燃料ガスを含む混合ガスを供給する燃料供給ライン24と、混合ガス中の炭素1個に対する水蒸気のモル比率であるS/C比と、SOFC12の運転状況に応じて要求される規定のS/C比とに基づいて、燃料供給ライン24内に水を噴霧するスプレイ38とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池と内燃機関を組み合わせて行う複合発電システム及び複合発電システムの制御方法に関するものである。
燃料ガスと酸素とを化学反応させることにより発電する燃料電池が知られている。このうち、固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell、以下「SOFC」という。)は、電解質としてジルコニアセラミックスなどのセラミックスが用いられ、都市ガス、天然ガス、石油、メタノール、石炭ガス化ガスなどを燃料として運転される燃料電池である。
また、SOFCと内燃機関である例えばガスタービンとを組み合わせて発電を行う複合発電システムも知られている。
下記の特許文献1には、燃料電池システム及び複合発電システムにおいて、燃料利用率の向上と、燃料供給に伴い必要となる水蒸気の供給の効率化を図るため、複数の燃料電池で燃料及び水蒸気の再利用を行う技術が開示されている。また、特許文献2には、燃料電池システムにおける燃料電池の停止動作において、セルスタックを確実に保護するため、気化器がセルスタックの有する顕熱で水を加熱し、セルスタックの燃料極側に水蒸気を供給する技術が開示されている。
特許第3917838号公報 特開2014−137976号公報
SOFCとガスタービンとを組み合わせて発電を行う複合発電システムにおいて、発電によって生じた水を燃料の改質に再利用する、及び、排燃料の顕熱を供給燃料の昇温に用いるため、排燃料ガスの一部をSOFCに戻し(再循環させ)ている。そのため、SOFCから排出された排燃料ガスをガスタービンに供給する排燃料供給ラインには、排燃料ガスの一部をSOFCに戻す再循環ラインが設けられている。
再循環ラインを経由した排燃料ガスの再循環を行う場合において、C析出防止と改質率促進のためにSOFCに供給される混合ガスのS/C比(混合ガス中の炭素1個に対する水蒸気のモル比率)が規定値よりも低いとき、燃料供給ラインを介して水蒸気を供給することによって、不足する水蒸気を補っていた。
また、定格発電時の負荷よりも低い部分負荷時に、SOFCから排出された排燃料ガスの再循環だけで水蒸気供給を行う場合、負荷が低いと発電反応で生成される水の量も少なくなるので再循環流量を多くする必要がある。その結果、再循環ブロワは、定格発電時以上の流量を供給可能な容量を備えなければならない。
さらに、SOFCの運転中において、S/C比は、規定値(例えば4、又は水蒸気供給などによるS/C比の調整が難しい場合は、4よりも高い値を所定値としてもよい。)となるように制御される。しかし、SOFCの起動時又は停止動作時、再循環流量に対して供給される燃料の流量が少ないと、相対的にS/C比が高くなり、場合によってはS/C比が10まで到達することもあった。S/C値が高すぎると、最終的に排出される排ガス中のHO含有量が増加し、この潜熱分が無駄な熱量として系外に排出されるためシステム効率が低下する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、燃料電池に供給される混合ガスのS/C比を簡易かつ適切に調整することが可能な複合発電システム及び複合発電システムの制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の複合発電システム及び複合発電システムの制御方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係る複合発電システムは、燃料電池及び前記燃料電池から排出される排燃料ガスを用いて運転される内燃機関を備える複合発電システムであって、前記燃料電池から前記内燃機関へ前記排燃料ガスを供給する排燃料供給系統と、前記排燃料供給系統の分岐点から分岐して設けられ、前記排燃料ガスを前記燃料電池に戻す再循環系統と、前記燃料電池に対し、燃料ガスと前記排燃料ガスを含む混合ガスを供給する燃料供給系統と、前記混合ガス中の水蒸気量と炭素量の比であるS/C比と、前記燃料電池の運転状況に応じて要求される規定のS/C比とによって算出された、前記再循環系統に供給する水の流量に基づいて、前記再循環系統内に前記水を噴霧する噴霧器とを備える。
この構成によれば、混合ガス中のS/C比と要求される規定のS/C比が異なるとき、両方のS/C比に基づいて、噴霧器によって、燃料供給系統内に水が噴霧されることから、適切な水量を燃料供給系統内に供給でき、混合ガスを適切なS/C比に調整することができる。
上記発明において、前記排燃料供給系統にて、前記分岐点よりも上流側に設けられるブロワを更に備え、前記ブロワの容量は、前記燃料電池が定格発電時に前記再循環系統を流れるガスの流量を最大流量として決定されている。
この構成によれば、ブロワによって再循環系統に排燃料ガスが供給され、SOFCに排燃料の一部が戻される。そして、噴霧器によって、燃料供給系統に水が噴霧されることから、再循環流量を増加させることなく、混合ガスを適切なS/C比に調整することができるため、ブロワの容量を低く抑えることができる。
上記発明において、前記排燃料供給系統にて、前記ブロワよりも上流側に設けられるオリフィスと、前記排燃料供給系統にて、前記分岐点よりも下流側に設けられる制御弁とを更に備える。
この構成によれば、オリフィスによって圧損が生じ、燃料系統の圧力が上がりやすくなるため空気系統と燃料系統の系統差圧を設けることができ、再循環系統との分岐点よりも下流側に設けられる制御弁によって、空気系統と燃料系統の系統差圧及び再循環流量が調整される。上記構成において、噴霧器によって、燃料供給系統に水が噴霧されることから、再循環流量を増加させることなく、混合ガスを必要なS/C比に調整することができ、再循環流量の流量範囲が限定される。したがって、再循環流量の範囲を限定されるため、差圧調整範囲が小さくなり、ブロワよりも上流側(SOFCと再循環ラインの分岐点との間)に設けられていた差圧制御弁の代わりにオリフィスを設置し、再循環ラインの分岐点よりも下流側に設けられる制御弁によって、系統差圧及び再循環流量を調整するため、システムの簡素化を図ることができる。
上記発明において、前記燃料電池の起動時又は停止動作において、前記燃料供給系統に水蒸気の供給を行わず、前記噴霧器によって前記混合ガスのS/C比を調整する。
この構成によれば、起動時又は停止動作において、水蒸気の供給ではなく、噴霧器による水の供給が行われることから、新たに供給する燃料ガスが少ないときにも混合ガスのS/C比の制御を容易に行うことができる。また、停止動作時には、燃料電池を冷却することができ、停止までの時間を短縮できる。
本発明に係る複合発電システムの制御方法は、燃料電池及び前記燃料電池から排出される排燃料ガスを用いて運転される内燃機関を備える複合発電システムの制御方法であって、排燃料供給系統にて、前記燃料電池から前記内燃機関へ前記排燃料ガスを供給するステップと、前記排燃料供給系統の分岐点から分岐して設けられる再循環系統にて、前記分岐点よりも上流側に設けられるブロワにより前記排燃料ガスを前記燃料電池に戻すステップと、燃料供給系統にて、前記燃料電池に対し、燃料ガスと前記排燃料ガスを含む混合ガスを供給するステップと、噴霧器が、前記混合ガス中の水蒸気量と炭素量の比であるS/C比と、前記燃料電池の運転状況に応じて要求される規定のS/C比とに基づいて、前記再循環系統内に水を噴霧するステップとを含む。
本発明によれば、燃料電池に供給される混合ガスのS/C比を簡易かつ適切に調整することができる。
本発明の一実施形態に係る複合発電システムを示す構成図である。 本発明の一実施形態に係る複合発電システムの運転制御装置を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る複合発電システムの運転制御装置及びスプレイの動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るセルスタックを示す部分拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係るSOFCモジュールを示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るSOFCカートリッジを示す断面図である。
以下に、本発明の一実施形態に係る複合発電システムについて、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る複合発電システム10の構成図である。
複合発電システム10は、燃料電池及び燃料電池から排出される燃料ガスを用いて運転される内燃機関を組み合わせて発電を行う。なお、複合発電システム10は、常時監視が行われている。
燃料電池であるSOFC12は、空気極に酸化性ガス(本実施形態では空気)が供給されるとともに燃料極に燃料ガスが供給されることにより発電を行う。SOFC12は、圧力容器14に覆われている。また、SOFC12は、圧力容器14内の圧力を計測する圧力センサ15A及び圧力容器14内の温度を計測する温度センサ15Bが備えられる。
内燃機関は、一例として小型のガスタービン(以下「マイクロガスタービン」又は「MGT」という。)16である。
MGT16は、圧縮した空気をSOFC12の空気極に供給するコンプレッサ18、空気極から排出された排出空気、燃料極から排出された排燃料ガス及び燃料ガス(本実施形態では都市ガス)が供給され、高温の燃焼ガスを生成する燃焼器20、燃焼器20から排出された燃焼ガスにより回転駆動するタービン22が設けられる。
SOFC12には、燃料供給ライン24を介して、還元性ガス(本実施形態では水素ガス)、水蒸気、不活性ガス(本実施形態では窒素ガス)、及び燃料ガス(本実施形態では都市ガス)の混合ガスが供給可能とされる。また、還元性ガス供給ラインには減圧弁28Aが設けられ、各ガスに対応する供給ラインには開閉弁28B〜28Eが設けられている。
燃料ガスとしては、都市ガス(CNG)のほか、例えば、液化天然ガス(LNG)、水素(H2)および一酸化炭素(CO)、メタン(CH4)などの炭化水素ガス系ガス、石炭など炭素質原料のガス化設備により製造したガスも用いることが可能である。
SOFC12から排出された排燃料ガスは、排燃料供給ライン32によって燃焼器20へ供給されると共に、一部の排燃料ガスが再循環ライン33を介してSOFC12へ戻される。再循環ライン33にはスプレイ38が設けられる。スプレイ38は、再循環ライン33に水を直接噴霧して、再循環ライン33を流れる排燃料ガスに水を供給する。
排燃料供給ライン32には、SOFC12と再循環ライン33の分岐点との間に、オリフィス34及び再循環ブロワ36が上流側から順に設けられる。オリフィス34は、排燃料供給ライン32内で、オリフィス34の上流側と下流側との間に圧力差を生じさせる。再循環ブロワ36は、SOFC12から排出されるガスをSOFC12へ循環させつつ、燃焼器20にガスを供給する。
排燃料供給ライン32には、再循環ライン33との分岐点よりも後流側にて、すなわち、再循環ライン33の分岐点と燃焼器20の間に、開閉弁40と制御弁41が上流側から順に設けられる。
排燃料供給ライン32は、SOFC12とオリフィス34の間で分岐され、排出ライン42によって排燃料ガスをパージ(系外へ排出)可能とされている。排出ライン42には、開閉弁44が設けられている。これにより、複合発電システム10内の燃料ガスは、開閉弁44が開かれるとパージされる。
また、SOFC12は、コンプレッサ18で圧縮され、空気予熱器(再生熱交換器)48で予熱された空気が空気供給ライン46を介して供給される。空気供給ライン46には、コンプレッサ18からの空気の流量を制御する制御弁50が備えられる。
制御弁50の下流には、減圧弁47及び開閉弁49を備えた空気/窒素ガス供給ラインが接続されている。なお、図示の空気/窒素ガス供給ラインは、空気又は窒素ガスのいずれか一方を供給する流路である。
SOFC12から排出された空気は、排出空気供給ライン56によって燃焼器20へ供給される。排出空気供給ライン56には、開閉弁60が備えられる。
排出空気供給ライン56は、分岐され、排出ライン62によって空気をパージ可能とされている。排出ライン62には、開閉弁64が設けられている。これにより、複合発電システム10内の空気は、開閉弁64が開かれるとパージされる。
図2は、本実施形態に係る運転制御装置80の電気的構成を示すブロック図である。運転制御装置80は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記録媒体等に記録されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。
運転制御装置80は、S/C比算出部81と、S/C比比較部82と、スプレイ制御部83を備える。
S/C比算出部81は、例えば、SOFC12に供給する水蒸気流量、燃料ガス流量、再循環流量などに基づいて、現時点においてSOFC12に供給されている混合ガスのS/C比を算出する。混合ガスのS/C比の算出方法は、一般的に用いられる方法を適用することができ、メモリ等に保存されたテーブルや算出式を参照して運転条件から算出してもよいし、運転時に実際に配管に流れる水蒸気流量や燃料ガス流量を測定して算出してもよい。算出結果は、S/C比比較部82に送られる。
S/C比比較部82は、運転状況、例えば起動時、SOFC発電負荷状況、停止動作時などに応じて要求される規定のS/C比と、S/C比算出部81で算出された現時点におけるS/C比を比較する。比較結果は、スプレイ制御部83に送られる。
スプレイ制御部83は、S/C比比較部82における比較結果に基づいて、スプレイ38が再循環ライン33に供給する水量を算出する。そして、スプレイ制御部83は、算出された水量を供給できるスプレイ38の開度を算出する。スプレイ制御部83は、算出された開度に関する制御信号をスプレイ38に送信する。制御信号を受信したスプレイ38は、開度が調整されて、算出されたS/C比に基づいて求められた水量を再循環ライン33に供給できる。
以下、図3を参照して、運転制御装置80及びスプレイ38の動作について説明する。
まず、S/C比算出部81において、現時点でSOFC12に供給されている混合ガスのS/C比が算出される(ステップS1)。
次に、S/C比比較部82において、運転状況に応じて要求される規定のS/C比と、S/C比算出部81で算出された現時点におけるS/C比が比較される(ステップS2)。
そして、スプレイ制御部83において、S/C比比較部82における比較結果に基づいて、スプレイ38が再循環ライン33に供給する水量が算出される(ステップS3)。
また、算出された水量を供給できるスプレイ38の開度が算出され(ステップS4)、スプレイ制御部83からスプレイ38へ、算出された開度に関する制御信号が送られる(ステップS5)。
その後、スプレイ38において、開度が調整されて(ステップS6)、再循環ライン33に水が噴霧される(ステップS7)。以上より、運転状況に応じて要求される規定のS/C比となるように、水が再循環ライン33に供給される。例えば、S/C比が不足する場合は、スプレイ38の開度が開く方向に調整されて、供給する水量を増加させる。一方、S/C比が過剰である場合は、開度が閉じる方向に調整されて、供給する水量を減少させるか、スプレイ38が完全に閉じられて、水の供給を停止する。
次に、運転状況に応じて要求される規定のS/C比とするため、SOFC12の再循環ライン33、すなわち燃料供給側に投入される水の供給量について説明する。水は、スプレイ38によって供給される。また、再循環ライン33のガス温度は、スプレイで供給された水を加熱して蒸気とするのに十分高い温度である。
水の供給量は、以下のとおり、起動時、定格運転時、停止動作時ごとにそれぞれ望ましい値に設定される。
起動時の水供給量は、排燃料ガスの再循環流量と、SOFC12へ新たに供給する燃料ガスの流量に基づいて、SOFC12での改質反応に必要な流量、例えば、S/C比が4となるように水供給量が決定される。
なお、起動時の排燃料ガスの再循環流量は、(1)各カートリッジへの分配性を確保できる流量、又は、(2)ドレン化防止のため、再循環ライン33の配管放熱によるガス温度低下を抑制できる流量のいずれかに設定される。なお、再循環ライン33の配管に保温装置(例えばトレースヒータ)を設置している場合は、(2)の流量設定は、除外してよく、(1)による流量設定が行われる。
定格運転時の水供給は、SOFC12の発電反応で生成された水が再循環ライン33を介してSOFC12に供給されるため、原則、不要である。なお、定格運転時の排燃料ガスの再循環流量は、SOFC12での改質反応に必要な流量、例えば、S/C比が4となる流量に設定される。
停止動作時の水供給量は、排燃料ガスの再循環流量と、SOFC12へ新たに供給する燃料ガスの流量に基づいて、SOFC12での改質反応に必要な流量、例えば、S/C比が4となるように水供給量が決定される。また、停止動作時の水供給量は、セルスタックを冷却するのに必要な流量となるように水供給量が決定されてもよい。供給された水の蒸発潜熱を利用することによって、再循環ライン33を流れるガスの温度を低下させることができ、セルスタックの冷却が可能となる。
なお、停止動作時の排燃料ガスの再循環流量は、(1)各カートリッジへの分配性を確保できる流量、又は、(2)セルスタックを冷却するのに必要な流量のいずれかに設定される。なお、(2)については、完全停止となるまでに掛かる時間を短縮したい場合に設定される。その他の放熱により冷却させる場合は、(2)の流量設定は、除外してよく、(1)による流量設定が行われる。
また、上記説明では、S/C比が4となるように、水供給量や再循環流量を調整することが望ましいと説明しているが、本発明は、この例に限定されない。
例えば、S/C比は、2以上であれば、炭素析出防止の効果が得られるため、S/C≧2であることが好ましい。また、S/C比の値が大きすぎると、例えば、S/C≧10以上であると、排燃料ガス中の水が増加し、この潜熱分が無駄な熱量として系外に排出されることになるため、システム効率が低下する。したがって、S/C比は10未満であるとよい。
以上、本実施形態によれば、スプレイ38による水供給を行うことによって、SOFC12の低負荷運転時などにおいてSOFC12に供給される混合ガスのS/C比が低下したとき、S/C比を高めることができる。また、停止動作時などにおいてSOFC12の発電室を冷却することができる。すなわち、水の蒸発潜熱を利用して発電室の冷却を促進し、SOFCが停止するまでの時間を短縮できる。
従来、SOFCの起動時(昇温段階)など、開閉弁28Cを介した燃料供給ライン24側の水蒸気供給を行う場合、新たに供給する燃料ガスの流量が少ないと、放熱によりドレン化しやすく流量や圧力が不安定となるため、水蒸気の流量調整が難しい。例えば、SOFC12の起動時又は停止動作時、再循環流量に対して供給される燃料の流量が少ないため、相対的にS/C比が高くなってしまう。
一方、本実施形態のように、スプレイ38による水供給を行う場合、液体を制御し、再循環ライン33に水を直接噴霧することから、水蒸気供給に比べて流量を調整しやすい。そのため、燃料ガスの流量に応じて、適切な量の水を供給することができることから、S/C比が過剰になることを防止できる。
また、SOFC12の低負荷運転時など、SOFC12から排出された排燃料ガスの再循環だけで運転を行う場合、負荷が低いときは発電反応で生成される水の量も少なくなるので、S/C比を高くするためには再循環流量を多くする必要がある。そのため、再循環ブロワ36は、定格発電時以上の流量を供給可能な容量を備えなければならない。
一方、本実施形態のように、スプレイ38による水供給を行う場合、水蒸気供給に比べて流量を調整しやすいことから、再循環流量を上げてS/C比を高めに設定しておく必要がない。そのため、SOFC12の低負荷運転時における再循環流量は、通常運転条件範囲内で増加させ、定格発電時の流量を最大とするように制御すればよく、従来に比べて再循環ブロワ36の小容量化を図ることができる。
また、再循環流量の流量範囲が限定されるため、SOFC12と再循環ライン33の分岐点との間に設けられる差圧制御弁の代わりにオリフィス34を設け、再循環ライン33の分岐点と燃焼器20の間に設けられる制御弁41で、系統差圧及び再循環流量を調整できる。したがって、差圧制御弁を設ける代わりにオリフィス34を設置することから、差圧制御弁を省略でき、システムの簡素化を図ることができる。
また、S/C比の調整は、スプレイ38で行うため、燃料供給側の水供給を最低流量又はゼロにすることができる。従来、水蒸気を供給するため、水を加熱する補助ボイラを用いていたが、本実施形態によれば補助ボイラが不要となり、かつ、コストも低減できる。さらに、緊急トリップ時などの停止動作時において、補助ボイラの立ち上げを待つ時間も不要になる。
以下、本実施形態に係る複合発電システム10に適用されるSOFCの一例について説明する。
以下においては、説明の便宜上、紙面を基準として「上」及び「下」の表現を用いて各構成要素の位置関係を特定するが、鉛直方向に対して必ずしもこの限りである必要はない。例えば、紙面における上方向が鉛直方向における下方向に対応してもよい。また、紙面における上下方向が鉛直方向に直行する水平方向に対応してもよい。
また、以下においては、固体酸化物形燃料電池(SOFC)のセルスタックとして円筒形を例として説明するが、必ずしもこの限りである必要はなく、例えば平板形のセルスタックであってもよい。
(円筒形セルスタックの構造)
まず、図4を参照して本実施形態に係る円筒形セルスタックについて説明する。ここで、図4は、本実施形態に係るセルスタックの一態様を示すものである。セルスタック101は、円筒形状の基体管103と、基体管103の外周面に複数形成された燃料電池セル105と、隣り合う燃料電池セル105の間に形成されたインターコネクタ107とを有する。燃料電池セル105は、燃料極109と固体電解質111と空気極113とが積層して形成されている。また、セルスタック101は、基体管103の外周面に形成された複数の燃料電池セル105の内、基体管103の軸方向において最も端に形成された燃料電池セル105の空気極113に、インターコネクタ107を介して電気的に接続されたリード膜115を有する。
(セルスタックの各構成要素の材料と機能の説明)
基体管103は、多孔質材料からなり、例えば、CaO安定化ZrO(CSZ)、又はY安定化ZrO2(YSZ)、又はMgAlとされる。この基体管103は、燃料電池セル105とインターコネクタ107とリード膜115とを支持すると共に、基体管103の内周面に供給される燃料ガスを基体管103の細孔を介して基体管103の外周面に形成される燃料極109に拡散させるものである。
燃料極109は、Niとジルコニア系電解質材料との複合材の酸化物で構成され、例えば、Ni/YSZが用いられる。この場合、燃料極109は、燃料極109の成分であるNiが燃料ガスに対して触媒作用を有する。この触媒作用は、基体管103を介して供給された燃料ガス、例えば、メタン(CH)と水蒸気との混合ガスを反応させ、水素(H)と一酸化炭素(CO)に改質するものである。また、燃料極109は、改質により得られる水素(H)及び一酸化炭素(CO)と、固体電解質111を介して供給される酸素イオン(O2−)とを固体電解質111との界面付近において電気化学的に反応させて水(HO)及び二酸化炭素(CO)を生成するものである。なお、燃料電池セル105は、この時、酸素イオンから放出される電子によって発電する。
固体電解質111は、ガスを通しにくい気密性と、高温で高い酸素イオン導電性とを有するYSZが主として用いられる。この固体電解質111は、空気極で生成される酸素イオン(O2−)を燃料極に移動させるものである。
空気極113は、例えば、LaSrMnO系酸化物、又はLaCoO系酸化物で構成される。この空気極113は、固体電解質111との界面付近において、供給される空気等の酸化性ガス中の酸素を解離させて酸素イオン(O2−)を生成するものである。
インターコネクタ107は、SrTiO系などのM1−xTiO(Mはアルカリ土類金属元素、Lはランタノイド元素)で表される導電性ペロブスカイト型酸化物から構成され、燃料ガスと酸化性ガスとが混合しないように緻密な膜となっている。また、インターコネクタ107は、酸化雰囲気と還元雰囲気との両雰囲気下で安定した電気導電性を有する。このインターコネクタ107は、隣り合う燃料電池セル105において、一方の燃料電池セル105の空気極113と他方の燃料電池セル105の燃料極111とを電気的に接続し、隣り合う燃料電池セル105同士を直列に接続するものである。リード膜115は、電子伝導性を有すること、及びセルスタック101を構成する他の材料との熱膨張係数が近いことが必要であることから、Ni/YSZ等のNiとジルコニア系電解質材料との複合材で構成されている。このリード膜115は、インターコネクタにより直列に接続される複数の燃料電池セル105で発電された直流電力をセルスタック101の端部付近まで導出すものである。
(SOFCモジュールの構造と各要素の機能の説明)
次に、図5と図6とを参照して本実施形態に係るSOFCモジュール及びSOFCカートリッジについて説明する。ここで、図5は、本実施形態に係るSOFCモジュールの一態様を示すものである。また、図6は、本実施形態に係るSOFCカートリッジの一態様の断面図を示すものである。
SOFCモジュール201は、図5に示すように、例えば、複数のSOFCカートリッジ203と、これら複数のSOFCカートリッジ203を収納する圧力容器205とを有する。また、SOFCモジュール201は、燃料ガス供給管207と複数の燃料ガス供給枝管207aとを有する。またSOFCモジュール201は、燃料ガス排出管209と複数の燃料ガス排出枝管209aとを有する。また、SOFCモジュール201は、酸化性ガス供給管(不図示)と酸化性ガス供給枝管(不図示)とを有する。また、SOFCモジュール201は、酸化性ガス排出管(不図示)と複数の酸化性ガス排出枝管(不図示)とを有する。
燃料ガス供給管207は、図示しない圧力容器205の外部に設けられ、SOFCモジュール201の発電量に対応して所定ガス組成と所定流量の燃料ガスを供給する燃料ガス供給部に接続されると共に、複数の燃料ガス供給枝管207aに接続されている。この燃料ガス供給管207は、上述の燃料ガス供給部から供給される所定流量の燃料ガスを、複数の燃料ガス供給枝管207aに分岐して導くものである。また、燃料ガス供給枝管207aは、燃料ガス供給管207に接続されると共に、複数のSOFCカートリッジ203に接続されている。この燃料ガス供給枝管207aは、燃料ガス供給管207から供給される燃料ガスを複数のSOFCカートリッジ203に略均等の流量で導き、複数のSOFCカートリッジ203の発電性能を略均一化させるものである。
燃料ガス排出枝管209aは、複数のSOFCカートリッジ203に接続されると共に、燃料ガス排出管209に接続されている。この燃料ガス供給枝管209aは、SOFCカートリッジ203から排出される排燃料ガスを燃料ガス排出管209に導くものである。また、燃料ガス排出管209は、複数の燃料ガス供給枝管209aに接続されると共に、一部が圧力容器205の外部に配置されている。この燃料ガス排出管209は、燃料ガス排出枝管209aから略均等の流量で導出される排燃料ガスを圧力容器205の外部に導くものである。
圧力容器205は、内部の圧力が0.1MPa〜約1MPa、内部の温度が大気温度〜約550℃で運用されるので、耐力性と酸化性ガス中に含まれる酸素などの酸化剤に対する耐食性を保有する材質が利用される。例えばSUS304などのステンレス系材が好適である。
ここで、本実施例においては、複数のSOFCカートリッジ203が集合化されて圧力容器205に収納される態様について説明しているが、これに限られず例えば、SOFCカートリッジ203が集合化されずに圧力容器205内に収納される態様とすることもできる。
(SOFCカートリッジの構造と各要素の機能の説明)
SOFCカートリッジ203は、図6に示す通り、複数のセルスタック101と、発電室215と、燃料ガス供給室217と、燃料ガス排出室219と、酸化性ガス供給室221と、酸化性ガス排出室223とを有する。また、SOFCカートリッジ203は、上部管板225aと、下部管板225bと、上部断熱体227aと、下部断熱体227bとを有する。なお、本実施例においては、SOFCカートリッジ203は、燃料ガス供給室217と燃料ガス排出室219と酸化性ガス供給室221と酸化性ガス排出室223とが図6のように配置されることで、燃料ガスと酸化性ガスとがセルスタック101の内側と外側とを対向して流れる構造となっているが、必ずしもこの必要はなく、例えば、セルスタックの内側と外側とを平行して流れる、または酸化性ガスがセルスタックの長手方向と直交する方向へ流れるようにしても良い。
発電室215は、上部断熱体227aと下部断熱体227bとの間に形成された領域である。この発電室215は、セルスタック101の燃料電池セル105が配置され、燃料ガスと酸化性ガスとを電気化学的に反応させて発電を行う領域である。また、この発電室215のセルスタック101長手方向の中央部付近での温度は、燃料電池モジュール201の定常運転時に、およそ700℃〜1100℃の高温雰囲気となる。
燃料ガス供給室217は、SOFCカートリッジ203の上部ケーシング229aと上部管板225aとに囲まれた領域である。また、燃料ガス供給室217は、上部ケーシング229aに備えられた燃料ガス供給孔231aによって、図示しない燃料ガス供給枝管207aと連通されている。また、燃料ガス供給室217には、セルスタック101の一方の端部が、セルスタック101の基体管105の内部が燃料ガス排出室219に対して開放して配置されている。この燃料ガス供給室217は、図示しない燃料ガス供給管枝207aから燃料ガス供給孔231aを介して供給される燃料ガスを、複数のセルスタック101の基体管105の内部に略均一流量で導き、複数のセルスタック101の発電性能を略均一化させるものである。
燃料ガス排出室219は、SOFCカートリッジ203の下部ケーシング229bと下部管板225bとに囲まれた領域である。また、燃料ガス排出室219は、下部ケーシング229bに備えられた燃料ガス排出孔231bによって、図示しない燃料ガス排出枝管209aと連通されている。また、燃料ガス排出室219には、セルスタック101の他方の端部が、セルスタック101の基体管105の内部が燃料ガス排出室219に対して開放して配置されている。この燃料ガス排出室219は、複数のセルスタック101の基体管105の内部を通過して燃料ガス排出室219に供給される排燃料ガスを集約して、燃料ガス排出孔231bを介して図示しない燃料ガス排出枝管209aに導くものである。
SOFCモジュール201の発電量に対応して所定ガス組成と所定流量の酸化性ガスを酸化性ガス供給枝管へと分岐して、複数のSOFCカートリッジ203へ供給する。酸化性ガス供給室221は、SOFCカートリッジ203の下部ケーシング229bと下部管板225bと下部支持体227bとに囲まれた領域である。また、酸化性ガス供給室221は、下部ケーシング229bに備えられた酸化性ガス供給孔233aによって、図示しない酸化性ガス供給枝管と連通されている。この酸化性ガス供給室221は、図示しない酸化性ガス供給枝管から酸化性ガス供給孔233aを介して供給される所定流量の酸化性ガスを、後述する酸化性ガス供給隙間235aを介して発電室215に導くものである。
酸化性ガス排出室223は、SOFCカートリッジ203の上部ケーシング229aと上部管板225aと上部支持体227aとに囲まれた領域である。また、酸化性ガス排出室223は、上部ケーシング229aに備えられた酸化性ガス排出孔233bによって、図示しない酸化性ガス排出枝管と連通されている。この酸化性ガス排出室223は、発電室215から、後述する酸化性ガス排出隙間235bを介して燃料ガス排出室223に供給される排酸化性ガスを、酸化性ガス排出孔233bを介して図示しない第3酸化性ガス排出枝管209bに導くものである。
上部管板225aは、上部ケーシング229aの天板と上部断熱体227aとの間に、上部管板225aと上部ケーシング229aの天板と上部断熱体227aとが略平行になるように、上部ケーシング229aの側板に固定されている。また上部管板225aは、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101の本数に対応した複数の孔を有し、該孔にはセルスタック101が夫々挿入されている。この上部管板225aは、複数のセルスタック101の一方の端部をシール部材及び接着部材のいずれか一方又は両方を介して気密に支持すると共に、燃料ガス供給室217と酸化性ガス排出室223とを隔離するものである。
下部管板225bは、下部ケーシング229bの底板と下部断熱体227bとの間に、下部管板225bと下部ケーシング229bの底板と下部断熱体227bとが略平行になるように下部ケーシング229bの側板に固定されている。また下部管板225bは、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101の本数に対応した複数の孔を有し、該孔にはセルスタック101が夫々挿入されている。この下部管板225bは、複数のセルスタック101の他方の端部をシール部材及び接着部材のいずれか一方又は両方を介して気密に支持すると共に、燃料ガス排出室219と酸化性ガス供給室221とを隔離するものである。
上部断熱体227aは、上部ケーシング229aの下端部に、上部断熱体227aと上部ケーシング229aの天板と上部管板225aとが略平行になるように配置され、上部ケーシング227aの側板に固定されている。また、上部断熱体227aには、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101の本数に対応して、複数の孔が設けられている。この孔の直径はセルスタック101の外径よりも大きく設定されている。上部断熱体227aは、この孔の内面と、上部断熱体227aに挿通されたセルスタック101の外面との間に形成された酸化性ガス排出隙間235bを有する。
この上部断熱体227aは、発電室215と酸化性ガス排出室223とを仕切るものであり、上部管板225aの周囲の雰囲気が高温化し強度低下や酸化性ガス中に含まれる酸化剤による腐食が増加することを抑制する。上部管板225a等はインコネルなどの高温耐久性のある金属材料から成るが、上部管板225a等が発電室215内の高温に晒されて上部管板225a等内の温度差が大きくなることで熱変形することを防ぐものである。また、上部断熱体227aは、発電室215を通過して高温に晒された排酸化性ガスを、酸化性ガス排出隙間235bを通過させて酸化性ガス排出室223に導くものである。
本実施例によれば、上述したSOFCカートリッジ203の構造により、燃料ガスと酸化性ガスとがセルスタック101の内側と外側とを対向して流れるものとなっている。このことにより、排酸化性ガスは、基体管105の内部を通って発電室105に供給される燃料ガスとの間で熱交換がなされ、金属材料から成る上部管板225a等が座屈などの変形をしない温度に冷却されて酸化性ガス排出室223に供給される。また、燃料ガスは、発電室215から排出される排酸化性ガスとの熱交換により昇温され、発電室215に供給される。その結果、ヒーター等を用いることなく発電に適した温度に予熱昇温された燃料ガスを発電室215に供給することができる。
下部断熱体227bは、下部ケーシング229bの上端部に、下部断熱体227bと下部ケーシング229bの底板と下部管板225bとが略平行になるように配置され、上部ケーシング227aの側板に固定されている。また、下部断熱体227bには、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101の本数に対応して、複数の孔が設けられている。この孔の直径はセルスタック101の外径よりも大きく設定されている。下部断熱体227bは、この孔の内面と、下部断熱体227bに挿通されたセルスタック101の外面との間に形成された酸化性ガス供給隙間235aを有する。
この下部断熱体227bは、発電室215と酸化性ガス供給室221とを仕切るものであり、下部管板225bの周囲の雰囲気が高温化し強度低下や酸化性ガス中に含まれる酸化剤による腐食が増加することを抑制する。下部管板225b等はインコネルなどの高温耐久性のある金属材料から成るが、下部管板225b等が高温に晒されて下部管板225b等内の温度差が大きくなることで熱変形することを防ぐものである。また、下部断熱体227bは、酸化性ガス供給室233に供給される酸化性ガスを、酸化性ガス供給隙間235aを通過させて発電室215に導くものである。
本実施例によれば、上述したSOFCカートリッジ203の構造により、燃料ガスと酸化性ガスとがセルスタック101の内側と外側とを対向して流れるものとなっている。このことにより、基体管105の内部を通って発電室215を通過した排燃料ガスは、発電室215に供給される酸化性ガスとの間で熱交換がなされ、金属材料から成る下部管板225b等が座屈などの変形をしない温度に冷却されて燃料ガス排出室219に供給される。また、酸化性ガスは排燃料ガスとの熱交換により昇温され、発電室215に供給される。その結果、ヒーター等を用いることなく発電に必要な温度に昇温された酸化性ガスを発電室215に供給することができる。
発電室215で発電された直流電力は、複数の燃料電池セル105に設けたNi/YSZ等からなるリード膜115によりセルスタック101の端部付近まで導出した後に、SOFCカートリッジ203の集電棒(不図示)に集電板(不図示)を介して集電して、各SOFCカートリッジ203の外部へと取り出される。前記集電棒によってSOFCカートリッジ203の外部に導出された電力は、各SOFCカートリッジ203の発電電力を所定の直列数および並列数へと相互に接続され、SOFCモジュール201の外部へと導出されて、図示しないインバータなどにより所定の交流電力へと変換されて、電力負荷へと供給される。
10 複合発電システム
12 SOFC(燃料電池)
16 ガスタービン(内燃機関)
18 コンプレッサ
20 燃焼器
22 タービン
24 燃料供給ライン(燃料供給系統)
32 排燃料供給ライン(排燃料供給系統)
33 再循環ライン(再循環系統)
34 オリフィス
36 再循環ブロワ(ブロワ)
38 スプレイ(噴霧器)
41 制御弁

Claims (5)

  1. 燃料電池及び前記燃料電池から排出される排燃料ガスを用いて運転される内燃機関を備える複合発電システムであって、
    前記燃料電池から前記内燃機関へ前記排燃料ガスを供給する排燃料供給系統と、
    前記排燃料供給系統の分岐点から分岐して設けられ、前記排燃料ガスを前記燃料電池に戻す再循環系統と、
    前記燃料電池に対し、燃料ガスと前記排燃料ガスを含む混合ガスを供給する燃料供給系統と、
    前記混合ガス中の水蒸気量と炭素量の比であるS/C比と、前記燃料電池の運転状況に応じて要求される規定のS/C比とによって算出された、前記再循環系統に供給する水の流量に基づいて、前記再循環系統内に前記水を噴霧する噴霧器と、
    を備える複合発電システム。
  2. 前記排燃料供給系統にて、前記分岐点よりも上流側に設けられるブロワを更に備え、
    前記ブロワの容量は、前記燃料電池が定格発電時に前記再循環系統を流れるガスの流量を最大流量として決定されている請求項1に記載の複合発電システム。
  3. 前記排燃料供給系統にて、前記ブロワよりも上流側に設けられるオリフィスと、
    前記排燃料供給系統にて、前記分岐点よりも下流側に設けられる制御弁と、
    を更に備える請求項2に記載の複合発電システム。
  4. 前記燃料電池の起動時又は停止動作において、前記燃料供給系統に水蒸気の供給を行わず、前記噴霧器によって前記混合ガスのS/C比を調整する請求項1から3のいずれか1項に記載の複合発電システム。
  5. 燃料電池及び前記燃料電池から排出される排燃料ガスを用いて運転される内燃機関を備える複合発電システムの制御方法であって、
    排燃料供給系統にて、前記燃料電池から前記内燃機関へ前記排燃料ガスを供給するステップと、
    前記排燃料供給系統の分岐点から分岐して設けられる再循環系統にて、前記分岐点よりも上流側に設けられるブロワにより前記排燃料ガスを前記燃料電池に戻すステップと、
    燃料供給系統にて、前記燃料電池に対し、燃料ガスと前記排燃料ガスを含む混合ガスを供給するステップと、
    噴霧器が、前記混合ガス中の水蒸気量と炭素量の比であるS/C比と、前記燃料電池の運転状況に応じて要求される規定のS/C比とに基づいて、前記再循環系統内に水を噴霧するステップと、
    を含む複合発電システムの制御方法。
JP2014219665A 2014-10-28 2014-10-28 複合発電システム及び複合発電システムの制御方法 Active JP6486649B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014219665A JP6486649B2 (ja) 2014-10-28 2014-10-28 複合発電システム及び複合発電システムの制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014219665A JP6486649B2 (ja) 2014-10-28 2014-10-28 複合発電システム及び複合発電システムの制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016085927A true JP2016085927A (ja) 2016-05-19
JP6486649B2 JP6486649B2 (ja) 2019-03-20

Family

ID=55973881

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014219665A Active JP6486649B2 (ja) 2014-10-28 2014-10-28 複合発電システム及び複合発電システムの制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6486649B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018139207A (ja) * 2016-11-22 2018-09-06 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 燃料電池システムおよびその停止方法
JP2019145394A (ja) * 2018-02-22 2019-08-29 三菱日立パワーシステムズ株式会社 複合発電システム、複合発電システムの運転切替方法及び複合発電システムの運転切替プログラム

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000353534A (ja) * 1999-06-10 2000-12-19 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd アノードリサイクルラインを有する燃料電池発電設備
JP2003197243A (ja) * 2001-11-19 2003-07-11 General Motors Corp <Gm> 急速始動及び操作制御のための統合化燃料処理装置
JP2006100223A (ja) * 2004-09-30 2006-04-13 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 複合発電システム及び複合発電システムの運転方法
JP2009205930A (ja) * 2008-02-27 2009-09-10 Mitsubishi Heavy Ind Ltd コンバインドシステム
JP2014089823A (ja) * 2012-10-29 2014-05-15 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 複合発電システム及び複合発電システムの運転方法
JP2014110226A (ja) * 2012-12-04 2014-06-12 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 燃料電池システムおよび燃料電池運転方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000353534A (ja) * 1999-06-10 2000-12-19 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd アノードリサイクルラインを有する燃料電池発電設備
JP2003197243A (ja) * 2001-11-19 2003-07-11 General Motors Corp <Gm> 急速始動及び操作制御のための統合化燃料処理装置
JP2006100223A (ja) * 2004-09-30 2006-04-13 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 複合発電システム及び複合発電システムの運転方法
JP2009205930A (ja) * 2008-02-27 2009-09-10 Mitsubishi Heavy Ind Ltd コンバインドシステム
JP2014089823A (ja) * 2012-10-29 2014-05-15 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 複合発電システム及び複合発電システムの運転方法
JP2014110226A (ja) * 2012-12-04 2014-06-12 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 燃料電池システムおよび燃料電池運転方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018139207A (ja) * 2016-11-22 2018-09-06 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 燃料電池システムおよびその停止方法
JP2019145394A (ja) * 2018-02-22 2019-08-29 三菱日立パワーシステムズ株式会社 複合発電システム、複合発電システムの運転切替方法及び複合発電システムの運転切替プログラム
JP7043288B2 (ja) 2018-02-22 2022-03-29 三菱重工業株式会社 複合発電システム、複合発電システムの運転切替方法及び複合発電システムの運転切替プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP6486649B2 (ja) 2019-03-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6472638B2 (ja) 複合発電システム、その制御装置及び方法並びにプログラム
JP6616054B1 (ja) 燃料電池システム及び複合発電システム並びに燃料電池システムの制御方法
KR102132314B1 (ko) 연료 전지의 온도 분포 제어 시스템, 연료 전지 및 온도 분포 제어 방법
JP2018087501A (ja) 複合発電システムの制御装置、複合発電システム、複合発電システムの制御方法および複合発電システムの制御プログラム
JP5980144B2 (ja) 発電システム、発電システムの運転方法、及び制御装置
JP2018088324A (ja) 複合発電システムの制御装置、複合発電システム、複合発電システムの制御方法および複合発電システムの制御プログラム
JP6486649B2 (ja) 複合発電システム及び複合発電システムの制御方法
JP6352147B2 (ja) 複合発電システム及び複合発電システムの制御方法
JP6239229B2 (ja) 燃料電池システムおよび燃料電池運転方法
JP6165609B2 (ja) 燃料電池およびその運転方法
JP2017117550A (ja) 燃料電池カートリッジ及び燃料電池モジュール並びに燃料電池カートリッジの制御装置及び制御方法
JP7383515B2 (ja) 発電システム並びにその制御装置、制御方法、及び制御プログラム
JP6980045B2 (ja) 燃料電池発電システム
JP2018137092A (ja) 燃料電池および複合発電システムならびにその運転方法
JP2017142919A (ja) 燃料電池−水素製造システムおよびその運転方法
JP2018028988A (ja) 発電システム及びその保護制御方法
JP2018006005A (ja) 燃料電池の制御装置及び制御方法並びに発電システム
JP6632911B2 (ja) 燃料電池及び燃料電池複合発電システム並びに燃料電池の停止方法
WO2022092054A1 (ja) 燃料電池発電システム
US20230395830A1 (en) Fuel cell power generation system and control method for fuel cell power generation system
US20230395832A1 (en) Fuel cell power generation system and control method of fuel cell power generation system
WO2021171884A1 (ja) 燃料電池システム及びその制御方法
JP2017152313A (ja) 燃料電池複合発電システム及びその運転方法
JP2016091816A (ja) 複合発電システムの制御装置及び方法並びにプログラム、それを備えた複合発電システム
JP2023179893A (ja) 燃料電池システム

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20170721

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180529

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180911

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181211

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20181218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190220

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6486649

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350